JP2005026463A - 縦型ボート用ウエーハ支持リング - Google Patents
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Abstract
【課題】縦型熱処理炉を使用したウエーハ熱処理でのスリップ転位の発生頻度を低減する。
【解決手段】複数枚のウエーハ20を上下方向に所定間隔で支持する縦型ボートに取り付けられるC字型のウエーハ支持リング10において、開口部11を挟む両端面12,12を、当該開口部11の中央を通過する半径線に平行な基準線O,Oに対し、内周側へ向かって間隔が広がる方向へ傾斜させる。両端面12,12の基準線O,Oに対する傾斜角度θは20度以上とする。
【選択図】 図1
【解決手段】複数枚のウエーハ20を上下方向に所定間隔で支持する縦型ボートに取り付けられるC字型のウエーハ支持リング10において、開口部11を挟む両端面12,12を、当該開口部11の中央を通過する半径線に平行な基準線O,Oに対し、内周側へ向かって間隔が広がる方向へ傾斜させる。両端面12,12の基準線O,Oに対する傾斜角度θは20度以上とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、縦型熱処理炉によるウエーハ熱処理に使用されるウエーハ支持リングに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの素材であるシリコンウエーハは各種の熱処理を受けるのが通例であり、その熱処理に使用される熱処理炉の一つとして縦型炉がある。縦型熱処理炉では、所定枚数のシリコンウエーハが縦型のウエーハボートに水平姿勢で上下方向に所定の間隔で搭載されて、縦型の炉体内にローディングされる。そして、所定の雰囲気ガスを炉体内に供給しながら、炉体内のシリコンウエーハを所定温度に加熱する。
【0003】
縦型熱処理炉に使用される縦型ボートは、基本的に横型炉に使用される横型ボートを縦に向けた構成であり、天板と底板の間に垂直に配置された複数本の支柱を有している。複数本の支柱は、正面側からのウエーハの挿入を可能にするために正面を広くあけて配置されており、各支柱の長手方向複数箇所にウエーハの外周縁部が嵌合するように設けられた切り込みにより、所定枚数のウエーハを上下方向に所定の間隔で支持する。
【0004】
シリコンウエーハが受ける熱処理の一つとしてウエーハ表面の清浄化を目的とした高温熱処理がある。この熱処理では、多数枚のシリコンウエーハがウエーハボートに搭載されて熱処理炉内にローディングされ、Ar及び/又はH2 といった非酸化性ガス中で1100℃以上の高温に加熱されることにより、ウエーハの表層部からCOPなどのミクロ欠陥が除去される。
【0005】
縦型熱処理炉でこのような高温処理を行う場合の問題点の一つとして、支柱の支持部によるスリップ転位の発生がある。即ち、従来の縦型ボートでは、ウエーハの外周縁部が支柱により複数箇所(通常は4箇所)で局部的に支持される。このため支持部にウエーハの自重が集中し、大きな内部応力が生じることにより、加熱温度が高くなるほど、またウエーハ径が大きくなるほど、支持部の近傍でスリップ転位が発生しやすくなるのである。
【0006】
このような状況下で提案されたスリップ対策の一つが、特許文献1に記載されたウエーハ支持リングである。この対策では、複数本の支柱に設けた切り込みを利用して、複数のウエーハ支持リングを上下方向に所定の間隔で支柱に取り付け、該リングによりウエーハを支持する。ウエーハ支持リングは、ロボットによるウエーハの移載を可能にするために周方向の一部が開口したC字型のリングであり、ウエーハの外周縁部を開口部に対応する部分を除いて広く支持する。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−260438号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ウエーハ支持リングを使用することにより、ウエーハに付加される荷重が分散し、スリップ転位の発生頻度は低下する。しかしながら、その発生を完全に防止することは困難であり、むしろ特定部位に集中する傾向のあることが、本発明者による調査から判明した。
【0009】
本発明の目的は、スリップの発生頻度を従来よりも更に低減できる縦型ボート用ウエーハ支持リングを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者はウエーハ支持リングを使用したときのスリップ転位の発生状況、及びそのスリップ転位の防止策について詳細に調査した。その結果、以下の事実が判明した。
【0011】
従来のウエーハ支持リングの平面形状を図2(a)に、そのウエーハ支持リングを使用したときのスリップ転位の発生状況を図2(b)に示す。ウエーハ支持リング10は、周方向の一部にウエーハ移載のために開口部11を有している。ウエーハ支持リング10の開口部11を挟む両端面12,12は、当該開口部11の中央を通過する半径線に平行である。
【0012】
シリコンウエーハ20は、その外周縁部がウエーハ支持リング10の内周部により、開口部11のところを除いて支持される。そして、そのウエーハ20においては、スリップ転位21はウエーハ支持リング10の両端面12,12に対応する箇所、特に図2(a)中にSで示す内周側の角部に対応する部分に集中的に発生すること、その発生頻度は両端面12,12の開き角度、即ち前記半径線に平行な基準線に対する傾斜角度に依存し、その傾斜角度の選択によりスリップ転位を激減させ得ることが判明した。
【0013】
本発明のウエーハ支持リングは、かかる知見を基礎として開発されたものであり、複数枚のウエーハを上下方向に所定間隔で支持する縦型ボートの各ウエーハ支持部に装着され、周方向の一部が開口したC字型のウエーハ支持リングにおいて、開口部を挟む両端面を、当該開口部の中央を通過する半径線に平行な基準線に対し、内周側へ向かって間隔が広がる方向へ傾斜させたものである。
【0014】
ウエーハ支持リングの開口部を挟む両端面をこのように傾斜させることにより、両端面の外周側の角部は鋭角に尖るが、内周側の角部は鈍角に広がった形状になる。鋭角に尖った外周側の角部はウエーハに接触しないが、鈍角に広がった内周側の角部はウエーハに接触する。ウエーハに接触する内周側の角部が鈍角に広がることがスリップ転位の低減に寄与していると考えられる。
【0015】
即ち、図2(a)にSで示し、ウエーハと接触する内周側の角部が鈍角に広がることにより、この角部に起因する応力集中が緩和され、スリップ転位が発生し難くなると考えられる。
【0016】
ウエーハ支持リングの開口部を挟む両端面の前記基準線に対する傾斜角度θは20度以上が好ましく、20〜40度が特に好ましい。この傾斜角度θが小さすぎるとスリップ転位を低減する効果が不十分であり、大きすぎる場合はリングの両端部が細く尖ってリング幅が狭くなり、ウエーハに対する支持面積が減少することから、十分にウエーハを支持することが難しくなり、この点からスリップ転位が発生しやすくなる。
【0017】
ウエーハ支持リングの材質としてはシリコン又はSiCが好ましい。なぜなら、同じ熱膨脹係数のシリコンを用いることで、熱処理の昇降温時における接触部分の温度差を小さくすることができ、スリップ転位を低減する効果が上がる。SiCについては、シリコンよりも強度が高く、熱処理による形状変化が少ないことから、ウエーハを安定的に支持することができる。
【0018】
前記両端面のエッジ部に対しては、スリップ転位防止の点から面取りを行うのがよい。面取り加工としては糸面取り加工でもよいが、R加工仕上げの方がより好ましい。
【0019】
前記開口部の広さは、中心から見た開き角度(中心角)で表して20〜90度が適当である。これが小さいと、ウエーハを支持リングに移載するためのロボットアームが開口部を通過することが困難になる。逆に大きい場合はウエーハと支持リングの接触周長が減少し、開口部においてウエーハが自重により撓むことにより、リング開口部でスリップ転位が発生しやすくなる。
【0020】
なお、本発明のウエーハ支持リングは、スリップ転位が発生しやすい200mm以上の大径ウエーハに有効であり、300mm以上の大径ウエーハに特に有効である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態を示す平面図である。
【0022】
本実施形態のウエーハ支持リング10は、縦型ボートの4本の支柱30に所定間隔で水平に取り付けられるC字型リングである。リング径としては、リング内周部でウエーハ外周縁部を支持できるように、ウエーハ外径Dより小さい内径とそのウエーハ外径Dより大きい外径とを有している。
【0023】
ウエーハ支持リング10の開口部11を挟む両端面12,12は、開口部11の中央を通過する半径線に平行な基準線O,Oに対し、内周側へ向かって間隔が広がる方向へ角度θで傾斜している。傾斜角度θは20度以上に設定されている。
【0024】
比較試験を行うために、SiCからなる外径が305mm、内径が250mm、厚みが5mm、開口部の広さが中心角で40度、両端面の基準線に対する傾斜角度θが0度、10度、20度、30度の300mmウエーハ用支持リングを作製した。
【0025】
各リングを縦型ボートに取り付け、その縦型ボートを用いて、300mmシリコンウエーハをアルゴン雰囲気、1200℃×1時間の条件で100枚同時に熱処理した。熱処理後の各ウエーハにおけるスリップ転位の発生状況をXRTにて確認した。
【0026】
傾斜角度θが0度及び10度のリングを使用した場合は、リングの内周側の角部に対応する部分にスリップ転位が発生したが、傾斜角度θが20度及び30度のリングを使用した場合はスリップ転位は発生しなかった。
【0027】
リング材質を単結晶シリコンに代えて同じ試験を行ったところ、SiCと同じ結果が得られた。
【0028】
【発明の効果】
以上に説明したとおり、本発明のシリコン支持リングは、開口部を挟む両端面を、当該開口部の中央を通過する半径線に平行な基準線に対し、内周側へ向かって間隔が広がる方向へ傾斜させるという簡単な手法により、スリップの発生頻度を従来よりも大幅に低減できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す平面図である。
【図2】(a)(b)は従来のウエーハ支持リングの形状及びそのウエーハ支持リングを使用したときのスリップ転位の発生状況を示す平面図である。
【符号の説明】
10 ウエーハ支持リング
11 開口部
12 端面
20 ウエーハ
21 スリップ転位
30 支柱
【発明の属する技術分野】
本発明は、縦型熱処理炉によるウエーハ熱処理に使用されるウエーハ支持リングに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの素材であるシリコンウエーハは各種の熱処理を受けるのが通例であり、その熱処理に使用される熱処理炉の一つとして縦型炉がある。縦型熱処理炉では、所定枚数のシリコンウエーハが縦型のウエーハボートに水平姿勢で上下方向に所定の間隔で搭載されて、縦型の炉体内にローディングされる。そして、所定の雰囲気ガスを炉体内に供給しながら、炉体内のシリコンウエーハを所定温度に加熱する。
【0003】
縦型熱処理炉に使用される縦型ボートは、基本的に横型炉に使用される横型ボートを縦に向けた構成であり、天板と底板の間に垂直に配置された複数本の支柱を有している。複数本の支柱は、正面側からのウエーハの挿入を可能にするために正面を広くあけて配置されており、各支柱の長手方向複数箇所にウエーハの外周縁部が嵌合するように設けられた切り込みにより、所定枚数のウエーハを上下方向に所定の間隔で支持する。
【0004】
シリコンウエーハが受ける熱処理の一つとしてウエーハ表面の清浄化を目的とした高温熱処理がある。この熱処理では、多数枚のシリコンウエーハがウエーハボートに搭載されて熱処理炉内にローディングされ、Ar及び/又はH2 といった非酸化性ガス中で1100℃以上の高温に加熱されることにより、ウエーハの表層部からCOPなどのミクロ欠陥が除去される。
【0005】
縦型熱処理炉でこのような高温処理を行う場合の問題点の一つとして、支柱の支持部によるスリップ転位の発生がある。即ち、従来の縦型ボートでは、ウエーハの外周縁部が支柱により複数箇所(通常は4箇所)で局部的に支持される。このため支持部にウエーハの自重が集中し、大きな内部応力が生じることにより、加熱温度が高くなるほど、またウエーハ径が大きくなるほど、支持部の近傍でスリップ転位が発生しやすくなるのである。
【0006】
このような状況下で提案されたスリップ対策の一つが、特許文献1に記載されたウエーハ支持リングである。この対策では、複数本の支柱に設けた切り込みを利用して、複数のウエーハ支持リングを上下方向に所定の間隔で支柱に取り付け、該リングによりウエーハを支持する。ウエーハ支持リングは、ロボットによるウエーハの移載を可能にするために周方向の一部が開口したC字型のリングであり、ウエーハの外周縁部を開口部に対応する部分を除いて広く支持する。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−260438号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ウエーハ支持リングを使用することにより、ウエーハに付加される荷重が分散し、スリップ転位の発生頻度は低下する。しかしながら、その発生を完全に防止することは困難であり、むしろ特定部位に集中する傾向のあることが、本発明者による調査から判明した。
【0009】
本発明の目的は、スリップの発生頻度を従来よりも更に低減できる縦型ボート用ウエーハ支持リングを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者はウエーハ支持リングを使用したときのスリップ転位の発生状況、及びそのスリップ転位の防止策について詳細に調査した。その結果、以下の事実が判明した。
【0011】
従来のウエーハ支持リングの平面形状を図2(a)に、そのウエーハ支持リングを使用したときのスリップ転位の発生状況を図2(b)に示す。ウエーハ支持リング10は、周方向の一部にウエーハ移載のために開口部11を有している。ウエーハ支持リング10の開口部11を挟む両端面12,12は、当該開口部11の中央を通過する半径線に平行である。
【0012】
シリコンウエーハ20は、その外周縁部がウエーハ支持リング10の内周部により、開口部11のところを除いて支持される。そして、そのウエーハ20においては、スリップ転位21はウエーハ支持リング10の両端面12,12に対応する箇所、特に図2(a)中にSで示す内周側の角部に対応する部分に集中的に発生すること、その発生頻度は両端面12,12の開き角度、即ち前記半径線に平行な基準線に対する傾斜角度に依存し、その傾斜角度の選択によりスリップ転位を激減させ得ることが判明した。
【0013】
本発明のウエーハ支持リングは、かかる知見を基礎として開発されたものであり、複数枚のウエーハを上下方向に所定間隔で支持する縦型ボートの各ウエーハ支持部に装着され、周方向の一部が開口したC字型のウエーハ支持リングにおいて、開口部を挟む両端面を、当該開口部の中央を通過する半径線に平行な基準線に対し、内周側へ向かって間隔が広がる方向へ傾斜させたものである。
【0014】
ウエーハ支持リングの開口部を挟む両端面をこのように傾斜させることにより、両端面の外周側の角部は鋭角に尖るが、内周側の角部は鈍角に広がった形状になる。鋭角に尖った外周側の角部はウエーハに接触しないが、鈍角に広がった内周側の角部はウエーハに接触する。ウエーハに接触する内周側の角部が鈍角に広がることがスリップ転位の低減に寄与していると考えられる。
【0015】
即ち、図2(a)にSで示し、ウエーハと接触する内周側の角部が鈍角に広がることにより、この角部に起因する応力集中が緩和され、スリップ転位が発生し難くなると考えられる。
【0016】
ウエーハ支持リングの開口部を挟む両端面の前記基準線に対する傾斜角度θは20度以上が好ましく、20〜40度が特に好ましい。この傾斜角度θが小さすぎるとスリップ転位を低減する効果が不十分であり、大きすぎる場合はリングの両端部が細く尖ってリング幅が狭くなり、ウエーハに対する支持面積が減少することから、十分にウエーハを支持することが難しくなり、この点からスリップ転位が発生しやすくなる。
【0017】
ウエーハ支持リングの材質としてはシリコン又はSiCが好ましい。なぜなら、同じ熱膨脹係数のシリコンを用いることで、熱処理の昇降温時における接触部分の温度差を小さくすることができ、スリップ転位を低減する効果が上がる。SiCについては、シリコンよりも強度が高く、熱処理による形状変化が少ないことから、ウエーハを安定的に支持することができる。
【0018】
前記両端面のエッジ部に対しては、スリップ転位防止の点から面取りを行うのがよい。面取り加工としては糸面取り加工でもよいが、R加工仕上げの方がより好ましい。
【0019】
前記開口部の広さは、中心から見た開き角度(中心角)で表して20〜90度が適当である。これが小さいと、ウエーハを支持リングに移載するためのロボットアームが開口部を通過することが困難になる。逆に大きい場合はウエーハと支持リングの接触周長が減少し、開口部においてウエーハが自重により撓むことにより、リング開口部でスリップ転位が発生しやすくなる。
【0020】
なお、本発明のウエーハ支持リングは、スリップ転位が発生しやすい200mm以上の大径ウエーハに有効であり、300mm以上の大径ウエーハに特に有効である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態を示す平面図である。
【0022】
本実施形態のウエーハ支持リング10は、縦型ボートの4本の支柱30に所定間隔で水平に取り付けられるC字型リングである。リング径としては、リング内周部でウエーハ外周縁部を支持できるように、ウエーハ外径Dより小さい内径とそのウエーハ外径Dより大きい外径とを有している。
【0023】
ウエーハ支持リング10の開口部11を挟む両端面12,12は、開口部11の中央を通過する半径線に平行な基準線O,Oに対し、内周側へ向かって間隔が広がる方向へ角度θで傾斜している。傾斜角度θは20度以上に設定されている。
【0024】
比較試験を行うために、SiCからなる外径が305mm、内径が250mm、厚みが5mm、開口部の広さが中心角で40度、両端面の基準線に対する傾斜角度θが0度、10度、20度、30度の300mmウエーハ用支持リングを作製した。
【0025】
各リングを縦型ボートに取り付け、その縦型ボートを用いて、300mmシリコンウエーハをアルゴン雰囲気、1200℃×1時間の条件で100枚同時に熱処理した。熱処理後の各ウエーハにおけるスリップ転位の発生状況をXRTにて確認した。
【0026】
傾斜角度θが0度及び10度のリングを使用した場合は、リングの内周側の角部に対応する部分にスリップ転位が発生したが、傾斜角度θが20度及び30度のリングを使用した場合はスリップ転位は発生しなかった。
【0027】
リング材質を単結晶シリコンに代えて同じ試験を行ったところ、SiCと同じ結果が得られた。
【0028】
【発明の効果】
以上に説明したとおり、本発明のシリコン支持リングは、開口部を挟む両端面を、当該開口部の中央を通過する半径線に平行な基準線に対し、内周側へ向かって間隔が広がる方向へ傾斜させるという簡単な手法により、スリップの発生頻度を従来よりも大幅に低減できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す平面図である。
【図2】(a)(b)は従来のウエーハ支持リングの形状及びそのウエーハ支持リングを使用したときのスリップ転位の発生状況を示す平面図である。
【符号の説明】
10 ウエーハ支持リング
11 開口部
12 端面
20 ウエーハ
21 スリップ転位
30 支柱
Claims (2)
- 複数枚のウエーハを上下方向に所定間隔で支持する縦型ボートの各ウエーハ支持部に装着され、周方向の一部が開口したC字型のウエーハ支持リングにおいて、開口部を挟む両端面が、当該開口部の中央を通過する半径線に平行な基準線に対し、内周側へ向かって間隔が広がる方向へ傾斜していることを特徴とする縦型ボート用ウエーハ支持リング。
- 前記両端面の前記基準線に対する傾斜角度が20度以上であることを特徴とする請求項1に記載の縦型ボート用支持リング。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003190443A JP2005026463A (ja) | 2003-07-02 | 2003-07-02 | 縦型ボート用ウエーハ支持リング |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003190443A JP2005026463A (ja) | 2003-07-02 | 2003-07-02 | 縦型ボート用ウエーハ支持リング |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005026463A true JP2005026463A (ja) | 2005-01-27 |
Family
ID=34188332
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003190443A Pending JP2005026463A (ja) | 2003-07-02 | 2003-07-02 | 縦型ボート用ウエーハ支持リング |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005026463A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009543352A (ja) * | 2006-06-30 | 2009-12-03 | エムイーエムシー・エレクトロニック・マテリアルズ・インコーポレイテッド | ウェハプラットフォーム |
-
2003
- 2003-07-02 JP JP2003190443A patent/JP2005026463A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009543352A (ja) * | 2006-06-30 | 2009-12-03 | エムイーエムシー・エレクトロニック・マテリアルズ・インコーポレイテッド | ウェハプラットフォーム |
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