JP2005019291A - 燃料電池搭載機器 - Google Patents
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Abstract
【目的】燃料電池へ給気するための給気手段の駆動電力の消費量を低減する。
【構成】デジタルカメラ10では、レンズカバー13の開閉に連動して空気ポンプ15が作動されて空気貯留庫39へ給気が行われる。そして、空気貯留庫39から燃料電池16、及び燃料貯留部12Aへ給気される。このため、空気ポンプ15を作動するために電力が消費されない。
【選択図】 図1
【構成】デジタルカメラ10では、レンズカバー13の開閉に連動して空気ポンプ15が作動されて空気貯留庫39へ給気が行われる。そして、空気貯留庫39から燃料電池16、及び燃料貯留部12Aへ給気される。このため、空気ポンプ15を作動するために電力が消費されない。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は燃料電池を搭載する機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から燃料電池を搭載する機器が考案されている(例えば、特許文献1、又は2参照)。特許文献2では、燃料電池へ酸素を供給するための送気手段が開示されている。
【0003】
しかし、送気手段を駆動させるために電力が消費されるので、その分だけ燃料電池の発電量が多くなり、燃料の消費量が多くなるという問題があった。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−213359号公報
【0005】
【特許文献2】
特開2003−36879号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実を考慮してなされたものであり、燃料電池へ空気を供給する給気手段を駆動させるために消費される電力量を低減することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の燃料電池搭載機器は、燃料電池を電源とし、使用時には開かれ、非使用時には閉じられる開閉式の燃料電池搭載機器であって、開閉操作に連動して駆動されて前記燃料電池へ空気を供給する給気手段を有することを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の燃料電池搭載機器では、例えば携帯電話の蓋やデジタルカメラのレンズカバー等が使用時に開かれ、非使用時に閉じられる開閉操作に連動して給気手段が駆動される。給気手段は駆動されて燃料電池へ空気を供給する。燃料電池は供給された空気中の酸素と燃料の化学反応によって発電を起す。
【0009】
このように、給気手段を蓋やレンズカバー等の開閉に連動して駆動させるようにしたので、給気手段を駆動させるために電力が消費されない。従って、燃料電池の発電量を低減でき、これに伴って燃料の消費量を低減できる。
【0010】
請求項2に記載の燃料電池搭載機器は、燃料電池を電源とし、使用時には開かれ、非使用時には閉じられる開閉式の燃料電池搭載機器であって、開閉操作に連動して駆動されて、前記燃料電池で消費される燃料を貯留する燃料貯留部へ空気を供給し、空気圧によって前記燃料貯留部内の燃料を加圧し前記燃料貯留部から押し出して前記燃料電池へ供給させる給気手段を有することを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の燃料電池搭載機器では、給気手段が、請求項1と同様に、蓋やレンズカバー等の開閉に連動して駆動される。給気手段は、駆動されて燃料貯留部へ空気を供給する。燃料貯留部には燃料電池で消費される燃料が貯留されており、燃料は空気圧によって加圧されて燃料貯留部から押し出され燃料電池へ供給される。
【0012】
このように、燃料貯留部に燃料を供給するための給気手段を、蓋やレンズカバー等の開閉に連動して駆動させるようにしたので、給気手段を駆動させるために電力が消費されない。従って、燃料電池の発電量を低減でき、燃料の消費を低減できる。
【0013】
請求項3に記載の燃料電池搭載機器は、燃料電池を電源とし、ズームレンズを備える燃料電池搭載機器であって、前記ズームレンズのズーム駆動に連動して駆動されて前記燃料電池へ空気を供給する給気手段を有することを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の燃料電池搭載機器では、給気手段がズームレンズのズーム駆動に連動して駆動され燃料電池へ空気を供給する。このため、給気手段を駆動させるためだけに電力が消費されない。
【0015】
請求項4に記載の燃料電池搭載機器は、燃料電池を電源とし、ズームレンズを備える燃料電池搭載機器であって、前記ズームレンズのズーム駆動に連動して駆動されて、前記燃料電池で消費される燃料を貯留する燃料貯留部へ空気を供給し、空気圧によって前記燃料貯留部内の燃料を加圧し前記燃料貯留部から押し出して前記燃料電池へ供給させる給気手段を有することを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の燃料電池搭載機器では、給気手段がズームレンズのズーム駆動に連動して駆動されて、燃料貯留部に空気を供給し、燃料貯留部内の燃料を空気圧によって加圧し燃料貯留部から押し出して燃料電池へ供給させる。このため、燃料貯留部へ空気を供給するためだけに電力が消費されない。
【0017】
請求項5に記載の燃料電池搭載機器は、燃料電池を電源とし、アンテナを備える燃料電池搭載機器であって、前記アンテナの伸長に連動して駆動されて前記燃料電池へ空気を供給する給気手段を有することを特徴とする。
【0018】
請求項5に記載の燃料電池搭載機器では、アンテナが伸長されるのに連動して給気手段が駆動されて燃料電池へ空気が供給される。このため、給気手段を駆動させるためだけに電力が消費されない。
【0019】
請求項6に記載の燃料電池搭載機器は、燃料電池を電源とし、アンテナを備える燃料電池搭載機器であって、前記アンテナの伸長に連動して駆動されて、前記燃料電池で消費される燃料を貯留する燃料貯留部へ空気を供給し、空気圧によって前記燃料貯留部内の燃料を加圧し前記燃料貯留部から押し出して前記燃料電池へ供給させる給気手段を有することを特徴とする。
【0020】
請求項6に記載の燃料電池搭載機器では、アンテナが伸長されるのに連動して給気手段が駆動されて燃料貯留部へ空気を供給し、空気圧によって燃料貯留部内の燃料を加圧し燃料貯留部から押し出して燃料電池へ供給させる。このため、燃料貯留部へ空気を供給するためだけに電力が消費されない。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
【0022】
図1、図2に示すように、燃料電池搭載機器としてのデジタルカメラ10には、メタノール水溶液(CH3OH+H2O)が充填された燃料タンク12が、デジタルカメラ10に設けられた収納部14へ上方から装填される。収納部14の底部には、メタノール水溶液と酸素(O2)の化学反応によって発電を起し、副生成物として水(H2O)、及び二酸化炭素(CO2)を生成するメタノール直接型燃料電池(以下、燃料電池)16が備えられている。
【0023】
燃料タンク12は、燃料を貯留する燃料貯留部12Aと、燃料電池12で生成される水を回収する水回収部12Bとの2槽構造となっている。燃料タンク12と燃料電池16は燃料供給口18を給液口20へ、水回収口22を排水口24へ勘合させることで、水密状態で接続される。図示は省略したが、燃料供給口18、水回収口22には、安全弁が設けられており、この安全弁は、燃料供給口18と給液口20、水回収口22と排水口24とが接続されると開かれる。
【0024】
また、デジタルカメラ10のカメラ筐体11には、撮影レンズ26を開閉するレンズカバー13がスライド可能に取付けられている。レンズカバー13は底付の矩形柱体で、底面13Aがカメラ筐体11の側面11Aに当接すると撮影レンズ26を覆うようになっている。カメラ筐体11の前面11Bの上端部、及び下端部にはレンズカバー13のスライド方向に延出するスライド溝11Cが形成されている。
【0025】
また、レンズカバー13の開閉操作に連動して駆動される2個の空気ポンプ15がカメラ筐体11の前面11Bの上端部、及び下端部に設けられている。空気ポンプ15は、ポンプ軸15Aとポンプ軸受15Bとで構成されており、2本のポンプ軸15Aは、レンズカバー13のレンズを覆うカバー面13Bに設けられ、スライド方向に延出し、スライド溝11Cに収納されている。そして、2個のポンプ軸受15Bは、カメラ筐体11の前面11Bの内側に設けられ、ポンプ軸15Aが摺動可能に嵌合されている。
【0026】
そして、上下のポンプ軸受15Bの底部には2本の第1給気管29Aの一端部がそれぞれ接続されている。また、この2本の第1給気管29Aの他端部が接続される空気貯留庫39が設けられている。
【0027】
図1に示すようにレンズカバー13が開かれた状態から図2に示すようにレンズカバー13が閉じた状態まで、レンズカバー13をスライドさせる時に、ポンプ軸15Aがポンプ軸受15Bに押し込まれる。この時、ポンプ軸15Aとポンプ軸受15Bとの僅かな隙間から空気がポンプ軸受15B内に吸引され、ポンプ軸15Aによってポンプ軸受15Bから押し出される。そして、ポンプ軸受15Bから押し出された空気は、第1給気管29Aを通って空気貯留庫39へ供給される。
【0028】
また、燃料タンク12のケーシング25の上面には、燃料貯留部12Aに面して給気口25Aが設けられている。また、蓋19の裏面には、閉められると給気口25Aに一端部が挿入される第2給気管29Bが設けられている。
【0029】
この第2給気管29Bの他端部は、空気貯留庫39に接続されており、空気貯留庫39に貯留された空気が燃料貯留部12Aに供給されると、空気圧によってピストン82(図4参照)が下降して燃料が加圧され、燃料貯留部12A内の燃料が燃料供給口18、給液口20を介して燃料電池16の燃料極130A(図5参照)へ供給される。また、水は、燃料電池16の空気極130B(図5参照)で生成され、排水口24、水回収口22を介して水回収部12Bへ回収される。
【0030】
また、デジタルカメラ10には、燃料電池16に面してヒータ23が設けられている。このヒータ23は、デジタルカメラ10を低温環境で使用する際に起動される。ここで、燃料電池16は、氷点下等の低温環境では通常、化学反応を起すことができないが、ヒータ23によって加熱されることで化学反応を起こし発電できる。
【0031】
図3には、本実施形態のデジタルカメラ10の回路構成を示すブロック図が示されている。
【0032】
デジタルカメラ10には、撮影レンズ26、シャッタ28及びCCD撮像素子30が備えられている。撮影レンズ26及びシャッタ28を経由してCCD撮像素子30上に結像された被写体像は、CCD撮像素子30によってアナログ画像信号に変換される。ここで、シャッタ28によって、CCD撮像素子30からアナログ画像信号が読み出される際のスミアの発生が抑制される。
【0033】
また、デジタルカメラ10には、閃光装置32が備えられている。この閃光装置32は、低照度時、又は低照度時以外の必要時に閃光を発光し、被写体に補助光を照射する。
【0034】
また、デジタルカメラ10には、アナログ信号処理部34、A/D変換部36、デジタル信号処理部38、テンポラリメモリ40、圧縮伸長部42、内蔵メモリ(又はメモリカード)44、画像モニタ46、及び駆動回路48が備えられている。
【0035】
CCD撮像素子30は、駆動回路48内のタイミング発生回路(図示省略)によって発生されたタイミングで駆動され、アナログ画像信号を出力する。また、駆動回路48には、撮影レンズ26のズーム駆動の駆動源であるズームモータ31、撮影レンズ26のフォーカス駆動の駆動源であるフォーカスモータ33、シャッタ28の駆動源であるシャッタモータ35、絞り29の駆動源である絞りモータ37等を駆動する駆動回路も含まれている。
【0036】
CCD撮像素子30から出力されたアナログ画像信号は、アナログ信号処理部34でアナログ信号処理され、A/D変換部36でA/D変換され、そして、デジタル信号処理部38でデジタル信号処理される。デジタル信号処理されたデジタル画像データは、テンポラリメモリ40に一時的に格納される。
【0037】
テンポラリメモリ40に格納されたデジタル画像データは、圧縮伸長部42で圧縮されて内蔵メモリ(又はメモリカード)44に記録される。尚、撮影モードによっては、圧縮の過程を省いて内蔵メモリ44に直接記録しても良い。そして、テンポラリメモリ40に格納されたデジタル画像データは画像モニタ46に読み出され、画像モニタ46に被写体像が映し出される。
【0038】
また、デジタルカメラ10には、デジタルカメラ10全体の制御を司るCPU50、ズーム操作スイッチ等を含む操作スイッチ群52、及びシャッタボタン54が備えられている。操作スイッチ群52を操作して所望の撮影状態に設定し、シャッタボタン54を押下することによって、写真撮影が行われる。
【0039】
また、デジタルカメラ10には、2次電池51、コンバータ53、及び燃料電池16が備えられており、デジタルカメラ10を構成する各部は、2次電池51にバッファされた電気エネルギーで作動される。この2次電池51にバッファされた電気エネルギーが不足していると、CPU50は、コンバータ53を作動させて燃料電池16を発電させる。そして、燃料電池16から電気エネルギーが供給されて2次電池51の充電が完了すると、コンバータ53の作動を停止させて燃料電池16の発電を停止させる。
【0040】
さらに、デジタルカメラ10には、駆動検出部55、パラメータ記憶部57、不揮発メモリ59が備えられている。駆動検出部55は、ズームモータ31、フォーカスモータ33等の駆動部が駆動されたこと、又は画像モニタ46の表示時間等を検出する。
【0041】
パラメータ記憶部57には、ズームモータ31、フォーカスモータ33、又はストロボ等の1度の駆動によって、又は画像モニタ46の所定時間の表示によって消費される電気エネルギーを発電させるだけの燃料の量のパラメータテーブルが記憶されている。
【0042】
不揮発メモリ59には、駆動検出部55によってズームモータ31等の駆動部が駆動されたことが検出されると、各駆動部の駆動回数、及び画像モニタ46の表示時間が記憶される。なお、デジタルカメラ10の電源がオフになっても、不揮発メモリ59から駆動記録が消えることはない。
【0043】
CPU50は、不揮発メモリ59から駆動記録を読み出し、パラメータ記録部57から各駆動部の駆動によって消費される燃料の量を読み出し、これらを乗じて燃料電池16で消費された累積消費量を演算する。
【0044】
そして、CPU50は、この累積消費量が所定量になると、空気貯留庫39から、燃料電池16内で消費された分の燃料をまとめて燃料貯留部12Aから燃料極130Aへ供給させる。また、空気貯留庫39から燃料電池16へ発電に必要な量の酸素を供給させる。
【0045】
図4に示すように、デジタルカメラ10の背面には、ファインダ56、ファインダLED58、撮影/再生モード選択スイッチ60、充電モード選択スイッチ61、撮影モード選択ダイヤル62、マルチファンクションの十字キー64、カメラの動作モードや十字キー64の機能等を文字やアイコンで表示するドットマトリクスの液晶表示機66、バックスイッチ68、メニュー/OKスイッチ70、画像モニタ46、及びスピーカ72等が設けられている。また、デジタルカメラ10の上面には、電源スイッチ74及びシャッターボタン54が設けられている。
【0046】
デジタルカメラ10は、撮影/再生モード選択スイッチ60によって撮影モード、又は再生モードが選択できるようになっており、撮影モード時には撮影モード選択ダイヤル62によってマニュアル撮影、オート撮影、動画、ボイスレコーダー等の各モードが選択できるようになっている。尚、ボイスレコーダは、音声のみを記録するモードである。
【0047】
また、デジタルカメラ10は、充電モード選択スイッチ61によって充電モードが選択できるようになっており、充電モード時には燃料電池16によって発電が行われ、2次電池51が充電される。尚、充電モード時以外にも燃料電池16の発電は行うが、この点については後述する。
【0048】
画像モニタ46は、電子ビューファインダとして使用できると共に、内蔵メモリ(又はメモリカード)44から読み出した再生画像等を表示することができる。また、画像モニタ46は、撮影可能コマ数や再生コマ番号の表示、ストロボ発光の有無、マクロモード表示、記録画質(クオリティー)表示、画素数表示等の情報も表示され、更に各種のメニュー等がメニュー/OKボタン70や十字キー64の操作に応じて表示される。
【0049】
次に、燃料タンク12の構造について説明する。
【0050】
図5に示すように、燃料タンク12のケーシング25は仕切り板25Bによって仕切られて燃料貯留部12Aと水回収部12Bとの2槽構造となっている。燃料貯留部12Aと水回収部12Bはキャップ27によって封止されている。キャップ27には、燃料貯留部12Aに面して燃料供給口18が設けられ、水回収部12Bに面して水回収口22が設けられている。
【0051】
水回収部12Bには水を回収する袋体86が収納され、口部を水回収口22に取り付けられている。燃料貯留部12Aには燃料を貯留する袋体88が収納され、口部を燃料供給口18に取り付けられている。袋体88はテフロン(登録商標)ゴム等の耐アルコール性材料で、伸縮自在とされている。但し、袋体88は伸縮自在でなくても、後述するピストン82によって押し潰すことができ、且つ押し潰された状態から復元できる柔軟な材料であれば良い。
【0052】
燃料貯留部12Aには、ピストン82、引張コイルバネ84が収納されている。ピストン82は、シリンダとなる燃料貯留部12A内を摺動可能とされ、引張コイルバネ84は、一端部をピストン82の上面に取付けられ、他端部を燃料貯留部12Aの上面に取付けられている。
【0053】
また、ケーシング25の仕切り板25Bと仕切り板25Bと向き合うケーシング25の内壁25Cには、摺動方向に延出するガイドリブ25D、25Eが形成されている。そして、ピストン82には、溝82Aが2個所に形成され、ガイドリブ25D、25Eに嵌合している。
【0054】
給気口25Aから燃料貯留部12Aへ空気が送り込まれると、ピストン82は、空気圧によって押し下げられ、引張コイルバネ84は伸長される。また、蓋19を開き、給気管29が給気口25Aから引き抜かれ、燃料貯留部12Aの内圧が低下すると、ピストン82は、引張コイルバネ84の収縮する力によって上方へ持ち上げられる。
【0055】
これによって、燃料タンク12の向き、及び燃料や副生成物の量に関わらず、袋体88内の燃料が加圧されて袋体88から押し出されて燃料電池16へ供給される。
【0056】
次に、燃料電池16に燃料、及び酸素を供給する機構について説明する。
【0057】
図5に示すように、空気貯留庫39には、第1給気管29A、第2給気管29B、及び第3給気管29Cが接続されている。上述したように、第1給気管29Aは空気ポンプ15に接続され、第2給気管29Bは燃料タンク12に接続されている。また、第3給気管29Cは燃料電池16の空気室128B(後述する)に接続されている。
【0058】
空気貯留庫39には、圧力計67が設けられ、空気貯留庫39の内圧が計測される。また、2本の第1給気管29Aにはそれぞれ三方弁63が設けられ、第2給気管29Bには第1弁65が設けられ、第3給気管29Cには第2弁69が設けられている。
【0059】
第1弁65が開かれると、空気貯留庫39内の空気が燃料貯留部12Aに供給され、空気圧によってピストン82が押し下げられる。これによって、燃料が加圧されて袋体88から押し出されて燃料室128Aに供給される。
【0060】
また、第2弁69が開かれると、空気が第3給気管29Cから空気室128Bに供給される。燃料電池16の発電時に、空気室128B内の空気中の酸素が空気極130Bで水素イオンと結合して水となる。
【0061】
また、2個の三方弁63からはそれぞれ排気管29Dがカメラ筐体11まで延出しており、空気貯留庫39の内圧が所定値以上になった時には、三方弁63によって空気貯留庫39と排気管29が連通され空気貯留庫39内の空気が排出される。
【0062】
ここで、空気貯留庫39内の空気が飽和状態になると空気貯留庫39へ空気を供給できなくなり、そして空気ポンプ15を作動できなくなることによって、レンズカバー13を閉じることができなくなる。しかし、空気貯留庫39の内圧が所定値以上になると空気貯留庫39からの排気が行われ、空気貯留庫39内の空気は過飽和状態にはならないので、レンズカバー13の開閉に支障をきたすことはない。
【0063】
以上、本実施形態のデジタルカメラ10では、燃料貯留部12A、及び空気室128Bへ空気を供給するための空気ポンプ15がレンズカバー13の開閉に連動して駆動されるので、空気ポンプ15を駆動させるために電力が消費されない。このため、燃料電池16の発電量を低減でき、これに伴って燃料の消費量を低減できる。
【0064】
次に燃料電池16について説明する。
【0065】
図6に示すように、燃料電池16のケーシング128は、電池セル130によって燃料室128Aと空気室128Bに室が分けられている。燃料室128Aと空気室128Bは、燃料タンク12が載置される台座132によって封止されている。
【0066】
台座132には、燃料室128Aに面して給液口20が設けられ、空気室128Bに面して排水口24が設けられ、袋体88から燃料室128Aへ燃料を供給でき、空気室128Bから袋体86へ水を回収できるようになっている。
【0067】
電池セル130は、燃料室128Aの壁面を構成する燃料極130A、空気室128Bの壁面を構成する空気極130B、及び燃料極130Aと空気極130Bに挟まれるプロトン導電膜130Cとで構成されている。
【0068】
燃料タンク12から燃料室128Aへメタノールが供給され、燃料極130Aに電圧が印加されると、メタノールが化学反応式(1)に示すように、二酸化炭素、水素イオン、及び電子に分解される。
【0069】
CH3OH+H2O→CO2+6H++e− …(1)
二酸化炭素は、燃料室128Aの壁面に設けられた気液分離フィルタ134によって燃料室128Aから放出され、水素イオンは、プロトン導電膜130Cを透過して空気極130Bへ移動する。そして、電子は、2次電池51(図2参照)へ向かい、2次電池51を充電させる。
【0070】
空気極130Bへ移動した水素イオンH+は、空気室128Bへ流入した酸素、及び電子と結合して水となる。この水は、排水口24、及び水回収口22を通過して袋体86に回収される。
【0071】
次に、燃料、及び酸素の供給方法について説明する。
【0072】
図7のフローチャートに示すように、デジタルカメラ10の電源が投入されると、本フローが開始され、ステップ201へ進む。ステップ201では、充電モード選択スイッチ61によって充電モードが選択されたか否かが判定され、肯定されると図8のフローチャートのステップ301へ進み、否定されるとステップ202へ進む。
【0073】
ステップ202では、デジタルカメラ10の各駆動部が駆動されたことが駆動検出部55によって検出されるまで否定判定が繰り返される。例えば、シャッタボタン54が操作され、閃光発光装置32からフラッシュが発光され、又は撮影/再生モード選択スイッチ60によって撮影モード又は再生モードが選択されて画像モニタ46が表示されると、駆動部検出部55によって検出されて不揮発メモリ59に記憶される。ここで、画像モニタ46の表示に関しては表示時間が記憶され、その他の駆動部に関しては駆動回数が記憶される。
【0074】
そして、ステップ203に進み、燃料の消費量が所定量を超えるまで否定判定が繰り返され、ステップ202へ戻り、繰り返して各駆動部の駆動検出が行われる。ここで、各駆動部が駆動されて2次電池51の電気エネルギーが消費されると燃料電池16の発電は行われ、燃料電池16内の燃料は消費される。この消費量は、例えば、閃光発光装置が駆動された時に多くなり、又は画像モニタ46を長時間表示していると多くなる。
【0075】
このようにデジタルカメラ10の使用状態によって異なる燃料の消費量のパラメータテーブルがパラメータ記憶部57に記憶されている。このパラメータテーブルとは、例えば、シャッタボタンが1回操作されると燃料が1ml消費され、閃光発光装置32が1回駆動されると燃料が5ml消費され、画像モニタ46が1分表示されると燃料が3ml消費されるというようなものである。
【0076】
CPU50は、不揮発メモリ59に累積して記憶されたシャッタボタン54の使用回数、閃光発光装置32の発光回数、又は画像モニタ46の表示時間等を不揮発メモリ57から読み出し、パラメータ記憶部57から各駆動に対応する燃料の消費量を読み出す。そして、CPU50は、これらを乗じてこれまで消費された累積消費量を演算し、燃料の累積消費量が所定量を超えるとステップ204へ進む。
【0077】
ステップ204では、CPU50が、ステップ203で演算された燃料の累積消費量データを駆動回路48へ送信する。駆動回路48はこの累積消費量データを受け取ると、第1弁65を開いて燃料貯留部12Aへ給気し、ピストン82を下降させる。この時、第1弁65の開放時間を調整して燃料電池16で消費された分だけの燃料を供給する。これによって、常時、燃料電池16内の燃料を所定量に維持することができるので、燃料電池16内の燃料切れを防止できる。
【0078】
そして、ステップ205に進み、デジタルカメラ10の電源がオフになるまで否定判定が繰り返されてステップ202へ戻り、ステップ202〜205が繰り返し行われる。
【0079】
また、充電モード時には、図8のフローチャートに示すように、ステップ301において、2次電池51の充電が完了しているか否かが判定される。ここで、2次電池51の充電量の検出は、2次電池51の駆動電圧の変動状態を検出する等の公知の検出方法で行われる。
【0080】
ステップ301で肯定されると、ステップ302に進み、液晶表示機66に充電が完了したことを知らせるアイコンを表示する。ステップ301で否定されると、ステップ303に進む。ステップ303では、CPU50によって、ステップ301で検出された2次電池51の充電量に基づいて、2次電池51の充電を完了するために必要な発電量、及び燃料の量が算出される。
【0081】
そして、ステップ304へ進み、CPU50は、ステップ303で算出された燃料の必要量データを駆動回路48へ送信する。駆動回路48はこのデータを受け取ると、第1弁65を開放してピストン82を下降させ、燃料電池16での発電量に必要な量の燃料を供給する。
【0082】
そして、ステップ305では、2次電池51の充電が完了するまで否定判定が繰り返され、肯定されるとステップ306へ進み、液晶表示機66に充電が完了したことを知らせるアイコンを表示する。そして、図7のステップ205へ進み、電源がオフになると、本フローが終了する。
【0083】
なお、本フローでは、デジタルカメラ10の各駆動部が駆動されて消費された燃料を累積して供給するようにした。このため、ズームモータ31を起動させる回数が少なくなり起動電力を節約できる。しかし、これに限らず、デジタルカメラ10の各駆動部が駆動される度に燃料を供給するようにしても良い。
【0084】
次に、燃料電池16に酸素を供給する方法について説明する。
【0085】
図9のフローチャートに示すように、デジタルカメラ10の電源が投入されると本フローが開始され、ステップ401へ進む。ステップ401では、2次電池51の充電を行う必要があるか否かが判定される。図7のステップ201において充電モードが選択され、又はステップ203において、燃料の累積消費量が所定量以上であれば肯定されステップ402へ進む。
【0086】
ステップ402では、第2弁69を開放する。ここで、第2弁69の開放時間を調整して、燃料電池16が所定の電力量を発電できるだけの酸素を空気貯留庫39から空気室128Bへ供給する。そして、肯定されるとステップ403へ進み、充電が完了するまで否定判定が繰り返され、肯定されると本フローを終了する。
【0087】
次に、第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、説明は省略する。
【0088】
図10、図11に示すように、デジタルカメラ90では、空気ポンプ15が、ズームレンズ41の駆動方向に沿って設けられ、ポンプ軸15Aの軸方向の一端部は、レンズ鏡筒43の側面に設けられた取付け板43Aに固定されている。このため、ズームレンズ41がズーム駆動されると、それに連動して空気ポンプ15駆動されて空気貯留庫39へ給気が行われる。従って、空気ポンプ15を駆動させるためだけに電力が消費されることがないので、燃料の消費量を低減できる。
【0089】
次に、第3実施形態について説明する。なお、第1、第2実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、説明は省略する。
【0090】
図12に示すように、カメラ101を備えるカメラ付携帯電話100は、キーボードを備える筐体103のキーボード面103Aに開閉式の蓋19が設けられており、燃料タンク105が収納部107へ装填される。収納部107の底部には燃料室109Aと空気室109Bの2槽構造である燃料電池109が設けられている。また、燃料タンク105は、燃料貯留部105Aと水回収部105Bの2槽構造となっている。
【0091】
また、カメラ付携帯電話100には、アンテナ45が設けられている。このアンテナ45は、アンテナ軸45Aとアンテナ軸受45Bとで構成され、アンテナ軸受45Bの底部には第1給気管29Aが接続されている。
【0092】
アンテナ軸45Aが伸長されるとアンテナ軸45Aとアンテナ軸受45Bとの僅かな隙間からアンテナ軸受45Bへ空気が吸引され、第1給気管29Aを通って空気貯留庫(図示省略)へ空気が供給される。
【0093】
次に、第4実施形態について説明する。なお、第1乃至第3実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、説明は省略する。
【0094】
図13、図14に示すように、カメラ101を備えるカメラ付携帯電話110のヒンジ部47には蓋112の開閉に連動して回転されるスプロケット49が設けられている。スプロケット49には、スプロケット49の歯49Aに係合する係合孔71Aが所定のピッチで形成されたベルト71が巻き掛けられている。
【0095】
また、2本の空気ポンプ15が、筐体103の側面に面して並列されている。この2本の空気ポンプ15のポンプ軸15Aの軸方向の一端部には、それぞれベルト71の両端部が取り付けられている。また、ベルト71は、ガイド73によって方向を転換されると共に、ベルト71の折れ曲がりを防止されている。
【0096】
このため、図14(A)に示すように、蓋112が閉じられる時に、上側のポンプ軸15Aはベルト71によって押され、下側のポンプ軸15Aはベルト71に引張られて、ポンプ軸15B内を摺動する。また、図14(B)に示すように、蓋112が開かれる時に、上側のポンプ軸15Aはベルト71に引張られ、下側のポンプ軸15Bはベルト71によって押されて、ポンプ軸15B内を摺動する。即ち、蓋112が開かれる時と閉じられる時の双方で、上側、又は下側の空気ポンプ15によって空気貯留部39に給気が行われる。
【0097】
また、第1給気管29Aには、三方弁63が設けられ、この三方弁63には排気管29Dが接続されており、空気貯留庫39内の空気が飽和状態になった場合には、空気貯留庫39内の空気が排出されるようになっている。このため、空気ポンプ15を作動できないがために蓋112を開閉できないということはない。
【0098】
次に、第5実施形態について説明する。なお、第1乃至第4実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、説明は省略する。
【0099】
図15に示すように、カメラ101を備えるカメラ付携帯電話120には、スライドカバー122、スピーカ124、及びマイク126が設けられている。スライドカバー122にはポンプ軸15Aが取り付けられており、スライドカバー122を閉じる際にポンプ軸15Aがポンプ軸受15Bへ押し込まれる。これによって、空気貯留庫39へ空気が供給される。
【0100】
なお、第1乃至第5実施形態では、デジタルカメラ、カメラ付携帯電話、及び携帯電話を例に取って本発明の燃料電池搭載機器を説明したが、これに限らず、アナログカメラや、ノートパソコン等、他の機器にも適用可能である。
【0101】
また、メタノール直接型燃料電池について説明したが、他の種類の燃料電池にも適用可能である。
【0102】
【発明の効果】
本発明は上記構成としたので、燃料電池へ空気を供給する給気手段を駆動させる電力量を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のデジタルカメラを示す斜視図である。
【図2】第1実施形態のデジタルカメラを示す斜視図である。
【図3】第1実施形態のデジタルカメラの回路構成を示すブロック図である
【図4】第1実施形態のデジタルカメラを示す斜視図である。
【図5】第1実施形態のデジタルカメラの燃料タンクを示す斜視図である。
【図6】第1実施形態のデジタルカメラの燃料電池、燃料タンク、コンプレッサーユニット、及び駆動力付与機構を示す断面図である。
【図7】第1実施形態のデジタルカメラの燃料供給方法を示すフローチャートである。
【図8】第1実施形態のデジタルカメラの燃料供給方法を示すフローチャートである。
【図9】第1実施形態のデジタルカメラの酸素の供給方法を示すフローチャートである。
【図10】第2実施形態のデジタルカメラを示す斜視図である。
【図11】第2実施形態のデジタルカメラを示す斜視図である。
【図12】第3実施形態のカメラ付携帯電話を示す斜視図である。
【図13】第4実施形態のカメラ付携帯電話を示す斜視図である。
【図14】第4実施形態のカメラ付携帯電話を示す平面図である。
【図15】第5実施形態のカメラ付携帯電話を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 デジタルカメラ(燃料電池搭載機器)
12A 燃料貯留部
15 空気ポンプ(給気手段)
16 燃料電池
41 ズームレンズ
45 アンテナ(給気手段)
90 デジタルカメラ(燃料電池搭載機器)
100 カメラ付携帯電話(燃料電池搭載機器)
105A 燃料貯留部
109 燃料電池
110 カメラ付携帯電話(燃料電池搭載機器)
120 カメラ付携帯電話(燃料電池搭載機器)
【発明の属する技術分野】
本発明は燃料電池を搭載する機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から燃料電池を搭載する機器が考案されている(例えば、特許文献1、又は2参照)。特許文献2では、燃料電池へ酸素を供給するための送気手段が開示されている。
【0003】
しかし、送気手段を駆動させるために電力が消費されるので、その分だけ燃料電池の発電量が多くなり、燃料の消費量が多くなるという問題があった。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−213359号公報
【0005】
【特許文献2】
特開2003−36879号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実を考慮してなされたものであり、燃料電池へ空気を供給する給気手段を駆動させるために消費される電力量を低減することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の燃料電池搭載機器は、燃料電池を電源とし、使用時には開かれ、非使用時には閉じられる開閉式の燃料電池搭載機器であって、開閉操作に連動して駆動されて前記燃料電池へ空気を供給する給気手段を有することを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の燃料電池搭載機器では、例えば携帯電話の蓋やデジタルカメラのレンズカバー等が使用時に開かれ、非使用時に閉じられる開閉操作に連動して給気手段が駆動される。給気手段は駆動されて燃料電池へ空気を供給する。燃料電池は供給された空気中の酸素と燃料の化学反応によって発電を起す。
【0009】
このように、給気手段を蓋やレンズカバー等の開閉に連動して駆動させるようにしたので、給気手段を駆動させるために電力が消費されない。従って、燃料電池の発電量を低減でき、これに伴って燃料の消費量を低減できる。
【0010】
請求項2に記載の燃料電池搭載機器は、燃料電池を電源とし、使用時には開かれ、非使用時には閉じられる開閉式の燃料電池搭載機器であって、開閉操作に連動して駆動されて、前記燃料電池で消費される燃料を貯留する燃料貯留部へ空気を供給し、空気圧によって前記燃料貯留部内の燃料を加圧し前記燃料貯留部から押し出して前記燃料電池へ供給させる給気手段を有することを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の燃料電池搭載機器では、給気手段が、請求項1と同様に、蓋やレンズカバー等の開閉に連動して駆動される。給気手段は、駆動されて燃料貯留部へ空気を供給する。燃料貯留部には燃料電池で消費される燃料が貯留されており、燃料は空気圧によって加圧されて燃料貯留部から押し出され燃料電池へ供給される。
【0012】
このように、燃料貯留部に燃料を供給するための給気手段を、蓋やレンズカバー等の開閉に連動して駆動させるようにしたので、給気手段を駆動させるために電力が消費されない。従って、燃料電池の発電量を低減でき、燃料の消費を低減できる。
【0013】
請求項3に記載の燃料電池搭載機器は、燃料電池を電源とし、ズームレンズを備える燃料電池搭載機器であって、前記ズームレンズのズーム駆動に連動して駆動されて前記燃料電池へ空気を供給する給気手段を有することを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の燃料電池搭載機器では、給気手段がズームレンズのズーム駆動に連動して駆動され燃料電池へ空気を供給する。このため、給気手段を駆動させるためだけに電力が消費されない。
【0015】
請求項4に記載の燃料電池搭載機器は、燃料電池を電源とし、ズームレンズを備える燃料電池搭載機器であって、前記ズームレンズのズーム駆動に連動して駆動されて、前記燃料電池で消費される燃料を貯留する燃料貯留部へ空気を供給し、空気圧によって前記燃料貯留部内の燃料を加圧し前記燃料貯留部から押し出して前記燃料電池へ供給させる給気手段を有することを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の燃料電池搭載機器では、給気手段がズームレンズのズーム駆動に連動して駆動されて、燃料貯留部に空気を供給し、燃料貯留部内の燃料を空気圧によって加圧し燃料貯留部から押し出して燃料電池へ供給させる。このため、燃料貯留部へ空気を供給するためだけに電力が消費されない。
【0017】
請求項5に記載の燃料電池搭載機器は、燃料電池を電源とし、アンテナを備える燃料電池搭載機器であって、前記アンテナの伸長に連動して駆動されて前記燃料電池へ空気を供給する給気手段を有することを特徴とする。
【0018】
請求項5に記載の燃料電池搭載機器では、アンテナが伸長されるのに連動して給気手段が駆動されて燃料電池へ空気が供給される。このため、給気手段を駆動させるためだけに電力が消費されない。
【0019】
請求項6に記載の燃料電池搭載機器は、燃料電池を電源とし、アンテナを備える燃料電池搭載機器であって、前記アンテナの伸長に連動して駆動されて、前記燃料電池で消費される燃料を貯留する燃料貯留部へ空気を供給し、空気圧によって前記燃料貯留部内の燃料を加圧し前記燃料貯留部から押し出して前記燃料電池へ供給させる給気手段を有することを特徴とする。
【0020】
請求項6に記載の燃料電池搭載機器では、アンテナが伸長されるのに連動して給気手段が駆動されて燃料貯留部へ空気を供給し、空気圧によって燃料貯留部内の燃料を加圧し燃料貯留部から押し出して燃料電池へ供給させる。このため、燃料貯留部へ空気を供給するためだけに電力が消費されない。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
【0022】
図1、図2に示すように、燃料電池搭載機器としてのデジタルカメラ10には、メタノール水溶液(CH3OH+H2O)が充填された燃料タンク12が、デジタルカメラ10に設けられた収納部14へ上方から装填される。収納部14の底部には、メタノール水溶液と酸素(O2)の化学反応によって発電を起し、副生成物として水(H2O)、及び二酸化炭素(CO2)を生成するメタノール直接型燃料電池(以下、燃料電池)16が備えられている。
【0023】
燃料タンク12は、燃料を貯留する燃料貯留部12Aと、燃料電池12で生成される水を回収する水回収部12Bとの2槽構造となっている。燃料タンク12と燃料電池16は燃料供給口18を給液口20へ、水回収口22を排水口24へ勘合させることで、水密状態で接続される。図示は省略したが、燃料供給口18、水回収口22には、安全弁が設けられており、この安全弁は、燃料供給口18と給液口20、水回収口22と排水口24とが接続されると開かれる。
【0024】
また、デジタルカメラ10のカメラ筐体11には、撮影レンズ26を開閉するレンズカバー13がスライド可能に取付けられている。レンズカバー13は底付の矩形柱体で、底面13Aがカメラ筐体11の側面11Aに当接すると撮影レンズ26を覆うようになっている。カメラ筐体11の前面11Bの上端部、及び下端部にはレンズカバー13のスライド方向に延出するスライド溝11Cが形成されている。
【0025】
また、レンズカバー13の開閉操作に連動して駆動される2個の空気ポンプ15がカメラ筐体11の前面11Bの上端部、及び下端部に設けられている。空気ポンプ15は、ポンプ軸15Aとポンプ軸受15Bとで構成されており、2本のポンプ軸15Aは、レンズカバー13のレンズを覆うカバー面13Bに設けられ、スライド方向に延出し、スライド溝11Cに収納されている。そして、2個のポンプ軸受15Bは、カメラ筐体11の前面11Bの内側に設けられ、ポンプ軸15Aが摺動可能に嵌合されている。
【0026】
そして、上下のポンプ軸受15Bの底部には2本の第1給気管29Aの一端部がそれぞれ接続されている。また、この2本の第1給気管29Aの他端部が接続される空気貯留庫39が設けられている。
【0027】
図1に示すようにレンズカバー13が開かれた状態から図2に示すようにレンズカバー13が閉じた状態まで、レンズカバー13をスライドさせる時に、ポンプ軸15Aがポンプ軸受15Bに押し込まれる。この時、ポンプ軸15Aとポンプ軸受15Bとの僅かな隙間から空気がポンプ軸受15B内に吸引され、ポンプ軸15Aによってポンプ軸受15Bから押し出される。そして、ポンプ軸受15Bから押し出された空気は、第1給気管29Aを通って空気貯留庫39へ供給される。
【0028】
また、燃料タンク12のケーシング25の上面には、燃料貯留部12Aに面して給気口25Aが設けられている。また、蓋19の裏面には、閉められると給気口25Aに一端部が挿入される第2給気管29Bが設けられている。
【0029】
この第2給気管29Bの他端部は、空気貯留庫39に接続されており、空気貯留庫39に貯留された空気が燃料貯留部12Aに供給されると、空気圧によってピストン82(図4参照)が下降して燃料が加圧され、燃料貯留部12A内の燃料が燃料供給口18、給液口20を介して燃料電池16の燃料極130A(図5参照)へ供給される。また、水は、燃料電池16の空気極130B(図5参照)で生成され、排水口24、水回収口22を介して水回収部12Bへ回収される。
【0030】
また、デジタルカメラ10には、燃料電池16に面してヒータ23が設けられている。このヒータ23は、デジタルカメラ10を低温環境で使用する際に起動される。ここで、燃料電池16は、氷点下等の低温環境では通常、化学反応を起すことができないが、ヒータ23によって加熱されることで化学反応を起こし発電できる。
【0031】
図3には、本実施形態のデジタルカメラ10の回路構成を示すブロック図が示されている。
【0032】
デジタルカメラ10には、撮影レンズ26、シャッタ28及びCCD撮像素子30が備えられている。撮影レンズ26及びシャッタ28を経由してCCD撮像素子30上に結像された被写体像は、CCD撮像素子30によってアナログ画像信号に変換される。ここで、シャッタ28によって、CCD撮像素子30からアナログ画像信号が読み出される際のスミアの発生が抑制される。
【0033】
また、デジタルカメラ10には、閃光装置32が備えられている。この閃光装置32は、低照度時、又は低照度時以外の必要時に閃光を発光し、被写体に補助光を照射する。
【0034】
また、デジタルカメラ10には、アナログ信号処理部34、A/D変換部36、デジタル信号処理部38、テンポラリメモリ40、圧縮伸長部42、内蔵メモリ(又はメモリカード)44、画像モニタ46、及び駆動回路48が備えられている。
【0035】
CCD撮像素子30は、駆動回路48内のタイミング発生回路(図示省略)によって発生されたタイミングで駆動され、アナログ画像信号を出力する。また、駆動回路48には、撮影レンズ26のズーム駆動の駆動源であるズームモータ31、撮影レンズ26のフォーカス駆動の駆動源であるフォーカスモータ33、シャッタ28の駆動源であるシャッタモータ35、絞り29の駆動源である絞りモータ37等を駆動する駆動回路も含まれている。
【0036】
CCD撮像素子30から出力されたアナログ画像信号は、アナログ信号処理部34でアナログ信号処理され、A/D変換部36でA/D変換され、そして、デジタル信号処理部38でデジタル信号処理される。デジタル信号処理されたデジタル画像データは、テンポラリメモリ40に一時的に格納される。
【0037】
テンポラリメモリ40に格納されたデジタル画像データは、圧縮伸長部42で圧縮されて内蔵メモリ(又はメモリカード)44に記録される。尚、撮影モードによっては、圧縮の過程を省いて内蔵メモリ44に直接記録しても良い。そして、テンポラリメモリ40に格納されたデジタル画像データは画像モニタ46に読み出され、画像モニタ46に被写体像が映し出される。
【0038】
また、デジタルカメラ10には、デジタルカメラ10全体の制御を司るCPU50、ズーム操作スイッチ等を含む操作スイッチ群52、及びシャッタボタン54が備えられている。操作スイッチ群52を操作して所望の撮影状態に設定し、シャッタボタン54を押下することによって、写真撮影が行われる。
【0039】
また、デジタルカメラ10には、2次電池51、コンバータ53、及び燃料電池16が備えられており、デジタルカメラ10を構成する各部は、2次電池51にバッファされた電気エネルギーで作動される。この2次電池51にバッファされた電気エネルギーが不足していると、CPU50は、コンバータ53を作動させて燃料電池16を発電させる。そして、燃料電池16から電気エネルギーが供給されて2次電池51の充電が完了すると、コンバータ53の作動を停止させて燃料電池16の発電を停止させる。
【0040】
さらに、デジタルカメラ10には、駆動検出部55、パラメータ記憶部57、不揮発メモリ59が備えられている。駆動検出部55は、ズームモータ31、フォーカスモータ33等の駆動部が駆動されたこと、又は画像モニタ46の表示時間等を検出する。
【0041】
パラメータ記憶部57には、ズームモータ31、フォーカスモータ33、又はストロボ等の1度の駆動によって、又は画像モニタ46の所定時間の表示によって消費される電気エネルギーを発電させるだけの燃料の量のパラメータテーブルが記憶されている。
【0042】
不揮発メモリ59には、駆動検出部55によってズームモータ31等の駆動部が駆動されたことが検出されると、各駆動部の駆動回数、及び画像モニタ46の表示時間が記憶される。なお、デジタルカメラ10の電源がオフになっても、不揮発メモリ59から駆動記録が消えることはない。
【0043】
CPU50は、不揮発メモリ59から駆動記録を読み出し、パラメータ記録部57から各駆動部の駆動によって消費される燃料の量を読み出し、これらを乗じて燃料電池16で消費された累積消費量を演算する。
【0044】
そして、CPU50は、この累積消費量が所定量になると、空気貯留庫39から、燃料電池16内で消費された分の燃料をまとめて燃料貯留部12Aから燃料極130Aへ供給させる。また、空気貯留庫39から燃料電池16へ発電に必要な量の酸素を供給させる。
【0045】
図4に示すように、デジタルカメラ10の背面には、ファインダ56、ファインダLED58、撮影/再生モード選択スイッチ60、充電モード選択スイッチ61、撮影モード選択ダイヤル62、マルチファンクションの十字キー64、カメラの動作モードや十字キー64の機能等を文字やアイコンで表示するドットマトリクスの液晶表示機66、バックスイッチ68、メニュー/OKスイッチ70、画像モニタ46、及びスピーカ72等が設けられている。また、デジタルカメラ10の上面には、電源スイッチ74及びシャッターボタン54が設けられている。
【0046】
デジタルカメラ10は、撮影/再生モード選択スイッチ60によって撮影モード、又は再生モードが選択できるようになっており、撮影モード時には撮影モード選択ダイヤル62によってマニュアル撮影、オート撮影、動画、ボイスレコーダー等の各モードが選択できるようになっている。尚、ボイスレコーダは、音声のみを記録するモードである。
【0047】
また、デジタルカメラ10は、充電モード選択スイッチ61によって充電モードが選択できるようになっており、充電モード時には燃料電池16によって発電が行われ、2次電池51が充電される。尚、充電モード時以外にも燃料電池16の発電は行うが、この点については後述する。
【0048】
画像モニタ46は、電子ビューファインダとして使用できると共に、内蔵メモリ(又はメモリカード)44から読み出した再生画像等を表示することができる。また、画像モニタ46は、撮影可能コマ数や再生コマ番号の表示、ストロボ発光の有無、マクロモード表示、記録画質(クオリティー)表示、画素数表示等の情報も表示され、更に各種のメニュー等がメニュー/OKボタン70や十字キー64の操作に応じて表示される。
【0049】
次に、燃料タンク12の構造について説明する。
【0050】
図5に示すように、燃料タンク12のケーシング25は仕切り板25Bによって仕切られて燃料貯留部12Aと水回収部12Bとの2槽構造となっている。燃料貯留部12Aと水回収部12Bはキャップ27によって封止されている。キャップ27には、燃料貯留部12Aに面して燃料供給口18が設けられ、水回収部12Bに面して水回収口22が設けられている。
【0051】
水回収部12Bには水を回収する袋体86が収納され、口部を水回収口22に取り付けられている。燃料貯留部12Aには燃料を貯留する袋体88が収納され、口部を燃料供給口18に取り付けられている。袋体88はテフロン(登録商標)ゴム等の耐アルコール性材料で、伸縮自在とされている。但し、袋体88は伸縮自在でなくても、後述するピストン82によって押し潰すことができ、且つ押し潰された状態から復元できる柔軟な材料であれば良い。
【0052】
燃料貯留部12Aには、ピストン82、引張コイルバネ84が収納されている。ピストン82は、シリンダとなる燃料貯留部12A内を摺動可能とされ、引張コイルバネ84は、一端部をピストン82の上面に取付けられ、他端部を燃料貯留部12Aの上面に取付けられている。
【0053】
また、ケーシング25の仕切り板25Bと仕切り板25Bと向き合うケーシング25の内壁25Cには、摺動方向に延出するガイドリブ25D、25Eが形成されている。そして、ピストン82には、溝82Aが2個所に形成され、ガイドリブ25D、25Eに嵌合している。
【0054】
給気口25Aから燃料貯留部12Aへ空気が送り込まれると、ピストン82は、空気圧によって押し下げられ、引張コイルバネ84は伸長される。また、蓋19を開き、給気管29が給気口25Aから引き抜かれ、燃料貯留部12Aの内圧が低下すると、ピストン82は、引張コイルバネ84の収縮する力によって上方へ持ち上げられる。
【0055】
これによって、燃料タンク12の向き、及び燃料や副生成物の量に関わらず、袋体88内の燃料が加圧されて袋体88から押し出されて燃料電池16へ供給される。
【0056】
次に、燃料電池16に燃料、及び酸素を供給する機構について説明する。
【0057】
図5に示すように、空気貯留庫39には、第1給気管29A、第2給気管29B、及び第3給気管29Cが接続されている。上述したように、第1給気管29Aは空気ポンプ15に接続され、第2給気管29Bは燃料タンク12に接続されている。また、第3給気管29Cは燃料電池16の空気室128B(後述する)に接続されている。
【0058】
空気貯留庫39には、圧力計67が設けられ、空気貯留庫39の内圧が計測される。また、2本の第1給気管29Aにはそれぞれ三方弁63が設けられ、第2給気管29Bには第1弁65が設けられ、第3給気管29Cには第2弁69が設けられている。
【0059】
第1弁65が開かれると、空気貯留庫39内の空気が燃料貯留部12Aに供給され、空気圧によってピストン82が押し下げられる。これによって、燃料が加圧されて袋体88から押し出されて燃料室128Aに供給される。
【0060】
また、第2弁69が開かれると、空気が第3給気管29Cから空気室128Bに供給される。燃料電池16の発電時に、空気室128B内の空気中の酸素が空気極130Bで水素イオンと結合して水となる。
【0061】
また、2個の三方弁63からはそれぞれ排気管29Dがカメラ筐体11まで延出しており、空気貯留庫39の内圧が所定値以上になった時には、三方弁63によって空気貯留庫39と排気管29が連通され空気貯留庫39内の空気が排出される。
【0062】
ここで、空気貯留庫39内の空気が飽和状態になると空気貯留庫39へ空気を供給できなくなり、そして空気ポンプ15を作動できなくなることによって、レンズカバー13を閉じることができなくなる。しかし、空気貯留庫39の内圧が所定値以上になると空気貯留庫39からの排気が行われ、空気貯留庫39内の空気は過飽和状態にはならないので、レンズカバー13の開閉に支障をきたすことはない。
【0063】
以上、本実施形態のデジタルカメラ10では、燃料貯留部12A、及び空気室128Bへ空気を供給するための空気ポンプ15がレンズカバー13の開閉に連動して駆動されるので、空気ポンプ15を駆動させるために電力が消費されない。このため、燃料電池16の発電量を低減でき、これに伴って燃料の消費量を低減できる。
【0064】
次に燃料電池16について説明する。
【0065】
図6に示すように、燃料電池16のケーシング128は、電池セル130によって燃料室128Aと空気室128Bに室が分けられている。燃料室128Aと空気室128Bは、燃料タンク12が載置される台座132によって封止されている。
【0066】
台座132には、燃料室128Aに面して給液口20が設けられ、空気室128Bに面して排水口24が設けられ、袋体88から燃料室128Aへ燃料を供給でき、空気室128Bから袋体86へ水を回収できるようになっている。
【0067】
電池セル130は、燃料室128Aの壁面を構成する燃料極130A、空気室128Bの壁面を構成する空気極130B、及び燃料極130Aと空気極130Bに挟まれるプロトン導電膜130Cとで構成されている。
【0068】
燃料タンク12から燃料室128Aへメタノールが供給され、燃料極130Aに電圧が印加されると、メタノールが化学反応式(1)に示すように、二酸化炭素、水素イオン、及び電子に分解される。
【0069】
CH3OH+H2O→CO2+6H++e− …(1)
二酸化炭素は、燃料室128Aの壁面に設けられた気液分離フィルタ134によって燃料室128Aから放出され、水素イオンは、プロトン導電膜130Cを透過して空気極130Bへ移動する。そして、電子は、2次電池51(図2参照)へ向かい、2次電池51を充電させる。
【0070】
空気極130Bへ移動した水素イオンH+は、空気室128Bへ流入した酸素、及び電子と結合して水となる。この水は、排水口24、及び水回収口22を通過して袋体86に回収される。
【0071】
次に、燃料、及び酸素の供給方法について説明する。
【0072】
図7のフローチャートに示すように、デジタルカメラ10の電源が投入されると、本フローが開始され、ステップ201へ進む。ステップ201では、充電モード選択スイッチ61によって充電モードが選択されたか否かが判定され、肯定されると図8のフローチャートのステップ301へ進み、否定されるとステップ202へ進む。
【0073】
ステップ202では、デジタルカメラ10の各駆動部が駆動されたことが駆動検出部55によって検出されるまで否定判定が繰り返される。例えば、シャッタボタン54が操作され、閃光発光装置32からフラッシュが発光され、又は撮影/再生モード選択スイッチ60によって撮影モード又は再生モードが選択されて画像モニタ46が表示されると、駆動部検出部55によって検出されて不揮発メモリ59に記憶される。ここで、画像モニタ46の表示に関しては表示時間が記憶され、その他の駆動部に関しては駆動回数が記憶される。
【0074】
そして、ステップ203に進み、燃料の消費量が所定量を超えるまで否定判定が繰り返され、ステップ202へ戻り、繰り返して各駆動部の駆動検出が行われる。ここで、各駆動部が駆動されて2次電池51の電気エネルギーが消費されると燃料電池16の発電は行われ、燃料電池16内の燃料は消費される。この消費量は、例えば、閃光発光装置が駆動された時に多くなり、又は画像モニタ46を長時間表示していると多くなる。
【0075】
このようにデジタルカメラ10の使用状態によって異なる燃料の消費量のパラメータテーブルがパラメータ記憶部57に記憶されている。このパラメータテーブルとは、例えば、シャッタボタンが1回操作されると燃料が1ml消費され、閃光発光装置32が1回駆動されると燃料が5ml消費され、画像モニタ46が1分表示されると燃料が3ml消費されるというようなものである。
【0076】
CPU50は、不揮発メモリ59に累積して記憶されたシャッタボタン54の使用回数、閃光発光装置32の発光回数、又は画像モニタ46の表示時間等を不揮発メモリ57から読み出し、パラメータ記憶部57から各駆動に対応する燃料の消費量を読み出す。そして、CPU50は、これらを乗じてこれまで消費された累積消費量を演算し、燃料の累積消費量が所定量を超えるとステップ204へ進む。
【0077】
ステップ204では、CPU50が、ステップ203で演算された燃料の累積消費量データを駆動回路48へ送信する。駆動回路48はこの累積消費量データを受け取ると、第1弁65を開いて燃料貯留部12Aへ給気し、ピストン82を下降させる。この時、第1弁65の開放時間を調整して燃料電池16で消費された分だけの燃料を供給する。これによって、常時、燃料電池16内の燃料を所定量に維持することができるので、燃料電池16内の燃料切れを防止できる。
【0078】
そして、ステップ205に進み、デジタルカメラ10の電源がオフになるまで否定判定が繰り返されてステップ202へ戻り、ステップ202〜205が繰り返し行われる。
【0079】
また、充電モード時には、図8のフローチャートに示すように、ステップ301において、2次電池51の充電が完了しているか否かが判定される。ここで、2次電池51の充電量の検出は、2次電池51の駆動電圧の変動状態を検出する等の公知の検出方法で行われる。
【0080】
ステップ301で肯定されると、ステップ302に進み、液晶表示機66に充電が完了したことを知らせるアイコンを表示する。ステップ301で否定されると、ステップ303に進む。ステップ303では、CPU50によって、ステップ301で検出された2次電池51の充電量に基づいて、2次電池51の充電を完了するために必要な発電量、及び燃料の量が算出される。
【0081】
そして、ステップ304へ進み、CPU50は、ステップ303で算出された燃料の必要量データを駆動回路48へ送信する。駆動回路48はこのデータを受け取ると、第1弁65を開放してピストン82を下降させ、燃料電池16での発電量に必要な量の燃料を供給する。
【0082】
そして、ステップ305では、2次電池51の充電が完了するまで否定判定が繰り返され、肯定されるとステップ306へ進み、液晶表示機66に充電が完了したことを知らせるアイコンを表示する。そして、図7のステップ205へ進み、電源がオフになると、本フローが終了する。
【0083】
なお、本フローでは、デジタルカメラ10の各駆動部が駆動されて消費された燃料を累積して供給するようにした。このため、ズームモータ31を起動させる回数が少なくなり起動電力を節約できる。しかし、これに限らず、デジタルカメラ10の各駆動部が駆動される度に燃料を供給するようにしても良い。
【0084】
次に、燃料電池16に酸素を供給する方法について説明する。
【0085】
図9のフローチャートに示すように、デジタルカメラ10の電源が投入されると本フローが開始され、ステップ401へ進む。ステップ401では、2次電池51の充電を行う必要があるか否かが判定される。図7のステップ201において充電モードが選択され、又はステップ203において、燃料の累積消費量が所定量以上であれば肯定されステップ402へ進む。
【0086】
ステップ402では、第2弁69を開放する。ここで、第2弁69の開放時間を調整して、燃料電池16が所定の電力量を発電できるだけの酸素を空気貯留庫39から空気室128Bへ供給する。そして、肯定されるとステップ403へ進み、充電が完了するまで否定判定が繰り返され、肯定されると本フローを終了する。
【0087】
次に、第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、説明は省略する。
【0088】
図10、図11に示すように、デジタルカメラ90では、空気ポンプ15が、ズームレンズ41の駆動方向に沿って設けられ、ポンプ軸15Aの軸方向の一端部は、レンズ鏡筒43の側面に設けられた取付け板43Aに固定されている。このため、ズームレンズ41がズーム駆動されると、それに連動して空気ポンプ15駆動されて空気貯留庫39へ給気が行われる。従って、空気ポンプ15を駆動させるためだけに電力が消費されることがないので、燃料の消費量を低減できる。
【0089】
次に、第3実施形態について説明する。なお、第1、第2実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、説明は省略する。
【0090】
図12に示すように、カメラ101を備えるカメラ付携帯電話100は、キーボードを備える筐体103のキーボード面103Aに開閉式の蓋19が設けられており、燃料タンク105が収納部107へ装填される。収納部107の底部には燃料室109Aと空気室109Bの2槽構造である燃料電池109が設けられている。また、燃料タンク105は、燃料貯留部105Aと水回収部105Bの2槽構造となっている。
【0091】
また、カメラ付携帯電話100には、アンテナ45が設けられている。このアンテナ45は、アンテナ軸45Aとアンテナ軸受45Bとで構成され、アンテナ軸受45Bの底部には第1給気管29Aが接続されている。
【0092】
アンテナ軸45Aが伸長されるとアンテナ軸45Aとアンテナ軸受45Bとの僅かな隙間からアンテナ軸受45Bへ空気が吸引され、第1給気管29Aを通って空気貯留庫(図示省略)へ空気が供給される。
【0093】
次に、第4実施形態について説明する。なお、第1乃至第3実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、説明は省略する。
【0094】
図13、図14に示すように、カメラ101を備えるカメラ付携帯電話110のヒンジ部47には蓋112の開閉に連動して回転されるスプロケット49が設けられている。スプロケット49には、スプロケット49の歯49Aに係合する係合孔71Aが所定のピッチで形成されたベルト71が巻き掛けられている。
【0095】
また、2本の空気ポンプ15が、筐体103の側面に面して並列されている。この2本の空気ポンプ15のポンプ軸15Aの軸方向の一端部には、それぞれベルト71の両端部が取り付けられている。また、ベルト71は、ガイド73によって方向を転換されると共に、ベルト71の折れ曲がりを防止されている。
【0096】
このため、図14(A)に示すように、蓋112が閉じられる時に、上側のポンプ軸15Aはベルト71によって押され、下側のポンプ軸15Aはベルト71に引張られて、ポンプ軸15B内を摺動する。また、図14(B)に示すように、蓋112が開かれる時に、上側のポンプ軸15Aはベルト71に引張られ、下側のポンプ軸15Bはベルト71によって押されて、ポンプ軸15B内を摺動する。即ち、蓋112が開かれる時と閉じられる時の双方で、上側、又は下側の空気ポンプ15によって空気貯留部39に給気が行われる。
【0097】
また、第1給気管29Aには、三方弁63が設けられ、この三方弁63には排気管29Dが接続されており、空気貯留庫39内の空気が飽和状態になった場合には、空気貯留庫39内の空気が排出されるようになっている。このため、空気ポンプ15を作動できないがために蓋112を開閉できないということはない。
【0098】
次に、第5実施形態について説明する。なお、第1乃至第4実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、説明は省略する。
【0099】
図15に示すように、カメラ101を備えるカメラ付携帯電話120には、スライドカバー122、スピーカ124、及びマイク126が設けられている。スライドカバー122にはポンプ軸15Aが取り付けられており、スライドカバー122を閉じる際にポンプ軸15Aがポンプ軸受15Bへ押し込まれる。これによって、空気貯留庫39へ空気が供給される。
【0100】
なお、第1乃至第5実施形態では、デジタルカメラ、カメラ付携帯電話、及び携帯電話を例に取って本発明の燃料電池搭載機器を説明したが、これに限らず、アナログカメラや、ノートパソコン等、他の機器にも適用可能である。
【0101】
また、メタノール直接型燃料電池について説明したが、他の種類の燃料電池にも適用可能である。
【0102】
【発明の効果】
本発明は上記構成としたので、燃料電池へ空気を供給する給気手段を駆動させる電力量を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のデジタルカメラを示す斜視図である。
【図2】第1実施形態のデジタルカメラを示す斜視図である。
【図3】第1実施形態のデジタルカメラの回路構成を示すブロック図である
【図4】第1実施形態のデジタルカメラを示す斜視図である。
【図5】第1実施形態のデジタルカメラの燃料タンクを示す斜視図である。
【図6】第1実施形態のデジタルカメラの燃料電池、燃料タンク、コンプレッサーユニット、及び駆動力付与機構を示す断面図である。
【図7】第1実施形態のデジタルカメラの燃料供給方法を示すフローチャートである。
【図8】第1実施形態のデジタルカメラの燃料供給方法を示すフローチャートである。
【図9】第1実施形態のデジタルカメラの酸素の供給方法を示すフローチャートである。
【図10】第2実施形態のデジタルカメラを示す斜視図である。
【図11】第2実施形態のデジタルカメラを示す斜視図である。
【図12】第3実施形態のカメラ付携帯電話を示す斜視図である。
【図13】第4実施形態のカメラ付携帯電話を示す斜視図である。
【図14】第4実施形態のカメラ付携帯電話を示す平面図である。
【図15】第5実施形態のカメラ付携帯電話を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 デジタルカメラ(燃料電池搭載機器)
12A 燃料貯留部
15 空気ポンプ(給気手段)
16 燃料電池
41 ズームレンズ
45 アンテナ(給気手段)
90 デジタルカメラ(燃料電池搭載機器)
100 カメラ付携帯電話(燃料電池搭載機器)
105A 燃料貯留部
109 燃料電池
110 カメラ付携帯電話(燃料電池搭載機器)
120 カメラ付携帯電話(燃料電池搭載機器)
Claims (6)
- 燃料電池を電源とし、使用時には開かれ、非使用時には閉じられる開閉式の燃料電池搭載機器であって、
開閉操作に連動して駆動されて前記燃料電池へ空気を供給する給気手段を有することを特徴とする燃料電池搭載機器。 - 燃料電池を電源とし、使用時には開かれ、非使用時には閉じられる開閉式の燃料電池搭載機器であって、
開閉操作に連動して駆動されて、前記燃料電池で消費される燃料を貯留する燃料貯留部へ空気を供給し、空気圧によって前記燃料貯留部内の燃料を加圧し前記燃料貯留部から押し出して前記燃料電池へ供給させる給気手段を有することを特徴とする燃料電池搭載機器。 - 燃料電池を電源とし、ズームレンズを備える燃料電池搭載機器であって、
前記ズームレンズのズーム駆動に連動して駆動されて前記燃料電池へ空気を供給する給気手段を有することを特徴とする燃料電池搭載機器。 - 燃料電池を電源とし、ズームレンズを備える燃料電池搭載機器であって、
前記ズームレンズのズーム駆動に連動して駆動されて、前記燃料電池で消費される燃料を貯留する燃料貯留部へ空気を供給し、空気圧によって前記燃料貯留部内の燃料を加圧し前記燃料貯留部から押し出して前記燃料電池へ供給させる給気手段を有することを特徴とする燃料電池搭載機器。 - 燃料電池を電源とし、アンテナを備える燃料電池搭載機器であって、
前記アンテナの伸長に連動して駆動されて前記燃料電池へ空気を供給する給気手段を有することを特徴とする燃料電池搭載機器。 - 燃料電池を電源とし、アンテナを備える燃料電池搭載機器であって、
前記アンテナの伸長に連動して駆動されて、前記燃料電池で消費される燃料を貯留する燃料貯留部へ空気を供給し、空気圧によって前記燃料貯留部内の燃料を加圧し前記燃料貯留部から押し出して前記燃料電池へ供給させる給気手段を有することを特徴とする燃料電池搭載機器。
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-
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