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JP2004315380A - 環状オレフィンの製造方法 - Google Patents

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JP2004315380A
JP2004315380A JP2003108232A JP2003108232A JP2004315380A JP 2004315380 A JP2004315380 A JP 2004315380A JP 2003108232 A JP2003108232 A JP 2003108232A JP 2003108232 A JP2003108232 A JP 2003108232A JP 2004315380 A JP2004315380 A JP 2004315380A
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heat
reaction
cyclic olefin
catalyst
hydrogenation
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JP2003108232A
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Tomoyoshi Kuga
知由 久我
Tetsuo Yamamoto
哲生 山本
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Asahi Kasei Chemicals Corp
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Asahi Kasei Chemicals Corp
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Abstract

【課題】触媒の活性低下を抑制し、安定した運転を可能とした環状オレフィンの製造方法、環状オレフィン製造装置の設計方法、及び環状オレフィン製造装置の設計プログラムを提供する。
【解決手段】単環芳香族炭化水素を水添反応させる際に発生する反応熱を、除熱コイル2及び第一の熱交換器3を介して第二の熱交換器4に伝達し、第二の熱交換器4に対して授熱することで、水添反応器1内を一定温度に維持するとともに、単環芳香族炭化水素を水添反応させる際に添加する水素化触媒の全重量に対して、水添反応器1及び熱交換システムから溶出する総金属溶出量の比が0.5重量%を超えない範囲で操業を管理するようにする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、環状オレフィンの製造方法、環状オレフィン製造装置の設計方法、及び環状オレフィン製造装置の設計プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
環状オレフィンの製造方法として、例えば、ルテニウムなどの触媒とアルカリ剤や金属塩などの添加剤との存在下で、単環芳香族炭化水素を水素により部分還元(水添反応)させる方法が知られている。
この反応は発熱反応であり、温度一定で運転させる為には発熱した熱量を除熱するシステムが必要となる。
【0003】
図3はこの反応プロセスの一例を示す。単環芳香族炭化水素の水添反応を行う水添反応器11内に設置した除熱コイル12内に、約50℃の冷却水を通水して約80℃まで温められた冷却水を熱交換器13で冷却することで、水添反応で発生する反応熱を除去し、水添反応器11内を一定温度に維持している。なお、図3中の符号14は、冷却塔であり、熱交換器13を通過することで受熱した流体を冷却している。
【0004】
このような環状オレフィンの製造方法において、水添反応器11などの装置は、炭素綱やステンレスなどの金属材料で形成する場合、添加物の陰イオンやアルカリによって金属材料の接液部が溶融し、触媒の活性や選択性が低下するという問題があった。
このため、水添反応器11の接液部分に金属溶出速度が遅いモリブデンを含むニッケル基合金や、クロム及びモリブデンを含むニッケル基合金を用いる手段が提案されている(特許文献1参照)。
また、水添反応器11の接液部分にニッケル含有材質を使用するとともに、反応液の水相におけるニッケル濃度を、50ppm以下に保持する手段が提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特許第2925129号公報
【特許文献2】
特許第2892233号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の特許文献1に示した環状オレフィンの製造方法においては、水添反応器11内で発生する反応熱が、除熱コイル12及び熱交換器13を介して大気に放熱されているため、エネルギー効率や環境保全の点で未だ改善の余地があった。
【0007】
そこで、本発明者等は、水添反応器内で発生する反応熱を他の受熱を要するプロセスに与えることができるように環状オレフィン製造装置の設計を試みた結果、受熱を要するプロセスの一つとして蒸留塔周りの加熱器(例えば、リボイラーや予熱器など)が適切であると考案した。ここで、この蒸留塔内の温度が授熱側の流体よりも十分低ければ問題がないが、そのような条件でないことも多く、水添反応器と蒸留塔との間で熱交換を可能とするためには、授熱側の流体の温度と受熱側となる蒸留塔の温度との差に応じた伝熱面積とすることが必要であった。
【0008】
ここで、この温度差の小さい、例えば環状オレフィン製造装置の伝熱面積増加は、水添反応器内に設置する除熱コイルの伝熱面積を増加させることで実現可能と考えられるが、水添反応器内に設置可能な除熱コイルは、水添反応器内での反応を阻害しない範囲に自ずと限られてしまう。そのため、本発明者等は水添反応器外に外部熱交換器を設置し、伝熱面積を確保した。そして、水添反応器内で発生した反応熱を、外部熱交換器、もしくは、外部熱交換器と除熱コイルを併用して除去することで水添反応器内を一定温度に維持するとともに、この除熱コイルと外部熱交換器とを介して回収した反応熱を、蒸留塔周りの加熱器に授熱することが可能な環状オレフィン製造装置を完成させた。
【0009】
ところが、この環状オレフィン製造装置は、水添反応器から抜き出した反応液を通過させる外部熱交換器を設備したために、水添反応器の内壁及び除熱コイルの外周壁のみならず、外部熱交換器の内壁及びこの外部熱交換器へ反応液を搬送する配管の内周壁など、反応液との接液面積が大幅に増加してしまうという問題が発生した。
【0010】
このため、環状オレフィン製造装置の安定運転を可能とするために、この環状オレフィン製造装置全体における接液部からの金属溶出量を完全に把握することが必要不可欠となり、水添反応器内部の接液部材料や金属溶出濃度を限定した上述の特許文献1或いは特許文献2では対処しきれないというのが現状であった。そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、単環芳香族炭化水素の転化率の低下を抑制し、安定して製造することを可能とした、環状オレフィンの製造方法、環状オレフィン製造装置の設計方法、及び環状オレフィン製造装置の設計プログラムを提供することを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、本発明者等が鋭意検討を重ねた結果、触媒の活性及び選択性が急激に低下する金属溶出濃度(金属溶出量/触媒の全重量)の変位点を発見し、この金属溶出濃度の変位点以下に制御することで上記課題を解決できることを見出し、本発明をなすに至った。
【0012】
すなわち、本発明における第一の環状オレフィンの製造方法は、金属製の水添反応器内で、触媒が添加された単環芳香族炭化水素からなる反応液を水添反応させて環状オレフィンを生成する環状オレフィンの製造方法において、前記水添反応における反応熱を、金属製の熱交換システムによって除去するとともに、前記触媒の全重量に対して、前記水添反応器及び前記熱交換システムから溶出する総金属溶出量の比が、0.5重量%を超えない範囲で操業を管理することを特徴とするものである。
【0013】
ただし、触媒の全重量とは、触媒単体で反応する場合は、触媒単体の重量であり、また、触媒を種々の担体に担持した場合は、担持物の重量をも含んだ重量である。
また、管理とは、単環芳香族炭化水素の転化率の低下を抑制し、安定した環状オレフィンの製造を維持することである。
【0014】
さらに、本発明における第二の環状オレフィンの製造方法は、金属製の水添反応器内で、触媒が添加された単環芳香族炭化水素からなる反応液を水添反応させて環状オレフィンを生成する環状オレフィンの製造方法において、前記水添反応における反応熱を、金属製の熱交換システムによって除去するとともに、下記式に基づいて算出した運転可能時間Tを指標として操業を管理することを特徴とするものである。
【0015】
T≦0.005W/(V・A)
ただし、Wは触媒の全重量、Vは金属溶出速度、Aは反応液との接液面積である。
ここで、本発明における第一及び第二の環状オレフィンの製造方法において、前記熱交換システムは、前記反応液から、金属製の熱交換システムによって反応熱を除去すると共に、この反応熱を受熱する第二の熱交換器を備える事が好ましい。
【0016】
また、本発明における第一及び第二の環状オレフィンの製造方法において、前記水添反応器から抜き出した前記反応液から受熱する金属製の第一の熱交換器と、第一の熱交換器を通過して授熱された流体から受熱する第二の熱交換器と、を備える事が好ましい。
さらに、本発明における第一及び第二の環状オレフィンの製造方法において、前記熱交換システムは、前記水添反応器内に設置した金属製の除熱コイルと、前記水添反応器から抜き出した前記反応液から受熱する金属製の第一の熱交換器と、前記除熱コイル及び第一の熱交換器を通過して授熱された流体から受熱する第二の熱交換器と、を備える事が好ましい。
【0017】
また、本発明における第一及び第二の環状オレフィンの製造方法において、前記熱交換システムにおける少なくとも前記反応液との接液部を、モリブデンを含むニッケル基合金或いはクロムとモリブデンとを含むニッケル基合金で構成することが好ましい。
さらに、本発明における第一及び第二の環状オレフィンの製造方法において、前記触媒として、ルテニウムを含有する水素化触媒を用いることが好ましい。
【0018】
本発明における環状オレフィン製造装置の設計方法は、金属製の水添反応器内で、触媒が添加された単環芳香族炭化水素からなる反応液を水添反応させて環状オレフィンを生成するとともに、前記水添反応における反応熱を熱交換システムによって除去している環状オレフィン製造装置の設計方法において、前記反応液との接液面積上限値Aを下記式に基づいて算出し、当該算出した接液面積上限値Aを超えないように、前記水添反応器の内表面積、前記除熱コイルの外表面積、前記熱交換器の接液面積、及びこれらを接続する配管の長さ及び径を決定することを特徴とするものである。
【0019】
≦0.005×W/(V・T
ただし、Wは触媒の全重量、Vは金属溶出速度、Tは目標運転時間である。
また、本発明における環状オレフィン製造装置の設計方法において、前記触媒として、ルテニウムを含有する水素化触媒を用いることが好ましい。
【0020】
本発明における環状オレフィン製造装置の設計プログラムは、金属製の水添反応器内で、触媒が添加された単環芳香族炭化水素からなる反応液を水添反応させて環状オレフィンを生成するとともに、前記水添反応における反応熱を熱交換システムによって除去している環状オレフィン製造装置の設計プログラムにおいて、前記反応液との接液面積上限値Aを下記式に基づいて算出する接液面積上限値演算処理と、当該接液面積上限値演算処理によって算出された接液面積上限値Aを超えないように、前記水添反応器の内表面積、前記除熱コイルの外表面積、前記熱交換器の接液面積、及びこれらを接続する配管の長さ及び径を決定する熱交換システム設計処理と、をコンピュータで実行するようになっていることを特徴とするものである。
【0021】
≦0.005×W/(V・T
ただし、Wは触媒の全重量、Vは金属溶出速度、Tは目標運転時間である。
また、本発明における環状オレフィン製造装置の設計プログラムにおいて、前記触媒として、ルテニウムを含有する水素化触媒を用いることが好ましい。
このように、本発明における第一の環状オレフィンの製造方法によれば、水添反応における反応熱を、金属製の熱交換システムによって除去するとともに、触媒の全重量に対して、水添反応器及び熱交換システムから溶出する総金属溶出量の比が、0.5重量%を超えない範囲で操業を管理することによって、単環芳香族炭化水素の転化率の低下を抑制し、安定して製造することが可能となる。
【0022】
ここで、金属製とは、一般にいわゆる金属光沢を有し、導電率、熱伝導率が大で、強度が大きく、曲げても折れにくく、延性、展性が大であり、常温で固体で、比較的溶融しにくい物質から製作されるものである。
ここで、製造方法としては、通常、連続運転が好ましいが、間欠運転をしても何ら問題はない。
【0023】
また、本発明における第二の環状オレフィンの製造方法によれば、水添反応における反応熱を、金属製の熱交換システムによって除去するとともに、所定式に基づいて算出した運転可能時間Tを指標として操業を管理することによって、単環芳香族炭化水素の転化率の低下を抑制し、安定して製造することが可能となる。
【0024】
さらに、本発明における第一及び第二の環状オレフィンの製造方法によれば、前記熱交換システムを、前記反応液から受熱する金属製の熱交換システム、もしくは前記反応液から受熱する金属製の第一の熱交換器、さらには前記反応液から受熱する第一の熱交換器と除熱コイル、を通過して授熱された流体から、受熱する金属製の第二の熱交換器と、を備えて構成したことによって、水添反応器内を一定温度に維持できるため、環状オレフィンの製造を安定して行うことが可能となる。また、水添反応器内で発生する反応熱を、第二の熱交換器で授熱として利用することによって、環状オレフィン製造装置を含むプラント全体でのエネルギー効率を向上させるとともに、環境保全に対する懸念を払拭することが可能となる。
【0025】
さらに、本発明における環状オレフィンの製造方法によれば、熱交換システムにおける少なくとも反応液との接液部を、モリブデンを含むニッケル基合金或いはクロムとモリブデンとを含むニッケル基合金で構成することによって、反応液との接液部における金属溶出速度を遅くさせることができるため、単環芳香族炭化水素の転化率の低下を抑制し、安定して製造することが可能となる。
【0026】
さらに、本発明における環状オレフィンの製造方法によれば、前記触媒として、ルテニウムを含有する水素化触媒を用いることによって、単環芳香族炭化水素の転化率の低下を抑制し、安定して製造することが可能となる。
本発明における環状オレフィン製造装置の設計方法によれば、所望の運転可能時間(寿命)を有する環状オレフィンの製造装置を容易且つ確実に設計することが可能となる。
【0027】
本発明における環状オレフィン製造装置の設計プログラムによれば、本発明における環状オレフィン製造装置の設計方法を容易且つ確実に実行することが可能となる。
なお、本発明における環状オレフィンとは、単環芳香族炭化水素を水添反応させることで生成するものであれば特に限定されないが、例えば、シクロヘキセン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロノネン、シクロデセン、シクロウンデセン、シクロドデセン、メチルシクロヘキセン、ジメチルシクロヘキセン、トリメチルシクロヘキセン、テトラメチルシクロヘキセン、フェニルシクロヘキセン等が挙げられる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第一実施形態)
図1は、本発明の一実施形態におけるシクロヘキセン製造装置を示す模式図である。
なお、本実施形態においては、単環芳香族炭化水素としてベンゼンを水添反応させることで、環状オレフィンとしてシクロヘキセンを製造する場合について説明する。
本実施形態におけるシクロヘキセン製造装置(環状オレフィン製造装置)は、図1に示すように、ベンゼンを水素によって部分還元(水添反応)させる金属製の水添反応器1と、この水添反応器1内で発生する反応熱を一定に維持するための金属製の熱交換システムと、から構成されている。
【0029】
この熱交換システムは、水添反応器1内に設置される除熱コイル2と、水添反応器1外に設置され、水添反応器1から抜き出した反応液から受熱する第一の熱交換器3と、除熱コイル2内及び第一の熱交換器3内を通過して温められた冷却水(流体)から受熱する第二の熱交換器4と、から構成されている。この除熱コイル2及び第一の熱交換器3を介して第二の熱交換器4に伝達された反応熱は、蒸留塔5周りのリボイラー熱として利用されている。
【0030】
このシクロヘキセンの製造装置において、水添反応器1、除熱コイル2、第一の熱交換器3、第二の熱交換器4、及びそれぞれの装置を連結させる配管6、7、8、9は、いずれも炭素綱やステンレスなどの金属製の材料から構成されている。そして、上記それぞれの装置における少なくとも反応液との接液部分、例えば、水添反応器1の内壁(内表面)、除熱コイル2の外周壁(外表面)、第一の熱交換器3の内壁(内表面)、及び水添反応器1及び第一の熱交換器3を連通させる配管7の内周壁(内表面)は、モリブデンを含むニッケル基合金或いはモリブデンとクロムを含むニッケル基合金など、より金属溶出速度を抑制可能な材料で構成することが好ましい。
【0031】
ここで、モリブデンを含むニッケル基合金としては、特に限定されないが、例えば、ハステロイA、ハステロイB、ハステロイB−3或いはハステロイB−2(いずれもHayues stellite Co製耐熱性ニッケル合金の商品名)などが挙げられる。
同様に、モリブデンとクロムとを含むニッケル基合金としては、特に限定されないが、例えば、ハステロイC、ハステロイC−276、ハステロイC−4、ハステロイC−22、ハステロイC−2000、ハステロイG、ハステロイG−2、ハステロイG−3、ハステロイG−30、ハステロイH、及びハステロイW(いずれもHayues stellite Co製耐熱性ニッケル合金の商品名)や、インコロイ825などが挙げられる。
【0032】
また、このシクロヘキセンの製造装置は、触媒の全重量に対して、水添反応器1及び熱交換システムから溶出する総金属溶出量の比率(金属溶出濃度)が、0.5重量%を超えない範囲で操業を管理するようになっている。ここで、触媒の全重量に対する総金属溶出量の比率が0.5重量%を超えると、反応液との接液部から溶出した金属によって触媒の活性が低下するため、ベンゼンの転化率を低下させてしまう。
【0033】
次に、このシクロヘキセン製造装置を構成するそれぞれの装置について説明する。
水添反応器1は、ベンゼンを水添反応させるために、触媒と添加剤と水とが添加されると共に、共存する水相を中性もしくは酸性の条件下で反応させる。水相をアルカリ性とすると、反応速度は著しく低下し、現実的な製造方法とはなり難い。また、酸性にする為に通常の酸、例えば塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、リン酸などを加えて差し支えない。特に硫酸は、反応速度を高めるのに極めて効果的である。このようにして反応系へ導入される水相のpHは0.5〜7、好ましくは2〜6.5である。本発明方法における部分水素化反応は、通常液相懸濁法にて連続的または回分的に行われるが、固定床式でも行うことができる。反応条件は、使用する触媒や添加物の種類や量によって適宜選択されるが、通常、水素圧は1〜200kg/cm2G、好ましくは10〜100kg/cm2Gの範囲であり、反応温度は室温〜250℃、好ましくは100〜200℃の範囲である。また、反応時間は目的とするシクロヘキセン類の選択率や収率の実質的な目標値を定め、適宜選択すればよく、特に制限はないが、通常数秒〜数時間である。
【0034】
また、水添反応器1内に添加される触媒とは、水素化触媒であれば特に限定されないが、例えば、金属ルテニウム微粒子やルテニウムを種々の担体に担持したものなどルテニウムが含有された水素化触媒であることが好ましい。なお、ルテニウムが含有された水素化触媒には、銅、鉄、亜鉛、銀などが含まれていてもかまわない。
【0035】
具体的に、金属ルテニウム微粒子とは、種々のルテニウム化合物から通常の還元法によって得られるものや、調整段階或いは調整後において他の金属(例えば、亜鉛、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、コバルト、ニッケル、鉄、銅など)をルテニウム原子に対する原子比として0.01〜20の範囲で添加したルテニウムを主成分とするものを指す。このルテニウム化合物としては、特に限定されないが、例えば、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、硫酸塩、水酸化物、酸化物、ルテニウムレッド、或いは各種ルテニウムを含む錯体などを用いることができ、還元法としては、水素ガスによる接触還元法やホルマリン、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジンなどによる化学還元法が挙げられる。
【0036】
同様に、ルテニウムを種々の担体に担持したものとは、例えば、希土類元素化合物、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、クロム、鉄、コバルト、アルミニウム、ガリウム、ケイ素などの酸化物や水酸化物、或いはそれらの水和物や、硫酸バリウムなどの非水溶性塩などに担持したものが挙げられ、担持方法としては、イオン交換法、吸着法、浸漬法、共沈法、乾固法などが挙げられる。
【0037】
さらに、水添反応器1内に添加される添加物とは、特に限定されないが、1族金属(リチウム、ナトリウム、カリウムなど)や2族金属(マグネシウム、カルシウムなど)の塩類や、亜鉛、コバルトなどの塩類や、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、クロム、鉄、コバルト、アルミニウム、ガリウム、シリコンなどの酸化物、水酸化物、或いはこれらの水和物や、活性炭などが挙げられる。この添加量は、反応液中に存在する水に対して1×10−5重量倍から室温での飽和溶解量とするのが好ましい。
【0038】
特に、水添反応によってシクロヘキセンを高収率且つ高選択性で得るために、触媒として、金属ルテニウム微粒子とチタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、クロム、鉄、コバルト、アルミニウム、ガリウム、シリコンなどの酸化物、水酸化物或いはそれらの水和物とを固形成分として用い、且つ、添加物として、亜鉛の塩類を用いた水溶液を適用することが好ましい。
【0039】
さらに、水添反応器1内に添加される水とは、原料及び生成物を主成分とする有機液相(油相)と、水を含む液相(水相)との二層を形成させるために必要である。この水の量は、単芳香族炭化水素に対して0.1〜20重量倍添加することが必要であり、好ましくは0.05〜10重量倍とするのがよい。
熱交換システムを構成する除熱コイル2は、この内部に冷却水などの流体を通過させることにより、水添反応器1内で発生する反応熱を除去するようになっている。ここで、水添反応器1内の反応液によって約95℃から約105℃まで温められた冷却水は、配管6B及び配管8Bを介して第二の熱交換器4に搬送され、第二の熱交換器4において冷却されるようになっている。
【0040】
熱交換システムを構成する第一の熱交換器3は、水添反応器1内から配管7Bを介して一部抜き出した反応液から受熱することにより、水添反応器1内で発生する反応熱を除去するようになっている。ここで、第一の熱交換器3の内部を通過する冷却水によって約140℃から約125℃に冷却された反応液は、配管7Aを介して再度水添反応器1内に戻されるようになっている。一方、第一の熱交換器3内を通過する反応液によって約95℃から約105℃まで温められた冷却水は、配管8Bを介して第二の熱交換器4に搬送され、第二の熱交換器4において冷却されるようになっている。
【0041】
熱交換システムを構成する第二の熱交換器4は、除熱コイル2内及び第一の熱交換器3内を通過し、反応液によって約95℃から約105℃まで温められた冷却水から受熱し、第二の熱交換器4内を通過する流体を約80℃から約85℃まで温めることで、蒸留塔5周りのリボイラー熱として利用するようになっている。そして、第二の熱交換器4を通過することで約105℃から約95℃まで冷却された冷却水は、配管8A及び配管6Aを介して、再度除熱コイル2及び第一の熱交換器3に戻されるようになっている。
【0042】
続いて、本実施形態におけるシクロヘキセンの製造方法について説明する。
本実施形態におけるシクロヘキセン製造装置の水添反応器1内において、触媒、添加剤、及び水の存在下で、原料としてベンゼンが連続的に供給され、中性或いは酸性条件下で水添反応が行われることによって、反応生成物としてシクロヘキセンが生成される。
【0043】
このとき、水添反応器1内の水添反応で発生する反応熱は、除熱コイル2及び第一の熱交換器3を介して第二の熱交換器4に授熱されることで、水添反応器1内を一定温度に維持している。
また、水添反応器1内に添加される触媒の全重量に対して、水添反応器1及び熱交換システムから溶出される総金属溶出量の比が、0.5重量%を超えない範囲で操業を管理することで、シクロヘキセンの製造を行うようにしている。
【0044】
続いて、本実施形態におけるシクロヘキセン製造装置の設計方法について説明する。
本実施形態におけるシクロヘキセン製造装置は、反応液との接液面積上限値Aを下記式(1)に基づいて算出し、この算出した接液面積上限値Aを超えないように、水添反応器1の内表面積、除熱コイル2の外表面積、第一熱交換器3の接液面積、及びこれらを接続する配管7の長さ及び径を決定することで設計する。
【0045】
≦0.005×W/(V・T) ・・・・・(1)
ただし、Wは触媒の全重量(kg)、Vは金属溶出速度(kg/m・Y)、Tは目標運転時間(Y)である。
ここで、この設計は、反応液との接液面積上限値Aを上記式(1)に基づいて算出する接液面積上限値演算処理と、この接液面積上限値演算処理によって算出された接液面積上限値Aを超えないように、水添反応器1の内表面積、除熱コイル2の外表面積、第一の熱交換器3の接液面積、及びこれらを接続する配管7の長さ及び径を決定する熱交換システム設計処理とをコンピュータで実行する設計プログラムによって行うようにしてもよい。
【0046】
このように、本実施形態におけるシクロヘキセンの製造方法によれば、水添反応で発生する反応熱を熱交換システムによって除去するとともに、触媒の全重量に対して、水添反応器1及び熱交換システムから溶出する総金属溶出量の比が、0.5重量%以下を超えない範囲で操業を管理するようにしたことによって、ベンゼンの転化率の低下を抑制し、安定して製造することが可能となる。
【0047】
また、本実施形態におけるシクロヘキセンの製造方法によれば、熱交換システムを、水添反応器1内に設置した金属製の除熱コイル2と、水添反応器1から抜き出した反応液から受熱する金属製の第一の熱交換器3と、除熱コイル2内及び第一の熱交換器3を通過して授熱された冷却水から受熱する金属製の第二の熱交換器4と、から構成したことによって、水添反応器1内を一定温度に維持できるため、シクロヘキセンの製造を安定して行うことが可能となる。
【0048】
さらに、本実施形態におけるシクロヘキセンの製造方法によれば、水添反応器1内で発生する反応熱を、第二の熱交換器4に授熱するようになっていることによって、シクロヘキセン製造装置を含むプラント全体でのエネルギー効率を向上させるとともに、環境保全に対する懸念を払拭することが可能となる。
さらに、本実施形態におけるシクロヘキセンの製造方法によれば、熱交換システムにおける少なくとも反応液との接液部を、モリブデンを含むニッケル基合金或いはクロムとモリブデンとを含むニッケル基合金で構成するようにしたことによって、ルテニウムを含む触媒の活性の持続性を維持するとともに、反応液との接液部における金属溶出速度を遅くさせることができるため、ベンゼンの転化率の低下を抑制し、安定して製造することが可能となる。
【0049】
さらに、本実施形態におけるシクロヘキセン製造装置の設計方法によれば、目標連続運転可能時間(寿命)を有するシクロヘキセンの製造装置を設計することが可能となる。
さらに、本実施形態におけるシクロヘキセン製造装置の設計プログラムによれば、本実施形態におけるシクロヘキセン製造装置の設計方法を容易に実行することが可能となる。
(第二実施形態)
本実施形態におけるシクロヘキセンの製造装置は、第一実施形態で説明したシクロヘキセン製造装置を、下記式(2)に基づいて算出した運転可能時間Tを指標として操業を管理するようになっている。
【0050】
T≦0.005W/(V・A) ・・・・・(2)
ただし、Wは触媒の全重量(kg)、Vは金属溶出速度(kg/m・Y)、A(m)は反応液との接液面積である。
このように、本実施形態におけるシクロヘキセン製造装置によれば、第一の実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
【0051】
なお、第一及び第二実施形態においては、単環芳香族炭化水素としてベンゼンから、環状オレフィンとしてシクロヘキセンを製造する場合について説明したが、これに限らず、単環芳香族炭化水素として、トルエン、キシレンなど炭素数4以下のアルキル基を有する低級アルキルベンゼン類などを水添反応させることで、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロノネン、シクロデセン、シクロウンデセン、シクロドデセン、メチルシクロヘキセン、ジメチルシクロヘキセン、トリメチルシクロヘキセン、テトラメチルシクロヘキセン、フェニルシクロヘキセンなどの環状オレフィンを製造するようにしても構わない。
【0052】
また、第一及び第二実施形態においては、水添反応器1内で発生する反応熱を、除熱コイル2及び第一の熱交換器3を介して第二の熱交換器4に伝達し、この第二の熱交換器4で授熱し、蒸留塔5周りのリボイラー熱として利用するようにしたが、反応熱と同等の入熱量を有し、且つ、反応熱よりも低い温度の受熱を要する流体であれば、これに限らず、他のプロセスで利用するようにしても構わない。
【0053】
【実施例】
以下、本発明の効果を以下の実施例に基づき検証する。
第一に、触媒中に含まれる金属溶出量と、触媒活性との関係を調べるために、金属溶出量の異なる触媒調整液を以下の手順で作成した。
<触媒調整液の作成>
まず、触媒中の金属溶出量を調整する金属溶出液を、4重量%硫酸亜鉛水溶液下で、ハステロイCー276(Hayues stellite Co製耐熱性ニッケル合金の商品名)を電気化学的に溶出させることで作成した。この電気化学的溶出は、アノード分極は1.2(Vvs・AgCl)で電位を3時間保持し、0.03〜0.04Aの電流で行った。ここで、金属溶出量から逆算した金属溶出液中の亜鉛を除く金属濃度は、0.068重量%であった。
【0054】
次いで、予め水酸化亜鉛と水酸化ルテニウムとを含有させた亜鉛を6重量%含有するルテニウム触媒(平均結晶子径約58Å)2.0gと、分散剤としてジルコニア(平均結晶子径200Å)10g及びZnSO・7HO(和光純薬特級試薬)49.8gとが添加された溶液に、異なる量の金属溶出液及び純水を添加して、表1に示すような5種類の触媒調整液を作成した。
【0055】
そして、実施例1〜実施例3及び比較例1、2の触媒調整液280mlを用いて、内面がテフロン(登録商標)コーティングされた内容積1リットルのオートクレーブ内で、140℃、水素圧力40kg/cmGの条件下、ベンゼン140mlの水添反応を行った。そして、この水添反応開始5分後に反応液を抜き出し、その有機相をガスクロマトグラフィーによって分析することで、ベンゼンのシクロヘキセンへの転化率から触媒活性の程度を判断し、結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
Figure 2004315380
【0057】
表1及び図2に示すように、ルテニウム触媒量に対する金属溶出濃度が0.5重量%を超えると、触媒活性が低下していることが分かる。
よって、触媒の活性の低下を抑制し、シクロヘキセンを安定して製造するために、ルテニウム触媒量に対する金属溶出濃度を0.5重量%以下に制御すればよいことが確認できた。
【0058】
第二に、異なる種類の金属製の材料において、シクロヘキセンの製造装置における運転可能時間を測定した。
まず、異なる四種類の金属製の材料について、それぞれの金属溶出速度を以下の手順で測定した。
<金属溶出速度測定方法>
上述した金属溶出液を含まない触媒調整液を作成し、この触媒調整液を表2に示す四種類の金属製の材料から構成されたオートクレーブ内でそれぞれ一定期間運転させ、その期間に溶出した金属製の材料を原子吸光度法によって分析することで、金属溶出速度を測定した。
【0059】
そして、この金属溶出速度より、下記式(3)に基づいて運転可能時間Tを算出した。
T≦0.005×W/(V・A) ・・・・・(3)
ただし、Wは触媒の全重量(kg)、Vは金属溶出速度(mg/m・hr)、Aは反応液との接液面積(m)を示し、Wは2000kg、Aは300mと仮定し、結果を表2に示す。
【0060】
【表2】
Figure 2004315380
【0061】
表2に示すように、実施例4〜実施例6で示したニッケル基合金の金属溶出速度は、比較例3で示したステンレスの金属溶出速度よりも大幅に遅いため、実施例4〜実施例6における運転可能時間は大幅に長いことが分かる。特に、ニッケルとモリブデンとを多く含む実施例4のハステロイBを用いることで、飛躍的に運転可能時間を向上させていることが分かる。
よって、少なくとも反応液と接液する部分の材料を、上述したようなニッケル基合金で構成することで、シクロヘキセンの製造装置における運転可能時間を大幅に向上できることが確認できた。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明における環状オレフィンの製造方法によれば、触媒の活性低下を抑制することができるため、単環芳香族炭化水素の転化率の低下を抑制し、安定して製造することが可能となる。
また、本発明における環状オレフィンの製造方法によれば、環状オレフィン製造装置を含むプラント全体でのエネルギー効率を向上させるとともに、環境保全に対する懸念を払拭することが可能となる。
【0063】
本発明における環状オレフィン製造装置の設計方法によれば、目的運転可能時間を有する環状オレフィン製造装置を容易且つ確実に設計することが可能となる。
本発明における環状オレフィン製造装置の設計プログラムによれば、本発明における環状オレフィン製造装置の設計方法を容易且つ確実に実行することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるシクロヘキセン製造装置を示す模式図である。
【図2】触媒中に含まれる金属溶出量と、触媒活性との関係を示すグラフである。
【図3】従来の環状オレフィンの製造装置の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1、11 水添反応器
2、12 除熱コイル
3 第一の熱交換器
4 第二の熱交換器
5 蒸留塔
6、7、8、9 配管
13 熱交換器
14 冷却塔

Claims (11)

  1. 金属製の水添反応器内で、触媒が添加された単環芳香族炭化水素からなる反応液を水添反応させて環状オレフィンを生成する環状オレフィンの製造方法において、
    前記水添反応における反応熱を、金属製の熱交換システムによって除去するとともに、
    前記触媒の全重量に対して、前記水添反応器及び前記熱交換システムから溶出する総金属溶出量の比が、0.5重量%を超えない範囲で操業を管理することを特徴とする環状オレフィンの製造方法。
  2. 金属製の水添反応器内で、触媒が添加された単環芳香族炭化水素からなる反応液を水添反応させて環状オレフィンを生成する環状オレフィンの製造方法において、
    前記水添反応における反応熱を、金属製の熱交換システムによって除去するとともに、
    下記式に基づいて算出した運転可能時間Tを指標として操業を管理することを特徴とする環状オレフィンの製造方法。
    T≦0.005W/(V・A)
    ただし、Wは触媒の全重量、Vは金属溶出速度、Aは反応液との接液面積である。
  3. 前記熱交換システムは、前記反応液から、金属製の熱交換システムによって反応熱を除去すると共に、この反応熱を受熱する第二の熱交換器を備えた事を特徴とする請求項1又は2に記載の環状オレフィンの製造方法。
  4. 前記熱交換システムは、前記水添反応器から抜き出した前記反応液から受熱する金属製の第一の熱交換器と、第一の熱交換器を通過して授熱された流体から受熱する第二の熱交換器と、を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の環状オレフィンの製造方法。
  5. 前記熱交換システムは、前記水添反応器内に設置した金属製の除熱コイルと、前記水添反応器から抜き出した前記反応液から受熱する金属製の第一の熱交換器と、前記除熱コイル及び第一の熱交換器を通過して授熱された流体から受熱する第二の熱交換器と、を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の環状オレフィンの製造方法。
  6. 前記熱交換システムにおける少なくとも前記反応液との接液部を、モリブデンを含むニッケル基合金或いはクロムとモリブデンとを含むニッケル基合金で構成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の環状オレフィンの製造方法。
  7. 前記触媒として、ルテニウムを含有する水素化触媒を用いることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の環状オレフィンの製造方法。
  8. 金属製の水添反応器内で、触媒が添加された単環芳香族炭化水素からなる反応液を水添反応させて環状オレフィンを生成するとともに、前記水添反応における反応熱を熱交換システムによって除去している環状オレフィン製造装置の設計方法において、
    前記反応液との接液面積上限値Aを下記式に基づいて算出し、当該算出した接液面積上限値Aを超えないように、前記水添反応器の内表面積、前記除熱コイルの外表面積、前記熱交換器の接液面積、及びこれらを接続する配管の長さ及び径を決定することを特徴とする環状オレフィン製造装置の設計方法。
    ≦0.005×W/(V・T
    ただし、Wは触媒の全重量、Vは金属溶出速度、Tは目標運転時間である。
  9. 前記触媒として、ルテニウムを含有する水素化触媒を用いることを特徴とする請求項8に記載の環状オレフィン製造装置の設計方法。
  10. 金属製の水添反応器内で、触媒が添加された単環芳香族炭化水素からなる反応液を水添反応させて環状オレフィンを生成するとともに、前記水添反応における反応熱を熱交換システムによって除去している環状オレフィン製造装置の設計プログラムにおいて、
    前記反応液との接液面積上限値Aを下記式に基づいて算出する接液面積上限値演算処理と、当該接液面積上限値演算処理によって算出された接液面積上限値Aを超えないように、前記水添反応器の内表面積、前記除熱コイルの外表面積、前記熱交換器の接液面積、及びこれらを接続する配管の長さ及び径を決定する熱交換システム設計処理と、をコンピュータで実行するようになっていることを特徴とする環状オレフィン製造装置の設計プログラム。
    ≦0.005×W/(V・T
    ただし、Wは触媒の全重量、Vは金属溶出速度、Tは目標運転時間である。
  11. 前記触媒として、ルテニウムを含有する水素化触媒を用いることを特徴とする請求項10に記載の環状オレフィン製造装置の設計プログラム。
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