JP2005024672A - 導電性部材およびそれを用いた画像形成装置およびプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた特性を有する高画質化およびカラー化に適した導電性部材、該導電性部材を有する画像形成装置およびプロセスカートリッジを提供する。
【解決手段】導電性支持体の上に形成される1層以上の被覆層に高分子化合物粒子を含有する導電性部材において、少なくとも表面層の高分子化合物粒子の疎水化度が20〜80%であり、更に導電性部材の表面粗さが高分子化合物の含有によって、下記式の関係に調整されていることを特徴とする導電性部材。
2μm≦Rzjis≦50μm
20μm≦RSm≦200μm
また、該導電性部材が帯電手段として用いられたことを特徴とする画像形成装置。
【選択図】 なし
【解決手段】導電性支持体の上に形成される1層以上の被覆層に高分子化合物粒子を含有する導電性部材において、少なくとも表面層の高分子化合物粒子の疎水化度が20〜80%であり、更に導電性部材の表面粗さが高分子化合物の含有によって、下記式の関係に調整されていることを特徴とする導電性部材。
2μm≦Rzjis≦50μm
20μm≦RSm≦200μm
また、該導電性部材が帯電手段として用いられたことを特徴とする画像形成装置。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機等の電子写真方式を採用した画像形成装置における帯電部材、現像剤担持部材、転写部材、クリーニング部材、除電部材等、電気的に被接触物をコントロールする導電性部材に関するものであり、特には、電圧を印加した帯電部材を被帯電体に接触させて、被帯電体を帯電する接触帯電部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
便宜上、電子写真方式のレーザービームプリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置を例にして説明する。
【0003】
従来、電子写真プロセスにおける帯電プロセスは、帯電部材を感光体に接触させながら電圧を印加して、感光体表面を帯電させる接触帯電方式が実用化されている。これは、感光体に、ローラ型、ブレード型、ブラシ型、磁気ブラシ型等の電荷供給部材としての帯電部材を接触させ、この接触帯電部材に所定の帯電バイアスを印加して感光体面を所定の極性・電位に一様帯電させるものである。この帯電方式は、電源の低電圧化とオゾンの発生量が少ないという利点を有している。この中でも特に接触帯電部材として導電性ローラ(帯電ローラ)を用いたローラ帯電方式が帯電の安定性という点から好ましく用いられている。
【0004】
このローラ帯電方式においては帯電均一性を改善するために、所望の被帯電体表面電位Vdに相当する直流電圧に帯電開始電圧(VTH)の2倍以上のピーク間電圧を持つ交流電圧成分(AC電圧成分)を重畳した電圧(交番電圧・脈流電圧・振動電圧;時間とともに電圧値が周期的に変化する電圧)を接触帯電部材に印加する「AC帯電方式」が用いられる。(例えば、特許文献1を参照)これはAC電圧による電位のならし効果を目的としたものであり、被帯電体の電位はAC電圧のピークの中央である電位Vdに収束し、環境等の外乱には影響されることはなく、接触帯電方法として優れた方法である。
【0005】
【特許文献1】
特開昭63−149669号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記AC帯電方式では、直流電圧印加時における帯電開始電圧(VTH)の2倍以上のピーク間電圧である高圧の交流電圧を重畳させるため、直流電源とは別に交流電源が必要となり、装置自体のコストアップを招く。更には交流電流を多量に消費することにより、帯電ローラおよび感光体の耐久性が低下するという問題点があった。
【0007】
また、これらの問題点は、帯電ローラに直流電圧のみを印加して帯電を行うことにより解消されるものの、帯電ローラに直流電圧のみを印加すると、以下の問題点が発生した。
【0008】
前記従来の帯電部材に直流電圧のみを印加すると、特に低湿環境において、帯電部材のわずかな抵抗ムラでも、画像上にスジ状の濃度ムラとなって現れやすく、画像品質が低下するという問題がある。
【0009】
また、帯電部材表面の汚れ(紙粉やトナー、外添剤などの付着物)が、画像上に現れやすく画像品質が低下するという問題がある。
【0010】
最近の電子写真技術においては、高画質化およびカラー化の要求が高く、上記のような僅かな画像品質の低下もこれらの要求を達成するためには改善しなければならない重要な問題点となっている。
【0011】
本発明の目的は、上記問題点を解決し、優れた特性を有する高画質化およびカラー化に適した導電性部材を提供することにある。
【0012】
また、本発明の目的は、上記導電性部材を有する画像形成装置およびプロセスカートリッジを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の目的を達成するため、下記のような構成を特徴とする導電性部材および画像形成装置およびプロセスカートリッジを提供するものである。
【0014】
即ち本発明は、導電性支持体の上に形成される1層以上の被覆層が、高分子化合物粒子を含有する導電性部材において、少なくとも表面層の高分子化合物粒子の疎水化度が20〜80%であり、更に導電性部材の表面粗さが高分子化合物の含有によって、下記式の関係に調整されていることを特徴とする導電性部材である。
【0015】
2μm≦Rzjis≦50μm
20μm≦RSm≦200μm
(式中、RzjisはJIS B 0601:2001における十点平均粗さ、RSmはJIS B 0601:2001における平均長さを示す。)
【0016】
Rzjis<2μmの場合、スジ状の画像濃度ムラ発生を抑制することができず、画像品質が低下する。Rzjis>50μmの場合、帯電部材表面の凹凸が画像上にポチ状に現れてしまい、画像品質が低下する。
【0017】
また、RSm<20μmの場合、耐久後半にローラ表面の汚れに起因した画像不良が発生する恐れがある。RSm>200μmの場合、スジ状の画像濃度ムラ発生を抑制することができず、画像品質が低下する。
【0018】
即ち、Rzjis及びRSmが上記範囲に入る場合はスジ状の画像濃度ムラが発生せず、良好な画像が得られる。また、表面に凹凸を形成した場合でもRzjis及びRSmが上記範囲であれば、ローラ表面の汚れに起因した画像不良を最小限に抑えることができ、長期にわたり安定した出力画像を得られる。
【0019】
本発明においては、適度に疎水化された高分子化合物からなる粒子を用いることで、導電性部材の抵抗値ムラに起因して画像上に現れるスジ状の濃度ムラを抑制することができるだけではなく、導電性部材の表面に付着した紙粉やトナー、外添剤による汚れに起因した帯電不良もまた抑制することができ、非常に優れた画像品質を得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明のメカニズムは明らかになっていないが、本発明者等の鋭意検討により、以下のことは解明できた。
【0021】
まず、導電性部材の表面層に高分子化合物粒子を含有させ、導電性部材の表面に適度な凹凸を形成させることによって、導電性部材の抵抗値ムラに起因して画像上に現れるスジ状の濃度ムラを抑制することができた。
【0022】
ところが、表面に凹凸を形成させると導電性部材の表面は汚れやすくなる。そのためスジ状の濃度ムラの抑制と表面の汚れ防止とを両立させることが技術課題であった。
【0023】
そこで、表面に凹凸を形成するために添加した粒子を本発明のような疎水化度20〜80%を有するものにすることによって、導電性部材の表面に汚れが付着するのを防止することができた。特に紙粉の付着防止に非常に効果的であった。
【0024】
また、本発明においては粒子の疎水化度を20〜80%にするために疎水化処理を行うことが好ましい。疎水化処理剤としては、シランカップリング剤やシリコーンオイルを用いるのが好ましい。
【0025】
また、疎水化処理としては、2種の表面処理剤を用いると良いことが分かった。特には、高分子化合物粒子をシランカップリング剤にて処理した後に、シリコーンオイルにて表面処理するのが最も効果的であり好ましいことが分かった。このようにシランカップリング剤にて処理した後に、シリコーンオイルにて疎水化処理した粒子は、帯電能力を向上させることができるので好ましい。具体的な効果としては、ドラムゴーストを軽減させる効果がある。
【0026】
上記のような様々な検討により、疎水化度20〜80%を有する高分子化合物粒子を表面層に含有することで、帯電の安定性/均一性に優れた、本発明の帯電部材に至ったものである。
【0027】
次に、本発明の画像形成装置の概略構成について説明する。
【0028】
(1)画像形成装置
図1〜図4を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る導電性部材および画像形成装置およびプロセスカートリッジについて説明する。
なお、本実施の形態では画像形成装置の一例としてレーザプリンタを例に説明する。
【0029】
まず、図1を参照して、画像形成装置全体について説明する。図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置(レーザプリンタ)の概略構成断面図である。
【0030】
本実施の形態に係る画像形成装置(レーザプリンタ)はパーソナルコンピューターやワークステーション等のホストと接続されており(図示せず)、ホストからのプリント要求によりビデオインターフェースを介して画像データを受け取る。
【0031】
この画像データを基に、本実施の形態に係る画像形成装置(レーザプリンタ)は、イエローY、マゼンタM、シアンC、黒Kの4色に分解した画像データにより順次各色をトナー像形成し、それらを中間転写体上に重ね合わせて、紙などの転写材に一括転写してフルカラー画像を得るものである。
【0032】
101は所定の周速度(80mm/s)を持って矢印Aの方向に回転駆動される第1の像担持体としての被帯電体である感光ドラム(外径100mmのアルミ製シリンダー上に有機感光材料による感光層を形成したもの)であり、まず、その表面が帯電手段である帯電ローラ102により(約−600Vに)一様に帯電処理される。
【0033】
次に第1色目(Y)の画像データに応じてON/OFF制御された露光手段(静電潜像形成手段)103による走査が施され、第1色目の静電潜像が形成される(露光部電位は約−100V)。
【0034】
この第1色目の静電潜像は、現像手段4において、第1色目のYトナー(極性−)を内包した第1の現像手段104aにより現像、可視化される。
【0035】
この可視化された第1のトナー像は、感光ドラム101に所定の押圧力をもって圧接され、感光ドラム101の周速度と略等速の速度(80mm/s)をもって矢印Bの方向に回転駆動される第2の像担持体としての中間転写体105(アルミ製シリンダー上に、NBRゴム等からなる導電弾性層の表面にカーボン、フッ素樹脂等を分散したウレタン樹脂からなる離型性を有する表層を形成し、抵抗値を105〜1010Ωcm程度とし、外径を153mmとしたもの)とのニップ部において、中間転写体105表面に転写(1次転写)される。
【0036】
この際、中間転写体105に対しては、トナーの帯電極性(−)とは逆極性で、予め一意的に設定された電圧VItr(+100V)が印加される。
【0037】
1次転写の際に転写されずに感光ドラム上に残ったトナーは、感光ドラムに圧接されたクリーニング手段であるクリーニングブレード108により掻き取られ廃トナー容器109に回収される。
【0038】
そして、上記工程を残りの3色(M,C,K)についても同様に繰り返し、その都度、第2の現像手段104b、第3の現像手段104c、第4の現像手段104dに各々内包された色の異なる現像剤によるトナー像を中間転写体105表面に順次静電転写、積層することによりカラー画像が形成される。
【0039】
このカラー画像は、中間転写体105と、これに所定のタイミングで圧接され、中間転写体の周速度と略等速の速度をもって回転される接離可能な転写手段としての転写ローラ106とのニップ部に於いて、給紙部より搬送されてくる転写材107表面に一括転写(2次転写)される。
【0040】
この際、転写ローラ106に対しては、トナーの帯電極性とは逆極性で、予め一意的に設定された電圧Vtr(+1000V)が印加される。
【0041】
その後この転写材107は定着手段112に搬送され4色のトナー像は永久定着され、排紙部より機外に排出され所望のプリント画像が得られる。
【0042】
また、2次転写の際に転写されずに中間転写体105上に残ったトナーはトナー電荷制御部材113により帯電極性を制御された後、中間転写体105と感光ドラムとの電位差により感光ドラム側に戻され、感光ドラム上に配設されたクリーニングブレード108により掻き取られ廃トナー容器109に回収される。
【0043】
上記感光ドラム101および帯電ローラ102、クリーニングブレード108、廃トナー容器109、また後記する帯電ローラの清掃部材120は一つのプロセスカートリッジ(感光ドラムカートリッジ110)として、画像形成装置に対して着脱自在に構成されている。
【0044】
また、イエローY、マゼンタM、シアンC、黒Kの各現像手段104a,104b,104c(以上容器111内),104dは一つのプロセスカートリッジ(現像カートリッジ)として、その消耗度合いにより別々に交換可能となっている。
【0045】
それぞれのプロセスカートリッジの寿命は、感光ドラムカートリッジがフルカラー標準原稿(4%印字)のプリントで10,000枚、カラーカートリッジがそれぞれ標準原稿プリント5,000枚、黒カートリッジが標準原稿プリント10,000枚に設定されている。
【0046】
(2)帯電部材の清掃装置
次に、帯電ローラの清掃装置について特に図2〜図4を参照して説明する。図2および図4は帯電ローラと帯電ローラの清掃装置との関係を示した概略構成図であり、図3は帯電ローラの清掃装置の概略斜視図である。
【0047】
帯電ローラ102は、芯金102a、弾性層102b、表面層102cからなり、不図示の軸受けおよび加圧バネにより加圧され感光ドラム101に圧接接触し、感光ドラム101の回転に伴い従動回転する。帯電ローラ102の詳細については後述する。
【0048】
帯電ローラ102近傍には、帯電ローラ表面を汚染する付着物(クリーニングブレードをすり抜けてくる微粉トナー、外添剤、紙粉など)を清掃除去する、帯電ローラの清掃装置を構成する帯電ローラの清掃部材120が配設されている。
【0049】
本実施の形態に係る帯電ローラの清掃部材120は、帯電ローラ102の長手方向(軸方向)に対し平行に配置され、支持部材121と、可撓性を持つフィルム状部材であり該支持部材に一端を固定され自由端側近傍のフィルム面において帯電ローラ102との接触ニップを形成するよう配置された可撓部材としてのクリーニングフィルム122と、から構成されている。
【0050】
クリーニングフィルム122には、フィルム厚50μmのポリイミドを主成分とする樹脂フィルムを用いており、帯電ローラ102に対して侵入量2.0mm(図4参照;帯電ローラ102表面とクリーニングフィルム122当接面の自由状態断面直線との距離の最大値δにて定義)、支持部材121の固定端からl=約6mmの位置(図3)でニップ幅n=約0.5mmで当接する。
【0051】
更に、可撓部材(クリーニングフィルム)を撓ませた反発力によって当接力を得ているので、接触ニップを0.5mm程度に抑えることができ、且つ侵入量の振れに対して当接圧の変化が少なく帯電ローラ全域において均一に軽圧で当接させることができるため、耐久寿命の長い感光ドラムカートリッジにおいても、帯電ローラの清掃部材が掻き取った汚染物は接触ニップ内に滞留することなく、帯電ローラの清掃部材自体や帯電ローラの清掃部材の接触ニップに固着する汚染物の摺擦による帯電ローラ表面のキズを画像上影響のない程度にとどめることができる。
【0052】
また、清掃部材を構成する部品の精度にも従来に比べ、それほど高精度を要求されない。
【0053】
なお、帯電ローラの清掃部材は、上述のように樹脂フィルムをそのまま使用したものの他に、樹脂フィルムをグラインダー法やサンドブラスト法、ケミカルエッチング法、微粒子分散法などにより適度に粗くしたものも良い。
【0054】
フィルム材料としては、ポリイミドのほか、フェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートなどの樹脂、PTFE、PVDFなどのフッ素樹脂などから選ぶことができる。
【0055】
また、フィルム膜厚、フィルム侵入量、クリーニング部材を長手方向に往復運動させる往復量、周期等は、上述の設定に制限されるものではなく、帯電ローラの寿命や使用するトナーの特性、感光ドラムをクリーニングする手段の性能などにより、適宜最適値を選択すればよい。
【0056】
フィルム膜厚、フィルム侵入量に関しては、それぞれ10〜1000μm、0.5〜5mmの範囲が好ましい。
【0057】
(3)導電性部材
例えば、帯電部材は図5に示すようにローラ形状であり、導電性支持体2aと被覆層として、その外周に一体に形成された弾性層2bと該弾性層の外周に形成された表面層2cから構成されている。
【0058】
本発明の帯電部材の他の構成は、弾性層2bと表面層2cの間に抵抗層が形成された3層からなるものであってもよいし、表面層2cの無い単層構成としてもよい。
【0059】
本発明に用いられる導電性支持体2aは、鉄、銅、ステンレス、アルミニウムおよびニッケル等の金属材料の丸棒を用いることができる。更に、これらの金属表面に防錆や耐傷性付与を目的としてメッキ処理を施しても構わないが、導電性を損なわないことが必要である。
【0060】
帯電ローラ2において、弾性層2bは被帯電体としての電子写真感光体に対する給電や、電子写真感光体1に対する良好な均一密着性を確保するために適当な導電性と弾性を持たせてある。また、帯電ローラ2と電子写真感光体の均一性密着性を確保するために弾性層2bを研磨によって中央部を一番太く、両端部に行くほど細くなる形状、いわゆるクラウン形状に形成することが好ましい。一般に使用されている帯電ローラ2が、支持体2aの両端部に所定の押圧力を与えて電子写真感光体と当接されているので、中央部の押圧力が小さく、両端部ほど大きくなっているために、帯電ローラ2の真直度が十分であれば問題ないが、十分でない場合には中央部と両端部に対応する画像に濃度ムラが生じてしまう場合がある。クラウン形状は、これを防止するために形成する。
【0061】
弾性層2bの導電性は、ゴム等の弾性材料中にカーボンブラック、グラファイトおよび導電性金属酸化物等の電子伝導機構を有する導電剤、およびアルカリ金属塩や四級アンモニウム塩等のイオン伝導機構を有する導電剤を適宜添加することにより1010Ωcm未満に調整されるのがよい。弾性層2bの具体的弾性材料としては、例えば、天然ゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、シリコンーンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)およびクロロプレンゴム(CR)等の合成ゴム、更にはポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂およびシリコーン樹脂等も挙げられる。
【0062】
直流電圧のみを印加して、被帯電体の帯電処理を行う帯電部材においては、帯電均一性を達成するために、特に中抵抗の極性ゴム(例えば、エピクロルヒドリンゴム、NBR、CRおよびウレタンゴム等)やポリウレタン樹脂を弾性材料として用いるのが好ましい。これらの極性ゴムやポリウレタン樹脂は、ゴムや樹脂中の水分や不純物がキャリアとなり、僅かではあるが導電性をもつと考えられ、これらの導電機構はイオン伝導であると考えられる。但し、これらの極性ゴムやポリウレタン樹脂に導電剤を全く添加しないで弾性層を作成し、得られた帯電部材は低温低湿(L/L)環境において、抵抗値が高くなり1010Ωcm以上となってしまうものもあるため帯電部材に高電圧を印加しなければならなくなる。
【0063】
そこで、L/L環境で帯電部材の抵抗値が1010Ωcm未満になるように、前述した電子伝導機構を有する導電剤やイオン伝導機構を有する導電剤を適宜添加して調整するのが好ましい。イオン伝導機構を有する導電剤の方が抵抗調整がしやすく製法上好ましい。しかしながら、イオン伝導機構を有する導電剤は抵抗値を低くする効果が小さく、特にL/L環境でその効果が小さい。そのため、イオン伝導機構を有する導電剤の添加と併せて電子伝導機構を有する導電剤を補助的に添加して抵抗調整を行ってもよい。
【0064】
但し、弾性層が表面層である場合は、疎水化度20〜80%の高分子化合物粒子を含有しているのが好ましい。この高分子化合物粒子については、表面層2cのところで後述する。
【0065】
また、弾性層2bはこれらの弾性材料を発泡成型した発泡体であってもよい。
【0066】
表面層2cは、帯電部材の表面を構成し、被帯電体である感光体と接触するため感光体を汚染してしまう材料構成であってはならない。
【0067】
本発明に用いられる表面層2cの結着樹脂材料としては、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ブチラール樹脂、スチレン−エチレン・ブチレン−オレフィン共重合体(SEBC)およびオレフィン−エチレン・ブチレン−オレフィン共重合体(CEBC)等が挙げられる。本発明における表面層の材料としては、特にはフッ素樹脂、アクリル樹脂およびシリコーン樹脂等の滑り性や離型性に優れたものが好ましい。
【0068】
これらの結着樹脂に静摩擦係数を小さくする目的で、グラファイト、雲母、二硫化モリブテンおよびフッ素樹脂粉末等の固体潤滑剤、あるいはフッ素系界面活性剤、あるいはワックス、およびシリコーンオイル等を添加してもよい。
【0069】
表面層には、導電性微粒子(以下、導電剤ともいう)として、導電性カーボン、グラファイト、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄粉および金属酸化物である導電性酸化錫や導電性酸化チタン等を適宜用いる。本発明においては、所望の電気抵抗を得るためには、前記各種導電剤を2種以上併用してもよい。導電剤の粒径は個数平均粒径で0.001〜1.0μmであることが好ましい。平均粒径が0.001μmに満たないと導電剤同士が凝集し易くなり、表面処理が難しくなったり、表面処理にムラができ均一に処理しにくくなる。1.0μmを超えると帯電部材の表面層を塗工で形成する場合、導電剤が塗料中で沈降しやすいため好ましくない。
【0070】
また、導電剤と結着樹脂の割合は質量比で0.1:1.0〜2.0:1.0であることが好ましい。導電剤が0.1に満たないと導電剤を含有させたことによる効果を得にくくなり、2.0を超えると表面層の機械的強度が低下し、層がもろくなったり、硬度がアップし、柔軟性がなくなり易い。
【0071】
本発明では表面層の導電剤は、表面処理、好ましくは、疎水化処理されていることを特徴としている。
【0072】
また、本発明においては帯電部材の僅かな抵抗値ムラに起因したスジ状の画像濃度ムラを防止するために、帯電部材の表面に凹凸を形成させることを特徴としている。我々が鋭意検討した結果、表面に凹凸を形成させるためには高分子化合物粒子を表面層に添加するのが好ましいことが分かった。
【0073】
高分子化合物粒子としては、例えば、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、オレフィン樹脂、エポキシ樹脂等、およびこれらの共重合体や変性物および誘導体からなる粒子が好ましい。これらの樹脂粒子は必要に応じて2種以上を併用して用いてもよい。
【0074】
また、本発明においては帯電部材表面の汚れを防止する目的で使用する高分子化合物粒子は、疎水化度が20〜80%であることを特徴としている。そのため、高分子化合物粒子は疎水化処理されていることが好ましい。
【0075】
導電剤および高分子化合物から成る粒子の疎水化処理剤としては、例えば、シランカップリング剤およびシリコーンオイルまたはシリコーンワニスが好ましい。
【0076】
疎水化処理の方法としては、例えばシランカップリング剤の場合、乾式法と湿式法の2つの方法がある。
【0077】
(a)乾式法
導電剤をよくかき混ぜながらシランカップリング剤を噴霧するか蒸気状態で吹込む。必要に応じて加熱処理を入れる。
【0078】
(b)湿式法
導電剤を溶媒中に分散させ、シランカップリング剤も水や有機溶媒に希釈し、スラリー状態で激しくかき混ぜながら添加する。均一処理をするにはこちらの方法が好ましい。更に、導電剤表面のシラン前処理としての具体的方法としては、以下の3つの方法がある。
【0079】
▲1▼水溶液法
約0.1〜0.5%のシランを、一定pHの水、あるいは水−溶媒に十分撹拌しながら注入溶解させ、加水分解する。フィラーをこの溶液中に浸した後、ろ過あるいは圧搾して、ある程度水を除き、その後120〜130℃で十分乾燥する。
【0080】
▲2▼有機溶媒法
少量の水と、加水分解用溶媒(塩酸、酢酸)を含む有機溶媒(アルコール、ベンゼン、ハロゲン化炭化水素)にシランを溶解する。フィラーをこの溶液に浸した後、ろ過あるいは圧搾し、溶媒を除き、120〜130℃で十分乾燥する。
【0081】
▲3▼スプレー法
フィラーを激しく撹拌しながら、シランの水溶液あるいは、溶媒液をスプレーする。その後、120〜130℃で十分乾燥する。
【0082】
シランカップリング剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラメン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、へキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、フルオロアルキルアルコキシシラン、および1分子当たり2〜12個のシロキサン単位を有し、末端に位置する単位に夫々1個あたりのケイ素原子に結合した水酸基を含有したジメチルポリシロキサンが挙げられる。
【0083】
本発明においては、別の疎水化処理剤として、シリコーンオイルまたはシリコーンワニスも好適に使用できる。シリコーンオイルとしては、下記一般式(I)で表されるものが好ましい。
【0084】
一般式(I)
【0085】
【化1】
(但し、
R:炭素数1〜3のアルキル基、
R’:アルキル、ハロゲン変性アルキル、フェニル、変性フェニルの如きシリ
コーンオイル変性基、
R”:炭素数1〜3のアルキル、又は、アルコキシ基、
m及びn:m≧0、n≧0、m+n>0の整数を示すものとする。)
【0086】
上記一般式(I)の具体例としては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルが挙げられる。
【0087】
本発明において、シリコーンオイルとしては、下記一般式(II)で表される構造をもつ変性シリコーンオイルも使用できる。
【0088】
【化2】
【0089】
上記一般式(II)中、R1、R6は、水素原子、アルキル基、アリール基またはアルコキシ基を表わし、R2は、アルキレン基またはフェニレン基を表わし、R3は、含窒素複素環をその構造に有する化合物を表わし、R4およびR5は、水素原子、アルキル基、アリール基を表わし、R2はなくてもよい。但し、上記のアルキル基、アリール基、アルキレン基、フェニレン基は、アミンを有してもよいし、又、帯電性を損ねない範囲でハロゲンを置換基として有してもよい。mは1以上の数であり、n、kは0または正の整数である。但し、n+kは1以上の正の数である。
【0090】
上記構造中最も好ましい構造は窒素原子を含む側鎖中の窒素原子の数が1か2であるものである。窒素を有する不飽和複素環として、下記にその構造の一例を挙げる。
【0091】
【化3】
【0092】
窒素を有する飽和複素環として、下記にその構造の一例を挙げる。
【0093】
【化4】
【0094】
但し、本発明は何ら上記化合物例に拘束されるものではないが、好ましくは5員環または6員環の複素環を持つものが好ましい。
【0095】
誘導体としては、上記化合物群に、炭化水素基、ハロゲン基、アミノ基、ビニル基、メルカプト基、メタクリル基、グリシドキシ基、またはウレイド基を導入した誘導体が例示される。これらは1種、または、2種以上用いてもよい。
【0096】
本発明に用いられるシリコーンワニスとしては、例えば、メチルシリコーンワニス、および、フェニルメチルシリコーンワニスを挙げることができ、特に、本発明においては、メチルシリコーンワニスを用いることが好ましい。メチルシリコーンワニスは、下記構造で示されるT31単位、D31単位、M31単位よりなるポリマーであり、且つT31単位を多量に含む三次元ポリマーである。
【0097】
【化5】
【0098】
メチルシリコーンワニス、または、フェニルメチルシリコーンワニスは、具体的には、下記構造式(A)で示されるような化学構造を有する物質である。
【0099】
構造式(A)
【0100】
【化6】
(R31は、メチル基又は、フェニル基を示す。)
【0101】
上記シリコーンワニスにおいて、特にT31単位は、良好な熱硬化性を付与し、三次元網状構造とするために有効な単位である。シリコーンワニス中に、上記T31単位が、10〜90モル%、特に30〜80モル%の範囲で含まれるものを使用することが好ましい。
【0102】
このようなシリコーンワニスは、分子鎖の末端若しくは側鎖に水酸基を有しており、この水酸基の脱水縮合反応によって硬化することとなる。この硬化反応を促進させるために用いることができる硬化促進剤としては、例えば、亜鉛、鉛、コバルト、スズの如き脂肪酸塩;トリエタノールアミン、ブチルアミンの如きアミン類を挙げることができる。このうち特にアミン類を好ましく用いることができる。
【0103】
上記の如きシリコーンワニスをアミノ変性シリコーンワニスとするためには、前記、T31単位、D31単位、M31単位中に存在する一部のメチル基或いはフェニル基を、アミノ基を有する基に置換すればよい。アミノ基を有する基としては、例えば、下記構造式で示されるものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0104】
【化7】
【0105】
これらのシリコーンオイルおよび/またはシリコーンワニスによる疎水化処理方法としては、例えば、粒子とシリコーンオイルおよび/またはシリコーンワニスとを混合機を用いて混合する方法;および、粒子の中にシリコーンオイルおよび/またはシリコーンワニスを噴霧器を用い噴霧する方法が挙げられる。
【0106】
シリコーンオイルおよび/またはシリコーンワニスによる粒子の疎水化処理方法としては、例えば、粒子と溶剤で希釈していないシリコーンオイルおよび/またはシリコーンワニスとをヘンシェルミキサーの如き混合機を用いて直接混合させる方法;および、粒子へ溶剤で希釈していないシリコーンオイルおよび/またはシリコーンワニスを噴霧する方法が挙げられる。この場合、シリコーンオイルおよび/またはシリコーンワニスは、50〜200℃の温度に加温して粘度を下げて用いれば、より均一な処理が達成できるので、より好ましい。上記の通り、本発明においては、シリコーンオイルおよび/またはシリコーンワニスは、溶剤に希釈しない状態で表面処理に用いられることから、25℃における粘度が10〜2,000センチストークスのものを用いることが好ましい。
【0107】
また、本発明においては、高分子化合物粒子をシランカップリング処理剤で処理後、シリコーンオイルおよび/またはシリコーンワニスを噴霧し、その後、200℃以上の温度で加熱処理する作製方法が好適に用いられる。この粒子の処理時にシランカップリング剤で処理後、シリコーンオイルおよび/またはシリコーンワニスを噴霧した後、200℃以上の高い温度で加熱する方法によれば、シリコーンオイルおよび/またはシリコーンワニスが粒子表面に均一に且つ強固に付着することが可能となる。
【0108】
このような方法で疎水化処理した高分子化合物粒子を表面層に添加すると、帯電部材の帯電性能が向上することが分かった。
【0109】
本発明において、シランカップリング剤は粒子原体100質量部に対して、5乃至60質量部、更に好ましくは、10乃至50質量部の範囲で添加して処理するとよい。5質量部より少ない場合には、疎水化の効果が少なく、60質量部よりも多い場合には、製造上困難になる場合がある。
【0110】
シリコーンオイルおよび/またはシリコーンワニスは、粒子原体または処理した粒子100質量部に対して5乃至40質量部、より好ましくは、7乃至35質量部の範囲で使用する。5質量部より少ない場合は、疎水化の効果が少なく、40質量部よりも多い場合には、製造上困難になる場合がある。
【0111】
また、本発明においては高分子化合物粒子の疎水化度は20〜80%の範囲である。疎水化度が80%を超える場合は、表面層中に高分子化合物粒子を均一に分散させるのが困難になり、導電性部材表面の凹凸をコントロールするのが難しくなる。また、疎水化度が20%未満の場合は、導電性部材表面の汚れを防止する効果が小さいので、汚れに起因した画像ポチなどが発生してしまう。
【0112】
また、本発明に用いる疎水化度の測定は、下記の方法で測定される。先ず、200cm3のビーカーにイオン交換水50cm3を入れ、更に、この中に試料0.200gを秤り取って入れ、測定用サンプルを調製する。次に、この液を撹拌しながら、ビュレットによりメタノールを滴下して行き、液面上に浮いた試料が完全になくなった点を終点として滴定量を測定し、次式によって疎水化度を求める。
【0113】
【数1】
【0114】
また、本発明で使用する高分子化合物粒子としての樹脂粒子は、体積平均粒子径が50μm以下、更には、0.1μm〜30μmであることが好ましい。樹脂粒子の体積平均粒子径が50μmを超える場合には、画像上に粗大粒子の存在によってポチが現れてしまうという問題が生じる。また、塗料中で沈降するといった問題が生じ易くなる。
【0115】
一方、0.1μm未満では導電性部材の表面に凹凸を形成する効果が小さく、導電性部材の抵抗値ムラに起因したスジ状の画像濃度ムラを抑制できなくなる。また、粒子を均一に表面処理することが困難になるといった問題が生じる。
【0116】
また、本発明においては高分子化合物粒子の平均粒子径が、導電性微粒子の平均粒子径よりも大きいことが好ましい。これは導電性部材表面の凹凸の制御を柔軟性や弾性を有する高分子化合物粒子で行うためである。そうすることで感光体への損傷を抑制することができる。
【0117】
本発明に用いる粒子の粒子径の測定は、島津製作所製レーザ回折式粒度分布測定装置SALD−7000を用いて行う。まず、蒸留水に少量の界面活性剤0.2質量%を添加した溶液を用意する。界面活性剤は特に限定するものでなく、市販のものならどのようなものでも用いることができる。この溶液を硝子瓶に入れて、少量の微粒子を投入し、5分程度超音波をかけて分散させる。この溶液を測定セルに投入し、測定を行う。これにより、微粒子の粒度分布を測定することができる。測定可能な粒子径の範囲は0.015〜500μmである。また、本発明における微粒子の平均粒子径は、前記装置によって測定した体積平均粒子径をもって、本発明の平均粒子径とする。
【0118】
一方、導電性部材に直流電圧のみを印加して帯電処理を行う場合、連続使用時(連続通電時)に抵抗変化が生じ、感光体の帯電電位が低下するという課題があった。しかしながら、導電性部材の連続使用時における抵抗変化は、少なくとも導電剤の表面状態(親水性、疎水性)に依存していることが分かった。例えば、親水性の導電剤を導電性部材に含有した場合では、導電性部材の連続使用により抵抗が上昇し易いことがわかった。特に、低温低湿環境において、導電性部材の抵抗上昇が大きい。そして、この低温低湿環境において、導電性部材の連続使用に伴う抵抗上昇を小さくするためには、上記のように疎水化処理された導電剤を導電性部材の導電剤として使用することが有効であることがわかった。
【0119】
導電性部材の連続使用時における抵抗上昇のメカニズムは明確ではないが、表面層に親水性の導電剤を含有した場合に起きる抵抗上昇は、導電剤表面の親水基が通電によって分極等を起こし、チャージアップし、導電剤としての導電性機能を失うのではないかと考えられている。
【0120】
特に、低温低湿環境では、親水基の周りに水が存在していないため、通電の影響を受け易いのではないかと考えられている。ゆえに疎水化処理して親水性基を潰すことで、チャージアップする部分を少なくすることができるので、帯電部材を連続使用しても抵抗上昇しないものと考えられる。
【0121】
【実施例】
以下、本発明を実施例を用いて更に詳細に説明する。
【0122】
(実施例1)
下記の要領で本発明の導電性部材としての帯電ローラを作成した。
【0123】
エピクロルヒドリンゴム三元共重合体 100質量部
四級アンモニウム塩 2質量部
軽質炭酸カルシウム 30質量部
酸化亜鉛 5質量部
脂肪酸 2質量部
【0124】
以上の材料を60℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練した後、エピクロルヒドリンゴム100質量部に対してセバシン酸系ポリエステル可塑剤5質量部を加え、20℃に冷却した密閉型ミキサーで更に20分間混練し、原料コンパウンドを調整する。このコンパウンドに原料ゴムのエピクロルヒドリンゴム100質量部に対し加硫剤としての硫黄1質量部、加硫促進剤としてのノクセラーDM 1質量部、ノクセラーTS 0.5質量部を加え、20℃に冷却した2本ロール機にて10分間混練する。得られたコンパウンドを、φ6mmステンレス製芯金の周囲にローラ状になるように押出成型機にて成型し、加熱加硫成型した後、外径φ12mmになるように研磨処理して弾性層を得た。
【0125】
上記弾性層の上に以下に示すような表面層を被覆形成した。
【0126】
表面層2cの材料として、
アクリルポリオール溶液(有効成分70質量%) 100質量部
イソシアネートA(IPDI)(有効成分60質量%) 40質量部
イソシアネートB(HDI)(有効成分80質量%) 30質量部
疎水化処理した導電性酸化錫(処理剤A;フルオロアルキルアルコキシシラン) 90質量部
疎水化処理したポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂粒子(処理剤B;ヘキシルトリメトキシシラン) 50質量部
メチルイソブチルケトン(MIBK)溶剤 340質量部
をミキサーを用いて攪拌し混合溶液を作成した。次いで、その混合溶液を循環式のビーズミル分散機を用いて分散処理を行い、ディッピング用塗料を作成した。このディッピング用塗料を前記弾性層の上にディッピング法にて膜厚が25μmになるように塗布して、10分間の風乾後に加熱型乾燥機にて、160℃で1時間乾燥させ、表面層を被覆形成しローラ形状の帯電部材を得た。
【0127】
なお、ビーズミル分散機のメディアとしては、φ0.8mmのガラスビーズを用いた。
【0128】
また、導電性酸化錫は平均粒子径0.02μm、PMMA樹脂粒子は平均粒子径8μmのものを使用した。導電性酸化錫およびPMMA樹脂粒子は前述の方法で疎水化処理を行った。
【0129】
また、導電性酸化錫の疎水化度は40%、PMMA樹脂粒子の疎水化度は55%であった。
【0130】
帯電ローラの電気抵抗を環境1(温度23℃、湿度55%)下で、図6に示すような抵抗測定機を用いて−250Vの直流電圧を印加して測定した結果、1.0×106Ωであった。図中、2は導電性部材、11はステンレス製の円筒電極、12は抵抗、13はレコーダーを示す。これらの間の押圧力は用いられる画像形成装置と同様にし、外部電源S3から−250Vを印加した際の抵抗値を測定する。
【0131】
また、帯電ローラ表面の10点平均表面粗さRzjisは、7.5μmであった。凹凸の平均間隔RSmは、41μmであった。
【0132】
なお、感光体表面電位を測定したところ飽和電位(暗部電位VD)は−595Vであった。
【0133】
「帯電ローラに直流電圧のみを印加した時の画像評価」
図1に示す電子写真方式の画像形成装置に上記で得られた帯電ローラを取り付けて、環境1(温度23℃、湿度55%)、環境2(温度32.5℃、湿度80%)、環境3(温度15℃、湿度10%)の各環境下において、画像出し(モノカラーハーフトーン印刷と2色重ねハーフトーン印刷)を行い、帯電ローラの抵抗値ムラに起因したスジ状の画像濃度ムラの発生について画像評価を行った。結果を表1に示す。
【0134】
表中のA、B、C、D、Eは、帯電ローラの抵抗値ムラに起因したスジ状の画像濃度ムラの発生について画像品質を5段階にランク分けしたものである。なお、Aをスジ状の画像濃度ムラが全くないレベルとし、Eを、スジ状の画像濃度ムラが目立つレベルにあるものとした。
【0135】
また、感光体表面の帯電電位を環境3(温度15℃、湿度10%)において測定した。結果を表1に示す。一般的に帯電ローラのような導電性部材は低温低湿環境下で、最も電気抵抗が高くなり帯電能力が低下する傾向にある。そのため、最も厳しい環境下で感光体表面の帯電電位を測定し帯電ローラの帯電能力の評価を行った。
【0136】
「帯電ローラに直流電圧のみを印加した時の連続複数枚高印字画像出し耐久試験」
図1に示す電子写真方式の画像形成装置に上記で得られた帯電ローラを取り付けて、環境1(温度23℃、湿度55%)、環境2(温度32.5℃、湿度80%)、環境3(温度15℃、湿度10%)の各環境下において、複数枚高印字(10%印字)画像出し耐久試験を行った。5000枚毎にモノカラーハーフトーン印刷を行った。得られた画像を目視にて観察して評価を行った。結果を表2に示す。
【0137】
但し、高印字画像出し耐久試験はトナー消費量が多いため、途中で現像ユニットを交換して耐久試験を継続した。
【0138】
表中のA、B、C、D、Eは、帯電ローラ表面の汚れに起因して発生するローラ周期毎の画像ポチについて画像品質を5段階にランク分けしたものである。なお、Aを画像ポチが全くないレベルとし、Eを画像ポチが目立つレベルにあるものとした。
【0139】
その結果、全ての環境下で初期から良好な画像が得られ、15,000枚の画像出し後でも初期とほとんど変わらない画像が得られた。
【0140】
(実施例2)
下記の要領で本発明の帯電部材としての帯電ローラを作成した。
【0141】
NBR 100質量部
四級アンモニウム塩 3質量部
エステル系可塑剤 20質量部
軽質炭酸カルシウム 30質量部
酸化亜鉛 5質量部
脂肪酸 2質量部
【0142】
以上の材料を60℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練した後、20℃に冷却した密閉型ミキサーで更に20分間混練し、原料コンパウンドを調整する。このコンパウンドに原料ゴムのNBR 100質量部に対し加硫剤としての硫黄1質量部、加硫促進剤としてのノクセラーTS 3質量部を加え、20℃に冷却した2本ロール機にて10分間混練する。得られたコンパウンドを、φ6mmステンレス製芯金の周囲にローラ状になるように押出成型機にて成型し、加熱加硫成型した後、外径φ10mmになるように研磨処理して弾性層を得た。
【0143】
上記弾性層の上に以下に示すような表面層を被覆形成した。
【0144】
表面層2cを形成する材料を
ポリウレタン樹脂溶液(有効成分50質量%) 100質量部
疎水化処理した導電性酸化チタン(処理剤;ヘキシルトリメトキシシラン) 60質量部
2種の表面処理したポリブチルメタクリレート(PBMA)粒子(処理剤A;ヘキサメチルジシラザン、処理剤B;ジメチルシリコーンオイル) 50質量部
をミキサーを用いて攪拌し混合溶液を作成した。次いで、その混合溶液を循環式のビーズミル分散機を用いて分散処理を行い、ディッピング用塗料を作成した。このディッピング用塗料を前記弾性層の上にディッピング法にて膜厚が18μmになるように塗布して、10分間の風乾後に加熱型乾燥機にて、130℃で1時間乾燥させ、表面層を被覆形成しローラ形状の帯電部材を得た。
【0145】
なお、ビーズミル分散機のメディアとしては、φ0.8mmのガラスビーズを用いた。
【0146】
また、導電性酸化チタンは平均粒子径0.03μm、PBMA粒子は平均粒子径12μmのものを使用した。導電性酸化チタン、PBMA粒子は前述の方法で疎水化処理を行った。
【0147】
また、導電性酸化チタンの疎水化度は35%、PBMA樹脂粒子の疎水化度は70%であった。
【0148】
帯電ローラの電気抵抗を環境1(温度23℃、湿度55%)下で、−250Vの直流電圧を印加して測定した結果、1.5×106Ωであった。
【0149】
また、帯電ローラ表面の10点平均表面粗さRzjisは、10.3μm、凹凸の平均間隔RSmは55μmであった。
【0150】
なお、感光体表面電位を測定したところ飽和電位(暗部電位VD)は−605Vであった。
【0151】
この帯電ローラについて実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1、表2に示した。
【0152】
(実施例3)
下記の要領で本発明の帯電部材としての帯電ローラを作成した。
【0153】
エピクロルヒドリンゴム三元共重合体 100質量部
四級アンモニウム塩 1質量部
導電性カーボンブラック 10質量部
軽質炭酸カルシウム 30質量部
酸化亜鉛 5質量部
脂肪酸 2質量部
【0154】
以上の材料を60℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練した後、エピクロルヒドリンゴム100質量部に対してセバシン酸系エステル可塑剤10質量部を加え、20℃に冷却した密閉型ミキサーで更に20分間混練し、原料コンパウンドを調整する。このコンパウンドに原料ゴムのエピクロルヒドリンゴム100質量部に対し加硫剤としての硫黄1質量部、加硫促進剤としてのノクセラーDM 1質量部、ノクセラーTS 0.5質量部を加え、20℃に冷却した2本ロール機にて10分間混練する。得られたコンパウンドを、φ6mmステンレス製芯金の周囲にローラ状になるように押出成型機にて成型し、加熱加硫成型した後、ゴム部の外径が中央φ12.0mm、両端部φ11.85mmのクラウン形状になるように研磨処理して弾性層を得た。
【0155】
上記弾性層の上に以下に示すような抵抗層を被覆形成した。
【0156】
抵抗層の材料として、
エピクロルヒドリンゴム二元共重合体 100質量部
をトルエン溶媒にて分散溶解して抵抗層用塗料を作成する。このディッピング用塗料を前記弾性層の上にディッピング法にて膜厚が100μmになるように塗布して、10分間の風乾後に加熱型乾燥機にて、150℃で1時間乾燥させ、抵抗層を被覆形成した。
【0157】
更に抵抗層の上に以下に示す表面層2cを被覆形成した。
【0158】
表面層2cの材料として、
フルオロオレフィン(4フッ化タイプ)
ヒドロキシアルキルビニルエーテル
カルボン酸ビニルエステル
を共重合させて得られたフッ素樹脂共重合体を用い、その酢酸エチル溶液100質量部(固形分50質量%)に対して、イソシアネート(HDI)20質量部(固形分80質量%)と、実施例1と同じ疎水化処理した導電性酸化錫50質量部、更に表面処理しウレタン系樹脂粒子(処理剤;ジメチルシリコーンオイル)30質量部を加え、ミキサーを用いて攪拌し混合溶液を作成した。次いで、その混合溶液を循環式のビーズミル分散機を用いて分散処理を行い、ディッピング用塗料を作成した。このディッピング用塗料を前記抵抗層の上にディッピング法にて膜厚が8μmになるように塗布して、10分間の風乾後に加熱型乾燥機にて、150℃で1時間乾燥させ、表面層を被覆形成しローラ形状の帯電部材を得た。
【0159】
なお、ビーズミル分散機のメディアとしては、φ0.8mmのガラスビーズを用いた。
【0160】
また、ウレタン系樹脂粒子は平均粒子径10μmのものを使用した。表面処理は前述の方法にて行った。また、ウレタン系樹脂粒子の疎水化度は45%であった。
【0161】
帯電ローラの電気抵抗を環境1(温度23℃、湿度55%)下で、−250Vの直流電圧を印加して測定した結果、2.8×106Ωであった。
【0162】
また、帯電ローラ表面の10点平均表面粗さRzJISは、9.1μm、凹凸の平均間隔Rsmは43μmであった。
【0163】
なお、感光体表面電位を測定したところ飽和電位(暗部電位VD)は−600Vであった。
【0164】
この帯電ローラについて実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1、表2に示した。
【0165】
(実施例4)
実施例1において、表面層の材料として使用するPMMA樹脂微粒子の表面処理剤を、処理剤A;トリメチルエトキシシラン、処理剤B;アルキル変性シリコーンオイルとした以外、実施例1と同様にして帯電ローラを作成した。
【0166】
また、この帯電ローラについて実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1、表2に示した。
【0167】
また、本実施例のPMMA樹脂粒子の疎水化度は80%であった。
【0168】
帯電ローラの電気抵抗を環境1(温度23℃、湿度55%)下で、−250Vの直流電圧を印加して測定した結果、1.5×106Ωであった。
【0169】
また、帯電ローラ表面の10点平均表面粗さRzjisは、7.7μm、凹凸の平均間隔RSmは、38μmであった。
【0170】
なお、感光体表面電位を測定したところ飽和電位(暗部電位VD)は−605Vであった。
【0171】
(比較例1)
比較例1において下記の方法で帯電ローラを作成した。
【0172】
EPDM 100質量部
導電性カーボンブラック 30質量部
酸化亜鉛 10質量部
脂肪酸 2質量部
【0173】
以上の材料を60℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練した後、EPDM 100質量部に対してパラフィンオイル15質量部を加え、20℃に冷却した密閉型ミキサーで更に20分間混練し、原料コンパウンドを調整する。このコンパウンドに原料ゴムのEPDM 100質量部に対し加硫剤としての硫黄0.5質量部、加硫促進剤としてのMBT 1質量部、TMTD 1質量部、ZnMDC 1.5質量部を加え、20℃に冷却した2本ロール機にて10分間混練する。得られたコンパウンドを、φ6mmステンレス製芯金の周囲に外径φ12mmのローラ状になるようにプレス成型機にて金型を用いて加熱加硫成型することにより弾性層を得た。
【0174】
上記弾性層の上に以下に示すような抵抗層を被覆形成した。
【0175】
抵抗層の材料として、
ポリウレタン樹脂 100質量部
導電性カーボンブラック 15質量部
をメチルエチルケトン(MEK)溶媒に加え、ミキサーを用いて攪拌し、その混合溶液を連続式のビーズミル分散機にて分散溶解して抵抗層用塗料を作成する。この塗料を弾性層2b上にディッピング法にて塗布して膜厚100μmの抵抗層を被覆形成した。
【0176】
なお、ビーズミル分散機のメディアとしては、φ0.8mmのガラスビーズを用いた。
【0177】
更に抵抗層の上に以下に示す表面層2cを被覆形成した。
【0178】
表面層2cの材料として、
ポリビニルブチラール樹脂(エタノール溶液;固形分50質量%) 100質量部
導電性カーボンブラック 10質量部
をミキサーを用いて攪拌し混合溶液を作成した。次いで、その混合溶液をバッチ式のビーズミル分散機(ペイントシェーカー)を用いて分散処理を行い、ディッピング用塗料を作成した。このディッピング用塗料を前記抵抗層の上にディッピング法にて膜厚が12μmになるように塗布して、10分間の風乾後に加熱型乾燥機にて、130℃で1時間乾燥させ、表面層を被覆形成しローラ形状の帯電部材を得た。
【0179】
なお、ビーズミル分散機のメディアとしては、φ0.8mmのガラスビーズを用いた。
【0180】
帯電ローラの電気抵抗を環境1(温度23℃、湿度55%)下で、−250Vの直流電圧を印加して測定した結果、1.5×106Ωであった。
【0181】
また、帯電ローラ表面の10点平均表面粗さRzjisは、4.8μm、凹凸の平均間隔RSmは、270μmであった。
【0182】
この帯電ローラについて実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1、表2に示した。
【0183】
この帯電ローラを用いた画像形成装置により出力したハーフトーン画像には帯電部材の局部的な抵抗値ムラが原因となるスジ状の濃度ムラが発生していた。なお、感光体表面電位を測定したところ、飽和電位(暗部電位VD)は−575Vであり本発明の実施例と比べて、帯電ローラの帯電能力が低下していることが確認されていた。
【0184】
また、複数枚画像出し耐久試験において、画像濃度ムラおよび画像ポチやガサツキのレベルが更に悪化していることがわかる。
【0185】
(比較例2)
比較例2において下記の方法で帯電ローラを作成した。
【0186】
NBR 100質量部
過塩素酸リチウム塩 5質量部
軽質炭酸カルシウム 40質量部
酸化亜鉛 5質量部
脂肪酸 2質量部
【0187】
以上の材料を60℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練した後、NBR 100質量部に対してDOS可塑剤20質量部を加え、20℃に冷却した密閉型ミキサーで更に20分間混練し、原料コンパウンドを調整する。このコンパウンドに原料ゴムのNBR100質量部に対し加硫剤としての硫黄1質量部、加硫促進剤としてのノクセラーTS 3質量部を加え、20℃に冷却した2本ロール機にて10分間混練する。得られたコンパウンドを、φ6mmステンレス製芯金の周囲にローラ状になるように押出成型機にて成型し、加熱加硫成型した後、ゴム部の外径が中央φ12.0mm、両端部φ11.90mmのクラウン形状になるように研磨処理して弾性層を得た。
【0188】
表面層2cの材料として、
ポリエーテルポリオール溶液(有効成分70質量%) 100質量部
イソシアネート(TDI) (有効成分80質量%) 40質量部
疎水化処理した導電性酸化錫(処理剤;デシルトリメトキシシラン) 100質量部
にメチルエチルケトン(MEK)を加えてミキサーを用いて攪拌し混合溶液を作成した。次いで、その混合溶液をバッチ式のビーズミル分散機を用いて分散処理を行い、ディッピング用塗料を作成した。このディッピング用塗料を前記弾性層の上にディッピング法にて膜厚が42μmになるように塗布して、10分間の風乾後に加熱型乾燥機にて、150℃で1時間乾燥させ、表面層を被覆形成しローラ形状の帯電部材を得た。
【0189】
また、導電性酸化錫は平均粒子径0.2μmを使用した。導電性酸化錫は前述の乾式法により疎水化処理を行った。
【0190】
また、導電性酸化錫の疎水化度は20%であった。
【0191】
帯電ローラの電気抵抗を環境1(温度23℃、湿度55%)下で、−250Vの直流電圧を印加して測定した結果、6.2×106Ωであった。
【0192】
また、帯電ローラ表面の10点平均表面粗さRzjisは、3.9μm、凹凸の平均間隔RSmは129μmであった。
【0193】
得られた帯電ローラについて実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1、表2に示した。
【0194】
この帯電ローラを用いた画像形成装置により出力した画像には導電性部材の局部的な抵抗値ムラに起因したスジ状の画像濃度ムラが発生していた。なお、感光体表面電位を測定したところ、飽和電位(暗部電位VD)は−580Vであり本発明の実施例と比べて、帯電ローラの帯電能力が低下していることが確認されていた。
【0195】
(比較例3)
実施例1において、表面層の材料として使用する疎水化処理したPMMA樹脂粒子の代わりに、疎水化処理を施していないPMMA樹脂粒子を用いた以外、他は実施例1と同様にして帯電ローラを作成した。
【0196】
また、得られた帯電ローラについて実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1、表2に示した。
【0197】
また、本比較例3に用いたPMMA樹脂粒子の平均粒子径は10μmであり、疎水化度は12%であった。
【0198】
帯電ローラの電気抵抗を環境1(温度23℃、湿度55%)下で、−250Vの直流電圧を印加して測定した結果、1.5×106Ωであった。
【0199】
また、帯電ローラ表面の10点平均表面粗さRzjisは、8.9μm、凹凸の平均間隔RSmは70μmであった。
【0200】
この帯電ローラを用いた画像形成装置の複数枚高印字画像出し耐久試験において、15000枚の耐久試験後の出力画像には導電性部材の表面の汚れ(トナー、外添剤、および紙粉の付着)に起因したローラ周期毎の画像ポチが僅かに発生していた。なお、感光体表面電位を測定したところ、飽和電位(暗部電位VD)は−585Vであり本発明の実施例と比べて、帯電ローラの帯電能力が少し劣っていることが確認されていた。
【0201】
(比較例4)
実施例1において、表面層の材料として使用する疎水化処理したPMMA樹脂粒子の代わりに、疎水化処理を施していないフッ素樹脂粒子(PTFE)を用いた以外、他は実施例1と同様にして帯電ローラを作成した。
【0202】
また、得られた帯電ローラについて実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1、表2に示した。
【0203】
また、本比較例4に用いたPTFE樹脂粒子の平均粒子径は0.3μmであり、疎水化度は92%であった。但し、本比較例のPTFE樹脂粒子は凝集性が強かったため前述した平均粒子径の測定方法では正確な値を得ることができなかった。(測定するたびに値がバラついていた)そのため、電子顕微鏡を用いて、任意の粒子400個について粒子径を実測し、個数平均粒子径(長さ平均)を算出し、その値を代用した。なお、粒子径としては粒子の長軸を測定し、長軸/短軸比が2以上の場合にはその平均値をもって測定値とし、これらの値から算出する。
帯電ローラの電気抵抗を環境1(温度23℃、湿度55%)下で、−250Vの直流電圧を印加して測定した結果、5.5×105Ωであった。
【0204】
また、帯電ローラ表面の10点平均表面粗さRzjisは、3.7μm、凹凸の平均間隔RSmは190μmであった。
【0205】
この帯電ローラを用いた画像形成装置の出力画像には導電性部材の抵抗値ムラに起因したスジ状の画像濃度ムラが発生していた。これは疎水化度の高い樹脂粒子が表面層中に均一に分散することができなかったため表面の凹凸形成が均一でないことが原因であり、スジ状の画像濃度ムラが現れたものと考えられている。
【0206】
なお、感光体表面電位を測定したところ、飽和電位(暗部電位VD)は−580Vであり本発明の実施例と比べて、帯電ローラの帯電能力が少し劣っていることが確認されていた。
【0207】
【表1】
【0208】
【表2】
【0209】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明の好適な実施の態様を以下のとおり列挙する
[実施態様1]
導電性支持体の上に形成される1層以上の被覆層が、高分子化合物粒子を含有する導電性部材において、少なくとも表面層の高分子化合物粒子の疎水化度が20〜80%であり、更に導電性部材の表面粗さが高分子化合物の含有によって、下記式の関係に調整されていることを特徴とする導電性部材。
【0210】
2μm≦Rzjis≦50μm
20μm≦RSm≦200μm
(式中、RzjisはJIS B 0601:2001における十点平均粗さ、RSmはJIS B 0601:2001における平均長さを示す。)
[実施態様2] 前記高分子化合物粒子が、疎水化処理されている実施態様1に記載の導電性部材。
【0211】
[実施態様3] 前記表面層が、更に導電性微粒子を含有している実施態様1または2に記載の導電性部材。
【0212】
[実施態様4] 前記導電性微粒子が、表面処理されている実施態様3に記載の導電性部材。
【0213】
[実施態様5] 前記表面処理が、疎水化処理である実施態様4に記載の導電性部材。
【0214】
[実施態様6] 前記高分子化合物粒子の平均粒子径が、前記導電性微粒子の平均粒子径よりも大きい実施態様3〜5のいずれかに記載の導電性部材。
【0215】
[実施態様7] 前記導電性部材が、導電性支持体と、その上に形成された第一の被覆層である弾性層と、更にその上に形成された第二の被覆層である表面層からなる積層構成を有している実施態様1〜6のいずれかに記載の導電性部材。
【0216】
[実施態様8] 前記弾性層がイオン導電機構を有する弾性材料で構成されている実施態様7に記載の導電性部材。
【0217】
[実施態様9] 前記弾性層がイオン導電剤を含有している実施態様8に記載の導電性部材。
【0218】
[実施態様10] 前記弾性層を構成する弾性材料が、エピクロルヒドリンゴム、ニトリルブタジエンゴム、ウレタンゴムあるいはウレタン樹脂のいずれかである実施態様7〜9のいずれかに記載の導電性部材。
【0219】
[実施態様11] 前記弾性層のイオン導電剤が、四級アンモニウム塩またはアルカリ金属塩である実施態様9または10に記載の導電性部材。
【0220】
[実施態様12] 前記導電性部材に直流電圧が印加され、被帯電体を帯電処理する実施態様1〜11のいずれかに記載の導電性部材。
【0221】
[実施態様13] 少なくとも被帯電体である電子写真感光体と、前記電子写真感光体に接触して電子写真感光体表面を帯電する帯電手段と、前記帯電手段を構成する導電性部材に接触して導電性部材表面を清掃する清掃手段と、前記帯電手段によって帯電された電子写真感光体表面を露光する露光手段と、前記露光手段によって形成された潜像を可視像化する現像手段と、可視像化された潜像を転写材に転写する転写手段とを備えた画像形成装置において、前記帯電手段を構成する導電性部材が、実施態様1〜12のいずれかに記載の導電性部材であることを特徴とする画像形成装置。
【0222】
[実施態様14] 少なくとも、被帯電体である電子写真感光体と実施態様1〜12のいずれかに記載の導電性部材と、これら電子写真感光体および導電性部材を一体的に収容するカートリッジ容器とを備え、画像形成装置の本体に対して着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【0223】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、特に導電性部材としての帯電部材に直流電圧のみを印加して被帯電体を接触帯電方式により帯電処理する場合、導電性部材の僅かな抵抗値ムラに起因したスジ状の画像不良や表面の汚れ(トナー、外添剤、紙粉など)に起因した帯電不良に対して非常に有利であることがわかった。
【0224】
また、導電性部材の帯電能力が向上するためドラムゴーストを軽減させる効果もあることがわかった。
【0225】
その結果、帯電部材の帯電性が均一かつ安定となり、電子写真画像形成装置の画質が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の概略構成図である。
【図2】帯電ローラと帯電ローラの清掃装置との関係を示した概略構成図である。
【図3】帯電ローラの清掃部材の概略斜視図である。
【図4】他の帯電ローラと帯電ローラの清掃装置との関係を示した概略構成図である。
【図5】本発明の帯電ローラの概略構成図である。
【図6】帯電部材の電流値測定装置の概略構成図である。
【符号の説明】
2;導電性部材
11;円筒電極(金属ローラ)
12;固定抵抗器
13;レコーダー
101;像担持体(電子写真感光体)
102;帯電部材(帯電ローラ)
103;像露光手段
104;現像手段
105;中間転写体
106;転写ローラ
107;転写材
108;クリーニング手段
109;廃トナー容器
112;定着手段
120;帯電ローラの清掃装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機等の電子写真方式を採用した画像形成装置における帯電部材、現像剤担持部材、転写部材、クリーニング部材、除電部材等、電気的に被接触物をコントロールする導電性部材に関するものであり、特には、電圧を印加した帯電部材を被帯電体に接触させて、被帯電体を帯電する接触帯電部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
便宜上、電子写真方式のレーザービームプリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置を例にして説明する。
【0003】
従来、電子写真プロセスにおける帯電プロセスは、帯電部材を感光体に接触させながら電圧を印加して、感光体表面を帯電させる接触帯電方式が実用化されている。これは、感光体に、ローラ型、ブレード型、ブラシ型、磁気ブラシ型等の電荷供給部材としての帯電部材を接触させ、この接触帯電部材に所定の帯電バイアスを印加して感光体面を所定の極性・電位に一様帯電させるものである。この帯電方式は、電源の低電圧化とオゾンの発生量が少ないという利点を有している。この中でも特に接触帯電部材として導電性ローラ(帯電ローラ)を用いたローラ帯電方式が帯電の安定性という点から好ましく用いられている。
【0004】
このローラ帯電方式においては帯電均一性を改善するために、所望の被帯電体表面電位Vdに相当する直流電圧に帯電開始電圧(VTH)の2倍以上のピーク間電圧を持つ交流電圧成分(AC電圧成分)を重畳した電圧(交番電圧・脈流電圧・振動電圧;時間とともに電圧値が周期的に変化する電圧)を接触帯電部材に印加する「AC帯電方式」が用いられる。(例えば、特許文献1を参照)これはAC電圧による電位のならし効果を目的としたものであり、被帯電体の電位はAC電圧のピークの中央である電位Vdに収束し、環境等の外乱には影響されることはなく、接触帯電方法として優れた方法である。
【0005】
【特許文献1】
特開昭63−149669号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記AC帯電方式では、直流電圧印加時における帯電開始電圧(VTH)の2倍以上のピーク間電圧である高圧の交流電圧を重畳させるため、直流電源とは別に交流電源が必要となり、装置自体のコストアップを招く。更には交流電流を多量に消費することにより、帯電ローラおよび感光体の耐久性が低下するという問題点があった。
【0007】
また、これらの問題点は、帯電ローラに直流電圧のみを印加して帯電を行うことにより解消されるものの、帯電ローラに直流電圧のみを印加すると、以下の問題点が発生した。
【0008】
前記従来の帯電部材に直流電圧のみを印加すると、特に低湿環境において、帯電部材のわずかな抵抗ムラでも、画像上にスジ状の濃度ムラとなって現れやすく、画像品質が低下するという問題がある。
【0009】
また、帯電部材表面の汚れ(紙粉やトナー、外添剤などの付着物)が、画像上に現れやすく画像品質が低下するという問題がある。
【0010】
最近の電子写真技術においては、高画質化およびカラー化の要求が高く、上記のような僅かな画像品質の低下もこれらの要求を達成するためには改善しなければならない重要な問題点となっている。
【0011】
本発明の目的は、上記問題点を解決し、優れた特性を有する高画質化およびカラー化に適した導電性部材を提供することにある。
【0012】
また、本発明の目的は、上記導電性部材を有する画像形成装置およびプロセスカートリッジを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の目的を達成するため、下記のような構成を特徴とする導電性部材および画像形成装置およびプロセスカートリッジを提供するものである。
【0014】
即ち本発明は、導電性支持体の上に形成される1層以上の被覆層が、高分子化合物粒子を含有する導電性部材において、少なくとも表面層の高分子化合物粒子の疎水化度が20〜80%であり、更に導電性部材の表面粗さが高分子化合物の含有によって、下記式の関係に調整されていることを特徴とする導電性部材である。
【0015】
2μm≦Rzjis≦50μm
20μm≦RSm≦200μm
(式中、RzjisはJIS B 0601:2001における十点平均粗さ、RSmはJIS B 0601:2001における平均長さを示す。)
【0016】
Rzjis<2μmの場合、スジ状の画像濃度ムラ発生を抑制することができず、画像品質が低下する。Rzjis>50μmの場合、帯電部材表面の凹凸が画像上にポチ状に現れてしまい、画像品質が低下する。
【0017】
また、RSm<20μmの場合、耐久後半にローラ表面の汚れに起因した画像不良が発生する恐れがある。RSm>200μmの場合、スジ状の画像濃度ムラ発生を抑制することができず、画像品質が低下する。
【0018】
即ち、Rzjis及びRSmが上記範囲に入る場合はスジ状の画像濃度ムラが発生せず、良好な画像が得られる。また、表面に凹凸を形成した場合でもRzjis及びRSmが上記範囲であれば、ローラ表面の汚れに起因した画像不良を最小限に抑えることができ、長期にわたり安定した出力画像を得られる。
【0019】
本発明においては、適度に疎水化された高分子化合物からなる粒子を用いることで、導電性部材の抵抗値ムラに起因して画像上に現れるスジ状の濃度ムラを抑制することができるだけではなく、導電性部材の表面に付着した紙粉やトナー、外添剤による汚れに起因した帯電不良もまた抑制することができ、非常に優れた画像品質を得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明のメカニズムは明らかになっていないが、本発明者等の鋭意検討により、以下のことは解明できた。
【0021】
まず、導電性部材の表面層に高分子化合物粒子を含有させ、導電性部材の表面に適度な凹凸を形成させることによって、導電性部材の抵抗値ムラに起因して画像上に現れるスジ状の濃度ムラを抑制することができた。
【0022】
ところが、表面に凹凸を形成させると導電性部材の表面は汚れやすくなる。そのためスジ状の濃度ムラの抑制と表面の汚れ防止とを両立させることが技術課題であった。
【0023】
そこで、表面に凹凸を形成するために添加した粒子を本発明のような疎水化度20〜80%を有するものにすることによって、導電性部材の表面に汚れが付着するのを防止することができた。特に紙粉の付着防止に非常に効果的であった。
【0024】
また、本発明においては粒子の疎水化度を20〜80%にするために疎水化処理を行うことが好ましい。疎水化処理剤としては、シランカップリング剤やシリコーンオイルを用いるのが好ましい。
【0025】
また、疎水化処理としては、2種の表面処理剤を用いると良いことが分かった。特には、高分子化合物粒子をシランカップリング剤にて処理した後に、シリコーンオイルにて表面処理するのが最も効果的であり好ましいことが分かった。このようにシランカップリング剤にて処理した後に、シリコーンオイルにて疎水化処理した粒子は、帯電能力を向上させることができるので好ましい。具体的な効果としては、ドラムゴーストを軽減させる効果がある。
【0026】
上記のような様々な検討により、疎水化度20〜80%を有する高分子化合物粒子を表面層に含有することで、帯電の安定性/均一性に優れた、本発明の帯電部材に至ったものである。
【0027】
次に、本発明の画像形成装置の概略構成について説明する。
【0028】
(1)画像形成装置
図1〜図4を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る導電性部材および画像形成装置およびプロセスカートリッジについて説明する。
なお、本実施の形態では画像形成装置の一例としてレーザプリンタを例に説明する。
【0029】
まず、図1を参照して、画像形成装置全体について説明する。図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置(レーザプリンタ)の概略構成断面図である。
【0030】
本実施の形態に係る画像形成装置(レーザプリンタ)はパーソナルコンピューターやワークステーション等のホストと接続されており(図示せず)、ホストからのプリント要求によりビデオインターフェースを介して画像データを受け取る。
【0031】
この画像データを基に、本実施の形態に係る画像形成装置(レーザプリンタ)は、イエローY、マゼンタM、シアンC、黒Kの4色に分解した画像データにより順次各色をトナー像形成し、それらを中間転写体上に重ね合わせて、紙などの転写材に一括転写してフルカラー画像を得るものである。
【0032】
101は所定の周速度(80mm/s)を持って矢印Aの方向に回転駆動される第1の像担持体としての被帯電体である感光ドラム(外径100mmのアルミ製シリンダー上に有機感光材料による感光層を形成したもの)であり、まず、その表面が帯電手段である帯電ローラ102により(約−600Vに)一様に帯電処理される。
【0033】
次に第1色目(Y)の画像データに応じてON/OFF制御された露光手段(静電潜像形成手段)103による走査が施され、第1色目の静電潜像が形成される(露光部電位は約−100V)。
【0034】
この第1色目の静電潜像は、現像手段4において、第1色目のYトナー(極性−)を内包した第1の現像手段104aにより現像、可視化される。
【0035】
この可視化された第1のトナー像は、感光ドラム101に所定の押圧力をもって圧接され、感光ドラム101の周速度と略等速の速度(80mm/s)をもって矢印Bの方向に回転駆動される第2の像担持体としての中間転写体105(アルミ製シリンダー上に、NBRゴム等からなる導電弾性層の表面にカーボン、フッ素樹脂等を分散したウレタン樹脂からなる離型性を有する表層を形成し、抵抗値を105〜1010Ωcm程度とし、外径を153mmとしたもの)とのニップ部において、中間転写体105表面に転写(1次転写)される。
【0036】
この際、中間転写体105に対しては、トナーの帯電極性(−)とは逆極性で、予め一意的に設定された電圧VItr(+100V)が印加される。
【0037】
1次転写の際に転写されずに感光ドラム上に残ったトナーは、感光ドラムに圧接されたクリーニング手段であるクリーニングブレード108により掻き取られ廃トナー容器109に回収される。
【0038】
そして、上記工程を残りの3色(M,C,K)についても同様に繰り返し、その都度、第2の現像手段104b、第3の現像手段104c、第4の現像手段104dに各々内包された色の異なる現像剤によるトナー像を中間転写体105表面に順次静電転写、積層することによりカラー画像が形成される。
【0039】
このカラー画像は、中間転写体105と、これに所定のタイミングで圧接され、中間転写体の周速度と略等速の速度をもって回転される接離可能な転写手段としての転写ローラ106とのニップ部に於いて、給紙部より搬送されてくる転写材107表面に一括転写(2次転写)される。
【0040】
この際、転写ローラ106に対しては、トナーの帯電極性とは逆極性で、予め一意的に設定された電圧Vtr(+1000V)が印加される。
【0041】
その後この転写材107は定着手段112に搬送され4色のトナー像は永久定着され、排紙部より機外に排出され所望のプリント画像が得られる。
【0042】
また、2次転写の際に転写されずに中間転写体105上に残ったトナーはトナー電荷制御部材113により帯電極性を制御された後、中間転写体105と感光ドラムとの電位差により感光ドラム側に戻され、感光ドラム上に配設されたクリーニングブレード108により掻き取られ廃トナー容器109に回収される。
【0043】
上記感光ドラム101および帯電ローラ102、クリーニングブレード108、廃トナー容器109、また後記する帯電ローラの清掃部材120は一つのプロセスカートリッジ(感光ドラムカートリッジ110)として、画像形成装置に対して着脱自在に構成されている。
【0044】
また、イエローY、マゼンタM、シアンC、黒Kの各現像手段104a,104b,104c(以上容器111内),104dは一つのプロセスカートリッジ(現像カートリッジ)として、その消耗度合いにより別々に交換可能となっている。
【0045】
それぞれのプロセスカートリッジの寿命は、感光ドラムカートリッジがフルカラー標準原稿(4%印字)のプリントで10,000枚、カラーカートリッジがそれぞれ標準原稿プリント5,000枚、黒カートリッジが標準原稿プリント10,000枚に設定されている。
【0046】
(2)帯電部材の清掃装置
次に、帯電ローラの清掃装置について特に図2〜図4を参照して説明する。図2および図4は帯電ローラと帯電ローラの清掃装置との関係を示した概略構成図であり、図3は帯電ローラの清掃装置の概略斜視図である。
【0047】
帯電ローラ102は、芯金102a、弾性層102b、表面層102cからなり、不図示の軸受けおよび加圧バネにより加圧され感光ドラム101に圧接接触し、感光ドラム101の回転に伴い従動回転する。帯電ローラ102の詳細については後述する。
【0048】
帯電ローラ102近傍には、帯電ローラ表面を汚染する付着物(クリーニングブレードをすり抜けてくる微粉トナー、外添剤、紙粉など)を清掃除去する、帯電ローラの清掃装置を構成する帯電ローラの清掃部材120が配設されている。
【0049】
本実施の形態に係る帯電ローラの清掃部材120は、帯電ローラ102の長手方向(軸方向)に対し平行に配置され、支持部材121と、可撓性を持つフィルム状部材であり該支持部材に一端を固定され自由端側近傍のフィルム面において帯電ローラ102との接触ニップを形成するよう配置された可撓部材としてのクリーニングフィルム122と、から構成されている。
【0050】
クリーニングフィルム122には、フィルム厚50μmのポリイミドを主成分とする樹脂フィルムを用いており、帯電ローラ102に対して侵入量2.0mm(図4参照;帯電ローラ102表面とクリーニングフィルム122当接面の自由状態断面直線との距離の最大値δにて定義)、支持部材121の固定端からl=約6mmの位置(図3)でニップ幅n=約0.5mmで当接する。
【0051】
更に、可撓部材(クリーニングフィルム)を撓ませた反発力によって当接力を得ているので、接触ニップを0.5mm程度に抑えることができ、且つ侵入量の振れに対して当接圧の変化が少なく帯電ローラ全域において均一に軽圧で当接させることができるため、耐久寿命の長い感光ドラムカートリッジにおいても、帯電ローラの清掃部材が掻き取った汚染物は接触ニップ内に滞留することなく、帯電ローラの清掃部材自体や帯電ローラの清掃部材の接触ニップに固着する汚染物の摺擦による帯電ローラ表面のキズを画像上影響のない程度にとどめることができる。
【0052】
また、清掃部材を構成する部品の精度にも従来に比べ、それほど高精度を要求されない。
【0053】
なお、帯電ローラの清掃部材は、上述のように樹脂フィルムをそのまま使用したものの他に、樹脂フィルムをグラインダー法やサンドブラスト法、ケミカルエッチング法、微粒子分散法などにより適度に粗くしたものも良い。
【0054】
フィルム材料としては、ポリイミドのほか、フェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートなどの樹脂、PTFE、PVDFなどのフッ素樹脂などから選ぶことができる。
【0055】
また、フィルム膜厚、フィルム侵入量、クリーニング部材を長手方向に往復運動させる往復量、周期等は、上述の設定に制限されるものではなく、帯電ローラの寿命や使用するトナーの特性、感光ドラムをクリーニングする手段の性能などにより、適宜最適値を選択すればよい。
【0056】
フィルム膜厚、フィルム侵入量に関しては、それぞれ10〜1000μm、0.5〜5mmの範囲が好ましい。
【0057】
(3)導電性部材
例えば、帯電部材は図5に示すようにローラ形状であり、導電性支持体2aと被覆層として、その外周に一体に形成された弾性層2bと該弾性層の外周に形成された表面層2cから構成されている。
【0058】
本発明の帯電部材の他の構成は、弾性層2bと表面層2cの間に抵抗層が形成された3層からなるものであってもよいし、表面層2cの無い単層構成としてもよい。
【0059】
本発明に用いられる導電性支持体2aは、鉄、銅、ステンレス、アルミニウムおよびニッケル等の金属材料の丸棒を用いることができる。更に、これらの金属表面に防錆や耐傷性付与を目的としてメッキ処理を施しても構わないが、導電性を損なわないことが必要である。
【0060】
帯電ローラ2において、弾性層2bは被帯電体としての電子写真感光体に対する給電や、電子写真感光体1に対する良好な均一密着性を確保するために適当な導電性と弾性を持たせてある。また、帯電ローラ2と電子写真感光体の均一性密着性を確保するために弾性層2bを研磨によって中央部を一番太く、両端部に行くほど細くなる形状、いわゆるクラウン形状に形成することが好ましい。一般に使用されている帯電ローラ2が、支持体2aの両端部に所定の押圧力を与えて電子写真感光体と当接されているので、中央部の押圧力が小さく、両端部ほど大きくなっているために、帯電ローラ2の真直度が十分であれば問題ないが、十分でない場合には中央部と両端部に対応する画像に濃度ムラが生じてしまう場合がある。クラウン形状は、これを防止するために形成する。
【0061】
弾性層2bの導電性は、ゴム等の弾性材料中にカーボンブラック、グラファイトおよび導電性金属酸化物等の電子伝導機構を有する導電剤、およびアルカリ金属塩や四級アンモニウム塩等のイオン伝導機構を有する導電剤を適宜添加することにより1010Ωcm未満に調整されるのがよい。弾性層2bの具体的弾性材料としては、例えば、天然ゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、シリコンーンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)およびクロロプレンゴム(CR)等の合成ゴム、更にはポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂およびシリコーン樹脂等も挙げられる。
【0062】
直流電圧のみを印加して、被帯電体の帯電処理を行う帯電部材においては、帯電均一性を達成するために、特に中抵抗の極性ゴム(例えば、エピクロルヒドリンゴム、NBR、CRおよびウレタンゴム等)やポリウレタン樹脂を弾性材料として用いるのが好ましい。これらの極性ゴムやポリウレタン樹脂は、ゴムや樹脂中の水分や不純物がキャリアとなり、僅かではあるが導電性をもつと考えられ、これらの導電機構はイオン伝導であると考えられる。但し、これらの極性ゴムやポリウレタン樹脂に導電剤を全く添加しないで弾性層を作成し、得られた帯電部材は低温低湿(L/L)環境において、抵抗値が高くなり1010Ωcm以上となってしまうものもあるため帯電部材に高電圧を印加しなければならなくなる。
【0063】
そこで、L/L環境で帯電部材の抵抗値が1010Ωcm未満になるように、前述した電子伝導機構を有する導電剤やイオン伝導機構を有する導電剤を適宜添加して調整するのが好ましい。イオン伝導機構を有する導電剤の方が抵抗調整がしやすく製法上好ましい。しかしながら、イオン伝導機構を有する導電剤は抵抗値を低くする効果が小さく、特にL/L環境でその効果が小さい。そのため、イオン伝導機構を有する導電剤の添加と併せて電子伝導機構を有する導電剤を補助的に添加して抵抗調整を行ってもよい。
【0064】
但し、弾性層が表面層である場合は、疎水化度20〜80%の高分子化合物粒子を含有しているのが好ましい。この高分子化合物粒子については、表面層2cのところで後述する。
【0065】
また、弾性層2bはこれらの弾性材料を発泡成型した発泡体であってもよい。
【0066】
表面層2cは、帯電部材の表面を構成し、被帯電体である感光体と接触するため感光体を汚染してしまう材料構成であってはならない。
【0067】
本発明に用いられる表面層2cの結着樹脂材料としては、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ブチラール樹脂、スチレン−エチレン・ブチレン−オレフィン共重合体(SEBC)およびオレフィン−エチレン・ブチレン−オレフィン共重合体(CEBC)等が挙げられる。本発明における表面層の材料としては、特にはフッ素樹脂、アクリル樹脂およびシリコーン樹脂等の滑り性や離型性に優れたものが好ましい。
【0068】
これらの結着樹脂に静摩擦係数を小さくする目的で、グラファイト、雲母、二硫化モリブテンおよびフッ素樹脂粉末等の固体潤滑剤、あるいはフッ素系界面活性剤、あるいはワックス、およびシリコーンオイル等を添加してもよい。
【0069】
表面層には、導電性微粒子(以下、導電剤ともいう)として、導電性カーボン、グラファイト、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄粉および金属酸化物である導電性酸化錫や導電性酸化チタン等を適宜用いる。本発明においては、所望の電気抵抗を得るためには、前記各種導電剤を2種以上併用してもよい。導電剤の粒径は個数平均粒径で0.001〜1.0μmであることが好ましい。平均粒径が0.001μmに満たないと導電剤同士が凝集し易くなり、表面処理が難しくなったり、表面処理にムラができ均一に処理しにくくなる。1.0μmを超えると帯電部材の表面層を塗工で形成する場合、導電剤が塗料中で沈降しやすいため好ましくない。
【0070】
また、導電剤と結着樹脂の割合は質量比で0.1:1.0〜2.0:1.0であることが好ましい。導電剤が0.1に満たないと導電剤を含有させたことによる効果を得にくくなり、2.0を超えると表面層の機械的強度が低下し、層がもろくなったり、硬度がアップし、柔軟性がなくなり易い。
【0071】
本発明では表面層の導電剤は、表面処理、好ましくは、疎水化処理されていることを特徴としている。
【0072】
また、本発明においては帯電部材の僅かな抵抗値ムラに起因したスジ状の画像濃度ムラを防止するために、帯電部材の表面に凹凸を形成させることを特徴としている。我々が鋭意検討した結果、表面に凹凸を形成させるためには高分子化合物粒子を表面層に添加するのが好ましいことが分かった。
【0073】
高分子化合物粒子としては、例えば、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、オレフィン樹脂、エポキシ樹脂等、およびこれらの共重合体や変性物および誘導体からなる粒子が好ましい。これらの樹脂粒子は必要に応じて2種以上を併用して用いてもよい。
【0074】
また、本発明においては帯電部材表面の汚れを防止する目的で使用する高分子化合物粒子は、疎水化度が20〜80%であることを特徴としている。そのため、高分子化合物粒子は疎水化処理されていることが好ましい。
【0075】
導電剤および高分子化合物から成る粒子の疎水化処理剤としては、例えば、シランカップリング剤およびシリコーンオイルまたはシリコーンワニスが好ましい。
【0076】
疎水化処理の方法としては、例えばシランカップリング剤の場合、乾式法と湿式法の2つの方法がある。
【0077】
(a)乾式法
導電剤をよくかき混ぜながらシランカップリング剤を噴霧するか蒸気状態で吹込む。必要に応じて加熱処理を入れる。
【0078】
(b)湿式法
導電剤を溶媒中に分散させ、シランカップリング剤も水や有機溶媒に希釈し、スラリー状態で激しくかき混ぜながら添加する。均一処理をするにはこちらの方法が好ましい。更に、導電剤表面のシラン前処理としての具体的方法としては、以下の3つの方法がある。
【0079】
▲1▼水溶液法
約0.1〜0.5%のシランを、一定pHの水、あるいは水−溶媒に十分撹拌しながら注入溶解させ、加水分解する。フィラーをこの溶液中に浸した後、ろ過あるいは圧搾して、ある程度水を除き、その後120〜130℃で十分乾燥する。
【0080】
▲2▼有機溶媒法
少量の水と、加水分解用溶媒(塩酸、酢酸)を含む有機溶媒(アルコール、ベンゼン、ハロゲン化炭化水素)にシランを溶解する。フィラーをこの溶液に浸した後、ろ過あるいは圧搾し、溶媒を除き、120〜130℃で十分乾燥する。
【0081】
▲3▼スプレー法
フィラーを激しく撹拌しながら、シランの水溶液あるいは、溶媒液をスプレーする。その後、120〜130℃で十分乾燥する。
【0082】
シランカップリング剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラメン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、へキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、フルオロアルキルアルコキシシラン、および1分子当たり2〜12個のシロキサン単位を有し、末端に位置する単位に夫々1個あたりのケイ素原子に結合した水酸基を含有したジメチルポリシロキサンが挙げられる。
【0083】
本発明においては、別の疎水化処理剤として、シリコーンオイルまたはシリコーンワニスも好適に使用できる。シリコーンオイルとしては、下記一般式(I)で表されるものが好ましい。
【0084】
一般式(I)
【0085】
【化1】
(但し、
R:炭素数1〜3のアルキル基、
R’:アルキル、ハロゲン変性アルキル、フェニル、変性フェニルの如きシリ
コーンオイル変性基、
R”:炭素数1〜3のアルキル、又は、アルコキシ基、
m及びn:m≧0、n≧0、m+n>0の整数を示すものとする。)
【0086】
上記一般式(I)の具体例としては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルが挙げられる。
【0087】
本発明において、シリコーンオイルとしては、下記一般式(II)で表される構造をもつ変性シリコーンオイルも使用できる。
【0088】
【化2】
【0089】
上記一般式(II)中、R1、R6は、水素原子、アルキル基、アリール基またはアルコキシ基を表わし、R2は、アルキレン基またはフェニレン基を表わし、R3は、含窒素複素環をその構造に有する化合物を表わし、R4およびR5は、水素原子、アルキル基、アリール基を表わし、R2はなくてもよい。但し、上記のアルキル基、アリール基、アルキレン基、フェニレン基は、アミンを有してもよいし、又、帯電性を損ねない範囲でハロゲンを置換基として有してもよい。mは1以上の数であり、n、kは0または正の整数である。但し、n+kは1以上の正の数である。
【0090】
上記構造中最も好ましい構造は窒素原子を含む側鎖中の窒素原子の数が1か2であるものである。窒素を有する不飽和複素環として、下記にその構造の一例を挙げる。
【0091】
【化3】
【0092】
窒素を有する飽和複素環として、下記にその構造の一例を挙げる。
【0093】
【化4】
【0094】
但し、本発明は何ら上記化合物例に拘束されるものではないが、好ましくは5員環または6員環の複素環を持つものが好ましい。
【0095】
誘導体としては、上記化合物群に、炭化水素基、ハロゲン基、アミノ基、ビニル基、メルカプト基、メタクリル基、グリシドキシ基、またはウレイド基を導入した誘導体が例示される。これらは1種、または、2種以上用いてもよい。
【0096】
本発明に用いられるシリコーンワニスとしては、例えば、メチルシリコーンワニス、および、フェニルメチルシリコーンワニスを挙げることができ、特に、本発明においては、メチルシリコーンワニスを用いることが好ましい。メチルシリコーンワニスは、下記構造で示されるT31単位、D31単位、M31単位よりなるポリマーであり、且つT31単位を多量に含む三次元ポリマーである。
【0097】
【化5】
【0098】
メチルシリコーンワニス、または、フェニルメチルシリコーンワニスは、具体的には、下記構造式(A)で示されるような化学構造を有する物質である。
【0099】
構造式(A)
【0100】
【化6】
(R31は、メチル基又は、フェニル基を示す。)
【0101】
上記シリコーンワニスにおいて、特にT31単位は、良好な熱硬化性を付与し、三次元網状構造とするために有効な単位である。シリコーンワニス中に、上記T31単位が、10〜90モル%、特に30〜80モル%の範囲で含まれるものを使用することが好ましい。
【0102】
このようなシリコーンワニスは、分子鎖の末端若しくは側鎖に水酸基を有しており、この水酸基の脱水縮合反応によって硬化することとなる。この硬化反応を促進させるために用いることができる硬化促進剤としては、例えば、亜鉛、鉛、コバルト、スズの如き脂肪酸塩;トリエタノールアミン、ブチルアミンの如きアミン類を挙げることができる。このうち特にアミン類を好ましく用いることができる。
【0103】
上記の如きシリコーンワニスをアミノ変性シリコーンワニスとするためには、前記、T31単位、D31単位、M31単位中に存在する一部のメチル基或いはフェニル基を、アミノ基を有する基に置換すればよい。アミノ基を有する基としては、例えば、下記構造式で示されるものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0104】
【化7】
【0105】
これらのシリコーンオイルおよび/またはシリコーンワニスによる疎水化処理方法としては、例えば、粒子とシリコーンオイルおよび/またはシリコーンワニスとを混合機を用いて混合する方法;および、粒子の中にシリコーンオイルおよび/またはシリコーンワニスを噴霧器を用い噴霧する方法が挙げられる。
【0106】
シリコーンオイルおよび/またはシリコーンワニスによる粒子の疎水化処理方法としては、例えば、粒子と溶剤で希釈していないシリコーンオイルおよび/またはシリコーンワニスとをヘンシェルミキサーの如き混合機を用いて直接混合させる方法;および、粒子へ溶剤で希釈していないシリコーンオイルおよび/またはシリコーンワニスを噴霧する方法が挙げられる。この場合、シリコーンオイルおよび/またはシリコーンワニスは、50〜200℃の温度に加温して粘度を下げて用いれば、より均一な処理が達成できるので、より好ましい。上記の通り、本発明においては、シリコーンオイルおよび/またはシリコーンワニスは、溶剤に希釈しない状態で表面処理に用いられることから、25℃における粘度が10〜2,000センチストークスのものを用いることが好ましい。
【0107】
また、本発明においては、高分子化合物粒子をシランカップリング処理剤で処理後、シリコーンオイルおよび/またはシリコーンワニスを噴霧し、その後、200℃以上の温度で加熱処理する作製方法が好適に用いられる。この粒子の処理時にシランカップリング剤で処理後、シリコーンオイルおよび/またはシリコーンワニスを噴霧した後、200℃以上の高い温度で加熱する方法によれば、シリコーンオイルおよび/またはシリコーンワニスが粒子表面に均一に且つ強固に付着することが可能となる。
【0108】
このような方法で疎水化処理した高分子化合物粒子を表面層に添加すると、帯電部材の帯電性能が向上することが分かった。
【0109】
本発明において、シランカップリング剤は粒子原体100質量部に対して、5乃至60質量部、更に好ましくは、10乃至50質量部の範囲で添加して処理するとよい。5質量部より少ない場合には、疎水化の効果が少なく、60質量部よりも多い場合には、製造上困難になる場合がある。
【0110】
シリコーンオイルおよび/またはシリコーンワニスは、粒子原体または処理した粒子100質量部に対して5乃至40質量部、より好ましくは、7乃至35質量部の範囲で使用する。5質量部より少ない場合は、疎水化の効果が少なく、40質量部よりも多い場合には、製造上困難になる場合がある。
【0111】
また、本発明においては高分子化合物粒子の疎水化度は20〜80%の範囲である。疎水化度が80%を超える場合は、表面層中に高分子化合物粒子を均一に分散させるのが困難になり、導電性部材表面の凹凸をコントロールするのが難しくなる。また、疎水化度が20%未満の場合は、導電性部材表面の汚れを防止する効果が小さいので、汚れに起因した画像ポチなどが発生してしまう。
【0112】
また、本発明に用いる疎水化度の測定は、下記の方法で測定される。先ず、200cm3のビーカーにイオン交換水50cm3を入れ、更に、この中に試料0.200gを秤り取って入れ、測定用サンプルを調製する。次に、この液を撹拌しながら、ビュレットによりメタノールを滴下して行き、液面上に浮いた試料が完全になくなった点を終点として滴定量を測定し、次式によって疎水化度を求める。
【0113】
【数1】
【0114】
また、本発明で使用する高分子化合物粒子としての樹脂粒子は、体積平均粒子径が50μm以下、更には、0.1μm〜30μmであることが好ましい。樹脂粒子の体積平均粒子径が50μmを超える場合には、画像上に粗大粒子の存在によってポチが現れてしまうという問題が生じる。また、塗料中で沈降するといった問題が生じ易くなる。
【0115】
一方、0.1μm未満では導電性部材の表面に凹凸を形成する効果が小さく、導電性部材の抵抗値ムラに起因したスジ状の画像濃度ムラを抑制できなくなる。また、粒子を均一に表面処理することが困難になるといった問題が生じる。
【0116】
また、本発明においては高分子化合物粒子の平均粒子径が、導電性微粒子の平均粒子径よりも大きいことが好ましい。これは導電性部材表面の凹凸の制御を柔軟性や弾性を有する高分子化合物粒子で行うためである。そうすることで感光体への損傷を抑制することができる。
【0117】
本発明に用いる粒子の粒子径の測定は、島津製作所製レーザ回折式粒度分布測定装置SALD−7000を用いて行う。まず、蒸留水に少量の界面活性剤0.2質量%を添加した溶液を用意する。界面活性剤は特に限定するものでなく、市販のものならどのようなものでも用いることができる。この溶液を硝子瓶に入れて、少量の微粒子を投入し、5分程度超音波をかけて分散させる。この溶液を測定セルに投入し、測定を行う。これにより、微粒子の粒度分布を測定することができる。測定可能な粒子径の範囲は0.015〜500μmである。また、本発明における微粒子の平均粒子径は、前記装置によって測定した体積平均粒子径をもって、本発明の平均粒子径とする。
【0118】
一方、導電性部材に直流電圧のみを印加して帯電処理を行う場合、連続使用時(連続通電時)に抵抗変化が生じ、感光体の帯電電位が低下するという課題があった。しかしながら、導電性部材の連続使用時における抵抗変化は、少なくとも導電剤の表面状態(親水性、疎水性)に依存していることが分かった。例えば、親水性の導電剤を導電性部材に含有した場合では、導電性部材の連続使用により抵抗が上昇し易いことがわかった。特に、低温低湿環境において、導電性部材の抵抗上昇が大きい。そして、この低温低湿環境において、導電性部材の連続使用に伴う抵抗上昇を小さくするためには、上記のように疎水化処理された導電剤を導電性部材の導電剤として使用することが有効であることがわかった。
【0119】
導電性部材の連続使用時における抵抗上昇のメカニズムは明確ではないが、表面層に親水性の導電剤を含有した場合に起きる抵抗上昇は、導電剤表面の親水基が通電によって分極等を起こし、チャージアップし、導電剤としての導電性機能を失うのではないかと考えられている。
【0120】
特に、低温低湿環境では、親水基の周りに水が存在していないため、通電の影響を受け易いのではないかと考えられている。ゆえに疎水化処理して親水性基を潰すことで、チャージアップする部分を少なくすることができるので、帯電部材を連続使用しても抵抗上昇しないものと考えられる。
【0121】
【実施例】
以下、本発明を実施例を用いて更に詳細に説明する。
【0122】
(実施例1)
下記の要領で本発明の導電性部材としての帯電ローラを作成した。
【0123】
エピクロルヒドリンゴム三元共重合体 100質量部
四級アンモニウム塩 2質量部
軽質炭酸カルシウム 30質量部
酸化亜鉛 5質量部
脂肪酸 2質量部
【0124】
以上の材料を60℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練した後、エピクロルヒドリンゴム100質量部に対してセバシン酸系ポリエステル可塑剤5質量部を加え、20℃に冷却した密閉型ミキサーで更に20分間混練し、原料コンパウンドを調整する。このコンパウンドに原料ゴムのエピクロルヒドリンゴム100質量部に対し加硫剤としての硫黄1質量部、加硫促進剤としてのノクセラーDM 1質量部、ノクセラーTS 0.5質量部を加え、20℃に冷却した2本ロール機にて10分間混練する。得られたコンパウンドを、φ6mmステンレス製芯金の周囲にローラ状になるように押出成型機にて成型し、加熱加硫成型した後、外径φ12mmになるように研磨処理して弾性層を得た。
【0125】
上記弾性層の上に以下に示すような表面層を被覆形成した。
【0126】
表面層2cの材料として、
アクリルポリオール溶液(有効成分70質量%) 100質量部
イソシアネートA(IPDI)(有効成分60質量%) 40質量部
イソシアネートB(HDI)(有効成分80質量%) 30質量部
疎水化処理した導電性酸化錫(処理剤A;フルオロアルキルアルコキシシラン) 90質量部
疎水化処理したポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂粒子(処理剤B;ヘキシルトリメトキシシラン) 50質量部
メチルイソブチルケトン(MIBK)溶剤 340質量部
をミキサーを用いて攪拌し混合溶液を作成した。次いで、その混合溶液を循環式のビーズミル分散機を用いて分散処理を行い、ディッピング用塗料を作成した。このディッピング用塗料を前記弾性層の上にディッピング法にて膜厚が25μmになるように塗布して、10分間の風乾後に加熱型乾燥機にて、160℃で1時間乾燥させ、表面層を被覆形成しローラ形状の帯電部材を得た。
【0127】
なお、ビーズミル分散機のメディアとしては、φ0.8mmのガラスビーズを用いた。
【0128】
また、導電性酸化錫は平均粒子径0.02μm、PMMA樹脂粒子は平均粒子径8μmのものを使用した。導電性酸化錫およびPMMA樹脂粒子は前述の方法で疎水化処理を行った。
【0129】
また、導電性酸化錫の疎水化度は40%、PMMA樹脂粒子の疎水化度は55%であった。
【0130】
帯電ローラの電気抵抗を環境1(温度23℃、湿度55%)下で、図6に示すような抵抗測定機を用いて−250Vの直流電圧を印加して測定した結果、1.0×106Ωであった。図中、2は導電性部材、11はステンレス製の円筒電極、12は抵抗、13はレコーダーを示す。これらの間の押圧力は用いられる画像形成装置と同様にし、外部電源S3から−250Vを印加した際の抵抗値を測定する。
【0131】
また、帯電ローラ表面の10点平均表面粗さRzjisは、7.5μmであった。凹凸の平均間隔RSmは、41μmであった。
【0132】
なお、感光体表面電位を測定したところ飽和電位(暗部電位VD)は−595Vであった。
【0133】
「帯電ローラに直流電圧のみを印加した時の画像評価」
図1に示す電子写真方式の画像形成装置に上記で得られた帯電ローラを取り付けて、環境1(温度23℃、湿度55%)、環境2(温度32.5℃、湿度80%)、環境3(温度15℃、湿度10%)の各環境下において、画像出し(モノカラーハーフトーン印刷と2色重ねハーフトーン印刷)を行い、帯電ローラの抵抗値ムラに起因したスジ状の画像濃度ムラの発生について画像評価を行った。結果を表1に示す。
【0134】
表中のA、B、C、D、Eは、帯電ローラの抵抗値ムラに起因したスジ状の画像濃度ムラの発生について画像品質を5段階にランク分けしたものである。なお、Aをスジ状の画像濃度ムラが全くないレベルとし、Eを、スジ状の画像濃度ムラが目立つレベルにあるものとした。
【0135】
また、感光体表面の帯電電位を環境3(温度15℃、湿度10%)において測定した。結果を表1に示す。一般的に帯電ローラのような導電性部材は低温低湿環境下で、最も電気抵抗が高くなり帯電能力が低下する傾向にある。そのため、最も厳しい環境下で感光体表面の帯電電位を測定し帯電ローラの帯電能力の評価を行った。
【0136】
「帯電ローラに直流電圧のみを印加した時の連続複数枚高印字画像出し耐久試験」
図1に示す電子写真方式の画像形成装置に上記で得られた帯電ローラを取り付けて、環境1(温度23℃、湿度55%)、環境2(温度32.5℃、湿度80%)、環境3(温度15℃、湿度10%)の各環境下において、複数枚高印字(10%印字)画像出し耐久試験を行った。5000枚毎にモノカラーハーフトーン印刷を行った。得られた画像を目視にて観察して評価を行った。結果を表2に示す。
【0137】
但し、高印字画像出し耐久試験はトナー消費量が多いため、途中で現像ユニットを交換して耐久試験を継続した。
【0138】
表中のA、B、C、D、Eは、帯電ローラ表面の汚れに起因して発生するローラ周期毎の画像ポチについて画像品質を5段階にランク分けしたものである。なお、Aを画像ポチが全くないレベルとし、Eを画像ポチが目立つレベルにあるものとした。
【0139】
その結果、全ての環境下で初期から良好な画像が得られ、15,000枚の画像出し後でも初期とほとんど変わらない画像が得られた。
【0140】
(実施例2)
下記の要領で本発明の帯電部材としての帯電ローラを作成した。
【0141】
NBR 100質量部
四級アンモニウム塩 3質量部
エステル系可塑剤 20質量部
軽質炭酸カルシウム 30質量部
酸化亜鉛 5質量部
脂肪酸 2質量部
【0142】
以上の材料を60℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練した後、20℃に冷却した密閉型ミキサーで更に20分間混練し、原料コンパウンドを調整する。このコンパウンドに原料ゴムのNBR 100質量部に対し加硫剤としての硫黄1質量部、加硫促進剤としてのノクセラーTS 3質量部を加え、20℃に冷却した2本ロール機にて10分間混練する。得られたコンパウンドを、φ6mmステンレス製芯金の周囲にローラ状になるように押出成型機にて成型し、加熱加硫成型した後、外径φ10mmになるように研磨処理して弾性層を得た。
【0143】
上記弾性層の上に以下に示すような表面層を被覆形成した。
【0144】
表面層2cを形成する材料を
ポリウレタン樹脂溶液(有効成分50質量%) 100質量部
疎水化処理した導電性酸化チタン(処理剤;ヘキシルトリメトキシシラン) 60質量部
2種の表面処理したポリブチルメタクリレート(PBMA)粒子(処理剤A;ヘキサメチルジシラザン、処理剤B;ジメチルシリコーンオイル) 50質量部
をミキサーを用いて攪拌し混合溶液を作成した。次いで、その混合溶液を循環式のビーズミル分散機を用いて分散処理を行い、ディッピング用塗料を作成した。このディッピング用塗料を前記弾性層の上にディッピング法にて膜厚が18μmになるように塗布して、10分間の風乾後に加熱型乾燥機にて、130℃で1時間乾燥させ、表面層を被覆形成しローラ形状の帯電部材を得た。
【0145】
なお、ビーズミル分散機のメディアとしては、φ0.8mmのガラスビーズを用いた。
【0146】
また、導電性酸化チタンは平均粒子径0.03μm、PBMA粒子は平均粒子径12μmのものを使用した。導電性酸化チタン、PBMA粒子は前述の方法で疎水化処理を行った。
【0147】
また、導電性酸化チタンの疎水化度は35%、PBMA樹脂粒子の疎水化度は70%であった。
【0148】
帯電ローラの電気抵抗を環境1(温度23℃、湿度55%)下で、−250Vの直流電圧を印加して測定した結果、1.5×106Ωであった。
【0149】
また、帯電ローラ表面の10点平均表面粗さRzjisは、10.3μm、凹凸の平均間隔RSmは55μmであった。
【0150】
なお、感光体表面電位を測定したところ飽和電位(暗部電位VD)は−605Vであった。
【0151】
この帯電ローラについて実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1、表2に示した。
【0152】
(実施例3)
下記の要領で本発明の帯電部材としての帯電ローラを作成した。
【0153】
エピクロルヒドリンゴム三元共重合体 100質量部
四級アンモニウム塩 1質量部
導電性カーボンブラック 10質量部
軽質炭酸カルシウム 30質量部
酸化亜鉛 5質量部
脂肪酸 2質量部
【0154】
以上の材料を60℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練した後、エピクロルヒドリンゴム100質量部に対してセバシン酸系エステル可塑剤10質量部を加え、20℃に冷却した密閉型ミキサーで更に20分間混練し、原料コンパウンドを調整する。このコンパウンドに原料ゴムのエピクロルヒドリンゴム100質量部に対し加硫剤としての硫黄1質量部、加硫促進剤としてのノクセラーDM 1質量部、ノクセラーTS 0.5質量部を加え、20℃に冷却した2本ロール機にて10分間混練する。得られたコンパウンドを、φ6mmステンレス製芯金の周囲にローラ状になるように押出成型機にて成型し、加熱加硫成型した後、ゴム部の外径が中央φ12.0mm、両端部φ11.85mmのクラウン形状になるように研磨処理して弾性層を得た。
【0155】
上記弾性層の上に以下に示すような抵抗層を被覆形成した。
【0156】
抵抗層の材料として、
エピクロルヒドリンゴム二元共重合体 100質量部
をトルエン溶媒にて分散溶解して抵抗層用塗料を作成する。このディッピング用塗料を前記弾性層の上にディッピング法にて膜厚が100μmになるように塗布して、10分間の風乾後に加熱型乾燥機にて、150℃で1時間乾燥させ、抵抗層を被覆形成した。
【0157】
更に抵抗層の上に以下に示す表面層2cを被覆形成した。
【0158】
表面層2cの材料として、
フルオロオレフィン(4フッ化タイプ)
ヒドロキシアルキルビニルエーテル
カルボン酸ビニルエステル
を共重合させて得られたフッ素樹脂共重合体を用い、その酢酸エチル溶液100質量部(固形分50質量%)に対して、イソシアネート(HDI)20質量部(固形分80質量%)と、実施例1と同じ疎水化処理した導電性酸化錫50質量部、更に表面処理しウレタン系樹脂粒子(処理剤;ジメチルシリコーンオイル)30質量部を加え、ミキサーを用いて攪拌し混合溶液を作成した。次いで、その混合溶液を循環式のビーズミル分散機を用いて分散処理を行い、ディッピング用塗料を作成した。このディッピング用塗料を前記抵抗層の上にディッピング法にて膜厚が8μmになるように塗布して、10分間の風乾後に加熱型乾燥機にて、150℃で1時間乾燥させ、表面層を被覆形成しローラ形状の帯電部材を得た。
【0159】
なお、ビーズミル分散機のメディアとしては、φ0.8mmのガラスビーズを用いた。
【0160】
また、ウレタン系樹脂粒子は平均粒子径10μmのものを使用した。表面処理は前述の方法にて行った。また、ウレタン系樹脂粒子の疎水化度は45%であった。
【0161】
帯電ローラの電気抵抗を環境1(温度23℃、湿度55%)下で、−250Vの直流電圧を印加して測定した結果、2.8×106Ωであった。
【0162】
また、帯電ローラ表面の10点平均表面粗さRzJISは、9.1μm、凹凸の平均間隔Rsmは43μmであった。
【0163】
なお、感光体表面電位を測定したところ飽和電位(暗部電位VD)は−600Vであった。
【0164】
この帯電ローラについて実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1、表2に示した。
【0165】
(実施例4)
実施例1において、表面層の材料として使用するPMMA樹脂微粒子の表面処理剤を、処理剤A;トリメチルエトキシシラン、処理剤B;アルキル変性シリコーンオイルとした以外、実施例1と同様にして帯電ローラを作成した。
【0166】
また、この帯電ローラについて実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1、表2に示した。
【0167】
また、本実施例のPMMA樹脂粒子の疎水化度は80%であった。
【0168】
帯電ローラの電気抵抗を環境1(温度23℃、湿度55%)下で、−250Vの直流電圧を印加して測定した結果、1.5×106Ωであった。
【0169】
また、帯電ローラ表面の10点平均表面粗さRzjisは、7.7μm、凹凸の平均間隔RSmは、38μmであった。
【0170】
なお、感光体表面電位を測定したところ飽和電位(暗部電位VD)は−605Vであった。
【0171】
(比較例1)
比較例1において下記の方法で帯電ローラを作成した。
【0172】
EPDM 100質量部
導電性カーボンブラック 30質量部
酸化亜鉛 10質量部
脂肪酸 2質量部
【0173】
以上の材料を60℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練した後、EPDM 100質量部に対してパラフィンオイル15質量部を加え、20℃に冷却した密閉型ミキサーで更に20分間混練し、原料コンパウンドを調整する。このコンパウンドに原料ゴムのEPDM 100質量部に対し加硫剤としての硫黄0.5質量部、加硫促進剤としてのMBT 1質量部、TMTD 1質量部、ZnMDC 1.5質量部を加え、20℃に冷却した2本ロール機にて10分間混練する。得られたコンパウンドを、φ6mmステンレス製芯金の周囲に外径φ12mmのローラ状になるようにプレス成型機にて金型を用いて加熱加硫成型することにより弾性層を得た。
【0174】
上記弾性層の上に以下に示すような抵抗層を被覆形成した。
【0175】
抵抗層の材料として、
ポリウレタン樹脂 100質量部
導電性カーボンブラック 15質量部
をメチルエチルケトン(MEK)溶媒に加え、ミキサーを用いて攪拌し、その混合溶液を連続式のビーズミル分散機にて分散溶解して抵抗層用塗料を作成する。この塗料を弾性層2b上にディッピング法にて塗布して膜厚100μmの抵抗層を被覆形成した。
【0176】
なお、ビーズミル分散機のメディアとしては、φ0.8mmのガラスビーズを用いた。
【0177】
更に抵抗層の上に以下に示す表面層2cを被覆形成した。
【0178】
表面層2cの材料として、
ポリビニルブチラール樹脂(エタノール溶液;固形分50質量%) 100質量部
導電性カーボンブラック 10質量部
をミキサーを用いて攪拌し混合溶液を作成した。次いで、その混合溶液をバッチ式のビーズミル分散機(ペイントシェーカー)を用いて分散処理を行い、ディッピング用塗料を作成した。このディッピング用塗料を前記抵抗層の上にディッピング法にて膜厚が12μmになるように塗布して、10分間の風乾後に加熱型乾燥機にて、130℃で1時間乾燥させ、表面層を被覆形成しローラ形状の帯電部材を得た。
【0179】
なお、ビーズミル分散機のメディアとしては、φ0.8mmのガラスビーズを用いた。
【0180】
帯電ローラの電気抵抗を環境1(温度23℃、湿度55%)下で、−250Vの直流電圧を印加して測定した結果、1.5×106Ωであった。
【0181】
また、帯電ローラ表面の10点平均表面粗さRzjisは、4.8μm、凹凸の平均間隔RSmは、270μmであった。
【0182】
この帯電ローラについて実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1、表2に示した。
【0183】
この帯電ローラを用いた画像形成装置により出力したハーフトーン画像には帯電部材の局部的な抵抗値ムラが原因となるスジ状の濃度ムラが発生していた。なお、感光体表面電位を測定したところ、飽和電位(暗部電位VD)は−575Vであり本発明の実施例と比べて、帯電ローラの帯電能力が低下していることが確認されていた。
【0184】
また、複数枚画像出し耐久試験において、画像濃度ムラおよび画像ポチやガサツキのレベルが更に悪化していることがわかる。
【0185】
(比較例2)
比較例2において下記の方法で帯電ローラを作成した。
【0186】
NBR 100質量部
過塩素酸リチウム塩 5質量部
軽質炭酸カルシウム 40質量部
酸化亜鉛 5質量部
脂肪酸 2質量部
【0187】
以上の材料を60℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練した後、NBR 100質量部に対してDOS可塑剤20質量部を加え、20℃に冷却した密閉型ミキサーで更に20分間混練し、原料コンパウンドを調整する。このコンパウンドに原料ゴムのNBR100質量部に対し加硫剤としての硫黄1質量部、加硫促進剤としてのノクセラーTS 3質量部を加え、20℃に冷却した2本ロール機にて10分間混練する。得られたコンパウンドを、φ6mmステンレス製芯金の周囲にローラ状になるように押出成型機にて成型し、加熱加硫成型した後、ゴム部の外径が中央φ12.0mm、両端部φ11.90mmのクラウン形状になるように研磨処理して弾性層を得た。
【0188】
表面層2cの材料として、
ポリエーテルポリオール溶液(有効成分70質量%) 100質量部
イソシアネート(TDI) (有効成分80質量%) 40質量部
疎水化処理した導電性酸化錫(処理剤;デシルトリメトキシシラン) 100質量部
にメチルエチルケトン(MEK)を加えてミキサーを用いて攪拌し混合溶液を作成した。次いで、その混合溶液をバッチ式のビーズミル分散機を用いて分散処理を行い、ディッピング用塗料を作成した。このディッピング用塗料を前記弾性層の上にディッピング法にて膜厚が42μmになるように塗布して、10分間の風乾後に加熱型乾燥機にて、150℃で1時間乾燥させ、表面層を被覆形成しローラ形状の帯電部材を得た。
【0189】
また、導電性酸化錫は平均粒子径0.2μmを使用した。導電性酸化錫は前述の乾式法により疎水化処理を行った。
【0190】
また、導電性酸化錫の疎水化度は20%であった。
【0191】
帯電ローラの電気抵抗を環境1(温度23℃、湿度55%)下で、−250Vの直流電圧を印加して測定した結果、6.2×106Ωであった。
【0192】
また、帯電ローラ表面の10点平均表面粗さRzjisは、3.9μm、凹凸の平均間隔RSmは129μmであった。
【0193】
得られた帯電ローラについて実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1、表2に示した。
【0194】
この帯電ローラを用いた画像形成装置により出力した画像には導電性部材の局部的な抵抗値ムラに起因したスジ状の画像濃度ムラが発生していた。なお、感光体表面電位を測定したところ、飽和電位(暗部電位VD)は−580Vであり本発明の実施例と比べて、帯電ローラの帯電能力が低下していることが確認されていた。
【0195】
(比較例3)
実施例1において、表面層の材料として使用する疎水化処理したPMMA樹脂粒子の代わりに、疎水化処理を施していないPMMA樹脂粒子を用いた以外、他は実施例1と同様にして帯電ローラを作成した。
【0196】
また、得られた帯電ローラについて実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1、表2に示した。
【0197】
また、本比較例3に用いたPMMA樹脂粒子の平均粒子径は10μmであり、疎水化度は12%であった。
【0198】
帯電ローラの電気抵抗を環境1(温度23℃、湿度55%)下で、−250Vの直流電圧を印加して測定した結果、1.5×106Ωであった。
【0199】
また、帯電ローラ表面の10点平均表面粗さRzjisは、8.9μm、凹凸の平均間隔RSmは70μmであった。
【0200】
この帯電ローラを用いた画像形成装置の複数枚高印字画像出し耐久試験において、15000枚の耐久試験後の出力画像には導電性部材の表面の汚れ(トナー、外添剤、および紙粉の付着)に起因したローラ周期毎の画像ポチが僅かに発生していた。なお、感光体表面電位を測定したところ、飽和電位(暗部電位VD)は−585Vであり本発明の実施例と比べて、帯電ローラの帯電能力が少し劣っていることが確認されていた。
【0201】
(比較例4)
実施例1において、表面層の材料として使用する疎水化処理したPMMA樹脂粒子の代わりに、疎水化処理を施していないフッ素樹脂粒子(PTFE)を用いた以外、他は実施例1と同様にして帯電ローラを作成した。
【0202】
また、得られた帯電ローラについて実施例1と同様の評価を行い、その結果を表1、表2に示した。
【0203】
また、本比較例4に用いたPTFE樹脂粒子の平均粒子径は0.3μmであり、疎水化度は92%であった。但し、本比較例のPTFE樹脂粒子は凝集性が強かったため前述した平均粒子径の測定方法では正確な値を得ることができなかった。(測定するたびに値がバラついていた)そのため、電子顕微鏡を用いて、任意の粒子400個について粒子径を実測し、個数平均粒子径(長さ平均)を算出し、その値を代用した。なお、粒子径としては粒子の長軸を測定し、長軸/短軸比が2以上の場合にはその平均値をもって測定値とし、これらの値から算出する。
帯電ローラの電気抵抗を環境1(温度23℃、湿度55%)下で、−250Vの直流電圧を印加して測定した結果、5.5×105Ωであった。
【0204】
また、帯電ローラ表面の10点平均表面粗さRzjisは、3.7μm、凹凸の平均間隔RSmは190μmであった。
【0205】
この帯電ローラを用いた画像形成装置の出力画像には導電性部材の抵抗値ムラに起因したスジ状の画像濃度ムラが発生していた。これは疎水化度の高い樹脂粒子が表面層中に均一に分散することができなかったため表面の凹凸形成が均一でないことが原因であり、スジ状の画像濃度ムラが現れたものと考えられている。
【0206】
なお、感光体表面電位を測定したところ、飽和電位(暗部電位VD)は−580Vであり本発明の実施例と比べて、帯電ローラの帯電能力が少し劣っていることが確認されていた。
【0207】
【表1】
【0208】
【表2】
【0209】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明の好適な実施の態様を以下のとおり列挙する
[実施態様1]
導電性支持体の上に形成される1層以上の被覆層が、高分子化合物粒子を含有する導電性部材において、少なくとも表面層の高分子化合物粒子の疎水化度が20〜80%であり、更に導電性部材の表面粗さが高分子化合物の含有によって、下記式の関係に調整されていることを特徴とする導電性部材。
【0210】
2μm≦Rzjis≦50μm
20μm≦RSm≦200μm
(式中、RzjisはJIS B 0601:2001における十点平均粗さ、RSmはJIS B 0601:2001における平均長さを示す。)
[実施態様2] 前記高分子化合物粒子が、疎水化処理されている実施態様1に記載の導電性部材。
【0211】
[実施態様3] 前記表面層が、更に導電性微粒子を含有している実施態様1または2に記載の導電性部材。
【0212】
[実施態様4] 前記導電性微粒子が、表面処理されている実施態様3に記載の導電性部材。
【0213】
[実施態様5] 前記表面処理が、疎水化処理である実施態様4に記載の導電性部材。
【0214】
[実施態様6] 前記高分子化合物粒子の平均粒子径が、前記導電性微粒子の平均粒子径よりも大きい実施態様3〜5のいずれかに記載の導電性部材。
【0215】
[実施態様7] 前記導電性部材が、導電性支持体と、その上に形成された第一の被覆層である弾性層と、更にその上に形成された第二の被覆層である表面層からなる積層構成を有している実施態様1〜6のいずれかに記載の導電性部材。
【0216】
[実施態様8] 前記弾性層がイオン導電機構を有する弾性材料で構成されている実施態様7に記載の導電性部材。
【0217】
[実施態様9] 前記弾性層がイオン導電剤を含有している実施態様8に記載の導電性部材。
【0218】
[実施態様10] 前記弾性層を構成する弾性材料が、エピクロルヒドリンゴム、ニトリルブタジエンゴム、ウレタンゴムあるいはウレタン樹脂のいずれかである実施態様7〜9のいずれかに記載の導電性部材。
【0219】
[実施態様11] 前記弾性層のイオン導電剤が、四級アンモニウム塩またはアルカリ金属塩である実施態様9または10に記載の導電性部材。
【0220】
[実施態様12] 前記導電性部材に直流電圧が印加され、被帯電体を帯電処理する実施態様1〜11のいずれかに記載の導電性部材。
【0221】
[実施態様13] 少なくとも被帯電体である電子写真感光体と、前記電子写真感光体に接触して電子写真感光体表面を帯電する帯電手段と、前記帯電手段を構成する導電性部材に接触して導電性部材表面を清掃する清掃手段と、前記帯電手段によって帯電された電子写真感光体表面を露光する露光手段と、前記露光手段によって形成された潜像を可視像化する現像手段と、可視像化された潜像を転写材に転写する転写手段とを備えた画像形成装置において、前記帯電手段を構成する導電性部材が、実施態様1〜12のいずれかに記載の導電性部材であることを特徴とする画像形成装置。
【0222】
[実施態様14] 少なくとも、被帯電体である電子写真感光体と実施態様1〜12のいずれかに記載の導電性部材と、これら電子写真感光体および導電性部材を一体的に収容するカートリッジ容器とを備え、画像形成装置の本体に対して着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【0223】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、特に導電性部材としての帯電部材に直流電圧のみを印加して被帯電体を接触帯電方式により帯電処理する場合、導電性部材の僅かな抵抗値ムラに起因したスジ状の画像不良や表面の汚れ(トナー、外添剤、紙粉など)に起因した帯電不良に対して非常に有利であることがわかった。
【0224】
また、導電性部材の帯電能力が向上するためドラムゴーストを軽減させる効果もあることがわかった。
【0225】
その結果、帯電部材の帯電性が均一かつ安定となり、電子写真画像形成装置の画質が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の概略構成図である。
【図2】帯電ローラと帯電ローラの清掃装置との関係を示した概略構成図である。
【図3】帯電ローラの清掃部材の概略斜視図である。
【図4】他の帯電ローラと帯電ローラの清掃装置との関係を示した概略構成図である。
【図5】本発明の帯電ローラの概略構成図である。
【図6】帯電部材の電流値測定装置の概略構成図である。
【符号の説明】
2;導電性部材
11;円筒電極(金属ローラ)
12;固定抵抗器
13;レコーダー
101;像担持体(電子写真感光体)
102;帯電部材(帯電ローラ)
103;像露光手段
104;現像手段
105;中間転写体
106;転写ローラ
107;転写材
108;クリーニング手段
109;廃トナー容器
112;定着手段
120;帯電ローラの清掃装置
Claims (1)
- 導電性支持体の上に形成される1層以上の被覆層が、高分子化合物粒子を含有する導電性部材において、少なくとも表面層の高分子化合物粒子の疎水化度が20〜80%であり、更に導電性部材の表面粗さが高分子化合物の含有によって、下記式の関係に調整されていることを特徴とする導電性部材。
2μm≦Rzjis≦50μm
20μm≦RSm≦200μm
(式中、RzjisはJIS B 0601:2001における十点平均粗さ、RSmはJIS B 0601:2001における平均長さを示す。)
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2003
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