JP2004317300A - 放射線平面検出器及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】検出器としての信頼性及び解像度特性を向上することが可能な放射線平面検出器及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】放射線検出器は、画素単位の光電変換素子13が複数配列してなる光電変換基板11と、光電変換基板11上に配置され放射線により励起されて蛍光を発生するシンチレータ層39と、光電変換基板11上に形成されシンチレータ層39を画素単位に区画する隔壁部38と、を備えている。シンチレータ層39は、単位体積あたりに充填された蛍光体粒子の密度が75%以上のセラミックシンチレータまたはCaF2、BaF2、CaWO4、Bi4Ge3O12、NaI、CsI、Gd2SiO5、Lu2SiO5の少なくとも1種の単結晶によって構成されたことを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】放射線検出器は、画素単位の光電変換素子13が複数配列してなる光電変換基板11と、光電変換基板11上に配置され放射線により励起されて蛍光を発生するシンチレータ層39と、光電変換基板11上に形成されシンチレータ層39を画素単位に区画する隔壁部38と、を備えている。シンチレータ層39は、単位体積あたりに充填された蛍光体粒子の密度が75%以上のセラミックシンチレータまたはCaF2、BaF2、CaWO4、Bi4Ge3O12、NaI、CsI、Gd2SiO5、Lu2SiO5の少なくとも1種の単結晶によって構成されたことを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、放射線平面検出器及びその製造方法に係り、特に、放射線画像を検出する間接方式の放射線平面検出器及びこれを製造するための製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、新世代のX線診断用検出器としてアクティブマトリックス型のX線平面検出器が大きな注目を集めている。このX線平面検出器において、照射されたX線を検出することにより、X線撮影像またはリアルタイムのX線画像がデジタル信号として出力される。X線平面検出器は固体検出器であることから、画質性能や安定性の面でも極めて期待が大きい。このため、多くの大学やメーカが研究開発に取り組んでいる。
【0003】
実用化の最初の用途として、比較的大きなX線量で、静止画像を収集する人体の胸部・一般撮影用に開発され、近年商品化されている。より高い技術的なハードルをクリアして、透視線量下で毎秒30コマ以上のリアルタイム動画を実現させる必要のある循環器、消化器分野への応用に対しても近い将来に商品化が予想される。この動画用途に対しては、ノイズ(S/N:シグナル/ノイズ比)の改善や微小信号のリアルタイム処理技術等が重要な開発項目となっている。
【0004】
X線平面検出器には、大きく分けて直接方式と間接方式との2通りがある。
直接方式は、X線をa−Seなどの光導電膜を用いて直接信号電荷に変換し、変換した信号電荷を電荷蓄積用キャパシタに蓄積する方式である。この直接方式は、X線により発生した光導電電荷を高電界により直接に電荷蓄積用キャパシタに導くため、ほぼアクティブマトリックスの画素ピッチで規定される解像度特性が得られる。
【0005】
直接方式のX線平面検出器は、X線の吸収率を上げて信号強度を確保するために、例えばa−Seの光導電膜を1mm程度の厚膜で形成している。また、X線フォトン1個当りの光導電電荷生成率を上げるためと、生成した光導電電荷が膜中の欠陥準位にトラップされることなく収電電極に到達させるため、かつ、バイアス電界と直角方向への電荷の拡散を極力抑えるために、例えば10V/μmの強バイアス電界を印加して用いる。
【0006】
すなわち、この例では、光導電膜のa−Seに対し、10kVの高電圧を印加することになる。このため、直接方式は、解像度特性面からは間接方式に比較して有利であるが、動作電圧の低い薄膜トランジスタすなわちTFTを高電圧から保護する信頼性の確保や、暗電流と感度特性、熱的安定性などを兼ね備えた好適な光導電材料が見つからないなどの問題が生じている。
【0007】
一方の間接方式は、シンチレータ層によりX線を受けて一旦蛍光に変換し、蛍光をa−SiフォトダイオードやCCDにより信号電荷に変換して、電荷蓄積用キャパシタに導く方式であるため、直接方式で生じる耐高電圧の問題は生じない。また、シンチレータ材料や、フォトダイオードについても基本的な技術は確立している点で有利である。
【0008】
しかしながら、この間接方式は、シンチレータ層からの蛍光がフォトダイオードに到達するまでの光学的な拡散及び散乱により、その分の解像度劣化を生じる。特に、感度特性を確保するために、シンチレータ層を厚膜にするほど、フォトダイオード等の光電変換素子に到達するまでの蛍光の広がりが大きく、解像度劣化が顕著となる。
【0009】
このような蛍光の広がりを抑えて解像度を確保する方法として、間接方式において、例えば、Gd2O2Sなどの蛍光体粒子をバインダ樹脂で結着させて形成したシンチレータ層をフォトダイオードとTFTのマトリックスに合わせて画素単位に設け、画素間を光学的に分離する隔壁部を設けたX線検出器が提案されている。これにより、シンチレータ層内で発光した蛍光は、隔壁部により横方向への散乱や拡散を抑制される。したがって、光学的なガイド効果により、蛍光をフォトダイオード等の光電変換素子に効率良く到達させることができ、解像度特性が改善される(例えば、特許文献1参照。)。
【0010】
【特許文献1】
特開平11−166976号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このようなX線平面検出器の画像においては、偶発的な輝点がしばしば発生する。これは、シンチレータ層を透過する透過X線によるX線量子ノイズに起因しており、特に蛍光体粒子を含むシンチレータ層を備えたX線平面検出器で頻繁に発生する。
【0012】
すなわち、シンチレータ層に蛍光体粒子が含まれる場合、透過X線量を減少させるためには、蛍光体粒子の充填密度(すなわち単位体積あたりに充填された蛍光体粒子の密度)を上げることが要求される。しかしながら、蛍光体粒子をバインダ樹脂で結合してシンチレータ層を形成した場合、球状の蛍光体粒子を仮定すると、蛍光体粒子を最密充填した場合でもその充填密度は最大で74%が限界となる。
【0013】
また、透過X線量を減少させるためには、シンチレータ層の膜厚を厚くすることが要求される。しかしながら、膜厚を厚くすることによって透過X線量を減少させられるが、膜厚が厚くなるに伴って蛍光の光学的な拡散や散乱の発生確率が高くなり、解像度劣化が顕著となる。
【0014】
このように、蛍光体粒子をバインダ樹脂で結合してシンチレータ層は、X線の利用効率が低い。このため、X線平面検出器での透過X線量が高くなってしまい、輝点の発生といった信頼性に関わる課題を有している。また、透過X線量を低減するために、シンチレータ層の膜厚を厚くした場合には、解像度の劣化といった課題を生ずる。
【0015】
この発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、検出器としての信頼性及び解像度特性を向上することが可能な放射線平面検出器及びその製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明の第1の様態による放射線平面検出器は、
画素単位の光電変換素子が配列してなる光電変換基板と、
前記光電変換基板上に配置され、放射線により励起されて蛍光を発生するシンチレータ層と、を備え、
前記シンチレータ層は、単位体積あたりに充填された蛍光体粒子の密度が75%以上のセラミックシンチレータによって形成されたことを特徴とする。
【0017】
この発明の第2の様態による放射線平面検出器は、
画素単位の光電変換素子が配列してなる光電変換基板と、
前記光電変換基板上に配置され、放射線により励起されて蛍光を発生するシンチレータ層と、を備え、
前記シンチレータ層は、CaF2、BaF2、CaWO4、Bi4Ge3O12、NaI、CsI、Gd2SiO5、Lu2SiO5の少なくとも1種の単結晶で形成されたことを特徴とする。
【0018】
この発明の第3の様態による放射線平面検出器の製造方法は、
放射線により励起されて蛍光を発生する、単位体積あたりに充填された蛍光体粒子の密度が75%以上のセラミックシンチレータ体を用意し、
画素単位の光電変換素子が配列してなる光電変換基板上に、前記セラミックシンチレータ体を設けてシンチレータ層を形成することを特徴とする。
【0019】
この発明の第4の様態による放射線平面検出器の製造方法は、
放射線により励起されて蛍光を発生する、CaF2、BaF2、CaWO4、Bi4Ge3O12、NaI、CsI、Gd2SiO5、Lu2SiO5の少なくとも1種の単結晶で形成されたセラミックシンチレータ体を用意し、
画素単位の光電変換素子が配列してなる光電変換基板上に、前記セラミックシンチレータ体を設けてシンチレータ層を形成することを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態に係る放射線平面検出器及びその製造方法について図面を参照して説明する。なお、この発明においては、X線、γ線、その他の各種放射線の場合に適用可能であるが、以下の一実施の形態においては、放射線の中の代表的なX線の場合を例にとり説明する。したがって、実施の形態の「X線」を「放射線」に置き換えることにより、この発明が対象とする他の放射線にも適用可能である。
【0021】
図1に示すように、X線を検出してX線の強度分布に対応する電気信号を出力するX線検出器1は、複数の画素を有するアクティブマトリクス型の光電変換基板11を有している。この光電変換基板11は、ガラスなどの絶縁基板上に、行方向(例えば図中の横方向)及び列方向(例えば図中の縦方向)に所定のピッチLで2次元的にマトリクス状に配列された同じ構造の複数の画素12を有している。図1に示した例では、9個の画素(12a〜12i)が図示されている。
【0022】
各画素12(a〜i)は、入射した光強度に対応して信号電荷に変換する光電変換素子として機能するフォトダイオード13、スイッチング素子として機能する薄膜トランジスタ(以下TFTと称する)14、信号電荷を蓄積する電荷蓄積部として機能する蓄積キャパシタ15などによって構成されている。
【0023】
各TFT14は、ゲート電極G、ソース電極S、及び、ドレイン電極Dを有している。ドレイン電極Dは、例えばフォトダイオード13及び蓄積キャパシタ15と電気的に接続されている。
【0024】
光電変換基板11の外部には、制御回路16が設けられている。この制御回路16は、TFT14の動作状態、例えばオン/オフを制御する。すなわち、この制御回路16には、光電変換基板11上において、行方向に延びる複数の制御ライン17が接続されている。それぞれの制御ライン17は、同じ行の画素12を構成する各TFT14のゲート電極Gに接続されている。図1に示した例では、第1乃至第4の4個の制御ライン171乃至174が設けられている。例えば、第1の制御ライン171は、画素12a乃至12cを構成する各TFT14のゲート電極Gに接続されている。
【0025】
光電変換基板11上において、列方向には、複数のデータライン18が設けられている。それぞれのデータライン18は、同じ列の画素12を構成する各TFT14のソース電極Sに接続されている。図1に示した例では、第1乃至第4の4個のデータライン181乃至184が設けられている。例えば、第1のデータライン181は、画素12a、12d、12gを構成する各TFT14のソース電極Sに接続されている。
【0026】
それぞれのデータライン17は、対応する電荷増幅器19に接続されている。各電荷増幅器19は、例えば演算増幅器で構成され、その一方の入力端子a1にデータライン18が接続され、他方の入力端子a2は接地されている。一方の入力端子a1と出力端子bとの間にコンデンサCが接続され、積分機能を有する。また、コンデンサCに並列にスイッチSWが接続され、例えばスイッチSWを閉じてコンデンサCに残った電荷を放電する構成になっている。
【0027】
それぞれの電荷増幅器19は、並列に入力する複数の電気信号を直列信号に変換する並列/直列変換器またはマルチプレクサ20に接続されている。並列/直列変換器20は、アナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換器またはデジタイザ21に接続されている。
【0028】
このような構成により、制御回路16は、同一の制御ライン17に接続された同じ行の複数のTFT14を同時にオン/オフ制御するための制御信号を出力する。制御回路16による制御に基づいてオン状態のTFT14は、画像電荷を画素12からデータライン18に転送する。これにより、画素12の電位がリセットされる。データライン18に転送された画像電荷は、電荷増幅器19にて増幅され、並列/直列変換器またはマルチプレクサ20にて複合化された後、アナログ−デジタル変換器またはデジタイザ21に送られる。
【0029】
次に、この実施の形態に係るX線検出器の画素の構造について図2を参照して説明する。なお、図2では、1つの画素部分12を抜き出して図示しており、図1に対応する部分には同じ参照符号を付して重複する説明は一部省略する。
【0030】
光電変換基板11は、ガラスなどの絶縁基板31上に形成されたフォトダイオード13、TFT14、及び蓄積キャパシタ15を備えている。
【0031】
TFT14は、3つの電気的接続、すなわちゲート電極G、ソース電極S、及び、ドレイン電極Dを備えている。ゲート電極Gは、絶縁基板31上に形成されている。このゲート電極Gは、絶縁膜32によって覆われている。また、このゲート電極Gは、同じ行に位置する他のTFT14のゲート電極Gとともに共通の制御ライン17に接続されている。例えば、TFT14をオン/オフする制御するためには、+10V及び−5Vが用いられる。
【0032】
ソース電極Sは、絶縁膜32上に形成された半絶縁膜33にコンタクトしている。このソース電極Sは、同じ列に位置する他のTFT14のソース電極Sとともに共通のデータライン18に接続されている。ドレイン電極Dは、半絶縁膜33にコンタクトしている。このドレイン電極Dは、フォトダイオード13及び蓄積キャパシタ15に接続されている。
【0033】
蓄積キャパシタ15は、絶縁基板31上に形成された下部電極34、絶縁膜32を介して下部電極34に対向して設けられた上部電極35などによって構成されている。上部電極35は、TFT14のドレイン電極Dと電気的に接続されている。
【0034】
TFT14及び蓄積キャパシタ15は、第1絶縁層361によって覆われている。この第1絶縁層361上には、フォトダイオード13が形成されている。フォトダイオード13の周囲の第1絶縁層361上には、第2絶縁層362が設けられている。この第2絶縁層362は、ほぼ矩形状のフォトダイオード13を囲むように枠状に形成されている。
【0035】
フォトダイオード13は、a−Siのpnダイオード構造、もしくはpinダイオード構造などで画素毎に形成される。このフォトダイオード13は、第1絶縁層361上に形成された第1電極131、第1電極131に対向して配置された第2電極132などによって構成されている。
【0036】
第1電極131は、第1絶縁層361に形成されたスルーホール37を介してTFT14のドレイン電極D及び蓄積キャパシタ15の上部電極35に電気的に接続されている。第2電極132は、例えばスパッタリング法によってITOなどの透明導電膜を成膜することによって形成される。これら第1電極131と第2電極132との間には、バイアス電圧が印加される。
【0037】
なお、この実施の形態では、フォトダイオード13は、図2に示すように、蓄積キャパシタ15及びTFT14に重ならないエリアに形成されているが、受光面積を確保するために、TFT14及び蓄積キャパシタ15上に絶縁層を配して、これらを含む画素全域に収電電極を形成して、更にその上部にほぼ各画素の全面対応するフォトダイオードを形成するなどの構造も可能である。
【0038】
上述したような構造の光電変換基板11の上には、外部から入射したX線を可視光に変換する(すなわちX線により励起されて蛍光を発生する)シンチレータ層39が配置されている。すなわち、図2に示すように、シンチレータ層39は、光電変換基板11におけるフォトダイオード13上及び第2絶縁層362上に配置されている。
【0039】
また、この光電変換基板11上には、シンチレータ層39を画素単位に区画する溝部または隔壁部38が形成されている。この溝部または隔壁部38は、上方よりシンチレータ層39に入射したX線40によってシンチレータ層39内で変換された蛍光41が隣接する画素12のフォトダイオード13のエリアに極力干渉しないように、画素12を分離する境界に沿って形成される。これにより、シンチレータ層39は、主にフォトダイオード13に重なるエリアが残り、画素分離される。
【0040】
隔壁部38は、シンチレータ層39内で発生した蛍光41のうち、隣接する画素12に向かって外方に散乱された蛍光411をシンチレータ層39の内部に向けて反射する光反射性を有する反射材料によって形成されても良い。また、隔壁部38は、画素12に入射したX線のうち、隣接する画素12に向かって外方に散乱された散乱X線を吸収するX線吸収体によって形成されても良い。
【0041】
(第1実施形態)
第1実施形態に係るX線検出器では、X線などの放射線によって励起されて蛍光を発生するシンチレータ層39は、セラミックシンチレータによって形成されている。
【0042】
すなわち、シンチレータ層が平均粒径6〜10μmの蛍光体粒子をバインダ樹脂で結着した膜によって構成した場合、内部で発生した蛍光と蛍光体粒子との衝突回数が増加することにより、蛍光の隣接するフォトダイオードへの入射を抑制することで解像度を向上することができるが、蛍光が減衰し、輝度の劣化を生じる。したがって、高解像度を維持しつつ輝度を向上するためには、蛍光に対する透過率が高い材料であるセラミックシンチレータによってシンチレータ層を構成することが望ましい。
【0043】
このセラミックシンチレータとしては、例えばGd2O2Sセラミックシンチレータや、Lu2O2Sセラミックシンチレータなどを使用することが好ましい。また、セラミックシンチレータは、Gd2O2S:Tb,PR+3,CE+3,Fなどで構成されてもよいし、Gd2O2S:Tbを母材とする他のX線用蛍光体、Re2O2S:Tb,Pr+3,Ce+3,Eu(Reは希土類元素)、CsI:Tl、CsI:Na、CaWO4、LaOBr:Tm等のX線用蛍光体などでも構わない。
【0044】
このような高透明度のセラミックシンチレータを用いることにより、シンチレータ層の内部で発生した蛍光がフォトダイオードに到達するまでの減衰を緩和し、輝度を向上することができる。
【0045】
また、セラミックシンチレータを使用した場合、シンチレータ層の内部で放射状に発生した蛍光が隣接するフォトダイオードに到達して解像度の低下が起こり得るが、シンチレータ層にフォトダイオードのエリアに干渉しないように溝部を形成することによって画素分離され、蛍光が隣接するフォトダイオードへの入射を抑制することができるため、解像度の劣化を防止することができる。
【0046】
さらに、溝部に隔壁部を形成することにより、蛍光は光ガイド効果により隣接するフォトダイオードに入射することなく各画素のフォトダイオードに到達するため、高解像度を維持することができる。したがって、高輝度かつ高解像度のシンチレータを得られることができる。
【0047】
次に、この第1実施形態に係るX線検出器の製造方法について説明する。
まず、図3の(a)に示すように、セラミックシンチレータ体50を用意する。セラミックシンチレータ体50は、薄い板状に形成されており、例えば、蛍光体粒子の粉末を所定容器に入れ、所定圧力に加圧しつつ所定温度に加熱することによって製造される。
【0048】
続いて、図3の(b)に示すように、画素単位のフォトダイオード13などが配列してなる光電変換基板11上に、セラミックシンチレータ体50を設けてシンチレータ層39を形成する。セラミックシンチレータ体50は、例えば樹脂などの接着剤によって光電変換基板11上に貼り合わせられる。ここで用いる接着剤は、セラミックシンチレータ体50と光電変換基板11上のフォトダイオード13との間に介在されることから、これらセラミックシンチレータ体50及びフォトダイオード13と同様に蛍光に対する屈折率が高い材料であることが望ましい。
【0049】
続いて、シンチレータ層39を画素分離する。すなわち、図3の(c)に示すように、シンチレータ層39を画素単位に区画する溝部60を形成する。この溝部60は、フォトダイオード13の周縁に沿って形成される。この実施の形態では、溝部60は、下地のフォトダイオード13及びTFT14に合わせて150μmのピッチで、約25μmの溝幅で形成し、シンチレータ層39を画素分離している。
【0050】
溝部60は、50μm以下の幅を有する溝または50μm以下の直径を有する穴の機械的な微細加工が可能な精密加工装置を用いて形成される。精密加工装置としては、ダイサーや微細ドリルなどが挙げられる。ダイサーなど精密加工装置は、位置合わせ技術が確立しており、数μmのオーダの位置合わせが可能であるため、画素12間をフォトダイオード13のエリアに干渉しないように溝部60を形成することが可能である。
【0051】
なお、この溝部60は、光電変換基板11の第2絶縁層362まで到達する深さに形成しても良いし、溝部60と光電変換基板11との間にシンチレータ層39が残るような深さに形成しても良い。
【0052】
続いて、図3の(d)に示すように、シンチレータ層39を画素単位に区画する隔壁部38を形成する。すなわち、隔壁部38は、先に形成した溝部60に形成される。この隔壁部38は、溝部60の内部に、光反射性を有する反射材料を充填することによって形成される。この隔壁部38を構成する反射材料としては、高屈折特性を有する微粒子、例えばTiO2、またはX線発光蛍光体粒子、例えばGd2O2S:Tb、あるいは透明セラミックスの微粒子粉体などが用いられ、さらに、膜の平坦性が高いものであればメタル膜であってもよい。
【0053】
光電変換基板11の外部に接続される制御回路16などは、光電変換基板11にワイヤボンディングで接続する集積回路として製造すればよい。電荷増幅器19、マルチプレクサ20、デジタイザ21などもまた、光電変換基板11にワイヤボンディングで接続される集積回路として製造すればよい。
【0054】
さらに、シンチレータ層39の湿気による変質などを防ぐために、X線検出器1の主要部を、例えばアルミニウムやプラスチックなどの外囲器で覆って、真空封止しても良いし、あるいは乾燥気体を封入するしても良い。
【0055】
上述した製造方法によれば、セラミックシンチレータ層39は、微細加工が可能な精密加工装置を用いて形成される。フォトダイオード13の画素12間の幅は、画素ピッチ150μmの光電変換基板11においては50μm程度であり、画素ピッチの約1/3程度である。したがって、フォトダイオード13のエリアに干渉せずに画素12の周囲に溝部60を精度良く形成するためには、画素ピッチが200μmの光電変換基板11では65μm以下、画素ピッチが150μmの光電変換基板11では50μm以下の幅を有する溝または直径を有する穴の微細加工が可能な装置を必要とする。特にダイサーは、20〜30μm幅、深さ500〜600μmの溝を良好に形成することが可能である。したがって、ダイサーを使用すれば、フォトダイオード画素間が20〜30μmの光電変換基板11上に形成したシンチレータ層39にフォトダイオード13のエリアに干渉しないように画素12間に溝部60を格子状に形成することができる。
【0056】
このように、セラミックシンチレータ体50を光電変換基板11上に貼り付けた後に、ダイサーでシンチレータ層39へ溝部60を形成する手法は、微細な画素ピッチへの位置合わせを施すという高精度な組み立て技術及び位置合わせ技術は必要としない。このため、60〜200μmと非常に細かい画素ピッチを持つ平面検出器の製造方法として極めて有効である。
【0057】
つまり、上述した製造方法によれば、画素分離型シンチレータ層を用いた場合のX線平面検出器において、シンチレータ層に蛍光体のセラミックシンチレータを用いることにより、高輝度かつ高解像度のX線平面検出器を提供することができる。また、高度な位置合わせ技術及び組み立て技術を必要とすることなく、製造工程が簡略化され、製造コストを低減できるだけでなく、製造効率を向上することができる。
【0058】
また、溝部の内部に反射材料を充填することにより、セラミックシンチレータで構成された画素分離シンチレータが完成するため、従来の製造方法のような組み立て技術は不要となる。また、このような製造方法は、画素ピッチの更なる微細化を可能とし、平面検出器以外にCTを含む放射線検出器においても、画素ピッチを細密化する際に上記と同様の効果が得られ、容易く高解像度化が可能となる。
【0059】
(第2実施形態)
第2実施形態に係るX線検出器では、X線などの放射線によって励起されて蛍光を発生するシンチレータ層39は、単位体積あたりに充填された蛍光体粒子の密度が75%以上のセラミックシンチレータによって形成されている。このセラミックシンチレータは、元素の周期律表における希土類(3A族)元素の少なくとも一種と、酸素族(6B族)元素(O、S、Se、Teなど)の少なくとも一種とを含む材料によって構成されている。また、シンチレータ層39は、CaF2、BaF2、CaWO4、Bi4Ge3O12、NaI、CsI、Gd2SiO5、Lu2SiO5の少なくとも1種の単結晶で形成されても良い。なお、蛍光体粒子の充填密度は、アルキメデス法、または、体積と重量を実測し、材料の比重を用いて測定した。
【0060】
すなわち、光電変換基板に入射する透過X線量は、シンチレータ層のX線透過率に依存する。したがって、X線平面検出器の画像における透過X線によるX線量子ノイズの発生を抑制するためには、シンチレータ層のX線透過率を減少させなければならない。シンチレータ層のX線透過率は以下の式で表される。
【0061】
T=100×exp(−γ×t×F) (%)
ここで、Tはシンチレータ層のX線透過率、γはシンチレータ層に使用される材料自体のX線源弱係数、tはシンチレータ層の膜厚、Fはシンチレータ層内の蛍光体粒子の充填密度(すなわち単位体積あたりに充填された蛍光体粒子の密度)である。
【0062】
つまり、シンチレータ層のX線透過率は、膜厚を厚くするほど、また、蛍光体粒子の充填密度を高くするほど指数関数的に減少することとなる。したがって、X線平面検出器における量子ノイズを減少させるためには、シンチレータ層を構成する蛍光体粒子の充填密度を高密度化すること及び厚膜化することが挙げられる。
【0063】
まず、蛍光体粒子の高密度化について検討する。蛍光体粒子をバインダ樹脂で結合してシンチレータ層を形成した場合、同一半径を有する球状の蛍光体粒子を仮定すると、蛍光体粒子を最密充填した場合でもその充填密度は最大で74%が限界となる。したがって、シンチレータ層のX線透過率をさらに減少させるためには、シンチレータ層を構成する蛍光体粒子の充填密度をさらに高密度化する、つまり75%以上の充填密度とすることが重要となる。
【0064】
このため、この実施形態では、シンチレータ層は、蛍光体セラミックシンチレータ、または、蛍光体単結晶によって形成されている。このような構成のシンチレータ層は、蛍光体粒子を75%以上の高充填密度で作成可能である。これにより、シンチレータ層によるX線の利用効率を向上することができ、シンチレータ層を透過する透過X線量を減少させることができる。したがって、透過X線によるX線量子ノイズに起因した輝点の発生を抑制することができ、検出器としての信頼性を向上することができる。
【0065】
続いて、シンチレータ層の厚膜化について検討する。シンチレータ層の膜厚が200μm以下に薄く形成した場合、透過X線量が大きく、X線量子ノイズが発生してしまう。したがって、シンチレータ層のX線透過率をさらに減少させるためには、シンチレータ層の膜厚を200μmより厚くすることが重要となる。しかしながら、膜厚が厚くなるにともなってシンチレータ層内で発生した蛍光の光学的な拡散や散乱の発生確率が高くなり、解像度劣化を引き起こす。
【0066】
このため、この実施形態では、シンチレータ層は、蛍光体セラミックシンチレータ、または、蛍光体単結晶の厚さを200μmより厚く、望ましくは500乃至600μm程度の膜厚に形成している。これにより、シンチレータ層を透過する透過X線量を減少させることができる。したがって、透過X線によるX線量子ノイズに起因した輝点の発生を抑制することができ、検出器としての信頼性を向上することができる。また、シンチレータ層の厚膜化によって付随する解像度の劣化も、溝部や隔壁部によってシンチレータ層を画素分離することで抑制できる。
【0067】
ここで、シンチレータ層を構成する蛍光体粒子の高密度化及びシンチレータ層の厚膜化によるX線透過率の低減効果について説明する。
図4には、シンチレータ層の膜厚が200μmの場合及び600μmの場合それぞれについて、シンチレータ層を構成する蛍光体粒子の充填密度に対するX線透過率のシミュレーション結果が示されている。蛍光体粒子としては、一般的に用いられるGd2O2Sを使用し、X線エネルギは50keVとして計算した。この結果から明らかなように、蛍光体粒子の充填密度が高密度化になるに連れ、X線透過率が減少することを確認できた。また、シンチレータ層を厚膜化することにより、X線透過率が減少することを確認できた。
【0068】
次に、この第2実施形態に係るX線検出器の製造方法について説明するが、実質的に上述した第1実施形態と同一であるので、重複する説明は省略する。
まず、X線などの放射線により励起されて蛍光を発生する、単位体積あたりに充填された蛍光体粒子の密度が75%以上のセラミックシンチレータ体50、または、CaF2、BaF2、CaWO4、Bi4Ge3O12、NaI、CsI、Gd2SiO5、Lu2SiO5の少なくとも1種の単結晶で形成されたセラミックシンチレータ体50を用意する。
【0069】
続いて、画素単位のフォトダイオード13などが配列してなる光電変換基板11上に、セラミックシンチレータ体50を設けてシンチレータ層39を形成する。続いて、シンチレータ層39を画素分離する。まず、シンチレータ層39を画素単位に区画する溝部60を形成する。さらに、溝部60に光反射性を有する反射材料を充填することによって隔壁部38を形成する。
【0070】
以下同様の製造方法によりX線検出器が製造される。
このような製造方法によれば、透過X線に起因する偶発的なX線量子ノイズの発生を抑制することができ、信頼性の高いX線平面検出器を提供することができる。また、セラミックまたは単結晶シンチレータ層を厚膜化し、かつシンチレータ層を各画素単位に分離した構造を持たすことにより、さらにX線量子ノイズを低減し、かつ比較的高い解像度を持つX線平面検出器を提供することができる。さらに、透過X線を低減することができたため、被験者のX線被曝線量を低減することができる。
【0071】
次に、具体的な試作による効果の検証を行った。
まず、第1実施形態の効果を確認するために、以下のX線検出器サンプルの輝度及び解像度特性として2lp/mmのCTF特性を比較評価した。なお、1画素当たりの輝度(cd/m2)は、赤から緑の光線に感度を有するフォトダイオードや、光電子増倍管を使用したHG−H2(富士フィルム社製増感紙)との輝度を比較する方法で測定した。
【0072】
(比較例1)平均粒径10μmのGd2O2S:Tb蛍光体粒子をバインダ樹脂で結着させた膜からなるシンチレータ層を備え、シンチレータ層の膜厚が200μmであって画素分離なしのサンプル。
(比較例2)平均粒径10μmのGd2O2S:Tb蛍光体粒子をバインダ樹脂で結着させた膜からなるシンチレータ層を備え、シンチレータ層の膜厚が500μmであって画素ピッチ150μmで画素分離型のサンプル。
(比較例3)平均粒径40μmのGd2O2S:Tb蛍光体粒子をバインダ樹脂で結着させた膜からなるシンチレータ層を備え、シンチレータ層の膜厚が500μmであって画素ピッチ150μmで画素分離型のサンプル。
(実施例1)Gd2O2S:Tb蛍光体のセラミックシンチレータ体からなるシンチレータ層を備え、シンチレータ層の膜厚が500μmであって画素ピッチ150μmで画素分離型のサンプル。
【0073】
測定結果を図5に示す。図5に示すように、比較例1での1画素の輝度を「1」とした場合、比較例2及び3では1画素あたりの輝度が「1」程度で同等であったのに対して、実施例1では1画素あたり約1.5倍の輝度が得られた。また、CTF特性については、全ての例で45%前後とほぼ同等であって、実施例1のようにセラミックシンチレータ体でシンチレータ層を構成した場合であっても、画素分離することにより著しいCTF特性の低下は確認されなかった。
【0074】
また、第2実施形態の効果を確認するために、以下のX線検出器サンプルのX線透過率及び解像度特性として2lp/mmのCTF特性を比較評価した。なお、X線透過率は、線量計を用いて測定した。
【0075】
(比較例)平均粒径10μmのGd2O2S:Tb蛍光体粒子をバインダ樹脂で結着させた膜からなるシンチレータ層を備え、シンチレータ層の膜厚が200μmであって画素分離なしのサンプル。
(実施例1)Gd2O2S:Tb蛍光体のセラミックシンチレータ体からなるシンチレータ層を備え、シンチレータ層の膜厚が200μmであって画素分離なしのサンプル。
(実施例2)Gd2O2S:Tb蛍光体のセラミックシンチレータ体からなるシンチレータ層を備え、シンチレータ層の膜厚が200μmであって画素ピッチ150μmで画素分離型のサンプル。
(実施例3)Gd2O2S:Tb蛍光体のセラミックシンチレータ体からなるシンチレータ層を備え、シンチレータ層の膜厚が600μmであって画素分離なしのサンプル。
(実施例4)Gd2O2S:Tb蛍光体のセラミックシンチレータ体からなるシンチレータ層を備え、シンチレータ層の膜厚が600μmであって画素ピッチ150μmで画素分離型のサンプル。
(実施例5)CaWO4単結晶からなるシンチレータ層を備え、シンチレータ層の膜厚が600μmであって画素ピッチ150μmで画素分離型のサンプル。
【0076】
測定結果を図6に示す。図6に示すように、比較例でのX線透過率が79%であったのに対して、比較例と同等の膜厚のセラミックシンチレータ体でシンチレータ層を構成した実施例1及び2でのX線透過率を比較例より10%程度低減することができた。また、比較例の3倍の膜厚を有するセラミックシンチレータ体でシンチレータ層を構成した実施例3及び4でのX線透過率は、比較例より半分以下に低減することができた。さらに、単結晶でシンチレータ層を構成した実施例5でのX線透過率は、5%程度と極めて低く抑えることができた。
【0077】
また、CTF特性については、セラミックシンチレータ体や単結晶でシンチレータ層を構成した場合であっても、画素分離を施すことにより著しいCTF特性の低下は確認されなかった。
【0078】
なお、この発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々な変形・変更が可能である。また、各実施の形態は可能な限り適宜組み合わせて実施されてもよく、その場合組み合わせによる効果が得られる。
【0079】
この発明のX線検出器は、縦横に複数の画素が配列された構成のものについて説明したが、縦横の画素の比率が異なる(例えば、一方の画素数が1個の場合など)一見すると線状に構成されたX線検出器に適用するこも可能である。この場合、スイッチング素子はTFTを使用しなくとも実施可能である。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、検出器としての信頼性及び解像度特性を向上することが可能な放射線平面検出器及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施の形態に係るX線検出器の回路構成を模式的に示す図である。
【図2】図2は、図1に示したX線検出器の1画素部分の構造を概略的に示す断面図である。
【図3】図3の(a)乃至(d)は、図2に示した構造のX線検出器の製造方法を説明するための図である。
【図4】図4は、シンチレータ層の厚膜化及びシンチレータ層を構成する蛍光体粒子の充填密度に対するX線透過率の低減効果を説明するための図である。
【図5】図5は、比較例及び実施例のX線検出器サンプルにおける輝度及び解像度特性の測定結果を示す図である。
【図6】図6は、比較例及び実施例のX線検出器サンプルにおけるX線透過率及び解像度特性の測定結果を示す図である。
【符号の説明】
1…X線検出器、11…光電変換基板、12…画素、13…フォトダイオード、14…薄膜トランジスタ(TFT)、15…蓄積キャパシタ、16…制御回路、17…データライン、18…制御ライン、38…隔壁部、39…シンチレータ層、41…蛍光、50…セラミックシンチレータ体、60…溝部
【発明の属する技術分野】
この発明は、放射線平面検出器及びその製造方法に係り、特に、放射線画像を検出する間接方式の放射線平面検出器及びこれを製造するための製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、新世代のX線診断用検出器としてアクティブマトリックス型のX線平面検出器が大きな注目を集めている。このX線平面検出器において、照射されたX線を検出することにより、X線撮影像またはリアルタイムのX線画像がデジタル信号として出力される。X線平面検出器は固体検出器であることから、画質性能や安定性の面でも極めて期待が大きい。このため、多くの大学やメーカが研究開発に取り組んでいる。
【0003】
実用化の最初の用途として、比較的大きなX線量で、静止画像を収集する人体の胸部・一般撮影用に開発され、近年商品化されている。より高い技術的なハードルをクリアして、透視線量下で毎秒30コマ以上のリアルタイム動画を実現させる必要のある循環器、消化器分野への応用に対しても近い将来に商品化が予想される。この動画用途に対しては、ノイズ(S/N:シグナル/ノイズ比)の改善や微小信号のリアルタイム処理技術等が重要な開発項目となっている。
【0004】
X線平面検出器には、大きく分けて直接方式と間接方式との2通りがある。
直接方式は、X線をa−Seなどの光導電膜を用いて直接信号電荷に変換し、変換した信号電荷を電荷蓄積用キャパシタに蓄積する方式である。この直接方式は、X線により発生した光導電電荷を高電界により直接に電荷蓄積用キャパシタに導くため、ほぼアクティブマトリックスの画素ピッチで規定される解像度特性が得られる。
【0005】
直接方式のX線平面検出器は、X線の吸収率を上げて信号強度を確保するために、例えばa−Seの光導電膜を1mm程度の厚膜で形成している。また、X線フォトン1個当りの光導電電荷生成率を上げるためと、生成した光導電電荷が膜中の欠陥準位にトラップされることなく収電電極に到達させるため、かつ、バイアス電界と直角方向への電荷の拡散を極力抑えるために、例えば10V/μmの強バイアス電界を印加して用いる。
【0006】
すなわち、この例では、光導電膜のa−Seに対し、10kVの高電圧を印加することになる。このため、直接方式は、解像度特性面からは間接方式に比較して有利であるが、動作電圧の低い薄膜トランジスタすなわちTFTを高電圧から保護する信頼性の確保や、暗電流と感度特性、熱的安定性などを兼ね備えた好適な光導電材料が見つからないなどの問題が生じている。
【0007】
一方の間接方式は、シンチレータ層によりX線を受けて一旦蛍光に変換し、蛍光をa−SiフォトダイオードやCCDにより信号電荷に変換して、電荷蓄積用キャパシタに導く方式であるため、直接方式で生じる耐高電圧の問題は生じない。また、シンチレータ材料や、フォトダイオードについても基本的な技術は確立している点で有利である。
【0008】
しかしながら、この間接方式は、シンチレータ層からの蛍光がフォトダイオードに到達するまでの光学的な拡散及び散乱により、その分の解像度劣化を生じる。特に、感度特性を確保するために、シンチレータ層を厚膜にするほど、フォトダイオード等の光電変換素子に到達するまでの蛍光の広がりが大きく、解像度劣化が顕著となる。
【0009】
このような蛍光の広がりを抑えて解像度を確保する方法として、間接方式において、例えば、Gd2O2Sなどの蛍光体粒子をバインダ樹脂で結着させて形成したシンチレータ層をフォトダイオードとTFTのマトリックスに合わせて画素単位に設け、画素間を光学的に分離する隔壁部を設けたX線検出器が提案されている。これにより、シンチレータ層内で発光した蛍光は、隔壁部により横方向への散乱や拡散を抑制される。したがって、光学的なガイド効果により、蛍光をフォトダイオード等の光電変換素子に効率良く到達させることができ、解像度特性が改善される(例えば、特許文献1参照。)。
【0010】
【特許文献1】
特開平11−166976号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このようなX線平面検出器の画像においては、偶発的な輝点がしばしば発生する。これは、シンチレータ層を透過する透過X線によるX線量子ノイズに起因しており、特に蛍光体粒子を含むシンチレータ層を備えたX線平面検出器で頻繁に発生する。
【0012】
すなわち、シンチレータ層に蛍光体粒子が含まれる場合、透過X線量を減少させるためには、蛍光体粒子の充填密度(すなわち単位体積あたりに充填された蛍光体粒子の密度)を上げることが要求される。しかしながら、蛍光体粒子をバインダ樹脂で結合してシンチレータ層を形成した場合、球状の蛍光体粒子を仮定すると、蛍光体粒子を最密充填した場合でもその充填密度は最大で74%が限界となる。
【0013】
また、透過X線量を減少させるためには、シンチレータ層の膜厚を厚くすることが要求される。しかしながら、膜厚を厚くすることによって透過X線量を減少させられるが、膜厚が厚くなるに伴って蛍光の光学的な拡散や散乱の発生確率が高くなり、解像度劣化が顕著となる。
【0014】
このように、蛍光体粒子をバインダ樹脂で結合してシンチレータ層は、X線の利用効率が低い。このため、X線平面検出器での透過X線量が高くなってしまい、輝点の発生といった信頼性に関わる課題を有している。また、透過X線量を低減するために、シンチレータ層の膜厚を厚くした場合には、解像度の劣化といった課題を生ずる。
【0015】
この発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、検出器としての信頼性及び解像度特性を向上することが可能な放射線平面検出器及びその製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明の第1の様態による放射線平面検出器は、
画素単位の光電変換素子が配列してなる光電変換基板と、
前記光電変換基板上に配置され、放射線により励起されて蛍光を発生するシンチレータ層と、を備え、
前記シンチレータ層は、単位体積あたりに充填された蛍光体粒子の密度が75%以上のセラミックシンチレータによって形成されたことを特徴とする。
【0017】
この発明の第2の様態による放射線平面検出器は、
画素単位の光電変換素子が配列してなる光電変換基板と、
前記光電変換基板上に配置され、放射線により励起されて蛍光を発生するシンチレータ層と、を備え、
前記シンチレータ層は、CaF2、BaF2、CaWO4、Bi4Ge3O12、NaI、CsI、Gd2SiO5、Lu2SiO5の少なくとも1種の単結晶で形成されたことを特徴とする。
【0018】
この発明の第3の様態による放射線平面検出器の製造方法は、
放射線により励起されて蛍光を発生する、単位体積あたりに充填された蛍光体粒子の密度が75%以上のセラミックシンチレータ体を用意し、
画素単位の光電変換素子が配列してなる光電変換基板上に、前記セラミックシンチレータ体を設けてシンチレータ層を形成することを特徴とする。
【0019】
この発明の第4の様態による放射線平面検出器の製造方法は、
放射線により励起されて蛍光を発生する、CaF2、BaF2、CaWO4、Bi4Ge3O12、NaI、CsI、Gd2SiO5、Lu2SiO5の少なくとも1種の単結晶で形成されたセラミックシンチレータ体を用意し、
画素単位の光電変換素子が配列してなる光電変換基板上に、前記セラミックシンチレータ体を設けてシンチレータ層を形成することを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態に係る放射線平面検出器及びその製造方法について図面を参照して説明する。なお、この発明においては、X線、γ線、その他の各種放射線の場合に適用可能であるが、以下の一実施の形態においては、放射線の中の代表的なX線の場合を例にとり説明する。したがって、実施の形態の「X線」を「放射線」に置き換えることにより、この発明が対象とする他の放射線にも適用可能である。
【0021】
図1に示すように、X線を検出してX線の強度分布に対応する電気信号を出力するX線検出器1は、複数の画素を有するアクティブマトリクス型の光電変換基板11を有している。この光電変換基板11は、ガラスなどの絶縁基板上に、行方向(例えば図中の横方向)及び列方向(例えば図中の縦方向)に所定のピッチLで2次元的にマトリクス状に配列された同じ構造の複数の画素12を有している。図1に示した例では、9個の画素(12a〜12i)が図示されている。
【0022】
各画素12(a〜i)は、入射した光強度に対応して信号電荷に変換する光電変換素子として機能するフォトダイオード13、スイッチング素子として機能する薄膜トランジスタ(以下TFTと称する)14、信号電荷を蓄積する電荷蓄積部として機能する蓄積キャパシタ15などによって構成されている。
【0023】
各TFT14は、ゲート電極G、ソース電極S、及び、ドレイン電極Dを有している。ドレイン電極Dは、例えばフォトダイオード13及び蓄積キャパシタ15と電気的に接続されている。
【0024】
光電変換基板11の外部には、制御回路16が設けられている。この制御回路16は、TFT14の動作状態、例えばオン/オフを制御する。すなわち、この制御回路16には、光電変換基板11上において、行方向に延びる複数の制御ライン17が接続されている。それぞれの制御ライン17は、同じ行の画素12を構成する各TFT14のゲート電極Gに接続されている。図1に示した例では、第1乃至第4の4個の制御ライン171乃至174が設けられている。例えば、第1の制御ライン171は、画素12a乃至12cを構成する各TFT14のゲート電極Gに接続されている。
【0025】
光電変換基板11上において、列方向には、複数のデータライン18が設けられている。それぞれのデータライン18は、同じ列の画素12を構成する各TFT14のソース電極Sに接続されている。図1に示した例では、第1乃至第4の4個のデータライン181乃至184が設けられている。例えば、第1のデータライン181は、画素12a、12d、12gを構成する各TFT14のソース電極Sに接続されている。
【0026】
それぞれのデータライン17は、対応する電荷増幅器19に接続されている。各電荷増幅器19は、例えば演算増幅器で構成され、その一方の入力端子a1にデータライン18が接続され、他方の入力端子a2は接地されている。一方の入力端子a1と出力端子bとの間にコンデンサCが接続され、積分機能を有する。また、コンデンサCに並列にスイッチSWが接続され、例えばスイッチSWを閉じてコンデンサCに残った電荷を放電する構成になっている。
【0027】
それぞれの電荷増幅器19は、並列に入力する複数の電気信号を直列信号に変換する並列/直列変換器またはマルチプレクサ20に接続されている。並列/直列変換器20は、アナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換器またはデジタイザ21に接続されている。
【0028】
このような構成により、制御回路16は、同一の制御ライン17に接続された同じ行の複数のTFT14を同時にオン/オフ制御するための制御信号を出力する。制御回路16による制御に基づいてオン状態のTFT14は、画像電荷を画素12からデータライン18に転送する。これにより、画素12の電位がリセットされる。データライン18に転送された画像電荷は、電荷増幅器19にて増幅され、並列/直列変換器またはマルチプレクサ20にて複合化された後、アナログ−デジタル変換器またはデジタイザ21に送られる。
【0029】
次に、この実施の形態に係るX線検出器の画素の構造について図2を参照して説明する。なお、図2では、1つの画素部分12を抜き出して図示しており、図1に対応する部分には同じ参照符号を付して重複する説明は一部省略する。
【0030】
光電変換基板11は、ガラスなどの絶縁基板31上に形成されたフォトダイオード13、TFT14、及び蓄積キャパシタ15を備えている。
【0031】
TFT14は、3つの電気的接続、すなわちゲート電極G、ソース電極S、及び、ドレイン電極Dを備えている。ゲート電極Gは、絶縁基板31上に形成されている。このゲート電極Gは、絶縁膜32によって覆われている。また、このゲート電極Gは、同じ行に位置する他のTFT14のゲート電極Gとともに共通の制御ライン17に接続されている。例えば、TFT14をオン/オフする制御するためには、+10V及び−5Vが用いられる。
【0032】
ソース電極Sは、絶縁膜32上に形成された半絶縁膜33にコンタクトしている。このソース電極Sは、同じ列に位置する他のTFT14のソース電極Sとともに共通のデータライン18に接続されている。ドレイン電極Dは、半絶縁膜33にコンタクトしている。このドレイン電極Dは、フォトダイオード13及び蓄積キャパシタ15に接続されている。
【0033】
蓄積キャパシタ15は、絶縁基板31上に形成された下部電極34、絶縁膜32を介して下部電極34に対向して設けられた上部電極35などによって構成されている。上部電極35は、TFT14のドレイン電極Dと電気的に接続されている。
【0034】
TFT14及び蓄積キャパシタ15は、第1絶縁層361によって覆われている。この第1絶縁層361上には、フォトダイオード13が形成されている。フォトダイオード13の周囲の第1絶縁層361上には、第2絶縁層362が設けられている。この第2絶縁層362は、ほぼ矩形状のフォトダイオード13を囲むように枠状に形成されている。
【0035】
フォトダイオード13は、a−Siのpnダイオード構造、もしくはpinダイオード構造などで画素毎に形成される。このフォトダイオード13は、第1絶縁層361上に形成された第1電極131、第1電極131に対向して配置された第2電極132などによって構成されている。
【0036】
第1電極131は、第1絶縁層361に形成されたスルーホール37を介してTFT14のドレイン電極D及び蓄積キャパシタ15の上部電極35に電気的に接続されている。第2電極132は、例えばスパッタリング法によってITOなどの透明導電膜を成膜することによって形成される。これら第1電極131と第2電極132との間には、バイアス電圧が印加される。
【0037】
なお、この実施の形態では、フォトダイオード13は、図2に示すように、蓄積キャパシタ15及びTFT14に重ならないエリアに形成されているが、受光面積を確保するために、TFT14及び蓄積キャパシタ15上に絶縁層を配して、これらを含む画素全域に収電電極を形成して、更にその上部にほぼ各画素の全面対応するフォトダイオードを形成するなどの構造も可能である。
【0038】
上述したような構造の光電変換基板11の上には、外部から入射したX線を可視光に変換する(すなわちX線により励起されて蛍光を発生する)シンチレータ層39が配置されている。すなわち、図2に示すように、シンチレータ層39は、光電変換基板11におけるフォトダイオード13上及び第2絶縁層362上に配置されている。
【0039】
また、この光電変換基板11上には、シンチレータ層39を画素単位に区画する溝部または隔壁部38が形成されている。この溝部または隔壁部38は、上方よりシンチレータ層39に入射したX線40によってシンチレータ層39内で変換された蛍光41が隣接する画素12のフォトダイオード13のエリアに極力干渉しないように、画素12を分離する境界に沿って形成される。これにより、シンチレータ層39は、主にフォトダイオード13に重なるエリアが残り、画素分離される。
【0040】
隔壁部38は、シンチレータ層39内で発生した蛍光41のうち、隣接する画素12に向かって外方に散乱された蛍光411をシンチレータ層39の内部に向けて反射する光反射性を有する反射材料によって形成されても良い。また、隔壁部38は、画素12に入射したX線のうち、隣接する画素12に向かって外方に散乱された散乱X線を吸収するX線吸収体によって形成されても良い。
【0041】
(第1実施形態)
第1実施形態に係るX線検出器では、X線などの放射線によって励起されて蛍光を発生するシンチレータ層39は、セラミックシンチレータによって形成されている。
【0042】
すなわち、シンチレータ層が平均粒径6〜10μmの蛍光体粒子をバインダ樹脂で結着した膜によって構成した場合、内部で発生した蛍光と蛍光体粒子との衝突回数が増加することにより、蛍光の隣接するフォトダイオードへの入射を抑制することで解像度を向上することができるが、蛍光が減衰し、輝度の劣化を生じる。したがって、高解像度を維持しつつ輝度を向上するためには、蛍光に対する透過率が高い材料であるセラミックシンチレータによってシンチレータ層を構成することが望ましい。
【0043】
このセラミックシンチレータとしては、例えばGd2O2Sセラミックシンチレータや、Lu2O2Sセラミックシンチレータなどを使用することが好ましい。また、セラミックシンチレータは、Gd2O2S:Tb,PR+3,CE+3,Fなどで構成されてもよいし、Gd2O2S:Tbを母材とする他のX線用蛍光体、Re2O2S:Tb,Pr+3,Ce+3,Eu(Reは希土類元素)、CsI:Tl、CsI:Na、CaWO4、LaOBr:Tm等のX線用蛍光体などでも構わない。
【0044】
このような高透明度のセラミックシンチレータを用いることにより、シンチレータ層の内部で発生した蛍光がフォトダイオードに到達するまでの減衰を緩和し、輝度を向上することができる。
【0045】
また、セラミックシンチレータを使用した場合、シンチレータ層の内部で放射状に発生した蛍光が隣接するフォトダイオードに到達して解像度の低下が起こり得るが、シンチレータ層にフォトダイオードのエリアに干渉しないように溝部を形成することによって画素分離され、蛍光が隣接するフォトダイオードへの入射を抑制することができるため、解像度の劣化を防止することができる。
【0046】
さらに、溝部に隔壁部を形成することにより、蛍光は光ガイド効果により隣接するフォトダイオードに入射することなく各画素のフォトダイオードに到達するため、高解像度を維持することができる。したがって、高輝度かつ高解像度のシンチレータを得られることができる。
【0047】
次に、この第1実施形態に係るX線検出器の製造方法について説明する。
まず、図3の(a)に示すように、セラミックシンチレータ体50を用意する。セラミックシンチレータ体50は、薄い板状に形成されており、例えば、蛍光体粒子の粉末を所定容器に入れ、所定圧力に加圧しつつ所定温度に加熱することによって製造される。
【0048】
続いて、図3の(b)に示すように、画素単位のフォトダイオード13などが配列してなる光電変換基板11上に、セラミックシンチレータ体50を設けてシンチレータ層39を形成する。セラミックシンチレータ体50は、例えば樹脂などの接着剤によって光電変換基板11上に貼り合わせられる。ここで用いる接着剤は、セラミックシンチレータ体50と光電変換基板11上のフォトダイオード13との間に介在されることから、これらセラミックシンチレータ体50及びフォトダイオード13と同様に蛍光に対する屈折率が高い材料であることが望ましい。
【0049】
続いて、シンチレータ層39を画素分離する。すなわち、図3の(c)に示すように、シンチレータ層39を画素単位に区画する溝部60を形成する。この溝部60は、フォトダイオード13の周縁に沿って形成される。この実施の形態では、溝部60は、下地のフォトダイオード13及びTFT14に合わせて150μmのピッチで、約25μmの溝幅で形成し、シンチレータ層39を画素分離している。
【0050】
溝部60は、50μm以下の幅を有する溝または50μm以下の直径を有する穴の機械的な微細加工が可能な精密加工装置を用いて形成される。精密加工装置としては、ダイサーや微細ドリルなどが挙げられる。ダイサーなど精密加工装置は、位置合わせ技術が確立しており、数μmのオーダの位置合わせが可能であるため、画素12間をフォトダイオード13のエリアに干渉しないように溝部60を形成することが可能である。
【0051】
なお、この溝部60は、光電変換基板11の第2絶縁層362まで到達する深さに形成しても良いし、溝部60と光電変換基板11との間にシンチレータ層39が残るような深さに形成しても良い。
【0052】
続いて、図3の(d)に示すように、シンチレータ層39を画素単位に区画する隔壁部38を形成する。すなわち、隔壁部38は、先に形成した溝部60に形成される。この隔壁部38は、溝部60の内部に、光反射性を有する反射材料を充填することによって形成される。この隔壁部38を構成する反射材料としては、高屈折特性を有する微粒子、例えばTiO2、またはX線発光蛍光体粒子、例えばGd2O2S:Tb、あるいは透明セラミックスの微粒子粉体などが用いられ、さらに、膜の平坦性が高いものであればメタル膜であってもよい。
【0053】
光電変換基板11の外部に接続される制御回路16などは、光電変換基板11にワイヤボンディングで接続する集積回路として製造すればよい。電荷増幅器19、マルチプレクサ20、デジタイザ21などもまた、光電変換基板11にワイヤボンディングで接続される集積回路として製造すればよい。
【0054】
さらに、シンチレータ層39の湿気による変質などを防ぐために、X線検出器1の主要部を、例えばアルミニウムやプラスチックなどの外囲器で覆って、真空封止しても良いし、あるいは乾燥気体を封入するしても良い。
【0055】
上述した製造方法によれば、セラミックシンチレータ層39は、微細加工が可能な精密加工装置を用いて形成される。フォトダイオード13の画素12間の幅は、画素ピッチ150μmの光電変換基板11においては50μm程度であり、画素ピッチの約1/3程度である。したがって、フォトダイオード13のエリアに干渉せずに画素12の周囲に溝部60を精度良く形成するためには、画素ピッチが200μmの光電変換基板11では65μm以下、画素ピッチが150μmの光電変換基板11では50μm以下の幅を有する溝または直径を有する穴の微細加工が可能な装置を必要とする。特にダイサーは、20〜30μm幅、深さ500〜600μmの溝を良好に形成することが可能である。したがって、ダイサーを使用すれば、フォトダイオード画素間が20〜30μmの光電変換基板11上に形成したシンチレータ層39にフォトダイオード13のエリアに干渉しないように画素12間に溝部60を格子状に形成することができる。
【0056】
このように、セラミックシンチレータ体50を光電変換基板11上に貼り付けた後に、ダイサーでシンチレータ層39へ溝部60を形成する手法は、微細な画素ピッチへの位置合わせを施すという高精度な組み立て技術及び位置合わせ技術は必要としない。このため、60〜200μmと非常に細かい画素ピッチを持つ平面検出器の製造方法として極めて有効である。
【0057】
つまり、上述した製造方法によれば、画素分離型シンチレータ層を用いた場合のX線平面検出器において、シンチレータ層に蛍光体のセラミックシンチレータを用いることにより、高輝度かつ高解像度のX線平面検出器を提供することができる。また、高度な位置合わせ技術及び組み立て技術を必要とすることなく、製造工程が簡略化され、製造コストを低減できるだけでなく、製造効率を向上することができる。
【0058】
また、溝部の内部に反射材料を充填することにより、セラミックシンチレータで構成された画素分離シンチレータが完成するため、従来の製造方法のような組み立て技術は不要となる。また、このような製造方法は、画素ピッチの更なる微細化を可能とし、平面検出器以外にCTを含む放射線検出器においても、画素ピッチを細密化する際に上記と同様の効果が得られ、容易く高解像度化が可能となる。
【0059】
(第2実施形態)
第2実施形態に係るX線検出器では、X線などの放射線によって励起されて蛍光を発生するシンチレータ層39は、単位体積あたりに充填された蛍光体粒子の密度が75%以上のセラミックシンチレータによって形成されている。このセラミックシンチレータは、元素の周期律表における希土類(3A族)元素の少なくとも一種と、酸素族(6B族)元素(O、S、Se、Teなど)の少なくとも一種とを含む材料によって構成されている。また、シンチレータ層39は、CaF2、BaF2、CaWO4、Bi4Ge3O12、NaI、CsI、Gd2SiO5、Lu2SiO5の少なくとも1種の単結晶で形成されても良い。なお、蛍光体粒子の充填密度は、アルキメデス法、または、体積と重量を実測し、材料の比重を用いて測定した。
【0060】
すなわち、光電変換基板に入射する透過X線量は、シンチレータ層のX線透過率に依存する。したがって、X線平面検出器の画像における透過X線によるX線量子ノイズの発生を抑制するためには、シンチレータ層のX線透過率を減少させなければならない。シンチレータ層のX線透過率は以下の式で表される。
【0061】
T=100×exp(−γ×t×F) (%)
ここで、Tはシンチレータ層のX線透過率、γはシンチレータ層に使用される材料自体のX線源弱係数、tはシンチレータ層の膜厚、Fはシンチレータ層内の蛍光体粒子の充填密度(すなわち単位体積あたりに充填された蛍光体粒子の密度)である。
【0062】
つまり、シンチレータ層のX線透過率は、膜厚を厚くするほど、また、蛍光体粒子の充填密度を高くするほど指数関数的に減少することとなる。したがって、X線平面検出器における量子ノイズを減少させるためには、シンチレータ層を構成する蛍光体粒子の充填密度を高密度化すること及び厚膜化することが挙げられる。
【0063】
まず、蛍光体粒子の高密度化について検討する。蛍光体粒子をバインダ樹脂で結合してシンチレータ層を形成した場合、同一半径を有する球状の蛍光体粒子を仮定すると、蛍光体粒子を最密充填した場合でもその充填密度は最大で74%が限界となる。したがって、シンチレータ層のX線透過率をさらに減少させるためには、シンチレータ層を構成する蛍光体粒子の充填密度をさらに高密度化する、つまり75%以上の充填密度とすることが重要となる。
【0064】
このため、この実施形態では、シンチレータ層は、蛍光体セラミックシンチレータ、または、蛍光体単結晶によって形成されている。このような構成のシンチレータ層は、蛍光体粒子を75%以上の高充填密度で作成可能である。これにより、シンチレータ層によるX線の利用効率を向上することができ、シンチレータ層を透過する透過X線量を減少させることができる。したがって、透過X線によるX線量子ノイズに起因した輝点の発生を抑制することができ、検出器としての信頼性を向上することができる。
【0065】
続いて、シンチレータ層の厚膜化について検討する。シンチレータ層の膜厚が200μm以下に薄く形成した場合、透過X線量が大きく、X線量子ノイズが発生してしまう。したがって、シンチレータ層のX線透過率をさらに減少させるためには、シンチレータ層の膜厚を200μmより厚くすることが重要となる。しかしながら、膜厚が厚くなるにともなってシンチレータ層内で発生した蛍光の光学的な拡散や散乱の発生確率が高くなり、解像度劣化を引き起こす。
【0066】
このため、この実施形態では、シンチレータ層は、蛍光体セラミックシンチレータ、または、蛍光体単結晶の厚さを200μmより厚く、望ましくは500乃至600μm程度の膜厚に形成している。これにより、シンチレータ層を透過する透過X線量を減少させることができる。したがって、透過X線によるX線量子ノイズに起因した輝点の発生を抑制することができ、検出器としての信頼性を向上することができる。また、シンチレータ層の厚膜化によって付随する解像度の劣化も、溝部や隔壁部によってシンチレータ層を画素分離することで抑制できる。
【0067】
ここで、シンチレータ層を構成する蛍光体粒子の高密度化及びシンチレータ層の厚膜化によるX線透過率の低減効果について説明する。
図4には、シンチレータ層の膜厚が200μmの場合及び600μmの場合それぞれについて、シンチレータ層を構成する蛍光体粒子の充填密度に対するX線透過率のシミュレーション結果が示されている。蛍光体粒子としては、一般的に用いられるGd2O2Sを使用し、X線エネルギは50keVとして計算した。この結果から明らかなように、蛍光体粒子の充填密度が高密度化になるに連れ、X線透過率が減少することを確認できた。また、シンチレータ層を厚膜化することにより、X線透過率が減少することを確認できた。
【0068】
次に、この第2実施形態に係るX線検出器の製造方法について説明するが、実質的に上述した第1実施形態と同一であるので、重複する説明は省略する。
まず、X線などの放射線により励起されて蛍光を発生する、単位体積あたりに充填された蛍光体粒子の密度が75%以上のセラミックシンチレータ体50、または、CaF2、BaF2、CaWO4、Bi4Ge3O12、NaI、CsI、Gd2SiO5、Lu2SiO5の少なくとも1種の単結晶で形成されたセラミックシンチレータ体50を用意する。
【0069】
続いて、画素単位のフォトダイオード13などが配列してなる光電変換基板11上に、セラミックシンチレータ体50を設けてシンチレータ層39を形成する。続いて、シンチレータ層39を画素分離する。まず、シンチレータ層39を画素単位に区画する溝部60を形成する。さらに、溝部60に光反射性を有する反射材料を充填することによって隔壁部38を形成する。
【0070】
以下同様の製造方法によりX線検出器が製造される。
このような製造方法によれば、透過X線に起因する偶発的なX線量子ノイズの発生を抑制することができ、信頼性の高いX線平面検出器を提供することができる。また、セラミックまたは単結晶シンチレータ層を厚膜化し、かつシンチレータ層を各画素単位に分離した構造を持たすことにより、さらにX線量子ノイズを低減し、かつ比較的高い解像度を持つX線平面検出器を提供することができる。さらに、透過X線を低減することができたため、被験者のX線被曝線量を低減することができる。
【0071】
次に、具体的な試作による効果の検証を行った。
まず、第1実施形態の効果を確認するために、以下のX線検出器サンプルの輝度及び解像度特性として2lp/mmのCTF特性を比較評価した。なお、1画素当たりの輝度(cd/m2)は、赤から緑の光線に感度を有するフォトダイオードや、光電子増倍管を使用したHG−H2(富士フィルム社製増感紙)との輝度を比較する方法で測定した。
【0072】
(比較例1)平均粒径10μmのGd2O2S:Tb蛍光体粒子をバインダ樹脂で結着させた膜からなるシンチレータ層を備え、シンチレータ層の膜厚が200μmであって画素分離なしのサンプル。
(比較例2)平均粒径10μmのGd2O2S:Tb蛍光体粒子をバインダ樹脂で結着させた膜からなるシンチレータ層を備え、シンチレータ層の膜厚が500μmであって画素ピッチ150μmで画素分離型のサンプル。
(比較例3)平均粒径40μmのGd2O2S:Tb蛍光体粒子をバインダ樹脂で結着させた膜からなるシンチレータ層を備え、シンチレータ層の膜厚が500μmであって画素ピッチ150μmで画素分離型のサンプル。
(実施例1)Gd2O2S:Tb蛍光体のセラミックシンチレータ体からなるシンチレータ層を備え、シンチレータ層の膜厚が500μmであって画素ピッチ150μmで画素分離型のサンプル。
【0073】
測定結果を図5に示す。図5に示すように、比較例1での1画素の輝度を「1」とした場合、比較例2及び3では1画素あたりの輝度が「1」程度で同等であったのに対して、実施例1では1画素あたり約1.5倍の輝度が得られた。また、CTF特性については、全ての例で45%前後とほぼ同等であって、実施例1のようにセラミックシンチレータ体でシンチレータ層を構成した場合であっても、画素分離することにより著しいCTF特性の低下は確認されなかった。
【0074】
また、第2実施形態の効果を確認するために、以下のX線検出器サンプルのX線透過率及び解像度特性として2lp/mmのCTF特性を比較評価した。なお、X線透過率は、線量計を用いて測定した。
【0075】
(比較例)平均粒径10μmのGd2O2S:Tb蛍光体粒子をバインダ樹脂で結着させた膜からなるシンチレータ層を備え、シンチレータ層の膜厚が200μmであって画素分離なしのサンプル。
(実施例1)Gd2O2S:Tb蛍光体のセラミックシンチレータ体からなるシンチレータ層を備え、シンチレータ層の膜厚が200μmであって画素分離なしのサンプル。
(実施例2)Gd2O2S:Tb蛍光体のセラミックシンチレータ体からなるシンチレータ層を備え、シンチレータ層の膜厚が200μmであって画素ピッチ150μmで画素分離型のサンプル。
(実施例3)Gd2O2S:Tb蛍光体のセラミックシンチレータ体からなるシンチレータ層を備え、シンチレータ層の膜厚が600μmであって画素分離なしのサンプル。
(実施例4)Gd2O2S:Tb蛍光体のセラミックシンチレータ体からなるシンチレータ層を備え、シンチレータ層の膜厚が600μmであって画素ピッチ150μmで画素分離型のサンプル。
(実施例5)CaWO4単結晶からなるシンチレータ層を備え、シンチレータ層の膜厚が600μmであって画素ピッチ150μmで画素分離型のサンプル。
【0076】
測定結果を図6に示す。図6に示すように、比較例でのX線透過率が79%であったのに対して、比較例と同等の膜厚のセラミックシンチレータ体でシンチレータ層を構成した実施例1及び2でのX線透過率を比較例より10%程度低減することができた。また、比較例の3倍の膜厚を有するセラミックシンチレータ体でシンチレータ層を構成した実施例3及び4でのX線透過率は、比較例より半分以下に低減することができた。さらに、単結晶でシンチレータ層を構成した実施例5でのX線透過率は、5%程度と極めて低く抑えることができた。
【0077】
また、CTF特性については、セラミックシンチレータ体や単結晶でシンチレータ層を構成した場合であっても、画素分離を施すことにより著しいCTF特性の低下は確認されなかった。
【0078】
なお、この発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々な変形・変更が可能である。また、各実施の形態は可能な限り適宜組み合わせて実施されてもよく、その場合組み合わせによる効果が得られる。
【0079】
この発明のX線検出器は、縦横に複数の画素が配列された構成のものについて説明したが、縦横の画素の比率が異なる(例えば、一方の画素数が1個の場合など)一見すると線状に構成されたX線検出器に適用するこも可能である。この場合、スイッチング素子はTFTを使用しなくとも実施可能である。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、検出器としての信頼性及び解像度特性を向上することが可能な放射線平面検出器及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施の形態に係るX線検出器の回路構成を模式的に示す図である。
【図2】図2は、図1に示したX線検出器の1画素部分の構造を概略的に示す断面図である。
【図3】図3の(a)乃至(d)は、図2に示した構造のX線検出器の製造方法を説明するための図である。
【図4】図4は、シンチレータ層の厚膜化及びシンチレータ層を構成する蛍光体粒子の充填密度に対するX線透過率の低減効果を説明するための図である。
【図5】図5は、比較例及び実施例のX線検出器サンプルにおける輝度及び解像度特性の測定結果を示す図である。
【図6】図6は、比較例及び実施例のX線検出器サンプルにおけるX線透過率及び解像度特性の測定結果を示す図である。
【符号の説明】
1…X線検出器、11…光電変換基板、12…画素、13…フォトダイオード、14…薄膜トランジスタ(TFT)、15…蓄積キャパシタ、16…制御回路、17…データライン、18…制御ライン、38…隔壁部、39…シンチレータ層、41…蛍光、50…セラミックシンチレータ体、60…溝部
Claims (10)
- 画素単位の光電変換素子が配列してなる光電変換基板と、
前記光電変換基板上に配置され、放射線により励起されて蛍光を発生するシンチレータ層と、を備え、
前記シンチレータ層は、単位体積あたりに充填された蛍光体粒子の密度が75%以上のセラミックシンチレータによって形成されたことを特徴とする放射線平面検出器。 - 前記セラミックシンチレータを構成する材料が、元素の周期律表における希土類元素の少なくとも一種と、酸素族元素の少なくとも一種とを含むことを特徴とする請求項1に記載の放射線平面検出器。
- 画素単位の光電変換素子が配列してなる光電変換基板と、
前記光電変換基板上に配置され、放射線により励起されて蛍光を発生するシンチレータ層と、を備え、
前記シンチレータ層は、CaF2、BaF2、CaWO4、Bi4Ge3O12、NaI、CsI、Gd2SiO5、Lu2SiO5の少なくとも1種の単結晶で形成されたことを特徴とする放射線平面検出器。 - 前記光電変換素子の周縁に沿って形成され、前記シンチレータ層を画素単位に区画する溝部を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の放射線平面検出器。
- 前記光電変換素子の周縁に沿って形成され、前記シンチレータ層を画素単位に区画する隔壁部を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の放射線平面検出器。
- 放射線により励起されて蛍光を発生する、単位体積あたりに充填された蛍光体粒子の密度が75%以上のセラミックシンチレータ体を用意し、
画素単位の光電変換素子が配列してなる光電変換基板上に、前記セラミックシンチレータ体を設けてシンチレータ層を形成することを特徴とする放射線平面検出器の製造方法。 - 前記セラミックシンチレータ体を構成する材料が、元素の周期律表における希土類元素の少なくとも一種と、酸素族元素の少なくとも一種とを含むことを特徴とする請求項6に記載の放射線平面検出器の製造方法。
- 放射線により励起されて蛍光を発生する、CaF2、BaF2、CaWO4、Bi4Ge3O12、NaI、CsI、Gd2SiO5、Lu2SiO5の少なくとも1種の単結晶で形成されたセラミックシンチレータ体を用意し、
画素単位の光電変換素子が配列してなる光電変換基板上に、前記セラミックシンチレータ体を設けてシンチレータ層を形成することを特徴とする放射線平面検出器の製造方法。 - 前記光電変換素子の周縁に沿って形成され、前記シンチレータ層を画素単位に区画する溝部を形成することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の放射線平面検出器の製造方法。
- 前記溝部に隔壁部を形成することを特徴とする請求項9に記載の放射線平面検出器の製造方法。
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