JP2004353808A - 針状ころ軸受用の保持器及び針状ころ軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】信頼性をより向上させた針状ころ軸受用の保持器及び針状ころ軸受を提供する。
【解決手段】針状ころ軸受10の自転及び公転に伴う過大な遠心力が生じても、切断部12eの切断面が離隔することで保持器12全体の変形が抑制されるので、保持器12の応力を緩和することができ、折損などを未然に防止できる。又、切断部12eを介して潤滑油が内径側から外径側へと円滑に供給されるようになり、潤滑性も向上するという副次的効果もある。
【選択図】 図6
【解決手段】針状ころ軸受10の自転及び公転に伴う過大な遠心力が生じても、切断部12eの切断面が離隔することで保持器12全体の変形が抑制されるので、保持器12の応力を緩和することができ、折損などを未然に防止できる。又、切断部12eを介して潤滑油が内径側から外径側へと円滑に供給されるようになり、潤滑性も向上するという副次的効果もある。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、針状ころ軸受用の保持器及び針状ころに関し、特に信頼性を向上させることができる針状ころ軸受用の保持器及び針状ころ軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両等に搭載されている自動変速機において、一般的には遊星歯車機構が用いられている。ここで、針状ころ軸受は、細径のころを用いていることから、内輪外径と外輪内径との差が小さいスペースにも収めることができるので、遊星歯車機構の遊星歯車を回転自在に支持するために用いると、それを搭載した自動変速機のコンパクト化に寄与するので好ましいといえる(特許文献1参照)。
【特許文献1】
特開2002−349647号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年は、燃費の向上などを目的として、自動変速機においても多段化される傾向がある。しかるに、現在は4速が主流である自動変速機を、例えば5速或いは6速に多段化しようとすると、動力を伝達する遊星歯車機構の遊星歯車の自転速度及び公転速度が増大するということがある。このような仕様の変化に伴い、保持器を用いないいわゆる総ころと呼ばれる従来の針状ころ軸受に対し、より低摩擦且つ潤滑性に優れた保持器付きの針状ころ軸受が開発されている。
【0004】
ここで、遊星歯車機構において、遊星歯車は自転しながら太陽歯車の周囲を公転しているが、このとき遊星歯車を支持する針状ころ軸受も自転すると共に、太陽歯車の周囲を公転するので、特にこの公転による遠心力が針状ころ軸受に付与されることとなる。従って、針状ころ軸受を保持器付きのものとした場合、保持器に大きな遠心力が付与されて過大な応力が生じ、折損などに至る恐れがある。ところが、強度を確保するために保持器のサイズを拡大すると、相対的にころの本数や径が小さくなり、定格荷重が減少することとなる。このような不具合は、自転及び公転を伴う遊星歯車に特有のものといえる。
【0005】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、信頼性をより向上させた針状ころ軸受用の保持器及び針状ころ軸受を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の針状ころ軸受用の保持器は、
遊星歯車機構において遊星歯車を回転自在に支持する針状ころ軸受用の保持器において、
前記保持器の柱部は、周方向において少なくとも1カ所以上、軸線方向にわたって切り離されていることを特徴とする。
【0007】
【作用】
本発明の針状ころ軸受用の保持器は、遊星歯車機構において遊星歯車を回転自在に支持する針状ころ軸受用の保持器において、前記保持器の柱部が、周方向において少なくとも1カ所以上、軸線方向にわたって切り離されているので、針状ころ軸受の自重が軽くなるため、公転に伴う遠心力が小さくなることから、保持器の応力を緩和することができる。
【0008】
更に、切り離された柱部の周方向の幅は、切り離されていない柱部の周方向の幅より小さいと好ましい。
【0009】
更に、切り離された柱部を挟む針状ころの軸間距離は、切り離されていない柱部を挟む針状ころの軸間距離にほぼ等しいと、荷重変動を抑えることができ、振動などの点で有利である。
【0010】
更に、前記柱部が周方向において少なくとも2カ所以上切り離されることにより、互いに分離した複数のブロックが形成される場合において、一つのブロックにおいて保持される針状ころの数は、他のブロックにおいて保持される針状ころの数と同じであると、バランスがよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して以下に詳細に説明する。図1は、本実施の形態にかかる針状ころ軸受を含む車両の自動変速機1の断面図である。図1において、エンジンのクランクシャフト2から出力されるトルクは、トルクコンバータ3を介して伝達され、更に複数列組み合わせれた遊星歯車機構4,5,6等を介して複数段に減速され、その後デファレンシャルギヤ7及びドライブシャフト8を介して、不図示の車輪に出力されるようになっている。
【0012】
図2は、遊星歯車機構4(5,6も原則的に同じ)の分解図である。図2において、遊星歯車機構4は、内歯を有するリングギヤ4aと、外歯を有する太陽ギヤ4bと、リングギヤ4a及び太陽ギヤ4bに噛合する3つの遊星歯車4cと、3つのピニオンシャフト4eにより遊星歯車4cを回転自在に支持すると共に、自らも回転可能なキャリヤ4dとを有する。
【0013】
遊星歯車機構4の作動原理を図3に示す。まず、1速の場合、図3(a)に示すように、太陽歯車4bをドライブ側とし、遊星歯車4c(キャリヤ)をドリブン側とし、リングギヤ4aを固定することで、大きな減速比が得られる。次に、2速の場合、図3(b)に示すように、太陽歯車4bを固定し、遊星歯車4c(キャリヤ)をドリブン側とし、リングギヤ4aをドライブ側とすることで、中程度の減速比が得られる。更に、3速の場合、図3(c)に示すように、太陽歯車4bを固定し、遊星歯車4c(キャリヤ)をドライブ側とし、リングギヤ4aをドリブン側とすることで、小さな減速比が得られる。尚、後退の場合、図3(d)に示すように、太陽歯車4bをドリブン側とし、遊星歯車4c(キャリヤ)を固定し、リングギヤ4aをドライブ側とすることで、入力に対して出力を逆転させることができる。なお、以上は遊星歯車機構4の動作の一例を示すものであり、必ずしもかかる動作に限られることはない。
【0014】
図4は、本実施の形態の針状ころ軸受を遊星歯車機構に組み込んだ状態で示す図である。図4に示すように、針状ころ軸受10は、ピニオンシャフト(内輪)4eと遊星歯車(外輪)4cとの間に配置され、遊星歯車4cを回転自在に支持している。針状ころ軸受10は、複数のころ11と、それらを保持する保持器12とからなっている。ピニオンシャフト4e内には、図4で右方から軸線に沿って延在し、一般的に中央で外周面もしくは内周面に抜ける油路4fが形成されている。保持器12は外輪案内で用いられる。
【0015】
図5は、本実施の形態にかかる針状ころ軸受の保持器の斜視図であり、図6は、図4の構成をVI−VI線で切断して矢印方向に見た図である。図に示すように、保持器12は、一対の環状部12aを複数の柱部12bで連結した構成を有している。隣接する柱部12bの間が、ころ11を保持するポケットとなる。各柱部12bは、軸線方向中央において縮径した(即ち保持器12の軸線に近接した)縮径部12cを有しており、縮径部12cの軸線方向両側から環状部12aにかけて拡径している外周面を、案内面12dとしている。このような形状を有する保持器12をM型保持器と呼ぶ。
【0016】
本実施の形態では、図5,6に示すように、保持器12の柱部12bを軸線方向にわたって切り離した切断部12eを、周方向において3カ所設けている。このとき、切り離された柱部12bの周方向の幅は、切り離されていない柱部12bの周方向の幅より小さくなっている。すなわち、切断端面間のスキマを考慮すると、切り離された柱部12bを挟む針状ころ11の軸間距離は、切り離されていない柱部12bを挟む針状ころ11の軸間距離にほぼ等しくなっている。これにより、針状ころ軸受動作時の荷重変動を抑制できる。また、保持器12は、切り離されることにより、互いに分離した3つのブロック12f、12f、12f(図5)を有し、各ブロック12fにおいて保持される針状ころ11(図6)の数は等しくなっている。
【0017】
本実施の形態の動作を説明する。図3に示すように、遊星歯車4cはピニオンシャフト4eの周囲を自転し、且つ太陽歯車4bの周囲を公転する。従って、針状ころ軸受10は、それに伴い複雑な方向の力を受けるが、保持器12が外輪案内であるとすると、遊星歯車4cの内径に沿って楕円形状に変形する。すなわち、保持器は繰り返し変形しながら自転するので、柱部12bの付け根に過大な応力が生じる恐れがある。特に、楕円変形を抑制するには、環状部の強度が必要となるため、いわゆる波型保持器と呼ばれる環状部の肉厚が薄い保持器などでは問題となることが多い。
【0018】
これに対し、本実施の形態によれば、針状ころ軸受10の自転及び公転に伴う過大な遠心力が生じても、切断部12eの切断面が任意に離隔することで保持器12全体の変形が抑制されるので、保持器12の応力を緩和することができ、折損などを未然に防止できる。又、切断部12eを介して潤滑油が内径側から外径側へと円滑に供給されるようになり、潤滑性も向上するという副次的効果もある。
【0019】
図7は、第2の実施の形態の針状ころ軸受の図4と同様な断面図である。図7に示す保持器12’は、いわゆる波型保持器である。その他の点については、上述した実施の形態と同様であるので、同じ符号を付すことで説明を省略する。
【0020】
図8は、第3の実施の形態の針状ころ軸受の図4と同様な断面図である。図7に示す保持器12’は、柱部がストレートとなったいわゆるストレート型保持器である。その他の点については、上述した実施の形態と同様であるので、同じ符号を付すことで説明を省略する。
【0021】
以上、本発明を実施例を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。例えば、保持器の切断部は、1カ所でも良く、2カ所もしくは4カ所以上でも良い。又、必ずしも柱部で切断される必要はない。
【0022】
【発明の効果】
本発明の針状ころ軸受用の保持器は、遊星歯車機構において遊星歯車を回転自在に支持する針状ころ軸受用の保持器において、前記保持器の柱部が、周方向において少なくとも1カ所以上、軸線方向にわたって切り離されているので、針状ころ軸受の自重が軽くなるため、公転に伴う遠心力が小さくなることから、保持器の応力を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態にかかる針状ころ軸受を含む車両の自動変速機の断面図である。
【図2】遊星歯車機構4の分解図である。
【図3】遊星歯車機構の作動原理を示す図である。
【図4】第1の実施の形態の針状ころ軸受を遊星歯車機構に組み込んだ状態で示す図である。
【図5】針状ころ軸受の保持器の斜視図である。
【図6】図4の構成をVI−VI線で切断して矢印方向に見た図である。
【図7】第2の実施の形態の針状ころ軸受を遊星歯車機構に組み込んだ状態で示す図である。
【図8】第3の実施の形態の針状ころ軸受を遊星歯車機構に組み込んだ状態で示す図である。
【符号の説明】
1 自動変速機
4〜6 遊星歯車機構
10 針状ころ軸受
11 ころ
12,12’、12” 保持器
【発明の属する技術分野】
本発明は、針状ころ軸受用の保持器及び針状ころに関し、特に信頼性を向上させることができる針状ころ軸受用の保持器及び針状ころ軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両等に搭載されている自動変速機において、一般的には遊星歯車機構が用いられている。ここで、針状ころ軸受は、細径のころを用いていることから、内輪外径と外輪内径との差が小さいスペースにも収めることができるので、遊星歯車機構の遊星歯車を回転自在に支持するために用いると、それを搭載した自動変速機のコンパクト化に寄与するので好ましいといえる(特許文献1参照)。
【特許文献1】
特開2002−349647号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年は、燃費の向上などを目的として、自動変速機においても多段化される傾向がある。しかるに、現在は4速が主流である自動変速機を、例えば5速或いは6速に多段化しようとすると、動力を伝達する遊星歯車機構の遊星歯車の自転速度及び公転速度が増大するということがある。このような仕様の変化に伴い、保持器を用いないいわゆる総ころと呼ばれる従来の針状ころ軸受に対し、より低摩擦且つ潤滑性に優れた保持器付きの針状ころ軸受が開発されている。
【0004】
ここで、遊星歯車機構において、遊星歯車は自転しながら太陽歯車の周囲を公転しているが、このとき遊星歯車を支持する針状ころ軸受も自転すると共に、太陽歯車の周囲を公転するので、特にこの公転による遠心力が針状ころ軸受に付与されることとなる。従って、針状ころ軸受を保持器付きのものとした場合、保持器に大きな遠心力が付与されて過大な応力が生じ、折損などに至る恐れがある。ところが、強度を確保するために保持器のサイズを拡大すると、相対的にころの本数や径が小さくなり、定格荷重が減少することとなる。このような不具合は、自転及び公転を伴う遊星歯車に特有のものといえる。
【0005】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、信頼性をより向上させた針状ころ軸受用の保持器及び針状ころ軸受を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の針状ころ軸受用の保持器は、
遊星歯車機構において遊星歯車を回転自在に支持する針状ころ軸受用の保持器において、
前記保持器の柱部は、周方向において少なくとも1カ所以上、軸線方向にわたって切り離されていることを特徴とする。
【0007】
【作用】
本発明の針状ころ軸受用の保持器は、遊星歯車機構において遊星歯車を回転自在に支持する針状ころ軸受用の保持器において、前記保持器の柱部が、周方向において少なくとも1カ所以上、軸線方向にわたって切り離されているので、針状ころ軸受の自重が軽くなるため、公転に伴う遠心力が小さくなることから、保持器の応力を緩和することができる。
【0008】
更に、切り離された柱部の周方向の幅は、切り離されていない柱部の周方向の幅より小さいと好ましい。
【0009】
更に、切り離された柱部を挟む針状ころの軸間距離は、切り離されていない柱部を挟む針状ころの軸間距離にほぼ等しいと、荷重変動を抑えることができ、振動などの点で有利である。
【0010】
更に、前記柱部が周方向において少なくとも2カ所以上切り離されることにより、互いに分離した複数のブロックが形成される場合において、一つのブロックにおいて保持される針状ころの数は、他のブロックにおいて保持される針状ころの数と同じであると、バランスがよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して以下に詳細に説明する。図1は、本実施の形態にかかる針状ころ軸受を含む車両の自動変速機1の断面図である。図1において、エンジンのクランクシャフト2から出力されるトルクは、トルクコンバータ3を介して伝達され、更に複数列組み合わせれた遊星歯車機構4,5,6等を介して複数段に減速され、その後デファレンシャルギヤ7及びドライブシャフト8を介して、不図示の車輪に出力されるようになっている。
【0012】
図2は、遊星歯車機構4(5,6も原則的に同じ)の分解図である。図2において、遊星歯車機構4は、内歯を有するリングギヤ4aと、外歯を有する太陽ギヤ4bと、リングギヤ4a及び太陽ギヤ4bに噛合する3つの遊星歯車4cと、3つのピニオンシャフト4eにより遊星歯車4cを回転自在に支持すると共に、自らも回転可能なキャリヤ4dとを有する。
【0013】
遊星歯車機構4の作動原理を図3に示す。まず、1速の場合、図3(a)に示すように、太陽歯車4bをドライブ側とし、遊星歯車4c(キャリヤ)をドリブン側とし、リングギヤ4aを固定することで、大きな減速比が得られる。次に、2速の場合、図3(b)に示すように、太陽歯車4bを固定し、遊星歯車4c(キャリヤ)をドリブン側とし、リングギヤ4aをドライブ側とすることで、中程度の減速比が得られる。更に、3速の場合、図3(c)に示すように、太陽歯車4bを固定し、遊星歯車4c(キャリヤ)をドライブ側とし、リングギヤ4aをドリブン側とすることで、小さな減速比が得られる。尚、後退の場合、図3(d)に示すように、太陽歯車4bをドリブン側とし、遊星歯車4c(キャリヤ)を固定し、リングギヤ4aをドライブ側とすることで、入力に対して出力を逆転させることができる。なお、以上は遊星歯車機構4の動作の一例を示すものであり、必ずしもかかる動作に限られることはない。
【0014】
図4は、本実施の形態の針状ころ軸受を遊星歯車機構に組み込んだ状態で示す図である。図4に示すように、針状ころ軸受10は、ピニオンシャフト(内輪)4eと遊星歯車(外輪)4cとの間に配置され、遊星歯車4cを回転自在に支持している。針状ころ軸受10は、複数のころ11と、それらを保持する保持器12とからなっている。ピニオンシャフト4e内には、図4で右方から軸線に沿って延在し、一般的に中央で外周面もしくは内周面に抜ける油路4fが形成されている。保持器12は外輪案内で用いられる。
【0015】
図5は、本実施の形態にかかる針状ころ軸受の保持器の斜視図であり、図6は、図4の構成をVI−VI線で切断して矢印方向に見た図である。図に示すように、保持器12は、一対の環状部12aを複数の柱部12bで連結した構成を有している。隣接する柱部12bの間が、ころ11を保持するポケットとなる。各柱部12bは、軸線方向中央において縮径した(即ち保持器12の軸線に近接した)縮径部12cを有しており、縮径部12cの軸線方向両側から環状部12aにかけて拡径している外周面を、案内面12dとしている。このような形状を有する保持器12をM型保持器と呼ぶ。
【0016】
本実施の形態では、図5,6に示すように、保持器12の柱部12bを軸線方向にわたって切り離した切断部12eを、周方向において3カ所設けている。このとき、切り離された柱部12bの周方向の幅は、切り離されていない柱部12bの周方向の幅より小さくなっている。すなわち、切断端面間のスキマを考慮すると、切り離された柱部12bを挟む針状ころ11の軸間距離は、切り離されていない柱部12bを挟む針状ころ11の軸間距離にほぼ等しくなっている。これにより、針状ころ軸受動作時の荷重変動を抑制できる。また、保持器12は、切り離されることにより、互いに分離した3つのブロック12f、12f、12f(図5)を有し、各ブロック12fにおいて保持される針状ころ11(図6)の数は等しくなっている。
【0017】
本実施の形態の動作を説明する。図3に示すように、遊星歯車4cはピニオンシャフト4eの周囲を自転し、且つ太陽歯車4bの周囲を公転する。従って、針状ころ軸受10は、それに伴い複雑な方向の力を受けるが、保持器12が外輪案内であるとすると、遊星歯車4cの内径に沿って楕円形状に変形する。すなわち、保持器は繰り返し変形しながら自転するので、柱部12bの付け根に過大な応力が生じる恐れがある。特に、楕円変形を抑制するには、環状部の強度が必要となるため、いわゆる波型保持器と呼ばれる環状部の肉厚が薄い保持器などでは問題となることが多い。
【0018】
これに対し、本実施の形態によれば、針状ころ軸受10の自転及び公転に伴う過大な遠心力が生じても、切断部12eの切断面が任意に離隔することで保持器12全体の変形が抑制されるので、保持器12の応力を緩和することができ、折損などを未然に防止できる。又、切断部12eを介して潤滑油が内径側から外径側へと円滑に供給されるようになり、潤滑性も向上するという副次的効果もある。
【0019】
図7は、第2の実施の形態の針状ころ軸受の図4と同様な断面図である。図7に示す保持器12’は、いわゆる波型保持器である。その他の点については、上述した実施の形態と同様であるので、同じ符号を付すことで説明を省略する。
【0020】
図8は、第3の実施の形態の針状ころ軸受の図4と同様な断面図である。図7に示す保持器12’は、柱部がストレートとなったいわゆるストレート型保持器である。その他の点については、上述した実施の形態と同様であるので、同じ符号を付すことで説明を省略する。
【0021】
以上、本発明を実施例を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。例えば、保持器の切断部は、1カ所でも良く、2カ所もしくは4カ所以上でも良い。又、必ずしも柱部で切断される必要はない。
【0022】
【発明の効果】
本発明の針状ころ軸受用の保持器は、遊星歯車機構において遊星歯車を回転自在に支持する針状ころ軸受用の保持器において、前記保持器の柱部が、周方向において少なくとも1カ所以上、軸線方向にわたって切り離されているので、針状ころ軸受の自重が軽くなるため、公転に伴う遠心力が小さくなることから、保持器の応力を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態にかかる針状ころ軸受を含む車両の自動変速機の断面図である。
【図2】遊星歯車機構4の分解図である。
【図3】遊星歯車機構の作動原理を示す図である。
【図4】第1の実施の形態の針状ころ軸受を遊星歯車機構に組み込んだ状態で示す図である。
【図5】針状ころ軸受の保持器の斜視図である。
【図6】図4の構成をVI−VI線で切断して矢印方向に見た図である。
【図7】第2の実施の形態の針状ころ軸受を遊星歯車機構に組み込んだ状態で示す図である。
【図8】第3の実施の形態の針状ころ軸受を遊星歯車機構に組み込んだ状態で示す図である。
【符号の説明】
1 自動変速機
4〜6 遊星歯車機構
10 針状ころ軸受
11 ころ
12,12’、12” 保持器
Claims (5)
- 遊星歯車機構において遊星歯車を回転自在に支持する針状ころ軸受用の保持器において、
前記保持器の柱部は、周方向において少なくとも1カ所以上、軸線方向にわたって切り離されていることを特徴とする針状ころ軸受用の保持器。 - 切り離された柱部の周方向の幅は、切り離されていない柱部の周方向の幅より小さいことを特徴とする請求項1に記載の針状ころ軸受用の保持器。
- 切り離された柱部を挟む針状ころの軸間距離は、切り離されていない柱部を挟む針状ころの軸間距離にほぼ等しいことを特徴とする請求項1又は2に記載の針状ころ軸受用の保持器。
- 前記柱部が周方向において少なくとも2カ所以上切り離されることにより、互いに分離した複数のブロックが形成される場合において、一つのブロックにおいて保持される針状ころの数は、他のブロックにおいて保持される針状ころの数と同じであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の針状ころ軸受の保持器。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の針状ころ軸受用の保持器を用いたことを特徴とする針状ころ軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003154548A JP2004353808A (ja) | 2003-05-30 | 2003-05-30 | 針状ころ軸受用の保持器及び針状ころ軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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-
2003
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