JP2004347660A - 撥油コート付き眼鏡レンズの玉摺加工方法、撥油コート付き眼鏡レンズの製造方法及び粘着剤付テープ - Google Patents
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Abstract
【課題】撥油コートが施されているレンズでも、軸ずれを起こさないで玉摺加工を行う方法を提供する。
【解決手段】被加工レンズ1を玉摺加工機にセットするに先立ち、被加工レンズ1の両面に接着テープ2を貼り付ける(a)。この接着テープ2は、光透過率が80%以上の透明性を有し、厚さが10〜100μmであり、ヤング率が1Gpa以上であるポリマーフィルム表面に粘着剤がコートされている粘着剤付テープから成り立っており、粘着剤側を被加工レンズ1表面に押し付けることにより貼り付ける。そして、この被加工レンズ1を、(b)に示すように、従来技術同様、ロックキャップ3に、両面接着テープ4により固定する。そして、このロックキャップ3を、上側レンズ加工軸5に固定する。次に、この被加工レンズ1を、下側レンズ加工軸6とロックキャップ3の間に挟み込んで固定する。この状態で研削加工具(図示せず)により被加工レンズ1の外周加工を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】被加工レンズ1を玉摺加工機にセットするに先立ち、被加工レンズ1の両面に接着テープ2を貼り付ける(a)。この接着テープ2は、光透過率が80%以上の透明性を有し、厚さが10〜100μmであり、ヤング率が1Gpa以上であるポリマーフィルム表面に粘着剤がコートされている粘着剤付テープから成り立っており、粘着剤側を被加工レンズ1表面に押し付けることにより貼り付ける。そして、この被加工レンズ1を、(b)に示すように、従来技術同様、ロックキャップ3に、両面接着テープ4により固定する。そして、このロックキャップ3を、上側レンズ加工軸5に固定する。次に、この被加工レンズ1を、下側レンズ加工軸6とロックキャップ3の間に挟み込んで固定する。この状態で研削加工具(図示せず)により被加工レンズ1の外周加工を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本手段は、撥油コートが施された眼鏡用レンズを、眼鏡フレームに合うように外形(外周)加工を行う玉摺加工方法、及びその玉摺加工方法に用いられる粘着剤付テープに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、眼鏡用レンズは、小売店において顧客が選んだ眼鏡枠の形状に合うように外形形状を加工し、眼鏡枠に入れて顧客に渡される。このようなレンズの外周加工を行う加工機は玉摺加工機(エッジャー、外縁加工機等)と呼ばれている。一般的な玉摺加工機では、加工軸で眼鏡を挟持しながら、研削加工具で外縁を研削することによって外形形状を加工する。
【0003】
その加工方法の概念図を図3に示す。被加工レンズ21は、まずプラスチック製のロックキャップ22に、両面接着テープ23により固定される。すなわち、ロックキャップ22には、予め両面接着テープ23が貼り付けられており、他の片面を被加工レンズ21の表面に貼り付けることによって、被加工レンズ21をロックキャップ22に固定する。そして、このロックキャップ22を、上側レンズ加工軸24に固定する。
【0004】
次に、この被加工レンズ21を、下側レンズ加工軸25とロックキャップ22の間に挟み込んで固定する。この状態で研削加工具26を回転させながら被加工レンズ21の外周に沿って移動させ、被加工レンズ21の外周加工を行う。このような玉摺加工は、小売店でなくてメーカの工場で行われる場合もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一般にレンズの表面には、衝撃に対して割れにくくするためのプライマーコート、傷つきにくくするためのハードコート、反射を防止して透過率を高める反射防止コート、撥水性を備えるための撥水コート等の種々のコートが施されているが、これらのコートは、上記のような玉摺加工工程に影響を与えるものではなかった。
【0006】
ところが、2002年頃から、眼鏡レンズの表面に撥油コートを施した眼鏡レンズが販売されている。このようなレンズは、表面に汚れがつきにくいことから眼鏡の使用者には好評であるが、表面の摩擦抵抗が少ないため、上記に説明したようなレンズの保持方法を使用した場合、加工中にレンズ加工軸とレンズの軸とがずれてしまうという不具合が生じ、正確に外形加工を行うことができない場合が発生するという問題が生じた。このため、上述のような方法以外の方法で被加工レンズを固定し、軸ずれを防止する方法も試みられてきた。
【0007】
しかし、いずれの方法でも、軸ズレが防止できるとしても、加工中でのレンズ表面へのキズや各種コート膜の剥離、及びレンズ基材内のクラックなどといった製品レンズ自体への副作用が発生する問題があった。また、玉摺機加工機のレンズ切削速度を遅くして加工することも行われているが、この場合、切削時間が著しく長くなるという問題があった。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、撥油コートが施されているレンズでも、軸ずれを起こさないで玉摺加工を行う方法、この玉摺加工を中間工程として含むレンズの製造方法、及びこの玉摺加工に使用する粘着剤付テープを提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1の手段は、撥油コートされたレンズを、玉摺加工機により各種玉型へ玉摺加工する玉摺加工方法であって、予め被加工レンズの両面に、厚さが10〜100μmであり、ヤング率が1Gpa以上であるポリマーフィルム表面にシリコン系粘着剤がコートされている粘着剤付テープを貼り付け、その後、前記玉摺加工機にセットする工程を有することを特徴とする撥油コート付き眼鏡レンズの玉摺加工方法(請求項1)である。
【0010】
本手段においては、予め被加工レンズの両面に、厚さが10〜100μmであり、ヤング率が1Gpa以上であるポリマーフィルム表面にシリコン系粘着剤がコートされている粘着剤付テープを貼り付け、その後、前記玉摺加工機にセットする工程を有する。撥油コートはフッ素系樹脂膜をレンズの表面にコーティングすることにより形成されているが、シリコン系粘着剤は、他の粘着剤に比して、このフッ素系樹脂膜に対して粘着力が高いので、粘着剤付テープは滑りを生じることなく、撥油コートが施された被加工レンズに粘着する。そして、従来の方法と同じように、両面テープが貼られたロックキャップを、この粘着剤付テープのポリマーフィルム側に貼り付けてロックキャップに固定し、従来と同じ方法により玉摺加工を行うことにより、軸ずれを防止しながら玉摺加工を行うことができる。
【0011】
本手段によれば、粘着剤付テープの大きさをロックキャップの大きさより大きくすることができるので、十分な粘着力を得ることが可能となる。なお、ポリマーフィルムの厚さが10μm未満であると、強度が弱くなり、軸ずれを防止する効果が少なくなる。又、ポリマーフィルムの厚さが100μmを超えると、フィルムの倣い性が悪くなり、表面が曲面状である被加工レンズに密着して貼り付けることが困難となる。又、ヤング率が1Gpa未満であると、弾性変形のために軸ずれが大きくなる恐れがある。ポリマーフィルムとしては、強度その他を勘案して、ポリエステルフィルムを用いることが特に好ましい。
【0012】
前記課題を解決するための第2の手段は、前記第1の手段であって、前記ポリマーフィルムの光透過率が、80%以上であることを特徴とするもの(請求項2)である。
【0013】
玉摺加工を自動で行う場合、被加工レンズに光を透過させることにより、被加工レンズの位置を検出する方法が採用されている。このような場合に、貼り付けられるポリマーフィルムの光透過率が悪いと、被加工レンズの位置測定システムがうまく働かなくなる。よって、ポリマーフィルムの光透過率が80%以上であることが好ましい。
【0014】
前記課題を解決するための第3の手段は、前記第1の手段又は第2の手段であって、前記粘着剤付テープの形状が、中央に穴を有する円形又は楕円形であって、楕円の長径が30mm〜60mm、短径が20mm〜40mmであり、かつ中央の穴に内接する円の直径が3〜15mmであることを特徴とするもの(請求項3)である。
【0015】
前述のように、前記第1の手段、第2の手段においては、粘着剤付テープの大きさをロックキャップの大きさより大きくすることにより、特に大きな粘着力を得ることができる。楕円の長径が30mm未満となったり、楕円の短径が20mm未満となったときは、粘着力が十分得られない場合があるので、長径、短径をこれ以上とすることが好ましい。
【0016】
又、あまり大きなものであると、加工中にレンズと一緒に削られてしまい、剥がれる恐れがある。又、形状が大きくなると、曲面である被加工レンズの表面とのフィッテング性が悪くなる。よって、楕円の長径は60mm以下、短径は40mm以下とすることが好ましい。なお、本手段においては、粘着剤付テープの形状が円の場合は、その寸法は楕円の長径と短径が同一のものとして考える。よって、円の外径は、30〜40mmとなる。
【0017】
中央部に穴を設けているのは、曲面である曲面である被加工レンズの表面とのフィッテング性を良くし、皺がよらないようにするためである。このような目的のためには、この穴に内接する円の直径が3〜15mmであることが好ましい。特にこの穴の形状を円又は円に近い楕円にすることが好ましい。
【0018】
前記課題を解決するための第4の手段は、前記第1の手段から第3の手段のいずれかであって、前記粘着剤付テープの端部において、ポリマーフィルム表面に、粘着剤がコートされていないパッド部が設けられていることを特徴とするもの(請求項4)である。
【0019】
パッド部は粘着剤に対して粘着性の無い材料で構成されているので、粘着剤付テープの作成時に、この部分には粘着剤がコートされていない。よって、玉摺加工の終了後、この部分を基点にして粘着剤付テープを剥がすことが容易になる。
【0020】
前記課題を解決するための第5の手段は、前記第4の手段であって、前記パッド部の幅が1〜5mmであることを特徴とするもの(請求項5)である。
【0021】
パッド部の幅が1mm未満であると、粘着剤付テープを剥がす基点として用いる場合に、狭すぎて作業性が悪い。またこの幅が5mmを超えると、玉摺加工工程中に玉摺加工機の部分に接触したり、その他の理由により剥がれ易くなる。よって、パッド部の幅は、1〜5mmであることが好ましい。
【0022】
前記課題を解決するための第6の手段は、中間製品である被加工レンズに、前記第1の手段から第5の手段のうちいずれかの玉摺加工方法を行って最終製品の形状に加工する工程を有することを特徴とする撥油コート付き眼鏡レンズの製造方法(請求項6)である。
【0023】
本手段によれば、玉摺加工における軸ずれが起こりにくいので、歩留良く最終製品である撥油コート付き眼鏡レンズを製造することができる。
【0024】
前記課題を解決するための第7の手段は、厚さが10〜100μmであり、ヤング率が1Gpa以上であるポリマーフィルム表面にシリコン系粘着剤がコートされている粘着剤付テープであって、その形状が、中央に穴を有する円形、又は楕円形であって、楕円の長径が30mm〜60mm、短径が20mm〜40mmであり、かつ中央の穴に内接する円の直径が3〜15mmであることを特徴とする粘着剤付テープ(請求項7)である。
【0025】
前記課題を解決するための第8の手段は、前記第6の手段であって、前記ポリマーフィルムの光透過率が、80%以上であることを特徴とするもの(請求項8)である。
【0026】
前記課題を解決するための第9の手段は、前記第6の手段又は第7の手段であって、端部において、ポリマーフィルム表面に、粘着剤がコートされていないパッド部が設けられていることを特徴とするもの(請求項9)である。
【0027】
前記課題を解決するための第10の手段は、前記第9の手段であって、前記パッド部の幅が1〜5mmであることを特徴とするもの(請求項10)である。
【0028】
これら、第7の手段から第10の手段は、前記第3の手段から第5の手段に用いられるものであって、前記第2の手段から第5の手段の説明において説明したような作用効果を有する。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の例を、図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態の例である撥油コート付き眼鏡レンズの玉摺加工方法の概念を説明するための図である。まず、(a)に示すように、被加工レンズ1を玉摺加工機にセットするに先立ち、被加工レンズ1の両面に接着テープ2を貼り付ける。この接着テープ2は、光透過率が80%以上の透明性を有し、厚さが10〜100μmであり、ヤング率が1Gpa以上であるポリマーフィルム表面に、粘着剤がコートされている粘着剤付テープから成り立っており、粘着剤側を被加工レンズ1表面に押し付けることにより貼り付ける。
【0030】
そして、この被加工レンズ1を、(b)に示すように、従来技術同様、ロックキャップ3に、両面接着テープ4により固定する。ロックキャップ3には、予め両面接着テープ4が貼り付けられており、他の片面を被加工レンズ1の表面に貼り付けられた接着テープ2に貼り付けることによって、被加工レンズ1をロックキャップ3に固定する。そして、このロックキャップ3を、上側レンズ加工軸5に固定する。次に、この被加工レンズ1を、下側レンズ加工軸6とロックキャップ3の間に挟み込んで固定する。この状態で研削加工具(図示せず)により被加工レンズ1の外周加工を行う。
【0031】
被加工レンズ1の表面に上述のような接着テープ2を貼り付けることにより、被加工レンズ1に撥油コートが施されている場合であっても、接着テープ2と被加工レンズ1の間が滑ること無く固定される。両面接着テープ4と両面接着テープ4との間には滑りが無いので、結局、被加工レンズ1は、ロックキャップ3を介して上側レンズ加工軸5と下側レンズ加工軸6との間にしっかりと固定され、加工中の軸ずれの発生を防止できる。
【0032】
図2に、このような玉摺加工方法に用いるのに好適な接着テープ2の平面形状を示す。平面形状としては、(a)に示すように中央に穴7の開いた楕円形であることが好ましく、その楕円の長径R1は30mm〜60mm、短径R2は20mm〜40mmであることが好ましい。中央の穴7の形状は円、楕円又はこれに類する形状であることが好ましいが、特に形状にはこだわらない。中央の穴7に内接する円の直径は、3〜15mmであることが好ましい。
【0033】
(b)は、端部に、パッド部10が設けられた接着テープ2の平面形状と中央断面形状を示す図である。すなわち、この例においては、ポリエステルフィルム8の上には、その右端部にパッド部10が設けられており、この部分には粘着剤9が設けられていない。よって、被加工レンズの玉摺加工が終了した時点で、この部分を基点にして接着テープ2を被加工レンズから容易に剥がすことができる。このパッド部10の幅Wは、1〜5mmであることが好ましい。なお、パッド部に着色を施すことにより、接着テープ2を剥がすときの起点を容易に視認することができ、作業性が良くなる。
【0034】
【実施例】
株式会社ニコン・エシロール製の高屈折率プラスチック(n=1.67)を基材とし、表面にフッ素樹脂による撥油コートを施したレンズについて、本発明の方法により玉摺加工を行い、従来法との比較を行った。
【0035】
なお、加工機として以下の3機種を使用した。
▲1▼Nidek製SE9090(砥石が2つ内蔵されている高負荷機)
▲2▼Nidek製LE9000(砥石が1つ内蔵されている通常負荷機)
▲3▼Topcon製ALE5000(砥石が1つ内蔵されている通常負荷機)
被加工レンズの形状は直径が80mm、中心部厚さが1.0mm、前面中心部の曲率半径が1367.8mm、後面中心部の曲率半径が102.5mmの非球面レンズであり、玉摺加工後の形状は、54mm×27mmの長方形であって、四隅に半径7mmのR加工(面取り加工)が行われているものとした。使用する接着テープとして、シリコン系粘着剤付ポリエステルフィルムテープ(住友3M社製、ポリマーフィルムの厚さが40μm、ヤング率4GPa)で、長径40mm、短径30mmの楕円形のものと、長径40mm、短径20mmの楕円形のものを使用した。なお、レンズロックキャップは、SE9090用サイズ小キャップを使用した。このレンズロックキャップの接着テープに当たる面は、高さ19mm、幅21.5mmで、幅方向にふくらんだ樽型である。玉摺加工後のレンズの長手方向と、接着テープの長径方向、及びレンズロックキャップの幅方向を一致させた。
【0036】
すなわち、上記のような形状のシリコン系粘着剤付ポリエステルフィルムテープを被加工レンズの両面に貼り付け、これを両面接着テープ(住友3M社製LEAPII)によりレンズロックキャップに貼り付け、レンズロックキャップを加工軸に嵌め込んで、他の加工軸で挟み込み、玉摺加工を行った。比較例として、シリコン系粘着剤付ポリエステルフィルムテープを使用しないものについても、同様の条件で玉摺加工を行った。
【0037】
各、条件の組み合わせと、玉摺加工の結果を表1に示す。表1中の軸ずれ評価は、以下のようなものである。
○→軸ずれ1°以下(0°を含む)
△→軸ずれ1°を超え2°以下
×→軸ずれ2°を超える。
【0038】
又、仕上がり評価は、ヤゲンと外形について行い、以下のような区分とした。
○→不具合なし
×→不具合あり
なお、表1中、砥石モードの両刃とは、2つの砥石を用いて加工を行った場合、片刃とは、1つの砥石を用いて加工を行った場合を示す。
【0039】
(表1)
【0040】
【表1】
【0041】
表1から、シリコン系粘着剤付テープをレンズの表面に貼り付けた本発明の実施例においては、軸ずれは1°以下であり、仕上がりも良好であった。これに対し、シリコン系粘着剤付テープを用いなかった比較例においては、軸ずれが2°を超え、かつ仕上がりも良好でなかった。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、レンズ表面の少なくとも一方に撥油コートが施されているレンズでも、軸ずれを起こさないで玉摺加工を行う方法、この玉摺加工を中間工程として含むレンズの製造方法、及びこの玉摺加工に使用する粘着剤付テープを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の例である撥油コート付き眼鏡レンズの玉摺加工方法の概念を説明するための図である。
【図2】本発明の実施の形態である玉摺加工方法に用いるのに好適な接着テープの平面形状を示す図である。
【図3】従来の眼鏡レンズの玉摺加工方法の概念を説明するための図である。
【符号の説明】
1…被加工レンズ、2…接着テープ、3…ロックキャップ、4…両面接着テープ、5…上側レンズ加工軸、6…下側レンズ加工軸、7…穴、8…ポリエステルフィルム、9…粘着剤、10…パッド部
【発明の属する技術分野】
本手段は、撥油コートが施された眼鏡用レンズを、眼鏡フレームに合うように外形(外周)加工を行う玉摺加工方法、及びその玉摺加工方法に用いられる粘着剤付テープに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、眼鏡用レンズは、小売店において顧客が選んだ眼鏡枠の形状に合うように外形形状を加工し、眼鏡枠に入れて顧客に渡される。このようなレンズの外周加工を行う加工機は玉摺加工機(エッジャー、外縁加工機等)と呼ばれている。一般的な玉摺加工機では、加工軸で眼鏡を挟持しながら、研削加工具で外縁を研削することによって外形形状を加工する。
【0003】
その加工方法の概念図を図3に示す。被加工レンズ21は、まずプラスチック製のロックキャップ22に、両面接着テープ23により固定される。すなわち、ロックキャップ22には、予め両面接着テープ23が貼り付けられており、他の片面を被加工レンズ21の表面に貼り付けることによって、被加工レンズ21をロックキャップ22に固定する。そして、このロックキャップ22を、上側レンズ加工軸24に固定する。
【0004】
次に、この被加工レンズ21を、下側レンズ加工軸25とロックキャップ22の間に挟み込んで固定する。この状態で研削加工具26を回転させながら被加工レンズ21の外周に沿って移動させ、被加工レンズ21の外周加工を行う。このような玉摺加工は、小売店でなくてメーカの工場で行われる場合もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一般にレンズの表面には、衝撃に対して割れにくくするためのプライマーコート、傷つきにくくするためのハードコート、反射を防止して透過率を高める反射防止コート、撥水性を備えるための撥水コート等の種々のコートが施されているが、これらのコートは、上記のような玉摺加工工程に影響を与えるものではなかった。
【0006】
ところが、2002年頃から、眼鏡レンズの表面に撥油コートを施した眼鏡レンズが販売されている。このようなレンズは、表面に汚れがつきにくいことから眼鏡の使用者には好評であるが、表面の摩擦抵抗が少ないため、上記に説明したようなレンズの保持方法を使用した場合、加工中にレンズ加工軸とレンズの軸とがずれてしまうという不具合が生じ、正確に外形加工を行うことができない場合が発生するという問題が生じた。このため、上述のような方法以外の方法で被加工レンズを固定し、軸ずれを防止する方法も試みられてきた。
【0007】
しかし、いずれの方法でも、軸ズレが防止できるとしても、加工中でのレンズ表面へのキズや各種コート膜の剥離、及びレンズ基材内のクラックなどといった製品レンズ自体への副作用が発生する問題があった。また、玉摺機加工機のレンズ切削速度を遅くして加工することも行われているが、この場合、切削時間が著しく長くなるという問題があった。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、撥油コートが施されているレンズでも、軸ずれを起こさないで玉摺加工を行う方法、この玉摺加工を中間工程として含むレンズの製造方法、及びこの玉摺加工に使用する粘着剤付テープを提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1の手段は、撥油コートされたレンズを、玉摺加工機により各種玉型へ玉摺加工する玉摺加工方法であって、予め被加工レンズの両面に、厚さが10〜100μmであり、ヤング率が1Gpa以上であるポリマーフィルム表面にシリコン系粘着剤がコートされている粘着剤付テープを貼り付け、その後、前記玉摺加工機にセットする工程を有することを特徴とする撥油コート付き眼鏡レンズの玉摺加工方法(請求項1)である。
【0010】
本手段においては、予め被加工レンズの両面に、厚さが10〜100μmであり、ヤング率が1Gpa以上であるポリマーフィルム表面にシリコン系粘着剤がコートされている粘着剤付テープを貼り付け、その後、前記玉摺加工機にセットする工程を有する。撥油コートはフッ素系樹脂膜をレンズの表面にコーティングすることにより形成されているが、シリコン系粘着剤は、他の粘着剤に比して、このフッ素系樹脂膜に対して粘着力が高いので、粘着剤付テープは滑りを生じることなく、撥油コートが施された被加工レンズに粘着する。そして、従来の方法と同じように、両面テープが貼られたロックキャップを、この粘着剤付テープのポリマーフィルム側に貼り付けてロックキャップに固定し、従来と同じ方法により玉摺加工を行うことにより、軸ずれを防止しながら玉摺加工を行うことができる。
【0011】
本手段によれば、粘着剤付テープの大きさをロックキャップの大きさより大きくすることができるので、十分な粘着力を得ることが可能となる。なお、ポリマーフィルムの厚さが10μm未満であると、強度が弱くなり、軸ずれを防止する効果が少なくなる。又、ポリマーフィルムの厚さが100μmを超えると、フィルムの倣い性が悪くなり、表面が曲面状である被加工レンズに密着して貼り付けることが困難となる。又、ヤング率が1Gpa未満であると、弾性変形のために軸ずれが大きくなる恐れがある。ポリマーフィルムとしては、強度その他を勘案して、ポリエステルフィルムを用いることが特に好ましい。
【0012】
前記課題を解決するための第2の手段は、前記第1の手段であって、前記ポリマーフィルムの光透過率が、80%以上であることを特徴とするもの(請求項2)である。
【0013】
玉摺加工を自動で行う場合、被加工レンズに光を透過させることにより、被加工レンズの位置を検出する方法が採用されている。このような場合に、貼り付けられるポリマーフィルムの光透過率が悪いと、被加工レンズの位置測定システムがうまく働かなくなる。よって、ポリマーフィルムの光透過率が80%以上であることが好ましい。
【0014】
前記課題を解決するための第3の手段は、前記第1の手段又は第2の手段であって、前記粘着剤付テープの形状が、中央に穴を有する円形又は楕円形であって、楕円の長径が30mm〜60mm、短径が20mm〜40mmであり、かつ中央の穴に内接する円の直径が3〜15mmであることを特徴とするもの(請求項3)である。
【0015】
前述のように、前記第1の手段、第2の手段においては、粘着剤付テープの大きさをロックキャップの大きさより大きくすることにより、特に大きな粘着力を得ることができる。楕円の長径が30mm未満となったり、楕円の短径が20mm未満となったときは、粘着力が十分得られない場合があるので、長径、短径をこれ以上とすることが好ましい。
【0016】
又、あまり大きなものであると、加工中にレンズと一緒に削られてしまい、剥がれる恐れがある。又、形状が大きくなると、曲面である被加工レンズの表面とのフィッテング性が悪くなる。よって、楕円の長径は60mm以下、短径は40mm以下とすることが好ましい。なお、本手段においては、粘着剤付テープの形状が円の場合は、その寸法は楕円の長径と短径が同一のものとして考える。よって、円の外径は、30〜40mmとなる。
【0017】
中央部に穴を設けているのは、曲面である曲面である被加工レンズの表面とのフィッテング性を良くし、皺がよらないようにするためである。このような目的のためには、この穴に内接する円の直径が3〜15mmであることが好ましい。特にこの穴の形状を円又は円に近い楕円にすることが好ましい。
【0018】
前記課題を解決するための第4の手段は、前記第1の手段から第3の手段のいずれかであって、前記粘着剤付テープの端部において、ポリマーフィルム表面に、粘着剤がコートされていないパッド部が設けられていることを特徴とするもの(請求項4)である。
【0019】
パッド部は粘着剤に対して粘着性の無い材料で構成されているので、粘着剤付テープの作成時に、この部分には粘着剤がコートされていない。よって、玉摺加工の終了後、この部分を基点にして粘着剤付テープを剥がすことが容易になる。
【0020】
前記課題を解決するための第5の手段は、前記第4の手段であって、前記パッド部の幅が1〜5mmであることを特徴とするもの(請求項5)である。
【0021】
パッド部の幅が1mm未満であると、粘着剤付テープを剥がす基点として用いる場合に、狭すぎて作業性が悪い。またこの幅が5mmを超えると、玉摺加工工程中に玉摺加工機の部分に接触したり、その他の理由により剥がれ易くなる。よって、パッド部の幅は、1〜5mmであることが好ましい。
【0022】
前記課題を解決するための第6の手段は、中間製品である被加工レンズに、前記第1の手段から第5の手段のうちいずれかの玉摺加工方法を行って最終製品の形状に加工する工程を有することを特徴とする撥油コート付き眼鏡レンズの製造方法(請求項6)である。
【0023】
本手段によれば、玉摺加工における軸ずれが起こりにくいので、歩留良く最終製品である撥油コート付き眼鏡レンズを製造することができる。
【0024】
前記課題を解決するための第7の手段は、厚さが10〜100μmであり、ヤング率が1Gpa以上であるポリマーフィルム表面にシリコン系粘着剤がコートされている粘着剤付テープであって、その形状が、中央に穴を有する円形、又は楕円形であって、楕円の長径が30mm〜60mm、短径が20mm〜40mmであり、かつ中央の穴に内接する円の直径が3〜15mmであることを特徴とする粘着剤付テープ(請求項7)である。
【0025】
前記課題を解決するための第8の手段は、前記第6の手段であって、前記ポリマーフィルムの光透過率が、80%以上であることを特徴とするもの(請求項8)である。
【0026】
前記課題を解決するための第9の手段は、前記第6の手段又は第7の手段であって、端部において、ポリマーフィルム表面に、粘着剤がコートされていないパッド部が設けられていることを特徴とするもの(請求項9)である。
【0027】
前記課題を解決するための第10の手段は、前記第9の手段であって、前記パッド部の幅が1〜5mmであることを特徴とするもの(請求項10)である。
【0028】
これら、第7の手段から第10の手段は、前記第3の手段から第5の手段に用いられるものであって、前記第2の手段から第5の手段の説明において説明したような作用効果を有する。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の例を、図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態の例である撥油コート付き眼鏡レンズの玉摺加工方法の概念を説明するための図である。まず、(a)に示すように、被加工レンズ1を玉摺加工機にセットするに先立ち、被加工レンズ1の両面に接着テープ2を貼り付ける。この接着テープ2は、光透過率が80%以上の透明性を有し、厚さが10〜100μmであり、ヤング率が1Gpa以上であるポリマーフィルム表面に、粘着剤がコートされている粘着剤付テープから成り立っており、粘着剤側を被加工レンズ1表面に押し付けることにより貼り付ける。
【0030】
そして、この被加工レンズ1を、(b)に示すように、従来技術同様、ロックキャップ3に、両面接着テープ4により固定する。ロックキャップ3には、予め両面接着テープ4が貼り付けられており、他の片面を被加工レンズ1の表面に貼り付けられた接着テープ2に貼り付けることによって、被加工レンズ1をロックキャップ3に固定する。そして、このロックキャップ3を、上側レンズ加工軸5に固定する。次に、この被加工レンズ1を、下側レンズ加工軸6とロックキャップ3の間に挟み込んで固定する。この状態で研削加工具(図示せず)により被加工レンズ1の外周加工を行う。
【0031】
被加工レンズ1の表面に上述のような接着テープ2を貼り付けることにより、被加工レンズ1に撥油コートが施されている場合であっても、接着テープ2と被加工レンズ1の間が滑ること無く固定される。両面接着テープ4と両面接着テープ4との間には滑りが無いので、結局、被加工レンズ1は、ロックキャップ3を介して上側レンズ加工軸5と下側レンズ加工軸6との間にしっかりと固定され、加工中の軸ずれの発生を防止できる。
【0032】
図2に、このような玉摺加工方法に用いるのに好適な接着テープ2の平面形状を示す。平面形状としては、(a)に示すように中央に穴7の開いた楕円形であることが好ましく、その楕円の長径R1は30mm〜60mm、短径R2は20mm〜40mmであることが好ましい。中央の穴7の形状は円、楕円又はこれに類する形状であることが好ましいが、特に形状にはこだわらない。中央の穴7に内接する円の直径は、3〜15mmであることが好ましい。
【0033】
(b)は、端部に、パッド部10が設けられた接着テープ2の平面形状と中央断面形状を示す図である。すなわち、この例においては、ポリエステルフィルム8の上には、その右端部にパッド部10が設けられており、この部分には粘着剤9が設けられていない。よって、被加工レンズの玉摺加工が終了した時点で、この部分を基点にして接着テープ2を被加工レンズから容易に剥がすことができる。このパッド部10の幅Wは、1〜5mmであることが好ましい。なお、パッド部に着色を施すことにより、接着テープ2を剥がすときの起点を容易に視認することができ、作業性が良くなる。
【0034】
【実施例】
株式会社ニコン・エシロール製の高屈折率プラスチック(n=1.67)を基材とし、表面にフッ素樹脂による撥油コートを施したレンズについて、本発明の方法により玉摺加工を行い、従来法との比較を行った。
【0035】
なお、加工機として以下の3機種を使用した。
▲1▼Nidek製SE9090(砥石が2つ内蔵されている高負荷機)
▲2▼Nidek製LE9000(砥石が1つ内蔵されている通常負荷機)
▲3▼Topcon製ALE5000(砥石が1つ内蔵されている通常負荷機)
被加工レンズの形状は直径が80mm、中心部厚さが1.0mm、前面中心部の曲率半径が1367.8mm、後面中心部の曲率半径が102.5mmの非球面レンズであり、玉摺加工後の形状は、54mm×27mmの長方形であって、四隅に半径7mmのR加工(面取り加工)が行われているものとした。使用する接着テープとして、シリコン系粘着剤付ポリエステルフィルムテープ(住友3M社製、ポリマーフィルムの厚さが40μm、ヤング率4GPa)で、長径40mm、短径30mmの楕円形のものと、長径40mm、短径20mmの楕円形のものを使用した。なお、レンズロックキャップは、SE9090用サイズ小キャップを使用した。このレンズロックキャップの接着テープに当たる面は、高さ19mm、幅21.5mmで、幅方向にふくらんだ樽型である。玉摺加工後のレンズの長手方向と、接着テープの長径方向、及びレンズロックキャップの幅方向を一致させた。
【0036】
すなわち、上記のような形状のシリコン系粘着剤付ポリエステルフィルムテープを被加工レンズの両面に貼り付け、これを両面接着テープ(住友3M社製LEAPII)によりレンズロックキャップに貼り付け、レンズロックキャップを加工軸に嵌め込んで、他の加工軸で挟み込み、玉摺加工を行った。比較例として、シリコン系粘着剤付ポリエステルフィルムテープを使用しないものについても、同様の条件で玉摺加工を行った。
【0037】
各、条件の組み合わせと、玉摺加工の結果を表1に示す。表1中の軸ずれ評価は、以下のようなものである。
○→軸ずれ1°以下(0°を含む)
△→軸ずれ1°を超え2°以下
×→軸ずれ2°を超える。
【0038】
又、仕上がり評価は、ヤゲンと外形について行い、以下のような区分とした。
○→不具合なし
×→不具合あり
なお、表1中、砥石モードの両刃とは、2つの砥石を用いて加工を行った場合、片刃とは、1つの砥石を用いて加工を行った場合を示す。
【0039】
(表1)
【0040】
【表1】
【0041】
表1から、シリコン系粘着剤付テープをレンズの表面に貼り付けた本発明の実施例においては、軸ずれは1°以下であり、仕上がりも良好であった。これに対し、シリコン系粘着剤付テープを用いなかった比較例においては、軸ずれが2°を超え、かつ仕上がりも良好でなかった。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、レンズ表面の少なくとも一方に撥油コートが施されているレンズでも、軸ずれを起こさないで玉摺加工を行う方法、この玉摺加工を中間工程として含むレンズの製造方法、及びこの玉摺加工に使用する粘着剤付テープを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の例である撥油コート付き眼鏡レンズの玉摺加工方法の概念を説明するための図である。
【図2】本発明の実施の形態である玉摺加工方法に用いるのに好適な接着テープの平面形状を示す図である。
【図3】従来の眼鏡レンズの玉摺加工方法の概念を説明するための図である。
【符号の説明】
1…被加工レンズ、2…接着テープ、3…ロックキャップ、4…両面接着テープ、5…上側レンズ加工軸、6…下側レンズ加工軸、7…穴、8…ポリエステルフィルム、9…粘着剤、10…パッド部
Claims (10)
- 撥油コートされたレンズを、玉摺加工機により各種玉型へ玉摺り加工する玉摺加工方法であって、予め被加工レンズの両面に、厚さが10〜100μmであり、ヤング率が1Gpa以上であるポリマーフィルム表面にシリコン系粘着剤がコートされている粘着剤付テープを貼り付け、その後、前記玉摺加工機にセットする工程を有することを特徴とする撥油コート付き眼鏡レンズの玉摺加工方法。
- 前記ポリマーフィルムの光透過率が、80%以上であることを特徴とする請求項1に記載の撥油コート付き眼鏡レンズの玉摺加工方法。
- 前記粘着剤付テープの形状が、中央に穴を有する円形又は楕円形であって、楕円の長径が30mm〜60mm、短径が20mm〜40mmであり、かつ中央の穴に内接する円の直径が3〜15mmであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の撥油コート付き眼鏡レンズの玉摺加工方法。
- 前記粘着剤付テープの端部において、ポリマーフィルム表面に、粘着剤がコートされていないパッド部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の撥油コート付き眼鏡レンズの玉摺加工方法。
- 前記パッド部の幅が1〜5mmであることを特徴とする請求項4に記載の撥油コート付き眼鏡レンズの玉摺加工方法。
- 中間製品である被加工レンズに、請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載の玉摺加工方法を行って最終製品の形状に加工する工程を有することを特徴とする撥油コート付き眼鏡レンズの製造方法。
- 厚さが10〜100μmであり、ヤング率が1Gpa以上であるポリマーフィルム表面にシリコン系粘着剤がコートされている粘着剤付テープであって、その形状が、中央に穴を有する円形、又は楕円形であって、楕円の長径が30mm〜60mm、短径が20mm〜40mmであり、かつ中央の穴に内接する円の直径が3〜15mmであることを特徴とする粘着剤付テープ。
- 前記ポリマーフィルムの光透過率が、80%以上であることを特徴とする請求項7に記載の粘着剤付テープ。
- 端部において、ポリマーフィルム表面に、粘着剤がコートされていないパッド部が設けられていることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の粘着剤付テープ。
- 前記パッド部の幅が1〜5mmであることを特徴とする請求項9に記載の粘着剤付テープ。
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