JP2005017458A - 冷却装置、および、冷却装置を備えたプロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】静粛性を向上した冷却装置、および、この冷却装置を備えたプロジェクタを提供する。
【解決手段】電子機器の構成部品の冷却に供される冷却装置71は、回転駆動源の回転軸に軸支される羽根部材を有するファン本体と、このファン本体を収納する筐体711Aとを有するファン711を備える。このファン711は、電子機器に設置され、ファン711の筐体711Aは、回転軸の回転音の漏出を遮断する遮音部材37、714により覆われている。この構成によれば、ファン711で発生する回転音等の騒音が、冷却装置71外部に漏れることを防止することができる。
【選択図】 図15
【解決手段】電子機器の構成部品の冷却に供される冷却装置71は、回転駆動源の回転軸に軸支される羽根部材を有するファン本体と、このファン本体を収納する筐体711Aとを有するファン711を備える。このファン711は、電子機器に設置され、ファン711の筐体711Aは、回転軸の回転音の漏出を遮断する遮音部材37、714により覆われている。この構成によれば、ファン711で発生する回転音等の騒音が、冷却装置71外部に漏れることを防止することができる。
【選択図】 図15
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転駆動源の回転軸に軸支される羽根部材を有するファン本体、およびこのファン本体を収納する筐体を有するファンを備え、電子機器を構成する外装筐体内部に配置され、該電子機器内部を冷却する冷却装置、および、冷却装置を備えたプロジェクタに関する。
【0002】
【背景技術】
従来、会議、学会、展示会等でのプレゼンテーションや、家庭におけるホームシアター用途においては、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、スクリーン上に形成した光学像を拡大投写するプロジェクタが用いられている。このようなプロジェクタには、熱を発生するとともに、熱に弱い部品が数多く用いられており、これらの部品を適切に冷却することが、プロジェクタの機能維持にとって重要である。このため、プロジェクタの筐体内には、構成部品の冷却を担う冷却系が設けられている。
【0003】
プロジェクタの冷却系は、ファンを備えた冷却装置によって構成され、この冷却装置により、プロジェクタ外部から空気を導入し、導入した外部空気をプロジェクタ内部で流通させて構成部品を冷却する。
ここで、ファンとしては、軸流ファンやシロッコファンなど様々なものが用いられるが、近年、静粛性の向上という観点から、シロッコファンを用いて、ダクトを介して外部に排出する構成が提案されている(例えば、特許文献1)。このようなシロッコファンは、静粛性が高く、低速回転でも空気の吐出圧を大きく確保できるので、シロッコファンを用いた冷却系では、ダクト等で空気を引き回しても充分な排気効率が得られ、静粛性に優れるという利点がある。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−341445号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなシロッコファンを用いても、ファンの回転音を完全になくすことはできず、また、ファンの回転に伴う振動が振動音として漏出することがあるため、より静粛性の高い冷却系の構造が求められている。特に、プロジェクタにおいては、ホームシアター用途等の家庭で使用する場合に、このような要求は高い。
また、このような要求は、前記のプロジェクタに限られず、例えば、パーソナルコンピュータ等の電子機器においても、同様に求められる。
【0006】
本発明の目的は、静粛性を向上した冷却装置、および、この冷却装置を備えたプロジェクタを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の冷却装置は、回転駆動源の回転軸に軸支される羽根部材を有するファン本体、およびこのファン本体を収納する筐体を有するファンを備え、電子機器を構成する外装筐体内部に配置され、該電子機器内部を冷却する冷却装置であって、前記ファンを囲むように設けられ、前記ファンの回転音の外部への漏出を防止する遮音部材を備えていることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、冷却装置が遮音部材を備えていることにより、冷却装置のファンの回転音が外部に漏れることを防ぐことができる。従って、電子機器の静粛性を向上させることができる。
【0009】
本発明では、当該冷却装置は、前記外装筐体内面に設置され、この外装筐体内面と前記ファンの間に介在配置され、前記ファンの振動を吸収する防振部材を備えていることが好ましい。
本発明によれば、防振部材が外装筐体とファンとの間に介在配置されることにより、ファンの回転駆動源によって発生する振動が電子機器の外装筐体に伝達し、外装筐体の振動により振動音が発生することを防止することができる。従って、電子機器の静粛性を一層向上することができる。
【0010】
本発明では、前記遮音部材は、前記羽根部材の回転軌跡を囲むように配置される側壁部と、前記ファンの吸気面とは反対側の面を覆う上壁部とを備え、この上壁部および前記ファンの間に介在配置される吸音部材を備えていることが好ましい。
本発明によれば、上壁部とファンとの間に吸音部材が介在配置されることにより、ファンの回転音を吸音部材により吸収することができる。従って、ファンの回転音を吸収して小さくし、冷却装置からファンの回転音を漏れにくくすることができ、冷却装置の静粛性を一層向上することができる。
【0011】
また、本発明のプロジェクタは、光源と、この光源から射出された光束を、画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置と、形成された光学像を拡大投写する投写光学系と、これらを内部に収納する外装筐体とを備えたプロジェクタであって、前述の冷却装置を備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、前述の冷却装置と略同様の効果を奏することができる。すなわち、冷却装置は、内部に収納されたファンにおける回転軸の回転音が漏出するのを防止する遮音部材によって覆われているので、ファンから発生する音の漏出を防ぐことができる。従って、プロジェクタ稼動時の静粛性を向上することができる。
また、冷却装置に防振部材が設けられている場合、防振部材により、ファンの振動がプロジェクタの外装筐体をはじめとする構成部品へ伝導されることを防ぐことができるので、構成部品同士が接触することによる騒音の発生を防止できる。
さらに、ファンの筐体に吸音部材が設けられている場合は、ファンの回転音が吸音部材によって吸収されるので、冷却装置からファンの回転音が漏出するのを抑えることができる。
加えて、冷却装置のファンがシロッコファンである場合、ファン自体の回転音が低く、送風する空気の吐出圧が高いので、外装筐体外部から空気を取り込む吸気口付近に冷却装置を設置した場合でも、ファンから発生する騒音が外部に漏れることを防ぐことができ、また、冷却対象へ確実に冷却空気を送風することができる。従って、プロジェクタの静粛性を向上することができ、プロジェクタ内部の構成部品に冷却空気を確実に送風して、冷却対象を冷却することができる。
【0013】
本発明では、前記遮音部材は、前記羽根部材の回転軌跡を囲むように配置される側壁部と、前記ファンの吸気面とは反対側の面を覆う上壁部とを備え、前記側壁部は、前記外装筐体内面から立設された壁として構成されることが好ましい。
本発明によれば、冷却装置のファンを囲む遮音部材の側壁部を、外装筐体の内面から立設される壁として構成することにより、冷却装置の構造を簡素化することができる。また、側壁部は、外装筐体内面から立設されるので、遮音部材と外装筐体との境界に隙間が生じることがなくなるので、ファンから発生する音を一層漏れにくくすることができる。
【0014】
本発明では、前記遮音部材の上壁部は、前記ファンを覆い、該ファンを前記外装筐体内部に取り付けるカバーとして構成されることが好ましい。
ここで、カバーの材質としては、アルミニウム等の金属を上げることができる。
本発明によれば、遮音部材の上壁部としての金属製カバーによりファンが覆われるので、ファンにより発生する騒音を漏れにくくすることができるとともに、カバーにより、ファンを外装筐体に安定して設置することができる。また、ファンに防振部材や吸音部材が取り付けられている場合、カバーによって押し付けて、これらの部材を外装筐体およびファンに密着させることができるので、防振部材による振動伝達抑制効果、および、吸音部材による吸音効果を一層向上することができる。また、金属製のカバーとした場合、防振部材や吸音部材の密着による反発があっても、この反発力に抗するカバーの強度を確保することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
(1)外観構成
図1は、本実施形態に係るプロジェクタ1を上方前面側から見た斜視図である。図2は、プロジェクタ1を下方前面側から見た斜視図である。図3は、プロジェクタ1を上方背面側から見た斜視図である。
プロジェクタ1は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調し、スクリーン等の投写面上に拡大投写する。このプロジェクタ1は、図1ないし図3に示すように、略直方体状の外装ケース2、およびこの外装ケース2から露出する投写レンズ3を備えている。
投写レンズ3は、プロジェクタ1の本体部分により画像情報に応じて変調された光学像を拡大投写する。この投写レンズ3は、筒状の鏡筒内に複数のレンズが収納された組レンズとして構成され、複数のレンズの相対位置を変更するレバー3A(図1、図3)を備え、投写像のフォーカス調整、および倍率調整可能に構成されている。
【0016】
外装ケース2は、合成樹脂製の筐体であり、プロジェクタ1の本体部分を収納する。この外装ケース2は、図1ないし図3に示すように、プロジェクタ1の上部分を覆うアッパーケース11と、プロジェクタ1の下部分を覆うロアーケース12と、プロジェクタ1の背面部分を覆うリアケース13(図3)とを備えている。これらアッパーケース11、ロアーケース12およびリアケース13は、ねじ等により固定され、適宜着脱可能に構成されている。
アッパーケース11は、図1ないし図3に示すように、プロジェクタ1の上面、前面、および側面をそれぞれ構成する上面部11A(図1、図3)、前面部11B(図1、図2)、および側面部11C(図1)、11D(図2、図3)を含んで構成される。
【0017】
このうち、上面部11Aおよび前面部11Bは、図1または図3に示すように、プロジェクタ1の上面から前面にかけて、凸曲面を有するように連続して形成されている。また、前面部11Bの左右方向両端部、上面部11Aの左右方向両端部、および上面部11Aの後方側端部には、面取加工が施され、この加工部分111が上面部11Aおよび前面部11Bを囲うように連続して形成されている。
【0018】
この上面部11Aにおいて、後方側略中央部分には、図1または図3に示すように、プロジェクタ1の起動・調整操作を実施する操作パネル14が左右方向に延びるように設けられている。この操作パネル14は、押釦スイッチで構成され、複数の操作ボタン141を適宜押下することにより、操作パネル14内部に配置される図示しない回路基板に実装されたタクトスイッチと接触し、所望の操作が可能となる。また、この操作パネル14は、操作ボタン141を囲うように化粧板142が設けられている。この化粧板142は、導光板としての機能を有し、プロジェクタ1の駆動時には、各操作ボタン141に応じた位置に、操作名称が発光するように構成されている。
なお、前述した操作パネル14の回路基板は、後述する制御基板と電気的に接続され、操作ボタン141の押下に伴う操作信号は、制御基板に出力される。
また、この上面部11Aにおいて、前方側略中央部分には、複数の孔15(図1、図3)が形成され、この内側に配置される図示しないスピーカから該孔15を介して音声が出力される。
さらに、この上面部11Aにおいて、前方から見て右側部分には、図1に示すように、前述した投写レンズ3のレバー3Aを露出させ、該レバー3Aの操作を可能にする切り欠き16が形成されている。
【0019】
また、この前面部11Bにおいて、前方から見て左側部分には、図1または図2に示すように、排気口17が形成され、内部に配置される冷却ファンから排気される空気が該排気口17を介して排出される。また、この排気口17には、左右方向に延び、それぞれ平行に配列する複数の羽根板17A1を有するルーバ17Aが取り付けられている。このルーバ17Aは、排出される空気を整流するとともにプロジェクタ1内外間の遮光機能も備えている。
さらに、この前面部11Bにおいて、前方から見て右側部分には、図1に示すように、前述した切り欠き16と連続し、略円形状の切り欠き18が形成されている。そして、この切り欠き18は、投写レンズ3の先端部分を露出させている。
さらにまた、この前面部11Bにおいて、前方から見て上方側略中央部分には、図1に示すように、リモコン受光窓19が形成されている。そして、このリモコン受光窓19の内側には、後述するリモートコントローラからの操作信号を受信する図示しないリモコン受光モジュールが配置されている。
なお、図示しないリモコン受光モジュールは、後述する制御基板と電気的に接続され、該リモコン受光モジュールにて受信した操作信号は、制御基板に出力される。また、図示は省略するが、これらリモコン受光窓およびリモコン受光モジュールは、プロジェクタ1の背面側にも設けられている。そして、プロジェクタ1の前方および後方の双方からリモートコントローラを用いてプロジェクタ1の遠隔操作を実施できるように構成されている。
【0020】
側面部11C,11Dは、図1ないし図3に示すように、前述した上面部11Aおよび前面部11Bの形状に対応して、前方に向かうにしたがって下方に曲折し、後方に向かうにしたがって背面側に曲折する形状を有している。
これら側面部11C,11Dにおいて、後方側端部には、投写レンズ3の投写方向と逆方向に突出し、上下方向に延びる突起20が形成されている。
【0021】
ロアーケース12は、図1ないし図3に示すように、プロジェクタ1の底面、側面、および背面の一部をそれぞれ構成する底面部12A(図2)、側面部12B(図1)、12C(図2、図3)、および背面部12D(図3)を含んで構成される。
このうち、底面部12Aは、図2に示すように、略平板状の底面部分から斜め上方に向けて突出する突出部12A1が形成されている。この突出部12A1は、アッパーケース11とロアーケース12とが接続された状態で、アッパーケース11の加工部分111(図1〜図3)と連続するように形成されている。そして、この底面部12Aは、プロジェクタ1の底面を構成するとともに、アッパーケース11の前面部11Bと接続してプロジェクタ1の前面を構成する。
【0022】
この底面部12Aにおいて、下方から見て左側略中央部分には、矩形状の開口21が形成されている。この開口21には、該開口21を覆うランプカバー22が着脱自在に設けられている。
また、この底面部12Aにおいて、下方から見て右側で後方側の隅部は、内側に凹む段付き形状を有している。そして、この隅部には、外部から冷却空気を吸入するための吸気口23が形成されている。この吸気口23には、該吸気口23を覆う吸気口カバー23Aが着脱自在に設けられている。この吸気口カバー23Aには、複数の開口23Bが形成されている。そして、これら開口23B内側には、図示しないエアフィルタが設けられており、内部への塵埃の侵入を防止している。
【0023】
さらに、この底面部12Aにおいて、下方から見て後方側略中央部分には、プロジェクタ1の脚部を構成する固定脚部24が設けられている。また、底面部12Aにおける前方側の左右角隅部分には、同じくプロジェクタ1の脚部を構成する調整脚部25が設けられている。
このうち、調整脚部25は、底面部12Aから面外方向に進退自在に突出する軸状部材から構成され、プロジェクタ1の投写時における該プロジェクタ1の前後方向および左右方向の傾斜位置を調整可能としている。
また、この底面部12Aにおいて、固定脚部24の左右両側には、プロジェクタ1内外に空気を流通可能とする空気流通孔26、27が形成されている。この空気流通孔26、27を介して流通する空気により、該空気流通孔26、27に対応して配置されるプロジェクタ1内部の構成部材に発生する熱を放熱させている。
【0024】
さらにまた、この底面部12Aにおいて、前方側略中央部分には、投写方向に延びる2つの膨出部28が形成されている。この膨出部28は、中空状に形成され、その内側には、突出部12A1に形成された2つの孔12A2(図2)を介して、プロジェクタ1を運搬する際に利用されるハンドル29(図1、図2)が設置されている。そして、ハンドル29は、平面視コ字状のハンドル本体291を含んで構成され、このハンドル本体291は、底面部12Aの裏面側に固定される図示しない本体設置部材により投写方向に進退可能に固定されている。また、このハンドル本体291のコ字状先端部分は、該ハンドル本体291が投写方向に突出した際に、図示しない本体設置部材により底面部12Aの面外方向に所定角度、回動可能に軸支される。すなわち、ハンドル本体291を把持してプロジェクタ1を吊り下げ状態とした場合には、プロジェクタ1の重心位置がハンドル本体291のコ字状端縁にて形成される平面内に位置する。
【0025】
側面部12B、12Cは、図1ないし図3に示すように、前方側が上方から下方に向けて曲折する形状を有し、投写方向略中央部分が上方に向かうにしたがって外側に拡がる凹曲面状に形成され、後方端部が背面側に曲折するように形成されている。そして、これら側面部12B、12Cは、アッパーケース11の側面部11C、11Dと接続してプロジェクタ1の側面を構成する。
これら側面部12B、12Cにおいて、前方側には、図2または図3に示すように、底面部12Aに設けられた調整脚部25に対応して調整ボタン30が設けられている。そして、この調整ボタン30を押下することにより、調整脚部25が進退駆動し、プロジェクタ1の前後方向および左右方向の傾斜位置が調整される。なお、図2または図3では、側面部12Cに設けられた調整ボタン30のみが示されているが、側面部12Bも同様に調整ボタン30が設けられている。
【0026】
また、これら側面部12B、12Cにおいて、後方側端部には、図2または図3に示すように、投写レンズ3の投写方向と逆方向に突出し、上下方向に延びる突起31が形成されている。そして、この突起31は、前述したアッパーケース11の側面部11C、11Dに形成された突起20と接続し、これら突起20、31は、プロジェクタ1を縦置きする際の脚部として機能する。
背面部12Dは、後方側に凸となる凸曲面を有するように形成されている。
この背面部12Dにおいて、後方から見て右側には、図3に示すように、矩形状の開口32が形成され、この開口32を介してインレットコネクタ33が露出する。また、この背面部12Dの内側には、図示は省略するが、リアケース13の下端を支持する支持部、およびリアケース13を上方から嵌め込むための溝部が形成されている。
【0027】
図4は、リアケース13を上方から見た平面図である。
リアケース13は、図3に示すように、ロアーケース12の背面部12Dの内側に形成された図示しない溝部に嵌め込み式で固定され、アッパーケース11とロアーケース12とが接続された状態で背面に形成される開口部分を塞ぐ。このリアケース13は、図3または図4に示すように、略矩形状の板体131と、この板体131の下端縁から該板体131に略直交して突出する突出部132と、同様に板体131の上端縁から突出する突出部133(図4)と、板体131の左右方向略中央部分から略直交して突出し、リアケース13を2つの領域に区画する隔壁134とを備える。
このうち、突出部132、133の先端は、図4に示すように、後方側に凸となるように形成されている。そして、アッパーケース11、ロアーケース12、およびリアケース13を組み立てた状態では、突出部132の先端は、ロアーケース12の背面部12Dの上端と接続し、突出部133の先端は、アッパーケース11の上面部11Aの後方側端部と接続する。すなわち、リアケース13の板体131は、プロジェクタ1の背面から内側に離隔配置されている。
以上、説明したアッパーケース11、ロアーケース12、およびリアケース13の形状により、これらが組み立てられた外装ケース2は、上面、前面、側面、底面、および背面の角部分が適宜、省略され、略流線形状を有するように構成されている。
【0028】
このリアケース13において、隔壁134により区画された領域のうち、後方から見て左側に位置する領域の板体131には、図3に示すように、複数の孔131Aが形成され、この複数の孔131Aを介して、外部の電子機器からの画像信号、音声信号等を入力するための複数の接続端子34が外部に露出している。この領域に位置する板体131の内側には、接続端子34から入力される信号を処理する図示しないインターフェース基板が配置されている。
なお、このインターフェース基板は、後述する制御基板と電気的に接続され、インターフェース基板にて処理された信号は、制御基板に出力される。
【0029】
図5は、リアケース13におけるリモートコントローラ35の設置位置を示す図である。
リアケース13において、隔壁134により区画された領域のうち、後方から見て右側に位置する領域には、図3ないし図5に示すように、リモートコントローラ35(図5)を収納するリモコン収納部36が設けられている。
リモートコントローラ35は、プロジェクタ1における電源のオンオフや、画像の再生および停止、音量の調節等を実施する図示しない複数の操作ボタンを有する。そして、このリモートコントローラ35は、前述のリモコン受光窓19を介して内部のリモコン受光モジュールに、離間位置から操作信号を送信して、プロジェクタ1の遠隔操作を実施する。
リモコン収納部36は、図5に示すように、リアケース13における区画された右側の領域に嵌合し、一方の端面に開口部361を有する箱状部材であり、透明または半透明な材料から構成され、内部が視認可能となっている。そして、このリモコン収納部36は、図4に示すように、開口部361と対向する側の端部が、突出部132、133の後方から見て右側隅部分にて軸支され、プロジェクタ1の上面部11Aまたは底面部12Aと略直交する軸を中心として回動可能に構成されている。
【0030】
(2)内部構成
図6および図7は、プロジェクタ1の内部構造を示す図である。具体的には、図6は、プロジェクタ1のアッパーケース11を外した図であり、図7は、図6の状態から制御基板等をさらに外した図である。
外装ケース2の内部には、図6または図7に示すように、プロジェクタ1の本体部分が収納されており、この本体部分は、投写方向略中央部分で左右方向に延び、一方の端部が前方に延びる平面視略L字状の光学ユニット4(図7)と、この光学ユニット4の上方で投写レンズ3側に配置される制御基板5(図6)と、背面部分および一方の側面部分に沿って平面視略L字状に配置される電源ユニット6と、吸気口23および排気口17に応じた位置、および電源ユニット6の角隅部分に配置される3つの冷却ファンを含む冷却ユニット7(図7)とを備える。
【0031】
(2−1)光学ユニット4の構造
図8は、光学ユニット4の光学系を模式的に示す図である。
光学ユニット4は、光源装置から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、投写レンズ3を介してスクリーン上に投写画像を形成するものである。この光学ユニット4は、図7または図8に示すように、インテグレータ照明光学系41と、色分離光学系42と、リレー光学系43と、光変調装置および色合成光学装置を一体化した光学装置44と、これら光学部品41、42、43、44を収納配置するライトガイド45(図7)とに機能的に大別される。
インテグレータ照明光学系41は、光源から射出された光束を照明光軸直交面内における照度を均一にするための光学系である。このインテグレータ照明光学系41は、図8に示すように、光源装置411、第1レンズアレイ412、第2レンズアレイ413、偏光変換素子414、および重畳レンズ415を備えて構成される。
【0032】
光源装置411は、放射光源としての光源ランプ416、リフレクタ417、およびリフレクタ417の光束射出面を覆う防爆ガラス418を備える。そして、光源ランプ416から射出された放射状の光束は、リフレクタ417で反射されて略平行光束とされ、外部へと射出される。本実施形態では、光源ランプ416として、高圧水銀ランプを採用し、リフレクタ417として、放物面鏡を採用している。なお、光源ランプ416としては、高圧水銀ランプに限らず、例えばメタルハライドランプやハロゲンランプ等を採用してもよい。また、リフレクタ417として放物面鏡を採用しているが、これに限らず、楕円面鏡からなるリフレクタの射出面に平行化凹レンズを配置した構成を採用してもよい。
【0033】
第1レンズアレイ412は、照明光軸方向から見てほぼ矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を具備している。各小レンズは、光源ランプ416から射出された光束を部分光束に分割し、照明光軸方向に射出する。
第2レンズアレイ413は、第1レンズアレイ412と略同様の構成であり、小レンズがマトリクス状に配列された構成を具備する。この第2レンズアレイ413は、重畳レンズ415とともに、第1レンズアレイ412の各小レンズの像を光学装置44の後述する液晶パネル441R、441G、441B上に結像させる機能を有する。
【0034】
偏光変換素子414は、第2レンズアレイ413からの光を略1種類の偏光光に変換するものであり、これにより、光学装置44での光の利用効率が高められている。
具体的に、偏光変換素子414によって略1種類の偏光光に変換された各部分光束は、重畳レンズ415によって最終的に光学装置44の後述する液晶パネル441R、441G、441B上にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネル441R、441G、441Bを用いたプロジェクタでは、1種類の偏光光しか利用できないため、ランダムな偏光光を発する光源ランプ416からの光束の略半分が利用されない。このため、偏光変換素子414を用いることにより、光源ランプ416から射出された光束を略1種類の偏光光に変換し、光学装置44における光の利用効率を高めている。なお、このような偏光変換素子414は、例えば、特開平8−304739号公報に紹介されている。
【0035】
色分離光学系42は、2枚のダイクロイックミラー421、422と、反射ミラー423とを備える。インテグレータ照明光学系41から射出された複数の部分光束は、2枚のダイクロイックミラー421により赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光に分離される。
リレー光学系43は、入射側レンズ431と、リレーレンズ433と、UVカットフィルタ434と、反射ミラー432,435とを備えている。このリレー光学系43は、色分離光学系42で分離された色光である青色光を光学装置44の後述する液晶パネル441Bまで導く機能を有している。
【0036】
この際、色分離光学系42のダイクロイックミラー421では、インテグレータ照明光学系41から射出された光束のうち、緑色光成分と青色光成分とは透過し、赤色光成分は反射する。ダイクロイックミラー421によって反射した赤色光は、反射ミラー423で反射し、フィールドレンズ424を通って、赤色用の液晶パネル441Rに到達する。このフィールドレンズ424は、第2レンズアレイ413から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の液晶パネル441G、441Bの光入射側に設けられたフィールドレンズ424も同様である。
【0037】
また、ダイクロイックミラー421を透過した青色光と緑色光のうちで、緑色光は、ダイクロイックミラー422によって反射し、フィールドレンズ424を通って、緑色光用の液晶パネル441Gに到達する。一方、青色光は、ダイクロイックミラー422を透過してリレー光学系43を通り、さらにフィールドレンズ424を通って、青色光用の液晶パネル441Bに到達する。
なお、青色光にリレー光学系43が用いられているのは、青色光の光路の長さが他の色光の光路長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ424に伝えるためである。なお、リレー光学系43には、3つの色光のうちの青色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、赤色光を通す構成としてもよい。
【0038】
光学装置44は、入射された光束を画像情報に応じて変調してカラー画像を形成する。この光学装置44は、色分離光学系42で分離された各色光が入射される3つの入射側偏光板442と、各入射側偏光板442の後段に配置される3つの視野角補正板443と、各視野角補正板443の後段に配置される光変調装置としての液晶パネル441R,441G,441Bおよび射出側偏光板444と、色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム445とを備える。
【0039】
液晶パネル441R、441G、441Bは、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として用いたものであり、対向配置される一対の透明基板内に液晶が密封封入されている。そして、この液晶パネル441R、441G、441Bは、入射側偏光板442および視野角補正板443を介して入射する光束を画像情報に応じて変調して射出する。なお、この液晶パネル441R、441G、441Bは、図示しない保持枠により収納保持されている。
【0040】
入射側偏光板442は、色分離光学系42で分離された各色光のうち、一定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、サファイアガラス等の基板に偏光膜が貼付されたものである。
また、射出側偏光板444も、入射側偏光板442と略同様に構成され、液晶パネル441R、441G、441Bから射出された光束のうち、所定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、透過させる偏光光の偏光軸は、入射側偏光板442における透過させる偏光光の偏光軸に対して直交するように設定されている。
【0041】
視野角補正板443は、基板上に液晶パネル441R、441G、441Bで形成された光学像の視野角を補正する機能を有する光学変換膜が形成されたものである。この視野角補正板443は、液晶パネル441R、441G、441Bで生じる複屈折を補償する。そして、この視野角補正板443により、投写画像の視野角が拡大され、かつ投写画像のコントラストが向上する。
クロスダイクロイックプリズム445は、射出側偏光板444から射出され、各色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成するものである。このクロスダイクロイックプリズム445には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に設けられ、これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成される。
以上説明した液晶パネル441R、441G、441B、射出側偏光板444およびクロスダイクロイックプリズム445は、一体的にユニット化されている。
【0042】
図9は、ライトガイド45の構造を示す図である。
ライトガイド45は、図7または図9に示すように、射出成形等による合成樹脂製品であり、上述した光学部品41、42、43、44が収納される下ライトガイド451と、この下ライトガイド451の上面の開口部分を塞ぐ上ライトガイド452とを備える。
下ライトガイド451は、光源装置411が収納される光源収納部451Aと、光源装置411を除く他の光学部品が収納される容器状に形成された部品収納部451Bと、この部品収納部451Bの外側面に形成され、投写レンズ3が設置される投写レンズ設置部451Cとを備える。
【0043】
光源収納部451Aは、下方端面の開口部451A1(図9)および部品収納部451B側の図示しない開口部を有する略箱状に形成されている。そして、この光源収納部451Aには、ロアーケース12の底面部12Aに設けられたランプカバー22(図2)を介して光源装置411が収納される。また、この光源収納部451Aの前方側端面には、スリット状の図示しない開口部が形成されている。同様に、光源収納部451Aの後方側端面には、スリット状の開口部451A2(図7)が形成されている。そして、これら開口部を介して空気が光源収納部451A内外に流通可能となっている。
部品収納部451B内には、具体的な図示は省略するが、光学部品412〜415、421〜424、431〜435を上方からスライド式に嵌め込むための複数の溝部が形成されている。また、部品収納部451B内において、図7に示すように、投写レンズ設置部451Cの内側部分に光学装置44が設置される。さらに、部品収納部451Bにおいて、光学装置44の後段側の側面には、図9に示すように、光源装置411から射出される光束を透過させる開口部451B1が形成されている。さらにまた、この部品収納部451Bにおいて、底面部分には、図9に示すように、光学装置44の3つの液晶パネル441R、441G、441Bに応じた位置に開口部451B2が形成され、光学装置44の偏光変換素子414に応じた位置に開口部451B3が形成されている。
【0044】
投写レンズ設置部451Cは、部品収納部451Bの開口部451B1の周縁に位置し、ライトガイド45内に設定される照明光軸に対する所定位置に投写レンズ3を設置する。そして、光源装置411から射出され、光学装置44にて形成された光学像が、開口部451B1を介して投写レンズ3により拡大投写される。
上ライトガイド452は、図7に示すように、下ライトガイド451の部品収納部451Bにおける光学装置44の上方を除く上端開口部分を閉塞する。この上ライトガイド452には、表裏を貫通して複数の開口部(例えば、開口部452A)が形成され、この開口部を介して下ライトガイド451内に収納された光学部品の姿勢調整が実施される。
【0045】
(2−2)制御基板5の構造
制御基板5は、図6に示すように、ライトガイド45の上ライトガイド452の上方に配置される。この制御基板5は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置が実装された回路基板として構成され、プロジェクタ1全体を制御する。この制御基板5は、前述のインターフェース基板から出力される信号に基づいて液晶パネル441R、441G、441Bを駆動制御する。そして、液晶パネル441R、441G、441Bは、光変調を実施して光学像が形成される。また、この制御基板5は、前述の操作パネル14の回路基板、および前述の図示しないリモコン受光モジュールから出力される操作信号を入力し、この操作信号に基づいてプロジェクタ1の構成部材に適宜、制御指令を出力する。
また、この制御基板5の上方には、図6に示すように、アルミニウムから構成される板状の第1シールド板51が取り付けられている。そして、この第1シールド板51は、制御基板5に実装される回路素子から放射される電磁波を遮蔽するとともに、外部からの電磁波も遮蔽し、雑音障害を回避している。なお、第1シールド板51としては、アルミニウムに限らず、その他の金属で構成してもよく、また、合成樹脂等で構成し、その表面にめっき処理、または、金属蒸着処理、金属箔の貼り付け等を施したものを採用してもよい。
【0046】
(2−3)電源ユニット6の構造
図10は、電源ユニット6の構造を示す図である。具体的に、図10は、電源ユニット6を下方側から見た図である。
電源ユニット6は、光源装置411および制御基板5等に電力を供給する。この電源ユニット6は、図6または図7に示すように、外装ケース2の背面に沿って配置される電源ブロック61と、外装ケース2の一方の側面に沿って配置される光源駆動ブロック62とを備え、ライトガイド45の光源収納部451Aを囲うように平面視L字状に形成されている。
電源ブロック61は、インレットコネクタ33に接続された電源ケーブルを通して外部から供給された電力を光源駆動ブロック62および制御基板5等に供給する。この電源ブロック61は、図10に示すように、入力される交流を低電圧の直流に変換するトランスや該トランスからの出力を所定の電圧に変換する変換回路等が片面に実装された回路基板611と、この回路基板611を覆うシールド部材としての筒状部材612とを備える。このうち、筒状部材612は、アルミニウムから構成され、両端が開口された略箱状に形成されている。また、この筒状部材612において、光源収納部451Aと対向しない端面には、複数の孔612Aが形成され、光源収納部451Aの後方側端面に形成されたスリット状の開口部451A2(図7)と対向する部分は、孔等のない連続した面が形成されている。
そして、この電源ブロック61は、回路基板611に実装される回路素子の発熱により、プロジェクタ1外部の温度に比して+20℃程度に熱せられる。
【0047】
光源駆動ブロック62は、光源装置411に安定した電圧で電力を供給する。この光源駆動ブロック62は、図10に示すように、電源ブロック61から供給される電力を所定の電力に変圧するトランスや、電力蓄積用のコンデンサ、抵抗等が実装された回路基板621と、この回路基板621を覆うシールド部材としての筒状部材622とを備える。このうち、筒状部材622は、電源ブロック61の筒状部材612と同様に、アルミニウムから構成され、両端が開口された略箱状に形成されている。また、この筒状部材622において、光源収納部451Aと対向しない端面には、筒状部材612と同様に、複数の孔622Aが形成され、光源収納部451Aと対向する部分は、孔等のない連続した面が形成されている。
そして、この光源駆動ブロック62は、回路基板621に実装される回路素子の発熱により、プロジェクタ1外部の温度に比して+40℃程度に熱せられる。すなわち、この光源駆動ブロック62は、電源ブロック61に比して高い発熱量を有している。
【0048】
また、これら電源ブロック61および光源駆動ブロック62の上端部分には、図6に示すように、アルミニウムから構成される板状のシールド部材としての第2シールド板63が取り付けられている。そして、この第2シールド板63は、ライトガイド45の光源収納部451Aの上方を覆い、冷却ユニット7の後述する排気ユニット74側に延びるように設置されている。
なお、筒状部材612、筒状部材622、および第2シールド板63としては、アルミニウムに限らず、その他の金属で構成してもよく、また、合成樹脂等で構成し、その表面にめっき処理、または、金属蒸着処理、金属箔の貼り付け等を施したものを採用してもよい。
【0049】
(2−4)冷却ユニット7の構造
図11、図12は、冷却ユニット7の構造を説明する図である。具体的に、図11は、プロジェクタ1の本体部分を下方から見た図であり、図12は、本体部分を上方から見た図である。
冷却ユニット7は、プロジェクタ1内部の発熱部材を冷却する。この冷却ユニット7は、図7、図11、図12に示すように、プロジェクタ1内部に外部の冷却空気を導入する冷却装置71と、この冷却装置71から吐出される冷却空気を所定位置に導く吸気側ダクト72と、電源ユニット6に冷却空気を流通させる遠心力ファンとしてのシロッコファン73と、プロジェクタ1内部で温められた空気を外部に排出する排気ユニット74とを備える。
【0050】
冷却装置71は、シロッコファン711を備えて構成され、外装ケース2の底面部12Aに形成された吸気口23(図2)に応じた位置に配置される。シロッコファン711の筐体711Aには、図9に示すように、吸入口711Bおよび吐出口711Cが形成されており、冷却空気を吸入する吸入口711Bは、吸気口23に対向し、吸入した冷却空気を吐出する吐出口711Cは、光学ユニット4の下方側に向いている。なお、冷却装置71の構造については、後に詳述する。
【0051】
吸気側ダクト72は、図11に示すように、光学ユニット4の下方に配置され、冷却空気の図示しない導入口が冷却装置71のシロッコファン711の吐出口711C(図9)と接続する。そして、この吸気側ダクト72は、冷却空気を導出する4つの図示しない導出口を有し、これら導出口は、ライトガイド45の底面に形成された開口部451B2、451B3(図9)と接続する。
【0052】
シロッコファン73は、図7、図11、図12に示すように、電源ユニット6の電源ブロック61および光源駆動ブロック62の間、すなわち、電源ユニット6のL字形状の角隅部分に配置され、冷却空気を吸入する図示しない吸入口が電源ブロック61に対向し、吸入した冷却空気を吐出する図示しない吐出口が光源駆動ブロック62に対向する。
【0053】
排気ユニット74は、図7、図11、図12に示すように、ライトガイド45の光源収納部451Aの前方側端面から外装ケース2の前面にかけて延びるように配置されている。この排気ユニット74は、軸流排気ファン741と、プロジェクタ1内部の空気を軸流排気ファン741の吸入口に導く排気側第1ダクト742と、軸流排気ファン741から吐出される空気を外装ケース2の排気口17まで導く排気側第2ダクト743とが一体化したユニットである。このうち、排気側第2ダクト743の導出口743Aには、上下方向に延び、前方側が投写レンズ3から離間する方向に傾斜する複数の羽根部材743A2を有する整流用ルーバ743A1が設けられている。
【0054】
(3)冷却構造
次に、この冷却ユニット7によるプロジェクタ1内部の冷却構造を説明する。
図13、14は、プロジェクタ1内部に形成される冷却流路を示す図である。
プロジェクタ1内部には、前述の冷却ユニット7により、図13、14に示すように、液晶パネル441R、441G、441Bおよび電源ユニット6を主に冷却するパネル・電源冷却流路Aと、偏光変換素子414を主に冷却する偏光変換素子冷却流路Bと、光源装置411を主に冷却する光源冷却流路Cとが形成される。
パネル・電源冷却流路Aは、冷却空気がプロジェクタ1内を以下に示すように流通することで形成される。
すなわち、外部の冷却空気は、図13に示すように、冷却装置71のシロッコファン711により外装ケース2の底面部12Aに形成された吸気口23(図2)から吸入され、吸気側ダクト72に吐出される。そして、冷却空気は、吸気側ダクト72に導かれてライトガイド45の底面部分に形成された開口部451B2(図9)からライトガイド45内部へと導入される。
【0055】
ライトガイド45内部に導入された冷却空気は、液晶パネル441R、441G、441B、入射側偏光板442、視野角補正板443、および射出側偏光板444を冷却しながら、光学装置44の下方から上方に向けて流れ、図14に示すように、ライトガイド45の外部へと流出する。そして、ライトガイド45の外部に流出した空気は、シロッコファン73により引き寄せられ、制御基板5(図6)を冷却しつつ該制御基板5に沿って流れ、電源ブロック61の内部に導入される。
電源ブロック61内部に導入された空気は、内部の回路基板611に実装された回路素子を冷却しつつ筒状部材612に沿って流れ、シロッコファン73に吸入され、光源駆動ブロック62の内部側へと吐出される。この光源駆動ブロック62内部に吐出された空気は、排気ユニット74の軸流排気ファン741により引き寄せられ、回路基板621(図10)に実装された回路素子を冷却しつつ筒状部材622に沿って流れ、排気ユニット74に吸入される。そして、図13に示すように、排気ユニット74の整流用ルーバ743A1により投写方向から離間する方向に整流され、外装ケース2の排気口17から排出される。
【0056】
偏光変換素子冷却流路Bは、冷却空気がプロジェクタ1内を以下に示すように流通することで形成される。
すなわち、外部の冷却空気は、図13に示すように、冷却装置71のシロッコファン711により外装ケース2の底面部12Aに形成された吸気口23(図2)から吸入され、吸気側ダクト72に吐出される。そして、冷却空気は、吸気側ダクト72に導かれてライトガイド45の底面部分に形成された開口部451B3(図9)からライトガイド45内部へと導入される。そして、ライトガイド45内部に導入された冷却空気は、偏光変換素子414を冷却し、図14に示すように、上ライトガイド452に形成された開口部452Aからライトガイド45外部に流出する。
【0057】
光源冷却流路Cは、冷却空気がプロジェクタ1内を以下に示すように流通することで形成される。
すなわち、パネル・電源冷却流路Aを流れる冷却空気の一部および偏光変換素子冷却流路Bを流れる冷却空気が、図14に示すように、排気ユニット74により引き寄せられ、電源ブロック61とライトガイド45の光源収納部451Aとの間に入り込み、光源収納部451Aの後方側端面に形成された開口部451A2(図7)から該光源収納部451A内に導入される。そして、光源収納部451A内に導入された空気は、光源装置411を冷却し、光源収納部451Aの前方側端面に形成された図示しない開口部を介して排気ユニット74により吸入される。そしてまた、排気ユニット74により吸入された空気は、整流用ルーバ743A1により投写方向から離間する方向に整流され、外装ケース2の排気口17から排出される。
【0058】
(4)冷却装置71の構造
図15には、冷却装置71の構造を示す図が示されている。
冷却装置71は、前述のように、外装筐体であるロアーケース12の吸気口23内面に取り付けられ、外部から冷却空気をプロジェクタ1内部に導入するものである。この冷却装置71は、図15に示すように、シロッコファン711と、防振部材としてのクッション712と、吸音部材713と、遮音部材の上壁部としてのカバー714とを備えている。また、吸気口23の周囲には、ロアーケース12の内部底面から立設される遮音部材の側壁部としての遮音壁37が形成されている。
【0059】
シロッコファン711は、前述のように、筐体711Aを備え、この筐体711Aには、吸入口711B(図9)と、吐出口711Cとが形成されている。
筐体711Aは、図示を略したが、回転駆動源であるファンモータと、このファンモータの回転軸に軸支される羽根部材であるファンブレードとを備えるファン本体を、内部に収納する合成樹脂製のファンケースである。
この筐体711Aの底面には、ファン本体により吸入される冷却空気の吸入口711B(図9)が形成されており、この吸入口711Bは、ロアーケース12に形成された吸気口23に対向される。
さらに、筐体711Aの側面には、ファン本体により吸入口711Bから吸入した空気が送風される吐出口711Cが形成されており、この吐出口711Cは、前述の吸気側ダクト72(図11)に接続される。これにより、プロジェクタ1外部の空気は、吸入口711Bを介して、吸気口23からシロッコファン711により吸入された後、吐出口711Cから送風されて、吸気側ダクト72を介してライトガイド45(図9)内を流通する。
【0060】
クッション712は、シロッコファン711と吸気口23との間に介在配置される防振部材であり、シロッコファン711の吸入口711Bが形成された筐体711A底面の外形に沿って、複数の角棒状部材を連結させて平面視略円形状に形成されている。このクッション712は、シロッコファン711の筐体711Aにおける吸入口711Bの外縁部分に取り付けられ、また、ロアーケース12に形成された吸気口23の外縁部23Cを囲むように取り付けられる。このため、クッション712は、吸気口23とシロッコファン711とを連結するダクトとしても作用し、吸気口23から吸入される外部空気は、クッション712の介在によって漏れがないようにシロッコファン711に取り込まれる。なお、クッション712の材質としては、表1に示されるものを挙げることができる。
【0061】
【表1】
【0062】
表1に示されるクッション712の素材のうち、ゴムスポンジを採用した場合、材料厚みに示されるように、ゴムスポンジの厚みは適宜変更できるので、シロッコファン711の設置における高さおよびクッション712による防振の程度を、容易に変更することができる。また、ウレタンフォームまたはシリコンフォームを採用した場合、圧縮永久歪み率に示されるように、圧縮時の変形が大きくないので、形態安定を図ることができ、これにより、経年時の防振効果の低下を防ぐことができる。さらに、シリコンフォームの場合、燃焼性で示すように、難燃性であり、かつ、自己消化性を有しているので、熱に強いクッション712を形成することができる。なお、引張強度において、上段に示した数値(kPa )は、下段に示した括弧内の数値(kgf/cm2 )を単位換算した値であり、同様に、25%圧縮荷重において、上段に示した数値(kPa)は、下段に示した括弧内の数値(gf/cm2 )を単位換算した値である。
【0063】
吸音部材713は、シロッコファン711の上面、すなわち、シロッコファン711の筐体711Aにおける吸気口23に対向する面とは反対側の面の略全面に渡って取り付けられる板状部材であり、カバー714およびシロッコファン711の間に介在配置される。この吸音部材713は、シロッコファン711の図示しないファンモータによる回転軸の回転によって発生する回転音等の音を吸収する。なお、吸音部材713の素材としては、前述の表1に示した素材を適宜選択して用いることができる。
【0064】
カバー714は、金属製の板体であり、前述したシロッコファン711、クッション712および吸音部材713を、ロアーケース12の内部底面に取り付けるとともに、遮音部材の上壁部となるものである。このカバー714には、カバー714端部から略垂下し、その下端が水平方向に延出した断面略Z字状の延出部714A、714Bが形成されている。この延出部714A、714Bには、それぞれ孔714A1、714B1が形成されており、遮音壁37の外側において、ロアーケース12の内部底面から立設され、上端に図示しないねじ溝が形成された突出部38、39に、孔714A1、714B1を介してねじ止めされる。なお、このカバー714の固定は、ねじ固定によらず、樹脂リベット等による固定でもよい。
【0065】
遮音壁37は、吸気口23の外縁部23Cの外側を囲むように、ロアーケース12の内部底面から立設されており、冷却装置71が吸気口23に設置される際に、シロッコファン711の図示しないファンブレードの回転軌跡を囲むように配置されている。この遮音壁37は、ロアーケース12と一体的に形成されており、遮音壁37の高さ寸法は、冷却装置71の高さ寸法と略同じとなるように構成されている。
【0066】
冷却装置71は、以上のような構成により、ロアーケース12に形成された吸気口23に設置される。すなわち、冷却装置71のシロッコファン711は、クッション712を介して吸気口23に設置されるので、シロッコファン711で発生する振動が、クッション712により吸収され、ロアーケース12に伝導されにくくなる。また、シロッコファン711の上面には、吸音部材713が設けられているので、シロッコファン711の回転音が漏れにくくなる。更に、遮音壁37およびカバー714によって、シロッコファン711の筐体711Aにおける吸入口711Bおよび吐出口711C以外の面が略覆われることとなり、シロッコファン711に起因する騒音が一層漏れにくくなる。
【0067】
なお、冷却装置71においては、吸音部材713の替わりに、クッション712を設ける構成としてもよい。すなわち、シロッコファン711の筐体711Aにおける上面および底面に、クッション712を設ける構成としてもよい。この場合、シロッコファン711の振動が、カバー714に対しても伝導されにくくなるので、吸気口23が形成されたロアーケース12に直接伝導されるのを防ぐとともに、カバー714を介してロアーケース12に振動が伝導されにくくなる。また、吸音部材713設けられる筐体711Aの上面を囲むようにクッション712が設けられた場合、シロッコファン711の筐体711A上面は、クッション712によって周囲が囲まれ、かつ、カバー714によって覆われることとなる。これにより、冷却装置71の防振がなされ、かつ、シロッコファン711の音が外部に漏出しにくくなる。
【0068】
(4)実施形態の効果
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(4−1) ロアーケース12には、外部空気を吸入する吸気口23が形成され、この吸気口23の内部には、冷却装置71が設けられている。この冷却装置71は、シロッコファン711と遮音部材の上壁部としてのカバー714とを備え、シロッコファン711を囲むように遮音部材の側壁部としての遮音壁37が設けられている。これによれば、シロッコファン711から発生する回転音等の騒音が外部に漏出するのを、カバー714および遮音壁37により防止することができる。従って、プロジェクタ1の静粛性を向上することができる。
【0069】
(4−2) シロッコファン711とロアーケース12の吸気口23との間には、防振部材であるクッション712が介在配置されている。これによれば、クッション712は、シロッコファン711の筐体711A内部に収納された図示しないファン本体から発生する振動を吸収して、ロアーケース12に振動が伝導されることを防ぐことができる。また、シロッコファン711の上部に対してもクッション712を設けた場合において、シロッコファン711において発生する振動が、カバー714を介してロアーケース12に伝導されることを防ぐことができる。従って、シロッコファン711の振動が伝導されてプロジェクタ1の構成部品同士が振動して騒音が発生することを防ぐことができる。
【0070】
(4−3) シロッコファン711とカバー714との間には、吸音部材713が取り付けられている。これによれば、吸音部材713により、シロッコファン711の回転軸の回転により発生する回転音を吸収することができる。従って、シロッコファン711の騒音が、プロジェクタ1外部に漏れることを防ぐことができるので、プロジェクタ1稼動時の静粛性を一層向上することができる。
【0071】
(4−4) 冷却装置71の遮音壁37は、ロアーケース12の内部底面から立設される遮音部材の側壁部として構成されている。これによれば、遮音壁37とロアーケース12との間に隙間を生じないので、冷却装置71から発生する騒音を、プロジェクタ1外部に一層漏れにくくすることができる。また、冷却装置71が遮音壁37に嵌め込まれるように設置されることとなるので、冷却装置71を安定して設置することができる。また、冷却装置71のシロッコファン711に遮音部材の側壁部を設ける必要がないので、冷却装置71およびプロジェクタ1の内部構造を簡素化することができる。
【0072】
(4−5) 冷却装置71は、カバー714の延出部714A、714Bの形成された孔714A1、714B1にねじが挿通されることにより、突出部38、39を介して、ロアーケース12の内部底面に設置される。これによれば、遮音壁37とあわせて、シロッコファン711の吸入口711Bおよび吐出口711C以外の面は、遮音部材である遮音壁37およびカバー714により覆われるので、シロッコファン711から発生する音を外部に漏れにくくすることができ、かつ、ロアーケース12に冷却装置71を確実に設置できる。また、カバー714による設置時に、クッション712および吸音部材713が圧縮されて、シロッコファン711および吸気口23に密着することとなるので、振動吸収効果および吸音効果を向上させることができる。また、金属製のカバー714として構成すれば、クッション712および吸音部材713を圧縮するようにしても、これら部材の反発力に抗する強度を確保することができる。
【0073】
(4−6) 冷却装置71を構成するファンには、シロッコファン711が用いられている。これによれば、冷却装置等に用いられるファンのうち、シロッコファンは静粛性に優れているので、プロジェクタ1の起動時の静粛性をさらに高めることができる。また、シロッコファンは、吸入した空気の吐出圧が高いので、確実に吸気側ダクト72に外部空気を送風し、プロジェクタ1の構成部品の冷却を確実に行うことができる。
【0074】
(5)実施形態の変形
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
前記実施形態では、冷却装置71にシロッコファンを用いたが、軸流ファンなど他の形状・構成のファンを用いてもよい。軸流ファンを用いた場合、シロッコファンの場合と同様に、吸入口の周囲にクッションを設け、送風口の周囲に吸音部材を設ける構成でもよい。また、軸流ファンの筐体において、水平方向の周囲を吸音部材で覆うような構成としてもよい。このような場合、吸気側ダクト72の形状を変更することで、冷却流路は確保される。
【0075】
前記実施形態では、クッション712および吸音部材713の素材として、ゴムスポンジ、ウレタンフォームおよびシリコンフォームを挙げ、これらの物性を表1に示したが、本発明は、表1で示した以外の物性でもよい。また、素材についても、表1で挙げたものだけでなく、他の素材、例えば、ポリエステルやゴムであってもよい。
【0076】
前記実施形態では、冷却装置71は、ロアーケース12の底面に形成された吸気口23に設置されるとしたが、これに限らず、上方または側方に対して開口した吸気口に冷却装置71を設置する構成でもよい。なお、ロアーケース12の底面に形成された吸気口に冷却装置を設置する構成であれば、クッション712が吸気口の外縁およびシロッコファン711とより密着することとなるので、クッション712による防振効果を向上することができる。
【0077】
前記実施形態では、カバー714は、金属製としたが、合成樹脂製としてもよい。すなわち、シロッコファン711からの騒音の漏出を防ぎ、冷却装置71をロアーケース12の底面に取り付けられる強度を有するものであれば、材質は問わない。なお、金属製とすれば、合成樹脂等と比べ、損傷しにくく、経年安定性を保持したカバーを形成することができる。
【0078】
前記実施形態では、3つの光変調装置を用いたプロジェクタ1の例のみを挙げたが、1つの光変調装置のみを用いたプロジェクタ、2つの光変調装置を用いたプロジェクタ、あるいは、4つ以上の光変調装置を用いたプロジェクタにも適用可能である。
また、光変調装置として液晶パネル441を用いたが、マイクロミラーを用いたデバイスなど、液晶以外の光変調装置を用いてもよい。
さらに、前記実施形態では、光入射面と光射出面とが異なる透過型の光変調装置を用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の光変調装置を用いてもよい。
前記実施形態では、スクリーンを観察する方向から投写を行なうフロントタイプのプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投写を行なうリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
【0079】
前記実施形態では、電子機器としてプロジェクタを用いたが、例えば、パーソナルコンピュータやプリンタの外装筐体に設けられる冷却装置に、本発明を採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るプロジェクタを上方前面側から見た斜視図。
【図2】前記実施形態におけるプロジェクタを下方前面側から見た斜視図。
【図3】前記実施形態におけるプロジェクタを上方背面側から見た斜視図。
【図4】前記実施形態におけるリアケースを上方から見た平面図。
【図5】前記実施形態におけるリアケースにおけるリモートコントローラの設置位置を示す図。
【図6】前記実施形態におけるプロジェクタの内部構造を示す図。
【図7】前記実施形態におけるプロジェクタの内部構造を示す図。
【図8】前記実施形態における光学ユニットの光学系を模式的に示す図。
【図9】前記実施形態におけるライトガイドの構造を示す図。
【図10】前記実施形態における電源ユニットの構造を示す図。
【図11】前記実施形態における冷却ユニットの構造を説明する図。
【図12】前記実施形態における冷却ユニットの構造を説明する図。
【図13】前記実施形態における冷却装置の構造を説明する図。
【図14】前記実施形態におけるプロジェクタ内部に形成される冷却流路を示す図。
【図15】前記実施形態における冷却装置の構造を示す図。
【符号の説明】
1・・・プロジェクタ(電子機器)、2・・・外装ケース(外装筐体)、37・・・遮音壁(遮音部材、側壁部)、71・・・冷却装置、416・・・光源ランプ(光源)、441・・・液晶パネル(光変調装置)、711・・・シロッコファン(ファン)、711A・・・筐体、712・・・クッション(防振部材)、713・・・吸音部材、714・・・カバー(遮音部材、上壁部)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転駆動源の回転軸に軸支される羽根部材を有するファン本体、およびこのファン本体を収納する筐体を有するファンを備え、電子機器を構成する外装筐体内部に配置され、該電子機器内部を冷却する冷却装置、および、冷却装置を備えたプロジェクタに関する。
【0002】
【背景技術】
従来、会議、学会、展示会等でのプレゼンテーションや、家庭におけるホームシアター用途においては、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、スクリーン上に形成した光学像を拡大投写するプロジェクタが用いられている。このようなプロジェクタには、熱を発生するとともに、熱に弱い部品が数多く用いられており、これらの部品を適切に冷却することが、プロジェクタの機能維持にとって重要である。このため、プロジェクタの筐体内には、構成部品の冷却を担う冷却系が設けられている。
【0003】
プロジェクタの冷却系は、ファンを備えた冷却装置によって構成され、この冷却装置により、プロジェクタ外部から空気を導入し、導入した外部空気をプロジェクタ内部で流通させて構成部品を冷却する。
ここで、ファンとしては、軸流ファンやシロッコファンなど様々なものが用いられるが、近年、静粛性の向上という観点から、シロッコファンを用いて、ダクトを介して外部に排出する構成が提案されている(例えば、特許文献1)。このようなシロッコファンは、静粛性が高く、低速回転でも空気の吐出圧を大きく確保できるので、シロッコファンを用いた冷却系では、ダクト等で空気を引き回しても充分な排気効率が得られ、静粛性に優れるという利点がある。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−341445号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなシロッコファンを用いても、ファンの回転音を完全になくすことはできず、また、ファンの回転に伴う振動が振動音として漏出することがあるため、より静粛性の高い冷却系の構造が求められている。特に、プロジェクタにおいては、ホームシアター用途等の家庭で使用する場合に、このような要求は高い。
また、このような要求は、前記のプロジェクタに限られず、例えば、パーソナルコンピュータ等の電子機器においても、同様に求められる。
【0006】
本発明の目的は、静粛性を向上した冷却装置、および、この冷却装置を備えたプロジェクタを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の冷却装置は、回転駆動源の回転軸に軸支される羽根部材を有するファン本体、およびこのファン本体を収納する筐体を有するファンを備え、電子機器を構成する外装筐体内部に配置され、該電子機器内部を冷却する冷却装置であって、前記ファンを囲むように設けられ、前記ファンの回転音の外部への漏出を防止する遮音部材を備えていることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、冷却装置が遮音部材を備えていることにより、冷却装置のファンの回転音が外部に漏れることを防ぐことができる。従って、電子機器の静粛性を向上させることができる。
【0009】
本発明では、当該冷却装置は、前記外装筐体内面に設置され、この外装筐体内面と前記ファンの間に介在配置され、前記ファンの振動を吸収する防振部材を備えていることが好ましい。
本発明によれば、防振部材が外装筐体とファンとの間に介在配置されることにより、ファンの回転駆動源によって発生する振動が電子機器の外装筐体に伝達し、外装筐体の振動により振動音が発生することを防止することができる。従って、電子機器の静粛性を一層向上することができる。
【0010】
本発明では、前記遮音部材は、前記羽根部材の回転軌跡を囲むように配置される側壁部と、前記ファンの吸気面とは反対側の面を覆う上壁部とを備え、この上壁部および前記ファンの間に介在配置される吸音部材を備えていることが好ましい。
本発明によれば、上壁部とファンとの間に吸音部材が介在配置されることにより、ファンの回転音を吸音部材により吸収することができる。従って、ファンの回転音を吸収して小さくし、冷却装置からファンの回転音を漏れにくくすることができ、冷却装置の静粛性を一層向上することができる。
【0011】
また、本発明のプロジェクタは、光源と、この光源から射出された光束を、画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置と、形成された光学像を拡大投写する投写光学系と、これらを内部に収納する外装筐体とを備えたプロジェクタであって、前述の冷却装置を備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、前述の冷却装置と略同様の効果を奏することができる。すなわち、冷却装置は、内部に収納されたファンにおける回転軸の回転音が漏出するのを防止する遮音部材によって覆われているので、ファンから発生する音の漏出を防ぐことができる。従って、プロジェクタ稼動時の静粛性を向上することができる。
また、冷却装置に防振部材が設けられている場合、防振部材により、ファンの振動がプロジェクタの外装筐体をはじめとする構成部品へ伝導されることを防ぐことができるので、構成部品同士が接触することによる騒音の発生を防止できる。
さらに、ファンの筐体に吸音部材が設けられている場合は、ファンの回転音が吸音部材によって吸収されるので、冷却装置からファンの回転音が漏出するのを抑えることができる。
加えて、冷却装置のファンがシロッコファンである場合、ファン自体の回転音が低く、送風する空気の吐出圧が高いので、外装筐体外部から空気を取り込む吸気口付近に冷却装置を設置した場合でも、ファンから発生する騒音が外部に漏れることを防ぐことができ、また、冷却対象へ確実に冷却空気を送風することができる。従って、プロジェクタの静粛性を向上することができ、プロジェクタ内部の構成部品に冷却空気を確実に送風して、冷却対象を冷却することができる。
【0013】
本発明では、前記遮音部材は、前記羽根部材の回転軌跡を囲むように配置される側壁部と、前記ファンの吸気面とは反対側の面を覆う上壁部とを備え、前記側壁部は、前記外装筐体内面から立設された壁として構成されることが好ましい。
本発明によれば、冷却装置のファンを囲む遮音部材の側壁部を、外装筐体の内面から立設される壁として構成することにより、冷却装置の構造を簡素化することができる。また、側壁部は、外装筐体内面から立設されるので、遮音部材と外装筐体との境界に隙間が生じることがなくなるので、ファンから発生する音を一層漏れにくくすることができる。
【0014】
本発明では、前記遮音部材の上壁部は、前記ファンを覆い、該ファンを前記外装筐体内部に取り付けるカバーとして構成されることが好ましい。
ここで、カバーの材質としては、アルミニウム等の金属を上げることができる。
本発明によれば、遮音部材の上壁部としての金属製カバーによりファンが覆われるので、ファンにより発生する騒音を漏れにくくすることができるとともに、カバーにより、ファンを外装筐体に安定して設置することができる。また、ファンに防振部材や吸音部材が取り付けられている場合、カバーによって押し付けて、これらの部材を外装筐体およびファンに密着させることができるので、防振部材による振動伝達抑制効果、および、吸音部材による吸音効果を一層向上することができる。また、金属製のカバーとした場合、防振部材や吸音部材の密着による反発があっても、この反発力に抗するカバーの強度を確保することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
(1)外観構成
図1は、本実施形態に係るプロジェクタ1を上方前面側から見た斜視図である。図2は、プロジェクタ1を下方前面側から見た斜視図である。図3は、プロジェクタ1を上方背面側から見た斜視図である。
プロジェクタ1は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調し、スクリーン等の投写面上に拡大投写する。このプロジェクタ1は、図1ないし図3に示すように、略直方体状の外装ケース2、およびこの外装ケース2から露出する投写レンズ3を備えている。
投写レンズ3は、プロジェクタ1の本体部分により画像情報に応じて変調された光学像を拡大投写する。この投写レンズ3は、筒状の鏡筒内に複数のレンズが収納された組レンズとして構成され、複数のレンズの相対位置を変更するレバー3A(図1、図3)を備え、投写像のフォーカス調整、および倍率調整可能に構成されている。
【0016】
外装ケース2は、合成樹脂製の筐体であり、プロジェクタ1の本体部分を収納する。この外装ケース2は、図1ないし図3に示すように、プロジェクタ1の上部分を覆うアッパーケース11と、プロジェクタ1の下部分を覆うロアーケース12と、プロジェクタ1の背面部分を覆うリアケース13(図3)とを備えている。これらアッパーケース11、ロアーケース12およびリアケース13は、ねじ等により固定され、適宜着脱可能に構成されている。
アッパーケース11は、図1ないし図3に示すように、プロジェクタ1の上面、前面、および側面をそれぞれ構成する上面部11A(図1、図3)、前面部11B(図1、図2)、および側面部11C(図1)、11D(図2、図3)を含んで構成される。
【0017】
このうち、上面部11Aおよび前面部11Bは、図1または図3に示すように、プロジェクタ1の上面から前面にかけて、凸曲面を有するように連続して形成されている。また、前面部11Bの左右方向両端部、上面部11Aの左右方向両端部、および上面部11Aの後方側端部には、面取加工が施され、この加工部分111が上面部11Aおよび前面部11Bを囲うように連続して形成されている。
【0018】
この上面部11Aにおいて、後方側略中央部分には、図1または図3に示すように、プロジェクタ1の起動・調整操作を実施する操作パネル14が左右方向に延びるように設けられている。この操作パネル14は、押釦スイッチで構成され、複数の操作ボタン141を適宜押下することにより、操作パネル14内部に配置される図示しない回路基板に実装されたタクトスイッチと接触し、所望の操作が可能となる。また、この操作パネル14は、操作ボタン141を囲うように化粧板142が設けられている。この化粧板142は、導光板としての機能を有し、プロジェクタ1の駆動時には、各操作ボタン141に応じた位置に、操作名称が発光するように構成されている。
なお、前述した操作パネル14の回路基板は、後述する制御基板と電気的に接続され、操作ボタン141の押下に伴う操作信号は、制御基板に出力される。
また、この上面部11Aにおいて、前方側略中央部分には、複数の孔15(図1、図3)が形成され、この内側に配置される図示しないスピーカから該孔15を介して音声が出力される。
さらに、この上面部11Aにおいて、前方から見て右側部分には、図1に示すように、前述した投写レンズ3のレバー3Aを露出させ、該レバー3Aの操作を可能にする切り欠き16が形成されている。
【0019】
また、この前面部11Bにおいて、前方から見て左側部分には、図1または図2に示すように、排気口17が形成され、内部に配置される冷却ファンから排気される空気が該排気口17を介して排出される。また、この排気口17には、左右方向に延び、それぞれ平行に配列する複数の羽根板17A1を有するルーバ17Aが取り付けられている。このルーバ17Aは、排出される空気を整流するとともにプロジェクタ1内外間の遮光機能も備えている。
さらに、この前面部11Bにおいて、前方から見て右側部分には、図1に示すように、前述した切り欠き16と連続し、略円形状の切り欠き18が形成されている。そして、この切り欠き18は、投写レンズ3の先端部分を露出させている。
さらにまた、この前面部11Bにおいて、前方から見て上方側略中央部分には、図1に示すように、リモコン受光窓19が形成されている。そして、このリモコン受光窓19の内側には、後述するリモートコントローラからの操作信号を受信する図示しないリモコン受光モジュールが配置されている。
なお、図示しないリモコン受光モジュールは、後述する制御基板と電気的に接続され、該リモコン受光モジュールにて受信した操作信号は、制御基板に出力される。また、図示は省略するが、これらリモコン受光窓およびリモコン受光モジュールは、プロジェクタ1の背面側にも設けられている。そして、プロジェクタ1の前方および後方の双方からリモートコントローラを用いてプロジェクタ1の遠隔操作を実施できるように構成されている。
【0020】
側面部11C,11Dは、図1ないし図3に示すように、前述した上面部11Aおよび前面部11Bの形状に対応して、前方に向かうにしたがって下方に曲折し、後方に向かうにしたがって背面側に曲折する形状を有している。
これら側面部11C,11Dにおいて、後方側端部には、投写レンズ3の投写方向と逆方向に突出し、上下方向に延びる突起20が形成されている。
【0021】
ロアーケース12は、図1ないし図3に示すように、プロジェクタ1の底面、側面、および背面の一部をそれぞれ構成する底面部12A(図2)、側面部12B(図1)、12C(図2、図3)、および背面部12D(図3)を含んで構成される。
このうち、底面部12Aは、図2に示すように、略平板状の底面部分から斜め上方に向けて突出する突出部12A1が形成されている。この突出部12A1は、アッパーケース11とロアーケース12とが接続された状態で、アッパーケース11の加工部分111(図1〜図3)と連続するように形成されている。そして、この底面部12Aは、プロジェクタ1の底面を構成するとともに、アッパーケース11の前面部11Bと接続してプロジェクタ1の前面を構成する。
【0022】
この底面部12Aにおいて、下方から見て左側略中央部分には、矩形状の開口21が形成されている。この開口21には、該開口21を覆うランプカバー22が着脱自在に設けられている。
また、この底面部12Aにおいて、下方から見て右側で後方側の隅部は、内側に凹む段付き形状を有している。そして、この隅部には、外部から冷却空気を吸入するための吸気口23が形成されている。この吸気口23には、該吸気口23を覆う吸気口カバー23Aが着脱自在に設けられている。この吸気口カバー23Aには、複数の開口23Bが形成されている。そして、これら開口23B内側には、図示しないエアフィルタが設けられており、内部への塵埃の侵入を防止している。
【0023】
さらに、この底面部12Aにおいて、下方から見て後方側略中央部分には、プロジェクタ1の脚部を構成する固定脚部24が設けられている。また、底面部12Aにおける前方側の左右角隅部分には、同じくプロジェクタ1の脚部を構成する調整脚部25が設けられている。
このうち、調整脚部25は、底面部12Aから面外方向に進退自在に突出する軸状部材から構成され、プロジェクタ1の投写時における該プロジェクタ1の前後方向および左右方向の傾斜位置を調整可能としている。
また、この底面部12Aにおいて、固定脚部24の左右両側には、プロジェクタ1内外に空気を流通可能とする空気流通孔26、27が形成されている。この空気流通孔26、27を介して流通する空気により、該空気流通孔26、27に対応して配置されるプロジェクタ1内部の構成部材に発生する熱を放熱させている。
【0024】
さらにまた、この底面部12Aにおいて、前方側略中央部分には、投写方向に延びる2つの膨出部28が形成されている。この膨出部28は、中空状に形成され、その内側には、突出部12A1に形成された2つの孔12A2(図2)を介して、プロジェクタ1を運搬する際に利用されるハンドル29(図1、図2)が設置されている。そして、ハンドル29は、平面視コ字状のハンドル本体291を含んで構成され、このハンドル本体291は、底面部12Aの裏面側に固定される図示しない本体設置部材により投写方向に進退可能に固定されている。また、このハンドル本体291のコ字状先端部分は、該ハンドル本体291が投写方向に突出した際に、図示しない本体設置部材により底面部12Aの面外方向に所定角度、回動可能に軸支される。すなわち、ハンドル本体291を把持してプロジェクタ1を吊り下げ状態とした場合には、プロジェクタ1の重心位置がハンドル本体291のコ字状端縁にて形成される平面内に位置する。
【0025】
側面部12B、12Cは、図1ないし図3に示すように、前方側が上方から下方に向けて曲折する形状を有し、投写方向略中央部分が上方に向かうにしたがって外側に拡がる凹曲面状に形成され、後方端部が背面側に曲折するように形成されている。そして、これら側面部12B、12Cは、アッパーケース11の側面部11C、11Dと接続してプロジェクタ1の側面を構成する。
これら側面部12B、12Cにおいて、前方側には、図2または図3に示すように、底面部12Aに設けられた調整脚部25に対応して調整ボタン30が設けられている。そして、この調整ボタン30を押下することにより、調整脚部25が進退駆動し、プロジェクタ1の前後方向および左右方向の傾斜位置が調整される。なお、図2または図3では、側面部12Cに設けられた調整ボタン30のみが示されているが、側面部12Bも同様に調整ボタン30が設けられている。
【0026】
また、これら側面部12B、12Cにおいて、後方側端部には、図2または図3に示すように、投写レンズ3の投写方向と逆方向に突出し、上下方向に延びる突起31が形成されている。そして、この突起31は、前述したアッパーケース11の側面部11C、11Dに形成された突起20と接続し、これら突起20、31は、プロジェクタ1を縦置きする際の脚部として機能する。
背面部12Dは、後方側に凸となる凸曲面を有するように形成されている。
この背面部12Dにおいて、後方から見て右側には、図3に示すように、矩形状の開口32が形成され、この開口32を介してインレットコネクタ33が露出する。また、この背面部12Dの内側には、図示は省略するが、リアケース13の下端を支持する支持部、およびリアケース13を上方から嵌め込むための溝部が形成されている。
【0027】
図4は、リアケース13を上方から見た平面図である。
リアケース13は、図3に示すように、ロアーケース12の背面部12Dの内側に形成された図示しない溝部に嵌め込み式で固定され、アッパーケース11とロアーケース12とが接続された状態で背面に形成される開口部分を塞ぐ。このリアケース13は、図3または図4に示すように、略矩形状の板体131と、この板体131の下端縁から該板体131に略直交して突出する突出部132と、同様に板体131の上端縁から突出する突出部133(図4)と、板体131の左右方向略中央部分から略直交して突出し、リアケース13を2つの領域に区画する隔壁134とを備える。
このうち、突出部132、133の先端は、図4に示すように、後方側に凸となるように形成されている。そして、アッパーケース11、ロアーケース12、およびリアケース13を組み立てた状態では、突出部132の先端は、ロアーケース12の背面部12Dの上端と接続し、突出部133の先端は、アッパーケース11の上面部11Aの後方側端部と接続する。すなわち、リアケース13の板体131は、プロジェクタ1の背面から内側に離隔配置されている。
以上、説明したアッパーケース11、ロアーケース12、およびリアケース13の形状により、これらが組み立てられた外装ケース2は、上面、前面、側面、底面、および背面の角部分が適宜、省略され、略流線形状を有するように構成されている。
【0028】
このリアケース13において、隔壁134により区画された領域のうち、後方から見て左側に位置する領域の板体131には、図3に示すように、複数の孔131Aが形成され、この複数の孔131Aを介して、外部の電子機器からの画像信号、音声信号等を入力するための複数の接続端子34が外部に露出している。この領域に位置する板体131の内側には、接続端子34から入力される信号を処理する図示しないインターフェース基板が配置されている。
なお、このインターフェース基板は、後述する制御基板と電気的に接続され、インターフェース基板にて処理された信号は、制御基板に出力される。
【0029】
図5は、リアケース13におけるリモートコントローラ35の設置位置を示す図である。
リアケース13において、隔壁134により区画された領域のうち、後方から見て右側に位置する領域には、図3ないし図5に示すように、リモートコントローラ35(図5)を収納するリモコン収納部36が設けられている。
リモートコントローラ35は、プロジェクタ1における電源のオンオフや、画像の再生および停止、音量の調節等を実施する図示しない複数の操作ボタンを有する。そして、このリモートコントローラ35は、前述のリモコン受光窓19を介して内部のリモコン受光モジュールに、離間位置から操作信号を送信して、プロジェクタ1の遠隔操作を実施する。
リモコン収納部36は、図5に示すように、リアケース13における区画された右側の領域に嵌合し、一方の端面に開口部361を有する箱状部材であり、透明または半透明な材料から構成され、内部が視認可能となっている。そして、このリモコン収納部36は、図4に示すように、開口部361と対向する側の端部が、突出部132、133の後方から見て右側隅部分にて軸支され、プロジェクタ1の上面部11Aまたは底面部12Aと略直交する軸を中心として回動可能に構成されている。
【0030】
(2)内部構成
図6および図7は、プロジェクタ1の内部構造を示す図である。具体的には、図6は、プロジェクタ1のアッパーケース11を外した図であり、図7は、図6の状態から制御基板等をさらに外した図である。
外装ケース2の内部には、図6または図7に示すように、プロジェクタ1の本体部分が収納されており、この本体部分は、投写方向略中央部分で左右方向に延び、一方の端部が前方に延びる平面視略L字状の光学ユニット4(図7)と、この光学ユニット4の上方で投写レンズ3側に配置される制御基板5(図6)と、背面部分および一方の側面部分に沿って平面視略L字状に配置される電源ユニット6と、吸気口23および排気口17に応じた位置、および電源ユニット6の角隅部分に配置される3つの冷却ファンを含む冷却ユニット7(図7)とを備える。
【0031】
(2−1)光学ユニット4の構造
図8は、光学ユニット4の光学系を模式的に示す図である。
光学ユニット4は、光源装置から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、投写レンズ3を介してスクリーン上に投写画像を形成するものである。この光学ユニット4は、図7または図8に示すように、インテグレータ照明光学系41と、色分離光学系42と、リレー光学系43と、光変調装置および色合成光学装置を一体化した光学装置44と、これら光学部品41、42、43、44を収納配置するライトガイド45(図7)とに機能的に大別される。
インテグレータ照明光学系41は、光源から射出された光束を照明光軸直交面内における照度を均一にするための光学系である。このインテグレータ照明光学系41は、図8に示すように、光源装置411、第1レンズアレイ412、第2レンズアレイ413、偏光変換素子414、および重畳レンズ415を備えて構成される。
【0032】
光源装置411は、放射光源としての光源ランプ416、リフレクタ417、およびリフレクタ417の光束射出面を覆う防爆ガラス418を備える。そして、光源ランプ416から射出された放射状の光束は、リフレクタ417で反射されて略平行光束とされ、外部へと射出される。本実施形態では、光源ランプ416として、高圧水銀ランプを採用し、リフレクタ417として、放物面鏡を採用している。なお、光源ランプ416としては、高圧水銀ランプに限らず、例えばメタルハライドランプやハロゲンランプ等を採用してもよい。また、リフレクタ417として放物面鏡を採用しているが、これに限らず、楕円面鏡からなるリフレクタの射出面に平行化凹レンズを配置した構成を採用してもよい。
【0033】
第1レンズアレイ412は、照明光軸方向から見てほぼ矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を具備している。各小レンズは、光源ランプ416から射出された光束を部分光束に分割し、照明光軸方向に射出する。
第2レンズアレイ413は、第1レンズアレイ412と略同様の構成であり、小レンズがマトリクス状に配列された構成を具備する。この第2レンズアレイ413は、重畳レンズ415とともに、第1レンズアレイ412の各小レンズの像を光学装置44の後述する液晶パネル441R、441G、441B上に結像させる機能を有する。
【0034】
偏光変換素子414は、第2レンズアレイ413からの光を略1種類の偏光光に変換するものであり、これにより、光学装置44での光の利用効率が高められている。
具体的に、偏光変換素子414によって略1種類の偏光光に変換された各部分光束は、重畳レンズ415によって最終的に光学装置44の後述する液晶パネル441R、441G、441B上にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネル441R、441G、441Bを用いたプロジェクタでは、1種類の偏光光しか利用できないため、ランダムな偏光光を発する光源ランプ416からの光束の略半分が利用されない。このため、偏光変換素子414を用いることにより、光源ランプ416から射出された光束を略1種類の偏光光に変換し、光学装置44における光の利用効率を高めている。なお、このような偏光変換素子414は、例えば、特開平8−304739号公報に紹介されている。
【0035】
色分離光学系42は、2枚のダイクロイックミラー421、422と、反射ミラー423とを備える。インテグレータ照明光学系41から射出された複数の部分光束は、2枚のダイクロイックミラー421により赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光に分離される。
リレー光学系43は、入射側レンズ431と、リレーレンズ433と、UVカットフィルタ434と、反射ミラー432,435とを備えている。このリレー光学系43は、色分離光学系42で分離された色光である青色光を光学装置44の後述する液晶パネル441Bまで導く機能を有している。
【0036】
この際、色分離光学系42のダイクロイックミラー421では、インテグレータ照明光学系41から射出された光束のうち、緑色光成分と青色光成分とは透過し、赤色光成分は反射する。ダイクロイックミラー421によって反射した赤色光は、反射ミラー423で反射し、フィールドレンズ424を通って、赤色用の液晶パネル441Rに到達する。このフィールドレンズ424は、第2レンズアレイ413から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の液晶パネル441G、441Bの光入射側に設けられたフィールドレンズ424も同様である。
【0037】
また、ダイクロイックミラー421を透過した青色光と緑色光のうちで、緑色光は、ダイクロイックミラー422によって反射し、フィールドレンズ424を通って、緑色光用の液晶パネル441Gに到達する。一方、青色光は、ダイクロイックミラー422を透過してリレー光学系43を通り、さらにフィールドレンズ424を通って、青色光用の液晶パネル441Bに到達する。
なお、青色光にリレー光学系43が用いられているのは、青色光の光路の長さが他の色光の光路長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ424に伝えるためである。なお、リレー光学系43には、3つの色光のうちの青色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、赤色光を通す構成としてもよい。
【0038】
光学装置44は、入射された光束を画像情報に応じて変調してカラー画像を形成する。この光学装置44は、色分離光学系42で分離された各色光が入射される3つの入射側偏光板442と、各入射側偏光板442の後段に配置される3つの視野角補正板443と、各視野角補正板443の後段に配置される光変調装置としての液晶パネル441R,441G,441Bおよび射出側偏光板444と、色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム445とを備える。
【0039】
液晶パネル441R、441G、441Bは、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として用いたものであり、対向配置される一対の透明基板内に液晶が密封封入されている。そして、この液晶パネル441R、441G、441Bは、入射側偏光板442および視野角補正板443を介して入射する光束を画像情報に応じて変調して射出する。なお、この液晶パネル441R、441G、441Bは、図示しない保持枠により収納保持されている。
【0040】
入射側偏光板442は、色分離光学系42で分離された各色光のうち、一定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、サファイアガラス等の基板に偏光膜が貼付されたものである。
また、射出側偏光板444も、入射側偏光板442と略同様に構成され、液晶パネル441R、441G、441Bから射出された光束のうち、所定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、透過させる偏光光の偏光軸は、入射側偏光板442における透過させる偏光光の偏光軸に対して直交するように設定されている。
【0041】
視野角補正板443は、基板上に液晶パネル441R、441G、441Bで形成された光学像の視野角を補正する機能を有する光学変換膜が形成されたものである。この視野角補正板443は、液晶パネル441R、441G、441Bで生じる複屈折を補償する。そして、この視野角補正板443により、投写画像の視野角が拡大され、かつ投写画像のコントラストが向上する。
クロスダイクロイックプリズム445は、射出側偏光板444から射出され、各色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成するものである。このクロスダイクロイックプリズム445には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に設けられ、これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成される。
以上説明した液晶パネル441R、441G、441B、射出側偏光板444およびクロスダイクロイックプリズム445は、一体的にユニット化されている。
【0042】
図9は、ライトガイド45の構造を示す図である。
ライトガイド45は、図7または図9に示すように、射出成形等による合成樹脂製品であり、上述した光学部品41、42、43、44が収納される下ライトガイド451と、この下ライトガイド451の上面の開口部分を塞ぐ上ライトガイド452とを備える。
下ライトガイド451は、光源装置411が収納される光源収納部451Aと、光源装置411を除く他の光学部品が収納される容器状に形成された部品収納部451Bと、この部品収納部451Bの外側面に形成され、投写レンズ3が設置される投写レンズ設置部451Cとを備える。
【0043】
光源収納部451Aは、下方端面の開口部451A1(図9)および部品収納部451B側の図示しない開口部を有する略箱状に形成されている。そして、この光源収納部451Aには、ロアーケース12の底面部12Aに設けられたランプカバー22(図2)を介して光源装置411が収納される。また、この光源収納部451Aの前方側端面には、スリット状の図示しない開口部が形成されている。同様に、光源収納部451Aの後方側端面には、スリット状の開口部451A2(図7)が形成されている。そして、これら開口部を介して空気が光源収納部451A内外に流通可能となっている。
部品収納部451B内には、具体的な図示は省略するが、光学部品412〜415、421〜424、431〜435を上方からスライド式に嵌め込むための複数の溝部が形成されている。また、部品収納部451B内において、図7に示すように、投写レンズ設置部451Cの内側部分に光学装置44が設置される。さらに、部品収納部451Bにおいて、光学装置44の後段側の側面には、図9に示すように、光源装置411から射出される光束を透過させる開口部451B1が形成されている。さらにまた、この部品収納部451Bにおいて、底面部分には、図9に示すように、光学装置44の3つの液晶パネル441R、441G、441Bに応じた位置に開口部451B2が形成され、光学装置44の偏光変換素子414に応じた位置に開口部451B3が形成されている。
【0044】
投写レンズ設置部451Cは、部品収納部451Bの開口部451B1の周縁に位置し、ライトガイド45内に設定される照明光軸に対する所定位置に投写レンズ3を設置する。そして、光源装置411から射出され、光学装置44にて形成された光学像が、開口部451B1を介して投写レンズ3により拡大投写される。
上ライトガイド452は、図7に示すように、下ライトガイド451の部品収納部451Bにおける光学装置44の上方を除く上端開口部分を閉塞する。この上ライトガイド452には、表裏を貫通して複数の開口部(例えば、開口部452A)が形成され、この開口部を介して下ライトガイド451内に収納された光学部品の姿勢調整が実施される。
【0045】
(2−2)制御基板5の構造
制御基板5は、図6に示すように、ライトガイド45の上ライトガイド452の上方に配置される。この制御基板5は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置が実装された回路基板として構成され、プロジェクタ1全体を制御する。この制御基板5は、前述のインターフェース基板から出力される信号に基づいて液晶パネル441R、441G、441Bを駆動制御する。そして、液晶パネル441R、441G、441Bは、光変調を実施して光学像が形成される。また、この制御基板5は、前述の操作パネル14の回路基板、および前述の図示しないリモコン受光モジュールから出力される操作信号を入力し、この操作信号に基づいてプロジェクタ1の構成部材に適宜、制御指令を出力する。
また、この制御基板5の上方には、図6に示すように、アルミニウムから構成される板状の第1シールド板51が取り付けられている。そして、この第1シールド板51は、制御基板5に実装される回路素子から放射される電磁波を遮蔽するとともに、外部からの電磁波も遮蔽し、雑音障害を回避している。なお、第1シールド板51としては、アルミニウムに限らず、その他の金属で構成してもよく、また、合成樹脂等で構成し、その表面にめっき処理、または、金属蒸着処理、金属箔の貼り付け等を施したものを採用してもよい。
【0046】
(2−3)電源ユニット6の構造
図10は、電源ユニット6の構造を示す図である。具体的に、図10は、電源ユニット6を下方側から見た図である。
電源ユニット6は、光源装置411および制御基板5等に電力を供給する。この電源ユニット6は、図6または図7に示すように、外装ケース2の背面に沿って配置される電源ブロック61と、外装ケース2の一方の側面に沿って配置される光源駆動ブロック62とを備え、ライトガイド45の光源収納部451Aを囲うように平面視L字状に形成されている。
電源ブロック61は、インレットコネクタ33に接続された電源ケーブルを通して外部から供給された電力を光源駆動ブロック62および制御基板5等に供給する。この電源ブロック61は、図10に示すように、入力される交流を低電圧の直流に変換するトランスや該トランスからの出力を所定の電圧に変換する変換回路等が片面に実装された回路基板611と、この回路基板611を覆うシールド部材としての筒状部材612とを備える。このうち、筒状部材612は、アルミニウムから構成され、両端が開口された略箱状に形成されている。また、この筒状部材612において、光源収納部451Aと対向しない端面には、複数の孔612Aが形成され、光源収納部451Aの後方側端面に形成されたスリット状の開口部451A2(図7)と対向する部分は、孔等のない連続した面が形成されている。
そして、この電源ブロック61は、回路基板611に実装される回路素子の発熱により、プロジェクタ1外部の温度に比して+20℃程度に熱せられる。
【0047】
光源駆動ブロック62は、光源装置411に安定した電圧で電力を供給する。この光源駆動ブロック62は、図10に示すように、電源ブロック61から供給される電力を所定の電力に変圧するトランスや、電力蓄積用のコンデンサ、抵抗等が実装された回路基板621と、この回路基板621を覆うシールド部材としての筒状部材622とを備える。このうち、筒状部材622は、電源ブロック61の筒状部材612と同様に、アルミニウムから構成され、両端が開口された略箱状に形成されている。また、この筒状部材622において、光源収納部451Aと対向しない端面には、筒状部材612と同様に、複数の孔622Aが形成され、光源収納部451Aと対向する部分は、孔等のない連続した面が形成されている。
そして、この光源駆動ブロック62は、回路基板621に実装される回路素子の発熱により、プロジェクタ1外部の温度に比して+40℃程度に熱せられる。すなわち、この光源駆動ブロック62は、電源ブロック61に比して高い発熱量を有している。
【0048】
また、これら電源ブロック61および光源駆動ブロック62の上端部分には、図6に示すように、アルミニウムから構成される板状のシールド部材としての第2シールド板63が取り付けられている。そして、この第2シールド板63は、ライトガイド45の光源収納部451Aの上方を覆い、冷却ユニット7の後述する排気ユニット74側に延びるように設置されている。
なお、筒状部材612、筒状部材622、および第2シールド板63としては、アルミニウムに限らず、その他の金属で構成してもよく、また、合成樹脂等で構成し、その表面にめっき処理、または、金属蒸着処理、金属箔の貼り付け等を施したものを採用してもよい。
【0049】
(2−4)冷却ユニット7の構造
図11、図12は、冷却ユニット7の構造を説明する図である。具体的に、図11は、プロジェクタ1の本体部分を下方から見た図であり、図12は、本体部分を上方から見た図である。
冷却ユニット7は、プロジェクタ1内部の発熱部材を冷却する。この冷却ユニット7は、図7、図11、図12に示すように、プロジェクタ1内部に外部の冷却空気を導入する冷却装置71と、この冷却装置71から吐出される冷却空気を所定位置に導く吸気側ダクト72と、電源ユニット6に冷却空気を流通させる遠心力ファンとしてのシロッコファン73と、プロジェクタ1内部で温められた空気を外部に排出する排気ユニット74とを備える。
【0050】
冷却装置71は、シロッコファン711を備えて構成され、外装ケース2の底面部12Aに形成された吸気口23(図2)に応じた位置に配置される。シロッコファン711の筐体711Aには、図9に示すように、吸入口711Bおよび吐出口711Cが形成されており、冷却空気を吸入する吸入口711Bは、吸気口23に対向し、吸入した冷却空気を吐出する吐出口711Cは、光学ユニット4の下方側に向いている。なお、冷却装置71の構造については、後に詳述する。
【0051】
吸気側ダクト72は、図11に示すように、光学ユニット4の下方に配置され、冷却空気の図示しない導入口が冷却装置71のシロッコファン711の吐出口711C(図9)と接続する。そして、この吸気側ダクト72は、冷却空気を導出する4つの図示しない導出口を有し、これら導出口は、ライトガイド45の底面に形成された開口部451B2、451B3(図9)と接続する。
【0052】
シロッコファン73は、図7、図11、図12に示すように、電源ユニット6の電源ブロック61および光源駆動ブロック62の間、すなわち、電源ユニット6のL字形状の角隅部分に配置され、冷却空気を吸入する図示しない吸入口が電源ブロック61に対向し、吸入した冷却空気を吐出する図示しない吐出口が光源駆動ブロック62に対向する。
【0053】
排気ユニット74は、図7、図11、図12に示すように、ライトガイド45の光源収納部451Aの前方側端面から外装ケース2の前面にかけて延びるように配置されている。この排気ユニット74は、軸流排気ファン741と、プロジェクタ1内部の空気を軸流排気ファン741の吸入口に導く排気側第1ダクト742と、軸流排気ファン741から吐出される空気を外装ケース2の排気口17まで導く排気側第2ダクト743とが一体化したユニットである。このうち、排気側第2ダクト743の導出口743Aには、上下方向に延び、前方側が投写レンズ3から離間する方向に傾斜する複数の羽根部材743A2を有する整流用ルーバ743A1が設けられている。
【0054】
(3)冷却構造
次に、この冷却ユニット7によるプロジェクタ1内部の冷却構造を説明する。
図13、14は、プロジェクタ1内部に形成される冷却流路を示す図である。
プロジェクタ1内部には、前述の冷却ユニット7により、図13、14に示すように、液晶パネル441R、441G、441Bおよび電源ユニット6を主に冷却するパネル・電源冷却流路Aと、偏光変換素子414を主に冷却する偏光変換素子冷却流路Bと、光源装置411を主に冷却する光源冷却流路Cとが形成される。
パネル・電源冷却流路Aは、冷却空気がプロジェクタ1内を以下に示すように流通することで形成される。
すなわち、外部の冷却空気は、図13に示すように、冷却装置71のシロッコファン711により外装ケース2の底面部12Aに形成された吸気口23(図2)から吸入され、吸気側ダクト72に吐出される。そして、冷却空気は、吸気側ダクト72に導かれてライトガイド45の底面部分に形成された開口部451B2(図9)からライトガイド45内部へと導入される。
【0055】
ライトガイド45内部に導入された冷却空気は、液晶パネル441R、441G、441B、入射側偏光板442、視野角補正板443、および射出側偏光板444を冷却しながら、光学装置44の下方から上方に向けて流れ、図14に示すように、ライトガイド45の外部へと流出する。そして、ライトガイド45の外部に流出した空気は、シロッコファン73により引き寄せられ、制御基板5(図6)を冷却しつつ該制御基板5に沿って流れ、電源ブロック61の内部に導入される。
電源ブロック61内部に導入された空気は、内部の回路基板611に実装された回路素子を冷却しつつ筒状部材612に沿って流れ、シロッコファン73に吸入され、光源駆動ブロック62の内部側へと吐出される。この光源駆動ブロック62内部に吐出された空気は、排気ユニット74の軸流排気ファン741により引き寄せられ、回路基板621(図10)に実装された回路素子を冷却しつつ筒状部材622に沿って流れ、排気ユニット74に吸入される。そして、図13に示すように、排気ユニット74の整流用ルーバ743A1により投写方向から離間する方向に整流され、外装ケース2の排気口17から排出される。
【0056】
偏光変換素子冷却流路Bは、冷却空気がプロジェクタ1内を以下に示すように流通することで形成される。
すなわち、外部の冷却空気は、図13に示すように、冷却装置71のシロッコファン711により外装ケース2の底面部12Aに形成された吸気口23(図2)から吸入され、吸気側ダクト72に吐出される。そして、冷却空気は、吸気側ダクト72に導かれてライトガイド45の底面部分に形成された開口部451B3(図9)からライトガイド45内部へと導入される。そして、ライトガイド45内部に導入された冷却空気は、偏光変換素子414を冷却し、図14に示すように、上ライトガイド452に形成された開口部452Aからライトガイド45外部に流出する。
【0057】
光源冷却流路Cは、冷却空気がプロジェクタ1内を以下に示すように流通することで形成される。
すなわち、パネル・電源冷却流路Aを流れる冷却空気の一部および偏光変換素子冷却流路Bを流れる冷却空気が、図14に示すように、排気ユニット74により引き寄せられ、電源ブロック61とライトガイド45の光源収納部451Aとの間に入り込み、光源収納部451Aの後方側端面に形成された開口部451A2(図7)から該光源収納部451A内に導入される。そして、光源収納部451A内に導入された空気は、光源装置411を冷却し、光源収納部451Aの前方側端面に形成された図示しない開口部を介して排気ユニット74により吸入される。そしてまた、排気ユニット74により吸入された空気は、整流用ルーバ743A1により投写方向から離間する方向に整流され、外装ケース2の排気口17から排出される。
【0058】
(4)冷却装置71の構造
図15には、冷却装置71の構造を示す図が示されている。
冷却装置71は、前述のように、外装筐体であるロアーケース12の吸気口23内面に取り付けられ、外部から冷却空気をプロジェクタ1内部に導入するものである。この冷却装置71は、図15に示すように、シロッコファン711と、防振部材としてのクッション712と、吸音部材713と、遮音部材の上壁部としてのカバー714とを備えている。また、吸気口23の周囲には、ロアーケース12の内部底面から立設される遮音部材の側壁部としての遮音壁37が形成されている。
【0059】
シロッコファン711は、前述のように、筐体711Aを備え、この筐体711Aには、吸入口711B(図9)と、吐出口711Cとが形成されている。
筐体711Aは、図示を略したが、回転駆動源であるファンモータと、このファンモータの回転軸に軸支される羽根部材であるファンブレードとを備えるファン本体を、内部に収納する合成樹脂製のファンケースである。
この筐体711Aの底面には、ファン本体により吸入される冷却空気の吸入口711B(図9)が形成されており、この吸入口711Bは、ロアーケース12に形成された吸気口23に対向される。
さらに、筐体711Aの側面には、ファン本体により吸入口711Bから吸入した空気が送風される吐出口711Cが形成されており、この吐出口711Cは、前述の吸気側ダクト72(図11)に接続される。これにより、プロジェクタ1外部の空気は、吸入口711Bを介して、吸気口23からシロッコファン711により吸入された後、吐出口711Cから送風されて、吸気側ダクト72を介してライトガイド45(図9)内を流通する。
【0060】
クッション712は、シロッコファン711と吸気口23との間に介在配置される防振部材であり、シロッコファン711の吸入口711Bが形成された筐体711A底面の外形に沿って、複数の角棒状部材を連結させて平面視略円形状に形成されている。このクッション712は、シロッコファン711の筐体711Aにおける吸入口711Bの外縁部分に取り付けられ、また、ロアーケース12に形成された吸気口23の外縁部23Cを囲むように取り付けられる。このため、クッション712は、吸気口23とシロッコファン711とを連結するダクトとしても作用し、吸気口23から吸入される外部空気は、クッション712の介在によって漏れがないようにシロッコファン711に取り込まれる。なお、クッション712の材質としては、表1に示されるものを挙げることができる。
【0061】
【表1】
【0062】
表1に示されるクッション712の素材のうち、ゴムスポンジを採用した場合、材料厚みに示されるように、ゴムスポンジの厚みは適宜変更できるので、シロッコファン711の設置における高さおよびクッション712による防振の程度を、容易に変更することができる。また、ウレタンフォームまたはシリコンフォームを採用した場合、圧縮永久歪み率に示されるように、圧縮時の変形が大きくないので、形態安定を図ることができ、これにより、経年時の防振効果の低下を防ぐことができる。さらに、シリコンフォームの場合、燃焼性で示すように、難燃性であり、かつ、自己消化性を有しているので、熱に強いクッション712を形成することができる。なお、引張強度において、上段に示した数値(kPa )は、下段に示した括弧内の数値(kgf/cm2 )を単位換算した値であり、同様に、25%圧縮荷重において、上段に示した数値(kPa)は、下段に示した括弧内の数値(gf/cm2 )を単位換算した値である。
【0063】
吸音部材713は、シロッコファン711の上面、すなわち、シロッコファン711の筐体711Aにおける吸気口23に対向する面とは反対側の面の略全面に渡って取り付けられる板状部材であり、カバー714およびシロッコファン711の間に介在配置される。この吸音部材713は、シロッコファン711の図示しないファンモータによる回転軸の回転によって発生する回転音等の音を吸収する。なお、吸音部材713の素材としては、前述の表1に示した素材を適宜選択して用いることができる。
【0064】
カバー714は、金属製の板体であり、前述したシロッコファン711、クッション712および吸音部材713を、ロアーケース12の内部底面に取り付けるとともに、遮音部材の上壁部となるものである。このカバー714には、カバー714端部から略垂下し、その下端が水平方向に延出した断面略Z字状の延出部714A、714Bが形成されている。この延出部714A、714Bには、それぞれ孔714A1、714B1が形成されており、遮音壁37の外側において、ロアーケース12の内部底面から立設され、上端に図示しないねじ溝が形成された突出部38、39に、孔714A1、714B1を介してねじ止めされる。なお、このカバー714の固定は、ねじ固定によらず、樹脂リベット等による固定でもよい。
【0065】
遮音壁37は、吸気口23の外縁部23Cの外側を囲むように、ロアーケース12の内部底面から立設されており、冷却装置71が吸気口23に設置される際に、シロッコファン711の図示しないファンブレードの回転軌跡を囲むように配置されている。この遮音壁37は、ロアーケース12と一体的に形成されており、遮音壁37の高さ寸法は、冷却装置71の高さ寸法と略同じとなるように構成されている。
【0066】
冷却装置71は、以上のような構成により、ロアーケース12に形成された吸気口23に設置される。すなわち、冷却装置71のシロッコファン711は、クッション712を介して吸気口23に設置されるので、シロッコファン711で発生する振動が、クッション712により吸収され、ロアーケース12に伝導されにくくなる。また、シロッコファン711の上面には、吸音部材713が設けられているので、シロッコファン711の回転音が漏れにくくなる。更に、遮音壁37およびカバー714によって、シロッコファン711の筐体711Aにおける吸入口711Bおよび吐出口711C以外の面が略覆われることとなり、シロッコファン711に起因する騒音が一層漏れにくくなる。
【0067】
なお、冷却装置71においては、吸音部材713の替わりに、クッション712を設ける構成としてもよい。すなわち、シロッコファン711の筐体711Aにおける上面および底面に、クッション712を設ける構成としてもよい。この場合、シロッコファン711の振動が、カバー714に対しても伝導されにくくなるので、吸気口23が形成されたロアーケース12に直接伝導されるのを防ぐとともに、カバー714を介してロアーケース12に振動が伝導されにくくなる。また、吸音部材713設けられる筐体711Aの上面を囲むようにクッション712が設けられた場合、シロッコファン711の筐体711A上面は、クッション712によって周囲が囲まれ、かつ、カバー714によって覆われることとなる。これにより、冷却装置71の防振がなされ、かつ、シロッコファン711の音が外部に漏出しにくくなる。
【0068】
(4)実施形態の効果
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(4−1) ロアーケース12には、外部空気を吸入する吸気口23が形成され、この吸気口23の内部には、冷却装置71が設けられている。この冷却装置71は、シロッコファン711と遮音部材の上壁部としてのカバー714とを備え、シロッコファン711を囲むように遮音部材の側壁部としての遮音壁37が設けられている。これによれば、シロッコファン711から発生する回転音等の騒音が外部に漏出するのを、カバー714および遮音壁37により防止することができる。従って、プロジェクタ1の静粛性を向上することができる。
【0069】
(4−2) シロッコファン711とロアーケース12の吸気口23との間には、防振部材であるクッション712が介在配置されている。これによれば、クッション712は、シロッコファン711の筐体711A内部に収納された図示しないファン本体から発生する振動を吸収して、ロアーケース12に振動が伝導されることを防ぐことができる。また、シロッコファン711の上部に対してもクッション712を設けた場合において、シロッコファン711において発生する振動が、カバー714を介してロアーケース12に伝導されることを防ぐことができる。従って、シロッコファン711の振動が伝導されてプロジェクタ1の構成部品同士が振動して騒音が発生することを防ぐことができる。
【0070】
(4−3) シロッコファン711とカバー714との間には、吸音部材713が取り付けられている。これによれば、吸音部材713により、シロッコファン711の回転軸の回転により発生する回転音を吸収することができる。従って、シロッコファン711の騒音が、プロジェクタ1外部に漏れることを防ぐことができるので、プロジェクタ1稼動時の静粛性を一層向上することができる。
【0071】
(4−4) 冷却装置71の遮音壁37は、ロアーケース12の内部底面から立設される遮音部材の側壁部として構成されている。これによれば、遮音壁37とロアーケース12との間に隙間を生じないので、冷却装置71から発生する騒音を、プロジェクタ1外部に一層漏れにくくすることができる。また、冷却装置71が遮音壁37に嵌め込まれるように設置されることとなるので、冷却装置71を安定して設置することができる。また、冷却装置71のシロッコファン711に遮音部材の側壁部を設ける必要がないので、冷却装置71およびプロジェクタ1の内部構造を簡素化することができる。
【0072】
(4−5) 冷却装置71は、カバー714の延出部714A、714Bの形成された孔714A1、714B1にねじが挿通されることにより、突出部38、39を介して、ロアーケース12の内部底面に設置される。これによれば、遮音壁37とあわせて、シロッコファン711の吸入口711Bおよび吐出口711C以外の面は、遮音部材である遮音壁37およびカバー714により覆われるので、シロッコファン711から発生する音を外部に漏れにくくすることができ、かつ、ロアーケース12に冷却装置71を確実に設置できる。また、カバー714による設置時に、クッション712および吸音部材713が圧縮されて、シロッコファン711および吸気口23に密着することとなるので、振動吸収効果および吸音効果を向上させることができる。また、金属製のカバー714として構成すれば、クッション712および吸音部材713を圧縮するようにしても、これら部材の反発力に抗する強度を確保することができる。
【0073】
(4−6) 冷却装置71を構成するファンには、シロッコファン711が用いられている。これによれば、冷却装置等に用いられるファンのうち、シロッコファンは静粛性に優れているので、プロジェクタ1の起動時の静粛性をさらに高めることができる。また、シロッコファンは、吸入した空気の吐出圧が高いので、確実に吸気側ダクト72に外部空気を送風し、プロジェクタ1の構成部品の冷却を確実に行うことができる。
【0074】
(5)実施形態の変形
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
前記実施形態では、冷却装置71にシロッコファンを用いたが、軸流ファンなど他の形状・構成のファンを用いてもよい。軸流ファンを用いた場合、シロッコファンの場合と同様に、吸入口の周囲にクッションを設け、送風口の周囲に吸音部材を設ける構成でもよい。また、軸流ファンの筐体において、水平方向の周囲を吸音部材で覆うような構成としてもよい。このような場合、吸気側ダクト72の形状を変更することで、冷却流路は確保される。
【0075】
前記実施形態では、クッション712および吸音部材713の素材として、ゴムスポンジ、ウレタンフォームおよびシリコンフォームを挙げ、これらの物性を表1に示したが、本発明は、表1で示した以外の物性でもよい。また、素材についても、表1で挙げたものだけでなく、他の素材、例えば、ポリエステルやゴムであってもよい。
【0076】
前記実施形態では、冷却装置71は、ロアーケース12の底面に形成された吸気口23に設置されるとしたが、これに限らず、上方または側方に対して開口した吸気口に冷却装置71を設置する構成でもよい。なお、ロアーケース12の底面に形成された吸気口に冷却装置を設置する構成であれば、クッション712が吸気口の外縁およびシロッコファン711とより密着することとなるので、クッション712による防振効果を向上することができる。
【0077】
前記実施形態では、カバー714は、金属製としたが、合成樹脂製としてもよい。すなわち、シロッコファン711からの騒音の漏出を防ぎ、冷却装置71をロアーケース12の底面に取り付けられる強度を有するものであれば、材質は問わない。なお、金属製とすれば、合成樹脂等と比べ、損傷しにくく、経年安定性を保持したカバーを形成することができる。
【0078】
前記実施形態では、3つの光変調装置を用いたプロジェクタ1の例のみを挙げたが、1つの光変調装置のみを用いたプロジェクタ、2つの光変調装置を用いたプロジェクタ、あるいは、4つ以上の光変調装置を用いたプロジェクタにも適用可能である。
また、光変調装置として液晶パネル441を用いたが、マイクロミラーを用いたデバイスなど、液晶以外の光変調装置を用いてもよい。
さらに、前記実施形態では、光入射面と光射出面とが異なる透過型の光変調装置を用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の光変調装置を用いてもよい。
前記実施形態では、スクリーンを観察する方向から投写を行なうフロントタイプのプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投写を行なうリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
【0079】
前記実施形態では、電子機器としてプロジェクタを用いたが、例えば、パーソナルコンピュータやプリンタの外装筐体に設けられる冷却装置に、本発明を採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るプロジェクタを上方前面側から見た斜視図。
【図2】前記実施形態におけるプロジェクタを下方前面側から見た斜視図。
【図3】前記実施形態におけるプロジェクタを上方背面側から見た斜視図。
【図4】前記実施形態におけるリアケースを上方から見た平面図。
【図5】前記実施形態におけるリアケースにおけるリモートコントローラの設置位置を示す図。
【図6】前記実施形態におけるプロジェクタの内部構造を示す図。
【図7】前記実施形態におけるプロジェクタの内部構造を示す図。
【図8】前記実施形態における光学ユニットの光学系を模式的に示す図。
【図9】前記実施形態におけるライトガイドの構造を示す図。
【図10】前記実施形態における電源ユニットの構造を示す図。
【図11】前記実施形態における冷却ユニットの構造を説明する図。
【図12】前記実施形態における冷却ユニットの構造を説明する図。
【図13】前記実施形態における冷却装置の構造を説明する図。
【図14】前記実施形態におけるプロジェクタ内部に形成される冷却流路を示す図。
【図15】前記実施形態における冷却装置の構造を示す図。
【符号の説明】
1・・・プロジェクタ(電子機器)、2・・・外装ケース(外装筐体)、37・・・遮音壁(遮音部材、側壁部)、71・・・冷却装置、416・・・光源ランプ(光源)、441・・・液晶パネル(光変調装置)、711・・・シロッコファン(ファン)、711A・・・筐体、712・・・クッション(防振部材)、713・・・吸音部材、714・・・カバー(遮音部材、上壁部)。
Claims (6)
- 回転駆動源の回転軸に軸支される羽根部材を有するファン本体、およびこのファン本体を収納する筐体を有するファンを備え、電子機器を構成する外装筐体内部に配置され、該電子機器内部を冷却する冷却装置であって、
前記ファンを囲むように設けられ、前記ファンの回転音の外部への漏出を防止する遮音部材を備えていることを特徴とする冷却装置。 - 請求項1に記載の冷却装置において、
当該冷却装置は、前記外装筐体内面に設置され、
この外装筐体内面と前記ファンの間に介在配置され、前記ファンの振動を吸収する防振部材を備えていることを特徴とする冷却装置。 - 請求項1または請求項2に記載の冷却装置において、
前記遮音部材は、前記羽根部材の回転軌跡を囲むように配置される側壁部と、前記ファンの吸気面とは反対側の面を覆う上壁部とを備え、
この上壁部および前記ファンの間に介在配置される吸音部材を備えていることを特徴とする冷却装置。 - 光源と、この光源から射出された光束を、画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置と、形成された光学像を拡大投写する投写光学系と、これらを内部に収納する外装筐体とを備えたプロジェクタであって、
請求項1から請求項3のいずれかに記載の冷却装置を備えたことを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項4に記載のプロジェクタにおいて、
前記遮音部材は、前記羽根部材の回転軌跡を囲むように配置される側壁部と、前記ファンの吸気面とは反対側の面を覆う上壁部とを備え、
前記側壁部は、前記外装筐体内面から立設された壁として構成されることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項5に記載のプロジェクタにおいて、
前記遮音部材の上壁部は、前記ファンを覆い、該ファンを前記外装筐体内部に取り付けるカバーとして構成されることを特徴とするプロジェクタ。
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