JP2004360520A - ベルト式無段変速機構を備えた4ストロークエンジン - Google Patents
ベルト式無段変速機構を備えた4ストロークエンジン Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004360520A JP2004360520A JP2003158043A JP2003158043A JP2004360520A JP 2004360520 A JP2004360520 A JP 2004360520A JP 2003158043 A JP2003158043 A JP 2003158043A JP 2003158043 A JP2003158043 A JP 2003158043A JP 2004360520 A JP2004360520 A JP 2004360520A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- belt
- crankshaft
- continuously variable
- variable transmission
- transmission mechanism
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 230000005540 biological transmission Effects 0.000 title claims abstract description 28
- 230000013011 mating Effects 0.000 claims abstract description 28
- 239000007858 starting material Substances 0.000 claims description 17
- 230000008719 thickening Effects 0.000 abstract 1
- 239000003921 oil Substances 0.000 description 11
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 7
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 4
- 239000000498 cooling water Substances 0.000 description 2
- 239000000725 suspension Substances 0.000 description 2
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 1
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 1
- 239000010687 lubricating oil Substances 0.000 description 1
- 238000005461 lubrication Methods 0.000 description 1
- 238000000034 method Methods 0.000 description 1
- 230000003287 optical effect Effects 0.000 description 1
- 238000011144 upstream manufacturing Methods 0.000 description 1
Images
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16H—GEARING
- F16H9/00—Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by endless flexible members
- F16H9/02—Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by endless flexible members without members having orbital motion
- F16H9/04—Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by endless flexible members without members having orbital motion using belts, V-belts, or ropes
- F16H9/12—Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by endless flexible members without members having orbital motion using belts, V-belts, or ropes engaging a pulley built-up out of relatively axially-adjustable parts in which the belt engages the opposite flanges of the pulley directly without interposed belt-supporting members
- F16H9/125—Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by endless flexible members without members having orbital motion using belts, V-belts, or ropes engaging a pulley built-up out of relatively axially-adjustable parts in which the belt engages the opposite flanges of the pulley directly without interposed belt-supporting members characterised by means for controlling the geometrical interrelationship of pulleys and the endless flexible member, e.g. belt alignment or position of the resulting axial pulley force in the plane perpendicular to the pulley axis
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F01—MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
- F01M—LUBRICATING OF MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; LUBRICATING INTERNAL COMBUSTION ENGINES; CRANKCASE VENTILATING
- F01M1/00—Pressure lubrication
- F01M1/06—Lubricating systems characterised by the provision therein of crankshafts or connecting rods with lubricant passageways, e.g. bores
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F01—MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
- F01M—LUBRICATING OF MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; LUBRICATING INTERNAL COMBUSTION ENGINES; CRANKCASE VENTILATING
- F01M1/00—Pressure lubrication
- F01M1/08—Lubricating systems characterised by the provision therein of lubricant jetting means
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F01—MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
- F01M—LUBRICATING OF MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; LUBRICATING INTERNAL COMBUSTION ENGINES; CRANKCASE VENTILATING
- F01M1/00—Pressure lubrication
- F01M1/06—Lubricating systems characterised by the provision therein of crankshafts or connecting rods with lubricant passageways, e.g. bores
- F01M2001/062—Crankshaft with passageways
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F01—MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
- F01P—COOLING OF MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; COOLING OF INTERNAL-COMBUSTION ENGINES
- F01P3/00—Liquid cooling
- F01P3/06—Arrangements for cooling pistons
- F01P3/08—Cooling of piston exterior only, e.g. by jets
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Transmission Devices (AREA)
- Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)
- Transmissions By Endless Flexible Members (AREA)
Abstract
【課題】クランクシャフトを太くすることなくその短縮化を図ると共に、ベアリングの耐久性の向上を図ったベルト式無段変速機構を備えた4ストロークエンジンを提供するにある。
【解決手段】分割可能に構成されるクランクケース20の合せ面23でクランクシャフト24を軸支し、このクランクシャフト24の一端にベルト式無段変速機構36を接続した4ストロークエンジン19において、ベルト式無段変速機構36を、そのクラッチベルト45の張力方向46がクランクケース20の合せ面23を通る線47と重ならぬよう、クランクシャフト24を中心に所定の角度θを持って配置したものである。
【選択図】 図4
【解決手段】分割可能に構成されるクランクケース20の合せ面23でクランクシャフト24を軸支し、このクランクシャフト24の一端にベルト式無段変速機構36を接続した4ストロークエンジン19において、ベルト式無段変速機構36を、そのクラッチベルト45の張力方向46がクランクケース20の合せ面23を通る線47と重ならぬよう、クランクシャフト24を中心に所定の角度θを持って配置したものである。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベルト式無段変速機構を備えた4ストロークエンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】
ベルト式無段変速機構(以下、CVT機構と略す。)を備えた4ストロークエンジンは、そのクランクシャフトの一端をエンジン外に突出させ、その突出端(出力軸端=以下、PTO軸と略す。)にCVT機構の入力部を接続している(例えば特許文献1および特許文献2参照)。
【0003】
PTO軸にはCVT機構のベルト張力が働くため、PTO軸の長さは短く設定することが望ましい。特に、PTO軸とそれを受けるベアリングとの距離が遠くなると、十分な強度を得るためにPTO軸を含むクランクシャフトを太くする必要があり、それに伴ってベアリングそのものも大型化の必要があるため、全体が大型化し重量も増えてしまう。
【0004】
また、PTO軸長を短くするためにカムチェーンや補器駆動用動力の取り出しをPTO軸側から避けることが好ましい。さらに、エンジンの振動低減用にバランサ装置を備える場合、通常その駆動用動力をクランクシャフトから取り出すが、その取り出しは同様にPTO軸側から避けることが好ましい。
【0005】
ところで、バランサ装置のバランサシャフトは、クランクシャフト同様、例えば上下方向に分割されるクランクケースの合せ面で保持することが、組付性がよく、コスト的にも有利である。
【0006】
【特許文献1】
特開平3−208784号公報(第6図)
【0007】
【特許文献2】
特開平11−153035号公報(図2および図3)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、クランクシャフトの、PTO軸とは反対側端部には通常マグネト装置が装着されており、クランクシャフトのこの側にカムチェーンや補器駆動用動力の取り出し、さらにはバランサ装置駆動用動力の取り出しを設けるのは困難である。
【0009】
一方、上述した特許文献に示すように、CVT機構のベルト張力が働く方向とクランクケースの合せ面方向とが同じになると、例えばメタルベアリングを用いる場合、その合せ位置方向にベルトの張力が働くため、ベアリングの寿命を低下させることになって好ましくない(例えば特許文献1の第1図および特許文献2の図3参照)。
【0010】
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、クランクシャフトを太くすることなくその短縮化を図ると共に、ベアリングの耐久性の向上を図ったベルト式無段変速機構を備えた4ストロークエンジンを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るベルト式無段変速機構を備えた4ストロークエンジンは、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、分割可能に構成されるクランクケースの合せ面でクランクシャフトを軸支し、このクランクシャフトの一端にベルト式無段変速機構を接続した4ストロークエンジンにおいて、上記ベルト式無段変速機構を、そのクラッチベルトの張力方向が上記クランクケースの合せ面を通る線と重ならぬよう、上記クランクシャフトを中心に所定の角度を持って配置したものである。
【0012】
また、上述した課題を解決するために、請求項2に記載したように、上記クランクケースの合せ面をシリンダ軸線と直交するように設定すると共に、上記エンジンを上記クランクシャフトと直行する方向に傾斜させて配置したものである。
【0013】
さらに、上述した課題を解決するために、請求項3に記載したように、上記クランクケースの合せ面に、上記クランクシャフトと共にバランサシャフトを配置したものである。
【0014】
そして、上述した課題を解決するために、請求項4に記載したように、上記クランクケースの、上記ベルト式無段変速機構とは反対側にマグネト装置、カムシャフト駆動用のカムドライブスプロケット、オイルポンプ駆動用のポンプドライブギヤ、およびスタータモータの駆動力が伝達されるスタータクラッチのクラッチドリブンギヤ等のエンジン補器およびこれらの補器駆動系を配置したものである。
【0015】
さらに、上述した課題を解決するために、請求項5に記載したように、上記バランサシャフトを駆動するバランサドライブギヤを、上記クランクシャフトの上記ベルト式無段変速機構側端を軸支する軸受部より内側に設けると共に、上記補器駆動系を、上記クランクシャフトの上記ベルト式無段変速機構とは反対側端を軸支する軸受部より外側に配置したものである。
【0016】
そして、上述した課題を解決するために、請求項6に記載したように、上記エンジンを雪上車に適用したものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態を適用した雪上車の左側面図である。また、図2はこの雪上車の平面図であり、図3は同正面図である。
【0018】
図1〜図3に示すように、この雪上車1は前後方向に延びる車体の前下部に左右一対の操舵用スキッド2が左右に操舵可能に設けられる。また、操舵用スキッド2はフロントサスペンション機構3により緩衝可能に支持される。一方、車体の後下部にはクローラ機構4が設けられる。このクローラ機構4は、例えば前側に配置された駆動輪5と、後側に配置された従動輪6と、これらの動輪5,6間に配置された複数個の中間輪7と、これらの中間輪7を緩衝可能に支持するリヤサスペンション機構8と、各車輪5〜7の周囲に巻装された無限軌道9とから構成される。
【0019】
クローラ機構4の上方には前後に延びる運転シート10が設けられ、この運転シート10の左右には一段低いステップ11が設けられる。また、運転シート10の前方にはステアリングシャフト12を介して上記操舵用スキッド2を操作するハンドルバー13が設けられる。そして、ハンドルバー13前方にはメータパネル14やウィンドシールド15等が設けられ、メータパネル14前方のウィンドシールド15前下端にはヘッドライト16が設けられる。
【0020】
車体の前上半分は開閉可能なエンジンフード17によって覆われ、その内部にエンジンルーム18を形成してエンジン19が搭載される。また、エンジンフード17は上記ヘッドライト16の光軸を遮らないよう、ヘッドライト16下前部を最高点として前方に行くほど下がってゆく前下がり形状を有する。
【0021】
図4はエンジンルーム18の右側面図である。また、図5はこのエンジンルーム18の平面図である。さらに、図6はエンジン19の右側面図であり、図7は図6に示すエンジン19の下半分を示す右側面図である。そして、図8は図7のVIII−VIII線に沿う断面図である。
【0022】
図4〜図8に示すように、このエンジン19は例えばロアークランクケース20aと、その上方に載置される、シリンダブロック21を一体に備えたアッパークランクケース20bとに分割可能に構成されるクランクケース20と、そのシリンダブロック21上方に載置されるシリンダヘッド22とから構成された4サイクル並列多気筒(本実施形態においては二気筒)エンジンである。
【0023】
クランクケース20の、すなわちロアークランクケース20aとアッパークランクケース20bとの合せ面23にはクランクシャフト24が軸支される。クランクシャフト24は、例えばその三箇所(左右および中央部)がロアークランクケース20aおよびアッパークランクケース20bの合せ面23にそれぞれ形成された軸受部25にメタルベアリング26を介して回転自在に軸支される。
【0024】
また、このエンジン19はクランクシャフト24の軸線が車体の幅方向に延びるよう、横置きに配置されると共に、エンジン19は側面視でヘッドライト16の下方にシリンダヘッド22が配置されるように、且つクランクシャフト24を軸に、このクランクシャフト24と直行する方向、本実施形態においてはやや後方に傾斜した状態で配置される。さらに、このエンジン19は平面視で一側、本実施形態においては車体の進行方向に向かってやや左側にオフセットして配置される。
【0025】
シリンダブロック21内にはシリンダ27が形成され、その内部にはピストン28がクランクシャフト24と直角方向に摺動自在に挿入される。そして、ピストン28とクランクシャフト24とがコンロッド29によって連結され、ピストン28の往復ストロークがクランクシャフト24の回転運動に変換される。また、シリンダヘッド22内には吸・排気バルブ30およびこれらのバルブ30を開閉操作するカムシャフト31等から構成されるエンジン補器を構成する動弁装置32が設けられ、その上部がヘッドカバー33により覆われる。
【0026】
そして、ロアークランクケース20aとアッパークランクケース20bとの合せ面23はシリンダ軸線34と直交するように設定されると共に、シリンダヘッド22とアッパークランクケース20bのシリンダブロック21との合せ面76はロアークランクケース20aとアッパークランクケース20bとの合せ面23と平行に設定される。なお、シリンダヘッド22とヘッドカバー33との合せ面35はやや前下がりに設定される。
【0027】
エンジン19がオフセットされた側のクランクシャフト24端、本実施形態においては左端、はエンジン19外に突出して出力軸端24a(以下、PTO軸と略す。)を形成し、このPTO軸24aにベルト式無段変速機構36(以下、CVT機構と略す。)を構成する、ドライブクラッチ37を備えたドライブプーリ38がクランクシャフト24(PTO軸24a)と回転一体に接続される。また、PTO軸24aとは反対側のクランクシャフト24端、本実施形態においては右端、もエンジン19外に突出し、この端部にエンジン補器であるマグネト装置39が設けられる。クランクケース20の右側はマグネトカバー40で覆われてその内部にマグネト室41を形成し、このマグネト室41内にマグネト装置39が収納される。なお、図7はこのマグネトカバー40を外した状態を示す。
【0028】
一方、エンジン19後方の斜め上方にはドライブシャフト42がクランクシャフト24と平行に配置され、ドライブプーリ38側のドライブシャフト42端部(左端)に他のCVT機構36を構成する、ドリブンクラッチ43を備えたドリブンプーリ44が設けられる。そして、ドライブプーリ38とドリブンプーリ44との間には例えばクラッチベルト45が巻装されてクランクシャフト24の回転がドライブシャフト42に伝達されるように構成される。
【0029】
さらに、クラッチベルト45の張力方向、すなわちPTO軸24aの中心とドライブシャフト42の中心とを結ぶ線46はクランクケース20の合せ面23を通る線47と重ならぬよう、PTO軸24aを中心に所定の角度θ、好ましくは30°〜60°、を持ってドライブシャフト42が配置される。
【0030】
他方、ドライブシャフト42の他端(右端)には図示しないドライブスプロケットが設けられ、前記クローラ機構4の駆動輪5と同軸上に回転一体に設けられた図示しないドリブンスプロケットとの間に例えば図示しないドライブチェーンが巻装されてエンジン19の回転がクローラ機構4に伝達されるように構成される。なお、ドライブシャフト42の右端部にはブレーキディスク48がドライブシャフト42と回転一体に設けられ、ブレーキキャリパ49と共に制動装置50を構成してクローラ機構4に制動をかけるようになっている。
【0031】
シリンダヘッドの前面には排気ポート51が気筒毎に設けられ、これらの排気ポート51にそれぞれ排気管52が接続される。排気管52は一旦前方に向かって延び、詳細には図示しないが後方に向かって曲成されると共に、その下流端には図示しない消音器が接続される。一方、シリンダヘッド22の後面には吸気ポート53が気筒毎に設けられ、これらの吸気ポート53にそれぞれスロットルボディ54が接続される。また、スロットルボディ54の後方にはエアボックス55が配置され、スロットルボディ54の上流側に接続される。
【0032】
さらに、このエンジン19にはその振動低減用にバランサ装置56が備えられる。バランサ装置56は、ロアークランクケース20aとアッパークランクケース20bとの合せ面23にクランクシャフト24を挟んでその前後に配置される前後一対のバランサシャフト57と、これらのバランサシャフト57に一体に形成されたバランサウェイト58とから構成される。また、バランサシャフト57はその両端がロアークランクケース20aおよびアッパークランクケース20bの合せ面23にそれぞれ形成された支持部59にメタルベアリング60を介して回転自在に軸支される。
【0033】
クランクシャフト24のPTO軸24a側端を軸支する軸受部25およびメタルベアリング26と、左側気筒のクランクウェブ24bとの間のクランクシャフト24のジャーナル24c上にはバランサドライブギヤ61が設けられると共に、このバランサドライブギヤ61に対応した位置のそれぞれのバランサシャフト57上にはバランサドライブギヤ61に作動連結するバランサドリブンギヤ62がそれぞれ設けられる。なお、詳細には図示しないが、バランサドライブギヤをクランクウェブ24bに直接形成してもよい。
【0034】
一方、クランクシャフト24のPTO軸24aとは反対側端を軸支する軸受部25およびメタルベアリング26と、クランクシャフト24の右端に設けられたマグネト装置39との間のクランクシャフト24のジャーナル24c上(マグネト室41内)には補器駆動系を構成するカムドライブスプロケット63が設けられ、前記カムシャフト31に設けられた図示しないカムスプロケットとの間にカムチェーン64が巻装される。
【0035】
また、このエンジン19は図示しない潤滑油タンクをエンジン19とは別体に備えたドライサンプ方式の潤滑装置を備え、クランクケース20右側のマグネト室41内にエンジン補器であるフィード側オイルポンプ65とスカベンジング側オイルポンプ66とを備える。これらのオイルポンプ65,66は、前後一対のバランサシャフト57のうち、クランクシャフト24の前側に配置されたバランサシャフト57右端の上下に配置される。なお、本実施形態においてはバランサシャフト57右端の上方にフィード側オイルポンプ65が、下方にスカベンジング側オイルポンプ66がそれぞれ配置される。
【0036】
そして、両オイルポンプ65,66はそれどれポンプドリブンギヤ67を備えると共に、これらのポンプドリブンギヤ67に作動連結する補器駆動系であるポンプドライブギヤ68が上記前側配置されたバランサシャフト57の右端に設けられる。さらに、本実施形態に用いられるエンジン19は水冷式エンジンであって、図5および図6に示すように、マグネトカバー40の外表面にはウォータポンプ69が設けられる。
【0037】
このウォータポンプ69の図示しない駆動軸は例えば上記フィード側オイルポンプ65のポンプ軸65aと同軸上に配置され、両軸が連結することにより、フィード側オイルポンプ65とウォータポンプ69とは同時に駆動される。そして、ウォータポンプ69によって圧送される冷却水がエンジン19内の図示しない冷却水ジャケットに導かれてエンジン19各部が冷却される。
【0038】
一方、吸気ポート53下方の、アッパークランクケース20b後面にはエンジン補器であるスタータモータ70が配置される。また、マグネト装置39とカムドライブスプロケット63との間のクランクシャフト24のジャーナル24c上(マグネト室41内)にはスタータクラッチ71(ワンウェイクラッチ)が設けられ、スタータモータ70のドライブシャフト72(出力軸)は途中にスタータリミッタ73およびスタータアイドルギヤ74を介してスタータクラッチ71の補器駆動系を構成するクラッチドリブンギヤ75に作動連結される。なお、スタータリミッタ73およびスタータアイドルギヤ74は、クランクケース20右側後部の、クランクシャフト24の後側に配置されたバランサシャフト57とスタータモータ70との間のマグネト室41内に配置される。
【0039】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0040】
クラッチベルト45の張力方向、すなわちPTO軸24aの中心とドライブシャフト42の中心とを結ぶ線46がクランクケース20の合せ面23を通る線47と重ならぬよう、PTO軸24aを中心に所定の角度θ(好ましくは30°〜60°)を持ってCVT機構36のドライブシャフト42を配置したことにより、クランクシャフト24を軸支するメタルベアリング26の合せ位置方向にクラッチベルト45の張力が働かないため(メタルベアリング26の合せ位置に負担がかからない)、ベアリング26の耐久性が向上し、その寿命が延びる。
【0041】
また、ロアークランクケース20aとアッパークランクケース20bとの合せ面23をシリンダ軸線34と直交するように設定し、エンジン19をクランクシャフト24と直行する方向、本実施形態においてはやや後方に傾斜した状態で配置したことにより、上述した所定の角度θを無理することなく容易に確保できると共に、クランクケース20の作成が容易になり、且つクランクシャフト24の軸受部25の耐久性を向上させることができる。
【0042】
さらに、ロアークランクケース20aとアッパークランクケース20bとの合せ面23に、クランクシャフト24と共にバランサシャフト57を配置するようにしたことにより、クランクシャフト24およびバランサシャフト57の組み付けが同工程で可能となり、組み付け工数が削減できると共に、バランサシャフト57の支持部59をクランクケース20に一体に形成でき、クランクシャフト24の軸受部25にかかるクラッチベルト45の張力を分散することが可能となる。また、エンジン19全体の高さも低くすることができる。
【0043】
さらにまた、クランクケース20の、CVT機構36とは反対側にマグネト装置39、カムシャフト31駆動用のカムドライブスプロケット63、オイルポンプ駆動用のポンプドライブギヤ68、およびスタータモータ70の駆動力が伝達されるスタータクラッチ71のクラッチドリブンギヤ75等のエンジン補器およびこれらの補器駆動系を配置したことにより、CVT機構36側のクランクシャフト24に補器の駆動系が配置されない。その結果、クランクシャフト24のCVT機構36側端部、すなわちPTO軸24aを短くできるので、クランクシャフト24のPTO軸24a側軸受部25にかかるベルト張力が小さくなり、PTO軸24aを含むクランクシャフト24を太くしなくてもよくなってベアリングの小型化を図ることができると共に、エンジン19のコンパクト化、軽量化を図ることができる。
【0044】
そして、バランサ装置56のバランサシャフト57を駆動するバランサドライブギヤ61を、クランクシャフト24のPTO軸24a側端を軸支する軸受部25より内側のジャーナル24c上に設けると共に、クランクシャフト24のPTO軸24aとは反対側端を軸支する軸受部25より外側にカムドライブスプロケット63、ポンプドライブギヤ68、およびクラッチドリブンギヤ75を配置したことにより、エンジン19の中心からクランクケース20両側端の軸受部25までの距離を等しく設定でき、過重バランスが良好になる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るベルト式無段変速機構を備えた4ストロークエンジンによれば、クランクシャフトを軸支するベアリングおよび軸受部の耐久性が向上し、ベアリングの寿命が延びる。また、エンジンの組み立てが容易になる。
【0046】
さらに、クランクシャフトを細く短くできてエンジン全体のコンパクト化、軽量化を図ることができると共に、エンジンの荷重バランスを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るベルト式無段変速機構を備えた4ストロークエンジンの一実施形態を示す雪上車の左側面図。
【図2】図1に示す雪上車の平面図。
【図3】図1に示す雪上車の正面図。
【図4】エンジンルームの右側面図。
【図5】エンジンルームの平面図。
【図6】エンジンの右側面図。
【図7】図6に示すエンジンの下半分を示す右側面図。
【図8】図7のVIII−VIII線に沿う断面図。
【符号の説明】
1 雪上車
19 4ストロークエンジン
20 クランクケース
20a ロアークランクケース
20b アッパークランクケース
23 クランクケースの合せ面
24 クランクシャフト
24a クランクシャフトの出力軸端(PTO軸)
25 軸受部
31 カムシャフト
34 シリンダ軸線
36 ベルト式無段変速機構(CVT機構)
39 マグネト装置(エンジン補器)
45 クラッチベルト
46 PTO軸の中心とドライブシャフトの中心とを結ぶ線(クラッチベルトの張力方向)
47 クランクケースの合せ面を通る線
57 バランサシャフト
61 バランサドライブギヤ
63 カムドライブスプロケット(補器駆動系)
65,66 オイルポンプ(エンジン補器)
68 ポンプドライブギヤ(補器駆動系)
70 スタータモータ(エンジン補器)
71 スタータクラッチ(エンジン補器)
75 クラッチドリブンギヤ(補器駆動系)
θ 所定の角度
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベルト式無段変速機構を備えた4ストロークエンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】
ベルト式無段変速機構(以下、CVT機構と略す。)を備えた4ストロークエンジンは、そのクランクシャフトの一端をエンジン外に突出させ、その突出端(出力軸端=以下、PTO軸と略す。)にCVT機構の入力部を接続している(例えば特許文献1および特許文献2参照)。
【0003】
PTO軸にはCVT機構のベルト張力が働くため、PTO軸の長さは短く設定することが望ましい。特に、PTO軸とそれを受けるベアリングとの距離が遠くなると、十分な強度を得るためにPTO軸を含むクランクシャフトを太くする必要があり、それに伴ってベアリングそのものも大型化の必要があるため、全体が大型化し重量も増えてしまう。
【0004】
また、PTO軸長を短くするためにカムチェーンや補器駆動用動力の取り出しをPTO軸側から避けることが好ましい。さらに、エンジンの振動低減用にバランサ装置を備える場合、通常その駆動用動力をクランクシャフトから取り出すが、その取り出しは同様にPTO軸側から避けることが好ましい。
【0005】
ところで、バランサ装置のバランサシャフトは、クランクシャフト同様、例えば上下方向に分割されるクランクケースの合せ面で保持することが、組付性がよく、コスト的にも有利である。
【0006】
【特許文献1】
特開平3−208784号公報(第6図)
【0007】
【特許文献2】
特開平11−153035号公報(図2および図3)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、クランクシャフトの、PTO軸とは反対側端部には通常マグネト装置が装着されており、クランクシャフトのこの側にカムチェーンや補器駆動用動力の取り出し、さらにはバランサ装置駆動用動力の取り出しを設けるのは困難である。
【0009】
一方、上述した特許文献に示すように、CVT機構のベルト張力が働く方向とクランクケースの合せ面方向とが同じになると、例えばメタルベアリングを用いる場合、その合せ位置方向にベルトの張力が働くため、ベアリングの寿命を低下させることになって好ましくない(例えば特許文献1の第1図および特許文献2の図3参照)。
【0010】
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、クランクシャフトを太くすることなくその短縮化を図ると共に、ベアリングの耐久性の向上を図ったベルト式無段変速機構を備えた4ストロークエンジンを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るベルト式無段変速機構を備えた4ストロークエンジンは、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、分割可能に構成されるクランクケースの合せ面でクランクシャフトを軸支し、このクランクシャフトの一端にベルト式無段変速機構を接続した4ストロークエンジンにおいて、上記ベルト式無段変速機構を、そのクラッチベルトの張力方向が上記クランクケースの合せ面を通る線と重ならぬよう、上記クランクシャフトを中心に所定の角度を持って配置したものである。
【0012】
また、上述した課題を解決するために、請求項2に記載したように、上記クランクケースの合せ面をシリンダ軸線と直交するように設定すると共に、上記エンジンを上記クランクシャフトと直行する方向に傾斜させて配置したものである。
【0013】
さらに、上述した課題を解決するために、請求項3に記載したように、上記クランクケースの合せ面に、上記クランクシャフトと共にバランサシャフトを配置したものである。
【0014】
そして、上述した課題を解決するために、請求項4に記載したように、上記クランクケースの、上記ベルト式無段変速機構とは反対側にマグネト装置、カムシャフト駆動用のカムドライブスプロケット、オイルポンプ駆動用のポンプドライブギヤ、およびスタータモータの駆動力が伝達されるスタータクラッチのクラッチドリブンギヤ等のエンジン補器およびこれらの補器駆動系を配置したものである。
【0015】
さらに、上述した課題を解決するために、請求項5に記載したように、上記バランサシャフトを駆動するバランサドライブギヤを、上記クランクシャフトの上記ベルト式無段変速機構側端を軸支する軸受部より内側に設けると共に、上記補器駆動系を、上記クランクシャフトの上記ベルト式無段変速機構とは反対側端を軸支する軸受部より外側に配置したものである。
【0016】
そして、上述した課題を解決するために、請求項6に記載したように、上記エンジンを雪上車に適用したものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態を適用した雪上車の左側面図である。また、図2はこの雪上車の平面図であり、図3は同正面図である。
【0018】
図1〜図3に示すように、この雪上車1は前後方向に延びる車体の前下部に左右一対の操舵用スキッド2が左右に操舵可能に設けられる。また、操舵用スキッド2はフロントサスペンション機構3により緩衝可能に支持される。一方、車体の後下部にはクローラ機構4が設けられる。このクローラ機構4は、例えば前側に配置された駆動輪5と、後側に配置された従動輪6と、これらの動輪5,6間に配置された複数個の中間輪7と、これらの中間輪7を緩衝可能に支持するリヤサスペンション機構8と、各車輪5〜7の周囲に巻装された無限軌道9とから構成される。
【0019】
クローラ機構4の上方には前後に延びる運転シート10が設けられ、この運転シート10の左右には一段低いステップ11が設けられる。また、運転シート10の前方にはステアリングシャフト12を介して上記操舵用スキッド2を操作するハンドルバー13が設けられる。そして、ハンドルバー13前方にはメータパネル14やウィンドシールド15等が設けられ、メータパネル14前方のウィンドシールド15前下端にはヘッドライト16が設けられる。
【0020】
車体の前上半分は開閉可能なエンジンフード17によって覆われ、その内部にエンジンルーム18を形成してエンジン19が搭載される。また、エンジンフード17は上記ヘッドライト16の光軸を遮らないよう、ヘッドライト16下前部を最高点として前方に行くほど下がってゆく前下がり形状を有する。
【0021】
図4はエンジンルーム18の右側面図である。また、図5はこのエンジンルーム18の平面図である。さらに、図6はエンジン19の右側面図であり、図7は図6に示すエンジン19の下半分を示す右側面図である。そして、図8は図7のVIII−VIII線に沿う断面図である。
【0022】
図4〜図8に示すように、このエンジン19は例えばロアークランクケース20aと、その上方に載置される、シリンダブロック21を一体に備えたアッパークランクケース20bとに分割可能に構成されるクランクケース20と、そのシリンダブロック21上方に載置されるシリンダヘッド22とから構成された4サイクル並列多気筒(本実施形態においては二気筒)エンジンである。
【0023】
クランクケース20の、すなわちロアークランクケース20aとアッパークランクケース20bとの合せ面23にはクランクシャフト24が軸支される。クランクシャフト24は、例えばその三箇所(左右および中央部)がロアークランクケース20aおよびアッパークランクケース20bの合せ面23にそれぞれ形成された軸受部25にメタルベアリング26を介して回転自在に軸支される。
【0024】
また、このエンジン19はクランクシャフト24の軸線が車体の幅方向に延びるよう、横置きに配置されると共に、エンジン19は側面視でヘッドライト16の下方にシリンダヘッド22が配置されるように、且つクランクシャフト24を軸に、このクランクシャフト24と直行する方向、本実施形態においてはやや後方に傾斜した状態で配置される。さらに、このエンジン19は平面視で一側、本実施形態においては車体の進行方向に向かってやや左側にオフセットして配置される。
【0025】
シリンダブロック21内にはシリンダ27が形成され、その内部にはピストン28がクランクシャフト24と直角方向に摺動自在に挿入される。そして、ピストン28とクランクシャフト24とがコンロッド29によって連結され、ピストン28の往復ストロークがクランクシャフト24の回転運動に変換される。また、シリンダヘッド22内には吸・排気バルブ30およびこれらのバルブ30を開閉操作するカムシャフト31等から構成されるエンジン補器を構成する動弁装置32が設けられ、その上部がヘッドカバー33により覆われる。
【0026】
そして、ロアークランクケース20aとアッパークランクケース20bとの合せ面23はシリンダ軸線34と直交するように設定されると共に、シリンダヘッド22とアッパークランクケース20bのシリンダブロック21との合せ面76はロアークランクケース20aとアッパークランクケース20bとの合せ面23と平行に設定される。なお、シリンダヘッド22とヘッドカバー33との合せ面35はやや前下がりに設定される。
【0027】
エンジン19がオフセットされた側のクランクシャフト24端、本実施形態においては左端、はエンジン19外に突出して出力軸端24a(以下、PTO軸と略す。)を形成し、このPTO軸24aにベルト式無段変速機構36(以下、CVT機構と略す。)を構成する、ドライブクラッチ37を備えたドライブプーリ38がクランクシャフト24(PTO軸24a)と回転一体に接続される。また、PTO軸24aとは反対側のクランクシャフト24端、本実施形態においては右端、もエンジン19外に突出し、この端部にエンジン補器であるマグネト装置39が設けられる。クランクケース20の右側はマグネトカバー40で覆われてその内部にマグネト室41を形成し、このマグネト室41内にマグネト装置39が収納される。なお、図7はこのマグネトカバー40を外した状態を示す。
【0028】
一方、エンジン19後方の斜め上方にはドライブシャフト42がクランクシャフト24と平行に配置され、ドライブプーリ38側のドライブシャフト42端部(左端)に他のCVT機構36を構成する、ドリブンクラッチ43を備えたドリブンプーリ44が設けられる。そして、ドライブプーリ38とドリブンプーリ44との間には例えばクラッチベルト45が巻装されてクランクシャフト24の回転がドライブシャフト42に伝達されるように構成される。
【0029】
さらに、クラッチベルト45の張力方向、すなわちPTO軸24aの中心とドライブシャフト42の中心とを結ぶ線46はクランクケース20の合せ面23を通る線47と重ならぬよう、PTO軸24aを中心に所定の角度θ、好ましくは30°〜60°、を持ってドライブシャフト42が配置される。
【0030】
他方、ドライブシャフト42の他端(右端)には図示しないドライブスプロケットが設けられ、前記クローラ機構4の駆動輪5と同軸上に回転一体に設けられた図示しないドリブンスプロケットとの間に例えば図示しないドライブチェーンが巻装されてエンジン19の回転がクローラ機構4に伝達されるように構成される。なお、ドライブシャフト42の右端部にはブレーキディスク48がドライブシャフト42と回転一体に設けられ、ブレーキキャリパ49と共に制動装置50を構成してクローラ機構4に制動をかけるようになっている。
【0031】
シリンダヘッドの前面には排気ポート51が気筒毎に設けられ、これらの排気ポート51にそれぞれ排気管52が接続される。排気管52は一旦前方に向かって延び、詳細には図示しないが後方に向かって曲成されると共に、その下流端には図示しない消音器が接続される。一方、シリンダヘッド22の後面には吸気ポート53が気筒毎に設けられ、これらの吸気ポート53にそれぞれスロットルボディ54が接続される。また、スロットルボディ54の後方にはエアボックス55が配置され、スロットルボディ54の上流側に接続される。
【0032】
さらに、このエンジン19にはその振動低減用にバランサ装置56が備えられる。バランサ装置56は、ロアークランクケース20aとアッパークランクケース20bとの合せ面23にクランクシャフト24を挟んでその前後に配置される前後一対のバランサシャフト57と、これらのバランサシャフト57に一体に形成されたバランサウェイト58とから構成される。また、バランサシャフト57はその両端がロアークランクケース20aおよびアッパークランクケース20bの合せ面23にそれぞれ形成された支持部59にメタルベアリング60を介して回転自在に軸支される。
【0033】
クランクシャフト24のPTO軸24a側端を軸支する軸受部25およびメタルベアリング26と、左側気筒のクランクウェブ24bとの間のクランクシャフト24のジャーナル24c上にはバランサドライブギヤ61が設けられると共に、このバランサドライブギヤ61に対応した位置のそれぞれのバランサシャフト57上にはバランサドライブギヤ61に作動連結するバランサドリブンギヤ62がそれぞれ設けられる。なお、詳細には図示しないが、バランサドライブギヤをクランクウェブ24bに直接形成してもよい。
【0034】
一方、クランクシャフト24のPTO軸24aとは反対側端を軸支する軸受部25およびメタルベアリング26と、クランクシャフト24の右端に設けられたマグネト装置39との間のクランクシャフト24のジャーナル24c上(マグネト室41内)には補器駆動系を構成するカムドライブスプロケット63が設けられ、前記カムシャフト31に設けられた図示しないカムスプロケットとの間にカムチェーン64が巻装される。
【0035】
また、このエンジン19は図示しない潤滑油タンクをエンジン19とは別体に備えたドライサンプ方式の潤滑装置を備え、クランクケース20右側のマグネト室41内にエンジン補器であるフィード側オイルポンプ65とスカベンジング側オイルポンプ66とを備える。これらのオイルポンプ65,66は、前後一対のバランサシャフト57のうち、クランクシャフト24の前側に配置されたバランサシャフト57右端の上下に配置される。なお、本実施形態においてはバランサシャフト57右端の上方にフィード側オイルポンプ65が、下方にスカベンジング側オイルポンプ66がそれぞれ配置される。
【0036】
そして、両オイルポンプ65,66はそれどれポンプドリブンギヤ67を備えると共に、これらのポンプドリブンギヤ67に作動連結する補器駆動系であるポンプドライブギヤ68が上記前側配置されたバランサシャフト57の右端に設けられる。さらに、本実施形態に用いられるエンジン19は水冷式エンジンであって、図5および図6に示すように、マグネトカバー40の外表面にはウォータポンプ69が設けられる。
【0037】
このウォータポンプ69の図示しない駆動軸は例えば上記フィード側オイルポンプ65のポンプ軸65aと同軸上に配置され、両軸が連結することにより、フィード側オイルポンプ65とウォータポンプ69とは同時に駆動される。そして、ウォータポンプ69によって圧送される冷却水がエンジン19内の図示しない冷却水ジャケットに導かれてエンジン19各部が冷却される。
【0038】
一方、吸気ポート53下方の、アッパークランクケース20b後面にはエンジン補器であるスタータモータ70が配置される。また、マグネト装置39とカムドライブスプロケット63との間のクランクシャフト24のジャーナル24c上(マグネト室41内)にはスタータクラッチ71(ワンウェイクラッチ)が設けられ、スタータモータ70のドライブシャフト72(出力軸)は途中にスタータリミッタ73およびスタータアイドルギヤ74を介してスタータクラッチ71の補器駆動系を構成するクラッチドリブンギヤ75に作動連結される。なお、スタータリミッタ73およびスタータアイドルギヤ74は、クランクケース20右側後部の、クランクシャフト24の後側に配置されたバランサシャフト57とスタータモータ70との間のマグネト室41内に配置される。
【0039】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0040】
クラッチベルト45の張力方向、すなわちPTO軸24aの中心とドライブシャフト42の中心とを結ぶ線46がクランクケース20の合せ面23を通る線47と重ならぬよう、PTO軸24aを中心に所定の角度θ(好ましくは30°〜60°)を持ってCVT機構36のドライブシャフト42を配置したことにより、クランクシャフト24を軸支するメタルベアリング26の合せ位置方向にクラッチベルト45の張力が働かないため(メタルベアリング26の合せ位置に負担がかからない)、ベアリング26の耐久性が向上し、その寿命が延びる。
【0041】
また、ロアークランクケース20aとアッパークランクケース20bとの合せ面23をシリンダ軸線34と直交するように設定し、エンジン19をクランクシャフト24と直行する方向、本実施形態においてはやや後方に傾斜した状態で配置したことにより、上述した所定の角度θを無理することなく容易に確保できると共に、クランクケース20の作成が容易になり、且つクランクシャフト24の軸受部25の耐久性を向上させることができる。
【0042】
さらに、ロアークランクケース20aとアッパークランクケース20bとの合せ面23に、クランクシャフト24と共にバランサシャフト57を配置するようにしたことにより、クランクシャフト24およびバランサシャフト57の組み付けが同工程で可能となり、組み付け工数が削減できると共に、バランサシャフト57の支持部59をクランクケース20に一体に形成でき、クランクシャフト24の軸受部25にかかるクラッチベルト45の張力を分散することが可能となる。また、エンジン19全体の高さも低くすることができる。
【0043】
さらにまた、クランクケース20の、CVT機構36とは反対側にマグネト装置39、カムシャフト31駆動用のカムドライブスプロケット63、オイルポンプ駆動用のポンプドライブギヤ68、およびスタータモータ70の駆動力が伝達されるスタータクラッチ71のクラッチドリブンギヤ75等のエンジン補器およびこれらの補器駆動系を配置したことにより、CVT機構36側のクランクシャフト24に補器の駆動系が配置されない。その結果、クランクシャフト24のCVT機構36側端部、すなわちPTO軸24aを短くできるので、クランクシャフト24のPTO軸24a側軸受部25にかかるベルト張力が小さくなり、PTO軸24aを含むクランクシャフト24を太くしなくてもよくなってベアリングの小型化を図ることができると共に、エンジン19のコンパクト化、軽量化を図ることができる。
【0044】
そして、バランサ装置56のバランサシャフト57を駆動するバランサドライブギヤ61を、クランクシャフト24のPTO軸24a側端を軸支する軸受部25より内側のジャーナル24c上に設けると共に、クランクシャフト24のPTO軸24aとは反対側端を軸支する軸受部25より外側にカムドライブスプロケット63、ポンプドライブギヤ68、およびクラッチドリブンギヤ75を配置したことにより、エンジン19の中心からクランクケース20両側端の軸受部25までの距離を等しく設定でき、過重バランスが良好になる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るベルト式無段変速機構を備えた4ストロークエンジンによれば、クランクシャフトを軸支するベアリングおよび軸受部の耐久性が向上し、ベアリングの寿命が延びる。また、エンジンの組み立てが容易になる。
【0046】
さらに、クランクシャフトを細く短くできてエンジン全体のコンパクト化、軽量化を図ることができると共に、エンジンの荷重バランスを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るベルト式無段変速機構を備えた4ストロークエンジンの一実施形態を示す雪上車の左側面図。
【図2】図1に示す雪上車の平面図。
【図3】図1に示す雪上車の正面図。
【図4】エンジンルームの右側面図。
【図5】エンジンルームの平面図。
【図6】エンジンの右側面図。
【図7】図6に示すエンジンの下半分を示す右側面図。
【図8】図7のVIII−VIII線に沿う断面図。
【符号の説明】
1 雪上車
19 4ストロークエンジン
20 クランクケース
20a ロアークランクケース
20b アッパークランクケース
23 クランクケースの合せ面
24 クランクシャフト
24a クランクシャフトの出力軸端(PTO軸)
25 軸受部
31 カムシャフト
34 シリンダ軸線
36 ベルト式無段変速機構(CVT機構)
39 マグネト装置(エンジン補器)
45 クラッチベルト
46 PTO軸の中心とドライブシャフトの中心とを結ぶ線(クラッチベルトの張力方向)
47 クランクケースの合せ面を通る線
57 バランサシャフト
61 バランサドライブギヤ
63 カムドライブスプロケット(補器駆動系)
65,66 オイルポンプ(エンジン補器)
68 ポンプドライブギヤ(補器駆動系)
70 スタータモータ(エンジン補器)
71 スタータクラッチ(エンジン補器)
75 クラッチドリブンギヤ(補器駆動系)
θ 所定の角度
Claims (6)
- 分割可能に構成されるクランクケースの合せ面でクランクシャフトを軸支し、このクランクシャフトの一端にベルト式無段変速機構を接続した4ストロークエンジンにおいて、上記ベルト式無段変速機構を、そのクラッチベルトの張力方向が上記クランクケースの合せ面を通る線と重ならぬよう、上記クランクシャフトを中心に所定の角度を持って配置したことを特徴とするベルト式無段変速機構を備えた4ストロークエンジン。
- 上記クランクケースの合せ面をシリンダ軸線と直交するように設定すると共に、上記エンジンを上記クランクシャフトと直行する方向に傾斜させて配置した請求項1記載のベルト式無段変速機構を備えた4ストロークエンジン。
- 上記クランクケースの合せ面に、上記クランクシャフトと共にバランサシャフトを配置した請求項1または2記載のベルト式無段変速機構を備えた4ストロークエンジン。
- 上記クランクケースの、上記ベルト式無段変速機構とは反対側にマグネト装置、カムシャフト駆動用のカムドライブスプロケット、オイルポンプ駆動用のポンプドライブギヤ、およびスタータモータの駆動力が伝達されるスタータクラッチのクラッチドリブンギヤ等のエンジン補器およびこれらの補器駆動系を配置した請求項1、2または3記載のベルト式無段変速機構を備えた4ストロークエンジン。
- 上記バランサシャフトを駆動するバランサドライブギヤを、上記クランクシャフトの上記ベルト式無段変速機構側端を軸支する軸受部より内側に設けると共に、上記補器駆動系を、上記クランクシャフトの上記ベルト式無段変速機構とは反対側端を軸支する軸受部より外側に配置した請求項4記載のベルト式無段変速機構を備えた4ストロークエンジン。
- 上記エンジンを雪上車に適用した請求項1、2、3、4または5記載のベルト式無段変速機構を備えた4ストロークエンジン。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003158043A JP2004360520A (ja) | 2003-06-03 | 2003-06-03 | ベルト式無段変速機構を備えた4ストロークエンジン |
US10/856,844 US7063063B2 (en) | 2003-06-03 | 2004-06-01 | Four-stroke-cycle engine provided with belt driven-type continuously variable transmission mechanism |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003158043A JP2004360520A (ja) | 2003-06-03 | 2003-06-03 | ベルト式無段変速機構を備えた4ストロークエンジン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004360520A true JP2004360520A (ja) | 2004-12-24 |
Family
ID=34051579
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003158043A Pending JP2004360520A (ja) | 2003-06-03 | 2003-06-03 | ベルト式無段変速機構を備えた4ストロークエンジン |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US7063063B2 (ja) |
JP (1) | JP2004360520A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012057485A (ja) * | 2010-09-06 | 2012-03-22 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | シリンダ傾斜型エンジン |
Families Citing this family (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
BRPI0411468A (pt) * | 2003-06-16 | 2006-07-11 | Yamaha Motor Co Ltd | motor com transmissão embutida de variação contìnua |
JP4767603B2 (ja) * | 2005-07-04 | 2011-09-07 | ヤマハ発動機株式会社 | パワーユニット及び該パワーユニットを備えた鞍乗型車両 |
JP2007107492A (ja) * | 2005-10-17 | 2007-04-26 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | レジャービィークル用エンジン |
JP4545131B2 (ja) * | 2006-09-29 | 2010-09-15 | 本田技研工業株式会社 | 動力伝達装置 |
JP4397927B2 (ja) * | 2006-12-28 | 2010-01-13 | 本田技研工業株式会社 | 自動二輪車用エンジン |
US8596398B2 (en) * | 2007-05-16 | 2013-12-03 | Polaris Industries Inc. | All terrain vehicle |
JP2011088581A (ja) * | 2009-10-26 | 2011-05-06 | Yamaha Motor Co Ltd | 雪上車 |
US20120037110A1 (en) * | 2010-10-26 | 2012-02-16 | Perkins Joseph M | Spin balanced crank assembly |
US10358187B2 (en) | 2014-01-10 | 2019-07-23 | Polaris Industries Inc. | Snowmobile |
EP2886436B1 (en) * | 2012-02-09 | 2019-11-20 | Polaris Industries Inc. | Snowmobile |
DE102015006365B4 (de) * | 2015-05-20 | 2021-09-30 | Deutz Aktiengesellschaft | Brennkraftmaschine mit mindestens einem Elektromotor |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4502345A (en) * | 1980-02-07 | 1985-03-05 | Borg-Warner Corporation | Accessory drive system |
DE4007438C1 (ja) * | 1990-03-09 | 1991-06-27 | Bayerische Motoren Werke Ag, 8000 Muenchen, De | |
US5216989A (en) * | 1990-11-30 | 1993-06-08 | Mazda Motor Corporation | Apparatus for driving various devices by internal combustion engine |
JP3194567B2 (ja) * | 1995-07-18 | 2001-07-30 | ヤマハ発動機株式会社 | 内燃エンジン |
DE19725216C1 (de) * | 1997-06-15 | 1998-11-19 | Daimler Benz Ag | Vorrichtung zum Antreiben von Aggregaten einer Brennkraftmaschine |
US6609491B2 (en) * | 2000-09-26 | 2003-08-26 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | Multi-cylinder engine and engine auxiliary parts mounting construction |
DE60126628T2 (de) * | 2001-12-21 | 2007-10-31 | Ford Global Technologies, LLC, Dearborn | Brennkraftmaschine |
JP2004316664A (ja) * | 2003-04-10 | 2004-11-11 | Yed:Kk | エンジンにおけるオイルポンプ用チェーンテンショナー装置 |
-
2003
- 2003-06-03 JP JP2003158043A patent/JP2004360520A/ja active Pending
-
2004
- 2004-06-01 US US10/856,844 patent/US7063063B2/en not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012057485A (ja) * | 2010-09-06 | 2012-03-22 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | シリンダ傾斜型エンジン |
US9255623B2 (en) | 2010-09-06 | 2016-02-09 | Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha | Engine with inclined cylinder |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US7063063B2 (en) | 2006-06-20 |
US20050014583A1 (en) | 2005-01-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5172786A (en) | V belt type automatic transmission system | |
CN101210514B (zh) | 机动两轮车用发动机 | |
US7665561B2 (en) | Power unit for a motorcycle, and motorcycle incorporating same | |
US8281891B2 (en) | Four wheel drive vehicle | |
JP3829585B2 (ja) | 自動二輪車のパワーユニット | |
JP2004360520A (ja) | ベルト式無段変速機構を備えた4ストロークエンジン | |
KR100342968B1 (ko) | 스윙식 파워 유니트 | |
CN1174892C (zh) | 摆动式动力机组 | |
JP2004084551A (ja) | 鞍乗型乗り物における駆動装置 | |
JP3580012B2 (ja) | V型エンジンのクランクシャフト軸受装置 | |
JP2002201954A (ja) | 自動二輪車用エンジン | |
CN102001413B (zh) | 跨骑式车辆的扭矩阻尼装置 | |
JP4338110B2 (ja) | 小型車両用エンジン | |
TWI240785B (en) | Vehicle with continuously variable transmission | |
CN1276490A (zh) | 曲轴的支承构造 | |
JP4244673B2 (ja) | スノーモービルのエンジン構造 | |
JP3388244B2 (ja) | 自動二・三輪車 | |
JPH0529772B2 (ja) | ||
JP2004211904A (ja) | V型エンジンのクランクシャフト軸受装置 | |
EP1489284A1 (en) | V-engine for vehicle | |
JPH08121245A (ja) | 内燃機関のクランク軸の支持構造 | |
JPH0288386A (ja) | 小形雪上車 | |
JPH0275753A (ja) | 小形雪上車 | |
JP2005121168A (ja) | 回転軸の軸受構造 | |
JP2004353482A (ja) | 雪上車用エンジンの冷却構造 |