JP2004337709A - 液滴吐出装置、カラーフィルター製造装置、カラーフィルター及びその製造方法、液晶装置、電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】液滴吐出ヘッドのメンテナンスコストを低減するとともに、液滴吐出ヘッドの復活、延命を図れる液滴吐出装置、これを用いたカラーフィルター製造装置、カラーフィルター及びその製造方法、液晶装置、電子機器を提供する。
【解決手段】被処理基材上にパターン形成用材料を含有する液状体を吐出して所望形状のパターンを形成する液滴吐出装置であって、被処理基材の流れ方向と交差する方向に配列された複数の液滴吐出ヘッド34と、液滴吐出ヘッド34を所定個数ずつ補修するメンテナンスユニット100、110、120と、上記パターンを検査する検査部64と、上記各ユニット100、110、120を制御する制御部150と、を備え、上記各ユニットが液滴吐出ヘッド34に対して移動可能に配置され、制御部150は、検査部64の出力に基づき、上記各ユニットが液滴吐出ヘッド34を補修するように制御することを特徴とする。
【選択図】 図6
【解決手段】被処理基材上にパターン形成用材料を含有する液状体を吐出して所望形状のパターンを形成する液滴吐出装置であって、被処理基材の流れ方向と交差する方向に配列された複数の液滴吐出ヘッド34と、液滴吐出ヘッド34を所定個数ずつ補修するメンテナンスユニット100、110、120と、上記パターンを検査する検査部64と、上記各ユニット100、110、120を制御する制御部150と、を備え、上記各ユニットが液滴吐出ヘッド34に対して移動可能に配置され、制御部150は、検査部64の出力に基づき、上記各ユニットが液滴吐出ヘッド34を補修するように制御することを特徴とする。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液滴吐出装置、カラーフィルター製造装置、カラーフィルター及びその製造方法、液晶装置、電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータディスプレイや大型テレビジョン等の電子機器の発達に伴い、液晶表示装置、特にカラー液晶表示装置の使用が増加している。この種の液晶表示装置には、通常、表示画像をカラー化するためにカラーフィルターが用いられている。カラーフィルターには、例えばガラス基板に対してR(赤)、G(緑)、B(青)のインクを所定のパターンで吐出させ、このインクを基板上で乾燥させることで着色層を形成するものがある。このような基板に対してインクを吐出する方式としては、例えばインクジェット方式の液滴吐出装置が採用されている。
【0003】
インクジェット方式の液滴吐出装置を採用した場合、インクジェットヘッドからガラス基板に対して所定量のインクを吐出して着弾させる。この場合、例えば直交する2方向(X方向、Y方向)に移動可能、および任意の回転軸を中心として回転可能とされたXYθステージにガラス基板を搭載し、インクジェットヘッドを固定したタイプの装置を用いることができる。このタイプの装置は、XYθステージの駆動によりインクジェットヘッドに対してガラス基板を所定の位置に位置決めした後、ガラス基板をX方向、Y方向に走査しながらインクジェットヘッドからインクを吐出することで、ガラス基板の所定の位置にインクを着弾させる構成となっている。
【0004】
この種の液滴吐出装置の例が、下記の特許文献1に開示されている。この文献に開示された液滴吐出装置は、ベースと、液滴を吐出するインクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)と、インクジェットヘッドとガラス基板とを相対移動可能とする第1の移動手段および第2の移動手段と、インクジェットヘッドをキャッピングやワイピングなどのメンテナンスをするクリーニングユニットと、コントローラなどを有している。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−248926号公報 (第8頁、第2図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の液滴吐出装置においては、描画されたパターンに描画漏れなどの不具合が発見されると、全ての液滴吐出ヘッドを一斉にキャッピング、ワイピングするメンテナンスをしていた。しかしながら、詰まり、飛行曲がりなどの不具合を起こした液滴吐出ヘッドのノズルの数は多くても数個単位であるため、上述したメンテナンスにおいては、メンテナンスする必要のない液滴吐出ヘッドまでメンテナンスしていた。
そのため、メンテナンスする必要のない液滴吐出ヘッドをメンテナンスすることによりインクが無駄に廃棄されたり、ワイピングクロスが無駄に消費されたりしていた。
【0007】
また、複数の液滴吐出ヘッドを同時にキャッピングするため、その吸引力は各液滴吐出ヘッドに分散され弱くなる。さらに、液滴吐出ヘッドの詰まったノズルと詰まっていないノズルとでは、詰まっていないノズルの方がインクが流れやすく、詰まったノズルの吸引力がさらに弱くなる。つまり、メンテナンスの確実性が低下する恐れがあるという問題があった。
【0008】
液滴吐出ヘッドを吸引用キャッピングユニット、ワイピングユニットのところまで移動させてメンテナンスを行っていた。しかしながら、メンテナンス終了後に液滴吐出ヘッドが元の位置に移動する際に、移動による振動で液滴吐出ヘッドのノズル内のインクの表面形状であるメニスカスが乱れる恐れがあった。メニスカスが乱れるとインクの着弾位置も乱れ、所望のパターンを描画できなくなる恐れがあり、再度ワイピングを行ってメニスカスの形状を整える必要が発生するという問題があった。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、液滴吐出ヘッドのメンテナンス時に廃棄されるインク量、消費されるワイピングクロス量を低減してメンテナンスコストを低減するとともに、液滴吐出ヘッドの復活、延命を図ることができる液滴吐出装置、これを用いたカラーフィルター製造装置、カラーフィルター及びその製造方法、液晶装置、電子機器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の液滴吐出装置は、被処理基材上にパターン形成用材料を含有する液状体を吐出することにより所望形状のパターンを形成する液滴吐出装置であって、被処理基材の流れ方向と交差する方向に配列された複数の液滴吐出ヘッドと、液滴吐出ヘッドを所定個数ずつメンテナンスするメンテナンスユニットと、被処理基材上に形成されたパターンの形成不良を検出する検査部と、メンテナンスユニットを駆動制御する制御部と、を備え、メンテナンスユニットが液滴吐出ヘッドに対して移動可能に配置され、制御部は、検査部の出力に基づき、メンテナンスユニットがパターンの形成不良に対応する液滴吐出ヘッドをメンテナンスするように制御することを特徴とする。
【0011】
すなわち、本発明の液滴吐出装置は、まず、検査部が検知したパターン形成不良の情報に基づき、制御部が対応する液滴吐出ヘッドを割り出している。そして、制御部はメンテナンスユニットを上記液滴吐出ヘッドに移動させ、上記液滴吐出ヘッドをメンテナンスユニットによりメンテナンスさせている。
従来の液滴吐出装置では、メンテナンスの際には、正常な液滴吐出ヘッドまでメンテナンスしていたので、その分のコストが無駄にかかっていた。しかし、本発明の液滴吐出装置では、パターン形成不良の場所に対応した液滴吐出ヘッドのみをメンテナンスしている。そのため、メンテナンスにかかるコストを低減することができる。
【0012】
また、液滴吐出ヘッドをメンテナンスユニットにより所定個数ずつメンテナンスするので、従来の液滴吐出装置と比較して、より確実にメンテナンスすることができる。そのため、液滴吐出ヘッドを復活させやすくなり、その寿命が長くなって交換頻度を少なくすることができる。
【0013】
メンテナンスユニットが移動して液滴吐出ヘッドをメンテナンスしているので、液滴吐出ヘッドを動かさないでメンテナンスをすることができる。そのため、液滴吐出ヘッド内の液状体の表面形状(以後、メニスカスと表記)が、液滴吐出ヘッドの移動により乱れることがない。つまり、従来の液滴吐出装置で行われていたメニスカスを整えるための作業を行う必要がなく、メンテナンスにかかるコストを低減することができる。
【0014】
上記の構成を実現するために、より具体的には、上記メンテナンスユニットが、液滴吐出ヘッドをキャップし、液滴吐出ヘッド内に詰まった異物を吸引する吸引用キャッピングユニットであることが望ましい。
この構成によれば、液滴吐出ヘッド1つ1つについてキャッピングして異物を吸引することができる。そのため、吸引され廃棄される液体の量を、従来の全ての液滴吐出ヘッドを吸引するする方法よりも大幅に少なくすることができる。
また、異物を吸引する力についてみると、従来の方法では全てを同時に吸引するため、1つの液滴吐出ヘッド当たりの吸引力が分散され小さくなっていた。しかし、液滴吐出ヘッドを1つ1つ吸引する本発明は、従来よりも吸引力が大きくなり、異物を吸引して取り除く確率が高くなる。
【0015】
上記の構成を実現するために、より具体的には、上記メンテナンスユニットが、液滴吐出ヘッドの液滴吐出部およびその周囲をクリーニングするワイピングユニットであることが望ましい。
この構成によれば、液滴吐出ヘッド1つ1つについてワイピングしてその液滴吐出部およびその周囲をクリーニングすることができる。従来の全ての液滴吐出ヘッドをワイピングする方法よりも確実に液滴吐出部およびその周囲をワイピングすることができる。
【0016】
上記の構成を実現するために、より具体的には、ワイピングユニットが、ワイピングクロスを備え、ワイピングクロスが、液滴吐出部およびその周囲を摺動することによりクリーニングしても良い。
この構成によれば、液滴吐出ヘッド1つ1つについて、ワイピングクロスが、液滴吐出部およびその周囲を摺動することによりクリーニングしている。このワイピングクロスの寸法が、1つの液滴吐出ヘッドをクリーニングできる寸法でよいため、従来のワイピングクロスの寸法よりも大幅に小さくすることができる。
【0017】
上記の構成を実現するために、より具体的には、ワイピングユニットが、弾性を有した材料からなる板状部材を備え、板状部材が、液滴吐出部およびその周囲を摺動することによりクリーニングしてもよい。
この構成によれば、液滴吐出ヘッド1つ1つについて、板状部材が、液滴吐出部およびその周囲を摺動することによりクリーニングしている。従来の全ての液滴吐出ヘッドをワイピングする方法では、幾つかの液滴吐出ヘッドと板状部材との接触が不十分となりクリーニングされない恐れがあった。しかし、液滴ヘッド1つ1つをワイピングする本発明では、確実に液滴吐出部およびその周囲を摺動しクリーニングすることができる。
【0018】
上記の構成を実現するために、より具体的には、メンテナンスユニットが、上記本発明の吸引用キャッピングユニット、および上記本発明のワイピングユニットのうち、いずれか2以上のユニットを備えてもよい。
この構成によれば、液滴吐出ヘッドの状態に応じて上記ユニットを使い分けることができ、また、各ユニットが同時に別々の液滴吐出ヘッドをメンテナンスすることができる。そのため、確実かつ短時間に液滴吐出ヘッドのメンテナンスを行うことができる。
【0019】
上記の構成を実現するために、より具体的には、液滴吐出ヘッドを検査する液滴吐出ヘッド検査ユニットを備え、液滴吐出ヘッド検査ユニットが、液滴吐出ヘッドに対して移動可能に配置され、制御部が、検査部の出力に基づき、液滴吐出ヘッド検査ユニットがパターンの形成不良に対応する液滴吐出ヘッドを検査するように制御してもよい。
この構成によれば、液滴吐出ヘッド検査ユニットがパターンの形成不良に対応する液滴吐出ヘッドを検査することができる。つまり、制御部が割り出したパターンの形成不良に対応する液滴吐出ヘッドが、本当にパターンの形成不良に対応するのか確認することができる。そのため、正常な液滴吐出ヘッドをメンテナンスすることを防ぐことができ、メンテナンスのコストを低減することができる。
【0020】
上記の構成を実現するために、より具体的には、液滴吐出ヘッド検査ユニットが、液滴吐出ヘッドから液滴が吐出されることを検査する飛行観測ユニットであってもよい。
この構成によれば、液滴吐出ヘッドから液滴が吐出されるか否かを確認することができる。そのため、正常な液滴吐出ヘッドをメンテナンスすることを防ぐことができ、メンテナンスのコストを低減することができる。
【0021】
上記の構成を実現するために、より具体的には、飛行観測ユニットが、液滴を撮影する第1の撮影手段と、間欠点灯可能な照明手段とを備え、照明手段を間欠点灯させて、液滴の飛行軌跡を第1の撮影手段により観測してもよい。
この構成によれば、液滴の飛行軌跡を観測することができるため、液滴吐出ヘッドから液滴が吐出されるか否かを確認するだけでなく、液滴の飛行曲がりを確認することもできる。
そのため、液滴吐出ヘッドのメンテナンスに適したメンテナンスユニットを選択することができ、より確実にメンテナンスできてメンテナンスのコストを低減することができる。
【0022】
上記の構成を実現するために、より具体的には、飛行観測ユニットが、光を照射する光照射手段と、光照射手段から照射された光を検知する光検知手段とを備え、吐出された液滴が、光照射手段から照射された光を遮るか否かを光検知手段により検知してもよい。
この構成によれば、吐出された液滴が、光照射手段から照射された光を遮るか否かを光検知手段により検知することにより、液滴吐出ヘッドから液滴が吐出されるか否かを確認することができる。そのため、正常な液滴吐出ヘッドをメンテナンスすることを防ぐことができ、メンテナンスのコストを低減することができる。
【0023】
上記の構成を実現するために、より具体的には、液滴吐出ヘッド検査ユニットが、液滴吐出ヘッドの液滴吐出部およびその周囲を観測する吐出部観測ユニットであってもよい。より望ましくは、吐出部観測ユニットが、液滴吐出部およびその周囲を液滴の吐出方向から観測する第2の撮影手段を備えていてもよい。
この構成によれば、液滴吐出ヘッドの液滴吐出部およびその周囲を観測することができ、液滴吐出部およびその周囲に付着した異物などを確認することができる。そのため、液滴吐出ヘッドのメンテナンスに適したメンテナンスユニットを選択することができ、より確実にメンテナンスできてメンテナンスのコストを低減することができる。
特に、液滴の吐出方向から液滴吐出部およびその周囲を第2の撮影手段で観測すると、異物の確認が行いやすい。
【0024】
上記の構成を実現するために、より具体的には、液滴吐出ヘッド検査ユニットが、上記本発明の飛行観測ユニット、および上記本発明の吐出部観測ユニットのうち、いずれか2以上のユニットを備えていてもよい。
この構成によれば、2以上の上記ユニットを用いて液滴吐出ヘッドを調べることができるため、液滴吐出ヘッドの状態をより詳しく知ることができる。そのため、液滴吐出ヘッドの状態に応じてメンテナンスユニットを使い分けることができ、より確実に液滴吐出ヘッドのメンテナンスを行うことができる。
【0025】
本発明のカラーフィルター製造装置は、異なる色の着色層を備えたカラーフィルターを製造するカラーフィルター製造装置であって、上記本発明の液滴吐出装置が複数備えられ、各液滴吐出装置で用いる前記液状体がそれぞれ異なる色の色素を含み、各液滴吐出装置が異なる色の着色層をそれぞれ形成することを特徴とする。
すなわち、本発明のカラーフィルター製造装置は、異なる色の着色層、例えばR、G、Bの着色層をそれぞれ形成する複数の液滴吐出装置を備え、この液滴吐出装置が上記本発明の液滴吐出装置で構成されたものである。この構成によれば、メンテナンスコスト低減を図ることができるカラーフィルター製造装置を実現することができる。
【0026】
本発明のカラーフィルターの製造方法は、異なる色の着色層を備えたカラーフィルターの製造方法であって、上記本発明のカラーフィルター製造装置を用いて前記着色層を形成することを特徴とする。
この構成によれば、メンテナンスコスト低減を図りながらカラーフィルターを製造することが可能となり、製造コスト低減を図ることができる。
【0027】
本発明のカラーフィルターは、異なる色の着色層を備えたカラーフィルターであって、上記本発明のカラーフィルターの製造方法により製造されたことを特徴とする。
この構成によれば、安価で品質の良いカラーフィルターを提供することができる。
【0028】
本発明の液晶装置は、一対の基板間に液晶が挟持された液晶装置であって、上記本発明のカラーフィルターを備えたことを特徴とする。
この構成によれば、安価で品質の良いカラー液晶表示装置を提供することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図1から図10を参照して説明する。
図1は本実施形態のカラーフィルター製造装置の概略構成図であり、R、G、Bの3色の着色層を備えたカラーフィルターを製造するための装置である。
本実施形態のカラーフィルター製造装置1は、図1に示すように、上流側からインク受容層形成装置2、R着色層形成装置3、G着色層形成装置4、B着色層形成装置5、本焼成装置6が配置され、これらの装置が任意の搬送装置(図示略)を介して連結されたものである。このカラーフィルター製造装置1には、R、G、Bの各着色層のパターンを区画する隔壁(バンクとも言う)が形成されたガラス、プラスチック等からなる透明基板(被処理基材)が供給される。インク受容層形成装置2は、隔壁で区画された領域内に樹脂組成物からなるインク受容層を下地層として形成するための装置である。R着色層形成装置3、G着色層形成装置4、B着色層形成装置5は、それぞれ後で着色層となるR、G、Bのインクからなる液状体を塗布するための装置である。本焼成装置6は、塗布後のR、G、Bのインクからなる液状体を一括して加熱、焼成するための装置である。これらの装置のうち、インク受容層形成装置2、R着色層形成装置3、G着色層形成装置4、B着色層形成装置5の4台には、本発明の液滴吐出装置(インクジェット装置)が用いられている。
【0030】
図2は、本実施形態のカラーフィルター製造装置1の要部である液滴吐出装置の部分のみを示す概略構成斜視図である。液滴吐出装置が用いられるインク受容層形成装置2、R着色層形成装置3、G着色層形成装置4、B着色層形成装置5の基本構成は全て同様であるため、ここではR着色層形成装置3を一例として説明する。
R着色層形成装置3は、図2に示すように、上流側から下流側(図2における右側から左側)に向けて給材部61、表面改質部62、描画部63、検査部64、仮焼成部65、除材部66が備えられている。大まかな処理の流れとしては、給材部61から供給された描画前の基板に対し、表面改質部62において親液処理、撥液処理が施され、描画部63において隔壁で区画された所定の領域にRのインクが吐出、描画される。次いで、検査部64において描画状態が検査され、仮焼成部65でインクの仮焼成が施された後、描画後の基板が除材部66により排出される。本装置において、これら各部は基板の流れ方向に沿って直線状に配置されている。なお、本装置は大型の基板を処理可能な大規模な装置であるため、作業者が後述するヘッドユニットのメンテナンスを行うための通路67が設けられている。給材部61および除材部66は任意の基板搬送手段で構成することができ、例えばローラコンベア、ベルトコンベア等が用いられる。表面改質部62は、プラズマ処理室を備えており、親液処理としては大気雰囲気中で酸素を反応ガスとするプラズマ処理(O2プラズマ処理)が行われ、基板の表面及び隔壁の側面が親液化される。撥液処理としては大気雰囲気中でテトラフルオロメタン(四フッ化炭素)を反応ガスとするプラズマ処理(CF4プラズマ処理)が行われ、隔壁の上面が撥液化される。
【0031】
図3は、描画部63の近傍のみを示す概略構成斜視図である。描画部63は、図3に示すように、一方向に移動可能なステージ70上に基板Sを吸着保持し、その状態で基板Sを一方向(図3における右側から左側)に搬送する構成となっており、基板Sの搬送方向と直交して延びるヘッドユニット71が装置本体に架設されている。すなわち、本実施形態の液滴吐出装置72は、液滴吐出ヘッド側が移動せず、基板側のみが移動する構成である。ヘッドユニット71は、基板Sの搬送方向と直交する方向に配列された複数個の液滴吐出ヘッド34が固定された大型基準プレート74を備えている。図4(a)は、大型基準プレート74を液滴吐出ヘッド34のノズル側から見た斜視図、図4(b)は1個の液滴吐出ヘッド34の拡大図(図4(a)の符号Hの円内の拡大図)である。これらの図に示すように、1枚の小型基準プレート73に対して1個の液滴吐出ヘッド34が固定され、1枚の大型基準プレート74に対してヘッドの個数分の小型基準プレート73が固定されている。本実施形態の場合、複数個の液滴吐出ヘッド34は複数個ずつ3列に配列されており、各列間で大型基準プレート74の長手方向にずれた位置に配置されている。また、各液滴吐出ヘッド34は、複数のノズル(液滴吐出部、図4では図示せず)18を有している。この構成により、このヘッドユニット71は、大型基準プレート74の長手方向、すなわち基板Sの搬送方向と直交する方向で例えば数mという長い寸法にわたって所定のピッチでインク滴を吐出可能となっている。そして、液滴吐出ヘッド34の配列方向と直交する方向に基板Sを搬送しつつインク滴を吐出することで、基板Sの全面にわたって所望のパターン形状でRのインクを描画することができる。また、図3における符号76はインクタンクである。インクタンク76はインクを貯留するものであり、配管(図示せず)を介してインクを液滴吐出ヘッド34に供給するものとなっている。
【0032】
液滴吐出ヘッド34は、例えばピエゾ素子によって液室を圧縮してその圧力波で液体を吐出させるもので、上述したように、一列または複数列に配列された複数のノズルを有している。この液滴吐出ヘッド34の構造の一例を説明すると、液滴吐出ヘッド34は、図5(a)に示すように、例えばステンレス製のノズルプレート12と振動板13とを備え、両者を仕切部材(リザーバプレート)14を介して接合したものである。ノズルプレート12と振動板13との間には、仕切部材14によって複数の空間15と液溜まり16とが形成されている。各空間15と液溜まり16の内部はインクで満たされており、各空間15と液溜まり16とは供給口17を介して連通したものとなっている。また、ノズルプレート12には、空間15からインクを噴射するためのノズル18が形成されている。一方、振動板13には、液溜まり16にインクを供給するための孔19が形成されている。
【0033】
また、振動板13の空間15に対向する面と反対側の面上には、図5(b)に示すように、圧電素子(ピエゾ素子)20が接合されている。この圧電素子20は、一対の電極21の間に位置し、通電するとこれが外側に突出するようにして撓曲するよう構成されたものである。そして、このような構成のもとに圧電素子20が接合されている振動板13は、圧電素子20と一体になって同時に外側へ撓曲するようになっており、これによって空間15の容積が増大するようになっている。したがって、空間15内に増大した容積分に相当するインクが、液溜まり16から供給口17を介して流入する。また、このような状態から圧電素子20への通電を解除すると、圧電素子20と振動板13はともに元の形状に戻る。したがって、空間15も元の容積に戻ることから、空間15内部のインクの圧力が上昇し、ノズル18から基板に向けてインクの液滴Lが吐出される。
なお、液滴吐出ヘッドのインクジェット方式としては、前記の圧電素子20を用いたピエゾジェットタイプ以外の方式でもよく、例えば、エネルギー発生素子として電気熱変換体を用いた方式を採用してもよい。
【0034】
図3に示すように、ヘッドユニット71の基材搬送方向の上流側には、吸引用キャッピングユニット(メンテナンスユニット)100と、第1のワイピングユニット(メンテナンスユニット)110と、第2のワイピングユニット(メンテナンスユニット)120と、飛行観測ユニット(液滴吐出ヘッド検査ユニット)130と、ノズル検査ユニット(液滴吐出ヘッド検査ユニット)140とが設けられている。これら吸引用キャッピングユニット100と、第1のワイピングユニット110と、第2のワイピングユニット120と、飛行観測ユニット130と、ノズル検査ユニット140とは、基材搬送方向およびその直交方向に移動可能に設けられるとともに、互いに独立して移動可能に設けられている。なお、これらのユニットは、ヘッドユニット71の基材搬送方向の上流側に設ける代わりに下流側に設けることもできる。
さらに、図6に示すように、前述した検査部64の出力に基づいて吸引用キャッピングユニット100と、第1のワイピングユニット110と、第2のワイピングユニット120と、飛行観測ユニット130と、ノズル検査ユニット140とを制御する制御部150が設けられている。
【0035】
吸引用キャッピングユニット100は、液滴吐出ヘッド34が詰まり等により吐出不良を起こした時に、その液滴吐出ヘッド34を1つずつ吸引して吐出不良を修復するものである。その構成としては、図5および図6に示すように、1つの液滴吐出ヘッド34に設けられたノズル18を覆う寸法に形成されたキャッピング部101と、キャッピング部101に設けられノズル18を吸引する吸引部(図示せず)とを備えている。
【0036】
第1のワイピングユニット110と、第2のワイピングユニット120とは、液滴吐出ヘッド34が詰まり等により吐出不良を起こした時に、その液滴吐出ヘッド34を1つずつワイピングすることでクリーニングし、吐出不良を修復するものである。
第1のワイピングユニット110は、図6および図7に示すように、1つの液滴吐出ヘッド34に設けられたノズル周辺部をワイピングするワイピングクロス111と、ワイピングクロス111を洗浄液で湿らせる滴下部112とを備えている。ワイピングクロス111は帯状の布からなり、その長手方向が基材搬送方向と略直交するように配置されている。また、その基材搬送方向の寸法は、液滴吐出ヘッド34のノズル18が設けられた面の基材搬送方向の寸法と略一致するように形成されている。ワイピングクロス111の長手方向の両端は、巻かれていて一方から他方に向かって巻き取られることにより液滴吐出ヘッド34をワイピングしている。なお、滴下部112において、ワイピングクロス111を湿らせる液体としては、上述した洗浄液の他に、インクの溶媒も用いることができる。
第2のワイピングユニット120は、図6に示すように、1つの液滴吐出ヘッド34に設けられたノズル周辺部をワイピングするゴム板からなるゴムベラ(板状部材)121を備えている。ゴムベラ121は、液滴吐出ヘッド34に向かって基材搬送方向と略直交する方向に傾斜して設けられている。
【0037】
飛行観測ユニット130は、液滴吐出ヘッド34が詰まり等により吐出不良を起こした時に、その液滴吐出ヘッド34から液滴が正常に吐出されているか否かを観測するものである。飛行観測ユニット130は、図8に示すように、間欠点灯可能なフラッシュライト(照明手段)131と、液滴の飛行を観測するCCDカメラ(第1の撮影手段)132と、吐出された液滴を受ける受け皿133とを備えている。この構成は、フラッシュライト131を間欠点灯させることにより、液滴の飛行経路を観測することができ、液滴の飛行曲がりも観測可能な構成とされている。なお、この構成の他に、液滴の飛行経路を横切るようにレーザ等の光を照射する照射部(光照射手段)と、照射部から照射された光を検知する検知部(光検知手段)とを備えた構成も用いることができる。
ノズル検査ユニット140は、図6に示すように、液滴吐出ヘッド34が詰まり等により吐出不良を起こした時に、その液滴吐出ヘッド34を液滴吐出方向からノズル18およびその周囲を観測するものである。ノズル検査ユニット140は、液滴吐出方向から液滴吐出ヘッド34を観測するノズル観測カメラ(第2の撮影手段)141を備えている。
【0038】
以上、液滴吐出装置の構成をR着色層形成装置3の例を挙げて説明したが、カラーフィルター製造装置1の初段にあるインク受容層形成装置2のみは表面改質部62の上流側に洗浄部を備えている。インク受容層形成装置2には隔壁が形成された基板Sが供給されるが、基板Sの表面改質を行う前にウェット洗浄、オゾン洗浄等の方法により基板Sを洗浄し、清浄になった基板Sを表面改質部62に供給する構成となっている。この構成により、基板Sに付着した異物等に起因する描画不良の発生が抑えられ、歩留りを向上することができる。
【0039】
次に、本実施形態のカラーフィルター製造装置1を用いたカラーフィルターの製造方法の一例を説明する。
上記カラーフィルター製造装置1を用いたカラーフィルターの製造方法は、図9に示すように、生産性を高める観点から長方形状の基板S上に、複数個のカラーフィルター領域51をマトリクス状に形成する際に適用することができる。これらのカラーフィルター領域51は、後で基板Sを切断することにより、液晶表示装置に適合する個々のカラーフィルターとして用いることができる。なお、各カラーフィルター領域51においては、図9に示したように、Rのインク、Gのインク、およびBのインクをそれぞれ所定のパターン、本例では従来公知のストライプ型で形成して配置する。なお、この形成パターンとしては、ストライプ型のほかに、モザイク型やデルタ型あるいはスクウェアー型等としてもよい。
【0040】
このようなカラーフィルター領域51を形成するには、まず、図10(a)に示すように、透明の基板Sの一方の面に対し、ブラックマトリクス52を形成する。このブラックマトリクス52を形成する際には、光透過性のない樹脂(好ましくは黒色樹脂)を、スピンコート等の方法で所定の厚さ(例えば2μm程度)に塗布し、フォトリソグラフィー技術を用いてパターニングする。このブラックマトリクス52の格子で囲まれる最小の表示要素、すなわちフィルターエレメント53については、例えばX軸方向の幅を30μm、Y軸方向の長さを100μm程度とする。このブラックマトリクスは充分な高さを有しており、インク吐出時の隔壁として機能する。
次に、図10(b)に示すように、本実施形態のカラーフィルター製造装置1におけるインク受容層形成装置2の液滴吐出ヘッド34からインク受容層となる樹脂組成物を含有するインク滴54(液状体)を吐出し、これを基板S上に着弾させる。吐出するインク滴54の量については、加熱工程におけるインクの体積減少を考慮した十分な量とする。次いで、インク受容層形成装置2の焼成部においてインク滴の焼成を行い、図10(c)に示すようなインク受容層60とする。
【0041】
次に、図10(d)に示すように、R着色層形成装置3の液滴吐出ヘッド34からRのインク滴54R(液状体)を吐出し、これを基板S上に着弾させる。吐出するインク滴54の量については、加熱工程におけるインクの体積減少を考慮した十分な量とする。次いで、R着色層形成装置3の仮焼成部65においてインクの仮焼成を行い、図10(e)に示すようなR着色層34Rとする。以上の工程を、G着色層形成装置4、B着色層形成装置5においても繰り返し、図10(f)に示すように、G着色層34G、B着色層34Bを順次形成する。R着色層34R、G着色層34G、B着色層34Bを全て形成した後、本焼成装置6においてこれら着色層34R,34G,34Bを一括して焼成する。
次いで、基板Sを平坦化し、かつ着色層34R,34G,34Bを保護するため、図10(g)に示すように各着色層34R,34G,34Bやブラックマトリクス52を覆うオーバーコート膜(保護膜)56を形成する。このオーバーコート膜59の形成にあたっては、スピンコート法、ロールコート法、リッピング法等の方法を採用することもできるが、着色層34R,34G,34Bの場合と同様に液滴吐出装置を用いることもできる。
【0042】
本発明のカラーフィルター製造装置1を構成する液滴吐出装置72を用いて、カラーフィルターを量産していると、ノズル詰まり等により所定の位置にインク滴が吐出されない不具合が発生する。この不具合は、描画されない領域が基材搬送方向に線状に延びる線欠陥として現れ、ヘッドユニット71の下流の検査部85により検知される。線欠陥が検知されると、カラーフィルター製造装置1はカラーフィルターの生産を一時停止して、基板を移動させることによりヘッドユニット71のインク滴の吐出方向に空間を空ける。
この線欠陥を引き起こす原因としては、インク自身の凝固物や、液滴吐出ヘッドを製作した際に発生した異物がノズルに詰まったり、ノズルの縁にインクの凝固物が付着してインク滴の飛行経路を曲げたりすることが挙げられる。
【0043】
検査部85は、検知した線欠陥の位置情報を制御部150に出力する。制御部150は、その位置情報に基づき線欠陥に対応する位置にあるノズル18およびそのノズル18が設けられている液滴吐出ヘッド34を割り出す。上記線欠陥に対応したノズル18のインク滴吐出方向に空けられた空間には、制御部150により飛行観測ユニット130とノズル検査ユニット140とが移動される。
飛行観測ユニット130とノズル検査ユニット140との移動は同時であっても、時間的に差があっても良い。線欠陥が同時に複数存在した場合では、一方の線欠陥に対応したノズルに飛行観測ユニット130を、別の線欠陥に対応したノズルにノズル検査ユニット140を同時に移動させてもよい。
【0044】
飛行観測ユニット130が、上記線欠陥に対応したノズル18のインク滴吐出方向に配置されると、フラッシュライト131を間欠点灯させながら、上記線欠陥に対応したノズル18の圧電素子20に通電される。ノズル18が詰まっていればインク滴は吐出されずCCDカメラ132に観測されないため、ノズル詰まりと判断される。また、インク滴が吐出され曲がって飛行していると、CCDカメラ132にその軌跡が観測され、その軌跡により飛行曲がりが検出される。
【0045】
ノズル検査ユニット140は、上記線欠陥に対応したノズル18のインク滴吐出方向からノズル観測カメラ141によりそのノズル18およびその周囲を観測する。ノズル18内の見える範囲内に詰まりの原因である異物等があれば、その異物等はノズル観測カメラ141により検出される。また、ノズル18の縁に付着しているインク滴の飛行曲がりの原因となるインクの凝固物は、ノズル観測カメラ141により検出される。
【0046】
飛行観測ユニット130とノズル検査ユニット140とにより検出された異物の情報は制御部150に入力される。制御部150は、異物の情報に応じて吸引用キャッピングユニット100と、第1のワイピングユニット110と、第2のワイピングユニット120とを上記線欠陥に対応したノズル18に移動させる。
吸引用キャッピングユニット100と、第1のワイピングユニット110と、第2のワイピングユニット120との移動は同時であっても、時間的に差があっても良い。線欠陥が同時に複数存在した場合では、一方の線欠陥に対応したノズルに吸引用キャッピングユニット100を、別の線欠陥に対応したノズルに第1のワイピングユニット110を、さらに別の線欠陥に対応したノズルに第2のワイピングユニット120を同時に移動させてもよい。
【0047】
ノズル18内に異物が詰まっている場合には、主に吸引用キャッピングユニット100により異物の吸引を行い、その後に第1のワイピングユニット110または第2のワイピングユニット120によりノズル18内のメニスカス形状が整えられる。
また、ノズル18の縁にインク凝固物が付着している場合には、主に第1のワイピングユニット110または第2のワイピングユニット120により上記インクの凝固物と取り除く。そしてノズル18内のメニスカス形状が整えられる。
【0048】
吸引用キャッピングユニット100は、まず、キャッピング部101を上記線欠陥に対応するノズル18が設けられた液滴吐出ヘッド34に当接させ、ノズル18を覆う。そして、キャッピング部101に覆われた全てのノズル18について吸引部から吸引して、ノズル18に詰まった異物を取り除く。
【0049】
第1のワイピングユニット110は、滴下部112により洗浄液で湿らされたワイピングクロス111を巻き取ることにより動かしながら、液滴吐出ヘッド34に当接させる。ノズル18の縁に付着したインクの凝固物は、ワイピングクロス111に拭き取られる。
また、ワイピングクロス111は、適度に湿らされているので、ノズル18内のインクを適度に吸い取り、乱れたメニスカス形状を整える。
【0050】
第2のワイピングユニット120は、ゴムベラ121を液滴吐出ヘッド34に当接させながら、第2のワイピングユニット120を基材搬送方向と略直交する方向に移動する。ノズル18の縁に付着したインクの凝固物は、ゴムベラ121により拭き取られる。
また、ゴムベラ121は、液滴吐出ヘッド34に当接しながら移動することにより、ノズル18内のインクを適度にかき取り乱れたメニスカス形状を整える。
【0051】
上記の構成によれば、検査部64が検知したパターン形成不良の情報に基づき、制御部150が対応する液滴吐出ヘッド34を割り出し、その液滴吐出ヘッド34を吸引用キャッピングユニット100と第1のワイピングユニット110と第2のワイピングユニット120とによりメンテナンスしている。つまり、パターン形成不良の場所に対応した液滴吐出ヘッド34のみをメンテナンスしているため、メンテナンスにかかるコストを低減することができる。
吸引用キャッピングユニット100では、液滴吐出ヘッド34の1つ1つについてキャッピングして異物を吸引することができる。そのため、吸引され廃棄されるインクの量を、全ての液滴吐出ヘッド34を吸引するする方法よりも大幅に少なくすることができる。
第1のワイピングユニット110では、ワイピングクロス111が、液滴吐出ヘッド34の1つ1つについて、ノズル18およびその周囲を摺動することによりクリーニングできる。このワイピングクロス111の寸法が、1つの液滴吐出ヘッド34をクリーニングできる寸法でよいため、全ての液滴吐出ヘッドをワイピングクロスの寸法よりも大幅に小さくすることができる。
【0052】
また、液滴吐出ヘッド34を吸引用キャッピングユニット100と第1のワイピングユニット110と第2のワイピングユニット120とにより1つずつメンテナンスするので、同時に複数の液滴吐出ヘッド34をメンテナンスする方法と比較して、より確実にメンテナンスすることができる。そのため、液滴吐出ヘッド34を復活させやすくなり、その寿命が長くなって交換頻度を少なくすることができる。
吸引用キャッピングユニット100では、液滴吐出ヘッド34を1つ1つ吸引しているため、全ての液滴吐出ヘッド34を吸引する方法と比較して、吸引する力が大きくなり異物を吸引して取り除く確率が高くなる。
第2のワイピングユニット120では、液滴吐出ヘッド34の1つ1つについて、ゴムベラ121がノズル18およびその周囲を摺動することによりクリーニングしている。そのため、液滴吐出ヘッド34とノズル18との接触を確実なものとすることができ、確実に液滴吐出部およびその周囲を摺動しクリーニングすることができる。
【0053】
ノズル18の状態に応じて吸引用キャッピングユニット100と第1のワイピングユニット110と第2のワイピングユニット120とを使い分けることができるため、より確実に液滴吐出ヘッド34のメンテナンスを行うことができる。
【0054】
飛行観測ユニット130とノズル検査ユニット140とを備えていることにより、上記線欠陥に対応するノズル18および液滴吐出ヘッド34を検査することができる。つまり、制御部150が検査部の情報に基づき割り出した線欠陥に対応するノズル18および液滴吐出ヘッド34が、線欠陥に対応するのか確認することができる。そのため、正常なノズル18および液滴吐出ヘッド34をメンテナンスすることを防ぐことができ、メンテナンスのコストを低減することができる。
飛行観測ユニット130は、インク滴の飛行軌跡を観測することができるため、液滴吐出ヘッド34からインク滴が吐出されるか否かを確認するだけでなく、インク滴の飛行曲がりを確認することもできる。そのため、正常な液滴吐出ヘッド34をメンテナンスすることを防ぐことができるとともに、適切なユニットを選択することができるのでメンテナンスのコストを低減することができる。
ノズル検査ユニット140は、ノズル18内の見える範囲にある異物およびノズル18およびその周囲に付着した異物を確認することができる。そのため、液滴吐出ヘッドのメンテナンスに適したメンテナンスユニットを選択することができるのでメンテナンスのコストを低減することができる。
【0055】
吸引用キャッピングユニット100と第1のワイピングユニット110と第2のワイピングユニット120とが液滴吐出ヘッド34のインク滴吐出方向に空けられた空間に移動してメンテナンスしている。そのため、液滴吐出ヘッド34を動かさないでメンテナンスをすることができ、液滴吐出ヘッド34内のインクのメニスカスが液滴吐出ヘッドの移動により乱れることを防げる。つまり、再びメニスカスを整える工程が不要となり、メンテナンスにかかるコストを低減することができる。
【0056】
次に、上記カラーフィルターを備えた液晶装置(電気光学装置)の一実施形態を示す。図11はパッシブマトリクス型の液晶装置を示す図であり、図11中の符号30は液晶装置である。この液晶装置30は透過型のもので、一対のガラス基板31、32の間にSTN( Super Twisted Nematic)液晶等からなる液晶層33が挟持されてなるものである。
一方のガラス基板31には、その内面に上記カラーフィルター55が形成されている。カラーフィルター55は、R、G、Bの各色からなる着色層34R、34G、34Bが規則的に配列されて構成されたものである。なお、これらの色素層34R(34G、34B)間には、ブラックマトリクス52が形成されている。そして、これらカラーフィルター55およびブラックマトリクス52の上には、カラーフィルター55やブラックマトリクス52によって形成される段差をなくしてこれを平坦化するため、オーバーコート膜(保護膜)56が形成されている。オーバーコート膜56の上には複数の電極37がストライプ状に形成され、さらにその上には配向膜38が形成されている。
【0057】
他方のガラス基板32には、その内面に、カラーフィルター55側の電極と直交するようにして、複数の電極39がストライプ状に形成されており、これら電極39上には、配向膜40が形成されている。なお、前記カラーフィルター55の各着色層34R、34G、34Bは、それぞれ各ガラス基板32上の電極39、37の交差する位置に配置されている。また、電極37、39は、ITO( Indium Tin Oxide)などの透明導電材料によって形成されている。さらに、ガラス基板32とカラーフィルター55の外面側にはそれぞれ偏光板(図示せず)が設けられ、ガラス基板31、32間にはこれら基板31、32間の間隔(セルギャップ)を一定に保持するためスペーサ41が設けられている。さらに、これらガラス基板31、32間には液晶33を封入するためのシール材42が設けられている。
【0058】
本実施形態の液晶装置30では、上記カラーフィルター製造装置1を用いて製造されるカラーフィルター55を適用しているため、安価で品質の良いカラー液晶表示装置を実現することができる。
【0059】
次に、上記液晶装置からなる表示手段を備えた電子機器の具体例について説明する。
図12は、液晶テレビジョンの一例を示した斜視図である。図12において、符号500は液晶テレビジョン本体を示し、符号501は上記実施形態の液晶装置を備えた液晶表示部を示している。このように、図12に示す電子機器は、上記実施形態の液晶装置を備えたものであるから、安価で表示品位に優れたカラー液晶表示を有する電子機器を実現することができる。
【0060】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施の形態では本発明の液滴吐出装置をカラーフィルターの製造に応用する例を挙げたが、カラーフィルターのみならず、有機EL素子等のデバイス形成技術、あるいは各種配線形成技術に適用することも可能である。
また、上記実施の形態では本発明の液滴吐出装置を基板が一方向に流れる構成に適応して説明したが、基板が一方向に流れる構成に限られることなく、基板が液滴吐出装置を双方向に移動するものなど、各種の構成に適応することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のカラーフィルター製造装置の概略構成図。
【図2】同、カラーフィルター製造装置の液滴吐出装置を示す斜視図。
【図3】同、液滴吐出装置の描画部を示す斜視図。
【図4】液滴吐出ヘッドの配置を示す斜視図。
【図5】液滴吐出ヘッドの内部構成を示す斜視図。
【図6】ヘッドユニットの周辺の構成を示す概略構成図。
【図7】第1のワイピングユニット110を示す斜視透視図。
【図8】飛行観測ユニット130を示す透視図。
【図9】カラーフィルター形成用基板を示す斜視図。
【図10】カラーフィルターの製造方法を順を追って示す工程断面図。
【図11】本発明の一実施形態の液晶装置の断面図。
【図12】本発明の電子機器の一実施形態の液晶テレビジョンの斜視図。
【符号の説明】
1・・・カラーフィルター製造装置、18・・・ノズル(液滴吐出部)、30・・・液晶装置、34・・・液滴吐出ヘッド、 63・・・検査部、100・・・吸引用キャッピングユニット(メンテナンスユニット)、110・・・第1のワイピングユニット(メンテナンスユニット)、111・・・ワイピングクロス、120・・・第2のワイピングユニット(メンテナンスユニット)、121・・・ゴムベラ(板状部材)、130・・・飛行観測ユニット(液滴吐出ヘッド検査ユニット)、131・・・フラッシュライト(照明手段)、132・・・CCDカメラ(第1の撮影手段)、140・・・ノズル検査ユニット(液滴吐出ヘッド検査ユニット)、141・・・ノズル観測カメラ(第2の撮影手段)、150・・・制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、液滴吐出装置、カラーフィルター製造装置、カラーフィルター及びその製造方法、液晶装置、電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータディスプレイや大型テレビジョン等の電子機器の発達に伴い、液晶表示装置、特にカラー液晶表示装置の使用が増加している。この種の液晶表示装置には、通常、表示画像をカラー化するためにカラーフィルターが用いられている。カラーフィルターには、例えばガラス基板に対してR(赤)、G(緑)、B(青)のインクを所定のパターンで吐出させ、このインクを基板上で乾燥させることで着色層を形成するものがある。このような基板に対してインクを吐出する方式としては、例えばインクジェット方式の液滴吐出装置が採用されている。
【0003】
インクジェット方式の液滴吐出装置を採用した場合、インクジェットヘッドからガラス基板に対して所定量のインクを吐出して着弾させる。この場合、例えば直交する2方向(X方向、Y方向)に移動可能、および任意の回転軸を中心として回転可能とされたXYθステージにガラス基板を搭載し、インクジェットヘッドを固定したタイプの装置を用いることができる。このタイプの装置は、XYθステージの駆動によりインクジェットヘッドに対してガラス基板を所定の位置に位置決めした後、ガラス基板をX方向、Y方向に走査しながらインクジェットヘッドからインクを吐出することで、ガラス基板の所定の位置にインクを着弾させる構成となっている。
【0004】
この種の液滴吐出装置の例が、下記の特許文献1に開示されている。この文献に開示された液滴吐出装置は、ベースと、液滴を吐出するインクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)と、インクジェットヘッドとガラス基板とを相対移動可能とする第1の移動手段および第2の移動手段と、インクジェットヘッドをキャッピングやワイピングなどのメンテナンスをするクリーニングユニットと、コントローラなどを有している。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−248926号公報 (第8頁、第2図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の液滴吐出装置においては、描画されたパターンに描画漏れなどの不具合が発見されると、全ての液滴吐出ヘッドを一斉にキャッピング、ワイピングするメンテナンスをしていた。しかしながら、詰まり、飛行曲がりなどの不具合を起こした液滴吐出ヘッドのノズルの数は多くても数個単位であるため、上述したメンテナンスにおいては、メンテナンスする必要のない液滴吐出ヘッドまでメンテナンスしていた。
そのため、メンテナンスする必要のない液滴吐出ヘッドをメンテナンスすることによりインクが無駄に廃棄されたり、ワイピングクロスが無駄に消費されたりしていた。
【0007】
また、複数の液滴吐出ヘッドを同時にキャッピングするため、その吸引力は各液滴吐出ヘッドに分散され弱くなる。さらに、液滴吐出ヘッドの詰まったノズルと詰まっていないノズルとでは、詰まっていないノズルの方がインクが流れやすく、詰まったノズルの吸引力がさらに弱くなる。つまり、メンテナンスの確実性が低下する恐れがあるという問題があった。
【0008】
液滴吐出ヘッドを吸引用キャッピングユニット、ワイピングユニットのところまで移動させてメンテナンスを行っていた。しかしながら、メンテナンス終了後に液滴吐出ヘッドが元の位置に移動する際に、移動による振動で液滴吐出ヘッドのノズル内のインクの表面形状であるメニスカスが乱れる恐れがあった。メニスカスが乱れるとインクの着弾位置も乱れ、所望のパターンを描画できなくなる恐れがあり、再度ワイピングを行ってメニスカスの形状を整える必要が発生するという問題があった。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、液滴吐出ヘッドのメンテナンス時に廃棄されるインク量、消費されるワイピングクロス量を低減してメンテナンスコストを低減するとともに、液滴吐出ヘッドの復活、延命を図ることができる液滴吐出装置、これを用いたカラーフィルター製造装置、カラーフィルター及びその製造方法、液晶装置、電子機器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の液滴吐出装置は、被処理基材上にパターン形成用材料を含有する液状体を吐出することにより所望形状のパターンを形成する液滴吐出装置であって、被処理基材の流れ方向と交差する方向に配列された複数の液滴吐出ヘッドと、液滴吐出ヘッドを所定個数ずつメンテナンスするメンテナンスユニットと、被処理基材上に形成されたパターンの形成不良を検出する検査部と、メンテナンスユニットを駆動制御する制御部と、を備え、メンテナンスユニットが液滴吐出ヘッドに対して移動可能に配置され、制御部は、検査部の出力に基づき、メンテナンスユニットがパターンの形成不良に対応する液滴吐出ヘッドをメンテナンスするように制御することを特徴とする。
【0011】
すなわち、本発明の液滴吐出装置は、まず、検査部が検知したパターン形成不良の情報に基づき、制御部が対応する液滴吐出ヘッドを割り出している。そして、制御部はメンテナンスユニットを上記液滴吐出ヘッドに移動させ、上記液滴吐出ヘッドをメンテナンスユニットによりメンテナンスさせている。
従来の液滴吐出装置では、メンテナンスの際には、正常な液滴吐出ヘッドまでメンテナンスしていたので、その分のコストが無駄にかかっていた。しかし、本発明の液滴吐出装置では、パターン形成不良の場所に対応した液滴吐出ヘッドのみをメンテナンスしている。そのため、メンテナンスにかかるコストを低減することができる。
【0012】
また、液滴吐出ヘッドをメンテナンスユニットにより所定個数ずつメンテナンスするので、従来の液滴吐出装置と比較して、より確実にメンテナンスすることができる。そのため、液滴吐出ヘッドを復活させやすくなり、その寿命が長くなって交換頻度を少なくすることができる。
【0013】
メンテナンスユニットが移動して液滴吐出ヘッドをメンテナンスしているので、液滴吐出ヘッドを動かさないでメンテナンスをすることができる。そのため、液滴吐出ヘッド内の液状体の表面形状(以後、メニスカスと表記)が、液滴吐出ヘッドの移動により乱れることがない。つまり、従来の液滴吐出装置で行われていたメニスカスを整えるための作業を行う必要がなく、メンテナンスにかかるコストを低減することができる。
【0014】
上記の構成を実現するために、より具体的には、上記メンテナンスユニットが、液滴吐出ヘッドをキャップし、液滴吐出ヘッド内に詰まった異物を吸引する吸引用キャッピングユニットであることが望ましい。
この構成によれば、液滴吐出ヘッド1つ1つについてキャッピングして異物を吸引することができる。そのため、吸引され廃棄される液体の量を、従来の全ての液滴吐出ヘッドを吸引するする方法よりも大幅に少なくすることができる。
また、異物を吸引する力についてみると、従来の方法では全てを同時に吸引するため、1つの液滴吐出ヘッド当たりの吸引力が分散され小さくなっていた。しかし、液滴吐出ヘッドを1つ1つ吸引する本発明は、従来よりも吸引力が大きくなり、異物を吸引して取り除く確率が高くなる。
【0015】
上記の構成を実現するために、より具体的には、上記メンテナンスユニットが、液滴吐出ヘッドの液滴吐出部およびその周囲をクリーニングするワイピングユニットであることが望ましい。
この構成によれば、液滴吐出ヘッド1つ1つについてワイピングしてその液滴吐出部およびその周囲をクリーニングすることができる。従来の全ての液滴吐出ヘッドをワイピングする方法よりも確実に液滴吐出部およびその周囲をワイピングすることができる。
【0016】
上記の構成を実現するために、より具体的には、ワイピングユニットが、ワイピングクロスを備え、ワイピングクロスが、液滴吐出部およびその周囲を摺動することによりクリーニングしても良い。
この構成によれば、液滴吐出ヘッド1つ1つについて、ワイピングクロスが、液滴吐出部およびその周囲を摺動することによりクリーニングしている。このワイピングクロスの寸法が、1つの液滴吐出ヘッドをクリーニングできる寸法でよいため、従来のワイピングクロスの寸法よりも大幅に小さくすることができる。
【0017】
上記の構成を実現するために、より具体的には、ワイピングユニットが、弾性を有した材料からなる板状部材を備え、板状部材が、液滴吐出部およびその周囲を摺動することによりクリーニングしてもよい。
この構成によれば、液滴吐出ヘッド1つ1つについて、板状部材が、液滴吐出部およびその周囲を摺動することによりクリーニングしている。従来の全ての液滴吐出ヘッドをワイピングする方法では、幾つかの液滴吐出ヘッドと板状部材との接触が不十分となりクリーニングされない恐れがあった。しかし、液滴ヘッド1つ1つをワイピングする本発明では、確実に液滴吐出部およびその周囲を摺動しクリーニングすることができる。
【0018】
上記の構成を実現するために、より具体的には、メンテナンスユニットが、上記本発明の吸引用キャッピングユニット、および上記本発明のワイピングユニットのうち、いずれか2以上のユニットを備えてもよい。
この構成によれば、液滴吐出ヘッドの状態に応じて上記ユニットを使い分けることができ、また、各ユニットが同時に別々の液滴吐出ヘッドをメンテナンスすることができる。そのため、確実かつ短時間に液滴吐出ヘッドのメンテナンスを行うことができる。
【0019】
上記の構成を実現するために、より具体的には、液滴吐出ヘッドを検査する液滴吐出ヘッド検査ユニットを備え、液滴吐出ヘッド検査ユニットが、液滴吐出ヘッドに対して移動可能に配置され、制御部が、検査部の出力に基づき、液滴吐出ヘッド検査ユニットがパターンの形成不良に対応する液滴吐出ヘッドを検査するように制御してもよい。
この構成によれば、液滴吐出ヘッド検査ユニットがパターンの形成不良に対応する液滴吐出ヘッドを検査することができる。つまり、制御部が割り出したパターンの形成不良に対応する液滴吐出ヘッドが、本当にパターンの形成不良に対応するのか確認することができる。そのため、正常な液滴吐出ヘッドをメンテナンスすることを防ぐことができ、メンテナンスのコストを低減することができる。
【0020】
上記の構成を実現するために、より具体的には、液滴吐出ヘッド検査ユニットが、液滴吐出ヘッドから液滴が吐出されることを検査する飛行観測ユニットであってもよい。
この構成によれば、液滴吐出ヘッドから液滴が吐出されるか否かを確認することができる。そのため、正常な液滴吐出ヘッドをメンテナンスすることを防ぐことができ、メンテナンスのコストを低減することができる。
【0021】
上記の構成を実現するために、より具体的には、飛行観測ユニットが、液滴を撮影する第1の撮影手段と、間欠点灯可能な照明手段とを備え、照明手段を間欠点灯させて、液滴の飛行軌跡を第1の撮影手段により観測してもよい。
この構成によれば、液滴の飛行軌跡を観測することができるため、液滴吐出ヘッドから液滴が吐出されるか否かを確認するだけでなく、液滴の飛行曲がりを確認することもできる。
そのため、液滴吐出ヘッドのメンテナンスに適したメンテナンスユニットを選択することができ、より確実にメンテナンスできてメンテナンスのコストを低減することができる。
【0022】
上記の構成を実現するために、より具体的には、飛行観測ユニットが、光を照射する光照射手段と、光照射手段から照射された光を検知する光検知手段とを備え、吐出された液滴が、光照射手段から照射された光を遮るか否かを光検知手段により検知してもよい。
この構成によれば、吐出された液滴が、光照射手段から照射された光を遮るか否かを光検知手段により検知することにより、液滴吐出ヘッドから液滴が吐出されるか否かを確認することができる。そのため、正常な液滴吐出ヘッドをメンテナンスすることを防ぐことができ、メンテナンスのコストを低減することができる。
【0023】
上記の構成を実現するために、より具体的には、液滴吐出ヘッド検査ユニットが、液滴吐出ヘッドの液滴吐出部およびその周囲を観測する吐出部観測ユニットであってもよい。より望ましくは、吐出部観測ユニットが、液滴吐出部およびその周囲を液滴の吐出方向から観測する第2の撮影手段を備えていてもよい。
この構成によれば、液滴吐出ヘッドの液滴吐出部およびその周囲を観測することができ、液滴吐出部およびその周囲に付着した異物などを確認することができる。そのため、液滴吐出ヘッドのメンテナンスに適したメンテナンスユニットを選択することができ、より確実にメンテナンスできてメンテナンスのコストを低減することができる。
特に、液滴の吐出方向から液滴吐出部およびその周囲を第2の撮影手段で観測すると、異物の確認が行いやすい。
【0024】
上記の構成を実現するために、より具体的には、液滴吐出ヘッド検査ユニットが、上記本発明の飛行観測ユニット、および上記本発明の吐出部観測ユニットのうち、いずれか2以上のユニットを備えていてもよい。
この構成によれば、2以上の上記ユニットを用いて液滴吐出ヘッドを調べることができるため、液滴吐出ヘッドの状態をより詳しく知ることができる。そのため、液滴吐出ヘッドの状態に応じてメンテナンスユニットを使い分けることができ、より確実に液滴吐出ヘッドのメンテナンスを行うことができる。
【0025】
本発明のカラーフィルター製造装置は、異なる色の着色層を備えたカラーフィルターを製造するカラーフィルター製造装置であって、上記本発明の液滴吐出装置が複数備えられ、各液滴吐出装置で用いる前記液状体がそれぞれ異なる色の色素を含み、各液滴吐出装置が異なる色の着色層をそれぞれ形成することを特徴とする。
すなわち、本発明のカラーフィルター製造装置は、異なる色の着色層、例えばR、G、Bの着色層をそれぞれ形成する複数の液滴吐出装置を備え、この液滴吐出装置が上記本発明の液滴吐出装置で構成されたものである。この構成によれば、メンテナンスコスト低減を図ることができるカラーフィルター製造装置を実現することができる。
【0026】
本発明のカラーフィルターの製造方法は、異なる色の着色層を備えたカラーフィルターの製造方法であって、上記本発明のカラーフィルター製造装置を用いて前記着色層を形成することを特徴とする。
この構成によれば、メンテナンスコスト低減を図りながらカラーフィルターを製造することが可能となり、製造コスト低減を図ることができる。
【0027】
本発明のカラーフィルターは、異なる色の着色層を備えたカラーフィルターであって、上記本発明のカラーフィルターの製造方法により製造されたことを特徴とする。
この構成によれば、安価で品質の良いカラーフィルターを提供することができる。
【0028】
本発明の液晶装置は、一対の基板間に液晶が挟持された液晶装置であって、上記本発明のカラーフィルターを備えたことを特徴とする。
この構成によれば、安価で品質の良いカラー液晶表示装置を提供することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図1から図10を参照して説明する。
図1は本実施形態のカラーフィルター製造装置の概略構成図であり、R、G、Bの3色の着色層を備えたカラーフィルターを製造するための装置である。
本実施形態のカラーフィルター製造装置1は、図1に示すように、上流側からインク受容層形成装置2、R着色層形成装置3、G着色層形成装置4、B着色層形成装置5、本焼成装置6が配置され、これらの装置が任意の搬送装置(図示略)を介して連結されたものである。このカラーフィルター製造装置1には、R、G、Bの各着色層のパターンを区画する隔壁(バンクとも言う)が形成されたガラス、プラスチック等からなる透明基板(被処理基材)が供給される。インク受容層形成装置2は、隔壁で区画された領域内に樹脂組成物からなるインク受容層を下地層として形成するための装置である。R着色層形成装置3、G着色層形成装置4、B着色層形成装置5は、それぞれ後で着色層となるR、G、Bのインクからなる液状体を塗布するための装置である。本焼成装置6は、塗布後のR、G、Bのインクからなる液状体を一括して加熱、焼成するための装置である。これらの装置のうち、インク受容層形成装置2、R着色層形成装置3、G着色層形成装置4、B着色層形成装置5の4台には、本発明の液滴吐出装置(インクジェット装置)が用いられている。
【0030】
図2は、本実施形態のカラーフィルター製造装置1の要部である液滴吐出装置の部分のみを示す概略構成斜視図である。液滴吐出装置が用いられるインク受容層形成装置2、R着色層形成装置3、G着色層形成装置4、B着色層形成装置5の基本構成は全て同様であるため、ここではR着色層形成装置3を一例として説明する。
R着色層形成装置3は、図2に示すように、上流側から下流側(図2における右側から左側)に向けて給材部61、表面改質部62、描画部63、検査部64、仮焼成部65、除材部66が備えられている。大まかな処理の流れとしては、給材部61から供給された描画前の基板に対し、表面改質部62において親液処理、撥液処理が施され、描画部63において隔壁で区画された所定の領域にRのインクが吐出、描画される。次いで、検査部64において描画状態が検査され、仮焼成部65でインクの仮焼成が施された後、描画後の基板が除材部66により排出される。本装置において、これら各部は基板の流れ方向に沿って直線状に配置されている。なお、本装置は大型の基板を処理可能な大規模な装置であるため、作業者が後述するヘッドユニットのメンテナンスを行うための通路67が設けられている。給材部61および除材部66は任意の基板搬送手段で構成することができ、例えばローラコンベア、ベルトコンベア等が用いられる。表面改質部62は、プラズマ処理室を備えており、親液処理としては大気雰囲気中で酸素を反応ガスとするプラズマ処理(O2プラズマ処理)が行われ、基板の表面及び隔壁の側面が親液化される。撥液処理としては大気雰囲気中でテトラフルオロメタン(四フッ化炭素)を反応ガスとするプラズマ処理(CF4プラズマ処理)が行われ、隔壁の上面が撥液化される。
【0031】
図3は、描画部63の近傍のみを示す概略構成斜視図である。描画部63は、図3に示すように、一方向に移動可能なステージ70上に基板Sを吸着保持し、その状態で基板Sを一方向(図3における右側から左側)に搬送する構成となっており、基板Sの搬送方向と直交して延びるヘッドユニット71が装置本体に架設されている。すなわち、本実施形態の液滴吐出装置72は、液滴吐出ヘッド側が移動せず、基板側のみが移動する構成である。ヘッドユニット71は、基板Sの搬送方向と直交する方向に配列された複数個の液滴吐出ヘッド34が固定された大型基準プレート74を備えている。図4(a)は、大型基準プレート74を液滴吐出ヘッド34のノズル側から見た斜視図、図4(b)は1個の液滴吐出ヘッド34の拡大図(図4(a)の符号Hの円内の拡大図)である。これらの図に示すように、1枚の小型基準プレート73に対して1個の液滴吐出ヘッド34が固定され、1枚の大型基準プレート74に対してヘッドの個数分の小型基準プレート73が固定されている。本実施形態の場合、複数個の液滴吐出ヘッド34は複数個ずつ3列に配列されており、各列間で大型基準プレート74の長手方向にずれた位置に配置されている。また、各液滴吐出ヘッド34は、複数のノズル(液滴吐出部、図4では図示せず)18を有している。この構成により、このヘッドユニット71は、大型基準プレート74の長手方向、すなわち基板Sの搬送方向と直交する方向で例えば数mという長い寸法にわたって所定のピッチでインク滴を吐出可能となっている。そして、液滴吐出ヘッド34の配列方向と直交する方向に基板Sを搬送しつつインク滴を吐出することで、基板Sの全面にわたって所望のパターン形状でRのインクを描画することができる。また、図3における符号76はインクタンクである。インクタンク76はインクを貯留するものであり、配管(図示せず)を介してインクを液滴吐出ヘッド34に供給するものとなっている。
【0032】
液滴吐出ヘッド34は、例えばピエゾ素子によって液室を圧縮してその圧力波で液体を吐出させるもので、上述したように、一列または複数列に配列された複数のノズルを有している。この液滴吐出ヘッド34の構造の一例を説明すると、液滴吐出ヘッド34は、図5(a)に示すように、例えばステンレス製のノズルプレート12と振動板13とを備え、両者を仕切部材(リザーバプレート)14を介して接合したものである。ノズルプレート12と振動板13との間には、仕切部材14によって複数の空間15と液溜まり16とが形成されている。各空間15と液溜まり16の内部はインクで満たされており、各空間15と液溜まり16とは供給口17を介して連通したものとなっている。また、ノズルプレート12には、空間15からインクを噴射するためのノズル18が形成されている。一方、振動板13には、液溜まり16にインクを供給するための孔19が形成されている。
【0033】
また、振動板13の空間15に対向する面と反対側の面上には、図5(b)に示すように、圧電素子(ピエゾ素子)20が接合されている。この圧電素子20は、一対の電極21の間に位置し、通電するとこれが外側に突出するようにして撓曲するよう構成されたものである。そして、このような構成のもとに圧電素子20が接合されている振動板13は、圧電素子20と一体になって同時に外側へ撓曲するようになっており、これによって空間15の容積が増大するようになっている。したがって、空間15内に増大した容積分に相当するインクが、液溜まり16から供給口17を介して流入する。また、このような状態から圧電素子20への通電を解除すると、圧電素子20と振動板13はともに元の形状に戻る。したがって、空間15も元の容積に戻ることから、空間15内部のインクの圧力が上昇し、ノズル18から基板に向けてインクの液滴Lが吐出される。
なお、液滴吐出ヘッドのインクジェット方式としては、前記の圧電素子20を用いたピエゾジェットタイプ以外の方式でもよく、例えば、エネルギー発生素子として電気熱変換体を用いた方式を採用してもよい。
【0034】
図3に示すように、ヘッドユニット71の基材搬送方向の上流側には、吸引用キャッピングユニット(メンテナンスユニット)100と、第1のワイピングユニット(メンテナンスユニット)110と、第2のワイピングユニット(メンテナンスユニット)120と、飛行観測ユニット(液滴吐出ヘッド検査ユニット)130と、ノズル検査ユニット(液滴吐出ヘッド検査ユニット)140とが設けられている。これら吸引用キャッピングユニット100と、第1のワイピングユニット110と、第2のワイピングユニット120と、飛行観測ユニット130と、ノズル検査ユニット140とは、基材搬送方向およびその直交方向に移動可能に設けられるとともに、互いに独立して移動可能に設けられている。なお、これらのユニットは、ヘッドユニット71の基材搬送方向の上流側に設ける代わりに下流側に設けることもできる。
さらに、図6に示すように、前述した検査部64の出力に基づいて吸引用キャッピングユニット100と、第1のワイピングユニット110と、第2のワイピングユニット120と、飛行観測ユニット130と、ノズル検査ユニット140とを制御する制御部150が設けられている。
【0035】
吸引用キャッピングユニット100は、液滴吐出ヘッド34が詰まり等により吐出不良を起こした時に、その液滴吐出ヘッド34を1つずつ吸引して吐出不良を修復するものである。その構成としては、図5および図6に示すように、1つの液滴吐出ヘッド34に設けられたノズル18を覆う寸法に形成されたキャッピング部101と、キャッピング部101に設けられノズル18を吸引する吸引部(図示せず)とを備えている。
【0036】
第1のワイピングユニット110と、第2のワイピングユニット120とは、液滴吐出ヘッド34が詰まり等により吐出不良を起こした時に、その液滴吐出ヘッド34を1つずつワイピングすることでクリーニングし、吐出不良を修復するものである。
第1のワイピングユニット110は、図6および図7に示すように、1つの液滴吐出ヘッド34に設けられたノズル周辺部をワイピングするワイピングクロス111と、ワイピングクロス111を洗浄液で湿らせる滴下部112とを備えている。ワイピングクロス111は帯状の布からなり、その長手方向が基材搬送方向と略直交するように配置されている。また、その基材搬送方向の寸法は、液滴吐出ヘッド34のノズル18が設けられた面の基材搬送方向の寸法と略一致するように形成されている。ワイピングクロス111の長手方向の両端は、巻かれていて一方から他方に向かって巻き取られることにより液滴吐出ヘッド34をワイピングしている。なお、滴下部112において、ワイピングクロス111を湿らせる液体としては、上述した洗浄液の他に、インクの溶媒も用いることができる。
第2のワイピングユニット120は、図6に示すように、1つの液滴吐出ヘッド34に設けられたノズル周辺部をワイピングするゴム板からなるゴムベラ(板状部材)121を備えている。ゴムベラ121は、液滴吐出ヘッド34に向かって基材搬送方向と略直交する方向に傾斜して設けられている。
【0037】
飛行観測ユニット130は、液滴吐出ヘッド34が詰まり等により吐出不良を起こした時に、その液滴吐出ヘッド34から液滴が正常に吐出されているか否かを観測するものである。飛行観測ユニット130は、図8に示すように、間欠点灯可能なフラッシュライト(照明手段)131と、液滴の飛行を観測するCCDカメラ(第1の撮影手段)132と、吐出された液滴を受ける受け皿133とを備えている。この構成は、フラッシュライト131を間欠点灯させることにより、液滴の飛行経路を観測することができ、液滴の飛行曲がりも観測可能な構成とされている。なお、この構成の他に、液滴の飛行経路を横切るようにレーザ等の光を照射する照射部(光照射手段)と、照射部から照射された光を検知する検知部(光検知手段)とを備えた構成も用いることができる。
ノズル検査ユニット140は、図6に示すように、液滴吐出ヘッド34が詰まり等により吐出不良を起こした時に、その液滴吐出ヘッド34を液滴吐出方向からノズル18およびその周囲を観測するものである。ノズル検査ユニット140は、液滴吐出方向から液滴吐出ヘッド34を観測するノズル観測カメラ(第2の撮影手段)141を備えている。
【0038】
以上、液滴吐出装置の構成をR着色層形成装置3の例を挙げて説明したが、カラーフィルター製造装置1の初段にあるインク受容層形成装置2のみは表面改質部62の上流側に洗浄部を備えている。インク受容層形成装置2には隔壁が形成された基板Sが供給されるが、基板Sの表面改質を行う前にウェット洗浄、オゾン洗浄等の方法により基板Sを洗浄し、清浄になった基板Sを表面改質部62に供給する構成となっている。この構成により、基板Sに付着した異物等に起因する描画不良の発生が抑えられ、歩留りを向上することができる。
【0039】
次に、本実施形態のカラーフィルター製造装置1を用いたカラーフィルターの製造方法の一例を説明する。
上記カラーフィルター製造装置1を用いたカラーフィルターの製造方法は、図9に示すように、生産性を高める観点から長方形状の基板S上に、複数個のカラーフィルター領域51をマトリクス状に形成する際に適用することができる。これらのカラーフィルター領域51は、後で基板Sを切断することにより、液晶表示装置に適合する個々のカラーフィルターとして用いることができる。なお、各カラーフィルター領域51においては、図9に示したように、Rのインク、Gのインク、およびBのインクをそれぞれ所定のパターン、本例では従来公知のストライプ型で形成して配置する。なお、この形成パターンとしては、ストライプ型のほかに、モザイク型やデルタ型あるいはスクウェアー型等としてもよい。
【0040】
このようなカラーフィルター領域51を形成するには、まず、図10(a)に示すように、透明の基板Sの一方の面に対し、ブラックマトリクス52を形成する。このブラックマトリクス52を形成する際には、光透過性のない樹脂(好ましくは黒色樹脂)を、スピンコート等の方法で所定の厚さ(例えば2μm程度)に塗布し、フォトリソグラフィー技術を用いてパターニングする。このブラックマトリクス52の格子で囲まれる最小の表示要素、すなわちフィルターエレメント53については、例えばX軸方向の幅を30μm、Y軸方向の長さを100μm程度とする。このブラックマトリクスは充分な高さを有しており、インク吐出時の隔壁として機能する。
次に、図10(b)に示すように、本実施形態のカラーフィルター製造装置1におけるインク受容層形成装置2の液滴吐出ヘッド34からインク受容層となる樹脂組成物を含有するインク滴54(液状体)を吐出し、これを基板S上に着弾させる。吐出するインク滴54の量については、加熱工程におけるインクの体積減少を考慮した十分な量とする。次いで、インク受容層形成装置2の焼成部においてインク滴の焼成を行い、図10(c)に示すようなインク受容層60とする。
【0041】
次に、図10(d)に示すように、R着色層形成装置3の液滴吐出ヘッド34からRのインク滴54R(液状体)を吐出し、これを基板S上に着弾させる。吐出するインク滴54の量については、加熱工程におけるインクの体積減少を考慮した十分な量とする。次いで、R着色層形成装置3の仮焼成部65においてインクの仮焼成を行い、図10(e)に示すようなR着色層34Rとする。以上の工程を、G着色層形成装置4、B着色層形成装置5においても繰り返し、図10(f)に示すように、G着色層34G、B着色層34Bを順次形成する。R着色層34R、G着色層34G、B着色層34Bを全て形成した後、本焼成装置6においてこれら着色層34R,34G,34Bを一括して焼成する。
次いで、基板Sを平坦化し、かつ着色層34R,34G,34Bを保護するため、図10(g)に示すように各着色層34R,34G,34Bやブラックマトリクス52を覆うオーバーコート膜(保護膜)56を形成する。このオーバーコート膜59の形成にあたっては、スピンコート法、ロールコート法、リッピング法等の方法を採用することもできるが、着色層34R,34G,34Bの場合と同様に液滴吐出装置を用いることもできる。
【0042】
本発明のカラーフィルター製造装置1を構成する液滴吐出装置72を用いて、カラーフィルターを量産していると、ノズル詰まり等により所定の位置にインク滴が吐出されない不具合が発生する。この不具合は、描画されない領域が基材搬送方向に線状に延びる線欠陥として現れ、ヘッドユニット71の下流の検査部85により検知される。線欠陥が検知されると、カラーフィルター製造装置1はカラーフィルターの生産を一時停止して、基板を移動させることによりヘッドユニット71のインク滴の吐出方向に空間を空ける。
この線欠陥を引き起こす原因としては、インク自身の凝固物や、液滴吐出ヘッドを製作した際に発生した異物がノズルに詰まったり、ノズルの縁にインクの凝固物が付着してインク滴の飛行経路を曲げたりすることが挙げられる。
【0043】
検査部85は、検知した線欠陥の位置情報を制御部150に出力する。制御部150は、その位置情報に基づき線欠陥に対応する位置にあるノズル18およびそのノズル18が設けられている液滴吐出ヘッド34を割り出す。上記線欠陥に対応したノズル18のインク滴吐出方向に空けられた空間には、制御部150により飛行観測ユニット130とノズル検査ユニット140とが移動される。
飛行観測ユニット130とノズル検査ユニット140との移動は同時であっても、時間的に差があっても良い。線欠陥が同時に複数存在した場合では、一方の線欠陥に対応したノズルに飛行観測ユニット130を、別の線欠陥に対応したノズルにノズル検査ユニット140を同時に移動させてもよい。
【0044】
飛行観測ユニット130が、上記線欠陥に対応したノズル18のインク滴吐出方向に配置されると、フラッシュライト131を間欠点灯させながら、上記線欠陥に対応したノズル18の圧電素子20に通電される。ノズル18が詰まっていればインク滴は吐出されずCCDカメラ132に観測されないため、ノズル詰まりと判断される。また、インク滴が吐出され曲がって飛行していると、CCDカメラ132にその軌跡が観測され、その軌跡により飛行曲がりが検出される。
【0045】
ノズル検査ユニット140は、上記線欠陥に対応したノズル18のインク滴吐出方向からノズル観測カメラ141によりそのノズル18およびその周囲を観測する。ノズル18内の見える範囲内に詰まりの原因である異物等があれば、その異物等はノズル観測カメラ141により検出される。また、ノズル18の縁に付着しているインク滴の飛行曲がりの原因となるインクの凝固物は、ノズル観測カメラ141により検出される。
【0046】
飛行観測ユニット130とノズル検査ユニット140とにより検出された異物の情報は制御部150に入力される。制御部150は、異物の情報に応じて吸引用キャッピングユニット100と、第1のワイピングユニット110と、第2のワイピングユニット120とを上記線欠陥に対応したノズル18に移動させる。
吸引用キャッピングユニット100と、第1のワイピングユニット110と、第2のワイピングユニット120との移動は同時であっても、時間的に差があっても良い。線欠陥が同時に複数存在した場合では、一方の線欠陥に対応したノズルに吸引用キャッピングユニット100を、別の線欠陥に対応したノズルに第1のワイピングユニット110を、さらに別の線欠陥に対応したノズルに第2のワイピングユニット120を同時に移動させてもよい。
【0047】
ノズル18内に異物が詰まっている場合には、主に吸引用キャッピングユニット100により異物の吸引を行い、その後に第1のワイピングユニット110または第2のワイピングユニット120によりノズル18内のメニスカス形状が整えられる。
また、ノズル18の縁にインク凝固物が付着している場合には、主に第1のワイピングユニット110または第2のワイピングユニット120により上記インクの凝固物と取り除く。そしてノズル18内のメニスカス形状が整えられる。
【0048】
吸引用キャッピングユニット100は、まず、キャッピング部101を上記線欠陥に対応するノズル18が設けられた液滴吐出ヘッド34に当接させ、ノズル18を覆う。そして、キャッピング部101に覆われた全てのノズル18について吸引部から吸引して、ノズル18に詰まった異物を取り除く。
【0049】
第1のワイピングユニット110は、滴下部112により洗浄液で湿らされたワイピングクロス111を巻き取ることにより動かしながら、液滴吐出ヘッド34に当接させる。ノズル18の縁に付着したインクの凝固物は、ワイピングクロス111に拭き取られる。
また、ワイピングクロス111は、適度に湿らされているので、ノズル18内のインクを適度に吸い取り、乱れたメニスカス形状を整える。
【0050】
第2のワイピングユニット120は、ゴムベラ121を液滴吐出ヘッド34に当接させながら、第2のワイピングユニット120を基材搬送方向と略直交する方向に移動する。ノズル18の縁に付着したインクの凝固物は、ゴムベラ121により拭き取られる。
また、ゴムベラ121は、液滴吐出ヘッド34に当接しながら移動することにより、ノズル18内のインクを適度にかき取り乱れたメニスカス形状を整える。
【0051】
上記の構成によれば、検査部64が検知したパターン形成不良の情報に基づき、制御部150が対応する液滴吐出ヘッド34を割り出し、その液滴吐出ヘッド34を吸引用キャッピングユニット100と第1のワイピングユニット110と第2のワイピングユニット120とによりメンテナンスしている。つまり、パターン形成不良の場所に対応した液滴吐出ヘッド34のみをメンテナンスしているため、メンテナンスにかかるコストを低減することができる。
吸引用キャッピングユニット100では、液滴吐出ヘッド34の1つ1つについてキャッピングして異物を吸引することができる。そのため、吸引され廃棄されるインクの量を、全ての液滴吐出ヘッド34を吸引するする方法よりも大幅に少なくすることができる。
第1のワイピングユニット110では、ワイピングクロス111が、液滴吐出ヘッド34の1つ1つについて、ノズル18およびその周囲を摺動することによりクリーニングできる。このワイピングクロス111の寸法が、1つの液滴吐出ヘッド34をクリーニングできる寸法でよいため、全ての液滴吐出ヘッドをワイピングクロスの寸法よりも大幅に小さくすることができる。
【0052】
また、液滴吐出ヘッド34を吸引用キャッピングユニット100と第1のワイピングユニット110と第2のワイピングユニット120とにより1つずつメンテナンスするので、同時に複数の液滴吐出ヘッド34をメンテナンスする方法と比較して、より確実にメンテナンスすることができる。そのため、液滴吐出ヘッド34を復活させやすくなり、その寿命が長くなって交換頻度を少なくすることができる。
吸引用キャッピングユニット100では、液滴吐出ヘッド34を1つ1つ吸引しているため、全ての液滴吐出ヘッド34を吸引する方法と比較して、吸引する力が大きくなり異物を吸引して取り除く確率が高くなる。
第2のワイピングユニット120では、液滴吐出ヘッド34の1つ1つについて、ゴムベラ121がノズル18およびその周囲を摺動することによりクリーニングしている。そのため、液滴吐出ヘッド34とノズル18との接触を確実なものとすることができ、確実に液滴吐出部およびその周囲を摺動しクリーニングすることができる。
【0053】
ノズル18の状態に応じて吸引用キャッピングユニット100と第1のワイピングユニット110と第2のワイピングユニット120とを使い分けることができるため、より確実に液滴吐出ヘッド34のメンテナンスを行うことができる。
【0054】
飛行観測ユニット130とノズル検査ユニット140とを備えていることにより、上記線欠陥に対応するノズル18および液滴吐出ヘッド34を検査することができる。つまり、制御部150が検査部の情報に基づき割り出した線欠陥に対応するノズル18および液滴吐出ヘッド34が、線欠陥に対応するのか確認することができる。そのため、正常なノズル18および液滴吐出ヘッド34をメンテナンスすることを防ぐことができ、メンテナンスのコストを低減することができる。
飛行観測ユニット130は、インク滴の飛行軌跡を観測することができるため、液滴吐出ヘッド34からインク滴が吐出されるか否かを確認するだけでなく、インク滴の飛行曲がりを確認することもできる。そのため、正常な液滴吐出ヘッド34をメンテナンスすることを防ぐことができるとともに、適切なユニットを選択することができるのでメンテナンスのコストを低減することができる。
ノズル検査ユニット140は、ノズル18内の見える範囲にある異物およびノズル18およびその周囲に付着した異物を確認することができる。そのため、液滴吐出ヘッドのメンテナンスに適したメンテナンスユニットを選択することができるのでメンテナンスのコストを低減することができる。
【0055】
吸引用キャッピングユニット100と第1のワイピングユニット110と第2のワイピングユニット120とが液滴吐出ヘッド34のインク滴吐出方向に空けられた空間に移動してメンテナンスしている。そのため、液滴吐出ヘッド34を動かさないでメンテナンスをすることができ、液滴吐出ヘッド34内のインクのメニスカスが液滴吐出ヘッドの移動により乱れることを防げる。つまり、再びメニスカスを整える工程が不要となり、メンテナンスにかかるコストを低減することができる。
【0056】
次に、上記カラーフィルターを備えた液晶装置(電気光学装置)の一実施形態を示す。図11はパッシブマトリクス型の液晶装置を示す図であり、図11中の符号30は液晶装置である。この液晶装置30は透過型のもので、一対のガラス基板31、32の間にSTN( Super Twisted Nematic)液晶等からなる液晶層33が挟持されてなるものである。
一方のガラス基板31には、その内面に上記カラーフィルター55が形成されている。カラーフィルター55は、R、G、Bの各色からなる着色層34R、34G、34Bが規則的に配列されて構成されたものである。なお、これらの色素層34R(34G、34B)間には、ブラックマトリクス52が形成されている。そして、これらカラーフィルター55およびブラックマトリクス52の上には、カラーフィルター55やブラックマトリクス52によって形成される段差をなくしてこれを平坦化するため、オーバーコート膜(保護膜)56が形成されている。オーバーコート膜56の上には複数の電極37がストライプ状に形成され、さらにその上には配向膜38が形成されている。
【0057】
他方のガラス基板32には、その内面に、カラーフィルター55側の電極と直交するようにして、複数の電極39がストライプ状に形成されており、これら電極39上には、配向膜40が形成されている。なお、前記カラーフィルター55の各着色層34R、34G、34Bは、それぞれ各ガラス基板32上の電極39、37の交差する位置に配置されている。また、電極37、39は、ITO( Indium Tin Oxide)などの透明導電材料によって形成されている。さらに、ガラス基板32とカラーフィルター55の外面側にはそれぞれ偏光板(図示せず)が設けられ、ガラス基板31、32間にはこれら基板31、32間の間隔(セルギャップ)を一定に保持するためスペーサ41が設けられている。さらに、これらガラス基板31、32間には液晶33を封入するためのシール材42が設けられている。
【0058】
本実施形態の液晶装置30では、上記カラーフィルター製造装置1を用いて製造されるカラーフィルター55を適用しているため、安価で品質の良いカラー液晶表示装置を実現することができる。
【0059】
次に、上記液晶装置からなる表示手段を備えた電子機器の具体例について説明する。
図12は、液晶テレビジョンの一例を示した斜視図である。図12において、符号500は液晶テレビジョン本体を示し、符号501は上記実施形態の液晶装置を備えた液晶表示部を示している。このように、図12に示す電子機器は、上記実施形態の液晶装置を備えたものであるから、安価で表示品位に優れたカラー液晶表示を有する電子機器を実現することができる。
【0060】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施の形態では本発明の液滴吐出装置をカラーフィルターの製造に応用する例を挙げたが、カラーフィルターのみならず、有機EL素子等のデバイス形成技術、あるいは各種配線形成技術に適用することも可能である。
また、上記実施の形態では本発明の液滴吐出装置を基板が一方向に流れる構成に適応して説明したが、基板が一方向に流れる構成に限られることなく、基板が液滴吐出装置を双方向に移動するものなど、各種の構成に適応することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のカラーフィルター製造装置の概略構成図。
【図2】同、カラーフィルター製造装置の液滴吐出装置を示す斜視図。
【図3】同、液滴吐出装置の描画部を示す斜視図。
【図4】液滴吐出ヘッドの配置を示す斜視図。
【図5】液滴吐出ヘッドの内部構成を示す斜視図。
【図6】ヘッドユニットの周辺の構成を示す概略構成図。
【図7】第1のワイピングユニット110を示す斜視透視図。
【図8】飛行観測ユニット130を示す透視図。
【図9】カラーフィルター形成用基板を示す斜視図。
【図10】カラーフィルターの製造方法を順を追って示す工程断面図。
【図11】本発明の一実施形態の液晶装置の断面図。
【図12】本発明の電子機器の一実施形態の液晶テレビジョンの斜視図。
【符号の説明】
1・・・カラーフィルター製造装置、18・・・ノズル(液滴吐出部)、30・・・液晶装置、34・・・液滴吐出ヘッド、 63・・・検査部、100・・・吸引用キャッピングユニット(メンテナンスユニット)、110・・・第1のワイピングユニット(メンテナンスユニット)、111・・・ワイピングクロス、120・・・第2のワイピングユニット(メンテナンスユニット)、121・・・ゴムベラ(板状部材)、130・・・飛行観測ユニット(液滴吐出ヘッド検査ユニット)、131・・・フラッシュライト(照明手段)、132・・・CCDカメラ(第1の撮影手段)、140・・・ノズル検査ユニット(液滴吐出ヘッド検査ユニット)、141・・・ノズル観測カメラ(第2の撮影手段)、150・・・制御部
Claims (18)
- 被処理基材上にパターン形成用材料を含有する液状体を吐出することにより所望形状のパターンを形成する液滴吐出装置であって、
前記被処理基材の流れ方向と交差する方向に配列された複数の液滴吐出ヘッドと、
前記液滴吐出ヘッドを所定個数ずつメンテナンスするメンテナンスユニットと、前記被処理基材上に形成されたパターンの形成不良を検出する検査部と、
前記メンテナンスユニットを駆動制御する制御部と、を備え、
前記メンテナンスユニットが前記液滴吐出ヘッドに対して移動可能に配置され、
前記制御部は、前記検査部の出力に基づき、前記メンテナンスユニットが前記パターンの形成不良に対応する前記液滴吐出ヘッドをメンテナンスするように制御することを特徴とする液滴吐出装置。 - 前記メンテナンスユニットが、前記液滴吐出ヘッドをキャップし、前記液滴吐出ヘッド内に詰まった異物を吸引する吸引用キャッピングユニットであることを特徴とする請求項1記載の液滴吐出装置。
- 前記メンテナンスユニットが、前記液滴吐出ヘッドの液滴吐出部およびその周囲をクリーニングするワイピングユニットであることを特徴とする請求項1記載の液滴吐出装置。
- 前記ワイピングユニットが、ワイピングクロスを備え、
該ワイピングクロスが、前記液滴吐出部およびその周囲を摺動することによりクリーニングすることを特徴とする請求項3記載の液滴吐出装置。 - 前記ワイピングユニットが、弾性を有した材料からなる板状部材を備え、
該板状部材が、前記液滴吐出部およびその周囲を摺動することによりクリーニングすることを特徴とする請求項3記載の液滴吐出装置。 - 前記メンテナンスユニットが、前記吸引用キャッピングユニット、および前記ワイピングユニットのうち、いずれか2以上のユニットを備えることを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の液滴吐出装置。
- 前記液滴吐出ヘッドを検査する液滴吐出ヘッド検査ユニットを備え、
該液滴吐出ヘッド検査ユニットが、前記液滴吐出ヘッドに対して移動可能に配置され、
前記制御部が、前記検査部の出力に基づき、前記液滴吐出ヘッド検査ユニットが前記パターンの形成不良に対応する前記液滴吐出ヘッドを検査するように制御することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の液滴吐出装置。 - 前記液滴吐出ヘッド検査ユニットが、前記液滴吐出ヘッドから液滴が吐出されることを検査する飛行観測ユニットであることを特徴とする請求項7記載の液滴吐出装置。
- 前記飛行観測ユニットが、液滴を撮影する第1の撮影手段と、間欠点灯可能な照明手段とを備え、
該照明手段を間欠点灯させて、液滴の飛行軌跡を前記第1の撮影手段により観測することを特徴とする請求項8記載の液滴吐出装置。 - 前記飛行観測ユニットが、光を照射する光照射手段と、該光照射手段から照射された光を検知する光検知手段とを備え、
吐出された液滴が、前記光照射手段から照射された光を遮るか否かを前記光検知手段により検知することを特徴とする請求項8記載の液滴吐出装置。 - 前記液滴吐出ヘッド検査ユニットが、前記液滴吐出ヘッドの液滴吐出部およびその周囲を観測する吐出部観測ユニットであることを特徴とする請求項7記載の液滴吐出装置。
- 前記吐出部観測ユニットが、前記液滴吐出部およびその周囲を液滴の吐出方向から観測する第2の撮影手段を備えることを特徴とする請求項11記載の液滴吐出装置。
- 前記液滴吐出ヘッド検査ユニットが、前記飛行観測ユニット、前記吐出部観測ユニットのうち、いずれか2以上のユニットを備えることを特徴とする請求項8から12のいずれかに記載の液滴吐出装置。
- 異なる色の着色層を備えたカラーフィルターを製造するカラーフィルター製造装置であって、
請求項1から13のいずれかに記載の液滴吐出装置が複数備えられ、各液滴吐出装置で用いる前記液状体がそれぞれ異なる色の色素を含み、各液滴吐出装置が異なる色の着色層をそれぞれ形成することを特徴とするカラーフィルター製造装置。 - 異なる色の着色層を備えたカラーフィルターの製造方法であって、
請求項14記載のカラーフィルター製造装置を用いて前記着色層を形成することを特徴とするカラーフィルターの製造方法。 - 異なる色の着色層を備えたカラーフィルターであって、
請求項15に記載のカラーフィルターの製造方法により製造されたことを特徴とするカラーフィルター。 - 一対の基板間に液晶が挟持された液晶装置であって、
請求項16に記載のカラーフィルターを備えたことを特徴とする液晶装置。 - 請求項17に記載の液晶装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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