JP2005040204A - 超音波内視鏡装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】先端部をより小型にした超音波内視鏡を備えた超音波内視鏡装置を提供すること。
【解決手段】セクタ走査ユニット30は、超音波振動子31と、モータハウジング32と、第1駆動モータと、セクタユニット本体34とで主に構成される。モータハウジング32の外周面には超音波振動子31と位置検出用部材35とが設けられる。第1モータ33は三相ブラシレスモータであり、通電状態を適宜選択的に切り替えることによって回転状態又はロック状態に切り替えられる。平板部34bの先端面側中央部には検知部36が設けられる。駆動回路12aから出力される振動子駆動信号は超音波振動子31に伝送され、生体組織で反射して超音波振動子31で受信したエコー信号は画像処理回路12bに伝送される。検知部36で位置検出用部材35を検知したとき出力される検知信号は制御回路12cに出力される。
【選択図】図2
【解決手段】セクタ走査ユニット30は、超音波振動子31と、モータハウジング32と、第1駆動モータと、セクタユニット本体34とで主に構成される。モータハウジング32の外周面には超音波振動子31と位置検出用部材35とが設けられる。第1モータ33は三相ブラシレスモータであり、通電状態を適宜選択的に切り替えることによって回転状態又はロック状態に切り替えられる。平板部34bの先端面側中央部には検知部36が設けられる。駆動回路12aから出力される振動子駆動信号は超音波振動子31に伝送され、生体組織で反射して超音波振動子31で受信したエコー信号は画像処理回路12bに伝送される。検知部36で位置検出用部材35を検知したとき出力される検知信号は制御回路12cに出力される。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波内視鏡の先端部に配設された超音波振動子を、セクタ方向に回転させて、超音波断層画像を得る超音波内視鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、超音波振動子から生体組織内に超音波パルスを繰り返し送信し、生体組織から反射される超音波パルスのエコー信号を同一あるいは別体に設けた超音波振動子で受信して、二次元的な可視像である超音波断層画像として表示することにより、病気の診断等に用いることができるようにした超音波診断装置が種々提案されている。
【0003】
この超音波診断装置で使用される超音波内視鏡や超音波プローブにおいては、挿入部の先端部に超音波振動子を配設し、この超音波振動子を例えば機械的にセクタ方向、或いは、ラジアル方向に回転させながら超音波パルスを送信して、セクタ走査あるいはラジアル走査を行えるものが実用化されている。
【0004】
ラジアル走査によって得られる超音波断層画像は、管腔内360度の画像を得られるので、体内のような管腔内の病変部を診断する際に適している。これに対して、セクタ走査で得られる超音波断層画像では、病変部と穿刺針との位置関係をとらえられるので、超音波断層画像ガイド下で穿刺や生検を行う際に適している。
【0005】
例えば、特許2876510号公報には回転駆動伝達系に起因するロータの回転位置誤差をなくし、また、オイルシール等の液封止機構を必要とせずに液封止が可能な信頼性の高いセクタ走査を行う機械走査式超音波探触子が示されている。
【0006】
【特許文献1】特許2876510号公報(頁2、3 図1及び図2)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特許2876510号公報に示されている機械走査式超音波探触子では、回転駆動伝達系に起因するロータの回転位置誤差をなくすためにZ相用エンコーダを設けるとともに、ロータの側面にA相用エンコーダ及びB相用エンコーダを設ける構成を取っていたため、先端部の小型化が難しい。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、先端部をより小型にした超音波内視鏡を備えた超音波内視鏡装置を提供することを目的にしている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の超音波内視鏡装置は、先端部に、超音波振動子を外周面に配置させた環状部材及びこの環状部材を回転させて超音波振動子をセクタ走査させる駆動モータを少なくとも備えて構成される、セクタ走査ユニットを設けた超音波内視鏡と、前記超音波振動子を駆動する振動子駆動信号及びこの超音波振動子で受信したエコー信号を基に超音波断層映像信号を生成する超音波断層画像処理部を有する超音波観測装置とを具備する超音波内視鏡装置であって、
前記セクタ走査ユニットを構成する前記駆動モータによって回転される前記環状部材の所定位置に回転基準位置検出手段を設けている。
【0010】
この構成によれば、回転基準位置検出手段が検知状態になったときに管状部材に配置された超音波振動子の位置の特定を行える。
【0011】
また、前記超音波観測装置が備える超音波断層画像処理部によって超音波断層画像を生成するとき、
前記超音波断層画像の書き出し開始位置を、前記回転基準位置検出手段から送信される検知信号を元に、前記環状部材に配置されている超音波振動子が非超音波観察領域内に位置したときに補正設定する。
【0012】
これらの構成によれば、セクタ走査を行って超音波断層画像を得る際、回転基準位置検出手段が検出した検知信号を基に、駆動モータによって回転される管状部材の回転速度を考慮して、超音波振動子の回転移動位置が非超音波観察領域内に位置しているときを超音波断層画像の書き出し開始位置に適宜補正設定することにより、超音波振動子の回転にむらが生じた場合、この回転むらによって発生する画像重複部や画像欠け部等の不具合部が画面上に表示される画像中の非超音波観測領域部内になるので、画面上には良好な超音波観測領域部の画像が表示される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1ないし図10は本発明の一実施形態に係り、図1は超音波内視鏡装置を説明する図、図2は超音波内視鏡の先端部の構成を説明する図、図3は超音波内視鏡のセクタ走査を説明する図、図4はセクタ走査によって超音波断層画像を構築するときの画像書き出し位置と、その超音波断層画像の一例を説明する図、図5はセクタ走査によって超音波断層画像を構築するとき、画像書き出し位置を超音波観測領域内に設けたときの超音波断層画像を説明する図、図6は超音波内視鏡のラジアル走査を説明する図、図7はセクタ走査によって構築された超音波断層画像の一例を説明する図、図8は穿刺針を関心領域部に穿刺している状態を説明する図、図9はセクタ走査による超音波断層画像中に表示される関心領域部及び針画像とを説明する図、図10は穿刺針を関心領域部に穿刺している状態を説明する別の図である。
【0014】
なお、図2(a)は超音波内視鏡の挿入部を正面から見たときの図、図2(b)は超音波内視鏡の挿入部の先端部分を側方から見たときの一部断面図を含む側面図、図2(c)は超音波内視鏡の挿入部の先端部分を上方から見たときの一部断面図を含む平面図、図3(a)はセクタ走査状態を説明する平面図、図3(b)はセクタ走査状態を説明する側面図、図5(a)は観察に適する関心領域部が表示された超音波断層画像を示す図、図5(b)は観察に不適な欠け部を有する分割された関心領域部画像が表示された超音波断層画像を示す図、図5(c)は観察に不適な重複部を有する関心領域部画像が表示された超音波断層画像を示す図、図6(a)はラジアル走査状態を説明する平面図、図6(b)はラジアル走査状態を説明する側面図、図8(a)は関心領域部に穿刺針を選炭した状態を説明する図、図8(b)は穿刺針が刺入線に対して真っ直ぐに刺入されたときの状態を示す平面図、図8(c)は穿刺針が刺入線に対して真っ直ぐに刺入されたときの状態を示す正面図、図9(a)は関心領域部に穿刺針の先端が配置されている状態を示す超音波断層画像を説明する図、図9(b)は関心領域部と穿刺針の先端が消失した針画像が表示された超音波断層画像を説明する図、図9(c)は関心領域部に穿刺針の先端が配置されている状態を示す超音波断層画像を説明する図、図10(a)は穿刺針が刺入線に対して真っ直ぐに刺入されなかったときの状態を説明する図、図10(b)は振動子中心線を変化させて穿刺針の先端に位置している状態を説明する図である。
【0015】
図1に示すように本実施形態の超音波診断装置は超音波内視鏡1と、超音波観測装置10と、内視鏡画像や超音波断層画像が表示される表示装置11とを備えた超音波内視鏡装置である。
前記超音波内視鏡1は、体腔内に挿入される細長の挿入部2と、この挿入部2の基端に位置する操作部3と、この操作部3の例えば側部から延出するユニバーサルコード4とで主に構成されている。
【0016】
前記ユニバーサルコード4の基端部には図示しない光源装置に接続される内視鏡コネクタ4aが設けられている。この内視鏡コネクタ4aの側部からは図示しない内視鏡観察装置に電気コネクタ5aを介して着脱自在に接続される電気ケーブル5及び超音波観測装置10に超音波コネクタ6aを介して着脱自在に接続される超音波ケーブル6が延出している。
【0017】
前記挿入部2は、先端側から順に硬質な樹脂部材で形成した先端部7と、この先端部7に連設する湾曲自在な湾曲部8と、この湾曲部8に連設して前記操作部3の先端部に至る細径かつ長尺で可撓性を有する可撓管部9とで構成されている。
【0018】
前記先端部7の先端側には超音波を送受する超音波振動子(図2の符号31参照)や第1駆動モータ(図2(b)の符号33参照)及び第2駆動モータ(図2(b)の符号43参照)等を備えた超音波振動子部20が設けられている。
【0019】
一方、前記超音波観測装置10には、前記超音波内視鏡1の超音波振動子31を駆動する振動子駆動信号を生成する駆動回路12aやこの超音波振動子31から伝送される電気信号(エコー信号)を基に超音波断層画像用の映像信号を生成する超音波断層画像処理部である画像処理回路12b、前記駆動回路12a及び画像処理回路12bを制御する制御回路12c等を有する信号処理部12や、駆動モータ等に電力を供給する電源部13等が設けられている。
【0020】
なお、前記操作部3には前記湾曲部8を所望の方向に湾曲制御するアングルノブ14、送気及び送水操作を行うための送気・送水ボタン15a、吸引操作を行うための吸引ボタン15b、処置具の入り口となる処置具挿入口16等が設けられている。
【0021】
図1ないし図2(b)に示すように前記先端部7には先端傾斜面7aが形成されている。この先端傾斜面7aには内視鏡光学系の照明光学系を構成する図示しないライトガイドの先端面に臨まれる照明窓17a及び観察光学系を構成する図示しない撮像素子の撮像面前方に配置された観察窓17bが設けられている。符号18aは穿刺針等の処置具の出口になる超音波振動子31の中心線上に略一致する処置具チャンネルの先端開口であり、符号18bは処置具の突出方向を変化させる処置具起上台である。符号19に示す起上ノブを操作することによって回動動作するようになっている。
【0022】
図2(a)ないし図2(c)に示すように前記超音波振動子部20にはセクタ走査ユニット30及びラジアル走査ユニット40が配設されている。
前記先端部7の前方側には前記超音波振動子部20を構成する先端キャップ25が固設されている。この先端キャップ25は、超音波透過性に優れた高密度ポリエチレン、ポリメチルペンテン等の超音波を透過する樹脂製弾性体で円筒形状に形成されている。この先端キャップ25の先端部は例えば半球状に形成されており、キャップ内部には流動パラフィン等の超音波伝達媒体26が充満されるようになっている。
【0023】
ここで、まず、セクタ走査ユニット30の構成について説明する。
前記セクタ走査ユニット30は、略円盤状の超音波振動子31と、管状部材であるモータハウジング32と、前記超音波振動子31をセクタ方向に回転させるための第1駆動モータであるアウターロータ型ブラシレスモータ(以下、第1モータと略記する)33と、この第1モータ33を保持する保持部材であるセクタユニット本体34とで主に構成されている。
【0024】
前記超音波振動子31は前記モータハウジング32の外周面に形成された切り欠き部32aに固設される。このモータハウジング32の外周面には回転基準位置検出手段を構成する位置検出用部材35も設けられている。
【0025】
前記第1モータ33は例えば三相ブラシレスモータであり、前記モータハウジング32の内周面に一体に固設されるアウターロータ回転子(以下、回転子と略記する)33aと、この回転子33aの内周面に配置されて中央部に細長な軸部33cを固設したコイル固定子33bとで構成されている。
【0026】
この第1モータ33は、例えば、各相の誘起電圧に同期させて120度おきに通電相を適宜切り替えていくことによって所定の回転状態になり、通電状態を所定状態で保持することによって、回転をしないロック状態になる。即ち、第1モータ33への通電状態を適宜選択的に切り替えることによって、この第1モータ33を回転状態又はロック状態に切り替えられるようになっている。
【0027】
前記セクタユニット本体34は、一対の腕部34aと、平板部34bと、この平板部34bの基端面側中央部から突出するユニット軸部34cとで構成されている。
【0028】
前記腕部34aの先端部には前記軸部33cの端部がそれぞれ固設されている。また、前記平板部34bの先端面側中央部には前記位置検出用部材35の位置検知を行う回転基準位置検出手段を構成する位置検出用部材検知部(以下、検知部と略記する)36が設けられている。なお、前記軸部33cには前記超音波振動子31と超音波観測装置10との間の信号授受を行うスリップリング37が設けられている。
【0029】
前記超音波振動子31からは図示しない信号線が延出しており、この信号線は信号処理部12まで延出している。そして、前記駆動回路12aから出力される振動子駆動信号は信号線、スリップリング37等を介して前記超音波振動子31に伝送され、生体組織で反射して前記超音波振動子31で受信したエコー信号は前記スリップリング37、信号線を介して前記画像処理回路12bに伝送されるようになっている。
【0030】
また、前記検知部36から延出する図示しない信号線は前記信号処理部12まで延出しており、この検知部36で前記位置検出用部材35を検知したとき出力される検知信号は前記制御回路12cに出力される。
【0031】
前記超音波振動子31と前記位置検出用部材35との位置関係は、前記検知部36に前記位置検出用部材35が対向して位置検知を行った状態のとき、例えば図2(b)及び図2(c)で示すように前記超音波振動子31の超音波走査面31aが内視鏡挿入方向に対して直交する上方向を向くように設定してある。
【0032】
前記セクタ走査ユニット30は、図に示す状態で前記セクタユニット本体34に配設されている第1モータ33を駆動状態にすることにより、前記回転子33aが軸部33cに一体に固定されたコイル固定子33bの周りを回転して回転状態になる。すると、この回転子33aに一体なモータハウジング32が例えば矢印A方向に回転される。このことによって、このモータハウジング32に固設されている超音波振動子31が挿入方向の面に沿ったセクタ走査のための回転をして、図3(a)及び図3(b)に示すように超音波走査面31aから矢印に示すように先端キャップ25を経て超音波パルスを出射していく。
【0033】
前記超音波走査面31aから出射された超音波パルスは生体組織で反射され、前記超音波振動子31でエコー信号として受信されて前記画像処理回路12bに伝送され、超音波断層画像用の映像信号に生成される。
【0034】
本実施形態においては、前記超音波振動子31でセクタ走査を行って超音波断層画像用の映像信号を得るために、前記超音波振動子31を予め設定した所定の回転速度で回転させるとともに、超音波断層画像を構築する際、図4の二点鎖線で示す画像書き出し開始位置51を、超音波観測領域部52a及び非超音波観測領域部52bで構成される超音波断層画像52の非超音波観測領域部52b内、又はその近傍に設定している。
【0035】
これは、本実施形態のセクタ走査ユニット30の構成ではセクタ走査の回転を行っている間、位置検出用部材35及び検知部36による回転基準位置の検出だけを行って、超音波振動子31の回転位置の検出及びモータの回転速度の検出を行わない構成にしているためであり、例えば、図5(a)ないし図5(c)の一点鎖線で示す画像書き出し開始位置55を超音波観測領域部52a内に設定してときに発生する以下に示す不具合を解消するためである。
【0036】
例えば、図5(a)ないし図5(c)の一点鎖線に示す画像書き出し開始位置55から超音波断層画像52の書き出しを行うように設定し、前記第1モータ33を予め設定した所定回転速度で回転させ、前記検知部36で位置検出用部材35の検出を行った直後に画像の書き出しを行っているとき、例えば前記図3(a)及び図3(b)の破線に示す位置に関心領域が存在していたとする。
【0037】
このとき、前記超音波振動子31の回転速度が予め設定した所定回転速度に維持されて回転していた場合、図5(a)に示すように表示装置11の画面11a上の超音波観測領域部52aには観察に適する関心領域部画像56が表示される。
【0038】
これに対して、前記超音波振動子31の回転速度が予め設定した所定回転速度より遅い速度で回転してしまった場合には、図5(b)に示すように超音波観測領域部52aには、画像書き出し開始位置55近傍に欠け部57を有する、分割された関心領域部画像56aが表示されて、十分な観察を行えなくなる。
【0039】
また、前記超音波振動子31の回転速度が予め設定した所定回転速度より早い速度で回転してしまった場合には、図5(c)に示すように超音波観測領域部52aには、画像書き出し開始位置55近傍に重複部58を有する関心領域部画像56bが表示されて、この場合も十分な観察を行えなくなる。
【0040】
これらに対して、本実施形態では、回転しているモータハウジング32に設けられている位置検出用部材35を検知部36によって検出したときに超音波断層画像の書き出しを行うのではなく、前記位置検出用部材35を前記検知部36によって検出した後、しばらくの間、前記モータハウジング32を回転させてこのモータハウジング32に配設されている超音波振動子31が非超音波観測領域部52b内に到達したとき超音波断層画像52の書き出しを行うようにしている。
【0041】
具体的には、前記第1モータ33を予め設定した所定の回転速度で回転させ、前記検知部36で検出した信号を基に制御回路12cで前記超音波振動子31が非超音波観測領域部52b内に到達したと判定したとき、超音波断層画像の書き出しを行っている。なお、本図中では画像書き出し開始位置51を非超音波観測領域部52bの略中央位置としている。
【0042】
したがって、万一、前記超音波振動子31の回転速度が予め設定した所定回転速度より遅い速度で回転してしまった場合には、書き出し開始位置51近傍に現れる欠け部が前記非超音波観測領域部52b内になるので、表示装置11の画面11a上には前記図4に示すように超音波断層画像52の超音波観測領域部52a内に十分な観察を行える関心領域部画像56が表示される。また、前記超音波振動子31の回転速度が予め設定した所定回転速度より早い速度で回転してしまった場合には、書き出し開始位置51近傍に現れる重複部が前記非超音波観測領域部52b内になるので、表示装置11の画面11a上には前記図4に示すように超音波断層画像52の超音波観測領域部52a内に十分な観察を行える関心領域部画像56が表示される。
このことによって、前記図5(a)ないし図5(c)に示したように超音波振動子の回転速度が変化すること(回転むら)によって発生する超音波断層画像の不具合が解消される。
【0043】
このように、セクタ走査ユニットを構成する際、回転するモータハウジングに固設された超音波振動子の位置を特定するための回転基準位置検出手段だけを設け、この回転基準位置検出手段から伝送される検知信号を基に、予め設定した回転速度で超音波振動子を回転させ、その回転速度を考慮して制御回路を介して画像書き出し開始位置を非超音波観察領域内又はその近傍に補正設定して超音波断層画像の構築を行うことによって、観察に適する超音波断層画像を得られる超音波内視鏡装置を構成することができる。
【0044】
このことによって、超音波内視鏡の部品点数及び組立工数の低減を図れるとともに、このセクタ走査ユニットが配設される超音波内視鏡の先端部のさらなる小型化を図れる。
【0045】
次に、ラジアル走査ユニット40の構成を説明する。
前記図2(a)ないし図2(c)に示すようにラジアル走査ユニット40は、前記セクタ走査ユニット30と、前記超音波振動子31と超音波観測装置10との間の信号授受を行うスリップリング41と、前記超音波振動子31の回転角度を検出するエンコーダ42と、第2駆動モータである例えばパルスモータである第2モータ43とで主に構成されている。
【0046】
前記第2モータ43は、超音波振動子31が配設されているセクタユニット本体34をラジアル方向に回転させる、或いは揺動させる、或いは所定の回転角度に傾けた状態でロックすることができる等の切替え操作が可能である。
【0047】
前記スリップリング41、エンコーダ42及び第2モータ43は、前記先端部7に形成されたラジアルユニット用空間部7b内に配置される。なお、前記第2モータ43に設けられているモータ軸43aの回転は図示しない伝達機構を介して前記セクタユニット本体34に設けられているユニット軸部34cに機械的に伝達される構成になっている。
【0048】
前記ラジアルユニット用空間部7b内にはユニット本体44及びユニット固定部材45とが配設される。前記ユニット本体44には前記スリップリング41、エンコーダ42及び第2モータ43が一体的に配置される。これらスリップリング41、エンコーダ42及び第2モータ43が一体に配置されたユニット本体44は、前記ユニット固定部材45によって前記ラジアルユニット用空間部7b内に固設される。
【0049】
本実施形態のラジアル走査ユニット40では、前記第2モータ43を停止状態にしたとき、図に示すように前記セクタ走査ユニット30に設けられているセクタユニット本体34の腕部34aが水平状態で停止する構成になっている。
【0050】
そして、図に示す状態で前記ラジアルユニット用空間部7bに配設されている第2モータ43を駆動状態にすることにより、この第2モータ43のモータ軸43aが回転状態になり、このモータ軸43aの回転が前記ユニット軸部34cに伝達される。すると、前記セクタ走査ユニット30を構成するセクタユニット本体34が例えば矢印B方向に回転する。
【0051】
このことによって、前記セクタユニット本体34に設けられている第1モータ33の回転子33aに一体なモータハウジング32に固設されている超音波振動子31が挿入方向に直交した面に沿ったラジアル走査のための回転をして、図6(a)及び図6(b)に示すように超音波走査面31aから矢印に示すように先端キャップ25を経て超音波パルスを出射していく。
【0052】
前記超音波走査面31aから出射された超音波パルスは、生体組織で反射されて前記超音波振動子31でエコー信号として受信され、前記画像処理回路12bに伝送される。また、前記エンコーダ42で検出される回転角度信号は前記制御回路12cに伝送される。そして、前記回転角度信号及びエコー信号を基にラジアル走査による超音波断層画像用の映像信号を生成する。このことによって、表示装置の画面上には例えば図7に示すような超音波断層画像60が表示される。
【0053】
なお、前記図2(c)に示すように前記ユニット固定部材45にはこのユニット固定部材45の外周面と前記ラジアルユニット用空間部7bの内周面との間の水密を保持する第1Oリング46aが配設される外周凹部45a及びこのユニット固定部材45の内周面と前記ユニット軸部34cの外周面との間の水密を保持する第2Oリング46bが配設される内周凹部45bが形成されている。符号7cは図示しないバルーンが配置されるバルーン溝である。
【0054】
ここで、上述のように構成した超音波内視鏡装置の作用を説明する。
この超音波内視鏡装置では超音波内視鏡1を使用するために超音波観測装置10の図示しない主電源をオン状態にすると、前記検知部36によって前記位置検出用部材35を検知し、かつ前記セクタユニット本体34の腕部34aが前記図2(b)に示すように水平な、初期状態になる。
【0055】
まず、超音波内視鏡1の有する観察光学系でとらえた内視鏡画像を観察しながら、この超音波内視鏡1の先端部7を目的観察部位近傍に到達させる。その後、ラジアル走査を指示する。
【0056】
すると、前記第1モータ33への通電状態を制御して、この第1モータ33をロック状態にする一方、前記第2モータ43を駆動状態にするとともに、前記駆動回路12aから前記超音波振動子31に向けて振動子駆動信号が出力される。すると、前記セクタユニット本体34が回転状態になって、上述したようにラジアル走査による超音波断層画像を得られる。
【0057】
術者は、内視鏡画像及び超音波断層画像を観察しながら先端部を移動させていく。ここで、前記図7に示すようにラジアル走査による超音波断層画像60中に破線で示すような関心領域部61が表示されたとき、術者は、穿刺針による組織の採取を行うため、超音波内視鏡1の先端部7を所定量後退させ、その後、超音波観察状態をラジアル走査からセクタ走査に切り替える操作を行う。
【0058】
すると、駆動されていた前記第2モータ43が所定の位置でロック状態にされる一方、ロック状態であった前記第1モータ33が駆動状態になって上述したようにセクタ走査による超音波断層画像が表示装置上に表示される。この超音波断層画像を観察しながら超音波内視鏡の先端部に設けられている先端開口18aと関心領域部との位置関係を所定の状態に設定し、その後、図8(a)に示すようにこの先端開口18aから穿刺針62を突出させ、その穿刺針62の先端62aを体壁63内の関心領域部64内に向けて刺入する。
【0059】
このとき、図8(b)及び図8(c)に示すように穿刺針62が刺入線に沿って真っ直ぐに関心領域部64に向かって刺入された場合には、図9(a)に示すように表示装置11の画面11a上に表示されているセクタ走査による超音波断層画像60A中に関心領域部61とともに刺入された針画像65が穿刺針62の先端62aまでが描出される。このことによって、穿刺針62を目的部位に穿刺できたことの確認を行え、組織の採取に移行できる。
【0060】
しかし、図10(a)に示すように穿刺針が刺入線に対して真っ直ぐに刺入されなかった場合には、図9(b)に示すように表示装置11の画面11a上に表示されるセクタ走査による超音波断層画像60A中に関心領域部61と、この関心領域部61に先端が到達していない先端の消失した針画像65aが描出される。
【0061】
このため、この表示装置11の画面11a上に表示されている超音波断層画像60Aでは穿刺針62の先端が目的とする関心領域部64内に位置しているか否かの確認を行えない。このようなとき、本実施形態の超音波内視鏡1では、この観察状態から以下の操作を行って、穿刺針62の先端62aが関心領域部64内に位置しているか否かの確認を行える。
【0062】
まず、このセクタ走査を行っている状態で、前記第2モータ43を揺動状態にする指示を行う。すると、図10(b)に示すように前記セクタ走査ユニット30がセクタ走査を行っている状態で矢印c1、c2に示すように揺動動作する。このとき、術者は、この揺動状態で穿刺針62の先端62aの確認を行う。前記穿刺針62の先端62a付近の画像を確認したなら揺動を停止させて、パルス動作に切り替える。すると、前記セクタ走査ユニット30が僅かずつ回転角度を変化させる動作を行って、振動子中心線上に前記穿刺針62の先端62aが一致する。
【0063】
すると、図9(c)に示すように表示装置11の画面11a上に表示される超音波断層画60A中に関心領域部61と穿刺針62の先端62aを描出した針画像65bが表示されて、穿刺針62の先端62aが関心領域部64内に位置していることが確認でき、その後、組織の採取に移行する。ここで、穿刺針62の先端62aが関心領域部64内に位置していないことが確認された場合には、組織採取を行うため、再穿刺を行う。
【0064】
なお、本実施形態の超音波内視鏡装置においては、前記超音波観測装置10にセクタ走査による超音波断層画像を選択するセクタ観察スイッチ(不図示)やラジアル走査による超音波断層画像を選択するラジアル観察スイッチ(不図示)が設けられている。また、これら観察スイッチに加えて、揺動操作を選択するスイッチや所定パルスで回転角度を変化させるスイッチ等も設けられている。さらに、3次元の走査を行うための三次元観察スイッチをこの超音波観察装置に設ける構成にしてもよい。
【0065】
このように、超音波内視鏡の先端部に、セクタ走査を行うためのロック状態と回転状態とを切替え可能な第1モータ及びラジアル走査を行うためのロック状態と回転状態とを切替え可能な第2モータを設けたことによって、これら第1モータ及び第2モータを適宜制御しながら、先端部に配設した超音波振動子を回転走査することによって、セクタ走査による超音波断層画像及びラジアル走査による超音波断層画像を得ることができる。
【0066】
また、前記第2モータを揺動制御及びパルス制御可能に構成することによって、超音波振動子の振動子中心線を揺動させてセクタ走査による超音波断層画像を得ることができる。このことによって、穿刺針の先端位置の確認等を、先端部を動かすことなく、容易に行える。
【0067】
なお、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、先端部をより小型にした超音波内視鏡を備えた超音波内視鏡装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】超音波内視鏡装置を説明する図
【図2】超音波内視鏡の先端部の構成を説明する図
【図3】超音波内視鏡のセクタ走査を説明する図
【図4】セクタ走査によって超音波断層画像を構築するときの画像書き出し位置と、その超音波断層画像の一例を説明する図
【図5】セクタ走査によって超音波断層画像を構築するとき、画像書き出し位置を超音波観測領域内に設けたときの超音波断層画像を説明する図
【図6】超音波内視鏡のラジアル走査を説明する図
【図7】セクタ走査によって構築された超音波断層画像の一例を説明する図
【図8】穿刺針を関心領域部に穿刺している状態を説明する図
【図9】セクタ走査による超音波断層画像中に表示される関心領域部及び針画像とを説明する図
【図10】穿刺針を関心領域部に穿刺している状態を説明する別の図
【符号の説明】
1…超音波内視鏡
7…先端部
20…超音波振動子部
30…セクタ走査ユニット
31…超音波振動子
32…モータハウジング
33…第1モータ
34…セクタユニット本体
35…位置検出用部材
36…位置検出用部材検知部
40…リニア走査ユニット
41…スリップリング
42…エンコーダ
43…第2モータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波内視鏡の先端部に配設された超音波振動子を、セクタ方向に回転させて、超音波断層画像を得る超音波内視鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、超音波振動子から生体組織内に超音波パルスを繰り返し送信し、生体組織から反射される超音波パルスのエコー信号を同一あるいは別体に設けた超音波振動子で受信して、二次元的な可視像である超音波断層画像として表示することにより、病気の診断等に用いることができるようにした超音波診断装置が種々提案されている。
【0003】
この超音波診断装置で使用される超音波内視鏡や超音波プローブにおいては、挿入部の先端部に超音波振動子を配設し、この超音波振動子を例えば機械的にセクタ方向、或いは、ラジアル方向に回転させながら超音波パルスを送信して、セクタ走査あるいはラジアル走査を行えるものが実用化されている。
【0004】
ラジアル走査によって得られる超音波断層画像は、管腔内360度の画像を得られるので、体内のような管腔内の病変部を診断する際に適している。これに対して、セクタ走査で得られる超音波断層画像では、病変部と穿刺針との位置関係をとらえられるので、超音波断層画像ガイド下で穿刺や生検を行う際に適している。
【0005】
例えば、特許2876510号公報には回転駆動伝達系に起因するロータの回転位置誤差をなくし、また、オイルシール等の液封止機構を必要とせずに液封止が可能な信頼性の高いセクタ走査を行う機械走査式超音波探触子が示されている。
【0006】
【特許文献1】特許2876510号公報(頁2、3 図1及び図2)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特許2876510号公報に示されている機械走査式超音波探触子では、回転駆動伝達系に起因するロータの回転位置誤差をなくすためにZ相用エンコーダを設けるとともに、ロータの側面にA相用エンコーダ及びB相用エンコーダを設ける構成を取っていたため、先端部の小型化が難しい。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、先端部をより小型にした超音波内視鏡を備えた超音波内視鏡装置を提供することを目的にしている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の超音波内視鏡装置は、先端部に、超音波振動子を外周面に配置させた環状部材及びこの環状部材を回転させて超音波振動子をセクタ走査させる駆動モータを少なくとも備えて構成される、セクタ走査ユニットを設けた超音波内視鏡と、前記超音波振動子を駆動する振動子駆動信号及びこの超音波振動子で受信したエコー信号を基に超音波断層映像信号を生成する超音波断層画像処理部を有する超音波観測装置とを具備する超音波内視鏡装置であって、
前記セクタ走査ユニットを構成する前記駆動モータによって回転される前記環状部材の所定位置に回転基準位置検出手段を設けている。
【0010】
この構成によれば、回転基準位置検出手段が検知状態になったときに管状部材に配置された超音波振動子の位置の特定を行える。
【0011】
また、前記超音波観測装置が備える超音波断層画像処理部によって超音波断層画像を生成するとき、
前記超音波断層画像の書き出し開始位置を、前記回転基準位置検出手段から送信される検知信号を元に、前記環状部材に配置されている超音波振動子が非超音波観察領域内に位置したときに補正設定する。
【0012】
これらの構成によれば、セクタ走査を行って超音波断層画像を得る際、回転基準位置検出手段が検出した検知信号を基に、駆動モータによって回転される管状部材の回転速度を考慮して、超音波振動子の回転移動位置が非超音波観察領域内に位置しているときを超音波断層画像の書き出し開始位置に適宜補正設定することにより、超音波振動子の回転にむらが生じた場合、この回転むらによって発生する画像重複部や画像欠け部等の不具合部が画面上に表示される画像中の非超音波観測領域部内になるので、画面上には良好な超音波観測領域部の画像が表示される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1ないし図10は本発明の一実施形態に係り、図1は超音波内視鏡装置を説明する図、図2は超音波内視鏡の先端部の構成を説明する図、図3は超音波内視鏡のセクタ走査を説明する図、図4はセクタ走査によって超音波断層画像を構築するときの画像書き出し位置と、その超音波断層画像の一例を説明する図、図5はセクタ走査によって超音波断層画像を構築するとき、画像書き出し位置を超音波観測領域内に設けたときの超音波断層画像を説明する図、図6は超音波内視鏡のラジアル走査を説明する図、図7はセクタ走査によって構築された超音波断層画像の一例を説明する図、図8は穿刺針を関心領域部に穿刺している状態を説明する図、図9はセクタ走査による超音波断層画像中に表示される関心領域部及び針画像とを説明する図、図10は穿刺針を関心領域部に穿刺している状態を説明する別の図である。
【0014】
なお、図2(a)は超音波内視鏡の挿入部を正面から見たときの図、図2(b)は超音波内視鏡の挿入部の先端部分を側方から見たときの一部断面図を含む側面図、図2(c)は超音波内視鏡の挿入部の先端部分を上方から見たときの一部断面図を含む平面図、図3(a)はセクタ走査状態を説明する平面図、図3(b)はセクタ走査状態を説明する側面図、図5(a)は観察に適する関心領域部が表示された超音波断層画像を示す図、図5(b)は観察に不適な欠け部を有する分割された関心領域部画像が表示された超音波断層画像を示す図、図5(c)は観察に不適な重複部を有する関心領域部画像が表示された超音波断層画像を示す図、図6(a)はラジアル走査状態を説明する平面図、図6(b)はラジアル走査状態を説明する側面図、図8(a)は関心領域部に穿刺針を選炭した状態を説明する図、図8(b)は穿刺針が刺入線に対して真っ直ぐに刺入されたときの状態を示す平面図、図8(c)は穿刺針が刺入線に対して真っ直ぐに刺入されたときの状態を示す正面図、図9(a)は関心領域部に穿刺針の先端が配置されている状態を示す超音波断層画像を説明する図、図9(b)は関心領域部と穿刺針の先端が消失した針画像が表示された超音波断層画像を説明する図、図9(c)は関心領域部に穿刺針の先端が配置されている状態を示す超音波断層画像を説明する図、図10(a)は穿刺針が刺入線に対して真っ直ぐに刺入されなかったときの状態を説明する図、図10(b)は振動子中心線を変化させて穿刺針の先端に位置している状態を説明する図である。
【0015】
図1に示すように本実施形態の超音波診断装置は超音波内視鏡1と、超音波観測装置10と、内視鏡画像や超音波断層画像が表示される表示装置11とを備えた超音波内視鏡装置である。
前記超音波内視鏡1は、体腔内に挿入される細長の挿入部2と、この挿入部2の基端に位置する操作部3と、この操作部3の例えば側部から延出するユニバーサルコード4とで主に構成されている。
【0016】
前記ユニバーサルコード4の基端部には図示しない光源装置に接続される内視鏡コネクタ4aが設けられている。この内視鏡コネクタ4aの側部からは図示しない内視鏡観察装置に電気コネクタ5aを介して着脱自在に接続される電気ケーブル5及び超音波観測装置10に超音波コネクタ6aを介して着脱自在に接続される超音波ケーブル6が延出している。
【0017】
前記挿入部2は、先端側から順に硬質な樹脂部材で形成した先端部7と、この先端部7に連設する湾曲自在な湾曲部8と、この湾曲部8に連設して前記操作部3の先端部に至る細径かつ長尺で可撓性を有する可撓管部9とで構成されている。
【0018】
前記先端部7の先端側には超音波を送受する超音波振動子(図2の符号31参照)や第1駆動モータ(図2(b)の符号33参照)及び第2駆動モータ(図2(b)の符号43参照)等を備えた超音波振動子部20が設けられている。
【0019】
一方、前記超音波観測装置10には、前記超音波内視鏡1の超音波振動子31を駆動する振動子駆動信号を生成する駆動回路12aやこの超音波振動子31から伝送される電気信号(エコー信号)を基に超音波断層画像用の映像信号を生成する超音波断層画像処理部である画像処理回路12b、前記駆動回路12a及び画像処理回路12bを制御する制御回路12c等を有する信号処理部12や、駆動モータ等に電力を供給する電源部13等が設けられている。
【0020】
なお、前記操作部3には前記湾曲部8を所望の方向に湾曲制御するアングルノブ14、送気及び送水操作を行うための送気・送水ボタン15a、吸引操作を行うための吸引ボタン15b、処置具の入り口となる処置具挿入口16等が設けられている。
【0021】
図1ないし図2(b)に示すように前記先端部7には先端傾斜面7aが形成されている。この先端傾斜面7aには内視鏡光学系の照明光学系を構成する図示しないライトガイドの先端面に臨まれる照明窓17a及び観察光学系を構成する図示しない撮像素子の撮像面前方に配置された観察窓17bが設けられている。符号18aは穿刺針等の処置具の出口になる超音波振動子31の中心線上に略一致する処置具チャンネルの先端開口であり、符号18bは処置具の突出方向を変化させる処置具起上台である。符号19に示す起上ノブを操作することによって回動動作するようになっている。
【0022】
図2(a)ないし図2(c)に示すように前記超音波振動子部20にはセクタ走査ユニット30及びラジアル走査ユニット40が配設されている。
前記先端部7の前方側には前記超音波振動子部20を構成する先端キャップ25が固設されている。この先端キャップ25は、超音波透過性に優れた高密度ポリエチレン、ポリメチルペンテン等の超音波を透過する樹脂製弾性体で円筒形状に形成されている。この先端キャップ25の先端部は例えば半球状に形成されており、キャップ内部には流動パラフィン等の超音波伝達媒体26が充満されるようになっている。
【0023】
ここで、まず、セクタ走査ユニット30の構成について説明する。
前記セクタ走査ユニット30は、略円盤状の超音波振動子31と、管状部材であるモータハウジング32と、前記超音波振動子31をセクタ方向に回転させるための第1駆動モータであるアウターロータ型ブラシレスモータ(以下、第1モータと略記する)33と、この第1モータ33を保持する保持部材であるセクタユニット本体34とで主に構成されている。
【0024】
前記超音波振動子31は前記モータハウジング32の外周面に形成された切り欠き部32aに固設される。このモータハウジング32の外周面には回転基準位置検出手段を構成する位置検出用部材35も設けられている。
【0025】
前記第1モータ33は例えば三相ブラシレスモータであり、前記モータハウジング32の内周面に一体に固設されるアウターロータ回転子(以下、回転子と略記する)33aと、この回転子33aの内周面に配置されて中央部に細長な軸部33cを固設したコイル固定子33bとで構成されている。
【0026】
この第1モータ33は、例えば、各相の誘起電圧に同期させて120度おきに通電相を適宜切り替えていくことによって所定の回転状態になり、通電状態を所定状態で保持することによって、回転をしないロック状態になる。即ち、第1モータ33への通電状態を適宜選択的に切り替えることによって、この第1モータ33を回転状態又はロック状態に切り替えられるようになっている。
【0027】
前記セクタユニット本体34は、一対の腕部34aと、平板部34bと、この平板部34bの基端面側中央部から突出するユニット軸部34cとで構成されている。
【0028】
前記腕部34aの先端部には前記軸部33cの端部がそれぞれ固設されている。また、前記平板部34bの先端面側中央部には前記位置検出用部材35の位置検知を行う回転基準位置検出手段を構成する位置検出用部材検知部(以下、検知部と略記する)36が設けられている。なお、前記軸部33cには前記超音波振動子31と超音波観測装置10との間の信号授受を行うスリップリング37が設けられている。
【0029】
前記超音波振動子31からは図示しない信号線が延出しており、この信号線は信号処理部12まで延出している。そして、前記駆動回路12aから出力される振動子駆動信号は信号線、スリップリング37等を介して前記超音波振動子31に伝送され、生体組織で反射して前記超音波振動子31で受信したエコー信号は前記スリップリング37、信号線を介して前記画像処理回路12bに伝送されるようになっている。
【0030】
また、前記検知部36から延出する図示しない信号線は前記信号処理部12まで延出しており、この検知部36で前記位置検出用部材35を検知したとき出力される検知信号は前記制御回路12cに出力される。
【0031】
前記超音波振動子31と前記位置検出用部材35との位置関係は、前記検知部36に前記位置検出用部材35が対向して位置検知を行った状態のとき、例えば図2(b)及び図2(c)で示すように前記超音波振動子31の超音波走査面31aが内視鏡挿入方向に対して直交する上方向を向くように設定してある。
【0032】
前記セクタ走査ユニット30は、図に示す状態で前記セクタユニット本体34に配設されている第1モータ33を駆動状態にすることにより、前記回転子33aが軸部33cに一体に固定されたコイル固定子33bの周りを回転して回転状態になる。すると、この回転子33aに一体なモータハウジング32が例えば矢印A方向に回転される。このことによって、このモータハウジング32に固設されている超音波振動子31が挿入方向の面に沿ったセクタ走査のための回転をして、図3(a)及び図3(b)に示すように超音波走査面31aから矢印に示すように先端キャップ25を経て超音波パルスを出射していく。
【0033】
前記超音波走査面31aから出射された超音波パルスは生体組織で反射され、前記超音波振動子31でエコー信号として受信されて前記画像処理回路12bに伝送され、超音波断層画像用の映像信号に生成される。
【0034】
本実施形態においては、前記超音波振動子31でセクタ走査を行って超音波断層画像用の映像信号を得るために、前記超音波振動子31を予め設定した所定の回転速度で回転させるとともに、超音波断層画像を構築する際、図4の二点鎖線で示す画像書き出し開始位置51を、超音波観測領域部52a及び非超音波観測領域部52bで構成される超音波断層画像52の非超音波観測領域部52b内、又はその近傍に設定している。
【0035】
これは、本実施形態のセクタ走査ユニット30の構成ではセクタ走査の回転を行っている間、位置検出用部材35及び検知部36による回転基準位置の検出だけを行って、超音波振動子31の回転位置の検出及びモータの回転速度の検出を行わない構成にしているためであり、例えば、図5(a)ないし図5(c)の一点鎖線で示す画像書き出し開始位置55を超音波観測領域部52a内に設定してときに発生する以下に示す不具合を解消するためである。
【0036】
例えば、図5(a)ないし図5(c)の一点鎖線に示す画像書き出し開始位置55から超音波断層画像52の書き出しを行うように設定し、前記第1モータ33を予め設定した所定回転速度で回転させ、前記検知部36で位置検出用部材35の検出を行った直後に画像の書き出しを行っているとき、例えば前記図3(a)及び図3(b)の破線に示す位置に関心領域が存在していたとする。
【0037】
このとき、前記超音波振動子31の回転速度が予め設定した所定回転速度に維持されて回転していた場合、図5(a)に示すように表示装置11の画面11a上の超音波観測領域部52aには観察に適する関心領域部画像56が表示される。
【0038】
これに対して、前記超音波振動子31の回転速度が予め設定した所定回転速度より遅い速度で回転してしまった場合には、図5(b)に示すように超音波観測領域部52aには、画像書き出し開始位置55近傍に欠け部57を有する、分割された関心領域部画像56aが表示されて、十分な観察を行えなくなる。
【0039】
また、前記超音波振動子31の回転速度が予め設定した所定回転速度より早い速度で回転してしまった場合には、図5(c)に示すように超音波観測領域部52aには、画像書き出し開始位置55近傍に重複部58を有する関心領域部画像56bが表示されて、この場合も十分な観察を行えなくなる。
【0040】
これらに対して、本実施形態では、回転しているモータハウジング32に設けられている位置検出用部材35を検知部36によって検出したときに超音波断層画像の書き出しを行うのではなく、前記位置検出用部材35を前記検知部36によって検出した後、しばらくの間、前記モータハウジング32を回転させてこのモータハウジング32に配設されている超音波振動子31が非超音波観測領域部52b内に到達したとき超音波断層画像52の書き出しを行うようにしている。
【0041】
具体的には、前記第1モータ33を予め設定した所定の回転速度で回転させ、前記検知部36で検出した信号を基に制御回路12cで前記超音波振動子31が非超音波観測領域部52b内に到達したと判定したとき、超音波断層画像の書き出しを行っている。なお、本図中では画像書き出し開始位置51を非超音波観測領域部52bの略中央位置としている。
【0042】
したがって、万一、前記超音波振動子31の回転速度が予め設定した所定回転速度より遅い速度で回転してしまった場合には、書き出し開始位置51近傍に現れる欠け部が前記非超音波観測領域部52b内になるので、表示装置11の画面11a上には前記図4に示すように超音波断層画像52の超音波観測領域部52a内に十分な観察を行える関心領域部画像56が表示される。また、前記超音波振動子31の回転速度が予め設定した所定回転速度より早い速度で回転してしまった場合には、書き出し開始位置51近傍に現れる重複部が前記非超音波観測領域部52b内になるので、表示装置11の画面11a上には前記図4に示すように超音波断層画像52の超音波観測領域部52a内に十分な観察を行える関心領域部画像56が表示される。
このことによって、前記図5(a)ないし図5(c)に示したように超音波振動子の回転速度が変化すること(回転むら)によって発生する超音波断層画像の不具合が解消される。
【0043】
このように、セクタ走査ユニットを構成する際、回転するモータハウジングに固設された超音波振動子の位置を特定するための回転基準位置検出手段だけを設け、この回転基準位置検出手段から伝送される検知信号を基に、予め設定した回転速度で超音波振動子を回転させ、その回転速度を考慮して制御回路を介して画像書き出し開始位置を非超音波観察領域内又はその近傍に補正設定して超音波断層画像の構築を行うことによって、観察に適する超音波断層画像を得られる超音波内視鏡装置を構成することができる。
【0044】
このことによって、超音波内視鏡の部品点数及び組立工数の低減を図れるとともに、このセクタ走査ユニットが配設される超音波内視鏡の先端部のさらなる小型化を図れる。
【0045】
次に、ラジアル走査ユニット40の構成を説明する。
前記図2(a)ないし図2(c)に示すようにラジアル走査ユニット40は、前記セクタ走査ユニット30と、前記超音波振動子31と超音波観測装置10との間の信号授受を行うスリップリング41と、前記超音波振動子31の回転角度を検出するエンコーダ42と、第2駆動モータである例えばパルスモータである第2モータ43とで主に構成されている。
【0046】
前記第2モータ43は、超音波振動子31が配設されているセクタユニット本体34をラジアル方向に回転させる、或いは揺動させる、或いは所定の回転角度に傾けた状態でロックすることができる等の切替え操作が可能である。
【0047】
前記スリップリング41、エンコーダ42及び第2モータ43は、前記先端部7に形成されたラジアルユニット用空間部7b内に配置される。なお、前記第2モータ43に設けられているモータ軸43aの回転は図示しない伝達機構を介して前記セクタユニット本体34に設けられているユニット軸部34cに機械的に伝達される構成になっている。
【0048】
前記ラジアルユニット用空間部7b内にはユニット本体44及びユニット固定部材45とが配設される。前記ユニット本体44には前記スリップリング41、エンコーダ42及び第2モータ43が一体的に配置される。これらスリップリング41、エンコーダ42及び第2モータ43が一体に配置されたユニット本体44は、前記ユニット固定部材45によって前記ラジアルユニット用空間部7b内に固設される。
【0049】
本実施形態のラジアル走査ユニット40では、前記第2モータ43を停止状態にしたとき、図に示すように前記セクタ走査ユニット30に設けられているセクタユニット本体34の腕部34aが水平状態で停止する構成になっている。
【0050】
そして、図に示す状態で前記ラジアルユニット用空間部7bに配設されている第2モータ43を駆動状態にすることにより、この第2モータ43のモータ軸43aが回転状態になり、このモータ軸43aの回転が前記ユニット軸部34cに伝達される。すると、前記セクタ走査ユニット30を構成するセクタユニット本体34が例えば矢印B方向に回転する。
【0051】
このことによって、前記セクタユニット本体34に設けられている第1モータ33の回転子33aに一体なモータハウジング32に固設されている超音波振動子31が挿入方向に直交した面に沿ったラジアル走査のための回転をして、図6(a)及び図6(b)に示すように超音波走査面31aから矢印に示すように先端キャップ25を経て超音波パルスを出射していく。
【0052】
前記超音波走査面31aから出射された超音波パルスは、生体組織で反射されて前記超音波振動子31でエコー信号として受信され、前記画像処理回路12bに伝送される。また、前記エンコーダ42で検出される回転角度信号は前記制御回路12cに伝送される。そして、前記回転角度信号及びエコー信号を基にラジアル走査による超音波断層画像用の映像信号を生成する。このことによって、表示装置の画面上には例えば図7に示すような超音波断層画像60が表示される。
【0053】
なお、前記図2(c)に示すように前記ユニット固定部材45にはこのユニット固定部材45の外周面と前記ラジアルユニット用空間部7bの内周面との間の水密を保持する第1Oリング46aが配設される外周凹部45a及びこのユニット固定部材45の内周面と前記ユニット軸部34cの外周面との間の水密を保持する第2Oリング46bが配設される内周凹部45bが形成されている。符号7cは図示しないバルーンが配置されるバルーン溝である。
【0054】
ここで、上述のように構成した超音波内視鏡装置の作用を説明する。
この超音波内視鏡装置では超音波内視鏡1を使用するために超音波観測装置10の図示しない主電源をオン状態にすると、前記検知部36によって前記位置検出用部材35を検知し、かつ前記セクタユニット本体34の腕部34aが前記図2(b)に示すように水平な、初期状態になる。
【0055】
まず、超音波内視鏡1の有する観察光学系でとらえた内視鏡画像を観察しながら、この超音波内視鏡1の先端部7を目的観察部位近傍に到達させる。その後、ラジアル走査を指示する。
【0056】
すると、前記第1モータ33への通電状態を制御して、この第1モータ33をロック状態にする一方、前記第2モータ43を駆動状態にするとともに、前記駆動回路12aから前記超音波振動子31に向けて振動子駆動信号が出力される。すると、前記セクタユニット本体34が回転状態になって、上述したようにラジアル走査による超音波断層画像を得られる。
【0057】
術者は、内視鏡画像及び超音波断層画像を観察しながら先端部を移動させていく。ここで、前記図7に示すようにラジアル走査による超音波断層画像60中に破線で示すような関心領域部61が表示されたとき、術者は、穿刺針による組織の採取を行うため、超音波内視鏡1の先端部7を所定量後退させ、その後、超音波観察状態をラジアル走査からセクタ走査に切り替える操作を行う。
【0058】
すると、駆動されていた前記第2モータ43が所定の位置でロック状態にされる一方、ロック状態であった前記第1モータ33が駆動状態になって上述したようにセクタ走査による超音波断層画像が表示装置上に表示される。この超音波断層画像を観察しながら超音波内視鏡の先端部に設けられている先端開口18aと関心領域部との位置関係を所定の状態に設定し、その後、図8(a)に示すようにこの先端開口18aから穿刺針62を突出させ、その穿刺針62の先端62aを体壁63内の関心領域部64内に向けて刺入する。
【0059】
このとき、図8(b)及び図8(c)に示すように穿刺針62が刺入線に沿って真っ直ぐに関心領域部64に向かって刺入された場合には、図9(a)に示すように表示装置11の画面11a上に表示されているセクタ走査による超音波断層画像60A中に関心領域部61とともに刺入された針画像65が穿刺針62の先端62aまでが描出される。このことによって、穿刺針62を目的部位に穿刺できたことの確認を行え、組織の採取に移行できる。
【0060】
しかし、図10(a)に示すように穿刺針が刺入線に対して真っ直ぐに刺入されなかった場合には、図9(b)に示すように表示装置11の画面11a上に表示されるセクタ走査による超音波断層画像60A中に関心領域部61と、この関心領域部61に先端が到達していない先端の消失した針画像65aが描出される。
【0061】
このため、この表示装置11の画面11a上に表示されている超音波断層画像60Aでは穿刺針62の先端が目的とする関心領域部64内に位置しているか否かの確認を行えない。このようなとき、本実施形態の超音波内視鏡1では、この観察状態から以下の操作を行って、穿刺針62の先端62aが関心領域部64内に位置しているか否かの確認を行える。
【0062】
まず、このセクタ走査を行っている状態で、前記第2モータ43を揺動状態にする指示を行う。すると、図10(b)に示すように前記セクタ走査ユニット30がセクタ走査を行っている状態で矢印c1、c2に示すように揺動動作する。このとき、術者は、この揺動状態で穿刺針62の先端62aの確認を行う。前記穿刺針62の先端62a付近の画像を確認したなら揺動を停止させて、パルス動作に切り替える。すると、前記セクタ走査ユニット30が僅かずつ回転角度を変化させる動作を行って、振動子中心線上に前記穿刺針62の先端62aが一致する。
【0063】
すると、図9(c)に示すように表示装置11の画面11a上に表示される超音波断層画60A中に関心領域部61と穿刺針62の先端62aを描出した針画像65bが表示されて、穿刺針62の先端62aが関心領域部64内に位置していることが確認でき、その後、組織の採取に移行する。ここで、穿刺針62の先端62aが関心領域部64内に位置していないことが確認された場合には、組織採取を行うため、再穿刺を行う。
【0064】
なお、本実施形態の超音波内視鏡装置においては、前記超音波観測装置10にセクタ走査による超音波断層画像を選択するセクタ観察スイッチ(不図示)やラジアル走査による超音波断層画像を選択するラジアル観察スイッチ(不図示)が設けられている。また、これら観察スイッチに加えて、揺動操作を選択するスイッチや所定パルスで回転角度を変化させるスイッチ等も設けられている。さらに、3次元の走査を行うための三次元観察スイッチをこの超音波観察装置に設ける構成にしてもよい。
【0065】
このように、超音波内視鏡の先端部に、セクタ走査を行うためのロック状態と回転状態とを切替え可能な第1モータ及びラジアル走査を行うためのロック状態と回転状態とを切替え可能な第2モータを設けたことによって、これら第1モータ及び第2モータを適宜制御しながら、先端部に配設した超音波振動子を回転走査することによって、セクタ走査による超音波断層画像及びラジアル走査による超音波断層画像を得ることができる。
【0066】
また、前記第2モータを揺動制御及びパルス制御可能に構成することによって、超音波振動子の振動子中心線を揺動させてセクタ走査による超音波断層画像を得ることができる。このことによって、穿刺針の先端位置の確認等を、先端部を動かすことなく、容易に行える。
【0067】
なお、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、先端部をより小型にした超音波内視鏡を備えた超音波内視鏡装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】超音波内視鏡装置を説明する図
【図2】超音波内視鏡の先端部の構成を説明する図
【図3】超音波内視鏡のセクタ走査を説明する図
【図4】セクタ走査によって超音波断層画像を構築するときの画像書き出し位置と、その超音波断層画像の一例を説明する図
【図5】セクタ走査によって超音波断層画像を構築するとき、画像書き出し位置を超音波観測領域内に設けたときの超音波断層画像を説明する図
【図6】超音波内視鏡のラジアル走査を説明する図
【図7】セクタ走査によって構築された超音波断層画像の一例を説明する図
【図8】穿刺針を関心領域部に穿刺している状態を説明する図
【図9】セクタ走査による超音波断層画像中に表示される関心領域部及び針画像とを説明する図
【図10】穿刺針を関心領域部に穿刺している状態を説明する別の図
【符号の説明】
1…超音波内視鏡
7…先端部
20…超音波振動子部
30…セクタ走査ユニット
31…超音波振動子
32…モータハウジング
33…第1モータ
34…セクタユニット本体
35…位置検出用部材
36…位置検出用部材検知部
40…リニア走査ユニット
41…スリップリング
42…エンコーダ
43…第2モータ
Claims (2)
- 先端部に、超音波振動子を外周面に配置させた環状部材及びこの環状部材を回転させて超音波振動子をセクタ走査させる駆動モータを少なくとも備えて構成される、セクタ走査ユニットを設けた超音波内視鏡と、前記超音波振動子を駆動する振動子駆動信号及びこの超音波振動子で受信したエコー信号を基に超音波断層映像信号を生成する超音波断層画像処理部を有する超音波観測装置とを具備する超音波内視鏡装置において、
前記セクタ走査ユニットを構成する前記駆動モータによって回転される前記環状部材の所定位置に回転基準位置検出手段を設けたことを特徴とする超音波内視鏡装置。 - 前記超音波観測装置が備える超音波断層画像処理部によって超音波断層画像を生成するとき、
前記超音波断層画像の書き出し開始位置を、前記回転基準位置検出手段から送信される検知信号を元に、前記環状部材に配置されている超音波振動子が非超音波観察領域内に位置したときに補正設定することを特徴とする請求項1に記載の超音波内視鏡装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003200811A JP2005040204A (ja) | 2003-07-23 | 2003-07-23 | 超音波内視鏡装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2003
- 2003-07-23 JP JP2003200811A patent/JP2005040204A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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