JP2004340004A - 内燃機関の燃料噴射時期制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内燃機関の気筒に連通する排気通路(20)と、排気通路に設けられ、リーン運転時に排気中のNOxを吸蔵するとともにリッチ運転を行うことで吸蔵したNOxを放出還元するNOx吸蔵触媒(22)と、リッチ運転にて内燃機関の負荷に応じて気筒内に噴射される燃料の噴射時期を制御する噴射時期制御部(32)とを備えるよう構成する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の燃料噴射時期制御装置に係り、詳しくは、NOx吸蔵触媒に対してリッチ運転を行う内燃機関に適用される内燃機関の燃料噴射時期制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、NOx吸蔵触媒は、排気空燃比が希薄(リーン)のときに排気中のNOx(窒素酸化物)を吸蔵し、排気空燃比が過濃(リッチ)のときに吸蔵したNOxを放出還元(NOxパージ)する吸蔵型のNOx触媒である。
具体的には、酸素過剰状態(酸化雰囲気)において排ガス中のNOxを硝酸塩として吸蔵し、この吸蔵したNOxを一酸化炭素過剰状態(還元雰囲気)で窒素に還元させる特性を有している。そして、内燃機関は、NOx吸蔵量が飽和する前に排気空燃比を理論空燃比又はその近傍値に制御する如くの空気過剰率が低い(λ<1)状態のリッチ運転へ定期的に切り換えるリッチスパイクを行い、NOx吸蔵触媒の再生を図る。これにより、排ガスの浄化が良好に行われる。
【0003】
また、NOx吸蔵触媒には、燃料中のS成分(硫黄成分)の酸化によるSOx(硫黄酸化物)も硫酸塩として堆積されるため、当該堆積したS成分の放出(Sパージ)を行うべく、上記と同様にリッチ運転を定期的に実施してNOx吸蔵触媒の再生を図る。
ここで、前記リッチ運転の条件は、排ガス再循環(EGR)バルブや給気量を調整する給気スロットルを用い、大量EGRを実施することにより作り出されることがある。そして、上記の如きNOx吸蔵触媒におけるNOxの効果的な除去を図る排気浄化装置の技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
当該装置では、リッチ運転時には、燃料の噴射開始から着火までの時間に予混合気を形成する燃料量を増大させている。これにより、リッチ運転時の燃焼室内の燃焼は予混合燃焼が主体になり、黒煙の悪化を防止することができる。
【0005】
【特許文献1】
特許第3079933号公報(段落番号0005〜0032、図14等)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の排気浄化装置では、リッチ運転時には燃料の噴射時期を進角させて燃焼開始前の燃料量の増加を図っている。このように、リッチ運転時に噴射時期を進角させることは一般に知られている。このリッチ運転時には、失火を避けるために燃料の噴射時期を進角させる必要があるからである。
【0007】
しかし、内燃機関の負荷の増加に伴って燃料の噴射時期の進角量を低負荷での進角最適値と同様に大きくさせると、リッチ運転において黒煙が悪化してしまうとの問題がある。換言すれば、上記従来の技術の如くリッチ運転時において、燃料の噴射時期を一律に進角させるのみでは、着火時期が早期化し、燃料噴霧が空気と混合する前に燃料過剰の状態で燃焼することとなり、燃焼されない燃料が増加してリッチ運転時の黒煙及びリーン運転とリッチ運転との移行期間の黒煙がともに悪化し、黒煙の悪化を確実に防止することができず、この点については依然として課題が残されている。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、NOx吸蔵触媒に対してリッチ運転を行うにあたり、黒煙の悪化を確実に防止することができる内燃機関の燃料噴射時期制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するべく、請求項1記載の内燃機関の燃料噴射時期制御装置は、内燃機関の気筒に連通する排気通路と、排気通路に設けられ、リーン運転時に排気中のNOxを吸蔵するとともにリッチ運転を行うことで吸蔵したNOxを放出還元するNOx吸蔵触媒と、リッチ運転時にて内燃機関の負荷に応じて気筒内に噴射される燃料の噴射時期を制御する噴射時期制御部とを備えたことを特徴としている。
【0010】
このように、請求項1記載の発明は、リッチスパイクを行うにあたり、リッチ運転時の黒煙の挙動のみならず、リーン運転とリッチ運転との移行期間の黒煙の挙動をも考慮する必要があることを鑑みてなされたものである。具体的には、内燃機関の負荷が小さい場合に燃料の噴射時期の進角量を小さくさせると、燃焼されない燃料が増加してリッチ運転時にて黒煙が悪化するとともに、リーン運転とリッチ運転との移行期間に黒煙のピーク値が現れ、一方、内燃機関の負荷が大きい場合に燃料の噴射時期の進角量を大きくさせると、着火が早期化することでやはり燃焼されない燃料が増加してリッチ運転時にて黒煙が悪化するとともに、リーン運転とリッチ運転との移行期間に黒煙のピーク値が現れる。つまり、リッチ運転への切り換え時に噴射時期の進角量を一律に大きくさせるのみでは、依然として黒煙の悪化を確実に防止することはできないのである。これは、特に、内燃機関の負荷が大きい場合に顕著になる。
【0011】
したがって、請求項1記載の内燃機関の燃料噴射時期制御装置では、噴射時期制御部が、リッチ運転時においては内燃機関の負荷に応じて噴射時期を制御する、つまり、負荷に応じて噴射時期の緻密な制御を行うので、燃焼されない燃料を減少させて黒煙の悪化が確実に防止される。
また、請求項2記載の発明では、噴射時期制御部は、内燃機関の負荷が低負荷のとき、噴射時期の進角量を大きくすることを特徴としている。
【0012】
このように、噴射時期制御部は、低負荷のとき、換言すれば、燃料噴射量が小さい(EGR率が大きい)ときには、噴射時期の進角量を大きくさせることから、燃焼されない燃料を減少させ、リッチ運転時における黒煙の悪化の防止が可能になるとともに、リーン運転とリッチ運転との移行期間における黒煙のピーク値の抑制が可能になる。そして、安定したNOx浄化率で維持される。
【0013】
さらに、請求項3記載の発明では、噴射時期制御部は、内燃機関の負荷が中負荷のとき、噴射時期の進角量を小さくすることを特徴としている。
このように、噴射時期制御部は、中負荷のとき、換言すれば、燃料噴射量が大きい(EGR率が小さい)ときには、噴射時期の進角量を小さくさせることで燃焼開始前の燃料量を増加することができ、燃焼されない燃料を減少させ、リッチ運転時における黒煙の悪化の防止が可能になるとともに、リーン運転とリッチ運転との移行期間における黒煙のピーク値の抑制が可能になる。そして、安定したNOx浄化率で維持される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料噴射時期制御装置が適用される4気筒のディーゼル機関(以下、単にエンジンという)1を備えたエンジンシステム構成図を示しており、以下図1に基づき本発明に係る内燃機関の燃料噴射時期制御装置の構成を説明する。
【0015】
同図に示すように、エンジン1のシリンダブロック2には、コモンレール型等の燃料噴射装置を有した燃料供給系(図示せず)の他に各気筒4に新気(吸入空気)を導くインテークマニホールド6と、各気筒4からの排出された排ガスを集合させるエキゾーストマニホールド18とが接続されている。
インテークマニホールド6からは吸気通路8が延びており、この吸気通路8の上流側には過給機14が介装され、吸気通路の8の先端部にはエアクリーナ16が接続されている。また、吸気通路8には、給気スロットル10が配設され、さらにインタークーラ12が介装されている。
【0016】
一方、エキゾーストマニホールド18からは排気通路20が延びており、この排気通路20の下流側にはNOx吸蔵触媒22が接続されている。このNOx吸蔵触媒22は、排気空燃比がリーンのときに排気中のNOxを吸蔵し、排気空燃比がリッチ等で排ガス中にHCやCOが存在するときに、吸蔵したNOxを放出還元(NOxパージ)する機能を有しており、このNOx吸蔵触媒は公知の構成のものである。
【0017】
また、エキゾーストマニホールド18からは排気循環通路(EGR通路)24が分岐して延びており、このEGR通路24の先端は、吸気通路8の給気スロットル10の配設位置よりも下流側にて吸気通路8に接続されている。このEGR通路24は、排ガスの一部(EGRガス)を吸気通路8内に再循環させてNOxの排出を抑制させる。EGR通路24には、EGRガスの冷却を図るEGRクーラ26と、電子コントロールユニット(ECU)30に電気的に接続されたEGRバルブ28とが設けられ、EGRバルブ28によってEGR通路24の流路面積が調節される。なお、給気スロットル10もまたECU30に電気的に接続されており、吸気通路8の流路面積が調節されることにより、筒内リッチの際のEGRガス量を調整し、EGR通路24と吸気通路8との合流後の給気量を調整する。
【0018】
エアクリーナ16からの新気は、過給機14を介してインタークーラ12に達し、給気スロットル10で調整された後、EGRガスと合流して給気となってインテークマニホールド6に至り、各気筒4内に導かれる。そして、燃料供給系から供給される燃料の燃焼により、クランク軸及びフライホイール(ともに図示せず)を作動させる。燃焼が終了すると、排ガスはエキゾーストマニホールド18に排出され、NOx吸蔵触媒22に送られる。
【0019】
ECU30の入力側には、エンジン1の運転状態を検出する各種センサが電気的に接続され、ECU30の出力側には、上述の給気スロットル10及びEGRバルブ28等の各種アクチュエータが電気的に接続されている。
上述したように、NOx吸蔵触媒22には、NOxとともに燃料中のS成分の酸化によるSOxも堆積されるため、NOxパージとともにSパージを行うべく、リッチスパイクを定期的に実施してNOx吸蔵触媒の再生を図る必要がある。
【0020】
そこで、ECU30は、酸化雰囲気にて排ガス中のNOxをNOx吸蔵触媒22に吸蔵する一方、リッチ燃焼を行わせるべく空燃比制御を実施する。すなわち、定期的にエンジン1に対して低λ状態とし、NOxパージを行わせる或いはSパージをも行わせてNOx吸蔵触媒22の再生を図っている。
本実施形態におけるリッチ燃焼としては、大量EGRを実施、つまり、EGRバルブ28及び給気スロットル10を用い、不完全燃焼による一酸化炭素の排出を利用する筒内リッチによってリッチ燃焼の条件を作り、この条件が成立すればNOxパージやSパージを行う。
【0021】
ここで、特にECU30には、本発明に係る噴射時期制御部32が設けられている。この噴射時期制御部32では、リッチスパイクを行うにあたり、リッチ運転時の黒煙の挙動のみならず、リーン運転とリッチ運転との移行期間の黒煙の挙動をも考慮する必要があることを鑑み、エンジン1の負荷に応じて気筒4内に噴射される燃料の噴射時期を制御すべく各種アクチュエータに信号を出力している。
【0022】
図2は、上記燃料噴射時期制御装置による噴射時期制御を説明する図であり、空気過剰率λをリッチ側(λ=約1.1)で一定にした状態を示したものである。
図示のように、エンジン1の負荷が小さい(燃料噴射量が小さい)場合には、EGR率が大きくなる。この場合において、図中一点鎖線で示される如く、燃料の噴射時期の進角量を小さくさせたままでは、燃焼されない燃料が増加し、このリッチ状態にて黒煙が悪化することが分かる。一方、噴射時期の進角量を小さくさせたまま、エンジン1の負荷が大きく(燃料噴射量が大きく)なれば、黒煙の悪化が徐々に防止されることも分かる。
【0023】
これに対し、エンジン1の負荷が大きい(燃料噴射量が大きい)場合には、EGR率が小さくなる。この場合において、図中破線で示される如く、燃料の噴射時期の進角量を大きくさせたままでは、燃焼されない燃料が右肩上がりに増加し、このリッチ状態にて黒煙の悪化も右肩上がりになって、黒煙が非常に悪化することが分かる。一方、噴射時期の進角量を大きくさせたまま、エンジン1の負荷が小さく(燃料噴射量が小さく)なれば、黒煙の悪化が徐々に防止されることも分かる。
【0024】
つまり、リッチ運転時においては、燃料の噴射時期の進角量を小さくすればエンジン1の負荷が大きい場合における黒煙の悪化が防止されること、及び噴射時期の進角量を大きくすればエンジン1の負荷が小さい場合における黒煙の悪化が防止されることを導出できる。
なお、本実施形態におけるエンジン1の負荷が小さい場合とは、高負荷の約20〜30%に相当する低程度の負荷(低負荷)を意味し、エンジン1の負荷が大きい場合とは高負荷の約30〜40%に相当する中程度の負荷(中負荷)を意味する。また、噴射時期制御部32による噴射時期の進角量が小さくされる程度は、失火限界を考慮して設定されている。
【0025】
次に、図3は、上記燃料噴射時期制御装置による噴射時期制御を説明する図であり、リーン運転とリッチ運転との移行期間について示したものである。
同図(a)に示すように、エンジン1の負荷が小さい(燃料噴射量が小さい)場合には、リッチ側になるに連れてEGR率がより大きくなる。そして、この場合において、図中一点鎖線で示される如く、燃料の噴射時期の進角量を小さくさせたままでは、燃焼されない燃料が増加し、リーン運転とリッチ運転との移行期間、特にλが約1.1となる地点を横切ると、黒煙の大きなピーク値が現れることが分かる。
【0026】
これに対し、同図(b)に示すように、エンジン1の負荷が大きい(燃料噴射量が大きい)場合には、リッチ側になるに連れてEGR率が大きくなる。そして、この場合において、図中破線で示される如く、燃料の噴射時期の進角量を大きくさせたままでは、リーン運転とリッチ運転との移行期間、特にλが約1.1となる地点を横切ると、やはり燃焼されない燃料が増加し、黒煙の非常に大きなピーク値が現れることが分かる。
【0027】
つまり、リーン運転とリッチ運転との移行期間においては、エンジン1の負荷が小さい場合に燃料の噴射時期の進角量を小さくしたままでは、黒煙のピーク値が現れてしまうこと、及びエンジン1の負荷が大きい場合に噴射時期の進角量を大きくしたままでは、黒煙の大きなピーク値が現れてしまうことが導出できる。
したがって、本実施形態の噴射時期制御部32は、上述の考察に基づいて、リッチスパイクを行うにあたっては、エンジン1の負荷に応じて噴射時期の進角の度合を変化させている。すなわち、エンジン1の負荷が小さい(低負荷)場合には燃料の噴射時期の進角量を大きくし、エンジン1の負荷が大きい(中負荷)場合には燃料の噴射時期の進角量を小さくしている。
【0028】
より具体的には、噴射時期制御部32では、図2にて実線で示される如く、エンジン1の負荷が小さい(燃料噴射量が小さい)場合には、まず噴射時期の進角量を大きく設定して一定とし、次いで、エンジン1の負荷が大きく(燃料噴射量が大きく)なるに連れて噴射時期の進角量を徐々に小さくなるよう設定している。
【0029】
これにより、噴射時期制御部32では、図2にて実線で示されるように、エンジン1の負荷が小さい(燃料噴射量が小さい)場合からエンジン1の負荷が大きい(燃料噴射量が大きい)場合に亘ってリッチ運転時における黒煙の悪化を確実に防止することができる。
また、噴射時期制御部32では、図3(a)にて実線で示されるように、エンジン1の負荷が小さい(燃料噴射量が小さい)場合には、燃料の噴射時期の進角量を大きくしているので、リーン運転とリッチ運転との移行期間における黒煙のピーク値を確実に抑制することができるとともに、図3(b)にて実線で示されるように、エンジン1の負荷が大きい(燃料噴射量が大きい)場合には、燃料の噴射時期の進角量を小さくしているので、リーン運転とリッチ運転との移行期間おける黒煙のピーク値も確実に抑制することができる。このエンジン1の負荷が大きい場合に抑制された黒煙のピーク値の大きさは、同図にて破線で示す如くの噴射時期の進角量を一律に大きくさせた場合に比して特に小さくされていることが分かる。
【0030】
そして、噴射時期制御部32によって、燃焼されない燃料を減少させ、リッチスパイクを行う場合の黒煙の悪化防止が確実に図られていることから、NOx吸蔵触媒22によるNOx浄化率が安定し、かつ、その浄化率が維持される。
以上で本発明の一実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
【0031】
例えば、エンジンとしてはディーゼル機関が好ましいが、これに限定されるものではなく、本発明の内燃機関の燃料噴射時期制御装置は、排気通路にNOx吸蔵触媒を備え、リッチ運転可能な全てのエンジンシステムに適用させることができる。
【0032】
【発明の効果】
以上の説明から理解できるように、請求項1記載の本発明の内燃機関の燃料噴射時期制御装置によれば、リッチスパイクを行うにあたり、リッチ運転時の黒煙の挙動のみならず、リーン運転とリッチ運転との移行期間の黒煙の挙動をも考慮する必要があることを鑑み、すなわち、内燃機関の負荷が小さい場合には燃料の噴射時期の進角量を小さくさせると、燃焼されない燃料が増加してリッチ運転時にて黒煙が悪化するとともに、リーン運転とリッチ運転との移行期間に黒煙のピーク値が現れ、一方、内燃機関の負荷が大きい場合には燃料の噴射時期の進角量を大きくさせると、着火が早期化することでやはり燃焼されない燃料が増加してリッチ運転時にて黒煙が悪化するとともに、リーン運転とリッチ運転との移行期間に黒煙のピーク値が現れることから、リッチ運転への切り換え時に噴射時期の進角量を一律に大きくさせるのみでは、依然として黒煙の悪化を確実に防止することはできず、特に、内燃機関の負荷が大きい場合に顕著になる問題を解決している。
【0033】
すなわち、噴射時期制御部では、リッチ運転時においては内燃機関の負荷に応じて噴射時期を制御する、つまり、負荷に応じて噴射時期の緻密な制御を行うので、燃焼されない燃料を減少させて黒煙の悪化を確実に防止することができる。
また、請求項2記載の発明によれば、噴射時期制御部は、低負荷のとき、換言すれば、燃料噴射量が小さい(EGR率が大きい)ときには、噴射時期の進角量を大きくさせることから、燃焼されない燃料を減少させ、リッチ運転時における黒煙の悪化を防止することができるとともに、リーン運転とリッチ運転との移行期間における黒煙のピーク値を抑制することができる。そして、安定したNOx浄化率を維持することができる。
【0034】
さらに、請求項3記載の発明によれば、噴射時期制御部は、中負荷のとき、換言すれば、燃料噴射量が大きい(EGR率が小さい)ときには、噴射時期の進角量を小さくさせることで燃焼開始前の燃料量を増加することができ、燃焼されない燃料を減少させ、リッチ運転時における黒煙の悪化を防止することができるとともに、リーン運転とリッチ運転との移行期間における黒煙のピーク値を抑制することができる。そして、安定したNOx浄化率を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る内燃機関の燃料噴射時期制御装置が適用されるエンジンの構成図である。
【図2】図1の燃料噴射時期制御装置による噴射時期制御を説明する図であって、空気過剰率λをリッチ側(λ=約1.1)で一定にした状態を示す図である。
【図3】図1の燃料噴射時期制御装置による噴射時期制御を説明する図であって、リーン運転とリッチ運転との移行期間を示す図である。
【符号の説明】
1 内燃機関
2 気筒
20 排気通路
22 NOx吸蔵触媒
30 電子コントロールユニット(ECU)
32 噴射時期制御部
Claims (3)
- 内燃機関の気筒に連通する排気通路と、
該排気通路に設けられ、リーン運転時に排気中のNOxを吸蔵するとともにリッチ運転を行うことで該吸蔵したNOxを放出還元するNOx吸蔵触媒と、
前記リッチ運転にて前記内燃機関の負荷に応じて前記気筒内に噴射される燃料の噴射時期を制御する噴射時期制御部と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射時期制御装置。 - 前記噴射時期制御部は、前記内燃機関の負荷が低負荷のとき、前記噴射時期の進角量を大きくすることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃料噴射時期制御装置。
- 前記噴射時期制御部は、前記内燃機関の負荷が中負荷のとき、前記噴射時期の進角量を小さくすることを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の燃料噴射時期制御装置。
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WO2014024274A1 (ja) * | 2012-08-08 | 2014-02-13 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の排気浄化装置 |
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