JP2004527946A - 連続的に整調可能な位相器 - Google Patents
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Abstract
位相器は、粗位相整調配置及び微位相整調配置を含む。粗位相整調配置は、離散的な多くの位相偏移を提供する。微位相整調配置は、抵抗器、インダクタ、及びコンデンサを有する、RLCネットワークを含む。微位相整調配置は、抵抗器の抵抗値を変動させるための光学的配置もまた含む。この位相器は、広帯域の連続的な360°の位相の偏移、また、ギガヘルツ周波数を得ることができる。真時間遅延の性能、非常に低い挿入損失、及び最大位相調節の高い値に帰着する、ほとんど線型の位相偏移対周波数もまた可能にする。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、位相器に、より詳しくは、固体素子の半導体に基づいた小型で連続的に可変な位相器に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の商業的な可変な位相器は、例えば、TRAK Microwave Corp.(Florida)から販売されたもののように、典型的には、最大の位相偏移120°未満に限定してきた、また、帯域の動作を1GHz未満に限定してきた、バラクターダイオードを含む。
【0003】
しかしながら、動作帯域を変化させることは、適切なダイオードを連結するインピーダンス素子を変化させることを要求する。さらに、120°を超える位相偏移を、一つより多いデバイスを縦続接続することによって得ることができるのみである。
【0004】
別のタイプの先行技術の可変な位相器は、MEMの可変なコンデンサ、すなわち、マイクロ電気機械的スイッチの配列を通じて実現されたコンデンサと共に周期的に載せられた共面導波伝送線路を含む。アナログ制御は、コンデンサの静電的な制御によって提供される。MEMSのスイッチに対する入門的な注を、例えば、非特許文献1に見出すことができる。共面導波伝送線路は、非特許文献2に開示されている。
【0005】
この第二のアプローチ欠点は、MEMの静電容量の値における限定された(約30%の)変動によって、位相制御用の載せられた伝送線路に著しい結合した効果を有するために、多数のこれらのコンデンサを必要とすることである。例えば、2°/GHzの位相の偏移を提供するために、32個のエアーブリッジを備えた10mmの載せられた線路が要求される。
【0006】
また別のタイプの可変なRFの位相器は、光ファイバーの遅延線路と結合した、LiNbO3から製造された電圧可変な光結合器を含む。例えば、非特許文献3を参照のこと。
【0007】
再度、このデバイスの最大の位相偏移は、80MHzのみの最大の動作周波数における40°から80°までの整調可能な範囲と共に、かなり限定される。また、このデバイスの挿入損失は、80MHzにおいて8dBまでであり得る。さらに、LiNbO3を主材料としたデバイスは、かなり高価である。
【0008】
従って、ギガヘルツ周波数でもまた広帯域の連続的な360°の位相の偏移を得ることができる、単純、小型サイズ、及び低コストの位相器に対する要求がある。
【非特許文献1】
“RF−MEMS Switches for Reconfigurable Integrated Circuits”,Elliott R.Brown,IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques,Vol.46,No.11,November 1998.
【非特許文献2】
“Distributed MEMS True−Time Delay Phase Shifters and Wide−Band Switches”,N.Scott Barker,IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques,Vol.46,No. 11,November 1998.
【非特許文献3】
“A Novel Wide−Band Tunable RF Phase Shifter Using a Variable Optical 1 0 Directional Coupler”,K.Ghorbani,A.Mitchell,R.B.Waterhouse,and M.W.Austin,IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques,Vol.47,No.5,May 1999.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、特に無線周波数(RF)領域における使用のための新規な小型サイズの連続的に可変な位相器に関する。また、この新規な位相器を、VHF(超短波)、UHF(極超短波)のような、周波数においてより低い他の帯域、又は、そのうえ、マイクロ波若しくはミリ波のような、より高い周波数帯域へ適用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第一の態様によれば、粗位相整調用のディジタルの二値のマイクロ電気機械的(MEM)に基づいた位相器、並びに、ディジタルの二値の粗位相器に連続して接続された微位相整調用の抵抗器、インダクタ、及びコンデンサ(RLC)ネットワークを含み、ここで微細な位相の整調は、可変な光学パワーを通じて抵抗値を連続的に変動させることによって達成される、位相器が開示される。
【0011】
本発明の第二の態様によれば、抵抗器、インダクタ、及び第一のコンデンサを有するRLCネットワークを提供するステップ、及び抵抗器の抵抗値を光学的に連続的に変動させるステップを含む、連続的な位相を偏移させる方法を提供する。
【0012】
結果として、非常に小型サイズの可変な位相器が、0°から360°までの広帯域の連続的に可変な位相の偏移と共に得られる。この位相器を、Si又はGaAsのような従来の半導体に十分に集積することができる。本発明の好適な実施例によれば、RLCネットワークは、非常に低い挿入損失及びほとんど線形の位相遅延対周波数の応答をもつ低域フィルターとして作用する。さらに、本発明による位相器は、広帯域の動作の性能を有する。その帯域幅を、RLCネットワークにおけるインダクタL及び/又はコンデンサCの値を変化させることによって、容易に変動させることができる。このように、別の組みのMEMスイッチを使用してこれらのパラメータの値を切替えることによって、その場における帯域幅の切替えの性能をもつ小型の位相器を実現することができる。
【発明の効果】
【0013】
従って、本発明の利点を、以下の、小型サイズ、その場で切替え可能な帯域幅をもつ広帯域の動作、真時間遅延の性能に帰着するほとんど線型の位相偏移対周波数、非常に低い挿入損失、及び高い値の最大位相調節のように要約することができる。
【0014】
これに対してさらに、本発明による位相器においては、RLCネットワークと結合した10個未満のMEMスイッチが、連続的な360°の位相の偏移を得るために、要求されることに注意する必要がある。さらに、最大位相調節は、先行技術のデバイスよりも大きい。
【0015】
なお、本発明のさらなる利点は、商業的なSi又はGaAsの技術を使用するという事実によって、安価なデバイスを提供することである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、図面と合わせて考慮される以下の詳細な説明から、より十分に、理解され、認識されると思われる。
【0017】
ここでは、図面を参照することにするが、提示は、本発明の好適な実施例を説明する目的のためであり、本発明を限定するためではない。
【0018】
図1は、本発明による位相を偏移させるデバイスの概略のブロック図を含む好適な実施例を示す。位相偏移されるRF信号は、入力Rfinで入力され、3ビットの二値の粗位相偏移ブロック1を通過する。粗位相偏移ブロック1は、一連のMEMで切替えられる遅延線路D1からD6までを含み、各々をそれぞれのスイッチS1からS6までと適合させる。特に、ブロック1は、これらの区画A、B、及びCを含む。これらの三つの区画A、B、及びCの各々は、異なる電気的な長さの二つのアームを有し、RF信号をアームの一方又は他方の方へ押しやるための二つのスイッチを含む。図1を参照して、区画Aは、それぞれのスイッチS1、S2を有するアームD1、D2を有する。区画Bは、それぞれのスイッチS3、S4を有するアームD3、D4を有し、区画Cは、それぞれのスイッチS5、S6を有するアームD5、D6を有する。これは、適切な電気的な遅延線路を通じて信号を経路指定することによって、関心のあるRF周波数で45°、90°、135°、180°、225°、270°、315°、及び360°の8(=23)個の可能な位相偏移を提供する。例えば、アームの長さは、以下の表1に従って選ばれるであろうが、ここでdは、所定の値である。
【0019】
【表1】
2GHzの動作周波数における360°の位相偏移(24d)に対する遅延線路の合計の長さは、約3.4インチである。この値は、50Ωのマイクロストリップ線路に帰着する52ミルの幅をもつシリカ基板における金の線路に当てはまる。アルミナ基板における金の線路に対しては、遅延線路のこの長さは、24ミルのマイクロストリップの幅と共に、約2.3インチである。図1に示す3ビットの粗位相器のレイアウトによれば、24dの合計の長さは、360°の位相偏移に対応する。従って、2GHzにおいて、dに対する値は、それぞれ、シリカ及びアルミナ基板に対して約142ミル及び96ミルである。
【0020】
以下の表2は、スイッチS1からS6までの様々な可能な状態に対する行列表現を与え、ここで用語オンは、スイッチを閉じることを示し、用語オフは、スイッチを開けることを示し、各々のサブ経路の結果として生じる長さは、表1に示す値から取られる。
【0021】
【表2】
このように、適切なMEMスイッチを選択することによって、位相偏移全体の範囲を決定することができる。例えば、スイッチS1、S3、及びS6を閉じることによって、225°の粗い位相偏移を得ることができる。これは、その長さがD1+D3+D6=d+d+13d=15d=225°である、入力信号に対する経路を生成することになる。
【0022】
また、ブロック1は、0°−45°の範囲においてもまた連続的な位相の整調を提供するために、第七のアームD7及び初期位相偏移を加えずRF信号を可変な位相器の第二の部分を通じて直接押しやる第七のMEMスイッチS7を含むことにも注意する必要がある。この場合における経路長は、360°の位相偏移を得るためのものと同じ長さ、すなわち24dであることになる。もちろん、360°の位相偏移を、表2に示すような組み合わせS2=S4=S6と共に得ることができるので、アームD7無しの実施例もまた可能である。
【0023】
また、本発明による位相器は、粗位相偏移ブロック1に連続して接続された、微位相偏移ブロック2を含む。この微位相偏移ブロック2の目的は、0°及び45°の間における範囲で追加の微細な位相の偏移を提供することである。例えば、位相器は、218°の偏移の動作を行うことを必要とするとすれば、次に、ブロック1は、180°の粗い位相の偏移を行うことになり、ブロック2は、38°の追加の微細な位相の偏移を行うことになる。
【0024】
ブロック2は、抵抗器R(λ)が、その抵抗を光エネルギーhνによって連続的に変動させることができる光伝導体である、RLCネットワークを含む。図1に示す好適な実施例において、抵抗器R(λ)は、インダクタLと並列であり、R(λ)及びLの間における並列の結合は、分路コンデンサCと直列である。低い周波数(<1GHz)に対しては、インダクタL及びコンデンサCに対して離散的な集中素子を使用することが好適である。より高い周波数(>1GHz)に対しては、分配された、開いた分路のマイクロストリップ線路を、インダクタL及びコンデンサCに使用することができる。
【0025】
図1は、ハイブリッドの並列−直列RLC構成を示す。RLCネットワークの他の構成もまた可能である。しかしながら、図1の分路コンデンサと直列の抵抗器及びインダクタの並列の結合は、低い挿入損失のみならずほぼ線型の位相偏移対周波数の特性に帰着する、好適なものである。
【0026】
源Vs、50Ωの負荷、及び出力電圧V0を有するシステムにおける図1のこのRLCネットワークのAC解析は、その電圧の伝達関数v0/vsの大きさ|v0/vs|及び位相<v0/vsに対する以下の
【0027】
【数1】
【0028】
【数2】
の閉じた形態の表現に従い、ここで、ωは、角周波数である。上式(1)は、電圧の伝達関数が、以下の式
【0029】
【数3】
から得られた3dBの帯域幅をもつ低域フィルターであることを示す。
【0030】
式(3)は、ω(角周波数)の関数である振幅|v0/vs|を(−3dBに等しい)√2/2に設定することによって、式(2)から得られる。結果として生じる式(3)は、R、L、及びCの値の関数として3dBの周波数を決定する。これより上の周波数では、(|v0/vs|に等しい)ネットワークの挿入損失は、3dBを超過し、位相器は、損失のあるものになる。
【0031】
図2は、二つのSi層を分離する熱的に成長させたSiO2層10を伴う結合したシリコン−オン−インシュレーター(SOI)基板を、位相器を構築するために使用する、この発明の好適な実施例を図説する。図2における最上のSi層の例は、ファイバー12が置かれる溝のみならず光導電セルによって取り囲まれた容積である。
【0032】
二値の位相器における様々な遅延線路のみならず、デバイスの電気的入力及び出力は、好ましくは、最上のSi層が取り除かれるエリアで、絶縁用の酸化物(SiO2)層10に金のような導電体を使用して作られたマイクロストリップ線路である。RFのMEMスイッチは、良好に設置されたバルクのSiのマイクロマシニング技術を使用して、最上のSi層に構築される。この技術に対する参照には、例えば、“Micromachined Low−Loss Microwave Switches”,Z.Jamie Yao,Shea Chen,Susan Eshelman,David Denniston, and Chuck Goldsmith,IEEE Journal of Microelectromechanical Systems,Vol.8,No.2,June 1999を参照のこと。
【0033】
図1と比較したとき、図2は、三つの追加のスイッチS8、S9、及びS10並びに三つのコンデンサC1、C2、及びC3を示す。これらのスイッチは、RLCネットワークにおけるコンデンサC1、C2、又はC3を決定する位相の範囲の値を切替えるために造られる。各々の時間で、(一つのコンデンサである)一つのスイッチのみがオンである。
【0034】
スイッチを制御するデバイスに対するスイッチの接続を明瞭さの目的で図に示してない。MEMスイッチは、それらの制御端子に加えられるDC制御電圧によって静電的に制御される。
【0035】
RLCネットワークのインダクタLは、絶縁用の酸化物の層に、金のような導電体を使用してモノリシックに製造された螺旋形のインダクタとして実現される。インダクタLの他の実施例は、アルミナ又はシリカの基板に製造された商業的な小規模の螺旋形のインダクタを含み、そして、位相器の基板へエポキシで結合され、その端子がこの基板における残りの回路にワイヤーボンディングされる。提案した実施例は、それが、あまり寄生的でない値及びより小型であまり高価でないデバイスに帰着する、位相器の基板とモノリシックであるので、好適である。
【0036】
このネットワークのコンデンサC1−C3は、金属−酸化物−半導体の構造を使用して製造され、ここで下地の半導体は、一つの電極として役立つために、イオン注入を使用して、多量にドープされる。コンデンサC1−C3の他の実施例は、次には位相器の基板にエポキシで結合され、その端子がこの基板における残りの回路にワイヤーボンディングされる、商業的な小規模のチップのコンデンサを含む。提案された実施例は、それが、あまり寄生的でない値及びより小型であまり高価でないデバイスに帰着する、位相器の基板とモノリシックであるので、好適である。
【0037】
RLCネットワークの光導電セルR(λ)は、上述のように、高いダークの状態の抵抗に帰着するように非常に少量でドープされる、最上のSi層を使用して形成される。Si層のドーピングの範囲は、たいてい、1012から1014cm−3までである。半導体(この場合にはSi)のバンドギャップより上の光子エネルギーで放出する安価なLED11を、RLCネットワークにおいて光導電セルの抵抗を連続して変動させることに要求される光エネルギーを提供するために、結合したSOI基板にエポキシで結合させる。チップの(包装されない)形態におけるLED又はレーザーダイオードは、より小型のデバイス全体を有するためには、好適である。また、LED又はレーザーダイオードの放出スペクトルは、光導電セルに使用された半導体の材料と適合するべきである。Siの好適な実施例に対して、400−1000nmの範囲における光放出の波長が要求される。
【0038】
LED11からの光を、結合したSOI基板に構築された導波路を使用して、又は図2に示すような光ファイバー12を使用して、光導電セルに結合させることができる。この構成において、V字溝13を、光ファイバー用の支持体を形成するために、結合したSOI基板の最上のSi層にエッチングすることができる。V字溝13は、ウェットエッチングによって形成された半導体の露出した結晶面である。この場合には、ファイバーの光学パワーを操作する性能を最大にするためのみならず、LED11及び光導電セルR(λ)に対する改善された光結合のために、多モードファイバーを使用することができる。最終的な結果は、真時間遅延の位相の偏移の性能を有する、小型で、モノリシックで、あまり高価でないRFの可変な位相器である。
【0039】
他の実施例は、ファイバー及び溝を、次には導波路に結合されると共に光学的に結合される商業的なLED又はレーザーダイオードのチップで置き換えて、位相器の基板に製造された光導波路を含むことができるであろう。代わりに、光導電セルの活性層が、GaAsのようなIII−Vの材料であるとすれば、例えば、LED又はレーザーダイオードを、この層中にモノリシックに製造すると共に導波路又はファイバーに光結合させることができ、このように、結果として生じる位相器を、さらにより小型でコスト的に有効にする。
【0040】
可変な長さの遅延線路を含む、従来のRFの可変な位相器は、その傾きが、遅延線路の長さが増加するにつれて、増加する、線型の位相偏移対周波数の特性を有することに注意する必要がある。遅延線路の長さにおける変化は、機械的に得られる。これらの位相器の仕様の一つは、遅延線路の最大の長さにおける単位周波数当たりの度単位の位相偏移を有する、この位相偏移−周波数の特性の傾きである。この形は、最大位相調節と呼ばれる。例えば、60°/GHzの最大位相調節をもつ可変な位相器は、1GHzの動作周波数における60°及び6GHzにおける360°の位相偏移を、それが周波数のこの範囲で動作することを仮定して、提供する。これらの位相器の別の特徴は、それらの最大位相調節が妥当であると共にそれらが適度に低い(例えば、0から−3dBまでの)挿入損失を有する、周波数の範囲である、それらの動作する帯域幅である。上の例において、位相器が、0−10GHzの動作(の帯域幅)の周波数の範囲を有するとすれば、位相偏移は、遅延の長さが最大位相調節に設定されるとすれば、明らかにDCで0°及び10GHzで600°であろう。さらに、動作の各々の周波数で、位相偏移を、遅延の長さを調節することによって、0からその周波数に利用可能な最大値まで変動させることもできる。上の例では、0°から120°までの可変な位相偏移は、遅延線路の長さを、0から最大位相調節まで変動させることによって、2GHzで得られる。
【0041】
従来技術の位相器とのはっきりした対比において、本発明による可変な位相器は、アナログの微細な位相整調、低い挿入損失、及びほとんど線型の位相偏移対周波数の特性を伴う非常に広い範囲の周波数で動作する非常に高い最大の位相偏移の利点を有する。理想的には、位相偏移の非常に微細な制御及び非常に低い挿入損失と一緒に非常に広い範囲の周波数で動作する非常に高い最大の位相調節を有することが望ましい。最大位相調節に対する望ましい値は、動作の周波数に依存する。例えば、動作の最大の周波数が2GHzであるとすれば、180°/GHz以上の最大位相調節が、この周波数で360°以上の最大の位相偏移を得るために要求される。しかしながら、線型の位相偏移対周波数の依存性によって、利用可能な最大の位相偏移は、2GHz以下の周波数に対して360°未満である。本発明による位相器に対する最大位相調節に関する180°/GHzの値は、すでに記載したように、粗ディジタル整調ブロックの遅延線路に対する適切な長さを選択することによって得られる。
【0042】
本発明による位相器におけるRLCの微アナログ整調ブロックによって得られる、位相偏移の微細な制御は、好ましくは、0.1°以下である。位相偏移の調節のこの値は、次には光導電セルの値の連続的な調節に帰着する、LED又はレーザーダイオード源の連続的なアナログ調節の性能によって、本発明による位相器によって容易に得られる。−3dB以下の低い挿入損失を、関心のある動作する周波数の範囲で得ることができる。
【0043】
本発明の好適な実施例は、所望の帯域幅において真時間遅延の動作に対する上の望ましい低い挿入損失(<−3dB)及び実質的に線形の位相角対周波数の応答を提供する。これを得るために、R、L、及びCの適切な値を、前述の式を利用して、計算する必要がある。このような式の複雑さによって、(Agilent Technologiesによって生産された)LibraTMのような回路解析のソフトウェアを、上のRLCネットワークの位相角及び挿入損失の周波数依存性をシミュレーションするために使用してきた。
【0044】
この点において、図3A−3C及び4A−4Cは、2GHzの帯域幅の位相器に帰着する、Rを1から100Ωの間で変動させると同時にL=3nH及びC=0.1、0.75、及び2pFの好適な場合に関して、それぞれ、位相角及び挿入損失の周波数依存性を示す。
【0045】
これらの図におけるシミュレーションのデータが示すように、2GHz以下の周波数に対して、位相の遅延は、ほとんど線型であり、挿入損失は、3dB未満である。
【0046】
0°−45°の位相整調の全範囲を網羅するために、三つの異なるコンデンサの値を選んできた。各々のコンデンサの値は、全0°−45°の範囲の一部分を網羅する。このように、これらの三つのコンデンサを切替えることによって、例えば、別の3個のMEMスイッチの使用によって、位相調整の全範囲を得ることができる。
【0047】
図3A、3B、及び3Cにおけるシミュレーションの結果が示すように、約二桁の大きさ(1から100Ω)の抵抗の変化は、静電容量の値を定義する三つの範囲の各々によって提示される位相偏移の各々の範囲に対して可能な全範囲の位相変化を得ることを許容する。図3A、3B、及び3Cは、1、10、及び100Ωの光誘起された抵抗の値の機能並びに0.1、0.75、及び2pFの範囲を切替えるコンデンサの値として、本発明による位相器のアナログの微細な整調段階に関するシミュレーションした位相偏移対周波数を図説する。L=3nHのインダクタンスの値と結合したCのこれらの値を、光導電セルの値を、2GHzの動作する周波数で光の照明を介して1から100Ωまで変動させるとき、0°から60°までの連続的に可変な位相偏移を伝えることができる、微細な整調段階に帰着するように、設計してきた。デバイスのこの部分の最小の要件は、関心のある周波数で45°の最大の位相偏移を伝えることであるので、この設計は、本当に、その要件を超過する。実際に、45°の最大の位相偏移が、1.5GHzで得られる。光導電セルの値を100Ω以上に増加させることは、位相偏移における著しい増加に少しも帰着せずに、むしろ挿入損失を増加させることに注意する必要がある。
【0048】
位相偏移の他の重要なパラメータは、挿入損失である。本発明による位相器の挿入損失のシミュレーションした周波数依存性を、図4A、4B、及び4Cに示す。既に上で説明したように、目標は、動作の任意の周波数で3dB未満の挿入損失を有することである。このデバイスの微整調部分におけるRLCネットワークの低域フィルターの性質によって、挿入損失は、周波数と共に増加する。1.5から2.5GHzの周波数の範囲において、少なくとも45°の最大の位相偏移が、位相器全体において0°から360°までの合計の位相偏移に帰着する、デバイスのこの部分で得られることに注意することができる。
【0049】
0.1、0.75、及び2pFの値は、図4A、4B、及び4Cに示すコンデンサC1、C2、及びC3に対する好適な値である。コンデンサCに対するこれらの値は、上の例で得ることが可能な位相の偏移の範囲を決定する。例えば、C=2pFに対しては、2GHzにおける位相偏移に対する値の範囲は、光導電セルを1から100Ωまで変動させるとき、30°から60°までであると同時に、C=0.75pFに対しては、この位相偏移の範囲が、15°から30°までであり、最後にC=0.1pFに対しては、この範囲は、0°から20°までである。
【0050】
本発明によれば、抵抗Rの変動は、光導電性の効果によって得られる。Siのような半導体において、100Ω・cmと同程度に高いダークの抵抗率(即ち、光の欠除における抵抗率)を、少量ドープされた材料で容易に得ることができる。lの電気的な長さ及びそれぞれw及びdの幅及び深さをもつこの材料のスラブを仮定すると、R0=100Ωのダークの抵抗を、l/(d・w)=1cm−1とすれば、得ることができる。材料の同じスラブは、以下の式
【0051】
【数4】
によって与えられる、光誘起された抵抗(光抵抗)Rλを有し、ここでhνは、光子のエネルギーであり、Pλは、光導電性の効果に帰着する入射光の光学パワーであり、ηは、量子効率であり、μn及びτは、半導体におけるキャリアの移動度及び寿命であり、qは、電子の電荷である。1000cm2/V・sのキャリアの移動度及び、少量ドープされたSiで良好に達成可能である、100μsの寿命を仮定すると、可視から近赤外まで(λ=400−1100nm)においてたった1.3−2.5mWの光学パワーが、ほとんど一の量子効率でSiの100μmの長いスラブで1Ωの光抵抗を得るために、要求される。このように、0から2.5mWまでの光学パワーを変動させることによって、次には上述のRLCネットワークにおいて0°−45°の連続的な位相変化に帰着する、100から1Ωまでの光抵抗における連続的な変化を達成することができる。ダークの光抵抗の高い値(>100Ω)に帰着するための高い値のダークの抵抗(>100Ω・cm)のみならず、適度な値の光学パワー(<10mW)及び幾何学的寸法(<1mm)で、式(4)において低い値(約1Ω)のRλに帰着し得る、キャリアの移動度及び寿命の値をもつ任意の半導体は、使用可能である。
【0052】
これは、3ビットの二値の遅延線路の位相器と一緒に、本発明によるデバイスにおける連続的な0°−360°の位相偏移に帰着する。さらに、RLCネットワークにおけるインダクタ及び/又はコンデンサの値を変化させることによって、位相器の帯域幅を調節することができる。L及びCの値を減少させることは、位相器の動作する帯域幅を増加させることに注意する必要がある。一方、L及びCの値を増加させることは、動作する帯域幅の減少に帰着する。例えば、L=1nH及びC=0.2pFの値に対して、55°及び45°を超える最大の位相偏移が、3dB未満の対応する挿入損失と共に、それぞれ、10及び7.5GHzで得られる。この構成において、この位相器のアナログの微整調部分は、1から100Ωまでの光導電セルの値に対して、10GHzで25°から55°までの位相偏移に帰着する。さらに、0.05pF及び0.01pFのコンデンサの値は、位相の偏移の範囲をそれぞれ5°−35°及び0°−20°へ変化させる。再度、2GHzの動作の場合に対する前の例におけるように、0°から55°を超えるまでの全位相整調は、静電容量の三つの値を切替えることによって達成される。これは、10GHzで360°の最大値、10GHzで0°から360°までの全位相整調に関して設計された遅延線路の幅をもつ粗い整調段階と一緒に、3dB以下の挿入損失と共に達成される。
【0053】
大きい帯域幅での連続的に可変なRFの位相の偏移を提示することのほかに、本発明によるデバイスは、十分に集積される性能もまた有し、このように、小型で低コストのRF位相器に帰着する。これは、その好適な実施例によれば、デバイスが、Si又はGaAsに製造したすでに設置したRFのMEMスイッチ及びMEMスイッチと共にモノリシックに容易に集積させることができる単純なRLCネットワークからなるという事実による。光抵抗を変動させるための光学パワーを、安価なLEDによって供給すると共に、以下に記載するように、化合物半導体の基板に造られた位相器に対してモノリシックに集積させるか、又はSiに造られたデバイスに対してハイブリッドの様式で容易に取り付けることができる。
【0054】
本発明による微細な及び粗い整調段階の順序は、重要ではない。微細な整調段階は、連続的な位相の偏移に帰着するために、好ましくは、アナログである。微細な整調段階が、ディジタルであるとすれば、多数の整調ビットと共にでさえ、それは、もはや完全に連続的ではないことになる。粗い整調段階は、原則として、ディジタルのみならずアナログであり得る。しかしながら、連続的に整調可能な位相器の構造全体を単純化するために、少数のビットと共にディジタルであることが好適である。
【0055】
本発明を特定の実施例を参照して記載してきた。他のものへの変更及び変形は、この明細書を読むと共に理解することで起こることになる。全てのこのような変更及び変形は、それらが、添付した請求項又はその均等物の範囲内で生ずる範囲で、含まれることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明による位相器の概略のブロック図を示す。
【図2】図1の実施例の透視図を示す。
【図3】A−Cは、静電容量C1、C2、及びC3の値をもつこの発明の一つの実施例に対する位相角の周波数依存性を示す。
【図4】A−Cは、静電容量C1、C2、及びC3の値をもつこの発明の一つの実施例に対する挿入損失の周波数依存性を示す。
【0001】
本発明は、位相器に、より詳しくは、固体素子の半導体に基づいた小型で連続的に可変な位相器に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の商業的な可変な位相器は、例えば、TRAK Microwave Corp.(Florida)から販売されたもののように、典型的には、最大の位相偏移120°未満に限定してきた、また、帯域の動作を1GHz未満に限定してきた、バラクターダイオードを含む。
【0003】
しかしながら、動作帯域を変化させることは、適切なダイオードを連結するインピーダンス素子を変化させることを要求する。さらに、120°を超える位相偏移を、一つより多いデバイスを縦続接続することによって得ることができるのみである。
【0004】
別のタイプの先行技術の可変な位相器は、MEMの可変なコンデンサ、すなわち、マイクロ電気機械的スイッチの配列を通じて実現されたコンデンサと共に周期的に載せられた共面導波伝送線路を含む。アナログ制御は、コンデンサの静電的な制御によって提供される。MEMSのスイッチに対する入門的な注を、例えば、非特許文献1に見出すことができる。共面導波伝送線路は、非特許文献2に開示されている。
【0005】
この第二のアプローチ欠点は、MEMの静電容量の値における限定された(約30%の)変動によって、位相制御用の載せられた伝送線路に著しい結合した効果を有するために、多数のこれらのコンデンサを必要とすることである。例えば、2°/GHzの位相の偏移を提供するために、32個のエアーブリッジを備えた10mmの載せられた線路が要求される。
【0006】
また別のタイプの可変なRFの位相器は、光ファイバーの遅延線路と結合した、LiNbO3から製造された電圧可変な光結合器を含む。例えば、非特許文献3を参照のこと。
【0007】
再度、このデバイスの最大の位相偏移は、80MHzのみの最大の動作周波数における40°から80°までの整調可能な範囲と共に、かなり限定される。また、このデバイスの挿入損失は、80MHzにおいて8dBまでであり得る。さらに、LiNbO3を主材料としたデバイスは、かなり高価である。
【0008】
従って、ギガヘルツ周波数でもまた広帯域の連続的な360°の位相の偏移を得ることができる、単純、小型サイズ、及び低コストの位相器に対する要求がある。
【非特許文献1】
“RF−MEMS Switches for Reconfigurable Integrated Circuits”,Elliott R.Brown,IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques,Vol.46,No.11,November 1998.
【非特許文献2】
“Distributed MEMS True−Time Delay Phase Shifters and Wide−Band Switches”,N.Scott Barker,IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques,Vol.46,No. 11,November 1998.
【非特許文献3】
“A Novel Wide−Band Tunable RF Phase Shifter Using a Variable Optical 1 0 Directional Coupler”,K.Ghorbani,A.Mitchell,R.B.Waterhouse,and M.W.Austin,IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques,Vol.47,No.5,May 1999.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、特に無線周波数(RF)領域における使用のための新規な小型サイズの連続的に可変な位相器に関する。また、この新規な位相器を、VHF(超短波)、UHF(極超短波)のような、周波数においてより低い他の帯域、又は、そのうえ、マイクロ波若しくはミリ波のような、より高い周波数帯域へ適用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第一の態様によれば、粗位相整調用のディジタルの二値のマイクロ電気機械的(MEM)に基づいた位相器、並びに、ディジタルの二値の粗位相器に連続して接続された微位相整調用の抵抗器、インダクタ、及びコンデンサ(RLC)ネットワークを含み、ここで微細な位相の整調は、可変な光学パワーを通じて抵抗値を連続的に変動させることによって達成される、位相器が開示される。
【0011】
本発明の第二の態様によれば、抵抗器、インダクタ、及び第一のコンデンサを有するRLCネットワークを提供するステップ、及び抵抗器の抵抗値を光学的に連続的に変動させるステップを含む、連続的な位相を偏移させる方法を提供する。
【0012】
結果として、非常に小型サイズの可変な位相器が、0°から360°までの広帯域の連続的に可変な位相の偏移と共に得られる。この位相器を、Si又はGaAsのような従来の半導体に十分に集積することができる。本発明の好適な実施例によれば、RLCネットワークは、非常に低い挿入損失及びほとんど線形の位相遅延対周波数の応答をもつ低域フィルターとして作用する。さらに、本発明による位相器は、広帯域の動作の性能を有する。その帯域幅を、RLCネットワークにおけるインダクタL及び/又はコンデンサCの値を変化させることによって、容易に変動させることができる。このように、別の組みのMEMスイッチを使用してこれらのパラメータの値を切替えることによって、その場における帯域幅の切替えの性能をもつ小型の位相器を実現することができる。
【発明の効果】
【0013】
従って、本発明の利点を、以下の、小型サイズ、その場で切替え可能な帯域幅をもつ広帯域の動作、真時間遅延の性能に帰着するほとんど線型の位相偏移対周波数、非常に低い挿入損失、及び高い値の最大位相調節のように要約することができる。
【0014】
これに対してさらに、本発明による位相器においては、RLCネットワークと結合した10個未満のMEMスイッチが、連続的な360°の位相の偏移を得るために、要求されることに注意する必要がある。さらに、最大位相調節は、先行技術のデバイスよりも大きい。
【0015】
なお、本発明のさらなる利点は、商業的なSi又はGaAsの技術を使用するという事実によって、安価なデバイスを提供することである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、図面と合わせて考慮される以下の詳細な説明から、より十分に、理解され、認識されると思われる。
【0017】
ここでは、図面を参照することにするが、提示は、本発明の好適な実施例を説明する目的のためであり、本発明を限定するためではない。
【0018】
図1は、本発明による位相を偏移させるデバイスの概略のブロック図を含む好適な実施例を示す。位相偏移されるRF信号は、入力Rfinで入力され、3ビットの二値の粗位相偏移ブロック1を通過する。粗位相偏移ブロック1は、一連のMEMで切替えられる遅延線路D1からD6までを含み、各々をそれぞれのスイッチS1からS6までと適合させる。特に、ブロック1は、これらの区画A、B、及びCを含む。これらの三つの区画A、B、及びCの各々は、異なる電気的な長さの二つのアームを有し、RF信号をアームの一方又は他方の方へ押しやるための二つのスイッチを含む。図1を参照して、区画Aは、それぞれのスイッチS1、S2を有するアームD1、D2を有する。区画Bは、それぞれのスイッチS3、S4を有するアームD3、D4を有し、区画Cは、それぞれのスイッチS5、S6を有するアームD5、D6を有する。これは、適切な電気的な遅延線路を通じて信号を経路指定することによって、関心のあるRF周波数で45°、90°、135°、180°、225°、270°、315°、及び360°の8(=23)個の可能な位相偏移を提供する。例えば、アームの長さは、以下の表1に従って選ばれるであろうが、ここでdは、所定の値である。
【0019】
【表1】
2GHzの動作周波数における360°の位相偏移(24d)に対する遅延線路の合計の長さは、約3.4インチである。この値は、50Ωのマイクロストリップ線路に帰着する52ミルの幅をもつシリカ基板における金の線路に当てはまる。アルミナ基板における金の線路に対しては、遅延線路のこの長さは、24ミルのマイクロストリップの幅と共に、約2.3インチである。図1に示す3ビットの粗位相器のレイアウトによれば、24dの合計の長さは、360°の位相偏移に対応する。従って、2GHzにおいて、dに対する値は、それぞれ、シリカ及びアルミナ基板に対して約142ミル及び96ミルである。
【0020】
以下の表2は、スイッチS1からS6までの様々な可能な状態に対する行列表現を与え、ここで用語オンは、スイッチを閉じることを示し、用語オフは、スイッチを開けることを示し、各々のサブ経路の結果として生じる長さは、表1に示す値から取られる。
【0021】
【表2】
このように、適切なMEMスイッチを選択することによって、位相偏移全体の範囲を決定することができる。例えば、スイッチS1、S3、及びS6を閉じることによって、225°の粗い位相偏移を得ることができる。これは、その長さがD1+D3+D6=d+d+13d=15d=225°である、入力信号に対する経路を生成することになる。
【0022】
また、ブロック1は、0°−45°の範囲においてもまた連続的な位相の整調を提供するために、第七のアームD7及び初期位相偏移を加えずRF信号を可変な位相器の第二の部分を通じて直接押しやる第七のMEMスイッチS7を含むことにも注意する必要がある。この場合における経路長は、360°の位相偏移を得るためのものと同じ長さ、すなわち24dであることになる。もちろん、360°の位相偏移を、表2に示すような組み合わせS2=S4=S6と共に得ることができるので、アームD7無しの実施例もまた可能である。
【0023】
また、本発明による位相器は、粗位相偏移ブロック1に連続して接続された、微位相偏移ブロック2を含む。この微位相偏移ブロック2の目的は、0°及び45°の間における範囲で追加の微細な位相の偏移を提供することである。例えば、位相器は、218°の偏移の動作を行うことを必要とするとすれば、次に、ブロック1は、180°の粗い位相の偏移を行うことになり、ブロック2は、38°の追加の微細な位相の偏移を行うことになる。
【0024】
ブロック2は、抵抗器R(λ)が、その抵抗を光エネルギーhνによって連続的に変動させることができる光伝導体である、RLCネットワークを含む。図1に示す好適な実施例において、抵抗器R(λ)は、インダクタLと並列であり、R(λ)及びLの間における並列の結合は、分路コンデンサCと直列である。低い周波数(<1GHz)に対しては、インダクタL及びコンデンサCに対して離散的な集中素子を使用することが好適である。より高い周波数(>1GHz)に対しては、分配された、開いた分路のマイクロストリップ線路を、インダクタL及びコンデンサCに使用することができる。
【0025】
図1は、ハイブリッドの並列−直列RLC構成を示す。RLCネットワークの他の構成もまた可能である。しかしながら、図1の分路コンデンサと直列の抵抗器及びインダクタの並列の結合は、低い挿入損失のみならずほぼ線型の位相偏移対周波数の特性に帰着する、好適なものである。
【0026】
源Vs、50Ωの負荷、及び出力電圧V0を有するシステムにおける図1のこのRLCネットワークのAC解析は、その電圧の伝達関数v0/vsの大きさ|v0/vs|及び位相<v0/vsに対する以下の
【0027】
【数1】
【0028】
【数2】
の閉じた形態の表現に従い、ここで、ωは、角周波数である。上式(1)は、電圧の伝達関数が、以下の式
【0029】
【数3】
から得られた3dBの帯域幅をもつ低域フィルターであることを示す。
【0030】
式(3)は、ω(角周波数)の関数である振幅|v0/vs|を(−3dBに等しい)√2/2に設定することによって、式(2)から得られる。結果として生じる式(3)は、R、L、及びCの値の関数として3dBの周波数を決定する。これより上の周波数では、(|v0/vs|に等しい)ネットワークの挿入損失は、3dBを超過し、位相器は、損失のあるものになる。
【0031】
図2は、二つのSi層を分離する熱的に成長させたSiO2層10を伴う結合したシリコン−オン−インシュレーター(SOI)基板を、位相器を構築するために使用する、この発明の好適な実施例を図説する。図2における最上のSi層の例は、ファイバー12が置かれる溝のみならず光導電セルによって取り囲まれた容積である。
【0032】
二値の位相器における様々な遅延線路のみならず、デバイスの電気的入力及び出力は、好ましくは、最上のSi層が取り除かれるエリアで、絶縁用の酸化物(SiO2)層10に金のような導電体を使用して作られたマイクロストリップ線路である。RFのMEMスイッチは、良好に設置されたバルクのSiのマイクロマシニング技術を使用して、最上のSi層に構築される。この技術に対する参照には、例えば、“Micromachined Low−Loss Microwave Switches”,Z.Jamie Yao,Shea Chen,Susan Eshelman,David Denniston, and Chuck Goldsmith,IEEE Journal of Microelectromechanical Systems,Vol.8,No.2,June 1999を参照のこと。
【0033】
図1と比較したとき、図2は、三つの追加のスイッチS8、S9、及びS10並びに三つのコンデンサC1、C2、及びC3を示す。これらのスイッチは、RLCネットワークにおけるコンデンサC1、C2、又はC3を決定する位相の範囲の値を切替えるために造られる。各々の時間で、(一つのコンデンサである)一つのスイッチのみがオンである。
【0034】
スイッチを制御するデバイスに対するスイッチの接続を明瞭さの目的で図に示してない。MEMスイッチは、それらの制御端子に加えられるDC制御電圧によって静電的に制御される。
【0035】
RLCネットワークのインダクタLは、絶縁用の酸化物の層に、金のような導電体を使用してモノリシックに製造された螺旋形のインダクタとして実現される。インダクタLの他の実施例は、アルミナ又はシリカの基板に製造された商業的な小規模の螺旋形のインダクタを含み、そして、位相器の基板へエポキシで結合され、その端子がこの基板における残りの回路にワイヤーボンディングされる。提案した実施例は、それが、あまり寄生的でない値及びより小型であまり高価でないデバイスに帰着する、位相器の基板とモノリシックであるので、好適である。
【0036】
このネットワークのコンデンサC1−C3は、金属−酸化物−半導体の構造を使用して製造され、ここで下地の半導体は、一つの電極として役立つために、イオン注入を使用して、多量にドープされる。コンデンサC1−C3の他の実施例は、次には位相器の基板にエポキシで結合され、その端子がこの基板における残りの回路にワイヤーボンディングされる、商業的な小規模のチップのコンデンサを含む。提案された実施例は、それが、あまり寄生的でない値及びより小型であまり高価でないデバイスに帰着する、位相器の基板とモノリシックであるので、好適である。
【0037】
RLCネットワークの光導電セルR(λ)は、上述のように、高いダークの状態の抵抗に帰着するように非常に少量でドープされる、最上のSi層を使用して形成される。Si層のドーピングの範囲は、たいてい、1012から1014cm−3までである。半導体(この場合にはSi)のバンドギャップより上の光子エネルギーで放出する安価なLED11を、RLCネットワークにおいて光導電セルの抵抗を連続して変動させることに要求される光エネルギーを提供するために、結合したSOI基板にエポキシで結合させる。チップの(包装されない)形態におけるLED又はレーザーダイオードは、より小型のデバイス全体を有するためには、好適である。また、LED又はレーザーダイオードの放出スペクトルは、光導電セルに使用された半導体の材料と適合するべきである。Siの好適な実施例に対して、400−1000nmの範囲における光放出の波長が要求される。
【0038】
LED11からの光を、結合したSOI基板に構築された導波路を使用して、又は図2に示すような光ファイバー12を使用して、光導電セルに結合させることができる。この構成において、V字溝13を、光ファイバー用の支持体を形成するために、結合したSOI基板の最上のSi層にエッチングすることができる。V字溝13は、ウェットエッチングによって形成された半導体の露出した結晶面である。この場合には、ファイバーの光学パワーを操作する性能を最大にするためのみならず、LED11及び光導電セルR(λ)に対する改善された光結合のために、多モードファイバーを使用することができる。最終的な結果は、真時間遅延の位相の偏移の性能を有する、小型で、モノリシックで、あまり高価でないRFの可変な位相器である。
【0039】
他の実施例は、ファイバー及び溝を、次には導波路に結合されると共に光学的に結合される商業的なLED又はレーザーダイオードのチップで置き換えて、位相器の基板に製造された光導波路を含むことができるであろう。代わりに、光導電セルの活性層が、GaAsのようなIII−Vの材料であるとすれば、例えば、LED又はレーザーダイオードを、この層中にモノリシックに製造すると共に導波路又はファイバーに光結合させることができ、このように、結果として生じる位相器を、さらにより小型でコスト的に有効にする。
【0040】
可変な長さの遅延線路を含む、従来のRFの可変な位相器は、その傾きが、遅延線路の長さが増加するにつれて、増加する、線型の位相偏移対周波数の特性を有することに注意する必要がある。遅延線路の長さにおける変化は、機械的に得られる。これらの位相器の仕様の一つは、遅延線路の最大の長さにおける単位周波数当たりの度単位の位相偏移を有する、この位相偏移−周波数の特性の傾きである。この形は、最大位相調節と呼ばれる。例えば、60°/GHzの最大位相調節をもつ可変な位相器は、1GHzの動作周波数における60°及び6GHzにおける360°の位相偏移を、それが周波数のこの範囲で動作することを仮定して、提供する。これらの位相器の別の特徴は、それらの最大位相調節が妥当であると共にそれらが適度に低い(例えば、0から−3dBまでの)挿入損失を有する、周波数の範囲である、それらの動作する帯域幅である。上の例において、位相器が、0−10GHzの動作(の帯域幅)の周波数の範囲を有するとすれば、位相偏移は、遅延の長さが最大位相調節に設定されるとすれば、明らかにDCで0°及び10GHzで600°であろう。さらに、動作の各々の周波数で、位相偏移を、遅延の長さを調節することによって、0からその周波数に利用可能な最大値まで変動させることもできる。上の例では、0°から120°までの可変な位相偏移は、遅延線路の長さを、0から最大位相調節まで変動させることによって、2GHzで得られる。
【0041】
従来技術の位相器とのはっきりした対比において、本発明による可変な位相器は、アナログの微細な位相整調、低い挿入損失、及びほとんど線型の位相偏移対周波数の特性を伴う非常に広い範囲の周波数で動作する非常に高い最大の位相偏移の利点を有する。理想的には、位相偏移の非常に微細な制御及び非常に低い挿入損失と一緒に非常に広い範囲の周波数で動作する非常に高い最大の位相調節を有することが望ましい。最大位相調節に対する望ましい値は、動作の周波数に依存する。例えば、動作の最大の周波数が2GHzであるとすれば、180°/GHz以上の最大位相調節が、この周波数で360°以上の最大の位相偏移を得るために要求される。しかしながら、線型の位相偏移対周波数の依存性によって、利用可能な最大の位相偏移は、2GHz以下の周波数に対して360°未満である。本発明による位相器に対する最大位相調節に関する180°/GHzの値は、すでに記載したように、粗ディジタル整調ブロックの遅延線路に対する適切な長さを選択することによって得られる。
【0042】
本発明による位相器におけるRLCの微アナログ整調ブロックによって得られる、位相偏移の微細な制御は、好ましくは、0.1°以下である。位相偏移の調節のこの値は、次には光導電セルの値の連続的な調節に帰着する、LED又はレーザーダイオード源の連続的なアナログ調節の性能によって、本発明による位相器によって容易に得られる。−3dB以下の低い挿入損失を、関心のある動作する周波数の範囲で得ることができる。
【0043】
本発明の好適な実施例は、所望の帯域幅において真時間遅延の動作に対する上の望ましい低い挿入損失(<−3dB)及び実質的に線形の位相角対周波数の応答を提供する。これを得るために、R、L、及びCの適切な値を、前述の式を利用して、計算する必要がある。このような式の複雑さによって、(Agilent Technologiesによって生産された)LibraTMのような回路解析のソフトウェアを、上のRLCネットワークの位相角及び挿入損失の周波数依存性をシミュレーションするために使用してきた。
【0044】
この点において、図3A−3C及び4A−4Cは、2GHzの帯域幅の位相器に帰着する、Rを1から100Ωの間で変動させると同時にL=3nH及びC=0.1、0.75、及び2pFの好適な場合に関して、それぞれ、位相角及び挿入損失の周波数依存性を示す。
【0045】
これらの図におけるシミュレーションのデータが示すように、2GHz以下の周波数に対して、位相の遅延は、ほとんど線型であり、挿入損失は、3dB未満である。
【0046】
0°−45°の位相整調の全範囲を網羅するために、三つの異なるコンデンサの値を選んできた。各々のコンデンサの値は、全0°−45°の範囲の一部分を網羅する。このように、これらの三つのコンデンサを切替えることによって、例えば、別の3個のMEMスイッチの使用によって、位相調整の全範囲を得ることができる。
【0047】
図3A、3B、及び3Cにおけるシミュレーションの結果が示すように、約二桁の大きさ(1から100Ω)の抵抗の変化は、静電容量の値を定義する三つの範囲の各々によって提示される位相偏移の各々の範囲に対して可能な全範囲の位相変化を得ることを許容する。図3A、3B、及び3Cは、1、10、及び100Ωの光誘起された抵抗の値の機能並びに0.1、0.75、及び2pFの範囲を切替えるコンデンサの値として、本発明による位相器のアナログの微細な整調段階に関するシミュレーションした位相偏移対周波数を図説する。L=3nHのインダクタンスの値と結合したCのこれらの値を、光導電セルの値を、2GHzの動作する周波数で光の照明を介して1から100Ωまで変動させるとき、0°から60°までの連続的に可変な位相偏移を伝えることができる、微細な整調段階に帰着するように、設計してきた。デバイスのこの部分の最小の要件は、関心のある周波数で45°の最大の位相偏移を伝えることであるので、この設計は、本当に、その要件を超過する。実際に、45°の最大の位相偏移が、1.5GHzで得られる。光導電セルの値を100Ω以上に増加させることは、位相偏移における著しい増加に少しも帰着せずに、むしろ挿入損失を増加させることに注意する必要がある。
【0048】
位相偏移の他の重要なパラメータは、挿入損失である。本発明による位相器の挿入損失のシミュレーションした周波数依存性を、図4A、4B、及び4Cに示す。既に上で説明したように、目標は、動作の任意の周波数で3dB未満の挿入損失を有することである。このデバイスの微整調部分におけるRLCネットワークの低域フィルターの性質によって、挿入損失は、周波数と共に増加する。1.5から2.5GHzの周波数の範囲において、少なくとも45°の最大の位相偏移が、位相器全体において0°から360°までの合計の位相偏移に帰着する、デバイスのこの部分で得られることに注意することができる。
【0049】
0.1、0.75、及び2pFの値は、図4A、4B、及び4Cに示すコンデンサC1、C2、及びC3に対する好適な値である。コンデンサCに対するこれらの値は、上の例で得ることが可能な位相の偏移の範囲を決定する。例えば、C=2pFに対しては、2GHzにおける位相偏移に対する値の範囲は、光導電セルを1から100Ωまで変動させるとき、30°から60°までであると同時に、C=0.75pFに対しては、この位相偏移の範囲が、15°から30°までであり、最後にC=0.1pFに対しては、この範囲は、0°から20°までである。
【0050】
本発明によれば、抵抗Rの変動は、光導電性の効果によって得られる。Siのような半導体において、100Ω・cmと同程度に高いダークの抵抗率(即ち、光の欠除における抵抗率)を、少量ドープされた材料で容易に得ることができる。lの電気的な長さ及びそれぞれw及びdの幅及び深さをもつこの材料のスラブを仮定すると、R0=100Ωのダークの抵抗を、l/(d・w)=1cm−1とすれば、得ることができる。材料の同じスラブは、以下の式
【0051】
【数4】
によって与えられる、光誘起された抵抗(光抵抗)Rλを有し、ここでhνは、光子のエネルギーであり、Pλは、光導電性の効果に帰着する入射光の光学パワーであり、ηは、量子効率であり、μn及びτは、半導体におけるキャリアの移動度及び寿命であり、qは、電子の電荷である。1000cm2/V・sのキャリアの移動度及び、少量ドープされたSiで良好に達成可能である、100μsの寿命を仮定すると、可視から近赤外まで(λ=400−1100nm)においてたった1.3−2.5mWの光学パワーが、ほとんど一の量子効率でSiの100μmの長いスラブで1Ωの光抵抗を得るために、要求される。このように、0から2.5mWまでの光学パワーを変動させることによって、次には上述のRLCネットワークにおいて0°−45°の連続的な位相変化に帰着する、100から1Ωまでの光抵抗における連続的な変化を達成することができる。ダークの光抵抗の高い値(>100Ω)に帰着するための高い値のダークの抵抗(>100Ω・cm)のみならず、適度な値の光学パワー(<10mW)及び幾何学的寸法(<1mm)で、式(4)において低い値(約1Ω)のRλに帰着し得る、キャリアの移動度及び寿命の値をもつ任意の半導体は、使用可能である。
【0052】
これは、3ビットの二値の遅延線路の位相器と一緒に、本発明によるデバイスにおける連続的な0°−360°の位相偏移に帰着する。さらに、RLCネットワークにおけるインダクタ及び/又はコンデンサの値を変化させることによって、位相器の帯域幅を調節することができる。L及びCの値を減少させることは、位相器の動作する帯域幅を増加させることに注意する必要がある。一方、L及びCの値を増加させることは、動作する帯域幅の減少に帰着する。例えば、L=1nH及びC=0.2pFの値に対して、55°及び45°を超える最大の位相偏移が、3dB未満の対応する挿入損失と共に、それぞれ、10及び7.5GHzで得られる。この構成において、この位相器のアナログの微整調部分は、1から100Ωまでの光導電セルの値に対して、10GHzで25°から55°までの位相偏移に帰着する。さらに、0.05pF及び0.01pFのコンデンサの値は、位相の偏移の範囲をそれぞれ5°−35°及び0°−20°へ変化させる。再度、2GHzの動作の場合に対する前の例におけるように、0°から55°を超えるまでの全位相整調は、静電容量の三つの値を切替えることによって達成される。これは、10GHzで360°の最大値、10GHzで0°から360°までの全位相整調に関して設計された遅延線路の幅をもつ粗い整調段階と一緒に、3dB以下の挿入損失と共に達成される。
【0053】
大きい帯域幅での連続的に可変なRFの位相の偏移を提示することのほかに、本発明によるデバイスは、十分に集積される性能もまた有し、このように、小型で低コストのRF位相器に帰着する。これは、その好適な実施例によれば、デバイスが、Si又はGaAsに製造したすでに設置したRFのMEMスイッチ及びMEMスイッチと共にモノリシックに容易に集積させることができる単純なRLCネットワークからなるという事実による。光抵抗を変動させるための光学パワーを、安価なLEDによって供給すると共に、以下に記載するように、化合物半導体の基板に造られた位相器に対してモノリシックに集積させるか、又はSiに造られたデバイスに対してハイブリッドの様式で容易に取り付けることができる。
【0054】
本発明による微細な及び粗い整調段階の順序は、重要ではない。微細な整調段階は、連続的な位相の偏移に帰着するために、好ましくは、アナログである。微細な整調段階が、ディジタルであるとすれば、多数の整調ビットと共にでさえ、それは、もはや完全に連続的ではないことになる。粗い整調段階は、原則として、ディジタルのみならずアナログであり得る。しかしながら、連続的に整調可能な位相器の構造全体を単純化するために、少数のビットと共にディジタルであることが好適である。
【0055】
本発明を特定の実施例を参照して記載してきた。他のものへの変更及び変形は、この明細書を読むと共に理解することで起こることになる。全てのこのような変更及び変形は、それらが、添付した請求項又はその均等物の範囲内で生ずる範囲で、含まれることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明による位相器の概略のブロック図を示す。
【図2】図1の実施例の透視図を示す。
【図3】A−Cは、静電容量C1、C2、及びC3の値をもつこの発明の一つの実施例に対する位相角の周波数依存性を示す。
【図4】A−Cは、静電容量C1、C2、及びC3の値をもつこの発明の一つの実施例に対する挿入損失の周波数依存性を示す。
Claims (28)
- 離散的な数の位相偏移を提供する粗位相整調配置、並びに
抵抗器、インダクタ、及び第一のコンデンサを有する、前記粗位相整調配置に連続して接続されたRLCネットワーク並びに
前記抵抗器の抵抗値を光学的に変動させる光学配置
を含む微位相整調配置
を含む位相器。 - 前記粗位相整調配置は、三ビットの二値の位相器を含む請求項1記載の位相器。
- 前記粗位相整調配置は、45°、90°、135°、180°、225°、270°、315°、及び360°の位相偏移を提供し、
前記微位相整調配置は、0°及び45°の間における範囲で追加の位相偏移を提供する請求項2記載の位相器。 - 前記粗位相整調配置は、複数の遅延線路を含む請求項1乃至3いずれか1項記載の位相器。
- 前記遅延線路は、MEMで切替えられる遅延線路である請求項4記載の位相器。
- 前記抵抗器は、前記インダクタと並列にあり、
前記抵抗器及び前記インダクタは、前記第一のコンデンサと直列にある請求項1乃至5いずれか1項記載の位相器。 - 前記インダクタは、マイクロストリップ線路で作られる請求項1乃至6いずれか1項記載の位相器。
- 前記RLCネットワークは、第二のコンデンサ及び第三のコンデンサをさらに含む請求項1乃至7いずれか1項記載の位相器。
- 前記抵抗器は、前記インダクタと並列にあり、
前記抵抗器及び前記インダクタは、前記第一、第二、及び第三のコンデンサと直列にある請求項8記載の位相器。 - 前記第一、第二、及び第三のコンデンサは、それぞれの第一、第二、及び第三のスイッチを通じて、前記インダクタ及び前記抵抗器に選択的に接続可能である請求項9記載の位相器。
- 前記インダクタは、L=3nHの値を有し、
前記第一のコンデンサは、C1=0.1pFの値を有し、
前記第二のコンデンサは、C2=0.75pFの値を有し、
前記第三のコンデンサは、C3=2pFの値を有する請求項9又は10記載の位相器。 - 前記抵抗器は、1Ω及び100Ωの間で光学的に変動させられる請求項11記載の位相器。
- 前記抵抗器は、1Ω及び100Ωの間で光学的に変動させられる請求項1乃至12いずれか1項記載の位相器。
- 前記インダクタは、可変なインダクタンスを有し、
前記第一のコンデンサは、可変な静電容量を有する請求項1乃至13いずれか1項記載の位相器。 - 前記インダクタは、螺旋形のインダクタである請求項1乃至14いずれか1項記載の位相器。
- 前記粗位相整調配置及び前記微位相整調配置は、シリコン−オン−インシュレータ基板に造られる請求項1乃至15いずれか1項記載の位相器。
- 前記第一のコンデンサは、金属−酸化物−半導体の構造を使用して製造される請求項16記載の位相器。
- 前記光学配置は、前記抵抗器に光学的に結合された光ファイバー及び前記光ファイバーに光学的に結合されたLED又はレーザーダイオードを含む請求項1乃至17いずれか1項記載の位相器。
- 前記光学配置は、前記光ファイバーを支持する溝をさらに含む請求項18記載に位相器。
- 前記光ファイバーは、多モードファイバーである請求項18又は19記載の位相器。
- 前記粗位相整調配置は、複数の遅延線路を含む請求項18乃至20いずれか1項記載の位相器。
- 前記遅延線路は、MEMで切替えられる遅延線路である請求項21記載の位相器。
- 前記光学配置は、
光を前記抵抗器に結合させる光導波路及び
前記光導波路に光学的に結合されたLED又はレーザーダイオード
を含む請求項1乃至17いずれか1項記載の位相器。 - 抵抗器、インダクタ、及び第一のコンデンサを有するRLCネットワークを提供するステップ、
前記抵抗器の抵抗値を光学的に連続的に変動させるステップ、並びに
45°、90°、135°、180°、225°、270°、315°、及び360°の離散的な位相偏移を提供するステップを含み、
前記RLCネットワークは、0°及び45°の間の範囲で追加の連続的な位相偏移を提供する、連続的な位相を偏移させる方法。 - 前記インダクタは、マイクロストリップ線路で作られる請求項24記載の方法。
- 前記RLCネットワークは、第二のコンデンサ及び第三のコンデンサをさらに含む請求項24又は25記載の方法。
- 前記インダクタは、L=3nHの値を有し、
前記第一のコンデンサは、C1=0.1pFの値を有し、
前記第二のコンデンサは、C2=0.75pFの値を有し、
前記第三のコンデンサは、C3=2pFの値を有する請求項26記載の方法。 - 前記抵抗器は、1Ω及び100Ωの間で光学的に変動させられる請求項27記載の方法。
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