JP2005001919A - 板ガラスの曲げ成形方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】板ガラスを強化した際に、板ガラスに透視歪、反射歪などが発生することを防ぐことができる板ガラスの曲げ成形方法を提供する。
【解決手段】板ガラスの曲げ成形方法は、加熱炉11内で板ガラス12を所定温度まで加熱した後、加熱炉11から搬出する工程と、搬出した板ガラス12を搬送ローラ13・・・で曲げ成形部14まで搬送する際に、この搬送ローラ13・・・を第1加熱手段15で加熱することにより搬送ローラ13・・・で板ガラス12を加熱する工程と、加熱した板ガラス12を曲げ成形部14で曲げ成形するとともに、板ガラス12を第2加熱手段17で直接加熱する工程とから構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】板ガラスの曲げ成形方法は、加熱炉11内で板ガラス12を所定温度まで加熱した後、加熱炉11から搬出する工程と、搬出した板ガラス12を搬送ローラ13・・・で曲げ成形部14まで搬送する際に、この搬送ローラ13・・・を第1加熱手段15で加熱することにより搬送ローラ13・・・で板ガラス12を加熱する工程と、加熱した板ガラス12を曲げ成形部14で曲げ成形するとともに、板ガラス12を第2加熱手段17で直接加熱する工程とから構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、板ガラスの曲げ成形方法に関し、特に加熱炉内で板ガラスを加熱した後、搬送ローラで曲げ成形部まで搬送し、この板ガラスを曲げ成形部で曲げ成形した後、冷却することにより強化する板ガラスの曲げ成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
板ガラスの曲げ成形方法として、板ガラスを加熱炉で加熱した後、加熱した板ガラスを加熱炉から搬出し、搬出した板ガラスを曲げ成形する方法が知られている。
この板ガラスの曲げ成形方法によれば、まず加熱炉内の搬送ローラで板ガラスを搬送しながら成形温度域まで加熱する。板ガラスを成形温度域まで加熱した後、加熱炉から板ガラスを搬出する。
【0003】
搬出した板ガラスを外部搬送ロールで曲げ成形部まで搬送する。曲げ成形部の上側成形型に板ガラスを吸着させた後、外部搬送リングで冷却部まで搬送し、冷却部で急冷することにより曲げ強化ガラスを得る。
このように加熱炉の外で板ガラスを曲げ成形する方法は、上・下の成形型の交換や、上・下の成形型の調整を簡単におこなうことができるので、稼働率を上げることができる。
【0004】
しかし、曲げ成形部を加熱炉の外部に備えると、加熱炉から搬出した板ガラスが曲げ成形部に到達するまでに、板ガラスの温度が低下してしまう。
このため、曲げ成形部で曲げ成形した板ガラスの表面を、曲げ成形部の下流側で急冷しても、板ガラスの表面層と板ガラスの中心層とに強化に最低限必要な温度差をつけることが難しい。
【0005】
板ガラスの表面層と、板ガラスの中心層とに強化に最低限必要な温度差をつけることができない場合、板ガラス101を好適に強化することができないことが考えられる。
特に、板ガラスが薄板(一例として、板厚2.5mm、2.8mm)になると、その傾向が顕著になる。
【0006】
この対策として、板ガラスを加熱炉内で加熱する際に、通常の成形温度域より高くまで加熱する方法が知られている。
しかし、加熱炉内において、板ガラスを通常の成形温度域より高くまで加熱すると、曲げガラスを成形した際に、曲げガラスに透視歪、反射歪などが許容範囲を超えて発生する虞がある。
【0007】
この透視歪や反射歪の発生を許容範囲内に抑える方法として、加熱炉内での板ガラスの加熱温度を通常の成形温度域に抑え、加熱炉から搬出した板ガラスをヒータで加熱する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−213631号公報(第3頁、図1)
【0009】
以上の特許文献1について次図を参照の上、詳しく説明する。
図8は従来の加熱手段を備えた強化ガラス製造装置の側面図である。なお、符号を振り直した。
板ガラス100を加熱炉101内の炉内搬送ローラ102・・・で矢印aの如く搬送しながら、板ガラス100を通常の成形温度域まで加熱する。板ガラス100を通常の成形温度域までの加熱に抑えることで、加熱炉101内で板ガラス100が軟らかくなりすぎることを防ぐ。
これにより、加熱炉101内で板ガラス100に凹みなどが発生することを防止することができる。
【0010】
次に、板ガラス100を加熱炉101から搬出し、搬送ローラ104・・・で冷却部105まで搬送する間に、ヒータ106で板ガラス100の下面側を直接加熱する。
ヒータ106で加熱した板ガラス100を冷却部105に搬入し、エアノズル108・・・からエアを吹き出す。エアノズル108・・・から吹き出したエアを、板ガラス100の上下面に吹き付けて、板ガラス100の上下面を急冷することにより、板ガラス100を強化する。
【0011】
この特許文献1の技術を適用すれば、加熱炉101から板ガラス100を搬出した後、ヒータ106で板ガラス100の下面を直接加熱することにより、加熱炉101内における板ガラス100の加熱温度を通常の成形温度域に抑えることができる。
これにより、板ガラス100を強化した際に、透視歪、反射歪などの発生を許容範囲内に抑えることができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1の技術は、板厚が6〜10mmの厚い板ガラス100に適用することで、効果を上げることが可能であり、板厚が2.5mmや2.8mmの薄い板ガラス100に適用しても同様の効果を得ることは難しい。
【0013】
すなわち、板ガラス100を加熱炉101から搬出した後、板ガラス100を搬送ローラ104・・・で冷却部105まで搬送する際に、板ガラス100の熱が搬送ローラ104・・・に伝わる。
ここで、薄板の板ガラス100は体積が小さいので、多量の熱容量を蓄えることは難しい。このため、薄板の板ガラス100の熱が搬送ローラ104・・・に伝わると、薄板の板ガラス100の温度は急激に低下する。
したがって、加熱炉101から搬出した板ガラス100の下面をヒータ106で直接加熱しても、板ガラス100を所望の温度に保つことが難しく、冷却部105で板ガラス100を好適に強化できない虞がある。
【0014】
そこで、本発明の目的は、板ガラスを強化した際に、板ガラスに透視歪、反射歪などが発生することを防ぐことができる板ガラスの曲げ成形方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、加熱炉内で板ガラスを所定温度まで加熱した後、加熱炉から搬出する工程と、搬出した板ガラスを搬送ローラで曲げ成形部まで搬送する際に、この搬送ローラを加熱手段で加熱することにより搬送ローラで板ガラスを加熱する工程と、加熱した板ガラスを曲げ成形部で曲げ成形する工程とから板ガラスの曲げ成形方法を構成する。
【0016】
板ガラスを加熱炉から搬出した後、搬出した板ガラスを搬送ローラで曲げ成形部まで搬送する際に、搬送ローラを加熱手段で加熱し、加熱した搬送ローラで板ガラスを加熱する。
搬送ローラを加熱することで、板ガラスの熱が搬送ローラに伝わることを防ぐ。
加えて、搬送ローラを加熱することで、搬送ローラの熱を板ガラスに伝える。
このように、板ガラスの熱を逃がさないようにして、搬送ローラから板ガラスに熱を伝えることができるので、板ガラスを所望の温度に保つことができる。
【0017】
請求項2は、加熱炉内で板ガラスを所定温度まで加熱した後、加熱炉から搬出する工程と、搬出した板ガラスを搬送ローラで曲げ成形部まで搬送する際に、この搬送ローラを加熱手段で加熱することにより搬送ローラで板ガラスを加熱するとともに、板ガラスから熱が逃げることを断熱部で防止する工程と、加熱した板ガラスを曲げ成形部で曲げ成形する工程と、から板ガラスの曲げ成形方法を構成する。
【0018】
板ガラスを加熱炉から搬出した後、搬出した板ガラスを搬送ローラで曲げ成形部まで搬送する際に、搬送ローラを加熱手段で加熱し、加熱した搬送ローラで板ガラスを加熱する。
加えて、搬出した板ガラスを搬送ローラで曲げ成形部まで搬送する際に、板ガラスから熱が逃げることを断熱部で防止する。
【0019】
よって、搬送ローラを加熱することで、板ガラスの熱が搬送ローラに伝わることを防ぐとともに、搬送ローラを加熱することで、搬送ローラの熱を板ガラスに伝える。加えて、断熱部で板ガラスから熱が逃げることを防止する。
このように、板ガラスの熱を逃がさないようにして、搬送ローラから板ガラスに熱を伝えることができるので、板ガラスを所望の温度に保つことができる。
【0020】
請求項3は、加熱炉内で板ガラスを所定温度まで加熱した後、加熱炉から搬出する工程と、搬出した板ガラスを搬送ローラで曲げ成形部まで搬送する際に、この搬送ローラを第1加熱手段で加熱することにより搬送ローラで板ガラスを加熱する工程と、加熱した板ガラスを曲げ成形部で曲げ成形するとともに、板ガラスを第2加熱手段で直接加熱する工程と、から板ガラスの曲げ成形方法を構成する。
【0021】
板ガラスを加熱炉から搬出した後、搬出した板ガラスを搬送ローラで曲げ成形部まで搬送する際に、搬送ローラを第1加熱手段で加熱し、加熱した搬送ローラで板ガラスを加熱する。
搬送ローラを加熱することで、板ガラスの熱が搬送ローラに伝わることを防ぐとともに、搬送ローラを加熱することで、搬送ローラの熱を板ガラスに伝える。
加えて、板ガラスを曲げ成形する際に、板ガラスを第2加熱手段で直接加熱する。
【0022】
このように、板ガラスを曲げ成形部に搬送する際に、板ガラスの熱を逃がさないようにして、搬送ローラから板ガラスに熱を伝えることで板ガラスを所望の温度に保ち、かつ板ガラスを曲げ成形する際に、板ガラスを第2加熱手段で直接加熱することで、板ガラスをより一層好適に所望の温度に保つことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る板ガラスの曲げ成形装置(第1実施の形態)を示す側面図である。
板ガラスの曲げ成形装置10は、加熱炉11内で板ガラス12を成形温度域まで加熱した後、加熱炉11から搬出し、搬出した板ガラス12を複数個の搬送ローラ13・・・で曲げ成形部14まで搬送する際に、搬送ローラ13・・・を第1加熱手段(加熱手段)15で加熱し、加熱した板ガラス12を曲げ成形部14で曲げ成形するとともに、板ガラス12を第2加熱手段17で直接加熱するように構成したものである。
【0024】
加熱炉11は、炉内に複数の炉内搬送ローラ21・・・を水平に備え、炉内搬送ローラ21・・・で板ガラス12を矢印方向に搬送する際に、板ガラス12を通常の成形温度域まで加熱する加熱手段(図示せず)を炉内に備える。
加熱炉11内の板ガラス12の搬送速度は、一例として50〜120mm/sである。
板ガラス12は、一例として板厚tが2.5mmや2.8mmの薄板ガラスである。
【0025】
搬送ローラ13は、加熱炉11と曲げ成形部14との間に複数個配置し、一例として板ガラス12を500〜1200mm/sの搬送速度で搬送するローラである。
【0026】
第1加熱手段15は、複数の搬送ローラ13・・・の下方に、それぞれ第1加熱部22・・・を備える。第1加熱部22としては、一例として、ガスバーナ、電気ヒータ、ホットエアタイプ吐出ヒータなどが該当する。
本実施の形態においては、第1加熱部22をホットエアタイプ吐出ヒータとして説明する。
なお、第1加熱手段15の第1加熱部22は、図2(a),(b)で詳しく説明する。
【0027】
曲げ成形部14は、枠体24の天井25に上側昇降シリンダ26および上側昇降ガイド27・・・を介して上型28を昇降自在に備え、この上型28の下方に、下側昇降シリンダ31、下側昇降ガイド32・・・を介して下型33を所定の高さに配置し、下型33と上型28との間に成形部搬送ローラ34・・・を昇降自在に設けたものである。
【0028】
第2加熱手段17は、下型33の周縁33aの内側に複数個(一例として、3個)の第2加熱部36・・・を備え、第2加熱部36・・・を、成形部搬送ローラ34と成形部搬送ローラ34との間に配置することで、板ガラス12を直接加熱するものである。
第2加熱部36としては、一例として、ガスバーナ、電気ヒータ、ホットエアタイプ吐出ヒータなどが該当する。
なお、本実施の形態においては、第2加熱部36を電気ヒータとして説明する。
【0029】
曲げ成形部14の下流側には、成形型搬送リング38を備え、成形型搬送リング38で曲げ成形した曲げガラスを冷却部まで搬送する。
【0030】
図2(a),(b)は第1実施の形態の第1加熱部を示す斜視図であり、(a)は第1加熱部22の代表例を示し、(b)は第1加熱部22の変形例を示す。
(a)に示す第1加熱部22は、中空状の筒体41の両端42,42を塞ぎ、一端42側に供給口43を設け、この筒体41の上側面41aに一定間隔をおいて複数個のノズル44・・・を上向きに備える。
この第1加熱部22は、搬送ローラ13(図1参照)の下方で、かつ搬送ローラ13の軸線方向に沿って筒体41を配置し、ノズル44・・・を搬送ローラ13に向けたものである。
【0031】
第1加熱部22によれば、ホットエア供給手段(図示せず)から供給口43にホットエアを矢印の如く供給して、供給口43から筒体41内にホットエアを導き、導いたホットエアをそれぞれのノズル44・・・から上方に向けて吹き出す。
それぞれのノズル44・・・から吹き出したホットエアを、搬送ローラ13(図1参照)の下側面に吹き付けて搬送ローラ13を加熱する。
【0032】
(b)に第1加熱部22の変形例を示す。変形例の第1加熱部45は、中空状の矩形筒体46の両端47,47を塞ぎ、一端47側に供給口48を設け、この矩形筒体46の上側面46aにスリット状のノズル49を上向きに備える。
この第1加熱部45は、搬送ローラ13(図1参照)の下方で、かつ搬送ローラ13の軸線方向に沿って矩形筒体46を配置し、スリット状のノズル49を搬送ローラ13に向けたものである。
【0033】
第1加熱部45によれば、ホットエア供給手段(図示せず)から供給口48にホットエアを矢印の如く供給して、供給口48から矩形筒体46内にホットエアを導き、導いたホットエアをスリット状のノズル49から上方に向けて吹き出す。
そして、スリット状のノズル49から吹き出したホットエアを、搬送ローラ13(図1参照)の下側面に吹き付けて搬送ローラ13を加熱する。
なお、本実施の形態においては、第1加熱部22を例に説明する。
【0034】
次に、本発明に係る板ガラスの曲げ成形方法を図3〜図5に基づいて説明する。
図3(a),(b)は本発明に係る板ガラスの曲げ成形方法(第1実施の形態)を示す第1説明図である。
(a)において、加熱炉11内の炉内搬送ローラ21・・・で板ガラス12を矢印▲1▼の如く搬送するとともに、板ガラス12を通常の成形温度域まで加熱する。
ここで、加熱炉11内の加熱に合わせて、第1加熱部22・・・のノズル44・・・からホットエアを矢印▲2▼の如く吹き出す。
【0035】
(b)において、第1加熱部22・・・のノズル44・・・からホットエアを矢印▲2▼の如く吹き出してホットエアを搬送ローラ13・・・に吹き付ける。ホットエアを搬送ローラ13・・・に吹き付けることにより、搬送ローラ13・・・を所定温度まで加熱する。
加熱した搬送ローラ13・・・は、矢印▲3▼の如く回転した状態を維持する。
この状態で、加熱炉11((a)参照)の出口11aから板ガラス12を搬出し、搬出した板ガラス12を、搬送ローラ13・・・で矢印▲1▼の如く搬送する。
【0036】
板ガラス12を搬送ローラ13・・・で搬送する際に、加熱した搬送ローラ13・・・から矢印▲4▼の如く板ガラス12に熱を伝えて板ガラス12を加熱する。
このように、搬送ローラ13・・・を加熱することで、板ガラス12の熱を搬送ローラ13・・・から逃がさないようにし、かつ搬送ローラ13・・・の熱を板ガラス12に伝えることで、板ガラス12を所望の温度に保つことができる。
【0037】
図4(a),(b)は本発明に係る板ガラスの曲げ成形方法(第1実施の形態)を示す第2説明図である。
(a)において、板ガラス12を所望の温度に保った状態で、曲げ成形部14の成形部搬送ローラ34・・・まで搬送する。
成形部搬送ローラ34・・・に板ガラス12が到達した際に、成形部搬送ローラ34・・・が矢印▲5▼の如く下降する。
成形部搬送ローラ34・・・が下型33の収納凹部33b・・・内まで下降し、板ガラス12の周縁12aを下型33の周縁33aに載せる。
次に、上側昇降シリンダ26で上型28を矢印▲6▼の如く下降する。
【0038】
(b)において、上型28を下降することにより、上型28のプレス面28aを板ガラス12の上面に当接する。
板ガラス12を上型28のプレス面28aに倣わせて変形するとともに、プレス面28aの吸引孔(図示せず)からエアを吸引して、プレス面28aに板ガラス12を吸着する。
【0039】
この際に、第2加熱部36の加熱面(すなわち、上面)から板ガラス12の下面までの距離を20〜50mmの範囲に設定する。
この距離が20mmより小さいと、板ガラス12が第2加熱部36に接触する虞がある。このため、第2加熱部36の加工精度や組付け精度を高める必要があり、設備費が嵩むことになる。
【0040】
一方、距離が50mmを超えると、板ガラス12と第2加熱部36との間の間隔が大きすぎて、板ガラス12を十分に加熱することが難しい。
そして、設備費を抑えるとともに、板ガラス12を十分に加熱することを可能にするために、距離を20〜50mmに設定した。
なお、距離は、板ガラス12の板厚などに合わせて適宜変更することが可能である。
【0041】
この第2加熱手段17の第2加熱部36・・・を加熱状態に保つことで、第2加熱部36・・・で板ガラス12を直接加熱する。
これにより、加熱した板ガラス12を曲げ成形部14で曲げ成形するとともに、板ガラス12を第2加熱手段17の第2加熱部36・・・で直接加熱することで、板ガラス12をより一層好適に所望の温度に保つことができる。
【0042】
板ガラス12を吸着した状態で、上型28を上側昇降シリンダ26で所定高さまで矢印▲7▼の如く上昇する。この間に、板ガラス12をプレス面28aで曲げ成形して曲げガラス18とする。
次に、図1に示す成形型搬送リング38を曲げガラス18の下方近傍まで移動する。上型28による曲げガラス18の吸着を解除して、曲げガラス18を成形型搬送リング38に載せる。
【0043】
図5は本発明に係る板ガラスの曲げ成形方法(第1実施の形態)を示す第3説明図である。
成形型搬送リング38で曲げガラス18を下流側の冷却部(図示せず)に向けて矢印▲8▼の如く搬送する。
冷却部において、曲げガラス18の表面を急冷することで、曲げガラス18の表面層と曲げガラス18の中心層とに、強化に必要な温度差をつけ、曲げガラス18を好適に強化することができる。
【0044】
以上説明したように、本発明に係る板ガラスの曲げ成形方法によれば、図3〜図5に示したように、加熱炉11から板ガラス12を搬出した後、搬出した板ガラス12を搬送ローラ13・・・で曲げ成形部14まで搬送する際に、搬送ローラ13・・・を第1加熱手段15で加熱し、加熱した搬送ローラ13・・・で板ガラス12を加熱する。
【0045】
搬送ローラ13・・・を加熱することで、板ガラス12の熱が搬送ローラ13・・・に伝わることを防ぐとともに、搬送ローラ13・・・の熱を板ガラス12に伝えることができる。
加えて、板ガラス12を曲げ成形する際に、板ガラス12を第2加熱手段17で直接加熱する。
【0046】
このように、板ガラス12を曲げ成形部14に搬送する際に、板ガラス12の熱を逃がさないようにして、搬送ローラ13・・・から板ガラス12に熱を伝えることで板ガラス12を所望の温度に保ち、かつ板ガラス12を曲げ成形する際に、板ガラス12を第2加熱手段17で直接加熱することで、板ガラス12をより一層好適に所望の温度に保つことができる。
【0047】
これにより、板ガラス12を加熱炉11内で通常の成形温度域より高くまで加熱しなくても、冷却の際に、板ガラス12の表面層と板ガラス12の中心層とに強化に必要な温度差をつけることができ、板ガラス12を好適に曲げ強化することができる。
加えて、板ガラス12を加熱炉11内で通常の成形温度域より高くまで加熱する必要がないので、曲げガラス18を強化した際に、曲げガラス18に透視歪、反射歪などの発生を許容範囲内に抑えることができる。
【0048】
ここで、曲げガラス18に透視歪、反射歪などの発生が許容範囲を超える理由について説明する。
すなわち、加熱炉11内の炉内搬送ローラ21・・・で板ガラス12を搬送する際に、板ガラス12の搬送速度は50〜120mm/sと比較的遅い。
このため、加熱炉11内で板ガラス12を成形温度域より高い温度まで加熱すると、板ガラス12が軟らかくなりすぎて、板ガラス12に炉内搬送ローラ21・・・対応する凹凸が発生する虞がある。
よって、板ガラス12の曲げ成形後に、曲げガラス18を強化した際に、強化した曲げガラス18の表面に凹凸が残り、透視歪、反射歪などが許容範囲を超えて発生する。
【0049】
これに対して、第1実施の形態においては、搬送ローラ13・・・で板ガラス12を搬送する際に、板ガラス12の搬送速度が500〜1200mm/sと比較的速いことに留意し、搬送ローラ13・・・で板ガラス12の搬送中に、第1加熱手段15で板ガラス12を加熱することにした。
これにより、板ガラス12を加熱した際に、板ガラス12には搬送ローラ13・・・に対応する凹凸が発生し難い。
【0050】
加えて、第2加熱手段17は、冷却工程直前の板ガラス12を曲げ成形する際に加熱するものである。よって、第2加熱手段17で板ガラス12を加熱した後、板ガラス12はすぐに冷却処理が施される。
このため、第2加熱手段17では、板ガラス12を成形温度域に保つ程度に加熱すればよいので、板ガラス12に凹凸が発生する虞はない。
したがって、第1実施の形態の板ガラスの曲げ成形方法によれば、曲げガラス18に透視歪、反射歪などが発生することを防いで、曲げガラスの光学的品質を高めることができる。
【0051】
次に、本発明に係る板ガラスの曲げ成形方法の第2〜第4実施の形態について説明する。なお、第2〜第4実施の形態において第1実施の形態と同一部材については同一符号を付して説明を省略する。
第2実施の形態
図6は本発明に係る板ガラスの曲げ成形装置(第2実施の形態)の要部を示す説明図である。
第2実施の形態の板ガラスの曲げ成形装置60は、搬送ローラ13・・・の上方に断熱部61を配置した点で第1実施の形態の板ガラスの曲げ成形装置10と異なるだけで、その他の構成は第1実施の形態と同じである。
【0052】
断熱部61は、断熱板62の下面に熱反射膜63を貼ったものであり、搬送ローラ13・・・のそれぞれのロール頂19・・・から上方に距離Sだけ離して配置したものである。
断熱板62は、一例としてステンレスやセラミックスを使用したものである。
熱反射膜63は、熱反射率の高い金属膜であり、例えばアルミが該当する。
【0053】
距離Sは、板ガラス12の板厚tが2.5mmや2.8mmの薄板ガラスである場合に、一例として5〜100mmの範囲に設定する。
距離Sが5mmより小さいと、板ガラス12が断熱部61に接触する虞がある。このため、断熱部61や搬送ローラ13・・・の加工精度や組付け精度を高める必要があり、設備費が嵩むことになる。
【0054】
一方、距離Sが100mmを超えると、板ガラス12と断熱部61との間の間隔が大きすぎて、板ガラス12に蓄えた熱が板ガラス12から逃げてしまう虞がある。
そして、設備費を抑えるとともに、板ガラス12から熱が逃げることを防ぐために、距離Sを5〜100mmに設定した。
なお、距離Sは、板ガラス12の板厚などに合わせて適宜変更することが可能である。
【0055】
次に、第2実施の形態の板ガラスの曲げ成形方法について説明する。
第1加熱部22・・・のノズル44・・・からホットエアを矢印▲2▼の如く吹き出してホットエアを搬送ローラ13・・・に吹き付ける。ホットエアを搬送ローラ13・・・に吹き付けることにより、搬送ローラ13・・・を所定温度まで加熱する。
加熱した搬送ローラ13・・・は、矢印▲3▼の如く回転した状態を維持する。
この状態で、加熱炉11(図3(a)参照)の出口11aから板ガラス12を搬出し、搬出した板ガラス12を、搬送ローラ13・・・で矢印▲1▼の如く搬送する。
【0056】
板ガラス12を搬送ローラ13・・・で搬送する際に、加熱した搬送ローラ13・・・から矢印▲4▼の如く板ガラス12に熱を伝えて板ガラス12を加熱する。
加えて、搬出した板ガラス12を搬送ローラ13・・・で曲げ成形部14(図1参照)まで搬送する際に、板ガラス12から熱が逃げることを断熱部61で防止する。
【0057】
具体的には、板ガラス12から上方に放射した熱を、熱反射膜63で矢印▲9▼の如く反射させる。これにより、板ガラス12から熱が逃げることを防止することができる。
このように、板ガラス12の熱を逃がさないようにして、搬送ローラ13・・・から板ガラス12に熱を伝えることができるので、板ガラス12を所望の温度に保つことができる。
【0058】
これにより、板ガラス12を加熱炉11内で通常の成形温度域より高くまで加熱しなくても、冷却の際に、板ガラス12の表面層と板ガラス12の中心層とに強化に必要な温度差をつけることができ、板ガラス12を好適に曲げ強化することができる。
加えて、板ガラス12を加熱炉11内で通常の成形温度域より高くまで加熱する必要がないので、曲げガラス18に透視歪、反射歪などが発生することを防ぐことができる。
したがって、第2実施の形態の板ガラスの曲げ成形においても第1実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0059】
第3実施の形態
第3実施の形態の板ガラスの曲げ成形装置は、第1実施の形態の板ガラスの曲げ成形装置10から第2加熱手段17(図1参照)を除いたものである。
この第3実施の形態の板ガラスの曲げ成形装置を使用した成形方法によれば、図3(a),(b)に示すように、板ガラス12を加熱炉11から搬出した後、搬出した板ガラス12を搬送ローラ13・・・で曲げ成形部14(図1参照)まで搬送する際に、搬送ローラ13・・・を第1加熱手段(加熱手段)15で加熱し、加熱した搬送ローラ13・・・で板ガラス12を加熱する。
【0060】
搬送ローラ13・・・を加熱することで、板ガラス12の熱が搬送ローラ13・・・に伝わることを防ぐことができる。
加えて、搬送ローラ13・・・を加熱することで、搬送ローラ13・・・の熱を板ガラス12に伝えることができる。
このように、板ガラス12の熱を逃がさないようにして、搬送ローラ13・・・から板ガラス12に熱を伝えることができるので、板ガラス12を所望の温度に保つことができる。
【0061】
これにより、板ガラス12を加熱炉11内で通常の成形温度域より高くまで加熱しなくても、冷却の際に、板ガラス12の表面層と板ガラス12の中心層とに強化に必要な温度差をつけることができ、板ガラス12を好適に曲げ強化することができる。
加えて、板ガラス12を加熱炉11内で通常の成形温度域より高くまで加熱する必要がないので、曲げガラス18(図1参照)に透視歪、反射歪などが発生することを防ぐことができる。
したがって、第3実施の形態の板ガラスの曲げ成形においても第1実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0062】
第4実施の形態
第4実施の形態の板ガラスの曲げ成形装置は、第1実施の形態の板ガラスの曲げ成形装置10から第1加熱手段15(図1参照)を除いたものである。
この第4実施の形態の板ガラスの曲げ成形装置を使用した成形方法によれば、図4(a),(b)に示すように、成形部搬送ローラ34・・・に板ガラス12が到達した際に、成形部搬送ローラ34・・・が矢印▲5▼の如く下降する。
成形部搬送ローラ34・・・が下型33の収納凹部33b・・・内まで下降し、板ガラス12の周縁12aを下型33の周縁33aに載せる。
次に、上側昇降シリンダ26で上型28を矢印▲6▼の如く下降する。
【0063】
(b)において、上型28を下降することにより、上型28のプレス面28aを板ガラス12の上面に当接する。
板ガラス12を上型28のプレス面28aに倣わせて変形するとともに、プレス面28aの吸引孔(図示せず)からエアを吸引して、プレス面28aに板ガラス12を吸着する。
【0064】
この際に、第2加熱部36の加熱面(すなわち、上面)から板ガラス12の下面までの距離を20〜50mmの範囲に設定する。この第2加熱手段17の第2加熱部36・・・を加熱状態に保つことで、第2加熱部36・・・で板ガラス12を直接加熱する。
これにより、加熱した板ガラス12を曲げ成形部14で曲げ成形するとともに、板ガラス12を第2加熱手段17の第2加熱部36・・・で直接加熱することで、板ガラス12をより一層好適に所望の温度に保つことができる。
したがって、第4実施の形態の板ガラスの曲げ成形においても第1実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0065】
次に、本発明に係る板ガラスの曲げ成形方法を実施した際の板ガラスの保温効果について図7(a)〜(c)に基づいて説明する。
図7(a)〜(c)は本発明に係る板ガラスの曲げ成形方法を実施した際の板ガラスの保温効果について説明した図であり、(a)は比較例、(b)は第1実施例、(c)は第2実施例を示す。
【0066】
(a)の比較例は、図1に示す第1実施の形態から第1、第2の加熱手段15,17を除去して、加熱手段71を備えたものである。
(b)の第1実施例は、図1に示す第1実施の形態から第2加熱手段17を除去したもの、すなわち第3実施の形態のものである。
(c)の第2実施例は、図6に示す第2実施の形態から第2加熱手段17を除去したものである。
なお、第3実施例は、図1に示す第1実施の形態のものである。
それぞれの保温効果を測定し、保温効果が5℃以上確保できるものを良とし、保温効果が5℃未満のものを不良とした。
【0067】
(a)に示す比較例において、加熱炉11の出口11a(図1参照)から板ガラス12を搬出し、搬出した板ガラス12を、搬送ローラ13・・・で矢印▲1▼の如く搬送する。
加熱手段71のノズル72・・・からホットエアを矢印の如く吹き出してホットエアを板ガラス12に直接吹き付ける。ホットエアを板ガラスに直接吹き付けることにより、板ガラス12を加熱する。
この際の保温効果は1〜2℃であり、保温効果が5℃未満なので評価は不良である。
【0068】
(b)に示す第1実施例において、加熱炉11の出口11a(図1参照)から板ガラス12を搬出し、搬出した板ガラス12を、搬送ローラ13・・・で矢印▲1▼の如く搬送する。
第1加熱手段15のノズル44・・・からホットエアを矢印の如く吹き出すことにより、ホットエアを搬送ローラ13・・・に吹き付けて搬送ローラ13・・・を加熱する。搬送ローラ13・・・の熱を矢印(破線で示す)如く板ガラス12に伝えて、板ガラス12を加熱する。
この際の保温効果は5〜6℃であり、保温効果が5℃以上確保できるので評価は良である。
【0069】
(c)に示す第2実施例において、加熱炉11の出口11a(図1参照)から板ガラス12を搬出し、搬出した板ガラス12を、搬送ローラ13・・・で矢印▲1▼の如く搬送する。
第1加熱手段15のノズル44・・・からホットエアを矢印の如く吹き出すことにより、ホットエアを搬送ローラ13・・・に吹き付けて搬送ローラ13・・・を加熱する。搬送ローラ13・・・の熱を矢印(破線で示す)の如く板ガラス12に伝えて、板ガラス12を加熱する。
【0070】
加えて、搬出した板ガラス12を搬送ローラ13・・・で曲げ成形部14(図1参照)まで搬送する際に、断熱部61の熱反射膜63で熱を矢印の如く反射して板ガラス12から熱が逃げることを防止する。
この際の保温効果は10℃であり、保温効果が5℃以上確保できるので評価は良である。
【0071】
図1に示す第3実施例において、加熱炉11(図1参照)の出口11aから板ガラス12を搬出し、搬出した板ガラス12を、搬送ローラ13・・・で矢印▲1▼の如く搬送する(図3参照)。
図3に示すように、第1加熱手段15のノズル44・・・からホットエアを矢印の如く吹き出すことにより、ホットエアを搬送ローラ13・・・に吹き付けて搬送ローラ13・・・を加熱する。搬送ローラ13・・・の熱を矢印(破線で示す)の如く板ガラス12に伝えて、板ガラス12を加熱する。
【0072】
加えて、図4に示すように、曲げ成形部14で板ガラス12を曲げ成形する際に、第2加熱手段17で板ガラス12を直接加熱する。
この際の保温効果は15℃であり、保温効果が5℃以上確保できるので評価は良である。
【0073】
なお、前記第1実施形態では、第2加熱手段17の第2加熱部36・・・を下型33に配置した例について説明したが、これに限らないで、例えば成形部搬送ローラ34・・・を昇降自在に支える支持部材(図示せず)に備えることも可能である。
この支持部材に第2加熱手段17を備えることで、第2加熱手段17をより板ガラス12の近傍に配置することができるので、第2加熱手段17の熱を板ガラス12に効率よく伝えることができる。
【0074】
また、前記第2実施の形態では、断熱部61の断熱板62に熱反射膜63を貼り付けた例について説明したが、これに限らないで、断熱板62に熱反射膜63を貼り付けずに、断熱板62だけで断熱部61を構成することも可能である。
【0075】
さらに、前記第2実施の形態では、第1加熱手段15を搬送ローラ13・・・の下方に配置した例について説明したが、これに限らないで、例えば第1加熱手段15を搬送ローラ13・・・の上方に配置することも可能である。
【0076】
また、前記実施の形態では、板ガラス12の板厚tを、一例として2.5mmや2.8mmの薄い板ガラスに適用してた例について説明したが、その他の板厚の板ガラスに適用しても同様の効果を得ることができる。
【0077】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、板ガラスを加熱炉から搬出した後、搬出した板ガラスを搬送ローラで曲げ成形部まで搬送する際に、搬送ローラを加熱手段で加熱し、加熱した搬送ローラで板ガラスを加熱する。
搬送ローラを加熱することで、板ガラスの熱が搬送ローラに伝わることを防ぐ。
加えて、搬送ローラを加熱することで、搬送ローラの熱を板ガラスに伝える。
このように、板ガラスの熱を逃がさないようにして、搬送ローラから板ガラスに熱を伝えることができるので、板ガラスを所望の温度に保つことができる。
【0078】
これにより、板ガラスを加熱炉内で通常の成形温度域より高くまで加熱しなくても、冷却の際に、板ガラスの表面層と板ガラスの中心層とに強化に必要な温度差をつけることができ、板ガラスを好適に曲げ強化することができる。
加えて、板ガラスを加熱炉内で通常の成形温度域より高くまで加熱する必要がないので、曲げガラスに透視歪、反射歪などの発生を許容範囲内に抑えて、曲げ強化ガラスの光学的品質を高めることができる。
【0079】
請求項2は、板ガラスを加熱炉から搬出した後、搬出した板ガラスを搬送ローラで曲げ成形部まで搬送する際に、搬送ローラを加熱手段で加熱し、加熱した搬送ローラで板ガラスを加熱する。
加えて、搬出した板ガラスを搬送ローラで曲げ成形部まで搬送する際に、板ガラスから熱が逃げることを断熱部で防止する。
【0080】
よって、搬送ローラを加熱することで、板ガラスの熱が搬送ローラに伝わることを防ぐとともに、搬送ローラを加熱することで、搬送ローラの熱を板ガラスに伝える。加えて、断熱部で板ガラスから熱が逃げることを防止する。
このように、板ガラスの熱を逃がさないようにして、搬送ローラから板ガラスに熱を伝えることができるので、板ガラスを所望の温度に保つことができる。
【0081】
これにより、板ガラスを加熱炉内で通常の成形温度域より高くまで加熱しなくても、冷却の際に、板ガラスの表面層と板ガラスの中心層とに強化に必要な温度差をつけることができ、板ガラスを好適に曲げ強化することができる。
加えて、板ガラスを加熱炉内で通常の成形温度域より高くまで加熱する必要がないので、曲げガラスに透視歪、反射歪などの発生を許容範囲内に抑えて、曲げ強化ガラスの光学的品質を高めることができる。
【0082】
請求項3は、板ガラスを加熱炉から搬出した後、搬出した板ガラスを搬送ローラで曲げ成形部まで搬送する際に、搬送ローラを第1加熱手段で加熱し、加熱した搬送ローラで板ガラスを加熱する。
搬送ローラを加熱することで、板ガラスの熱が搬送ローラに伝わることを防ぐとともに、搬送ローラを加熱することで、搬送ローラの熱を板ガラスに伝える。
加えて、板ガラスを曲げ成形する際に、板ガラスを第2加熱手段で直接加熱する。
【0083】
このように、板ガラスを曲げ成形部に搬送する際に、板ガラスの熱を逃がさないようにして、搬送ローラから板ガラスに熱を伝えることで板ガラスを所望の温度に保ち、かつ板ガラスを曲げ成形する際に、板ガラスを第2加熱手段で直接加熱することで、板ガラスをより一層好適に所望の温度に保つことができる。
【0084】
これにより、板ガラスを加熱炉内で通常の成形温度域より高くまで加熱しなくても、冷却の際に、板ガラスの表面層と板ガラスの中心層とに強化に必要な温度差をつけることができ、板ガラスを好適に曲げ強化することができる。
加えて、板ガラスを加熱炉内で通常の成形温度域より高くまで加熱する必要がないので、曲げガラスに透視歪、反射歪など発生を許容範囲内に抑えて、曲げ強化ガラスの光学的品質を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る板ガラスの曲げ成形装置(第1実施の形態)を示す側面図
【図2】第1実施の形態の第1加熱部を示す斜視図
【図3】本発明に係る板ガラスの曲げ成形方法(第1実施の形態)を示す第1説明図
【図4】本発明に係る板ガラスの曲げ成形方法(第1実施の形態)を示す第2説明図
【図5】本発明に係る板ガラスの曲げ成形方法(第1実施の形態)を示す第3説明図
【図6】本発明に係る板ガラスの曲げ成形装置(第2実施の形態)の要部を示す説明図
【図7】本発明に係る板ガラスの曲げ成形方法を実施した際の板ガラスの保温効果について説明した図
【図8】従来の加熱手段を備えた強化ガラス製造装置の側面図
【符号の説明】
10…板ガラスの曲げ成形装置、11…加熱炉、12…板ガラス、13…搬送ローラ、14…曲げ成形部、15…第1加熱手段(加熱手段)、17…第2加熱手段、18…曲げガラス、61…断熱部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、板ガラスの曲げ成形方法に関し、特に加熱炉内で板ガラスを加熱した後、搬送ローラで曲げ成形部まで搬送し、この板ガラスを曲げ成形部で曲げ成形した後、冷却することにより強化する板ガラスの曲げ成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
板ガラスの曲げ成形方法として、板ガラスを加熱炉で加熱した後、加熱した板ガラスを加熱炉から搬出し、搬出した板ガラスを曲げ成形する方法が知られている。
この板ガラスの曲げ成形方法によれば、まず加熱炉内の搬送ローラで板ガラスを搬送しながら成形温度域まで加熱する。板ガラスを成形温度域まで加熱した後、加熱炉から板ガラスを搬出する。
【0003】
搬出した板ガラスを外部搬送ロールで曲げ成形部まで搬送する。曲げ成形部の上側成形型に板ガラスを吸着させた後、外部搬送リングで冷却部まで搬送し、冷却部で急冷することにより曲げ強化ガラスを得る。
このように加熱炉の外で板ガラスを曲げ成形する方法は、上・下の成形型の交換や、上・下の成形型の調整を簡単におこなうことができるので、稼働率を上げることができる。
【0004】
しかし、曲げ成形部を加熱炉の外部に備えると、加熱炉から搬出した板ガラスが曲げ成形部に到達するまでに、板ガラスの温度が低下してしまう。
このため、曲げ成形部で曲げ成形した板ガラスの表面を、曲げ成形部の下流側で急冷しても、板ガラスの表面層と板ガラスの中心層とに強化に最低限必要な温度差をつけることが難しい。
【0005】
板ガラスの表面層と、板ガラスの中心層とに強化に最低限必要な温度差をつけることができない場合、板ガラス101を好適に強化することができないことが考えられる。
特に、板ガラスが薄板(一例として、板厚2.5mm、2.8mm)になると、その傾向が顕著になる。
【0006】
この対策として、板ガラスを加熱炉内で加熱する際に、通常の成形温度域より高くまで加熱する方法が知られている。
しかし、加熱炉内において、板ガラスを通常の成形温度域より高くまで加熱すると、曲げガラスを成形した際に、曲げガラスに透視歪、反射歪などが許容範囲を超えて発生する虞がある。
【0007】
この透視歪や反射歪の発生を許容範囲内に抑える方法として、加熱炉内での板ガラスの加熱温度を通常の成形温度域に抑え、加熱炉から搬出した板ガラスをヒータで加熱する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−213631号公報(第3頁、図1)
【0009】
以上の特許文献1について次図を参照の上、詳しく説明する。
図8は従来の加熱手段を備えた強化ガラス製造装置の側面図である。なお、符号を振り直した。
板ガラス100を加熱炉101内の炉内搬送ローラ102・・・で矢印aの如く搬送しながら、板ガラス100を通常の成形温度域まで加熱する。板ガラス100を通常の成形温度域までの加熱に抑えることで、加熱炉101内で板ガラス100が軟らかくなりすぎることを防ぐ。
これにより、加熱炉101内で板ガラス100に凹みなどが発生することを防止することができる。
【0010】
次に、板ガラス100を加熱炉101から搬出し、搬送ローラ104・・・で冷却部105まで搬送する間に、ヒータ106で板ガラス100の下面側を直接加熱する。
ヒータ106で加熱した板ガラス100を冷却部105に搬入し、エアノズル108・・・からエアを吹き出す。エアノズル108・・・から吹き出したエアを、板ガラス100の上下面に吹き付けて、板ガラス100の上下面を急冷することにより、板ガラス100を強化する。
【0011】
この特許文献1の技術を適用すれば、加熱炉101から板ガラス100を搬出した後、ヒータ106で板ガラス100の下面を直接加熱することにより、加熱炉101内における板ガラス100の加熱温度を通常の成形温度域に抑えることができる。
これにより、板ガラス100を強化した際に、透視歪、反射歪などの発生を許容範囲内に抑えることができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1の技術は、板厚が6〜10mmの厚い板ガラス100に適用することで、効果を上げることが可能であり、板厚が2.5mmや2.8mmの薄い板ガラス100に適用しても同様の効果を得ることは難しい。
【0013】
すなわち、板ガラス100を加熱炉101から搬出した後、板ガラス100を搬送ローラ104・・・で冷却部105まで搬送する際に、板ガラス100の熱が搬送ローラ104・・・に伝わる。
ここで、薄板の板ガラス100は体積が小さいので、多量の熱容量を蓄えることは難しい。このため、薄板の板ガラス100の熱が搬送ローラ104・・・に伝わると、薄板の板ガラス100の温度は急激に低下する。
したがって、加熱炉101から搬出した板ガラス100の下面をヒータ106で直接加熱しても、板ガラス100を所望の温度に保つことが難しく、冷却部105で板ガラス100を好適に強化できない虞がある。
【0014】
そこで、本発明の目的は、板ガラスを強化した際に、板ガラスに透視歪、反射歪などが発生することを防ぐことができる板ガラスの曲げ成形方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、加熱炉内で板ガラスを所定温度まで加熱した後、加熱炉から搬出する工程と、搬出した板ガラスを搬送ローラで曲げ成形部まで搬送する際に、この搬送ローラを加熱手段で加熱することにより搬送ローラで板ガラスを加熱する工程と、加熱した板ガラスを曲げ成形部で曲げ成形する工程とから板ガラスの曲げ成形方法を構成する。
【0016】
板ガラスを加熱炉から搬出した後、搬出した板ガラスを搬送ローラで曲げ成形部まで搬送する際に、搬送ローラを加熱手段で加熱し、加熱した搬送ローラで板ガラスを加熱する。
搬送ローラを加熱することで、板ガラスの熱が搬送ローラに伝わることを防ぐ。
加えて、搬送ローラを加熱することで、搬送ローラの熱を板ガラスに伝える。
このように、板ガラスの熱を逃がさないようにして、搬送ローラから板ガラスに熱を伝えることができるので、板ガラスを所望の温度に保つことができる。
【0017】
請求項2は、加熱炉内で板ガラスを所定温度まで加熱した後、加熱炉から搬出する工程と、搬出した板ガラスを搬送ローラで曲げ成形部まで搬送する際に、この搬送ローラを加熱手段で加熱することにより搬送ローラで板ガラスを加熱するとともに、板ガラスから熱が逃げることを断熱部で防止する工程と、加熱した板ガラスを曲げ成形部で曲げ成形する工程と、から板ガラスの曲げ成形方法を構成する。
【0018】
板ガラスを加熱炉から搬出した後、搬出した板ガラスを搬送ローラで曲げ成形部まで搬送する際に、搬送ローラを加熱手段で加熱し、加熱した搬送ローラで板ガラスを加熱する。
加えて、搬出した板ガラスを搬送ローラで曲げ成形部まで搬送する際に、板ガラスから熱が逃げることを断熱部で防止する。
【0019】
よって、搬送ローラを加熱することで、板ガラスの熱が搬送ローラに伝わることを防ぐとともに、搬送ローラを加熱することで、搬送ローラの熱を板ガラスに伝える。加えて、断熱部で板ガラスから熱が逃げることを防止する。
このように、板ガラスの熱を逃がさないようにして、搬送ローラから板ガラスに熱を伝えることができるので、板ガラスを所望の温度に保つことができる。
【0020】
請求項3は、加熱炉内で板ガラスを所定温度まで加熱した後、加熱炉から搬出する工程と、搬出した板ガラスを搬送ローラで曲げ成形部まで搬送する際に、この搬送ローラを第1加熱手段で加熱することにより搬送ローラで板ガラスを加熱する工程と、加熱した板ガラスを曲げ成形部で曲げ成形するとともに、板ガラスを第2加熱手段で直接加熱する工程と、から板ガラスの曲げ成形方法を構成する。
【0021】
板ガラスを加熱炉から搬出した後、搬出した板ガラスを搬送ローラで曲げ成形部まで搬送する際に、搬送ローラを第1加熱手段で加熱し、加熱した搬送ローラで板ガラスを加熱する。
搬送ローラを加熱することで、板ガラスの熱が搬送ローラに伝わることを防ぐとともに、搬送ローラを加熱することで、搬送ローラの熱を板ガラスに伝える。
加えて、板ガラスを曲げ成形する際に、板ガラスを第2加熱手段で直接加熱する。
【0022】
このように、板ガラスを曲げ成形部に搬送する際に、板ガラスの熱を逃がさないようにして、搬送ローラから板ガラスに熱を伝えることで板ガラスを所望の温度に保ち、かつ板ガラスを曲げ成形する際に、板ガラスを第2加熱手段で直接加熱することで、板ガラスをより一層好適に所望の温度に保つことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る板ガラスの曲げ成形装置(第1実施の形態)を示す側面図である。
板ガラスの曲げ成形装置10は、加熱炉11内で板ガラス12を成形温度域まで加熱した後、加熱炉11から搬出し、搬出した板ガラス12を複数個の搬送ローラ13・・・で曲げ成形部14まで搬送する際に、搬送ローラ13・・・を第1加熱手段(加熱手段)15で加熱し、加熱した板ガラス12を曲げ成形部14で曲げ成形するとともに、板ガラス12を第2加熱手段17で直接加熱するように構成したものである。
【0024】
加熱炉11は、炉内に複数の炉内搬送ローラ21・・・を水平に備え、炉内搬送ローラ21・・・で板ガラス12を矢印方向に搬送する際に、板ガラス12を通常の成形温度域まで加熱する加熱手段(図示せず)を炉内に備える。
加熱炉11内の板ガラス12の搬送速度は、一例として50〜120mm/sである。
板ガラス12は、一例として板厚tが2.5mmや2.8mmの薄板ガラスである。
【0025】
搬送ローラ13は、加熱炉11と曲げ成形部14との間に複数個配置し、一例として板ガラス12を500〜1200mm/sの搬送速度で搬送するローラである。
【0026】
第1加熱手段15は、複数の搬送ローラ13・・・の下方に、それぞれ第1加熱部22・・・を備える。第1加熱部22としては、一例として、ガスバーナ、電気ヒータ、ホットエアタイプ吐出ヒータなどが該当する。
本実施の形態においては、第1加熱部22をホットエアタイプ吐出ヒータとして説明する。
なお、第1加熱手段15の第1加熱部22は、図2(a),(b)で詳しく説明する。
【0027】
曲げ成形部14は、枠体24の天井25に上側昇降シリンダ26および上側昇降ガイド27・・・を介して上型28を昇降自在に備え、この上型28の下方に、下側昇降シリンダ31、下側昇降ガイド32・・・を介して下型33を所定の高さに配置し、下型33と上型28との間に成形部搬送ローラ34・・・を昇降自在に設けたものである。
【0028】
第2加熱手段17は、下型33の周縁33aの内側に複数個(一例として、3個)の第2加熱部36・・・を備え、第2加熱部36・・・を、成形部搬送ローラ34と成形部搬送ローラ34との間に配置することで、板ガラス12を直接加熱するものである。
第2加熱部36としては、一例として、ガスバーナ、電気ヒータ、ホットエアタイプ吐出ヒータなどが該当する。
なお、本実施の形態においては、第2加熱部36を電気ヒータとして説明する。
【0029】
曲げ成形部14の下流側には、成形型搬送リング38を備え、成形型搬送リング38で曲げ成形した曲げガラスを冷却部まで搬送する。
【0030】
図2(a),(b)は第1実施の形態の第1加熱部を示す斜視図であり、(a)は第1加熱部22の代表例を示し、(b)は第1加熱部22の変形例を示す。
(a)に示す第1加熱部22は、中空状の筒体41の両端42,42を塞ぎ、一端42側に供給口43を設け、この筒体41の上側面41aに一定間隔をおいて複数個のノズル44・・・を上向きに備える。
この第1加熱部22は、搬送ローラ13(図1参照)の下方で、かつ搬送ローラ13の軸線方向に沿って筒体41を配置し、ノズル44・・・を搬送ローラ13に向けたものである。
【0031】
第1加熱部22によれば、ホットエア供給手段(図示せず)から供給口43にホットエアを矢印の如く供給して、供給口43から筒体41内にホットエアを導き、導いたホットエアをそれぞれのノズル44・・・から上方に向けて吹き出す。
それぞれのノズル44・・・から吹き出したホットエアを、搬送ローラ13(図1参照)の下側面に吹き付けて搬送ローラ13を加熱する。
【0032】
(b)に第1加熱部22の変形例を示す。変形例の第1加熱部45は、中空状の矩形筒体46の両端47,47を塞ぎ、一端47側に供給口48を設け、この矩形筒体46の上側面46aにスリット状のノズル49を上向きに備える。
この第1加熱部45は、搬送ローラ13(図1参照)の下方で、かつ搬送ローラ13の軸線方向に沿って矩形筒体46を配置し、スリット状のノズル49を搬送ローラ13に向けたものである。
【0033】
第1加熱部45によれば、ホットエア供給手段(図示せず)から供給口48にホットエアを矢印の如く供給して、供給口48から矩形筒体46内にホットエアを導き、導いたホットエアをスリット状のノズル49から上方に向けて吹き出す。
そして、スリット状のノズル49から吹き出したホットエアを、搬送ローラ13(図1参照)の下側面に吹き付けて搬送ローラ13を加熱する。
なお、本実施の形態においては、第1加熱部22を例に説明する。
【0034】
次に、本発明に係る板ガラスの曲げ成形方法を図3〜図5に基づいて説明する。
図3(a),(b)は本発明に係る板ガラスの曲げ成形方法(第1実施の形態)を示す第1説明図である。
(a)において、加熱炉11内の炉内搬送ローラ21・・・で板ガラス12を矢印▲1▼の如く搬送するとともに、板ガラス12を通常の成形温度域まで加熱する。
ここで、加熱炉11内の加熱に合わせて、第1加熱部22・・・のノズル44・・・からホットエアを矢印▲2▼の如く吹き出す。
【0035】
(b)において、第1加熱部22・・・のノズル44・・・からホットエアを矢印▲2▼の如く吹き出してホットエアを搬送ローラ13・・・に吹き付ける。ホットエアを搬送ローラ13・・・に吹き付けることにより、搬送ローラ13・・・を所定温度まで加熱する。
加熱した搬送ローラ13・・・は、矢印▲3▼の如く回転した状態を維持する。
この状態で、加熱炉11((a)参照)の出口11aから板ガラス12を搬出し、搬出した板ガラス12を、搬送ローラ13・・・で矢印▲1▼の如く搬送する。
【0036】
板ガラス12を搬送ローラ13・・・で搬送する際に、加熱した搬送ローラ13・・・から矢印▲4▼の如く板ガラス12に熱を伝えて板ガラス12を加熱する。
このように、搬送ローラ13・・・を加熱することで、板ガラス12の熱を搬送ローラ13・・・から逃がさないようにし、かつ搬送ローラ13・・・の熱を板ガラス12に伝えることで、板ガラス12を所望の温度に保つことができる。
【0037】
図4(a),(b)は本発明に係る板ガラスの曲げ成形方法(第1実施の形態)を示す第2説明図である。
(a)において、板ガラス12を所望の温度に保った状態で、曲げ成形部14の成形部搬送ローラ34・・・まで搬送する。
成形部搬送ローラ34・・・に板ガラス12が到達した際に、成形部搬送ローラ34・・・が矢印▲5▼の如く下降する。
成形部搬送ローラ34・・・が下型33の収納凹部33b・・・内まで下降し、板ガラス12の周縁12aを下型33の周縁33aに載せる。
次に、上側昇降シリンダ26で上型28を矢印▲6▼の如く下降する。
【0038】
(b)において、上型28を下降することにより、上型28のプレス面28aを板ガラス12の上面に当接する。
板ガラス12を上型28のプレス面28aに倣わせて変形するとともに、プレス面28aの吸引孔(図示せず)からエアを吸引して、プレス面28aに板ガラス12を吸着する。
【0039】
この際に、第2加熱部36の加熱面(すなわち、上面)から板ガラス12の下面までの距離を20〜50mmの範囲に設定する。
この距離が20mmより小さいと、板ガラス12が第2加熱部36に接触する虞がある。このため、第2加熱部36の加工精度や組付け精度を高める必要があり、設備費が嵩むことになる。
【0040】
一方、距離が50mmを超えると、板ガラス12と第2加熱部36との間の間隔が大きすぎて、板ガラス12を十分に加熱することが難しい。
そして、設備費を抑えるとともに、板ガラス12を十分に加熱することを可能にするために、距離を20〜50mmに設定した。
なお、距離は、板ガラス12の板厚などに合わせて適宜変更することが可能である。
【0041】
この第2加熱手段17の第2加熱部36・・・を加熱状態に保つことで、第2加熱部36・・・で板ガラス12を直接加熱する。
これにより、加熱した板ガラス12を曲げ成形部14で曲げ成形するとともに、板ガラス12を第2加熱手段17の第2加熱部36・・・で直接加熱することで、板ガラス12をより一層好適に所望の温度に保つことができる。
【0042】
板ガラス12を吸着した状態で、上型28を上側昇降シリンダ26で所定高さまで矢印▲7▼の如く上昇する。この間に、板ガラス12をプレス面28aで曲げ成形して曲げガラス18とする。
次に、図1に示す成形型搬送リング38を曲げガラス18の下方近傍まで移動する。上型28による曲げガラス18の吸着を解除して、曲げガラス18を成形型搬送リング38に載せる。
【0043】
図5は本発明に係る板ガラスの曲げ成形方法(第1実施の形態)を示す第3説明図である。
成形型搬送リング38で曲げガラス18を下流側の冷却部(図示せず)に向けて矢印▲8▼の如く搬送する。
冷却部において、曲げガラス18の表面を急冷することで、曲げガラス18の表面層と曲げガラス18の中心層とに、強化に必要な温度差をつけ、曲げガラス18を好適に強化することができる。
【0044】
以上説明したように、本発明に係る板ガラスの曲げ成形方法によれば、図3〜図5に示したように、加熱炉11から板ガラス12を搬出した後、搬出した板ガラス12を搬送ローラ13・・・で曲げ成形部14まで搬送する際に、搬送ローラ13・・・を第1加熱手段15で加熱し、加熱した搬送ローラ13・・・で板ガラス12を加熱する。
【0045】
搬送ローラ13・・・を加熱することで、板ガラス12の熱が搬送ローラ13・・・に伝わることを防ぐとともに、搬送ローラ13・・・の熱を板ガラス12に伝えることができる。
加えて、板ガラス12を曲げ成形する際に、板ガラス12を第2加熱手段17で直接加熱する。
【0046】
このように、板ガラス12を曲げ成形部14に搬送する際に、板ガラス12の熱を逃がさないようにして、搬送ローラ13・・・から板ガラス12に熱を伝えることで板ガラス12を所望の温度に保ち、かつ板ガラス12を曲げ成形する際に、板ガラス12を第2加熱手段17で直接加熱することで、板ガラス12をより一層好適に所望の温度に保つことができる。
【0047】
これにより、板ガラス12を加熱炉11内で通常の成形温度域より高くまで加熱しなくても、冷却の際に、板ガラス12の表面層と板ガラス12の中心層とに強化に必要な温度差をつけることができ、板ガラス12を好適に曲げ強化することができる。
加えて、板ガラス12を加熱炉11内で通常の成形温度域より高くまで加熱する必要がないので、曲げガラス18を強化した際に、曲げガラス18に透視歪、反射歪などの発生を許容範囲内に抑えることができる。
【0048】
ここで、曲げガラス18に透視歪、反射歪などの発生が許容範囲を超える理由について説明する。
すなわち、加熱炉11内の炉内搬送ローラ21・・・で板ガラス12を搬送する際に、板ガラス12の搬送速度は50〜120mm/sと比較的遅い。
このため、加熱炉11内で板ガラス12を成形温度域より高い温度まで加熱すると、板ガラス12が軟らかくなりすぎて、板ガラス12に炉内搬送ローラ21・・・対応する凹凸が発生する虞がある。
よって、板ガラス12の曲げ成形後に、曲げガラス18を強化した際に、強化した曲げガラス18の表面に凹凸が残り、透視歪、反射歪などが許容範囲を超えて発生する。
【0049】
これに対して、第1実施の形態においては、搬送ローラ13・・・で板ガラス12を搬送する際に、板ガラス12の搬送速度が500〜1200mm/sと比較的速いことに留意し、搬送ローラ13・・・で板ガラス12の搬送中に、第1加熱手段15で板ガラス12を加熱することにした。
これにより、板ガラス12を加熱した際に、板ガラス12には搬送ローラ13・・・に対応する凹凸が発生し難い。
【0050】
加えて、第2加熱手段17は、冷却工程直前の板ガラス12を曲げ成形する際に加熱するものである。よって、第2加熱手段17で板ガラス12を加熱した後、板ガラス12はすぐに冷却処理が施される。
このため、第2加熱手段17では、板ガラス12を成形温度域に保つ程度に加熱すればよいので、板ガラス12に凹凸が発生する虞はない。
したがって、第1実施の形態の板ガラスの曲げ成形方法によれば、曲げガラス18に透視歪、反射歪などが発生することを防いで、曲げガラスの光学的品質を高めることができる。
【0051】
次に、本発明に係る板ガラスの曲げ成形方法の第2〜第4実施の形態について説明する。なお、第2〜第4実施の形態において第1実施の形態と同一部材については同一符号を付して説明を省略する。
第2実施の形態
図6は本発明に係る板ガラスの曲げ成形装置(第2実施の形態)の要部を示す説明図である。
第2実施の形態の板ガラスの曲げ成形装置60は、搬送ローラ13・・・の上方に断熱部61を配置した点で第1実施の形態の板ガラスの曲げ成形装置10と異なるだけで、その他の構成は第1実施の形態と同じである。
【0052】
断熱部61は、断熱板62の下面に熱反射膜63を貼ったものであり、搬送ローラ13・・・のそれぞれのロール頂19・・・から上方に距離Sだけ離して配置したものである。
断熱板62は、一例としてステンレスやセラミックスを使用したものである。
熱反射膜63は、熱反射率の高い金属膜であり、例えばアルミが該当する。
【0053】
距離Sは、板ガラス12の板厚tが2.5mmや2.8mmの薄板ガラスである場合に、一例として5〜100mmの範囲に設定する。
距離Sが5mmより小さいと、板ガラス12が断熱部61に接触する虞がある。このため、断熱部61や搬送ローラ13・・・の加工精度や組付け精度を高める必要があり、設備費が嵩むことになる。
【0054】
一方、距離Sが100mmを超えると、板ガラス12と断熱部61との間の間隔が大きすぎて、板ガラス12に蓄えた熱が板ガラス12から逃げてしまう虞がある。
そして、設備費を抑えるとともに、板ガラス12から熱が逃げることを防ぐために、距離Sを5〜100mmに設定した。
なお、距離Sは、板ガラス12の板厚などに合わせて適宜変更することが可能である。
【0055】
次に、第2実施の形態の板ガラスの曲げ成形方法について説明する。
第1加熱部22・・・のノズル44・・・からホットエアを矢印▲2▼の如く吹き出してホットエアを搬送ローラ13・・・に吹き付ける。ホットエアを搬送ローラ13・・・に吹き付けることにより、搬送ローラ13・・・を所定温度まで加熱する。
加熱した搬送ローラ13・・・は、矢印▲3▼の如く回転した状態を維持する。
この状態で、加熱炉11(図3(a)参照)の出口11aから板ガラス12を搬出し、搬出した板ガラス12を、搬送ローラ13・・・で矢印▲1▼の如く搬送する。
【0056】
板ガラス12を搬送ローラ13・・・で搬送する際に、加熱した搬送ローラ13・・・から矢印▲4▼の如く板ガラス12に熱を伝えて板ガラス12を加熱する。
加えて、搬出した板ガラス12を搬送ローラ13・・・で曲げ成形部14(図1参照)まで搬送する際に、板ガラス12から熱が逃げることを断熱部61で防止する。
【0057】
具体的には、板ガラス12から上方に放射した熱を、熱反射膜63で矢印▲9▼の如く反射させる。これにより、板ガラス12から熱が逃げることを防止することができる。
このように、板ガラス12の熱を逃がさないようにして、搬送ローラ13・・・から板ガラス12に熱を伝えることができるので、板ガラス12を所望の温度に保つことができる。
【0058】
これにより、板ガラス12を加熱炉11内で通常の成形温度域より高くまで加熱しなくても、冷却の際に、板ガラス12の表面層と板ガラス12の中心層とに強化に必要な温度差をつけることができ、板ガラス12を好適に曲げ強化することができる。
加えて、板ガラス12を加熱炉11内で通常の成形温度域より高くまで加熱する必要がないので、曲げガラス18に透視歪、反射歪などが発生することを防ぐことができる。
したがって、第2実施の形態の板ガラスの曲げ成形においても第1実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0059】
第3実施の形態
第3実施の形態の板ガラスの曲げ成形装置は、第1実施の形態の板ガラスの曲げ成形装置10から第2加熱手段17(図1参照)を除いたものである。
この第3実施の形態の板ガラスの曲げ成形装置を使用した成形方法によれば、図3(a),(b)に示すように、板ガラス12を加熱炉11から搬出した後、搬出した板ガラス12を搬送ローラ13・・・で曲げ成形部14(図1参照)まで搬送する際に、搬送ローラ13・・・を第1加熱手段(加熱手段)15で加熱し、加熱した搬送ローラ13・・・で板ガラス12を加熱する。
【0060】
搬送ローラ13・・・を加熱することで、板ガラス12の熱が搬送ローラ13・・・に伝わることを防ぐことができる。
加えて、搬送ローラ13・・・を加熱することで、搬送ローラ13・・・の熱を板ガラス12に伝えることができる。
このように、板ガラス12の熱を逃がさないようにして、搬送ローラ13・・・から板ガラス12に熱を伝えることができるので、板ガラス12を所望の温度に保つことができる。
【0061】
これにより、板ガラス12を加熱炉11内で通常の成形温度域より高くまで加熱しなくても、冷却の際に、板ガラス12の表面層と板ガラス12の中心層とに強化に必要な温度差をつけることができ、板ガラス12を好適に曲げ強化することができる。
加えて、板ガラス12を加熱炉11内で通常の成形温度域より高くまで加熱する必要がないので、曲げガラス18(図1参照)に透視歪、反射歪などが発生することを防ぐことができる。
したがって、第3実施の形態の板ガラスの曲げ成形においても第1実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0062】
第4実施の形態
第4実施の形態の板ガラスの曲げ成形装置は、第1実施の形態の板ガラスの曲げ成形装置10から第1加熱手段15(図1参照)を除いたものである。
この第4実施の形態の板ガラスの曲げ成形装置を使用した成形方法によれば、図4(a),(b)に示すように、成形部搬送ローラ34・・・に板ガラス12が到達した際に、成形部搬送ローラ34・・・が矢印▲5▼の如く下降する。
成形部搬送ローラ34・・・が下型33の収納凹部33b・・・内まで下降し、板ガラス12の周縁12aを下型33の周縁33aに載せる。
次に、上側昇降シリンダ26で上型28を矢印▲6▼の如く下降する。
【0063】
(b)において、上型28を下降することにより、上型28のプレス面28aを板ガラス12の上面に当接する。
板ガラス12を上型28のプレス面28aに倣わせて変形するとともに、プレス面28aの吸引孔(図示せず)からエアを吸引して、プレス面28aに板ガラス12を吸着する。
【0064】
この際に、第2加熱部36の加熱面(すなわち、上面)から板ガラス12の下面までの距離を20〜50mmの範囲に設定する。この第2加熱手段17の第2加熱部36・・・を加熱状態に保つことで、第2加熱部36・・・で板ガラス12を直接加熱する。
これにより、加熱した板ガラス12を曲げ成形部14で曲げ成形するとともに、板ガラス12を第2加熱手段17の第2加熱部36・・・で直接加熱することで、板ガラス12をより一層好適に所望の温度に保つことができる。
したがって、第4実施の形態の板ガラスの曲げ成形においても第1実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0065】
次に、本発明に係る板ガラスの曲げ成形方法を実施した際の板ガラスの保温効果について図7(a)〜(c)に基づいて説明する。
図7(a)〜(c)は本発明に係る板ガラスの曲げ成形方法を実施した際の板ガラスの保温効果について説明した図であり、(a)は比較例、(b)は第1実施例、(c)は第2実施例を示す。
【0066】
(a)の比較例は、図1に示す第1実施の形態から第1、第2の加熱手段15,17を除去して、加熱手段71を備えたものである。
(b)の第1実施例は、図1に示す第1実施の形態から第2加熱手段17を除去したもの、すなわち第3実施の形態のものである。
(c)の第2実施例は、図6に示す第2実施の形態から第2加熱手段17を除去したものである。
なお、第3実施例は、図1に示す第1実施の形態のものである。
それぞれの保温効果を測定し、保温効果が5℃以上確保できるものを良とし、保温効果が5℃未満のものを不良とした。
【0067】
(a)に示す比較例において、加熱炉11の出口11a(図1参照)から板ガラス12を搬出し、搬出した板ガラス12を、搬送ローラ13・・・で矢印▲1▼の如く搬送する。
加熱手段71のノズル72・・・からホットエアを矢印の如く吹き出してホットエアを板ガラス12に直接吹き付ける。ホットエアを板ガラスに直接吹き付けることにより、板ガラス12を加熱する。
この際の保温効果は1〜2℃であり、保温効果が5℃未満なので評価は不良である。
【0068】
(b)に示す第1実施例において、加熱炉11の出口11a(図1参照)から板ガラス12を搬出し、搬出した板ガラス12を、搬送ローラ13・・・で矢印▲1▼の如く搬送する。
第1加熱手段15のノズル44・・・からホットエアを矢印の如く吹き出すことにより、ホットエアを搬送ローラ13・・・に吹き付けて搬送ローラ13・・・を加熱する。搬送ローラ13・・・の熱を矢印(破線で示す)如く板ガラス12に伝えて、板ガラス12を加熱する。
この際の保温効果は5〜6℃であり、保温効果が5℃以上確保できるので評価は良である。
【0069】
(c)に示す第2実施例において、加熱炉11の出口11a(図1参照)から板ガラス12を搬出し、搬出した板ガラス12を、搬送ローラ13・・・で矢印▲1▼の如く搬送する。
第1加熱手段15のノズル44・・・からホットエアを矢印の如く吹き出すことにより、ホットエアを搬送ローラ13・・・に吹き付けて搬送ローラ13・・・を加熱する。搬送ローラ13・・・の熱を矢印(破線で示す)の如く板ガラス12に伝えて、板ガラス12を加熱する。
【0070】
加えて、搬出した板ガラス12を搬送ローラ13・・・で曲げ成形部14(図1参照)まで搬送する際に、断熱部61の熱反射膜63で熱を矢印の如く反射して板ガラス12から熱が逃げることを防止する。
この際の保温効果は10℃であり、保温効果が5℃以上確保できるので評価は良である。
【0071】
図1に示す第3実施例において、加熱炉11(図1参照)の出口11aから板ガラス12を搬出し、搬出した板ガラス12を、搬送ローラ13・・・で矢印▲1▼の如く搬送する(図3参照)。
図3に示すように、第1加熱手段15のノズル44・・・からホットエアを矢印の如く吹き出すことにより、ホットエアを搬送ローラ13・・・に吹き付けて搬送ローラ13・・・を加熱する。搬送ローラ13・・・の熱を矢印(破線で示す)の如く板ガラス12に伝えて、板ガラス12を加熱する。
【0072】
加えて、図4に示すように、曲げ成形部14で板ガラス12を曲げ成形する際に、第2加熱手段17で板ガラス12を直接加熱する。
この際の保温効果は15℃であり、保温効果が5℃以上確保できるので評価は良である。
【0073】
なお、前記第1実施形態では、第2加熱手段17の第2加熱部36・・・を下型33に配置した例について説明したが、これに限らないで、例えば成形部搬送ローラ34・・・を昇降自在に支える支持部材(図示せず)に備えることも可能である。
この支持部材に第2加熱手段17を備えることで、第2加熱手段17をより板ガラス12の近傍に配置することができるので、第2加熱手段17の熱を板ガラス12に効率よく伝えることができる。
【0074】
また、前記第2実施の形態では、断熱部61の断熱板62に熱反射膜63を貼り付けた例について説明したが、これに限らないで、断熱板62に熱反射膜63を貼り付けずに、断熱板62だけで断熱部61を構成することも可能である。
【0075】
さらに、前記第2実施の形態では、第1加熱手段15を搬送ローラ13・・・の下方に配置した例について説明したが、これに限らないで、例えば第1加熱手段15を搬送ローラ13・・・の上方に配置することも可能である。
【0076】
また、前記実施の形態では、板ガラス12の板厚tを、一例として2.5mmや2.8mmの薄い板ガラスに適用してた例について説明したが、その他の板厚の板ガラスに適用しても同様の効果を得ることができる。
【0077】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、板ガラスを加熱炉から搬出した後、搬出した板ガラスを搬送ローラで曲げ成形部まで搬送する際に、搬送ローラを加熱手段で加熱し、加熱した搬送ローラで板ガラスを加熱する。
搬送ローラを加熱することで、板ガラスの熱が搬送ローラに伝わることを防ぐ。
加えて、搬送ローラを加熱することで、搬送ローラの熱を板ガラスに伝える。
このように、板ガラスの熱を逃がさないようにして、搬送ローラから板ガラスに熱を伝えることができるので、板ガラスを所望の温度に保つことができる。
【0078】
これにより、板ガラスを加熱炉内で通常の成形温度域より高くまで加熱しなくても、冷却の際に、板ガラスの表面層と板ガラスの中心層とに強化に必要な温度差をつけることができ、板ガラスを好適に曲げ強化することができる。
加えて、板ガラスを加熱炉内で通常の成形温度域より高くまで加熱する必要がないので、曲げガラスに透視歪、反射歪などの発生を許容範囲内に抑えて、曲げ強化ガラスの光学的品質を高めることができる。
【0079】
請求項2は、板ガラスを加熱炉から搬出した後、搬出した板ガラスを搬送ローラで曲げ成形部まで搬送する際に、搬送ローラを加熱手段で加熱し、加熱した搬送ローラで板ガラスを加熱する。
加えて、搬出した板ガラスを搬送ローラで曲げ成形部まで搬送する際に、板ガラスから熱が逃げることを断熱部で防止する。
【0080】
よって、搬送ローラを加熱することで、板ガラスの熱が搬送ローラに伝わることを防ぐとともに、搬送ローラを加熱することで、搬送ローラの熱を板ガラスに伝える。加えて、断熱部で板ガラスから熱が逃げることを防止する。
このように、板ガラスの熱を逃がさないようにして、搬送ローラから板ガラスに熱を伝えることができるので、板ガラスを所望の温度に保つことができる。
【0081】
これにより、板ガラスを加熱炉内で通常の成形温度域より高くまで加熱しなくても、冷却の際に、板ガラスの表面層と板ガラスの中心層とに強化に必要な温度差をつけることができ、板ガラスを好適に曲げ強化することができる。
加えて、板ガラスを加熱炉内で通常の成形温度域より高くまで加熱する必要がないので、曲げガラスに透視歪、反射歪などの発生を許容範囲内に抑えて、曲げ強化ガラスの光学的品質を高めることができる。
【0082】
請求項3は、板ガラスを加熱炉から搬出した後、搬出した板ガラスを搬送ローラで曲げ成形部まで搬送する際に、搬送ローラを第1加熱手段で加熱し、加熱した搬送ローラで板ガラスを加熱する。
搬送ローラを加熱することで、板ガラスの熱が搬送ローラに伝わることを防ぐとともに、搬送ローラを加熱することで、搬送ローラの熱を板ガラスに伝える。
加えて、板ガラスを曲げ成形する際に、板ガラスを第2加熱手段で直接加熱する。
【0083】
このように、板ガラスを曲げ成形部に搬送する際に、板ガラスの熱を逃がさないようにして、搬送ローラから板ガラスに熱を伝えることで板ガラスを所望の温度に保ち、かつ板ガラスを曲げ成形する際に、板ガラスを第2加熱手段で直接加熱することで、板ガラスをより一層好適に所望の温度に保つことができる。
【0084】
これにより、板ガラスを加熱炉内で通常の成形温度域より高くまで加熱しなくても、冷却の際に、板ガラスの表面層と板ガラスの中心層とに強化に必要な温度差をつけることができ、板ガラスを好適に曲げ強化することができる。
加えて、板ガラスを加熱炉内で通常の成形温度域より高くまで加熱する必要がないので、曲げガラスに透視歪、反射歪など発生を許容範囲内に抑えて、曲げ強化ガラスの光学的品質を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る板ガラスの曲げ成形装置(第1実施の形態)を示す側面図
【図2】第1実施の形態の第1加熱部を示す斜視図
【図3】本発明に係る板ガラスの曲げ成形方法(第1実施の形態)を示す第1説明図
【図4】本発明に係る板ガラスの曲げ成形方法(第1実施の形態)を示す第2説明図
【図5】本発明に係る板ガラスの曲げ成形方法(第1実施の形態)を示す第3説明図
【図6】本発明に係る板ガラスの曲げ成形装置(第2実施の形態)の要部を示す説明図
【図7】本発明に係る板ガラスの曲げ成形方法を実施した際の板ガラスの保温効果について説明した図
【図8】従来の加熱手段を備えた強化ガラス製造装置の側面図
【符号の説明】
10…板ガラスの曲げ成形装置、11…加熱炉、12…板ガラス、13…搬送ローラ、14…曲げ成形部、15…第1加熱手段(加熱手段)、17…第2加熱手段、18…曲げガラス、61…断熱部。
Claims (3)
- 加熱炉内で板ガラスを所定温度まで加熱した後、加熱炉から搬出する工程と、
搬出した板ガラスを搬送ローラで曲げ成形部まで搬送する際に、この搬送ローラを加熱手段で加熱することにより搬送ローラで板ガラスを加熱する工程と、
加熱した板ガラスを曲げ成形部で曲げ成形する工程と、からなる板ガラスの曲げ成形方法。 - 加熱炉内で板ガラスを所定温度まで加熱した後、加熱炉から搬出する工程と、
搬出した板ガラスを搬送ローラで曲げ成形部まで搬送する際に、この搬送ローラを加熱手段で加熱することにより搬送ローラで板ガラスを加熱するとともに、板ガラスから熱が逃げることを断熱部で防止する工程と、
加熱した板ガラスを曲げ成形部で曲げ成形する工程と、からなる板ガラスの曲げ成形方法。 - 加熱炉内で板ガラスを所定温度まで加熱した後、加熱炉から搬出する工程と、
搬出した板ガラスを搬送ローラで曲げ成形部まで搬送する際に、この搬送ローラを第1加熱手段で加熱することにより搬送ローラで板ガラスを加熱する工程と、
加熱した板ガラスを曲げ成形部で曲げ成形するとともに、板ガラスを第2加熱手段で直接加熱する工程と、からなる板ガラスの曲げ成形方法。
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