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JP2004287468A - 液晶表示装置の製造方法 - Google Patents

液晶表示装置の製造方法 Download PDF

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JP2004287468A
JP2004287468A JP2004205201A JP2004205201A JP2004287468A JP 2004287468 A JP2004287468 A JP 2004287468A JP 2004205201 A JP2004205201 A JP 2004205201A JP 2004205201 A JP2004205201 A JP 2004205201A JP 2004287468 A JP2004287468 A JP 2004287468A
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Koichi Fujimori
孝一 藤森
Yozo Narutaki
陽三 鳴瀧
Tokihiko Shinomiya
時彦 四宮
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Abstract

【課題】 複数のセルギャップを備えていても安定したセルギャップを有し、かつ、表示品位の良好な液晶表示装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】
液晶表示装置の製造方法は、対向基板11上に液晶駆動用の透明電極7を形成する工程と、透明電極7上に柱状スペーサ10を形成する工程と、対向基板11上全面に配向層8を形成する工程とをこの順に有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液晶表示装置およびその製造方法に係り、特に一つの画素内または異なる画素間で、液晶層が複数の厚さを有する液晶表示装置およびその製造方法に関するものである。
液晶表示装置は、薄型で低消費電力であるという特徴を生かして、ワードプロセッサやパーソナルコンピュータなどのOA機器や電子手帳等の携帯情報機器或いは、液晶モニタを備えたカメラ一体型VTR等に広く用いられる。
液晶パネルは、CRT(ブラウン管)やEL(エレクトロルミネッセンス)表示装置とは異なり自ら発光しないため、バックライトと呼ばれる蛍光管を備えた装置を背後に設置し、バックライトからの光の透過と遮断を液晶パネルで切り替えて表示を行う透過型液晶表示装置として用いられている。
透過型液晶表示装置では、周囲が非常に明るい場合、周囲の明るさに比べて表示光が暗く見え、視認性が低下する。また、通常、バックライトに要する電力が、液晶表示装置の全消費電力の内、50%以上を占めるため、バックライトを設けることで消費電力が増大する。
従って、戸外や常時携帯して使用する機会が多い携帯情報機器では、バックライトの代わりに反射板を設置し、反射板で反射した光の透過と遮断を液晶パネルで切り替えて表示を行う反射型液晶表示装置が用いられている。反射型液晶表示装置で用いられている表示モードは、TN(twisted nematic)モード、STN(super twisted nematic)モードといった、偏光板を利用するものや、偏光板を用いないため明るい表示を実現できる相転移型ゲストホストモードも近年盛んに開発が行われている。
しかしながら、光の反射を利用する反射型液晶表示装置は、透過型液晶表示装置とは逆に、周囲が暗い場合に視認性が低下する。また、液晶表示装置が反射板を有していると、この反射板が、液晶層を挟み込んでいるガラス基板の外側に設けられる場合、液晶層と反射板との間の視差により、像の2重映りが発生し、表示品位が損なわれる。また、反射板が凹凸を有していると、液晶層に接するように反射板がガラス基板の内側に設けられる場合、本来均一であることが望ましいガラス基板間の間隔が、反射板の凹凸により、均一に制御することが困難となる。
これら透過型液晶表示装置や反射型液晶表示装置における視認性の低下を防止するために、半透過反射膜を用いた液晶表示装置や透過反射両用型液晶表示装置が提案されている。後者は、反射板の一部にバックライトの光を通す穴が設けられているため、バックライトのON/OFFにより、反射/透過を切り替えることができ、周囲が暗い場合は透過型液晶表示装置、明るい場合は反射型液晶表示装置となる。また、反射板上には凹凸が設けられており、反射時の光の拡散により、より明るく見える構造となっている。
一方、液晶表示装置における液晶セルは、ガラス等から形成された2枚の基板を対向して配置させ、液晶を封入する間隔を保つ構造となっている。これらの対向する基板の間隔、即ち、セルギャップは、一般的に球状の粒子、いわゆるスペーサを介して保持されている。このスペーサは、基板上のあらゆる領域にランダムに配置される。
例えば、特許文献1には、透過反射両用型液晶表示装置が開示されている。この液晶表示装置は、図9に示すように、基板105上に、TFT111、画素電極102、層間絶縁膜110が形成されている。対向基板104上にはBM106を有するカラーフィルター107、透明電極108、配向層109がこの順に積層されている。基板105と対向基板104とは球状スペーサ103を介して対向され、両基板の間には、液晶が封入され液晶層101が形成されている。また、画素電極102は1画素内において、金属膜からなる反射領域102aと、ITOからなる透過領域102bとからなる。画素電極102における反射領域102aのセルギャップ、即ち、液晶を封入する間隔は、透過領域102bの液晶層101のセルギャップの1/2である。例えば、球状スペーサ103を使用した場合、セルギャップは、球状スペーサ103によって保持されており、球状スペーサ103を適宜数量を散布して所望のセルギャップを実現するようにしている。
このように、反射領域102aのセルギャップを、透過領域102bの液晶のセルギャップの1/2とすることにより、像の2重映りによる表示品位の低下を防止することができる。また、反射領域102aが凹凸を有していても、反射領域102aは層間絶縁膜110上に形成されているので、その凹凸がセルギャップに影響を及ぼすことはない。
上記特許文献1の場合、セルギャップは、球状スペーサ103の径によってほぼ決定される。このため、基板104、105上の場所によって球状スペーサ103の散布量が異なると、セルギャップが場所によってばらつくこととなる。しかしながら、この球状スペーサ103の散布量を安定して制御することは困難であり、このため、次のような問題が生じる。
図10(a)(b)に示すように、セルギャップは散布する球状スペーサ103の大きさや数量によって大きく左右される。例えば、散布する球状スペーサ103の量が多い場合と少ない場合とを比較する。散布する球状スペーサ103の量が多い場合の反射領域のセルギャップをd、散布する球状スペーサ103の量が少ない場合の反射領域のセルギャップをdとすると、d>dとなる。また、散布する球状スペーサ103の量が多い場合の透過領域のセルギャップをd、散布する球状スペーサ103の量が少ない場合の透過領域のセルギャップをdとすると、d>dとなる。このように、球状スペーサ103では、散布量によってセルギャップが変化するため、安定したセルギャップが得難く、また、散布量を安定に制御することが困難である。
また、球状スペーサ103を均一に散布させたとしても、セルギャップの薄い領域と厚い領域とが存在しているため、セルギャップの厚い領域に散布された球状スペーサ103は、セルギャップの薄い領域のセルギャップを確保することができない。一方、これを考慮して、多量の球状スペーサ103を散布すると、球状スペーサ103の凝集が生じる。特に、セルギャップの薄い領域で球状スペーサ103の凝集が生じると、基板104、105の貼り合わせ工程において、圧力をかけたとき、球状スペーサ103を挟む両側の電極、即ち、反射領域102aおよび透明電極108(図9参照)に球状スペーサ103がめりこみ、両電極を削り取ってしまう。この削りかすは、導電性であるため、上下リークを引き起こす。薄い方のセルギャップが、3μmより小さくなると、特に上下リークは著しくなる。このように、薄い領域と厚い領域との2種類のセルギャップを有する液晶表示装置においては、セルギャップが1種類の液晶表示装置に比べて、セル厚の制御が困難であり、また、上下リーク等の不良も発生しやすい。
さらに、球状スペーサ103を散布させると、散在した球状スペーサ103周辺の液晶の配向が乱れ、球状スペーサ103周辺から光が漏れる。このため、液晶表示装置において、画素間のコントラストの低下が生じる。
また、透過反射両用型液晶表示装置は、図11に示すように、反射領域102aの電極表面に、反射板を兼ねた凹凸形状を有するMRS(micro-reflecter-structure)構造を採用すると、球状スペーサ103が反射領域102aの凹凸のどこに位置しているかによってセルギャップは異なる。
そこで、最近では、この球状のスペーサに代わって、柱状であり、樹脂等からなる柱状スペーサを配置する技術が注目されている。
反射型液晶表示装置や透過型液晶表示装置において、柱状スペーサを使用した従来の技術には以下のようなものがある。例えば、特許文献2〜5に開示されているように、球状スペーサは、液晶セルを構成する基板の一方の任意の位置に、フォトリソグラフィー工程などによって配置することができる。また、上記公報に開示の構成では、カラーフィルターが設けられたガラス基板上にITO電極、柱状スペーサ、配向膜を形成する。これらの形成順序は、配向膜が最後であれば、任意に設定してかまわない。また、特許文献6には、ポリイミド等の有機系樹脂からなる柱状スペーサが開示されており、特許文献7には、SiO等の無機系樹脂、または金属等からなる柱状スペーサが開示されている。さらに、上記特許文献5には、柱状スペーサとして感光性を有するものが開示されており、また、特許文献8には、黒色樹脂からなる柱状スペーサが開示されている。
また、カラーフィルターの積層によって柱状スペーサを形成することも提案されている。例えば、柱状スペーサを、電極間や電極などの非透光性部材上に配置したり、カラーフィルターのブラックマトリクス上に配置する例(特許文献9参照)が知られている。また、その形状としては、上記特許文献8に記載されているように、ドット状(貝柱状)やストライプ状のものがある。
さらに、柱状スペーサは、フォトリソグラフィー工程や印刷、転写などにより形成することができることから、その密度や1個あたりの大きさを任意に設定することができるといった利点がある。特許文献10には、強誘電性液晶の耐衝撃性対策として突起体の一辺が20μm以下で、基板面積1mm当たり0.1個〜100個存在することが示されている。また、液晶セルのセルギャップにおける安定的供給や、低温気泡対策として、米国特許第5978061号(対応日本出願は特許文献11〜13)では、基板面積1mm当たりの柱状スペーサが占める面積の割合が規定されている。
特開平11−101992号公報(1999年4月13日公開) 特開昭50−39095号公報(1975年4月10日公開) 特開昭59−143124号公報(1984年8月16日公開) 特開昭56−33626号公報(1981年4月4日公開) 特開昭56−99384号公報(1981年8月10日公開) 特開昭61−173221号公報(1986年8月4日公開) 特開昭54−4154号公報(1979年1月12日公開) 特開昭63−116126号公報(1988年5月20日公開) 特開昭62−239126号公報(1987年10月20日公開) 特開昭61−267736号公報(1986年11月27日公開) 特開平9−73093号公報(1997年3月18日公開) 特開平9−73099号公報(1997年3月18日公開) 特開平9−73088号公報(1997年3月18日公開)
しかしながら、上記従来技術の公報いずれにおいても、複数のセルギャップを有する液晶表示装置において、セルギャップを安定して得るための柱状スペーサの配置構造については十分に検討されていない。
また、柱状スペーサを形成した後に配向膜のラビング処理を行う場合には、柱状スペーサ付近に配向欠陥が生じるが、これを抑制するための構成についても検討されていない。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数のセルギャップを備えていても安定したセルギャップを有し、かつ、表示品位の良好な液晶表示装置およびその製造方法を提供することにある。
本発明の液晶表示装置の製造方法は、上記の課題を解決するために、基板上に液晶駆動用の透明電極を形成する工程と、透明電極上に柱状のスペーサを形成する工程と、基板上全面に配向層を形成する工程とをこの順に有することを特徴としている。
上記の方法によれば、柱状のスペーサを形成することにより、液晶表示装置は均一でかつ安定したセルギャップ特性を得ることができる。また、柱状スペーサを形成した後に配向層を形成することにより、柱状スペーサを形成する際の材料や現像液等の配向層への影響を防止できる。さらに、透明電極が形成された後に柱状スペーサが形成されるため、透明電極が段切れ状態となることも防止できる。これにより、透明電極の抵抗値が上昇することはなく、液晶層の駆動電圧への影響を防止することができる。また、透明電極における段切れ部でのパーティクル化を防止し、その部分におけるリークの発生を防止することができる。
本発明の液晶表示装置の製造方法は、基板上に液晶駆動用の透明電極を形成する工程と、透明電極上に配向層を形成する工程と、配向層にラビング処理を施す工程と、ラビング処理が施された上記配向層上に柱状のスペーサを形成する工程とを有することを特徴としている。
上記の方法によれば、配向層のラビング処理の後に柱状のスペーサを形成するので、ラビング処理の際に生じる液晶の配向を全体的に安定させることができる。
本発明の液晶表示装置の製造方法は、基板上にブラックマトリクス層を形成する工程と、カラーフィルター層を形成する工程と、ブラックマトリクス層に開口部を形成する工程と、該開口部をマスクとして柱状のスペーサを上記開口部内に形成する工程とを有することを特徴としている。
上記の方法によれば、ブラックマトリクス層の開口部をマスクとして柱状のスペーサを開口部内に形成するので、上記開口部によってセルフアライメントを行うこととなる。従って、別工程としてマスクアライメントを行わなくてもよいので製造工程を簡略化することができるとともに、柱状のスペーサをより精度良く形成することができる。
以上のように、本発明の液晶表示装置の製造方法は、基板上に液晶駆動用の透明電極を形成する工程と、透明電極上に柱状のスペーサを形成する工程と、基板上全面に配向層を形成する工程とをこの順に有することにより、上記方法によって製造される液晶表示装置は、均一でかつ安定したセルギャップ特性を得ることができるとともに、柱状スペーサを形成する際の材料や現像液等の配向層への影響を防止できるという効果を奏する。さらに、透明電極が形成された後に柱状スペーサが形成されるため、透明電極が段切れ状態となることも防止できるので、透明電極の抵抗値が上昇することはなく、液晶層の駆動電圧への影響を防止でき、また、透明電極における段切れ部でのパーティクル化を防止し、その部分におけるリークの発生を防止できるという効果を奏する。
また、本発明の液晶表示装置の製造方法は、基板上に液晶駆動用の透明電極を形成する工程と、透明電極上に配向層を形成する工程と、配向層にラビング処理を施す工程と、ラビング処理が施された上記配向層上に柱状のスペーサを形成する工程とを有することにより、配向層のラビング処理の後に柱状のスペーサを形成するので、ラビング処理の際に生じる液晶の配向を全体的に安定させることができるといった効果を奏する。
また、本発明の液晶表示装置の製造方法は、基板上にブラックマトリクス層を形成する工程と、カラーフィルター層を形成する工程と、ブラックマトリクス層に開口部を形成する工程と、開口部をマスクとして柱状のスペーサを上記開口部内に形成する工程とを有することにより、ブラックマトリクス層の開口部をマスクとして柱状のスペーサを開口部内に形成するので、上記開口部によってセルフアライメントを行うこととなり、従って、別工程としてマスクアライメントを行わなくてもよいので製造工程を簡略化できるとともに、柱状のスペーサをより精度良く形成できるといった効果を奏する。
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1ないし図6に基づいて説明すれば、以下の通りである。
図1は、液晶表示装置の要部の構造を示す断面図である。本実施の形態に係る液晶表示装置は、図1に示すように、基板1と対向基板11との間に、画素電極2、層間絶縁膜3、液晶層4、カラーフィルター5、ブラックマトリクス(以下、BMと称する)6、透明電極7、配向層8、薄膜トランジスタ(以下、TFT:thin film transistorと称する)9、柱状スペーサ10および配向層12を備えている。
基板1上には、TFT9、画素電極2、層間絶縁膜3および配向層12が形成されている。対向基板11上にはBM6を有するカラーフィルター5、透明電極7および配向層8がこの順に積層されている。基板1と対向基板11とは柱状スペーサ10を介して対向され、両基板の間には液晶が封入され、液晶層4が形成されている。
基板1はガラス等からなり、透明であり絶縁性を有する。画素電極2…はマトリクス状に設けられている。この画素電極2の周囲には、互いに直交するように、走査信号を供給するための図示しないゲート配線と、表示信号を供給するための図示しないソース配線とが設けられている。ゲート配線とソース配線とはその一部が、画素電極2と層間絶縁膜3とを介して重なっている。そして、ゲート配線とソース配線との交差点付近には上記のTFT9が設けられている。
画素電極2は、1画素内において反射部2aである反射電極と透過部2bを有する透過電極2bとにより構成されている。反射部2aはアルミニウム等の高反射率を有する金属により形成されている。透過電極2bは、ITO(インジウムと錫との合金)等により形成されており、個別にTFT9に接続されている。透過電極2bにおいて、透過電極2b上に反射部2aが形成されていない領域は透過部2bとなっている。透過部2bは透明であるため入射する光は透過する。透過電極2bにおける透過部2b以外の領域では、上部に反射部2aが配されており光を反射するため、この領域で光が透過することはない。また、隣接する画素電極2同士は電気的に接続されないように、離間されている。
反射部2aは凹凸を有する構造となっている。この場合、層間絶縁膜3をエッチング等により凹凸を有する構造に形成し、その上に反射部2aを形成する。このとき、反射部2a上に形成される配向層も同様に凹凸を有する構造となる。従って、様々な角度から入射する光の利用が可能になり、画素電極2は優れた反射特性を有する反射板の役割を兼ねることができる。なお、反射部2aは、少なくとも層間絶縁膜3上面に形成されていればよく、層間絶縁膜3の側面における反射部2aの有無は特に限定されるものではない。
また、基板1と対向基板11との間に反射板の役割を有する反射部2aが配されているので、液晶層4と反射部2aとの間の視差による像の二重映りが発生することがなく、ペーパーホワイト表示をすることができる。これにより、より明るい液晶表示装置を提供することができる。また、反射部2a上の柱状スペーサ10が当接する部分には、凹凸を設けず、平坦面とすることが望ましい。これにより、柱状スペーサ10が安定して当接し、層間絶縁膜3上面に形成された反射部2a上の液晶層4の厚さ、即ち、反射セルギャップdを安定して維持することができる。
ここで、図2(a)(b)には、図1の1画素ごとの画素電極の構成を拡大して示す。なお、図2(a)は液晶表示装置の要部を示すものであり、図2(b)は4つの画素電極2を、図2(a)における反射部2aより下の部分について示す平面図である。図2(a)に示すように、反射部2aの上面は全面が平坦であってもよい。これにより、柱状スペーサ10を反射部2a上に当接させる際に精密な位置合わせが不要になる。
さらに、基板1と対向基板11とを対向させたときに柱状スペーサ10が当接する層間絶縁膜3上の部分には、導電性材料からなる反射部2aや配線等を設けない構造とする。これにより、柱状スペーサ10の少なくとも一方の底面が電気的に絶縁性を有する材料からなる部分と接することとなる。従って、柱状スペーサ10付近には液晶層4を駆動するような電圧が印加されることはなく、柱状スペーサ10付近で配向欠陥が生じたとしても、液晶層4のスウィッチングは起こらない。このため、実質的には配向欠陥を有する領域は低減され、信頼性および表示品位面で優れた特性を示す液晶表示装置を提供することができる。
層間絶縁膜3は、アクリル等の樹脂からなり、基板1上に、TFT9と透過部2b上面の一部とを覆うように積層されている。また、層間絶縁膜3はその所定位置に、コンタクトホール3aが貫通している。反射部2aはコンタクトホール3aを埋めるようにして層間絶縁膜3上に形成されている。このコンタクトホール3aを介して反射部2aと透過電極2bとは電気的に接続されている。
基板1上に積層する層間絶縁膜3の厚さは、透過部2b上の液晶層4の厚さを透過セルギャップdとすると、dとdとの間の関係がd:d=1:2となるように形成される。
ここで、透過反射両用型液晶表示装置においては、透過モードと反射モードとの電気光学特性の整合性を図らなければならない。そのためには液晶セルの黒レベルと階調レベルとを一致させることが必要である。このため、d:d=1:2とし、反射モードのセルギャップである反射セルギャップdを透過モードのセルギャップである透過セルギャップdより薄くしている。これにより、偏光モードにおいて同電位で液晶を駆動する場合、透過モードと反射モードとの位相差(Δnd)を近づけることができ、液晶セルの黒レベルと階調レベルとを一致させることができる。
対向基板11上(基板1との対向面)には、カラーフィルター5が配されている。カラーフィルター5は、赤のカラーフィルター5R、緑のカラーフィルター5Gおよび青のカラーフィルター5Bを有しており、各画素に対応してストライプ状に繰り返し配列されている。また、各カラーフィルター5R、5G、5B…の境界には、BM6が設けられている。BM6はTFT9および配線領域上に配され、遮光を行っている。このBM6は、樹脂や金属、酸化膜等により形成されている。BM6により、液晶表示装置の光源であるバックライトの光を遮ることができる。従って、隣り合う画素の混色を防止することができる。これにより、色のコントラストを高めることができ、色純度の向上を図ることができる。
なお、カラーフィルター5の色は、シアン(S)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)でもかまわない。また、カラーフィルター5は、デルタ状に配列してもよい。
カラーフィルター5上、即ち、対向基板11上全面には透明電極7が形成されている。透明電極7は、ITO等により形成されている。なお、透明電極7は、液晶表示装置の表示モードによって、形成する必要のないものもある。例えば、TNモード、ゲストホストモード、PDLC(polymer dispersed liquid crystal)モード等の、基板に垂直に電圧を印加することで液晶をスイッチする場合には透明電極7は必要である。一方、IPS(in plane switching)モードのように、基板と水平な電界により液晶を駆動する場合には透明電極7は必要ない。
また、透明電極7上面におけるBM6上には、柱状スペーサ10が設けられている。基板1と対向基板11とが対向されたとき、柱状スペーサ10は、TFT9上付近の配向層に当接するように設けられている。従って、柱状スペーサ10は、基板1および基板11の対向方向に延びており、液晶層4の厚さ、即ち、セルギャップが異なる複数の領域のうちの、セルギャップが最も薄い領域に設けられている。柱状スペーサ10は感光性樹脂からなり、例えば、オプトマーNN700(JSR社製)等が用いられている。形状は、底面が15μm×15μm、高さが3μmの四角柱となっている。また、柱状スペーサ10は青のカラーフィルター5B上のBM6上に、各画素ピッチ毎、例えば300μm毎に配置されている。
透明電極7上面において、柱状スペーサ10が形成されていない領域全面には、ポリイミド等からなる配向層8が形成されている。しかし、配向層8も透明電極7と同様に、液晶表示装置の表示モードによっては、形成する必要のないものもある。例えば、TNモード、ECB(electrically controlled birefringence )モード等の場合は、配向層を形成した後ラビング処理により溝を設けるが、一方、垂直配向モードやPDLCモード等の場合は、配向層を設けない場合もある。
このように、基板1と対向基板11との間には、柱状スペーサ10が配されている。柱状スペーサ10の配置位置は決まっており、従って、球状スペーサのように散布密度が不均一になることがないため、安定した反射セルギャップdおよび透過セルギャップdを得ることができる。また、球状スペーサを散布することがないため、球状スペーサ付近で生じていた液晶の配向の乱れによる光漏れを防止することができる。従って、液晶表示装置における画素間のコントラストは良好になる。
また、層間絶縁膜3は形成する際に、膜厚ムラが生じやすいので、柱状スペーサ10は、基板1上(層間絶縁膜3上)ではなく対向基板11上に設けられる。これにより、柱状スペーサ10が設けられた対向基板11と層間絶縁膜3が設けられた基板1とを貼り合わせた時に、反射セルギャップdや透過セルギャップdといったセルギャップをより安定して得ることができる。
以下に、液晶表示装置の製造方法の一例について説明する。
まず、一般的に知られているTFT9を形成する工程と同様に、基板1上に、成膜とパターニングを繰り返し、TFT9と画素電極2と層間絶縁膜3を有する基板1を形成する。その後、配向膜を基板1全面に塗布し、ラビング処理を行い配向層12を形成する。
また、対向基板11上には、感光性の黒色樹脂をスピンナーを用いて塗布し、露光、現像、焼成等によってBM6を形成する。次に、赤色の顔料を分散させたレジストをスピンナーを用いて対向基板11上全面に塗布し、赤を着色したい部分に光が照射されるようなフォトマスクを介して照射し、現像することにより赤のカラーフィルター5Rを形成する。同様に、緑のカラーフィルター5Gと青のカラーフィルター5Bとを形成した後、焼成する。
次に、対向基板11上全面にITOを成膜し、パターニングすることによって透明電極7を形成する。その後、対向基板11上全面に、スピンコート等により感光性樹脂を塗布する。フォトリソグラフィー法によりパターンマスクを介して露光、現像を行い、所定の位置に柱状スペーサ10を形成する。ここで、柱状スペーサ10の高さは、感光性樹脂を塗布した際の膜厚によって決定される。その後、配向膜を対向基板11全面に塗布し、ラビング処理を行い配向層8を形成する。
次に、基板1と対向基板11とを周辺シール材を介して対向させ、これら基板間に液晶層4を充填し、液晶セルを完成する。最後に、この液晶セルを挟むように、液晶セルの外側には偏光板、位相差板を、背面にはバックライトを配置し、液晶表示装置を得る。
このように、本製造方法では、柱状スペーサ10が形成された後に配向層8が形成される。このため、柱状スペーサ10を形成する際の材料や現像液等が配向層8に影響を及ぼすことはない。また、透明電極7が形成された後に柱状スペーサ10が形成されるため、透明電極7が段切れ状態となることもない。このため、透明電極7の抵抗値が上昇することはなく、液晶層4の駆動電圧への影響を防止することができる。また、透明電極7における段切れ部でのパーティクル化を防止し、その部分におけるリークの発生を防止することができる。
一方、柱状スペーサ10が形成された後に配向層8が形成されるため、配向層8を形成するとき、柱状スペーサ10付近では表面張力により配向層8が厚くなる。その他の部分よりも配向層8の膜厚が厚くなったり、柱状スペーサ10付近に配向層8のラビング処理を行う際、毛あたりが不十分となり、配向欠陥が生じる虞がある。この配向欠陥は上記の製造工程では避けられない問題であるが、BM6上に柱状スペーサ10を形成することにより、配向欠陥を外観上見えにくくすることができる。この場合、緑色の画素における配向欠陥は目立ちやすいが、青色の画素における配向欠陥は見えにくい。従って、柱状スペーサ10を青のカラーフィルター5B上のBM6上にのみ形成することにより、たとえ配向欠陥がBM6の外側にはみ出したとしても、青のカラーフィルター5B上、即ち、最も視感度の悪い青色の画素上であれば、配向欠陥が見えることを抑制できる。
また、画素電極2の透過部2bは透明であるのでこの領域に配向欠陥があると目立ちやすい。そこで、本液晶表示装置では、基板1と対向基板11とを対向させると、柱状スペーサ10が反射部2aに当接するように設けられることにより、柱状スペーサ10付近に生じる配向欠陥を外観上見えにくくすることができる。
また、図3に示すように、各カラーフィルター5R、5G、5B…のすべての画素上に設けられたBM6上に、柱状スペーサ10を配置してもよい。このとき、柱状スペーサ10の形状は、底面が10μm×10μm、高さが3μmの四角柱となっている。また、カラーフィルター5R、5G、5B方向には、100μm間隔で配置し、カラーフィルター5のストライプ方向には300μm間隔で配置する。これにより、より安定した反射セルギャップdおよび透過セルギャップdを得ることができ、良好なセルギャップ特性を得ることができる。
また、液晶層4は、垂直配向性を示す材料により形成されていてもかまわない。これにより、液晶表示装置の製造工程においてラビング処理を行う工程が不要になる。従って、ラビング処理により生じる配向欠陥をなくすことができる。垂直配向モードの場合、反射セルギャップdおよび透過セルギャップdの均一性が求められるが、柱状スペーサ10を用いることによりこれが可能となる。
上記の液晶表示装置における基板1には、TFT9が形成されたアクティブマトリクス基板を用いたが、TFT9が配置されていない基板を用いてもかまわない。
また、図4(a)は画素電極が1画素毎に反射部2aまたは透過部2bを有している場合の液晶表示装置の要部の構造を示すものであり、図4(b)は、図4(a)の液晶表示装置の画素の配置を、反射部2aより下の部分について示す平面図である。図1(図2(a)(b))に示した液晶表示装置では、1画素内に反射部2aおよび透過部2bを有しており、2種類のセルギャップを備えているが、図4(a)(b)に示すように、1画素毎に反射部2aまたは透過部2bを有していてもよい。この時、反射部2aはセルギャップが最も薄い層に設けられている。これにより、偏光モードにおいて同電位で液晶を駆動する場合、透過モードと反射モードとの位相差(Δnd)を近づけることができ、液晶セルの黒レベルと階調レベルとを一致させることができる。
対向基板11において、透明電極7および配向層8が共に必要な表示モード、例えば、TNモードやECBモード等の場合では、透明電極7、柱状スペーサ10、配向層8を形成する形成順序を必要に応じて使い分けることができる。
上記製造方法によれば、
(a)透明電極7の形成、柱状スペーサ10の形成、配向層8の形成、配向層8のラビング処理
の工程順で行われるが、
(b)透明電極7の形成、配向層8の形成、柱状スペーサ10の形成、配向層8のラビング処理
の工程順で行ってもかまわない。工程(b)の順序によると、配向層8を形成した後に柱状スペーサ10を形成することとなる。これにより、柱状スペーサ10を形成する際に使用されるエッチング液や現像液により配向膜8が冒される虞れがある。また、配向層8上全面に、柱状スペーサ10の材料が塗布されると、後に、除去したい柱状スペーサ10の材料が除去されずに配向層8上に残る虞れがあり、液晶層4の配向や液晶表示装置の信頼性へも影響する可能性がある。
また、
(c)柱状スペーサ10の形成、透明電極7の形成、配向層8の形成、配向層8のラビング処理
の工程順で行ってもかまわない。工程(c)の順序によると、柱状スペーサ10を形成した後に透明電極7を形成することとなる。しかしながら、柱状スペーサ10は高さが3μm〜6μm程度の突起状になっているため、この上に透明電極7をスパッタリング法等により、柱状スペーサ10を覆うように成膜することは困難である。また、完全に柱状スペーサ10を覆うように透明電極7を成膜することができたとしても、柱状スペーサ10の基板1側の底面にも透明電極7が形成されているので、対向基板11との電気的リークが発生する。しかし、対向基板11と透明電極7との間に絶縁層を設けるか、または基板1と対向基板11とを対向させたときに柱状スペーサ10が当接する層間絶縁膜3上の部分には、導電性材料からなる反射部2aや配線等を設けない構造とすることにより、柱状スペーサ10の少なくとも一方の底面が電気的に絶縁性を有する材料からなる部分と接することとなる。こうして、上記電気的リークの発生を防止することができる。
一方、柱状スペーサ10の側面が透明電極7によって十分に覆われていない場合、透明電極7は段切れ状態となる。これにより、透明電極7の抵抗値は上昇し、液晶層4の駆動電圧に影響を及ぼす。また、透明電極7は、段切れ部でパーティクル化し、その部分でリークが発生する虞れがある。
また、(b)および(c)の工程順序によると、工程(a)と同様に、柱状スペーサ10を形成した後、配向層8のラビング処理を行うこととなり、柱状スペーサ10付近にラビング処理を行う際、配向欠陥が生じる虞れがある。しかし、BM6上に柱状スペーサ10を形成することにより、配向欠陥を外観上見えにくくすることができる。
さらに、(b)および(c)の工程順序によると、柱状スペーサ10を形成した後配向層8を形成する。従って、配向層8を形成するとき、柱状スペーサ10付近では表面張力により配向層8が厚くなる。その他の部分よりも配向層8の膜厚が厚くなることによって、配向層8のラビング処理を行う際、ラビングの毛あたりが不均一になり、また、プレチルトへ影響が及ぶ。これにより、液晶表示装置を使用する際に通電すると、膜厚が厚い配向層8付近に生じている配向欠陥が拡大し、液晶表示装置の信頼性を低下させる虞れがある。このような場合、柱状スペーサ10および配向層8において膜厚が厚い部分には、液晶駆動用の電圧を印加しないことが望ましい。そこで、柱状スペーサ10の少なくとも一方の底面が電気的に絶縁性を有する材料からなる部分と接する構成とすることによって、液晶駆動用の電圧が印加されないようにする。なお、実験によると、膜厚が厚い配向層8の領域は、柱状スペーサ10の高さが3μmの場合は柱状スペーサ10から10μmの範囲、柱状スペーサ10の高さが5μmの場合は柱状スペーサ10から15μmの範囲に及んでいる。
また、柱状スペーサ10、透明電極7および配向層8並びに配向層8のラビング処理は、
(d)透明電極7の形成、配向層8の形成、配向層8のラビング処理、柱状スペーサ10の形成
の工程順で行ってもかまわない。配向層8のラビング処理の後に柱状スペーサ10を形成するので、液晶層4の配向を全体的に安定させることができる。しかしながら、工程(b)と同様に、配向層8を形成した後に柱状スペーサ10を形成することとなる。柱状スペーサ10を形成する際に使用されるエッチング液や現像液等はアルカリ性を示す場合が多く、これにより配向層8が冒される虞れがある。この場合、柱状スペーサ10の材料を適当なものにすることにより、用いられるエッチング液や現像液等によっては、配向層8において冒される部分を軽減することができる。
また、図5に示すように、対向基板11において、透明電極7および配向層8は共になくてもかまわない。柱状スペーサ10の高さが反射セルギャップdとなる。従って、透過セルギャップdは、反射部2a下に配されている層間絶縁膜3の厚さと、反射セルギャップd、即ち柱状スペーサ10の高さとにより決定される。このとき、柱状スペーサ10の高さは層間絶縁膜3に当接するように予め設計する必要がある。
以下に、柱状スペーサ10について詳細に説明する。
柱状スペーサ10を形成する材料は、有機系の材料でも、無機系の材料でもかまわない。例えばレジストでもよく、ゴム系フォトレジスト環化ポリイソブレン系フォトレジスト、即ち、OMR−83(東京応化(株)製)やCBR−M901(JSR社製)等でもよい。また、例えば、HTPR−1100(東レ(株)製)等のポリイミドも良好な感光性を示しており柱状スペーサ10の材料としては適当である。また、カラーフィルター等に使用される、RGBおよびブラックの感性着色樹脂、ポジ型またはネガ型レジスト、ポリシロキサン、ポリシラン等でもよい。無機系の材料では、SiO等が適当である。
柱状スペーサ10は、例えば、黒色顔料により黒色に着色したNN700(JSR社製)により形成してもかまわない。これにより、柱状スペーサ10は黒色となり、BM6外に柱状スペーサ10が形成されたとしても、外観上の表示品位に与える影響を抑えることができる。
また、柱状スペーサ10の形状は、対向基板11と平行方向における断面(横断面)が、四角形や三角形等の多角形、円、楕円、ストライプ状等が望ましい。柱状スペーサ10を形成した後に配向層8のラビング処理を行う場合、液晶表示装置の断面から見た場合の柱状スペーサ10の断面(縦断面)の形状は、基板1側に向けて細くなっている順テーパ形状であることが望ましい。
表1に、パネルの面積1mm当たりに占める柱状スペーサ10の面積の割合(占有率)に対する液晶セルの特性を示す。表1によれば、安定した反射セルギャップdおよび透過セルギャップdを得ることができ、高い信頼性を有する液晶セルを得るには、柱状スペーサ10がパネルの面積に占める割合は、0.05〜3.0%が望ましい。なお、柱状スペーサ10の占有率が0.02%の時、基板1および基板11の貼り合わせ時の荷重(約1t)で柱状スペーサ10は変形した。また、「○」は、液晶パネルを指で押しても、弾性を感じることがないということである。
Figure 2004287468
また、表2に、球状スペーサをパネル1mm当たり500個散布した場合と、底面が15μm×15μmの四角形である四角柱の形状を有する柱状スペーサ10を用いた場合とにおける、セルギャップのばらつきを示した。柱状スペーサ10を用いた場合においては、基板1と対向基板11とを対向させた際に柱状スペーサ10が当接する領域の形状が、平坦である場合と、凹凸を有する場合とに分けている。表2によれば、柱状スペーサ10を用いた方が、球状スペーサを散布する場合と比較すると、かなり安定したセルギャップ特性を得ることができる。
Figure 2004287468
配向欠陥を有する領域を外観上見えにくくするために必要なBM6の領域の範囲は、表3のような結果となっている。また、配向層8にラビング処理を行う際のラビング方向を図6に示す。
柱状スペーサ10の高さが3μmの場合、配向欠陥を有する領域は、最大で、柱状スペーサ10からラビング方向における下流側に10μmに及んでいる。また、柱状スペーサ10の高さが5μmの場合、配向欠陥を有する領域は、最大で、柱状スペーサ10からラビング方向における下流側に15μmに及んでいる。従って、図6に示すように、柱状スペーサ10の端縁部からの距離Lは、柱状スペーサ10の高さが3μmの場合は10μm以上、柱状スペーサ10の高さが5μmの場合は15μm以上必要である。また、長時間通電することにより、配向欠陥を有する領域は広がる可能性があるので、より、広いBM6の領域が必要である。一方、BM6の領域が大き過ぎると液晶表示装置における表示領域が狭くなる。このため、例えばBM6の領域は最大でも、スペーサ10からラビング方向における下流側に20μm以内が好ましい。
なお、配向欠陥を有する領域の大きさは、使用する液晶表示モードや、柱状スペーサ10の高さや、製造工程の順序等の条件によって変化する。
Figure 2004287468
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について、図7および図8に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において、実施の形態1における構成要素と同等の機能を有する構成要素については、同一の符号を付記してその説明を省略する。
図7は、本発明の実施の一形態である液晶表示装置における要部の断面図であり、図8は図7における対向基板11の要部を拡大した説明図である。本実施の形態に係る液晶表示装置では、対向基板11と液晶層4を介して対向する基板1は図7に示すように、実施の形態1と同様であるとする。対向基板11は、図8に示すように、実施の形態1と同様、対向基板11上に、BM6を有するカラーフィルター5、柱状スペーサ10および透明電極7を備えている。また、カラーフィルター5における青のカラーフィルター5Bは開口部5aを有しており、青のカラーフィルター5Bの領域に配されているBM6は、開口部6aを有している。
開口部6a上には開口部5aが配されており、対向基板11のうち開口部6aおよび開口部5aから露出した領域上には、柱状スペーサ10が形成されている。柱状スペーサ10は黒色の樹脂により形成されている。これにより、開口部6a内にBM6がなくても、柱状スペーサ10によりバックライトの光を遮断することができる。
なお、柱状スペーサ10は、バックライトの光が透過しないものであれば、色は黒色ではなく透明でもかまわない。
本実施の形態における柱状スペーサ10を形成するには、まず、カラーフィルター5に開口部5aおよび開口部6aを設ける。このとき、対向基板11のうち開口部6aおよび開口部5aから露出した領域の形状は、柱状スペーサ10の底面の形状となるように、例えば、15μm×15μmの四角形となるように形成する。そして、カラーフィルター5上に、感光性を有する黒色の材料を塗布し、開口部5aおよび開口部6a内の領域をマスクとして、対向基板11においてカラーフィルター5が形成されていない側の面より露光を行いパターン化し、これにより、セルフアライメントを行うこととなる。従って、別工程としてマスクアライメントを行わなくてもよいので製造工程を簡略化することができるとともに、柱状スペーサ10をより精度良く形成することができる。
以上のように、本発明の液晶表示装置は、対向する2枚の基板間に、液晶層と液晶セルギャップを保持するためのスペーサとを有するとともに、一つの画素内または異なる画素間に、上記液晶層の厚さが異なる複数の領域を有する液晶表示装置において、上記スペーサが上記2枚の基板の対向方向に延びる柱状スペーサからなり、この柱状スペーサが、液晶層の厚さが異なる複数の領域のうちの液晶層の厚さが最も薄い領域に設けられている構成である。
一般に、セルギャップの薄い領域は厚い領域よりも、セルギャップの制御が困難である。しかしながら、上記の構成によれば、スペーサが2枚の基板の対向方向に延びる柱状スペーサからなり、この柱状スペーサが、液晶層の厚さが異なる複数の領域のうちの液晶層の厚さが最も薄い領域に設けられていることにより、液晶層の厚さ、即ちセルギャップの薄い領域のセルギャップを確保することができる。これにより、液晶層の厚さを容易に制御することができる。また、上記2枚の基板を貼り合わせる工程においては2枚の基板に均一に圧力をかける。この時、セルギャップの制御が困難な最も液晶層の厚さが薄い領域に柱状スペーサが設けられていることにより、均一でかつ安定したセルギャップを得ることができる。従って、高い信頼性を有する液晶表示装置を得ることができるといった効果を奏する。
上記の液晶表示装置は、2枚の基板のうちの一方に、反射電極と透過電極とからなる液晶駆動電極が配され、上記一方の基板上における液晶層の厚さが最も薄い上記領域に、層間絶縁膜が設けられ、この層間絶縁膜上に上記反射電極が設けられていることが好ましい。
上記の構成によれば、液晶層の厚さが最も薄い領域に反射電極を有しているので、透過モードと反射モードとの位相差を近づけることができ、液晶セルの黒レベルと階調レベルとを一致させることができる。従って、透過モードと反射モードとの電気光学特性の整合性を図ることができるといった効果を奏する。
上記の液晶表示装置は、反射電極の表面が、入射光を拡散する凹凸面と、上記柱状スペーサが当接する平坦面とからなることが好ましい。
上記の構成によれば、反射電極の表面は、入射光を拡散する凹凸面を有することにより、様々な角度から入射する光(周囲光)の利用が可能になり、液晶駆動電極は優れた反射特性を有する反射板の役割を兼ねることができる。また、平坦面上に柱状のスペーサが当接することにより、柱状スペーサが安定して当接し、セルギャップを安定して維持することができる。従って、高い信頼性を有する液晶表示装置を得ることができるといった効果を奏する。
上記の液晶表示装置は、最も厚い上記液晶層の厚さが、上記柱状のスペーサの高さと上記層間絶縁膜の厚さとの和であることが好ましい。
上記の構成によれば、透過モードと反射モードとの位相差を近づけることができる。従って、透過モードと反射モードとの電気光学特性の整合性を図ることができるといった効果を奏する。
上記の液晶表示装置は、2枚の基板のうちの一方の基板上にカラーフィルター層とブラックマトリクス層とが設けられ、ブラックマトリクス層上には柱状のスペーサが配置されていることが好ましい。
上記の構成によれば、ブラックマトリクス層上に柱状のスペーサが配置されているので、柱状のスペーサ付近に生じる配向欠陥を外観上見えにくくすることができる。従って、液晶表示装置において、画素間のコントラストの低下を防止することができる。これにより、表示品位が良好な液晶表示装置を得ることができるといった効果を奏する。
上記の液晶表示装置は、柱状のスペーサがカラーフィルター層における青(Blue)版上に設けられていることが好ましい。
上記の構成によれば、柱状のスペーサがカラーフィルター層における青(Blue)版上に設けられていることにより、たとえ配向欠陥がブラックマトリクス層の外側にはみ出したとしても、この配向欠陥は青のカラーフィルター上、即ち、最も視感度の悪い青色の画素上に位置すれば見えることを抑制できる。従って、表示品位が良好であり、高い信頼性を有する液晶表示装置を得ることができるといった効果を奏する。
上記の液晶表示装置は、ブラックマトリクス層が開口部を有し、開口部内に上記柱状のスペーサが形成されていることが好ましい。
上記の構成によれば、開口部内に柱状のスペーサが形成されていることにより、ブラックマトリクス層の開口部をマスクとして柱状のスペーサを開口部内に形成する製造方法を採用することができる。従って、上記開口部によってセルフアライメントを行うこととなり、別工程としてマスクアライメントを行わなくてもよいので製造工程を簡略化することができるとともに、柱状のスペーサをより精度良く形成することができる。従って、製造工程が少なく、かつ、より安定したセルギャップを有する液晶表示装置を提供することができるといった効果を奏する。
上記の液晶表示装置は、柱状のスペーサの色は黒色であることが好ましい。
上記の構成によれば、柱状のスペーサの色は黒色であるので、開口部内にブラックマトリクス層がなくても、柱状のスペーサによりバックライトの光を遮断することができる。従って、外観上の表示品位に与える影響を抑えることができるといった効果を奏する。
上記の液晶表示装置は、液晶層が、垂直配向性を有する材料からなることが好ましい。
上記の構成によれば、液晶層が垂直配向性を有する材料からなることにより、液晶表示装置の製造工程においてラビング処理を行わない製造方法を採用することができる。従って、ラビング処理により生じる配向欠陥をなくすことができるといった効果を奏する。
以上のように、本発明の液晶表示装置の製造方法は、基板上に液晶駆動用の透明電極を形成する工程と、透明電極上に柱状のスペーサを形成する工程と、基板上全面に配向層を形成する工程とをこの順に有する方法である。
これにより、液晶表示装置は、均一でかつ安定したセルギャップ特性を得ることができる。また、柱状スペーサを形成する際の材料や現像液等の配向層への影響を防止できる。さらに、透明電極が形成された後に柱状スペーサが形成されるため、透明電極が段切れ状態となることも防止できる。これにより、透明電極の抵抗値が上昇することはなく、液晶層の駆動電圧への影響を防止することができる。また、透明電極における段切れ部でのパーティクル化を防止し、その部分におけるリークの発生を防止することができる。従って、高い信頼性を有する液晶表示装置を得ることができるといった効果を奏する。
以上のように、本発明の液晶表示装置の製造方法は、基板上に液晶駆動用の透明電極を形成する工程と、透明電極上に配向層を形成する工程と、配向層にラビング処理を施す工程と、ラビング処理が施された上記配向層上に柱状のスペーサを形成する工程とを有する方法である。
これにより、配向層のラビング処理の後に柱状のスペーサを形成するので、ラビング処理の際に生じる液晶の配向を全体的に安定させることができるといった効果を奏する。
以上のように、本発明の液晶表示装置の製造方法は、基板上にブラックマトリクス層を形成する工程と、カラーフィルター層を形成する工程と、ブラックマトリクス層に開口部を形成する工程と、開口部をマスクとして柱状のスペーサを上記開口部内に形成する工程とを有する方法である。
これにより、ブラックマトリクス層の開口部をマスクとして柱状のスペーサを開口部内に形成するので、上記開口部によってセルフアライメントを行うこととなる。従って、別工程としてマスクアライメントを行わなくてもよいので製造工程を簡略化することができるとともに、柱状のスペーサをより精度良く形成することができる。従って、製造工程が少なく、かつ、より安定したセルギャップを有する液晶表示装置を提供することができるといった効果を奏する。
本発明の液晶表示装置およびその製造方法は、2枚の基板の対向方向に延びる柱状スペーサが、液晶層の厚さが異なる複数の領域のうちの液晶層の厚さが最も薄い領域に設けられることにより、均一でかつ安定したセルギャップを得ることができるので、複数のセルギャップを備える液晶表示装置およびその製造方法に適用することができる。
本発明の実施の一形態に係る液晶表示装置の要部の構造を示す断面図である。 (a)は図1に示した液晶表示装置において画素電極が1画素内に反射部および透過部を有している例における要部の構造を示すものであり、(b)は、4つの画素電極を、図2(a)における反射部より下の部分について示す平面図である。 本発明の実施の一形態に係る他の液晶表示装置の要部の構造を示す断面図である。 (a)は本発明の実施の一形態の液晶表示装置において、画素電極が1画素毎に反射部または透過部を有している例における要部の構造を示すものであり、(b)は、図4(a)の液晶表示装置の画素の配置を、反射部より下の部分について示す平面図である。 本発明の実施の一形態の液晶表示装置において、透明電極および配向層を共に有していない例における要部の構成を示す拡大断面図である。 図1に示したBMの領域およびラビング処理のラビング方向を示す説明図である。 本発明の実施の他の形態に係る液晶表示装置の要部の構造を示す断面図である。 本発明の実施の他の形態に係る液晶表示装置における対向基板の要部の構造を示す断面図である。 従来の液晶表示装置の要部の構造を示す断面図である。 (a)は従来の液晶表示装置において球状スペーサを使用した場合に、その量が多い場合の従来の液晶表示装置の説明図であり、(b)は球状スペーサの散布量が少ない場合の説明図である。 凹凸の反射領域を有する従来の液晶表示装置において、球状スペーサを使用した場合の状態を示す詳細図である。
符号の説明
1 基板
2 画素電極(液晶駆動電極)
2a 反射部(反射電極)
2b 透過電極
2b 透過部(透過電極)
3 層間絶縁膜
4 液晶層
5 カラーフィルター(カラーフィルター層)
5a 開口部
6 BM(ブラックマトリクス層)
6a 開口部
7 透明電極
8 配向層
9 TFT
10 柱状スペーサ
11 対向基板
12 配向層

Claims (3)

  1. 基板上に液晶駆動用の透明電極を形成する工程と、
    該透明電極上に柱状のスペーサを形成する工程と、
    上記基板上全面に配向層を形成する工程とをこの順に有することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  2. 基板上に液晶駆動用の透明電極を形成する工程と、
    該透明電極上に配向層を形成する工程と、
    該配向層にラビング処理を施す工程と、
    ラビング処理が施された上記配向層上に柱状のスペーサを形成する工程とを有することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  3. 基板上にブラックマトリクス層を形成する工程と、
    カラーフィルター層を形成する工程と、
    上記ブラックマトリクス層に開口部を形成する工程と、
    該開口部をマスクとして柱状のスペーサを上記開口部内に形成する工程とを有することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
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