JP2004286708A - 欠陥検出装置、方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】パターンマッチング法を用いて検査領域にランダムな地模様がある被検査物の欠陥の検出を可能にする。
【解決手段】本発明の欠陥検出装置は、欠陥のない被検査物を予めCCDカメラによって撮像してモデル画像を取得する。次に、モデル画像の中の検査領域内の画素データを、モデル画像修正手段(8)によって所定の一定値に置き換えて修正モデル画像を生成し、この画像を画像メモリ(10)に記憶しておく。次いで、検査すべき被検査物をCCDカメラによって撮像して、検査画像を取得する。画像比較手段(12)は、取得された検査画像と、画像メモリ(10)に記憶されている修正モデル画像とを比較して、被検査物の欠陥を検出する。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明の欠陥検出装置は、欠陥のない被検査物を予めCCDカメラによって撮像してモデル画像を取得する。次に、モデル画像の中の検査領域内の画素データを、モデル画像修正手段(8)によって所定の一定値に置き換えて修正モデル画像を生成し、この画像を画像メモリ(10)に記憶しておく。次いで、検査すべき被検査物をCCDカメラによって撮像して、検査画像を取得する。画像比較手段(12)は、取得された検査画像と、画像メモリ(10)に記憶されている修正モデル画像とを比較して、被検査物の欠陥を検出する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、欠陥検出装置、欠陥検出方法、及び欠陥検出プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1には、パターンマッチング法による検査方法および検査装置が記載されている。この検査方法では、検査物体と、当該検査物体の基準パターンとを突き合わせて、その一致度合いの値に応じて検査物体の形状の良否を検査するパターンマッチングによる検査において、基準パターンのばらつきが大きくなる部位を求め、この部位の画素を除外するマスクパターンを設定して、基準パターンと検査物体とを突き合わせて比較している。
【0003】
また、パターンマッチング法において、基準パターンとなるモデル画像の中にアライメントパターンと呼ばれる比較対象となる2つの画像を整合させるためのパターンを設定し、アライメントパターンが重なるように被検査物の画像を整合させて、画像を比較することが行われている。このため、パターンマッチング法には、被検査物を撮像する際の被検査物の位置決め精度が悪い場合でも、正確に被検査物の欠陥を検出することができるという利点がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−91785号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、被検査物の検査領域自体に微小凹凸等のランダムな地模様が存在する場合等、検査領域にある程度のばらつきがある場合には、パターンマッチング法を使用して、検査領域にある欠陥を検出することが難しい。このことを、図6乃至図10を用いて説明する。図6は、検査領域にランダムな微小凹凸を有する欠陥のない被検査物を撮像した画像の一例を示す。この被検査物の画像100には、アライメントパターンとなる枠102と、ランダムな微小凹凸を有する検査領域104が含まれている。図7(a)、(b)は、2つの被検査物の画像100の検査領域104から画素を1列取り出し、各画素データの持つグレイスケール値をグラフに表したものである。図7に示すように、この被検査物の検査領域にはランダムな微小凹凸があるので、各画素データの持つグレイスケール値には、ばらつきが見られ、このばらつきは、被検査物ごとに異なる。従って、図7(a)及び(b)に示すグラフは、全く異なるものであるが、どちらも欠陥なしと判定されるべきものである。
【0006】
一方、図8は検査領域に欠陥がある場合の被検査物の画像を示す。この被検査物の画像106の検査領域104には、欠陥108が存在する。図9は、被検査物106の画素を1列取り出し、各画素データの持つグレイスケール値をグラフに表したものである。図9に示すように、欠陥が存在する画像データでは、欠陥部分においてグレイスケール値が、一点鎖線で囲んだ広い範囲で落ち込んでいることがわかる。ここで、欠陥のない図7(a)に示す被検査物を基準パターンとして、パターンマッチング法を使用し、図7(b)に示す欠陥のない被検査物を検査対象する場合を考える。基準パターンと検査対象を比較するために、図7(b)のグレイスケール値から(a)のグレイスケール値を減ずると、それらの差は図10に示すものとなる。この図10にも、一点鎖線で囲んだ広い範囲でのグレイスケール値の落ち込みが見られ、この画像を図9に示した欠陥が存在する場合の画像データと識別することは困難である。従って、検査領域にランダムな微小凹凸がある被検査物についてパターンマッチング法を使用した場合、正常な被検査物の画像を基準パターンであるモデル画像として、正常な被検査物の検査をしても、被検査物に欠陥があると判定されてしまうことがある。このため、検査領域に微小凹凸等のランダムな地模様がある被検査物についてパターンマッチング法を用いて欠陥を検出することは困難である。
【0007】
従って、本発明の欠陥検出装置、欠陥検出方法、及び欠陥検出プログラムは、被検査物を撮像する際の被検査物の位置決め精度が悪い場合でも、正確に被検査物の欠陥を検出できるという利点を有するパターンマッチング法を用いながら、検査領域にランダムな地模様がある被検査物の欠陥の検出を可能にすることを目的としている。
【0008】
なお、本発明において、被検査物表面のランダムな地模様とは、被検査物表面に存在するランダムな微小凹凸、被検査物表面のランダムな色彩の濃淡等、被検査物を撮像した画像にランダムな明度変化を発生させるすべての表面状態を意味するものとする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、パターンマッチング法により、被検査物の表面のランダムな地模様を有する部分の欠陥を検出する欠陥検出装置において、被検査物を撮像する撮像手段と、この撮像手段によって撮像された被検査物のモデル画像の中の検査領域内の画素データのグレイスケール値を、所定の一定値に置き換えて修正モデル画像を生成するモデル画像修正手段と、検査すべき被検査物を撮像手段によって撮像した検査画像と、修正モデル画像とを比較する画像比較手段と、を有することを特徴としている。
【0010】
このように構成された本発明においては、被検査物を予め撮像手段によって撮像してモデル画像を取得する。次に、モデル画像の中の検査領域内の画素データのグレイスケール値を、モデル画像修正手段によって所定の一定値に置き換えて修正モデル画像を生成し、この画像を記憶しておく。次いで、検査すべき被検査物を撮像手段によって撮像して、検査画像を取得する。画像比較手段は、取得された検査画像と、記憶されている修正モデル画像とを比較して、被検査物の欠陥を検出する。
このように構成された本発明によれば、ランダムな地模様を有する部分の欠陥を、パターンマッチング法を使用して検出することができる。
【0011】
また、本発明の欠陥検出装置の画像比較手段は、検査画像の検査領域内の各画素データのグレイスケール値と修正モデル画像の検査領域内の各画素データのグレイスケール値との差を計算して、差分画像を生成する減算手段を有しているのが良い。
【0012】
このように構成された本発明においては、検査画像の検査領域内の画素のグレイスケール値と、修正モデル画像の検査領域内の画素グレイスケール値との差に基づいて、被検査物の欠陥が検出される。
【0013】
さらに、本発明の欠陥検出装置の画像比較手段は、差分画像の隣り合う画素データのグレイスケール値が所定のしきい値以上変化する変化点を抽出する変化点抽出手段と、この変化点抽出手段によって抽出された変化点によって囲まれる領域の外周の長さが所定の長さ以上であるとき、被検査物に欠陥があると判定する欠陥判定手段とを、さらに有しているのが良い。
【0014】
このように構成された本発明においては、減算手段によって生成された差分画像の中で、グレイスケール値が大きく変化する変化点が、変化点抽出手段によって抽出される。欠陥判定手段は、抽出された変化点によって囲まれる領域の外周の長さが所定の長さ以上であるとき欠陥があると判定する。
このように構成された本発明によれば、微小凹凸等の地模様を検出せずに所望の大きさ以上の欠陥のみを検出することができる。
【0015】
或いは、本発明の欠陥検出装置の画像比較手段は、差分画像の各画素データのグレイスケール値を、所定のグレイスケール値をしきい値として明画素及び暗画素に二値化して二値化画像を生成する二値化手段と、二値化画像の明画素又は暗画素の塊の面積が、所定の大きさ以上であるとき、被検査物に欠陥があると判定する欠陥判定手段とを、さらに有しているのが良い。
【0016】
このように構成された本発明においては、二値化手段が、減算手段によって生成された差分画像の各画素を、所定のしきい値によって二値化する。欠陥判定手段は、二値に分類されたどちらかの画素の塊の面積が、所定の大きさ以上であるとき、被検査物に欠陥があると判定する。
このように構成された本発明によれば、微小凹凸等の地模様を検出せずに所望の大きさ以上の欠陥のみを検出することができる。
【0017】
また、本発明は、パターンマッチング法により、被検査物の表面のランダムな地模様を有する部分の欠陥を検出する欠陥検出方法において、被検査物を撮像手段によって撮像し、モデル画像を取得するステップと、モデル画像の中の検査領域内の画素データのグレイスケール値を、所定の一定値に置き換えて修正モデル画像を生成するステップと、検査すべき被検査物を撮像手段によって撮像し、検査画像を取得するステップと、検査画像と、修正モデル画像とを比較するステップと、を有することを特徴としている。
【0018】
さらに、本発明は、パターンマッチング法により、被検査物の表面のランダムな地模様を有する部分の欠陥を検出する欠陥検出プログラムにおいて、被検査物を撮像したモデル画像を入力する手順と、モデル画像の中の検査領域内の画素データのグレイスケール値を、所定の一定値に置き換えて修正モデル画像を生成する手順と、検査すべき被検査物を撮像した検査画像を入力する手順と、検査画像と修正モデル画像とを比較する手順と、をコンピュータに実行させるための欠陥検出プログラムである。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態の欠陥検出装置を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態の欠陥検出装置の全体構成を示す概略図であり、図2は、本実施形態の欠陥検出装置におけるデータ処理手順を示すブロック図である。図1に示すように、本発明の第1実施形態の欠陥検出装置1は、被検査物Tを配置するための移動ステージ2と、ステージ上に配置された被検査物Tの画像を撮像する撮像手段であるCCDカメラ4と、CCDカメラ4によって撮像された画像を処理して、欠陥を検出するためのソフトウェアを組み込んだコンピュータ6と、を有する。
【0020】
図2に示すように、コンピュータ6の内部には、それに組み込んだソフトウェアにより以下の各手段が構成されている。即ち、コンピュータ6内部には、検査領域等を設定する領域設定手段7と、コンピュータに取り込まれたモデル画像データを加工し、修正するモデル画像修正手段8と、モデル画像修正手段8によって生成された修正モデル画像を記憶する画像メモリ10と、コンピュータに取り込まれた検査画像データとモデル画像データとを比較する画像比較手段12が構成されている。さらに、画像比較手段12は、検査画像データからモデル画像データを減じて差分画像を生成する減算手段14と、減算手段14によって生成された差分画像から、隣り合う画素のグレイスケール値が大きく変化する点を抽出する変化点抽出手段16と、変化点抽出手段16によって抽出された変化点によって囲まれる領域の外周の長さに基づいて欠陥の有無を判定する欠陥判定手段18と、を有する。
【0021】
移動ステージ2は、移動ステージ上に配置された被検査物Tを任意の位置に位置決めすることができるように、水平面内で直交する2方向に移動可能に構成されている。本実施形態において、CCDカメラ4は、縦480画素、横640画素の画素データを撮像するように構成されている。コンピュータ6は、CCDカメラ4によって撮像された画像を取り込むためのインターフェイス、コンピュータ内で実現される各手段を実行するためのソフトウェアを記憶したハードディスク、及び画像データを記憶するメモリ等を内蔵している。
【0022】
次に、図3及び図4を参照して、本発明の第1実施形態の欠陥検出装置1の作用を、ポリマ光導波路基板を検査する場合を例に説明する。まず、欠陥のない正常な光導波路基板を、CCDカメラ4によって撮像し、モデル画像を取得する。図3は、正常な光導波路基板の一部を撮像したモデル画像の一例を示す。本実施形態においては、縦1.6mm、横2.1mmの範囲がCCDカメラ4によって撮像される。従って、モデル画像の1画素は、縦約3μm、横約3μmの領域に相当する。図3に示すように、モデル画像20には、導波路22、2つの電極24、及び半田部26の像が含まれている。本実施形態では、半田部26の異物付着、キズ、もり上がり等の欠陥を検出している。
【0023】
取得されたモデル画像は、コンピュータ6に取り込まれ、モデル画像20がコンピュータ6のディスプレイに表示される。次に、領域設定手段7を使用して、ディスプレイに表示されたモデル画像の中にアライメント領域28及び検査領域30を設定する。アライメント領域28及び検査領域30の設定は、ディスプレイに表示されたモデル画像上で、設定したい領域をマウスでクリック、ドラッグすることによって行うことができる。図3に示すように、本実施形態においては、電極24及び半田部26を含む領域にアライメント領域28を設定し、半田部26に検査領域30を設定している。半田部26の表面には、多数の微小凹凸がランダムに存在し、正常な光導波路基板であっても微小凹凸の配置は、基板毎に夫々異なる。
【0024】
次に、モデル画像修正手段8によって、検査領域30の中の画素データを所定のグレイスケール値をもつ画素データに置き換える。本実施形態においては、コンピュータディスプレイ上で、検査領域30の中の平均的なグレイスケール値を持つ画素をクリックすることによって、検査領域30内の全ての画素データを、クリックした画素と同一色の画素データに置き換えることができる。或いは、検査領域30内の各画素のグレイスケール値の平均値が自動的に計算され、検査領域30内の各画素が、平均したグレイスケール値をもつ色に自動的に置き換えられるようにモデル画像修正手段8を構成することもできる。モデル画像修正手段8によって修正された修正モデル画像は、画像メモリ10に記憶される。本実施形態においては、画像データのグレイスケール値は、0〜255の256段階の階調を有している。
【0025】
次に、欠陥の有無を検査すべきポリマ光導波路基板をCCDカメラ4によって撮像する。CCDカメラ4によって撮像された検査画像は、コンピュータ6に取り込まれ、コンピュータ6の画像比較手段12の中の減算手段14に送られる。本実施形態においては、モデル画像の場合と同様に、縦1.6mm、横2.1mmの範囲がCCDカメラ4によって撮像され、検査画像の1画素は、縦約3μm、横約3μmの領域に相当する。減算手段14は、まず、検査画像のアライメント領域28内に存在する電極24等の像が、画像メモリ10に記憶されている修正モデル画像の中の電極24等の像と重なるように、検査画像を補正する。即ち、減算手段14は、検査画像を拡大、縮小、平行移動、回転移動させることによって、アライメント領域28内の像が整合するように検査画像を補正する。
【0026】
次いで、減算手段14は、補正された検査画像の検査領域30内の各画素のグレイスケール値から、修正モデル画像の検査領域30内の各画素のグレイスケール値を減じて、差分画像を生成する。この際、修正モデル画像の検査領域30内の各画素のグレイスケール値は、一定値に置きかえられているので、補正された検査画像の検査領域30内の各画素のグレイスケール値から、一定のグレイスケール値が差し引かれることになる。減算手段14によって生成される差分画像の画像データは、減算によって得られた各画素のグレイスケール値の差の値を含んでいる。
【0027】
図4は、変化点抽出手段16による処理を説明する図である。変化点抽出手段16は、差分画像の各画素データを隣り合う画素同士で比較し、隣り合う画素のグレイスケール値の差が所定のしきい値以上になるグレイスケール値変化点を抽出する。変化点抽出手段16は、例えば、図4(a)に示す差分画像から、隣り合う画素のグレイスケール値を比較し、グレイスケール値が大きく変化する点を抽出して、図4(b)に示すグレイスケール値変化点の画像を得る。
【0028】
次に、欠陥判定手段18は、グレイスケール値変化点の画像に基づいて、グレイスケール値変化点によって囲まれた領域の外周の長さを計算する。さらに、欠陥判定手段18は、グレイスケール値変化点によって囲まれた領域の外周の長さと、予め設定された所定のしきい値とを比較し、長さが所定のしきい値よりも大きい場合には、欠陥ありと判定する。本実施形態においては、外周の長さが15μmよりも長い場合に欠陥ありと判定している。従って、例えば、図4(b)に示す例においては、画像の下部に存在する領域32は欠陥と判定され、画像の右上に存在する領域34は微小凹凸とみなされ、欠陥とは判断されない。欠陥判定手段18によって欠陥ありと判定された場合には検査したポリマ光導波路基板が不良品である旨が、欠陥なしと判定された場合には良品である旨が、コンピュータ6のディスプレイに表示される。或いは、判定の結果をコンピュータ6のディスプレイに表示する代りに、又は、ディスプレイの表示に加えて、検査したポリマ光導波路基板が不良品である場合にコンピュータ6が警告音を発するように構成しても良い。
【0029】
本発明の第1実施形態の欠陥検出装置においては、パターンマッチング法を用いているので、検査画像をモデル画像と整合するように補正してモデル画像と比較し、検査画像を撮像する際の位置決め精度に依存せずに欠陥を検出することができる。さらに、モデル画像修正手段によって、モデル画像を修正して使用しているので、被検査物の表面にランダムな微小凹凸が存在するような場合にもパターンマッチング法を用いて欠陥を検出すことができる。
【0030】
また、上述した実施形態においては、欠陥判定手段が、グレイスケール値変化点によって囲まれた領域の外周の長さによって欠陥の有無を判定しているが、変形例として、グレイスケール値変化点によって囲まれた領域の面積、最大径等の大きさによって欠陥の有無を判定することもできる。
【0031】
次に、図5を参照して、本発明の第2実施形態の欠陥検出装置を説明する。本発明の第2実施形態による欠陥検出装置は、減算手段によって生成された差分画像を二値化手段によって処理する点が第1実施形態とは異なる。従って、ここでは、本発明の第2実施形態による欠陥検出装置における差分画像の処理以降の作用について説明する。
【0032】
図5に示すように、本実施形態においては、減算手段によって生成された差分画像から、二値化手段40を用いて欠陥の有無を検出している。図5の画像42は、減算手段によって生成された差分画像の一例であり、この差分画像42の各画素は、夫々10、100、200のグレイスケール値を有している。本実施形態においては、二値化手段40が、差分画像42に基づいて二値化画像を生成する。図5の画像44は、図5の差分画像42をしきい値50によって二値化した二値化画像44である。即ち、本実施形態においては、グレイスケール値が50よりも小さい画素を黒く表示した暗画素、グレイスケール値が50以上の画素を白く表示した明画素として二値化している。従って、グレイスケール値10の各画素は暗画素に変換され、グレイスケール値100及び200の各画素は明画素に変換されている。
【0033】
次に、二値化画像欠陥判定手段46は、二値化画像44の中の暗画素の塊の面積、外周の長さ、最大径等に基づいて、欠陥の有無を判定する。本実施形態においては、画素一つが検査対象物の9μm2の面積に対応し、20μm2以上の暗画素の塊を欠陥と判定している。従って、図5の二値化画像44の中の左上の暗画素の塊は、6つの画素の塊であるため欠陥と判定され、右上の暗画素の塊は1つの画素からなるため欠陥とは判定されない。判定結果の出力については、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。本実施形態における二値化手段40及び二値化画像欠陥判定手段46は、コンピュータ及びそれを作動させるためのソフトウェア等によって構成することができる。
【0034】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。特に、上述した実施形態では、ポリマ光導波路基板を検査する場合について説明したが、検査対象物はポリマ光導波路基板に限定されるものではなく、本発明の欠陥検出装置を任意の検査対象物の検査に使用することができる。また、上述した実施形態では、欠陥検出装置をコンピュータ及びソフトウェアによって構成しているが、画像処理回路をハードウェアによって構成した専用機として欠陥検出装置を構成することもできる。
【0035】
【発明の効果】
本発明の欠陥検出装置、欠陥検出方法、及び欠陥検出プログラムによれば、パターンマッチング法を用いて検査領域にランダムな地模様がある被検査物の欠陥を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の欠陥検出装置の全体構成を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態の欠陥検出装置におけるデータ処理手順を示すブロック図である。
【図3】正常な光導波路基板の一部を撮像したモデル画像の一例を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態の欠陥検出装置における変化点抽出手段による処理を説明する図である。
【図5】本発明の第2実施形態による欠陥検出装置の処理を示す図である。
【図6】検査領域にランダムな微小凹凸を有する欠陥のない被検査物を撮像した画像の一例を示す図である。
【図7】欠陥のない被検査物の画像の検査領域の画素データの持つグレイスケール値を表すグラフの一例である。
【図8】検査領域に欠陥がある場合の被検査物の画像の一例を示す。
【図9】欠陥がある被検査物の画像の検査領域の画素データの持つグレイスケール値を表すグラフの一例である。
【図10】欠陥のない被検査物の検査画像のグレイスケール値から、別の欠陥のない被検査物の検査画像のグレイスケール値を減じた値を表すグラフの一例である。
【符号の説明】
1 本発明の第1実施形態による欠陥検出装置
2 移動ステージ
4 CCDカメラ
6 コンピュータ
8 モデル画像修正手段
10 画像メモリ
12 画像比較手段
14 減算手段
16 変化点抽出手段
18 欠陥判定手段
20 モデル画像
22 導波路
24 電極
26 半田部
28 アライメント領域
30 検査領域
【発明の属する技術分野】
本発明は、欠陥検出装置、欠陥検出方法、及び欠陥検出プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1には、パターンマッチング法による検査方法および検査装置が記載されている。この検査方法では、検査物体と、当該検査物体の基準パターンとを突き合わせて、その一致度合いの値に応じて検査物体の形状の良否を検査するパターンマッチングによる検査において、基準パターンのばらつきが大きくなる部位を求め、この部位の画素を除外するマスクパターンを設定して、基準パターンと検査物体とを突き合わせて比較している。
【0003】
また、パターンマッチング法において、基準パターンとなるモデル画像の中にアライメントパターンと呼ばれる比較対象となる2つの画像を整合させるためのパターンを設定し、アライメントパターンが重なるように被検査物の画像を整合させて、画像を比較することが行われている。このため、パターンマッチング法には、被検査物を撮像する際の被検査物の位置決め精度が悪い場合でも、正確に被検査物の欠陥を検出することができるという利点がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−91785号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、被検査物の検査領域自体に微小凹凸等のランダムな地模様が存在する場合等、検査領域にある程度のばらつきがある場合には、パターンマッチング法を使用して、検査領域にある欠陥を検出することが難しい。このことを、図6乃至図10を用いて説明する。図6は、検査領域にランダムな微小凹凸を有する欠陥のない被検査物を撮像した画像の一例を示す。この被検査物の画像100には、アライメントパターンとなる枠102と、ランダムな微小凹凸を有する検査領域104が含まれている。図7(a)、(b)は、2つの被検査物の画像100の検査領域104から画素を1列取り出し、各画素データの持つグレイスケール値をグラフに表したものである。図7に示すように、この被検査物の検査領域にはランダムな微小凹凸があるので、各画素データの持つグレイスケール値には、ばらつきが見られ、このばらつきは、被検査物ごとに異なる。従って、図7(a)及び(b)に示すグラフは、全く異なるものであるが、どちらも欠陥なしと判定されるべきものである。
【0006】
一方、図8は検査領域に欠陥がある場合の被検査物の画像を示す。この被検査物の画像106の検査領域104には、欠陥108が存在する。図9は、被検査物106の画素を1列取り出し、各画素データの持つグレイスケール値をグラフに表したものである。図9に示すように、欠陥が存在する画像データでは、欠陥部分においてグレイスケール値が、一点鎖線で囲んだ広い範囲で落ち込んでいることがわかる。ここで、欠陥のない図7(a)に示す被検査物を基準パターンとして、パターンマッチング法を使用し、図7(b)に示す欠陥のない被検査物を検査対象する場合を考える。基準パターンと検査対象を比較するために、図7(b)のグレイスケール値から(a)のグレイスケール値を減ずると、それらの差は図10に示すものとなる。この図10にも、一点鎖線で囲んだ広い範囲でのグレイスケール値の落ち込みが見られ、この画像を図9に示した欠陥が存在する場合の画像データと識別することは困難である。従って、検査領域にランダムな微小凹凸がある被検査物についてパターンマッチング法を使用した場合、正常な被検査物の画像を基準パターンであるモデル画像として、正常な被検査物の検査をしても、被検査物に欠陥があると判定されてしまうことがある。このため、検査領域に微小凹凸等のランダムな地模様がある被検査物についてパターンマッチング法を用いて欠陥を検出することは困難である。
【0007】
従って、本発明の欠陥検出装置、欠陥検出方法、及び欠陥検出プログラムは、被検査物を撮像する際の被検査物の位置決め精度が悪い場合でも、正確に被検査物の欠陥を検出できるという利点を有するパターンマッチング法を用いながら、検査領域にランダムな地模様がある被検査物の欠陥の検出を可能にすることを目的としている。
【0008】
なお、本発明において、被検査物表面のランダムな地模様とは、被検査物表面に存在するランダムな微小凹凸、被検査物表面のランダムな色彩の濃淡等、被検査物を撮像した画像にランダムな明度変化を発生させるすべての表面状態を意味するものとする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、パターンマッチング法により、被検査物の表面のランダムな地模様を有する部分の欠陥を検出する欠陥検出装置において、被検査物を撮像する撮像手段と、この撮像手段によって撮像された被検査物のモデル画像の中の検査領域内の画素データのグレイスケール値を、所定の一定値に置き換えて修正モデル画像を生成するモデル画像修正手段と、検査すべき被検査物を撮像手段によって撮像した検査画像と、修正モデル画像とを比較する画像比較手段と、を有することを特徴としている。
【0010】
このように構成された本発明においては、被検査物を予め撮像手段によって撮像してモデル画像を取得する。次に、モデル画像の中の検査領域内の画素データのグレイスケール値を、モデル画像修正手段によって所定の一定値に置き換えて修正モデル画像を生成し、この画像を記憶しておく。次いで、検査すべき被検査物を撮像手段によって撮像して、検査画像を取得する。画像比較手段は、取得された検査画像と、記憶されている修正モデル画像とを比較して、被検査物の欠陥を検出する。
このように構成された本発明によれば、ランダムな地模様を有する部分の欠陥を、パターンマッチング法を使用して検出することができる。
【0011】
また、本発明の欠陥検出装置の画像比較手段は、検査画像の検査領域内の各画素データのグレイスケール値と修正モデル画像の検査領域内の各画素データのグレイスケール値との差を計算して、差分画像を生成する減算手段を有しているのが良い。
【0012】
このように構成された本発明においては、検査画像の検査領域内の画素のグレイスケール値と、修正モデル画像の検査領域内の画素グレイスケール値との差に基づいて、被検査物の欠陥が検出される。
【0013】
さらに、本発明の欠陥検出装置の画像比較手段は、差分画像の隣り合う画素データのグレイスケール値が所定のしきい値以上変化する変化点を抽出する変化点抽出手段と、この変化点抽出手段によって抽出された変化点によって囲まれる領域の外周の長さが所定の長さ以上であるとき、被検査物に欠陥があると判定する欠陥判定手段とを、さらに有しているのが良い。
【0014】
このように構成された本発明においては、減算手段によって生成された差分画像の中で、グレイスケール値が大きく変化する変化点が、変化点抽出手段によって抽出される。欠陥判定手段は、抽出された変化点によって囲まれる領域の外周の長さが所定の長さ以上であるとき欠陥があると判定する。
このように構成された本発明によれば、微小凹凸等の地模様を検出せずに所望の大きさ以上の欠陥のみを検出することができる。
【0015】
或いは、本発明の欠陥検出装置の画像比較手段は、差分画像の各画素データのグレイスケール値を、所定のグレイスケール値をしきい値として明画素及び暗画素に二値化して二値化画像を生成する二値化手段と、二値化画像の明画素又は暗画素の塊の面積が、所定の大きさ以上であるとき、被検査物に欠陥があると判定する欠陥判定手段とを、さらに有しているのが良い。
【0016】
このように構成された本発明においては、二値化手段が、減算手段によって生成された差分画像の各画素を、所定のしきい値によって二値化する。欠陥判定手段は、二値に分類されたどちらかの画素の塊の面積が、所定の大きさ以上であるとき、被検査物に欠陥があると判定する。
このように構成された本発明によれば、微小凹凸等の地模様を検出せずに所望の大きさ以上の欠陥のみを検出することができる。
【0017】
また、本発明は、パターンマッチング法により、被検査物の表面のランダムな地模様を有する部分の欠陥を検出する欠陥検出方法において、被検査物を撮像手段によって撮像し、モデル画像を取得するステップと、モデル画像の中の検査領域内の画素データのグレイスケール値を、所定の一定値に置き換えて修正モデル画像を生成するステップと、検査すべき被検査物を撮像手段によって撮像し、検査画像を取得するステップと、検査画像と、修正モデル画像とを比較するステップと、を有することを特徴としている。
【0018】
さらに、本発明は、パターンマッチング法により、被検査物の表面のランダムな地模様を有する部分の欠陥を検出する欠陥検出プログラムにおいて、被検査物を撮像したモデル画像を入力する手順と、モデル画像の中の検査領域内の画素データのグレイスケール値を、所定の一定値に置き換えて修正モデル画像を生成する手順と、検査すべき被検査物を撮像した検査画像を入力する手順と、検査画像と修正モデル画像とを比較する手順と、をコンピュータに実行させるための欠陥検出プログラムである。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態の欠陥検出装置を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態の欠陥検出装置の全体構成を示す概略図であり、図2は、本実施形態の欠陥検出装置におけるデータ処理手順を示すブロック図である。図1に示すように、本発明の第1実施形態の欠陥検出装置1は、被検査物Tを配置するための移動ステージ2と、ステージ上に配置された被検査物Tの画像を撮像する撮像手段であるCCDカメラ4と、CCDカメラ4によって撮像された画像を処理して、欠陥を検出するためのソフトウェアを組み込んだコンピュータ6と、を有する。
【0020】
図2に示すように、コンピュータ6の内部には、それに組み込んだソフトウェアにより以下の各手段が構成されている。即ち、コンピュータ6内部には、検査領域等を設定する領域設定手段7と、コンピュータに取り込まれたモデル画像データを加工し、修正するモデル画像修正手段8と、モデル画像修正手段8によって生成された修正モデル画像を記憶する画像メモリ10と、コンピュータに取り込まれた検査画像データとモデル画像データとを比較する画像比較手段12が構成されている。さらに、画像比較手段12は、検査画像データからモデル画像データを減じて差分画像を生成する減算手段14と、減算手段14によって生成された差分画像から、隣り合う画素のグレイスケール値が大きく変化する点を抽出する変化点抽出手段16と、変化点抽出手段16によって抽出された変化点によって囲まれる領域の外周の長さに基づいて欠陥の有無を判定する欠陥判定手段18と、を有する。
【0021】
移動ステージ2は、移動ステージ上に配置された被検査物Tを任意の位置に位置決めすることができるように、水平面内で直交する2方向に移動可能に構成されている。本実施形態において、CCDカメラ4は、縦480画素、横640画素の画素データを撮像するように構成されている。コンピュータ6は、CCDカメラ4によって撮像された画像を取り込むためのインターフェイス、コンピュータ内で実現される各手段を実行するためのソフトウェアを記憶したハードディスク、及び画像データを記憶するメモリ等を内蔵している。
【0022】
次に、図3及び図4を参照して、本発明の第1実施形態の欠陥検出装置1の作用を、ポリマ光導波路基板を検査する場合を例に説明する。まず、欠陥のない正常な光導波路基板を、CCDカメラ4によって撮像し、モデル画像を取得する。図3は、正常な光導波路基板の一部を撮像したモデル画像の一例を示す。本実施形態においては、縦1.6mm、横2.1mmの範囲がCCDカメラ4によって撮像される。従って、モデル画像の1画素は、縦約3μm、横約3μmの領域に相当する。図3に示すように、モデル画像20には、導波路22、2つの電極24、及び半田部26の像が含まれている。本実施形態では、半田部26の異物付着、キズ、もり上がり等の欠陥を検出している。
【0023】
取得されたモデル画像は、コンピュータ6に取り込まれ、モデル画像20がコンピュータ6のディスプレイに表示される。次に、領域設定手段7を使用して、ディスプレイに表示されたモデル画像の中にアライメント領域28及び検査領域30を設定する。アライメント領域28及び検査領域30の設定は、ディスプレイに表示されたモデル画像上で、設定したい領域をマウスでクリック、ドラッグすることによって行うことができる。図3に示すように、本実施形態においては、電極24及び半田部26を含む領域にアライメント領域28を設定し、半田部26に検査領域30を設定している。半田部26の表面には、多数の微小凹凸がランダムに存在し、正常な光導波路基板であっても微小凹凸の配置は、基板毎に夫々異なる。
【0024】
次に、モデル画像修正手段8によって、検査領域30の中の画素データを所定のグレイスケール値をもつ画素データに置き換える。本実施形態においては、コンピュータディスプレイ上で、検査領域30の中の平均的なグレイスケール値を持つ画素をクリックすることによって、検査領域30内の全ての画素データを、クリックした画素と同一色の画素データに置き換えることができる。或いは、検査領域30内の各画素のグレイスケール値の平均値が自動的に計算され、検査領域30内の各画素が、平均したグレイスケール値をもつ色に自動的に置き換えられるようにモデル画像修正手段8を構成することもできる。モデル画像修正手段8によって修正された修正モデル画像は、画像メモリ10に記憶される。本実施形態においては、画像データのグレイスケール値は、0〜255の256段階の階調を有している。
【0025】
次に、欠陥の有無を検査すべきポリマ光導波路基板をCCDカメラ4によって撮像する。CCDカメラ4によって撮像された検査画像は、コンピュータ6に取り込まれ、コンピュータ6の画像比較手段12の中の減算手段14に送られる。本実施形態においては、モデル画像の場合と同様に、縦1.6mm、横2.1mmの範囲がCCDカメラ4によって撮像され、検査画像の1画素は、縦約3μm、横約3μmの領域に相当する。減算手段14は、まず、検査画像のアライメント領域28内に存在する電極24等の像が、画像メモリ10に記憶されている修正モデル画像の中の電極24等の像と重なるように、検査画像を補正する。即ち、減算手段14は、検査画像を拡大、縮小、平行移動、回転移動させることによって、アライメント領域28内の像が整合するように検査画像を補正する。
【0026】
次いで、減算手段14は、補正された検査画像の検査領域30内の各画素のグレイスケール値から、修正モデル画像の検査領域30内の各画素のグレイスケール値を減じて、差分画像を生成する。この際、修正モデル画像の検査領域30内の各画素のグレイスケール値は、一定値に置きかえられているので、補正された検査画像の検査領域30内の各画素のグレイスケール値から、一定のグレイスケール値が差し引かれることになる。減算手段14によって生成される差分画像の画像データは、減算によって得られた各画素のグレイスケール値の差の値を含んでいる。
【0027】
図4は、変化点抽出手段16による処理を説明する図である。変化点抽出手段16は、差分画像の各画素データを隣り合う画素同士で比較し、隣り合う画素のグレイスケール値の差が所定のしきい値以上になるグレイスケール値変化点を抽出する。変化点抽出手段16は、例えば、図4(a)に示す差分画像から、隣り合う画素のグレイスケール値を比較し、グレイスケール値が大きく変化する点を抽出して、図4(b)に示すグレイスケール値変化点の画像を得る。
【0028】
次に、欠陥判定手段18は、グレイスケール値変化点の画像に基づいて、グレイスケール値変化点によって囲まれた領域の外周の長さを計算する。さらに、欠陥判定手段18は、グレイスケール値変化点によって囲まれた領域の外周の長さと、予め設定された所定のしきい値とを比較し、長さが所定のしきい値よりも大きい場合には、欠陥ありと判定する。本実施形態においては、外周の長さが15μmよりも長い場合に欠陥ありと判定している。従って、例えば、図4(b)に示す例においては、画像の下部に存在する領域32は欠陥と判定され、画像の右上に存在する領域34は微小凹凸とみなされ、欠陥とは判断されない。欠陥判定手段18によって欠陥ありと判定された場合には検査したポリマ光導波路基板が不良品である旨が、欠陥なしと判定された場合には良品である旨が、コンピュータ6のディスプレイに表示される。或いは、判定の結果をコンピュータ6のディスプレイに表示する代りに、又は、ディスプレイの表示に加えて、検査したポリマ光導波路基板が不良品である場合にコンピュータ6が警告音を発するように構成しても良い。
【0029】
本発明の第1実施形態の欠陥検出装置においては、パターンマッチング法を用いているので、検査画像をモデル画像と整合するように補正してモデル画像と比較し、検査画像を撮像する際の位置決め精度に依存せずに欠陥を検出することができる。さらに、モデル画像修正手段によって、モデル画像を修正して使用しているので、被検査物の表面にランダムな微小凹凸が存在するような場合にもパターンマッチング法を用いて欠陥を検出すことができる。
【0030】
また、上述した実施形態においては、欠陥判定手段が、グレイスケール値変化点によって囲まれた領域の外周の長さによって欠陥の有無を判定しているが、変形例として、グレイスケール値変化点によって囲まれた領域の面積、最大径等の大きさによって欠陥の有無を判定することもできる。
【0031】
次に、図5を参照して、本発明の第2実施形態の欠陥検出装置を説明する。本発明の第2実施形態による欠陥検出装置は、減算手段によって生成された差分画像を二値化手段によって処理する点が第1実施形態とは異なる。従って、ここでは、本発明の第2実施形態による欠陥検出装置における差分画像の処理以降の作用について説明する。
【0032】
図5に示すように、本実施形態においては、減算手段によって生成された差分画像から、二値化手段40を用いて欠陥の有無を検出している。図5の画像42は、減算手段によって生成された差分画像の一例であり、この差分画像42の各画素は、夫々10、100、200のグレイスケール値を有している。本実施形態においては、二値化手段40が、差分画像42に基づいて二値化画像を生成する。図5の画像44は、図5の差分画像42をしきい値50によって二値化した二値化画像44である。即ち、本実施形態においては、グレイスケール値が50よりも小さい画素を黒く表示した暗画素、グレイスケール値が50以上の画素を白く表示した明画素として二値化している。従って、グレイスケール値10の各画素は暗画素に変換され、グレイスケール値100及び200の各画素は明画素に変換されている。
【0033】
次に、二値化画像欠陥判定手段46は、二値化画像44の中の暗画素の塊の面積、外周の長さ、最大径等に基づいて、欠陥の有無を判定する。本実施形態においては、画素一つが検査対象物の9μm2の面積に対応し、20μm2以上の暗画素の塊を欠陥と判定している。従って、図5の二値化画像44の中の左上の暗画素の塊は、6つの画素の塊であるため欠陥と判定され、右上の暗画素の塊は1つの画素からなるため欠陥とは判定されない。判定結果の出力については、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。本実施形態における二値化手段40及び二値化画像欠陥判定手段46は、コンピュータ及びそれを作動させるためのソフトウェア等によって構成することができる。
【0034】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。特に、上述した実施形態では、ポリマ光導波路基板を検査する場合について説明したが、検査対象物はポリマ光導波路基板に限定されるものではなく、本発明の欠陥検出装置を任意の検査対象物の検査に使用することができる。また、上述した実施形態では、欠陥検出装置をコンピュータ及びソフトウェアによって構成しているが、画像処理回路をハードウェアによって構成した専用機として欠陥検出装置を構成することもできる。
【0035】
【発明の効果】
本発明の欠陥検出装置、欠陥検出方法、及び欠陥検出プログラムによれば、パターンマッチング法を用いて検査領域にランダムな地模様がある被検査物の欠陥を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の欠陥検出装置の全体構成を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態の欠陥検出装置におけるデータ処理手順を示すブロック図である。
【図3】正常な光導波路基板の一部を撮像したモデル画像の一例を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態の欠陥検出装置における変化点抽出手段による処理を説明する図である。
【図5】本発明の第2実施形態による欠陥検出装置の処理を示す図である。
【図6】検査領域にランダムな微小凹凸を有する欠陥のない被検査物を撮像した画像の一例を示す図である。
【図7】欠陥のない被検査物の画像の検査領域の画素データの持つグレイスケール値を表すグラフの一例である。
【図8】検査領域に欠陥がある場合の被検査物の画像の一例を示す。
【図9】欠陥がある被検査物の画像の検査領域の画素データの持つグレイスケール値を表すグラフの一例である。
【図10】欠陥のない被検査物の検査画像のグレイスケール値から、別の欠陥のない被検査物の検査画像のグレイスケール値を減じた値を表すグラフの一例である。
【符号の説明】
1 本発明の第1実施形態による欠陥検出装置
2 移動ステージ
4 CCDカメラ
6 コンピュータ
8 モデル画像修正手段
10 画像メモリ
12 画像比較手段
14 減算手段
16 変化点抽出手段
18 欠陥判定手段
20 モデル画像
22 導波路
24 電極
26 半田部
28 アライメント領域
30 検査領域
Claims (6)
- パターンマッチング法により、被検査物の表面のランダムな地模様を有する部分の欠陥を検出する欠陥検出装置において、
被検査物を撮像する撮像手段と、
この撮像手段によって撮像された前記被検査物のモデル画像の中の検査領域内の画素データのグレイスケール値を、所定の一定値に置き換えて修正モデル画像を生成するモデル画像修正手段と、
検査すべき前記被検査物を前記撮像手段によって撮像した検査画像と、前記修正モデル画像とを比較する画像比較手段と、
を有することを特徴とする欠陥検出装置。 - 前記画像比較手段が、前記検査画像の検査領域内の各画素データのグレイスケール値と前記修正モデル画像の検査領域内の各画素データのグレイスケール値との差を計算して、差分画像を生成する減算手段を有することを特徴とする請求項1記載の欠陥検出装置。
- 前記画像比較手段が、前記差分画像の隣り合う画素データのグレイスケール値が所定のしきい値以上変化する変化点を抽出する変化点抽出手段と、
この変化点抽出手段によって抽出された変化点によって囲まれる領域の外周の長さが所定の長さ以上であるとき、被検査物に欠陥があると判定する欠陥判定手段とを、さらに有することを特徴とする請求項2記載の欠陥検出装置。 - 前記画像比較手段が、前記差分画像の各画素データのグレイスケール値を、所定のグレイスケール値をしきい値として明画素及び暗画素に二値化して二値化画像を生成する二値化手段と、
前記二値化画像の明画素又は暗画素の塊の面積が、所定の大きさ以上であるとき、被検査物に欠陥があると判定する欠陥判定手段とを、さらに有することを特徴とする請求項2記載の欠陥検出装置。 - パターンマッチング法により、被検査物の表面のランダムな地模様を有する部分の欠陥を検出する欠陥検出方法において、
被検査物を撮像手段によって撮像し、モデル画像を取得するステップと、
前記モデル画像の中の検査領域内の画素データのグレイスケール値を、所定の一定値に置き換えて修正モデル画像を生成するステップと、
検査すべき前記被検査物を前記撮像手段によって撮像し、検査画像を取得するステップと、
前記検査画像と、前記修正モデル画像とを比較するステップと、
を有することを特徴とする欠陥検出方法。 - パターンマッチング法により、被検査物の表面のランダムな地模様を有する部分の欠陥を検出する欠陥検出プログラムにおいて、
被検査物を撮像したモデル画像を入力する手順と、
前記モデル画像の中の検査領域内の画素データのグレイスケール値を、所定の一定値に置き換えて修正モデル画像を生成する手順と、
検査すべき前記被検査物を撮像した検査画像を入力する手順と、
前記検査画像と、前記修正モデル画像とを比較する手順と、
をコンピュータに実行させるための欠陥検出プログラム。
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