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JP2004531631A - 低モノマー含量を有する水吸収性カルボキシル含有ポリマー - Google Patents

低モノマー含量を有する水吸収性カルボキシル含有ポリマー Download PDF

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JP2004531631A
JP2004531631A JP2003508997A JP2003508997A JP2004531631A JP 2004531631 A JP2004531631 A JP 2004531631A JP 2003508997 A JP2003508997 A JP 2003508997A JP 2003508997 A JP2003508997 A JP 2003508997A JP 2004531631 A JP2004531631 A JP 2004531631A
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Abstract

銀イオンおよび/またはコロイド銀を用いて残留モノマー含量を低減した水吸収性ポリマーを調製する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、低残留モノマー含量を有する水吸収性カルボキシル含有ポリマーおよびそれらの調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超吸収ポリマーまたは水性液体吸収性ポリマーとも呼ばれる水吸収性ポリマーは、体液を吸収する個人用介護用品、例えば赤ん坊のおむつ、成人の失禁用品や、婦人の衛生用品に主に使用される。このような用途では超吸収ポリマー粒子を、当替え用パッドなどの合成および/または天然繊維もしくは紙を基材とした織布および不織布構造物、あるいは繊維の強靭な塊を包含する吸収性構造物中に組み込む。このような構造物に用いられる材料は、水性液体をすばやく吸収し、それらを吸収性構造全体にわたって分散させることができる。超吸収ポリマーを含まない構造物は吸収容量が限られ、満足な吸収容量を与えるのに必要な大量の材料のせいでかさ高になり、また圧力のかかった状態で液体を保持しない。このような吸収性構造物の吸収性および液体保持特性を改良する手段は、液体を吸い込んで膨潤ヒドロゲル材料を形成する超吸収ポリマー粒子を組み込むことである。
【0003】
超吸収ポリマー粒子は迅速に液体を吸収し、このような液体を保持して漏れを防ぎ、濡れている時でさえその吸収性構造物に「乾いた感じ」を与える。このようなポリマーの例については米国特許第4,610,678号を参照されたい。また超吸収ポリマーの調製方法およびこのようなポリマーに対する周知の架橋剤の使用について開示する米国特許第4,654,039号および米国再発行特許第32,649号、また同様に米国特許第4,295,987号および第4,303,771号も参照されたい。その基本的な方法の変形例が後重合による表面架橋法について開示する英国特許第2,119,384号中で教示され、ここでは予め重合した吸収性ポリマー粉末を、好ましくは多価アルコール類である架橋剤、溶剤、および水と混合してポリマー表面をコーティングし、温度90〜300℃の範囲に加熱して表面を架橋する。米国特許第5,506,324号は、C2〜10多価炭化水素を用いて架橋されるカルボキシ部分を含有するポリマーを含む超吸収ポリマー粒子について開示する。これらのC2〜10多価炭化水素はその多価炭化水素のヒドロキシル部分1個当たり2〜8個のエチレンオキシド単位によりエトキシル化され、各エチレンオキシド鎖の末端でそのヒドロキシル部分がC2〜10不飽和カルボン酸またはそのエステルでエステル化される。好ましい実施形態においてはこの超吸収ポリマー粒子は、粒子を乾燥および分粒の後に熱処理プロセスにかけられる。
【0004】
市販の水吸収性ポリマーの基本的問題は残留モノマーの存在であった。残留モノマー含量を低減した水吸収性ポリマー製品はきわめて強く望まれている。残留モノマー含量を低下させる様々な方法が当業界で知られている。
【0005】
欧州特許公開第505163号は、ある特定のHLBを有する界面活性剤と、ビニル性二重結合と反応することができるビニル付加化合物との併用でこれらのポリマーを処理する工程を含む、ポリ(アクリル酸)水吸収性ゲルポリマー中に存在する残留(メタ)アクリル酸を低減する方法に関する。ビニル付加化合物の例には亜硫酸エステルおよび重亜硫酸エステルがある。界面活性剤およびビニル付加化合物は、ペルオキソ二硫酸塩や過酸化物などの酸化性陰イオンと混和させて用いることができる。添加剤の水溶液を膨潤ゲルまたはビーズの形態の水吸収性ポリマーまたは乾燥ポリマーと混合する。界面活性剤の存在は、ポリマーが湿潤している場合は液体の分配にマイナスの影響を及ぼすと考えられる。これに加えて亜硫酸エステルや重亜硫酸エステルのようなビニル付加化合物は、一般に加工中に不快な臭気の問題を引き起こす。
【0006】
米国特許第5,629,377号は、塩素または臭素含有酸化剤の存在下で不飽和カルボキシル含有モノマーを重合してヒドロゲルを形成し、次いで温度170〜250℃、好ましくは210〜235℃で加熱することを含む、水吸収性ポリマー粒子の調製方法について開示する。別法では、塩素または臭素含有酸化剤を、重合したヒドロゲルに加えることもできる。この方法は、残留モノマーの量を許容できるレベルに保ちながら吸収性、例えば遠心脱水容量および負荷のかかった状態での吸収性(AUL)を改良するのに効果的である。しかしながら塩素または臭素含有酸化剤を活性化するのに必要な高い熱処理温度は、大量のエネルギー使用量および水分減量を含めた様々な理由で好ましくない。
【0007】
米国特許第4,659,793号は、きわめて少量のある特定な金属イオン(Zn2+、Co3+、Co2+、Cu2+、Mo2+、Fe3+、Fe2+、Cr3+、Ni2+、Ce3+、およびCe2+)がエチレン不飽和性ジカルボン酸モノマー、特にマレイン酸と、(メタ)アクリル酸や2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのカルボン酸基またはスルホン酸基を有するα,β−エチレン不飽和性モノマーとの共重合を促進させ、それによって未反応ジカルボン酸モノマーの量が顕著に低減されることを教示している。これらの金属イオンはモノマー混合物に加えられる。得られたコポリマーは超吸収ポリマーとは云われないが、湯あか防止剤(antiscalant)、分散剤、洗剤添加物、解膠剤などに有用である。
【0008】
超吸収性材料中の残留モノマー量を低減させる多くの方法が知られており、例えば亜硫酸エステル、重亜硫酸エステル、アンモニア、アミン、アミノ酸(システインおよびリシンなど)、亜硫酸、亜リン酸、ピロ亜リン酸、次亜リン酸、チオ硫酸、ヒドロキシルアミン、またはそれらの塩、およびアスコルビン酸の使用がある(米国特許第5,229,488号、第5,866,678号、第4,766,173号、および第4,929,717号を参照されたい)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の技術で教示される様々な方法は反応性薬品の分配を改善するために、前述の反応性薬品のほかに追加の非反応性添加剤および/または追加の混合手段を使用する。非反応性添加剤は、ヒドロゲル粒子を改質することができる物質でもよく、また界面活性剤のみならず、例えば有機溶剤、鉱油、およびきわめて細かい無機または有機粒子、例えば二酸化ケイ素、二酸化アルミニウム、ゼオライト、またはポリ(メタクリル酸メチル)粒子でもよい。このような添加剤の使用は製造工程を複雑にし、そのうえ時間がかかり、したがってさほど経済的でない。これに加えて界面活性剤やきわめて細かい粉末などの添加剤の使用は、吸収性および液体の分配に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0010】
低残留モノマーレベルを有する水吸収性ポリマーの新規な調製方法であって、かつ上記の欠点のない方法を提供することはきわめて望ましいはずである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、
(I)(a)1または複数種のエチレン不飽和性のカルボキシル含有モノマー、
(b)1または複数種の架橋剤、
(c)任意選択でカルボキシル含有モノマーと共重合可能な1または複数種のコモノマー、および
(d)重合媒体
を含む重合混合物を重合して架橋ヒドロゲルを形成する工程、
(II)ヒドロゲルを粉砕して粒子を作製する工程、ならびに
(III)ヒドロゲルを乾燥する工程
からなる水吸収性ポリマーの調製方法であって、
銀イオンまたはコロイド銀を、
(i)工程(I)の前にもしくは工程(I)中に重合混合物に、または
(ii)粉砕工程(II)の前に、粉砕工程(II)中に、もしくは粉砕工程(II)の後であるが工程(III)のヒドロゲルの実質的な乾燥の前にヒドロゲルに、加えることを特徴とする方法に関する。
【0012】
本発明の別の態様は、本発明の方法により調製される銀イオンまたはコロイド銀を含有する水吸収性ポリマーである。本発明はまた、本発明の水吸収性ポリマーと、紙、合成繊維、天然繊維、またはこれらの組合せで作られる少なくとも1種類の織布または不織布構造物とを含む吸収性構造物に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の重要な要素は、水吸収性ポリマーの調製方法において銀イオンまたはコロイド銀を加えることである。加熱前のポリマー生成物中に銀イオンまたはコロイド銀が存在すると、驚くべきことに水吸収性ポリマー粒子中にその銀イオンがどのように取り込まれるかに関係なく残留モノマー含量の低下をもたらすことを発見した。本発明は、技術的に複雑で時間のかかるプロセス工程を含まず、かつ銀イオンを使用しない方法と比べて生産性を低下させない。
【0014】
乾燥後、加熱処理前の本発明の水吸収性ポリマーは、すべて乾燥ポリマー質量に対して、好ましくは300ppm未満、より好ましくは200ppm未満の低い残留モノマー含量を有する。本発明の加熱処理した水吸収性ポリマーはまた、乾燥ポリマー質量に対して好ましくは500ppm未満、より好ましくは400ppm未満の低い残留モノマー含量を有する。
【0015】
本発明の重要な態様は、銀イオンまたはコロイド銀を水吸収性ポリマーの調製工程に加えることである。加えられる銀イオンまたはコロイド銀の量は、すべて乾燥ポリマー質量に対して、好ましくは1〜100,000ppm、より好ましくは1〜10,000ppm、一層好ましくは10〜1,000ppm、最も好ましくは25〜1,000ppmの範囲である。
【0016】
銀イオンは、1または複数種の乾燥銀塩として、または1または複数種の銀塩の溶液として加えることができる。この溶液は、水溶液、非水性有機溶液、または水と有機溶剤の混合液に溶かした溶液であることができるが、水溶液が好ましい。水溶液はまた、水に不溶の銀塩の錯化によって調製することもできる。
【0017】
この銀塩は、粉末状の塩の形態で、あるいは溶液または懸濁液として超吸収ポリマーに適用される。この溶液は、水性、有機、またはそれらの混合物であってもよい。本明細書中で「可溶性銀塩」と呼ぶ水溶性銀塩は、銀イオンの好ましい供給源である。様々な銀塩の溶解度は一般に、それらを酸性化することによって、および/またはそれらをアルカリ中に溶解することによって、および/またはそれらを有機溶媒中に溶解することによって、および/またはそれらを高温で溶解することによって、および/または溶解プロセスの間はげしく混合することによって改善することができる。銀塩の溶解度の程度は特に重要ではない。可溶性銀塩は好ましくは、中性pHの水中において室温で1リットル当たり0.0016g以上の溶解度を有する。より好ましくは可溶性銀塩は水中において室温で1リットル当たり1g以上の溶解度を有する。最も好ましくは可溶性銀塩は1リットル当たり10g以上の溶解度を有する。
【0018】
銀塩の例には、例えば酢酸銀、アセチルアセトン酸銀、アジ化銀、銀アセチリド、ヒ酸銀、安息香酸銀、二フッ化銀、一フッ化銀、フッ化銀、ホウフッ化銀(silver borfluoride)、臭素酸銀、臭化銀、炭酸銀、塩化銀、塩素酸銀、クロム酸銀、クエン酸銀、シアン酸銀、シアン化銀、(シス,シス−1,5−シクロオクタジエン)−1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン酸銀、二クロム酸銀−テトラキス−(ピリジン)錯体、ジエチルジチオカルバミン酸銀、フッ化銀(I)、フッ化銀(II)、銀−7,7−ジメチル−1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロ−4,6−オクタンジオナート、ヘキサフルオロアンチモン酸銀、ヘキサフルオロヒ酸銀、ヘキサフルオロリン酸銀、ヨウ素酸銀、ヨウ化銀、イソチオシアン酸銀、シアン化銀カリウム、乳酸銀、モリブデン酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、酸化銀(I)、酸化銀(II)、シュウ酸銀、過塩素酸銀、過フッ化酪酸銀、過フッ化プロピオン酸銀、過マンガン酸銀、過レニウム酸銀、リン酸銀、一水和ピクリン酸銀、プロピオン酸銀、セレン酸銀、セレン化銀、亜セレン酸銀、スルファジアジン銀、硫酸銀、硫化銀、亜硫酸銀、テルル化銀、四フッ化ホウ酸銀、四ヨウ化水銀酸銀(silver tetraiodomecurate)、四タングステン酸銀、チオシアン酸銀、p−トルエンスルホン酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸の銀塩、トリフルオロ酢酸の銀塩、およびバナジン酸銀がある。様々な銀塩の混合物もまた用いることができる。好ましい銀塩は、酢酸銀、安息香酸銀、臭素酸銀、塩素酸銀、乳酸銀、モリブデン酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、酸化銀(I)、過塩素酸銀、過マンガン酸銀、セレン酸銀、亜セレン酸銀、スルファジアジン銀、および硫酸銀である。最も好ましい塩は、酢酸銀および硝酸銀である。
【0019】
水に不溶の銀塩の例には、塩化銀、臭化銀を含めたハロゲン化銀、および水中できわめて低い溶解度を有するその他の銀塩がある。これらは有利には銀イオンで錯化を受ける薬品と一緒に加えられる。アルカリ金属のチオ硫酸塩、アンモニア、塩化物、およびアルカリ金属のシアン化物は、水に不溶の塩化銀および臭化銀用の錯化剤の例である。ハロゲン化銀と錯化剤を反応させることによって、錯化剤がチオ硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、アンモニア、およびシアン化ナトリウムの場合、それぞれ対応する銀錯イオン、例えばチオ硫酸銀錯イオン、塩化銀錯イオン、アミノ銀錯イオン、およびシアン化銀錯イオンが形成される。最も好ましい銀イオン錯化剤は、ナトリウムおよびカリウムを含めたアルカリ金属のチオ硫酸塩および塩化ナトリウムである。チオ硫酸銀錯体は、塩化銀とチオ硫酸ナトリウムを加熱せずに外界温度において水中で単に反応させることによって形成することができる。塩化ナトリウムは塩化銀錯イオンを形成するために、より高い反応温度が必要である。ハロゲン化銀由来の銀の陽イオンとチオ硫酸ナトリウム由来のチオ硫酸の陰イオンのモル比は、好ましくは0.001〜100の範囲である。銀錯イオンの水溶液は不均一であってもよく、すなわち銀塩を銀の陽イオンと錯化用陰イオンのモル比に基づく不完全な錯化によって溶解することもできる。
【0020】
水吸収性の水に不溶のポリマーは、有利には1または複数種のエチレン不飽和性カルボン酸類、エチレン不飽和性カルボン酸無水物類、またはそれらの塩から誘導される。これに加えてこれらポリマーは、アクリルアミド、アクリロニトリル、ビニルピロリドン、ビニルスルホン酸またはその塩、セルロースモノマー、変性セルロースモノマー、ポリビニルアルコール、または水解デンプンなどのコモノマーを含めて超吸収ポリマーに使用するための、あるいは超吸収ポリマー上へグラフトするための当業界で周知のコモノマーを含むことができる。使用する場合、これらコモノマーはモノマー混合物の25質量%まで含まれる。
【0021】
好ましい不飽和カルボン酸およびカルボン酸無水物モノマーには、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、α−クロロアクリル酸、α−シアノアクリル酸、β−メチルアクリル酸(クロトン酸)、α−フェニルアクリル酸、β−アクリロイルオキシプロピオン酸、ソルビン酸、α−クロロソルビン酸、アンゲリカ酸、ケイ皮酸、p−クロロケイ皮酸、β−スチレンアクリル酸(1−カルボキシ−4−フェニルブタジエン−1,3)、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、マレイン酸、フマル酸、および無水マレイン酸によって代表されるアクリル酸類がある。より好ましくは出発モノマーはアクリル酸、メタクリル酸、またはそれらの塩であり、アクリル酸またはその塩が最も好ましい。本明細書中においては、例えば「アクリル酸」または「アクリル酸塩」などの総称用語に付けられる接頭辞「(メタ)」の使用は、アクリル酸塩とメタクリル酸塩の両方の種を含むように用語の幅を広げることを意味する。したがって、用語「(メタ)アクリル酸モノマー」にはアクリル酸およびメタクリル酸が含まれる。
【0022】
好ましくは親水性ポリマーのカルボン酸単位の25モル%以上、一層好ましくは50%以上、最も好ましくは65%以上が塩基で中和される。この中和は重合が完了した後に行ってもよい。好ましい実施形態において出発モノマー混合物は、重合の前に望ましいレベルまで中和されたカルボン酸部分を有する。最終ポリマーまたは出発モノマーは、塩を形成する陽イオンとそれらを接触させることによって中和することができる。このような塩を形成する陽イオンには、アルカリ金属、アンモニウム、置換アンモニウム、およびアミン系陽イオンがある。好ましくはポリマーは、例えば水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、あるいは例えば炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩で中和する。
【0023】
本発明の水吸収性ポリマーは、それらを水に不溶にするために軽く架橋する。ビニル、非ビニル、または二モード架橋剤を単独で、混合物として、または様々に組み合わせて使用することができる。超吸収ポリマーに使用される当業界で一般に知られているポリビニル架橋剤を有利には使用する。少なくとも2個の重合し得る二重結合を有する好ましい化合物には、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、ジビニルエーテル、ジビニルケトン、およびトリビニベンゼンなどのジまたはポリビニル化合物や、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ポリオキシエチレングリコール、およびポリオキシプロピレングリコールなどのポリオールのジまたはトリ(メタ)アクリル酸エステルなど、不飽和モノまたはポリカルボン酸とポリオールとのジまたはポリエステルや、上記ポリオール類のいずれかをマレイン酸などの不飽和酸と反応させることによって得ることができる不飽和ポリエステルや、トリメチロールプロパンヘキサエトキシルトリアクリラートなど、C〜C10多価アルコールをヒドロキシル基1個当たり2〜8個のC〜Cアルキレンオキシド単位と反応させることにより誘導されるポリオールと不飽和モノまたはポリカルボン酸のジまたはポリエステルや、ポリエポキシドを(メタ)アクリル酸と反応させることにより得ることができるジまたはトリ(メタ)アクリル酸エステルや、N,N−メチレンビスアクリルアミドなどのビス(メタ)アクリルアミドや、トリレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアナート、およびこのようなジイソシアナートを活性水素原子含有化合物と反応させることによって得られるNCO含有プレポリマーのようなポリイソシアナートを(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルと反応させることにより得ることができるジ(メタ)アクリル酸のカルバミルエステルなど、上記ジイソシアナート類とヒドロキシル基含有モノマーとを反応させることによって得ることができるカルバミルエステルや、アルキレングリコール、グリセロール、ポリアルキレングリコール、ポリオキシアルキレンポリオール、およびポリエチレングリコールジアリルエーテル、アリル化デンプン、アリル化セルロース等の炭水化物などのポリオールのジまたはポリ(メタ)アリルエーテルや、フタル酸ジアリルおよびアジピン酸ジアリルなど、ポリカルボン酸のジまたはポリアリルエステルや、メタクリル酸アリルまたはポリエチレングリコールモノアリルエーテルの(メタ)アクリル酸エステルなど、ポリオールのモノ(メタ)アリルエステルと不飽和モノまたはポリカルボン酸のエステルがある。
【0024】
好ましいクラスの架橋剤の中には、ビス(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリル酸アリル;ジアクリル酸ジエチレングリコール、トリアクリル酸トリメチロールプロパン、およびジアクリル酸ポリエチレングリコールなどのポリオールと(メタ)アクリル酸のジまたはポリエステル;およびエトキシル化トリアクリル酸トリメチロールプロパンなど、C〜C10多価アルコールをヒドロキシル基1個当たり2〜8個のC〜Cアルキレンオキシド単位と反応させることにより誘導されるポリオールと不飽和モノまたはポリカルボン酸のジまたはポリエステルがある。より好ましくは架橋剤は、式1
(−(RO)−C(O)R 式1
(ここで、Rは、炭素原子1〜10個の原子価xを有する直鎖または分枝鎖ポリアルコキシ基であり、その主鎖において1または複数個の酸素原子で置換されていてもよい。
は、各々独立に炭素原子2〜4個のアルキレン基である。
は、各々独立に炭素原子2〜10個を有する直鎖または分枝鎖アルケニル基である。
nは1〜20の数である。
xは2〜8の数である。)
に該当する。
【0025】
最も好ましい実施形態においてポリビニル架橋剤は式1に該当し、上式でRはトリメチロールプロパンから誘導され、Rはエチレン−(CHCH)−であり、Rはビニル−(CH=CH)であり、nの平均値は2〜6であり、またxは3である。最も好ましいポリビニル架橋剤は、トリメチロールプロパンの分子1個当たり平均15〜16個のエトキシル基を含有する高度にエトキシル化されたトリアクリル酸トリメチロールプロパンである。式1に該当する架橋剤は、クレイノール(Craynor)の商標でクレイノール社から、またサルトマー(Sartomer)の商標でサルトマー社から入手できる。一般に式1によって記述される架橋剤は、この式で記述される材料とこの調製方法に由来する副生物の混合物として見出される。ポリビニル架橋剤の混合物を使用することもできる。
【0026】
本発明の非ビニル架橋剤は、ポリマーのカルボキシル基と反応することができる少なくとも2個の官能基を有する薬品であり、グリセリン、ポリグリコール、エチレングリコールジグリシジルエーテル、およびジアミンのような物質が含まれる。これらの薬品の多くの例が、米国特許第4,666,983号および第4,734,478号中に示され、これらの特許は、吸収性ポリマー粉末の表面にこのような薬品を塗布し、続いて加熱して表面の鎖を架橋し、吸収容量および吸収速度を改良することを教示する。別の例が米国特許第5,145,906号中に示され、この特許はこのような薬品で後架橋することを教示する。本発明において非ビニル架橋剤は、有利には工程の始めに重合混合物に均一に加えられる。好ましい非ビニル架橋剤には、ヘキサンジアミン、グリセリン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、二酢酸エチレングリコール、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール600、およびポリエチレングリコール1000がある。より好ましい非ビニル架橋剤の例には、ポリエチレングリコール400およびポリエチレングリコール600がある。非ビニル架橋剤の混合物も使用することができる。
【0027】
本発明の方法で使用することができる二モード架橋剤は、少なくとも1個の重合可能なビニル基と、カルボキシル基と反応することができる少なくとも1個の官能基とを有する薬品である。これらは架橋を形成するのに二つの異なるモードの反応を用いるので、一般のビニル架橋剤からこれらを区別するために本発明者等はこれらを「二モード架橋剤」と呼ぶ。二モード架橋剤の例には、メタクリル酸ヒドロキシエチル、モノメタクリル酸ポリエチレングリコール、メタクリル酸グリシジル、およびアリルグリシジルエーテルがある。これらのタイプの薬品の多くの例が米国特許第4,962,172号および第5,147,956号中に示され、これらの特許は(1)アクリル酸とヒドロキシル含有モノマーの鎖状コポリマーを調製する工程、(2)これらコポリマーの溶液を所望の形状に成形する工程、および(3)このポリマーを加熱して垂れ下がったヒドロキシル基とカルボキシル基の間のエステル架橋を形成させることによって形状を固定する工程による吸収性のフィルムおよび繊維の製造について教示する。本発明において二モード架橋剤は、有利には工程の始めに重合混合物に均一に加えられる。好ましい二モード架橋剤には、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、ポリエチレングリコール400モノメタクリラート、メタクリル酸グリシジルがある。(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルは、より好ましい二モード架橋剤の例である。二モード架橋剤の混合物も使用することができる。
【0028】
架橋剤の組合せも使用することができる。含まれる全架橋剤の合計量は、吸収容量のすぐれた、負荷のかかった状態での吸収のすぐれた、また抽出可能な材料が低%であるポリマーを提供するのに十分なものである。好ましくは架橋剤は、存在する重合可能なモノマーの量に対して1,000質量ppm以上、より好ましくは2,000質量ppm以上、また最も好ましくは4,000質量ppm以上の量が含まれる。好ましくは架橋剤は、存在する重合可能なモノマーの量に対して50,000質量ppm以下、より好ましくは20,000質量ppm以下、また最も好ましくは15,000質量ppm以下の量が含まれる。
【0029】
ポリビニル架橋剤と非ビニルおよび/または二モード架橋剤とのブレンドを利用する本発明のこれら実施形態において、3つのタイプの架橋剤全体の加熱処理後の吸収能力に及ぼす効果は、本質的に加成的である。すなわち、ある架橋剤の量を増す場合、加熱処理後の同じ総合的吸収能力を維持するには別の架橋剤の量を減らさなければならない。これに加えてそのブレンド内の架橋剤成分の割合は、異なるポリマー特性および加工特性を達成するために変えることができる。特にポリビニル架橋剤は、非ビニルまたは二モード架橋剤よりも一般に高価である。したがって架橋剤ブレンドがより安価な非ビニルおよび/または二モード架橋剤で構成される割合が多い場合、ポリマーの総合的コストは低減される。しかしながら非ビニルおよび二モード架橋剤は本質的に潜伏性架橋剤として作用する。すなわちこれらの薬品によりポリマーに与えられる架橋は、加熱処理工程後までは本質的に発現しないか、または確かめられない。たとえあるにしてもほんのわずかな靭性が、このような潜伏性架橋剤を使用することによって重合直後のヒドロゲルに加えられる。「強靭な」ゲルが望ましいこれらの工程にとってこれは重要なことである。
【0030】
ポリビニル架橋剤が全架橋剤ブレンドのうちのあまりに少ない量を構成する場合、重合されたヒドロゲルをたやすく摩砕、加工、および乾燥するのに十分な靭性を持たない恐れがある。この理由で全架橋剤ブレンド中のポリビニル架橋剤の割合は、好ましくはたやすく摩砕、加工、および乾燥するのに十分な靭性を有するヒドロゲルを生成するために少なくとも十分なものである。この靭性は、乾燥後加熱処理前のポリマーの遠心分離後の能力に逆比例する。このレベルの靭性を得るためにブレンド中に必要とされるポリビニル架橋剤の正確な量は変わるが、少なくとも10g/g、かつ好ましくは45g/g以下、より好ましくは40g/g以下、最も好ましくは35g/g以下の、乾燥後加熱処理前のポリマーの遠心分離後の吸収容量を与えるのに十分な量である。
【0031】
界面活性剤などの当業界で周知の従来の添加剤を重合混合物に混ぜることができる。重合は、水性または非水重合媒体中、または水性/非水混合重合媒体中の重合条件下で行うことができる。非水重合媒体を使用する方法により行われる重合は、ハロゲン化炭化水素を含めた炭化水素および置換炭化水素、ならびに芳香族および脂肪族炭化水素を含めた分子1個当たり炭素原子4〜20個を有する液状炭化水素、ならびに上記媒体のいずれかの混合液など、水と混和しない様々な不活性の疎水性液体を用いることができる。
【0032】
一実施形態においてポリマー粒子は、遊離基または酸化還元(レドックス)触媒系、および任意選択で塩素または臭素含有酸化剤の存在下で、架橋親水性ポリマーが調製されるような条件において水性媒体中でモノマーと本発明の架橋剤を接触させることによって調製される。本明細書中で用いられる用語「水性媒体」は水や、水混和性溶剤との混合液中の水を意味する。このような水混和性溶剤には、低級アルコールおよびアルキレングリコールがある。好ましくは水性媒体は水である。
【0033】
モノマーおよび架橋剤は濃度15質量%以上、より好ましくは25質量%以上、また最も好ましくは29質量%以上で、例えば水性媒体などの適切な重合媒体中に好ましくは溶解、分散、または懸濁させる。モノマーおよび架橋剤は、好ましくは水性媒体中に溶解、分散、または懸濁させる。
【0034】
超吸収ポリマーを調製するために用いられる水性媒体の別の構成成分には遊離基開始剤が含まれ、例えばペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、過酸化カプリリル、過酸化ベンゾイル、過酸化水素、クメンヒドロペルオキシド、ジペルフタル酸t−ブチル、過安息香酸t−ブチル、過酢酸ナトリウム、過炭酸ナトリウムなどの過酸素化合物を含めた任意の従来の水溶性重合開始剤であることができる。従来のレドックス開始剤系もまた利用することでき、これらは上記過酸素化合物を、例えば重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、Lアスコルビン酸またはイソアスコルビン酸またはその塩、あるいは鉄(II)塩類などの還元剤と混ぜ合わせることによって形成される。開始剤は、存在する重合可能なモノマーの合計モル数に対して5モル%まで含むことができる。より好ましくは開始剤を、水性媒体中の重合可能なモノマーの合計モル数に対して0.001〜0.5モル%含む。開始剤の混合物も使用することができる。
【0035】
本発明の一実施形態においては塩素または臭素含有酸化剤を、最終ポリマー中の残留モノマーの量を低減するためにモノマー混合物または湿潤ヒドロゲルに加える。好ましくはそれをモノマー混合物に加える。好ましい酸化剤は、臭素酸塩、塩素酸塩、および亜塩素酸塩である。好ましくは塩素酸塩または臭素酸塩が加えられる。臭素酸塩または塩素酸塩の対イオンは、ポリマーの調製またはそれらの性能を著しく害しない任意の対イオンであることができる。好ましくは対イオンは、アルカリ土類金属イオンまたはアルカリ金属イオンである。より好ましい対イオンはアルカリ金属であり、カリウムおよびナトリウムが一層好ましい。塩素含有酸化剤が好ましい。
【0036】
塩素または臭素含有酸化剤は、熱処理の後にポリマー特性の所望のバランスが得られるように十分な量で存在させる。用いられる酸化剤が多すぎる場合、ポリマーの最終的な特性を低下させる。不十分な量が加えられる場合、前述の特性の改良が起こらず、また吸収容量も低いことになる。好ましくは塩素または臭素含有酸化剤は、モノマー(a)、(b)および(c)の合計質量に対して10質量ppm以上、好ましくは50質量ppm以上、一層好ましくは100質量ppm以上、最も好ましくは200質量ppm以上加えられる。望ましくは、加えられる塩素または臭素含有酸化剤は、モノマー(a)、(b)および(c)の合計質量に対して2000質量ppm以下、より望ましくは1000質量ppm以下、一層好ましくは800質量ppm以下、最も好ましくは500質量ppm以下である。塩素または臭素含有酸化剤は、好ましくは重合の開始に先立って重合混合物中に溶解または分散される。しかしながら、また銀イオンまたはコロイド銀と共にまたはそれに添加して水溶液としてヒドロゲルに適用することもできる。
【0037】
本発明の方法は、すべての反応材料が接触し反応が進むバッチ方式で行うこともでき、また反応周期の間に1または複数の構成成分を連続的に加えることにより行うこともできる。重合媒体中の重合混合物は、水吸収性ポリマーを生成するのに十分な重合条件下におかれる。
【0038】
好ましくは反応は不活性気体の雰囲気中、例えば窒素またはアルゴン中で行われる。この反応は、重合が起こる任意の温度、好ましくは0℃以上、より好ましくは25℃以上、また最も好ましくは50℃以上で行うことができる。この反応は、架橋された親水性ポリマーへのモノマーの所期の転化をもたらすのに十分な時間行われる。好ましくは転化率は85%以上、より好ましくは95%以上、また最も好ましくは98%以上である。有利には反応の開始は少なくとも0℃の温度で行う。
【0039】
重合混合物に再利用「微粒子」を加えて本発明のポリマーを調製することもまた可能である。米国特許第5,342,899号を参照されたい。重合混合物に加えられる微粒子の量は、重合混合物中のモノマーの量に対して好ましくは12質量%未満、より好ましくは10質量%未満、また最も好ましくは8質量%未満である。
【0040】
逆乳化重合または逆懸濁重合方法などの多相重合処理技術を用いた重合方法を行うことも可能である。逆乳化重合または逆懸濁重合方法では、前述の水性の反応混合物をシクロヘキサンなどの水と混和しない不活性有機溶媒の基質中に細かい液体粒子の形態で懸濁させる。重合は水相で起こり、また有機溶媒中のこの水相の懸濁物または乳化物が重合の発熱による熱のよりよい制御を可能にし、さらに制御されたやり方で有機相に1または複数種の水性の反応混合物成分を加えるための柔軟性を提供する。
【0041】
逆懸濁重合方法は、Obayashi他の米国特許第4,340,706号、Flesher他の米国特許第4,506,052号、およびStanley他の米国特許第5,744,564号にもっと詳細に記載されている。逆懸濁重合または逆乳化重合技術を使用する場合、界面活性剤、乳化剤、および重合安定剤などの追加の成分を総重合混合物に加えることができる。有機溶媒を使用するいずれかの工程を利用する場合、このような工程から回収されるヒドロゲル形成用ポリマー材料を処理して実質的にすべての過剰な有機溶媒を除去することが重要である。好ましくはヒドロゲル形成用ポリマーは残留有機溶剤をわずか0.5質量%しか含有しない。
【0042】
重合の間に本発明のポリマーは一般に、すべての水性反応媒体を吸収してヒドロゲルを形成する。ポリマーは水性ヒドロゲルの形態で反応器から取り出される。本明細書中で用いられる用語「ヒドロゲル」は、水で膨潤した超吸収ポリマーまたはポリマー粒子を意味する。好ましい実施形態において反応器から出るヒドロゲルはポリマーを15〜50質量%含み、残りが水を含む。より好ましい実施形態においてヒドロゲルは25〜45%のポリマーを含む。ヒドロゲルは、反応器からそのヒドロゲルを取り出すのを容易にするために、好ましくは重合反応工程の間に反応器中で攪拌機によって粒子形状に加工される。ヒドロゲルの好ましい粒径は0.001〜25cm、より好ましくは0.05〜10cmの範囲である。多相重合において超吸収ポリマーのヒドロゲル粒子は共沸蒸留および/または濾過、続いて乾燥によって反応媒体から回収することができる。濾過により回収する場合は、ヒドロゲル中に存在する溶媒を除去するいくつかの手段を用いなければならない。このような手段は当業界で一般に知られている。
【0043】
本発明のポリマーは粒子の形態、または繊維などの他の形態であることができる。
【0044】
反応器から取り出した後、ヒドロゲルポリマーは、例えば磨砕、細切、裁断、または押出などの粒子を小さくするのに都合のよい機械的手段などによる粉砕にかけられる。粒子を小さくした後のゲル粒子のサイズは、粒子の均一な乾燥を行うことができるようなサイズであるべきである。ヒドロゲルの好ましい粒径は0.5〜3mmの範囲である。この粒子の小型化は、所望の結果を与える当業界で周知の任意の手段によって行うことができる。好ましくは粒子の小型化は、ヒドロゲルを押出することによって行われる。
【0045】
銀イオンまたはコロイド銀は、重合中または重合が始まる前の重合混合物に加えるか、あるいは粉砕前、その間、または後であって乾燥したヒドロゲルの乾燥工程前に架橋ヒドロゲルに加えることができる。乾燥工程(III)前の水吸収性ポリマー粒子中の銀イオンまたはコロイド銀の存在が、銀イオンまたはコロイド銀を水吸収性ポリマー粒子に取り込む方法とは関係なく残留モノマーに対する効果を決める。銀イオンまたはコロイド銀が、重合の始まる前または重合中に重合混合物に加えられるか、あるいは粉砕前、その間、または後に架橋ヒドロゲルに加えられ、その後に乾燥工程が続く場合、銀イオンまたはコロイド銀は、表面ではなくて水吸収性ポリマー粒子の至る所にほぼ均一に分配される。好ましくは銀イオンまたはコロイド銀は水溶液として重合混合物に重合前に、または乾燥機に入る湿潤ヒドロゲルに乾燥前に加えることにより、みごとに改良された低残留モノマーを有する水吸収性ポリマー粒子が得られる。また工程のいくつかの段階で、例えば粉砕工程の前および後の両方で銀イオンまたはコロイド銀を加えることも、その添加が実質上湿気をすべて除去する前であるかぎり本発明の範囲内にある。ヒドロゲルが銀イオンまたはコロイド銀の適用前に実質上乾燥される場合、ポリマー粒子中のモノマー含量の顕著な低下は見られない。
【0046】
乾燥されたヒドロゲルの乾燥工程前のヒドロゲルの至る所にほぼ均一に銀イオンまたはコロイド銀を分布させることが好ましい。重合混合物と銀イオンまたはコロイド銀との混合は、簡単な混合装置を使用することにより行うことができる。銀イオンまたはコロイド銀を湿潤ポリマーゲルに加える場合、ヒドロゲル内の銀イオンまたはコロイド銀の分布を改善するために追加の混合手段を利用することができる。好適な混合方法は、掻き混ぜ(stirring)、混練、および攪拌(agitating)によって例示される。ヒドロゲルを粒子に粉砕する間に激しい混合が本質的に起こるので、粉砕工程の前に銀イオンまたはコロイド銀を加えることが好ましい。
【0047】
水性の銀塩溶液を用いる場合、架橋ヒドロゲル上に噴霧することが好ましい。銀塩の溶液濃度は、ヒドロゲル内の銀塩の十分な分配を保証することができるかぎり重要ではない。水に溶かした銀塩の望ましい濃度は0.01〜20質量%の範囲である。銀塩の溶液を調製するために用いられる水の量は、有利には乾燥ポリマー100質量部に対して0.1〜999質量部の範囲である。
【0048】
塩素または臭素含有酸化剤の水溶液をヒドロゲルに加える場合、銀イオンまたはコロイド銀を含む溶液と同じやり方で適用することができる。すなわち塩素または臭素含有酸化剤の水溶液は、粉砕前または後に銀塩と一緒にまたは別の溶液としてヒドロゲルと接触させることができる。水に溶かした塩素または臭素含有酸化剤の好ましい濃度は0.1〜10質量%である。
【0049】
銀イオンまたはコロイド銀を含む溶液を粉砕後にヒドロゲルに適用する場合、水に不溶の微細無機または有機粒子、界面活性剤、有機溶剤、有機鉱油、およびこれらの混合物から選択される別の成分を、粘着を避けるために、および/またはゲル粒子の流動特性を改良するために、および/または銀塩のより良い分布を得るために加えることができる。銀イオンまたはコロイド銀を粉砕工程(II)前に適用する場合はこれらの添加剤の添加は必要ではなく、添加剤の取り込みは吸収性ポリマーの特性にマイナスの影響を与えるので、これら添加剤の不在下で銀イオンまたはコロイド銀を含む溶液をヒドロゲルと接触させることが好ましい。
【0050】
銀イオンまたはコロイド銀はまた、水性の銀溶液で前もって処理された再水和し膨潤させた「微粒子」の形態でヒドロゲルに加えることもできる。さらに別の実施形態においては銀を含まないヒドロゲルを銀で処理した超吸収ポリマーと混ぜ合わせる。この銀で処理した超吸収ポリマーは、標準的なサイズの材料でもよく、また「微粒子」またはこれらの混合物でもよい。「微粒子」は、乾燥、摩砕、および一般的なゲル工程の搬送および熱処理中の自然の摩擦で作り出される微細な水吸収性ポリマー粒子である。この微細粒径部分は一般には望ましくない小さなサイズであり、したがって米国特許第5,342,899号に記載のように、おむつなどの個人用介護用品に組み込むには適さない。この微細粒径部分は、しばしば生産において塵埃の問題を引き起こすに足る小さいサイズであり、またよく知られている最初に濡れた時のゲルブロッキング傾向による性能低下の源である。この特定の実施形態において「微粒子」は、好ましくは45メッシュ(350μm)のふるいを通過する水吸収性ポリマー粒子と解釈され、銀イオンまたはコロイド銀を含む溶液と接触させるとこの乾燥した小さなポリマー粒子の微粒子が再水和し膨潤する。次いで銀塩処理された再水和し膨潤した微粒子を本発明の方法の工程(I)で得られた架橋ヒドロゲルと完全に混合する。銀イオンまたはコロイド銀を好ましくは1〜10,000質量ppm、さらに一層好ましくは10〜1,000質量ppm含む溶液(乾燥ポリマー100質量部に対する水0.1〜999質量部に溶かした)で再水和した微粒子0.1〜25質量部(すべて乾燥ポリマー質量に対して)を用いることが好ましい。
【0051】
ヒドロゲルを好ましくは塩素または臭素含有酸化剤と組み合わせた銀イオンまたはコロイド銀と接触させ、ヒドロゲルを粒子に粉砕した後、このヒドロゲルを工程(III)の乾燥条件にさらして残っている重合媒体と、任意選択の溶剤および実質上すべての水を含めた分散液とを除去する。望ましくは乾燥後のポリマーの含水率は0〜20質量%、好ましくは5〜10質量%である。
【0052】
この乾燥を行う温度は、水および任意選択の溶剤を含めた重合媒体および液体を妥当な時間のあいだに除去するような十分に高い温度であるが、ポリマー中の架橋結合の切断によるなどのポリマー粒子の分解を引き起こすほどには高くない温度である。好ましくは乾燥温度は180℃以下である。望ましくは乾燥中の温度は100℃以上、好ましくは120℃以上、またより好ましくは150℃以上である。
【0053】
この乾燥時間は、実質上すべての水および任意選択の溶剤を除去するのに十分なものであるべきである。好ましくは乾燥の最少時間は10分以上だが15分以上が好ましい。好ましくは乾燥時間は60分以下だが25分以下がより好ましい。好ましい実施形態において乾燥工程は、水と吸収性ポリマー粒子から揮発する任意選択の溶剤とが除去されるような条件下で行われる。これは真空技術を使用することにより、あるいは不活性気体または空気がポリマー粒子層を横切るかまたは通り抜けることにより達成することができる。好ましい実施形態において乾燥工程は、加熱された空気をポリマー粒子層に吹きかけるまたは吹き込む乾燥機中で行われる。好ましい乾燥機は流動床またはベルト乾燥機である。あるいはドラム乾燥機も用いることができる。あるいは水を共沸蒸留によって除去することもできる。このような技術は当業界でよく知られている。
【0054】
乾燥中に超吸収ポリマー粒子は集塊を形成する可能性があり、次いで例えばこの集塊をばらばらにする機械的手段によるなどの粉砕にかけることができる。好ましい実施形態においてこの超吸収ポリマー粒子は、機械的な粒子の小型化手段にかけられる。このような手段には細切、裁断、および/または磨砕が含まれてもよい。この目的は、最終用途において受け入れられる粒径までポリマー粒子の粒径を小さくすることである。好ましい実施形態においてポリマー粒子は細切され、次いで磨砕される。最終粒径は好ましくは2mm以下、より好ましくは0.8mm以下である。好ましくは粒径は0.01mm以上、より好ましくは0.05mm以上である。本発明の乾燥した超吸収ポリマー粒子は、例えばアルミニウムイオンのような多価陽イオンを用いる、および/または前述の架橋剤の一つを用いるコーティングとそれに続く高温での加熱による更なる表面架橋処理用のベースポリマーとして使用することができる。
【0055】
好ましい実施形態では乾燥工程および任意選択で小粒径化の後、ポリマー粒子を熱処理工程にかける。このポリマーの熱処理は、水吸収性ポリマーの負荷のかかった状態での吸収(AUL)、特により高圧下でのAULの有益な増加をもたらす。熱処理に適した装置には、回転ディスク乾燥機、流動床乾燥機、赤外線乾燥機、攪拌型トラフ乾燥機、パドルドライヤー、ボルテックスドライヤー、およびディスクドライヤーがあるがこれらには限定されない。当業者ならば、使用する特定の装置の伝熱特性に対して適宜熱処理の時間および温度を変えるはずである。
【0056】
熱処理工程の時間および温度は、ポリマーの吸収特性が所望どおりに改良されるように選択される。ポリマーは、望ましくは170℃以上、より望ましくは180℃以上、好ましくは200℃以上、より好ましくは220℃以上の温度で熱処理される。170℃未満では吸収特性の改良は見られない。この温度はポリマーを分解させるほど高い温度であるべきではない。好ましくは温度は250℃以下、より好ましくは235℃以下である。ポリマーは所望の熱処理温度まで加熱され、好ましくは1分間以上、より好ましくは5分間以上、また最も好ましくは10分間以上そのような温度に保たれる。通常1分間未満では特性の改良は見られない。加熱時間が長すぎる場合、非経済的になり、またポリマーが損傷する危険性がある。好ましくはポリマー粒子は60分間以下、好ましくは40分間以下その所望の温度に保たれる。60分間を超えると特性の顕著な改良は認められない。ポリマー粒子の特性は、加熱工程の温度と時間の調節によって調整し注文に合わせることができる。
【0057】
ポリマーは所望の熱処理温度まで加熱され、好ましくはそのような温度で1分間以上、より好ましくは5分間以上、また最も好ましくは10分間以上保たれる。通常1分間未満では特性の改良は見られない。加熱時間が長すぎる場合、非経済的になり、またポリマーが損傷する危険性がある。好ましくはポリマー粒子は60分間以下、好ましくは40分間以下その所望の温度に保たれる。60分間を超えると特性の顕著な改良は認められない。ポリマー粒子の特性は、加熱工程の温度と時間の調節によって調整し注文に合わせることができる。
【0058】
加熱処理の後、ポリマー粒子は静電気のせいで取扱いが困難な可能性がある。静電気の影響を減らすかまたはなくすために粒子を再加湿する(rehumidify)ことが望ましいこともある。乾燥ポリマーの加湿方法は当業界でよく知られている。好ましい方式では乾燥粒子を水蒸気と接触させる。乾燥粒子は静電気の影響を減らすかまたはなくすのに十分な量の水と接触させるが、粒子を塊りにするほど多量ではない。好ましくは乾燥粒子は0.3質量%以上の水、より好ましくは5質量%以上の水で加湿される。好ましくは乾燥粒子は10質量%以下の水、より好ましくは6質量%以上の水で加湿される。任意選択で集塊防止または再水和添加剤を架橋した親水性ポリマーに加えることができる。このような添加剤は当業界でよく知られており、界面活性剤とシリカなどの不活性無機粒子とがあり、例えば米国特許第4,286,082号、第4,734,478号、およびドイツ特許第2706135号を参照されたい。再加水(remoisturization)もまた、欧州特許出願公開第0979250号に教示されているように特定の塩溶液を用いて行うことができる。
【0059】
再加水工程の間および/または後に、乾燥しまた任意選択で加熱処理したポリマー粒子を塵埃調節剤、例えば米国特許第6,323,252号および第5,994,440号に記載されているプロポキシル化ポリオールを含有する溶液と接触させることができる。プロポキシル化ポリオールは、凝集を引き起こすことなく最終超吸収ポリマー粒子の微細な塵埃を束縛するのに、また粉末状添加剤の微細粒子を表面に束縛するのに特に適している。プロポキシル化ポリオールの添加はさらに、超吸収ポリマー表面の水性添加剤のより均一な分布をもたらす。プロポキシル化ポリオールの例は、ダウ・ケミカル社から商品名ボラノール(VORANOL)で入手できる。プロポキシル化ポリオールは、有利には乾燥ポリマーの質量に対して500〜2,500ppmの量が用いられる。水に溶かしたプロポキシル化ポリオールの濃度は好ましくは1〜10質量%、より好ましくは3〜6質量%の範囲である。
【0060】
多少の臭気抑制作用があると考えられる他の添加剤を銀塩に加えて用いることができる。この追加の添加剤は乾燥しまた任意選択で加熱処理したポリマーに、銀塩溶液またはコロイド銀の添加の前、それと同時、または後に加えることができる。添加剤の例は、活性炭、クロロフィリン、キレート剤、ソーダ、重炭酸ナトリウム、硫酸銅、酢酸銅、硫酸亜鉛、ケイ酸塩、クレイ、シクロデキストリン、クエン酸、キトサン、イオン交換樹脂粒子、またはそれらの組合せである。また銀塩またはコロイド銀に加えて合成または天然のゼオライトを用いることもでき、その際ゼオライトを銀塩で前処理せず、すなわちゼオライトを銀の陽イオンでイオン交換しない。
【0061】
乾燥しまた任意選択で加熱処理したポリマー粒子の流動性を増すために、二酸化ケイ素、好ましくはヒュームドシリカ、または他の微細無機または有機粉末をポリマー粒子と混合することができる。粉末状添加剤は、望ましくはヒュームドシリカと一緒にポリマー粒子に加えられ混合される。ヒュームドシリカは、乾燥ポリマーに対して好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.05〜3質量%の量が用いられる。ヒュームドシリカの一例は、独国Degussa社から入手できるエーロジルR972(Aerosil R972)である。この添加剤は乾燥状態で、または水分散液の形態などの分散した形態で加えることができる。
【0062】
本発明によるポリマーは、銀イオンまたはコロイド銀を含有する溶液により処理されるので低レベルの残留モノマーを有する。本発明の方法の少なからぬ利点はこれらの銀イオンまたはコロイド銀が、この方法を銀処理せずに行った場合に得ることができるものよりも熱処理および非熱処理ポリマーの両方で残留物の有益な低下をもたらすことである。ポリマーを加熱すると熱で誘発される逆ミカエル反応による開裂が原因で普通は残留モノマーの量が増加すると考えられる。しかしながら銀処理ポリマーは、そのポリマーを銀処理せずに熱処理した場合に比べて低レベルの残留物を示す。
【0063】
本発明の水吸収性ポリマーは、水性液体の吸収および拘束が望まれる任意の用途に用いることができ、また悪臭の発生を抑制することが望ましいはずのこのような用途には特に適している。好ましい実施形態においては本発明の超吸収ポリマー粒子を、構造物を形成するように合成または天然繊維あるいは紙を基材とする織布または不織布繊維などの吸収性材料の構造物と混ぜ合わせ、またはこれに付着させる。このような構造物においては織布または不織布構造は、このような液体を拘束しまた保留する超吸収ポリマー粒子へ毛管作用により液体を運びまた送るための仕組みとしての役目を果たす。このような構造物の例は、生理用ナプキン、おむつ、および成人の失禁用構造物である。これに加えて非個人用介護用途、例えば医療介護、農業、園芸、造園、ペットのトイレ、肥料、包装、および食品包装において臭気抑制特性を有する超吸収ポリマーの様々な用途がある。
【0064】
本発明による吸収構造物は、臭気抑制特性を有する超吸収ポリマー粒子を収容するための手段を備える。上述の超吸収ポリマー粒子を収容することができる任意の手段(またこの手段をさらに吸収性外被などの用具内に配置することもできる)が本発明において使用するのに適している。多くのこのような収容手段が当業者に知られている。例えばこれらの収容手段には、セルロース繊維の乾式積層(airlaid)または湿式積層(wetlaid)ウェブ、合成高分子繊維のメルトブロー型ウェブ、合成高分子繊維のスパンボンド型ウェブ、セルロース繊維と合成高分子材料から成形される繊維とを含む共成形マトリックス、合成高分子材料の乾式積層熱溶融型ウェブ、または連続気泡フォームなどの繊維質マトリックスを含めることができる。一実施形態において繊維質マトリックスは、セルロース繊維を10質量%未満、好ましくは5質量%未満含むことが好ましい。さらにこの封入手段は、その上に超吸収ポリマー粒子を貼り付ける高分子フィルムなどの支持構造物を備えることもできる。超吸収ポリマー粒子は、透水性でも不透水性でもよいこの支持構造物の片面または両面に貼り付けることができる。
【0065】
本発明によるこの吸収性構造物は、例えば尿、月経分泌物、血液などの体液を含めた多くの液体を吸収するのに適合し、またおむつ、成人の失禁用品、ベッドパッドなどの吸収性外被や、生理用ナプキンおよびタンポンなどの月経用具や、例えばふき取り用の布、よだれ掛け、および外傷用包帯などの他の吸収用品に使用するのに適合する。したがって別の態様において本発明は、上記のように吸収性構造物を含む吸収性外被に関する。
【0066】
下記の実施例は本発明を例示するために付け加えられ、特許請求の範囲を限定するものではない。すべての部および百分率は特に指定しない限り質量単位である。
【0067】
微粒子の粒度分布(PSD)分析
銀処理し再水和し膨潤させた微粒子(SRSF)の調製に用いる微粒子は、商用プラントの超吸収ポリマーの製造諸工程の間に、また乾燥し摩砕した生成物を熱処理(HT)前にふるいにかける場合はその後に得た。使用する微粒子材料の粒群は8回評価した。この微粒子の粒度分布に関する結果を次の表1に示す。
【0068】
【表1】
Figure 2004531631
【0069】
銀塩溶液処理
銀塩溶液は実験を行う前に調製した。銀塩の所望量を水に溶解し、次いでこの銀塩溶液をトレー中でヒドロゲル上に、この混合物を手で混ぜながら噴霧した。場合によっては吹付けの間、プラスチック容器またはビニル袋中でゲルを振とうした。この簡単な吹付けおよび混合の工程は、ゲルを細かく刻む前に十分に銀溶液とゲルを混ぜ合わすのに役立った。次いで、得られた銀溶液処理したゲルを実験用押出機(独国MADO社製の家庭用肉挽き機)によりダイプレート(ダイサイズ6mm)を通して細かく刻み、次いでこの銀処理し細かく刻んだゲルを強制空気式実験用乾燥機(HERAEUS)中で170℃で2時間乾燥した。
【0070】
銀処理し再水和し膨潤させた微粒子の調製および処理
銀処理し再水和し膨潤させた微粒子(SRSF)は、適切な銀塩溶液を微粒子と混合することにより調製し、それをすばやく再水和により膨潤させた。このSRSFを均一なSRSFペーストが得られるように混合した。次いで所望量のゲルをSRSFと混合した。処理ゲルは、ゲル/SRSF混合物を実験用押出機でダイプレート(ダイサイズ6mm)を通して細かく刻み、続いて実験用乾燥機(HERAEUS)中で170℃で2時間乾燥することによって得た。
【0071】
熱処理手順
熱処理方法1: ポリマー試料20g(30/50メッシュサイズ部分)を10cm径アルミニウムトレーに入れ、所望の温度に予熱した強制空気式乾燥機(HERAEUS)中に所望の時間置いた。
熱処理方法2: いくつかの実験においては加熱をホットエアガンでゾーンを予熱することによって行った(実験用流動床)。目標温度に達し、安定化したらポリマー試料約20g(30 / 50メッシュサイズ部分)をそのゾーンに置き、接触式温度計を試料と接触させて設置した。試料の温度を目標温度で安定化するまで監視した。試料をこの目標温度に所望の時間保った。
【0072】
残留モノマーの評価方法
粒度30から50メッシュの間の部分を有する熱処理前および後の粉末状超吸収ポリマー試料を残留モノマー含量の分析に用いた。下記の実施例において残留モノマー濃度は、乾燥ポリマー質量に対するppm(百万分率)単位で測定された。用語「熱処理前」とは乾燥工程および分粒工程の後だが熱処理(HT)前のポリマーの特性を意味する。用語「熱処理後」とは熱処理後のポリマーの特性を意味する。
残留アクリル酸の量を求めるには、各試料1.000gを0.9%NaCl水溶液185g中で16時間振とうした。次いでこのスラリーをワットマン(Watman)No.3濾紙に通した。濾液の試料を液体クロマトグラフ中に注入し、次いで単量体アクリル酸をUV検出器を用いて205nmにおいて分析した。残留モノマーは、アクリル酸のピークのピーク面積を標準試料のものと比較することによって計算した。
【実施例】
【0073】
下記のすべての実験において対照試料は銀塩を加えないその対応するポリマーである。マークを付けたすべての試料は比較例であり、本発明の実施例ではない。
【0074】
実施例1〜8: 重合前のモノマー混合物への銀塩溶液の添加ならびに塩素酸塩の効果
実施例1〜8は、実験室で重合したゲルについて銀塩溶液処理が残留物に及ぼす効果を例示し、また塩素酸塩の効果も示す。残留モノマー含量に及ぼす銀塩の効果を、塩素酸塩の存在(実施例1〜4)および不在(実施例5〜8)の場合について示した。
【0075】
実験用ガラス製反応器を用いた重合
表2に示した配合を用いて、塩素酸塩レベル263ppm(アクリル酸、HETMPTAおよびPEG600の合計質量に対する塩素酸塩配合)または塩素酸塩0ppm(非塩素酸塩配合)を含有する超吸収ポリマーヒドロゲルを作製した。重合は、攪拌することなく実験用ガラス製反応器(反応器容量300mL)を用いて行った。重合手順は下記にさらに述べる。両試験の詳細な配合は次の表2に示す。両配合に対する中和度は68%であった。
【0076】
【表2】
Figure 2004531631
【0077】
モノマー混合物の調製
氷で冷やしたプラスチック製ビーカー中でアクリル酸299.57gを水酸化ナトリウムの20質量%水溶液829.36gに加えた。アクリル酸の添加は、温度が30℃を超えないように一部ずつ分けて加えた。ベルセネックス80(ダウ・ケミカル社の商標で、ジエチレントリアミン五酢酸の五ナトリウム塩40.2質量%)0.55gを予め中和した混合物に加えた。この混合物に脱イオン水212.15gを注いだ。この予混合物をビーカーに入れた。ビニル架橋剤としてのHE−TMPTA1.32gをアクリル酸139.5g中に溶解し、モノマー混合物に加えた。非ビニル架橋剤として用いるポリエチレングリコール(PEG600)1.32gをその混合物中に溶解させた。塩素酸塩を含有する配合については10質量%塩素酸ナトリウム溶液1.16gをこのモノマー混合物に加えた。混合物に塩素酸塩を加えない場合は、代わりに脱イオン水1.16gを用いた。すべて加えた後、この混合物をよくかき回した。
【0078】
実験用ガラス製反応器を用いた重合
モノマー混合物250gを、頂部にフランジを備えた300mL丸底フラスコ中に入れた。4つの開口部を有するふたでフランジを密閉し、その最初の2つを温度計用および窒素ガス供給用に残し、1つの開口部をベント系統に連結し、また4つ目の開口部を隔壁で塞いだ。モノマー混合物を窒素流(150リットル/時)で30分間パージして極微量の酸素を除去した。相当する量の銀塩を0.1質量%硝酸銀溶液としてモノマー混合物に直接加えた。窒素の泡立ちを減らし(50リットル/時)、開始剤をこの調製したモノマー混合物に15質量%過酸化水素溶液1.05g、10質量%ペルオキソ二硫酸ナトリウム溶液7.46g、および1質量%アスコルビン酸溶液6.59gの順序で加えた。
【0079】
重合は室温で開始した。アスコルビン酸を導入した後、この開始温度でモノマー混合物はわずかに混濁するようになった。混合物がゲル化し始め、開始3分後にはより濁った。ゲルの形成は約50℃で見られ、ゲルはまだわずかに混濁しているように見えた。温度が50℃に達した後、ゲルはわずかに透明になった。塩素酸塩の存在とは関係なく、重合混合物が70℃に達するまでに約20〜25分かかった。温度が70℃に達したら、フラスコを70℃で60分間水浴中に置いた。次いでこの反応器を開け、水性ポリマーゲルの塊(1個のゲル片)を回収し、その後小片に切断し、続いてダイの直径6mmの実験用押出機で切り刻んだ。押し出したゲルを強制空気式実験用乾燥機中で170℃で2時間乾燥した。対照および比較用試料については、切り刻んだゲルを銀処理せずに乾燥した。乾燥した材料を実験用粉砕機(Moulinette製の家庭用ミキサー)を用いて摩砕し、30および50メッシュのふるいを用いてふるい分けた。この画分約20gを実験用流動床(熱処理方法2)中で表3に示した様々な温度で30分間熱処理した。試料(30/50メッシュ)を熱処理の前および後の両方について残留物を分析した。
【0080】
【表3】
Figure 2004531631
【0081】
【表4】
Figure 2004531631
【0082】
表4の実施例1〜8の結果は、重合前にモノマー混合物に加えた場合に残留モノマーに及ぼす銀イオンの効果をはっきり示している。銀塩溶液を伴う重合は、塩素酸塩の存在とは関係なく乾燥後の残留モノマーレベルの著しい改良をもたらした。塩素酸塩なしの配合の重合は、塩素酸塩配合の場合よりも高い残留モノマーの結果に終わった。したがって重合用モノマー混合物中に塩素酸塩が存在している場合の銀塩の使用は、残留モノマーの値に関して塩素酸塩なしの配合と比べて有利なことをはっきり示している。実施例1〜8はまた、モノマー混合物の重合前の銀塩溶液処理が、高温で熱処理した場合、塩素酸塩の存在とは関係なく対照用生成物と比べてポリマー粒子中の残留モノマーレベルの著しい改良をもたらしたことを示している。しかしながら熱処理した場合の残留モノマーに及ぼす銀塩処理のプラスの効果は、塩素酸塩と組み合わせて用いた場合により大きかった。
【0083】
実施例9: 供給ポリマーゲルおよび対照試料
本発明の改良された超吸収ポリマー生成物を、表2に示した配合(「塩素酸塩配合」)を用いて調製したゲルに銀塩溶液を加えることによって調製した。
【0084】
ステンレススチール製攪拌アセンブリおよび歯車減速機を備えた高トルク攪拌モーターを有するニーダー型ステンレススチール製反応器を用いてバッチ重合を行った。このアセンブリは、重合の間に形成されるゲルの摩砕を可能にした。30分の重合時間の後、転化はほとんど完了し、少なくとも約99%であった。このポリマーは水溶液を吸収し、水性ヒドロゲルを形成した。反応器から取り出した水膨潤超吸収性ヒドロゲルを、ゲルの切り刻みの前に次の表5の実験9〜21用に採取した。このヒドロゲルは粘着性でなく、小さな粒子状ゲル片の形態で容易に扱うことができ、また次の実施例で述べるように処理するのに十分強靭であった。
【0085】
対照試料(実施例9)については非押出しヒドロゲルを、ダイプレート(ダイサイズ6mm)を通す実験用肉挽き機を用いて細かく刻んだ後、それを実験用乾燥機(HERAEUS)中で170℃で2時間乾燥することによって調製した。実験用粉砕機(Moulinette製の家庭用ミキサー)を用いて乾燥した材料を摩砕し、30および50メッシュのふるい(すなわち0.595mmと0.297mmの間の粒度分布)を用いてふるい落とした。ポリマー粒子20gをアルミニウム製トレーに入れ、強制空気式実験用乾燥機中で180、200および220℃で60分間熱処理した(熱処理方法1)。得られた熱処理試料を残留モノマーに関して評価した。残留モノマーの結果を表6に示す。
【0086】
実施例10〜15: 銀塩溶液処理および銀溶液によるヒドロゲルの加工
実施例10は比較試料であり、銀塩処理されていない。実施例11〜15(表5)は、銀塩水溶液の形態でのゲルの処理に関する。実施例11〜15では表5に示した処理剤の量を水180g中に溶解した。この溶液を実施例9のゲル2,000g上に噴霧し、手で完全に混合した。次いでダイプレート(ダイサイズ6mm)を通す実験用肉挽き機によって銀塩溶液処理したゲルを細かく刻み、次いでこの銀塩溶液処理し細かく刻んだゲルを実験用乾燥機(HERAEUS)中で170℃で2時間乾燥した。実施例9の記述と同じ条件下で記述されるように、この乾燥した材料をさらに摩砕し、ふるい落とし、熱処理した。残留モノマーについての結果を表6に示す。
【0087】
実施例16〜21: 銀処理し再水和し膨潤させた微粒子(SRSF)によるヒドロゲルの処理
実施例16は比較試料であり、銀塩処理されていない。実施例17〜21(表5)は、再水和し膨潤させた微粒子の形態での銀塩処理によるゲルの処理に関する。この銀塩処理し再水和し膨潤させた微粒子(SRSF)は、水180g中に溶解した相当する量の銀塩(表5)を乾燥微粒子20gと共に加えることによって調製した。得られたSRSFを実施例9の非押出しゲル試料2,000gに加え、手で完全に混合した。次いでダイプレート(ダイサイズ6mm)を通す実験用肉挽き機によってSRSF処理したゲルを細かく刻み、次いでこの銀処理し細かく刻んだゲルを実験用乾燥機(HERAEUS)中で170℃で2時間乾燥した。実施例9の記述と同じ条件下で記述されるように、この乾燥した材料をさらに摩砕し、ふるい落とし、熱処理した。残留モノマーに関する結果を表6に示す。
【0088】
【表5】
Figure 2004531631
【0089】
【表6】
Figure 2004531631
【0090】
対照試料と比べて銀塩溶液処理がポリマー粒子中の残留物の量の著しい改良をもたらしたことを表6の実施例10〜15から知ることができる。この著しい改良は熱処理と無関係であることが分かった。試料を加熱した場合、再生アクリル酸を生ずる逆ミカエル反応を介する共重合した二量体の熱誘発性の開裂が原因で全試料中で残留値の増加を招くことが一般に知られている。その結果、高い値の残留物を含む生成物が得られた。銀塩溶液で処理した試料は、残留モノマー濃度の著しい改良を示した。
【0091】
本発明のSRSF法が、加熱とは関係なく対照試料と比べて残留モノマーレベルの著しい改良をもたらしたことは表6の実施例16〜21から明らかである。さらに、ヒドロゲルに銀塩処理し再水和し膨潤させた微粒子(SRSF)を加える効果は水溶液に同量の銀塩を加えるのとほぼ同じであることを、実施例10〜15と実施例16〜21を比較した表5から知ることができる。

Claims (21)

  1. (I)(a)1または複数種のエチレン不飽和性のカルボキシル含有モノマー、(b)1または複数種の架橋剤、(c)任意選択でカルボキシル含有モノマーと共重合可能な1または複数種のコモノマー、および(d)重合媒体を含む重合混合物を重合して架橋ヒドロゲルを形成する工程、
    (II)ヒドロゲルを粒子に粉砕する工程、ならびに
    (III)ヒドロゲルを乾燥する工程
    からなる水吸収性ポリマーの調製方法であって、
    銀イオンまたはコロイド銀を、(i)工程(I)の前にもしくは工程(I)中に重合混合物に、または(ii)粉砕工程(II)の前に、粉砕工程(II)中に、もしくは粉砕工程(II)の後であるが工程(III)のヒドロゲルの実質的な乾燥の前にヒドロゲルに、加えることを特徴とする方法。
  2. 工程(III)の後に、乾燥したヒドロゲルを熱処理する工程(IV)をさらに含む請求項1に記載の方法。
  3. 銀イオンまたはコロイド銀をポリマー固形物の質量に対して1〜10,000ppmの量で加えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 銀イオンまたはコロイド銀を水溶液の形態で加えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 銀塩の水溶液を工程(I)の前に重合混合物に加えることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 銀塩の水溶液を粉砕工程(II)の前または後に加えることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  7. 銀イオンまたはコロイド銀を銀処理し再水和し膨潤させた微粒子の形態で粉砕工程(II)の前または後に加えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 銀イオンが、酢酸銀、硝酸銀、安息香酸銀、臭素酸銀、塩素酸銀、乳酸銀、モリブデン酸銀、亜硝酸銀、酸化銀(I)、過塩素酸銀、過マンガン酸銀、セレン酸銀、亜セレン酸銀、スルファジアジン銀、硫酸銀、またはそれらの混合物から誘導されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  9. 銀塩の水溶液を水に不溶の銀塩の錯化によって調製することを特徴とする請求項4に記載の方法。
  10. 水に不溶の銀塩が塩化銀または臭化銀であり、かつ錯化剤がアルカリ金属のチオ硫酸塩であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. 工程(III)で得た乾燥したヒドロゲルを熱処理工程(IV)において170〜250℃の温度に1〜60分間加熱することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  12. 塩素または臭素含有酸化剤の存在下で行う請求項1に記載の方法。
  13. 塩素または臭素含有酸化剤を、工程(I)の重合の開始前にモノマー(a)、(b)および(c)の合計質量に対して10〜2,000ppmの量で重合混合物中に溶解または分散させることを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. 塩素または臭素含有酸化剤が、塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウム、臭素酸ナトリウム、臭素酸カリウム、亜塩素酸ナトリウムおよび亜塩素酸カリウム、ならびにそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
  15. カルボキシル含有モノマーがエチレン不飽和性カルボン酸、エチレン不飽和性カルボン酸無水物、不飽和カルボン酸の塩、およびそれらの混合物からなる群から選択され、任意選択のコモノマーがアクリルアミド、ビニルピロリドン、ビニルスルホン酸またはその塩、アクリロニトリル、セルロースモノマー、変性セルロースモノマー、ポリビニルアルコールモノマー、および水解デンプンのモノマーからなる群から選択され、かつ架橋剤が(i)1または複数種のポリビニル架橋剤、(ii)1または複数種のポリビニル架橋剤と1または複数種の非ポリビニル架橋剤の混合物、および(iii)1または複数種のポリビニル架橋剤と1または複数種の二モード架橋剤の混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  16. ポリビニル架橋剤が、ポリオールと不飽和モノまたはポリカルボン酸のジまたはポリエステル、ポリオールを不飽和酸と反応させることにより得られる不飽和ポリエステル、ポリエポキシドを(メタ)アクリル酸と反応させることにより得られるジまたはトリ(メタ)アクリル酸エステル、ビス(メタ)アクリルアミド、ポリイソシアナートをヒドロキシル基含有モノマーと反応させることにより得られるカルバミルエステル、ポリオールのジまたはポリ(メタ)アリルエーテル、ポリカルボン酸のジまたはポリアリルエステル、ポリオールのモノ(メタ)アリルエステルと不飽和モノまたはポリカルボン酸のエステル、ならびにカルボキシル基、カルボン酸無水物、ヒドロキシル基、アミノ基またはアミド基と反応する少なくとも1個の基を含有するエチレン不飽和性化合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  17. 使用するポリビニル架橋剤が、式
    (−(RO)−C(O)R
    (ここで、Rは、炭素原子1〜10個の原子価xを有する直鎖または分枝鎖ポリアルコキシ基であって、その主鎖において1または複数個の酸素原子で置換されていてもよい。
    は、各々独立に炭素原子2〜4個のアルキレン基である。
    は、各々独立に炭素原子2〜10個を有する直鎖または分枝鎖アルケニル基である。
    nは1〜20の数である。
    xは2〜8の数である。)
    の化合物であることを特徴とする請求項16に記載の方法。
  18. がトリメチロールプロパンから誘導され、Rがエチレン(−CHCH−)であり、Rがビニル(−CH=CH)であり、nの平均値が2〜6であり、かつxが3であることを特徴とする請求項17に記載の方法。
  19. 請求項1に記載の方法によって調製される水吸収性ポリマー。
  20. 請求項19に記載の水吸収性ポリマーと、紙、合成繊維、天然繊維、またはこれらの組合せでできた少なくとも1個の織布または不織布構造物とからなる吸収性構造物。
  21. (I)(a)1または複数種のエチレン不飽和性のカルボキシル含有モノマー、(b)1または複数種の架橋剤、(c)任意選択でカルボキシル含有モノマーと共重合可能な1または複数種のコモノマー、および(d)重合媒体
    を含む重合混合物を重合して架橋ヒドロゲルを形成する工程、
    (II)ヒドロゲルを粒子に粉砕する工程、ならびに
    (III)ヒドロゲルを乾燥する工程
    からなる水吸収性ポリマーの調製方法であって、
    銀イオンまたはコロイド銀10〜1,000ppmを工程(III)のヒドロゲルの実質的な乾燥の前に加えることを特徴とする方法。
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