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JP2004288349A - 光学部品用積層フィルム、光学部品及び光ディスク - Google Patents

光学部品用積層フィルム、光学部品及び光ディスク Download PDF

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JP2004288349A
JP2004288349A JP2003407293A JP2003407293A JP2004288349A JP 2004288349 A JP2004288349 A JP 2004288349A JP 2003407293 A JP2003407293 A JP 2003407293A JP 2003407293 A JP2003407293 A JP 2003407293A JP 2004288349 A JP2004288349 A JP 2004288349A
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Kenji Kanamaru
健二 金丸
Yukihiko Yamashita
幸彦 山下
Tetsuo Yamanaka
哲郎 山中
Koichi Saito
晃一 斉藤
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】光学特性及び表面平滑性が優れており、かつ、製造時の作業性が良好な光学部品用積層フィルム、光学部品及び光ディスクを得る。
【解決手段】光透過層及び粘着層の少なくとも2層のフィルムが積層された積層フィルムであり、積層フィルムの膜厚が30〜300μm、膜厚精度が±2.0μm以内、かつ、405nmにおける光透過率が87%以上であることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、大容量化した高密度DVD、有機EL、フレキシブルディスプレイ又は電子ペーパー等の光学用部品の部材として適用可能な光学部品用積層フィルム、光学部品及び光ディスクに関する。
光ディスクは、透明なプラスチック基盤より成る支持基盤上に、微細な凹凸から成るビット列や溝から成る信号情報を記録した記録層を形成しており、記録層が形成された面と対向する面側からレーザー光等を照射し、支持基盤上の信号情報に応じて反射光量が変化することにより、情報を読み出すシステムである。
このような光ディスクの種類として、コンパクトディスク(CD:Compact Disk)、DVD( Digital Versatile Disk)または光磁気記録ディスク等が挙げられる。代表的な光ディスクであるCDにおいては、厚さが0.6mmである支持基盤上に情報を読み出す透明な光透過層が形成されており、光透過層は記録層を有する支持基盤を兼ねた構造である。CDでは、記録再生用として波長780nmのレーザー光を使用しており、光透過層側から記録再生用のレーザー光を照射し、支持基盤上の記録層に刻印されたビット列や溝から成る信号情報に応じて変化する反射光量に基づき記録層に記録された情報を再生する。
CDよりも記録容量の高いDVDに代表される光ディスクにおいては、記録再生用のレーザー波長は635nmであり、基本的には、前述したCDと同様に、記録層にレーザー光を照射して信号情報の記録及び再生を行う。
図3は、DVDの構造を概略的に説明するためにDVDの一部を拡大した斜視図であり、図4はその断面図である。図3及び図4に示すように、DVD10は、支持基盤11と、支持基盤11上に形成された記録層12と、記録層12上に形成された光透過層13と、を備える。さらに、具体的に説明すると、単層板においては情報を読み出す透明な支持基盤11の厚さは0.6mmであり、この支持基盤11上にビット14列や記録用溝等の情報が記録された記録層12が形成され、記録層12上に支持基盤11と同厚さ(0.6mm)の透明支持基盤を張り合わせて光透過層13が形成される。なお、記録層12上に張り合わせて形成された光透過層13は、通常「ダミー」と呼ばれ、光ディスク自体の強度を向上させる役割を果たしている。上記図3及び図4に示すように、光透過層13側からレーザー光15を照射して、記録層の情報を記録及び再生する。
さらに、ここ数年、映像情報や動画情報等の発展に伴い、記録容量を大容量化したDVDが求められ、次世代ディスクと呼ばれる記録容量が20GBを超える大容量の高密度DVDの開発が進められている。高密度DVDは、直径12センチのサイズであり従来と同様のサイズであるため、記録層におけるトラックピッチを狭小化しあるいはビット長を縮小化する等により微細化し、高密度化を図ることが要求されている。
具体的には、厚さが1.1mm程度の支持基盤上にビット列や溝等により信号情報が記録された記録層が形成され、記録層の表面には透明な厚さ0.1mm程度のフィルムを接着して光透過層が形成される。そして、光透過層の面側から400nm程度の短波長の青色レーザーを照射して、信号情報の記録及び再生を行う。
上記CD、DVD及び次世代ディスク等の支持基盤及びダミー層である光透過層として、通常、ポリカーボネートが使用されており、次世代ディスクの光透過層としてもポリカーボネートが使用されているが、ポリカーボネートに替わる新たな高分子材料の開発が進められている。
開発が進められている代表的な高分子材料として、例えば、アクリル系樹脂が挙げられるが、アクリル系樹脂は、比較的安価であり、透明性が高く、ゴム状物やガラス状ポリマ等の多様な特徴を有するポリマを比較的容易に製造でき、さらには、変性が容易である等の優れた特性を有している。しかし、優れた特性を備えている反面、アクリル系樹脂をフィルム形状とするためには、強度、耐熱性と靱性の相反する特性を両立させる必要があり、従来のアクリル樹脂では、上記特性を両立させることが困難であるため、大きな課題となっていた。アクリル樹脂全般に共通して靱性が低いことが課題であるが、例えば、樹脂中にゴム粒子を添加して、アクリル樹脂から形成されるフィルムの靭性を高める方法が幾つか報告されている(特許文献1、特許文献2参照)。しかし、樹脂中にゴム粒子を添加する等してフィルムの靭性を改善することが可能であるが、フィルムを折り曲げた際に白化現象が生じてしまい、フィルムの折り曲げ加工性が低下していた。このため、室温(25℃)以上のガラス転移点と靱性の必要な薄膜フィルムの形成能(折り曲げ加工性)を両立するアクリル樹脂は見出されていなかった。
そこで、例えば、1種又は2種以上の合成高分子を混合して分子間に水素結合を形成して擬似的な架橋構造を持たせ、従来の材料では実現できなかった新たな特性を導入した樹脂組成物が開発されている(特許文献3参照)。その一例として、ガラス転移温度が低い重合体としてプロトン供与性原子団である水酸基を含んだアクリル重合体と、ガラス転移温度が高い重合体としてプロトン受容性原子団であるアミン基を含んだアクリル重合体をブレンドし、分子間に水素結合を形成し擬似的な架橋構造として耐熱性と靱性との各特性を両立した光透過層用のフィルムが得られることが報告されている(特許文献4参照)。
特公昭58−167605号公報 特開平3−52910号公報 特開2000−273319号公報 特開2002−38036号公報
上記方法により作製された光透過層用のフィルムは、耐熱性と靭性との両特性を得られるため、本フィルムを使用して、光ディスク等の光学部品を作製している。例えば、支持基盤用のフィルム上に粘着層を貼り合わせる工程の後、粘着層上にアクリル樹脂から成る光透過層用のフィルムをさらに貼り合わせてフィルムを積層して光ディスクを構成している。このように各フィルムを順次貼り合わせて光ディスクを構成しているため、各層のフィルムを貼り合わせた際にフィルム表面に凹凸が生じてしまい、フィルムの表面平滑性が悪化してしまうという問題を有していた。特に、大容量化した高密度DVD等の光ディスクでは、前述したように高記録密度化に伴い各層のフィルムを薄肉化しているため、フィルム表面に数μm程度の凹凸が存在すると、読みとりエラーが発生する等の不具合が生じ、その結果、光学特性が低下してしまうという問題を有していた。このため、光学部品を構成するフィルムには、その表面が平滑であることが要求されている。
また、上述したように、支持基盤上に粘着層を形成した上で、粘着層上に光透過層を貼り合わせて形成すると、表面平滑性が低下するだけでなく、各層を順次貼り合わせる必要があるため作業工程数が多くなり、作業性の観点からも問題を有していた。
さらに、上述した光透過層は、400nm程度の短波長であるレーザー光を透過させて記録層に刻印された信号情報の記録及び再生をするため、光透過層の光透過率が低いと記録層からの反射光が光透過層を通過する際に吸収されてしまい、信号強度が低下するという問題を有していた。このため、高い信号精度を得るために、400nm程度の短波長レーザーによる光透過率の高い光透過層が要求されており、光透過性の良好な材料が望まれていた。
また、実使用時においては、光ディスクの光透過層は直接種々の物体と接触するため表面に傷が付いてしまうことがある。この場合、傷が付いた部分は光の透過率が著しく低下するため、信号を読みとることが困難となり、記録容量が低下するという問題がある。
本発明は、上述した問題を解決するためのものであり、光学特性及び表面平滑性が良好であり、かつ、製造時における作業性が良好な光学部品用積層フィルム、光学部品及び光ディスクを得ることを目的とする。
さらに、本発明は、上記に加え、実用時の表面耐擦傷性が優れた光学部品用フィルム、これを用いた光学部品及び光ディスクを得ることを目的とする。
上記目的を達成すべく本発明者らは種々研究した結果、光透過層の片面に粘着層を形成した積層フィルムを予め形成し、この積層フィルムの膜厚を30〜300μmの間に調節することにより、膜厚精度が±2.0μm以内であり、かつ、405nmにおける光透過率を87%以上とすることができることを見出し、本発明を完成させたものである。また、このように予め光透過層及び粘着層を積層した積層フィルムとしたため、各層のフィルムを貼り付ける工程数を減らすことができ、その結果、光学特性及び表面平滑性が良好であるだけでなく、製造時の作業性をも改善できることを見出したものである。
すなわち、本発明の光学部品用積層フィルムは、光透過層及び粘着層の少なくとも2層のフィルムが積層された積層フィルムであり、当該積層フィルムの膜厚が30〜300μm、膜厚精度が±2.0μm以内、かつ、405nmにおける光透過率が87%以上であることを特徴とする。
上記発明において、前記光透過層上に鉛筆硬度が3H以上であるハードコート層が形成され、該ハードコート層上または該ハードコート層と反対側の前記光透過層上に前記基材層が積層されていてもよい。これにより、実用時の表面耐擦傷性が優れた光学部品用積層フィルム、フィルム巻層体、光学部品及び光ディスクを提供することができる。
このハードコート層の膜厚は0.5〜8.0μmであることが好ましく、その膜厚精度は±1.0μm以内であることが好ましい。また、ハードコート層は、特に限定されないが、架橋体構造であることが好ましく、シリコーン系架橋構造体またはアクリル系架橋構造体であることがより好ましい。さらに、ハードコート層は、シリコーン系熱可塑性樹脂を0.2〜10.0重量%含有することが好ましい。
本発明の積層フィルムの膜厚は、30μm〜300μmであることが必要である。膜厚が30μm未満になると表面平滑性や作業性が悪くなり、膜厚が300μmを超えると表面平滑性や、405nmの光透過率が悪くなるからである。積層フィルムの膜厚は、好ましくは40〜250μm、さらに好ましくは50〜200μmの範囲である。また、積層フィルムの膜厚精度は±2μm以内であり、405nmにおける光透過率は87%以上である。なお、膜厚、膜厚精度及び光透過率の測定は、後述する実施例において説明する。
また、上記光学部品用積層フィルムにおいて、光透過層の膜厚が15〜250μm、膜厚精度が±2.0μm以内、かつ、405nmにおける光透過率が90%以上であることが好ましい。光透過層の膜厚が30μm未満であると表面平滑性や作業性が悪く、膜厚が250μmを超えると表面平滑性や405nmにおける光透過率が悪くなるからである。また、光透過層の膜厚は、好ましくは25〜200μm、さらに好ましくは35〜150μmの範囲である。
また、上記光学部品用積層フィルムにおいて、光透過層は、主としてアクリル系重合体から成ることが好ましい。
さらに、上記光学部品用積層フィルムにおいて、光透過層は、分子内に少なくとも1種のプロトン供与性原子団を含むビニル系重合体Aと、分子内に少なくとも1種の受容性原子団を含むビニル系重合体Bとを含み、前記ビニル系重合体A及びビニル系重合体Bを混合することにより前記プロトン供与性原子団と前記プロトン受容性原子団との間に分子間水素結合による擬似的な架橋が形成された熱可塑性樹脂から主として成ることが好ましい。
本発明における光透過層は、特性の異なる2種以上のビニル系重合体を混合し、分子内の相互間に擬似的な架橋を形成したビニル系重合体から形成したものであり、擬似的な架橋という表現を使用したが、これは、本発明のビニル系重合体の架橋が、熱分解温度以下の熱や溶剤等により切断され、温度を下げるか、或いは溶剤を除去すると架橋構造が再形成されるためである。上記ビニル系重合体を使用してフィルムを形成することにより、1種のビニル系重合体からフィルムとした場合には得ることができない複数の特性を待たせることが可能となる。例えば、2種のビニル系重合体を混合する場合に、耐熱性が良好であり正複屈折である一方のビニル系重合体と、柔軟性を有し負複屈折である他方のビニル系重合体とを使用して、両者のビニル系重合体を混合して擬似架橋を形成する。擬似架橋を形成することにより、耐熱性及び柔軟性の特性を両立すると共に、正負複屈折を相殺しゼロ複屈折化して低複屈折とし、フィルムに相反する特性を持たせることが可能となる。また、2種以上のビニル系重合体を混合することにより相反する特性を導入することができる。
また、上記プロトン供与性原子団は、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、水酸基、フェノール性水酸基、メルカプト基、チオフェノール性メルカプト基、1級アミノ基、2級アミノ基などの官能基を含む群から選ばれた物とすることが好ましく、プロトン受容性原子団は、カルボニル基、スルホニル基、ホスホリル基、シアノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、含窒素複素環基などの官能基を含む群から選ばれた物とすることが好ましい。
さらに、上記プロトン供与性原子団は、カルボキシル基、水酸基、フェノール性水酸基などの官能基を含む群から選ばれた物とすることが好ましく、プロトン受容性原子団は、2級アミノ基、3級アミノ基、含窒素複素環基などの官能基を含む群から選ばれた物とすることが好ましい。
また、本発明の積層フィルムの表面平滑性、具体的には、15ミクロン幅における凹凸は20nm以下であることが好ましい。
本発明の光学部品用積層フィルムは、光ディスクの光透過層用に特に好適なものである。
さらに、本発明の積層フィルムの前記光透過層と前記粘着層との屈折率差が、0.1以下であることが好ましく、より好ましくは0.07以下である。光透過層と粘着層との屈折率差が0.1を超えると光透過層と粘着層の界面で光散乱がおき、405nmの光透過率が悪くなるからである。なお、屈折率差は、アッベ屈折計を用い光透過層、粘着層それぞれの屈折率を測定し、その差から求めることができる。
また、本発明の光学部品は、上記本発明の積層フィルムを、光透過層及び粘着層として適用されていることを特徴としており、当該光学部品は光ディスクに好適である。
さらに、本発明の光ディスクは、支持基盤上に記録層、粘着層及び光透過層が順次形成された光ディスクであって、光透過層及び粘着層は、これら2層が少なくとも積層された積層フィルムを貼り付けることにより構成されると共に、積層フィルムの膜厚が30〜300μm、膜厚精度が±2.0μm以内、かつ、405nmにおける光透過率が87%以上であることを特徴とする。
また、本発明の光ディスクの光透過層上に上記した鉛筆硬度が3H以上であるハードコート層が形成されていてもよい。
本発明の光学部品用積層フィルムによれば、表面平滑性及び光学特性が良好であり、かつ、製造時の作業性を改善することができ、その結果、本光学部品用積層フィルムを光ディスク等の光学部品に適用することにより、光ディスク等の光学部品の高品質化を実現することができる。さらに、ハードコート層が表面上に形成された積層フィルムであれば、実使用時の耐擦傷性にも優れるため、長期にわたり高品質の光ディスク等の光学部品を得ることができる。
以下、本発明の光学部品用積層フィルムを使用して光ディスクを構成し、20GBを超える大容量の高密度DVDとした例を挙げて説明する。
図1は、高密度DVDの一部の構造を示す斜視図であり、図2はその断面図である。図1及び図2に示すように、高密度DVD1は、支持基盤2上に記録層3を備え、記録層3上に粘着層4を介して光透過層5が形成される。
DVDは、405nmの短波長レーザー光6を光透過層5側から照射し、光透過層5を介して記録層3の信号情報を再生及び記録するものであり、高密度DVD1は、光透過層5を薄肉化している。
本発明の光学部品用積層フィルムは、基本的に、光透過層と粘着層との少なくとも2層が積層されたフィルムであり、このフィルムは上記構成の高密度DVDの光透過層及び粘着層として使用される。
上記高密度DVDを構成する各層は、例えば、上記高密度DVDを構成する各層は、例えば、支持基盤2及び記録層3の合計した膜厚を0.55mm〜1.15mmとし、より好ましくは0.6mm〜1.1mmとすることが好ましい。なお、粘着層4及び光透過層5は、粘着層4の膜厚を5μm〜50μmとすることが好ましく、光透過層5の膜厚を15μm〜250μmとすることが好ましい。
上記高密度DVDを構成する各層の構成材料について説明する。なお、光透過層5及び粘着層4は、本発明の光学部品用積層フィルムを使用したものであり、また、支持基盤2及び記録層3は、従来と同様の材料から形成されるものを適用することができ、例えば、支持基盤2は、ポリカーボネート等のプラスチック基板から構成される。
粘着層4は、粘着剤をフィルム状に形成した粘着剤フィルムを用いることができる。粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合体系粘着剤、シリコーン系粘着剤、エステル系粘着剤等を選択することができる。特に、粘着剤としてアクリル系粘着剤を使用することが好ましい。但し、ここに示した粘着剤は一例を示したものであり、これらに制限されるものではない。上記粘着剤フィルムは、上記のような粘着剤を基材に予め塗布、乾燥して形成することができる。基材としては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレン系エラストマーフィルム、ポリオレフィン系エラストマーフィルム、ポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートセロハンフィルム、アセテートフィルム、各種フッ素フィルム、ポリイミドフィルム等を選択することができる。但し、ここに示した基材は一例であり、これらに制限されるものではない。
また、光透過層フィルムに上記粘着層フィルムをラミネートする時期は、特に限定されないが、光透過層フィルムとなる熱可塑性樹脂ワニスを基材に塗工、乾燥した後とすることが特に好ましい。
上記方法により得られた積層フィルムは、強靱かつ柔軟性を有しており、機械特性に優れ、形状を維持することが容易である。
光透過層5は、主として熱可塑性樹脂から形成されたフィルムであり、この熱可塑性樹脂は、分子内に少なくとも1種のプロトン供与性原子団を含むビニル系重合体Aと分子内に少なくとも1種の受容性原子団を含むビニル系重合体Bと、を含むビニル系重合体である。このビニル系重合体は、ビニル系重合体A及びビニル系重合体Bの両者を混合することにより、プロトン供与性原子団とプロトン受容性原子団との間に分子間水素結合による擬似的な架橋が形成されている。
分子内に少なくとも1種のプロトン供与性原子団を含むビニル系重合体Aを作製するためのビニル系単量体としては、例えば、アクリル酸、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−アクリロイロキシエチルアシッドホスフェート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルアクリレート、メタクリル酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、2−メタクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−メタクリロイロキシエチルアシッドホスフェート、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイロキシプロピルアクリレート、ビニル安息香酸、安息香酸ビニル及びその誘導体等が挙げられる。但し、ここに示した化合物は一例であり、これらに制限されるものではない。
また、分子内に少なくとも1種のプロトン受容性原子団を含むビニル系重合体Bを作製するためのビニル系単量体としては、例えば、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ジメチルアクリルアミド、N−ジエチルアクリルアミド、N−ジメチルメタクリルアミド、N−ジエチルメタクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、ビニルピリジン及びその誘導体等が挙げられる。但し、ここに示した化合物は一例であり、これらに制限されるものではない。
さらに、分子内に少なくとも1種のプロトン供与性原子団を含むビニル系重合体Aと、分子内に少なくとも1種のプロトン受容性原子団を含むビニル系重合体Bとのそれぞれに対して、後述する他のビニル系重合体とを共重合することができる。使用できる単量体としては、得られる共重合体の透明性を損なわない物であれば特に限定されず、具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸ナフチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸メチルシクロヘキシル、アクリル酸トリメチルシクロヘキシル、アクリル酸ノルボルニル、アクリル酸ノルボルニルメチル、アクリル酸シアノノルボルニル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸ボルニル、アクリル酸メンチル、アクリル酸フェンチル、アクリル酸アダマンチル、アクリル酸ジメチルアダマンチル、アクリル酸トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−8−イル、アクリル酸トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−4−メチル、アクリル酸シクロデシル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル、メタクリル酸ブトキシエチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ナフチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチルシクロヘキシル、メタクリル酸トリメチルシクロヘキシル、メタクリル酸ノルボルニル、メタクリル酸ノルボルニルメチル、メタクリル酸シアノノルボルニル、メタクリル酸フェニルノルボルニル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸ボルニル、メタクリル酸メンチル、メタクリル酸フェンチル、メタクリル酸アダマンチル、メタクリル酸ジメチルアダマンチル、メタクリル酸トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−8−イル、メタクリル酸トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−4−メチル、メタクリル酸シクロデシル等のメタクリル酸エステル類、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−フルオロスチレン、α−クロルスチレン、α−ブロモスチレン、フルオロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、メチルスチレン、メトキシスチレン等の芳香族ビニル化合物、アクリル酸カルシウム、アクリル酸バリウム、アクリル酸鉛、アクリル酸アクリル酸すず、アクリル酸亜鉛、メタクリル酸カルシウム、メタクリル酸バリウム、メタクリル酸鉛、メタクリル酸すず、メタクリル酸亜鉛等の(メタ)アクリル酸金属塩、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和脂肪酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−i−プロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−i−ブチルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、 N−ラウリルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(2−クロロフェニル)マレイミド、N−(4−クロロフェニル)マレイミド、N−(4−ブロモフェニル)フェニルマレイミド、N−(2−メチルフェニル)マレイミド、N−(2−エチルフェニルマレイミド、N−(2−メトキシフェニル)マレイミド、N−(2,4,6−トリメチルフェニル)マレイミド、N−(4−ベンジルフェニル)マレイミド、N−(2,4,6−トリブロモフェニル)マレイミド等が挙げられる。また、これらは1種又は2種以上で使用してもよい。但し、ここに示した化合物は一例であり、これらに制限されるものではない。
また、本発明において、分子内に少なくとも1種のプロトン供与性原子団を含むビニル系重合体Aと、分子内に少なくとも1種以上のプロトン受容性原子団を含むビニル系重合体Bとを混合する方法は、溶融混練法、ワニスブレンド法等を適用することができ、特に方法は問わない。
また、重合方法としては、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合等の既存の方法を使用することができる。
重合を行う際には、重合開始剤を用いることができる。具体的には、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサノン−1−カルボニトリル、アゾジベンゾイル等のアゾ化合物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性触媒及び過酸化物あるいは過硫酸塩と還元剤の組み合わせによるレドックス触媒等、通常のラジカル重合に使用できるものはいずれも使用可能である。
分子量調整剤として、メルカプタン系化合物、チオグリコール、四塩化炭素、α−メチルスチレンダイマー等を必要に応じて添加することもできる。なお、ここに示した分子量調整剤は、一種または二種以上により使用しても良いものであるが、ここに示した分子量調整剤は一例を示したにすぎず、例示した分子量調整剤に制限されるものではない。
重合方法として熱重合を使用する場合には、重合温度は、0〜200℃の間で適宜選択することができ、より好ましい重合温度は50〜120℃の範囲である。
本発明における熱可塑性樹脂は、その使用にあたって、劣化防止、熱的安定性、成形性及び加工性などの観点から、フェノール系、ホスファイト系、チオエーテル系などの抗酸化剤、脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、フタル酸エステル、トリグリセライド類、フッ素系界面活性剤、高級脂肪酸金属塩などの離型剤、その他滑剤、可塑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、重金属不活性化剤などを添加して使用しても良い。
本発明では、得られた重合体から、溶融混練法や溶媒キャスト法により有機溶媒を揮発させてフィルムを得ることができる。係るキャストの条件は特に限定されるものではないが、例えば、空気中や不活性ガス中において50℃〜160℃の温度条件下で行うことが可能である。また、これら条件を用いて予備乾燥した後、フィルムを剥がし、さらに、これを160〜350℃の高温で乾燥して乾燥時間を短縮することが可能である。
上記材料を使用して光透過層としてのフィルムを作成する場合には、基材上に上記熱可塑性樹脂を主とする材料を塗布、乾燥すると良い。基材としては、具体的に、PETフィルム、PENフィルム、ステンレス、テフロン(登録商標)フィルム、ポリエステルフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリル樹脂フィルム、エポキシ樹脂フィルム、ノルボルネン系高分子およびこれをブレンドした樹脂等が選択でき、特に、PETフィルム、PENフィルムを使用するのが好ましく、より好ましくはPETフィルムを使用すると良い。なお、ここに示した基材は、一例を示したものであり、基材は表面平滑性が良好であれば良く、上述したフィルムに限定されるものではない。
また、光透過層および粘着層が少なくとも積層された本発明の積層フィルムの光透過層上にさらに鉛筆硬度が3H以上であるハードコート層が積層されてもよい。
上記ハードコート層の鉛筆硬度が3H未満であると実使用時の耐擦傷性が不十分である。また、ハードコート層は、特に限定されないが、架橋体構造であることが好ましく、シリコーン系架橋構造体またはアクリル系架橋構造体であることがより好ましい。また、ハードコート層の膜厚は0.5〜8.0μmであることが好ましく、その膜厚精度は±1.0μm以内であることが好ましい。ハードコート層の膜厚が0.5μm未満であると耐擦傷性の向上効果が低く、8.0μmを越えると環境性試験時にクラックが生じる。
このようなハードコート層を光透過層上に形成する方法としては、特に制限されないが、例えば、予め作製した光透過層フィルム上に硬化触媒を添加したハードコート前駆体を均一な厚みに塗布し、その後、これを加熱もしくは紫外線照射することにより硬化させ、形成することができる。
上記シリコーン系架橋構造体となるハードコート前駆体としては、例えば、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、C1〜C12のアルキルトリメトキシシラン、C1〜C12のアルキルトリエトキシシラン、ジ(C1〜C12のアルキル)トリメトキシシラン、ジ(C1〜C12のアルキル)トリエトキシシラン、トリ(C1〜C12のアルキル)メトキシシラン、トリ(C1〜C12のアルキル)エトキシシラン等の加水分解縮合物を用いることができる。尚、これらのシラン化合物は単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
上記ハードコート前駆体に添加される硬化触媒としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、水酸化ストロンチウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属水酸化物、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ(C3〜C8アルキル)アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ(C3〜C8アルキル)アミン、メチルアミン、エチルアミン、(C3〜C8アルキル)アミン、シクロヘキシアミン、モルホリン、トリメチルアンモニウムハイドロオキサイド、トリエチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、ヒドロキシエチルジメチルハイドロオキサイド、ヒドロキシエチルジエチルハイドロオキサイド等のアミン化合物を用いることができ、中でも水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド、ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムハイドロオキサイド、ヒドロキシエチルトリエチルアンモニウムハイドロオキサイド等が好適である。中でも水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド、ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムハイドロオキサイド、ヒドロキシエチルトリエチルアンモニウムハイドロオキサイド等がより好適である。但し、これらは一例でありここに示したものに限定されるものではない。また、これらは単独で用いても良いし、2種類以上を併用することもできる。添加する硬化触媒量は、特に制限されないが、ハードコート前駆体の固形分に対して0.05重量%〜10重量%の範囲で適宜選択することができる。
加熱による硬化温度は、ハードコート前駆体が硬化できる温度であれば特に制限はないが、一般に60℃〜180℃程度が好適である。最も好ましい温度は120℃〜160℃程度である。
また、上記ハードコート前駆体を製造する際には触媒を用いるが、その触媒としては、例えば、上記の硬化触媒と同様のアルカリ水酸化物、アミン化合物、さらには、塩酸、硫酸、硝酸、パラトルエンスルフォン酸、燐酸、フェノールスルフォン酸、ポリリン酸等の酸を用いることができる。これらは単独で用いることもできるし、2種類以上を併用することもできる。尚、ここに示したものは一例であり、これらに制限されるものではない。
本発明におけるハードコート前駆体を製造する際の反応温度には特に制限はないが、20℃〜100℃程度の温度が好適である。20℃を下回ると、反応速度が低下し生産性が低下する。100℃を越えると、加水分解又は縮合により生成するアルコール又は水が沸騰するため危険を伴う。また、反応は、溶液中でおかなうことが好適である。用いることのできる溶媒は、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール等のアルコールを挙げることができる。ここに示したものは1例であり、これらに制限されるものではない。
本発明におけるハードコート層となる、アクリル系架橋構造体としては、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する重合性化合物を含む重合性材料(ハードコート材料)を用いて形成することができる。
このハードコート材料で用いることができる、重合性化合物としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、オリゴエステル(メタ)アクリレートなどの2以上の(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマー;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどのアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの(ポリ)オキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAにアルキレンオキサイド(エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド)が付加した付加体のジ(メタ)アクリレート[例えば、2,2−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]プロパンなど]などの2官能性(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ホスファゾ基−P=N−と(メタ)アクリロイル基とを有する(メタ)アクリレートなどの多官能性(メタ)アクリレートが含まれる。
また、硬化塗膜の特性を調整するため、単官能性(メタ)アクリレート、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどのC1−20アルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの塩基性窒素原子含有(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレートなどのハロゲン含有(メタ)アクリレートなどを併用してもよい。
このような重合性ハードコート材料は、熱重合開始剤(ベンゾイルパーオサイド、クメンヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドなどの有機過酸化物など)を含む熱硬化性のものでもよいが、生産性を向上させるため、光重合開始剤を含む光硬化型のものが好ましく、特に紫外線硬化型のものが好ましい。
光重合を開始するために使用する化合物としては、例えば、ベンゾイン又はその誘導体(ベンゾイン,ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなど)、ケトン類(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アセトフェノンやその誘導体(アルコキシアセトフェノンなど)、プロピオフェノン又はその誘導体(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノンなど)、ベンゾフェノン又はその誘導体(4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、4,4′−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)ケトンなど)、ベンジル又はその誘導体(ベンジルおよびベンジルメチルケタールなど)、チオキサントン又はその誘導体(2,4−ジエチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントンなど)などの慣用の光重合開始剤や増感剤を使用することができ、これらは単独で使用してもよく、二種以上組み合わせて使用してもよい。
熱重合開始剤や光重合開始剤の量は、前記重合性化合物100重量部に対して、0.1〜10重量部程度用いることが好ましい。
またハードコート材料は、必要に応じて、炭化水素類、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類などの有機溶媒を含む有機溶媒含有塗布剤であってもよい。
また、本発明におけるハードコート層は、シリコーン系熱可塑性樹脂を0.2〜10.0重量%含有することが好ましい。シリコーン系熱可塑性樹脂を含有することにより、ハードコート層表面の滑り性が向上し、耐擦傷性をより向上させることができる。
また、光透過層上にハードコート層を形成して本発明の光学部品用フィルムとする場合、光透過層とハードコート層をあわせた2層の複屈折は、20nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがより好ましく、5nm以下であることがさらに好ましく、特に20GBを超えるような高密度DVDの場合、2nm以下であることが特に好ましい。また、光透過層単独での複屈折の好ましい値の範囲も上記と同様であることが好ましい。
また、本発明の光学部品用積層フィルムに、これを支持し、使用時には剥離除去される基材層を設けてもよい。また、粘着層が最外層に積層される場合には、これを保護し、使用時には剥離除去される保護層を形成してもよい。このように、本発明の光学部品用積層フィルムは、光透過層および粘着層のほかに、ハードコート層、基材層、保護層等が積層され、2〜5層構造の積層フィルムとなりうるものである。
次に、以下に示す実施例1〜実施例5及び比較例1及び比較例3により、光学部品用積層フィルムの特性評価を行った。
以下の実施例1〜実施例4は、いずれも光透過層及び粘着層を有する2層積層構造の光学部品用積層フィルムに関し、2層積層フィルム及び光透過層の膜厚、膜厚精度、405nmにおける光透過率を本発明の範囲内としたものである。また、実施例5は、実施例1の積層フィルムの光透過層上にさらにハードコート層を形成したものである。また、比較例1は、2層積層フィルムを形成せずに粘着層と光透過層を順次支持基盤上に形成したものであり、比較例2及び比較例3は、2層積層フィルムの膜厚を本発明の範囲外としたものであり、比較例2は膜厚が30μm未満、比較例3は膜厚が300μmを超えるものである。
[実施例1]
本実施例では、光透過層として、ポリマAとポリマBとを混合した溶液を使用して混合溶液を使用して光透過層用のフィルムを作製し、光透過層用のフィルムと粘着層用のフィルムから2層積層フィルムとし、2層積層フィルムを支持基盤上に形成した。
(ポリマA)
耐圧2.3kg/cmGの4リットルのステンレス鋼製オートクレーブに重合溶媒としてアセトン1279gを投入し、アクリル酸ブチル(BA、和光純薬(株)製)994g、アクリル酸(AA、和光純薬(株)製)86g、イソプロピルアルコール(IPA、トクヤマ(株)製)160gを秤取した。その後、室温にて窒素ガスを約1時間通し、溶存酸素を置換した後、重合開始剤としてラウロイルパーオキシド(LPO、日本油脂(株)製)0.72g、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサネート(PBO、日本油脂(株)製)0.24g、分子量調整剤としてα−メチルスチレンダイマー0.054gをアセトン40gに溶解して、室温にて窒素ガスを約10分間通し、溶存酸素を置換した混合溶液を添加した。その後、オートクレーブ内を加圧・密閉にして、60℃まで昇温し、同温度で約20時間保持した後、90℃まで昇温した。その後同温度で約10時間保持して高分子溶液を得た。得られた高分子溶液の重合率は97%以上であった。
(ポリマB)
耐圧2.3kg/cmGの4リットルのステンレス鋼製オートクレーブに重合溶媒としてアセトン1279gを投入し、メタクリル酸メチル(MMA、旭化成(株)製)810g、メタクリル酸トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ−8−イル(TCDMA、日立化成(株)製)205g、アクリル酸ブチル(BA)32g、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート(FA712HM、日立化成(株)製)32gを秤取した。その後、室温にて窒素ガスを約1時間通し、溶存酸素を置換した後、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN、和光純薬(株)製)2.88g、アゾビスシクロヘキサノン−1−カルボニトリル(ACHN、和光純薬(株)製)0.96gをアセトン40gに溶解して、室温にて窒素ガスを約10分間通し、溶存酸素を置換した混合溶液を添加した。その後、オートクレーブ内を加圧・密閉にして60℃まで昇温し、同温度を約20時間保持した。さらに、90℃まで昇温した後、同温度で約10時間保持し、高分子溶液を得た。得られた高分子溶液の重合率は97%以上であった。
得られたポリマAワニスとポリマBワニスを1:9の固形分の比率で混合して混合溶液を得た。
<積層フィルムの作製>
上記ポリマA及びポリマBの混合溶液を、ヒラノテクシード製コンマコータヘッドの塗工機を用い、基材上に塗工し、乾燥して光透過層フィルムを作製した。その後、ダブルタックテープ#5511(積水化学工業(株))の粘着層を、上記基材を剥離しつつ光透過層フィルム上にラミネートし、積層フィルムを作製した。なお、この積層フィルムは、光透過層/粘着層/粘着層側の基材層の3層構造であり、粘着層側の基材層は使用時に剥離されるものである。
作製した積層フィルムのうち、光透過層と粘着層からなる2層積層フィルムの厚さは110μmであり、405nmにおける光透過率は、88.4%であった。また、光透過層の単独のフィルムにおける波長405nmの光透過率は92.3%であった。
<ポリカーボネート支持基盤の作製>
射出成形機IS−55EPN(東芝機械(株)製)を使用し、シリンダー温度300℃、金型温度100℃の条件下で成形し、外形86mm、内径15mm、厚み1.2mmのサイズである円盤状のポリカーボネートから形成される支持基盤とした。その後、上記方法で作製された3層構造の積層フィルムの基材層を剥離しつつ、光透過層と粘着層からなる2層積層フィルムを円盤状ポリカーボネート基盤上に貼り付けて、これをサンプルとした。
[実施例2]
本実施例では、2層積層フィルムの膜厚を変えたものであり、基本的には実施例1と同様の手順を用いてサンプルを作製した。作製した2層積層フィルムの膜厚は50μmであり、405nmにおける光透過率は89.1%であった。また、光透過層のフィルム単独の波長405nmにおける光透過率は93.2%であった。
[実施例3]
本実施例では、2層積層フィルムの膜厚を変えたものであり、基本的には実施例1と同様の手順を用いてサンプルを作製した。作製した2層積層フィルムの膜厚は150μmであり、405nmにおける光透過率は88.1%であった。また、光透過層のフィルム単独の波長405nmにおける光透過率は91.3%であった。
[実施例4]
本実施例では、2層積層フィルムの膜厚を変えたものであり、基本的には実施例1と同様の手順を用いてサンプルを作製した。作製した2層積層フィルムの膜厚は200μmであり、405nmにおける光透過率は87.9%であった。また、光透過層のフィルム単独の波長405nmにおける光透過率は90.8%であった。
[実施例5]
本実施例では、実施例1で作製した積層フィルムの光透過層上に下記ハードコート前駆体を塗工積層し、加熱硬化することでハードコート層を形成し、ハードコート層/光透過層/粘着層/粘着層側の基材層からなる4層構造の積層フィルム作製した。その後、この4層構造の積層フィルムの基材層を剥離しつつ、ハードコート層、光透過層および粘着層からなる3層積層フィルムを支持基盤上に貼り付けサンプルとした。
(ハードコート前駆体)
耐圧2.3kg/cmGの4リットルのステンレス鋼製オートクレーブに溶媒としてブタノール(和光純薬(株)製)1200gを投入し、テトラエトキシシラン(信越化学(株)製)32g、メチルトリエトキシシラン(信越化学(株)製)187.6g、ジメチルジエトキシシラン(信越化学(株)製)180.4gを秤取し、撹拌しながら蒸留水80gを添加した。その後、10%水酸化カリウム溶液0.04gを添加し、撹拌しながら60℃に昇温した。同温度を2時間保持し、ハードコート前駆体を得た。このときの固形分量は20%であった。
(ハードコート層の形成)
得られたハードコート前駆体の固形分に対してテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの15%水溶液(和光純薬(株)製)を3.3重量%添加してハードコート前駆体溶液を調整した。この溶液をヒラノテクシード製コンマコータヘッドの塗工機を用い、上記実施例1で作製した積層フィルムの、粘着層と反対側の光透過層上に塗工し、連続して50℃の乾燥路を3分、150℃の乾燥路を3分通して積層フィルムを形成した。このときの積層フィルムの膜厚は98μmであったので、光透過層の膜厚を差し引きすると、ハードコート層の膜厚は3.0μmとなる。
[比較例1]
本比較例では、実施例1の円盤状ポリカーボネート基盤上にダブルタックテープ#5511(積水化学工業(株))を粘着層として貼り付け、ついで該粘着層上に、実施例1の光透過層フィルムよりも膜厚を薄くした光透過層フィルムを貼り合わせることでサンプルを作製した。光透過層と粘着層の膜厚の合計は25μmであり、405nmにおける光透過率は88.9%であった。また、光透過層のフィルム単独の膜厚は10μmであり、波長405nmにおける光透過率は92.9%であった。
[比較例2]
本比較例では、2層積層フィルムの膜厚を本発明の範囲よりも薄くしたものであり、基本的には実施例1と同様の手順を用いてサンプルを作製した。作製した2層積層フィルムの膜厚は25μmであり、405nmにおける光透過率は89.4%であった。また、光透過層のフィルム単独の波長405nmにおける光透過率は93.4%であった。
[比較例3]
本比較例では、2層積層フィルムの膜厚を本発明の範囲よりも厚くしたものであり、基本的には実施例1と同様の手順を用いてサンプルを作製した。作製した2層積層フィルムの膜厚は330μmであり、405nmにおける光透過率は85.4%であった。また、光透過層のフィルム単独の波長405nmにおける光透過率は89.4%であった。
上記実施例1〜実施例5および比較例1〜比較例3により作製されたサンプルについて、以下に示す測定方法を用いて各種の特性を評価し、評価結果を表1に示した。
[405nmにおける光透過率]
光透過率は、JASCO社製V−570の分光光度計を用いて測定し、測定条件は、室温(25℃)で波長405nmの領域とした。
[膜厚(μm)、膜厚精度(μm)]
膜厚は、レーザーフォーカス変位計(キーエンス製、LT−8100)を使用し、サイズ12cm×12cmの正方形フィルムについて測定した。
正方形フィルムの4つの辺を、それぞれ直線A、直線B、直線C、直線Dとし、直線Aに対向する辺を直線Cとし、直線Bに対向する辺を直線Dとした。直線Aから直線Cに向かって3cmの間隔を空けた3本の平行直線を各々直線A1、直線A2、直線A3とし、これら3本の平行直線(A1、直線A2、直線A3)と、直線Aと、直線Cとの合計5本について、以下の手順により直線上の各点におけるフィルムの膜厚を測定した。まず、直線Aの一端部から正方形内側の1cmの点を基準点とし、基準点から直線Aの他端部に向かい1mmの間隔を空けた各点について、他端部から正方形内側1cmの点までの長さ10cmに亘る合計101個の各点についてフィルムの膜厚を測定した。次に、直線Aと同様の方法を用いて、直線A1、直線A2、直線A3及び直線Cについての各点の膜厚を測定し、5本の直線について合計505個の各点の膜厚を測定した。さらに、前述した直線Aから直線Cまでの各直線と同様に、直線Bから直線Dに向かう5本の直線(直線B、直線B1、直線B2、直線B3、直線D)の合計505個の各点について膜厚を測定した。最後に、前述した方法により測定された正方形フィルム内の総計1010個についての膜厚の平均値をフィルムの膜厚とした。
また、膜厚の最大値から平均膜厚を差し引いた値、及び平均膜厚から膜厚の最小値を差し引いた値を各々算出し、算出した値のうち大きい値を膜厚精度とした。
[表面平滑性(nm)]
表面平滑性は、幅15μmにおける凹凸を測定した。なお、測定には、SEIKO INSTRUMENT社製、AFMを使用した。幅15μmにおける凹凸を求めた点は、12cm×12cmの正方形であるフィルムの中央部の点と、四辺の各中央部から1cm内側の点とについて合計5点を測定し、最も大きい凹凸の大きさを表面平滑性とした。
[サンプル作製時の作業性]
光透過層フィルム、粘着層及び円盤状のポリカーボネート基盤を張り合わせて支持基盤サンプルを作製する際に、光透過層及び粘着層を備えた2層積層フィルムとポリカーボネート支持基盤とを張り合わせる工程のみの作業である場合に、サンプル作製時の作業性を○と評価した。また、円盤状のポリカーボネート支持基盤上に粘着層を形成する工程の後に、光透過層フィルムを張り合わせる工程が必要である場合に、サンプル作製時の作業性を×と評価した。
[ガラス転移温度(Tg)]
ポリマのガラス転移温度をDVAにより測定した。測定装置として、(株)ユービーエム製レオスペクトラーDVE−V4を使用した。測定条件は、昇温速度3.0℃/min、周波数10.0hzとして引張り弾性率を測定し、得られたデータのうちtanδのピークトップをガラス転移温度(Tg)とした。
[光透過層と粘着層との屈折率差]
アッベ屈折計を用いて、光透過層と粘着層それぞれ単独で測定した。測定装置として、アタゴ(株)製アッベ屈折計を使用した。
[ハードコート層の鉛筆硬度]
ハードコート前駆体の固形分に対してテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの15%水溶液(和光純薬(株)製)を3.3重量%添加したものをガラス板状に塗布した後、50℃/3分の後直ちに150℃/3分加熱し、ハードコート層を作製し、その鉛筆硬度をJIS K5400に準拠して測定した。
[積層フィルムの耐擦傷性]
積層フィルムの耐擦傷性は、摩耗試験器を用いて、荷重250g、摩耗輪CSF−1、回転数100回転で行い、試験後のヘイズ(曇価)を耐擦傷性の尺度とした。ヘイズは、ヘーズメータ(スガ試験器(株)製、HGM−2)を用いて、室温(25℃)にて測定した。
Figure 2004288349
表1に示すように、実施例1乃至実施例4の2層積層フィルムの膜厚は、いずれも30〜300μmの範囲内であり、膜厚精度及び光透過率も本発明の範囲内となっており、作業性も良好であった。さらに、実施例5のようにハードコート層を光透過層上に形成することにより、積層フィルムの耐擦傷性を向上させることができる。これに対し、比較例1では、ポリカーボネートの支持基盤上に粘着層を貼り付けた後、さらに、光透過層用のフィルムを貼り付ける工程が必要となり、工程数が増えて作業性が低下した。また、比較例2は、本発明の範囲外の膜厚としたため、良好な表面平滑性を得ることができなかった。さらに、比較例3は、本発明の範囲外の膜厚としたため、良好な光透過率及び膜厚精度を得ることができなかった。
本実施形態によれば、光透過層及び粘着層の少なくとも2層のフィルムを積層した積層フィルムとし、積層フィルムの膜厚を30〜300μmの範囲とすることにより、膜厚精度を±2.0μm以内、かつ、405nmにおける光透過率を87%以上とすることができ、製造時の作業性のみならず、優れた表面平滑性及び光学特性を得ることができる。
本発明の実施形態における、高密度DVDの一部の構造を示す斜視図。 図1に示した高密度DVDの一部の構造を示す断面図。 従来例における、DVDの構造を概略的に説明するためにDVDの一部を拡大した斜視図。 図3に示したDVDの断面図。
符号の説明
1 高密度DVD
2 支持基盤
3 記録層
4 粘着層
5 光透過層
6 レーザー光

Claims (16)

  1. 光透過層及び粘着層の少なくとも2層のフィルムが積層された積層フィルムであり、当該積層フィルムの膜厚が30〜300μm、膜厚精度が±2.0μm以内、かつ、405nmにおける光透過率が87%以上であることを特徴とする光学部品用積層フィルム。
  2. 前記光透過層上にさらに鉛筆硬度が3H以上であるハードコート層が積層されていることを特徴とする請求項1に記載の光学部品用積層フィルム。
  3. 前記ハードコート層の膜厚が0.5〜8μmであり、膜厚精度が±1.0μm以内であることを特徴とする請求項2に記載の光学部品用積層フィルム。
  4. 前記ハードコート層が、架橋構造体であることを特徴とする請求項2または3に記載の光学部品用積層フィルム。
  5. 前記ハードコート層が、シリコーン系架橋構造体またはアクリル系架橋構造体であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の光学部品用積層フィルム。
  6. 前記ハードコート層が、シリコーン系熱可塑性樹脂を0.2〜10.0重量%含むことを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の光学部品用積層フィルム。
  7. 前記光透過層は、主としてアクリル系重合体から成ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光学部品用積層フィルム。
  8. 前記光透過層の膜厚が15〜250μm、膜厚精度が±2.0μm以内、かつ、405nmにおける光透過率が90%以上であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の光学部品用積層フィルム。
  9. 前記光透過層は、分子内に少なくとも1種のプロトン供与性原子団を含むビニル系重合体Aと、分子内に少なくとも1種の受容性原子団を含むビニル系重合体Bとを含み、前記ビニル系重合体A及びビニル系重合体Bを混合することにより前記プロトン供与性原子団と前記プロトン受容性原子団との間に分子間水素結合による擬似的な架橋が形成された熱可塑性樹脂から主として成ることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の光学部品用積層フィルム。
  10. 表面平滑性が20nm以下であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光学部品用積層フィルム。
  11. 前記光透過層と前記粘着層との屈折率差が、0.1以下であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の光学部品用積層フィルム。
  12. 光ディスクの光透過層用であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の光学部品用積層フィルム。
  13. 請求項1乃至12に記載の光学部品用積層フィルムを光透過層及び粘着層として適用したことを特徴とする光学部品。
  14. 光ディスクであることを特徴とする請求項13に記載の光学部品。
  15. 支持基盤上に記録層、粘着層及び光透過層が順次形成された光ディスクであって、前記光透過層及び粘着層は、これら2層が少なくとも積層された積層フィルムを貼り付けることにより構成されると共に、当該積層フィルムの膜厚が30〜300μm、膜厚精度が±2.0μm以内、かつ、405nmにおける光透過率が87%以上であることを特徴とする光ディスク。
  16. 前記光透過層上にさらに鉛筆硬度が3H以上であるハードコート層が形成されていることを特徴とする請求項15に記載の光ディスク。
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