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JP2004331625A - 水分散型のフェロモン徐放製剤およびその製造方法 - Google Patents

水分散型のフェロモン徐放製剤およびその製造方法 Download PDF

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JP2004331625A
JP2004331625A JP2003133004A JP2003133004A JP2004331625A JP 2004331625 A JP2004331625 A JP 2004331625A JP 2003133004 A JP2003133004 A JP 2003133004A JP 2003133004 A JP2003133004 A JP 2003133004A JP 2004331625 A JP2004331625 A JP 2004331625A
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pheromone
water
meth
acrylate
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Tomohisa Tasaka
知久 田坂
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NOF Corp
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Abstract

【課題】6週間以上にわたってフェロモンを均一に放出することができる、一般的なスプレー散布機が使用可能である、樹木等の葉や枝等に対する付着性能を維持しながら散布条件に応じて水希釈が可能である、という特長を兼ね備えた水分散型のフェロモン徐放製剤を提供する。
【解決手段】フェロモンを含有するポリアクリル酸系共重合体粒子と共にフェロモン放出抑制剤を含む水分散型のフェロモン徐放製剤とし、散布後に大気と接するポリアクリル酸系共重合体粒子の表面積を効率よく低減させることによって、フェロモンの放出速度を制御する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水分散型のフェロモン徐放製剤およびその製造方法に関する。より詳しくは、飛行機やヘリコプターからの空中散布、あるいはトラクター等の自動車からの地上散布に適した濃度に水希釈が可能であり、散布後にフェロモンを長期間にわたり一定量ずつ継続して揮散するフェロモン徐放製剤、並びにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
農業害虫を誘引あるいは攪乱する具体的な方法としてフェロモンを活用する方法が知られている。
例えば、農地にフェロモンを散布すると、農業害虫はフェロモンに誘引されて集まってくるが、異性を感知あるいは位置確認する交信能力が攪乱されるため、交尾による繁殖が著しく抑制される。農業害虫の交尾期間は6週間以上に渡るため、その間、徐放製剤などの機能を利用して、フェロモンが均一に放出されることが望ましい。
【0003】
また、広大な農地や森林に対して広範囲に散布するためには、液状農薬を散布する一般的なスプレー散布機が使用可能である必要がある。このような用途においては、プラスチック製の袋や細管等の容器にフェロモンを封入した「ディスペンサー」と呼ばれる徐放製剤や、平均粒径が0.25〜2.5mmのエチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のオレフィン系樹脂の粉粒体中にフェロモンを含浸させるタイプの徐放製剤の適用は難しい。
【0004】
さらに、徐放製剤はスプレー散布後の一定期間にわたって樹木等の葉や枝等に付着できることが必要である。雨や風によって容易に地面に脱落するような徐放製剤では、大気中のフェロモン濃度が均一に保持されないばかりか、フェロモンが地上の微生物によって二酸化炭素と水に分解されてしまうためである。
【0005】
このような目的で開発された徐放製剤が知られている。
例えば、フェロモン、(メタ)アクリル酸エステル、多官能の(メタ)アクリル酸エステルと必要に応じて親水性モノマー、並びに界面活性剤、重合開始剤及び水を用いて乳化重合を行い、マイクロゲル中にフェロモン等の機能性物質を含有した水分散型の徐放製剤が提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、前記水分散型の徐放製剤を飛行機により空中散布できる濃度まで水で希釈すると、フェロモンの均一放出期間が1〜2週間程度に短縮してしまうという問題があった。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−158843公報(第3頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような従来技術に存在する問題点に注目してなされたものである。その目的とするところは、6週間以上にわたってフェロモンを均一に放出することができる、一般的なスプレー散布機が使用可能である、および樹木等の葉や枝等に対する付着性能を維持しながら、散布条件に応じて水希釈が可能である、という特長を兼ね備えた水分散型のフェロモン徐放製剤を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、フェロモンを含有するポリアクリル酸系共重合体粒子およびフェロモン放出抑制剤を含む水分散型のフェロモン徐放製剤である。
【0010】
第2の発明は、ポリアクリル酸系共重合体粒子の平均粒径が100nm〜20μmであることを特徴とする第1の発明の水分散型のフェロモン徐放製剤である。
【0011】
第3の発明は、ポリアクリル酸系共重合体粒子が(メタ)アクリル酸エステル(成分A)および多官能の(メタ)アクリル酸エステル(成分B)を含むモノマー成分から形成されるものであることを特徴とする第1または第2の発明の水分散型のフェロモン徐放製剤である。
【0012】
第4の発明は、ポリアクリル酸系共重合体粒子が(メタ)アクリル酸エステル(成分A)、多官能の(メタ)アクリル酸エステル(成分B)および親水性モノマー(成分C)を含むモノマー成分から形成されるものであることを特徴とする第1または第2の発明の水分散型のフェロモン徐放製剤である。
【0013】
第5の発明は、ポリアクリル酸系共重合体粒子が乳化重合方法または懸濁重合方法のいずれかによって調製されるものであることを特徴とする第1〜第4のいずれかの発明の水分散型のフェロモン徐放製剤である。
【0014】
第6の発明は、フェロモン放出抑制剤が平均粒径1〜100nmの無機微粒子であることを特徴とする第1〜第5のいずれかの発明の水分散型のフェロモン徐放製剤である。
【0015】
第7の発明は、フェロモン放出抑制剤が水溶性高分子であることを特徴とする第1〜第5のいずれかの発明の水分散型のフェロモン徐放製剤である。
【0016】
第8の発明は、(メタ)アクリル酸エステル(成分A)および多官能の(メタ)アクリル酸エステル(成分B)を含むモノマー成分、並びにフェロモン、界面活性剤、および水を用いて剪断力の強い攪拌機によって乳化液を調製し、この乳化液を重合開始剤が溶解した水中に滴下しながら乳化重合を行ってフェロモンを含有するポリアクリル酸系共重合体粒子を得る工程と、得られたポリアクリル酸系共重合体粒子とフェロモン放出抑制剤とを混合する工程、からなることを特徴とする水分散型のフェロモン徐放製剤の製造方法である。
【0017】
第9の発明は、懸濁安定剤の水溶液に、(メタ)アクリル酸エステル(成分A)および多官能の(メタ)アクリル酸エステル(成分B)を含むモノマー成分、並びにフェロモン、重合開始剤を加えて剪断力の強い攪拌機によって懸濁液を調製し、この懸濁液を攪拌しながら熱を加えて懸濁重合を行ってフェロモンを含有するポリアクリル酸系共重合体を得る工程と、得られたポリアクリル酸系共重合体粒子とフェロモン放出抑制剤とを混合する工程、からなることを特徴とする水分散型のフェロモン徐放製剤の製造方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の詳細について説明する。
本発明の水分散型のフェロモン徐放製剤は、フェロモンを含有するポリアクリル酸系共重合体粒子およびフェロモン放出抑制剤を含むものである。
【0019】
本発明のポリアクリル酸系共重合体粒子は、フェロモンを安定に保持し、フェロモンの均一放出性を発現させる(メタ)アクリル酸エステル(成分A)と、架橋して徐放性能を調整する多官能の(メタ)アクリル酸エステル(成分B)を共重合させたものである。また、必要に応じて水分散性を向上させたい場合には、親水性モノマー(成分C)を共重合してもよい。
本発明のポリアクリル酸系共重合体粒子を構成する各成分およびフェロモンについて、以下に記載する。
【0020】
まず、(メタ)アクリル酸エステル(成分A)について説明する。
成分Aは、フェロモンを粒子内に安定に保持できる成分であり、フェロモンの均一放出性を発現させる重要な成分である。
【0021】
成分Aの具体例としては、炭素数1〜24の直鎖アルキル基、炭素数6〜10のシクロアルキル基、フェニル基を有している(メタ)アクリル酸エステル、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル等が挙げられる。
フェロモンとの相溶性が良好で、均一放出性を発現できる成分Aの具体例としては、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が好ましく挙げられる。
さらに、製剤散布後に樹木の葉や枝等に付着性能の機能を付与できる点で、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等が最も好ましく挙げられる。
【0022】
但し、ポリアクリル酸系共重合体粒子のTgが20℃を超える場合、樹木の葉や枝等への付着性能が不足するため、水溶性粘着剤やエマルジョン系粘着剤等を徐放性能が低下しない範囲で添加してもよい。
水溶性粘着剤の具体例としては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ゼラチン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩などの水溶性高分子等が挙げられる。
エマルジョン系粘着剤の具体例としては、東亞合成株式会社製アロンタックHVCシリーズや一方社油脂工業株式会社社製エマポールR−140等が挙げられる。
【0023】
次に、多官能の(メタ)アクリル酸エステル(成分B)について説明する。
成分Bは、成分Aと共重合が可能なモノマーであり、共重合によって架橋し、ポリアクリル酸系共重合体粒子からの放出速度を調整するための成分である。また、使用量によって、ポリアクリル酸系共重合体粒子のTgを変化させることが可能である。例えば、成分Bの使用量を増加させることで、ポリアクリル酸系共重合体粒子のTgを上昇させることが可能となる。
【0024】
成分Bの具体例としては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3―ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジアクリルフタレート、アリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリロキシプロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタン(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
良好な徐放性能を得るために、好ましくはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3―ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0025】
次に、ポリアクリル酸系共重合体粒子の水分散性を向上させるために用いる親水性モノマーの成分Cについて説明する。
成分Cについては、前記成分Aと成分Bから形成されるポリアクリル酸系共重合体粒子の水分散性を向上させる目的で使用され、必要に応じて使用できる。
【0026】
成分Cの具体例としては、例えば(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、メサコン酸、シトラコン酸、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート等の不飽和モノカルボン酸モノマー、或いは、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物、4−メタクリロキシエチルトリメリット酸無水物等の不飽和酸無水物モノマー、或いは、ヒドロキシフェノキシエチル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイドの付加モル数が2〜90のヒドロキシフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイドの付加モル数が2〜90のヒドロキシフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ビニルフェノール、ヒドロキシフェニルマレイミド等のフェノール基含有モノマー、或いは、スルホキシエチル(メタ)アクリレート、スチレンスルホン酸、アクリルアミド−t−ブチルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸等のスルホン酸基含有モノマー、或いはモノ2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート等のリン酸基含有モノマー、或いは、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミドモノマー、或いは、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレートモノマー、或いは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートモノマー、或いは、エチレンオキサイドの付加モル数が2〜98のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイドの付加モル数が2〜98のメトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加モル数が2〜98のフェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加モル数が1〜4のノニルフェノールモノエトキシレート(メタ)アクリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等のポリオキシエチレンのモノ(メタ)アクリレートモノマー、或いは、(メタ)アクリル酸のナトリウム塩、スチレンスルホン酸ナトリウム、スルホン酸ナトリウムエトキシ(メタ)アクリレート、アクリルアミド−t−ブチルスルホン酸のナトリウム塩等の酸基含有モノマー、或いは、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等の四級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレートモノマー、或いは、アリルグリコール、エチレンオキサイド付加モル数が3〜32のポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、メトキシポリエチレングリコールモノアリルエーテル等の(メタ)アリル化合物モノマー、或いは、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等の環状複素環含有化合物モノマー、或いは、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、シアン化ビニリデン等のシアン化ビニルモノマーが挙げられる。
【0027】
前記成分A、成分B及び成分Cの各成分中のモノマーは、それぞれ1種のみでも2種以上を組合せて用いてもよい。
【0028】
ポリアクリル酸系共重合体粒子中のモノマー成分A〜Cの総量を100重量%とした場合、成分Aの割合は、通常30〜95重量%、好ましくは50〜90重量%以上である。30重量%未満では成分Aによるフェロモン保持力が低下する傾向にあり、95重量%を超える場合には、フェロモンの均一放出性が発現し難くなる傾向にある。
【0029】
また成分Bの割合は、成分A〜Cの総量を100重量%とした場合、通常5〜70重量%、好ましくは10〜50重量%である。5重量%未満では、フェロモンの均一放出性が発現し難くなる傾向にあり、70重量%を超えるとフェロモンが粒子内に残存してしまう傾向にある。
【0030】
成分Cの割合は、成分A〜Cの総量を100重量%とした場合、通常0〜20重量%、好ましくは0〜10重量%である。20重量%を超えると、フェロモンを粒子内に安定に保持できなくなる傾向にある。
【0031】
なお、ポリアクリル酸系共重合体粒子を合成する際に使用する上記成分の種類及び割合は、含有させるフェロモンの種類にあわせて適宜変更することが可能である。
【0032】
本発明に用いる揮散物質であるフェロモンの代表例としては、性フェロモンが挙げられる。この性フェロモンは、近年多くの成分組成が同定されるとともに製造されている。対象となるものは、昆虫が多く、ガ、チョウ、コガネムシ、カミキリムシ等が挙げられる。
例えば、14―メチル―1―オクタデセン、Z9―トリコセン、E4―トリデセニルアセテート、ドデシルアセテート、Z7―ドデセニルアセテート、Z8―ドデセニルアセテート、Z9―ドデセニルアセテート、E7,E9―ドデカジエニルアセテート、Z9−テトラデセルアセテート、E11−テトラデセニルアセテート、Z11−テトラデセニルアセテート、Z9,E11―テトラデカジエニルアセテート、Z9,E12―テトラデカジエニルアセテート、Z11−ヘキサデセニルアセテート、Z7,Z/E11−ヘキサデカジエニルアセテート、Z13−ヘキサデカトリエニルアセテート、Z13−オクタデセニルアセテート、E13,Z13−オクタデカジエニルアセテート、Z11−ヘキサデセナール、Z13―オクタデセナール、Z13―イコセン−10−オン、7,8―エポキシ―2−メチルオクタデカン、8−メチル―2−デシルプロピオネート、Z6−ヘネイコセン−11−オン、E8,E10−ドデカジエノール等が挙げられる。
【0033】
これらのフェロモンの含有量は、成分A〜Cの総量を100重量部とした場合、通常1〜150重量部、好ましくは20〜100重量部である。1重量部未満では、フェロモンが粒子内に残存してしまう傾向にあり、150重量部を超えると、安定な粒子を形成しにくくなる傾向にある。
【0034】
続いて、ポリアクリル酸系共重合体粒子の製造方法について記載する。
本発明のポリアクリル酸系共重合体粒子は、モノマー成分、フェロモン、界面活性剤もしくは懸濁安定剤、重合開始剤および水を用いて、乳化重合や懸濁重合などの水中油滴重合を行って調製することができる。なお、前記モノマー成分には、前記(メタ)アクリル酸エステル(成分A)、前記多官能の(メタ)アクリル酸エステル(成分B)、必要に応じて使用する前記親水性モノマー(成分C)が含まれる。
この場合、ポリアクリル酸系共重合体粒子は、水中油滴重合によって得られる組成物中に、平均粒径が100nm〜20μmの粒子として分散または乳化した状態で得られる。
【0035】
乳化重合によってポリアクリル酸系共重合体粒子を調製する場合には、界面活性剤を含む水中に、フェロモンと水中油滴重合が可能な(メタ)アクリル酸エステルを加えて攪拌して乳化液を調製した後、水溶性重合開始剤を溶解した水に滴下しながらラジカル重合を行うことにより、平均粒径が100nm〜1μmのポリアクリル酸系共重合体粒子を得ることができる。
【0036】
懸濁重合によってポリアクリル酸系共重合体粒子を調製する場合には、懸濁安定剤を含む水中に、フェロモン、水中油滴重合が可能な(メタ)アクリル酸エステル、油溶性重合開始剤を加えて攪拌して懸濁液を調製した後、ラジカル重合を行うことで、平均粒径が1〜20μmのポリアクリル酸系共重合体粒子を生成することができる。
【0037】
本発明においては、乳化液あるいは懸濁液調整時における撹拌回転数、界面活性剤あるいは懸濁安定剤の種類とその濃度、重合時における攪拌回転数などを調節することにより、乳化重合からは平均粒径が100nm〜1μmのポリアクリル酸系共重合体粒子を、懸濁重合からは平均粒径が1〜20μmのポリアクリル酸系共重合体粒子を、それぞれ合成することができる。
ポリアクリル酸系共重合体粒子の平均粒径が100nm未満では後に混合する放出抑制剤の効果が少なくなる傾向にあり、20μmを超えると水分散安定性が発現しにくくなる傾向にある。
以下に好ましい製造方法を具体的に述べる。
【0038】
はじめに乳化重合による製造方法について、さらに詳しく説明する。
モノマー成分、フェロモン、界面活性剤及び水を、ホモミキサー等の剪断力の強い攪拌機を用いて、均一に乳化分散させる(このようにして得られた溶液を、本明細書中では「乳化液」と称する)。この乳化液を、重合開始剤を含む水中に滴下して、乳化重合を行う。この際、フェロモンは、重合の進行とともに粒子中に取り込まれる。ここで重合開始剤は、乳化液調製時にあらかじめ添加する手順であっても良い。
【0039】
上記乳化重合を行うに際し、乳化重合時におけるモノマー成分、フェロモン、界面活性剤、重合開始剤及び水の総量100重量部に対して、モノマー成分とフェロモンとの合計量は60重量部以下、より好ましくは10〜45重量部の割合で乳化重合することが好ましい。上記モノマー成分とフェロモンとの合計量が60重量部を超えると粒子凝集によるブロッキング現象が生じ、安定した水分散型の粒子が得られ難くなる傾向にある。
【0040】
上記乳化重合時の重合温度は、40〜95℃、好ましくは60℃〜90℃であり、重合時間は2〜12時間、好ましくは4〜10時間である。
【0041】
上記乳化重合に使用される界面活性剤は特に限定されるものでなく、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等の全ての界面活性剤が使用できる。
アニオン性界面活性剤としては、ナトリウムドデシルサルフェートもしくはカリウムドデシルサルフェート等のアルカリ金属アルキルサルフェート、アンモニウムドデシルサルフェート等のアンモニウムアルキルサルフェート、ナトリウムドデシルポリグリコールエーテルサルフェート、ナトリウムスルホリシノエート、スルホン化パラフィンのアルカリ金属塩もしくはスルホン化パラフィンのアンモニウム塩等のアルキルスルホネート、ナトリウムラウレートもしくはトリエタノールアミンオレエートもしくはトリエタノールアミンアビエテート等の脂肪酸塩、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネートもしくはアルカリフェノールヒドロキシエチレンのアルカリ金属塩サルフェート等のアルキルアリールスルホネート、高アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等のジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート塩、またはポリオキシエチレンアルキルアリールサルフェート塩等が例として挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセロールのモノラウレート等の脂肪酸モノグリセライド、ポリオキシエチレンオキシプロピレン共重合体、またはエチレンオキサイドと脂肪酸アミンもしくはアミドもしくは酸との縮合生成物等が例として挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、オクタデシルアミン酢酸塩、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、またはジオレイルジメチルアンモニウムクロライド等が例として挙げられる。
両性界面活性剤としては、ジメチルラウリルベタイン、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム、アミドベタイン型、またはイミダゾリン型等が例として挙げられる。
特に乳化重合時に使用する好ましい界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤である。
これらの界面活性剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができ、その使用量は、使用するモノマー成分とフェロモンの総量100重量部に対して、0.1〜25重量部、好ましくは1〜20重量部である。0.1重量部未満では乳化系が不安定となって凝集物を生じやすく、25重量部を超えると乳化液の粘度が上昇する傾向にある。
【0042】
乳化重合に用いる重合開始剤は特に限定されるものではないが、水溶性重合開始剤が好ましい。
例えば、ナトリウムパーサルフェート、カリウムパーサルフェート、アンモニウムパーサルフェート等の無機過酸化物や2,2―アゾビス[2−(N−フェニルアミジノ)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2―アゾビス{2−[N−(4−ヒドロキシフェニル)アミジノ]プロパン}ジヒドロクロライド、2,2―アゾビス[2−(N−ベンジルアミジノ)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2―アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2―アゾビス{2−[N−(2−ヒドロキシエチル)アミジノ]プロパン}ジヒドロクロライド等の水溶性アゾ重合開始剤が挙げられる。ただしこれらに限定されるものではない。
これら重合開始剤は、1種または2種以上を組合せて使用することができる。また、これら重合開始剤の使用割合は、使用するモノマー成分の総量100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましい。
【0043】
次に、懸濁重合による製造方法について、さらに詳しく説明する。
はじめに、懸濁安定剤を水に溶解させた後、その液中に上記モノマー成分、フェロモン、重合開始剤を溶解または分散させたものを投入し、分散粒子が所定の粒度になるように、ホモミキサー等の剪断力の強い攪拌機を用いて均一に分散させる(このようにして得られた液を、本明細書中では「懸濁液」と称する)。この懸濁液を撹拌しながら熱を加えることで、懸濁重合を行う。この際、フェロモンは、重合の進行とともに粒子中に取り込まれるため、重合終了後に水分散型のポリアクリル酸系共重合体粒子を得ることができる。ここで重合開始剤は、懸濁液調製時に加えずに重合開始の直前に加えても良い。
【0044】
上記懸濁重合を行うに際し、懸濁重合時におけるモノマー成分、フェロモン、懸濁安定剤、重合開始剤及び水の総量100重量部に対して、前記モノマー成分とフェロモンとの合計量は60重量部以下、より好ましくは10〜45重量部の割合で懸濁重合することが好ましい。上記モノマー成分とフェロモンとの合計量が60重量部を超えると粒子凝集によるブロッキング現象が生じ、安定した水分散型の粒子が得られ難くなる傾向にある。
【0045】
上記懸濁液の調製時における温度条件は、重合開始剤が分解しない温度で行うことが好ましい。例えば、使用する重合開始剤の10時間半減期温度からマイナス10℃以下で行うことが好ましい。また、懸濁液の調製時に重合開始剤を加えない場合は、特に制限はないが10〜30℃で行うことが好ましい。さらに、ホモミキサー等による剪断力の強い攪拌機による撹拌時間は、懸濁液が均一な乳白色(乳化液)になるまで行うことが必要である。
【0046】
また、上記懸濁重合時の重合温度は、使用する重合開始剤の種類によって異なるが、通常40〜100℃、好ましくは60〜90℃であり、重合時間は1〜12時間、好ましくは2〜10時間である。
【0047】
上記懸濁重合において使用する懸濁安定剤として特に代表的なものを例示すると、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ゼラチン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩などの水溶性高分子やリン酸カルシウムなどの無機系の懸濁安定剤が挙げられる。
良好な徐放性能とポリアクリル酸系共重合体粒子の水分散安定性を発現するためには、ポリビニルアルコールを使用することが最も好ましい。特に、ポリビニルアルコールの中でもケン化度が70〜90mol%のものを使用することが好ましい。
これらの懸濁安定剤は、その1種または2種以上を組合せて使用することができ、その使用量としては、使用するモノマー成分とフェロモンの合計量100重量部に対して0.1〜25重量部、好ましくは1〜20重量部である。0.1重量部未満では懸濁系が不安定となって凝集物を生じやすく、25重量部を超えると懸濁液が増粘して、重合時に十分な撹拌が行えない傾向にある。
【0048】
また、上記懸濁安定剤と併用して懸濁助剤を使用することも可能である。この懸濁助剤としては、先に示したアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が使用できる。その使用量としては、使用するモノマー成分とフェロモンの総量100重量部に対して0.01〜10重量部が好ましい。
【0049】
上記懸濁重合に用いる重合開始剤は特に限定されるものではないが、油溶性重合開始剤が好ましい。
例えば、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物や2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2′アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等の油溶性アゾ重合開始剤が挙げられる。ただしこれらに限定されるものではない。
これら重合開始剤は、1種または2種以上を組合せて使用することができる。また、これら重合開始剤の使用割合は、使用するモノマー成分の総量100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましい。
【0050】
続いて、ポリアクリル酸系共重合体粒子から放出されるフェロモン徐放システムと徐放性の制御について記載する。
ポリアクリル酸系共重合体粒子には、その架橋共重合体の三次元分子網目中に包含される形でフェロモンが存在しているものと考えられる。散布後、粒子中に含有されているフェロモンが濃度勾配に応じて徐々に粒子の表面方向の空隙へと拡散・移動し、ついには粒子の最表面から大気中へと揮散・放出されることにより、徐放性が発現されるものと推測される。
したがって、ポリアクリル酸系共重合体粒子からのフェロモンの徐放性は、次に挙げるような因子を変化させることによって制御することが可能である。すなわち、1.ポリアクリル酸系共重合体粒子中のモノマー組成、2.ポリアクリル酸系共重合体粒子中のフェロモン含有量、3.ポリアクリル酸系共重合体粒子の平均粒径、4.散布時のポリアクリル酸系共重合体粒子の濃度である。
以下にそれぞれの因子が徐放性に及ぼす影響について説明する。
【0051】
1.ポリアクリル酸系共重合体粒子中のモノマー組成に関しては、主に二つの観点から徐放性への影響を考察する必要がある。一つは「成分Aとフェロモンとの相溶性」、もう一つは「成分Aと成分Bとの割合」である。これらを適当に変化させることによって、徐放性を制御することができる。例えば、フェロモンとの相溶性が良好な成分Aを選択することでフェロモンの均一放出性が発現できる。また、成分Bの割合を増加させることで共重合体粒子の架橋密度を高めて放出速度を遅くすることが可能であり、逆に成分Bの割合を減少させることで放出速度を速くすることが可能となる。
【0052】
2.ポリアクリル酸系共重合体粒子中のフェロモン含有量に関しては、フェロモンの含有量が高くなるほど粒子内外でのフェロモン濃度勾配が大きくなるため、特に初期の放出速度は速くなる傾向にある。逆に含有量が少なくなるほど、放出速度は遅くなる傾向にある。
【0053】
3.ポリアクリル酸系共重合体粒子の平均粒径は、粒径が小さくなるほど粒子の比表面積が大きくなるため、大気中への拡散、すなわち放出速度は速くなる傾向にある。逆に粒径が大きくなるほど、放出速度は遅くなる傾向にある。
【0054】
4.散布時のポリアクリル酸系共重合体粒子の濃度は、低くなるほど粒子同士が凝集し難くなって散布後に大気と接する粒子の表面積が大きくなるため、大気中への拡散、すなわち放出速度が速くなる傾向にある。逆に濃度を高くすれば、粒子同士の凝集が形成し易くなり結果として散布後の大気との接触面積が小さくなるために、放出速度は遅くなる傾向にある。
【0055】
上記の4つの因子をバランスよく調整すると、徐放製剤の水分散液100重量%中、樹脂分が10〜40重量%、フェロモン含有量が5〜20重量%となる濃度範囲で、フェロモンの望ましい期間にわたる均一放出性と低残存率が発現できる良好な徐放製剤を製造することが可能である。
【0056】
しかし、飛行機による空中散布を行う際には、徐放製剤の水分散液中のフェロモン含有量が1〜3重量%となるように濃度を調整する必要がある。このような範囲まで水分散液中のポリアクリル酸系共重合体粒子の濃度が低下すると、望ましい期間にわたっての均一放出性が発現できなくなり、上述の4つの因子の調整だけでは徐放性を望ましい範囲に制御することができない。これは、徐放製剤が低濃度に水希釈されることによって、上述の濃度範囲では適度に凝集していた粒子の分散化がすすみ、その結果、散布後に大気と接する粒子の表面積が大きくなって放出速度が速くなりすぎることによるものと推測される。
そのため、本発明の徐放製剤では、ポリアクリル酸系共重合体粒子と共にフェロモン放出抑制剤が併用される。
【0057】
続いて、本発明のフェロモン放出抑制剤について記載する。
上記のように、本発明のフェロモン放出抑制剤は、フェロモンを含有したポリアクリル酸系共重合体粒子を含む徐放製剤を空中散布に適した濃度に希釈して使用する場合にフェロモンの放出速度が速くなりすぎるのを抑制し、望ましい期間にわたる均一放出性を発現させるために併用される物質である。
本発明のフェロモン放出抑制剤としては、フェロモンと相溶性のない物質を用いることが必要である。例えば、フェロモンと相溶性のある物質を使用すると、ポリアクリル酸系共重合体粒子から放出されたフェロモンが、相溶性のある物質内に捕捉されてしまうため、所望の放出速度が発現されにくくなる傾向にある。また、一定量のフェロモンが相溶性のある物質内に保持され、放出されずに無駄になってしまうことがあるため好ましくない。
以上のような観点から、発明者は、フェロモン放出抑制剤として種々の化合物を検討し、フェロモンと相溶性のない無機微粒子や水溶性高分子を単独あるいは併用して使用することが特に有効であることを見出し、本発明を完成させたものである。
【0058】
まず、放出抑制剤として有用な無機微粒子について説明する。
本発明の徐放製剤において、無機微粒子は、フェロモンを含有するポリアクリル酸系共重合体粒子の大気との接触表面積を低減させることによって、フェロモン放出抑制剤として作用すると考えられる。無機微粒子の平均粒径は、ポリアクリル酸系共重合体粒子の平均粒径より小さいほど、さらにその差が大きいほど、散布後に大気と接するポリアクリル酸系共重合体粒子の表面積を効率よく低減することが可能である。したがって、本発明に使用する無機微粒子は、コロイドを形成する平均粒径が1〜100nmのものが好ましく、平均粒径が1〜50nmの範囲のものが特に好ましい。
なお、コロイドとは1〜100nmの大きさを有する微粒子が媒質(本発明では媒質が水である)中に分散している状態をいう。コロイドを形成する無機微粒子は水分散性が良好であり、その平均粒径が小さい無機微粒子ほど低添加量でフェロモンの放出を抑制することが可能である。散布後に水が蒸発して、ポリアクリル酸系共重合体粒子と無機微粒子の濃度が高くなると、無機微粒子の凝集力によってポリアクリル酸系共重合体粒子表面にも無機微粒子が付着し、大気と接するポリアクリル酸系共重合体粒子の表面積を効率よく低減させるものと推察される。
【0059】
コロイドを形成する無機微粒子の代表的なものとしては、無水珪酸(シリカ)およびその各種金属塩からなるコロイダルシリカが挙げられる。コロイダルシリカは、ゴム・プラスチックの充填剤、複写・感光紙のコーティング剤、インク用マイクロフィラー、半導体の研磨剤、耐火物用バインダー、化粧品の顔料などに広く用いられており、いずれも使用可能である。
例えば、日産化学工業株式会社製のスノーテックスシリーズやクラリアントジャパン株式会社製のKlebosol シリーズを使用することができる。
【0060】
シリカおよびその各種金属塩以外のコロイドを形成する無機微粒子としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム等が挙げられる。
【0061】
なお、これらの無機微粒子は、1種または2種以上を組合せて使用することができるが、効率よくポリアクリル酸系共重合体粒子の表面積を低減させるため、フェロモンとの相溶性のないシリカおよびその各種金属塩からなるコロイダルシリカが、最も好ましい無機微粒子である。
【0062】
本発明のフェロモン徐放製剤は、水分散状態でスプレー散布によって使用される用途に特に適している。散布用の水分散液中におけるポリアクリル酸系共重合体粒子に対する無機微粒子の割合は、製剤の徐放性に応じて適宜調整することができる。具体的には、放出させるフェロモンの種類やポリアクリル酸系共重合体粒子のモノマー組成、フェロモン含有量、平均粒径、さらには散布時における水分散液中のポリアクリル酸系共重合体粒子の濃度、フェロモン濃度等によって徐放性が変化するため、望ましい徐放期間に適したフェロモンの均一放出性と低残存率が発現できるように添加することが好ましい。
通常、ポリアクリル酸系共重合体粒子100重量部に対して無機微粒子が1〜1000重量部となるように配合することが好ましく、更に好ましくは10〜500重量部である。無機微粒子が1重量部未満であると、無機微粒子の添加効果が得られ難くなる傾向にあり、1000重量部を超えるとフェロモンが放出されにくくなる傾向にある。
【0063】
次に、放出抑制剤として有用な水溶性高分子について説明する。
本発明に使用する水溶性高分子は、3,000〜500,000の範囲の平均分子量を有し、25℃の水に1重量%以上溶解できるものである。例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ゼラチン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩などが挙げられる。これらの水溶性高分子は、先に示した懸濁重合時に用いる懸濁安定剤や水溶性粘着剤を兼ねることができる。
【0064】
なお、これらの水溶性高分子は、1種または2種以上を組合せて使用することができるが、ポリアクリル酸系共重合体粒子から放出されるフェロモンの均一放出性と低残存率が発現できる最も好ましい水溶性高分子は、ポリビニルアルコールである。
【0065】
本発明においては、ポリ酢酸ビニルの酢酸基をけん化(鹸化)して、水酸基に置き換えたポリビニルアルコールを特に好ましく使用できる。ポリビニルアルコール中の酢酸基と水酸基の合計数に対する水酸基の百分率をけん化度で表し、けん化度の高い順に完全けん化、中間けん化、部分けん化ポリビニルアルコールとして市販されている。
例えば、株式会社クラレ製のポバールシリーズや日本合成化学工業株式会社製のゴーセノールシリーズなどが使用できる。
なお、フェロモンの均一放出性と低残存率が発現できるポリビニルアルコールのケン化度は70〜90%であり、更に好ましいケン化度は75〜85%である。ケン化度が70%未満ではフェロモンとの相溶性が高くなる傾向にあり、ポリビニルアルコール中にフェロモンが保持されてしまうため所望の放出速度が発現されにくく、さらには放出されずに無駄になるフェロモンが生じるおそれがある。一方、ケン化度が90%を超えるとフェロモンとの相溶性は低くなる傾向にあるが、フェロモンの放出抑制効果が強くなりすぎてポリアクリル酸系共重合体粒子からフェロモンが放出されにくくなる傾向にある。
【0066】
本発明のフェロモン徐放製剤は、水分散状態でスプレー散布によって使用される用途に特に適している。散布用の水分散液中におけるポリアクリル酸系共重合体粒子に対する水溶性高分子の割合は、製剤の徐放性に応じて適宜調整することができる。具体的には、放出させるフェロモンの種類やポリアクリル酸系共重合体粒子のモノマー組成、フェロモン含有量、平均粒径、さらには散布時に水分散液中のポリアクリル酸系共重合体粒子の濃度、フェロモン濃度等によって徐放性が変化するため、望ましい徐放期間に適したフェロモンの均一放出性と低残存率が発現できるように添加することが好ましい。
通常、水溶性高分子の存在割合は、ポリアクリル酸系共重合体粒子100重量部に対して0.1〜1000重量部であることが好ましく、更に好ましくは1〜100重量部である。水溶性高分子が0.1重量部未満であると、水溶性高分子の添加効果が得られ難くなる傾向にあり、1000重量部を超えるとフェロモンが放出されにくくなる傾向にある。
【0067】
【実施例】
以下、製造例および実施例によって本発明を説明するが、本発明は下記の製造例および実施例によって制限を受けるものではない。
【0068】
<製造例1〜3:乳化重合>
攪拌機、温度計、冷却器、滴下装置、窒素ガス導入管のついた4つ口フラスコにイオン交換水30重量部を仕込んだ後、窒素ガスを吹き込みながら撹拌下に65℃まで昇温した。その後、重合開始剤として2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド1重量部を添加した。
ビーカーに、フェロモンとして7,8―エポキシ―2−メチルオクタデカン(EMOD;マイマイガの性フェロモン)10重量部、モノマー成分A〜C(組成割合は表1に記載)全部で30重量部、ナトリウムドデシルサルフェート(アニオン性界面活性剤)4重量部、イオン交換水25重量部を入れ、20℃でホモミキサーにより10000回転/分で5分間撹拌して、乳化液を調製した。
先の4つ口フラスコ中に、3時間かけて乳化液を65℃の温度条件を維持しながら滴下後、さらに4時間重合を行うことにより、乳化重合を完結させた。なお、乳化重合中の撹拌は300回転/分で行った。
得られた粒子の平均粒径を光散乱光度計(大塚電子株式会社製:ELS−8000)により測定したところ約210nmであり、不揮発分測定から樹脂分が30重量%、ガスクロマトグラフィー(島津製作所株式会社製:GC−14B、検出限界1ppm)よりEMOD含有量が10重量%の水分散型のEMOD含有粒子であることが判明した。
【0069】
<製造例4〜6:懸濁重合>
ビーカーに、イオン交換水58重量部仕込んだ後、懸濁安定剤としてケン化度が約80mol%のポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、商品名:ゴーセノールKH−17)1重量部を完全に溶解させた。次にフェロモンとして7,8―エポキシ―2−メチルオクタデカン(EMOD;マイマイガの性フェロモン)10重量部、モノマー成分A〜C(組成割合は表1に記載)全部で30重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1重量部を入れ、20℃でホモミキサーにより10000回転/分で5分間撹拌して、懸濁液を調製した。
攪拌機、温度計、冷却器、滴下装置、窒素ガス導入管のついた4つ口フラスコに上記懸濁液を仕込んだ後、窒素ガスを吹き込みながら55℃まで昇温して、4時間重合を行うことにより、懸濁重合を完結させた。なお、懸濁重合中の撹拌は450回転/分で行った。
得られた粒子の平均粒径をレーザ回折/散乱式粒度計(株式会社堀場製作所製:LA−920)により測定したところ約5μmであり、不揮発分測定から樹脂分が30重量%、ガスクロマトグラフィーよりEMOD含有量が10重量%の水分散型のEMOD含有粒子であることが判明した。
【0070】
【表1】
Figure 2004331625
【0071】
<実施例1〜6>
フェロモン含有量が空中散布に適した量(本実施例では2重量%)となるように、製造例1〜6で得られた水分散型のEMOD含有粒子、平均粒径20nmであるコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製、商品名:スノーテックスST−30)、ポリビニルアルコール(ゴーセノールKH−17)の4重量%水溶液、イオン交換水を表2に示す配合にて均一に混合し、本発明の水分散型のフェロモン徐放製剤を得た。なお、スノーテックスST−30中のシリカの含有量は30重量%である。
【0072】
得られた徐放製剤の水分散安定性を評価するため、表2に示した製剤を25℃の恒温槽に放置し、沈殿物の析出時間を調べた。
結果を表2に示す。
【0073】
また、得られた徐放製剤の徐放性を調べるため、表2に示した製剤を5×15cmのサイズに切った150メッシュナイロン布にスプレー散布し、1種類の製剤に対して20枚の試験布を作成した。なお、スプレー散布を行う前に、予めナイロン布の重量を正確に測定し、スプレー散布を行った試験片を室内にて12時間放置して充分に水を蒸発させた後、各試験布に付着した製剤重量を1枚ずつ正確に計量した。
次に、1種類の製剤に対して試験布を2枚ずつ取り出し、それぞれ30ミリリットルのガラス製スクリュウ管に入れて、メチルエチルケトンを20g使用してEMODの抽出を行った。なお、EMODの抽出は、ミックスローターによる撹拌を常温にて1時間行った。抽出液をガスクロマトグラフィーにて分析することによってEMODの含有量を求めた。この値を初期EMOD含有量とした。
残った試験片は、25℃、風速1m/秒の条件下の恒温槽内に設置し、5日間おきに1サンプルにつき試験布を2枚ずつ取り出し、上記と同様の抽出操作及びGC分析を行ってEMOD含有量を求めた。その値を初期EMOD含有量で割ることにより、製剤中のEMOD残存率(%)を求めた。また、製剤中のEMOD残存率(%)から5日間毎における1日当たりの放出割合(%/日)すなわち均一放出性の指標であるEMODの放出速度を求めた。
結果を図1と図2に示す。
【0074】
さらに、得られた徐放製剤の付着性を評価するため、表2に示した製剤を樫の葉にスプレー散布し、室内にて12時間放置して充分に水を蒸発させた後、600ミリリットル/分のシャワーリングを10分間行って、付着有無を目視によって確認した。
結果を表2に示す。
【0075】
<比較例1>
製造例3で得られた水分散型のEMOD含有粒子に、イオン交換水を表2に示す配合にて均一に混合し、コロイダルシリカを添加していない水分散型のフェロモン徐放製剤を得た。なお、水分散安定性、徐放性、付着性の評価は実施例と同様の方法で行った。
結果を表2、図1および図2に示す。
【0076】
<比較例2>
製造例4で得られた水分散型のEMOD含有粒子にイオン交換水を表2に示す配合にて均一に混合し、コロイダルシリカを添加していない水分散型のフェロモン徐放製剤を得た。なお、水分散安定性、徐放性、付着性の評価は実施例と同様の方法で行った。
結果を表2、図1および図2に示す。
【表2】
Figure 2004331625
【0077】
<徐放製剤の水分散安定性の結果>
表2の結果より、実施例1〜6および比較例1,2の全ての製剤で、1日間程度では粒子の沈殿を生じなかった。また、乳化重合で得られた製剤は、1週間以上の水分散安定性を保持することが可能であった。
【0078】
<EMOD徐放性の結果>
図1,2の結果より、比較例1,2は、試験後5〜10日間でほとんどのEMODを放出しており、望ましい期間(6週間)にわたる均一放出性は発現されなかった。一方、実施例1〜6は、45日間後のEMOD残存率が30%以下であり、EMODを45日間にわたって均一放出が可能な徐放性能に優れた製剤であった。
【0079】
<製剤付着性の結果>
表2の結果より、実施例1〜6および比較例2の製剤で、粘着剤を使用せずに樫の葉に対する付着性があることが確認されたが、比較例1は付着性が悪い結果となった。
【0080】
【発明の効果】
本発明の水分散型のフェロモン徐放製剤は、フェロモンを長期間にわたって一定の揮散速度でほぼ全量放出することができ、かつ噴霧または散布しやすく、付着性を有するものである。したがって、本発明の水分散型のフェロモン徐放製剤は、特に広大な農地や森林に飛行機等によって空中散布を行うフェロモン徐放製剤として特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明および他の徐放製剤におけるフェロモン残存率の経日変化を示す図である。
【図2】本発明および他の徐放製剤におけるフェロモン放出速度の経日変化を示す図である。

Claims (9)

  1. フェロモンを含有するポリアクリル酸系共重合体粒子およびフェロモン放出抑制剤を含む水分散型のフェロモン徐放製剤。
  2. 前記ポリアクリル酸系共重合体粒子の平均粒径が100nm〜20μmであることを特徴とする請求項1に記載の水分散型のフェロモン徐放製剤。
  3. 前記ポリアクリル酸系共重合体粒子が(メタ)アクリル酸エステル(成分A)および多官能の(メタ)アクリル酸エステル(成分B)を含むモノマー成分から形成されるものであることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の水分散型のフェロモン徐放製剤。
  4. 前記ポリアクリル酸系共重合体粒子が(メタ)アクリル酸エステル(成分A)、多官能の(メタ)アクリル酸エステル(成分B)および親水性モノマー(成分C)を含むモノマー成分から形成されるものであることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の水分散型のフェロモン徐放製剤。
  5. 前記ポリアクリル酸系共重合体粒子が乳化重合方法または懸濁重合方法のいずれかによって調製されるものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の水分散型のフェロモン徐放製剤。
  6. 前記フェロモン放出抑制剤が平均粒径1〜100nmの無機微粒子であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の水分散型のフェロモン徐放製剤。
  7. 前記フェロモン放出抑制剤が水溶性高分子であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の水分散型のフェロモン徐放製剤。
  8. (メタ)アクリル酸エステル(成分A)および多官能の(メタ)アクリル酸エステル(成分B)を含むモノマー成分、並びにフェロモン、界面活性剤、および水を用いて剪断力の強い攪拌機によって乳化液を調製し、この乳化液を重合開始剤が溶解した水中に滴下しながら乳化重合を行ってフェロモンを含有するポリアクリル酸系共重合体粒子を得る工程と、得られたポリアクリル酸系共重合体粒子とフェロモン放出抑制剤とを混合する工程、からなることを特徴とする水分散型のフェロモン徐放製剤の製造方法。
  9. 懸濁安定剤の水溶液に、(メタ)アクリル酸エステル(成分A)および多官能の(メタ)アクリル酸エステル(成分B)を含むモノマー成分、並びにフェロモン、重合開始剤を加えて剪断力の強い攪拌機によって懸濁液を調製し、この懸濁液を攪拌しながら熱を加えて懸濁重合を行ってフェロモンを含有するポリアクリル酸系共重合体を得る工程と、得られたポリアクリル酸系共重合体粒子とフェロモン放出抑制剤とを混合する工程、からなることを特徴とする水分散型のフェロモン徐放製剤の製造方法。
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