JP2004284875A - 水素製造システムおよび燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】改質ガス中に分解残存成分が存在する場合においても安定でかつ高効率な水素製造システムおよび燃料電池システムを提供する。
【解決手段】炭化水素燃料を改質し水素を含有する改質ガスを得る改質器、改質ガス中のCO濃度をシフト反応によって低減するCO変成器、およびCO変成器でCO濃度が低減されたガス中のCO濃度を選択酸化反応によってさらに低減するCO選択酸化器を備える水素製造システムにおいて、改質器の下流に、分解残存成分を吸着する吸着剤を備える吸着器を有する。水素製造システムと燃料電池を備え、改質器の下流かつ燃料電池の燃料極の上流に、分解残存成分を吸着する吸着剤を備える吸着器を有する燃料電池システム。
【選択図】 図2
【解決手段】炭化水素燃料を改質し水素を含有する改質ガスを得る改質器、改質ガス中のCO濃度をシフト反応によって低減するCO変成器、およびCO変成器でCO濃度が低減されたガス中のCO濃度を選択酸化反応によってさらに低減するCO選択酸化器を備える水素製造システムにおいて、改質器の下流に、分解残存成分を吸着する吸着剤を備える吸着器を有する。水素製造システムと燃料電池を備え、改質器の下流かつ燃料電池の燃料極の上流に、分解残存成分を吸着する吸着剤を備える吸着器を有する燃料電池システム。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、灯油等の炭化水素燃料を改質し水素を含有する改質ガスを製造する水素製造システムに関する。より詳しくは、改質器に加えてCO変成器およびCO選択酸化器を備えた低CO濃度の改質ガスを製造する水素製造システムに関する。
【0002】
また本発明は、このような水素製造システムから得られる改質ガスを燃料とする燃料電池システムに関する。
【0003】
【従来の技術】
燃料電池はエネルギー利用効率の良い発電システムとして開発が活発化している。燃料電池は水素と酸素との電気化学的な反応により発電するシステムであるため、水素供給手段の確立が必須である。この方法の一つとして炭化水素燃料を改質し水素を抽出する方法があり、炭化水素燃料の供給システムがすでに社会的に整備されている点で、純水素を用いる方法などより有利である。
【0004】
炭化水素燃料としては、都市ガス、ガソリン、灯油、軽油などがあるが、この中でガソリン、灯油、軽油などの液体燃料は取り扱い、保存および輸送が容易であること、安価であることなどの特徴から燃料電池用燃料として注目されている。これらの炭化水素燃料を燃料電池で用いるためには炭化水素燃料から水素を抽出することが必要であるが、このために通常、改質器で炭化水素を水と反応させ主に一酸化炭素と水素に分解し、続いてCO変成器で大部分の一酸化炭素を水と反応させ水素と二酸化炭素に転換し、最後にCO選択酸化器において微量の残存一酸化炭素を酸素と反応させ二酸化炭素にすることが行われる。
【0005】
このような改質に関連する技術として、水素製造用圧力変動吸着装置の吸着塔に係る技術が特許文献1に、水素の発生による気化動力装置における酸性ガスの除去に係る技術が特許文献2に、燃料電池用水蒸気分離器に係る技術が特許文献3に開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−300244号公報
【特許文献2】
特表2001−505615号公報
【特許文献3】
特開平11−3722号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ガソリン、灯油、軽油等の炭化水素燃料を改質反応により分解する際、若干の分解残存成分が存在する場合がある。これが例えば固体高分子形燃料電池に流入すると、発電効率が悪化するなどの悪影響がある。更に分解残存成分が後段の触媒であるCO変成触媒、或いは選択酸化触媒に流入することにより、触媒が被毒される。特には低温CO変成触媒がこの影響を受けやすい。
【0008】
分解残存成分の一つとして、改質器に供給された炭化水素燃料が、改質器において反応せずにそのまま通過し、改質ガス中に残存してしまう残存炭化水素燃料がある。また、改質器において炭化水素燃料が副反応を起こして発生する副反応生成物、すなわち水素や一酸化炭素等の本来の改質反応生成物以外の物質もある。副反応生成物としては、例えばアンモニアや、蟻酸、アルデヒド等の含酸素化合物などがある。
【0009】
分解残存成分の低減のため、改質触媒の量を増加させることや、700℃以上の高温で改質処理を行うなどの方法が考えられる。
【0010】
しかし、改質触媒の量を増加させると、改質器の容積が大きくなり水素製造システムあるいは燃料電池システムのコンパクト性が損なわれる要因となる。また改質器温度を高温に維持すると装置ならびに改質触媒の劣化を促進させるとともに多量の熱供給を必要とすることからシステム効率を低下させるといった不利益が生じる。さらには、これらの対策を講じても、改質触媒の経時劣化により分解残存成分が発生する場合もある。
【0011】
本発明の目的は、改質器から分解残存成分が発生してもCO除去のための機器や燃料電池本体の性能劣化を防止できる水素製造システムおよび燃料電池システムを提供することである。本発明の別の目的は、改質触媒の量を増加させなくても、また改質器温度を高温に維持しなくても、分解残存成分による影響を抑制し、安定でかつ高効率な運転が可能な水素製造システムおよび燃料電池システムを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明により、炭化水素燃料を改質し水素を含有する改質ガスを得る改質器、該改質ガス中のCO濃度をシフト反応によって低減するCO変成器、および該CO変成器でCO濃度が低減されたガス中のCO濃度を選択酸化反応によってさらに低減するCO選択酸化器を備える水素製造システムにおいて、
該改質器の下流に、分解残存成分を吸着する吸着剤を備える吸着器を有することを特徴とする水素製造システムが提供される。
【0013】
水素製造システムが、前記吸着器を複数有し、それぞれの吸着器について改質ガスの流入を遮断するとともに脱離再生用のガスを流入させる流路切り替え手段が設けられ、
一部の吸着器に改質ガスを流入させて吸着を行い、この間に残部の吸着器において脱離再生を行い、吸着を行う吸着器と脱離再生を行う吸着器を順次切り替えることによって連続的な水素製造を可能とするための制御装置を備えることが好ましい。
【0014】
前記吸着剤が、活性炭およびゼオライトから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
【0015】
前記改質器が、水蒸気改質器、自己熱改質器または部分酸化改質器であることができる。
【0016】
本発明により、炭化水素燃料を改質し水素を含有する改質ガスを得る改質器、該改質ガス中のCO濃度をシフト反応によって低減するCO変成器、および該CO変成器でCO濃度が低減されたガス中のCO濃度を選択酸化反応によってさらに低減するCO選択酸化器を備える水素製造システムと、該CO選択酸化器でCO濃度が低減された改質ガスを燃料とする燃料電池とを備える燃料電池システムにおいて、
該改質器の下流かつ燃料電池の燃料極の上流に、分解残存成分を吸着する吸着剤を備える吸着器を有することを特徴とする燃料電池システムが提供される。
【0017】
燃料電池システムが、前記吸着器を複数有し、それぞれの吸着器について改質ガスの流入を遮断するとともに脱離再生用のガスを流入させる流路切り替え手段が設けられ、
一部の吸着器に改質ガスを流入させて吸着を行い、この間に残部の吸着器において脱離再生を行い、吸着を行う吸着器と脱離再生を行う吸着器を順次切り替えることによって連続的な水素製造を可能とする制御装置を備えることが好ましい。
【0018】
前記脱離再生用のガスが、燃料電池アノードオフガスであることが好ましい。
【0019】
前記改質器が燃焼手段を備え、前記脱離再生に用いた燃料電池アノードオフガスを該燃焼手段に導くラインを有する燃料電池システムが好ましい。
【0020】
燃料電池アノードの下流かつ吸着器の上流に、燃料電池アノードオフガスを、燃料電池システム内の他のガスとの熱交換によって、前記吸着器の脱離再生温度以上に加熱する熱交換器を有する燃料電池システムが好ましい。
【0021】
本発明は、前記燃料電池が固体高分子形燃料電池である場合に特に効果が顕著である。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の水素製造システムは、炭化水素燃料を改質し水素を含有する改質ガスを得る改質器、改質ガス中のCO濃度をシフト反応によって低減するCO変成器、およびCO変成器でCO濃度が低減されたガス中のCO濃度を選択酸化反応によってさらに低減するCO選択酸化器を有する。さらに、後述する脱硫器を有しても良い。
【0023】
また、本発明の燃料電池システムは、上記水素製造システムと燃料電池とを少なくとも有する。
【0024】
さらに、水素製造システムあるいは燃料電池システムの公知の構成要素は、必要に応じて適宜設けることができる。具体例を挙げれば、燃料電池のカソードに空気等の酸素含有ガスを供給する手段、燃料電池に供給するガスを加湿するための水蒸気を発生する水蒸気発生器、燃料電池等の各種機器を冷却するための冷却系、各種流体を加圧するためのポンプ、圧縮機、ブロワなどの加圧手段、流体の流量を調節するため、あるいは流体の流れを遮断/切り替えるためのバルブ等の流量調節手段や流路遮断/切り替え手段、熱交換・熱回収を行うための熱交換器、液体を気化する気化器、気体を凝縮する凝縮器、スチームなどで各種機器を外熱する加熱/保温手段、各種流体の貯蔵手段、計装用の空気や電気系統、制御用の信号系統、制御装置、出力用や動力用の電気系統などである。
【0025】
〔改質器〕
炭化水素燃料と水を反応させる装置である。この装置で炭化水素燃料は主に一酸化炭素と水素に分解される。また、通常、二酸化炭素およびメタンも分解ガス中に含有される。例えば、分解反応として水蒸気改質反応を行う水蒸気改質器、自己熱改質反応を行う自己熱改質器、部分酸化反応を行う部分酸化改質器などを改質器の例として挙げることができる。
【0026】
水蒸気改質反応とは水蒸気と炭化水素燃料を反応させるものであるが、大きな吸熱を伴うため通常外部からの加熱が必要である。通常、ニッケル、コバルト、鉄、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、白金などのVIII族金属を代表例とする金属触媒の存在下反応が行われる。反応温度は450℃〜900℃、好ましくは500℃〜850℃、さらに好ましくは550℃〜800℃の範囲で行うことができる。反応系に導入するスチームの量は、原料炭化水素燃料に含まれる炭素原子モル数に対する水分子モル数の比(スチーム/カーボン比)として定義され、この値は好ましくは0.5〜10、より好ましくは1〜7、さらに好ましくは2〜5とされる。この時の液空間速度(LHSV)は炭化水素燃料の液体状態での流速をA(L/h)、触媒層体積をB(L)とした場合A/Bで表すことができ、この値は好ましくは0.05〜20h−1、より好ましくは0.1〜10h−1、さらに好ましくは0.2〜5h−1の範囲で設定される。
【0027】
自己熱改質反応とは、炭化水素燃料の一部を酸化しながら、この時発生する熱で水蒸気改質反応を進行させることで反応熱のバランスを取りつつ改質を行う方法であり、比較的立ち上げ時間も短く制御も容易であるため、近年燃料電池用の水素製造方法として注目されているものである。この場合にも通常、ニッケル、コバルト、鉄、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、白金などのVIII族金属を代表例とする金属触媒の存在下反応が行われる。反応系に導入するスチームの量は、スチーム/カーボン比として好ましくは0.3〜10、より好ましくは0.5〜5、さらに好ましくは1〜3とされる。
【0028】
自己熱改質ではスチームの他に酸素が原料に添加される。酸素源としては純酸素でも良いが多くの場合空気が使用される。通常水蒸気改質反応に伴う吸熱反応をバランスできる熱量を発生し得る程度の酸素を添加するが、熱のロスや必要に応じて設置する外部加熱との関係において適宜添加量は決定される。その量は、原料炭化水素燃料に含まれる炭素原子モル数に対する酸素分子モル数の比(酸素/カーボン比)として好ましくは0.05〜1、より好ましくは0.1〜0.75、さらに好ましくは0.2〜0.6とされる。自己熱改質反応の反応温度は水蒸気改質反応の場合と同様、450℃〜900℃、好ましくは500℃〜850℃、さらに好ましくは550℃〜800℃の範囲で設定される。この時の液空間速度(LHSV)は、好ましくは0.1〜30、より好ましくは0.5〜20、さらに好ましくは1〜10の範囲で選ばれる。
【0029】
部分酸化改質反応とは、炭化水素燃料を完全燃焼させることなく部分酸化させることにより水素を主成分とする改質ガスを得る方法である。この場合も通常、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、レニウム、白金などの貴金属触媒の存在下反応が行われる。すすの生成をおさえるためスチームの導入も好ましく行われ、その場合、スチーム/カーボン比として好ましくは0.3〜10、より好ましくは0.5〜5、さらに好ましくは1〜3とされる。
【0030】
部分酸化改質では酸素が原料に添加される。酸素源としては純酸素でも良いが多くの場合空気が使用される。通常水蒸気改質反応に伴う吸熱反応をバランスできる熱量を発生し得る程度の酸素を添加するが、熱のロスや必要に応じて設置する外部加熱との関係において適宜添加量は決定される。その量は、原料炭化水素燃料に含まれる炭素原子モル数に対する酸素分子モル数の比(酸素/カーボン比)として好ましくは0.1〜1、より好ましくは0.2〜0.8とされる。部分酸化改質反応の反応温度は、好ましくは600℃〜1000℃、より好ましくは700℃〜900℃の範囲で設定される。この時の液空間速度(LHSV)は、好ましくは0.1〜30、より好ましくは0.5〜20、さらに好ましくは1〜10の範囲で選ばれる。
【0031】
〔CO変成器〕
改質器で発生するガスは、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、水蒸気などの水素以外の物質を含む。また、自己熱改質で空気を酸素源とした場合には窒素も含有される。このうち、一酸化炭素を水と反応させ水素と二酸化炭素に転換するシフト反応を行うのがCO変成器である。通常、触媒の存在下反応が進行し、Fe−Crの混合酸化物、Zn−Cuの混合酸化物、白金、ルテニウム、イリジウムなど貴金属を含有する触媒を用い、一酸化炭素含有量(ドライベースのモル%)を好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下までに落とす。CO濃度をより効果的に低下させる観点から、シフト反応を二段階で行うことが好ましく、この場合高温CO変成器と低温CO変成器が用いられる。
【0032】
〔高温CO変成器〕
高温CO変成器には、300〜500℃でシフト反応活性を有する触媒である高温変成触媒を用いることができる。
【0033】
高温変成触媒としては、300〜500℃におけるシフト反応活性の観点から、硫黄の他に、鉄、クロムおよび銅から選ばれる少なくとも一種の金属を含むものが好ましい。例えば、高温変成触媒の酸化物基準での質量組成としては、硫黄を含み、かつ鉄を60〜95%、クロムを1〜30%、銅を0.1〜10%含むものが好ましい。形状は球状,円柱状、塊状、リング状、ハニカム状、モノリス状のものが好ましく、成型法はどのような方法でも構わないが、錠剤成型および押し出し成型が好ましい。
【0034】
高温CO変成工程において、GHSVが200〜10000hr−1であることが好ましい(GHSVは15℃、0.101MPa換算のガス空間速度を表す。以下同様。)。200hr−1以上とすることでガス処理能力および経済性を良好にすることができ、10000hr−1以下であればCO濃度低減能に優れる。
【0035】
〔低温CO変成器〕
低温CO変成器には、160〜300℃でシフト反応活性を有する触媒である低温変成触媒を用いることができる。
【0036】
低温変成触媒としては、シフト反応活性の観点から、銅、亜鉛、ニッケル、鉄、マンガン、白金、金、ルテニウム、ロジウムおよびレニウムから選ばれる少なくとも一種の金属を含むものが好ましい。含有する総金属量は酸化物基準で5〜90質量%が好ましく,形状は球状,円柱状、塊状、リング状、ハニカム状、モノリス状のものが好ましく、成型法はどのような方法でも構わないが、錠剤成型および押し出し成型が好ましい。触媒調製法は特に限定しないが、共沈法、ゲル混練法、含浸法が好ましい。
【0037】
低温CO変成器に供給するガスは、高温CO変成触媒への負担が大きくなるのを防止して劣化を防止する観点からCO濃度(ドライベースのモル%)が0.5%以上であることが好ましく、低温CO変成触媒の負担が大きくなるのを防止して触媒劣化を防止する観点からCO濃度が20%以下であることが好ましい。従って、高温CO変成器において、この範囲までCO濃度を低減することが好ましい。
【0038】
低温変CO変成器に供給されるガスについては、GHSVが200〜50000hr−1であることが好ましい。200hr−1以上とすることでガス処理能力および経済性を良好にすることができ、50000hr−1以下であればCO濃度低減能に優れる。
【0039】
〔CO選択酸化器〕
固体高分子形燃料電池など、COに対する耐性が低い機器で好適に利用可能な改質ガスを製造するために、CO変成器で処理されたガスについて、さらに一酸化炭素濃度を低減させる。このためにCO変成器(高温CO変成器と低温CO変成器が存在する場合には低温CO変成器)の出口ガスを選択酸化反応で処理する。この工程では、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、銅、銀、金などを含有する触媒を用い、残存する一酸化炭素モル数に対し好ましくは0.5〜10倍モル、より好ましくは0.7〜5倍モル、さらに好ましくは1〜3倍モルの酸素を添加することで一酸化炭素を選択的に二酸化炭素に転換することにより一酸化炭素濃度を好ましくは10ppm(ドライベースのモル基準)以下に低減させる。この場合、一酸化炭素を酸化と同時に共存する水素と反応させメタンを生成させることで一酸化炭素濃度の低減を図ることもできる。GHSVについては、ドライベースで好ましくは1,000〜30,000、より好ましくは5,000〜20,000とされる。
【0040】
〔燃料電池〕
燃料電池としては、燃料極において水素が電極反応の反応物質であるタイプの燃料電池を適宜採用することができる。例えば、固体高分子形、燐酸形、溶融炭酸塩形、固体酸化物形の燃料電池を採用することができる。なかでも固体高分子形燃料電池は、COに対する耐性が低く、また改質ガス中に残存する炭化水素燃料に対する耐性が低いため、本発明の効果が顕著に発揮される、以下、固体高分子形燃料電池の構成を記す。
【0041】
燃料電池電極はアノード(燃料極)およびカソード(空気極)とこれらに挟まれる固体高分子電解質を有し、アノード側には上記改質器で得られた水素を含有する改質ガスが、カソード側には空気等の酸素含有ガスが、それぞれ必要であれば適当な加湿処理を行った後導入される。
【0042】
この時、アノードでは水素ガスがプロトンとなり電子を放出する反応が進行し、カソードでは酸素ガスが電子とプロトンを得て水となる反応が進行する。これらの反応を促進するため、それぞれ、アノードには白金黒、活性炭担持のPt触媒あるいはPt−Ru合金触媒などが、カソードには白金黒、活性炭担持のPt触媒などが用いられる。通常アノード、カソードの両触媒とも、必要に応じてテフロン、低分子の高分子電解質膜素材、活性炭などと共に多孔質触媒層に成形される。
【0043】
固体高分子電解質としてはナフィオン(Nafion、デュポン社製)、ゴア(Gore、ゴア社製)、フレミオン(Flemion、旭硝子社製)、アシプレックス(Aciplex、旭化成社製)等の商品名で知られる高分子電解質膜が通常用いられ、この両側に上記多孔質触媒層を積層しMEA(Membrane Electrode Assembly:膜電極集合体)が形成される。さらにMEAを金属材料、グラファイト、カーボンコンポジットなどからなるガス供給機能、集電機能、特にカソードにおいては重要な排水機能等を持つセパレータで挟み込むことで燃料電池が組み立てられる。電気負荷はアノード、カソードと電気的に連結される。
【0044】
〔炭化水素燃料〕
炭化水素燃料に含まれる炭化水素化合物が、いわゆる重い成分であると分解残存成分の悪影響が大きくなる傾向がある。本発明によれば分解残存成分の悪影響を抑制できるため、本発明は、炭化水素燃料が、純物質の沸点が160℃以上の炭化水素化合物を含む場合に特に好適に適用できる。炭化水素燃料に、180℃以上、さらには200℃以上の炭化水素化合物が含まれると、本発明の効果がより一層顕著となる。同様の観点から、本発明は、炭化水素燃料が炭素数8以上の炭化水素化合物を含む場合に好適に適用できる。炭化水素燃料に、好ましくは炭素数10以上、より好ましくは12以上40以下の炭化水素化合物が含まれると、本発明の効果がより一層顕著となる。
【0045】
上記炭化水素化合物の具体例としてはデカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサンなどの飽和炭化水素;
キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、クメン、プロピルベンゼン、あるいはブチルベンゼン、ペンチルベンゼン、ヘキシルベンゼン、ヘプチルベンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼン、デシルベンゼン、ナフタレン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン、エチルナフタレン、プロピルナフタレン、ビフェニル、メチルビフェニル、エチルビフェニル、プロピルビフェニルなどの置換あるいは無置換の芳香族化合物;
テトラリン、デカリン、など飽和環を持つ芳香族あるいは非芳香族化合物
などを挙げることができるが、これらは、非常に多くの対象化合物の一部の例でしかないことは言うまでもない。
【0046】
上記炭化水素化合物を含む炭化水素燃料として上記純物質を単独で用いることもできるが、通常、炭化水素燃料には、炭化水素化合物は混合物として複数種類が含まれる。その例としては、ナフサ、ガソリン、灯油、軽油等の石油系燃料やGTL(Gas to Liquid、天然ガス等のガスから製造された液体燃料)などがある。
【0047】
〔脱硫〕
炭化水素燃料中の硫黄は改質触媒を不活性化させる作用があるためなるべく低濃度であることが望ましく、好ましくは50質量ppm以下、より好ましくは20質量ppm以下とする。このため、必要であれば前もって燃料を脱硫することができる。脱硫工程に供する原料中の硫黄濃度には特に制限はなく脱硫工程において上記硫黄濃度に転換できるものであれば使用することができる。
【0048】
脱硫の方法にも特に制限はないが、適当な触媒と水素の存在下水素化脱硫を行い生成した硫化水素を酸化亜鉛などに吸収させる方法を例としてあげることができる。この場合用いることができる触媒の例としてはニッケル−モリブデン、コバルト−モリブデンなどを成分とする触媒を挙げることができる。一方、適当な収着剤の存在下必要であれば水素の共存下硫黄分を収着させる方法も採用できる。この場合用いることができる収着剤としては特許第2654515号公報、特許第2688749号公報などに示されたような銅−亜鉛を主成分とする収着剤あるいはニッケル−亜鉛を主成分とする収着剤などを例示できる。
【0049】
〔ガス組成〕
改質器、CO変成器およびCO選択酸化器を経たガスの組成(ドライベースのモル%)は改質器に水蒸気改質反応を用いた場合、通常例えば、水素65〜75%、メタン0.1〜5%、二酸化炭素20〜30%、窒素1〜10%である。一方、自己熱改質反応や部分酸化改質反応を用いた場合の組成(ドライベースのモル%)は、通常例えば、水素25〜40%、メタン0.1〜5%、二酸化炭素20〜40%、窒素30〜60%である。
【0050】
また、改質器、CO変成器を経たガスの組成(ドライベースのモル%もしくはモルppm)は改質器に水蒸気改質反応を用いた場合、通常例えば、水素65〜75%、メタン0.1〜5%、二酸化炭素20〜30%、一酸化炭素1000ppm〜10000ppmである。一方、自己熱改質反応や部分酸化改質反応を用いた場合の組成(ドライベースのモル%もしくはモルppm)は、通常例えば、水素25〜40%、メタン0.1〜5%、二酸化炭素20〜40%、一酸化炭素1000ppm〜10000ppm、窒素30〜60%である。
【0051】
さらに、改質器を経たガスの組成(ドライベースのモル%)は改質器に水蒸気改質反応を用いた場合、通常例えば、水素63〜73%、メタン0.1〜5%、二酸化炭素5〜20%、一酸化炭素5〜20%である。一方、自己熱改質反応や部分酸化改質反応を用いた場合の組成(ドライベースのモル%)は、通常例えば、水素23〜37%、メタン0.1〜5%、二酸化炭素5〜25%、一酸化炭素5〜25%、窒素30〜60%である。
【0052】
その他にいずれの改質方法の場合においても、改質器の運転条件によっては原料とした炭化水素燃料を主成分とする微量の分解残存成分が検出される場合がある。この量は改質器の空間速度が高く、反応温度が低いほど多く検出される傾向がある。また、改質器の触媒が劣化しても同様の傾向が見られる。
【0053】
検出される分解残存成分の量は、運転条件に依存するが場合によっては10000体積ppm以下、或いは5000体積ppm以下、或いは1000体積ppm以下存在する場合がある。これらの分解残存成分の存在は固体高分子形燃料電池の分極の増大を引き起こす要因となる場合がある。
【0054】
〔吸着器〕
そこで本発明では、改質器の下流に、吸着器を設ける。この吸着器には改質ガス中に残存する炭化水素燃料を吸着する吸着剤が備えられる。吸着器により、残存炭化水素の除去と同時に改質反応の副反応生成物をも除去することも可能であり、これら両者を含めた分解残存成分の量を好ましくは100体積ppm以下、より好ましくは50体積ppm以下、さらに好ましくは1体積ppm以下まで低減させることができる。このことにより、例えば固体高分子形燃料電池の安定かつ高効率な運転が担保される。
【0055】
吸着剤としては例えば、活性炭、ゼオライト、などのような高表面積の多孔性物質を当てることができるが、吸着量を多くするため細孔容積を大きくするという観点から活性炭およびゼオライトが好ましく使用される。これらを組み合わせて用いることもできる。吸着器の構造は公知のものでよく、吸着剤を円筒状あるいは円柱状などの容器に入れ、吸着器を形成することができる。容器に適当な温度調節手段を備えることもできる。温度調節手段としては、例えば、加熱のための電気ヒータを用いることができ、また系内の高温ガスを熱媒体として加熱すること、あるいは水や空気を熱媒体として冷却することができる。これら熱媒体が内部を流れる管を上記容器内や容器壁に設けることができる。
【0056】
活性炭およびゼオライトを吸着剤とする場合、活性炭の温度を好ましくは50〜500℃、好ましくは60℃〜400℃、さらに好ましくは100℃〜300℃の範囲として吸着を行う。500℃以下とすることにより、活性炭の吸着能が低下することを良好に防止でき、残存炭化水素や副反応生成物を良好に除去できる。50℃以上とすることにより、改質ガス中の水分が凝集することにより吸着能力が低下するといった現象を良好に防止することができる。
【0057】
活性炭およびゼオライトの使用量は、残存炭化水素や副反応生成物を良好に除去しつつ吸着剤の体積を抑制する観点から、標準条件(15℃、0.101MPa)におけるガス空間速度GHSV(水を除く)として、好ましくは1〜100000h−1、より好ましくは10〜50000h−1、さらに好ましくは100〜10000h−1になるように設定される。
【0058】
用いる活性炭およびゼオライトの粒径については特に制限はないが、活性炭層の圧力損失を抑制する観点から直径0.1mm以上が好ましく、吸着能の観点から5mm以下が好ましい。より好ましくは0.5mm〜4mm、さらに好ましくは1mm〜3mmのものが用いられる。
【0059】
吸着器の配置は、改質器から排出される分解残存成分を吸着するため、改質器の下流である。水素製造システムの中ではCO選択酸化器の下流であってもよい。燃料電池システムにおいては、分解残存成分による燃料電池の劣化を防ぐため、燃料電池セルの上流とする。つまり、改質ガスが供給される燃料電池の燃料極の上流とする。CO変成触媒の劣化を防ぐ観点からは、CO変成器の上流が好ましい。またCO変成器が高温CO変成器と低温CO変成器の二段で構成される場合、ガス温度と吸着剤の性能の観点から、高温CO変成器の下流、かつ低温CO変成器の上流が好ましい。
【0060】
吸着剤に吸着した炭化水素燃料は、温度を上げることによって脱離させることができ、例えば高温のガスを吸着器に流すことによって吸着器を脱離再生することができる。脱離再生温度は、吸着温度以上とすることが望ましい。脱離再生用のガスについては、酸素を含まないことが好ましい。
【0061】
この脱離再生用のガスとして燃料電池のアノードから排出される燃料電池アノードオフガスを用いることが、酸素を含まず系外からガスを導入して効率を低下させることがないという観点から好ましい。アノードオフガスは、必要に応じ、燃料電池システム内に存在するアノードオフガスより高温のガス、例えば改質器の直下流の改質ガスと熱交換することによって吸着器の脱離再生温度以上にすることができ、これによって吸着剤を脱離再生温度にすることができる。このために、アノードの下流かつ吸着器の上流に、アノードオフガスを高温のガスと熱交換により加熱するための熱交換器を設けることができる。実際には例えば、熱交換器から吸着剤に至るまでの熱ロスによる温度効果を考慮して、吸着剤が脱離再生温度になるよう熱交換器出口のアノードオフガスの温度を決めることができる。
【0062】
アノードオフガスを熱交換により昇温させる方法以外に、吸着器を高温ガスや電気ヒータで直接加熱しながらアノードオフガスを流すことにより、脱離再生することもできる。
【0063】
改質器として、改質触媒を内蔵する反応管を外側から加熱することによって、反応管内部で起きる改質反応に必要な熱を供給する、外部加熱式あるいは外熱式の改質器がある。この外側からの加熱のために、燃焼手段、例えばバーナや触媒燃焼器が用いられる。このような改質器は水蒸気改質器に典型的であるが、自己熱改質を行う場合も必要に応じてこのような燃焼手段が設けられる。このような改質器を用いる場合、脱離再生に利用されたアノードオフガスは、改質器に備わる燃焼手段の燃料として燃焼させることができる。
【0064】
吸着器は1つでも良い。この場合、吸着器の脱離再生あるいは吸着剤交換の際には水素製造システムを停止させるか、水素製造システムの運転を継続するのであれば、吸着器を通っていたガスをパイパスする(従って吸着は行わない)ことができる。
【0065】
吸着器を複数設け、そのうちの一部の吸着器に改質ガスを流入させて吸着を行い、この間に残部の吸着器において脱離再生を行い、吸着を行う吸着器と脱離再生を行う吸着器を順次切り替えることが好ましい。このようにすると連続的に吸着を伴う水素製造を行うことができるからである。水素製造システムが、この切り替えのための流路切り替え手段を備えることができる。つまり、それぞれの吸着器に、改質ガスの流入を遮断するとともに脱離再生用のガスを流入させる流路切り替え手段を設け、吸着を行うときには改質ガスを吸着器に流入させて水素製造のラインを確立させ、脱離再生のときには水素製造のラインから吸着器を切り離し脱離再生用のガスを流入させて脱離再生のラインを作り、これら水素製造のラインと脱離再生のラインとを交互に切り替え可能とする。複数の吸着器についてこのラインの切り替えタイミングをずらして常に少なくとも一つの吸着器が水素製造ラインを形成するようにすれば、連続的に吸着をともなう水素製造を行うことができる。
【0066】
流路切り替え手段としては例えば止め弁や三方弁などのバルブが挙げられる。また、流路切り替えを自動的に行うこともでき、このとき、バルブを自動バルブとし、上記切り替えを自動的に行うための制御装置を設けることが好ましい。自動バルブとしては、空気や電気によって駆動される公知の自動バルブを用いることができる。
【0067】
図1に切り替えのタイミングの例を模式的に示す。図1(a)は二つの吸着器をほぼ等時間ごとに交互に切り替えて吸着と脱離再生を行う場合、(b)は二つの吸着器を交互に切り替えるが脱離再生に要する時間が短い場合、(c)は三つの吸着器を設け、吸着と脱離再生を順次切り替える場合である。
【0068】
制御装置としては、上記のような自動切り替えのために、所定の時間間隔で信号を発することのできるシーケンサーやコンピュータなどの公知の制御装置を用いれば良く、この信号に応じて開閉する自動バルブを系内に設置し、系内の流路を切り替えることができる。計装配管、計装配線等も適宜設けることができる。
【0069】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
【0070】
図1に本発明の燃料電池システムの一形態を示す。ここでは吸着器を2つ用いる。原料として灯油が脱硫器1に供給され、脱硫された後、改質器2にて改質される。改質器から得られる改質ガスは熱交換器8で燃料電池のアノードオフガスにより冷却され、高温CO変成器3に供給される。高温CO変成器でCO濃度が低減された改質ガスは、バルブ11aを経て第1の吸着器4aに供給され、分解残存成分が除去され、バルブ12aを通って低温CO変成器5に供給される。低温CO変成器でCO濃度が低減された改質ガスは、CO選択酸化器6にてさらにCO濃度が低減された後、燃料電池7のアノード7aに供給される。アノード7aから排出されるアノードオフガスは、熱交換器8で改質ガスとの熱交換により加熱され、バルブ13bを通って第2の吸着器4bに供給される。吸着器4bではアノードオフガスにより脱離再生が行われ、吸着器4bから排出されたガスはバルブ14bを通って改質器のバーナ2aに燃焼用燃料として供給され、ここで燃焼された後、系外に排気される。また、燃料電池のカソード7cには空気が供給され、カソードから排出されるカソードオフガスは、必要に応じて熱回収された後、系外に排出される。吸着器にはそれぞれ活性炭が充填されている。
【0071】
この状態は、バルブ11a、12a、13b、14bが開、バルブ11b、12b、13a、14aが閉とされ、第1の吸着器4aで吸着が行われ、第2の吸着器4bでは脱離再生が行われている。第2の吸着器4bで吸着を行い、第1の吸着器4aで脱離再生を行うように切り替えるには、バルブ11b、12b、13a、14aを開け、バルブ11a、12a、13b、14bを閉じればよい。
【0072】
このバルブの開閉を自動的に行い、自動的に流路を切り替えるために不図示のコンピュータが設けられる。
【0073】
【発明の効果】
本発明により、改質ガス中に分解残存成分が存在する場合においても安定でかつ高効率な水素製造システムおよび燃料電池システムが提供された。
【図面の簡単な説明】
【図1】複数の吸着器の運転パターン例を示す模式的タイミングチャートである。
【図2】本発明の燃料電池システムの一形態を示すフロー図である。
【符号の説明】
1 脱硫器
2 改質器
2a 改質器のバーナ
3 高温CO変成器
4a 第1の吸着器
4b 第2の吸着器
5 低温CO変成器
6 CO選択酸化器
7 燃料電池
7a アノード
7c カソード
8 熱交換器
11a、11b、12a、12b、13a、13b、14a、14b バルブ
【発明の属する技術分野】
本発明は、灯油等の炭化水素燃料を改質し水素を含有する改質ガスを製造する水素製造システムに関する。より詳しくは、改質器に加えてCO変成器およびCO選択酸化器を備えた低CO濃度の改質ガスを製造する水素製造システムに関する。
【0002】
また本発明は、このような水素製造システムから得られる改質ガスを燃料とする燃料電池システムに関する。
【0003】
【従来の技術】
燃料電池はエネルギー利用効率の良い発電システムとして開発が活発化している。燃料電池は水素と酸素との電気化学的な反応により発電するシステムであるため、水素供給手段の確立が必須である。この方法の一つとして炭化水素燃料を改質し水素を抽出する方法があり、炭化水素燃料の供給システムがすでに社会的に整備されている点で、純水素を用いる方法などより有利である。
【0004】
炭化水素燃料としては、都市ガス、ガソリン、灯油、軽油などがあるが、この中でガソリン、灯油、軽油などの液体燃料は取り扱い、保存および輸送が容易であること、安価であることなどの特徴から燃料電池用燃料として注目されている。これらの炭化水素燃料を燃料電池で用いるためには炭化水素燃料から水素を抽出することが必要であるが、このために通常、改質器で炭化水素を水と反応させ主に一酸化炭素と水素に分解し、続いてCO変成器で大部分の一酸化炭素を水と反応させ水素と二酸化炭素に転換し、最後にCO選択酸化器において微量の残存一酸化炭素を酸素と反応させ二酸化炭素にすることが行われる。
【0005】
このような改質に関連する技術として、水素製造用圧力変動吸着装置の吸着塔に係る技術が特許文献1に、水素の発生による気化動力装置における酸性ガスの除去に係る技術が特許文献2に、燃料電池用水蒸気分離器に係る技術が特許文献3に開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−300244号公報
【特許文献2】
特表2001−505615号公報
【特許文献3】
特開平11−3722号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ガソリン、灯油、軽油等の炭化水素燃料を改質反応により分解する際、若干の分解残存成分が存在する場合がある。これが例えば固体高分子形燃料電池に流入すると、発電効率が悪化するなどの悪影響がある。更に分解残存成分が後段の触媒であるCO変成触媒、或いは選択酸化触媒に流入することにより、触媒が被毒される。特には低温CO変成触媒がこの影響を受けやすい。
【0008】
分解残存成分の一つとして、改質器に供給された炭化水素燃料が、改質器において反応せずにそのまま通過し、改質ガス中に残存してしまう残存炭化水素燃料がある。また、改質器において炭化水素燃料が副反応を起こして発生する副反応生成物、すなわち水素や一酸化炭素等の本来の改質反応生成物以外の物質もある。副反応生成物としては、例えばアンモニアや、蟻酸、アルデヒド等の含酸素化合物などがある。
【0009】
分解残存成分の低減のため、改質触媒の量を増加させることや、700℃以上の高温で改質処理を行うなどの方法が考えられる。
【0010】
しかし、改質触媒の量を増加させると、改質器の容積が大きくなり水素製造システムあるいは燃料電池システムのコンパクト性が損なわれる要因となる。また改質器温度を高温に維持すると装置ならびに改質触媒の劣化を促進させるとともに多量の熱供給を必要とすることからシステム効率を低下させるといった不利益が生じる。さらには、これらの対策を講じても、改質触媒の経時劣化により分解残存成分が発生する場合もある。
【0011】
本発明の目的は、改質器から分解残存成分が発生してもCO除去のための機器や燃料電池本体の性能劣化を防止できる水素製造システムおよび燃料電池システムを提供することである。本発明の別の目的は、改質触媒の量を増加させなくても、また改質器温度を高温に維持しなくても、分解残存成分による影響を抑制し、安定でかつ高効率な運転が可能な水素製造システムおよび燃料電池システムを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明により、炭化水素燃料を改質し水素を含有する改質ガスを得る改質器、該改質ガス中のCO濃度をシフト反応によって低減するCO変成器、および該CO変成器でCO濃度が低減されたガス中のCO濃度を選択酸化反応によってさらに低減するCO選択酸化器を備える水素製造システムにおいて、
該改質器の下流に、分解残存成分を吸着する吸着剤を備える吸着器を有することを特徴とする水素製造システムが提供される。
【0013】
水素製造システムが、前記吸着器を複数有し、それぞれの吸着器について改質ガスの流入を遮断するとともに脱離再生用のガスを流入させる流路切り替え手段が設けられ、
一部の吸着器に改質ガスを流入させて吸着を行い、この間に残部の吸着器において脱離再生を行い、吸着を行う吸着器と脱離再生を行う吸着器を順次切り替えることによって連続的な水素製造を可能とするための制御装置を備えることが好ましい。
【0014】
前記吸着剤が、活性炭およびゼオライトから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
【0015】
前記改質器が、水蒸気改質器、自己熱改質器または部分酸化改質器であることができる。
【0016】
本発明により、炭化水素燃料を改質し水素を含有する改質ガスを得る改質器、該改質ガス中のCO濃度をシフト反応によって低減するCO変成器、および該CO変成器でCO濃度が低減されたガス中のCO濃度を選択酸化反応によってさらに低減するCO選択酸化器を備える水素製造システムと、該CO選択酸化器でCO濃度が低減された改質ガスを燃料とする燃料電池とを備える燃料電池システムにおいて、
該改質器の下流かつ燃料電池の燃料極の上流に、分解残存成分を吸着する吸着剤を備える吸着器を有することを特徴とする燃料電池システムが提供される。
【0017】
燃料電池システムが、前記吸着器を複数有し、それぞれの吸着器について改質ガスの流入を遮断するとともに脱離再生用のガスを流入させる流路切り替え手段が設けられ、
一部の吸着器に改質ガスを流入させて吸着を行い、この間に残部の吸着器において脱離再生を行い、吸着を行う吸着器と脱離再生を行う吸着器を順次切り替えることによって連続的な水素製造を可能とする制御装置を備えることが好ましい。
【0018】
前記脱離再生用のガスが、燃料電池アノードオフガスであることが好ましい。
【0019】
前記改質器が燃焼手段を備え、前記脱離再生に用いた燃料電池アノードオフガスを該燃焼手段に導くラインを有する燃料電池システムが好ましい。
【0020】
燃料電池アノードの下流かつ吸着器の上流に、燃料電池アノードオフガスを、燃料電池システム内の他のガスとの熱交換によって、前記吸着器の脱離再生温度以上に加熱する熱交換器を有する燃料電池システムが好ましい。
【0021】
本発明は、前記燃料電池が固体高分子形燃料電池である場合に特に効果が顕著である。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の水素製造システムは、炭化水素燃料を改質し水素を含有する改質ガスを得る改質器、改質ガス中のCO濃度をシフト反応によって低減するCO変成器、およびCO変成器でCO濃度が低減されたガス中のCO濃度を選択酸化反応によってさらに低減するCO選択酸化器を有する。さらに、後述する脱硫器を有しても良い。
【0023】
また、本発明の燃料電池システムは、上記水素製造システムと燃料電池とを少なくとも有する。
【0024】
さらに、水素製造システムあるいは燃料電池システムの公知の構成要素は、必要に応じて適宜設けることができる。具体例を挙げれば、燃料電池のカソードに空気等の酸素含有ガスを供給する手段、燃料電池に供給するガスを加湿するための水蒸気を発生する水蒸気発生器、燃料電池等の各種機器を冷却するための冷却系、各種流体を加圧するためのポンプ、圧縮機、ブロワなどの加圧手段、流体の流量を調節するため、あるいは流体の流れを遮断/切り替えるためのバルブ等の流量調節手段や流路遮断/切り替え手段、熱交換・熱回収を行うための熱交換器、液体を気化する気化器、気体を凝縮する凝縮器、スチームなどで各種機器を外熱する加熱/保温手段、各種流体の貯蔵手段、計装用の空気や電気系統、制御用の信号系統、制御装置、出力用や動力用の電気系統などである。
【0025】
〔改質器〕
炭化水素燃料と水を反応させる装置である。この装置で炭化水素燃料は主に一酸化炭素と水素に分解される。また、通常、二酸化炭素およびメタンも分解ガス中に含有される。例えば、分解反応として水蒸気改質反応を行う水蒸気改質器、自己熱改質反応を行う自己熱改質器、部分酸化反応を行う部分酸化改質器などを改質器の例として挙げることができる。
【0026】
水蒸気改質反応とは水蒸気と炭化水素燃料を反応させるものであるが、大きな吸熱を伴うため通常外部からの加熱が必要である。通常、ニッケル、コバルト、鉄、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、白金などのVIII族金属を代表例とする金属触媒の存在下反応が行われる。反応温度は450℃〜900℃、好ましくは500℃〜850℃、さらに好ましくは550℃〜800℃の範囲で行うことができる。反応系に導入するスチームの量は、原料炭化水素燃料に含まれる炭素原子モル数に対する水分子モル数の比(スチーム/カーボン比)として定義され、この値は好ましくは0.5〜10、より好ましくは1〜7、さらに好ましくは2〜5とされる。この時の液空間速度(LHSV)は炭化水素燃料の液体状態での流速をA(L/h)、触媒層体積をB(L)とした場合A/Bで表すことができ、この値は好ましくは0.05〜20h−1、より好ましくは0.1〜10h−1、さらに好ましくは0.2〜5h−1の範囲で設定される。
【0027】
自己熱改質反応とは、炭化水素燃料の一部を酸化しながら、この時発生する熱で水蒸気改質反応を進行させることで反応熱のバランスを取りつつ改質を行う方法であり、比較的立ち上げ時間も短く制御も容易であるため、近年燃料電池用の水素製造方法として注目されているものである。この場合にも通常、ニッケル、コバルト、鉄、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、白金などのVIII族金属を代表例とする金属触媒の存在下反応が行われる。反応系に導入するスチームの量は、スチーム/カーボン比として好ましくは0.3〜10、より好ましくは0.5〜5、さらに好ましくは1〜3とされる。
【0028】
自己熱改質ではスチームの他に酸素が原料に添加される。酸素源としては純酸素でも良いが多くの場合空気が使用される。通常水蒸気改質反応に伴う吸熱反応をバランスできる熱量を発生し得る程度の酸素を添加するが、熱のロスや必要に応じて設置する外部加熱との関係において適宜添加量は決定される。その量は、原料炭化水素燃料に含まれる炭素原子モル数に対する酸素分子モル数の比(酸素/カーボン比)として好ましくは0.05〜1、より好ましくは0.1〜0.75、さらに好ましくは0.2〜0.6とされる。自己熱改質反応の反応温度は水蒸気改質反応の場合と同様、450℃〜900℃、好ましくは500℃〜850℃、さらに好ましくは550℃〜800℃の範囲で設定される。この時の液空間速度(LHSV)は、好ましくは0.1〜30、より好ましくは0.5〜20、さらに好ましくは1〜10の範囲で選ばれる。
【0029】
部分酸化改質反応とは、炭化水素燃料を完全燃焼させることなく部分酸化させることにより水素を主成分とする改質ガスを得る方法である。この場合も通常、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、レニウム、白金などの貴金属触媒の存在下反応が行われる。すすの生成をおさえるためスチームの導入も好ましく行われ、その場合、スチーム/カーボン比として好ましくは0.3〜10、より好ましくは0.5〜5、さらに好ましくは1〜3とされる。
【0030】
部分酸化改質では酸素が原料に添加される。酸素源としては純酸素でも良いが多くの場合空気が使用される。通常水蒸気改質反応に伴う吸熱反応をバランスできる熱量を発生し得る程度の酸素を添加するが、熱のロスや必要に応じて設置する外部加熱との関係において適宜添加量は決定される。その量は、原料炭化水素燃料に含まれる炭素原子モル数に対する酸素分子モル数の比(酸素/カーボン比)として好ましくは0.1〜1、より好ましくは0.2〜0.8とされる。部分酸化改質反応の反応温度は、好ましくは600℃〜1000℃、より好ましくは700℃〜900℃の範囲で設定される。この時の液空間速度(LHSV)は、好ましくは0.1〜30、より好ましくは0.5〜20、さらに好ましくは1〜10の範囲で選ばれる。
【0031】
〔CO変成器〕
改質器で発生するガスは、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、水蒸気などの水素以外の物質を含む。また、自己熱改質で空気を酸素源とした場合には窒素も含有される。このうち、一酸化炭素を水と反応させ水素と二酸化炭素に転換するシフト反応を行うのがCO変成器である。通常、触媒の存在下反応が進行し、Fe−Crの混合酸化物、Zn−Cuの混合酸化物、白金、ルテニウム、イリジウムなど貴金属を含有する触媒を用い、一酸化炭素含有量(ドライベースのモル%)を好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下までに落とす。CO濃度をより効果的に低下させる観点から、シフト反応を二段階で行うことが好ましく、この場合高温CO変成器と低温CO変成器が用いられる。
【0032】
〔高温CO変成器〕
高温CO変成器には、300〜500℃でシフト反応活性を有する触媒である高温変成触媒を用いることができる。
【0033】
高温変成触媒としては、300〜500℃におけるシフト反応活性の観点から、硫黄の他に、鉄、クロムおよび銅から選ばれる少なくとも一種の金属を含むものが好ましい。例えば、高温変成触媒の酸化物基準での質量組成としては、硫黄を含み、かつ鉄を60〜95%、クロムを1〜30%、銅を0.1〜10%含むものが好ましい。形状は球状,円柱状、塊状、リング状、ハニカム状、モノリス状のものが好ましく、成型法はどのような方法でも構わないが、錠剤成型および押し出し成型が好ましい。
【0034】
高温CO変成工程において、GHSVが200〜10000hr−1であることが好ましい(GHSVは15℃、0.101MPa換算のガス空間速度を表す。以下同様。)。200hr−1以上とすることでガス処理能力および経済性を良好にすることができ、10000hr−1以下であればCO濃度低減能に優れる。
【0035】
〔低温CO変成器〕
低温CO変成器には、160〜300℃でシフト反応活性を有する触媒である低温変成触媒を用いることができる。
【0036】
低温変成触媒としては、シフト反応活性の観点から、銅、亜鉛、ニッケル、鉄、マンガン、白金、金、ルテニウム、ロジウムおよびレニウムから選ばれる少なくとも一種の金属を含むものが好ましい。含有する総金属量は酸化物基準で5〜90質量%が好ましく,形状は球状,円柱状、塊状、リング状、ハニカム状、モノリス状のものが好ましく、成型法はどのような方法でも構わないが、錠剤成型および押し出し成型が好ましい。触媒調製法は特に限定しないが、共沈法、ゲル混練法、含浸法が好ましい。
【0037】
低温CO変成器に供給するガスは、高温CO変成触媒への負担が大きくなるのを防止して劣化を防止する観点からCO濃度(ドライベースのモル%)が0.5%以上であることが好ましく、低温CO変成触媒の負担が大きくなるのを防止して触媒劣化を防止する観点からCO濃度が20%以下であることが好ましい。従って、高温CO変成器において、この範囲までCO濃度を低減することが好ましい。
【0038】
低温変CO変成器に供給されるガスについては、GHSVが200〜50000hr−1であることが好ましい。200hr−1以上とすることでガス処理能力および経済性を良好にすることができ、50000hr−1以下であればCO濃度低減能に優れる。
【0039】
〔CO選択酸化器〕
固体高分子形燃料電池など、COに対する耐性が低い機器で好適に利用可能な改質ガスを製造するために、CO変成器で処理されたガスについて、さらに一酸化炭素濃度を低減させる。このためにCO変成器(高温CO変成器と低温CO変成器が存在する場合には低温CO変成器)の出口ガスを選択酸化反応で処理する。この工程では、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、銅、銀、金などを含有する触媒を用い、残存する一酸化炭素モル数に対し好ましくは0.5〜10倍モル、より好ましくは0.7〜5倍モル、さらに好ましくは1〜3倍モルの酸素を添加することで一酸化炭素を選択的に二酸化炭素に転換することにより一酸化炭素濃度を好ましくは10ppm(ドライベースのモル基準)以下に低減させる。この場合、一酸化炭素を酸化と同時に共存する水素と反応させメタンを生成させることで一酸化炭素濃度の低減を図ることもできる。GHSVについては、ドライベースで好ましくは1,000〜30,000、より好ましくは5,000〜20,000とされる。
【0040】
〔燃料電池〕
燃料電池としては、燃料極において水素が電極反応の反応物質であるタイプの燃料電池を適宜採用することができる。例えば、固体高分子形、燐酸形、溶融炭酸塩形、固体酸化物形の燃料電池を採用することができる。なかでも固体高分子形燃料電池は、COに対する耐性が低く、また改質ガス中に残存する炭化水素燃料に対する耐性が低いため、本発明の効果が顕著に発揮される、以下、固体高分子形燃料電池の構成を記す。
【0041】
燃料電池電極はアノード(燃料極)およびカソード(空気極)とこれらに挟まれる固体高分子電解質を有し、アノード側には上記改質器で得られた水素を含有する改質ガスが、カソード側には空気等の酸素含有ガスが、それぞれ必要であれば適当な加湿処理を行った後導入される。
【0042】
この時、アノードでは水素ガスがプロトンとなり電子を放出する反応が進行し、カソードでは酸素ガスが電子とプロトンを得て水となる反応が進行する。これらの反応を促進するため、それぞれ、アノードには白金黒、活性炭担持のPt触媒あるいはPt−Ru合金触媒などが、カソードには白金黒、活性炭担持のPt触媒などが用いられる。通常アノード、カソードの両触媒とも、必要に応じてテフロン、低分子の高分子電解質膜素材、活性炭などと共に多孔質触媒層に成形される。
【0043】
固体高分子電解質としてはナフィオン(Nafion、デュポン社製)、ゴア(Gore、ゴア社製)、フレミオン(Flemion、旭硝子社製)、アシプレックス(Aciplex、旭化成社製)等の商品名で知られる高分子電解質膜が通常用いられ、この両側に上記多孔質触媒層を積層しMEA(Membrane Electrode Assembly:膜電極集合体)が形成される。さらにMEAを金属材料、グラファイト、カーボンコンポジットなどからなるガス供給機能、集電機能、特にカソードにおいては重要な排水機能等を持つセパレータで挟み込むことで燃料電池が組み立てられる。電気負荷はアノード、カソードと電気的に連結される。
【0044】
〔炭化水素燃料〕
炭化水素燃料に含まれる炭化水素化合物が、いわゆる重い成分であると分解残存成分の悪影響が大きくなる傾向がある。本発明によれば分解残存成分の悪影響を抑制できるため、本発明は、炭化水素燃料が、純物質の沸点が160℃以上の炭化水素化合物を含む場合に特に好適に適用できる。炭化水素燃料に、180℃以上、さらには200℃以上の炭化水素化合物が含まれると、本発明の効果がより一層顕著となる。同様の観点から、本発明は、炭化水素燃料が炭素数8以上の炭化水素化合物を含む場合に好適に適用できる。炭化水素燃料に、好ましくは炭素数10以上、より好ましくは12以上40以下の炭化水素化合物が含まれると、本発明の効果がより一層顕著となる。
【0045】
上記炭化水素化合物の具体例としてはデカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサンなどの飽和炭化水素;
キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、クメン、プロピルベンゼン、あるいはブチルベンゼン、ペンチルベンゼン、ヘキシルベンゼン、ヘプチルベンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼン、デシルベンゼン、ナフタレン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン、エチルナフタレン、プロピルナフタレン、ビフェニル、メチルビフェニル、エチルビフェニル、プロピルビフェニルなどの置換あるいは無置換の芳香族化合物;
テトラリン、デカリン、など飽和環を持つ芳香族あるいは非芳香族化合物
などを挙げることができるが、これらは、非常に多くの対象化合物の一部の例でしかないことは言うまでもない。
【0046】
上記炭化水素化合物を含む炭化水素燃料として上記純物質を単独で用いることもできるが、通常、炭化水素燃料には、炭化水素化合物は混合物として複数種類が含まれる。その例としては、ナフサ、ガソリン、灯油、軽油等の石油系燃料やGTL(Gas to Liquid、天然ガス等のガスから製造された液体燃料)などがある。
【0047】
〔脱硫〕
炭化水素燃料中の硫黄は改質触媒を不活性化させる作用があるためなるべく低濃度であることが望ましく、好ましくは50質量ppm以下、より好ましくは20質量ppm以下とする。このため、必要であれば前もって燃料を脱硫することができる。脱硫工程に供する原料中の硫黄濃度には特に制限はなく脱硫工程において上記硫黄濃度に転換できるものであれば使用することができる。
【0048】
脱硫の方法にも特に制限はないが、適当な触媒と水素の存在下水素化脱硫を行い生成した硫化水素を酸化亜鉛などに吸収させる方法を例としてあげることができる。この場合用いることができる触媒の例としてはニッケル−モリブデン、コバルト−モリブデンなどを成分とする触媒を挙げることができる。一方、適当な収着剤の存在下必要であれば水素の共存下硫黄分を収着させる方法も採用できる。この場合用いることができる収着剤としては特許第2654515号公報、特許第2688749号公報などに示されたような銅−亜鉛を主成分とする収着剤あるいはニッケル−亜鉛を主成分とする収着剤などを例示できる。
【0049】
〔ガス組成〕
改質器、CO変成器およびCO選択酸化器を経たガスの組成(ドライベースのモル%)は改質器に水蒸気改質反応を用いた場合、通常例えば、水素65〜75%、メタン0.1〜5%、二酸化炭素20〜30%、窒素1〜10%である。一方、自己熱改質反応や部分酸化改質反応を用いた場合の組成(ドライベースのモル%)は、通常例えば、水素25〜40%、メタン0.1〜5%、二酸化炭素20〜40%、窒素30〜60%である。
【0050】
また、改質器、CO変成器を経たガスの組成(ドライベースのモル%もしくはモルppm)は改質器に水蒸気改質反応を用いた場合、通常例えば、水素65〜75%、メタン0.1〜5%、二酸化炭素20〜30%、一酸化炭素1000ppm〜10000ppmである。一方、自己熱改質反応や部分酸化改質反応を用いた場合の組成(ドライベースのモル%もしくはモルppm)は、通常例えば、水素25〜40%、メタン0.1〜5%、二酸化炭素20〜40%、一酸化炭素1000ppm〜10000ppm、窒素30〜60%である。
【0051】
さらに、改質器を経たガスの組成(ドライベースのモル%)は改質器に水蒸気改質反応を用いた場合、通常例えば、水素63〜73%、メタン0.1〜5%、二酸化炭素5〜20%、一酸化炭素5〜20%である。一方、自己熱改質反応や部分酸化改質反応を用いた場合の組成(ドライベースのモル%)は、通常例えば、水素23〜37%、メタン0.1〜5%、二酸化炭素5〜25%、一酸化炭素5〜25%、窒素30〜60%である。
【0052】
その他にいずれの改質方法の場合においても、改質器の運転条件によっては原料とした炭化水素燃料を主成分とする微量の分解残存成分が検出される場合がある。この量は改質器の空間速度が高く、反応温度が低いほど多く検出される傾向がある。また、改質器の触媒が劣化しても同様の傾向が見られる。
【0053】
検出される分解残存成分の量は、運転条件に依存するが場合によっては10000体積ppm以下、或いは5000体積ppm以下、或いは1000体積ppm以下存在する場合がある。これらの分解残存成分の存在は固体高分子形燃料電池の分極の増大を引き起こす要因となる場合がある。
【0054】
〔吸着器〕
そこで本発明では、改質器の下流に、吸着器を設ける。この吸着器には改質ガス中に残存する炭化水素燃料を吸着する吸着剤が備えられる。吸着器により、残存炭化水素の除去と同時に改質反応の副反応生成物をも除去することも可能であり、これら両者を含めた分解残存成分の量を好ましくは100体積ppm以下、より好ましくは50体積ppm以下、さらに好ましくは1体積ppm以下まで低減させることができる。このことにより、例えば固体高分子形燃料電池の安定かつ高効率な運転が担保される。
【0055】
吸着剤としては例えば、活性炭、ゼオライト、などのような高表面積の多孔性物質を当てることができるが、吸着量を多くするため細孔容積を大きくするという観点から活性炭およびゼオライトが好ましく使用される。これらを組み合わせて用いることもできる。吸着器の構造は公知のものでよく、吸着剤を円筒状あるいは円柱状などの容器に入れ、吸着器を形成することができる。容器に適当な温度調節手段を備えることもできる。温度調節手段としては、例えば、加熱のための電気ヒータを用いることができ、また系内の高温ガスを熱媒体として加熱すること、あるいは水や空気を熱媒体として冷却することができる。これら熱媒体が内部を流れる管を上記容器内や容器壁に設けることができる。
【0056】
活性炭およびゼオライトを吸着剤とする場合、活性炭の温度を好ましくは50〜500℃、好ましくは60℃〜400℃、さらに好ましくは100℃〜300℃の範囲として吸着を行う。500℃以下とすることにより、活性炭の吸着能が低下することを良好に防止でき、残存炭化水素や副反応生成物を良好に除去できる。50℃以上とすることにより、改質ガス中の水分が凝集することにより吸着能力が低下するといった現象を良好に防止することができる。
【0057】
活性炭およびゼオライトの使用量は、残存炭化水素や副反応生成物を良好に除去しつつ吸着剤の体積を抑制する観点から、標準条件(15℃、0.101MPa)におけるガス空間速度GHSV(水を除く)として、好ましくは1〜100000h−1、より好ましくは10〜50000h−1、さらに好ましくは100〜10000h−1になるように設定される。
【0058】
用いる活性炭およびゼオライトの粒径については特に制限はないが、活性炭層の圧力損失を抑制する観点から直径0.1mm以上が好ましく、吸着能の観点から5mm以下が好ましい。より好ましくは0.5mm〜4mm、さらに好ましくは1mm〜3mmのものが用いられる。
【0059】
吸着器の配置は、改質器から排出される分解残存成分を吸着するため、改質器の下流である。水素製造システムの中ではCO選択酸化器の下流であってもよい。燃料電池システムにおいては、分解残存成分による燃料電池の劣化を防ぐため、燃料電池セルの上流とする。つまり、改質ガスが供給される燃料電池の燃料極の上流とする。CO変成触媒の劣化を防ぐ観点からは、CO変成器の上流が好ましい。またCO変成器が高温CO変成器と低温CO変成器の二段で構成される場合、ガス温度と吸着剤の性能の観点から、高温CO変成器の下流、かつ低温CO変成器の上流が好ましい。
【0060】
吸着剤に吸着した炭化水素燃料は、温度を上げることによって脱離させることができ、例えば高温のガスを吸着器に流すことによって吸着器を脱離再生することができる。脱離再生温度は、吸着温度以上とすることが望ましい。脱離再生用のガスについては、酸素を含まないことが好ましい。
【0061】
この脱離再生用のガスとして燃料電池のアノードから排出される燃料電池アノードオフガスを用いることが、酸素を含まず系外からガスを導入して効率を低下させることがないという観点から好ましい。アノードオフガスは、必要に応じ、燃料電池システム内に存在するアノードオフガスより高温のガス、例えば改質器の直下流の改質ガスと熱交換することによって吸着器の脱離再生温度以上にすることができ、これによって吸着剤を脱離再生温度にすることができる。このために、アノードの下流かつ吸着器の上流に、アノードオフガスを高温のガスと熱交換により加熱するための熱交換器を設けることができる。実際には例えば、熱交換器から吸着剤に至るまでの熱ロスによる温度効果を考慮して、吸着剤が脱離再生温度になるよう熱交換器出口のアノードオフガスの温度を決めることができる。
【0062】
アノードオフガスを熱交換により昇温させる方法以外に、吸着器を高温ガスや電気ヒータで直接加熱しながらアノードオフガスを流すことにより、脱離再生することもできる。
【0063】
改質器として、改質触媒を内蔵する反応管を外側から加熱することによって、反応管内部で起きる改質反応に必要な熱を供給する、外部加熱式あるいは外熱式の改質器がある。この外側からの加熱のために、燃焼手段、例えばバーナや触媒燃焼器が用いられる。このような改質器は水蒸気改質器に典型的であるが、自己熱改質を行う場合も必要に応じてこのような燃焼手段が設けられる。このような改質器を用いる場合、脱離再生に利用されたアノードオフガスは、改質器に備わる燃焼手段の燃料として燃焼させることができる。
【0064】
吸着器は1つでも良い。この場合、吸着器の脱離再生あるいは吸着剤交換の際には水素製造システムを停止させるか、水素製造システムの運転を継続するのであれば、吸着器を通っていたガスをパイパスする(従って吸着は行わない)ことができる。
【0065】
吸着器を複数設け、そのうちの一部の吸着器に改質ガスを流入させて吸着を行い、この間に残部の吸着器において脱離再生を行い、吸着を行う吸着器と脱離再生を行う吸着器を順次切り替えることが好ましい。このようにすると連続的に吸着を伴う水素製造を行うことができるからである。水素製造システムが、この切り替えのための流路切り替え手段を備えることができる。つまり、それぞれの吸着器に、改質ガスの流入を遮断するとともに脱離再生用のガスを流入させる流路切り替え手段を設け、吸着を行うときには改質ガスを吸着器に流入させて水素製造のラインを確立させ、脱離再生のときには水素製造のラインから吸着器を切り離し脱離再生用のガスを流入させて脱離再生のラインを作り、これら水素製造のラインと脱離再生のラインとを交互に切り替え可能とする。複数の吸着器についてこのラインの切り替えタイミングをずらして常に少なくとも一つの吸着器が水素製造ラインを形成するようにすれば、連続的に吸着をともなう水素製造を行うことができる。
【0066】
流路切り替え手段としては例えば止め弁や三方弁などのバルブが挙げられる。また、流路切り替えを自動的に行うこともでき、このとき、バルブを自動バルブとし、上記切り替えを自動的に行うための制御装置を設けることが好ましい。自動バルブとしては、空気や電気によって駆動される公知の自動バルブを用いることができる。
【0067】
図1に切り替えのタイミングの例を模式的に示す。図1(a)は二つの吸着器をほぼ等時間ごとに交互に切り替えて吸着と脱離再生を行う場合、(b)は二つの吸着器を交互に切り替えるが脱離再生に要する時間が短い場合、(c)は三つの吸着器を設け、吸着と脱離再生を順次切り替える場合である。
【0068】
制御装置としては、上記のような自動切り替えのために、所定の時間間隔で信号を発することのできるシーケンサーやコンピュータなどの公知の制御装置を用いれば良く、この信号に応じて開閉する自動バルブを系内に設置し、系内の流路を切り替えることができる。計装配管、計装配線等も適宜設けることができる。
【0069】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
【0070】
図1に本発明の燃料電池システムの一形態を示す。ここでは吸着器を2つ用いる。原料として灯油が脱硫器1に供給され、脱硫された後、改質器2にて改質される。改質器から得られる改質ガスは熱交換器8で燃料電池のアノードオフガスにより冷却され、高温CO変成器3に供給される。高温CO変成器でCO濃度が低減された改質ガスは、バルブ11aを経て第1の吸着器4aに供給され、分解残存成分が除去され、バルブ12aを通って低温CO変成器5に供給される。低温CO変成器でCO濃度が低減された改質ガスは、CO選択酸化器6にてさらにCO濃度が低減された後、燃料電池7のアノード7aに供給される。アノード7aから排出されるアノードオフガスは、熱交換器8で改質ガスとの熱交換により加熱され、バルブ13bを通って第2の吸着器4bに供給される。吸着器4bではアノードオフガスにより脱離再生が行われ、吸着器4bから排出されたガスはバルブ14bを通って改質器のバーナ2aに燃焼用燃料として供給され、ここで燃焼された後、系外に排気される。また、燃料電池のカソード7cには空気が供給され、カソードから排出されるカソードオフガスは、必要に応じて熱回収された後、系外に排出される。吸着器にはそれぞれ活性炭が充填されている。
【0071】
この状態は、バルブ11a、12a、13b、14bが開、バルブ11b、12b、13a、14aが閉とされ、第1の吸着器4aで吸着が行われ、第2の吸着器4bでは脱離再生が行われている。第2の吸着器4bで吸着を行い、第1の吸着器4aで脱離再生を行うように切り替えるには、バルブ11b、12b、13a、14aを開け、バルブ11a、12a、13b、14bを閉じればよい。
【0072】
このバルブの開閉を自動的に行い、自動的に流路を切り替えるために不図示のコンピュータが設けられる。
【0073】
【発明の効果】
本発明により、改質ガス中に分解残存成分が存在する場合においても安定でかつ高効率な水素製造システムおよび燃料電池システムが提供された。
【図面の簡単な説明】
【図1】複数の吸着器の運転パターン例を示す模式的タイミングチャートである。
【図2】本発明の燃料電池システムの一形態を示すフロー図である。
【符号の説明】
1 脱硫器
2 改質器
2a 改質器のバーナ
3 高温CO変成器
4a 第1の吸着器
4b 第2の吸着器
5 低温CO変成器
6 CO選択酸化器
7 燃料電池
7a アノード
7c カソード
8 熱交換器
11a、11b、12a、12b、13a、13b、14a、14b バルブ
Claims (10)
- 炭化水素燃料を改質し水素を含有する改質ガスを得る改質器、該改質ガス中のCO濃度をシフト反応によって低減するCO変成器、および該CO変成器でCO濃度が低減されたガス中のCO濃度を選択酸化反応によってさらに低減するCO選択酸化器を備える水素製造システムにおいて、
該改質器の下流に、分解残存成分を吸着する吸着剤を備える吸着器を有することを特徴とする水素製造システム。 - 前記吸着器を複数有し、それぞれの吸着器について改質ガスの流入を遮断するとともに脱離再生用のガスを流入させる流路切り替え手段が設けられ、
一部の吸着器に改質ガスを流入させて吸着を行い、この間に残部の吸着器において脱離再生を行い、吸着を行う吸着器と脱離再生を行う吸着器を順次切り替えることによって連続的な水素製造を可能とするための制御装置を備える請求項1記載の水素製造システム。 - 前記吸着剤が、活性炭およびゼオライトから選ばれる少なくとも1種である請求項1または2記載の水素製造システム。
- 前記改質器が、水蒸気改質器、自己熱改質器または部分酸化改質器である請求項1〜3の何れか一項記載の水素製造システム。
- 炭化水素燃料を改質し水素を含有する改質ガスを得る改質器、該改質ガス中のCO濃度をシフト反応によって低減するCO変成器、および該CO変成器でCO濃度が低減されたガス中のCO濃度を選択酸化反応によってさらに低減するCO選択酸化器を備える水素製造システムと、該CO選択酸化器でCO濃度が低減された改質ガスを燃料とする燃料電池とを備える燃料電池システムにおいて、
該改質器の下流かつ燃料電池の燃料極の上流に、分解残存成分を吸着する吸着剤を備える吸着器を有することを特徴とする燃料電池システム。 - 前記吸着器を複数有し、それぞれの吸着器について改質ガスの流入を遮断するとともに脱離再生用のガスを流入させる流路切り替え手段が設けられ、
一部の吸着器に改質ガスを流入させて吸着を行い、この間に残部の吸着器において脱離再生を行い、吸着を行う吸着器と脱離再生を行う吸着器を順次切り替えることによって連続的な水素製造を可能とする制御装置を備える請求項5記載の燃料電池システム。 - 前記脱離再生用のガスが、燃料電池アノードオフガスである請求項6記載の燃料電池システム。
- 前記改質器が燃焼手段を備え、前記脱離再生に用いた燃料電池アノードオフガスを該燃焼手段に導くラインを有する請求項7記載の燃料電池システム。
- 燃料電池アノードの下流かつ吸着器の上流に、燃料電池アノードオフガスを、燃料電池システム内の他のガスとの熱交換によって、前記吸着器の脱離再生温度以上に加熱する熱交換器を有する請求項8記載の燃料電池システム。
- 前記燃料電池が固体高分子形燃料電池である請求項5〜9の燃料電池システム。
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