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JP2004330442A - 熱転写受像シート及びその製造方法 - Google Patents

熱転写受像シート及びその製造方法 Download PDF

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JP2004330442A
JP2004330442A JP2003125373A JP2003125373A JP2004330442A JP 2004330442 A JP2004330442 A JP 2004330442A JP 2003125373 A JP2003125373 A JP 2003125373A JP 2003125373 A JP2003125373 A JP 2003125373A JP 2004330442 A JP2004330442 A JP 2004330442A
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Takenori Omata
猛憲 小俣
Taro Suzuki
太郎 鈴木
Katsuyuki Oshima
克之 大嶋
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

【課題】多孔層塗工液に含まれる水分が紙基材に浸透するおそれがなくて濃度ムラやドット抜けのない高品質な画像を得ることが可能な熱転写受像シートを提供する。
【解決手段】基材フィルム2の一方の面側に染料受容受容層5を、他方の面側に中空粒子をバインダ樹脂にて結着した多孔層3をそれぞれ設ける。多孔層3を接着層7を介して紙基材6と貼り合わせる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱転写シートと重ね合わせて使用される熱転写受像シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
熱転写を利用した画像の形成方法として、記録材としての昇華性染料を紙やプラスチックフィルム等の基材シートに担持させた熱転写シートと、紙やプラスチックフィルムの一方の面に昇華性染料の受容層を設けた熱転写受像シートとを互いに重ね合わてフルカラー画像を形成する方法が知られている。この方法は昇華性染料を色材としているためドット単位で濃度階調を自由に調節でき、原稿通りのフルカラー画像を受像シート上にて表現することができる。染料によって形成された画像は非常に鮮明でかつ透明性に優れているため、中間色や階調の再現性にも優れ、銀塩写真に匹敵する高品質の画像を形成することができる。
【0003】
昇華型熱転写方式のプリンタにおいて高画質のプリント画像を高速で受像シート上に形成するためには、その受像シートの基材上に染料染着性樹脂(染料に染まり易い性質を有する樹脂)を主成分とする染料受容層を設けることが望ましいが、受像シートの基材にコート紙やアート紙等の紙材を用いると、これらの素材の熱伝導度が比較的高いために受容層において染料を受容する感度が低くなる。
【0004】
そこで、受像シートの基材としてポリオレフィン等の熱可塑性樹脂を主成分とし、内部に空隙を有している二軸延伸の発泡フィルムを用いることがある。このようなフィルムを基材に用いた受像シートは厚さが均一であり、柔軟性があり、セルロース繊維からなる紙等と比べて熱伝導度が小さいため、均一で濃度の高い画像が得られるという利点がある。しかし、二軸延伸フィルムを受像シートの基材に用いた場合、延伸時の残留応力がプリント時の熱で緩和され、延伸方向にフィルムが収縮する。その結果、受像シートにカールやシワが発生し、プリンタ内を受像シートが走行する際に紙詰まり等のトラブルが生じることがある。
【0005】
こうした欠点を改善するために、比較的熱収縮率が小さい芯材や弾性率の大きい芯材に、空隙を有する二軸延伸の発泡フィルムを貼り合わせて積層したラミネートシートを受像シートの基材として用いる例もある。芯材に発泡剤が含まれた接着剤を介して非発泡プラスチックフィルムを重ね合わせ、その状態で発泡剤を発泡させて接着剤層を多孔質構造とした熱転写受像シートも存在する(特許文献1参照)。中空粒子をバインダ樹脂に混ぜた多孔層塗工液を基材シートに塗布することにより、断熱性とクッション性とを兼ね備えた多孔層を形成する技術も知られている(特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−239040号公報
【特許文献2】
特開2002−212890号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、空隙を有する二軸延伸フィルムは伸縮性が大きくてラミネート時のテンションの制御が難しくて生産性に劣る。製造コストも大幅に上昇する。また、紙基材に多孔層塗工液を塗布して多孔層を形成する場合、紙基材の材質やバインダ樹脂の種類によっては、塗工液の水分が紙基材に浸透して乾燥後の多孔層表面に凹凸が生じ、その影響で染料受容層の表面にも凹凸が現れて画像形成時に濃度ムラやドット抜けといった欠陥を生じさせることがある。
【0008】
そこで、本発明は、多孔層を塗工して形成することにより発泡フィルムの貼り合わせに伴う生産上の諸問題を回避でき、しかも、多孔層塗工液に含まれる水分が紙基材に浸透するおそれがなくて濃度ムラやドット抜けのない高品質な画像を得ることが可能な熱転写受像シート及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の熱転写受像シートは、基材フィルムの一方の面側に染料受容受容層が、他方の面側に中空粒子をバインダ樹脂にて結着した多孔層がそれぞれ設けられ、かつ前記多孔層が接着層を介して紙基材と貼り合わされることにより、上述した課題を解決する。
【0010】
この熱転写受像シートによれば、紙基材とは別の基材フィルムの一方の面側に染料受容層を他方の面側に多孔層をそれぞれ設けており、多孔層塗工時に基材フィルムには水分が浸透しないか、又は浸透したとしても紙基材に対する浸透よりは遙かに浸透の程度が少ないので、多孔層を形成する基材の凹凸を抑えて染料受容層を高い平滑度で形成することができる。また、基材フィルムに設けられた多孔層と紙基材とを接着層を介して貼り合わせているから、多孔層の塗工液を乾燥させてから紙基材を貼り合わせれば、水分の紙基材に浸透するおそれがなく、紙基材の種類を問わず凹凸の出現を防止して染料受容層の平滑度を高く維持することができる。これにより、画像形成時において濃度ムラやドット抜けのない高品質な画像を得ることができる。
【0011】
本発明の熱転写受像シートにおいて、基材フィルムに対する染料受容層及び多孔層の形成順序は特に問わない。染料受容層は基材フィルムの一方の面上に他の層を介することなく直接的に積層されてもよいし、基材フィルムと染料受容層との間に中間層が設けられてもよい。
【0012】
本発明の熱転写受像シートにおいては、前記バインダ樹脂が水溶性樹脂であってもよい。水溶性樹脂は粘度が高く保水性も高いので、仮に基材フィルムが水分を吸収する性質を有していたとしても、基材フィルムに対する水分の浸透を抑えることができる。この場合、バインダー樹脂としては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、アクリル等の汎用水系樹脂を使用することができる。
【0013】
さらに、前記バインダ樹脂が平均重合度1000以上のポリビニルアルコール樹脂であってもよい。このような樹脂は中空粒子との結着力が強く、中空粒子を90重量%添加した場合でも十分な結着力が得られて多孔層の基材フィルムからの剥離が起こらないので、感度が高くてドット抜けのない高品質な熱転写受像シートを提供することができる。
【0014】
本発明の熱転写受像シートにおいて、前記基材フィルムの厚さは20μm以下であることが好ましい。基材フィルムの厚さが20μmを超えると、基材フィルムの物性の影響が多孔層のクッション性や断熱性による影響に比して無視できなくなり、基材フィルムの不均一性に起因して画像形成時の濃度ムラ等が生じるおそれがある。
【0015】
また、前記多孔層における前記中空粒子の含有比率は70重量%〜90重量%の範囲が好ましい。70重量%未満であれば十分な断熱性及びクッション性が得られないおそれがあり、90重量%を超えるときは結着力が不足して多孔層の基材フィルムからの剥離が生じるおそれがある。さらに、前記多孔層の厚さは5μm〜40μmの範囲が好ましい。5μm未満であると十分な断熱性及びクッション性が得られないおそれがあり、他方で40μmを超えると断熱性が飽和に達し、コスト的に無駄が生じるおそれがある。さらに、前記接着層は押出し機により押出された樹脂であってもよい。
【0016】
本発明の熱転写受像シートの製造方法は、基材フィルムの一方の面側に染料受容受容層を、他方の面側に中空粒子をバインダ樹脂に結着させて多孔層をそれぞれ形成し、前記多孔層の乾燥後に当該多孔層を接着層を介して紙基材と貼り合わせることにより、上述した課題を解決する。
【0017】
この製造方法によれば、上述した本発明の熱転写受像シートを構成して、上記の通りの作用効果を奏することができる。
【0018】
本発明の熱転写受像シートの製造方法においては、前記多孔層と前記紙基材とを押出し樹脂を介して貼り合わせてもよい。前記バインダ樹脂としては水溶性樹脂を使用することができる。また、前記バインダ樹脂として、平均重合度1000以上のポリビニルアルコール樹脂を使用してもよい。前記基材フィルムの厚さは20μm以下とすることが好ましい。前記多孔層における前記中空粒子の含有比率は70重量%〜90重量%の範囲とすることが好ましい。前記多孔層の厚さは5μm〜40μmの範囲とすることが好ましい。これらの態様による利点は熱転写受像シートの好ましい形態に関連して既に説明した通りである。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1(b)は本発明の一実施形態に係る熱転写受像シート1の断面構造を示し、同(a)はその熱転写受像シート1の形成途中の状態を示している。なお、図1(a)及び(b)では実際の熱転写受像シートにおける各層の厚さに関係なく、各層を便宜上一定の厚さで描いている。図1(a)に示すように、熱転写受像シート1は、基材フィルム2の下面側に多孔層3を、上面側に中間層4及び染料受容層5を順次形成して積層体1Aを構成し、その積層体1Aの多孔層3の下面に接着層7を介して紙基材6を貼り合わせてなるものである。
【0020】
基材フィルム2は多孔層3の塗工時に水分を吸収しないか、殆ど吸収しないものが好ましく、好適にはプラスチックフィルムが使用される。ここで使用されるプラスチックフィルムとしては、例えばPETフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン等の各種の樹脂にて構成されたフィルムが使用できる。基材フィルム2の物性が染料受容層5に与える影響を小さくするため、基材フィルム2はなるべく薄いことが望ましい。好適には基材フィルム2の厚さを20μm以下に制限する。
【0021】
多孔層3は、中空粒子をバインダ樹脂に結着させて形成されたものである。具体的には、バインダ樹脂と中空粒子とを溶媒に溶解及び分散させた塗工液を基材フィルム2の下面側に塗工し、これを乾燥させることにより多孔層3が形成されている。多孔層3に使用する中空粒子としては、発泡粒子、非発泡粒子のいずれでもよく、例えば架橋スチレン−アクリル等の有機系中空粒子、無機中空ガラス体等が中空粒子として使用できる。発泡粒子を使用する場合には独立発泡又は連続発泡のいずれでもよい。中空粒子の空隙率は50%以上が好ましい。空隙率が50%に満たないと多孔層3に十分な断熱性及びクッション性を与えることができないおそれがある。また、多孔層3における中空粒子の含有比率は70重量%〜90重量%の範囲が好ましく、多孔層3の厚さは5μm〜40μmの範囲が好ましい。これらの理由は上述した通りである。
【0022】
中空粒子を結着させるバインダ樹脂は耐有機溶剤の樹脂が望ましい。特にはポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、カルボキシメチルセルロース等の水溶性樹脂は、粘度が高く、保水性に優れるため、基材フィルム2への水分の浸透を防ぐ上で好ましい。また、水溶性樹脂の中でも、特に高分子料のポリビニルアルコールが中空粒子との結着力が強く、保水性も高いので好ましい。平均重合度1000以上のポリビニルアルコール樹脂であればさらに好適である。
【0023】
多孔層3の塗工は、グラビアコート、グラビアリバースコート、コンマコート、ダイコート、リップコート等の一般的な方法で行うことができる。
【0024】
中間層4は、基材フィルム2と染料受容層5との間に介在する全ての層を指す。中間層4は単層構造又は複層構造のいずれでもよい。なお、中間層4は必要に応じて設ければよく、これを省略してもよい。
【0025】
中間層4には、隠蔽性や白色性を付与するために、また、熱転写受像シート1全体の質感を調整するために、無機顔料として、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、酸化チタン、酸化亜鉛その他公知の無機顔料や蛍光増白剤を含有させてもよい。それらの配合比は、樹脂固形分比100重量部に対して10〜200重量部が好ましい。10重量部よりも少ないと効果が十分に発揮されず、200重量部を超えると分散安定性に欠け、樹脂の性能が得られないおそれがある。
【0026】
染料受容層5は、染料によって染め易い樹脂を主成分とするワニスに、必要に応じて離型剤等の各種添加剤を加えて構成する。染料によって染め易い樹脂としては、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル等のビニル系樹脂、及びその共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリプチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロビレン等のオレフィンと他のビニル系モノマーとの共重合体、アイオノマー、セルロール誘導体の単体、又は混合物を用いることができる。これらの中でも、ポリエステル系樹脂、及びビニル系樹脂が好ましい。
【0027】
染料受容層5には、画像形成時に熱転写シートとの熱融着を防ぐために離型剤を配合することもできる。離型剤は、シリコーンオイル、リン酸エステル系可塑剤フッ素系化合物を用いることができるが、特にはシリコーンオイルが好ましく用いられる。シリコーンオイルとしては、エポキシ変性、アルキル変性、アミノ変性、フッ素変性、フェニル変性、エポキシ・ポリエーテル変性等の変性シリコーンが好ましく用いられる。中でも、ビニル変性シリコーンオイル及びハイドロジェン変性シリコーンオイルとの反応物がよい。離型剤の添加量は染料受容層5を形成する樹脂に対して0.2〜30重量部が好ましい。
【0028】
染料受容層5はロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート等の一般的なコート方法により形成される。染料受容層5の塗布量は0.5〜10g/mが好ましい。
【0029】
紙基材6は熱転写受像シート1の全体に、銀塩写真に匹敵する質感や剛性感を与えるために使用される。紙基材6としては、例えば坪量78〜400g/m、好ましくは150〜300g/mの上質紙又はアート紙を使用することができる。紙基材6の厚さは40〜300μmの範囲が好適に用いられ、さらに好ましくは60〜200μmの範囲に設定される。銀塩写真の印画紙と同等の質感を熱転写受像シート1に与えるためには、熱転写受像シート1の全体の厚さを150〜250μmの範囲に設定するとよい。
【0030】
接着層7は紙基材6と多孔層3とを接合できるものであれば種類を問わないが、典型的には、ウレタン系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、アクリル系、またはエポキシ系の接着性樹脂を用いることができる。また、多孔層3と紙基材6とを接着する方法として、接着層を構成する樹脂を押出しつつその押出し樹脂を挟んで多孔層3と紙基材6とを貼り合わせるいわゆるECラミネート法を用いて接着層7を形成しつつ多孔層3と紙基材6とを貼り合わせることもできる。このECラミネート法にて使用される押出し樹脂としてはポリオレフィン系の汎用の樹脂が挙げられる。
【0031】
なお、図2に示すように、紙基材6の下面に樹脂コート層8を設けることにより、紙基材6のカールを防止する保湿性を付与し、あるいは熱転写受像シート1がプリンタにて搬送される際の摩擦抵抗を低減する滑性を付与してもよい。保湿性を付与する目的を達成するためには、樹脂コート層8の材料としてポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等のホイールコントロールスイッチ効果を有する樹脂を利用できる。また、滑性を付与するためには、樹脂コート層8の材料として無機又は有機フィラーを分散させた樹脂を用いるとよい。さらに、樹脂コート層8にシリコーン等の滑剤、又は離型剤を添加してもよい。
【0032】
【実施例】
以下に、本発明をその実施例によってさらに具体的に説明する。
【0033】
(実施例1) 基材フィルムとしての厚さ6μmのポリエステルフィルム(東レ(株)、商品名ルミラー)の一方の面に下記組成からなる中間層、染料受容層をそれぞれの乾燥後の塗布量が2.0g/m、4.0g/mとなるようにグラビアコート法にて塗工し、これらを乾燥させて実施例1の熱転写受像シートの中間層及び染料受容層を形成した。
(1)中間層
ポリエステル樹脂(バイロン200、東洋紡績(株)製) 10重量部
酸化チタン(TCA−888、トーケムプロダクツ製) 20重量部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 120重量部
(2)染料受容層
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(電気化学工業(株)、#1000A) 100重量部
アミノ変性シリコーン(信越化学工業(株)、X22−3050C) 5重量部
エポキシ変性シリコーン(信越化学工業(株)、X22−3000E) 5重量部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 400重量部
【0034】
また、上記ポリエステルフィルムの他方の面に下記組成からなる多孔層をグラビアコート法により10μm塗工し、その後、110°Cにて1分間乾燥させて多孔層を形成した。なお、多孔層における中空粒子とバインダ樹脂との含有比率は、固形分比において中空粒子:バインダ樹脂=7:3とした。
(3)多孔層
アクリル系中空粒子(ロームアンドハース社、ローペイクHP−1055) 100重量部
ポリビニルアルコール15%溶液(日本合成化学工業(株)、KM−11:平均重合
度1000) 76重量部
水 10重量部
【0035】
さらに、紙基材として、坪量127g/mのコート紙(三菱製紙(株)製、商品名パールコート)を用意し、これに下記組成の接着層を設け、上記の中間層、染料受容層、及び多孔層が形成されたポリエステルフィルムの多孔層と紙基材とを接着層を介して貼り合わせて実施例1の熱転写受像シートを形成した。
(4)接着層
ウレタン樹脂(三井武田ケミカル(株)、タケラックA−969V) 30重量部
硬化剤(三井武田ケミカル(株)、タケネートA−5) 10重量部
酢酸エチル 120重量部
【0036】
(実施例2) 実施例1の多孔層と紙基材とを下記樹脂を押出し樹脂とするECラミネート法により貼り合わせて実施例2の熱転写受像シートを形成した。
(5)EC樹脂
低密度ポリエチレン樹脂(三井住友ポリオレフィン(株)、スミカセン10P)
【0037】
(実施例3) 多孔層の厚さを40μmに変更した以外は実施例1と同様にして実施例3の熱転写受像シートを形成した。
【0038】
(実施例4) 基材フィルムを厚さ16μmのポリエステルフィルムに変更した以外は実施例1と同様にして実施例4の熱転写受像シートを形成した。
【0039】
(実施例5) 基材フィルムを厚さ6μmのポリプロピレンフィルムに変更した以外は実施例1と同様にして実施例5の熱転写受像シートを形成した。
【0040】
(実施例6) 実施例1の紙基材としてのコート紙の裏面側に、厚さ6μmの樹脂コート層を設けたこと以外は実施例1と同様にして実施例6の熱転写受像シートを形成した。
【0041】
(比較例1) 基材フィルムを厚さ30μmのポリエステルフィルムに変更した以外は実施例1と同様にして比較例1の熱転写受像シートを形成した。
【0042】
(比較例2) 実施例1の紙基材の一方の面に実施例1の多孔層を厚さ40μm形成し、その多孔層上に実施例1の中間層及び染料受容層をそれぞれの乾燥後の塗布量が4.0g/m、4.0g/mとなるようにグラビアコート法にて塗工して比較例2の熱転写受像シートを形成した。
【0043】
(比較例3) 比較例2の中間層の組成を下記の通り変更した以外は比較例2と同様にして比較例3の熱転写受像シートを形成した。
・中間層
ポリエステル系ウレタン(大日本インキ化学工業(株)、商品名AP−40) 50重量部
ポリビニルアルコール15%溶液、ケン化度88%、(日本合成化学工業(株)
、GL−05) 33重量部
水/イソプロピルアルコール=1/1 30重量部
【0044】
(評価方法) 次に、下記の要領で各実施例及び各比較例の熱転写受像シートを評価した。
【0045】
(1)熱転写記録の実施方法…熱転写シートとしてソニー株式会社製の昇華転写プリンタUP−D70A用転写フィルムUPC−740を、その熱転写シートと組み合わせて使用されるべき熱転写受像シートとして、上記実施例1〜6及び比較例1〜3の熱転写受像シートをそれぞれ使用し、熱転写シートの染料層と熱転写受像シートの染料受容層とを互いに対向させて重ね合わせ、熱転写シートをその裏面側からサーマルヘッドで加熱してY、M、C、及び保護層の順に熱転写記録を行った。熱転写記録の条件は次の通りである。
【0046】
〈熱転写記録条件〉 下記の条件にてグラデーション画像を形成した。
・サーマルヘッド:KYT−86−12MFW11(京セラ(株)製)
・発熱体平均抵抗値:2994Ω(オーム)
・主走査方向印字密度:300dpi
・副走査方向印字密度:300dpi
・印加電圧:18.5V(ボルト)
・1ライン周期:5msec.
・印字開始温度:30°C
・プリントサイズ:100mm×150mm
・階調プリント:1ライン周期中に、1ライン周期を256等分したパルス長を持つ分割パルス数を0〜255個の間で変更可能なマルチパルス方式のテストプリンタを用い、各分割パルスのデューティー比を60%に固定し、1ライン周期あたりのパルス数を1ステップでは0個、2ステップでは17個、3ステップでは34個といったように、0から255個まで17個ずつ段階的に増加させて1ステップから16ステップまでの16階調を制御した。
・保護層の転写:上記と同様のテストプリンタを用い、各分割パルスのデューティー比を50%に固定し、1ライン周期あたりのパルス数を210個に固定していわゆるベタプリントを行ってプリント物の全面に保護層を転写した。
【0047】
(2)プリント濃度の評価…上記の要領で形成したプリント物を光学反射濃度計(マクベス社製、マクベスRD−918)を用いて、ビジュアルフィルターにて最大反射濃度を測定した。最大反射濃度1.7以上を○、1.7未満を×としてそれぞれ評価した。
(3)濃度ムラの評価…上記のプリント物を目視にて観察し、濃度ムラが認められなかったものを○、濃度ムラが確認されたものを×としてそれぞれ評価した。
【0048】
(評価結果) 上記評価の結果は表1に示す通りである。なお、プリント濃度、濃度ムラのいずれか一方にでも×があるものは総合評価も×とした。表1によれば、実施例1〜5はいずれも総合評価において○であり、本発明の熱転写受像シートの有効性が確認された。
【表1】
Figure 2004330442
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の熱転写受像シート及びその製造方法によれば、紙基材とは別の基材フィルムの一方の面側に染料受容層を他方の面側に多孔層をそれぞれ設けており、多孔層塗工時に基材フィルムには水分が浸透しないか、又は浸透したとしても紙基材に対する浸透よりは遙かに浸透の程度が少ないので、多孔層を形成する基材の凹凸を抑えて染料受容層を高い平滑度で形成することができる。また、基材フィルムに設けられた多孔層と紙基材とを接着層を介して貼り合わせているから、多孔層の塗工液を乾燥させてから紙基材を貼り合わせれば、水分の紙基材に浸透するおそれがなく、紙基材の種類を問わず凹凸の出現を防止して染料受容層の平滑度を高く維持することができる。これにより、画像形成時において濃度ムラやドット抜けのない高品質な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱転写受像シートの一例を示す図。
【図2】本発明の熱転写受像シートの他の例を示す図。
【符号の説明】
1 熱転写受像シート
2 基材フィルム
3 多孔層
4 中間層
5 染料受容層
6 紙基材
7 接着層
8 樹脂コート層

Claims (14)

  1. 基材フィルムの一方の面側に染料受容受容層が、他方の面側に中空粒子をバインダ樹脂に結着させた多孔層がそれぞれ設けられ、かつ前記多孔層が接着層を介して紙基材と貼り合わされていることを特徴とする熱転写受像シート。
  2. 前記バインダ樹脂が水溶性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シート。
  3. 前記バインダ樹脂が平均重合度1000以上のポリビニルアルコール樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シート。
  4. 前記基材フィルムの厚さが20μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
  5. 前記多孔層における前記中空粒子の含有比率が70重量%〜90重量%の範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
  6. 前記多孔層の厚さが5μm〜40μmの範囲であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
  7. 前記接着層が押出し機により押出された樹脂であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
  8. 基材フィルムの一方の面側に染料受容受容層を、他方の面側に中空粒子をバインダ樹脂に結着させて多孔層をそれぞれ形成し、前記多孔層の乾燥後に当該多孔層を接着層を介して紙基材と貼り合わせることを特徴とする熱転写受像シートの製造方法。
  9. 前記多孔層と前記紙基材とを押出し樹脂を介して貼り合わせることを特徴とする請求項8に記載の熱転写受像シートの製造方法。
  10. 前記バインダ樹脂として水溶性樹脂を使用することを特徴とする請求項8又は9に記載の熱転写受像シートの製造方法。
  11. 前記バインダ樹脂として、平均重合度1000以上のポリビニルアルコール樹脂を使用することを特徴とする請求項8又は9に記載の熱転写受像シートの製造方法。
  12. 前記基材フィルムの厚さを20μm以下とすることを特徴とする請求項8〜11のいずれか一項に記載の熱転写受像シートの製造方法。
  13. 前記多孔層における前記中空粒子の含有比率を70重量%〜90重量%の範囲とすることを特徴とする請求項8〜12のいずれか一項に記載の熱転写受像シートの製造方法。
  14. 前記多孔層の厚さを5μm〜40μmの範囲とすることを特徴とする請求項8〜13のいずれか一項に記載の熱転写受像シートの製造方法。
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