JP2004301314A - 転がり軸受 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】転がり軸受を、外周部に軌道面が形成された内輪と、内周部に軌道面が形成された外輪と、内輪の軌道面と外輪の軌道面との間に組み込まれる複数の転動体と、前記複数の転動体相互の間隔を保持する環状の保持器とを有して構成され、外輪の内周面部または内輪の外周面部に保持器の外周面または内周面と接触する案内面を有し、保持器は転動体をそれぞれ保持器の周方向から挟んで対向するように形成されたポケット面を有し、保持器を外輪または内輪に対し偏心させてこの保持器の外周面または内周面を案内面の一部に接触させかつこの外輪と内輪とを軸心回りに相互に回転させたときに、保持器の変位方向と直交する方向に位置する転動体がこの転動体に対して変位方向と反対側のポケット面に接触する構成とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、転がり軸受に関し、特に、例えばジャイロ、工作機械の主軸スピンドル、モータ、人工衛星用フライホイール、計測器用等に用いられる転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
内輪の外周面と外輪の内周面とにそれぞれ形成された軌道面の間隔に、玉やころ等の転動体列を組み込み、各転動体相互の間の間隔を保つ保持器を備えた転がり軸受が知られている。
【0003】
このような保持器が、軸受の回転に伴って内外輪間で自転する際に、保持器を案内する方法として、転動体の転動面と、保持器に転動体を収容するために形成された穴部であるポケットの内面とを当接させ、転動体によって保持器を案内することが知られている。このような方式は、ポケット案内方式と称される。この場合、保持器の外周面外径と、この外周面に対向する外輪の内周面内径との間隔、もしくは保持器の内周面内径とこの内周面に対向する内輪の外周面外径との間隔が最も小さくなる部位のすきまよりも、軸受の周方向における転動体の転動面と、この転動面に対向する保持器のポケット内面とのすきまを小さく設定する。
【0004】
また、保持器の外周面の一部を外輪の内周に形成された案内面もしくは保持器の内周面の一部と内輪の外周に形成された案内面に接触、摺動させて案内し、これによって保持器を位置決めすることが知られている。このような方式は、軌道輪案内方式と称される。この場合、軸受の周方向における転動体の転動面と、この転動面に対向する保持器のポケット内面とのすきまよりも、保持器の外周面と、この外周面に対向する外輪の案内面もしくは保持器の内周面とこの内周面に対向する内輪の案内面とのすきまを小さく設定する。このような軌道輪案内方式によれば、ポケット案内方式に比べ、回転時に保持器が振動しにくいため、高速運転により適する特徴がある。(例えば、非特許文献1を参照。)
【特許文献1】
「ころがり軸受実用ハンドブック」J.ブレンドライン等著 吉武立雄訳 工業調査会刊 1996年8月1日初版第1刷発行(195ページ等)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば自己補給潤滑、グリース潤滑、固体潤滑またはオイルエア等の潤滑方式を用いる場合のように、保持器と外輪または内輪の案内面との摺動面部や、転動体と保持器のポケット内面との摺動面部における摩擦係数が大きくなりやすい条件下では、上述したいずれの方式を用いてもこれらの摩擦に起因する振動が発生しやすい。すなわち、このような摺動面部においては、自己補給潤滑等の微量給油の場合、油膜厚さが小さく、部分的に固体接触が生ずることから、摩擦係数が大きくなってしまう。
【0006】
そして、軌道輪案内方式の場合には、上述した摩擦係数が大きくなると、保持器と外輪または内輪の軌道面との間の摩擦力によって、転動体の回転方向と逆方向に保持器を転がそうとするモーメントが発生し、これによって保持器が外輪または内輪の案内面に沿ってころがり運動を開始する場合がある。
【0007】
一方、ポケット案内方式の場合には、保持器が軸受の中心軸に対して偏心する方向に対して直交する径方向上付近に位置する転動体の表面と、この表面と接するポケット面との摩擦力が、保持器を旋回させるように作用し、その結果保持器にエネルギーを供給して自励振動を誘起してしまう。
【0008】
なお、上述した2種類の振動は典型的なものであり、実際の保持器の振動のメカニズムはさらに複雑であるが、従来は振動の発生を低減するために、試行錯誤のうえで経験的に設計仕様を決定するか、または摩擦係数を低減するために潤滑方法を変更することによって対策していた。例えば、潤滑油の補給間隔を短縮する、あるいは連続給油法に変えることにより油膜形成を容易にするか、または潤滑油の粘度を低くするといった対策を施していた。
【0009】
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、転がり軸受の振動を設計仕様的に低減することにある。
【0010】
【課題を解決する手段】
本発明は、外周部に軌道面が形成された内輪と、内周部に軌道面が形成された外輪と、内輪の軌道面と外輪の軌道面との間に組み込まれる複数の転動体と、複数の転動体相互間の間隔を保持する環状の保持器とを有して構成され、外輪の内周面部に保持器の外周面と対向する案内面を有し、保持器は転動体をそれぞれ該保持器の周方向から挟んで対向するように形成されたポケット面を有し、保持器を外輪に対し偏心させて保持器の外周面を案内面の一部に接触させかつ外輪と内輪とを軸心回りに相互に回転させたときに、保持器の変位方向と直交する方向に位置する転動体が転動体に対して変位方向と反対側のポケット面に接触するように構成されてなる転がり軸受によって上述した課題を解決する。
【0011】
本発明によれば、保持器が偏心する変位をして案内面と接触したときに、保持器の外周面と外輪の軌道面との間に生ずる摩擦力と、変位方向と直交する径方向上にある転動体と保持器のポケット面との間に生ずる摩擦力とが反対向きとなり、相殺されるから、これらの摩擦力に起因する転がり軸受の振動を、設計仕様的に低減することができる。
【0012】
また、案内面の内径と案内面に接触する外周面部の外径との差をΔcとし、対向するポケット面間の間隔と転動体の直径との差をΔpとしたときに、Δc/Δpが0.8ないし1.1であるようにしてもよい。
【0013】
また、案内面の内径と保持器の案内面に接触する外周面部の外径との差または対向するポケット面間の間隔と転動体の直径との差の少なくとも一方を、案内面の直径に対して0.0005ないし0.05に設定してもよい。
【0014】
また、内輪の外周面部に保持器の内周面と対向する案内面を有し、保持器を内輪に対し偏心させて保持器の内周面を案内面の一部に接触させかつ外輪と内輪とを軸心回りに相互に回転させたときに、保持器の変位方向と直交する方向に位置する転動体が転動体に対して変位方向と反対側のポケット面に接触するように構成してもよい。
【0015】
また、案内面の外径と保持器の案内面に接触する内周面部の内径との差をΔcとし、対向するポケット面間の間隔と転動体の直径をΔpとしたときに、Δc/Δpが0.8ないし1.1であるようにしてもよい。
【0016】
また、案内面の外径と保持器の案内面に接触する内周面部の内径との差または対向するポケット面間の間隔と転動体の直径との差の少なくとも一方を、案内面の直径に対して0.0005ないし0.05に設定してもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用してなる転がり軸受の一実施形態について説明する。図1は、本実施形態の転がり軸受を、径方向に切って見た状態を示す要部断面図である。図1に示すように、本実施形態の転がり軸受は、いわゆる単列のアンギュラ玉軸受である。この軸受は、外周部に軌道面が形成された内輪1と、内周部に軌道面が形成された外輪3と、内輪1と外輪3の軌道面間に組み込まれる転動体である複数の玉5と、玉5相互間の間隔を保持する環状の保持器7とを有して構成されている。以下、詳細に説明する。
【0018】
図1に示すように、内輪1は、ほぼ矩形の断面を有するリング状に形成されている。そして、内輪1の外周面の軸方向において中央部には、その周方向にわたって延在する溝状の軌道面9が形成されている。軌道面9は、玉5の表面に適合して形成された円弧状の溝断面を有する。そして、軌道面9を軸方向に挟んだ一方はいわゆるカウンターボアとなっている。すなわち、溝深さは他方に比べて浅く設定され、また、軌道面9の縁から内輪1の端部にかけては、徐々に径が小さくなるようにテーパ状に形成されている。一方、軌道面9のカウンターボア側と反対側においては、軌道面9の縁から内輪1の端部までは、同一の径に形成されている。また、内輪1の内周面は、軸方向にわたってほぼ一定の内径に形成され、この内径は、支持対象である軸の外径に応じて設定される。なお、この軸受の接触角は例えば20°である。
【0019】
一方、外輪3は、いわゆる単列深溝玉軸受における外輪と同様の形状を有する。すなわち、外輪3はほぼ矩形の断面を有するリング状に形成されて内輪1とほぼ同心に配置され、その内周面の軸方向において中央部には、その周方向にわたって延在する溝状の軌道面11が形成されている。軌道面11の溝断面形状は、玉5の表面に適合して形成された円弧状となっている。そして、軌道面11の両側の縁から、それぞれ隣接する外輪3の端部までにかけては、外輪3の内径はほぼ一定に形成されている。なお、この内周面は、保持器7の外周面と接触し、摺動する案内面となっている。また、外輪3の外径は、全長にわたって、ほぼ同一の外径に形成されている。この外径は、軸受を収容するハウジングの寸法に応じて設定される。なお、内輪1と外輪3とは、軸方向の長さがほぼ等しく、また、両端面をほぼそろえて配置されている。
【0020】
また、保持器7は、矩形断面を有するリング状に形成されている。この保持器7は、内輪1の外周面と外輪3の内周面との間に挟まれて配置され、内輪1および外輪3とほぼ同心に配置されている。保持器7の軸方向長さは内輪1および外輪3よりも短く、その結果、保持器7は、軸受の両端部において、内輪1および外輪3の端面から奥まっている。そして、保持器7の内周面から外周面まで貫通し、その内部に玉5を収容するポケット13が形成されている。ポケット13は、保持器7の周上にわたって、玉5の個数に応じて複数形成され、これによって各玉5列の周方向における間隔を規制している。また、ポケット13は保持器7をその径方向外側からみたときに円形に形成されている。
【0021】
ここで、外輪3の内周の案内面部の内径(直径)と、保持器7の外径(直径)との差を、案内すきま(Δc)と称することにする。換言すれば、案内すきまは、保持器7が外輪3内においてラジアル方向に変位し得るがたの大きさということができる。また、1つの玉5を保持器7の周方向から挟んで対向する一対のポケット面の間隔と、玉5の直径との差を、ポケットすきま(Δp)と称することにする。換言すれば、ポケットすきまは、玉5が保持器7のポケット内において保持器7の周方向に変位し得るがたの大きさということができる。
【0022】
ここで、上述した構成の転がり軸受において、案内すきまおよびポケットすきまを変化させた複数の軸受を用い、振動発生の有無を評価した試験結果を図2に示す。図2は、横軸に案内すきまΔc、縦軸にポケットすきまΔpをそれぞれとり、各供試軸受について、振動発生の有無とともにプロットしたグラフである。なお、試験に用いた軸受の諸元および実験条件は以下の通りである。
【0023】
図2において、振動が発生しなかった軸受に係るデータを丸印(○)で示し、振動が発生した軸受に係るデータをバツ印(×)で示している。そして、図2に示すように、案内すきまΔcに対するポケットすきまΔpの比が、式1の関係を満たす範囲内において振動が発生しなかった。
1.1≧Δc/Δp≧0.8
【式1】
【0024】
そこで、本実施形態の軸受においては、上述した式1を満たす範囲にΔcおよびΔpを設定したことを特徴とする。ここで、このような範囲において、振動の発生が抑制される理由については、次のように考えられる。なお、以下の説明においては、簡単のため、保持器は完全剛体で変形しないものとみなしている。先ず、図3は、本実施形態の転がり軸受における保持器と外輪の案内面との接触状態および、この接触面に作用する力の状態を示す模式図である。図3においては、保持器7の中心Ocは、外輪3の中心Oに対し、上方に偏心した状態を示している。そして、この状態で内輪を図3に向かって時計回りに回転させた場合、保持器7も時計回りに自転させる、保持器7の外輪3の案内面との接触部には、両者間の摩擦力Fが回転方向の反対側、図3における左側に向けて作用する。
【0025】
また、図4は、本実施形態の転がり軸受における保持器と玉との接触状態およびこの接触面に作用する力の状態を示す模式図である。図4においては、図3の場合と同様に、保持器7を、外輪3に対して上方に偏心させるとともに、内輪を時計回りに自転させた場合を示している。図4に示すように、保持器7の変位方向O→Ocと直行する径方向に存在する玉5(5a、5b)は、これらの玉に対し変位方向と反対側、つまり図中下側のポケット面と接触する。そして、玉の自転によって、玉5の表面とポケット面との間に摩擦力が発生する。ここで、玉5a、5bに接触するポケット面に作用する摩擦力は、それぞれF1、F2であり、これらの作用する方向はいずれも図中右向き、つまり、上述したFと反対向きである。
【0026】
このように、本実施形態においては、Δc/Δpを0.8ないし1.1に設定しているから、保持器7が偏心してその外周面が案内面に接触した場合には、同時にその変位方向と直交方向の玉が、変位方向とは反対側のポケット面に接触している可能性が高い。そして、保持器と案内面との間に作用する摩擦力と、保持器のポケット面と玉との間に作用する摩擦力とが相殺することによって、保持器の振動が抑えられているものと考えられる。なお、仮に理想的にポケットを保持器の周方向に等間隔に形成できるとすると、Δc/Δpは1が最も好ましく、上述した範囲の中央値も1になるはずであるが、現実にはポケットを周方向等間隔に工作することは困難であり、この加工誤差を考慮すると、中央値は上述したように1よりも下回ることとなる。
【0027】
以上のように、本実施形態によれば、保持器と外輪の案内面との間、および保持器のポケット面と玉との間に作用する摩擦力起因の振動を設計仕様的に低減することができる。これによって、油膜が薄くなって部分的に固体接触が生じ、摩擦係数が高くなりがちな、例えば自己補給潤滑、グリース潤滑、固体潤滑およびオイルエア潤滑等の場合であっても、上述した摩擦力起因の振動を低減することができる。
【0028】
また、上述した実施形態は、外輪の内径面で保持器を案内する外輪案内となっているが、本発明はこれに限定されず、内輪の外径面で保持器を案内する内輪案内に適用することもできる。また、上述した実施形態は、外輪固定の内輪回転となっているが、内輪固定の外輪回転に適用することもできる。
【0029】
なお、上述した実施形態は、単列の玉軸受に係るものであるが、本発明はこれに限定されず、複列の玉軸受や、単列あるいは複列のころ軸受に適用することもできる。
【0030】
また、上述した実施形態においては、保持器はフェノール樹脂のものを用いているが、これに限らず、他の樹脂製保持器や、金属製保持器を用いることもできる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、転がり軸受の振動を設計仕様的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなる転がり軸受の一実施形態を径方向に切って見た状態を示す要部断面図である。
【図2】転がり軸受の案内すきまおよびポケットすきまを変化させながら振動の発生の有無を評価した試験結果を示すグラフである。
【図3】図1の転がり軸受における保持器と外輪の案内面との接触状態およびこの接触面に作用する力の状態を示す模式図である。
【図4】図1の転がり軸受における保持器と玉との接触状態およびこの接触面に作用する力の状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1 内輪
3 外輪
5 玉
7 保持器
9 軌道面
11 軌道面
13 ポケット
Claims (6)
- 外周部に軌道面が形成された内輪と、内周部に軌道面が形成された外輪と、前記内輪の軌道面と前記外輪の軌道面との間に組み込まれる複数の転動体と、前記複数の転動体相互間の間隔を保持する環状の保持器とを有して構成され、前記外輪の内周面部に前記保持器の外周面と対向する案内面を有し、前記保持器は前記転動体をそれぞれ該保持器の周方向から挟んで対向するように形成されたポケット面を有し、前記保持器を前記外輪に対し偏心させて該保持器の外周面を前記案内面の一部に接触させかつ該外輪と該内輪とを軸心回りに相互に回転させたときに、前記保持器の変位方向と直交する方向に位置する転動体が該転動体に対して前記変位方向と反対側のポケット面に接触するように構成されてなる転がり軸受。
- 外周部に軌道面が形成された内輪と、内周部に軌道面が形成された外輪と、前記内輪の軌道面と前記外輪の軌道面との間に組み込まれる複数の転動体と、前記複数の転動体相互間の間隔を保持する環状の保持器とを有して構成され、前記内輪の外周面部に前記保持器の内周面と対向する案内面を有し、前記保持器は前記転動体をそれぞれ該保持器の周方向から挟んで対向するように形成されたポケット面を有し、前記保持器を前記内輪に対し偏心させて該保持器の内周面を前記案内面の一部に接触させかつ該外輪と該内輪とを軸心回りに相互に回転させたときに、前記保持器の変位方向と直交する方向に位置する転動体が該転動体に対して前記変位方向と反対側のポケット面に接触するように構成されてなる転がり軸受。
- 外周部に軌道面が形成された内輪と、内周部に軌道面が形成された外輪と、前記内輪の軌道面と前記外輪との軌道面との間に組み込まれる複数の転動体と、前記複数の転動体相互間の間隔を保持する環状の保持器とを有して構成され、前記外輪の内周面部に前記保持器の外周面と対向する案内面を有し、前記保持器は前記転動体をそれぞれ該保持器の周方向から挟んで対向するように形成されたポケット面を有し、前記案内面の内径と前記保持器の該案内面に接触する外周面部の外径との差をΔcとし、前記対向するポケット面間の間隔と前記転動体の直径との差をΔpとしたときに、Δc/Δpが0.8ないし1.1であることを特徴とする転がり軸受。
- 前記案内面の内径と前記保持器の該案内面に接触する外周面部の外径との差または前記対向するポケット面間の間隔と前記転動体の直径との差の少なくとも一方を、前記案内面の直径に対して0.0005ないし0.05に設定したことを特徴とする請求項3に記載の転がり軸受。
- 外周部に軌道面が形成された内輪と、内周部に軌道面が形成された外輪と、前記内輪の軌道面と前記外輪との軌道面との間に組み込まれる複数の転動体と、前記複数の転動体相互間の間隔を保持する環状の保持器とを有して構成され、前記内輪の外周面部に前記保持器の内周面と対向する案内面を有し、前記保持器は前記転動体をそれぞれ該保持器の周方向から挟んで対向するように形成されたポケット面を有し、前記案内面の外径と前記保持器の該案内面に接触する内周面部の内径との差をΔcとし、前記対向するポケット面間の間隔と前記転動体の直径をΔpとしたときに、Δc/Δpが0.8ないし1.1であることを特徴とする転がり軸受。
- 前記案内面の外径と前記保持器の該案内面に接触する内周面部の内径との差または前記対向するポケット面間の間隔と前記転動体の直径との差の少なくとも一方を、前記案内面の直径に対して0.0005ないし0.05に設定したことを特徴とする請求項5に記載の転がり軸受。
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