JP2005020830A - 車両のヨーイング挙動制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】4輪独立駆動方式を採用する電気自動車が直進走行中に、低摩擦路面部分で一の車輪がスリップし、これがため、車体に意図しないヨーレート変化が生じた場合に、上記低摩擦路面部分を避けつつ、他の車輪の駆動力を増大して、を速やかに修正する。
【解決手段】4輪のうち、一の前輪W1が、低摩擦路面を通過中にスリップし、駆動力F2を路面に伝達できなくなると、右前輪W1は空転し、車輪速Vw1が増加する。 モータ駆動力コントローラ2は、車輪速Vw1の増加に基づき、スリップ検出開始時刻t1、スリップ検出終了時刻t2を検出し、上記の低摩擦路面の路面摩擦係数μおよび車体8のヨーレート変化量Δαを推定する。また右前輪W1と車幅方向に関して同じ側にある右後輪W4が低摩擦路面を通過する時刻t2からt4までを推定する。そして時刻t2からt4までを避けて後輪4の駆動力指令値F4を増大してヨーレート変化推定量Δαを解消する。
【選択図】 図1
【解決手段】4輪のうち、一の前輪W1が、低摩擦路面を通過中にスリップし、駆動力F2を路面に伝達できなくなると、右前輪W1は空転し、車輪速Vw1が増加する。 モータ駆動力コントローラ2は、車輪速Vw1の増加に基づき、スリップ検出開始時刻t1、スリップ検出終了時刻t2を検出し、上記の低摩擦路面の路面摩擦係数μおよび車体8のヨーレート変化量Δαを推定する。また右前輪W1と車幅方向に関して同じ側にある右後輪W4が低摩擦路面を通過する時刻t2からt4までを推定する。そして時刻t2からt4までを避けて後輪4の駆動力指令値F4を増大してヨーレート変化推定量Δαを解消する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、左右にそれぞれ複数の駆動輪を具え、全ての駆動輪を個々に独立して駆動力制御可能な車両のヨーイング挙動制御装置に関し、特に、走行方向前方の駆動輪がスリップして生じたヨーレート変化を各駆動輪間の駆動力配分制御により解消するヨーイング挙動制御装置の改良提案に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
4輪を具えた車両であって、該4輪の駆動力をそれぞれ独立に制御する技術については従来、例えば特許文献1に記載のごときものが知られている。
【0003】
【特許文献1】
実開昭59−141405号公報
【0004】
特許文献1に記載の電気自動車は、車体の左右にて対をなす合計4つ以上の車輪と、該車輪のそれぞれと駆動結合するモータと、該モータを制御する制御装置とを具え、該制御装置が、運転者の操作と、各車輪の回転速度に基づいて、各車輪の駆動力をそれぞれ個別に制御するようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のような駆動モータの制御装置にあっては、4輪の回転速度に基づき、該4輪の駆動力をそれぞれ独立に制御するのであって、回転速度の履歴に基づいて車輪速変動を求め、これを基に駆動力を制御することができないため、以下に説明するような問題を生ずる。
つまり、4輪中の1の車輪が水溜りやマンホールなどの滑りやすい低摩擦路面部分を通過する場合には、路面摩擦係数で決まる可能限界駆動力が小さくなって、要求される駆動力を路面に伝達することができず、スリップ中の車輪が路面に伝達する駆動力は他の3輪のそれよりも少なくなる。
この伝達駆動力の差、特に左右の駆動輪において発生する伝達駆動力の差は、車体に意図しないヨーレート変化をもたらし、進行方向と車体の方向が不一致となり、走行安定性を損なうこととなる。
特に、加速走行中など大きな駆動力を必要とする場合に、この問題が顕著に生じる。
【0006】
この場合、例えば右前輪がスリップぎみになり、ヨーレート変化が発生した時に4輪独立駆動の自由度を活かして当該右前輪の駆動力を上げようとすると、右前輪の回転速度がさらに増加して右前輪のスリップがさらに進み、路面に伝達される駆動力がさらに低下して、上記ヨーレート変化が増大し、ますます走行安定性を悪化させてしまう結果になる。
【0007】
本発明はかかる問題に鑑み、上記のような車輪スリップによるヨーレート変化が生じた場合には、スリップ中の車輪はもとより、走行方向後方の車輪についても、これら車輪が滑りやすい低摩擦路面部分を通過している期間以外の期間で、各車輪の駆動力制御によりヨーレート変化を解消することで、上記したヨーレート変化の増大によりますます走行安定性が悪化するという問題を解消し得るようにした車両のヨーイング挙動制御装置を提案するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的のため本発明による車両のヨーイング挙動制御装置は、請求項1に記載のごとく、上記型式の車両を基礎前提とし、
走行方向前方の駆動輪が低摩擦路面部分を通過中にスリップしてヨーレート変化が生じた時、このスリップを生じた側における走行方向後方の駆動輪が上記低摩擦路面部分を通過する期間以外の期間中に、各駆動輪間の駆動力配分を上記ヨーレート変化が解消されるよう決定する構成となしたものである。
【0009】
【発明の効果】
かかる本発明の構成によれば、上記低摩擦路面部分をいかなる駆動輪も通過していない期間に、上記ヨーレート変化を解消するような駆動輪間の駆動力配分制御が行われることとなり、
どれかの駆動輪が上記低摩擦路面部分を通過している期間中に上記の駆動輪間の駆動力配分制御が行われて、ヨーレート変化の増大を惹起し、これが原因で走行安定性が悪化するという前記の問題を解消することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態になるヨーイング挙動制御装置を具えた電気自動車の車輪駆動系を、その駆動力制御装置と共に示す線図的平面図である。
この電気自動車は、4つの車輪W1,W2,W3,W4を車体の両側に2個ずつ具え、右側に前車輪W1および後車輪W4を、また、左側に前車輪W2および後車輪W3を配置する。
これら右前輪W1および右後輪W4、そして左前輪W2および左後輪W3は、個々のモータM1およびM4、そしてモータM2およびM3により個別に駆動する駆動輪とし、これらモータを介して駆動力を個別に制御可能とする。
【0011】
モータM1,M2,M3,M4の共通な電源としてバッテリ1を設け、インバータINV1,INV2,INV3,INV4を介してモータM1,M2,M3,M4をそれぞれ共通なバッテリ1に接続する。
インバータINV1,INV2,INV3,INV4はそれぞれ、モータ駆動力コントローラ2から駆動力指令F1,F2,F3,F4を受け、バッテリ1から対応するモータM1,M2,M3,M4への供給電流を決定して、モータM1,M2,M3,M4の駆動力(車輪W1,W2,W3,W4の駆動力)を駆動力指令F1,F2,F3,F4に一致させるものとする。
【0012】
モータ駆動力コントローラ2には、駆動力指令F1,F2,F3,F4を決定するために、車輪W1,W2,W3,W4の車輪速(回転周速)Vw1,Vw2,Vw3,Vw4に関する信号(回転数信号)を検出するための車輪速センサ3FR,3FL,3RL,3RRからの信号(回転数信号)と、アクセルペダル踏み込み量(アクセル開度)APOを検出するアクセル開度センサ4からの信号とを入力する。
【0013】
モータ駆動力コントローラ2は図2にブロック線図で示すように、基準駆動力演算部11と、駆動力合成部12と、車輪速演算部13と、スリップ検出部14と、路面摩擦係数推定部15と、ヨーレート変化量推定部16と、後輪通過期間推定部17と、遅延処理部18と、ヨーレート修正駆動力演算部19と、低摩擦路面部分用駆動力低下量演算部20とで構成し、前記の入力情報を基に以下のごとくにインバータINV1,INV2,INV3,INV4への駆動力指令F1,F2,F3,F4を決定する。
【0014】
基準駆動力演算部11は、アクセル開度APOに基づいて車両が要求している基準駆動力F0を求める。
駆動力合成部12は、輪荷重配分などを勘案しながら基準駆動力を各車輪W1,W2,W3,W4に配分して各輪W1,W2,W3,W4の基準駆動力(以下では、F0 /4ずつ当分に配分した)を求めると共に、これら各輪の基準駆動力に適宜後述するヨーレート修正駆動力指令ΔF’を加算して各輪W1,W2,W3,W4の駆動力指令F1,F2,F3,F4となし、これらをインバータINV1,INV2,INV3,INV4に供給してモータM1,M2,M3,M4の駆動力制御に資する。
【0015】
車輪速演算部13は、図1における車輪速センサ3FR,3FL,3RL,3RRからの信号(回転数信号)を基に、各車輪W1,W2,W3,W4の車輪速Vw1,Vw2,Vw3,Vw4を個々に演算する。
スリップ検出部14は、これら車輪速Vw1,Vw2,Vw3,Vw4を基に車輪のスリップを検出する。
なお以下では、右前輪W1が低摩擦路面部分上に乗って加速スリップを生じ、これにより車両が上方から見て時計方向のヨーレートを増大された場合につき説明する。
この場合スリップ検出部14は、右前輪W1の車輪速Vw1が図3の瞬時t1〜t2間に示されるように他の車輪の車輪速Vw2,Vw3,Vw4よりも大きくなることから、この状態をもって右前輪W1の加速スリップを検出し、図3に示すようなスリップ検出信号を出力することができる。
【0016】
路面摩擦係数推定部15は、かかる車輪(右前輪W1)スリップ検出信号を入力されるとき、該当車輪の車輪速Vw1から求めうる実加速度と、駆動力合成部12で求めた該当車輪の駆動力指令F1のもとで当然得られるべき最大加速度との比較(差など)により、スリップした車輪(右前輪W1)が乗った低摩擦路面部分の摩擦係数μを図3に示すように推定することができる。
なお路面摩擦係数推定部15は上記に代えて、該当車輪の回転を表す運動モデルを用いて路面摩擦係数μを推定することもできる。
ヨーレート変化量推定部16は、上記の車輪(右前輪W1)スリップ検出信号を入力されるとき、路面摩擦係数推定値μから該当車輪(右前輪W1)のスリップにより発生する車両のヨーレート変化量Δφを図3に示すように推定する。
【0017】
後輪通過期間推定部17は、車輪(右前輪W1)スリップ検出信号の入力がなくなった時、つまり、該当車輪が低摩擦路面部分を通過し終えてスリップが収束した図3の瞬時t2にスリップ収束信号を遅延処理部18へ出力すると共に、この瞬時t2を起点にして、スリップ発生車輪(右前輪W1)と同じ側における後輪(右後輪)W4が低摩擦路面部分に到達するまでの時間Δt1および当該低摩擦路面部分の通過に要する時間Δt2をホイールベースおよび対応する車輪速Vw4から算出し、これらから後輪(右後輪)W4が低摩擦路面部分を通過している期間t4〜t5を図3に示すように推定して後輪通過期間推定信号を遅延処理部18へ出力する。
【0018】
遅延処理部18は、後輪通過期間推定部17からのスリップ収束信号を受けてヨーレート修正駆動力演算部19に演算開始信号を出力する。
ヨーレート修正駆動力演算部19は、ヨーレート変化量推定値Δφを0にして車両のヨーレートを本来に値に戻すのに必要な車輪W1,W2,W3,W4の駆動力配分を演算し、これをヨーレート修正駆動力として出力する。
かかるヨーレートの修正に必要な車輪W1,W2,W3,W4の駆動力配分を決定するに当たっては、車輪スリップを生じた側(車両右側)における右後輪W4の駆動力指令F4だけを操作するのが簡単で有利である。
この場合図2および図3に示すように、ヨーレート変化量推定値Δφをなくすのに必要な駆動力指令F4の修正量ΔFをヨーレート修正駆動力として出力する。
【0019】
このヨーレート修正駆動力ΔFは以下のようにして求める。
ヨーレート変化量推定値Δφをなくすのに必要なヨーレート修正駆動力ΔF(t)の積分値P(t)=∫ΔF(t)・dtを求め、右後輪W4が低摩擦路面部分を通過する前後(図3の瞬時t4の前、および瞬時t5の後)で均等にヨーレート修正用の右後輪駆動力制御を行うものとすると、ヨーレート修正駆動力ΔFはΔF=P(t)/2/Δt1により算出することができ(Δt1は前記したように、右後輪が低摩擦路面部分に到達するまでの時間)、図3のごとくにヨーレート修正駆動力ΔFを求めることができる。
【0020】
遅延処理部18は、このヨーレート修正駆動力ΔFと、後輪通過期間推定部17からの後輪通過期間推定信号とを基に、右後輪W4が低摩擦路面部分を通過する前後(図3の瞬時t4の前、および瞬時t5の後)で均等にヨーレート修正用の右後輪駆動力制御を行うよう、図3のスリップ収束瞬時t2より遅れた瞬時t3よりヨーレート修正駆動力ΔFをヨーレート修正駆動力指令ΔF’として図3のごとくに図2の駆動力合成部12へ出力し始め、右後輪W4の駆動力指令F4をΔF=ΔF’だけ図3のように嵩上げする。
【0021】
しかし、右後輪W4が低摩擦路面部分を通過している図3の瞬時t4〜t5期間において遅延処理部18は、ヨーレート修正駆動力ΔFをヨーレート修正駆動力指令ΔF’として出力するのに代え、ヨーレート修正駆動力指令ΔF’を図3に示すように0にする。
そしてこの間遅延処理部18は、低摩擦路面部分用駆動力低下量演算部20が以下のごとくに求めた低摩擦路面部分用駆動力低下量ΔFdをヨーレート修正駆動力指令ΔF’として図2の駆動力合成部12へ出力する。
【0022】
この低摩擦路面部分用駆動力低下量演算部20は、後輪通過期間推定信号を入力され図3の瞬時t4〜t5期間において、右後輪W4が低摩擦路面部分上にあってもスリップしないようにする(好ましくは、最大駆動力が得られる理想スリップ率にする)ための右後輪駆動力とするのに必要な低摩擦路面部分用駆動力低下量ΔFdを図3のごとくに求める。
よって、右後輪W4が低摩擦路面部分を通過している図3の瞬時t4〜t5期間中、右後輪W4の駆動力指令F4はΔF’=ΔFdだけ図3のように低下される。
【0023】
右後輪W4が低摩擦路面部分を通過した図3の瞬時t5以後においては、遅延処理部18が再びヨーレート修正駆動力ΔFをヨーレート修正駆動力指令ΔF’として図3のごとくに図2の駆動力合成部12へ出力し、右後輪W4の駆動力指令F4をΔF=ΔF’だけ図3のように再度嵩上げする。
この嵩上げは、ヨーレート修正駆動力の前記した積分値P(t)が達成される図3の瞬時t6にヨーレート修正駆動力ΔFが0になることで終了する。
【0024】
本実施の形態によれば、低摩擦路面部分をいかなる駆動輪も通過していない期間(図3の瞬時t3〜t4およびt5〜t6)で、車輪(右前輪W1)のスリップに伴うヨーレート変化Δφを解消するような駆動輪間の駆動力配分制御を行うことから、
どれかの駆動輪が低摩擦路面部分を通過している期間中に上記の駆動力配分制御が行われて、ヨーレート変化の増大を惹起するという問題、そして、これが原因で走行安定性が悪化するという問題を解消することができる。
【0025】
しかも上記の駆動力配分制御に際し、前輪(右前輪W1)スリップを生じた側における後輪(右後輪W4)の駆動力(F4)のみを制御することにより、ヨーレート変化を解消するための駆動力配分の決定を行うようにしたため、
1輪の駆動力制御のみで上記の作用効果を達成することができ、制御を簡単なものにすることができる。
【0026】
また、前輪(右前輪W1)スリップを生じた側における後輪(右後輪W4)が低摩擦路面部分を通過する前(図3の瞬時t4の前)と後(図3の瞬時t5の後)とで均等に分散させて、該後輪(右後輪W4)のヨーレート変化解消用の駆動力制御を行うようにしたため、
後輪(右後輪W4)が低摩擦路面部分を通過する前と後で路面摩擦係数が異なるようなことがあっても、少なくとも一方においてヨーレートの修正が補償されることとなり、上記の作用効果を確実なものにすることができる。
【0027】
更に、前輪(右前輪W1)スリップを生じた側における後輪(右後輪W4)が低摩擦路面部分を通過する期間中は、該後輪(右後輪W4)の駆動力F4を、低摩擦路面部分上にあってもスリップが発生しない値に低下させるようにしたため、
該後輪(右後輪W4)が低摩擦路面部分上でスリップするようなことがなくなり、このスリップで前記の作用効果が損なわれるのを回避することができる。
【0028】
なお、駆動輪の車輪速から求めた実加速度と、該駆動輪の駆動力指令のもとで当然得られるべき最大加速度との比較により路面摩擦係数μを推定し、この路面摩擦係数推定値μから前輪(右前輪W1)スリップによるヨーレート変化Δφを推定するようにしたため、
路面摩擦係数μおよびヨーレート変化Δφの推定を、センサの追加なしに、且つ、容易に行うことができ、コスト上大いに有利である。
【0029】
なお、本実施の形態においては、スリップが生じた左右の前輪1もしくは2と同じ側にある後輪3もしくは4の駆動力を増加することで、車体のヨーレート変化を解消するものであるが、反対側の前輪2もしくは1、または後輪4もしくは3の駆動力を減少することで、同様の効果を得られること勿論である。あるいは、両側の後輪3,4を同時に増加・減少するなど、複数の車輪の駆動力を同時に変化しても同様の効果を得られること勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態になるヨーイング挙動制御装置を具えた電気自動車の車輪駆動系を、その駆動力制御装置と共に示す線図的平面図である。
【図2】同実施の形態になる電気自動車の車輪駆動系およびモータコントローラの構成を示すブロック線図である。
【図3】同実施の形態になる電気自動車の車輪速、各検出信号、各推定信号、駆動力およびヨーレート変化量を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 バッテリ
2 モータ駆動力コントローラ
3FL,3FR,3RL,3RR 車輪速センサ
4 アクセル開度センサ
W1 右前輪
W2 左前輪
W3 左後輪
W4 右後輪
M1,M2,M3,M4 モータ
INV1,INV2,INV3,INV4 インバータ
11 基準駆動力演算部
12 駆動力合成部
13 車輪速演算部
14 スリップ検出部
15 路面摩擦係数推定部
16 ヨーレート変化量推定部
17 後輪通過期間推定部
18 遅延処理部
19 ヨーレート修正駆動力演算部
20 低摩擦路面部分用駆動力低下量演算部
【発明の属する技術分野】
本発明は、左右にそれぞれ複数の駆動輪を具え、全ての駆動輪を個々に独立して駆動力制御可能な車両のヨーイング挙動制御装置に関し、特に、走行方向前方の駆動輪がスリップして生じたヨーレート変化を各駆動輪間の駆動力配分制御により解消するヨーイング挙動制御装置の改良提案に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
4輪を具えた車両であって、該4輪の駆動力をそれぞれ独立に制御する技術については従来、例えば特許文献1に記載のごときものが知られている。
【0003】
【特許文献1】
実開昭59−141405号公報
【0004】
特許文献1に記載の電気自動車は、車体の左右にて対をなす合計4つ以上の車輪と、該車輪のそれぞれと駆動結合するモータと、該モータを制御する制御装置とを具え、該制御装置が、運転者の操作と、各車輪の回転速度に基づいて、各車輪の駆動力をそれぞれ個別に制御するようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のような駆動モータの制御装置にあっては、4輪の回転速度に基づき、該4輪の駆動力をそれぞれ独立に制御するのであって、回転速度の履歴に基づいて車輪速変動を求め、これを基に駆動力を制御することができないため、以下に説明するような問題を生ずる。
つまり、4輪中の1の車輪が水溜りやマンホールなどの滑りやすい低摩擦路面部分を通過する場合には、路面摩擦係数で決まる可能限界駆動力が小さくなって、要求される駆動力を路面に伝達することができず、スリップ中の車輪が路面に伝達する駆動力は他の3輪のそれよりも少なくなる。
この伝達駆動力の差、特に左右の駆動輪において発生する伝達駆動力の差は、車体に意図しないヨーレート変化をもたらし、進行方向と車体の方向が不一致となり、走行安定性を損なうこととなる。
特に、加速走行中など大きな駆動力を必要とする場合に、この問題が顕著に生じる。
【0006】
この場合、例えば右前輪がスリップぎみになり、ヨーレート変化が発生した時に4輪独立駆動の自由度を活かして当該右前輪の駆動力を上げようとすると、右前輪の回転速度がさらに増加して右前輪のスリップがさらに進み、路面に伝達される駆動力がさらに低下して、上記ヨーレート変化が増大し、ますます走行安定性を悪化させてしまう結果になる。
【0007】
本発明はかかる問題に鑑み、上記のような車輪スリップによるヨーレート変化が生じた場合には、スリップ中の車輪はもとより、走行方向後方の車輪についても、これら車輪が滑りやすい低摩擦路面部分を通過している期間以外の期間で、各車輪の駆動力制御によりヨーレート変化を解消することで、上記したヨーレート変化の増大によりますます走行安定性が悪化するという問題を解消し得るようにした車両のヨーイング挙動制御装置を提案するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的のため本発明による車両のヨーイング挙動制御装置は、請求項1に記載のごとく、上記型式の車両を基礎前提とし、
走行方向前方の駆動輪が低摩擦路面部分を通過中にスリップしてヨーレート変化が生じた時、このスリップを生じた側における走行方向後方の駆動輪が上記低摩擦路面部分を通過する期間以外の期間中に、各駆動輪間の駆動力配分を上記ヨーレート変化が解消されるよう決定する構成となしたものである。
【0009】
【発明の効果】
かかる本発明の構成によれば、上記低摩擦路面部分をいかなる駆動輪も通過していない期間に、上記ヨーレート変化を解消するような駆動輪間の駆動力配分制御が行われることとなり、
どれかの駆動輪が上記低摩擦路面部分を通過している期間中に上記の駆動輪間の駆動力配分制御が行われて、ヨーレート変化の増大を惹起し、これが原因で走行安定性が悪化するという前記の問題を解消することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態になるヨーイング挙動制御装置を具えた電気自動車の車輪駆動系を、その駆動力制御装置と共に示す線図的平面図である。
この電気自動車は、4つの車輪W1,W2,W3,W4を車体の両側に2個ずつ具え、右側に前車輪W1および後車輪W4を、また、左側に前車輪W2および後車輪W3を配置する。
これら右前輪W1および右後輪W4、そして左前輪W2および左後輪W3は、個々のモータM1およびM4、そしてモータM2およびM3により個別に駆動する駆動輪とし、これらモータを介して駆動力を個別に制御可能とする。
【0011】
モータM1,M2,M3,M4の共通な電源としてバッテリ1を設け、インバータINV1,INV2,INV3,INV4を介してモータM1,M2,M3,M4をそれぞれ共通なバッテリ1に接続する。
インバータINV1,INV2,INV3,INV4はそれぞれ、モータ駆動力コントローラ2から駆動力指令F1,F2,F3,F4を受け、バッテリ1から対応するモータM1,M2,M3,M4への供給電流を決定して、モータM1,M2,M3,M4の駆動力(車輪W1,W2,W3,W4の駆動力)を駆動力指令F1,F2,F3,F4に一致させるものとする。
【0012】
モータ駆動力コントローラ2には、駆動力指令F1,F2,F3,F4を決定するために、車輪W1,W2,W3,W4の車輪速(回転周速)Vw1,Vw2,Vw3,Vw4に関する信号(回転数信号)を検出するための車輪速センサ3FR,3FL,3RL,3RRからの信号(回転数信号)と、アクセルペダル踏み込み量(アクセル開度)APOを検出するアクセル開度センサ4からの信号とを入力する。
【0013】
モータ駆動力コントローラ2は図2にブロック線図で示すように、基準駆動力演算部11と、駆動力合成部12と、車輪速演算部13と、スリップ検出部14と、路面摩擦係数推定部15と、ヨーレート変化量推定部16と、後輪通過期間推定部17と、遅延処理部18と、ヨーレート修正駆動力演算部19と、低摩擦路面部分用駆動力低下量演算部20とで構成し、前記の入力情報を基に以下のごとくにインバータINV1,INV2,INV3,INV4への駆動力指令F1,F2,F3,F4を決定する。
【0014】
基準駆動力演算部11は、アクセル開度APOに基づいて車両が要求している基準駆動力F0を求める。
駆動力合成部12は、輪荷重配分などを勘案しながら基準駆動力を各車輪W1,W2,W3,W4に配分して各輪W1,W2,W3,W4の基準駆動力(以下では、F0 /4ずつ当分に配分した)を求めると共に、これら各輪の基準駆動力に適宜後述するヨーレート修正駆動力指令ΔF’を加算して各輪W1,W2,W3,W4の駆動力指令F1,F2,F3,F4となし、これらをインバータINV1,INV2,INV3,INV4に供給してモータM1,M2,M3,M4の駆動力制御に資する。
【0015】
車輪速演算部13は、図1における車輪速センサ3FR,3FL,3RL,3RRからの信号(回転数信号)を基に、各車輪W1,W2,W3,W4の車輪速Vw1,Vw2,Vw3,Vw4を個々に演算する。
スリップ検出部14は、これら車輪速Vw1,Vw2,Vw3,Vw4を基に車輪のスリップを検出する。
なお以下では、右前輪W1が低摩擦路面部分上に乗って加速スリップを生じ、これにより車両が上方から見て時計方向のヨーレートを増大された場合につき説明する。
この場合スリップ検出部14は、右前輪W1の車輪速Vw1が図3の瞬時t1〜t2間に示されるように他の車輪の車輪速Vw2,Vw3,Vw4よりも大きくなることから、この状態をもって右前輪W1の加速スリップを検出し、図3に示すようなスリップ検出信号を出力することができる。
【0016】
路面摩擦係数推定部15は、かかる車輪(右前輪W1)スリップ検出信号を入力されるとき、該当車輪の車輪速Vw1から求めうる実加速度と、駆動力合成部12で求めた該当車輪の駆動力指令F1のもとで当然得られるべき最大加速度との比較(差など)により、スリップした車輪(右前輪W1)が乗った低摩擦路面部分の摩擦係数μを図3に示すように推定することができる。
なお路面摩擦係数推定部15は上記に代えて、該当車輪の回転を表す運動モデルを用いて路面摩擦係数μを推定することもできる。
ヨーレート変化量推定部16は、上記の車輪(右前輪W1)スリップ検出信号を入力されるとき、路面摩擦係数推定値μから該当車輪(右前輪W1)のスリップにより発生する車両のヨーレート変化量Δφを図3に示すように推定する。
【0017】
後輪通過期間推定部17は、車輪(右前輪W1)スリップ検出信号の入力がなくなった時、つまり、該当車輪が低摩擦路面部分を通過し終えてスリップが収束した図3の瞬時t2にスリップ収束信号を遅延処理部18へ出力すると共に、この瞬時t2を起点にして、スリップ発生車輪(右前輪W1)と同じ側における後輪(右後輪)W4が低摩擦路面部分に到達するまでの時間Δt1および当該低摩擦路面部分の通過に要する時間Δt2をホイールベースおよび対応する車輪速Vw4から算出し、これらから後輪(右後輪)W4が低摩擦路面部分を通過している期間t4〜t5を図3に示すように推定して後輪通過期間推定信号を遅延処理部18へ出力する。
【0018】
遅延処理部18は、後輪通過期間推定部17からのスリップ収束信号を受けてヨーレート修正駆動力演算部19に演算開始信号を出力する。
ヨーレート修正駆動力演算部19は、ヨーレート変化量推定値Δφを0にして車両のヨーレートを本来に値に戻すのに必要な車輪W1,W2,W3,W4の駆動力配分を演算し、これをヨーレート修正駆動力として出力する。
かかるヨーレートの修正に必要な車輪W1,W2,W3,W4の駆動力配分を決定するに当たっては、車輪スリップを生じた側(車両右側)における右後輪W4の駆動力指令F4だけを操作するのが簡単で有利である。
この場合図2および図3に示すように、ヨーレート変化量推定値Δφをなくすのに必要な駆動力指令F4の修正量ΔFをヨーレート修正駆動力として出力する。
【0019】
このヨーレート修正駆動力ΔFは以下のようにして求める。
ヨーレート変化量推定値Δφをなくすのに必要なヨーレート修正駆動力ΔF(t)の積分値P(t)=∫ΔF(t)・dtを求め、右後輪W4が低摩擦路面部分を通過する前後(図3の瞬時t4の前、および瞬時t5の後)で均等にヨーレート修正用の右後輪駆動力制御を行うものとすると、ヨーレート修正駆動力ΔFはΔF=P(t)/2/Δt1により算出することができ(Δt1は前記したように、右後輪が低摩擦路面部分に到達するまでの時間)、図3のごとくにヨーレート修正駆動力ΔFを求めることができる。
【0020】
遅延処理部18は、このヨーレート修正駆動力ΔFと、後輪通過期間推定部17からの後輪通過期間推定信号とを基に、右後輪W4が低摩擦路面部分を通過する前後(図3の瞬時t4の前、および瞬時t5の後)で均等にヨーレート修正用の右後輪駆動力制御を行うよう、図3のスリップ収束瞬時t2より遅れた瞬時t3よりヨーレート修正駆動力ΔFをヨーレート修正駆動力指令ΔF’として図3のごとくに図2の駆動力合成部12へ出力し始め、右後輪W4の駆動力指令F4をΔF=ΔF’だけ図3のように嵩上げする。
【0021】
しかし、右後輪W4が低摩擦路面部分を通過している図3の瞬時t4〜t5期間において遅延処理部18は、ヨーレート修正駆動力ΔFをヨーレート修正駆動力指令ΔF’として出力するのに代え、ヨーレート修正駆動力指令ΔF’を図3に示すように0にする。
そしてこの間遅延処理部18は、低摩擦路面部分用駆動力低下量演算部20が以下のごとくに求めた低摩擦路面部分用駆動力低下量ΔFdをヨーレート修正駆動力指令ΔF’として図2の駆動力合成部12へ出力する。
【0022】
この低摩擦路面部分用駆動力低下量演算部20は、後輪通過期間推定信号を入力され図3の瞬時t4〜t5期間において、右後輪W4が低摩擦路面部分上にあってもスリップしないようにする(好ましくは、最大駆動力が得られる理想スリップ率にする)ための右後輪駆動力とするのに必要な低摩擦路面部分用駆動力低下量ΔFdを図3のごとくに求める。
よって、右後輪W4が低摩擦路面部分を通過している図3の瞬時t4〜t5期間中、右後輪W4の駆動力指令F4はΔF’=ΔFdだけ図3のように低下される。
【0023】
右後輪W4が低摩擦路面部分を通過した図3の瞬時t5以後においては、遅延処理部18が再びヨーレート修正駆動力ΔFをヨーレート修正駆動力指令ΔF’として図3のごとくに図2の駆動力合成部12へ出力し、右後輪W4の駆動力指令F4をΔF=ΔF’だけ図3のように再度嵩上げする。
この嵩上げは、ヨーレート修正駆動力の前記した積分値P(t)が達成される図3の瞬時t6にヨーレート修正駆動力ΔFが0になることで終了する。
【0024】
本実施の形態によれば、低摩擦路面部分をいかなる駆動輪も通過していない期間(図3の瞬時t3〜t4およびt5〜t6)で、車輪(右前輪W1)のスリップに伴うヨーレート変化Δφを解消するような駆動輪間の駆動力配分制御を行うことから、
どれかの駆動輪が低摩擦路面部分を通過している期間中に上記の駆動力配分制御が行われて、ヨーレート変化の増大を惹起するという問題、そして、これが原因で走行安定性が悪化するという問題を解消することができる。
【0025】
しかも上記の駆動力配分制御に際し、前輪(右前輪W1)スリップを生じた側における後輪(右後輪W4)の駆動力(F4)のみを制御することにより、ヨーレート変化を解消するための駆動力配分の決定を行うようにしたため、
1輪の駆動力制御のみで上記の作用効果を達成することができ、制御を簡単なものにすることができる。
【0026】
また、前輪(右前輪W1)スリップを生じた側における後輪(右後輪W4)が低摩擦路面部分を通過する前(図3の瞬時t4の前)と後(図3の瞬時t5の後)とで均等に分散させて、該後輪(右後輪W4)のヨーレート変化解消用の駆動力制御を行うようにしたため、
後輪(右後輪W4)が低摩擦路面部分を通過する前と後で路面摩擦係数が異なるようなことがあっても、少なくとも一方においてヨーレートの修正が補償されることとなり、上記の作用効果を確実なものにすることができる。
【0027】
更に、前輪(右前輪W1)スリップを生じた側における後輪(右後輪W4)が低摩擦路面部分を通過する期間中は、該後輪(右後輪W4)の駆動力F4を、低摩擦路面部分上にあってもスリップが発生しない値に低下させるようにしたため、
該後輪(右後輪W4)が低摩擦路面部分上でスリップするようなことがなくなり、このスリップで前記の作用効果が損なわれるのを回避することができる。
【0028】
なお、駆動輪の車輪速から求めた実加速度と、該駆動輪の駆動力指令のもとで当然得られるべき最大加速度との比較により路面摩擦係数μを推定し、この路面摩擦係数推定値μから前輪(右前輪W1)スリップによるヨーレート変化Δφを推定するようにしたため、
路面摩擦係数μおよびヨーレート変化Δφの推定を、センサの追加なしに、且つ、容易に行うことができ、コスト上大いに有利である。
【0029】
なお、本実施の形態においては、スリップが生じた左右の前輪1もしくは2と同じ側にある後輪3もしくは4の駆動力を増加することで、車体のヨーレート変化を解消するものであるが、反対側の前輪2もしくは1、または後輪4もしくは3の駆動力を減少することで、同様の効果を得られること勿論である。あるいは、両側の後輪3,4を同時に増加・減少するなど、複数の車輪の駆動力を同時に変化しても同様の効果を得られること勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態になるヨーイング挙動制御装置を具えた電気自動車の車輪駆動系を、その駆動力制御装置と共に示す線図的平面図である。
【図2】同実施の形態になる電気自動車の車輪駆動系およびモータコントローラの構成を示すブロック線図である。
【図3】同実施の形態になる電気自動車の車輪速、各検出信号、各推定信号、駆動力およびヨーレート変化量を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 バッテリ
2 モータ駆動力コントローラ
3FL,3FR,3RL,3RR 車輪速センサ
4 アクセル開度センサ
W1 右前輪
W2 左前輪
W3 左後輪
W4 右後輪
M1,M2,M3,M4 モータ
INV1,INV2,INV3,INV4 インバータ
11 基準駆動力演算部
12 駆動力合成部
13 車輪速演算部
14 スリップ検出部
15 路面摩擦係数推定部
16 ヨーレート変化量推定部
17 後輪通過期間推定部
18 遅延処理部
19 ヨーレート修正駆動力演算部
20 低摩擦路面部分用駆動力低下量演算部
Claims (5)
- 左右にそれぞれ複数の駆動輪を具え、全ての駆動輪を個々に独立して駆動力制御可能な車両において、
走行方向前方の駆動輪が低摩擦路面部分を通過中にスリップしたことにより、車体にヨーレート変化が生じた場合には、該スリップを生じた側における走行方向後方の駆動輪が前記低摩擦路面部分を通過する期間以外の期間中に、各駆動輪間の駆動力配分を前記ヨーレート変化が解消されるよう決定する構成にしたことを特徴とする車両のヨーイング挙動制御装置。 - 請求項1に記載のヨーイング挙動制御装置において、
前記スリップを生じた側における走行方向後方の駆動輪の駆動力のみを制御することにより、前記ヨーレート変化を解消するための前記駆動力配分の決定を行うよう構成したことを特徴とする車両のヨーイング挙動制御装置。 - 請求項2に記載のヨーイング挙動制御装置において、
前記スリップを生じた側における走行方向後方の駆動輪が前記低摩擦路面部分を通過する前と後とで分散させて、該駆動輪の前記ヨーレート変化解消用の駆動力制御を行うよう構成したことを特徴とする車両のヨーイング挙動制御装置。 - 請求項2または3に記載のヨーイング挙動制御装置において、
前記スリップを生じた側における走行方向後方の駆動輪が前記低摩擦路面部分を通過する期間中は、該駆動輪の駆動力を、前記低摩擦路面部分上にあってもスリップが発生しない値に低下させるよう構成したことを特徴とする車両のヨーイング挙動制御装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のヨーイング挙動制御装置において、
駆動輪の実加速度と、該駆動輪の駆動力指令のもとで当然得られるべき最大加速度との比較により路面摩擦係数を推定し、この路面摩擦係数推定値から前記ヨーレート変化を推定するよう構成したことを特徴とする車両のヨーイング挙動制御装置。
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- 2003-06-24 JP JP2003179348A patent/JP2005020830A/ja active Pending
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