JP2004335799A - 金属膜成膜方法および金属配線形成方法 - Google Patents
金属膜成膜方法および金属配線形成方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】Cu原子の絶縁膜への拡散を防止できるTaSiNのバリア膜を、絶縁膜上にカバレッジ良く成膜する方法を提供する。
【解決手段】基板1上にシリコン化合物を含む第1のガスを暴露し、シリコン含有薄膜を形成する。その後、シリコン含有薄膜上に窒素、及び金属を含む第2のガスを暴露し、ケイ化窒化金属膜7を形成する。その結果、シリコン化合物を含む第1のガスとケイ化窒化金属膜中の金属を含む第2のガスとが気相中で直接混合されるのを防ぐことが出来るため、パーティクルの発生を防ぎ、カバレッジのTaSiNからなるバリア膜7を形成することが出来る。
【選択図】 図9
【解決手段】基板1上にシリコン化合物を含む第1のガスを暴露し、シリコン含有薄膜を形成する。その後、シリコン含有薄膜上に窒素、及び金属を含む第2のガスを暴露し、ケイ化窒化金属膜7を形成する。その結果、シリコン化合物を含む第1のガスとケイ化窒化金属膜中の金属を含む第2のガスとが気相中で直接混合されるのを防ぐことが出来るため、パーティクルの発生を防ぎ、カバレッジのTaSiNからなるバリア膜7を形成することが出来る。
【選択図】 図9
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属膜成膜方法に関する発明であって、より特定的には、基板上にケイ化窒化金属膜を成膜する方法に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体装置の高速化・高集積化の要請に対応し、Al(アルミニウム)配線に比べて低抵抗かつ高信頼性のCu(銅)配線が広く用いられるようになってきている。以下に、Cu配線が施された従来の半導体装置について図面を参照しながら説明する。図15は、Cu配線が施された従来の半導体装置の断面図である。
【0003】
図15に示す半導体装置は、半導体基板101、絶縁膜102、Cu膜104、Cu膜105、TaN(窒化タンタル)膜106、およびシリコン窒化膜107を備える。ここで、Cu原子は、シリコンや酸化シリコンに対して高い拡散性を有している。そのため、酸化シリコンの絶縁膜102内に直接Cu膜104が形成されると、当該絶縁膜102中に、Cu原子が拡散してしまう。そこで、図15に示す半導体装置においては、Cu膜104と絶縁膜102との間に、バリア膜としてのTaN膜106が必要となる。当該TaNのバリア膜が存在することにより、Cu原子の絶縁膜102への拡散を防止できる。
【0004】
図16は、TaN膜106の断面拡大図である。図16に示すように、TaNのバリア膜は、比較的高い結晶性を有する。そのため、バリア膜の膜厚が薄い場合には、図16に示すように、結晶粒界の一辺の長さがバリア膜の膜厚より長くなる部分が発生し、バリア膜を貫通するような結晶粒界110が発生する場合がある。このような結晶粒界110が存在すると、Cu膜104中のCu原子は、TaN膜106を通過して絶縁膜102に拡散してしまう。このように絶縁膜102内に拡散したCu原子は、当該絶縁膜102中で可動イオンになるため、配線間リーク電流を増大させ、半導体装置における動作不良の原因となる。
【0005】
そこで、Cu原子が絶縁膜102へ拡散するのを防止するために、大きな結晶粒界が発生しにくい材料をバリア膜に用いることが提案されている。具体的には、TaNよりもアモルファス構造をとりやすいTaSiN(ケイ化窒化タンタル)をバリア膜材料に適用することが提案されている。これにより、結晶粒界110を介して絶縁膜102へCu原子が拡散することを防止できる。一般的にTaSiNのバリア膜は、PVD(Phisical Vapor Deposition)法を用いて形成される(非特許文献1および2参照)。
【0006】
【非特許文献1】
R.E.Geer、外2名、High−Resolution
EDS analysis of ultra−thin TaSiN
diffusion barriers for Cu
metallization using
microcalorimetry、“Proceeding of the 2001 International Interconnect
Technology Conference” 米国 2001年6月4日 p.192
【非特許文献2】
Zailong Bian、他2名、Development of
TaSiN Diffusion Barriers for
Cu/SiLK Metallization Schemes
“Proceeding of the 2001
International Interconnect
Technology Conference” 米国 2001年6月4日
p.204
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、PVD法は、周知のように、段差被覆性(以下、カバレッジと称す)が悪い。これは、段差の上の角に堆積した堆積物がマスクとなって、段差の下の角部分に膜が堆積しにくくなるからである。そのため、絶縁膜102中に形成された配線溝103上にPVD法によりバリア膜120を堆積すると、図17に示すように、配線溝103の上部の角に堆積したバリア膜120が邪魔をして、配線溝103の底部の角にバリア膜120が堆積しにくくなる。このように、配線溝103の底部の角においてバリア膜120の膜厚が薄くなると、当該配線溝103の底部の角からCu原子が絶縁膜102に拡散してしまうおそれがある。
【0008】
配線溝103の底部の角において十分な膜厚を得るためには、バリア膜の全体的な膜厚を十分に厚くする必要がある。しかしながら、バリア膜の膜厚が厚くなると、その分、Cu配線の断面積が小さくなり、配線の抵抗が増大してしまうという新たな問題が生じる。なお、バリア膜に用いられる金属は、一般的にはCuよりも大きな抵抗値を有する金属が用いられるので、更に配線の高抵抗化を招く虞がある。
【0009】
そこで、本発明は、配線抵抗を増大させることなく、バリア効果の高いバリア膜を形成できる金属膜成膜方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記課題を解決するために、本発明では、基板上にシリコン化合物を含む第1のガスを暴露し、シリコン含有薄膜を形成する工程と、シリコン含有薄膜上に窒素、及び金属を含む第2のガスを暴露し、ケイ化窒化金属膜を形成する工程とを備える、金属膜成膜方法を提供する。本発明によりケイ化窒化金属膜を形成すると、先にシリコン含有薄膜を基板上に堆積し、そこに窒素、及び金属を含むガスを供給しているため、シリコン化合物を含む第1のガスとケイ化窒化金属膜中の金属を含む第2のガスとが気相中で直接混合されるのを防ぐことが出来る。その結果、ケイ化窒化金属膜の形成を堆積膜面上で行うことが出来るため、これらのガスが気相中で反応し、気相中でケイ化チッ化金属化合物が形成されて被堆積面上に降り注ぐ現象を防ぐことが出来る。つまり、気相中で形成されたケイ化窒化金属化合物が原因となるパーティクルの発生を防ぐことにより、比較的均質な膜を形成し、カバレッジのよいケイ化窒化金属膜を形成することが出来る。
【0011】
また、上記のようにして形成されたケイ化窒化金属膜は、絶縁膜内に形成される金属配線において、金属配線中の金属原子が絶縁膜に拡散するのを防止するためのバリア膜として用いられる。特にTaN膜と比較してケイ化窒化金属膜はアモルファス構造を取りやすいため、薄膜化した場合においても図16に示すような薄膜を貫通するような大きな結晶粒界が発生しにくい。したがって、このようなケイ化窒化金属膜を、バリア膜として用いれば、薄膜の状態でも十分にバリア膜としての機能を果たすことができ、絶縁膜中に形成された金属配線の断面積を大きくすることができる。その結果、金属配線の低抵抗化を図ることが可能となる。
【0012】
上記第1のガスは、一例としてシラン系のガスが用いられ、第2のガスは、一例としてとしてケイ化窒化金属膜中の金属および窒素を含む金属化合物のガスが用いられる。第1のガスとしてシラン系のガスを用いた場合、ケイ化窒化金属膜の中間生成物として形成される薄膜は、典型的には、アモルファスシリコン膜である。このアモルファスシリコン膜の膜厚は、バリア膜としての機能を示すのに必要な最小膜厚であるシリコン原子1原子以上で配線抵抗上昇を抑えたバリア膜厚の範囲内、0.2〜2nmであることが好ましい。
【0013】
上記ケイ化窒化金属膜の一例としては、ケイ化窒化タンタルが挙げられる。この場合、第2のガスを構成する金属化合物は、一例としてアミノタンタル化合物が用いられる。
【0014】
また、第1のガスとして、シラン系のガスとアンモニアとの混合ガスを用いてもよい。この場合、ケイ化窒化金属膜の中間生成物として形成される薄膜は、シリコン窒化膜である。
【0015】
ステップケイ化窒化金属膜を形成する工程は、金属を含むガス中に基板を暴露した後、当該基板に対して窒化処理を行うようにしてもよい。ケイ化窒化金属膜を形成する工程を2工程で行うことにより、ケイ化金属膜の形成後、ケイ化窒化金属膜が形成される。
【0016】
また、本発明の他の局面では、基板上に金属を含む第1のガスを暴露し、金属含有薄膜を形成し、金属含有薄膜上にシリコン化合物を含む第2のガスを暴露し、ケイ化窒化金属膜を形成するようしている。このような成膜工程を採用しても、ケイ化窒化金属膜中の金属を含む第1のガスとシリコン化合物を含む第2のガスとが気相中で直接混合されるのを回避することができる。
【0017】
上記他の局面では、第1のガスは、金属および窒素を含む有機金属化合物のガスが用いられ、第2のガスは、一例としてシラン系のガスが用いられる。第1のガスとして上記有機金属化合物のガスを用いた場合、ケイ化窒化金属膜の中間生成物として形成される薄膜は、ケイ化窒化金属中の金属窒化物の薄膜である。
【0018】
また、上記他の局面において、第2のガスとしてシラン系のガスとアンモニアとの混合ガスが用いてもよい。この場合、第2のガスを暴露したときに、金属膜のケイ化および窒化を同時に行うことができ、ケイ化窒化金属膜を得ることができる。
【0019】
なお、本発明の成膜を行う際に、第1のガスによる金属含有薄膜形成処理と第2のガスによるケイ化窒化金属膜形成処理とを、成膜装置の同一のチャンバー内で行ってもよいし、異なるチャンバー内で行ってもよい。前者の場合、第1のガスによる薄膜の形成が終了した後に、第1のガスをチャンバー内から完全に排気し、その後、第2のガスをチャンバー内に導入する必要がある。これによって、第1のガスと第2のガスとが気相中で混合されることを防ぐことが出来る。後者の場合は、第1のガスと第2のガスとは気相中で混合されないので、前者の場合のように必ずしも排気処理を行う必要はない。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下に、本発明の第1の実施形態に係る金属配線形成方法について図面を参照しながら説明する。本実施形態では、シリコンの半導体基板上に形成された絶縁膜にシングルダマシン構造のCu配線およびTaSiNのバリア膜を形成している。ここで、図1〜9は、本発明の第1の実施形態に係る金属配線形成方法における各工程での半導体装置の断面構造を示している。
【0021】
本実施形態に係る金属配線形成方法では、図1に示すように、まず、シリコンの半導体基板1の表面上に酸化シリコンの絶縁膜2を形成する。当該酸化シリコンの絶縁膜2は、例えば、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法により形成される。
【0022】
次に、リソグラフィーにより、上記絶縁膜2上に配線パターン(図示せず)を形成する。配線パターンを形成した後、絶縁膜2に対してエッチング処理を行い、絶縁膜2のマスクされていない部分をエッチング除去する。この後、アッシング処理によりレジストの残渣を除去する。これにより、図2に示すように、半導体装置の絶縁膜2には、配線溝3が形成される。
【0023】
次に、図3に示すように、熱CVD法により、絶縁膜2および配線溝3上に、アモルファスのSi膜4を形成する。具体的には、半導体基板1を約400℃に加熱した状態で、絶縁膜2および配線溝3の表面を、シラン系ガスを含んだガス雰囲気中に暴露する。これにより、シラン系ガスが、絶縁膜2および配線溝3の表面で熱分解し、当該絶縁膜2および配線溝3上には、Si膜4が形成される。なお、Si膜4の膜厚が、バリア膜としての機能を示すのに必要な最小膜厚であるシリコン原子1原子以上で配線抵抗上昇を抑えたバリア膜厚の範囲内、0.2〜2nm(より好ましくは、0.5nm程度)となるように、成膜装置のチャンバー(図示せず)内の圧力や暴露時間等の暴露条件が調節される。例えば、上記シラン系ガスが、モノシランである場合には、当該シラン系ガスの上記チャンバー内における分圧が3Pa程度になるように流入量が調節される。
【0024】
ここで、Si膜4の膜厚の設定について説明する。Si膜4は、後続工程においてエチルアミノタンタル(化学式:Ta(N(C2H5)2)5)に暴露されて、化学反応を生じて、アモルファス構造を有するTaSiN膜に変化する。このアモルファス構造は、図16に示すような結晶粒界が存在しにくいため、結晶粒界を通って原子が拡散する現象が起こりにくく、多結晶膜よりも拡散防止能力が高くなる。ここで、Si膜4の膜厚が薄すぎると、TaSiN膜に含まれるSi原子の濃度が低下して、TaSiN膜のアモルファス化が妨げられる。ここで、Si原子の濃度がTaSiN膜のアモルファス状態に影響を与えるのは、Si−N結合がTa原子とN原子の結合より強いためである。具体的には、Ta原子とN原子は規則的な配列を形成し結晶化しやすいが、ここにSi原子が存在すると、N原子はSi原子に引き寄せされる。その結果、強いSi−N結合によってTa−N結合の形成が妨げられ、Ta原子とN原子からなる結晶が形成されにくいため、逆にアモルファス状態が形成されやすくなる。従って、Si膜4の膜厚は、少なくとも単原子層を形成できる膜厚が必要である。例えばSi膜4の膜厚が単原子層(0.2nm)程度である場合、Si膜の全部がTaN膜中に取り込まれ、TaSiN膜中のSi濃度は低いがTa−N結合よりSi−N結合が優勢となるため、Si濃度分布がほぼ一様なアモルファス状態の膜を形成することが出来る。一方、Si膜4の膜厚が厚すぎると、エチルアミノタンタルに暴露した場合において、未反応のSi膜4が残留してしまい、Si濃度分布の均一性が大きく低下する。その結果、膜中にアモルファス部分とSi原子層部分の大きく2種類が存在し、Si原子層部分は結晶粒界が発生しやすくなるため、拡散防止能力が低下する。以上の理由から、Si膜4の膜厚は、0.2nm(単原子層)〜2nmの範囲であることが好ましい。Si膜4の形成が完了すると、成膜装置のチャンバー内のガスを、全て排気する。
【0025】
次に、図4に示すように、アモルファスのSi膜4に対してTaおよびNを添加して、TaSiN膜5を形成する。具体的には、半導体基板1を約400℃に加熱した状態で、Si膜4の表面を、エチルアミノタンタルガスを含有するガス雰囲気中に暴露する。これにより、エチルアミノタンタルガスとSi膜4のSi原子とが、化学式(1)に示すような反応を起こす。その結果、Si膜4は、TaSiN膜5に変性する。なお、このときにTaSiN膜5と共に生成されるSi(C2H5)4および(C2H5)2NHは、副生成ガスとして、成膜装置のチャンバー外へと排気される。
【0026】
【化1】
【0027】
なお、化学式(1)中のx、y、zは、自然数である。
【0028】
上記エチルアミノタンタルガスの暴露時における成膜装置のチャンバー内の圧力や暴露時間等の暴露条件を、TaSiN膜5の膜厚が0.5〜5nm、より好ましくは2.5nm程度となるように調節する。具体的には、エチルアミノタンタルガスのチャンバー内における分圧が、1Pa程度となるように流量を調節する。
【0029】
ここで、TaSiN膜5の膜厚について説明する。TaSiN膜5を形成するためのSi膜の膜厚は、少なくとも単原子層分(上記より0.2nm)は必要であり、それにTaとNのガスを供給して形成された膜の膜厚の最小値は0.5nmである。一方、TaSiN膜5を形成するためのSi膜の膜厚は、厚すぎるとSi原子分布の均一性が低下するため、Si膜厚は上記より2nm以下が望ましい。このSi膜にTaとNを含有するガスを供給すると、5nm程度になる。TaSiN膜中のSi濃度分布の均一性を向上させ、かつバリア膜としての拡散防止能力を向上させるためには、TaSiN膜5の膜厚は、0.5nm〜5nmの範囲であることが好ましい。TaSiN膜5の形成が完了すると、成膜装置のチャンバー内のガスを全て排気する。
【0030】
次に、図3および図4に示す処理と同じ処理をもう一度行って、TaSiN膜5上にTaSiN膜をさらに形成する。具体的には、図5に示すように、TaSiN膜5上にアモルファスのSi膜6を形成し、図6に示すように、当該アモルファスのSi膜6をTaSiN膜7に変化させる。すなわち、図5に示す処理は、図3に示す処理と同じ処理であり、図6に示す処理は、図4に示す処理と同じ処理である。以上で、バリア膜であるTaSiN膜5および7の成膜処理が完了する。
【0031】
TaSiN膜5および7の成膜処理が完了すると、TaSiN膜7の表面に対して、PVD法を用いて、Cu膜8を形成する。その後、当該Cu膜8に対してメッキ処理用の電極(図示せず)を取り付けて、Cu膜9を、当該Cu膜8表面上にメッキ法により形成する。これにより、半導体装置は、図7に示すように、その表面がCu膜9に覆われる。
【0032】
次に、配線溝3からはみ出したTaSiN膜5、TaSiN膜7、Cu膜8およびCu膜9を、CMP(Chemical and Mechanical Polishing)により除去する。これにより、図8に示すような配線層10を、絶縁膜2の配線溝3の内部に形成できる。
【0033】
最後に、図9に示すように、絶縁膜2および配線層10の表面に、シリコン窒化膜11を、例えばCVD法を用いて形成する。以上の工程を経て、Cu配線がTaSiN膜5および7によりバリアされた構造を有する半導体装置が完成する。
【0034】
以上のように、本実施形態に係る金属配線形成方法では、Si膜を先に堆積し、そこにTaとNを含有するガスを供給することによりアモルファス構造を有するバリア膜(TaSiN膜)を形成する。その結果、当該バリア膜を貫通するような大きな結晶粒界が発生しにくく、膜厚が薄く、かつCu原子の拡散を有効に防止することができるバリア膜を提供することが出来る。なお、TaSiN膜中のSi−N結合はTa−N結合より強いため、Cu原子はTaSiN膜中を移動しにくく、結晶化していない状態のTaN膜と比較しても、Cu原子の拡散防止能力が高い。
【0035】
また、本実施形態に係る金属配線形成方法では、PVD法よりも段差被覆性に優れているCVD法の利点を利用してTaSiN膜を形成しているので、従来の金属配線形成方法と比較して、カバレッジが良好な状態でTaSiN膜を配線溝表面に形成することが可能となる。その結果、バリア膜の薄膜化を実現でき、金属配線の低抵抗化を図ることが可能となる。具体的には、配線幅150nm、配線深さ250nmおよびバリア膜厚10nmの形状を有する配線において、1mm長当りの当該配線の抵抗値は、従来のPVD法で形成した場合には6.67MΩであるのに対して、本実施形態の成膜方法で形成した場合には5.83MΩとなる。
【0036】
また、本実施形態に係る金属配線形成方法は、PVD法によるTaSiN膜の形成を、単に従来から周知のCVD法に置換したものではない。すなわち、本実施形態では、TaSiN膜を形成するにあたり、まず中間生成物としてのSi膜をシラン系ガスを用いたCVD法で形成し、その後、このSi膜をエチルアミノタンタルガスに暴露してTaSiN膜に変化させる処理を行っている。このような複合処理による成膜は、全く新規なものであり、ここでは、この新規な成膜方法を「複合CVD法」と呼ぶことにする。このような複合CVD法を採用することにより、従来のCVD法で成膜した際に生じるであろう種々の問題を回避するようにしている。
【0037】
より詳細に説明すると、従来のCVD法では、有機タンタル化合物のガスとシラン系ガスとの混合ガスを用いて1工程でTaSiN膜を形成することが一般的である。しかしながら、アミノタンタルガスとシラン系ガスとは、非常に高い反応性を有する。そのため、以下に掲げるような2つの問題が存在することを本願発明者は見出した。
【0038】
第1の問題点は、アミノタンタル化合物のガスとシラン系ガスとが、気相中で反応し、これらの反応物のTaSiNのパーティクルが発生することである。当該TaSiNのパーティクルは、TaSiN膜の形成に寄与できない程度の大きさを有するので、配線溝上に落下した場合には、異物となって、後続工程であるCu膜の埋め込みを阻害し、配線構造の抵抗を増大させる原因となる。
【0039】
第2の問題点は、本来、基板における表面反応で発生すべきTaSiNが、気相反応で発生して、半導体基板表面に到達することにより、CVD法における最も重要な反応過程である表面反応律速が妨げられることである。このように表面反応律速が妨げられることは、バリア膜のカバレッジを低下させる。その結果、配線構造の抵抗を増大させる。
【0040】
そこで、本願発明者は、TaSiN膜を形成するための全く新規な成膜方法(複合CVD法)を考案した。すなわち、本実施形態のように複数工程に分けてバリア膜の成膜を行えば、シラン系ガスとアミノタンタルガスとを工程上分離して扱うことができ、両者が直接混合されないので、上記のような問題が発生しない。
【0041】
なお、本実施形態では、TaSiN膜の形成にエチルアミノタンタルを用いているが、これに代えて、例えばアミノタンタル化合物のような窒素を含む有機タンタル化合物を用いてもよい。
【0042】
なお、本実施形態では、シラン系ガスに半導体基板を暴露してSi膜を形成した後に、エチルアミノタンタルガスに当該半導体基板を暴露してSi膜をTaSiN膜に変化させるものとしているが、TaSiN膜を形成する際の手順はこれに限らない。具体的には、エチルアミノタンタルガスに半導体基板を暴露することによりTaN膜を形成した後に、シラン系ガスに当該半導体基板を暴露することによってTaSiN膜に変化させてもよい。
【0043】
なお、本実施形態では、図3に示すようにシラン系ガスに半導体基板を暴露してSi膜を形成した後に、図4に示すようにエチルアミノタンタルガスに暴露してSi膜をTaSiN膜に変化させているが、TaSiN膜の成膜処理はこれに限らない。例えば、図3に示す処理の代わりに、シラン系ガスとアンモニアガスとを含有する混合ガス雰囲気中に半導体基板を暴露してシリコン窒化膜を形成した後に、図4に示す処理の代わりに、TaBr5を含有するガス雰囲気中に半導体基板を暴露してシリコン窒化膜をTaSiN膜に変化させてもよい。また、TaBr5を含有するガス雰囲気中に半導体基板を暴露後、シラン系ガスとアンモニアガスとを含有する混合ガス雰囲気中に当該半導体基板を暴露してもよい。
【0044】
なお、本実施形態では、シラン系ガスの暴露とエチルアミノタンタルガスの暴露とを、同一のチャンバー内で行うようにしたが、上記2つの暴露処理を異なるチャンバー内で行うようにしてもよい。この場合には、2つのガスが直接に混ざる可能性が完全になくなる。
【0045】
なお、本実施形態では、シラン系ガスの暴露時の条件は、基板温度が約400℃であり、分圧が約3Paであるとしていたが、これらの条件をそれぞれ約400℃および約10Paと設定してもよい。この場合、半導体基板上には、Si膜の形成の代わりにシラン分子が物理吸着することになる。そして、当該シラン分子の物理吸着後に、エチルアミノタンタルガスを、分圧を約3Paの条件で導入することによっても、TaSiN膜を形成できる。
【0046】
(第2の実施形態)
以下に、本発明の第2の実施形態に係る金属配線形成方法について図面を参照しながら説明する。当該第2の実施形態に係る金属配線形成方法は、第1の実施形態に係る金属配線形成方法とTaSiN膜の成膜工程において相違点を有する。具体的には、第1の実施形態では、図3(または図5)におけるシラン系ガスの暴露処理と、図4(または図6)におけるエチルアミノタンタルガスの暴露処理との2工程によりTaSiN膜5およびTaSiN膜7を形成していたが、本実施形態では、図10〜図12に示される3工程を2回行うことによりTaSiN膜5およびTaSiN膜7を形成する(図13)。なお、TaSiN膜5およびTaSiN膜7の成膜工程以外の処理については、第2の実施形態は、第1の実施形態と同じである。以下に、本実施形態に係る金属配線形成方法について、図面を参照しながら説明する。
【0047】
まず、第1の実施形態と同様に、半導体基板1上に絶縁膜2を形成し(図1)、絶縁膜2に配線溝3を形成する(図2)。なお、これらの処理は、第1の実施形態と同様であるので、これ以上の詳細な説明を省略する。配線溝3の形成が完了すると、TaSiN膜の成膜処理を行う。
【0048】
まず、図10に示すように、絶縁膜2および配線溝3上にアモルファスのSi膜4を形成する。なお、図10に示す処理は、図3に示す処理と同じであるので、これ以上の詳細な説明を省略する。アモルファスのSi膜4の形成が完了すると、成膜装置のチャンバー内のガスを全て排気する。
【0049】
次に、図11に示すように、絶縁膜2および配線溝3上のSi膜4をTaSi膜34に変化させる。具体的には、半導体基板1を加熱した状態で、アモルファスのSi膜4の表面を、TaBr5を含んだガス雰囲気中に暴露する。これにより、アモルファスのSi膜4にTa原子を注入する。TaSi膜34への変化が完了すると、成膜装置のチャンバー内のガスを全て排気する。
【0050】
次に、図12に示すように、TaSi膜34を窒化処理することにより、TaSi膜34をTaSiN膜5に変化させる。具体的には、半導体基板1を加熱した状態で、TaSi膜34をNH3ガス雰囲気中に暴露する。これにより、TaSi膜34にN原子を注入する。
【0051】
図10〜図12に示すTaSiN膜5の成膜処理が完了すると、図10〜図12に示す成膜処理と同じ成膜処理を、もう一度ずつ繰り返す。これにより、図13に示すように、TaSiN膜5上にTaSiN膜7がさらに形成される。
【0052】
この後、第1の実施形態と同様に、図7〜9において説明した処理を施して、配線層10およびシリコン窒化膜11を形成する。以上の工程を経て、Cu配線がTaSiN膜5および7によりバリアされた構造を有する半導体装置が完成する。
【0053】
以上のように、本実施形態に係る金属配線形成方法では、第1の実施形態と同様に、TaSiNのバリア膜を成膜するので、Cu原子の拡散防止能力が高いバリア膜を形成することが可能となる。
【0054】
また、本実施形態に係る金属配線形成方法では、第1の実施形態と同様に、部分的にCVD法を利用してTaSiNのバリア膜を形成するので、カバレッジが良好な状態でTaSiN膜を配線溝表面に形成できる。その結果、バリア膜の薄膜化を実現でき、金属配線の低抵抗化を図ることが可能となる。
【0055】
また、本実施形態に係る金属配線形成方法では、TaBr5を含有するガスとシラン系ガスとを混合せずに別々に成膜装置のチャンバー内に導入する。そのため、TaBr5を含有するガスとシラン系ガスとが気相反応しないので、TaSiNのパーティクルの発生や表面反応律速が妨げられることがない。そのため、本実施形態に係る金属配線配線形成方法では、第1の実施形態と同様に、カバレッジが良好な状態でTaSiN膜を形成でき、配線構造の低抵抗化を図ることが可能となる。
【0056】
なお、本実施形態では、TaSi膜の窒化処理のために、NH4ガス雰囲気中にTaSi膜を暴露しているが、これの代わりに窒素雰囲気中に暴露することによりTaSi膜に窒化処理を施してもよい。
【0057】
なお、本実施形態では、シラン系ガスを含んだガスに半導体基板を暴露してSi膜を形成した後に、TaBr5を含むガスに当該半導体基板を暴露してSi膜をTaSi膜を変化させ、その後、当該TaSi膜を窒化してTaSiN膜を変化させているが、TaSiN膜を形成する際の手順はこれに限らない。具体的には、TaBr5を含むガスに半導体基板を暴露することにより、当該半導体基板上にTaBr5の物理吸着層を形成した後に、シラン系ガスを含んだガスに当該半導体基板を暴露することによってTaBr5の物理吸着層をTaSi膜に変化させ、その後、窒化処理によりTaSi膜をTaSiN膜に変化させてもよい。
【0058】
また、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に複数のチャンバーにより成膜処理を行ってもよい。
【0059】
なお、第1および第2の実施形態では、簡単のために配線溝を形成してその内部にバリア膜および銅膜を埋め込む「シングルダマシン法」について説明したが、配線溝とスルーホールとを形成してそれらの内部にバリア膜および銅膜を埋め込む「デュアルダマシン法」においても、本発明の金属配線形成方法を適用することが可能である。
【0060】
また、第1および第2の実施形態では、Si膜の形成にシラン系ガスを用ているが、このシラン系ガスは、モノシランのガスに限らず、例えば、ジシランやトリシランのようなシリコン化合物のガスであってもよい。
【0061】
また、第1および第2の実施形態では、半導体装置の金属配線形成方法について説明しているが、本発明のTaSiN膜の成膜方法は、大容量コンデンサーの製造や凹凸の激しい材料のコーティングといった他の分野においても適用が可能である。
【0062】
また、第1および第2の実施形態では、TaSiN膜の成膜について説明しているが、本発明の金属配線形成方法は、TiSiN膜、WSiN膜あるいはMoSiN膜といった他のケイ化窒化金属膜の成膜に対しても適用が可能である。
【0063】
また、第1および第2の実施形態では、熱CVD法によりSi膜を形成するようにしたが、これに代えて、例えばプラズマCVD法等のその他のCVD法によってSi膜を形成してもよい。
【0064】
また、第1及び第2の実施形態では、TaSiN膜を2層形成しているが、当該TaSiN膜の層数はこれに限らない。すなわち、TaSiN膜の層数を必要に応じて増減してもよい。なお、これまでの実施形態では、Ta化合物の暴露に先立ち、Si化合物で表面を被覆する工程を備えているが、かわりに、SixNy化合物膜で表面を被覆する工程を備えていてもよい。SixNy化合物の例としては、アモルファス状のSi膜に少量のNをドープして形成したSixNy膜が挙げられる。
【0065】
また、本発明では、TaSiN膜の成膜工程に関して、多数のバリエーションが存在するため、各バリエーションでのTaSiN膜形成時の使用ガス(第1および第2のガス)、中間生成物および窒化処理の有無の情報を図14に示しておく。ここで、第1のガスとは、TaSiN膜の形成時に最初に暴露されるガスである。中間生成物とは、第1のガスが暴露されることにより、絶縁膜および配線溝上に形成される薄膜である。第2のガスは、中間生成物に対して暴露されるガスである。窒化処理は、窒化処理工程の有無を示す。
【0066】
図14において、(1)は、第1の実施形態で説明した金属配線形成方法での成膜工程を示している。(2)は、中間生成物がシラン系分子の物理吸着層である金属配線形成方法における成膜工程を示しており、第1の実施形態のなお書きにおいて説明したものである。(3)は、(1)の第1のガスと第2のガスとを入れ替えた金属配線形成方法における成膜工程を示しており、第1の実施形態のなお書きにおいて説明したものである。(4)は、中間生成物としてシリコン窒化膜を形成する金属配線形成方法における成膜工程を示しており、第1の実施形態のなお書きで説明したものである。(5)は、(4)の第1のガスと第2のガスとを入れ替えた金属配線形成方法における成膜工程を示しており、第1の実施形態のなお書きで説明したものである。(6)は、第2の実施形態において説明した3段階の工程によりTaSiN膜を形成する工程を示している。(7)は、(6)の第1のガスと第2のガスとを入れ替えた成膜工程を示しており、第2の実施形態のなお書きで説明したものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る金属膜成膜方法において、半導体基板上に絶縁膜が形成されたときの半導体装置の断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る金属膜成膜方法において、配線溝が形成されたときの半導体装置の断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る金属膜成膜方法において、Si膜が形成されるときの半導体装置の断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る金属膜成膜方法において、TaSiN膜が形成されるときの半導体装置の断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る金属膜成膜方法において、Si膜が形成されるときの半導体装置の断面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る金属膜成膜方法において、TaSiN膜が形成されるときの半導体装置の断面図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る金属膜成膜方法において、Cu膜が形成されるときの半導体装置の断面図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る金属膜成膜方法において、配線領域が形成されるときの半導体装置の断面図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る金属膜成膜方法において、シリコン窒化膜が形成されるときの半導体装置の断面図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る金属膜成膜方法において、属膜成膜方法において、Si膜が形成されるときの半導体装置の断面図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る金属膜成膜方法において、TaSi膜が形成されるときの半導体装置の断面図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る金属膜成膜方法において、TaSiN膜が形成されるときの半導体装置の断面図である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係る金属膜成膜方法において、TaSiN膜が形成されたときの半導体装置の断面図である。
【図14】本発明の金属膜成膜方法の各バリエーションで用いられるガス等の情報を示した図である。
【図15】従来の金属膜成膜方法により作成された半導体装置の断面図である。
【図16】TaN膜の拡大図である。
【図17】従来の金属膜成膜方法における工程断面図である。
【符号の説明】
1 半導体基板
2 絶縁膜
3 配線溝
4、6 Si膜
5、7 TaSiN膜
8、9 Cu膜
10 配線層
11 シリコン窒化膜
34 TaSi膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属膜成膜方法に関する発明であって、より特定的には、基板上にケイ化窒化金属膜を成膜する方法に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体装置の高速化・高集積化の要請に対応し、Al(アルミニウム)配線に比べて低抵抗かつ高信頼性のCu(銅)配線が広く用いられるようになってきている。以下に、Cu配線が施された従来の半導体装置について図面を参照しながら説明する。図15は、Cu配線が施された従来の半導体装置の断面図である。
【0003】
図15に示す半導体装置は、半導体基板101、絶縁膜102、Cu膜104、Cu膜105、TaN(窒化タンタル)膜106、およびシリコン窒化膜107を備える。ここで、Cu原子は、シリコンや酸化シリコンに対して高い拡散性を有している。そのため、酸化シリコンの絶縁膜102内に直接Cu膜104が形成されると、当該絶縁膜102中に、Cu原子が拡散してしまう。そこで、図15に示す半導体装置においては、Cu膜104と絶縁膜102との間に、バリア膜としてのTaN膜106が必要となる。当該TaNのバリア膜が存在することにより、Cu原子の絶縁膜102への拡散を防止できる。
【0004】
図16は、TaN膜106の断面拡大図である。図16に示すように、TaNのバリア膜は、比較的高い結晶性を有する。そのため、バリア膜の膜厚が薄い場合には、図16に示すように、結晶粒界の一辺の長さがバリア膜の膜厚より長くなる部分が発生し、バリア膜を貫通するような結晶粒界110が発生する場合がある。このような結晶粒界110が存在すると、Cu膜104中のCu原子は、TaN膜106を通過して絶縁膜102に拡散してしまう。このように絶縁膜102内に拡散したCu原子は、当該絶縁膜102中で可動イオンになるため、配線間リーク電流を増大させ、半導体装置における動作不良の原因となる。
【0005】
そこで、Cu原子が絶縁膜102へ拡散するのを防止するために、大きな結晶粒界が発生しにくい材料をバリア膜に用いることが提案されている。具体的には、TaNよりもアモルファス構造をとりやすいTaSiN(ケイ化窒化タンタル)をバリア膜材料に適用することが提案されている。これにより、結晶粒界110を介して絶縁膜102へCu原子が拡散することを防止できる。一般的にTaSiNのバリア膜は、PVD(Phisical Vapor Deposition)法を用いて形成される(非特許文献1および2参照)。
【0006】
【非特許文献1】
R.E.Geer、外2名、High−Resolution
EDS analysis of ultra−thin TaSiN
diffusion barriers for Cu
metallization using
microcalorimetry、“Proceeding of the 2001 International Interconnect
Technology Conference” 米国 2001年6月4日 p.192
【非特許文献2】
Zailong Bian、他2名、Development of
TaSiN Diffusion Barriers for
Cu/SiLK Metallization Schemes
“Proceeding of the 2001
International Interconnect
Technology Conference” 米国 2001年6月4日
p.204
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、PVD法は、周知のように、段差被覆性(以下、カバレッジと称す)が悪い。これは、段差の上の角に堆積した堆積物がマスクとなって、段差の下の角部分に膜が堆積しにくくなるからである。そのため、絶縁膜102中に形成された配線溝103上にPVD法によりバリア膜120を堆積すると、図17に示すように、配線溝103の上部の角に堆積したバリア膜120が邪魔をして、配線溝103の底部の角にバリア膜120が堆積しにくくなる。このように、配線溝103の底部の角においてバリア膜120の膜厚が薄くなると、当該配線溝103の底部の角からCu原子が絶縁膜102に拡散してしまうおそれがある。
【0008】
配線溝103の底部の角において十分な膜厚を得るためには、バリア膜の全体的な膜厚を十分に厚くする必要がある。しかしながら、バリア膜の膜厚が厚くなると、その分、Cu配線の断面積が小さくなり、配線の抵抗が増大してしまうという新たな問題が生じる。なお、バリア膜に用いられる金属は、一般的にはCuよりも大きな抵抗値を有する金属が用いられるので、更に配線の高抵抗化を招く虞がある。
【0009】
そこで、本発明は、配線抵抗を増大させることなく、バリア効果の高いバリア膜を形成できる金属膜成膜方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記課題を解決するために、本発明では、基板上にシリコン化合物を含む第1のガスを暴露し、シリコン含有薄膜を形成する工程と、シリコン含有薄膜上に窒素、及び金属を含む第2のガスを暴露し、ケイ化窒化金属膜を形成する工程とを備える、金属膜成膜方法を提供する。本発明によりケイ化窒化金属膜を形成すると、先にシリコン含有薄膜を基板上に堆積し、そこに窒素、及び金属を含むガスを供給しているため、シリコン化合物を含む第1のガスとケイ化窒化金属膜中の金属を含む第2のガスとが気相中で直接混合されるのを防ぐことが出来る。その結果、ケイ化窒化金属膜の形成を堆積膜面上で行うことが出来るため、これらのガスが気相中で反応し、気相中でケイ化チッ化金属化合物が形成されて被堆積面上に降り注ぐ現象を防ぐことが出来る。つまり、気相中で形成されたケイ化窒化金属化合物が原因となるパーティクルの発生を防ぐことにより、比較的均質な膜を形成し、カバレッジのよいケイ化窒化金属膜を形成することが出来る。
【0011】
また、上記のようにして形成されたケイ化窒化金属膜は、絶縁膜内に形成される金属配線において、金属配線中の金属原子が絶縁膜に拡散するのを防止するためのバリア膜として用いられる。特にTaN膜と比較してケイ化窒化金属膜はアモルファス構造を取りやすいため、薄膜化した場合においても図16に示すような薄膜を貫通するような大きな結晶粒界が発生しにくい。したがって、このようなケイ化窒化金属膜を、バリア膜として用いれば、薄膜の状態でも十分にバリア膜としての機能を果たすことができ、絶縁膜中に形成された金属配線の断面積を大きくすることができる。その結果、金属配線の低抵抗化を図ることが可能となる。
【0012】
上記第1のガスは、一例としてシラン系のガスが用いられ、第2のガスは、一例としてとしてケイ化窒化金属膜中の金属および窒素を含む金属化合物のガスが用いられる。第1のガスとしてシラン系のガスを用いた場合、ケイ化窒化金属膜の中間生成物として形成される薄膜は、典型的には、アモルファスシリコン膜である。このアモルファスシリコン膜の膜厚は、バリア膜としての機能を示すのに必要な最小膜厚であるシリコン原子1原子以上で配線抵抗上昇を抑えたバリア膜厚の範囲内、0.2〜2nmであることが好ましい。
【0013】
上記ケイ化窒化金属膜の一例としては、ケイ化窒化タンタルが挙げられる。この場合、第2のガスを構成する金属化合物は、一例としてアミノタンタル化合物が用いられる。
【0014】
また、第1のガスとして、シラン系のガスとアンモニアとの混合ガスを用いてもよい。この場合、ケイ化窒化金属膜の中間生成物として形成される薄膜は、シリコン窒化膜である。
【0015】
ステップケイ化窒化金属膜を形成する工程は、金属を含むガス中に基板を暴露した後、当該基板に対して窒化処理を行うようにしてもよい。ケイ化窒化金属膜を形成する工程を2工程で行うことにより、ケイ化金属膜の形成後、ケイ化窒化金属膜が形成される。
【0016】
また、本発明の他の局面では、基板上に金属を含む第1のガスを暴露し、金属含有薄膜を形成し、金属含有薄膜上にシリコン化合物を含む第2のガスを暴露し、ケイ化窒化金属膜を形成するようしている。このような成膜工程を採用しても、ケイ化窒化金属膜中の金属を含む第1のガスとシリコン化合物を含む第2のガスとが気相中で直接混合されるのを回避することができる。
【0017】
上記他の局面では、第1のガスは、金属および窒素を含む有機金属化合物のガスが用いられ、第2のガスは、一例としてシラン系のガスが用いられる。第1のガスとして上記有機金属化合物のガスを用いた場合、ケイ化窒化金属膜の中間生成物として形成される薄膜は、ケイ化窒化金属中の金属窒化物の薄膜である。
【0018】
また、上記他の局面において、第2のガスとしてシラン系のガスとアンモニアとの混合ガスが用いてもよい。この場合、第2のガスを暴露したときに、金属膜のケイ化および窒化を同時に行うことができ、ケイ化窒化金属膜を得ることができる。
【0019】
なお、本発明の成膜を行う際に、第1のガスによる金属含有薄膜形成処理と第2のガスによるケイ化窒化金属膜形成処理とを、成膜装置の同一のチャンバー内で行ってもよいし、異なるチャンバー内で行ってもよい。前者の場合、第1のガスによる薄膜の形成が終了した後に、第1のガスをチャンバー内から完全に排気し、その後、第2のガスをチャンバー内に導入する必要がある。これによって、第1のガスと第2のガスとが気相中で混合されることを防ぐことが出来る。後者の場合は、第1のガスと第2のガスとは気相中で混合されないので、前者の場合のように必ずしも排気処理を行う必要はない。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下に、本発明の第1の実施形態に係る金属配線形成方法について図面を参照しながら説明する。本実施形態では、シリコンの半導体基板上に形成された絶縁膜にシングルダマシン構造のCu配線およびTaSiNのバリア膜を形成している。ここで、図1〜9は、本発明の第1の実施形態に係る金属配線形成方法における各工程での半導体装置の断面構造を示している。
【0021】
本実施形態に係る金属配線形成方法では、図1に示すように、まず、シリコンの半導体基板1の表面上に酸化シリコンの絶縁膜2を形成する。当該酸化シリコンの絶縁膜2は、例えば、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法により形成される。
【0022】
次に、リソグラフィーにより、上記絶縁膜2上に配線パターン(図示せず)を形成する。配線パターンを形成した後、絶縁膜2に対してエッチング処理を行い、絶縁膜2のマスクされていない部分をエッチング除去する。この後、アッシング処理によりレジストの残渣を除去する。これにより、図2に示すように、半導体装置の絶縁膜2には、配線溝3が形成される。
【0023】
次に、図3に示すように、熱CVD法により、絶縁膜2および配線溝3上に、アモルファスのSi膜4を形成する。具体的には、半導体基板1を約400℃に加熱した状態で、絶縁膜2および配線溝3の表面を、シラン系ガスを含んだガス雰囲気中に暴露する。これにより、シラン系ガスが、絶縁膜2および配線溝3の表面で熱分解し、当該絶縁膜2および配線溝3上には、Si膜4が形成される。なお、Si膜4の膜厚が、バリア膜としての機能を示すのに必要な最小膜厚であるシリコン原子1原子以上で配線抵抗上昇を抑えたバリア膜厚の範囲内、0.2〜2nm(より好ましくは、0.5nm程度)となるように、成膜装置のチャンバー(図示せず)内の圧力や暴露時間等の暴露条件が調節される。例えば、上記シラン系ガスが、モノシランである場合には、当該シラン系ガスの上記チャンバー内における分圧が3Pa程度になるように流入量が調節される。
【0024】
ここで、Si膜4の膜厚の設定について説明する。Si膜4は、後続工程においてエチルアミノタンタル(化学式:Ta(N(C2H5)2)5)に暴露されて、化学反応を生じて、アモルファス構造を有するTaSiN膜に変化する。このアモルファス構造は、図16に示すような結晶粒界が存在しにくいため、結晶粒界を通って原子が拡散する現象が起こりにくく、多結晶膜よりも拡散防止能力が高くなる。ここで、Si膜4の膜厚が薄すぎると、TaSiN膜に含まれるSi原子の濃度が低下して、TaSiN膜のアモルファス化が妨げられる。ここで、Si原子の濃度がTaSiN膜のアモルファス状態に影響を与えるのは、Si−N結合がTa原子とN原子の結合より強いためである。具体的には、Ta原子とN原子は規則的な配列を形成し結晶化しやすいが、ここにSi原子が存在すると、N原子はSi原子に引き寄せされる。その結果、強いSi−N結合によってTa−N結合の形成が妨げられ、Ta原子とN原子からなる結晶が形成されにくいため、逆にアモルファス状態が形成されやすくなる。従って、Si膜4の膜厚は、少なくとも単原子層を形成できる膜厚が必要である。例えばSi膜4の膜厚が単原子層(0.2nm)程度である場合、Si膜の全部がTaN膜中に取り込まれ、TaSiN膜中のSi濃度は低いがTa−N結合よりSi−N結合が優勢となるため、Si濃度分布がほぼ一様なアモルファス状態の膜を形成することが出来る。一方、Si膜4の膜厚が厚すぎると、エチルアミノタンタルに暴露した場合において、未反応のSi膜4が残留してしまい、Si濃度分布の均一性が大きく低下する。その結果、膜中にアモルファス部分とSi原子層部分の大きく2種類が存在し、Si原子層部分は結晶粒界が発生しやすくなるため、拡散防止能力が低下する。以上の理由から、Si膜4の膜厚は、0.2nm(単原子層)〜2nmの範囲であることが好ましい。Si膜4の形成が完了すると、成膜装置のチャンバー内のガスを、全て排気する。
【0025】
次に、図4に示すように、アモルファスのSi膜4に対してTaおよびNを添加して、TaSiN膜5を形成する。具体的には、半導体基板1を約400℃に加熱した状態で、Si膜4の表面を、エチルアミノタンタルガスを含有するガス雰囲気中に暴露する。これにより、エチルアミノタンタルガスとSi膜4のSi原子とが、化学式(1)に示すような反応を起こす。その結果、Si膜4は、TaSiN膜5に変性する。なお、このときにTaSiN膜5と共に生成されるSi(C2H5)4および(C2H5)2NHは、副生成ガスとして、成膜装置のチャンバー外へと排気される。
【0026】
【化1】
【0027】
なお、化学式(1)中のx、y、zは、自然数である。
【0028】
上記エチルアミノタンタルガスの暴露時における成膜装置のチャンバー内の圧力や暴露時間等の暴露条件を、TaSiN膜5の膜厚が0.5〜5nm、より好ましくは2.5nm程度となるように調節する。具体的には、エチルアミノタンタルガスのチャンバー内における分圧が、1Pa程度となるように流量を調節する。
【0029】
ここで、TaSiN膜5の膜厚について説明する。TaSiN膜5を形成するためのSi膜の膜厚は、少なくとも単原子層分(上記より0.2nm)は必要であり、それにTaとNのガスを供給して形成された膜の膜厚の最小値は0.5nmである。一方、TaSiN膜5を形成するためのSi膜の膜厚は、厚すぎるとSi原子分布の均一性が低下するため、Si膜厚は上記より2nm以下が望ましい。このSi膜にTaとNを含有するガスを供給すると、5nm程度になる。TaSiN膜中のSi濃度分布の均一性を向上させ、かつバリア膜としての拡散防止能力を向上させるためには、TaSiN膜5の膜厚は、0.5nm〜5nmの範囲であることが好ましい。TaSiN膜5の形成が完了すると、成膜装置のチャンバー内のガスを全て排気する。
【0030】
次に、図3および図4に示す処理と同じ処理をもう一度行って、TaSiN膜5上にTaSiN膜をさらに形成する。具体的には、図5に示すように、TaSiN膜5上にアモルファスのSi膜6を形成し、図6に示すように、当該アモルファスのSi膜6をTaSiN膜7に変化させる。すなわち、図5に示す処理は、図3に示す処理と同じ処理であり、図6に示す処理は、図4に示す処理と同じ処理である。以上で、バリア膜であるTaSiN膜5および7の成膜処理が完了する。
【0031】
TaSiN膜5および7の成膜処理が完了すると、TaSiN膜7の表面に対して、PVD法を用いて、Cu膜8を形成する。その後、当該Cu膜8に対してメッキ処理用の電極(図示せず)を取り付けて、Cu膜9を、当該Cu膜8表面上にメッキ法により形成する。これにより、半導体装置は、図7に示すように、その表面がCu膜9に覆われる。
【0032】
次に、配線溝3からはみ出したTaSiN膜5、TaSiN膜7、Cu膜8およびCu膜9を、CMP(Chemical and Mechanical Polishing)により除去する。これにより、図8に示すような配線層10を、絶縁膜2の配線溝3の内部に形成できる。
【0033】
最後に、図9に示すように、絶縁膜2および配線層10の表面に、シリコン窒化膜11を、例えばCVD法を用いて形成する。以上の工程を経て、Cu配線がTaSiN膜5および7によりバリアされた構造を有する半導体装置が完成する。
【0034】
以上のように、本実施形態に係る金属配線形成方法では、Si膜を先に堆積し、そこにTaとNを含有するガスを供給することによりアモルファス構造を有するバリア膜(TaSiN膜)を形成する。その結果、当該バリア膜を貫通するような大きな結晶粒界が発生しにくく、膜厚が薄く、かつCu原子の拡散を有効に防止することができるバリア膜を提供することが出来る。なお、TaSiN膜中のSi−N結合はTa−N結合より強いため、Cu原子はTaSiN膜中を移動しにくく、結晶化していない状態のTaN膜と比較しても、Cu原子の拡散防止能力が高い。
【0035】
また、本実施形態に係る金属配線形成方法では、PVD法よりも段差被覆性に優れているCVD法の利点を利用してTaSiN膜を形成しているので、従来の金属配線形成方法と比較して、カバレッジが良好な状態でTaSiN膜を配線溝表面に形成することが可能となる。その結果、バリア膜の薄膜化を実現でき、金属配線の低抵抗化を図ることが可能となる。具体的には、配線幅150nm、配線深さ250nmおよびバリア膜厚10nmの形状を有する配線において、1mm長当りの当該配線の抵抗値は、従来のPVD法で形成した場合には6.67MΩであるのに対して、本実施形態の成膜方法で形成した場合には5.83MΩとなる。
【0036】
また、本実施形態に係る金属配線形成方法は、PVD法によるTaSiN膜の形成を、単に従来から周知のCVD法に置換したものではない。すなわち、本実施形態では、TaSiN膜を形成するにあたり、まず中間生成物としてのSi膜をシラン系ガスを用いたCVD法で形成し、その後、このSi膜をエチルアミノタンタルガスに暴露してTaSiN膜に変化させる処理を行っている。このような複合処理による成膜は、全く新規なものであり、ここでは、この新規な成膜方法を「複合CVD法」と呼ぶことにする。このような複合CVD法を採用することにより、従来のCVD法で成膜した際に生じるであろう種々の問題を回避するようにしている。
【0037】
より詳細に説明すると、従来のCVD法では、有機タンタル化合物のガスとシラン系ガスとの混合ガスを用いて1工程でTaSiN膜を形成することが一般的である。しかしながら、アミノタンタルガスとシラン系ガスとは、非常に高い反応性を有する。そのため、以下に掲げるような2つの問題が存在することを本願発明者は見出した。
【0038】
第1の問題点は、アミノタンタル化合物のガスとシラン系ガスとが、気相中で反応し、これらの反応物のTaSiNのパーティクルが発生することである。当該TaSiNのパーティクルは、TaSiN膜の形成に寄与できない程度の大きさを有するので、配線溝上に落下した場合には、異物となって、後続工程であるCu膜の埋め込みを阻害し、配線構造の抵抗を増大させる原因となる。
【0039】
第2の問題点は、本来、基板における表面反応で発生すべきTaSiNが、気相反応で発生して、半導体基板表面に到達することにより、CVD法における最も重要な反応過程である表面反応律速が妨げられることである。このように表面反応律速が妨げられることは、バリア膜のカバレッジを低下させる。その結果、配線構造の抵抗を増大させる。
【0040】
そこで、本願発明者は、TaSiN膜を形成するための全く新規な成膜方法(複合CVD法)を考案した。すなわち、本実施形態のように複数工程に分けてバリア膜の成膜を行えば、シラン系ガスとアミノタンタルガスとを工程上分離して扱うことができ、両者が直接混合されないので、上記のような問題が発生しない。
【0041】
なお、本実施形態では、TaSiN膜の形成にエチルアミノタンタルを用いているが、これに代えて、例えばアミノタンタル化合物のような窒素を含む有機タンタル化合物を用いてもよい。
【0042】
なお、本実施形態では、シラン系ガスに半導体基板を暴露してSi膜を形成した後に、エチルアミノタンタルガスに当該半導体基板を暴露してSi膜をTaSiN膜に変化させるものとしているが、TaSiN膜を形成する際の手順はこれに限らない。具体的には、エチルアミノタンタルガスに半導体基板を暴露することによりTaN膜を形成した後に、シラン系ガスに当該半導体基板を暴露することによってTaSiN膜に変化させてもよい。
【0043】
なお、本実施形態では、図3に示すようにシラン系ガスに半導体基板を暴露してSi膜を形成した後に、図4に示すようにエチルアミノタンタルガスに暴露してSi膜をTaSiN膜に変化させているが、TaSiN膜の成膜処理はこれに限らない。例えば、図3に示す処理の代わりに、シラン系ガスとアンモニアガスとを含有する混合ガス雰囲気中に半導体基板を暴露してシリコン窒化膜を形成した後に、図4に示す処理の代わりに、TaBr5を含有するガス雰囲気中に半導体基板を暴露してシリコン窒化膜をTaSiN膜に変化させてもよい。また、TaBr5を含有するガス雰囲気中に半導体基板を暴露後、シラン系ガスとアンモニアガスとを含有する混合ガス雰囲気中に当該半導体基板を暴露してもよい。
【0044】
なお、本実施形態では、シラン系ガスの暴露とエチルアミノタンタルガスの暴露とを、同一のチャンバー内で行うようにしたが、上記2つの暴露処理を異なるチャンバー内で行うようにしてもよい。この場合には、2つのガスが直接に混ざる可能性が完全になくなる。
【0045】
なお、本実施形態では、シラン系ガスの暴露時の条件は、基板温度が約400℃であり、分圧が約3Paであるとしていたが、これらの条件をそれぞれ約400℃および約10Paと設定してもよい。この場合、半導体基板上には、Si膜の形成の代わりにシラン分子が物理吸着することになる。そして、当該シラン分子の物理吸着後に、エチルアミノタンタルガスを、分圧を約3Paの条件で導入することによっても、TaSiN膜を形成できる。
【0046】
(第2の実施形態)
以下に、本発明の第2の実施形態に係る金属配線形成方法について図面を参照しながら説明する。当該第2の実施形態に係る金属配線形成方法は、第1の実施形態に係る金属配線形成方法とTaSiN膜の成膜工程において相違点を有する。具体的には、第1の実施形態では、図3(または図5)におけるシラン系ガスの暴露処理と、図4(または図6)におけるエチルアミノタンタルガスの暴露処理との2工程によりTaSiN膜5およびTaSiN膜7を形成していたが、本実施形態では、図10〜図12に示される3工程を2回行うことによりTaSiN膜5およびTaSiN膜7を形成する(図13)。なお、TaSiN膜5およびTaSiN膜7の成膜工程以外の処理については、第2の実施形態は、第1の実施形態と同じである。以下に、本実施形態に係る金属配線形成方法について、図面を参照しながら説明する。
【0047】
まず、第1の実施形態と同様に、半導体基板1上に絶縁膜2を形成し(図1)、絶縁膜2に配線溝3を形成する(図2)。なお、これらの処理は、第1の実施形態と同様であるので、これ以上の詳細な説明を省略する。配線溝3の形成が完了すると、TaSiN膜の成膜処理を行う。
【0048】
まず、図10に示すように、絶縁膜2および配線溝3上にアモルファスのSi膜4を形成する。なお、図10に示す処理は、図3に示す処理と同じであるので、これ以上の詳細な説明を省略する。アモルファスのSi膜4の形成が完了すると、成膜装置のチャンバー内のガスを全て排気する。
【0049】
次に、図11に示すように、絶縁膜2および配線溝3上のSi膜4をTaSi膜34に変化させる。具体的には、半導体基板1を加熱した状態で、アモルファスのSi膜4の表面を、TaBr5を含んだガス雰囲気中に暴露する。これにより、アモルファスのSi膜4にTa原子を注入する。TaSi膜34への変化が完了すると、成膜装置のチャンバー内のガスを全て排気する。
【0050】
次に、図12に示すように、TaSi膜34を窒化処理することにより、TaSi膜34をTaSiN膜5に変化させる。具体的には、半導体基板1を加熱した状態で、TaSi膜34をNH3ガス雰囲気中に暴露する。これにより、TaSi膜34にN原子を注入する。
【0051】
図10〜図12に示すTaSiN膜5の成膜処理が完了すると、図10〜図12に示す成膜処理と同じ成膜処理を、もう一度ずつ繰り返す。これにより、図13に示すように、TaSiN膜5上にTaSiN膜7がさらに形成される。
【0052】
この後、第1の実施形態と同様に、図7〜9において説明した処理を施して、配線層10およびシリコン窒化膜11を形成する。以上の工程を経て、Cu配線がTaSiN膜5および7によりバリアされた構造を有する半導体装置が完成する。
【0053】
以上のように、本実施形態に係る金属配線形成方法では、第1の実施形態と同様に、TaSiNのバリア膜を成膜するので、Cu原子の拡散防止能力が高いバリア膜を形成することが可能となる。
【0054】
また、本実施形態に係る金属配線形成方法では、第1の実施形態と同様に、部分的にCVD法を利用してTaSiNのバリア膜を形成するので、カバレッジが良好な状態でTaSiN膜を配線溝表面に形成できる。その結果、バリア膜の薄膜化を実現でき、金属配線の低抵抗化を図ることが可能となる。
【0055】
また、本実施形態に係る金属配線形成方法では、TaBr5を含有するガスとシラン系ガスとを混合せずに別々に成膜装置のチャンバー内に導入する。そのため、TaBr5を含有するガスとシラン系ガスとが気相反応しないので、TaSiNのパーティクルの発生や表面反応律速が妨げられることがない。そのため、本実施形態に係る金属配線配線形成方法では、第1の実施形態と同様に、カバレッジが良好な状態でTaSiN膜を形成でき、配線構造の低抵抗化を図ることが可能となる。
【0056】
なお、本実施形態では、TaSi膜の窒化処理のために、NH4ガス雰囲気中にTaSi膜を暴露しているが、これの代わりに窒素雰囲気中に暴露することによりTaSi膜に窒化処理を施してもよい。
【0057】
なお、本実施形態では、シラン系ガスを含んだガスに半導体基板を暴露してSi膜を形成した後に、TaBr5を含むガスに当該半導体基板を暴露してSi膜をTaSi膜を変化させ、その後、当該TaSi膜を窒化してTaSiN膜を変化させているが、TaSiN膜を形成する際の手順はこれに限らない。具体的には、TaBr5を含むガスに半導体基板を暴露することにより、当該半導体基板上にTaBr5の物理吸着層を形成した後に、シラン系ガスを含んだガスに当該半導体基板を暴露することによってTaBr5の物理吸着層をTaSi膜に変化させ、その後、窒化処理によりTaSi膜をTaSiN膜に変化させてもよい。
【0058】
また、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に複数のチャンバーにより成膜処理を行ってもよい。
【0059】
なお、第1および第2の実施形態では、簡単のために配線溝を形成してその内部にバリア膜および銅膜を埋め込む「シングルダマシン法」について説明したが、配線溝とスルーホールとを形成してそれらの内部にバリア膜および銅膜を埋め込む「デュアルダマシン法」においても、本発明の金属配線形成方法を適用することが可能である。
【0060】
また、第1および第2の実施形態では、Si膜の形成にシラン系ガスを用ているが、このシラン系ガスは、モノシランのガスに限らず、例えば、ジシランやトリシランのようなシリコン化合物のガスであってもよい。
【0061】
また、第1および第2の実施形態では、半導体装置の金属配線形成方法について説明しているが、本発明のTaSiN膜の成膜方法は、大容量コンデンサーの製造や凹凸の激しい材料のコーティングといった他の分野においても適用が可能である。
【0062】
また、第1および第2の実施形態では、TaSiN膜の成膜について説明しているが、本発明の金属配線形成方法は、TiSiN膜、WSiN膜あるいはMoSiN膜といった他のケイ化窒化金属膜の成膜に対しても適用が可能である。
【0063】
また、第1および第2の実施形態では、熱CVD法によりSi膜を形成するようにしたが、これに代えて、例えばプラズマCVD法等のその他のCVD法によってSi膜を形成してもよい。
【0064】
また、第1及び第2の実施形態では、TaSiN膜を2層形成しているが、当該TaSiN膜の層数はこれに限らない。すなわち、TaSiN膜の層数を必要に応じて増減してもよい。なお、これまでの実施形態では、Ta化合物の暴露に先立ち、Si化合物で表面を被覆する工程を備えているが、かわりに、SixNy化合物膜で表面を被覆する工程を備えていてもよい。SixNy化合物の例としては、アモルファス状のSi膜に少量のNをドープして形成したSixNy膜が挙げられる。
【0065】
また、本発明では、TaSiN膜の成膜工程に関して、多数のバリエーションが存在するため、各バリエーションでのTaSiN膜形成時の使用ガス(第1および第2のガス)、中間生成物および窒化処理の有無の情報を図14に示しておく。ここで、第1のガスとは、TaSiN膜の形成時に最初に暴露されるガスである。中間生成物とは、第1のガスが暴露されることにより、絶縁膜および配線溝上に形成される薄膜である。第2のガスは、中間生成物に対して暴露されるガスである。窒化処理は、窒化処理工程の有無を示す。
【0066】
図14において、(1)は、第1の実施形態で説明した金属配線形成方法での成膜工程を示している。(2)は、中間生成物がシラン系分子の物理吸着層である金属配線形成方法における成膜工程を示しており、第1の実施形態のなお書きにおいて説明したものである。(3)は、(1)の第1のガスと第2のガスとを入れ替えた金属配線形成方法における成膜工程を示しており、第1の実施形態のなお書きにおいて説明したものである。(4)は、中間生成物としてシリコン窒化膜を形成する金属配線形成方法における成膜工程を示しており、第1の実施形態のなお書きで説明したものである。(5)は、(4)の第1のガスと第2のガスとを入れ替えた金属配線形成方法における成膜工程を示しており、第1の実施形態のなお書きで説明したものである。(6)は、第2の実施形態において説明した3段階の工程によりTaSiN膜を形成する工程を示している。(7)は、(6)の第1のガスと第2のガスとを入れ替えた成膜工程を示しており、第2の実施形態のなお書きで説明したものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る金属膜成膜方法において、半導体基板上に絶縁膜が形成されたときの半導体装置の断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る金属膜成膜方法において、配線溝が形成されたときの半導体装置の断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る金属膜成膜方法において、Si膜が形成されるときの半導体装置の断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る金属膜成膜方法において、TaSiN膜が形成されるときの半導体装置の断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る金属膜成膜方法において、Si膜が形成されるときの半導体装置の断面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る金属膜成膜方法において、TaSiN膜が形成されるときの半導体装置の断面図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る金属膜成膜方法において、Cu膜が形成されるときの半導体装置の断面図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る金属膜成膜方法において、配線領域が形成されるときの半導体装置の断面図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る金属膜成膜方法において、シリコン窒化膜が形成されるときの半導体装置の断面図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る金属膜成膜方法において、属膜成膜方法において、Si膜が形成されるときの半導体装置の断面図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る金属膜成膜方法において、TaSi膜が形成されるときの半導体装置の断面図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る金属膜成膜方法において、TaSiN膜が形成されるときの半導体装置の断面図である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係る金属膜成膜方法において、TaSiN膜が形成されたときの半導体装置の断面図である。
【図14】本発明の金属膜成膜方法の各バリエーションで用いられるガス等の情報を示した図である。
【図15】従来の金属膜成膜方法により作成された半導体装置の断面図である。
【図16】TaN膜の拡大図である。
【図17】従来の金属膜成膜方法における工程断面図である。
【符号の説明】
1 半導体基板
2 絶縁膜
3 配線溝
4、6 Si膜
5、7 TaSiN膜
8、9 Cu膜
10 配線層
11 シリコン窒化膜
34 TaSi膜
Claims (16)
- 基板上にシリコン化合物を含む第1のガスを暴露し、シリコン含有薄膜を形成する工程と、
前記シリコン含有薄膜上に金属を含む第2のガスを暴露し、ケイ化窒化金属膜を形成する工程とを備える、金属膜成膜方法。 - 前記第1のガスは、シラン系のガスであり、
前記第2のガスは、窒素及び金属を含む金属化合物からなることを特徴とする、請求項1に記載の金属膜成膜方法。 - 前記シリコン含有薄膜は、アモルファスシリコン膜であることを特徴とする、請求項2に記載の金属膜成膜方法。
- 前記アモルファスシリコン膜の膜厚は、0.2〜2nmであることを特徴とする、請求項3に記載の金属膜成膜方法。
- 前記ケイ化窒化金属は、ケイ化窒化タンタルであり、
前記有機金属化合物は、アミノタンタル化合物であることを特徴とする、請求項2に記載の金属膜成膜方法。 - 前記ケイ化窒化金属膜を形成する工程は、
前記シリコン含有薄膜上に前記金属を含むガスを暴露する工程と、
前記金属を含むガスを暴露する工程後、前記金属を含むガスを暴露した膜表面に、窒化処理を行う工程とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の金属膜成膜方法。 - 前記第1のガスは、シラン系のガスとアンモニアとの混合ガスである、請求項1に記載の金属膜成膜方法。
- 基板上に金属を含む第1のガスを暴露し、金属含有薄膜を形成する工程と、
前記金属含有薄膜上にシリコン化合物を含む第2のガスを暴露し、ケイ化窒化金属膜を形成する工程とを備える、金属膜成膜方法。 - 前記第1のガスは、前記金属および窒素を含む金属化合物からなるガスであり、
前記第2のガスは、シラン系のガスであることを特徴とする、請求項8に記載の金属膜成膜方法。 - 前記第2のガスは、シラン系のガスとアンモニアとの混合ガスであることを特徴とする、請求項8に記載の金属膜成膜方法。
- 前記ケイ化窒化金属膜を形成する工程は、
前記金属含有薄膜上にシラン系のガスを暴露する工程と、
前記シラン系のガスを暴露する工程後、前記シラン系ガスを暴露した膜表面に窒化処理を行う工程とを含むことを特徴とする、請求項8に記載の金属膜成膜方法。 - 前記金属含有薄膜を形成する工程の終了後、前記第1のガスを成膜装置のチャンバー内から排気した後に前記ケイ化窒化金属膜を形成する工程を実行することを特徴とする、請求項8に記載の金属膜成膜方法。
- 前記金属含有薄膜を形成する工程および前記ケイ化窒化金属膜を形成する工程は、それぞれ異なる成膜装置のチャンバー内で行われることを特徴とする、請求項8に記載の金属膜成膜方法。
- 絶縁膜中に金属配線を形成する方法であって、
前記絶縁膜に凹部を形成する工程と、
前記凹部に金属を含む第1のガスを暴露して、金属含有薄膜を形成する工程と、
前記金属含有薄膜にシリコン化合物を含む第2のガスを暴露して、ケイ化窒化金属膜を形成する工程と、
前記ケイ化窒化金属膜が形成された凹部上に導電膜を埋め込む工程と、
前記凹部からはみ出した導電膜を除去する工程とを備える、配線形成方法。 - 前記導電膜は、銅もしくは銅を主成分とする合金からなることを特徴とする、請求項14に記載の配線形成方法。
- 絶縁膜中に金属配線を形成する方法であって、
前記絶縁膜に凹部を形成する工程と、
前記凹部にシリコン化合物を含む第1のガスを暴露して、シリコン含有薄膜を形成する工程と、
前記シリコン含有薄膜に金属を含む第2のガスを暴露して、ケイ化窒化金属膜を形成する工程と、
前記ケイ化窒化金属膜が形成された凹部上に導電膜を埋め込む工程と、
前記凹部からはみ出した導電膜を除去する工程とを備える、配線形成方法。
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JP2008042199A (ja) * | 2006-08-03 | 2008-02-21 | Dongbu Hitek Co Ltd | 半導体素子及びその製造方法 |
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-
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