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JP2004301459A - 吸収器用伝熱管 - Google Patents

吸収器用伝熱管 Download PDF

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JP2004301459A
JP2004301459A JP2003097227A JP2003097227A JP2004301459A JP 2004301459 A JP2004301459 A JP 2004301459A JP 2003097227 A JP2003097227 A JP 2003097227A JP 2003097227 A JP2003097227 A JP 2003097227A JP 2004301459 A JP2004301459 A JP 2004301459A
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JP
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heat transfer
tube
protrusions
absorber
width
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Application number
JP2003097227A
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English (en)
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Hiroyuki Takahashi
宏行 高橋
Chikara Saeki
主税 佐伯
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Abstract

【課題】管外表面に流下した吸収液の撹拌性及び濡れ拡がり性を向上させることができる吸収器用伝熱管を提供する。
【解決手段】吸収器用伝熱管は、管外表面に、独立した複数個の四角錐台状の突起3が形成され、この突起3が環状又は螺旋状に配列されている。管軸平行断面における突起3間の溝部4の底部の幅GWが、管軸平行断面における突起3の根元部の幅PWよりも広く、管軸直角断面における突起3間の溝部5の側面の開き角度θが15乃至50°であり、管軸直角断面における突起3間の溝部5の底部の幅GW(直線距離)が0.10乃至0.30mmである。また、突起が螺旋状に配列されている場合は、その螺旋状の配列方向が管軸直角方向に対してなす角度θは0°より大きく19°以下である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸収式冷凍機及び吸収式冷温水器等の熱交換器である吸収器に使用され、伝熱管を水平に複数個配置し、伝熱管の上方より吸収溶液を散布させて、伝熱管表面にて水蒸気を吸収させる吸収器用伝熱管に関し、特に、吸収伝熱性能を向上させた吸収器用伝熱管に関する。
【0002】
【従来の技術】
吸収式冷凍機は、臭化リチウム(LiBr)を吸収液とし、水を冷媒として使用し、臭化リチウムの強い吸湿力で冷凍機内の水蒸気を吸収して冷凍機内の圧力を低下させ、冷媒である水を低い温度で蒸発させることにより、空調等に使用する冷水を作るものである。
【0003】
即ち、この吸収式冷凍機の吸収器内には、多数の伝熱管が水平に設置され、この伝熱管内に冷却水を通水し、伝熱管の外表面に吸収液を流下させて、両者間で熱交換を行っている。この吸収液は低流速、即ち層流の状態で流下するため、吸収液に界面活性剤を投入し、表面張力を小さくして伝熱管表面での濡れ広がり性を向上させ、水蒸気吸収時に発生するマランゴニ対流によって、吸収液の撹乱を増進させ、吸収効率を増加させている。吸収器の底部に集められた吸収液は再生器に送られて濃縮された後に、再度吸収器の上部に散布供給される。
【0004】
また、吸収式冷凍機の蒸発器においては、同様に多数の伝熱管が水平に設置され、この伝熱管内に冷水を通水し、冷媒を伝熱管の外表面に流下させて、両者間で熱交換を行っている。この熱交換により、冷媒としての水が蒸発する。このとき、蒸発器と吸収器とは、液体は通流せず、気体(蒸気)のみが通流するように、連通しており、蒸発器で冷媒が蒸発して発生した水蒸気が吸収器で吸収液により吸収さる。このとき、冷凍機内の圧力が例えば0.8kPa程度に低下する。このため、冷媒である水は低い温度で蒸発し、蒸発器内の伝熱管内を通流する冷水を冷却し、この冷水は空調等の冷水使用源に送られる。
【0005】
そして、この吸収伝熱性能の向上を図った吸収式伝熱管として、本願発明者により提案された特開2000−356434号公報(特許文献1)に開示されたものがある。この特許文献1に開示された技術は、管軸直交断面において、山部と谷部とに関し、山部と谷部の曲率半径を規定し、谷部の深さを規定し、山部の頂部に接する円の直径を規定し、山部と谷部との間の傾斜部の管軸に直交する方向の幅を規定したものである。
【0006】
また、特開平11−294899号公報(特許文献2)には、本願発明者により提案された吸収式冷凍機及び吸収式冷温水機等の吸収式熱交換器の吸収器に使用される伝熱管が開示されている。この吸収器用伝熱管は、管内面に螺旋状のリブを設け、管外面に相互に独立した複数個の突起を設けたものである。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−356434号公報
【特許文献2】
特開平11−294899号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この特許文献1に記載された発明は、吸収式伝熱管の外表面に薄い吸収液の膜が形成され、伝熱性能が向上して、その所期の目的は達成したものの、吸収液が谷部から山部に流れる際に、吸収液が凝集し、液膜が厚くなり、熱抵抗が生じて、伝熱性能の向上には、一定の限界があった。
【0009】
また、特許文献2に記載された発明は、液膜の撹乱が生じ、吸収液の濡れ拡がり性が向上することにより、伝熱性能が向上して、その所期の目的は達成したものの、突起間の溝部において、依然として、液膜が厚い部分が生じ、同様に、性能の向上には、一定の限界があった。
【0010】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、管外表面に流下した吸収液の撹拌性及び濡れ拡がり性を向上させることができる吸収器用伝熱管を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願第1発明に係る吸収器用伝熱管は、管外表面に、独立した複数個の四角錐台状の突起が形成され、前記突起が環状に複数列配列された吸収器用伝熱管において、管軸平行断面における前記突起間の溝底部の幅GWが、管軸平行断面における前記突起の根元部の幅PWよりも広く、管軸直角断面における前記突起間の溝部の側面の開き角度θが15乃至50°であり、管軸直角断面における前記突起間の溝底部の幅GW(直線距離)が0.10乃至0.30mmであることを特徴とする。
【0012】
本願第2発明に係る吸収器用伝熱管は、管外表面に、独立した複数個の四角錐台状の突起が形成され、前記突起が螺旋状に配列された吸収器用伝熱管において、管軸平行断面における前記突起間の溝底部の幅GWが、管軸平行断面における前記突起の根元部の幅PWよりも広く、管軸直角断面における前記突起間の溝部の側面の開き角度θが15乃至50°であり、管軸直角断面における前記突起間の溝底部の幅GWが0.10乃至0.30mmであり、前記突起の螺旋状の配列方向が管軸直角方向に対してなす角度θは0°より大きく19°以下であることを特徴とする。
【0013】
これらの吸収器用伝熱管において、管軸平行断面における前記突起の配列ピッチPFが1.15乃至2.54mmであることが好ましい。また、管軸直角断面における前記突起の配列ピッチPR(直線距離)が0.60乃至1.50mmであることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は本願第1発明の実施の形態に係る吸収器用伝熱管の外表面の一部を示す斜視図である。本実施形態においては、伝熱管1の外表面2に、四角錐台状の複数個の突起3が形成されている。この突起3は相互に独立しており、管周方向に一定のピッチで配列されている。つまり、この突起3の配列は、伝熱管の円周方向に延びる円環状である。
【0015】
一方、図2は本願第2発明の実施の形態に係る吸収器用伝熱管の外表面の一部を示す斜視図である。本実施形態においては、伝熱管1の外表面2に、第1実施形態と同様に、四角錐台状の独立した複数個の突起3が形成されている。しかし、本第2実施形態においては、この突起3の配列方向が、管軸方向に対して、螺旋状に延びる方向である。
【0016】
これらの第1実施形態及び第2実施形態の吸収器用伝熱管において、突起3の形状及びパターンが以下のように規定されている。
▲1▼管軸平行断面における前記突起間の溝底部の幅GWが、管軸平行断面における前記突起の根元部の幅PWよりも広い。
▲2▼管軸直角断面における前記突起間の溝部の側面の開き角度θが15乃至50°である。
▲3▼管軸直角断面における前記突起間の溝底部の幅GW(直線距離)が0.10乃至0.30mmである。
▲4▼突起の螺旋状の配列方向が管軸直角方向に対してなす角度θは0°より大きく19°以下である。
▲5▼管軸平行断面における突起の配列ピッチPFが1.15乃至2.54mmであることが好ましい。
▲6▼管軸直角断面における突起の配列ピッチPR(直線距離)が0.60乃至1.50mmであることが好ましい。
【0017】
図3は図1及び図2に示す伝熱管1の管軸平行断面を示す断面図である。管軸平行断面における突起3間の溝部4の底部の幅をGW、突起3の根元部の幅をPW1とする。また、突起3の管軸方向の配列ピッチをPFとする。
【0018】
図4及び図5は図1又は図2に示す伝熱管1の管軸直角断面を示す断面図である。管軸直角断面における突起3間の溝部5の底部の幅を直線距離でGW、突起3間の溝部5の側面の開き角度をθとし、突起3の管周方向の配列ピッチを直線距離でPRとする。
【0019】
図6は図2に示す螺旋状に配列された突起3を有する伝熱管1の外表面を示す模式図である。第2実施形態の突起3が螺旋状に配列された伝熱管1において、突起3の配列方向6が管軸直角方向7となす角度をθとする。この螺旋角度θは、伝熱管1を平面に展開したときに、その突起3の配列方向6と、管軸に直交する方向7とが交差する角度として、把握される。
【0020】
次に、本発明における条件及び数値限定の理由について説明する。
【0021】
▲1▼管軸平行断面における前記突起間の溝底部の幅GW が、管軸平行断面における前記突起の根元部の幅PW よりも広い。
溝底部幅GWが突起根元部の幅PWと同じかそれより狭い場合は、突起間溝部4において、吸収液の液膜が厚くなり、液膜が熱抵抗となって伝熱性能が低下する。従って、管軸平行断面における突起間の溝部4の底部幅GWは、突起根元部の幅PWよりも広くする。
【0022】
▲2▼管軸直角断面における突起間の溝部の側面の開き角度θ が15乃至50°である。
突起3間の溝部5の開き角度θが15°未満のときは、突起3間の溝部5の断面積が小さくなり、吸収液の管軸方向への移動が阻害されると共に、円周方向の突起3間の溝部5(幅GW)に集まる前に、吸収液が流れ落ちるため、伝熱性能が低下する。また、角度θが50°より大きいと、突起先端部での溶液が十分攪拌されずに、突起間溝部5に流れ込みやすく、また溝部5からそれより吸収液が流れる方向の下流側の突起3に溶液が流れる際に、溶液の集中が生じ、液膜が厚く形成されやすくなるため、伝熱性能が低下する。従って、管軸直角断面における突起間溝部の開き角度θは15乃至50°とする。
【0023】
▲3▼管軸直角断面における前記突起間の溝底部の幅GW (直線距離)が0.10乃至0.30mmである。
突起3間の溝部5の底部幅GWが0.10mm(直線距離で)より狭い場合は、突起3間の溝部5断面積が小さくなり、溶液(吸収液)の管軸方向への移動が阻害されると共に、円周方向の突起3間の溝部5に集まる前に吸収液が流れ落ちるため、伝熱性能が低下する。また、溝底部幅GWが0.30mmより広い場合は、突起3間の溝部5の断面積が大きくなるため、この部分での吸収液の滞留が生じ、液膜が厚く形成されて熱抵抗となり、伝熱性能が低下する。突起3間の溝部5の底部幅GWが適切であると、伝熱管1の外表面に流下した吸収液が、その周面を伝わって下方に流れる際に、突起3を乗り越えて撹拌され、吸収性能及び伝熱性能が高まる。また、吸収液は、溝部5(底部幅GW)を伝わって、溝部4(底部幅GW)に側に流れやすくなる。従って、管軸直角断面における突起間溝底部の幅GWを0.10乃至0.30mmとする。
【0024】
▲4▼突起の螺旋状の配列方向が管軸直角方向に対してなす角度θ は0°より大きく19°以下である。
θが19°より大きい場合は、伝熱管の上方から流下してきた溶液が、管周方向の突起3間の溝部5(幅GW)側に伝わり、管周方向の突起3間の溝部4(幅GW)側に流れやすくなり、突起による溶液撹拌効果が減少するため、吸収性能が低下する。従って、螺旋状に突起が配列された場合の配列方向がなす角度θを19°以下とする。
【0025】
▲5▼管軸平行断面における突起の配列ピッチPFが1.15乃至2.54mmであることが好ましい。
管軸平行断面における突起3の配列ピッチPFが1.15mm未満である場合は、突起3間の溝部4(底部幅GW)が小さくなり、この溝部4の断面積が小さくなることにより、管周方向の突起3間の溝部5へ吸収液が流入しやすくなり、伝熱管全体に吸収液が滞留して、液膜が厚く形成され、この液膜が熱抵抗となるため、伝熱性能が低下する。また、配列ピッチPFが2.54mmより大きい場合は、溝部4の底部幅GWが大きくなり、この部分で吸収液に水蒸気が吸収される前に、吸収液が管円周方向に流れてしまうため、伝熱性能が低下する。従って、管軸平行断面での突起3の配列ピッチPFは1.15乃至2.54mmとすることが好ましい。
【0026】
▲6▼管軸直角断面における突起の配列ピッチPR(直線距離)が0.60乃至1.50mmであることが好ましい。
管軸直角断面における突起3の配列ピッチPRが0.60mm未満である場合は、突起3間の溝部5の数が多くなることにより、この溝部5に溶液が滞留しやすくなり、液膜が厚く形成されて熱抵抗となるため、伝熱性能が低下する。また、配列ピッチPRが1.50mmより広くなると、溝部5の底部幅GW2が変化しないとすると、突起3の先端の平坦部が管円周方向に長く形成されることになり、管外表面に付着した吸収液が管外表面に沿って下方に流れる際に、境界層が形成されると共に、突起3の先端の平坦部にて液膜が厚く形成されるため、これが熱抵抗となり、伝熱性能が低下する。また、配列ピッチPRが大きくなると、突起の先端の平坦部の長さが変化しないとすると、溝部5の底部幅GWが大きくなり、GWが0.30mmを超えるようなことが生じ、前述の問題点が発生する。従って、管軸直角断面における突起の配列ピッチPRを0.60乃至1.50mmとすることが好ましい。
【0027】
なお、本発明は、突起部における管の外径が8乃至30mm程度、GWが0.3乃至2.0mm程度であれば、本発明の特許請求項の範囲において良好な伝熱性能を確保することが可能である。また、本発明において突起3の配列パターンは、図7に示すように、格子状に限らず、図8に示すように、隣接する列において、列方向にずれるように、互い違いになるように、配列することもできる。
【0028】
また、図9に示すように、伝熱管21の外表面に独立した突起3を形成すると共に、外表面に、螺旋状に延びる溝22を形成したり、内表面に、螺旋状に上るリブ23を形成することもできる。これらの溝22及びリブ23により、更に伝熱性能を向上させることができる。
【0029】
なお、本発明において、吸収器用伝熱管の材質は、特に限定されるものではなく、例えば、銅、銅合金、チタン、鋼、ステンレス鋼等がある。また、前述の突起は、転造加工又は切削加工等により成形することができる。
【0030】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、本発明の特許請求の範囲から外れる比較例と比較して具体的に説明する。
【0031】
下記表1は、実施例及び比較例の供試管の形状寸法値を示す。供試管は、転造加工により製作した独立突起型伝熱管である。素管は、外径が16mm、肉厚が0.7mmのJISH3300に規定されているC1201Ts−1/2Hの低リン脱酸銅管である。この伝熱管の材質は、銅管でもJISのH3300に規定されているC1020の無酸素銅管又はC1220のリン脱酸銅管等でも使用可能であり、銅合金管では例えばキュプロニッケル管等の使用も可能である。また、その他の材質であっても使用可能である。伝熱管の大きさは、試験装置に合わせるため、不完全成形部を含めた突起加工部の長さを1000mm、管両端の未加工部の長さを夫々150mm、全長を1300mmとした。なお、不完全加工部とは転造加工法により加工を行ったとき、加工開始側及び加工終了側に形成される突起の形状が不完全な部分のことで、通常、加工開始側及び終了側の合計で100乃至150mm程度の長さになる。
【0032】
なお、今回評価したサンプルは、評価前に約350℃にて残留応力を除去すると共に、管表面の残油を加熱して脱脂したものである。加熱脱脂した伝熱管の引張り強さは、平均277N/mmであった。管外面の残渣量を測定した結果、平均0.014g/mであった。また、残留炭素量を測定した結果、平均3.9mg/mであった。
【0033】
【表1】
Figure 2004301459
【0034】
図10は吸収式伝熱性能試験装置を示す模式図である。この試験装置は、一重効用吸収式冷温水機とほぼ同様のサイクルをもつ構成となっており、吸収器100、蒸発器101、再生器102、凝縮器103及び溶液熱交換器104にて構成されている。なお、再生器102の臭化リチウム水溶液(吸収液)の加熱用熱源は、電気ヒータ61にて加熱する方法を採用しており、溶液熱交換器104は冷却水を使用して臭化リチウム水溶液を冷却する方法を採用している。また、試験装置本体の材質はSUS304及びSUS316ステンレス鋼を使用しており、臭化リチウム水溶液による腐食を最小限にとどめるようにしている。
【0035】
吸収器100及び蒸発器101においては、夫々伝熱管50,51が水平に設置されており、伝熱管50,51と吸収器100及び蒸発器101の本体壁との間はOリングによりシールされている。吸収器用伝熱管50の内部にはその入口64から冷却水が供給され、出口65から排出される。伝熱管50の上方には、吸収液の流下部52が配設されており、LiBr吸収液がこの流下部52から伝熱管50上に流下される。この吸収液は吸収器100の底部で回収され、ポンプにより再生器102に送られる。この再生器102において、吸収液はヒータ61により加熱されて吸収液中に吸収された冷媒としての水分が蒸気となり、この水蒸気は凝縮器103において、冷却水により冷却されて凝縮し、水として凝縮器103の底部に回収される。この凝縮器103にて回収された水は、蒸発器101に供給される。一方、吸収液はポンプにより再生器102から吸収器100の流下部52に送られ、循環使用される。この過程で、吸収液は、冷却器104により冷却される。蒸発器101においては、伝熱管51の入口67から冷水が伝熱管51内に供給され、出口66から冷水が排出される。伝熱管51の上方には、冷媒としての水を伝熱管51の上に滴下する滴下部53が配置されており、ポンプ62により、蒸発器101の底部に貯留されている冷媒(水)が滴下部53に揚水され、滴下部53から伝熱管51上に滴下される。これにより、冷媒は滴下部53から蒸発器用伝熱管51上に滴下され、伝熱管51内を通流する冷水との間で熱交換し、冷媒は蒸発する。このとき、蒸発器101と吸収器100とは、液体は通過しないが、気体が相互に通流するように連通しているので、冷媒の蒸気は吸収器100内の吸収液に吸収される。また、内部の圧力が例えば0.8kPa程度に低下する。これにより、冷媒である水は低い温度で蒸発し、蒸発器101内の伝熱管51内を通流する冷水を冷却する。冷凍機においては、この冷水は空調等の冷水使用源に送られる。更に、熱交換器の両側面は、冷媒及び吸収液の流動が伝熱管の全面にわたって観察できるように観察用窓(図示せず)を設けた。
【0036】
伝熱管の有効長は、蒸発器101及び吸収器100共に1050mmであり、蒸発器の管配列は1列×4段で段ピッチを24mmとして4本設置した。吸収器の管配列は、1列×6段で段ピッチを24mmとして6本設置した。
【0037】
滴下部53は伝熱管51と平行の棒状をなし、ピッチ10mmで滴下孔(図示せず)が形成されている。この滴下孔から冷媒が伝熱管51上に散布される。吸収液用の流下部52も同様の構造を有し、同一のピッチで滴下孔が設けられている。
【0038】
蒸発器101内の蒸発圧力は、絶対圧力変換器63により測定した。冷却水の出入口温度は、クオーツ温度計を出入口64,65に設置して測定し、冷却水流量は容積式流量計で測定した。また吸収液流量は、電磁流量計にて測定した。なお、伝熱性能は各測定器の信号をハイブリットレコーダーに取り込んで数値変換し、コンピューターで算出した。
【0039】
伝熱性能試験方法は、吸収器100の伝熱管50に一定流量の冷却水を流し、冷却水入り口64における温度が測定条件になるように冷却水の水温を調節した。一方、蒸発器101の伝熱管51には冷水出口66の温度を一定にした冷水を流し、器内圧力が測定条件になるように冷水流量を調節した。その後、定常状態になったことを確認し、器内圧力、冷却水の流量及び出入り口温度、吸収液流量を測定した。
【0040】
なお、実施例の操作において、LiBr水溶液(吸収液)には界面活性剤として2エチルヘキサノールを添加し、入り口濃度63質量%、入り口温度46℃に調整し、冷却水は流速1.50m/秒、入り口温度32℃に調整した。また、測定装置内の圧力が0.8kPaとなるように調整した。
【0041】
下記表2は実施例比較例の試験条件を示す。
【0042】
【表2】
Figure 2004301459
【0043】
伝熱管の総括伝熱係数Kは、測定値に基づき下記数式1乃至4を使用して算出した。冷却水伝熱量をQ(kW)、冷却水流量をGw(kg/時)、冷却水の比熱をCp(kJ・kg−1・K−1)、冷却水入り口温度をTin(℃)、冷却水出口温度をTout(℃)とする。冷却水伝熱量をQ(kW)を冷却水量Gw(kg/時)及び冷却水出入り口温度Tin(℃)、Tout(℃)より、数式1にて算出した。
【0044】
【数1】
Figure 2004301459
【0045】
対数平均温度差をLMTD(℃)、溶液入り口温度をTLin(℃)、溶液出口温度をTLout(℃)とする。対数平均温度差LMTD(℃)を冷却水出入り口温度Tin(℃)Tout(℃)及び溶液出入り口温度TLin(℃)TLout(℃)より、数式2にて算出した。
【0046】
【数2】
Figure 2004301459
【0047】
供試管突起部外表面積をA(m)、円周率をπ、供試管突起部外径をD(m)、供試管伝熱有効長をL(m)、供試管の本数をN(本)とする。供試管突起部外表面積をA(m)を供試管突起部外径D(m)を基準とし、数式3にて算出した。
【0048】
【数3】
Figure 2004301459
【0049】
総括伝熱係数をK(kW・m−2・K−1)とする。総括伝熱係数をK(kW・m−2・K−1)を前述の数式1乃至3にて算出した数値を用いて数式4にて算出した。
【0050】
【数4】
Figure 2004301459
【0051】
図11は上述の如く測定された総括伝熱係数を示すグラフ図である。この図11に示すように、実施例1乃至7は、本発明の範囲から外れる比較例1乃至7に比較して、0.8乃至3リットル/m/分のLiBr吸収液流量範囲において、優れた総括伝熱係数を示した。
【0052】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係る吸収器用伝熱管によれば、管外表面に流下した吸収液の撹拌性及び濡れ拡がり性を向上させ、伝熱性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る吸収器用伝熱管の外表面を示す斜視図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る吸収器用伝熱管の外表面を示す斜視図である。
【図3】第1及び第2の実施形態において、吸収器用伝熱管の管軸平行断面を示す断面図である
【図4】同じく、吸収器用伝熱管の管軸直角断面を示す断面図である。
【図5】同じく、吸収器用伝熱管の管軸直角断面を示す断面図である。
【図6】螺旋状に配列された突起を示す管外表面の模式図である。
【図7】突起の配列パターンを示す図である。
【図8】突起の配列パターンの変形例を示す図である。
【図9】吸収器用伝熱管の外表面に螺旋状の溝を設け、内表面に螺旋状のリブを設けたものを示す斜視図である。
【図10】吸熱式伝熱性能試験装置を示す模式図である。
【図11】溶液流量と総括伝熱係数との関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1;伝熱管
2;管外表面
3;突起
4,5;溝部
6;配列方向
7;管軸直交方向
21;伝熱管
22;溝
23;リブ
50,51;伝熱管
52;流下部
53;滴下部
100;吸収器
101;蒸発器
102;再生器
103;凝縮器
104;熱交換器

Claims (4)

  1. 管外表面に、独立した複数個の四角錐台状の突起が形成され、前記突起が環状に複数列配列された吸収器用伝熱管において、管軸平行断面における前記突起間の溝底部の幅GWが、管軸平行断面における前記突起の根元部の幅PWよりも広く、管軸直角断面における前記突起間の溝部の側面の開き角度θが15乃至50°であり、管軸直角断面における前記突起間の溝底部の幅GW(直線距離)が0.10乃至0.30mmであることを特徴とする吸収器用伝熱管。
  2. 管外表面に、独立した複数個の四角錐台状の突起が形成され、前記突起が螺旋状に配列された吸収器用伝熱管において、管軸平行断面における前記突起間の溝底部の幅GWが、管軸平行断面における前記突起の根元部の幅PWよりも広く、管軸直角断面における前記突起間の溝部の側面の開き角度θ1が15乃至50°であり、管軸直角断面における前記突起間の溝底部の幅GWが0.10乃至0.30mmであり、前記突起の螺旋状の配列方向が管軸直角方向に対してなす角度θは0°より大きく19°以下であることを特徴とする吸収器用伝熱管。
  3. 管軸平行断面における前記突起の配列ピッチPFが1.15乃至2.54mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の吸収器用伝熱管。
  4. 管軸直角断面における前記突起の配列ピッチPR(直線距離)が0.60乃至1.50mmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の吸収器用伝熱管。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2015141532A1 (ja) * 2014-03-18 2015-09-24 株式会社神戸製鋼所 チタン溶接管、及びチタン溶接管の製造方法
JP2017089813A (ja) * 2015-11-13 2017-05-25 日新製鋼株式会社 制振性を有する鋼管及び鋼管の固有振動数の変更方法
JP2018048789A (ja) * 2016-09-23 2018-03-29 大同メタル工業株式会社 熱交換体

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