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JP2004512371A - Tirc7リガンド結合の阻害剤を得るための方法およびその使用 - Google Patents

Tirc7リガンド結合の阻害剤を得るための方法およびその使用 Download PDF

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JP2004512371A JP2002538960A JP2002538960A JP2004512371A JP 2004512371 A JP2004512371 A JP 2004512371A JP 2002538960 A JP2002538960 A JP 2002538960A JP 2002538960 A JP2002538960 A JP 2002538960A JP 2004512371 A JP2004512371 A JP 2004512371A
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Abstract

対象において、移植片対宿主病、自己免疫疾患、アレルギー疾患、感染症、敗血症の治療用の、腫瘍の治療用の、創傷治癒の改良用の、または免疫非応答性の誘導または維持用の、医薬組成物を調製するための、HLA(ヒト白血球関連抗原)クラスIIアルファ(α)鎖のごときそのリガンドとTIRC7との相互作用に干渉する作用物質の使用が提供される。加えて、そのような作用物質を同定及び取得するための方法が記載される。さらに、TIRC7リガンドの存在または不存在を判定することによって免疫疾患または腫瘍を診断する方法が提供される。

Description

【0001】
本発明は、対象における、移植片宿主病、自己免疫疾患、アレルギー疾患、感染症、敗血症の治療のための、腫瘍の治療のための、創傷治癒の改良のための、または免疫非応答性を誘導または維持するための医薬組成物を調製するための、TIRC7とそのリガンドとの相互作用に干渉する阻害剤の使用に関する。加えて、本発明は、免疫疾患の緩和、治療および予防用の医薬組成物の調製のための、該阻害剤をコードする核酸分子または該核酸分子を含むベクターの使用に関する。加えて、本発明は、TIRC7およびそのリガンドの間の相互作用に干渉することができる作用物質を同定する方法、および/または対象において免疫応答の調節に関与する(ポリ)ペプチドを同定する方法を提供する。さらなる実施態様において、本発明は、ここに定義され、または本発明の方法によって同定される阻害剤、作用物質または(ポリ)ペプチドを精製する方法に関する。さらに、本発明は、本明細書中に開示する方法によって同定および/または精製される作用物質、(ポリ)ペプチドを含む医薬組成物の調製に関する。さらなる実施態様において、本発明は、医薬組成物を調製するための、本明細書中に開示する方法によって同定および/または精製される阻害剤、作用物質または(ポリ)ペプチドの使用に関する。
【0002】
本明細書のテキストを通じていくつかの書類が引用される。(いずれかの製造業者の仕様書、指示書等を含む)本明細書中で引用する書類の各々を、ここに引用によって援用する。しかしながら、引用されたいずれの書類も、事実、本発明に関する先行技術であることを認容するものではない。
【0003】
T細胞の活性化が多数のシグナル経路および遺伝子発現の連続的変化を含む一連のプロセスであり、その結果、T細胞は識別される亜集団、すなわち、Th1およびTh2に分化し、これらは、サイトカイン産生のそのパターンによって識別でき、細胞免疫応答の態様を特徴付ける。T細胞の応答は、抗原提示細胞(APC)の表面の主要組織適合性複合体(MHC)分子によって提示されたペプチドと抗原特異的T細胞受容体(TCR)との相互作用によって開始される。さらなるシグナルが、集合的に、共刺激シグナル(Perez, Immunity 6 (1997年), 411)と呼ばれるCD28/CTLA4およびB7、CD40/CD40L、LFA−1およびICAM−1 (Lenschow, Science 257 (1992年), 789−792; Linsley, Annu. Rev. Immunol. 11 (1993年), 191−212; Xu, Immunity 1 (1994年), 423−431; Bachmann, Immunity 7 (1997年), 549−557; Schwartz, Cell71 (1992年), 1065−1068)のごとき多数の膜タンパク質によって媒介される受容体―リガンドの相互作用のネットワークによって供給される。これらの膜タンパク質は区別される方法でT細胞の活性化を変化させ得(Bachmann, Immunity 7 (1997年), 549−557)、これらの分子によって供給される陽性および陰性シグナルの統合によって免疫応答を調節する(Bluestone, Immunity 2 (1995年), 555−559; Perez, Immunity 6 (1997年), 411)。細胞の免疫応答を調節するのに効果的な作用物質の多くはT細胞受容体と干渉し(Cosimi, Tranplantation 32 (1981年), 535−539)、共刺激シグナリングをブロックし(Larsen, Nature 381 (1996年), 434−438; Blazar J. Immuno. 157 (1996年), 3250−3259; Kirk, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94 (1997年), 8789−8794; Linsley, Science 257 (1992年), 792−95; Turka, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89 (1992年), 11102−11105)、またはこれらの初期細胞膜トリガーから下流の細胞内活性化シグナルを阻害する(Schreiber and Crabtree, Immunology Today 13 (1992年), 136−42)のいずれかである。器官移植または自己免疫疾患におけるT細胞活性化の治療的予防は、現在、下流の細胞内事象に干渉する汎免疫抑制薬物に頼っている。免疫応答の特異的調節は、免疫学的研究における長年の目標のままである。
【0004】
ヒト身体の免疫応答に関係する疾患のための治療手段の必要性に鑑み、本発明の技術的課題は、対象における免疫非応答性のごとき免疫応答の調節のための手段および方法を提供することにある。当該技術的に対する解決は、請求項で特徴付けられる実施態様を提供することによって達成される。
【0005】
従って、1つの態様において、本発明は、対象における、移植片宿主病、自己免疫疾患、アレルギー疾患、感染症、敗血症の治療のための、腫瘍の治療のための、創傷治癒の改良のための、または免疫非応答性を誘導または維持するための医薬組成物を調製するための、TIRC7とそのリガンドとの相互作用に干渉する阻害剤の使用に関する。
【0006】
本発明に関して使用される用語「TIRC7」は、T細胞の活性化および/または増殖のシグナル変換に関与し、好ましくは、可溶性型において、混合リンパ球培養においてアロ活性化に応答して、または外因的に前記培養に添加された場合にマイトジェンに応答して、T細胞増殖を阻害または抑制することができるタンパク質を示す。In vitroで翻訳されたTIRC7タンパク質は、混合リンパ球培養においてアロ活性化に応答して、またはマイトジェンに応答して、T細胞の増殖を用量依存的に効果的に抑制することができる。TIRC7は当業者に知られており、とりわけ、WO99/11782およびUtkuら、Immunity 9(1998年),509−518に記載されている。
【0007】
用語「TIRC7とそのリガンドとの相互作用に干渉する阻害剤」とは、本発明においては、TIRC7とその対応するリガンドとの相互作用を阻害および/または調節できる作用物質を意味する。TIRC7とそのリガンドとの相互作用は免疫応答の過程で重要な事象を調節するので、そのような阻害剤は免疫応答を調節することもできるはずである。本発明では、前記阻害剤は、好ましくは、例えば、リガンドに特異的に結合することによってTIRC7−リガンドと相互作用する。「特異的に結合する」とは「特異的に相互作用する」を意味し、それにより、該相互作用は、とりわけ、共有結合的、非共有結合的および/または疎水性的であり得る。そのような阻害剤は本明細書中にて後に定義されるか、本明細書中に記載する方法によって得ることができる。潜在的阻害剤は、該リガンド上の関連する部位に結合し、それに干渉しおよび/またはそれを占める小分子を含む。小さな分子の例は小さなペプチドまたはペプチド様分子を含む。
【0008】
用語「免疫非応答性」は、T細胞またはB細胞、NK細胞、単球および/またはマクロファージのような免疫細胞サブセットの非応答性を含む。免疫非応答性は、自己免疫疾患を有する対象においてTIRC7に結合する各リガンドタンパク質の刺激をブロックして、自己免疫疾患の徴候を緩和することによって維持することができる。これらの場合、TIRC7またはそのリガンド阻害剤を、免疫非応答性を維持するのに十分な量および期間にて対象に投与される。別法として、免疫非応答性を反転させて、腫瘍を有する対象において腫瘍特異的免疫応答を刺激したり、ワクチンを接種された対象においてワクチンの効率を増強させたりすることができる。例えば、細胞(例えば、腫瘍細胞)を修飾してTIRC7リガンドを発現させることができ、あるいは腫瘍を有する対象、または腫瘍の再発を防ぐために外科的に腫瘍が取り除かれた対象にTIRC7刺激剤を投与することができる。加えて、抗原特異的応答性は、TIRC7またはそのリガンドを通じて免疫細胞を刺激することによって、In vitroにてアネルギー化免疫細胞に復帰させることができる。In vitroで生じた応答性細胞は、次いで、対象に投与することができる。
【0009】
用語「治療」、「治療する」などは、本明細書中においては、一般に、所望の薬理学的および/または生理学的効果を得ることを意味するように用いられる。該効果は、その疾病または徴候を完全にまたは部分的に防止する点で予防的であり得るかおよび/または疾病および/または該疾病に帰せられる悪影響を部分的または完全に治癒する点で治療的であり得る。本明細書中で用いる用語「治療」は、哺乳動物、特にヒトにおける病気のいずれの治療も網羅し、(a)当該疾病に対する素因があり得るが、未だそれを有すると診断されていない対象において発病するのを妨ぐこと;(b)疾病を阻害すること、すなわち、その進行を阻止すること/または(c)疾病を緩和すること、すなわち、疾病の退行を引き起こすことを含む。
【0010】
さらに、本明細書中で使用される用語「対象」は、本明細書中に開示する免疫学的疾病の軽減、治療および/または予防が必要な動物に関する。最も好ましくは、該対象はヒトである。
【0011】
好ましい実施態様において、前記リガンドは、HLA−DRα鎖とも言われるHLA(ヒト白血球関連抗原)クラスIIアルファ(α)鎖である。これらの用語は交換可能に使用される。
【0012】
HLAクラスIIは2つの膜貫通糖タンパク質、アルファおよびベータ鎖のヘテロダイマーである。そのアミノ末端が外方向で、両鎖は、1回の細胞膜貫通を形成する疎水性酸配列によって短い細胞質テールに連結した、各々90−100アミノ酸の2つの細胞外ドメインを含む。アルファ鎖において、膜遠位ドメインはアルファ1として知られており、膜近位ドメインはアルファ2として知られている。同様に、ベータ鎖においては、膜遠位ドメインはベータ1として知られており、膜近位ドメインはベータ2として知られている。両膜近位ドメインは、C1タイプの免疫グロブリンドメインに特徴的な構造を保有する。アルファ1およびベータ1ドメインは多型であって、T細胞活性化の間にペプチド(12−24量体)のT細胞受容体への提示で占有される。部位特異的突然変異体を用いた研究によってHLAクラスII分子の膜近位ベータ2ドメインに結合するCD4の部位がマップされた。
【0013】
ある種のHLAクラスII分子の発現およびそれらの多型は、インスリン依存性糖尿病、グットパスツール症候群、尋常性天疱瘡、全身性エリタマートーデス、多発性硬化症、グラーベ病、慢性関節リウマチおよび重症筋無力症のごとき多数の病気に強く関連する。HLA多型に関連する病気の多くは能動感染を伴わず、それらの徴候は炎症および/または自己免疫の慢性状態によって引き起こされる。糖尿病の場合、提唱されている1つの一般的メカニズムは、微生物抗原の提示によってT細胞が活性化され、引き続き、それに対し活性化前に寛容性であった自己ペプチドと交差反応することである。かくして、コキサッキーウイルス感染は糖尿病と関連付けられており、腸の種々の細菌感染はHLAクラスII関連病と関連付けられてきた。
【0014】
感染症においては、HLA多型の効果については比較的あまり知られていない。AIDS患者のコホートについての研究から、病気のより速い進行のごときHLA効果が認められる(Rogerら、Faseb, 12, 1998, p. 625−32, Marsh, ParhamおよびBarber, “The HLA−FACS−Book”, Academic Press (2000年), 37−97)。病状の進行に伴い、ヒトの応答は、リンパ球が接触される健康な細胞および組織の正常な成分に対して寛容になる。特に重要なものの内には、個人の免疫系は、その同一個人の細胞の表面に発現された自己HLAクラスIおよびIIアロタイプに対して寛容性を生じることである。対照的に、個人の免疫系は、器官移植の後のごとき他のヒトによって発現された非自己HLAアロタイプの数百に対しては寛容とならない。従って、一旦個人が移植を受け、もし受容者およびドナーが細胞表面で発現されたそれらのHLA抗原型が適合しなければ移植された器官に対する超急性または急性拒絶が起きる確率が高い。
【0015】
本発明においては、驚くべきことに、添付の実施例に示すごとく、HLAクラスIIα鎖がTIRC7と相互作用できることが見出された。従って理論に拘束されるつもりはないが、TIRC7 HLAクラスIIα鎖との間の該結合/相互作用への干渉は、対応する受容体/リガンド相互作用による細胞応答の修飾をもたらす。該修飾は、阻害性ならびに刺激性細胞応答を含むが、それらに限定されない。しかしながら、好ましくは、分子の作用メカニズムの背後にある理論にかかわらず、本発明による使用のための阻害剤は、(1)TIRC7またはそのリガンドに相互作用/結合する、および(2)WO99/11782およびUtkuRaら、Immunity 9(1998年),509−518に記載されているごとき、アッセイにおいてマイトジェン刺激PBMCの増殖を阻害することができることによって特徴付けることができる。好ましくは、前記阻害剤は、例えば、それと該リガンドが相互作用するTIRC7の部位を占めることによって、該阻害剤が、該リガンドがTIRC7と相互作用するのを妨げるように、該阻害剤はTIRC7の該リガンドに、またはTIRC7に相互作用/結合する。前記したごとき、好ましくは、該リガンドはHLAクラスIIα鎖である。ヒトMHCクラスII HLA−DR−アルファ鎖のヌクレオチドおよびアミノ酸配列は当業者に知られており、公のデータベース、例えば、Genbank登録番号V00523およびM60334から入手することができる。本発明によって同定されたHLAクラスIIα鎖ノヌクレオチドおよびアミノ酸配列は、各々、配列番号:1および配列番号:2に示される。
【0016】
従って、本発明の好ましい実施態様において、前記阻害剤は:
(a)配列番号:2に示されるアミノ酸配列を含む(ポリ)ペプチドまたは(a)その断片に結合するおよび/またはそれに干渉する作用物質、
(b)配列番号:1に示されるヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによってコードされる(ポリ)ペプチドまたは(a)その断片に結合する作用物質、および
(c)(a)または(b)に定義される(ポリ)ペプチドまたはその断片の誘導体のアナログ;
よりなる群から選択される。
【0017】
クラスII主要組織適合性抗原(MHC)は2つの非共有結合したポリペプチド鎖よりなる。内部ジスルフィド結合を含み、それらのアミノ酸配列によって判断されるベータ2、アルファ2鎖はイムノグロブリンスーパーファミリーに属し、アルファ1、ベータ1鎖はMHCクラスII分子のペプチド結合ドメインである。異なる細胞種でのMHC分子の発現は、これらの細胞の表面に存在する外来性抗原とTリンパ球が相互作用できるか否かを決定する。MHCクラスII分子はほとんどの免疫および非免疫ヒト細胞で発現される。MHC遺伝子産物の発現は、細胞型特異的因子によって、およびIFN−γのようなサイトカインのような炎症性および免疫性刺激因子によって転写レベルで大いに調節される。マクロファージのごときいくつかの細胞は、サイトカイン、特にIFN−γによってクラスII分子を発現するように誘導することができ、他方、他の細胞およびBリンパ球はクラスII分子を構成的に発現する。抗原によるCD4ヘルパーT細胞の活性化は、Tリンパ球以外の細胞の関与を必要とする;これらの細胞は、しばしば、それらの表面でMHCクラスII分子を発現するアクセサリ細胞と呼ばれる。リンパ球活性化におけるアクササリー細胞の必須の役割は2つの方法に従う:まず、アクセサリ細胞は抗原提示細胞(APC)であり、それらはタンパク質抗原をペプチドに変換し、それらはCD4T細胞によって認識できるような形態でペプチド−MHC複合体を提示する。APCによるネイティブタンパク質のMHC関連ペプチド断片への変換は抗原プロセッシングと呼ばれる。アクセサリ細胞の第2の機能は、T細胞抗原受容体に結合するペプチド−MHC複合体によって開始されたものを超え、刺激をT細胞に与えることである。共刺激体活性と呼ばれるこれらの刺激は、アクセサリ細胞の膜結合または分泌産物によってもたらされるT細胞の十分な生理学的活性化に必要である。
【0018】
免疫応答は、APC上のMHCクラスIまたはII分子による抗原のT細胞への成功した提示に強く依存する。CD4細胞への不十分な抗原提示の場合、免疫応答は生じない。その代わり、非応答または無視が起こるであろう。これは、感染症ならびに創傷治癒および敗血症などにおいて必要な、外来性粒子を破壊する免疫系の能力のかなりの低下に至るであろう。Utkuら、Immunity 9(1998年)、509−518によって示されているごとく、特異抗体によるTIRC7のターゲッティングは免疫応答を阻害し、IFN−γのごときTH−1タイプのリンパ球サイトカインの発現を低下させる。
【0019】
本発明においては、驚くべきことに、配列番号:2に示したポリペプチドがTIRC7と相互作用できるタンパク質であることが見出され、そのcDNAがTIRC7ポリペプチドに対するヒトリンパ球から酵母ツーハイブリッドライブラリーをスクリーニングすることによって単離された。た。前記したごとく配列番号:2、および配列番号;1に示されたそれをコードするヌクレオチド配列はHLA−DRα−鎖に関する。HLA−DRは、添付の実施例に示されたごとくTIRC7に結合し/それと相互作用する。従って、理論に拘束されることなく、該結合/相互作用は、対応する受容体/リガンド相互作用に対する細胞応答の修飾に至ると考えられる。該修飾は、限定されるものではないが、阻害性ならびに刺激性細胞応答を含む。
【0020】
本明細書中で用いられる用語「作用物質(原語:agent)」は、(ポリ)ペプチド、無機および/または有機物質ならびに合成的に合成された分子のような分子に関する。例えば、前記「作用物質」はペプチド、無機および/または有機物質ような「小さな分子」、またはD−アミノ酸を含むペプチド−アナログのようなペプチド−様分子を含むことができる。前記「作用物質」は、特異的(オリゴ)ヌクレオチド、PNASおよび/またはアプタマーのような核酸分子を含むこともできる。本発明では、本明細書中で用いられる用語「作用物質」は、単一の物質、または同一であってもなくてもよい複数の物質であり得る物質も含む。前記作用物質/化合物は、例えば、植物、動物または微生物からの全ての抽出物質中に含まれ得る。
【0021】
配列番号:2に記載された前記ポリペプチドは、添付の実施例で説明するごとくcDNA−クローン「cDNA−スクリーン7」に由来する。本発明においては、HLAII−DRに対応する前記ポリペプチドは、配列番号:2に記載された正確なアミノ酸配列のみならず、該アミノ酸配列に対して相同性を示し、本明細書中に開示するごとくHLAII−DR分子(「cDNA−スクリーン7」遺伝子産物)として機能することができるアミノ酸配列を含むポリペプチドも含む。これらの相同アミノ酸配列は、とりわけ、HLAII−DAの「バリアント(変異体)」を含むことができる。用語「バリアント」は、限定されるものではないが、対立遺伝子バリアント、スプライスバリアント、合成により生産されたバリアントまたは遺伝子工学により作製されたバリアントを含む。これらのバリアントはポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドレベルいずれかで異なっていてもよい。あるいは、天然に生じないバリアントは前記特定の作用物質の結合パートナーとしても構成される。これらの天然に生じないバリアントは、とりわけ、突然変異誘発技術によって、または直接合成によって生産される。従って、前記定義のポリペプチドに結合しおよび/またはそれと干渉する作用物質は、そのようなバリアントと相互作用し、それに結合しおよび/またはそれに干渉することができる作用物質をもいう。従って、本明細書中で用いられる用語「断片」は、前記HLAII−DR−分子に由来し、前記作用物質に結合しおよび/またはそれと相互作用することができるペプチドおよびポリペプチドをいう。
【0022】
本明細書中で用いられる用語、ポリペプチドまたはその断片の「アナログまたは誘導体」は、HLAII−DRおよびTIRC7の相互作用を特異的に阻害することができる前記分子の前記定義バリアントとは対照的に配列番号:2に示されるアミノ酸配列および/またはHLAII−DRのアナログまたは誘導体を意味する。従って、これらのアナログ/誘導体は、とりわけ、通常はHLAII−DR−TIRC7相互作用によって媒介される生理学的および/または細胞応答を誘導することができない化学的におよび/または遺伝子学的に修飾されたHLAII−DR−分子を含む。本発明においては、これらのアナログおよび/または誘導体は、前記HLAII−DR−TIRC7相互作用に干渉することができるさらなる分子またはポリペプチド−断片と組み合わされてHLAII−DRおよび/またはその断片を含む融合タンパク質および/またはモザイクポリペプチドであってもよい。当業者であれば、そのようなアナログ/誘導体、融合タンパク質および/またはモザイクポリペプチドの調製のための方法/技術を十分に知っている;Sambrookら、(Molecular cloning; A Laboratory Manual. Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press; Cold Spring Harbor NY (1989年)) or Oxender and Fox (1987年) “Protein engineering”, Liss New York参照。これらの手法は、例えば、突然変異誘発法、直接的生化学および/または化学合成を含む。従って、前記アナログ/誘導体は天然起源または合成もしくは半合成分子であり得る。
本発明のさらなる好ましい実施態様において、前記阻害剤はHLA−IIα鎖に特異的に結合するアプタマーまたは抗体である。抗−HLA−DR−抗体を用いることによるTIRC7の結合のブロックは陽性シグナルのブロックに導き、増殖の阻害に導き、望まない免疫反応を調節するのに非常に重要である。
【0023】
本発明においては、用語「アプタマー」は、標的分子、すなわち、前記定義の標的分子HLAII−DRに結合することができる核酸分子を意味する。アプタマーは通常はRNA、ssDNA、修飾されたRNA−DNAを含む。アプタマーの調製は当該分野で知られており、例えば、結合部位を同定するためのコンビナトリアルライブラリーの使用を含むことができる。(Gold Ann. Rev. Biochem. 64 (1995年), 736−797)。
【0024】
前記したごとく、TIRC7とそのリガンドとの相互作用に干渉できる阻害剤は、本明細書中で定義されるHLA−II−DR−分子に特異的に結合する抗体を含むこともできる。該抗体はモノクローナル、ポリクローナル、合成、キメラ、ヒト化、異種間および/または半合成抗体を含むことができる。用語「抗体」はFab、Fv、またはScFv−断片のごとき断片を含むこともできる。抗体、その断片、誘導体は、例えば、HarlowおよびLane「Antibodies, a Laboratory Manual」 CSH Press, 1988年に記載されているように公知の方法によって産生しおよび/または得ることができる。キメラ抗体の調製はWO89/09622に記載されている。
【0025】
さらに、本発明は、対象における、移植片宿主病、自己免疫疾患、アレルギー疾患、感染症、敗血症のような免疫学的障害の治療のための、腫瘍の治療のための、創傷治癒の改良のための、または免疫非応答性を誘導または維持するための医薬組成物を調製するための、前記阻害剤をコードする核酸分子の使用に関する。本発明で使用される核酸分子はmRNAのようなRNA、cDNAのようなDNAを含む。前記用語はPNAも含む。加えて、本発明は、対象において、前記定義の免疫学的障害を治療するための、または創傷の改良のための、または免疫非応答性を誘導または維持するための医薬組成物の製造のための、前記した核酸分子を含むベクターの使用に関する。本発明のベクターは、例えば、遺伝子治療アプローチで用いられるプラスミド、コスミド、ウイルスまたは他のベクターであり得る。さらなる詳細については、例えば、Molecular Cloning: a Laboratory Manual: 第2版、Sambrookら、1989年、Cold Spring Harbor Laboratory Press参照。例えば、核酸コンストラクトの調製、突然変異誘発法(前記参照)、配列決定法、DNAの細胞への導入および遺伝子発現、およびタンパク質の分析などにおける、多くの核酸操作方法及びプロトコルは、Current Protocols in Molecular Biology、 第2版、Ausubelら編、 John Wiley & Sons, 1994年および更新された別版に詳細に記載されている。SambrookらおよびAusubelらの開示をここに引用によって援用する。
【0026】
さらに、本発明は,
(a)(ポリ)ペプチドまたは物質の集団に対して、TIRC7およびHLAII−DRの間の相互作用を阻害するそれらの能力を、適当な読出系を用いてテストする工程;及び、
(b)工程(a)においてTIRC7とそのリガンドとの相互作用の阻害につきそのテストが陽性を示す(ポリ)ペプチドまたは物質を同定する工程;
を含む、TIRC7およびそのリガンドの間の相互作用に干渉することができる作用物質を同定し及び取得する方法に関する。
【0027】
工程(a)の前記テストは、とりわけ、HLAII−DR−分子への結合の検出が可能なアッセイにおいて前記(ポリ)ペプチドまたは物質(例えば、前記定義の作用物質)をテストすることを含む。これらの(ポリ)ペプチドまたは物質は、HLAII−DR−分子に特異的に結合することによって、TIRC7−HLAII−DRシグナリング経路に干渉することができる。従って、TIRC7およびそのリガンドの間の相互作用を「干渉/阻害する能力についての該テスト」は、当該分野で知られた特異的免疫学的および/または生化学的アッセイによって行うことができる。そのようなアッセイは複合体形成の測定、ELISA、RIA等のような、結合パートナーが検出されるアッセイを含む。前記相互作用アッセイは、とりわけ、HLAII−DRの結合パートナーを検出することができるツーハイブリッドシステム(これは、HLAII−DR/TIRC7相互作用に干渉するのに用いることができる)またはイン・ビトロ結合アッセイのような当該分野で知られた読出システムを含むこともできる。該アッセイおよび対応する読出システムは、複合体形成および/またはそのような複合体形成の阻害の検出を含むこともできる。例えば、検出されるべき(ポリ)ペプチド物質、作用物質の存在下で、TIRC7/HLAII−DR(またはその断片)のin vitro複合体が形成されるか否かをテストすることができる。ここにおいて、読出システムは、とりわけ、蛍光キットや免疫沈澱アッセイのような免疫アッセイであり得る。また、本発明の方法ではハイスループットスクリーニングを使用することも考えられる。
【0028】
よって、1つの実施態様において、本発明は、
(a)その転写が、スクリーニングされるべき化合物と共に、TIRC7およびHLAクラスIIα鎖を含むダイマーまたはそれらの対応する相互作用結合ドメインによって直接的または間接的に活性化されるレポーター遺伝子を含む宿主細胞をスクリーニングする工程;及び、
(b)レポーター遺伝子の活性化を抑制する化合物を選択する工程;
を含む、免疫疾患の治療用の作用物質を同定し単離する方法に関する。
【0029】
かくして、TIRC7およびHLAクラスIIα鎖を含むダイマーまたはマルチマー複合体の形成を妨げる化合物は、TIRC7関連疾患における治療的介入として用いることができる。従って、本発明のこの実施態様は、免疫系に応答して、TIRC7媒介およびHLAクラスIIα鎖関連シグナル変換を阻害する化合物を発見する方法を提供する。本発明の方法に従うアッセイのための基本的な設定は当業者によく知られている。これは、いわゆる酵母「ツーハイブリッド系」の使用によって、Scofield(Science 274(1996年),2063−2065)に記載されているごとく、当該分野でよく知られたアッセイによって達成することができる。この系においては、TIRC7をコードする核酸分子またはそのより小さな部分によってコードされたタンパク質は、GAL4転写因子のDNA−結合ドメインに連結させることができる。この融合タンパク質を発現し、かつGAL4転写因子によって認識される適当なプロモーターによって駆動されるlacZレポーター遺伝子を含む酵母株を、活性化ドメインに融合したTIRC7のタンパク質リガンドまたはそのペプチドを発現するベクターで形質転換する。かくして、TIRC7および前記リガンド、例えば、HLAクラスIIα鎖を含むダイマーまたはマルチマー複合体の形成に干渉する物質の非存在下では、複合体はレポーター遺伝子の発現を指令することができる。例えば、実施例に記載されたツーハイブリッドアッセイ系はそれに従って適合させることができる。かくして、TIRC7の既に同定された結合パートナー、すなわち、HLAクラスIIα鎖とTIRC7との相互作用に干渉する物質の同定を除き、TIRC7の相互作用パートナーをスクリーニングすることはもはや使用されない。かくして、前記した方法の好ましい実施態様においては、スクリーニングアッセイで用いる宿主細胞は、転写活性化またはDNA結合ドメインに作動可能に連結した少なくともHLAクラスIIα鎖またはその断片をコードするDNA分子を含有する少なくとも1つの発現ベクターを含む。いわゆるスリーハイブリッド系で同様の戦略を追求することができる。
【0030】
TIRC7および前記リガンド、例えば、HLAクラスIIα鎖を含むダイマーまたはマルチマー複合体の形成に干渉する化合物を同定する他の方法は、例えば、ファージディスプレイシステムでのin vitroスクリーニングならびにフィルター結合アッセイまたは、例えば、BIAcore装置(Pharmacia)を用いる相互作用の「リアルタイム」測定である;前記引用の文献参照。
【0031】
好ましい実施態様において、本発明は、
(c)同定された(ポリ)ペプチドまたは物質で工程(a)および(b)を1回以上反復する工程であって、新たに同定された(ポリ)ペプチドまたは物質は、さらなる相互作用(ポリ)ペプチドまたは物質の同定のためのおとり(原語:bait)として先に同定された(ポリ)ペプチドまたは物質を置き換える工程をさらに含む、TIRC7およびそのリガンドの間の相互作用に干渉することができる作用物質を同定する方法に関する。
【0032】
加えて、本発明は、
(a)(ポリ)ペプチド集団を、配列番号:2に示されるアミノ酸配列を有する、または配列番号:1によってコードされる、あるいは本明細書中で開示された方法によって得ることができる(ポリ)ペプチドまたは断片と、該(ポリ)ペプチドの結合を可能とする適当な条件下で、接触させる工程;
(b)(a)で定義された前記(ポリ)ペプチドまたはその断片に結合しない(ポリ)ペプチドを前記(ポリ)ペプチド集団から除去する工程;及び、
(c)(a)で定義された前記(ポリ)ペプチドまたはその断片に結合する(ポリ)ペプチドを同定する工程;
を含む、対象において免疫応答の調節に関与する(ポリ)ペプチドを同定し及び取得する方法に関する。
【0033】
本発明の方法に従ってテストし同定することができる化合物および(ポリ)ペプチド集団は発現ライブラリー、例えば、cDNA発現ライブラリー、ペプチド、タンパク質、核酸、抗体、小有機化合物、ホルモン、ペプチドミメティックス、PNA等であり得る(Milner, Nature Medicine 1 (1995年), 879−880; Hupp, Cell 83 (1995年), 237−245; Gibbs, Cell 79 (1994年), 193−198および前記引用文献)。本発明の前記方法のいずれか1つの好ましい実施態様において、例えば、免疫系の腫瘍組織または細胞に由来する細胞溶解物を用い、最も好ましくは、ヒトリンパ球溶解物が用いられる;実施例および図3参照。
【0034】
さらに、本発明は、
(a)ペプチドミメティックスによって作用物質または(ポリ)ペプチドをモデリングすること;及び、
(b)モデル化された化合物を化学的に合成すること;
を含む、本明細書中で定義された阻害剤または本明細書中に開示した方法によって同定された作用物質または(ポリ)ペプチドを精製する方法に関する。
【0035】
かくして、前記方法は、もちろん、前記スクリーニング方法または当該分野でよく知られた他のスクリーニング方法のいずれかの1以上の工程と組み合わせることができる。臨床的化合物発見のための方法は、例えば、リードの同定のための超ハイスループットスクリーニング(Sundberg, Curr. Opin. Biotechnol. 11 (2000年), 47−53)、および構造ベースの薬物デザイン(VerlindeおよびHol, Structure 2 (1994年), 577−587)およびリード最適化のためのコンビナトリアル化学(Salemmeら, Structure 15 (1997年), 319−324)を含む。 一旦薬物が選択されたならば、該方法は、修飾された薬物を用いて合理的薬物デザインを行い、例えば、相互作用/エネルギー分析に従って該修飾された薬物が良好なアフィニティを呈するか否かを評価するのに用いられる方法を反復するさらなる工程を有することができる。

【0036】
従って、前記方法によって単離された化合物は、アナログ化合物(類縁化合物)の開発のためのリード化合物として利用することもできる。アナログは、鍵となる官能基が、リード化合物と実質的に同一の方法でTIRC7またはそのリガンドに提示されるのを可能とする安定化された電子的立体配置および分子立体配座を有するべきである。特に、アナログ化合物は、結合領域に匹敵する空間的電子的特性を有するが、しばしば、約2kD未満、好ましくは約1kD未満の分子量を有するリード化合物よりも小さい分子であり得る。アナログ化合物の同定は、自己−合致場(SCF)分析、立体配置相互作用(CI)分析、および通常態様の動的分析のごとき手法の使用を介して実施することができる。これらの手法を実行するためのコンピュータープログラムは入手可能である;例えば、Rein, Computer−Assisted Modeling of Receptor−Legand Interactions (Alan Liss, New York, 1989年)。化学的誘導体およびアナログの調製方法は当業者によく知られており、例えば、Beilstein, Handbook of Organic Chemistry, Springer edition New York Inc., 175 Fifth Avenue, New York, N.Y.10010 U.S.A. and Organic Synthesis, Wiley, New York, U.S.A.に記載されている。さらに、前記誘導体およびアナログは当該分野で知られた方法に従ってその効果につきテストすることができる;前記参照。さらに、適当な誘導体およびアナログのペプチドミメティックスおよび/またはコンピューター支援デザインを、例えば、前記した方法に従って用いることができる。薬物発見におけるリード生成のための方法は、タンパク質および質量分析(Cheng et al.J.Am.Chem.Soc.117 (1995年), 8859−8860)およびいくつかの核磁気共鳴(NMR)方法 (Fejzoら、Chem.Biol.6 (1999年), 755−769; Linら、J.Org.Chem.62 (1997年), 8930−8931)のごとき検出方法を含む。
【0037】
本発明の組成物で用いる阻害剤、作用物質および(ポリ)ペプチドは、好ましくは、TIRC7のリガンドに対する結合特異性と少なくとも実質的に同一の特異性を有し、特に、もしTIRC7刺激が望まれるのであれば、該リガンドは好ましくはHLAクラスIIα鎖である。阻害剤は、免疫細胞のTIRC7媒介増殖が抑制されるべき場合、少なくとも10−1、好ましくは10−1より高い、有利には1010−1までのHLAクラスIIα鎖タンパク質に対する結合アフィニティを有することができる。好ましい実施態様において、抑制物質または阻害剤は少なくとも約10−7M、好ましくは少なくとも約10−9M、最も好ましくは少なくとも約10−11Mのアフィニティを有する。アンチセンス核酸分子の場合、それらは、コーディング配列の20連続ヌクレオチドの正確な相補体よりも最大で2倍、5倍または10倍低い、HLAクラスIIα鎖をコードするものに対する結合アフィニティを有するのが好ましい。
【0038】
好ましくは、親油性細胞膜を通って細胞に入ることができるためには、阻害剤、作用物質または(ポリ)ペプチドは500−600Daの「バイオアベイラビリティ壁」より大きくない。他方、タンパク質治療においては、最近、HIVウイルス由来の部分タンパク質に融合した酵素は、マウスにおいてin vivoでその酵素活性を保持しつつ、細胞膜を通過することができることが示されている(Schwarze, Science 285 (1999年), 1569−1572)。ほぼ10年間、HIVウイルスからの転写活性化調節タンパク質(TATタンパク質)が、受容体またはトランスポーターを用いることなく、またはATPを必要とすることなく細胞膜を横切る異常な能力を有することが知られている(Green and Loewenstein, Cell 55 (1988年), 1179−1188)。その正確なメカニズムは解明されていないが、TATのタンパク質変換ドメイン(PTD)は細胞膜脂質二重層中に「穴」を開け、再度それを閉じる前にそれを通じて共有結合したものを引き出すことが示されている。これは、さもなければ細胞を損傷してしまう特異的プロセスである。かくして、本発明の方法によって同定された機能的阻害剤または(ポリ)ペプチドはリンカーを介してPTDにカップリングして、それらを細胞膜を通過させることができる;レビューについては、DDT4(1999年),537参照。
【0039】
加えて、本発明は、本明細書中に開示する阻害剤、本明細書中に開示する方法によって同定された作用物質、本明細書中に開示された方法によって同定された(ポリ)ペプチドまたは本明細書中に開示される方法によって精製された作用物質または(ポリ)ペプチドおよび、必要に応じて、医薬上許容される担体およびまたは希釈剤を配合することを含む、組成物の生産方法に関する。
【0040】
本発明の前記方法のうちのいずれか一つに従って一旦薬物が選択されたならば、薬物またはそのプロドラッグを治療上有効量となるように合成することができる。本明細書中で用いるごとく、用語「治療上有効量」とは、有効な患者の利益、すなわち、例えば免疫疾患の治療、治癒、予防または緩和、またはそのような疾患の治療、治癒、予防または緩和の速度の増大を示すのに十分な薬物またはプロドラッグの合計量を意味する。加えて、あるいは代替的に、特に薬物の前臨床試験に関しては、用語「治療上有効量」とは、好ましくは、非−ヒト動物試験において、その標的TIRC7またはそのリガンドに対するその結合に際して、生理学的応答を誘導するのに十分な薬物またはプロドラッグの合計量を含む。
【0041】
そのin vivo投与後に薬物またはプロドラッグは代謝されて、排出によって、または1以上の活性または不活性代謝産物への代謝によって排除される(Meyer, J. Pharmacokinet. Biopharm. 24 (1996年), 449−459)。かくして、本発明の方法によって同定及び取得された現実の化合物または薬物を用いるよりはむしろ、患者内でその活性形に変換されるプロドラッグとしての対応する処方を用いることができる。プロドラッグおよび薬物の適用のために取ることができる予防手段は文献に記載されている;レビューについては、Ozama, J. Toxicol. Sci.21 (1996年), 323−329参照。

【0042】
好ましい実施態様において本発明はここに開示する方法に関し、それにおいて前記組成物は医薬組成物である。この実施態様では、前記方法のいずれの1つにおいても以下の工程を含む。すなわち工程(a):(i)カルボキシル基のエステル化、または(ii)ヒドロキシル基の炭素酸でのエステル化または(iii)ヒドロキシル基の、例えば、ホスフェート、ピロホスフェートもしくはスルフェートまたはヘミスクシネートへのエステル化、または(iv)医薬上許容される塩の形成、または(v)医薬上許容される複合体の形成、または(vi)薬理学的に活性なポリマーの合成、または(vii)親水性部位の導入、または(viii)アロメートまたは側鎖上の置換基の導入/交換、置換基パターンの変化、または(ix)等電子または生物等電子部位の導入による修飾、または(x)相同化合物の合成、または(xi)分岐側鎖の導入、または(xii)アルキル置換基の環状アナログへの変換、または(xiii)ヒドロキシル基のケタール、アセテートへの誘導体化、または(xiv)アミド、フェニルカルバメートへのN−アセチル化、または(xv)マンニッヒ塩基、イミンの合成、または(xvi)ケトンまたはアルデヒドのシフの塩基、オキシル、アセタール、ケタール、エノールエステル、オキサゾリジン、チオゾリジンまたはその組合せへの変換による、(i)作用の修飾された部位、活性のスペクトル、器官特異性および/または(ii)改良された効力、および/または(iii)低下した毒性(改良された治療指数)および/または(iv)低下した副作用および/または(v)治療作用の修飾された開始、効果の持続および/または(vi)修飾された薬物動態パラメーター(吸収、分布、代謝および排出)および/または(vii)、修飾された物理化学的パラメーター(溶解度、吸湿度、色、味覚、匂い、安定性、状態)および/または(viii)、改良された一般的特異性、器官/組織特異性および/または(ix)最適化された適用形態および経路、を達成するために、本発明の方法によってリード化合物としての同定された作用物質を修飾する肯定、及び(b):前記修飾によって得られる生成物を医薬上許容される担体と配合する工程、である。
【0043】
前記種々の工程は一般に当該分野で知られている。それらは定量的構造−作用関係(QSAR)分析(Kubinyi, I. Med. Chem. 41 (1988年), 22553−2564; Pharm. Unserer Zeit 23 (1994年), 281−290)、コンビナトリアル生化学、古典的化学その他を含み、またはそれに依存する。
【0044】
本発明においては、用語「医薬組成物」は所望により、さらに、例えば、免疫系を調節しおよび/またはそれに干渉することができる分子のような、他の分子を単独または組み合わせて含む。医薬組成物は固体、液体または気体形態とすることができ、とりわけ、(a)粉末、(a)錠剤、(a)溶液またはアエロゾルの形態とすることができる。
【0045】
本発明の医薬組成物は、さらに、医薬上許容される担体を含むことができる。適当な医薬担体の例は当該分野で知られており、リン酸緩衝生理食塩水、水、水中油型エマルジョンのごときエマルジョン、種々のタイプの湿潤剤、滅菌溶液等を含む。そのような担体を含む組成物はよく知られた慣用的方法によって配合することができる。これらの医薬組成物は適当な用量にて対象に投与することができる。適当な組成物の投与は、種々の方法によって、例えば、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、局所または皮内投与によって行うことができる。投与方法は主治医および臨床的因子によって決定されるであろう。医学分野でよく知られているごとく、いずれの患者についての投与量も、患者のサイズ、体表面積、年齢、投与すべき特定の化合物、性別、投与の時間および経路、全体の健康状態、および同時投与すべき他の薬物を含めた多くの因子に依存する。
【0046】
さらに、本発明は、対象における、移植対宿主病、自己免疫疾患、アレルギー疾患、感染症、敗血症の治療用の、腫瘍の治療用の、創傷治癒の改良用の、または免疫非応答性の誘導または維持用の医薬組成物の調製のための、本明細書に記載した阻害剤、本明細書に開示した方法によって同定された作用物質または(ポリ)ペプチド、または本明細書に開示した方法によって精製された阻害剤の使用に関する。
【0047】
加えて、本発明は、本明細書中で定義される阻害剤、核酸分子、ベクターおよび/または作用物質および/または本明細書中に開示した方法によって同定された(ポリ)ペプチドを含む医薬組成物に関する。
【0048】
さらに、本発明は、前記定義のヌクレオチド配列を含む核酸配列によってコードされた遺伝子産物を過剰発現する非ヒト・トランスジェニック動物に関する。さらに、本発明は、前記定義の核酸分子またはそのホモログ、パラログもしくはオルソログがサイレントでありおよび/または突然変異した非ヒト・トランスジェニック動物を提供する。該非ヒト・トランスジェニック動物は、特に、医療および科学的研究目的で有用であり、マウス、ラット、イヌ、ヒツジ等ならびにC.elegansまたはDrosophilaのような非脊椎動物を含むことができる。非ヒト動物は、ここに記載した本発明のスクリーニング方法に従って用いることができる。トランスジェニック胚の生産およびそれらのスクリーニングは、例えば、A. L. Joyner Ed., Gene Targeting, A Practical Approach (1993年), Oxford University Pressによって記載されているごとく行うことができる。胚の胚膜のDNAは、例えば、適当なプローブでのサザーンブロットを用いて分析することができる。
【0049】
さらに、本発明は、免疫疾患または腫瘍の治療用の薬物の同定のための、または前記方法のいずれか1つにおけるリガンドとしての、HLAクラスIIα鎖または断片もしくは誘導体の使用に関する。
【0050】
さらなる態様において、本発明は、
(a)HLAクラスIIα鎖をコードするポリヌクレオチドにおける突然変異の存在または不存在を判定すること;及び
(b)前記突然変異の存在または不存在に基づいて、病的状態、または病的状態に対する罹患性を診断すること;
を含む、TIRC7の活性によって媒介される、またはそれに応答性である障害に関連する対象において病的状態、または病的状態に対する罹患性を診断する方法に関する。
【0051】
加えて、本発明は、
(a)生物学的試料中のHLAクラスIIα鎖ポリペプチドの存在または発現量を測定すること;及び、
(b)前記ポリペプチドの存在または発現量に基づいて、病的状態、または病的状態に対する罹患性を診断すること;
を含む、TIRC7の活性によって媒介される、またはそれに応答性である障害に関連する対象において、病的状態、または病的状態に対する罹患性を診断する方法に関する。
【0052】
これらの実施態様において、前記で同定されたHLAクラスIIα鎖ポリヌクレオチド、核酸分子、(ポリ)ペプチド、抗体または化合物は好ましくは検出可能に標識される。種々の手法が生体分子を標識するのに利用でき、それは当業者によく知られており、本発明の範囲内にあると考えられる。そのような手法は、例えば、Tijssen, “Practice and theory of enzyme immuno assays”, Burden, RH and von Knippenburg (Eds), Volume 15 (1985年), “Basic methods in molecular biology”; Davis LG, Dibmer MD; Battey Elsevier (1990年), Mayer et al., (Eds) “Immunochemical methods in cell and molecular biology” Academic Press, London (1987年)、または、in the series “Methods in Enzymology”, Academic Press, Inc.に記載されている。当業者に知られた多くの異なる標識および標識方法がある。一般に使用される標識は、とりわけ、(フルオレセイン、ローダミン、テキサスレッド等のような)フルオロクローム、(ホースラディッシュペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、アルカリ性ホスファターゼのような)酵素、(32Pまたは125Iのような)放射性同位体、ビオチン、ジゴキシゲニン、コロイド状金属、(ジオキセタン、ルミノールまたはアクリジニウムのような)ケミ−またはバイオルミネセント化合物を含む。酵素またはビオチニル基の共有結合カップリング、ヨウ素化、リン酸化、ビオチニル化、ランダムプライミング、ニック−トランスレーション、(ターミナルトランスフェラーゼを用いる)テーリングのような標識手法は当該分野でよく知られている。検出方法は、限定されるものではないが、オートラジオグラフィー、蛍光顕微鏡、直接的および間接的酵素反応等を含む。
【0053】
加えて、前記化合物等は固相に結合させることができる。固相は当該分野でよく知られており、ポリスチレンビーズ、ラテックスビーズ、磁性ビーズ、コロイド金属粒子、ガラスおよび/またはシリコンチップおよび面、ニトロセルロースストリップ、膜、シート、動物赤血球細胞、または赤血球細胞ゴースト、デュアラサイトおよび反応トレイのウェルの壁、プラスチックチューブまたは他のテストチューブを含むことができる。固相へのHLAクラスIIα鎖核酸、(ポリ)ペプチド、タンパク質、抗体等を固定化する適当な方法は、限定されるものではないが、イオン、疎水性、共有結合相互作用等を含む。固相は、前記定義の領域を引き付け固定化する能力を有する1以上のさらなる受容体を保持することができる。この受容体は、試薬それ自体、または捕獲試薬にコンジュゲートした荷電物質に対して反対に荷電した荷電物質を含むことができるか、または受容体は、固相に固定化された(付着された)、かつ前記定義の試薬を固定化することができるいずれの特異的結合パートナーでもあり得る。
【0054】
一般に使用される検出アッセイは放射性同位体または非放射性同位体方法を含むことができる。これらは、とりわけ、RIA(放射性同位体アッセイ)およびIRMA(免疫ラジオイムノメトリックアッセイ)、EIA(酵素免疫アッセイ)、ELISA(酵素連結イムノアッセイ)、FIA(蛍光免疫アッセイ)およびCLIA(ケミルミネセント免疫アッセイ)を含む。当該分野で用いられる他の検出方法は、トレーサー分子を用いないものである。これらの方法の1つのプロトタイプは、少なくとも2つの粒子を架橋する与えられた分子の特性に基づく凝集アッセイである。
【0055】
臨床および/または研究用検体中の(ポリ)ペプチド、ポリヌクレオチド等の診断および定量では、核酸ハイブリダイゼーションアッセイ、PCRアッセイまたはDNA酵素免疫アッセイ(Manteroら、Clinical Chemistry 37 (1991年), 422−429)のような、前記した種々の免疫学的方法ならびに分子生物学的方法が開発されており、当該分野でよく知られている。ここにおいて、HLAクラスIIα鎖核酸分子はPNA、アミド骨格結合を含む修飾されたDNAアナログも含むことができるのに注意すべきである。そのようなPNAは、とりわけ、DNA/RNAハイブリダイゼーションのためのプローブとして有用である。
【0056】
前記組成物は、例えば、対象の細胞からmRNAを得、次いで、かく得られたmRNAを、適当なハイブリダイゼーション条件下で、HLAクラスIIα鎖ポリヌクレオチドと特異的にハイブリダイズすることができる核酸分子を含むプローブ/プライマーと接触させ、次いで、該プローブ/プライマーにハイブリダイズしたmRNAの存在を検出することを含む、HLAクラスIIα鎖(ポリ)ペプチドをコードするmRNAの存在を検出することによって、HLAクラスIIα鎖ポリヌクレオチドの発現を検出する方法において用いることができる。試料中の核酸分子の検出に導くさらなる診断方法は、例えば、ポリメラーゼチェーン反応(PCR)、リガーゼチェーン反応(LCR)、核酸ハイブリダイゼーションと組み合わせたサザーンブロッティング、比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)または代表差分析(RDA)を含む。核酸分子の存在につきアッセイするこれらの方法は当該分野で知られており、過度の実験もなくして行うことができる。
【0057】
さらに、本発明は、対象から細胞試料を得、抗体がHLAクラスIIα鎖タンパク質に結合するのを可能とする条件下で該試料を前記抗体のうちの1つと接触させ、次いで、例えば、ラジオイムノアッセイまたは酵素免疫アッセイのごとき免疫アッセイ法を用いてそのように結合した抗体の存在を検出することを特徴とする、試料、例えば細胞試料中のHLAクラスIIα鎖タンパク質の存在を検出する方法を含む。さらに、当業者であれば、HLAクラスIIα鎖活性を有する(ポリ)ペプチドを特異的に認識するが、その不活性形態を認識しない、または不活性形態を特異的に認識するが、HLAクラスIIα鎖活性を有する対応のポリペプチドを特異的に認識しない抗体を用いることによって、そのHLAクラスIIα鎖活性を欠失または改変した突然変異形態から機能的HLAクラスIIα鎖タンパク質であるポリペプチドを特異的に検出し、区別することができる。
【0058】
さらに、本発明は、前述の方法において前記試料が毛髪、血液、血清、痰、糞、または他の体液である、またはそれに由来する方法に関する。分析すべき試料は、とりわけ、核酸分子、(ポリ)ペプチドまたは抗体を抽出するごとく処理することができる。
【0059】
好ましくは、TIRC7によって媒介され、前記方法で診断されるべき疾患または免疫疾患は、移植対宿主病、自己免疫疾患、アレルギー疾患、感染症、敗血症、腫瘍、特に免疫細胞に関連するもの、創傷治癒の欠乏、および適当な免疫応答を誘導する対象の欠乏よりなる群のうちの1つである。
【0060】
また、本発明は、前記したもののごときHLAクラスIIα鎖特異的試薬を含有するキット組成物に関する。HLAクラスIIα鎖DNAまたはRNA、HLAクラスIIα鎖に対する抗体、またはHLAクラスIIα鎖タンパク質を含有するキットを調製することができる。そのようなキットを用いて、HLAクラスIIα鎖DNAまたはRNAにハイブリダイズするDNAを検出し、または試料中のHLAクラスIIα鎖タンパク質またはペプチド断片の存在を検出する。そのような特徴付けは、限定されるものではないが、法医学分析、診断適用、および本発明の前記方法による疫学的研究を含めた種々の目的で有用である。組換えHLAクラスIIα鎖タンパク質、DNA分子、RNA分子および抗体は、HLAクラスIIα鎖の検出およびタイピングに適したキットの構成に適合するように調製される。そのようなキットは、典型的には、少なくとも1つの容器における密接な封じ込めにて保持するのに適した区画化キャリアを含む。該キャリアは、さらに、組換えHLAクラスIIα鎖タンパク質またはHLAクラスIIα鎖に適した抗−HLAクラスIIα鎖抗体のごとき試薬を含むであろう。また、該キャリアは、標識抗原または酵素基質のごとき検出用の手段を含むことができる。
【0061】
本明細書中で引用した書類の開示内容はここに引用によって援用する。
【0062】
これらおよび他の実施態様は、本発明の記載および実施例によって開示され、包含される。本発明で使用されるべき方法、使用および化合物のいずれか1つに関するさらなる文献は、例えば、エレクトロニックデバイスを用いて公のライブラリーから検索することができる。例えば、http://www.ncbi.nlm.nih.gov/PubMed/medline.html.下でインターネットで利用できる公のデータベース「Medline」を利用することができる。http://www.ncbi.nlm.nih.gov/,http://www.infobiogen.fr/,http://www.fmi.ch/biology/research_tools.html, http://www.tigr.org/のごときさらなるデータベースおよびアドレスは当業者に知られており、例えば、http://www/lycos.comを用いて得ることもできる。バイオテクノロジーにおける特許情報の概観および遡及的サーチで、および現在の認識で有用な特許情報の関連ソースの概観は、Berks, TIBTECH 12 (1994年), 352−364に与えられる。
【0063】
本開示は、参照として組み込まれる添付の図面と組み合わせて最良に理解することができる。さらに、本発明の、およびその多くの利点の良好な理解は、例示として与えられる以下の実施例から得られ、それは限定を意図するものではない。
【0064】
実施例において、特記しない限り、組換えDNA技術は、Sambrookら、(1989年), Molecular Cloning: A Laboratory Mannual. Cold Spring Harbor Laboratory Press, NY or in Volumes 1 and 2 of Ausubelら、(1994年), Current Protocols in Molecular Biology, Current Protocolsに記載されたプロトコルに従って実行される。
【0065】
実施例は本発明を説明する。
実施例1:ツーハイブリッドライブラリースクリーニングを用いることによるTIRC7のリガンドの同定
Utkuら、Immunity 9 (1998年), 509−518によって公表されたTIRC7 cDNAを用いて、Stratagene, LaJolla, USAによるHYBRZAP 2.1システムによるツーハイブリッドスクリーニングを実施した。配給業者の指示書に従って陽性クローンをアッセイした。クローン「cDNA−スクリーン7」は、ヒト白血球抗原クラスII−DRとの100%同一性を示した819bp長のcDNAインサートを明らかにした(図1a−b)。
【0066】
実施例2:HLA−DRアルファ鎖の免疫沈澱
共免疫沈澱は、Jonsら、Histochem. Cell. Biol., 1999年, 111 (4), 313−8に記載されているごとく行った。簡単に述べれば、CBL120モノクローナル抗体(Cybus−Biotechnology)(図1c、レーン2)を利用することによって、活性化されたヒト末梢血液リンパ球溶解物(図1c、レーン1)をHLA−DRアルファ鎖の免疫沈澱で用いた。対照的に、対照抗体であるイソタイプIgG1(Pharmingen)はいずれの沈殿も示さない(図1c、レーン3)。
【0067】
【配列表】
Figure 2004512371
Figure 2004512371
Figure 2004512371

【図面の簡単な説明】
【図1a】819ヌクレオチドを含むヒトHLA DRアルファ鎖のcDNA配列が示され、ヒトリンパ球から酵母ツー2ハイブリッドライブラリーのスクリーニングによって単離されたcDNAが示される。
【図1b】メチオニンで開始される254アミノ酸を含むHLA DR分子のアミノ酸配列が示される。
【図1c】特異的抗TIRC7および抗HLA DRアルファ鎖抗体を用いることによるヒトリンパ球溶解物からのHLA DRタンパク質でのTIRC7タンパク質の共免疫沈澱が示される。

Claims (24)

  1. 対象における、移植片宿主病、自己免疫疾患、アレルギー疾患、感染症、敗血症の治療のための、腫瘍の治療のための、創傷治癒の改良のための、または免疫非応答性を誘導または維持するための医薬組成物を調製するための、TIRC7とそのリガンドとの相互作用に干渉する阻害剤の使用。
  2. 前記リガンドはHLA(ヒト白血球関連抗原)クラスIIアルファ(α)鎖である請求項1記載の使用。
  3. 前記阻害剤が:
    (a) 配列番号:2に示されたアミノ酸配列を含む(ポリ)ペプチドまたは(a)その断片に結合するおよび/またはそれに干渉する作用物質;
    (b) 配列番号:1に示されたヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドによってコードされた(ポリ)ペプチドまたは(a)その断片に結合する作用物質;及び
    (c) (a)または(b)で定義された(ポリ)ペプチドまたはその断片の誘導体のアナログ;
    よりなる群から選択される請求項2記載の使用。
  4. 前記阻害剤が、請求項2または3で定義された(ポリ)ペプチドに特異的に結合するアプタマー、または抗体である請求項1ないし3のいずれかに記載の使用。
  5. 対象において、移植片宿主病、自己免疫疾患、アレルギー疾患、感染症、敗血症の治療のための、腫瘍の治療のための、創傷治癒の改良のための、または免疫非応答性を誘導または維持するための医薬組成物を調製するための、請求項1ないし4のいずれかに記載の阻害剤をコードする核酸分子の使用。
  6. 前記核酸分子がベクターに組み込まれる請求項5記載の使用。
  7. (a)(ポリ)ペプチドまたは物質の集合に対して、TIRC7およびHLAクラスIIα鎖(ポリ)ペプチドまたはその断片の間の相互作用を阻害するその能力を、適当な読み出しシステムを用いてテストする工程;及び
    (b)工程(a)におけるTIRC7とそのリガントとの相互作用の阻害につきそのテストが陽性である(ポリ)ペプチドまたは物質を同定する工程;
    を含む、TIRC7およびそのリガンドの間の相互作用に干渉できる作用物質を同定し及び取得するための方法。
  8. 前記HLAクラスIIα鎖(ポリ)ペプチドまたはその断片が、配列番号2に由来する、または配列番号1によってコードされるアミノ酸配列を含む請求項7記載の方法。
  9. さらに、(c)同定された(ポリ)ペプチドまたは物質につき工程(a)および(b)を1回以上反復する工程であって、新たに同定された(ポリ)ペプチドまたは物質が、さらなる相互作用(ポリ)ペプチドまたは物質の同定のためのおとりとして、先に同定された(ポリ)ペプチドまたは物質を置き換える工程を含む、請求項7または8記載の方法。
  10. (a)(ポリ)ペプチド集団を、HLAクラスIIα鎖(ポリ)ペプチドまたはその断片と、または請求項7ないし9のいずれかに記載の方法によって得ることができる(ポリ)ペプチドまたは物質と、該(ポリ)ペプチドの結合を可能とする適当な条件下で接触させる工程;
    (b)(a)で定義された前記(ポリ)ペプチドまたはその断片に結合しなかった(ポリ)ペプチドを前記(ポリ)ペプチド集団から除去する工程;及び
    (c)(a)で定義された前記(ポリ)ペプチドまたはその断片に結合する(ポリ)ペプチドを同定する工程;
    を含む、対象において免疫応答の調節に関与する(ポリ)ペプチドを同定し及び取得する方法。
  11. (a)TIRC7およびHLAクラスIIα鎖を含むダイマーまたはスクリーニングされるべき化合物とのそれらの対応する相互作用結合ドメインによって、その転写が直接的または間接的に活性化されるレポーター遺伝子を含む宿主細胞をスクリーニングする工程;及び
    (b)レポーター遺伝子の活性化を抑制する化合物を選択する工程;
    を含む、免疫疾患の治療のための作用物質を同定し及び取得する方法。
  12. 前記宿主細胞が、転写活性化またはDNA結合ドメインに作動可能に連結した少なくともHLAクラスIIα鎖またはその断片をコードするDNA分子を含有する、少なくとも1つの発現ベクターを含む請求項11記載の方法。
  13. 請求項1ないし4のいずれかで定義された阻害剤、または請求項7ないし10、11または12のいずれかに記載の方法によって同定された作用物質、または請求項10記載の方法によって同定された(ポリ)ペプチドを精製する方法であって、
    (a)前記作用物質または(ポリ)ペプチドを、ペプチドミメティックスによってモデル化する工程;及び
    (b)モデル化された化合物を化学的に合成する工程;
    を含む方法。
  14. 請求項1ないし4のいずれかで定義された阻害剤、または請求項7ないし9、11または12のいずれかに記載の方法によって同定された作用物質、または請求項10記載の方法によって同定された(ポリ)ペプチド、または請求項13記載の方法によって精製された作用物質またはポリ(ペプチド)、および、必要に応じて、医薬上許容される担体および/または希釈剤を配合することを含む、組成物の製造方法。
  15. 請求項7ないし13のいずれかに記載の方法における前記工程、および前記作用物質または(ポリ)ペプチド、および、必要に応じて、医薬上許容される担体および/または希釈剤を配合するさらなる工程を含む、組成物の製造方法。
  16. 前記組成物が医薬組成物である請求項14または15記載の方法。
  17. 対象における、移植片宿主病、自己免疫疾患、アレルギー疾患、感染症、敗血症の治療のための、腫瘍の治療のための、創傷治癒の改良のための、または免疫非応答性を誘導または維持するための医薬組成物を調製するための、請求項7ないし9、11または12のいずれかに記載の方法によって同定された作用物質、または請求項10記載の方法によって同定されたポリ(ペプチド)、または請求項13記載の方法によって精製された作用物質または(ポリ)ペプチドの使用。
  18. 請求項5で定義された核酸分子のヌクレオチド配列を含む核酸分子配列によってコードされた遺伝子産物を過剰発現する非ヒト・トランスジェニック動物。
  19. 請求項5で定義された核酸分子またはそのホモログ、パラログまたはオルソログがサイレントであるか、および/または突然変異している非ヒト・トランスジェニック動物。
  20. 免疫疾患または腫瘍の治療用医薬物の同定のための、HLAクラスIIα鎖または断片または誘導体の使用。
  21. 請求項7ないし9または11ないし13いずれか1記載の方法によって得られた作用物質の有効量を対象に投与することを含む、免疫疾患または腫瘍を治療する方法。
  22. (a)HLAクラスIIα鎖をコードするポリヌクレオチドにおける突然変異の存在または不存在を決定すること;及び
    (b)前記突然変異の存在または不存在に基づいて、病的状態、または病的状態に関する罹患性を診断すること;
    を含む、TIRC7活性によって媒介される、またはそれに対して応答する障害に関連する対象における病的状態、または病的状態に対する罹患性を診断する方法。
  23. (a)生物学的試料中でのHLAクラスIIα鎖ポリペプチドの発現の存在または量を測定し、次いで、
    (b)ポリペプチドの存在または発現量に基づいて、病的状態、または病的状態に対する罹患性を診断すること;
    を含む、TIRC7の活性に媒介される、またはそれに対して応答する障害に関する対象において病的状態、または病的状態に対する罹患性を診断する方法。
  24. 請求項22または23記載の方法に有用なキットであって、HLAクラスIIα鎖ポリペプチドまたはその生物学的に活性な断片と、HLAクラスIIα鎖をコードする核酸分子またはHLAクラスIIα鎖遺伝子にハイブリダイズする長さが少なくとも15ヌクレオチドの核酸分子または抗−HLAクラスIIα鎖抗体と、および、必要に応じて、検出するための適当な手段と、を含むキット。
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