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JP2004333840A - プロジェクタ装置 - Google Patents

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JP2004333840A
JP2004333840A JP2003129112A JP2003129112A JP2004333840A JP 2004333840 A JP2004333840 A JP 2004333840A JP 2003129112 A JP2003129112 A JP 2003129112A JP 2003129112 A JP2003129112 A JP 2003129112A JP 2004333840 A JP2004333840 A JP 2004333840A
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Japan
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color
optical system
light
optical axis
lens
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JP2003129112A
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English (en)
Inventor
Tetsuyuki Nakano
哲之 中野
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Chinontec KK
Original Assignee
Chinontec KK
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Publication date
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Abstract

【課題】輝度斑を容易に抑制できる液晶プロジェクタを提供する。
【解決手段】照明光学系15の光学要素16の全反射ミラーM1〜M3を、照明光学系15とレンズ鏡筒の光軸に対して水平方向と鉛直方向に所定の角度に傾斜させて配置する。ダイクロイッククロスプリズム5にて色合成した光をレンズ鏡筒にてスクリーンに投射する際に、各色光の投射位置がずれて暗線が互いに重なり合わないため、輝度斑を容易に抑制できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源から照射された光を複数の色光に分離して照射する照明光学系を備えたプロジェクタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プロジェクタ装置としての液晶プロジェクタは光源を備え、この光源から照射された照明光は、光学要素としてのマルチレンズ、PBSアレイ、反射ミラー、ダイクロイックミラー、各種レンズなどを有する照明光学系により、透過、あるいは反射などされてR(赤)、G(緑)およびB(青)の3色の色光に分離されて照射される。また、照明光学系にて照射された各色光は、LCDパネルに入射して変調され、色合成光学系としてのダイクロイッククロスプリズムにて色合成され、投射光学要素としてのレンズを複数有する投射光学系にてスクリーンなどに投射像として投射される。
【0003】
ここで、ダイクロイッククロスプリズムは、4つの三角プリズムを、直角の稜辺を向かい合わせて直交面同士を接着剤により接合することで、内部に十字状のダイクロイック面を有する直方体状に形成されている。このため、隣り合うプリズムの直交面と直交面との間には、接着剤の層が形成されることになり、この接着剤層の厚さ分だけ各プリズム同士の直交面は離れることになる。したがって、各プリズムの稜辺も接着剤層の厚さに応じて離れることになり、ダイクロイック面の中心、すなわちダイクロイック面のクロス(交差)部分には、ダイクロイック面が途切れる境界部が形成されることとなる。なお、直交面に形成(蒸着)されるダイクロイック面が直角の稜辺まで隙間なく蒸着されない場合には、この隙間部分もダイクロイック面が途切れる境界部を形成することとなる。
【0004】
一方、マルチレンズは、LCDパネルの縦横長比、すなわちアスペクト比に略一致した矩形状の複数のレンズ要素が、光軸に対して直交する平面に沿って、光軸に対して対称に縦横に規則的に配列されて構成されている。さらに、PBSアレイは、マルチレンズの各レンズ要素から出射した照明光を、例えば縦方向に同数、横方向に2倍の数のS偏光の光束として出射する。
【0005】
このため、光源から照射された照明光は、マルチレンズにより複数の光束となり、これら光束の数がPBSアレイにより横方向に2倍された後、色毎に各種レンズなどにより互いに重畳して各LCDパネルにそれぞれ入射する。すなわち、照明光学系の光軸から離れた位置にあるマルチレンズのレンズ要素から出射する光は、光軸に対して斜めの角度でLCDパネルに入射する。
【0006】
しかも、照明光学系の各光学要素および投射光学系のレンズは、照明光学系および投射光学系の光軸に対して光軸が平行、あるいは一致するように配置されている。
【0007】
この結果、ダイクロイック面の境界部による暗線が、マルチレンズのレンズ要素およびPBSアレイのPBSにより、光軸を中心にしてマルチレンズのレンズ要素とPBSアレイのPBSとの配列に対応した位置、すなわち規則的な位置に複数箇所に投射されるとともに、各色光による投射像に形成された暗線がダイクロイッククロスプリズムにより互いに合成されて強調されるおそれがある。
【0008】
そして、投射像の中に規則正しく形成される暗線による輝度斑は、観測者の目に付き易く、投射像の視認性を劣化させるおそれがある。
【0009】
そこで、直方体状に形成したプリズムを、これらプリズムの接合面にダイクロイック面を形成して直方体状に組み上げた後、各プリズムの角を面取りすることで、ダイクロイック面を連続的に形成したダイクロイッククロスプリズムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0010】
【特許文献1】
特表2001−507810号公報(第14−24頁、図4h)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のダイクロイッククロスプリズムを用いる液晶プロジェクタでは、製造工程および製造コストが増加するなどの問題点を有している。
【0012】
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、輝度斑を容易に抑制できるプロジェクタ装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のプロジェクタ装置は、光源と、複数の光学要素を備え、前記光源から照射された光を、前記光学要素を介して複数の色光に分離して照射する照明光学系と、この照明光学系にて照射された各色光を色合成する色合成光学系と、複数の投射光学要素を備え、前記色合成光学系にて色合成された光を、前記投射光学要素を介して投射する投射光学系とを具備し、前記複数の光学要素および前記複数の投射光学要素の少なくともいずれか一つは、前記照明光学系および前記投射光学系の光軸に対して光軸が所定の状態にずれるように配置されているものである。
【0014】
そして、光源から照射された光を複数の色光に分離して照射する照明光学系の複数の光学要素、および、色合成光学系にて色合成された光を投射する投射光学系の複数の投射光学要素の少なくともいずれか一つを、照明光学系および投射光学系の光軸に対して光軸が所定の状態にずれるように配置することで、色合成された光が投射光学系により投射された際に、各色光の投射位置が所定の状態にずれて暗線が互いに重なり合わず、輝度斑が容易に抑制される。
【0015】
請求項2記載のプロジェクタ装置は、請求項1記載のプロジェクタ装置において、光学要素は、各色光の少なくともいずれか一つを少なくとも反射させる反射手段を有し、前記反射手段は、照明光学系の光軸に対して光軸が所定の角度傾斜しているものである。
【0016】
そして、各色光の少なくともいずれか一つを少なくとも反射させる反射手段の光軸を、照明光学系の光軸に対して所定の角度傾斜させることで、反射手段にて反射された各色光による暗線の位置がずれ、輝度斑がより容易に抑制される。
【0017】
請求項3記載のプロジェクタ装置は、請求項2記載のプロジェクタ装置において、反射手段は、照明光学系の光軸に対して光軸が水平方向および鉛直方向に所定の角度傾斜しているものである。
【0018】
そして、反射手段の光軸を、水平方向および垂直方向の両方に所定の角度傾斜させることで、照明光学系の光軸に対する反射手段の光軸の傾斜角度を低減しても輝度斑を充分に抑制することが可能になり、反射手段の光軸の傾斜角度の増加による投射像の劣化が抑制される。
【0019】
請求項4記載のプロジェクタ装置は、請求項2または3記載のプロジェクタ装置において、光学要素は、光源から照射された光を複数の色光に分離する色分離手段を有し、反射手段は、全反射ミラーであり、前記色分離手段と色合成光学系との間に配置されているものである。
【0020】
そして、反射手段を全反射ミラーとし、この反射手段を光源から照射された光を複数の色光に分離する色分離手段と色合成光学系との間に配置することで、照明光学系の光軸に対して反射手段の光軸を傾斜させても、光源から照射された光が色分離手段にて各色光に確実に分離される。
【0021】
請求項5記載のプロジェクタ装置は、請求項4記載のプロジェクタ装置において、色分離手段は、光源から照射された光を赤色、緑色および青色の色光に分離し、反射手段は、複数設けられ、前記色分離手段にて分離された色光のいずれか二つをそれぞれ反射させるものである。
【0022】
そして、複数の反射手段により三つの色光のいずれか二つをそれぞれ反射させることで、色分離手段にて分離された赤色、緑色および青色の色光の投射位置が確実に互いにずれるので、輝度斑がより確実に抑制される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のプロジェクタ装置の一実施の形態の構成を図1ないし図8を参照して説明する。
【0024】
図1ないし図8において、1はプロジェクタ装置としての液晶プロジェクタで、この液晶プロジェクタ1は、照明光を照射する光源2、この光源2から照射された照明光が入射する筐体3、この筐体3に配置された変調手段である液晶表示素子としての3枚の透過型のLCDパネル4r,4g,4b、筐体3に配置された色合成光学系としてのダイクロイッククロスプリズム(DXP)5、および、スクリーンSCに投射像IMを投射する投射光学系としてのレンズ鏡筒6などを備えている。そして、光源2と筐体3とは、外装体としての横長の外装カバー7により外側を覆われている。この外装カバー7内には、図示しないファン、制御回路、操作部、表示部、電源装置などが配設されている。
【0025】
光源2は、ハロゲンランプなどの白熱電球あるいはメタルハライドランプなどの放電ランプ11を備えている。この放電ランプ11の周囲には、この放電ランプ11から照射された照明光を反射する放物面状の鏡面12を備えたリフレクタ13が配設されている。この結果、光源2からは、放電ランプ11から照射された照明光がリフレクタ13で反射されて筐体3に入射する。そして、この光源2は、発光輝点から離れる周辺部ほど照度が低下するガウス分布状の照度分布を有している。
【0026】
なお、以下、光源2からスクリーンSCに向かう照明光の光軸に対し、スクリーンSC側を前側、光源2側を後側とし、光源2側から見て光軸に直交する方向を上下方向すなわち鉛直方向、および、左右方向すなわち水平方向として説明する。
【0027】
筐体3は、図1に示す照明光学系15を構成する複数の光学要素16を所定位置に保持している。この光学要素16は、マルチレンズML1,ML2、熱線カットフィルタCF、偏向ビームスプリッタすなわちPBS(Polarized Beam Splitter)アレイS、重畳レンズCL1〜CL3、光源2から照射された照明光を複数、例えば3色の色光に分離する色分離手段としての色分離ダイクロイックミラーDM1,DM2、全反射ミラーである反射ミラーM、反射手段としての全反射ミラーM1〜M3、リレーレンズRL1〜RL3、第1ないし第6の偏光板P1〜P6、紫外線カットフィルタVF、および、フィールドレンズFL1,FL2などを有している。
【0028】
第1のマルチレンズML1は、光源2に対向した位置に配置されている。この第1のマルチレンズML1の前側には、熱線カットフィルタCF、第2のマルチレンズML2、PBSアレイSおよび第1の重畳レンズCL1が、互いに離間されて順次配置されている。
【0029】
ここで、マルチレンズML1,ML2は、図2に示すように、縦横比がLCDパネル4r,4g,4bの縦横長比、すなわちアスペクト比に略一致した矩形状の複数のレンズ要素17を、照明光学系15の光軸Aに対して直交する平面に、光軸Aに対して対称に縦横それぞれ複数ずつ配列して構成されている。なお、照明光学系15の光軸Aとは、本実施の形態において、各光学要素16の中心位置を結ぶ中心光の位置をいう。そして、第1のマルチレンズML1は、光源2から照射された照明光をレンズ要素17の数に分割して第2のマルチレンズML2に向けて出射させる機能を有している。また、第2のマルチレンズML2の各レンズ要素17は、それぞれ第1のマルチレンズML1のレンズ要素17に1対1で対応するように構成されている。
【0030】
PBSアレイSは、光源2から照射された照明光の偏光方向を揃えるものであり、図3および図4に示すように、第2のマルチレンズML2の縦方向、すなわち上下方向である鉛直方向の列に沿った縦長のPBSが、照明光学系15の光軸Aに対して直交する横方向、すなわち左右方向である水平方向に配置されている。
【0031】
各PBSには、図3に示すように、無偏向光をP偏光とS偏光とに分離してP偏光を透過させS偏光を反射させる偏光分離面としてのPBS膜21が設けられている。また、各PBSには、PBS膜21に対して平行に設けられこのPBS膜21にて反射されたS偏光を反射するミラー22がそれぞれ設けられている。さらに、各PBSには、PBS膜21にて分離されたP偏光の偏光方向を変換してS偏光とする1/2波長板である位相差板23がそれぞれ取り付けられている。
【0032】
このため、PBSアレイSは、第2のマルチレンズML2の各レンズ要素17から出射した光を、PBS膜21と位相差板23とを透過したS偏光、および、PBS膜21とミラー22とで反射されたS偏光の、2つのS偏光の光束として出射させる。したがって、PBSアレイSからは、鉛直方向が第1のマルチレンズML1のレンズ要素17の鉛直方向の数と同数、水平方向が第1のマルチレンズML1のレンズ要素17の水平方向の数の2倍の数の光束が出射する。
【0033】
また、第1の重畳レンズCL1の前側には、図1に示すように、この第1の重畳レンズCL1を透過した光を反射させて光路を変換する反射ミラーM、および、この反射ミラーMにて反射された光のR(赤)の色光のみを反射させる第1の色分離ダイクロイックミラーDM1が順次配置されている。
【0034】
さらに、第1の色分離ダイクロイックミラーDM1の前側からダイクロイッククロスプリズム5までの間には、第2の重畳レンズCL2、この第2の重畳レンズCL2を透過した光を反射させて光路を変換する第1の全反射ミラーM1、第1のフィールドレンズFL1、第1の偏光板P1、赤色用のLCDパネル4rおよび第2の偏光板P2が順次配置されている。すなわち、第1の全反射ミラーM1は、第1の色分離ダイクロイックミラーDM1とダイクロイッククロスプリズム5との間に配置されている。
【0035】
一方、第1の色分離ダイクロイックミラーDM1の前側からダイクロイッククロスプリズム5までの間には、第3の重畳レンズCL3、この第3の重畳レンズCL3を透過した光のG(緑)の色光のみを反射させる第2の色分離ダイクロイックミラーDM2、第2のフィールドレンズFL2、第3の偏光板P3、緑色用のLCDパネル4gおよび第4の偏光板P4が順次配置されている。
【0036】
そして、第2の色分離ダイクロイックミラーDM2の前側からダイクロイッククロスプリズム5までの間には、第1のリレーレンズRL1、第2の全反射ミラーM2、紫外線カットフィルタVF、第2のリレーレンズRL2、第3の全反射ミラーM3、第2のリレーレンズRL2、第5の偏光板P5、青色用のLCDパネル4bおよび第6の偏光板P6が順次配置されている。すなわち、全反射ミラーM2,M3は、第2の色分離ダイクロイックミラーDM2とダイクロイッククロスプリズム5との間に配置されている。
【0037】
ここで、全反射ミラーM1〜M3は、それぞれ照明光学系15の光軸Aに対して光軸が所定の状態にずれるように、例えば水平方向および鉛直方向に所定の角度傾斜するように、筐体3に配置されている。言い換えると、全反射ミラーM1〜M3は、水平軸および鉛直軸の周りに若干回転、すなわち振られている。さらに、これら全反射ミラーM1〜M3は、筐体3に対して図示しない角度調整機構を介して配置されており、この角度調整機構により、照明光学系15の光軸Aに対する水平方向および鉛直方向の傾斜角度、言い換えると振る量を調整可能となっている。なお、全反射ミラーM1〜M3を振る量によっては、レンズ鏡筒6による投射像IMの結像位置がずれてレンズ鏡筒6などの光学収差が発生するなどの投射像IMの劣化を伴うおそれがあるので、全反射ミラーM1〜M3を振る量は、投射像IMの結像位置を必要以上にずらさないように調整されている。
【0038】
また、重畳レンズCL1〜CL3、リレーレンズRL1〜RL3およびフィールドレンズFL1,FL2は、PBSアレイSから出射した光を、LCDパネル4r,4g,4bにそれぞれ重畳して入射させるものである。すなわち、LCDパネル4r,4g,4bには、PBSアレイSから出射し色分離されたR(赤)、G(緑)、B(青)の各色光が重畳して入射する。
【0039】
ここで、照明光学系15の光軸Aを挟んで互いに対称な位置にあるマルチレンズML1,ML2のレンズ要素17を透過した照明光の照度分布は、光軸Aについて対称となっている。例えば、光軸Aを挟んで水平方向に対称な位置にあるレンズ要素17を透過した照明光の照度分布は、左右に照度の強度が逆転している。したがって、これらレンズ要素17およびPBSアレイSを透過した照明光が重畳レンズCL1〜CL3、リレーレンズRL1〜RL3およびフィールドレンズFL1,FL2により重畳した状態で図7に示すスクリーンSCに投射される投射像IMの照度分布は、各レンズ要素17およびPBSアレイSを透過した照明光が互いに照度分布の強弱を補完しあうので、光源2の照度斑に起因する照度斑が均一化される。
【0040】
LCDパネル4r,4g,4bは、所定の映像信号に応じて各色光を変調してダイクロイッククロスプリズム5に向けて透過させるものである。
【0041】
ダイクロイッククロスプリズム5は、図1に示すように、4つの三角プリズム25を、直角の稜辺が互いに向かい合うように直交面同士を接着剤により接合して立方体状に形成されている。そして、ダイクロイッククロスプリズム5には、これら三角プリズム25の直交面により、各色光を反射させるダイクロイック面26が十字状に交差して形成されている。このダイクロイック面26の中心には、図5に示すように、各三角プリズム25を互いに接着する接着剤の層Gの厚さ分だけ各三角プリズム25同士の直交面が離れることにより、各三角プリズム25の直角の稜辺も互いに離れることになるため、ダイクロイック面26が若干途切れた領域、すなわち境界部27が形成される。この境界部27は、図7に示すように、光がレンズ鏡筒6によりスクリーンSCなどに投射された際に、暗線DLを投射像IMに形成する原因となるものである。なお、直交面に形成(蒸着)されるダイクロイック面26が直角の稜辺まで隙間なく蒸着されない場合にも、この隙間部分でダイクロイック面26が途切れ、この途切れた部分が投射像IMに暗線DLを形成する原因ともなる。
【0042】
また、ダイクロイッククロスプリズム5のダイクロイック面26に対向する4つの側面部のうちの3つは、図1に示すように、偏光板P2,P4,P6を介してそれぞれLCDパネル4r,4g,4bに対向し、他の1つはレンズ鏡筒6に対向している。そして、ダイクロイッククロスプリズム5は、LCDパネル4r,4g,4bから出射した各色光をダイクロイック面26により反射してレンズ鏡筒6側の側面部から出射させることで、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色光を合成光に色合成する。
【0043】
またさらに、レンズ鏡筒6は、図6に示すように、ダイクロイッククロスプリズム5にて色合成された合成光を図7に示すスクリーンSC上などに投射像IMとして投射するものであり、略円筒状に形成され、内部に投射光学要素としての複数のレンズLを保持している。また、レンズ鏡筒6は、レンズLをこのレンズ鏡筒6内で移動させて投射像のズームおよびピント調整を可能にする図示しないズーム機構、あるいはピント機構を備えている。
【0044】
さらに、外装カバー7は、意匠などを考慮して、例えば合成樹脂などで矩形箱状に形成されている。
【0045】
次に、上記一実施の形態の動作を説明する。
【0046】
光源2から照射された照明光は、第1のマルチレンズML1の各レンズ要素17、熱線カットフィルタCFおよび第2のマルチレンズML2の各レンズ要素17を順次透過し、PBSアレイSにて水平方向に2倍の数のS偏光の光束に分割され、第1の重畳レンズCL1を透過した後、反射ミラーMにより反射されて光路が変換される。
【0047】
次いで、反射ミラーMにて反射された光は、第1の色分離ダイクロイックミラーDM1によりR(赤)の色光のみが反射され、第2の重畳レンズCL2を透過した後、第1の全反射ミラーM1に反射されて光路がさらに変換される。
【0048】
このとき、第1の全反射ミラーM1により、R(赤)の色光は、照明光学系15の光軸Aに対して光軸が若干ずれた状態で反射され、第1のフィールドレンズFL1および第1の偏光板P1を経由して、各光束が重畳して赤色用のLCDパネル4rに入射する。
【0049】
同様に、第1の色分離ダイクロイックミラーDM1を透過した光のG(緑)の色光成分は、第3の重畳レンズCL3を透過して第2の色分離ダイクロイックミラーDM2により反射され、第2のフィールドレンズFL2および第3の偏光板P3を経由して、各光束が重畳して緑色用のLCDパネル4gに入射する。
【0050】
さらに、第2の色分離ダイクロイックミラーDM2を透過した光のB(青)の色光成分は、第1のリレーレンズRL1を透過し、第2の全反射ミラーM2にて反射されて光路を変換され、紫外線カットフィルタVFおよび第2のリレーレンズRL2を経由して第3の全反射ミラーM3で反射されてさらに光路が変換される。
【0051】
このとき、全反射ミラーM2,M3により、B(青)の色光は、照明光学系15の光軸Aに対して光軸が若干ずれた状態でそれぞれ反射され、第3のリレーレンズRL3および第5の偏光板P5を経由して、各光束が重畳して青色用のLCDパネル4bに入射する。
【0052】
この後、各色光は、LCDパネル4r,4g,4bにより変調された後、偏光板P2,P4,P6を経由してダイクロイッククロスプリズム5の側面部にそれぞれ入射する。
【0053】
そして、各色光は、ダイクロイック面26の境界部27を原因として所定の位置に形成された暗線DLが互いに重なり合わない状態で、ダイクロイック面26にてレンズ鏡筒6へと反射される。
【0054】
レンズ鏡筒6に入射した光は、複数のレンズLにより、スクリーンSC上に投射像IMとして投射される。
【0055】
上述したように、上記一実施の形態では、照明光学系15の光学要素16の全反射ミラーM1〜M3を、照明光学系15およびレンズ鏡筒6の光軸Aに対して光軸が所定の状態にずれるように配置する構成とした。
【0056】
このため、全反射ミラーM1〜M3にて反射された各色光の位置が互いにずれ、ダイクロイッククロスプリズム5で色合成された光がレンズ鏡筒6により投射された際に、各色光により境界部27にて形成される暗線DLの位置も互いにずれて重なり合わないため、暗線DLが投射像IMにおいて薄くなり、目立たなくなる。
【0057】
この結果、投射像IMの輝度斑を容易に抑制できる。
【0058】
また、全反射ミラーM1〜M3を水平方向および鉛直方向に若干振ることにより、投射像IMでの暗線DLの発生位置がスクリーンSCの左右方向および上下方向に移動して、各色光による投射像IMの暗線DLの位置が投射像IMの中心でなくなったり規則性がなくなったりするとともに、暗線DLの結像位置がスクリーンSCの面の前後にずれて暗線DLの濃さも低減されるため、暗線DLがより目立たなくなり、投射像IMの視認性を向上できる。
【0059】
さらに、全反射ミラーM1〜M3を水平方向および鉛直方向の両方向に振ることにより、例えば水平方向および鉛直方向のいずれか一方向に振る場合と比較して、全反射ミラーM1〜M3を振る量を低減しても暗線DLを目立たなくして輝度斑を充分に抑制できる。
【0060】
この結果、各色光による投射像IMの結像位置のずれを低減でき、全反射ミラーM1〜M3の光軸の傾斜角度の増加による投射像IMの劣化を抑制できる。
【0061】
またさらに、R(赤)の色光を全反射させる第1の全反射ミラーM1と、B(青)の色光を全反射させる全反射ミラーM2,M3とを光軸Aに対して振ることで、例えば入射する光の角度により色分離特性が変化する色分離ダイクロイックミラーDM1,DM2を光軸Aに対して振る場合と比較して、色分離特性の変化などがなく、光源2から照射された照明光を色分離ダイクロイックミラーDM1,DM2にて各色光に確実かつ適正に分離できる。
【0062】
しかも、R(赤)の色光およびB(青)の色光の位置がずれることで、R(赤)、G(緑)、B(青)の全ての投射位置が確実に互いにずれるので、輝度斑をより確実に抑制できる。
【0063】
なお、上記一実施の形態において、構成を簡略化する場合には、全反射ミラーM1〜M3を、水平方向および鉛直方向のいずれか一方向に振る構成も可能である。
【0064】
また、全反射ミラーM1〜M3以外の光学要素16、あるいはレンズLの少なくともいずれか一つを光軸Aに対して水平方向および鉛直方向の少なくともいずれか一方に振ったり、光軸Aに対して平行にずらしたりする構成も可能である。
【0065】
この際、各種光学要素16、あるいはレンズLの取り付け誤差により、暗線DLは光軸Aに対称に発生しない場合、あるいはR(赤)、G(緑)、B(青)の各色光による暗線DLが重ならずに発生する場合もあるので、光学要素16、あるいはレンズLのいずれをどの程度振ったり移動させたりするかは、投射像IMを見ながらそれぞれ調整する。
【0066】
【発明の効果】
請求項1記載のプロジェクタ装置によれば、光源から照射された光を複数の色光に分離して照射する照明光学系の複数の光学要素、および、色合成光学系にて色合成された光を投射する投射光学系の複数の投射光学要素の少なくともいずれか一つを、照明光学系および投射光学系の光軸に対して光軸が所定の状態にずれるように配置することで、色合成された光が投射光学系により投射された際に、各色光の投射位置が所定の状態にずれて暗線が互いに重なり合わず、輝度斑を容易に抑制できる。
【0067】
請求項2記載のプロジェクタ装置によれば、請求項1記載のプロジェクタ装置の効果に加えて、各色光の少なくともいずれか一つを少なくとも反射させる反射手段の光軸を、照明光学系の光軸に対して所定の角度傾斜させることで、反射手段にて反射された各色光による暗線の位置がずれ、輝度斑をより容易に抑制できる。
【0068】
請求項3記載のプロジェクタ装置によれば、請求項2記載のプロジェクタ装置の効果に加えて、反射手段の光軸を、水平方向および垂直方向の両方に所定の角度傾斜させることで、照明光学系の光軸に対する反射手段の光軸の傾斜角度を低減しても輝度斑を充分に抑制でき、反射手段の光軸の傾斜角度の増加による投射像の劣化を抑制できる。
【0069】
請求項4記載のプロジェクタ装置によれば、請求項2または3記載のプロジェクタ装置の効果に加えて、反射手段を全反射ミラーとし、この反射手段を光源から照射された光を複数の色光に分離する色分離手段と色合成光学系との間に配置することで、照明光学系の光軸に対して反射手段の光軸を傾斜させても、光源から照射された光を色分離手段にて各色光に確実に分離できる。
【0070】
請求項5記載のプロジェクタ装置によれば、請求項4記載のプロジェクタ装置の効果に加えて、複数の反射手段により三つの色光のいずれか二つをそれぞれ反射させることで、色分離手段にて分離された赤色、緑色および青色の色光の投射位置が確実に互いにずれるので、輝度斑をより確実に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のプロジェクタ装置の一部を示す平面図である。
【図2】同上プロジェクタ装置の一部の概略を示す斜視図である。
【図3】同上プロジェクタ装置の一部を拡大して示す平面図である。
【図4】同上プロジェクタ装置の一部を示す平面図である。
【図5】同上プロジェクタ装置の色合成光学系の一部を拡大して示す平面図である。
【図6】同上プロジェクタ装置の一部の概略を示す平面図である。
【図7】同上プロジェクタ装置による投射像を示す説明図である。
【図8】同上プロジェクタ装置を示す平面図である。
【符号の説明】
1 プロジェクタ装置としての液晶プロジェクタ
2 光源
5 色合成光学系としてのダイクロイッククロスプリズム
6 投射光学系としてのレンズ鏡筒
15 照明光学系
16 光学要素
A 光軸
DM1,DM2 色分離手段としての色分離ダイクロイックミラー
L 投射光学要素としてのレンズ
M1,M2,M3 反射手段としての全反射ミラー

Claims (5)

  1. 光源と、
    複数の光学要素を備え、前記光源から照射された光を、前記光学要素を介して複数の色光に分離して照射する照明光学系と、
    この照明光学系にて照射された各色光を色合成する色合成光学系と、
    複数の投射光学要素を備え、前記色合成光学系にて色合成された光を、前記投射光学要素を介して投射する投射光学系とを具備し、
    前記複数の光学要素および前記複数の投射光学要素の少なくともいずれか一つは、前記照明光学系および前記投射光学系の光軸に対して光軸が所定の状態にずれるように配置されている
    ことを特徴としたプロジェクタ装置。
  2. 光学要素は、各色光の少なくともいずれか一つを少なくとも反射させる反射手段を有し、
    前記反射手段は、照明光学系の光軸に対して光軸が所定の角度傾斜している
    ことを特徴とした請求項1記載のプロジェクタ装置。
  3. 反射手段は、照明光学系の光軸に対して光軸が水平方向および鉛直方向に所定の角度傾斜している
    ことを特徴とした請求項2記載のプロジェクタ装置。
  4. 光学要素は、光源から照射された光を複数の色光に分離する色分離手段を有し、
    反射手段は、全反射ミラーであり、前記色分離手段と色合成光学系との間に配置されている
    ことを特徴とした請求項2または3記載のプロジェクタ装置。
  5. 色分離手段は、光源から照射された光を赤色、緑色および青色の色光に分離し、
    反射手段は、複数設けられ、前記色分離手段にて分離された色光のいずれか二つをそれぞれ反射させる
    ことを特徴とした請求項4記載のプロジェクタ装置。
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JP2007072435A (ja) * 2005-08-10 2007-03-22 Seiko Epson Corp プロジェクタ及びプロジェクタの製造方法

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