JP2004343856A - ブラシレスモータ - Google Patents
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Abstract
【課題】ブラシレスモータにおいて、2つのステータコイルを用いて高い効率をあげることを課題とする。
【解決手段】1個のロータに対して2組のステータが軸方向に隣り合わせて配置され、前記2組のステータにはステータコイル21、22がそれぞれ内設されている。磁気検出素子X,Y,Zの検知出力に応じて2組のステータコイル21、22の双方又は片方に通電することができるようにされている。小トルクの領域では片方のステータコイル21又は22にのみ通電され、それ以外の領域では双方のステータコイル21及び22に通電される。
【選択図】 図1
【解決手段】1個のロータに対して2組のステータが軸方向に隣り合わせて配置され、前記2組のステータにはステータコイル21、22がそれぞれ内設されている。磁気検出素子X,Y,Zの検知出力に応じて2組のステータコイル21、22の双方又は片方に通電することができるようにされている。小トルクの領域では片方のステータコイル21又は22にのみ通電され、それ以外の領域では双方のステータコイル21及び22に通電される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポンプ駆動用などの3相ブラシレスモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特許文献1(特開平4−275054号公報)には、3相のブラシレスモータのステータコイル18(界磁コイル,図3参照)が記載されている。ステータコイル18は、コイルC10、C11、C12の各一端で共通に接続し、コイルC10、C11、C12の他端にそれぞれC13、C14、C15の一端を接続している。ステータコイル18の駆動回路として図3を考えることができ、ステータコイル18を用いるブラシレスモータとして図4(a),(b) が考えられる。図3に示すように、ブラシレスモータを駆動するためのモータドライバは、電源Vccと接地電位GNDとの間に、直列に接続された各2個のパワートランジスタT1 ・T2 、T3 ・T4 、T5 ・T6 、T7 ・T8 、T9 ・T10、T11・T12を6組並列に接続して構成されている。T1 〜T12の各ベース端子が入力端子となって制御回路16に接続され、直列に接続された各2個のパワートランジスタの間の接続部分がそれぞれ出力端子P1 〜P6 となっている。出力端子P1 〜P3 はコイルC13〜C15の他端にそれぞれ接続され、出力端子P4 〜P6 はC10〜C12の他端とC13〜C15の一端との接続点にそれぞれ接続されている。
【0003】
図4(a),(b) に示すように、モータ本体10にはベアリング11、12を介してシャフト13が回転自在に支持され、シャフト13にはロータ(回転子)14が固定され、ロータ14の円周側面には磁石15が配設されている。ロータ14の半径方向外方でモータ本体10の内部にステータ(固定子)17が配置され、ステータ17はロータ14と対抗している。ロータ14の磁界を検知するために、各相ごとに磁気検知素子X,Y,Zがモータ本体10の内部に取り付けられ、磁気検知素子X,Y,Zの出力は制御回路16にそれぞれ入力される(図3参照)。ロータ14の磁極数は4であり、ステータ17のスロット(空間)数は6であり、図4(b) に示すように、6個のスロットにコイルC10〜C15が2つに分割して内設されている。
【0004】
前記従来例では、出力端子P1 〜P3 から出力電流を通電する場合(a) と、出力端子P4 〜P6 から出力電流を通電する場合(b) の2通りの使い方ができる。場合(a) では、直列に接続されたコイルC10・C13、C11・C14、C12・C15に出力端子P1 〜P3 から出力電流を通電することによって、大きな回転トルクが得られる。そして、場合(b) では、内側のコイルC10〜C12のみに出力端子P4 〜P6 から出力電流を通電し、回転トルクは小さい。図4(c) では、横軸がトルクT、縦軸が回転数N及び効率Eであり、場合(a),(b) についてのトルク−回転数特性及びトルク−効率Eが示されている。図中、N(a) は場合(a) のトルク−回転数特性直線、E(a) は場合(a) のトルク−効率曲線であり、N(b) は場合(b) のトルク−回転数特性直線、E(b) は場合(b) のトルク−効率曲線である。曲線E(a) と曲線E(b) との交点をXとする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術において、内側と外側に直列に接続されたコイルC10・C13、C11・C14、C12・C15(ステータコイルa)を使う場合(a) と、内側のコイルC10〜C12(ステータコイルb)のみを使う場合(b) とでは、コイルの巻数が異なり、磁気力が異なる。そして、ブラシレスモータの効率はロータの形状により変わるが、従来技術では同一のロータを場合(a) でも場合(b) でも使うため、片方のコイル長さで最大効率となるロータ形状とすると、他方のコイル長さでの効率が低下する。
本発明は、ブラシレスモータにおいて、2つのステータコイルを用いて高い効率をあげることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、モータ本体にステータが配置され、ステータの内側にロータが回転自在に配設され、ステータにステータコイルが内設され、ロータの磁界を検知するための3個の磁気検出素子が配設され、ステータコイルへの通電を制御するブラシレスモータにおいて、
1個のロータに対して2組のステータが軸方向に隣り合わせて配置され、前記2 組のステータにはステータコイルがそれぞれ内設され、2組のステータコイルの双方又は片方に通電することができるようにされ、小トルクの領域では片方のステータコイルにのみ通電され、それ以外の領域では双方のステータコイルに通電されることを第1構成とする。
本発明は、第1構成において、双方のステータコイルを用いた場合のトルク−効率曲線E(A)と片方のステータコイルのみを用いた場合のトルク−効率曲線E(B)を作成し、曲線E(A)と曲線E(B)との交点X以下の小トルクを得たいときは、片方のステータコイルにのみ通電されることを第2構成とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1,2は、本発明のブラシレスモータの実施の形態を示す。図1,2の説明において、図3,4と同一の部材には図3,4と同一の符号を付す。図1に示すように、ブラシレスモータを駆動するためのモータドライバは、出力端子P1 〜P6 の接続先を除き、図3のモータドライバと同様に構成されている。ステータコイルは第1ステータコイル21と第2ステータコイル22の2組(2段)あり、第1ステータコイル21はコイルC1 、C2 、C3 の各一端で共通に接続され、第2ステータコイル22はコイルC4 、C5 、C6 の各一端で共通に接続されている。
そして、出力端子P1 〜P3 はコイルC1 、C2 、C3 の他端にそれぞれ接続され、出力端子P4 〜P6 はC4 、C5 、C6 の他端にそれぞれ接続されている。
【0008】
図2(a),(b) に示すように、モータ本体10にはベアリング11、12を介してシャフト13が回転自在に支持され、シャフト13には円筒形のロータ14が固定されている。ロータ14の円周側面には、磁石(永久磁石)15が円周方向に4極に分割してS極N極と交互に配設され、磁石15の外周とロータ14の外周は同一半径上にある。磁石15を付けたロータ14の半径方向外方でモータ本体10の内部に、ロータ14と所定の間隔をおいて、第1ステータ23及び第2ステータ24の2組のステータが軸方向に隣り合って配設され、2組のステータは1個のロータ14と対抗している。
第1ステータ23は、内部に6個のスロットを持ち、第1ステータコイル21のコイルC1 〜C3 が内設されている。実際には、コイルC1 〜C3 を外側のコイルC1−1 〜C3−1 と内側のコイルC1−2 〜C3−2 とに2分割し、更にコイルC1−1 〜C3−1 ,C1−2 〜C3−2 をそれぞれ2個に分割して、図2(b) に示すように内設されている。同様にして第2ステータ24の6個のスロットには、第2ステータコイル22のコイルC4 〜C6 が内設されている。そして、ロータ14の磁界を検知するために、各相ごとに磁気検知素子X,Y,Zがモータ本体10の内部に取り付けられ、磁気検知素子X,Y,Zの出力は制御回路16にそれぞれ入力される(図1参照)。
【0009】
本発明の実施の形態のブラシレスモータの作動について説明する。第1ステータ23,第2ステータ24の一方又は双方の磁界を回転させることで、ロータ14は回転する。第1ステータ23の回転する磁界は、ロータ14の磁界を磁気素子X,Y,Zにより検知して制御回路16に入力し、制御回路16からの信号をT1 〜T6 の各ベース端子に入力し、第1ステータコイル21のコイルC1 〜C3 に、磁気素子X,Y,Zの検知出力と対応した出力電流を通電することによりつくられる。同様に、第2ステータ24の回転する磁界は、ロータ14の磁界を磁気素子X,Y,Zにより検知して制御回路16に入力し、制御回路16からの信号をT7 〜T12の各ベース端子に入力し、第2ステータコイル22のコイルC4 〜C6 に、磁気素子X,Y,Zの検知出力と対応した出力電流を通電することによりつくられる。
【0010】
図2(c) では、横軸がトルクT、縦軸が回転数N及び効率Eであり、2 組のステータコイル(第1ステータコイル21及び第2ステータコイル22)に通電した場合(A)、及び片方のステータコイルのみ(第1ステータコイル21又は第2ステータコイル22)に通電した場合(B)についてのトルク−回転数特性及びトルク−効率が示されている。図中、N(A)は場合(A)のトルク−回転数特性、E(A)は場合(A)の効率Eを示し、N(B)は場合(B)のトルク−回転数特性、E(B)は場合(B)の効率Eを示す。図2(c) に示されているように、2組のステータコイルを用いた場合のE(A)曲線と、片方(1組)のステータコイルのみを用いた場合のE(B)曲線との各々に最大効率がある。そして、E(A)曲線とE(B)曲線との交点をXとすると、X点以下のトルクの領域では、E(B)曲線の方がE(A)曲線よりも効率が高く、片方のステータコイルのみを使った方が効率が良いことが分かる。そして、X点以上のトルクの領域では、E(A)曲線の方がE(B)曲線よりも効率が高く、2組のステータコイルを使った方が効率が良いことが分かる。
【0011】
図2(c) のE(B)曲線と図4(c) のE(b) 曲線との比較から、本発明は小さいトルクを必要とするとき、片方のステータコイルのみを使うことにより、従来例よりも高効率が得られることが分かる。すなわち、図2(c) の交点X以下のトルクの領域のE(B)曲線とE(A)曲線との差(斜線部の面積)が、図4(c) の交点X以下のトルクの領域のE(b) 曲線とE(a) 曲線との差(斜線部の面積)よりも大きいことからも理解することができる。本発明で高効率が得られる理由は、第1ステータコイル21及び第2ステータコイル22の起磁力に合わせた形状の第1ステータ23及び第2ステータ24を別々につくり、2組のステータコイルを使ったときでも片方のステータコイルを使ったときでも、その高い効率を維持することができることにある。
【0012】
【発明の効果】
本発明のブラシレスモータは、1個のロータに対して2組のステータが軸方向に隣り合わせて配置され、前記2組のステータにはステータコイルがそれぞれ内設され、2組のステータコイルの双方又は片方に通電することができるようにされている。このように2組のステータコイルの起磁力に合わせた形状の2組のステータを別々につくり、2組のステータコイルを使ったときでも片方のステータコイルを使ったときでも、その高い効率を維持することができる。そして、曲線E(A)と曲線E(B)との交点X以下の小トルクの領域では、片方のステータコイルにのみ通電して、従来例よりも相当高い効率をあげることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブラシレスモータの駆動回路図である。
【図2】図2(a) は本発明のブラシレスモータの側断面図であり、図2(b) は図2(a) の断面A−A線での矢印からみた断面図であり、図2(c) は本発明のブラシレスモータのトルク−回転数の関係及びトルク−効率の関係を示す図である。
【図3】従来技術のブラシレスモータの駆動回路図である。
【図4】図4(a) は従来技術のブラシレスモータの側断面図であり、図4(b) は図4(a) の断面B−B線での矢印からみた断面図であり、図4(c) は従来技術のブラシレスモータのトルク−回転数の関係及びトルク−効率の関係を示す図である。
【符号の説明】
14 ロータ
21 第1ステータコイル
22 第2ステータコイル
23 第1ステータ
24 第2ステータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポンプ駆動用などの3相ブラシレスモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特許文献1(特開平4−275054号公報)には、3相のブラシレスモータのステータコイル18(界磁コイル,図3参照)が記載されている。ステータコイル18は、コイルC10、C11、C12の各一端で共通に接続し、コイルC10、C11、C12の他端にそれぞれC13、C14、C15の一端を接続している。ステータコイル18の駆動回路として図3を考えることができ、ステータコイル18を用いるブラシレスモータとして図4(a),(b) が考えられる。図3に示すように、ブラシレスモータを駆動するためのモータドライバは、電源Vccと接地電位GNDとの間に、直列に接続された各2個のパワートランジスタT1 ・T2 、T3 ・T4 、T5 ・T6 、T7 ・T8 、T9 ・T10、T11・T12を6組並列に接続して構成されている。T1 〜T12の各ベース端子が入力端子となって制御回路16に接続され、直列に接続された各2個のパワートランジスタの間の接続部分がそれぞれ出力端子P1 〜P6 となっている。出力端子P1 〜P3 はコイルC13〜C15の他端にそれぞれ接続され、出力端子P4 〜P6 はC10〜C12の他端とC13〜C15の一端との接続点にそれぞれ接続されている。
【0003】
図4(a),(b) に示すように、モータ本体10にはベアリング11、12を介してシャフト13が回転自在に支持され、シャフト13にはロータ(回転子)14が固定され、ロータ14の円周側面には磁石15が配設されている。ロータ14の半径方向外方でモータ本体10の内部にステータ(固定子)17が配置され、ステータ17はロータ14と対抗している。ロータ14の磁界を検知するために、各相ごとに磁気検知素子X,Y,Zがモータ本体10の内部に取り付けられ、磁気検知素子X,Y,Zの出力は制御回路16にそれぞれ入力される(図3参照)。ロータ14の磁極数は4であり、ステータ17のスロット(空間)数は6であり、図4(b) に示すように、6個のスロットにコイルC10〜C15が2つに分割して内設されている。
【0004】
前記従来例では、出力端子P1 〜P3 から出力電流を通電する場合(a) と、出力端子P4 〜P6 から出力電流を通電する場合(b) の2通りの使い方ができる。場合(a) では、直列に接続されたコイルC10・C13、C11・C14、C12・C15に出力端子P1 〜P3 から出力電流を通電することによって、大きな回転トルクが得られる。そして、場合(b) では、内側のコイルC10〜C12のみに出力端子P4 〜P6 から出力電流を通電し、回転トルクは小さい。図4(c) では、横軸がトルクT、縦軸が回転数N及び効率Eであり、場合(a),(b) についてのトルク−回転数特性及びトルク−効率Eが示されている。図中、N(a) は場合(a) のトルク−回転数特性直線、E(a) は場合(a) のトルク−効率曲線であり、N(b) は場合(b) のトルク−回転数特性直線、E(b) は場合(b) のトルク−効率曲線である。曲線E(a) と曲線E(b) との交点をXとする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術において、内側と外側に直列に接続されたコイルC10・C13、C11・C14、C12・C15(ステータコイルa)を使う場合(a) と、内側のコイルC10〜C12(ステータコイルb)のみを使う場合(b) とでは、コイルの巻数が異なり、磁気力が異なる。そして、ブラシレスモータの効率はロータの形状により変わるが、従来技術では同一のロータを場合(a) でも場合(b) でも使うため、片方のコイル長さで最大効率となるロータ形状とすると、他方のコイル長さでの効率が低下する。
本発明は、ブラシレスモータにおいて、2つのステータコイルを用いて高い効率をあげることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、モータ本体にステータが配置され、ステータの内側にロータが回転自在に配設され、ステータにステータコイルが内設され、ロータの磁界を検知するための3個の磁気検出素子が配設され、ステータコイルへの通電を制御するブラシレスモータにおいて、
1個のロータに対して2組のステータが軸方向に隣り合わせて配置され、前記2 組のステータにはステータコイルがそれぞれ内設され、2組のステータコイルの双方又は片方に通電することができるようにされ、小トルクの領域では片方のステータコイルにのみ通電され、それ以外の領域では双方のステータコイルに通電されることを第1構成とする。
本発明は、第1構成において、双方のステータコイルを用いた場合のトルク−効率曲線E(A)と片方のステータコイルのみを用いた場合のトルク−効率曲線E(B)を作成し、曲線E(A)と曲線E(B)との交点X以下の小トルクを得たいときは、片方のステータコイルにのみ通電されることを第2構成とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1,2は、本発明のブラシレスモータの実施の形態を示す。図1,2の説明において、図3,4と同一の部材には図3,4と同一の符号を付す。図1に示すように、ブラシレスモータを駆動するためのモータドライバは、出力端子P1 〜P6 の接続先を除き、図3のモータドライバと同様に構成されている。ステータコイルは第1ステータコイル21と第2ステータコイル22の2組(2段)あり、第1ステータコイル21はコイルC1 、C2 、C3 の各一端で共通に接続され、第2ステータコイル22はコイルC4 、C5 、C6 の各一端で共通に接続されている。
そして、出力端子P1 〜P3 はコイルC1 、C2 、C3 の他端にそれぞれ接続され、出力端子P4 〜P6 はC4 、C5 、C6 の他端にそれぞれ接続されている。
【0008】
図2(a),(b) に示すように、モータ本体10にはベアリング11、12を介してシャフト13が回転自在に支持され、シャフト13には円筒形のロータ14が固定されている。ロータ14の円周側面には、磁石(永久磁石)15が円周方向に4極に分割してS極N極と交互に配設され、磁石15の外周とロータ14の外周は同一半径上にある。磁石15を付けたロータ14の半径方向外方でモータ本体10の内部に、ロータ14と所定の間隔をおいて、第1ステータ23及び第2ステータ24の2組のステータが軸方向に隣り合って配設され、2組のステータは1個のロータ14と対抗している。
第1ステータ23は、内部に6個のスロットを持ち、第1ステータコイル21のコイルC1 〜C3 が内設されている。実際には、コイルC1 〜C3 を外側のコイルC1−1 〜C3−1 と内側のコイルC1−2 〜C3−2 とに2分割し、更にコイルC1−1 〜C3−1 ,C1−2 〜C3−2 をそれぞれ2個に分割して、図2(b) に示すように内設されている。同様にして第2ステータ24の6個のスロットには、第2ステータコイル22のコイルC4 〜C6 が内設されている。そして、ロータ14の磁界を検知するために、各相ごとに磁気検知素子X,Y,Zがモータ本体10の内部に取り付けられ、磁気検知素子X,Y,Zの出力は制御回路16にそれぞれ入力される(図1参照)。
【0009】
本発明の実施の形態のブラシレスモータの作動について説明する。第1ステータ23,第2ステータ24の一方又は双方の磁界を回転させることで、ロータ14は回転する。第1ステータ23の回転する磁界は、ロータ14の磁界を磁気素子X,Y,Zにより検知して制御回路16に入力し、制御回路16からの信号をT1 〜T6 の各ベース端子に入力し、第1ステータコイル21のコイルC1 〜C3 に、磁気素子X,Y,Zの検知出力と対応した出力電流を通電することによりつくられる。同様に、第2ステータ24の回転する磁界は、ロータ14の磁界を磁気素子X,Y,Zにより検知して制御回路16に入力し、制御回路16からの信号をT7 〜T12の各ベース端子に入力し、第2ステータコイル22のコイルC4 〜C6 に、磁気素子X,Y,Zの検知出力と対応した出力電流を通電することによりつくられる。
【0010】
図2(c) では、横軸がトルクT、縦軸が回転数N及び効率Eであり、2 組のステータコイル(第1ステータコイル21及び第2ステータコイル22)に通電した場合(A)、及び片方のステータコイルのみ(第1ステータコイル21又は第2ステータコイル22)に通電した場合(B)についてのトルク−回転数特性及びトルク−効率が示されている。図中、N(A)は場合(A)のトルク−回転数特性、E(A)は場合(A)の効率Eを示し、N(B)は場合(B)のトルク−回転数特性、E(B)は場合(B)の効率Eを示す。図2(c) に示されているように、2組のステータコイルを用いた場合のE(A)曲線と、片方(1組)のステータコイルのみを用いた場合のE(B)曲線との各々に最大効率がある。そして、E(A)曲線とE(B)曲線との交点をXとすると、X点以下のトルクの領域では、E(B)曲線の方がE(A)曲線よりも効率が高く、片方のステータコイルのみを使った方が効率が良いことが分かる。そして、X点以上のトルクの領域では、E(A)曲線の方がE(B)曲線よりも効率が高く、2組のステータコイルを使った方が効率が良いことが分かる。
【0011】
図2(c) のE(B)曲線と図4(c) のE(b) 曲線との比較から、本発明は小さいトルクを必要とするとき、片方のステータコイルのみを使うことにより、従来例よりも高効率が得られることが分かる。すなわち、図2(c) の交点X以下のトルクの領域のE(B)曲線とE(A)曲線との差(斜線部の面積)が、図4(c) の交点X以下のトルクの領域のE(b) 曲線とE(a) 曲線との差(斜線部の面積)よりも大きいことからも理解することができる。本発明で高効率が得られる理由は、第1ステータコイル21及び第2ステータコイル22の起磁力に合わせた形状の第1ステータ23及び第2ステータ24を別々につくり、2組のステータコイルを使ったときでも片方のステータコイルを使ったときでも、その高い効率を維持することができることにある。
【0012】
【発明の効果】
本発明のブラシレスモータは、1個のロータに対して2組のステータが軸方向に隣り合わせて配置され、前記2組のステータにはステータコイルがそれぞれ内設され、2組のステータコイルの双方又は片方に通電することができるようにされている。このように2組のステータコイルの起磁力に合わせた形状の2組のステータを別々につくり、2組のステータコイルを使ったときでも片方のステータコイルを使ったときでも、その高い効率を維持することができる。そして、曲線E(A)と曲線E(B)との交点X以下の小トルクの領域では、片方のステータコイルにのみ通電して、従来例よりも相当高い効率をあげることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブラシレスモータの駆動回路図である。
【図2】図2(a) は本発明のブラシレスモータの側断面図であり、図2(b) は図2(a) の断面A−A線での矢印からみた断面図であり、図2(c) は本発明のブラシレスモータのトルク−回転数の関係及びトルク−効率の関係を示す図である。
【図3】従来技術のブラシレスモータの駆動回路図である。
【図4】図4(a) は従来技術のブラシレスモータの側断面図であり、図4(b) は図4(a) の断面B−B線での矢印からみた断面図であり、図4(c) は従来技術のブラシレスモータのトルク−回転数の関係及びトルク−効率の関係を示す図である。
【符号の説明】
14 ロータ
21 第1ステータコイル
22 第2ステータコイル
23 第1ステータ
24 第2ステータ
Claims (2)
- モータ本体にステータが配置され、ステータの内側にロータが回転自在に配設され、ステータにステータコイルが内設され、ロータの磁界を検知するための3個の磁気検出素子が配設され、ステータコイルへの通電を制御するブラシレスモータにおいて、
1個のロータに対して2組のステータが軸方向に隣り合わせて配置され、前記2組のステータにはステータコイルがそれぞれ内設され、2組のステータコイルの双方又は片方に通電することができるようにされ、小トルクの領域では片方のステータコイルにのみ通電され、それ以外の領域では双方のステータコイルに通電されることを特徴とするブラシレスモータ。 - 双方のステータコイルを用いた場合のトルク−効率曲線E(A)と片方のステータコイルのみを用いた場合のトルク−効率曲線E(B)を作成し、曲線E(A)と曲線E(B)との交点X以下の小トルクを得たいときは、片方のステータコイルにのみ通電される請求項1のブラシレスモータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003135658A JP2004343856A (ja) | 2003-05-14 | 2003-05-14 | ブラシレスモータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003135658A JP2004343856A (ja) | 2003-05-14 | 2003-05-14 | ブラシレスモータ |
Publications (1)
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