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JP2004290542A - 注射針 - Google Patents

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JP2004290542A
JP2004290542A JP2003089522A JP2003089522A JP2004290542A JP 2004290542 A JP2004290542 A JP 2004290542A JP 2003089522 A JP2003089522 A JP 2003089522A JP 2003089522 A JP2003089522 A JP 2003089522A JP 2004290542 A JP2004290542 A JP 2004290542A
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JP2003089522A
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Wataru Tsugawa
渉 津川
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SHOOEI SHOJI KK
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SHOOEI SHOJI KK
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Abstract

【課題】注射針の皮膚への刺し込み時に刺し込みが容易で、かつその際の痛みの低減を達成する。
【解決手段】先端部に穿刺用刃面を有する医療用注射針において、その先端部の断面形状が、正方形、扇形、楕円形、正方形であってしかも正方形の向かい合った角部の2つが外観円弧状形状となった形状、逆流滴形、円形であってかつ円形の劣弧の一部が鈍角(ほぼ120°)の角部となっている形状、両端がとがった楕円形、および正6角形より選ばれる形状の筒型であって、しかも針本体の軸線方向に対して斜めに切断して穿刺用刃面が形成されているものであって、前記穿刺用刃面の切除面が、刃先の形成される下角部と下角部から最も遠い頂部を結ぶ平面とのなす角度が直角より小さい角度とするか、ほぼ直角となるように形成されていることを特徴とするものである。
(発明の効果)このような構成により注射針先端の切れ味がよくかつ痛みも低減できる。
【選択図】 図10

Description

【0001】
【発明の属する分野】
本願発明は、注射器に装着する医療用の注射針に関するものである。
【0002】
【従来技術】
注射針には一般の皮下用の細い注射針と人工透析用などの太い注射針に分類されている。これらの構造はいずれも注射針の先端部に注射針の長手方向に斜めに切断されて形成された穿刺用刃面を有しており、この穿刺用刃面にいろいろと工夫が施されているのが現状である。これらの注射針の材料は一般にステンレス鋼あるいはニッケルクロムを用いた鋼が使用されている。
【0003】
そして、皮下用の細いものは円筒状の本体を研削などによって斜めに切除しテーパ状の尖端部すなわち穿刺用刃面を形成したいわゆるレギュラー型ものが多用されている。
【0004】
一方、太い注射針の場合には細い注射針に比べて穿刺時の痛みが大きいところからこの痛さを低減させるために、たとえば、いわゆるランセットポイントと呼ばれる形状にしてあり、これは、円筒状の本体を、一方から研削などによって斜めに切除し、テーパ状の尖端部すなわち穿刺用刃面を構成しているが、この尖端部は、円筒状の本体の外周から接続しかつその本体の軸線方向に対して所定の角度(10°〜17°前後)で形成された第1の傾斜面と、この第1の傾斜面に接続しかつ刃先に接続しかつ円筒状の本体の軸線方向に対する角度が当該第1の傾斜面Bよりも大きな角度(20°〜25°前後)で形成された第2の傾斜面とから構成されているものである。
【0005】
しかしながら、これらいずれの注射針でもまだ穿刺時の痛みが大きいなどのことから従来より穿刺用刃面の形状とその構造について各種の改善の提案がなされている。
【0006】
たとえば、以下のような提案がなされている。
医療用注射針の先端部円筒形状の針の断面を長円形や楕円形などの形状とし針による肌の切れ巾を小さくして、かつ、先端部を鋭利に尖らすことによって肌に入り易くするとともに先端部に凹みを設けて、血管を捕らえ易くする提案がなされている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0007】
また、ロックウェル硬さ(M法)65以上である合成樹脂組成物か、さらにロックウェル硬さ(M法)65以上でかつ曲げ弾性率20,000kg/cm以上である合成樹脂組成物を射出成形した後に針管部を延伸し、その延伸部分をウォータージェットにより切断して針刃先(すなわち穿刺用刃面)を形成した衛生性、強度、針刃の切れ味が金属製のものと同等以上の合成樹脂組成物からなる注射針も提案されている(たとえば、特許文献2参照。)。
【0008】
さらに、先端部、底部、両側壁からなる穿刺部が、本体の中心軸に対して比較的小さい角度で切断されているとともに、先端部は底部を針状にして形成され、本体内に連通する溝が、上部を除いて底部と両側壁とで包み込まれて、先端に向かって先細りに形成させて、穿刺部が従来のものより長く、かつ溝が底部と両側壁で包み込まれていて鋭いため、硬い静脈に正確に刺し込みやすく、痛みがすくなく、また開口部が従来より大きいので、注射液等の注入、血の抜取りが容易とすることもが提案されている(たとえば、特許文献3参照。)。
【0009】
さらにまた、使用中に注射針の先端周辺の組織を不用意に傷つけることがないようにするために、注射針の先端を中心軸方向に曲げ(その注射針の先端の曲がりによる変位量は、好ましくは、注射針外径の4分の1以上、3分の2以下、更に好ましくは、3分の1以上、2分の1以下である)、その鋭利な先端が周辺に当たりにくくする穿刺用刃面も提案されている(たとえば、特許文献4参照。)。
【0010】
加えて、注射針の円筒状の本体の尖端部を、何れか一方から斜めに切除してテーパ状の尖端部(穿刺用刃面)を形成した注射針であって、穿刺用刃面が前記円筒状の本体の外周から接続しかつ当該本体の軸線方向に対して所定の角度(10〜15°)で形成された第1の傾斜面と、この第1の傾斜面に接続しかつ前記円筒状の本体の軸線方向に対する角度が当該第1の傾斜面よりも大きな角度(15〜20°)で形成された第2の傾斜面と、この第2の傾斜面に接続しかつ刃先と接続しかつ前記円筒状の本体の軸線方向に対する角度が当該第2の傾斜面よりも大きな角度(21〜25°)で形成された第3の傾斜面とを備え、かつっそれぞれの傾斜面の長さの比率は、40%〜50%、5%〜15%、35%〜55%とすることにより傾斜面の接続点(ジャンクション)における穿刺時の抵抗力の極大値をなくし、切れ味に優れ、痛みの少ない注射針とすることも提案されている(たとえば、特許文献5参照。)。
【0011】
また、穿刺用刃面の先端部に凹形状加工するか、あるいはさらに凹部の内面を面取りし,広げることによって、採血時,注射針の先端が吸引時,血管の内壁に吸着しにくくした注射針の構造も提案されている(たとえば、特許文献6参照。)。
【0012】
そして、人体の皮膚等の肉体組織に刺入される中空状をした医療用の注射針の先端部には、軸心方向に対して傾斜状に研削された第一のカット面と、該第一のカット面の先端側において左右が山形状に研削される第二、第三のカット面とを形成して針先端に稜線を形成してなる医療用注射針において、円筒外周面は、前記稜線の長さを短くするため針先端側ほど肉薄となるよう針軸回り方向および軸心方向に湾曲した湾曲面にすることにより、第二、第三のカット面により形成される稜線の長さを小さいものにして、刺入圧の低下を計り、刺入時の痛さの緩和を図りながら、鋭利なコーナー部の存在をなくして刺入状態においての組織損傷を回避できるようにして注射による二次災害の発生を低減できるようにしたものも提案されている(たとえば、特許文献7参照。)。
【0013】
そしてさらに、先端を充分小さな径とし、使用した際、痛み及び不快感を減少し得る注射針の製造方法するために、円筒状のステンレス製パイプに対し、スウェージング加工、チューブレディーシングミル加工、ロールダイス加工の何れかを採用し、パイプを一部又は全体にわたるテーパ形状に基づいて先細り状態とするか、又は段階差形状に基づき先細り状態とすることにより、使用の際、痛み及び不快感を減少し得る程度に先端の径を小さくした注射針の製造方法が提案されている(たとえば、特許文献8参照。)。
【0014】
しかしながら、このような注射針も、穿刺部の先端が彎曲しているため、かえって注射針の方向が定まらないため正確な位置に注射できず、又、静脈に先端が当たったとき、硬い静脈から先端がそれる欠点があったり、先端部を細くしすぎてかえって血管を突き抜けて血管の付近の組織をいためてしまう恐れがあるとかの問題点があり、必ずしも十分であるとはいえない。
【0015】
特許文献1
特開平8−252312号公報
特許文献2
特開平7−51371号公報
特許文献3
特開平9−56819号公報
特許文献4
特開2000−217913号公報
特許文献5
特開2000−262615号公報
特許文献6
特開2002−248094号公報
特許文献7
特開2002−291883号公報
特許文献8
特開2002−307122号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明は、従来の注射針の欠点にかんがみて、これらを改善するとともに注射針の皮膚への刺し込み時に刺し込みが容易で、かつその際の痛みの低減を達成しようとするものである。すなわち、本願発明は、注射針の先端部の穿刺用刃面の形状と先端部の断面構造にさらに改良を加えたものである。
【0017】
【課題を解決する手段】
そこで、本願発明は、上述の課題を解決するために、先端部に穿刺用刃面を有する医療用注射針において、
その先端部の針管の断面形状が、ほぼ正方形形状、ほぼ扇形形状、ほぼ楕円型形状、ほぼ正方形形状であってしかも正方形形状の向かい合った角部の2つが外観円弧状形状となった形状、ほぼ逆流滴形形状(あるいは逆雨垂れ形状)、ほぼ円形形状であってかつ円形形状の劣弧の一部が鈍角(ほぼ120°)の角部となっている形状、ほぼ両端がとがった楕円形形状、およびほぼ正6角形形状より選ばれる形状の筒型であって、しかも針管本体の軸線方向(長さ方向)に対して斜めに切断(切除)して穿刺用刃面が形成されているものであって、前記穿刺用刃面の切除面と、針の下角部(刃先の形成される下角部)および下角部から最も遠い頂部を結ぶ平面との角度が直角より小さい角度とするか、ほぼ直角となるように形成されていることを特徴とするものである。
【0018】
すなわち、請求項1の発明は、
先端部に穿刺用刃面を有する医療用注射針において、その先端部の断面形状が、ほぼ正方形形状、ほぼ正方形形状であってしかも正方形形状の向かい合った角部の2つが外観円弧状形状となった形状、ほぼ円形形状であってかつ円形形状の劣弧の一部が鈍角(ほぼ120°)の角部となっている形状、ほぼ両端がとがった楕円形形状、およびほぼ正6角形形状よりなる群より選ばれる形状の筒型であり、
しかも針本体の軸線方向(長さ方向)に対して斜めに切断(切除)して穿刺用刃面が形成されているものであって、
さらに前記穿刺用刃面の切除面と、針の長さ方向の下角部および下角部から最も遠い頂部を結ぶ平面とのなす角度がほぼ直角となるように形成されていることを特徴とするものである。
【0019】
また、請求項2の発明は、先端部に穿刺用刃面を有する医療用注射針において、
その先端部の針管の断面形状が、ほぼ正方形形状、ほぼ扇形形状、ほぼ楕円型形状、ほぼ正方形形状であってしかも正方形形状の向かい合った角部の2つが外観円弧状形状となった形状、ほぼ逆流滴形形状(あるいは逆雨垂れ形状)、ほぼ円形形状であってかつ円形形状の劣弧の一部が鈍角(ほぼ120°)の角部となっている形状、ほぼ両端がとがった楕円形形状、およびほぼ正6角形形状よりなる群より選ばれる形状の筒型であり、
しかも針本体の軸線方向(長さ方向)に対して斜めに切断(切除)して穿刺用刃面が形成されているものであって、
さらに前記穿刺用刃面の切除面が、針の長さ方向の下角部および下角部から最も遠い頂部を結ぶ平面とのなす角度が直角より小さい角度となるように形成されていることを特徴とするものである。
【0020】
まず、針先端部の断面形状について説明する。
ほぼ正方形形状としては、針管が直角のような角部を有していると注射針として使用した場合には痛みが生ずるので好ましくなく、角部は面取りされているか丸みを帯びていることが好ましい。また、必ずしも正方形でなくてもよく、外観正方形の形状であればよい。また、4つの辺は直線である必要はなく多少外側に張り出した円弧の一部を形成したものであってもよい。角部の最先端に刃先が形成される。この形状のものとしては、たとえば、図4および図8に示されるような形状のものが例示される。
【0021】
ほぼ扇形形状としては、三角形の一辺が半円形形状となったものであればよく、三角形としては直角2等辺三角形であって、斜辺が半円形となっているものが好ましい。扇の要部の角部の針の最先端に刃先が形成される。この形状のものとしては、たとえば、図12に示されるような形状のものが例示される。
【0022】
ほぼ楕円型形状としては、外観楕円形形状をしたものであればどのようなものでも使用できる。楕円形の形状には長円形形状も包含される。楕円系形状の長軸の角部の針の最先端に刃先が形成される。この形状のものとしては、たとえば、図16に示されるような形状のものが例示される。
【0023】
ほぼ正方形形状であってしかも正方形形状の向かい合った角部の2つが外観円弧状形状となった形状としては、正方形形状の部分は外観正方形形状のものであればよい。1つの角部の針の最先端に刃先が形成される。この形状のものとしては、たとえば、図18に示されるような形状のものが例示される。
【0024】
ほぼ逆流滴形形状(あるいは逆雨垂れ形状)としては、いわゆる雨垂れ形状ないし流滴形の上下が逆さになったものであればどのような形状のものでも使用できる。雨垂れ形状の尖端の角部の最先端に刃先が形成される。この形状のものとしては、たとえば、図20に示されるような形状のものが例示される。
【0025】
ほぼ円形形状であってかつ円形の劣弧の一部が鈍角(ほぼ120°)の角部となっている形状としては、半円未満の部分すなわち劣弧の一部が鈍角の角部となっているものであればよく、鈍角としてほぼ120°の角度のものであるものが好ましい。この鈍角の角部の長さ方向の最先端に刃先が形成される。この形状のものとしては、たとえば、図22に示されるような形状のものが例示される。
【0026】
ほぼ両端がとがった楕円形形状としては、外観楕円形形状の長軸の外周部分がとがった形状となっていればよい。とがった形状の角部の最先端に刃先が形成される。この形状のものとしては、たとえば、図24に示されるような形状のものが例示される。
【0027】
ほぼ正6角形形状としては、外観正六角形状のものであればよく角部は面取りされているか、多少丸みを帯びているほうがよい、この1つの角部の最先端に刃先が形成される。この形状のものとしては、たとえば、図26に示されるような形状のものが例示される。
【0028】
つぎに、穿刺用刃面の形成について説明する。
針本体の軸線方向(長さ方向)に対して斜めに切断(切除)して穿刺用刃面が形成されるものであるが、この際穿刺用刃面である切除面と、図5および図9さらに図3や図7にみるように最先端に刃先の形成される針本体の長さ方向の下角部と下角部から最も遠い頂部を結ぶ平面との角度がほぼ直角となるか、あるいは直角より小さい角度となるように切断されるものである。
【0029】
この下角部と頂部は、先端部の断面形状がほぼ正方形形状である場合には、正方形の1つの角部と向かい合った角部(対向する角部)がそれぞれ下角部と頂部となり、ほぼ扇形形状である場合には、扇形の要が下角部、半円形の頂点が頂部となり、ほぼ楕円形形状ないし長円形形状の場合は、楕円の長軸の一方の端部が下角部、他方の端部が頂部となり、ほぼ正方形形状でしかも正方形形状の向かい合った角部の2つが外観円弧状形状となっている形状の場合には、残る2つの角部の一方が下角部、他方が頂部となり、ほぼ逆流滴形形状あるいは逆雨垂れ形状の場合には、凸状ないし尖端となっている箇所が下角部、尖端より一番遠い卵形の頂部が頂部となり、ほぼ円形形状でかつ円形形状の劣弧の一部が鈍角(ほぼ120°)の角部となっている形状の場合には、この角部が下角部、この角部より一番遠い円形部分の頂部が頂部となり、そしてほぼ正6角形形状の場合には、1つの角部が下角部、向かい合った角部すなわち下角部から一番遠い角部が頂部となる。
【0030】
穿刺用刃面、すなわち、切除開始部から刃先にかけて形成された切除面は、通常は同一平面を形成しているが、同一平面ではなく、切除開始部から刃先にかけて凹部が形成されている円筒の周面のような形状となっていてもよい。この場合には、同一平面のものより刃先が鋭くなっており、穿刺しやすいという利点がある。
【0031】
本願発明の注射針を製造する際に使用される材料としては、従来の周知の材料を使用することができる。
【0032】
たとえば、ステンレス鋼、ニッケルクロムを用いた鋼などの金属材料、プラスチック材料としてはポリエーテルサルホン,ポリサルホン,ポリアミドイミド,ポリエーテルイミド,ポリイミド,ポリカーボネート,ポリエステル,ポリアミド,ポリプロピレン,ポリアリレート,ポリメチルペンテン,変性フェニレンオキシド及び液晶ポリエステルなどの合成樹脂組成物などである。
このような本願発明の構成をとることにより、注射時に血管を傷めたりすることもなく、注射針先端の切れ味がよくかつ痛みも低減できるとともに、構造が簡単であるために製造も容易であるなどの利点がある。
【0033】
本願発明の注射針を図を用いて説明するが、この説明に本願発明が限定されるものではない。
【0034】
図1は、注射器の全体の概略を示したもので、本願発明は、点線の円で囲まれた注射針の先端部の改良された構造に関するものである。
【0035】
図1において、1は注射針、2は注射器の本体、3は針本体あるいは針管、4は針本体の後端部に取り付けられた針基をそれぞれ示す。
【0036】
図28は、従来の典型的な注射針の先端部の構造を示すものである。この従来の注射針は、円筒状の先端部を円筒状の針本体の軸線方向(長さ方向)に対して斜めに切除して穿刺用刃面が形成されている。すなわち、切除開始部B0から先端部の刃先A0に向かって円筒状の針管を斜めに切除して穿刺用刃面を形成したものである。この際、切除開始部から針先に向かって時計回り方向の傾斜面101と反時計回り方向の傾斜面102が形成される。この2つの傾斜面は同一平面上にあり、かつ軸線方向へ傾斜する角度も同じである。そして、先端部の断面形状が円筒状であるためにどうしても、注射針を皮膚に刺し込むときに痛みを伴ったりすることが避けることができない。このために従来の技術のところで指摘したような各種各様の改良が提案されているが、いまいちである。
【0037】
図2ないし図5は、本願発明の先端部の形状の第1の例を示す概略説明図である。
【0038】
ここで、図2は、注射針の先端部の形状を示す概略説明の平面図を、図3は図2に示す先端部の正面図を、図4は図2のX1−X1断面図を、さらに図5は図2のY1−Y1断面図をそれぞれ示すものである。
【0039】
この例では、医療用注射針の先端部の穿刺用刃面は、先端部の断面形状がほぼ正方形形状の筒型であって、かつその対角線方向に傾斜して切断がなされるとともに、その切断された面、すなわち切除面が対角線の構成する面とほぼ直角であるように切除された構造となっている。
【0040】
この先端部は、図4にみるようにその断面形状がほぼ正方形形状の筒型であり、針管10の正方形形状の1つの角を図3のように縦方向の頂部とし、向かい合った角の部分を下角部とし、頂部C1から下角部D1に向けて、すなわち切除開始部B1から刃先A1にかけて傾斜して切除面を形成して穿刺用刃面としたものである。この際、切除する面、すなわち切除面15は頂部C1と下角部D1を結ぶ平面17とのなす角度α1がほぼ直角となるように形成される。
【0041】
このために、下角部D1から傾斜面11および傾斜面12への距離あるいは高さは図5にみるように同じである。なお図5において16は切除された部分(切除部分)を示す。そして、刃先A1をはさむ2つの傾斜面E1、F1が注射針を皮膚に刺すときに皮膚を切り開いて注射針を挿入しやすくする。すなわち、刃先A1を三角形の頂点とした穿刺用刃が構成されてスムーズに皮膚に刺し込むことができるという利点が生じ、それに伴う痛みも非常に低減する。
【0042】
図6ないし図9は、本願発明の先端部の形状の第2の例を示す概略説明図である。
【0043】
ここで、図6は、注射針の先端部の形状を示す概略説明の平面図を、図7は図6に示す先端部の正面図を、図8は図6のX2−X2断面図を、さらに図9は図6のY2−Y2断面図をそれぞれ示すものである。
【0044】
この例では、医療用注射針の先端部の穿刺用刃面は、先端部の断面形状がほぼ正方形形状の筒型であって、かつその対角線方向に傾斜して切断がなされるとともに、その切断された面、すなわち切除面が対角線の構成する面に傾斜した角度であるように切除された構造となっている。
【0045】
この先端部は、図8にみるようにその断面形状がほぼ正方形形状の筒型であり、針管20の正方形形状の1つの角を図7にみるように縦方向の頂部C2とし、向かい合った角の部分を下角部D2とし、頂部C2から下角部D2に向けて、すなわち切除開始部B2から刃先A2にかけて傾斜して切除して穿刺用刃面としたものであるが、この際、切除する面、すなわち切除面25は頂部C2と下角部D2を結ぶ平面27とのなす角度α2が直角より小さい角度となるように形成される。このためこの切除面25は図9にみるように横方向に傾斜している。
【0046】
このために、下角部D2から傾斜面21および傾斜面22への距離あるいは高さは図9にみるように同じではなく、傾斜面21のほうが傾斜面22よりも高い位置にある。なお、図9において26は切除された部分(切除部分)を示す。そして、刃先A1をはさむ2つの傾斜面E2、F2のうち傾斜面21のE2のほうがが高い位置にあり、この部分の刃面E2が匕首のような働きをして非常に皮膚を切り開きやすくするので、注射針を皮膚に刺すときに皮膚を切り開いて注射針を挿入しやすくする。すなわち、刃先A2を三角形の頂点とした穿刺用刃のうちとくに一方の刃面E2に切り開く力が集中して皮膚を切り開く役目をするので、スムーズに皮膚に刺し込むことができるという利点が生じ、それに伴う痛みがそれだけ和らぐことになる。
【0047】
図10ないし図13は、本願発明の先端部の形状の第3の例を示す説明図である。
【0048】
ここで、図10は、注射針の先端部の形状を示す概略説明図の平面図を、図11は図10に示す先端部の正面図を示し、図12は図9のX3−X3断面図を、図13は図10のY3−Y3断面図をそれぞれ示すものである。
【0049】
この例では、医療用注射針の先端部の穿刺用刃面は、先端部の断面形状がほぼ扇形形状の筒型であって、かつ扇形形状の筒型を頂部C3から扇形の要の下角部D3方向に傾斜して切断して形成されているとともに、その切断された面、すなわち切除面35が頂部C3から扇形の要の下角部D3の構成する縦方向の面に直角より小さい傾斜した角度であるように切除された構造となっている。
【0050】
この先端部は、図12にみるようにその断面形状がほぼ扇形形状の筒型であり、針管30の扇形形状の頂部を図11や図12などにみるように縦方向の頂部C3とし、要部分を下角部D3とし、頂部C3から下角部D3に向けて、すなわち切除開始部B3から刃先A3にかけて傾斜して切除面を形成して穿刺用刃面としたものであるが、この際、切除する面、すなわち切除面35は頂部C3と下角部D3を結ぶ平面37とのなす角度α3が直角より小さい角度となるように形成される。このためこの切除面35は図13にみるように横方向に傾斜している。そして、針先A3は下角部D3の最先端に形成されている。
【0051】
このために、下角部D3から傾斜面31および傾斜面32への距離あるいは高さは図13にみるように同じではなく、傾斜面31のほうが傾斜面32よりも高い位置にある。なお、図13において36は切除された部分(切除部分)を示す。そして、刃先A3をはさむ2つの傾斜面E3、F3のうち傾斜面31のE3のほうがが高い位置にあり、この部分の刃面E3が匕首のような働きをして非常に皮膚を切り開きやすくするので、注射針を皮膚に刺すときに皮膚を切り開いて注射針を挿入しやすくする。すなわち、刃先A3を三角形の頂点とした穿刺用刃のうちとくに一方の刃面E3に切り開く力が集中して皮膚を切り開く役目をするので、スムーズに皮膚に刺し込むことができるという利点が生じ、それに伴う痛みがそれだけ和らぐことになる。
【0052】
図14ないし図17は、本願発明の先端部の形状の第4の例を示す説明図である。
【0053】
ここで、図14は、注射針の先端部の形状を示す概略説明図の平面図を、図15は図14に示す先端部の正面図を示し、図16は図14のX4−X4断面図を、図17は図14のY4−Y4断面図をそれぞれ示すものである。
【0054】
この例では、医療用注射針の先端部の穿刺用刃面は、先端部の断面形状がほぼ楕円形形状ないし長円形形状の筒型であって、かつ楕円形形状の筒型を断面の楕円形状の長軸一方の周面の頂部C4から長軸の他方の周面の下角部D4方向に傾斜して切断して形成されているとともに、その切断された面、すなわち切除面45が頂部C4から下角部D4の構成する縦方向の面、すなわち長軸の形成する面に直角より小さい傾斜した角度であるように切除された構造となっている。
【0055】
この先端部は、図16にみるようにその断面形状がほぼ楕円形形状(ないし長円形形状)の筒型であり、針管40の楕円形形状の頂部を図15や図16などにみるように縦方向の頂部C4とし、頂部の反対側の縦方向の下方部分を下角部D3とし、頂部C4から下角部D4に向けて、すなわち切除開始部B4から刃先A4にかけて傾斜して切除面を形成して穿刺用刃面としたものであるが、この際、切除する面、すなわち切除面45は頂部C4と下角部D4を結ぶ平面47(すなわち、長軸によって形成される平面)とのなす角度α4が直角より小さい角度となるように形成される。このためこの切除面45は図17にみるように横方向に傾斜している。そして、針先A4は図10や図11にみるように下角部D4の最先端に形成されている。
【0056】
このために、下角部D4から傾斜面41および傾斜面42への距離あるいは高さは図17にみるように同じではなく、傾斜面41のほうが傾斜面42よりも高い位置にある。なお、図17において46は切除された部分(切除部分)を示す。そして、刃先A4をはさむ2つの傾斜面E4、F4のうち傾斜面41のE4のほうがが高い位置にあり、このE4の刃面が匕首のような働きをして非常に皮膚を切り開きやすくするので、注射針を皮膚に刺すときに皮膚を切り開いて注射針を挿入しやすくする。すなわち、刃先A4を三角形の頂点とした穿刺用刃のうちとくに一方の刃面E4に切り開く力が集中して皮膚を切り開く役目をするので、スムーズに皮膚に刺し込むことができるという利点が生じ、それに伴う痛みがそれだけ和らぐことになる。
【0057】
図18ないし図19は、本願発明の先端部の形状の第5の例を示すものである。この例では、上述の例における平面図と正面図を省略してあり、これらの例におけるX−X断面図とY−Y断面図に対応する図面によりこの例を説明するものである。
【0058】
図18は、X−X断面図に対応する針管の断面図を、図19は、Y−Y断面図に対応する穿刺用刃面部分の断面図をそれぞれ示す。
【0059】
この例では、医療用注射針の先端部の断面形状は、ほぼ正方形形状の筒型であって、しかも正方形形状の向かい合った角部の2つが外観円弧状形状となっているものである。
【0060】
すなわち、この例の医療用注射針の先端部の穿刺用刃面は、先端部の断面形状がほぼ正方形形状であって、しかも正方形形状の向かい合った角部の2つが外観円弧状形状となっている筒型を、向かい合う角部の1つを頂部C5とし、他方の角部を下角部D5としてこの対角線方向に頂部C5から下角部D5方向に傾斜して切断して形成されているとともに、その切断された面、すなわち切除面55が頂部C5から下角部D5の構成する縦方向の面、すなわち対角線の形成する面に直角より小さい傾斜した角度であるように切除された構造となっている。そして、針先(図示せず)は下角部D5の最先端に形成されている。
【0061】
図において、50は針管、51および52は傾斜面、55は穿刺用刃面を形成する際の切除面、56は切除部分、57は頂部C5と下角部D5を結ぶ平面、α5は切除面55と平面57とのなす角度、C5は頂部、およびD5は下角部をそれぞれ示す。
【0062】
この先端部は、図18にみるようにその断面形状がほぼほぼ正方形形状であって、しかも正方形形状の向かい合った角部の2つが外観円弧状形状となっている筒型であり、針管50の上部の角部である頂部を図15や図16などにみるように縦方向の頂部C5とし、頂部の反対側の縦方向の下方の角部を下角部D5とし、頂部C5から下角部D5に向けて、切除開始部(図示せず)から刃先(図示せず)にかけて傾斜して切除面を形成して穿刺用刃面としたものであるが、この際、切除する面、すなわち切除面55は頂部C5と下角部D5を結ぶ平面57とのなす角度α5が図19にみるように直角より小さい角度となるように形成される。このためこの切除面55は図19にみるように横方向に傾斜している。
【0063】
このために、下角部D5から傾斜面51および傾斜面52への距離あるいは高さは図19にみるように同じではなく、傾斜面51のほうが傾斜面52よりも高い位置にある。なお、図19において56は切除された部分(切除部分)を示す。そして、刃先に近い傾斜面のうち傾斜面51のほうがが高い位置にあり、この刃面が匕首のような働きをして非常に皮膚を切り開きやすくするので、注射針を皮膚に刺すときに皮膚を切り開いて注射針を挿入しやすくする。すなわち、刃先に近い傾斜面のうち傾斜面51の穿刺用の刃面に切り開く力が集中して皮膚を切り開く役目をするので、スムーズに皮膚に刺し込むことができるという利点が生じ、それに伴う痛みがそれだけ和らぐことになる。
【0064】
図20ないし図21は、本願発明の先端部の形状の第6の例を示すものである。この例では、図18および図19に示した例のように、平面図と正面図を省略し、X−X断面図とY−Y断面図に対応する図面によりこの例を説明するものである。
【0065】
図20は、X−X断面図に対応する針管の断面図を、図21は、Y−Y断面図に対応する穿刺用刃面部分の断面図をそれぞれ示す。
【0066】
この例では、医療用注射針の先端部の先端部の断面形状は、ほぼ逆流滴形形状(あるいは逆雨垂れ形状)の筒型となっているものである。
【0067】
すなわち、この例の医療用注射針の先端部の穿刺用刃面は、先端部の断面形状がほぼ逆流滴形形状、あるいは逆雨垂れ形状、あるいはマーキーズ形状となっている筒型を、凸状ないし尖端となっている角部を下角部D6とし、卵形の頂部すなわち下角部から一番遠い箇所を頂部C6とし、頂部C6から下角部D6方向に傾斜して切断して形成されているとともに、その切断された面、すなわち切除面65が頂部C6から下角部D6を結ぶ縦方向の面67に直角より小さい傾斜した角度であるように切除された構造となっている。
【0068】
図において、60は針管、61および62は傾斜面、65は穿刺用刃面を形成する際の切除面、66は切除部分、67は頂部C6と下角部D6を結ぶ平面、α6は切除面65と平面67とのなす角度、C6は頂部、およびD6は下角部をそれぞれ示す。そして、針先(図示せず)は下角部D6の最先端に形成されている。
【0069】
この先端部は、図21にみるようにその断面形状がほぼ逆流滴形形状(あるいは逆雨垂れ形状)の筒型であり、針管60の上部の頂部を図15や図16などの例にみるように縦方向の頂部C6とし、頂部の反対側の縦方向の下方の角部を下角部D6とし、頂部C6から下角部D6に向けて、切除開始部(図示せず)から刃先(図示せず)にかけて傾斜して切除面を形成して穿刺用刃面としたものであるが、この際、切除する面、すなわち切除面65は頂部C6と下角部D6を結ぶ平面67とのなす角度α6が図21にみるように直角より小さい角度となるように形成される。このためこの切除面65は図21にみるように横方向に傾斜している。
【0070】
このために、下角部D6から傾斜面61および傾斜面62への距離あるいは高さは図21にみるように同じではなく、傾斜面61のほうが傾斜面62よりも高い位置にある。なお、図21において66は切除された部分(切除部分)を示す。そして、刃先に近い傾斜面のうち傾斜面61のほうが高い位置にあり、この刃面が匕首のような働きをして非常に皮膚を切り開きやすくするので、注射針を皮膚に刺すときに皮膚を切り開いて注射針を挿入しやすくする。すなわち、刃先に近い傾斜面のうち傾斜面61の穿刺用の刃面に切り開く力が集中して皮膚を切り開く役目をするので、スムーズに皮膚に刺し込むことができるという利点が生じ、それに伴う痛みがそれだけ和らぐことになる。
【0071】
図22ないし図23は、本願発明の先端部の形状の第7の例を示すものである。この例では、図18および図19の例に示したように、平面図と正面図を省略してあり、X−X断面図とY−Y断面図に対応する図面によりこの例を説明するものである。
【0072】
図22は、X−X断面図に対応する針管の断面図を、図23は、Y−Y断面図に対応する穿刺用刃面部分の断面図をそれぞれ示す。
【0073】
図において、70は針管、71および72は傾斜面、75は穿刺用刃面を形成する際の切除面、76は切除部分、77は頂部C7と下角部D7を結ぶ平面、α7は切除面75と平面77とのなす角度、C7は頂部、およびD7は下角部をそれぞれ示す。そして、針先(図示せず)は下角部D7の最先端に形成されている。
【0074】
この先端部は、図22にみるようにその断面形状がほぼ円形形状であって、かつ円形形状の劣弧の一部が鈍角(ほぼ120°)の角部となっている筒型であり、針管70の角部を下角部D7とし、この下角部より一番距離の遠い円形形状部分を頂部C7とし、頂部C7から下角部D7に向けて、切除開始部(図示せず)から刃先(図示せず)にかけて傾斜して切除面を形成して穿刺用刃面としたものであるが、この際、切除する面、すなわち切除面75は頂部C7と下角部D7を結ぶ平面77とのなす角度α7が図23にみるように直角より小さい角度となるように形成される。このためこの切除面75は図23にみるように横方向に傾斜している。
【0075】
このために、下角部D7から傾斜面71および傾斜面72への距離あるいは高さは図23にみるように同じではなく、傾斜面71のほうが傾斜面72よりも高い位置にある。なお、図23において76は切除された部分(切除部分)を示す。そして、刃先に近い傾斜面のうち傾斜面71のほうが高い位置にあり、この刃面が匕首のような働きをして非常に皮膚を切り開きやすくするので、注射針を皮膚に刺すときに皮膚を切り開いて注射針を挿入しやすくする。すなわち、刃先に近い傾斜面のうち傾斜面71の穿刺用の刃面に切り開く力が集中して皮膚を切り開く役目をするので、スムーズに皮膚に刺し込むことができるという利点が生じ、それに伴う痛みがそれだけ和らぐことになる。
【0076】
図24ないし図25は、本願の発明の先端部の形状の第8の例を示すものである。この例では、図18および図19の例に示したように、平面図と正面図を省略してあり、X−X断面図とY−Y断面図に対応する図面によりこの例を説明する。
【0077】
図24は、X−X断面図に対応する針管の断面図を、図25は、Y−Y断面図に対応する穿刺用刃面部分の断面図をそれぞれ示す。
【0078】
図において、80は針管、81および82は傾斜面、85は穿刺用刃面を形成する際の切除面、86は切除部分、87は頂部C8と下角部D8を結ぶ平面、α8は切除面85と平面87とのなす角度、C8は頂部、およびD8は下角部をそれぞれ示す。そして、針先(図示せず)は下角部D8の最先端に形成されている。
【0079】
この先端部は、図24にみるようにその断面形状がほぼ両端がとがった楕円形形状の筒型であり、針管80の断面形状の両端がとがった楕円形状の1つのとがった頂部を図15や図16などの例にみるように縦方向の頂部C8とし、頂部とは反対側の縦方向の下方のとがった角部を下角部D8とし、頂部C8から下角部D8に向けて、切除開始部(図示せず)から刃先(図示せず)にかけて傾斜して切除面を形成して穿刺用刃面としたものであるが、この際、切除する面、すなわち切除面85は頂部C8と下角部D8を結ぶ平面87とのなす角度α8が図25にみるように直角より小さい角度となるように形成される。このためこの切除面85は図25にみるように横方向に傾斜している。
【0080】
このために、下角部D8から傾斜面81および傾斜面82への距離あるいは高さは図25にみるように同じではなく、傾斜面81のほうが傾斜面82よりも高い位置にある。なお、図25において86は切除された部分(切除部分)を示す。そして、刃先に近い傾斜面のうち傾斜面81のほうが高い位置にあり、この刃面が匕首のような働きをして非常に皮膚を切り開きやすくするので、注射針を皮膚に刺すときに皮膚を切り開いて注射針を挿入しやすくする。すなわち、刃先に近い傾斜面のうち傾斜面81の穿刺用の刃面に切り開く力が集中して皮膚を切り開く役目をするので、スムーズに皮膚に刺し込むことができるという利点が生じ、それに伴う痛みがそれだけ和らぐことになる。
【0081】
図26ないし図27は、本願発明の先端部の形状の第9の例を示すものである。この例では、図18および図19の例に示したように、平面図と正面図を省略してあり、X−X断面図とY−Y断面図に対応する図面によりこの例を説明するものである。
【0082】
図26は、X−X断面図に対応する針管の断面図を、図27は、Y−Y断面図に対応する穿刺用刃面部分の断面図をそれぞれ示す。
【0083】
図において、90は針管、91および92は傾斜面、95は穿刺用刃面を形成する際の切除面、96は切除部分、97は頂部C9と下角部D9を結ぶ平面、α9は切除面95と平面97とのなす角度、C9は頂部、およびD9は下角部をそれぞれ示す。そして、針先(図示せず)は下角部D9の最先端に形成されている。
【0084】
この先端部は、図26にみるようにその断面形状がほぼ正6角形形状の筒型であり、針管90の上部の頂部を図15や図16などの例にみるように縦方向の頂部C9とし、頂部の反対側の縦方向の下方の角部を下角部D9とし、頂部C9から下角部D9に向けて、切除開始部(図示せず)から刃先(図示せず)にかけて傾斜して切除面を形成して穿刺用刃面としたものであるが、この際、切除する面、すなわち切除面95は頂部C9と下角部D9を結ぶ平面97とのなす角度α9が図27にみるように直角より小さい角度となるように形成される。このためこの切除面95は図27にみるように横方向に傾斜している。
【0085】
このために、下角部D9から傾斜面91および傾斜面92への距離あるいは高さは図27にみるように同じではなく、傾斜面91のほうが傾斜面92よりも高い位置にある。なお、図27において96は切除された部分(切除部分)を示す。そして、刃先に近い傾斜面のうち傾斜面91のほうが高い位置にあり、この刃面が匕首のような働きをして非常に皮膚を切り開きやすくするので、注射針を皮膚に刺すときに皮膚を切り開いて注射針を挿入しやすくする。すなわち、刃先に近い傾斜面のうち傾斜面91の穿刺用の刃面に切り開く力が集中して皮膚を切り開く役目をするので、スムーズに皮膚に刺し込むことができるという利点が生じ、それに伴う痛みがそれだけ和らぐことになる。
【0086】
【発明の効果】
このような本願発明の構成をとることにより、注射時に血管を傷めたりすることもなく、注射針先端の切れ味がよくかつ痛みも低減できるとともに、構造が簡単であるために製造も容易であるなどの利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】注射針の全体の概略説明図である。
【図2】注射針の先端部の形状の第1の例を示す概略説明図である。
【図3】図2に示す先端部の正面図を示す。
【図4】図2のX1−X1断面図を示す。
【図5】図2のY1−Y1断面図を示す。
【図6】注射針の先端部の形状の第2の例を示す概略説明図の平面図である。
【図7】図6に示す先端部の正面図を示す。
【図8】図6のX2−X2断面図を示す。
【図9】図6のY2−Y2断面図を示す。
【図10】注射針の先端部の形状の第3の例を示す概略説明図の平面図である。
【図11】図10に示す先端部の正面図を示す。
【図12】図10のX3−X3断面図を示す。
【図13】図10のY3−Y3断面図を示す。
【図14】注射針の先端部の形状の第4の例を示す概略説明図の平面図である。
【図15】図14に示す先端部の正面図を示す。
【図16】図14のX4−X4断面図を示す。
【図17】図14のY4−Y4断面図を示す。
【図18】注射針の先端部の形状の第5の例を示す針管の断面図を示す。
【図19】図18の第5の例の穿刺用刃面の一断面図を示す。
【図20】注射針の先端部の形状の第6の例を示す針管の断面図を示す。
【図21】図20の第6の例の穿刺用刃面の一断面図を示す。
【図22】注射針の先端部の形状の第7の例を示す針管の断面図を示す。
【図23】図22の第7の例の穿刺用刃面の一断面図を示す。
【図24】注射針の先端部の形状の第8の例を示す針管の断面図を示す。
【図25】図24の第8の例の穿刺用刃面の一断面図を示す。
【図26】注射針の先端部の形状の第9の例を示す針管の断面図を示す。
【図27】図26の第9の例の穿刺用刃面の一断面図を示す。
【図28】従来の注射器の先端部を示す概略図を示す。
【符号の説明】
1:注射針
2:注射器の本体
3:針本体あるいは針管
4:針基
10、20、30、40、50、60、70、80、90:針管
11、12、21、22、31、32、41、42、51、52、61、62、71、72、81、82、91、92、101、102:傾斜面
15、25、35、45、55、65、75、85、95:切除面
16、26、36、46、56、66、76、86、96:切除部分
17、27、37、47、57、67、77、87、97:頂部と下角部を結ぶ面
A0、A1、A2、A3、A4:刃先
B0、B1、B2、B3、B4:傾斜開始部分
C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9:頂部
D1、D2、D3、D4、D5、D6、D7、D8、D9:下角部
E1、F1:刃先A1をはさむ傾斜面
E2、F2:刃先A2をはさむ傾斜面
E3、F3:刃先A3をはさむ傾斜面
E4、F4:刃先A4をはさむ傾斜面
α1、α2、α3、α4、α5、α6、α7、α8、α9:切除面の軸と、頂部と下角部とを結ぶ面の軸とのなす角度

Claims (2)

  1. 先端部に穿刺用刃面を有する医療用注射針において、
    その先端部の断面形状が、ほぼ正方形形状、ほぼ正方形形状であってしかも正方形形状の向かい合った角部の2つが外観円弧状形状となった形状、ほぼ円形形状であってかつ円形形状の劣弧の一部が鈍角(ほぼ120°)の角部となっている形状、ほぼ両端がとがった楕円形形状、およびほぼ正6角形形状よりなる群より選ばれる形状の筒型であり、
    かつ針本体の軸線方向(長さ方向)に対して斜めに切断して穿刺用刃面が形成されているものであって、
    しかも前記穿刺用刃面の切除面と、針の長さ方向の下角部および下角部から最も遠い頂部を結ぶ平面との角度がほぼ直角となるように形成されていることを特徴とする上記注射針。
  2. 先端部に穿刺用刃面を有する医療用注射針において、
    その先端部の断面形状が、ほぼ正方形形状、ほぼ扇形形状、ほぼ楕円型形状、ほぼ正方形形状であってしかも正方形形状の向かい合った角部の2つが外観円弧状形状となった形状、ほぼ逆流滴形形状、ほぼ円形形状であってかつ円形形状の劣弧の一部が鈍角(ほぼ120°)の角部となっている形状、ほぼ両端がとがった楕円形形状、およびほぼ正6角形形状よりなる群より選ばれる形状の筒型であり、
    かつ針本体の軸線方向(長さ方向)に対して斜めに切断して穿刺用刃面が形成されているものであって、
    しかも前記穿刺用刃面の切断面と、針の長さ方向の下角部および下角部から最も遠い頂部を結ぶ平面との角度が直角より小さい角度となるように形成されていることを特徴とする上記注射針。
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