JP2004296539A - 半導体レーザ素子及び半導体光集積素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】安定した光を発することができる半導体レーザ素子及び半導体光集積素子を提供すること。
【解決手段】本発明による半導体レーザ素子10は、主面111を有し第1導電型の半導体基板110を備え、第1導電型の半導体層121、第2導電型の半導体層123及び活性層122を有しており半導体基板の主面上に設けられた半導体部120を備え、主面上及び半導体部上に設けられた強誘電体膜を備え、強誘電体膜上に設けられ半導体部と電気的に接続された電極を備える。このように電極と半導体基板との間に強誘電体膜を備えていることから、活性層にキャリアを安定して注入することができる。また、本発明による半導体光集積素子600は、第1導電型の半導体基板610の半導体レーザ素子領域610A上に上記半導体レーザ素子と同様の構成を備えている。
【選択図】 図3
【解決手段】本発明による半導体レーザ素子10は、主面111を有し第1導電型の半導体基板110を備え、第1導電型の半導体層121、第2導電型の半導体層123及び活性層122を有しており半導体基板の主面上に設けられた半導体部120を備え、主面上及び半導体部上に設けられた強誘電体膜を備え、強誘電体膜上に設けられ半導体部と電気的に接続された電極を備える。このように電極と半導体基板との間に強誘電体膜を備えていることから、活性層にキャリアを安定して注入することができる。また、本発明による半導体光集積素子600は、第1導電型の半導体基板610の半導体レーザ素子領域610A上に上記半導体レーザ素子と同様の構成を備えている。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体レーザ素子及び半導体光集積素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光通信システムでは、高速変調された信号光が用いられる。そして、その信号光の光源として半導体レーザ素子が用いられる。光通信システムでは、信号光は、半導体レーザ素子に直流定電流源から直流電流を供給して半導体レーザ素子から発せられる光を電界吸収(Elecetroabsorption :EA)変調素子により変調することで得られる。そのため、半導体レーザ素子とEA変調素子とを同一基板上に集積した半導体光集積素子が光通信システムで用いられる場合もある。
【0003】
ところで、半導体レーザ素子から発せられる光のパワーは、半導体レーザ素子に注入される電流値に依存する。従って、半導体レーザ素子周囲のノイズにより、半導体レーザ素子と直流定電流源とを接続している配線などを介して電磁誘導が生じ半導体レーザ素子への注入電流の値が変動すると、それに伴って光のパワーが変動する場合があった。特に、半導体光集積素子では、半導体レーザ素子とEA変調素子とが同一基板上に集積して形成されているので、EA変調素子を駆動する場合の電気信号が基板を介して半導体レーザ素子への注入電流の値に変動が生じていた。
【0004】
EA変調素子を駆動する電気信号が基板を介して半導体レーザ素子の注入電流に生じる変動を抑制する手法として、半導体光集積素子の外部に半導体レーザ素子と並列にコンデンサを接続する手法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平07−074420号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、半導体光集積素子の外部に並列にコンデンサを接続する手法では、EA変調素子を駆動する電気信号の基板を介した影響の除去を目的としたものであった。そのため、半導体レーザ素子の周囲のノイズに起因して生じていた電磁誘導による影響は除去できていなかった。したがって、半導体レーザ素子から発せられる光のパワーが変動することがあった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、安定した光を発することができる半導体レーザ素子及び半導体光集積素子を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の係る半導体レーザ素子は、(a)主面を有し第1導電型の半導体基板を備え、(b)第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記半導体基板の前記主面上に設けられた半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、(c)前記主面上及び前記半導体部上に設けられた強誘電体膜を備え、(d)前記強誘電体膜上に設けられ、前記半導体部と電気的に接続された電極を備える.
【0009】
上述した構成の半導体レーザ素子は、半導体基板及び電極の間に強誘電体膜を有している。強誘電体膜の誘電率は大きいので、半導体基板と強誘電体膜と電極とは電気容量の大きなコンデンサを構成する。即ち、半導体レーザ素子は、コンデンサを含んで構成されている。従って、半導体レーザ素子に印加される順バイアス電圧が変動した場合でも、半導体基板と強誘電体膜と電極とで構成されるコンデンサにより安定化される。したがって、ノイズに起因する電磁誘導の影響を低減することができる。上述したようにコンデンサが半導体レーザ素子に集積されているので、外部にコンデンサを配置する場合のようにコンデンサと半導体レーザ素子とをボンディングワイヤ等で接続する必要がない。そのため、半導体レーザ素子に集積されたコンデンサにより半導体レーザ素子に供給される電流が、ノイズに起因する電磁誘導の影響で変動することを効率的に低減することができる。
【0010】
また、本発明の係る半導体レーザ素子は、(a)主面を有し第1導電型の半導体基板を備え、(b)第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記半導体基板の前記主面上に設けられた半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、(c)第1導電型の半導体層及び第2導電型の半導体層を有しており、前記半導体部の側方であって前記主面上に設けられたブロック層部を備え、前記ブロック層部において、前記主面上に順に前記第2導電型の半導体層及び前記第1導電型の半導体層が設けられており、(d)前記第半導体部上及び前記ブロック層部上に設けられた強誘電体膜を備え、(e)コンタクト部と、前記コンタクト部に電気的に接続されたパッド部とを有しており、前記強誘電体膜上に設けられた電極を備え、前記コンタクト部が前記半導体部と電気的に接続されており、前記パッド部が前記ブロック層部上の前記強誘電体膜上に配置されている。
【0011】
上記構成の半導体レーザ素子では、パッド部と半導体基板との間に強誘電体膜、及び、ブロック層部の第1導電型の半導体層と第2導電型の半導体層とによるpn接合が配置されている。これは、パッド部と半導体基板との間に2つのコンデンサが直列に配置されていることに相当する。強誘電体膜を設けているので、パッド部と半導体基板との間に直列に配置されたコンデンサの合成電気容量においてpn接合の電気容量の寄与を大きくなっている。
【0012】
なお、上記各半導体レーザ素子における強誘電体膜としては、チタン酸ビスマス、タンタル酸ビスマスストロンチウム、チタン酸ジルコン酸鉛のうちの何れかから構成されたものとすれば良い。
【0013】
また、本発明に係る半導体レーザ素子は、(a)主面を有し第1導電型の半導体基板を備え、(b)第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記半導体基板の前記主面上に設けられた半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、(c)酸化タンタル、酸化チタン及びチタン酸バリウムのうちの少なくとも1つからなり、前記主面上及び前記半導体部上に設けられた膜を備え、(d)前記膜上に設けられ、前記半導体部に電気的に接続された電極を備える。
【0014】
この場合、酸化タンタル、酸化チタン、チタン酸バリウムの誘電率は大きいので、それらのうちの少なくとも1つからなる膜と、パッド部と、半導体基板とは電気容量の大きなコンデンサを構成する。そのため、強誘電体膜を有する半導体レーザ素子の場合と同様に、半導体レーザ素子に供給される電流が、ノイズに起因する電磁誘導の影響で変動することを効率的に低減することができる。
【0015】
更に、本発明に係る半導体レーザ素子は、(a)主面を有し第1導電型の半導体基板を備え、(b)第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記半導体基板の前記主面上に設けられた半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられており、(c)第1導電型の半導体層及び第2導電型の半導体層を有しており、前記半導体部の側方であって前記主面上に設けられたブロック層部を備え、前記ブロック層部において、前記半導体基板上に順に前記第2導電型の半導体層及び前記第1導電型の半導体層が設けられており、(d)酸化タンタル、酸化チタン及びチタン酸バリウムのうちの少なくとも何れか1つからなり、前記ブロック層部上及び前記半導体部上に設けられた膜を備え、(e)コンタクト部と、前記コンタクト部に電気的に接続されたパッド部とを有しており、前記膜上に設けられた電極を備え、前記コンタクト部が前記半導体部と電気的に接続されており、前記パッド部が前記ブロック層部上の前記膜上に配置されている。
【0016】
この場合、パッド部と半導体基板との間には、酸化タンタル、酸化チタン、チタン酸バリウムのうちの少なくとも1つからなる膜と、ブロック層部の第1導電型の半導体層及び第2導電型の半導体層によるpn接合とが配置されている。これは、パッド部と半導体基板との間に2つのコンデンサが直列に配置されていることに相当する。そして、上記膜を設けたことで、その2つのコンデンサの合成電気容量におけるpn接合によるコンデンサの電気容量の寄与が大きくなっている。
【0017】
更にまた、本発明に係る半導体レーザ素子は、(a)主面を有し第1導電型の半導体基板を備え、(b)第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記半導体基板の前記主面上に設けられた半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、(c)前記主面上及び前記半導体部上に設けられた第1絶縁体膜を備え、(d)前記第1絶縁体膜上に設けられ、前記半導体部と電気的に接続された電極を備え、(e)前記主面上に位置するキャパシタ部を備え、前記キャパシタ部は、1つ又は複数の第1導電体、1つ又は複数の第2導電体、及び1つ又は複数の第2絶縁体膜を有しており、前記キャパシタ部において、前記第1導電体及び前記第2導電体が交互に設けられ、前記第2絶縁体膜が前記第1導電体と前記第2導電体との間に設けられ、前記第1導電体及び前記第2導電体のうちの一方が前記半導体基板と電気的に接続され、他方が前記電極と電気的に接続されている。
【0018】
この場合、キャパシタ部の第2絶縁体膜と第1導電体と第2導電体とはコンデンサを構成している。キャパシタ部は半導体レーザ素子に集積されているので、半導体レーザ素子が強誘電体膜を有している場合と同様に、半導体レーザ素子に注入される電流がノイズにより変動することを効率的に抑制することができる。
【0019】
また、本発明に係る半導体光集積素子は、(a)主面を有し第1導電型の半導体基板を備え、前記半導体基板が、前記主面上に半導体レーザ素子領域及び光変調素子領域を有し、(b)第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記半導体レーザ素子領域上に設けられた第1半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、(c)第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記光変調素子領域上に設けられた第2半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、前記第1半導体部の前記活性層と光学的に結合しており、(d)前記主面上、前記第1半導体部上及び前記第2半導体部上に設けられた強誘電体膜を備え、(e)前記半導体レーザ素子領域上に位置する前記強誘電体膜上に設けられ、前記第1半導体部と電気的に接続された電極を備える。
【0020】
この場合、半導体レーザ素子領域上における電極と、強誘電体膜と、半導体基板とが電気容量の大きなコンデンサを構成する。これにより、半導体レーザ素子領域上の活性層にキャリアが安定して供給されるので、活性層が安定した光を出力することができる。特に、上記コンデンサは、光変調素子領域上の活性層に印加される電気信号の影響を低減することができる。
【0021】
本発明に係る半導体光集積素子は、(a)主面を有し第1導電型の半導体基板を備え、前記半導体基板が、前記主面上に半導体レーザ素子領域及び光変調素子領域を有し、(b)第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記半導体レーザ素子領域上に設けられた第1半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、(c)第1導電型の半導体層及び第2導電型の半導体層を有しており、前記第1半導体部の側方であって前記半導体レーザ素子領域上に設けられた第1ブロック層部を備え、前記第1ブロック層部において、前記半導体レーザ素子領域上に順に前記第2導電型の半導体層及び前記第1導電型の半導体層が設けられており、(d)第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記光変調素子領域上に設けられた第2半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、前記第1半導体部の前記活性層と光学的に結合しており、(e)第1導電型の半導体層及び第2導電型の半導体層を有しており、前記第2半導体部の側方であって前記光変調素子領域上に設けられた第2ブロック層部を備え、前記第2ブロック層部において、前記光変調素子領域上に順に前記第2導電型の半導体層及び前記第1導電型の半導体層が設けられており、(f)前記第1半導体部上、前記第1ブロック層部上、前記第2半導体部上及び前記第2ブロック層部上に設けられた強誘電体膜を備え、(g)コンタクト部と、前記コンタクト部に電気的に接続されたパッド部とを有しており、前記半導体レーザ素子領域上に位置する電極を備え、前記コンタクト部が、前記第1半導体部と電気的に接続され、前記パッド部が前記第1ブロック層部上の前記強誘電体膜上に配置されている。
【0022】
この場合、半導体レーザ素子領域上のパッド部と半導体基板との間には、強誘電体膜と、第1ブロック層部の第1導電型の半導体層及び第2導電型の半導体層とによるpn接合が配置されている。これは、電極と半導体基板との間に2つのコンデンサが直列に配置されていることに相当する。そして、上記構成の半導体光集積素子では強誘電体膜を設けたことにより、その2つのコンデンサの合成電気容量において、上記pn接合によるコンデンサの電気容量の寄与を大きくすることができる。
【0023】
上述した本発明に係る半導体光集積素子における強誘電体膜は、チタン酸ビスマス、タンタル酸ビスマスストロンチウム、チタン酸ジルコン酸鉛のうちの何れかから形成すれば良い。
【0024】
更に、本発明に係る半導体光集積素子は、(a)主面を有し第1導電型の半導体基板を備え、前記半導体基板が、前記主面上に半導体レーザ素子領域及び光変調素子領域を有し、(b)第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記半導体レーザ素子領域上に設けられた第1半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、(c)第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記光変調素子領域上に設けられた第2半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、前記第1半導体部の前記活性層と光学的に結合しており、(d)酸化タンタル、酸化チタン及びチタン酸バリウムのうちの少なくとも何れか1つからなり、前記主面上、前記第1半導体部上及び前記第2半導体部上に設けられた膜を備え、(e)前記半導体レーザ素子領域上に位置する前記膜上に設けられ、前記第1半導体部と電気的に接続された電極を備える。
【0025】
この場合にも、半導体レーザ素子領域上に設けられた、酸化タンタル、酸化チタン及びチタン酸バリウムのうちの少なくとも何れか1つからなる膜と電極と半導体基板とにより電気容量の大きなコンデンサが構成される。そのため、半導体レーザ素子領域の活性層にキャリアを安定して供給することができる。したがって、半導体レーザ素子領域の活性層が安定した光を発することができる。
【0026】
更にまた、本発明に係る半導体光集積素子は、(a)主面を有し第1導電型の半導体基板を備え、前記半導体基板が、前記主面上に半導体レーザ素子領域及び光変調素子領域を有し、(b)第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記半導体レーザ素子領域上に設けられた第1半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、(c)第1導電型の半導体層及び第2導電型の半導体層を有しており、前記第1半導体部の側方であって前記半導体レーザ素子領域上に設けられた第1ブロック層部を備え、前記第1ブロック層部において、前記半導体レーザ素子領域上に順に前記第2導電型の半導体層及び前記第1導電型の半導体層が設けられており、(d)第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記光変調素子領域上に設けられた第2半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられており、前記第1半導体部の前記活性層と光学的に結合しており、(e)第1導電型の半導体層及び第2導電型の半導体層を有しており、前記第2半導体部の側方であって前記光変調素子領域上に設けられた第2ブロック層部を備え、前記第2ブロック層部において、前記光変調素子領域上に順に前記第2導電型の半導体層及び前記第1導電型の半導体層が交互に設けられており、(f)酸化タンタル、酸化チタン及びチタン酸バリウムのうちの少なくとも何れか1つからなり、前記第1半導体部上、前記第1ブロック層部上、前記第2半導体部上及び前記第2ブロック層部上に設けられた膜を備え、(g)コンタクト部と、前記コンタクト部に電気的に接続されたパッド部とを有しており、前記半導体レーザ素子領域上に位置する電極を備え、前記コンタクト部が前記第1半導体部と電気的に接続され、前記パッド部が前記第1ブロック層部上の前記膜上に配置されている。
【0027】
この場合も、パッド部と半導体基板との間には、酸化タンタル、酸化チタン及びチタン酸バリウムのうちの少なくとも何れか1つからなる膜と第1ブロック層部の第1導電型の半導体層及び第2導電型の半導体層によるpn接合とが配置されている。これは、パッド部と半導体基板との間に2つのコンデンサが直列に配置されていることに相当する。そして、上記膜が配置されていることから、その合成電気容量における上述したpn接合によるコンデンサの電気容量の寄与を大きくなっている。
【0028】
更に、本発明に係る半導体光集積素子は、(a)主面を有し第1導電型の半導体基板を備え、前記半導体基板が、前記主面上に半導体レーザ素子領域及び光変調素子領域を有し、(b)第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記半導体レーザ素子領域上に設けられた第1半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、(c)第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記光変調素子領域上に設けられた第2半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、前記第1半導体部の前記活性層と光学的に結合しており、(d)前記主面上、前記第1半導体部上及び前記第2半導体部上に設けられた第1絶縁体膜を備え、(e)前記半導体レーザ素子領域上の前記1絶縁体膜上に設けられ、前記第1半導体部と電気的に接続された電極を備え、(f)前記半導体レーザ素子領域上に位置するキャパシタ部を備え、前記キャパシタ部は、1つ又は複数の第1導電体、1つ又は複数の第2導電体、及び1つ又は複数の第2絶縁体膜を有しており、前記キャパシタ部において、前記第1導電体及び前記第2導電体が交互に設けられ、前記第2絶縁体膜が前記第1導電体と前記第2導電体との間に設けられ、前記第1導電体及び前記第2導電体のうちの一方が前記半導体基板と電気的に接続され、他方が前記電極と電気的に接続されている。
【0029】
この場合、キャパシタ部の第2絶縁体膜と第1導電体と第2導電体とがコンデンサを構成しているので、半導体レーザ素子領域上の活性層に安定してキャリアが注入される。そのため、その活性層が安定した光を出力することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。なお、図示の便宜上、図面の寸法比率は説明のものと必ずしも一致しない。
【0031】
(第1の実施形態)
図1を参照して本実施形態の半導体レーザ素子の使用態様について説明する。図1は、本実施形態の半導体レーザ素子10を適用したレーザモジュール1の一例の概略構成を示す平面図である。
【0032】
レーザモジュール1は、半導体レーザ素子10を備える。半導体レーザ素子10は、配線基板20a上に配置されている。半導体レーザ素子10は、レーザモジュール1のハウジング30の外部に設けられた直流電流源40と信号ライン50a,配線基板20b及びボンディングワイヤ60aを介して接続されている。より詳細に説明すれば、直流電流源40からの信号ライン50aが配線基板20bに接続され、配線基板20bと半導体レーザ素子10の上面とがボンディングワイヤ60aで接続されている。直流電流源40から半導体レーザ素子10に順バイアス電圧が印加されると半導体レーザ素子10が光を発する。
【0033】
配線基板20a上には、所定の軸αの方向に半導体レーザ素子10と光変調素子70が配置されている。半導体レーザ素子10の出射面と、光変調素子70の入射面とは光学的に結合されている。光変調素子70は、ハウジング30の外部に設けられた変調素子駆動源80により駆動される。変調素子駆動源80と光変調素子70とは、信号ライン50b、配線基板20c,20d及びボンディングワイヤ60b,60cを介して接続されている。より詳細に説明すれば、変調素子駆動源80と配線基板20cとが信号ライン50bで接続されており、配線基板20cと配線基板20dがボンディングワイヤ60bで接続されている。そして、配線基板20dと光変調素子70の上面とがボンディングワイヤ60cで接続されている。変調素子駆動源80から印加される電気信号に応じて光変調素子70が光を吸収して光を変調する。そして、半導体レーザ素子10から出力された光は、光変調素子70で変調されて光ファイバ90に入射される。
【0034】
図2は本実施形態に係る半導体レーザ素子10の斜視図である。図3は図2の半導体レーザ素子10のI−I線に沿った断面図である。
【0035】
図2に示すように、半導体レーザ素子10は、n型(第1導電型)の半導体基板110、半導体部120、強誘電体膜130、電極140及び電極150を備える。
【0036】
半導体基板110は、例えば、SnドープInPからなる基板である。半導体基板110は、面(主面)111を有する。半導体基板110において、面111と反対の面112に電極140が設けられている。半導体基板110は、図3を参照すると、面111上において所定の軸αの方向(即ち、紙面に垂直な方向)と直交する方向に第1領域I、第2領域II及び第3領域IIIを有する。第2領域IIは、第3領域IIIと第1領域IIとの間に位置する。
【0037】
半導体部120は、半導体基板110の第2領域II上に設けられている。半導体部120は、n型クラッド層(第1導電型の半導体層)121、活性層122、p型クラッド層(第2導電型の半導体層)123、p型クラッド層124及びコンタクト層125を備えている。
【0038】
n型クラッド層121は半導体基板110の面111上に設けられている。n型クラッド層121は、例えば、SiドープInPからなる。n型クラッド層121上には活性層122が設けられている。活性層122は、例えば、GaInAsPからなり、量子井戸構造をしている。なお、活性層122は単一半導体層でも良い。活性層122上には、p型クラッド層123が設けられている。p型クラッド層123は、例えば、ZnドープInPからなる。更に、p型クラッド層123上にp型クラッド層124が設けられている。p型クラッド層124は、例えば、p型クラッド層123と同様のZnドープInPからなる。コンタクト層125はp型クラッド層124上に設けられ、例えば、ZnドープGaInAsからなる。
【0039】
活性層122は,n型クラッド層121及びp型クラッド層123からキャリアが注入された場合に光を発する。また、活性層122の屈折率はn型クラッド層121及びp型クラッド層123よりも高くなっており、活性層122は光導波路としても機能する。n型クラッド層121と活性層122とp型クラッド層123とはメサ構造体126を形成している。
【0040】
メサ構造体126の側方には、夫々半絶縁層127が設けられている。言い換えれば、メサ構造体126は半絶縁層127に埋め込まれている。半絶縁層127は、例えば、FeドープInPからなる。半絶縁層127は活性層122にキャリアを導くように機能する。
【0041】
強誘電体膜130は、半導体基板110上であって第3領域III上及び半導体部120上に設けられている。強誘電体膜130は、チタン酸ビスマス(BIT)、タンタル酸ビスマスストロンチウム(SBT)及びチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)のうちの何れか1つから形成されていることが好適である。また、強誘電体膜130の厚さは、例えば、200nmである。強誘電体膜130は、例えば、スパッタにより形成される。強誘電体膜130は電極接続孔131を有する。電極接続孔131は、メサ構造体126上に位置しており、強誘電体膜130上面からコンタクト層125上まで延びている。
【0042】
電極150は強誘電体膜130上に設けられている。電極150は、例えば、半導体基板110側から順にTi、Pt及びAuが積層された多層金属電極である。Ti、Pt及びAuの夫々の膜厚は、例えば、夫々20nm、20nm、500nmである。電極150は、コンタクト部151、配線部152及びパッド部153から構成される。
【0043】
コンタクト部151は、コンタクト層125上において所定の軸αの方向に延設されている。コンタクト部151は電極接続孔131を通して半導体部120と電気的に接続されている。配線部152はコンタクト部151とパッド部153とを接続している。パッド部153には、図1におけるボンディングワイヤ60aが接続される。パッド部153の形状は特に限定されないが、例えば、図2から理解されるように略長方形である。パッド部153の面積は、例えば、100μm×200μmである。
【0044】
図3を参照すると、パッド部153の下に位置する強誘電体膜130は、パッド部153と、半導体基板110の面111との間にある。したがって、半導体基板110とパッド部153と強誘電体膜130とはコンデンサを構成する。なお、以下、説明の便宜のため、強誘電体膜130を構成要素とするコンデンサをコンデンサC130と称す。強誘電体膜130が厚さ200nmのPZTで構成されており、パッド部153の面積が100μm×200μmの場合、コンデンサC130の電気容量は4nFである。
【0045】
上記半導体レーザ素子10の構成において、半導体レーザ素子10の電極140は、図1の配線基板20aと接する。また、図1のボンディングワイヤ60aはパッド部153に接続される。そして、直流電流源40により順バイアス電圧を半導体レーザ素子10に印加すると半導体レーザ素子10は発光する。
【0046】
上述したようにパッド部153と、強誘電体膜130と、半導体基板110とはコンデンサとして機能するので、パッド部153から半導体基板110へ直流電流は実質的に流れにくい。
【0047】
ところで、図1に示すように半導体レーザ素子10は光変調素子70と同一配線基板20a上に集積されている。一方、光変調素子70には、光を変調するために電気信号が印加されており、光変調素子70の電極の電位は電気信号に応じて変化する。したがって、電気信号による変動が、配線基板20aを介して半導体レーザ素子10に印加されている順バイアス電圧に影響を及ぼす場合がある。また、半導体レーザ素子10にはボンディングワイヤ60aが接続されている。そのため、半導体レーザ素子10の電極150の電位は、アンテナとして機能するボンディングワイヤ60aからのノイズによる電磁誘導により変動する場合がある。
【0048】
以上のことを換言すれば、直流電流源40から半導体レーザ素子10は、順バイアス電圧に加えて配線基板20aやボンディングワイヤ60aを介した電磁誘導による高周波成分を受けている。
【0049】
本実施形態の半導体レーザ素子10では、半導体レーザ素子10の層構造の一部である強誘電体膜130とパッド部153と半導体基板110とがコンデンサC130として機能しており、半導体レーザ素子10とコンデンサC130とが集積されている。したがって、半導体レーザ素子10の電極140,150が受けている高周波成分は、コンデンサC130により安定化される。そのため、メサ構造体126には直流電流が供給され、半導体レーザ素子10は光を安定に出力することができる。
【0050】
特に、半導体レーザ素子10とコンデンサC130とが集積されているので、半導体レーザ素子10の外部にコンデンサを設けた場合に必要な半導体レーザ素子10とコンデンサとを接続するボンディングワイヤを必要としない。そのため、半導体レーザ素子10では、コンデンサC130により効率的に直流電流の変動を抑制することができる。更に、外部にコンデンサを設ける場合に比べて部品点数が減少し、製造コストを削減することが可能である。また、強誘電体膜130を用いているので比較的大きな電気容量を半導体レーザ素子10と同様の大きさで得ることができる。
【0051】
なお、本実施形態において強誘電体膜130の上に更に絶縁体膜(例えば、厚さ10nmのSiO2膜)を設け、その絶縁体膜上に電極150を設けることも好適である。
【0052】
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る半導体レーザ素子について説明する。図4は、第2の実施形態に係る半導体レーザ素子200の構成を示す斜視図である。なお、半導体レーザ素子200を適用したレーザモジュールは、図1において、半導体レーザ素子10を半導体レーザ素子200に代えたレーザモジュールに相当する。
【0053】
図4を参照すると、半導体レーザ素子200は、第1の実施形態における半導体レーザ素子10の強誘電体膜130の代わりに酸化タンタル、酸化チタン及びチタン酸バリウムのうちの少なくとも1つからなる膜230を用いている。その他の構成は第1の実施形態の場合と同じである。膜230の厚さとしては、例えば、200nmである。
【0054】
酸化タンタル、酸化チタン及びチタン酸バリウムの誘電率は他の常誘電体(例えば、SiO2など)に比較して大きい。そのため、膜230も半導体基板110とパッド部153と共に電気容量の大きいコンデンサとして機能する。以下、膜230を構成要素とするコンデンサをコンデンサC230と称す。
【0055】
半導体レーザ素子200の層構造を構成している半導体基板110、膜230及びパッド部153が電気容量の大きなコンデンサC230として機能することの効果は第1の実施形態の場合と同様である。
【0056】
また、本実施形態において膜230の上に更に絶縁体膜(例えば、厚さ10nmのSiO2膜)を設け、その絶縁体膜上に電極150を設けることも好適である。
【0057】
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係る半導体レーザ素子について説明する。図5は、本実施形態に係る半導体レーザ素子300の斜視図である。図6は、II−II線に沿う図5の半導体レーザ素子300の断面図である。なお、本実施形態の半導体レーザ素子300を適用したレーザモジュールは、図1の半導体レーザ素子10を半導体レーザ素子300に代えたレーザモジュールに相当する。
【0058】
図6に示すように、半導体レーザ素子300と半導体レーザ素子10とは、半導体レーザ素子10の半絶縁層127を電流ブロック部327に代えた点で相違する。また、これらは、半導体基板110の第1領域Iと強誘電体膜130との間及び第3領域IIIと強誘電体膜130との間に夫々ブロック層部320a,320bが設けられている点で相違する。
【0059】
電流ブロック部327は、メサ構造体126の側方に配置されている。言い換えれば、メサ構造体126は電流ブロック部327に埋め込まれているといえる。電流ブロック部327は、p型の第1半導体層327aとn型の第2半導体層372bとを有する。第1半導体層327aは半導体基板110の面111上に設けられている。第1半導体層327aは、例えば、ZnドープInPからなる。第2半導体層327bは第1半導体層327a上に設けられている。第2半導体層327bは、例えば、SiドープInPからなる。半導体レーザ素子300に順バイアス電圧が印加された場合、第1半導体層327a及び第2半導体層327bには逆バイアス電圧がかかる。そのため、第1半導体層327a及び第2半導体層327bには実質的に電流が流れにくい。したがって、電流ブロック部327は、活性層122にキャリアを導くように機能する。
【0060】
ブロック層部320a,320bは、夫々電流ブロック部327と同様のp型の第1半導体層(第2導電型の半導体層)327a、n型の第2半導体層(第1導電型の半導体層)327bを備え、また、半導体部120と同様のp型クラッド層124及びコンタクト層125を備える。
【0061】
また、電極150のパッド部153は、ブロック層部320b上に位置する強誘電体膜130上に配置されている。
【0062】
上記構成の半導体レーザ素子300では、パッド部153と、強誘電体膜130と、コンタクト層125とがコンデンサC130として機能する。
【0063】
また、半導体レーザ素子300に順バイアス電圧が印加されると、ブロック層部320bの第1半導体層327a及び第2半導体層327bとによるpn接合に逆バイアス電圧がかかる。そのため、第1半導体層327a及び第2半導体層327bとによるpn接合はコンデンサC327として機能する。第1半導体層327a、第2半導体層327bのドーピング濃度は、それぞれ
n=2×1018cm−3、p=1×1018cm−3
である。その界面には、厚さ約50nmの空乏層が生じ、この時のコンデンサC327の電気容量は約40pFである。
【0064】
以上のことから、パッド部153の下には、コンデンサC130と、コンデンサC327とが直列に配置されているといえる。2つのコンデンサが直列に配置されており、そのうちの一方の電気容量が小さい場合、直列に配置された2つのコンデンサの合成電気容量はより小さい方の電気容量に近似される。
【0065】
本実施形態の場合、コンデンサC327の電気容量がコンデンサC130の電気容量よりも小さい。そのため、コンデンサC130と、コンデンサC327との合成電気容量はコンデンサC327の電気容量に近似される。
【0066】
ところで、従来、半導体レーザ素子では、パッド部153の下には強誘電体膜130の代わりにSiO2などの絶縁体膜が用いられていた。この絶縁体膜もパッド部153とコンタクト層125と共にコンデンサを構成するが、その電気容量はコンデンサC327の電気容量よりも小さい。そのため、絶縁体膜を用いた場合の合成電気容量は絶縁体膜を構成要素とするコンデンサの電気容量に近似されていた。
【0067】
これに対して本実施形態の半導体レーザ素子300では、強誘電体膜130を用いたことにより、従来の半導体レーザ素子よりも大きな電気容量を得ることが可能となっている。また、半導体レーザ素子300にコンデンサが集積されていることの効果は、第1の実施形態の場合と同様である。なお、本実施形態において強誘電体膜130の上に更に絶縁体膜(例えば、厚さ10nmのSiO2膜)を設け、その絶縁体膜上に電極150を設けることも好適である。
【0068】
(第4の実施形態)
第4の実施形態に係る半導体レーザ素子について説明する。図7は、第4の実施形態に係る半導体レーザ素子400の斜視図である。半導体レーザ素子400は、第3の実施形態に係る半導体レーザ素子300における強誘電体膜130を第2の実施形態の膜230に代えたものに相当する。その他の構成は半導体レーザ素子300と同じである。なお、半導体レーザ素子400を適用したレーザモジュールは、図1における半導体レーザ素子10を半導体レーザ素子400に代えたレーザモジュールに相当する。
【0069】
第2の実施形態において記載したように、パッド部153と膜230と半導体基板110とで構成されるコンデンサの電気容量も大きいことから、半導体レーザ素子400は、第3の実施形態の半導体レーザ素子300と同様の効果を奏する。なお、膜230上に更に絶縁体膜(例えば、厚さ10nmのSiO2膜)を設け、その絶縁体膜上に電極150を設けることも好適である。
【0070】
(第5の実施形態)
第5の実施形態に係る半導体レーザ素子について説明する。図8は、第5の実施形態に係る半導体レーザ素子500の斜視図である。図9は、図8の半導体レーザ素子500のIII−III線に沿った断面図である。また、半導体レーザ素子500を用いたレーザモジュールは、図1において、半導体レーザ素子10を半導体レーザ素子500に代えたレーザモジュールに相当する。
【0071】
図9を参照すると、半導体レーザ素子500は、強誘電体膜130に代えて第1絶縁体膜540を備える点で半導体レーザ素子10と相違する。また、半導体レーザ素子500は、第3領域III上にオーミック接触部560が設けられている点で半導体レーザ素子10と相違する。更に、半導体レーザ素子500は、パッド部153及び第1絶縁体膜540上にキャパシタ部570が設けられている点で半導体レーザ素子10と相違する。以下、相違点について説明する。
【0072】
第1絶縁体膜540は、例えば、SiO2から構成される。第1絶縁体膜540の厚さは、例えば、50nmである。
【0073】
オーミック接触部560は、例えば、AuGeからなる。オーミック接触部560の厚さは、例えば、100nmである。オーミック接触部560の面積は、パッド部153よりも大きい。
【0074】
キャパシタ部570は、第1導電体571、第2導電体572及び第2絶縁体膜573a,573bを備える。第1導電体571及び第2導電体572は、半導体基板110側から、例えば、TiとAuとが積層されたものである。第1導電体571におけるTi及びAuの厚さとしては、例えば、夫々20nm、500nmである。第2導電体572におけるTi及びAuの厚さは、例えば、夫々20nm、100nmである。また、第2絶縁体膜573a,573bは、例えば、SiO2からなる。第2絶縁体膜573a,573bの厚さは、例えば、夫々50nmである。
【0075】
キャパシタ部570において、パッド部153側から順に第2絶縁体膜573a、第2導電体572、第2絶縁体膜573b及び第1導電体571が積層されている。言い換えれば、第1導電体571と第2導電体572とが第2絶縁体膜573bを挟んで設けられている。そして、パッド部153と第2導電体572とは第2絶縁体膜573aにより絶縁されている。また、第1導電体571と第2導電体572とは第2絶縁体膜573aにより絶縁されている。
【0076】
また、パット部153上の第2絶縁体膜573a,573bには、第2絶縁体膜573b上面からパッド部153上まで延びているバイアホール574aが形成されている。バイアホール574aには、第1導電体571と同様の材料が充填されている。これにより、第1導電体571とパッド部153とが電気的に接続されている。更に、オーミック接触部560上の第1絶縁体膜540及び第2絶縁体膜573aには、第2絶縁体膜573aの上面からオーミック接触部560上面まで延びているバイアホール574bが形成されている。バイアホール574bには、第2導電体572と同様の材料が充填されている。これにより第2導電体572とオーミック接触部560とが電気的に接続されている。
【0077】
上記キャパシタ部570において、オーミック接触部560と、パッド部153と、その間の第1絶縁体膜540とはコンデンサを構成する。このコンデンサをC540と称す。また、バイアホール574a,574b間の第2絶縁体膜573aは、パッド部153と第2導電体572と共にコンデンサを構成する。このコンデンサをコンデンサC573aと称す。更に、バイアホール574aから第2導電体572側であって、第2導電体572と第1導電体571とに挟まれている第2絶縁体膜573bはコンデンサを構成する。このコンデンサをコンデンサC573bと称す。
【0078】
ところで、上述した構成によれば、第1導電体571は電極150と同電位である。また、第2導電体572は半導体基板110と同電位である。したがって、キャパシタ部570を設けたことで第3領域III上に3つのコンデンサC540,C573a、C573bを並列に配置しているといえる。
【0079】
なお、第3領域III上の構造は、例えば、以下のようにして作製できる。先ず、面111の第3領域IIIにオーミック接触部560を形成する。次に、第1絶縁体膜540をスパッタにより形成し、その後、電極150を形成する。続いて、第2絶縁体膜573aをスパッタにより形成して、更に、バイアホール574bを形成する。その後、第2導電体572を形成する。更に、第2絶縁体膜573bをスパッタにより形成した後にバイアホール574aを形成する。続いて第1導電体571を形成することで第3領域III上の構造を得る。
【0080】
図1において、ボンディングワイヤ60aは第1導電体571に接続される。直流電流源40により順バイアス電圧を半導体レーザ素子500に印加すると半導体レーザ素子500は発光する。順バイアス電圧が印加された場合、キャパシタ部570はコンデンサとして機能することから、第1の実施形態と同様にして半導体レーザ素子400は安定して発光することができる。
【0081】
キャパシタ部570を設けたことで形成されるコンデンサは、3つのコンデンサC540,C573a,C573bが並列されたものに相当する。そして、その合成電気容量は、コンデンサC540,C573a,C573bの電気容量の総和である。そして、第1導電体571及びパッド部153が接触している面積、又は、オーミック接触部560及び第2導電体572とが接触している面積に依存する。したがって、キャパシタ部570を設けたことによるコンデンサは大きな電気容量を得ることが可能である。
【0082】
なお、本実施形態では、第1導電体571及び第2導電体572は夫々1つであるが、特に1つに限らない。複数の第1導電体及び複数の第2導電体を用いても良い。この場合には、複数の第1導電体及び複数の第2導電体を交互に設けて、第1導電体と第2導電体とを第2絶縁体膜で絶縁する一方、第1導電体を互いに接続し、第2導電体を互いに接続すればよい。これにより所望の電気容量を得ることができる。また、第1導電体とオーミック接触部とを電気的に接続し、第2導電体とパッド部とを接続しても良い。この場合、第1導電体とパッド部とを絶縁し、第2導電体とオーミック接触部とを絶縁し、更に、第2導電体に図1におけるボンディングワイヤ60cを接続すればよい。
【0083】
(第6の実施形態)
図10は、本実施形態に係る半導体光集積素子600を用いた使用態様を示す図である。図10は、図1において、半導体レーザ素子10及び光変調素子70を半導体光集積素子600に代えたものである。半導体光集積素子600は、半導体レーザ素子の機能を有する半導体レーザ素子部600Aと、光変調素子の機能を有する光変調素子部600Bとを有する。図10において、直流電流源40からのボンディングワイヤ60aは、半導体レーザ素子部600Aの上面に接続される。また、光変調素子部600Bからのボンディングワイヤ60cは、光変調素子部600Bの上面に接続される。
【0084】
図11は、本実施形態に係る半導体光集積素子600を示す斜視図である。図11に示すように半導体光集積素子600は、半導体基板610を備える。図12に半導体基板610の斜視図を示す。半導体基板610は、第1の実施形態に係る半導体レーザ素子10の半導体基板110に相当するものであり、n型の半導体からなる。半導体基板610は面(主面)611を有する。面611は、所定の軸αの方向に半導体レーザ素子領域610A及び光変調素子領域610Bを有する。また、半導体レーザ素子領域610Aは、所定の軸αに直交する方向に第1A領域IA、第2A領域IIA及び第3A領域IIIAを有する。更に、光変調素子領域610Bは、所定の軸αに直交する方向に第1B領域IB、第2B領域IIB及び第3B領域IIIBを有する。図10を参照すると、半導体基板610の面611と反対の面612には、第1の実施形態と同様の電極140が設けられている。
【0085】
半導体レーザ素子部600Aは、半導体光集積素子600における半導体レーザ素子領域610A上に設けられている。また、光変調素子部600Bは、半導体光集積素子600における光変調素子領域610B上に設けられている。
【0086】
図11及び図13を参照して、半導体レーザ素子部600Aについて説明する。図13は、図11の半導体光集積素子600のIV−IV線に沿った断面図である。半導体レーザ素子部600Aは、第1の実施形態の半導体レーザ素子10に相当する。図13を参照すると、半導体レーザ素子部600Aは、第2A領域IIA上に設けられた第1半導体部620Aを有する。第1半導体部620Aの構成は、第1の実施形態の半導体レーザ素子10における半導体部120の構成と同じである。なお、本実施形態において、所定の軸αの方向の電極接続孔131の長さ及びコンタクト部151の長さは、半導体レーザ素子部600Aの長さよりも短い。
【0087】
次に、図11及び図14を参照して光変調素子部600Bについて説明する。図14は、図11の半導体光集積素子600のV−V線に沿った断面図である。光変調素子部600Bは、第2半導体部620B、強誘電体膜630及び電極650を有する。
【0088】
図14を参照すると、第2半導体部620Bは第2B領域IIBに設けられている。第2半導体部620Bは、n型クラッド層621、活性層622、p型クラッド層623、p型クラッド層624及びコンタクト層625を備えている。これらの配置関係は、半導体レーザ素子部600Aの第1半導体部620Aのn型クラッド層121、活性層122、p型クラッド層123、p型クラッド層124及びコンタクト層125と同様である。
【0089】
n型クラッド層621、活性層622,p型クラッド層623、p型クラッド層624及びコンタクト層625は、例えば、夫々SiドープInP、GaInAsP,ZnドープInP、ZnドープInP、ZnドープGaInAsからなる。なお、活性層622は、量子井戸構造をしているが、単一半導体層でも良い。
【0090】
活性層622の屈折率は、n型クラッド層621及びp型クラッド層623の屈折率よりも高くなっており、活性層622は光導波路としても機能する。活性層622は第1半導体部620Aの活性層122と光学的に接合されている。活性層622は、n型クラッド層621及びp型クラッド層623に電気信号が印加された場合に光を吸収する。
【0091】
n型クラッド層621と、活性層622と、p型クラッド層623とはメサ構造体626を構成している。メサ構造体626の側方には半絶縁層627が設けられている。言い換えれば、メサ構造体626は、半絶縁層627に埋め込まれている。半絶縁層627は、例えば、FeドープInPからなる。
【0092】
強誘電体膜630は強誘電体膜130に相当する。強誘電体膜630は強誘電体膜130と連続している。強誘電体膜630は、半導体基板610の第1B領域IB上、第3B領域IIIB上及び第2半導体部620B上に設けられている。強誘電体膜630は電極接続孔631を有する。電極接続孔631は、メサ構造体626上に位置しており、強誘電体膜630の上面からコンタクト層625まで延びている。所定の軸αの方向の電極接続孔631の長さは、光変調素子部600Bの長さよりも短い。これにより、電極接続孔631と電極接続孔131とは切断されている。
【0093】
電極650は強誘電体膜630上に設けられている。電極650は、半導体基板610側から順にTi、Pt及びAuが積層された多層金属電極である。Ti、Pt及びAuの夫々の膜厚は、例えば、夫々20nm、20nm、500nmである。図11を参照すると、電極650は、コンタクト部651、配線部652及びパッド部653から構成される。
【0094】
コンタクト部651は、コンタクト層625上において所定の軸αの方向に延設されている。コンタクト部651は、電極接続孔631を通して第2半導体部620Bと電気的に接続されている。コンタクト部651の所定の軸αの方向の長さは、光変調素子部600Bの長さよりも短くなっており、半導体レーザ素子部600Aのコンタクト部151と切断されている。配線部652は、コンタクト部651とパッド部653とを接続している。パッド部653には、図10におけるボンディングワイヤ60cが接続される。パッド部653の形状は特に限定されないが、例えば、略円形とすれば良い。図14を参照すると、パッド部653と強誘電体膜630との間には絶縁体膜660が挟まれている。絶縁体膜660は、強誘電体膜630の誘電率よりも低誘電率の材料から構成される。低誘電率の材料としては、例えば、ポリイミドである。絶縁体膜660の厚さは、例えば、2μmである。パッド部653と強誘電体膜630との間に絶縁体膜660が挟まれているので、パッド部653と、絶縁体膜660と、強誘電体膜630と、半導体基板610とで構成されるコンデンサC660の電気容量は絶縁体膜660が設けられない場合の電気容量に比較して小さくなる。そのため、パッド部653に印加される電気信号を効率的に第2半導体部620Bの活性層622に印加することができる。
【0095】
上記構成の半導体光集積素子600の電極140は、図10における配線基板20aと接する。そして、ボンディングワイヤ60aがパッド部153に接続される。直流電流源40から半導体レーザ素子部600Aに順バイアス電圧が印加されると半導体レーザ素子部600Aは光を発する。
【0096】
また、ボンディングワイヤ60cがパッド部653に接続される。変調素子駆動源80から逆バイアス電圧の電気信号が印加されると、光変調素子部600Bは半導体レーザ素子部600Aが発した光を吸収する。
【0097】
ところで、半導体レーザ素子部600Aと光変調素子部600Bとは、同一の半導体基板610上に設けられている。そのため、光変調素子部600Bに印加される電気信号により半導体基板610の電位が変動する。
【0098】
本実施形態の半導体光集積素子600において、半導体レーザ素子部600Aの強誘電体膜130及びパッド部153と、半導体基板610とがコンデンサC130を構成している。したがって、半導体基板110の電位は安定する。そのため、半導体レーザ素子部600Aの活性層122は、光変調素子部600Bと同一の半導体基板610上に設けられていても安定した光を発することができる。なお、パッド部153にアンテナとして機能するボンディングワイヤ60aが接続されていることで生じる順バイアス電圧の変動がコンデンサC130で安定化されることは第1の実施形態の場合と同様である。
【0099】
また、コンデンサC130が半導体光集積素子600に集積されている効果も第1の実施形態の場合と同じである。なお、本実施形態において強誘電体膜130,630の上に更に絶縁体膜(例えば、厚さ10nmのSiO2膜)を設け、その絶縁体膜上に電極150,絶縁体膜660及び電極650を夫々設けることも好適である。
【0100】
(第7の実施形態)
第7の実施形態に係る半導体光集積素子について説明する。図15は、本実施形態に係る半導体光集積素子700の斜視図である。また、半導体光集積素子700を適用したレーザモジュールは、図10において半導体光集積素子600を半導体光集積素子700に代えたレーザモジュールに相当する。
【0101】
図15を参照すると、半導体光集積素子700は、第6の実施形態に係る半導体光集積素子600において、強誘電体膜130,630に代えて,第2の実施形態における半導体レーザ素子200が備える、酸化タンタル、酸化チタン及びチタン酸バリウムのうちの少なくとも1つからなる膜230を夫々用いたものである。
【0102】
酸化タンタル、酸化チタン及びチタン酸バリウム夫々が、SiO2などの誘電体よりも誘電率の大きな誘電体であることから、パッド部153と膜230と半導体基板610とは電気容量の大きなコンデンサとして機能する。
【0103】
また、膜230以外の構成は第6の実施形態の半導体光集積素子600と同じであることから、半導体光集積素子700が奏する効果も半導体光集積素子600が奏する効果と同じである。
【0104】
なお、本実施形態において膜230の上に更に絶縁体膜(例えば、厚さ10nmのSiO2膜)を設け、その絶縁体膜上に電極150,絶縁体膜660及び電極650を夫々設けることも好適である。
【0105】
(第8の実施形態)
図16〜図18を参照して本実施形態に係る半導体光集積素子について説明する。図16は、本実施形態に係る半導体光集積素子800の斜視図である。なお、半導体光集積素子800を適用したレーザモジュールは、図10において、半導体光集積素子600を半導体光集積素子800に代えたレーザモジュールに相当する。図16を参照すると、半導体光集積素子800は、半導体レーザ素子部800Aと光変調素子部800Bとを有する。半導体光集積素子800は、第6の実施形態の半導体光集積素子600と同様に半導体基板610及び電極140を備えている。
【0106】
半導体レーザ素子部800Aは、半導体光集積素子800における半導体レーザ素子領域610A上に設けられている。また、光変調素子部800Bは、半導体光集積素子800における光変調素子領域610B上に設けられている。
【0107】
図17は、図16における半導体レーザ素子部800AのVI−VIに沿った断面図である。半導体レーザ素子部800Aは、第2A領域IIA上に第1半導体部620Aを備える。本実施形態の第1半導体部620Aの構成は、第3の実施形態における半導体部120の構成と同じである。即ち、メサ構造体126の側方に電流ブロック部327を備える。半導体レーザ素子部800Aにおいて、第1A領域IA及び第3A領域IIIA上には、第3の実施形態の場合と同じ構成の第1ブロック層部820Aa,820Abを夫々備えている。
【0108】
図18は、図16における光変調素子部800BのVII−VII線に沿った断面図である。光変調素子部800Bと、第6の実施形態における光変調素子部600Bとは、第2半導体部620Bの半絶縁層627を電流ブロック部827に代えた点で相違する。また、半導体基板610の第1B領域IBと強誘電体膜630との間、及び、第3B領域IIIBと強誘電体膜630との間に夫々第2ブロック層部820Ba,820Bbを設けた点で相違する。
【0109】
電流ブロック部827の構成は、半導体レーザ素子部800Aの電流ブロック部327と同じ構成である。また、第2ブロック層部820Ba,820Bbの構成は、半導体レーザ素子部800Aの第1ブロック層部820Aa,820Abの構成と同様である。光変調素子部800Bには、逆バイアス電圧が印加されるので、第2ブロック層部820Ba,820Bbにおいて、第2半導体層827bとp型クラッド層624とによるpn接合がコンデンサとして機能する。
【0110】
上記構成の半導体光集積素子800において、半導体レーザ素子部800Aが強誘電体膜630を備えていることの効果は、第3の実施形態の半導体レーザ素子300が奏する効果と同様である。
【0111】
なお、本実施形態において強誘電体膜130,630の上に更に絶縁体膜(例えば、厚さ10nmのSiO2膜)を設け、その絶縁体膜上に電極150、絶縁体膜660及び電極650を夫々設けることも好適である。
【0112】
(第9の実施形態)
第9の実施形態に係る半導体光集積素子について説明する。図19は、本実施形態に係る半導体光集積素子900の斜視図である。なお、半導体光集積素子900を適用したレーザモジュールは、図10において、半導体光集積素子600を半導体光集積素子900に代えたレーザモジュールに相当する。図19を参照すると、半導体光集積素子900は、第8の実施形態における半導体光集積素子800における強誘電体膜130,630を夫々第7の実施形態における半導体光集積素子700の膜230に代えたものである。その他の構成は、第8の実施形態の半導体光集積素子800と同じである。
【0113】
パッド部153と、膜230と、半導体基板610とが大きな電気容量を有したコンデンサを構成することに関する効果は、第7の実施形態と同様である。
【0114】
なお、本実施形態において強誘電体膜130,630の上に更に絶縁体膜(例えば、厚さ10nmのSiO2膜)を設け、その絶縁体膜上に電極150、絶縁体膜660及び電極650を夫々設けることも好適である。
【0115】
(第10の実施形態)
図20及び図21を参照して本実施形態に係る半導体光集積素子について説明する。図20は、本実施形態に係る半導体光集積素子1000の斜視図である。図20に示すように本実施形態の半導体光集積素子1000は、半導体レーザ素子部1000A及び光変調素子部1000Bを有する。また、半導体光集積素子1000は、第6の実施形態と同様の半導体基板610及び電極140を備える。図21は、半導体光集積素子1000のVIII−VIIIに沿った断面図である。なお、半導体光集積素子1000を適用したレーザモジュールは、図10において、半導体光集積素子600を半導体光集積素子1000に代えたレーザモジュールに相当する。
【0116】
図21を参照すると、半導体レーザ素子部1000Aは、第6の実施形態における半導体レーザ素子部600Aの構成を、第1の実施形態における半導体レーザ素子10の構成から第5の実施形態における半導体レーザ素子500の構成に代えたものである。即ち、半導体レーザ素子部1000Aは、半導体レーザ素子部600Aの強誘電体膜630の代わりに第1絶縁体膜540を備える。また、半導体レーザ素子部100Aは、第3A領域IIIAにおける第1絶縁体膜540と半導体基板610との間にオーミック接触部560備える。更に、半導体レーザ素子部1000Aは、第3A領域IIIA上にキャパシタ部570を備える。なお、第3A領域IIIA上の構造は、例えば、第5の実施形態の場合と同様にして作製される。
【0117】
光変調素子部1000Bの構成は、図20に示すように第6の実施形態における光変調素子部600Bにおいて、強誘電体膜630を第1絶縁体膜840に代えた点以外は光変調素子部600Bと同様の構成である。第1絶縁体膜840は、例えば、SiO2からなる。また、第1絶縁体膜840の厚さは、例えば、50nmである。なお、第6の実施形態の場合と同様に第1絶縁体膜830と半導体レーザ素子部1000Aの第1絶縁体膜540とは連続している。
【0118】
半導体レーザ素子部1000Aの構成が第5の実施形態の半導体レーザ素子500の構成と同じであることから、半導体レーザ素子部1000Aが奏する効果は、第5の実施形態の半導体レーザ素子500と同様の効果を奏する。即ち、半導体レーザ素子部800Bのキャパシタ部570とオーミック接触部560とがコンデンサとして機能する。そのため、半導体レーザ素子部800Aと光変調素子1000Bとが同一の半導体基板610上に設けられていても、半導体レーザ素子部1000Aの活性層122が光を安定して出力することが可能である。また、半導体レーザ素子部1000Aにコンデンサが集積されていることの効果も、第6の実施形態の場合と同様である。更に、第5の実施形態の説明で記載したようにキャパシタ部570とオーミック接触部560とは、コンデンサC540,C573a,C573bを並列に配置したものに相当するので、大きな電気容量を得ることができる。
【0119】
なお、第1導電体及び第2導電体を夫々複数用いても良い点、及び、第1導電体をオーミック接触部に接続し、第2導電体をパッド部に接続しても良い点は、第5の実施形態の場合と同様である。
【0120】
上記、第1〜第10の実施形態において、第1導電型をn型とし、第2導電型をp型としているが、反対にしても良い。
【0121】
【発明の効果】
本発明によれば、ノイズによる電磁誘導の影響を低減することができるので、半導体レーザ素子の活性層及び半導体光集積素子における第1半導体部の活性層が夫々安定した光を発することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体レーザ素子の一実施形態の使用態様を示す平面図である。
【図2】第1の実施形態の半導体レーザ素子の斜視図である。
【図3】図2の半導体レーザ素子のI−I線に沿った断面図である。
【図4】第2の実施形態に係る半導体レーザ素子の斜視図である。
【図5】第3の実施形態に係る半導体レーザ素子の斜視図である。
【図6】図5の半導体レーザ素子のII−II線に沿った断面図である。
【図7】第4の実施形態に係る半導体レーザ素子の斜視図である。
【図8】第5の実施形態に係る半導体レーザ素子の斜視図である。
【図9】図8の半導体レーザ素子のIII−III線に沿った断面図である。
【図10】第6の実施形態に係る半導体光集積素子の使用態様を示す平面図である。
【図11】第6の実施形態に係る半導体光集積素子の斜視図である。
【図12】図11の半導体光集積素子が備える半導体基板の斜視図である。
【図13】図11の半導体光集積素子のIV−IV線沿った断面図である。
【図14】図11の半導体光集積素子のV−V線に沿った断面図である。
【図15】第7の実施形態に係る半導体光集積素子の斜視図である。
【図16】第8の実施形態に係る半導体光集積素子の斜視図である。
【図17】図16の半導体光集積素子のVI−VI線に沿った断面図である。
【図18】図16の半導体光集積素子のVII−VII線に沿った断面図である。
【図19】第9の実施形態に係る半導体光集積素子の斜視図である。
【図20】第10の実施形態に係る半導体光集積素子の斜視図である。
【図21】図20の半導体光集積素子のVIII−VIII線に沿った断面図である。
【符号の説明】
10,200,300,400,500…半導体レーザ素子、110…半導体基板、120…半導体部、121…n型クラッド層(第1導電型の半導体層)、122…活性層、123…p型クラッド層(第2導電型の半導体層)、124…p型クラッド層、130…強誘電体膜、140,150…電極、230…膜、320a,320b…ブロック層部、327…電流ブロック部、327a…p型の第1半導体層(第2導電型の半導体層)、327b…n型の第2半導体層(第1導電型の半導体層)、540…第1絶縁体膜、560…オーミック接触部、570…キャパシタ部、571…第1導電体、572…第2導電体、573a,573b…第2絶縁体膜、600,700,800,900,1000…半導体光変調素子、610…半導体基板、610A…半導体レーザ素子領域、610B…光変調素子領域、620A,820A…第1半導体部、620B,820B…第2半導体部、820Ab,820Bb…ブロック層部、621…n型クラッド層、622…活性層、623,624…p型クラッド層、630…強誘電体膜、650…電極
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体レーザ素子及び半導体光集積素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光通信システムでは、高速変調された信号光が用いられる。そして、その信号光の光源として半導体レーザ素子が用いられる。光通信システムでは、信号光は、半導体レーザ素子に直流定電流源から直流電流を供給して半導体レーザ素子から発せられる光を電界吸収(Elecetroabsorption :EA)変調素子により変調することで得られる。そのため、半導体レーザ素子とEA変調素子とを同一基板上に集積した半導体光集積素子が光通信システムで用いられる場合もある。
【0003】
ところで、半導体レーザ素子から発せられる光のパワーは、半導体レーザ素子に注入される電流値に依存する。従って、半導体レーザ素子周囲のノイズにより、半導体レーザ素子と直流定電流源とを接続している配線などを介して電磁誘導が生じ半導体レーザ素子への注入電流の値が変動すると、それに伴って光のパワーが変動する場合があった。特に、半導体光集積素子では、半導体レーザ素子とEA変調素子とが同一基板上に集積して形成されているので、EA変調素子を駆動する場合の電気信号が基板を介して半導体レーザ素子への注入電流の値に変動が生じていた。
【0004】
EA変調素子を駆動する電気信号が基板を介して半導体レーザ素子の注入電流に生じる変動を抑制する手法として、半導体光集積素子の外部に半導体レーザ素子と並列にコンデンサを接続する手法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平07−074420号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、半導体光集積素子の外部に並列にコンデンサを接続する手法では、EA変調素子を駆動する電気信号の基板を介した影響の除去を目的としたものであった。そのため、半導体レーザ素子の周囲のノイズに起因して生じていた電磁誘導による影響は除去できていなかった。したがって、半導体レーザ素子から発せられる光のパワーが変動することがあった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、安定した光を発することができる半導体レーザ素子及び半導体光集積素子を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の係る半導体レーザ素子は、(a)主面を有し第1導電型の半導体基板を備え、(b)第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記半導体基板の前記主面上に設けられた半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、(c)前記主面上及び前記半導体部上に設けられた強誘電体膜を備え、(d)前記強誘電体膜上に設けられ、前記半導体部と電気的に接続された電極を備える.
【0009】
上述した構成の半導体レーザ素子は、半導体基板及び電極の間に強誘電体膜を有している。強誘電体膜の誘電率は大きいので、半導体基板と強誘電体膜と電極とは電気容量の大きなコンデンサを構成する。即ち、半導体レーザ素子は、コンデンサを含んで構成されている。従って、半導体レーザ素子に印加される順バイアス電圧が変動した場合でも、半導体基板と強誘電体膜と電極とで構成されるコンデンサにより安定化される。したがって、ノイズに起因する電磁誘導の影響を低減することができる。上述したようにコンデンサが半導体レーザ素子に集積されているので、外部にコンデンサを配置する場合のようにコンデンサと半導体レーザ素子とをボンディングワイヤ等で接続する必要がない。そのため、半導体レーザ素子に集積されたコンデンサにより半導体レーザ素子に供給される電流が、ノイズに起因する電磁誘導の影響で変動することを効率的に低減することができる。
【0010】
また、本発明の係る半導体レーザ素子は、(a)主面を有し第1導電型の半導体基板を備え、(b)第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記半導体基板の前記主面上に設けられた半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、(c)第1導電型の半導体層及び第2導電型の半導体層を有しており、前記半導体部の側方であって前記主面上に設けられたブロック層部を備え、前記ブロック層部において、前記主面上に順に前記第2導電型の半導体層及び前記第1導電型の半導体層が設けられており、(d)前記第半導体部上及び前記ブロック層部上に設けられた強誘電体膜を備え、(e)コンタクト部と、前記コンタクト部に電気的に接続されたパッド部とを有しており、前記強誘電体膜上に設けられた電極を備え、前記コンタクト部が前記半導体部と電気的に接続されており、前記パッド部が前記ブロック層部上の前記強誘電体膜上に配置されている。
【0011】
上記構成の半導体レーザ素子では、パッド部と半導体基板との間に強誘電体膜、及び、ブロック層部の第1導電型の半導体層と第2導電型の半導体層とによるpn接合が配置されている。これは、パッド部と半導体基板との間に2つのコンデンサが直列に配置されていることに相当する。強誘電体膜を設けているので、パッド部と半導体基板との間に直列に配置されたコンデンサの合成電気容量においてpn接合の電気容量の寄与を大きくなっている。
【0012】
なお、上記各半導体レーザ素子における強誘電体膜としては、チタン酸ビスマス、タンタル酸ビスマスストロンチウム、チタン酸ジルコン酸鉛のうちの何れかから構成されたものとすれば良い。
【0013】
また、本発明に係る半導体レーザ素子は、(a)主面を有し第1導電型の半導体基板を備え、(b)第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記半導体基板の前記主面上に設けられた半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、(c)酸化タンタル、酸化チタン及びチタン酸バリウムのうちの少なくとも1つからなり、前記主面上及び前記半導体部上に設けられた膜を備え、(d)前記膜上に設けられ、前記半導体部に電気的に接続された電極を備える。
【0014】
この場合、酸化タンタル、酸化チタン、チタン酸バリウムの誘電率は大きいので、それらのうちの少なくとも1つからなる膜と、パッド部と、半導体基板とは電気容量の大きなコンデンサを構成する。そのため、強誘電体膜を有する半導体レーザ素子の場合と同様に、半導体レーザ素子に供給される電流が、ノイズに起因する電磁誘導の影響で変動することを効率的に低減することができる。
【0015】
更に、本発明に係る半導体レーザ素子は、(a)主面を有し第1導電型の半導体基板を備え、(b)第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記半導体基板の前記主面上に設けられた半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられており、(c)第1導電型の半導体層及び第2導電型の半導体層を有しており、前記半導体部の側方であって前記主面上に設けられたブロック層部を備え、前記ブロック層部において、前記半導体基板上に順に前記第2導電型の半導体層及び前記第1導電型の半導体層が設けられており、(d)酸化タンタル、酸化チタン及びチタン酸バリウムのうちの少なくとも何れか1つからなり、前記ブロック層部上及び前記半導体部上に設けられた膜を備え、(e)コンタクト部と、前記コンタクト部に電気的に接続されたパッド部とを有しており、前記膜上に設けられた電極を備え、前記コンタクト部が前記半導体部と電気的に接続されており、前記パッド部が前記ブロック層部上の前記膜上に配置されている。
【0016】
この場合、パッド部と半導体基板との間には、酸化タンタル、酸化チタン、チタン酸バリウムのうちの少なくとも1つからなる膜と、ブロック層部の第1導電型の半導体層及び第2導電型の半導体層によるpn接合とが配置されている。これは、パッド部と半導体基板との間に2つのコンデンサが直列に配置されていることに相当する。そして、上記膜を設けたことで、その2つのコンデンサの合成電気容量におけるpn接合によるコンデンサの電気容量の寄与が大きくなっている。
【0017】
更にまた、本発明に係る半導体レーザ素子は、(a)主面を有し第1導電型の半導体基板を備え、(b)第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記半導体基板の前記主面上に設けられた半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、(c)前記主面上及び前記半導体部上に設けられた第1絶縁体膜を備え、(d)前記第1絶縁体膜上に設けられ、前記半導体部と電気的に接続された電極を備え、(e)前記主面上に位置するキャパシタ部を備え、前記キャパシタ部は、1つ又は複数の第1導電体、1つ又は複数の第2導電体、及び1つ又は複数の第2絶縁体膜を有しており、前記キャパシタ部において、前記第1導電体及び前記第2導電体が交互に設けられ、前記第2絶縁体膜が前記第1導電体と前記第2導電体との間に設けられ、前記第1導電体及び前記第2導電体のうちの一方が前記半導体基板と電気的に接続され、他方が前記電極と電気的に接続されている。
【0018】
この場合、キャパシタ部の第2絶縁体膜と第1導電体と第2導電体とはコンデンサを構成している。キャパシタ部は半導体レーザ素子に集積されているので、半導体レーザ素子が強誘電体膜を有している場合と同様に、半導体レーザ素子に注入される電流がノイズにより変動することを効率的に抑制することができる。
【0019】
また、本発明に係る半導体光集積素子は、(a)主面を有し第1導電型の半導体基板を備え、前記半導体基板が、前記主面上に半導体レーザ素子領域及び光変調素子領域を有し、(b)第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記半導体レーザ素子領域上に設けられた第1半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、(c)第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記光変調素子領域上に設けられた第2半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、前記第1半導体部の前記活性層と光学的に結合しており、(d)前記主面上、前記第1半導体部上及び前記第2半導体部上に設けられた強誘電体膜を備え、(e)前記半導体レーザ素子領域上に位置する前記強誘電体膜上に設けられ、前記第1半導体部と電気的に接続された電極を備える。
【0020】
この場合、半導体レーザ素子領域上における電極と、強誘電体膜と、半導体基板とが電気容量の大きなコンデンサを構成する。これにより、半導体レーザ素子領域上の活性層にキャリアが安定して供給されるので、活性層が安定した光を出力することができる。特に、上記コンデンサは、光変調素子領域上の活性層に印加される電気信号の影響を低減することができる。
【0021】
本発明に係る半導体光集積素子は、(a)主面を有し第1導電型の半導体基板を備え、前記半導体基板が、前記主面上に半導体レーザ素子領域及び光変調素子領域を有し、(b)第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記半導体レーザ素子領域上に設けられた第1半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、(c)第1導電型の半導体層及び第2導電型の半導体層を有しており、前記第1半導体部の側方であって前記半導体レーザ素子領域上に設けられた第1ブロック層部を備え、前記第1ブロック層部において、前記半導体レーザ素子領域上に順に前記第2導電型の半導体層及び前記第1導電型の半導体層が設けられており、(d)第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記光変調素子領域上に設けられた第2半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、前記第1半導体部の前記活性層と光学的に結合しており、(e)第1導電型の半導体層及び第2導電型の半導体層を有しており、前記第2半導体部の側方であって前記光変調素子領域上に設けられた第2ブロック層部を備え、前記第2ブロック層部において、前記光変調素子領域上に順に前記第2導電型の半導体層及び前記第1導電型の半導体層が設けられており、(f)前記第1半導体部上、前記第1ブロック層部上、前記第2半導体部上及び前記第2ブロック層部上に設けられた強誘電体膜を備え、(g)コンタクト部と、前記コンタクト部に電気的に接続されたパッド部とを有しており、前記半導体レーザ素子領域上に位置する電極を備え、前記コンタクト部が、前記第1半導体部と電気的に接続され、前記パッド部が前記第1ブロック層部上の前記強誘電体膜上に配置されている。
【0022】
この場合、半導体レーザ素子領域上のパッド部と半導体基板との間には、強誘電体膜と、第1ブロック層部の第1導電型の半導体層及び第2導電型の半導体層とによるpn接合が配置されている。これは、電極と半導体基板との間に2つのコンデンサが直列に配置されていることに相当する。そして、上記構成の半導体光集積素子では強誘電体膜を設けたことにより、その2つのコンデンサの合成電気容量において、上記pn接合によるコンデンサの電気容量の寄与を大きくすることができる。
【0023】
上述した本発明に係る半導体光集積素子における強誘電体膜は、チタン酸ビスマス、タンタル酸ビスマスストロンチウム、チタン酸ジルコン酸鉛のうちの何れかから形成すれば良い。
【0024】
更に、本発明に係る半導体光集積素子は、(a)主面を有し第1導電型の半導体基板を備え、前記半導体基板が、前記主面上に半導体レーザ素子領域及び光変調素子領域を有し、(b)第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記半導体レーザ素子領域上に設けられた第1半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、(c)第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記光変調素子領域上に設けられた第2半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、前記第1半導体部の前記活性層と光学的に結合しており、(d)酸化タンタル、酸化チタン及びチタン酸バリウムのうちの少なくとも何れか1つからなり、前記主面上、前記第1半導体部上及び前記第2半導体部上に設けられた膜を備え、(e)前記半導体レーザ素子領域上に位置する前記膜上に設けられ、前記第1半導体部と電気的に接続された電極を備える。
【0025】
この場合にも、半導体レーザ素子領域上に設けられた、酸化タンタル、酸化チタン及びチタン酸バリウムのうちの少なくとも何れか1つからなる膜と電極と半導体基板とにより電気容量の大きなコンデンサが構成される。そのため、半導体レーザ素子領域の活性層にキャリアを安定して供給することができる。したがって、半導体レーザ素子領域の活性層が安定した光を発することができる。
【0026】
更にまた、本発明に係る半導体光集積素子は、(a)主面を有し第1導電型の半導体基板を備え、前記半導体基板が、前記主面上に半導体レーザ素子領域及び光変調素子領域を有し、(b)第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記半導体レーザ素子領域上に設けられた第1半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、(c)第1導電型の半導体層及び第2導電型の半導体層を有しており、前記第1半導体部の側方であって前記半導体レーザ素子領域上に設けられた第1ブロック層部を備え、前記第1ブロック層部において、前記半導体レーザ素子領域上に順に前記第2導電型の半導体層及び前記第1導電型の半導体層が設けられており、(d)第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記光変調素子領域上に設けられた第2半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられており、前記第1半導体部の前記活性層と光学的に結合しており、(e)第1導電型の半導体層及び第2導電型の半導体層を有しており、前記第2半導体部の側方であって前記光変調素子領域上に設けられた第2ブロック層部を備え、前記第2ブロック層部において、前記光変調素子領域上に順に前記第2導電型の半導体層及び前記第1導電型の半導体層が交互に設けられており、(f)酸化タンタル、酸化チタン及びチタン酸バリウムのうちの少なくとも何れか1つからなり、前記第1半導体部上、前記第1ブロック層部上、前記第2半導体部上及び前記第2ブロック層部上に設けられた膜を備え、(g)コンタクト部と、前記コンタクト部に電気的に接続されたパッド部とを有しており、前記半導体レーザ素子領域上に位置する電極を備え、前記コンタクト部が前記第1半導体部と電気的に接続され、前記パッド部が前記第1ブロック層部上の前記膜上に配置されている。
【0027】
この場合も、パッド部と半導体基板との間には、酸化タンタル、酸化チタン及びチタン酸バリウムのうちの少なくとも何れか1つからなる膜と第1ブロック層部の第1導電型の半導体層及び第2導電型の半導体層によるpn接合とが配置されている。これは、パッド部と半導体基板との間に2つのコンデンサが直列に配置されていることに相当する。そして、上記膜が配置されていることから、その合成電気容量における上述したpn接合によるコンデンサの電気容量の寄与を大きくなっている。
【0028】
更に、本発明に係る半導体光集積素子は、(a)主面を有し第1導電型の半導体基板を備え、前記半導体基板が、前記主面上に半導体レーザ素子領域及び光変調素子領域を有し、(b)第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記半導体レーザ素子領域上に設けられた第1半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、(c)第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記光変調素子領域上に設けられた第2半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、前記第1半導体部の前記活性層と光学的に結合しており、(d)前記主面上、前記第1半導体部上及び前記第2半導体部上に設けられた第1絶縁体膜を備え、(e)前記半導体レーザ素子領域上の前記1絶縁体膜上に設けられ、前記第1半導体部と電気的に接続された電極を備え、(f)前記半導体レーザ素子領域上に位置するキャパシタ部を備え、前記キャパシタ部は、1つ又は複数の第1導電体、1つ又は複数の第2導電体、及び1つ又は複数の第2絶縁体膜を有しており、前記キャパシタ部において、前記第1導電体及び前記第2導電体が交互に設けられ、前記第2絶縁体膜が前記第1導電体と前記第2導電体との間に設けられ、前記第1導電体及び前記第2導電体のうちの一方が前記半導体基板と電気的に接続され、他方が前記電極と電気的に接続されている。
【0029】
この場合、キャパシタ部の第2絶縁体膜と第1導電体と第2導電体とがコンデンサを構成しているので、半導体レーザ素子領域上の活性層に安定してキャリアが注入される。そのため、その活性層が安定した光を出力することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。なお、図示の便宜上、図面の寸法比率は説明のものと必ずしも一致しない。
【0031】
(第1の実施形態)
図1を参照して本実施形態の半導体レーザ素子の使用態様について説明する。図1は、本実施形態の半導体レーザ素子10を適用したレーザモジュール1の一例の概略構成を示す平面図である。
【0032】
レーザモジュール1は、半導体レーザ素子10を備える。半導体レーザ素子10は、配線基板20a上に配置されている。半導体レーザ素子10は、レーザモジュール1のハウジング30の外部に設けられた直流電流源40と信号ライン50a,配線基板20b及びボンディングワイヤ60aを介して接続されている。より詳細に説明すれば、直流電流源40からの信号ライン50aが配線基板20bに接続され、配線基板20bと半導体レーザ素子10の上面とがボンディングワイヤ60aで接続されている。直流電流源40から半導体レーザ素子10に順バイアス電圧が印加されると半導体レーザ素子10が光を発する。
【0033】
配線基板20a上には、所定の軸αの方向に半導体レーザ素子10と光変調素子70が配置されている。半導体レーザ素子10の出射面と、光変調素子70の入射面とは光学的に結合されている。光変調素子70は、ハウジング30の外部に設けられた変調素子駆動源80により駆動される。変調素子駆動源80と光変調素子70とは、信号ライン50b、配線基板20c,20d及びボンディングワイヤ60b,60cを介して接続されている。より詳細に説明すれば、変調素子駆動源80と配線基板20cとが信号ライン50bで接続されており、配線基板20cと配線基板20dがボンディングワイヤ60bで接続されている。そして、配線基板20dと光変調素子70の上面とがボンディングワイヤ60cで接続されている。変調素子駆動源80から印加される電気信号に応じて光変調素子70が光を吸収して光を変調する。そして、半導体レーザ素子10から出力された光は、光変調素子70で変調されて光ファイバ90に入射される。
【0034】
図2は本実施形態に係る半導体レーザ素子10の斜視図である。図3は図2の半導体レーザ素子10のI−I線に沿った断面図である。
【0035】
図2に示すように、半導体レーザ素子10は、n型(第1導電型)の半導体基板110、半導体部120、強誘電体膜130、電極140及び電極150を備える。
【0036】
半導体基板110は、例えば、SnドープInPからなる基板である。半導体基板110は、面(主面)111を有する。半導体基板110において、面111と反対の面112に電極140が設けられている。半導体基板110は、図3を参照すると、面111上において所定の軸αの方向(即ち、紙面に垂直な方向)と直交する方向に第1領域I、第2領域II及び第3領域IIIを有する。第2領域IIは、第3領域IIIと第1領域IIとの間に位置する。
【0037】
半導体部120は、半導体基板110の第2領域II上に設けられている。半導体部120は、n型クラッド層(第1導電型の半導体層)121、活性層122、p型クラッド層(第2導電型の半導体層)123、p型クラッド層124及びコンタクト層125を備えている。
【0038】
n型クラッド層121は半導体基板110の面111上に設けられている。n型クラッド層121は、例えば、SiドープInPからなる。n型クラッド層121上には活性層122が設けられている。活性層122は、例えば、GaInAsPからなり、量子井戸構造をしている。なお、活性層122は単一半導体層でも良い。活性層122上には、p型クラッド層123が設けられている。p型クラッド層123は、例えば、ZnドープInPからなる。更に、p型クラッド層123上にp型クラッド層124が設けられている。p型クラッド層124は、例えば、p型クラッド層123と同様のZnドープInPからなる。コンタクト層125はp型クラッド層124上に設けられ、例えば、ZnドープGaInAsからなる。
【0039】
活性層122は,n型クラッド層121及びp型クラッド層123からキャリアが注入された場合に光を発する。また、活性層122の屈折率はn型クラッド層121及びp型クラッド層123よりも高くなっており、活性層122は光導波路としても機能する。n型クラッド層121と活性層122とp型クラッド層123とはメサ構造体126を形成している。
【0040】
メサ構造体126の側方には、夫々半絶縁層127が設けられている。言い換えれば、メサ構造体126は半絶縁層127に埋め込まれている。半絶縁層127は、例えば、FeドープInPからなる。半絶縁層127は活性層122にキャリアを導くように機能する。
【0041】
強誘電体膜130は、半導体基板110上であって第3領域III上及び半導体部120上に設けられている。強誘電体膜130は、チタン酸ビスマス(BIT)、タンタル酸ビスマスストロンチウム(SBT)及びチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)のうちの何れか1つから形成されていることが好適である。また、強誘電体膜130の厚さは、例えば、200nmである。強誘電体膜130は、例えば、スパッタにより形成される。強誘電体膜130は電極接続孔131を有する。電極接続孔131は、メサ構造体126上に位置しており、強誘電体膜130上面からコンタクト層125上まで延びている。
【0042】
電極150は強誘電体膜130上に設けられている。電極150は、例えば、半導体基板110側から順にTi、Pt及びAuが積層された多層金属電極である。Ti、Pt及びAuの夫々の膜厚は、例えば、夫々20nm、20nm、500nmである。電極150は、コンタクト部151、配線部152及びパッド部153から構成される。
【0043】
コンタクト部151は、コンタクト層125上において所定の軸αの方向に延設されている。コンタクト部151は電極接続孔131を通して半導体部120と電気的に接続されている。配線部152はコンタクト部151とパッド部153とを接続している。パッド部153には、図1におけるボンディングワイヤ60aが接続される。パッド部153の形状は特に限定されないが、例えば、図2から理解されるように略長方形である。パッド部153の面積は、例えば、100μm×200μmである。
【0044】
図3を参照すると、パッド部153の下に位置する強誘電体膜130は、パッド部153と、半導体基板110の面111との間にある。したがって、半導体基板110とパッド部153と強誘電体膜130とはコンデンサを構成する。なお、以下、説明の便宜のため、強誘電体膜130を構成要素とするコンデンサをコンデンサC130と称す。強誘電体膜130が厚さ200nmのPZTで構成されており、パッド部153の面積が100μm×200μmの場合、コンデンサC130の電気容量は4nFである。
【0045】
上記半導体レーザ素子10の構成において、半導体レーザ素子10の電極140は、図1の配線基板20aと接する。また、図1のボンディングワイヤ60aはパッド部153に接続される。そして、直流電流源40により順バイアス電圧を半導体レーザ素子10に印加すると半導体レーザ素子10は発光する。
【0046】
上述したようにパッド部153と、強誘電体膜130と、半導体基板110とはコンデンサとして機能するので、パッド部153から半導体基板110へ直流電流は実質的に流れにくい。
【0047】
ところで、図1に示すように半導体レーザ素子10は光変調素子70と同一配線基板20a上に集積されている。一方、光変調素子70には、光を変調するために電気信号が印加されており、光変調素子70の電極の電位は電気信号に応じて変化する。したがって、電気信号による変動が、配線基板20aを介して半導体レーザ素子10に印加されている順バイアス電圧に影響を及ぼす場合がある。また、半導体レーザ素子10にはボンディングワイヤ60aが接続されている。そのため、半導体レーザ素子10の電極150の電位は、アンテナとして機能するボンディングワイヤ60aからのノイズによる電磁誘導により変動する場合がある。
【0048】
以上のことを換言すれば、直流電流源40から半導体レーザ素子10は、順バイアス電圧に加えて配線基板20aやボンディングワイヤ60aを介した電磁誘導による高周波成分を受けている。
【0049】
本実施形態の半導体レーザ素子10では、半導体レーザ素子10の層構造の一部である強誘電体膜130とパッド部153と半導体基板110とがコンデンサC130として機能しており、半導体レーザ素子10とコンデンサC130とが集積されている。したがって、半導体レーザ素子10の電極140,150が受けている高周波成分は、コンデンサC130により安定化される。そのため、メサ構造体126には直流電流が供給され、半導体レーザ素子10は光を安定に出力することができる。
【0050】
特に、半導体レーザ素子10とコンデンサC130とが集積されているので、半導体レーザ素子10の外部にコンデンサを設けた場合に必要な半導体レーザ素子10とコンデンサとを接続するボンディングワイヤを必要としない。そのため、半導体レーザ素子10では、コンデンサC130により効率的に直流電流の変動を抑制することができる。更に、外部にコンデンサを設ける場合に比べて部品点数が減少し、製造コストを削減することが可能である。また、強誘電体膜130を用いているので比較的大きな電気容量を半導体レーザ素子10と同様の大きさで得ることができる。
【0051】
なお、本実施形態において強誘電体膜130の上に更に絶縁体膜(例えば、厚さ10nmのSiO2膜)を設け、その絶縁体膜上に電極150を設けることも好適である。
【0052】
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る半導体レーザ素子について説明する。図4は、第2の実施形態に係る半導体レーザ素子200の構成を示す斜視図である。なお、半導体レーザ素子200を適用したレーザモジュールは、図1において、半導体レーザ素子10を半導体レーザ素子200に代えたレーザモジュールに相当する。
【0053】
図4を参照すると、半導体レーザ素子200は、第1の実施形態における半導体レーザ素子10の強誘電体膜130の代わりに酸化タンタル、酸化チタン及びチタン酸バリウムのうちの少なくとも1つからなる膜230を用いている。その他の構成は第1の実施形態の場合と同じである。膜230の厚さとしては、例えば、200nmである。
【0054】
酸化タンタル、酸化チタン及びチタン酸バリウムの誘電率は他の常誘電体(例えば、SiO2など)に比較して大きい。そのため、膜230も半導体基板110とパッド部153と共に電気容量の大きいコンデンサとして機能する。以下、膜230を構成要素とするコンデンサをコンデンサC230と称す。
【0055】
半導体レーザ素子200の層構造を構成している半導体基板110、膜230及びパッド部153が電気容量の大きなコンデンサC230として機能することの効果は第1の実施形態の場合と同様である。
【0056】
また、本実施形態において膜230の上に更に絶縁体膜(例えば、厚さ10nmのSiO2膜)を設け、その絶縁体膜上に電極150を設けることも好適である。
【0057】
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係る半導体レーザ素子について説明する。図5は、本実施形態に係る半導体レーザ素子300の斜視図である。図6は、II−II線に沿う図5の半導体レーザ素子300の断面図である。なお、本実施形態の半導体レーザ素子300を適用したレーザモジュールは、図1の半導体レーザ素子10を半導体レーザ素子300に代えたレーザモジュールに相当する。
【0058】
図6に示すように、半導体レーザ素子300と半導体レーザ素子10とは、半導体レーザ素子10の半絶縁層127を電流ブロック部327に代えた点で相違する。また、これらは、半導体基板110の第1領域Iと強誘電体膜130との間及び第3領域IIIと強誘電体膜130との間に夫々ブロック層部320a,320bが設けられている点で相違する。
【0059】
電流ブロック部327は、メサ構造体126の側方に配置されている。言い換えれば、メサ構造体126は電流ブロック部327に埋め込まれているといえる。電流ブロック部327は、p型の第1半導体層327aとn型の第2半導体層372bとを有する。第1半導体層327aは半導体基板110の面111上に設けられている。第1半導体層327aは、例えば、ZnドープInPからなる。第2半導体層327bは第1半導体層327a上に設けられている。第2半導体層327bは、例えば、SiドープInPからなる。半導体レーザ素子300に順バイアス電圧が印加された場合、第1半導体層327a及び第2半導体層327bには逆バイアス電圧がかかる。そのため、第1半導体層327a及び第2半導体層327bには実質的に電流が流れにくい。したがって、電流ブロック部327は、活性層122にキャリアを導くように機能する。
【0060】
ブロック層部320a,320bは、夫々電流ブロック部327と同様のp型の第1半導体層(第2導電型の半導体層)327a、n型の第2半導体層(第1導電型の半導体層)327bを備え、また、半導体部120と同様のp型クラッド層124及びコンタクト層125を備える。
【0061】
また、電極150のパッド部153は、ブロック層部320b上に位置する強誘電体膜130上に配置されている。
【0062】
上記構成の半導体レーザ素子300では、パッド部153と、強誘電体膜130と、コンタクト層125とがコンデンサC130として機能する。
【0063】
また、半導体レーザ素子300に順バイアス電圧が印加されると、ブロック層部320bの第1半導体層327a及び第2半導体層327bとによるpn接合に逆バイアス電圧がかかる。そのため、第1半導体層327a及び第2半導体層327bとによるpn接合はコンデンサC327として機能する。第1半導体層327a、第2半導体層327bのドーピング濃度は、それぞれ
n=2×1018cm−3、p=1×1018cm−3
である。その界面には、厚さ約50nmの空乏層が生じ、この時のコンデンサC327の電気容量は約40pFである。
【0064】
以上のことから、パッド部153の下には、コンデンサC130と、コンデンサC327とが直列に配置されているといえる。2つのコンデンサが直列に配置されており、そのうちの一方の電気容量が小さい場合、直列に配置された2つのコンデンサの合成電気容量はより小さい方の電気容量に近似される。
【0065】
本実施形態の場合、コンデンサC327の電気容量がコンデンサC130の電気容量よりも小さい。そのため、コンデンサC130と、コンデンサC327との合成電気容量はコンデンサC327の電気容量に近似される。
【0066】
ところで、従来、半導体レーザ素子では、パッド部153の下には強誘電体膜130の代わりにSiO2などの絶縁体膜が用いられていた。この絶縁体膜もパッド部153とコンタクト層125と共にコンデンサを構成するが、その電気容量はコンデンサC327の電気容量よりも小さい。そのため、絶縁体膜を用いた場合の合成電気容量は絶縁体膜を構成要素とするコンデンサの電気容量に近似されていた。
【0067】
これに対して本実施形態の半導体レーザ素子300では、強誘電体膜130を用いたことにより、従来の半導体レーザ素子よりも大きな電気容量を得ることが可能となっている。また、半導体レーザ素子300にコンデンサが集積されていることの効果は、第1の実施形態の場合と同様である。なお、本実施形態において強誘電体膜130の上に更に絶縁体膜(例えば、厚さ10nmのSiO2膜)を設け、その絶縁体膜上に電極150を設けることも好適である。
【0068】
(第4の実施形態)
第4の実施形態に係る半導体レーザ素子について説明する。図7は、第4の実施形態に係る半導体レーザ素子400の斜視図である。半導体レーザ素子400は、第3の実施形態に係る半導体レーザ素子300における強誘電体膜130を第2の実施形態の膜230に代えたものに相当する。その他の構成は半導体レーザ素子300と同じである。なお、半導体レーザ素子400を適用したレーザモジュールは、図1における半導体レーザ素子10を半導体レーザ素子400に代えたレーザモジュールに相当する。
【0069】
第2の実施形態において記載したように、パッド部153と膜230と半導体基板110とで構成されるコンデンサの電気容量も大きいことから、半導体レーザ素子400は、第3の実施形態の半導体レーザ素子300と同様の効果を奏する。なお、膜230上に更に絶縁体膜(例えば、厚さ10nmのSiO2膜)を設け、その絶縁体膜上に電極150を設けることも好適である。
【0070】
(第5の実施形態)
第5の実施形態に係る半導体レーザ素子について説明する。図8は、第5の実施形態に係る半導体レーザ素子500の斜視図である。図9は、図8の半導体レーザ素子500のIII−III線に沿った断面図である。また、半導体レーザ素子500を用いたレーザモジュールは、図1において、半導体レーザ素子10を半導体レーザ素子500に代えたレーザモジュールに相当する。
【0071】
図9を参照すると、半導体レーザ素子500は、強誘電体膜130に代えて第1絶縁体膜540を備える点で半導体レーザ素子10と相違する。また、半導体レーザ素子500は、第3領域III上にオーミック接触部560が設けられている点で半導体レーザ素子10と相違する。更に、半導体レーザ素子500は、パッド部153及び第1絶縁体膜540上にキャパシタ部570が設けられている点で半導体レーザ素子10と相違する。以下、相違点について説明する。
【0072】
第1絶縁体膜540は、例えば、SiO2から構成される。第1絶縁体膜540の厚さは、例えば、50nmである。
【0073】
オーミック接触部560は、例えば、AuGeからなる。オーミック接触部560の厚さは、例えば、100nmである。オーミック接触部560の面積は、パッド部153よりも大きい。
【0074】
キャパシタ部570は、第1導電体571、第2導電体572及び第2絶縁体膜573a,573bを備える。第1導電体571及び第2導電体572は、半導体基板110側から、例えば、TiとAuとが積層されたものである。第1導電体571におけるTi及びAuの厚さとしては、例えば、夫々20nm、500nmである。第2導電体572におけるTi及びAuの厚さは、例えば、夫々20nm、100nmである。また、第2絶縁体膜573a,573bは、例えば、SiO2からなる。第2絶縁体膜573a,573bの厚さは、例えば、夫々50nmである。
【0075】
キャパシタ部570において、パッド部153側から順に第2絶縁体膜573a、第2導電体572、第2絶縁体膜573b及び第1導電体571が積層されている。言い換えれば、第1導電体571と第2導電体572とが第2絶縁体膜573bを挟んで設けられている。そして、パッド部153と第2導電体572とは第2絶縁体膜573aにより絶縁されている。また、第1導電体571と第2導電体572とは第2絶縁体膜573aにより絶縁されている。
【0076】
また、パット部153上の第2絶縁体膜573a,573bには、第2絶縁体膜573b上面からパッド部153上まで延びているバイアホール574aが形成されている。バイアホール574aには、第1導電体571と同様の材料が充填されている。これにより、第1導電体571とパッド部153とが電気的に接続されている。更に、オーミック接触部560上の第1絶縁体膜540及び第2絶縁体膜573aには、第2絶縁体膜573aの上面からオーミック接触部560上面まで延びているバイアホール574bが形成されている。バイアホール574bには、第2導電体572と同様の材料が充填されている。これにより第2導電体572とオーミック接触部560とが電気的に接続されている。
【0077】
上記キャパシタ部570において、オーミック接触部560と、パッド部153と、その間の第1絶縁体膜540とはコンデンサを構成する。このコンデンサをC540と称す。また、バイアホール574a,574b間の第2絶縁体膜573aは、パッド部153と第2導電体572と共にコンデンサを構成する。このコンデンサをコンデンサC573aと称す。更に、バイアホール574aから第2導電体572側であって、第2導電体572と第1導電体571とに挟まれている第2絶縁体膜573bはコンデンサを構成する。このコンデンサをコンデンサC573bと称す。
【0078】
ところで、上述した構成によれば、第1導電体571は電極150と同電位である。また、第2導電体572は半導体基板110と同電位である。したがって、キャパシタ部570を設けたことで第3領域III上に3つのコンデンサC540,C573a、C573bを並列に配置しているといえる。
【0079】
なお、第3領域III上の構造は、例えば、以下のようにして作製できる。先ず、面111の第3領域IIIにオーミック接触部560を形成する。次に、第1絶縁体膜540をスパッタにより形成し、その後、電極150を形成する。続いて、第2絶縁体膜573aをスパッタにより形成して、更に、バイアホール574bを形成する。その後、第2導電体572を形成する。更に、第2絶縁体膜573bをスパッタにより形成した後にバイアホール574aを形成する。続いて第1導電体571を形成することで第3領域III上の構造を得る。
【0080】
図1において、ボンディングワイヤ60aは第1導電体571に接続される。直流電流源40により順バイアス電圧を半導体レーザ素子500に印加すると半導体レーザ素子500は発光する。順バイアス電圧が印加された場合、キャパシタ部570はコンデンサとして機能することから、第1の実施形態と同様にして半導体レーザ素子400は安定して発光することができる。
【0081】
キャパシタ部570を設けたことで形成されるコンデンサは、3つのコンデンサC540,C573a,C573bが並列されたものに相当する。そして、その合成電気容量は、コンデンサC540,C573a,C573bの電気容量の総和である。そして、第1導電体571及びパッド部153が接触している面積、又は、オーミック接触部560及び第2導電体572とが接触している面積に依存する。したがって、キャパシタ部570を設けたことによるコンデンサは大きな電気容量を得ることが可能である。
【0082】
なお、本実施形態では、第1導電体571及び第2導電体572は夫々1つであるが、特に1つに限らない。複数の第1導電体及び複数の第2導電体を用いても良い。この場合には、複数の第1導電体及び複数の第2導電体を交互に設けて、第1導電体と第2導電体とを第2絶縁体膜で絶縁する一方、第1導電体を互いに接続し、第2導電体を互いに接続すればよい。これにより所望の電気容量を得ることができる。また、第1導電体とオーミック接触部とを電気的に接続し、第2導電体とパッド部とを接続しても良い。この場合、第1導電体とパッド部とを絶縁し、第2導電体とオーミック接触部とを絶縁し、更に、第2導電体に図1におけるボンディングワイヤ60cを接続すればよい。
【0083】
(第6の実施形態)
図10は、本実施形態に係る半導体光集積素子600を用いた使用態様を示す図である。図10は、図1において、半導体レーザ素子10及び光変調素子70を半導体光集積素子600に代えたものである。半導体光集積素子600は、半導体レーザ素子の機能を有する半導体レーザ素子部600Aと、光変調素子の機能を有する光変調素子部600Bとを有する。図10において、直流電流源40からのボンディングワイヤ60aは、半導体レーザ素子部600Aの上面に接続される。また、光変調素子部600Bからのボンディングワイヤ60cは、光変調素子部600Bの上面に接続される。
【0084】
図11は、本実施形態に係る半導体光集積素子600を示す斜視図である。図11に示すように半導体光集積素子600は、半導体基板610を備える。図12に半導体基板610の斜視図を示す。半導体基板610は、第1の実施形態に係る半導体レーザ素子10の半導体基板110に相当するものであり、n型の半導体からなる。半導体基板610は面(主面)611を有する。面611は、所定の軸αの方向に半導体レーザ素子領域610A及び光変調素子領域610Bを有する。また、半導体レーザ素子領域610Aは、所定の軸αに直交する方向に第1A領域IA、第2A領域IIA及び第3A領域IIIAを有する。更に、光変調素子領域610Bは、所定の軸αに直交する方向に第1B領域IB、第2B領域IIB及び第3B領域IIIBを有する。図10を参照すると、半導体基板610の面611と反対の面612には、第1の実施形態と同様の電極140が設けられている。
【0085】
半導体レーザ素子部600Aは、半導体光集積素子600における半導体レーザ素子領域610A上に設けられている。また、光変調素子部600Bは、半導体光集積素子600における光変調素子領域610B上に設けられている。
【0086】
図11及び図13を参照して、半導体レーザ素子部600Aについて説明する。図13は、図11の半導体光集積素子600のIV−IV線に沿った断面図である。半導体レーザ素子部600Aは、第1の実施形態の半導体レーザ素子10に相当する。図13を参照すると、半導体レーザ素子部600Aは、第2A領域IIA上に設けられた第1半導体部620Aを有する。第1半導体部620Aの構成は、第1の実施形態の半導体レーザ素子10における半導体部120の構成と同じである。なお、本実施形態において、所定の軸αの方向の電極接続孔131の長さ及びコンタクト部151の長さは、半導体レーザ素子部600Aの長さよりも短い。
【0087】
次に、図11及び図14を参照して光変調素子部600Bについて説明する。図14は、図11の半導体光集積素子600のV−V線に沿った断面図である。光変調素子部600Bは、第2半導体部620B、強誘電体膜630及び電極650を有する。
【0088】
図14を参照すると、第2半導体部620Bは第2B領域IIBに設けられている。第2半導体部620Bは、n型クラッド層621、活性層622、p型クラッド層623、p型クラッド層624及びコンタクト層625を備えている。これらの配置関係は、半導体レーザ素子部600Aの第1半導体部620Aのn型クラッド層121、活性層122、p型クラッド層123、p型クラッド層124及びコンタクト層125と同様である。
【0089】
n型クラッド層621、活性層622,p型クラッド層623、p型クラッド層624及びコンタクト層625は、例えば、夫々SiドープInP、GaInAsP,ZnドープInP、ZnドープInP、ZnドープGaInAsからなる。なお、活性層622は、量子井戸構造をしているが、単一半導体層でも良い。
【0090】
活性層622の屈折率は、n型クラッド層621及びp型クラッド層623の屈折率よりも高くなっており、活性層622は光導波路としても機能する。活性層622は第1半導体部620Aの活性層122と光学的に接合されている。活性層622は、n型クラッド層621及びp型クラッド層623に電気信号が印加された場合に光を吸収する。
【0091】
n型クラッド層621と、活性層622と、p型クラッド層623とはメサ構造体626を構成している。メサ構造体626の側方には半絶縁層627が設けられている。言い換えれば、メサ構造体626は、半絶縁層627に埋め込まれている。半絶縁層627は、例えば、FeドープInPからなる。
【0092】
強誘電体膜630は強誘電体膜130に相当する。強誘電体膜630は強誘電体膜130と連続している。強誘電体膜630は、半導体基板610の第1B領域IB上、第3B領域IIIB上及び第2半導体部620B上に設けられている。強誘電体膜630は電極接続孔631を有する。電極接続孔631は、メサ構造体626上に位置しており、強誘電体膜630の上面からコンタクト層625まで延びている。所定の軸αの方向の電極接続孔631の長さは、光変調素子部600Bの長さよりも短い。これにより、電極接続孔631と電極接続孔131とは切断されている。
【0093】
電極650は強誘電体膜630上に設けられている。電極650は、半導体基板610側から順にTi、Pt及びAuが積層された多層金属電極である。Ti、Pt及びAuの夫々の膜厚は、例えば、夫々20nm、20nm、500nmである。図11を参照すると、電極650は、コンタクト部651、配線部652及びパッド部653から構成される。
【0094】
コンタクト部651は、コンタクト層625上において所定の軸αの方向に延設されている。コンタクト部651は、電極接続孔631を通して第2半導体部620Bと電気的に接続されている。コンタクト部651の所定の軸αの方向の長さは、光変調素子部600Bの長さよりも短くなっており、半導体レーザ素子部600Aのコンタクト部151と切断されている。配線部652は、コンタクト部651とパッド部653とを接続している。パッド部653には、図10におけるボンディングワイヤ60cが接続される。パッド部653の形状は特に限定されないが、例えば、略円形とすれば良い。図14を参照すると、パッド部653と強誘電体膜630との間には絶縁体膜660が挟まれている。絶縁体膜660は、強誘電体膜630の誘電率よりも低誘電率の材料から構成される。低誘電率の材料としては、例えば、ポリイミドである。絶縁体膜660の厚さは、例えば、2μmである。パッド部653と強誘電体膜630との間に絶縁体膜660が挟まれているので、パッド部653と、絶縁体膜660と、強誘電体膜630と、半導体基板610とで構成されるコンデンサC660の電気容量は絶縁体膜660が設けられない場合の電気容量に比較して小さくなる。そのため、パッド部653に印加される電気信号を効率的に第2半導体部620Bの活性層622に印加することができる。
【0095】
上記構成の半導体光集積素子600の電極140は、図10における配線基板20aと接する。そして、ボンディングワイヤ60aがパッド部153に接続される。直流電流源40から半導体レーザ素子部600Aに順バイアス電圧が印加されると半導体レーザ素子部600Aは光を発する。
【0096】
また、ボンディングワイヤ60cがパッド部653に接続される。変調素子駆動源80から逆バイアス電圧の電気信号が印加されると、光変調素子部600Bは半導体レーザ素子部600Aが発した光を吸収する。
【0097】
ところで、半導体レーザ素子部600Aと光変調素子部600Bとは、同一の半導体基板610上に設けられている。そのため、光変調素子部600Bに印加される電気信号により半導体基板610の電位が変動する。
【0098】
本実施形態の半導体光集積素子600において、半導体レーザ素子部600Aの強誘電体膜130及びパッド部153と、半導体基板610とがコンデンサC130を構成している。したがって、半導体基板110の電位は安定する。そのため、半導体レーザ素子部600Aの活性層122は、光変調素子部600Bと同一の半導体基板610上に設けられていても安定した光を発することができる。なお、パッド部153にアンテナとして機能するボンディングワイヤ60aが接続されていることで生じる順バイアス電圧の変動がコンデンサC130で安定化されることは第1の実施形態の場合と同様である。
【0099】
また、コンデンサC130が半導体光集積素子600に集積されている効果も第1の実施形態の場合と同じである。なお、本実施形態において強誘電体膜130,630の上に更に絶縁体膜(例えば、厚さ10nmのSiO2膜)を設け、その絶縁体膜上に電極150,絶縁体膜660及び電極650を夫々設けることも好適である。
【0100】
(第7の実施形態)
第7の実施形態に係る半導体光集積素子について説明する。図15は、本実施形態に係る半導体光集積素子700の斜視図である。また、半導体光集積素子700を適用したレーザモジュールは、図10において半導体光集積素子600を半導体光集積素子700に代えたレーザモジュールに相当する。
【0101】
図15を参照すると、半導体光集積素子700は、第6の実施形態に係る半導体光集積素子600において、強誘電体膜130,630に代えて,第2の実施形態における半導体レーザ素子200が備える、酸化タンタル、酸化チタン及びチタン酸バリウムのうちの少なくとも1つからなる膜230を夫々用いたものである。
【0102】
酸化タンタル、酸化チタン及びチタン酸バリウム夫々が、SiO2などの誘電体よりも誘電率の大きな誘電体であることから、パッド部153と膜230と半導体基板610とは電気容量の大きなコンデンサとして機能する。
【0103】
また、膜230以外の構成は第6の実施形態の半導体光集積素子600と同じであることから、半導体光集積素子700が奏する効果も半導体光集積素子600が奏する効果と同じである。
【0104】
なお、本実施形態において膜230の上に更に絶縁体膜(例えば、厚さ10nmのSiO2膜)を設け、その絶縁体膜上に電極150,絶縁体膜660及び電極650を夫々設けることも好適である。
【0105】
(第8の実施形態)
図16〜図18を参照して本実施形態に係る半導体光集積素子について説明する。図16は、本実施形態に係る半導体光集積素子800の斜視図である。なお、半導体光集積素子800を適用したレーザモジュールは、図10において、半導体光集積素子600を半導体光集積素子800に代えたレーザモジュールに相当する。図16を参照すると、半導体光集積素子800は、半導体レーザ素子部800Aと光変調素子部800Bとを有する。半導体光集積素子800は、第6の実施形態の半導体光集積素子600と同様に半導体基板610及び電極140を備えている。
【0106】
半導体レーザ素子部800Aは、半導体光集積素子800における半導体レーザ素子領域610A上に設けられている。また、光変調素子部800Bは、半導体光集積素子800における光変調素子領域610B上に設けられている。
【0107】
図17は、図16における半導体レーザ素子部800AのVI−VIに沿った断面図である。半導体レーザ素子部800Aは、第2A領域IIA上に第1半導体部620Aを備える。本実施形態の第1半導体部620Aの構成は、第3の実施形態における半導体部120の構成と同じである。即ち、メサ構造体126の側方に電流ブロック部327を備える。半導体レーザ素子部800Aにおいて、第1A領域IA及び第3A領域IIIA上には、第3の実施形態の場合と同じ構成の第1ブロック層部820Aa,820Abを夫々備えている。
【0108】
図18は、図16における光変調素子部800BのVII−VII線に沿った断面図である。光変調素子部800Bと、第6の実施形態における光変調素子部600Bとは、第2半導体部620Bの半絶縁層627を電流ブロック部827に代えた点で相違する。また、半導体基板610の第1B領域IBと強誘電体膜630との間、及び、第3B領域IIIBと強誘電体膜630との間に夫々第2ブロック層部820Ba,820Bbを設けた点で相違する。
【0109】
電流ブロック部827の構成は、半導体レーザ素子部800Aの電流ブロック部327と同じ構成である。また、第2ブロック層部820Ba,820Bbの構成は、半導体レーザ素子部800Aの第1ブロック層部820Aa,820Abの構成と同様である。光変調素子部800Bには、逆バイアス電圧が印加されるので、第2ブロック層部820Ba,820Bbにおいて、第2半導体層827bとp型クラッド層624とによるpn接合がコンデンサとして機能する。
【0110】
上記構成の半導体光集積素子800において、半導体レーザ素子部800Aが強誘電体膜630を備えていることの効果は、第3の実施形態の半導体レーザ素子300が奏する効果と同様である。
【0111】
なお、本実施形態において強誘電体膜130,630の上に更に絶縁体膜(例えば、厚さ10nmのSiO2膜)を設け、その絶縁体膜上に電極150、絶縁体膜660及び電極650を夫々設けることも好適である。
【0112】
(第9の実施形態)
第9の実施形態に係る半導体光集積素子について説明する。図19は、本実施形態に係る半導体光集積素子900の斜視図である。なお、半導体光集積素子900を適用したレーザモジュールは、図10において、半導体光集積素子600を半導体光集積素子900に代えたレーザモジュールに相当する。図19を参照すると、半導体光集積素子900は、第8の実施形態における半導体光集積素子800における強誘電体膜130,630を夫々第7の実施形態における半導体光集積素子700の膜230に代えたものである。その他の構成は、第8の実施形態の半導体光集積素子800と同じである。
【0113】
パッド部153と、膜230と、半導体基板610とが大きな電気容量を有したコンデンサを構成することに関する効果は、第7の実施形態と同様である。
【0114】
なお、本実施形態において強誘電体膜130,630の上に更に絶縁体膜(例えば、厚さ10nmのSiO2膜)を設け、その絶縁体膜上に電極150、絶縁体膜660及び電極650を夫々設けることも好適である。
【0115】
(第10の実施形態)
図20及び図21を参照して本実施形態に係る半導体光集積素子について説明する。図20は、本実施形態に係る半導体光集積素子1000の斜視図である。図20に示すように本実施形態の半導体光集積素子1000は、半導体レーザ素子部1000A及び光変調素子部1000Bを有する。また、半導体光集積素子1000は、第6の実施形態と同様の半導体基板610及び電極140を備える。図21は、半導体光集積素子1000のVIII−VIIIに沿った断面図である。なお、半導体光集積素子1000を適用したレーザモジュールは、図10において、半導体光集積素子600を半導体光集積素子1000に代えたレーザモジュールに相当する。
【0116】
図21を参照すると、半導体レーザ素子部1000Aは、第6の実施形態における半導体レーザ素子部600Aの構成を、第1の実施形態における半導体レーザ素子10の構成から第5の実施形態における半導体レーザ素子500の構成に代えたものである。即ち、半導体レーザ素子部1000Aは、半導体レーザ素子部600Aの強誘電体膜630の代わりに第1絶縁体膜540を備える。また、半導体レーザ素子部100Aは、第3A領域IIIAにおける第1絶縁体膜540と半導体基板610との間にオーミック接触部560備える。更に、半導体レーザ素子部1000Aは、第3A領域IIIA上にキャパシタ部570を備える。なお、第3A領域IIIA上の構造は、例えば、第5の実施形態の場合と同様にして作製される。
【0117】
光変調素子部1000Bの構成は、図20に示すように第6の実施形態における光変調素子部600Bにおいて、強誘電体膜630を第1絶縁体膜840に代えた点以外は光変調素子部600Bと同様の構成である。第1絶縁体膜840は、例えば、SiO2からなる。また、第1絶縁体膜840の厚さは、例えば、50nmである。なお、第6の実施形態の場合と同様に第1絶縁体膜830と半導体レーザ素子部1000Aの第1絶縁体膜540とは連続している。
【0118】
半導体レーザ素子部1000Aの構成が第5の実施形態の半導体レーザ素子500の構成と同じであることから、半導体レーザ素子部1000Aが奏する効果は、第5の実施形態の半導体レーザ素子500と同様の効果を奏する。即ち、半導体レーザ素子部800Bのキャパシタ部570とオーミック接触部560とがコンデンサとして機能する。そのため、半導体レーザ素子部800Aと光変調素子1000Bとが同一の半導体基板610上に設けられていても、半導体レーザ素子部1000Aの活性層122が光を安定して出力することが可能である。また、半導体レーザ素子部1000Aにコンデンサが集積されていることの効果も、第6の実施形態の場合と同様である。更に、第5の実施形態の説明で記載したようにキャパシタ部570とオーミック接触部560とは、コンデンサC540,C573a,C573bを並列に配置したものに相当するので、大きな電気容量を得ることができる。
【0119】
なお、第1導電体及び第2導電体を夫々複数用いても良い点、及び、第1導電体をオーミック接触部に接続し、第2導電体をパッド部に接続しても良い点は、第5の実施形態の場合と同様である。
【0120】
上記、第1〜第10の実施形態において、第1導電型をn型とし、第2導電型をp型としているが、反対にしても良い。
【0121】
【発明の効果】
本発明によれば、ノイズによる電磁誘導の影響を低減することができるので、半導体レーザ素子の活性層及び半導体光集積素子における第1半導体部の活性層が夫々安定した光を発することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体レーザ素子の一実施形態の使用態様を示す平面図である。
【図2】第1の実施形態の半導体レーザ素子の斜視図である。
【図3】図2の半導体レーザ素子のI−I線に沿った断面図である。
【図4】第2の実施形態に係る半導体レーザ素子の斜視図である。
【図5】第3の実施形態に係る半導体レーザ素子の斜視図である。
【図6】図5の半導体レーザ素子のII−II線に沿った断面図である。
【図7】第4の実施形態に係る半導体レーザ素子の斜視図である。
【図8】第5の実施形態に係る半導体レーザ素子の斜視図である。
【図9】図8の半導体レーザ素子のIII−III線に沿った断面図である。
【図10】第6の実施形態に係る半導体光集積素子の使用態様を示す平面図である。
【図11】第6の実施形態に係る半導体光集積素子の斜視図である。
【図12】図11の半導体光集積素子が備える半導体基板の斜視図である。
【図13】図11の半導体光集積素子のIV−IV線沿った断面図である。
【図14】図11の半導体光集積素子のV−V線に沿った断面図である。
【図15】第7の実施形態に係る半導体光集積素子の斜視図である。
【図16】第8の実施形態に係る半導体光集積素子の斜視図である。
【図17】図16の半導体光集積素子のVI−VI線に沿った断面図である。
【図18】図16の半導体光集積素子のVII−VII線に沿った断面図である。
【図19】第9の実施形態に係る半導体光集積素子の斜視図である。
【図20】第10の実施形態に係る半導体光集積素子の斜視図である。
【図21】図20の半導体光集積素子のVIII−VIII線に沿った断面図である。
【符号の説明】
10,200,300,400,500…半導体レーザ素子、110…半導体基板、120…半導体部、121…n型クラッド層(第1導電型の半導体層)、122…活性層、123…p型クラッド層(第2導電型の半導体層)、124…p型クラッド層、130…強誘電体膜、140,150…電極、230…膜、320a,320b…ブロック層部、327…電流ブロック部、327a…p型の第1半導体層(第2導電型の半導体層)、327b…n型の第2半導体層(第1導電型の半導体層)、540…第1絶縁体膜、560…オーミック接触部、570…キャパシタ部、571…第1導電体、572…第2導電体、573a,573b…第2絶縁体膜、600,700,800,900,1000…半導体光変調素子、610…半導体基板、610A…半導体レーザ素子領域、610B…光変調素子領域、620A,820A…第1半導体部、620B,820B…第2半導体部、820Ab,820Bb…ブロック層部、621…n型クラッド層、622…活性層、623,624…p型クラッド層、630…強誘電体膜、650…電極
Claims (11)
- 主面を有し第1導電型の半導体基板を備え、
第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記半導体基板の前記主面上に設けられた半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、
前記主面上及び前記半導体部上に設けられた強誘電体膜を備え、
前記強誘電体膜上に設けられ、前記半導体部と電気的に接続された電極を備える、半導体レーザ素子。 - 主面を有し第1導電型の半導体基板を備え、
第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記半導体基板の前記主面上に設けられた半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、
第1導電型の半導体層及び第2導電型の半導体層を有しており、前記半導体部の側方であって前記主面上に設けられたブロック層部を備え、前記ブロック層部において、前記主面上に順に前記第2導電型の半導体層及び前記第1導電型の半導体層が設けられており、
前記第半導体部上及び前記ブロック層部上に設けられた強誘電体膜を備え、
コンタクト部と、前記コンタクト部に電気的に接続されたパッド部とを有しており、前記強誘電体膜上に設けられた電極を備え、前記コンタクト部が前記半導体部と電気的に接続されており、前記パッド部が前記ブロック層部上の前記強誘電体膜上に配置されている、半導体レーザ素子。 - 前記強誘電体膜が、チタン酸ビスマス、タンタル酸ビスマスストロンチウム、チタン酸ジルコン酸鉛のうちの何れかから構成される、請求項1又は請求項2記載の半導体レーザ素子。
- 主面を有し第1導電型の半導体基板を備え、
第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記半導体基板の前記主面上に設けられた半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、
酸化タンタル、酸化チタン及びチタン酸バリウムのうちの少なくとも1つからなり、前記主面上及び前記半導体部上に設けられた膜を備え、
前記膜上に設けられ、前記半導体部に電気的に接続された電極を備える、半導体レーザ素子。 - 主面を有し第1導電型の半導体基板を備え、
第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記半導体基板の前記主面上に設けられた半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられており、
第1導電型の半導体層及び第2導電型の半導体層を有しており、前記半導体部の側方であって前記主面上に設けられたブロック層部を備え、前記ブロック層部において、前記半導体基板上に順に前記第2導電型の半導体層及び前記第1導電型の半導体層が設けられており、
酸化タンタル、酸化チタン及びチタン酸バリウムのうちの少なくとも何れか1つからなり、前記ブロック層部上及び前記半導体部上に設けられた膜を備え、
コンタクト部と、前記コンタクト部に電気的に接続されたパッド部とを有しており、前記膜上に設けられた電極を備え、前記コンタクト部が前記半導体部と電気的に接続されており、前記パッド部が前記ブロック層部上の前記膜上に配置されている、半導体レーザ素子。 - 主面を有し第1導電型の半導体基板を備え、
第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記半導体基板の前記主面上に設けられた半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、
前記主面上及び前記半導体部上に設けられた第1絶縁体膜を備え、
前記第1絶縁体膜上に設けられ、前記半導体部と電気的に接続された電極を備え、
前記主面上に位置するキャパシタ部を備え、前記キャパシタ部は、1つ又は複数の第1導電体、1つ又は複数の第2導電体、及び1つ又は複数の第2絶縁体膜を有しており、前記キャパシタ部において、前記第1導電体及び前記第2導電体が交互に設けられ、前記第2絶縁体膜が前記第1導電体と前記第2導電体との間に設けられ、前記第1導電体及び前記第2導電体のうちの一方が前記半導体基板と電気的に接続され、他方が前記電極と電気的に接続されている、半導体レーザ素子。 - 主面を有し第1導電型の半導体基板を備え、前記半導体基板が、前記主面上に半導体レーザ素子領域及び光変調素子領域を有し、
第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記半導体レーザ素子領域上に設けられた第1半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、
第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記光変調素子領域上に設けられた第2半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、前記第1半導体部の前記活性層と光学的に結合しており、
前記主面上、前記第1半導体部上及び前記第2半導体部上に設けられた強誘電体膜を備え、
前記半導体レーザ素子領域上に位置する前記強誘電体膜上に設けられ、前記第1半導体部と電気的に接続された電極を備える、半導体光集積素子。 - 主面を有し第1導電型の半導体基板を備え、前記半導体基板が、前記主面上に半導体レーザ素子領域及び光変調素子領域を有し、
第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記半導体レーザ素子領域上に設けられた第1半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、
第1導電型の半導体層及び第2導電型の半導体層を有しており、前記第1半導体部の側方であって前記半導体レーザ素子領域上に設けられた第1ブロック層部を備え、前記第1ブロック層部において、前記半導体レーザ素子領域上に順に前記第2導電型の半導体層及び前記第1導電型の半導体層が設けられており、
第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記光変調素子領域上に設けられた第2半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、前記第1半導体部の前記活性層と光学的に結合しており、
第1導電型の半導体層及び第2導電型の半導体層を有しており、前記第2半導体部の側方であって前記光変調素子領域上に設けられた第2ブロック層部を備え、前記第2ブロック層部において、前記光変調素子領域上に順に前記第2導電型の半導体層及び前記第1導電型の半導体層が設けられており、
前記第1半導体部上、前記第1ブロック層部上、前記第2半導体部上及び前記第2ブロック層部上に設けられた強誘電体膜を備え、
コンタクト部と、前記コンタクト部に電気的に接続されたパッド部とを有しており、前記半導体レーザ素子領域上に位置する電極を備え、前記コンタクト部が、前記第1半導体部と電気的に接続され、前記パッド部が前記第1ブロック層部上の前記強誘電体膜上に配置されている、半導体光集積素子。 - 主面を有し第1導電型の半導体基板を備え、前記半導体基板が、前記主面上に半導体レーザ素子領域及び光変調素子領域を有し、
第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記半導体レーザ素子領域上に設けられた第1半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、
第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記光変調素子領域上に設けられた第2半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、前記第1半導体部の前記活性層と光学的に結合しており、
酸化タンタル、酸化チタン及びチタン酸バリウムのうちの少なくとも何れか1つからなり、前記主面上、前記第1半導体部上及び前記第2半導体部上に設けられた膜を備え、
前記半導体レーザ素子領域上に位置する前記膜上に設けられ、前記第1半導体部と電気的に接続された電極を備える、半導体光集積素子。 - 主面を有し第1導電型の半導体基板を備え、前記半導体基板が、前記主面上に半導体レーザ素子領域及び光変調素子領域を有し、
第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記半導体レーザ素子領域上に設けられた第1半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、
第1導電型の半導体層及び第2導電型の半導体層を有しており、前記第1半導体部の側方であって前記半導体レーザ素子領域上に設けられた第1ブロック層部を備え、前記第1ブロック層部において、前記半導体レーザ素子領域上に順に前記第2導電型の半導体層及び前記第1導電型の半導体層が設けられており、
第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記光変調素子領域上に設けられた第2半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられており、前記第1半導体部の前記活性層と光学的に結合しており、
第1導電型の半導体層及び第2導電型の半導体層を有しており、前記第2半導体部の側方であって前記光変調素子領域上に設けられた第2ブロック層部を備え、前記第2ブロック層部において、前記光変調素子領域上に順に前記第2導電型の半導体層及び前記第1導電型の半導体層が交互に設けられており、
酸化タンタル、酸化チタン及びチタン酸バリウムのうちの少なくとも何れか1つからなり、前記第1半導体部上、前記第1ブロック層部上、前記第2半導体部上及び前記第2ブロック層部上に設けられた膜を備え、
コンタクト部と、前記コンタクト部に電気的に接続されたパッド部とを有しており、前記半導体レーザ素子領域上に位置する電極を備え、前記コンタクト部が前記第1半導体部と電気的に接続され、前記パッド部が前記第1ブロック層部上の前記膜上に配置されている、半導体光集積素子。 - 主面を有し第1導電型の半導体基板を備え、前記半導体基板が、前記主面上に半導体レーザ素子領域及び光変調素子領域を有し、
第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記半導体レーザ素子領域上に設けられた第1半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、
第1導電型の半導体層、第2導電型の半導体層及び活性層を有しており、前記光変調素子領域上に設けられた第2半導体部を備え、前記活性層が、前記第1導電型の半導体層と前記第2導電型の半導体層との間に設けられ、前記第1半導体部の前記活性層と光学的に結合しており、
前記主面上、前記第1半導体部上及び前記第2半導体部上に設けられた第1絶縁体膜を備え、
前記半導体レーザ素子領域上の前記1絶縁体膜上に設けられ、前記第1半導体部と電気的に接続された電極を備え、
前記半導体レーザ素子領域上に位置するキャパシタ部を備え、前記キャパシタ部は、1つ又は複数の第1導電体、1つ又は複数の第2導電体、及び1つ又は複数の第2絶縁体膜を有しており、前記キャパシタ部において、前記第1導電体及び前記第2導電体が交互に設けられ、前記第2絶縁体膜が前記第1導電体と前記第2導電体との間に設けられ、前記第1導電体及び前記第2導電体のうちの一方が前記半導体基板と電気的に接続され、他方が前記電極と電気的に接続されている、半導体光集積素子。
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JP2019033116A (ja) * | 2017-08-04 | 2019-02-28 | 日本電信電話株式会社 | 半導体光集積素子 |
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- 2003-03-25 JP JP2003083711A patent/JP2004296539A/ja active Pending
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