JP2004294287A - 非破壊検査装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】放射線発生器2と、被検体を載せる寝台天板7あるいは回転テーブルと、放射線発生器2より照射され被検体を透過した放射線を測定するカラーX線I.I1と、このカラーX線I.I1より得られる画像信号を記録すると共に、この画像信号を処理する画像処理装置とを備え、放射線源として、種類や照射エネルギーの異なる複数の放射線発生器2が支持構造物に選択可能に且つ角度や距離が可変可能にそれぞれ支持され、カラーX線I.I1は、複数の放射線源から選択された放射線源に対向する位置に移動可能な移動体に角度や距離を可変する機構を介して設置される。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非破壊にて被検体の検査並びに物質の分析などに適用されるX(γ)線非破壊検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
X(γ)線が物質を透過する際には、その構成物の種類や形状によって吸収や散乱が異なってくる。従って、このX(γ)線の透過状態を映像として写真やビデオ、デジタルファイル等として記録すれば、物質の破損や変化、充填物の充填状況等を把握することができる。
【0003】
これは一般にレントゲン写真で人体の内部の状態を診察する方法や、測定したい物体あるいは試料を破壊せずに内部の状態を測定する方法として用いられており、これらはラジオグラフィまたは非破壊放射線撮影法と呼ばれている。
【0004】
ところで、医療診断や工業用非破壊検査などに利用されるX(γ)線撮影では、通常、撮影系の感度を向上させるために、X線イメージインテンシファイヤ(以下I.I.と略記する)が使用されている。
【0005】
また、撮影に用いられるX線源は、照射するX線のエネルギーとX線発生量を管電圧と管電流により調整しているが、撮影の分解能はX線の発生源における焦点サイズに大きく影響されるため、高い分解能を得るには、焦点サイズが小さい通称マイクロフォーカス型が用いられる。
【0006】
しかし、マイクロフォーカス型は、焦点サイズが小さいため、管電圧と管電流を上げて使用することができない。特に、金属などX線の透過しにくい物質の検査でX線透過厚さが厚い場合には、焦点サイズが大きく管電圧と管電流の大きなものでなければ検査することができない。
【0007】
また、測定対象物が特定されていない複合材料で大きさも一定でないものをX線撮影する場合には、対象物と検査の精度に応じてX線源と検出器の組合せを最適化することが求められる。実際の撮影では、経験者がX線源の種類を選択し、撮影条件を決めてから行われる。従って、X線源と検出器の組合せを変えなければならない。
【0008】
一方、撮影方法として種々の角度から撮影を行う場合には、X線発生装置と検出器を組合せた照射システムを対象物に対して角度が変えられるようにするか、照射システムを固定して対象物の角度を変えるかのいずれかになる。
【0009】
多くの場合、通称Cアームを備えた万能型X線検査装置と呼ばれる照射システムが用いられ、測定対象物(人の場合が多い)に対して位置決めを行って撮影している(例えば、特許文献1、特許文献2)。
【0010】
また、測定対象物を寝台に載せて寝台を動かして位置決めしたり、寝台の角度を変えたりするものもある(例えば、特許文献3)。
【0011】
しかし、これらは、X線源を交換して撮影するには手間がかかるため、いずれもX線源を変えているものはほとんど無く、CアームにX線源とX線I.I.を固定して用いているのが一般的である。
【0012】
また、Cアームを有する万能型検査装置は、設置に大きなスペースを取るため、施設管理の面からも小型化が望まれている。
【0013】
他方、上記幾何学的な撮影機構とは別に、従来のX線I.I.に用いられているカメラの出力はモノクロである。
【0014】
最近、本出願人によりカラー方式によるX線I.I.が開発され、その実用化が検討されている。このカラー方式によるX線I.I.は、X線透過の割合に応じて赤(R)、緑(G)、青(B)の信号が同時に異なった状態で出力されるものである。
【0015】
従って、これらの信号の処理を工夫することで、従来のモノクロ画像とは異なり、カラー画像として表示できるようになる。更に、単純な疑似カラーではなく透過量に応じた情報から特定の物質(金属や樹脂が混在している場合には金属部分のみ特定したり、金属の中でもアルミニウムと鉄など同じ厚さであれば金属別に特定したりできる)を色分けして表示することが可能になると考えられる。
【0016】
一般的に人が視認できるグレースケールは、100段階と言われている。すなわち、輝度信号として8bitの256段階、黒0レベルから白255レベルあっても、仮に255レベルと254レベルのグレー差を識別することはできない。100レベルと101レベルでも同様である。
【0017】
そこで、このような僅少なグレー差に対しては、視認しやすいように見たい領域をエンハンス(コントラスト強調)する手法が用いられている。例えば、欠陥部の階調が100レベルから200レベル迄の間に存在していた場合、100〜200レベルを0〜255レベルにエンハンス(この場合領域拡大)することで、輝度の差が2.56倍に拡大されるため、視認性が増す。すなわち、仮に100レベルと101レベルの差が欠陥部との差とすると、0と3(四捨五入されて)の差になる。更に100〜150を0〜255にすることも可能である。
【0018】
一方、これらのエンハンス処理を行うことで元々あった0〜100迄の領域は0になってしまい見ることができなくなる。
【0019】
以上の説明は、輝度信号として8bitの256階調について説明したが、16bit信号で処理できる場合には、63000階調で考えることになる。しかし、一般的な表示では、人の視認性の点もあり、グレー表示は8bit、カラー表示ではRGB各色8bitの24bitである。そこで、X線I.I.をカラー化してX線透過量に応じて色を異なるように表示する場合には、見たい領域の視認性を上げるための工夫が必要となる。
【0020】
【特許文献1】
米国特許第5410584号公報
【0021】
【特許文献2】
特開2002−306461号公報
【0022】
【特許文献3】
特開2002−000591号公報
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来の放射線による非破壊検査装置においては、測定対象に応じてX線源やガンマ線源の撮影角度を変えながら行う必要があり、また測定対象物と検査の精度に応じて複数のX線源を効率よく交換しながら照射角度を変えて撮影できるシステムを小スペースに設置できることが望まれている。さらに、輝度信号として僅少なレベル差を撮影した画像を視認し易くするための画像処理システムも望まれている。
【0024】
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたもので、検査目的に応じて複数のX線源を効率よく交換でき、また検査対象物の非破壊画像を鮮明に判別しやすいモニタ画像として処理することができる非破壊検査装置を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するため、次のような手段により非破壊検査装置を構成する。
【0026】
本発明は、放射線源と、被検体を固定する冶具または被検体を載せる寝台あるいは回転テーブルと、前記放射線源より照射され被検体を透過した放射線を測定するイメージセンサと、このイメージセンサより得られる画像信号を記録すると共に、この画像信号を処理する画像処理装置とを備え、前記放射線源として、種類や照射エネルギーの異なる複数の放射線源が支持構造物に選択可能に且つ角度や距離が可変可能にそれぞれ支持され、前記イメージセンサは、前記複数の放射線源から選択された放射線源に対向する位置に移動可能な移動体に角度や距離を可変する機構を介して設置される。
【0027】
上記構成において、支持構造物は、複数の放射線源を支持するそれぞれ異なる支柱であり、前記放射線源は、放射線を放出し且つ垂直方向及び水平方向に回動可能な機構を備えた照射ヘッドを有し、この照射ヘッドが前記支柱に上下方向に移動可能に支持される。
【0028】
上記構成において、イメージセンサは、前記放射線源と独立して移動可能なキャスタを備えた寝台に、放射線の照射方向に対応させて垂直方向又は水平方向或いはその中間位置に回動可能な機構を介して設置される。
【0029】
上記構成において、イメージセンサに対する放射線の照射位置を示すレーザマーカ又はライトを内蔵している。
【0030】
また、本発明は、放射線源と、被検体を固定する冶具または被検体を載せる寝台あるいは回転テーブルと、前記放射線源より照射され被検体を透過した放射線を測定するイメージセンサと、このイメージセンサより得られる画像信号を記録すると共に、この画像信号を処理する画像処理装置とを備え、前記イメージセンサは、カラーの画像信号を出力し、前記画像処理装置は、前記イメージセンサから得られるカラー信号をそれぞれ色成分毎に分解する手段と、この手段により分解された色成分毎に放射線の種類又は放射線のエネルギー或いは照射強度に応じて信号強度を調整する演算処理手段と、この演算処理手段で処理された画像信号を記録するメモリとを備える。
【0031】
上記構成において、前記画像処理装置は、入力されるカラー信号をS端子入力、RGB入力、BNCまたはピン端子によるビデオ入力に対応した端子を具備し、各色RGB成分に分離した信号を積算または平均化処理するメモリを有し、且つ演算処理量をモニタにて確認するための出力端子を備えている。
【0032】
また、前記画像処理装置は、前記メモリで演算処理された信号を初期状態として色成分毎に保存し、次に得られた画像と比較して変化量のみを演算するサブトラクション機能を有し、このサブトラクション機能により求められた変化量を反転させてネガとポジ画像としてモニタに表示可能である。
【0033】
さらに、前記画像処理装置は、前記サブトラクション機能により演算処理された信号を色成分毎に擬似カラーを付けて合成し、識別しやすくしている。
【0034】
上記構成のいずれかに対して、演算処理を外部よりつまみ、スイッチにて制御する制御手段を備える。
【0035】
上記構成のいずれかに対して、演算処理を外部より計算機でリモート制御できるように通信機能を持たせる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下本発明による非破壊検査装置の実施形態を図面を参照して説明する。
【0037】
図1は本発明に係る非破壊検査装置の第1の実施形態を示すもので、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【0038】
図1において、4は装置全体を保持するX線発生器移動用フレーム架台で、このフレーム架台4に複数本(本例では3本)の支柱4aが正面から見て左右方向に移動可能に保持され、これら各支柱4aに上下方向に移動可能に支持されたX線発生器移動用アーム3に種類の異なるX線発生器2がそれぞれ取付けられている。この場合、各X線発生器2は垂直方向及び水平方向に回動可能な機構を備えた照射ヘッドを有し、この照射ヘッドが支柱4aに上下方向に移動可能に支持され、各X線発生器2は操作ハンドル17にて上下方向とX線の照射方向を垂直または水平に回動できるようになっている。
【0039】
これら3種のX線発生器2は、X線源の焦点サイズや照射エネルギーの異なるものが用いられ、非破壊検査時に適宜選択される。
【0040】
ここで、X線源としては管電圧と管電流が大きくとれないが、分解能を高くすることのできる焦点サイズが小さいマイクロフォーカスタイプや、管電圧が100kV、管電流が0.5mA迄で焦点サイズがミニフォーカスタイプ、管電圧が300kV、管電流が3mA迄で焦点サイズが1.5mmのタイプ、イリジウムをアイソトープ線源としたガンマ線源を選択できるようにしてある。
【0041】
図2は、X線発生器2を一つ選んで上部より下に照射する体型を示している。
【0042】
一方、5は前後部にキャスタ14を有する撮影架台で、この撮影台架台5の周囲部は撮影台カバー6で覆われ、また上面部には被検体を載せる撮影台天板7が取付けられ、上部からのX線照射を受けられる構造となっている。
【0043】
また、撮影架台5内には、X線発生器2から照射される放射線を受けるため高感度のカラーX線イメージインテンシファイヤ(以下カラーX線I.I.と称す)1が設けられ、このカラーX線I.I.1は支持部材8aに回動可能に支持されたカラーX線I.I.ブラケット8に取付けられている。
【0044】
このカラーX線I.I.ブラケット8には駆動アーム9の一端部が連結され、この駆動アーム9の他端部に回転用ギアユニット11に支持された回転用LMガイド13に沿って移動する回転用リードスクリュウ10が結合され、撮影架台5の外側に設けられた回転ハンドル12(図1(c)に示す)を回転させることで、カラーX線I.I.1を回動させて撮影台天板7上に起こすように飛び出させ、横方向からの(図では左方向からの)照射を受けられるようにしている。
【0045】
横方向からの照射を受けるように設定した場合、図1(a)に示す天板取り外し用取手16により撮影台天板15を取り外す必要がある。更にキャスタ14にて照射距離を変えることが可能である。
【0046】
従って、カラーX線I.I.1は、これらの回動機構により放射線の照射方向に対応させて垂直方向又は水平方向或いはその中間位置に移動させることができる。
【0047】
また、カラーX線I.I.1が内蔵されている撮影架台5は、キャスタ14によって前後左右に自由に移動させることができるため、X線発生器2に内蔵されているレーザマーカ18によってカラーX線I.I.1に対する放射線の照射位置を事前に目視にて確認できる。
【0048】
なお、レーザマーカ18に代えて放射線の照射位置をライトにより確認できるようにしても良い。
【0049】
さらに、図3に示すようにカラーX線I.I.1を回転ハンドル12を回転して撮影台天板7上に起こすように飛び出させ、水平方向から照射できるようにしている。特に撮影台天板7の上に回転テーブル19を設置し、その上に被検体を置き回転させて撮影を行うことで被検体内の構造を360度検査することができる。
【0050】
この結果の一部を画像再構成することでCT画像とし、断面をみることも可能となる。
【0051】
特に薄くて立てかけることが難しい被検体の場合は、垂直方向からの図2の体型が撮影しやすく、立体的で複雑な内部構成を持つ被検体の場合には図3のように被検体を回転させながら内部を検査した方が内部構成を判別しやすい。
【0052】
図4は、カラーX線I.I.1からのカラー信号を取り込み画像処理して出力する画像処理装置に関する基本回路を示す構成図である。
【0053】
この画像処理装置は、大きく分けて画像入力および平均または積算処理を行う処理部Aと画像演算およびカラー表示を行う処理部Bの2つの画像処理部から構成されている。
【0054】
画像処理部Aにおいて、カラー信号の入力では、輝度信号Yと色信号Cが分離しているS端子20に入力されるY/C信号とRGBそれぞれが分離してRGB端子21に入力されるRGB信号とBNC端子22に入力されるビデオ信号VCに対応している。各色成分に分離されていないY/C信号とVC信号は、RGB分離回路23にて分離される。
【0055】
このRGB分離回路23で色成分毎に分離された信号は、16bit深度メモリ24でアナログ信号をデジタルに変換して記憶し、積算または平均化処理しデジタルからアナログに変換してカラーモニタ31で合成されて表示される。
【0056】
この16bit深度メモリ24のデジタル出力が後段の画像処理部Bに渡され、リファレンス信号としてREFメモリ25に各色毎初期状態として記録される。この場合、常にREFメモリ25に記録する必要は無いが、照射エリアのX線照射むらや初期状態からの変化量のみを検査する場合には、赤色成分の一例として最初のRRと次のMRとを比較してその信号差からリファレンス信号を求めることができる。
【0057】
このREFメモリ25に記録された信号差を基に検査したい部分を観測しやすくするようにエンハンス処理回路26でエンハンス処理を行い、コントラストと輝度の調整を行う。この調整結果のディジタルデータをOVLYメモリ(オーバレイメモリ)26aに記録する。
【0058】
このエンハンス処理回路26でエンハンス処理された信号は、演算処理回路27に取り込まれ、この演算処理回路27にて演算処理を行い、モノクロモニタ32に各色毎モノクロ画像でモニタできるようにしている。この場合、モノクロ画像についてはRGB毎に独立してネガ・ポジの反転ができるように反転回路29が設けられている。
【0059】
また、演算処理回路27で演算処理を行った後で各色毎に疑似カラー処理回路28により擬似カラーを割り当てて合成し、エンコーダ30にてRGBモニタ31に表示したり、S端子のY/C分離信号として出力したり、ビデオ信号VBSとして出力できるようにしている。
【0060】
これらの信号処理は、制御部33を経由して操作パネルCの積算/平均切換スイッチ(ロータリースイッチ)36で積算機能と平均化処理が行えるようにしている。この場合、積算または平均化処理枚数は、積算または平均化処理画像枚数設定スイッチ37で選択できるようにしている。また、∞のポジションでは、積算または平均処理開始スイッチ(書込み押しボタン)39を押すことでスタートし、積算または平均処理停止スイッチ(固定押しボタン)38を押すまで処理を続けている。
【0061】
画像演算およびカラー表示処理を行う画像処理部Bに対して、制御部33を経由してハードで信号処理を行うようにしている。エンハンス処理下限調整つまみ40とエンハンス処理上限つまみ41により、エンハンス処理でRGBそれぞれの見やすい位置を決定している。このエンハンス処理による効果を色毎にモノクロモニタ32で確認する。上記の機能切換スイッチとして、現在の絵だけの画面にオーバーレイの形で表示42、エンハンス入切43、ネガ/ポジ切換44、サブトラクションモード切換45、擬似カラー表示46を設けている。
【0062】
以上のハードによる外部制御パネルを図5に示す。
【0063】
更に、ハードパネルを用いずにリモート操作用計算機35によりRS232Cコネクター34を介してコントロールできるようにしている。
【0064】
この場合、画像処理部A,Bは演算処理を外部よりつまみやスイッチまたは計算機でリモート制御した時に設定条件をモニタの画面上に表示する機能や、非表示で設定できる機能を持っている。また、画像処理部を機器内部に設置したり、計算機に組み込んだりできるとともに、X線源との同期をとってパルスX線に対応することも可能となる。
【0065】
次に実際に撮影した例について説明する。
【0066】
比重が2〜3g/cm3のガラスと約2倍の6〜7g/cm3のジルコニアを同じ厚さ1mmずつのステップゲージを被検体とする。この外観写真を図6に示す。
【0067】
次にX線の管電圧100kVで管電流0.05mAにて撮影した結果を図7に示す。図7の上部は本来カラー画像である。この上図にはガラスとジルコニアのステップの様子を同時に確認することができている。下の3つの図は、上のカラー画像をバックグランドのリファレンス画像を引き算してRGBの色成分毎に示したものである。R(赤色)成分では比重の大きいX線の透過しにくいジルコニアのステップゲージは観察できるが、比重の小さくX線の透過しやすいガラスは観察できていない。
【0068】
一方、B(青色)成分では逆にジルコニアは真っ黒になり、X線が透過していない状態でステップを確認できないが、ガラスのステップは確認できている。従って、RGBの色調整を行って比重の異なる材質毎の検査が可能となる。
【0069】
次に画像処理部での効果を説明するため、被検体に3CCDカメラとして撮影した例で説明する。
【0070】
図8は、撮影して何も処理していない画像で色成分毎に示している。
【0071】
図9は、図8の画像に対してエンハンス処理を色成分毎に行い、視認性を高めた結果である。全体的にコントラストがはっきりした画像となっている。
【0072】
図10は、図9の画像から被検体を置かずに撮影したバックグランドのリファレンス信号との差を引いてサブトラクション処理を行い、エンハンス処理してネガ/ポジ反転をした結果である。
【0073】
この結果は、フィルムで撮影した結果と同じように観測できX線照射のむらも補正できる。R成分画像では右側のコネクター部分の金属内部が確認できているが、細い配線や左のプラスチック製のレンズキャップは見えていない。
【0074】
一方、青色画像では、金属内部は見えていないが、細い配線やレンズキャップを見ることができる。これらの画像は、回転テーブルに置いてリアルタイムで内部の配置を色成分毎に検査することが可能となる。
【0075】
【発明の効果】
以上述べたように本発明による非破壊検査装置によれば、従来、放射線源とイメージセンサとの組合せにおいて、被検体に応じて放射線源を組み替えながら行わなければならなかったが、狭いスペースにエネルギーや焦点サイズの異なる放射線源がセットされており、その中から選択して使えるようになり、また、照射の方向も垂直から水平まで角度と距離を変えて撮影が可能になり、撮影の効率化を図ることができる。
【0076】
一方、イメージセンサとして、カラーX線イメージインテンシファイヤを用いた場合に出力されるカラー信号をRGBの色成分に分けて画像処理を行う画像処理部により、出力される画像の視認性を高め、検査の判定性能を高めることができる。
【0077】
よって、これらの機能は、従来のモノクロ撮影ではできなかった材質の違いや厚さの違いを同時に検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による非破壊検査装置の第1の実施形態を示すもので、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図。
【図2】同実施形態において、垂直方向から照射する場合を示す正面図。
【図3】同実施形態において、水平方向から照射する場合を示す正面図。
【図4】同実施形態における画像処理装置を示す基本的な回路構成図。
【図5】同実施形態における画像処理ユニットに付ける外部制御パネルを示す図。
【図6】同実施形態において、被検体としてガラスとジルコニアのステップゲージの外観を示す写真。
【図7】図6の被検体を撮影した結果を示す中間調画像。
【図8】被検体に3CCDカメラを撮影した結果を示す中間調画像。
【図9】図8の結果にエンハンス処理を行なった結果を示す中間調画像。
【図10】図9の結果にバックグラウンド処理を行い、画像処理を行った結果を示す中間調画像。
【符号の説明】
1:カラーX線イメージインテンシファイヤ
2:X線発生器
3:X線発生器移動用アーム
4:X線発生器移動用フレーム架台
4a:支柱
5:撮影架台
6:撮影台カバー
7:撮影台天板
8:カラーX線I.I.ブラケット
8a:支持部材
9:駆動アーム
10:回転用リードスクリュウ
11:回転用ギヤユニット
12:回転ハンドル
13:回転用LMガイド
14:キャスタ
15:撮影台天板
16:天板取り外し用取手
17:操作ハンドル
18:レーザマーカ
19:回転テーブル
20:S端子
21:RGB端子
22:BNC端子
23:RGB分離回路
24:16bit深度メモリ
25:リファレンスメモリ
26:エンハンス処理回路
27:演算処理回路
28:擬似カラー処理回路
29:ネガ/ポジ反転回路
30:エンコーダ
31:RGBモニタ
32:モノクロモニタ
33:制御部
34:RS232C端子
35:リモート操作用計算機
36:積算/平均切換スイッチ
37:積算または平均処理画像枚数設定スイッチ
38:積算または平均処理停止スイッチ
39:積算または平均処理開始スイッチ
40:エンハンス処理下限調整つまみ
41:エンハンス処理上限調整つまみ
42:数値表示スイッチ
43:エンハンス入切スイッチ
44:ネガ/ポジ切換スイッチ
45:サブトラクションモード切換スイッチ
46:擬似カラー表示スイッチ
Claims (11)
- 放射線源と、被検体を固定する冶具または被検体を載せる寝台あるいは回転テーブルと、前記放射線源より照射され被検体を透過した放射線を測定するイメージセンサと、このイメージセンサより得られる画像信号を記録すると共に、この画像信号を処理する画像処理装置とを備え、
前記放射線源として、種類や照射エネルギーの異なる複数の放射線源が支持構造物に選択可能に且つ角度や距離が可変可能にそれぞれ支持され、
前記イメージセンサは、前記複数の放射線源から選択された放射線源に対向する位置に移動可能な移動体に角度や距離を可変する機構を介して設置されたことを特徴とする非破壊検査装置。 - 放射線源と、被検体を固定する冶具または被検体を載せる寝台あるいは回転テーブルと、前記放射線源より照射され被検体を透過した放射線を測定するイメージセンサと、このイメージセンサより得られる画像信号を記録すると共に、この画像信号を処理する画像処理装置とを備え、
前記イメージセンサは、カラーの画像信号を出力し、
前記画像処理装置は、前記イメージセンサから得られるカラー信号をそれぞれ色成分毎に分解する手段と、この手段により分解された色成分毎に放射線の種類又は放射線のエネルギー或いは照射強度に応じて信号強度を調整する演算処理手段と、この演算処理手段で処理された画像信号を記録するメモリとを備えたことを特徴とする非破壊検査装置。 - 請求項1記載の非破壊検査装置において、
前記支持構造物は、複数の放射線源を支持するそれぞれ異なる支柱であり、
前記放射線源は、放射線を放出し且つ垂直方向及び水平方向に回動可能な機構を備えた照射ヘッドを有し、この照射ヘッドが前記支柱に上下方向に移動可能に支持されていることを特徴とする非破壊検査装置。 - 請求項1記載非破壊検査装置において、
前記イメージセンサは、前記放射線源と独立して移動可能なキャスタを備えた寝台に、放射線の照射方向に対応させて垂直方向又は水平方向或いはその中間位置に回動可能な機構を介して設置されていることを特徴とする非破壊検査装置。 - 請求項1、請求項3又は請求項4の何れかに記載の非破壊検査装置において、
前記放射線源は、前記イメージセンサに対する放射線の照射位置を示すレーザマーカ又はライトを内蔵していることを特徴とした非破壊検査装置。 - 請求項2記載の非破壊検査装置において、
前記画像処理装置は、入力されるカラー信号をS端子入力、RGB入力、BNCまたはピン端子によるビデオ入力に対応した端子を具備し、各色RGB成分に分離した信号を積算または平均化処理するメモリを有し、且つ演算処理量をモニタにて確認するための出力端子を備えていることを特徴とした非破壊検査装置。 - 請求項6記載の非破壊検査装置において、
前記画像処理装置は、前記メモリで演算処理された信号を初期状態として色成分毎に保存し、次に得られた画像と比較して変化量のみを演算するサブトラクション機能を有し、このサブトラクション機能により求められた変化量を反転させてネガとポジ画像としてモニタに表示可能にしたことを特徴とする非破壊検査装置。 - 請求項7記載の非破壊検査装置において、
前記画像処理装置は、前記サブトラクション機能により演算処理された信号を色成分毎に擬似カラーを付けて合成し、識別しやすくしたことを特徴とする非破壊検査装置。 - 請求項6乃至請求項8の何れかに記載の非破壊検査装置において、
前記画像処理装置は、演算処理を外部よりつまみ、スイッチにて制御する制御手段を備えたことを特徴とする非破壊検査装置。 - 請求項6乃至請求項8の何れかに記載の非破壊検査装置において、
前記画像処理装置は、演算処理を外部より計算機でリモート制御できるように通信機能を持たせたことを特徴とする非破壊検査装置。 - 請求項9又は請求項10記載の非破壊検査装置において、前記画像処理装置は、演算処理を外部よりつまみやスイッチまたは計算機でリモート制御した時に設定条件をモニタの画面上に表示、又は非表示で設定する機能を持たせたことを特徴とする非破壊検査装置。
Priority Applications (1)
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