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JP2004284091A - 可逆性感熱記録媒体、画像処理方法及び装置 - Google Patents

可逆性感熱記録媒体、画像処理方法及び装置 Download PDF

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JP2004284091A
JP2004284091A JP2003076642A JP2003076642A JP2004284091A JP 2004284091 A JP2004284091 A JP 2004284091A JP 2003076642 A JP2003076642 A JP 2003076642A JP 2003076642 A JP2003076642 A JP 2003076642A JP 2004284091 A JP2004284091 A JP 2004284091A
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JP
Japan
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reversible thermosensitive
thermosensitive recording
recording medium
recording layer
resin
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Pending
Application number
JP2003076642A
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English (en)
Inventor
Makoto Yamamoto
真 山本
Satoshi Arai
智 新井
Masaya Kawahara
真哉 川原
Tadafumi Tatewaki
忠文 立脇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

【課題】繰り返し使用によっても発色性及び消色性が良好で、濃度変化が少なく、バリが出にくい可逆性感熱記録媒体を提供する。
【解決手段】支持体上に電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物を用い、加熱温度および/または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態を形成しうる可逆性感熱組成物を含有する可逆性感熱記録層を有する可逆性感熱記録媒体において、該可逆性感熱記録層中に含有される樹脂は、ガラス転移温度10〜50℃かつ水酸基価100〜300mgKOH/gの水酸基を含む樹脂がイソシアネート化合物によって架橋状態にあることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した可逆性感熱発色組成物を用い、熱エネルギーを制御することにより発色画像の形成と消去が可能な可逆性感熱記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子供与性呈色性化合物(以下、発色剤またはロイコ染料ともいう)と電子受容性化合物(以下、顕色剤ともいう)との間の発色反応を利用した感熱記録媒体は広く知られており、OA化の進展と共にファクシミリ、ワードプロセッサー、科学計測機などの出力用紙として、また最近ではプリペードカードやポイントカードなどの磁気感熱カードとしても広く使用されている。
【0003】
しかし、これら実用化されている従来の記録媒体は環境問題上、リサイクルや使用量の減量化などの見直しが迫られているが、不可逆的な発色であるため、一度記録した画像を消去して繰り返し使用することはできないし、新しい情報は画像が記録されていない部分に追記されるぐらいで記録可能な部分の面積は限られている。
そのため、記録する情報量を減らしたり、記録エリアがなくなった時点でカードを作り直しているのが実状である。そこで、近年盛んに論じられているゴミ問題や森林破壊問題を背景に、何度でも書き換え可能な可逆性感熱記録媒体の開発が望まれていた。
【0004】
ところで、これらの要求から様々な可逆性感熱記録媒体が提案されてきた。例えば、透明・白濁という物理的変化を利用した高分子タイプの可逆性感熱記録媒体が、特開昭63−107584号公報(特許文献1)、特開平4−78573号公報(特許文献2)などに開示されている。
また、新たに化学的変化を利用した染料タイプの可逆性感熱記録媒体も提案されている。具体的には、顕色剤として没食子酸とフロログルシノールの組み合わせを用いるもの[特開昭60−193691号公報(特許文献3)]、顕色剤にフェノールフタレインやチモールフタレインなどの化合物を用いるもの[特開昭61−237684号公報(特許文献4)]、発色剤と顕色剤とカルボン酸エステルの均質相溶体を記録層に含有するもの[特開昭62−138556号公報(特許文献5)、特開昭62−138568号公報(特許文献6)および特開昭62−140881号公報(特許文献7)]、顕色剤にアスコルビン酸誘導体を用いたもの[特開昭63−173684号公報(特許文献8)]、顕色剤にビス(ヒドロキシフェニル)酢酸または没食子酸と高級脂肪族アミンとの塩を用いるもの[特開平2−188293号公報(特許文献9)および特開平2−188294号公報(特許文献10)]などが開示されている。
【0005】
しかし、以上に示した従来の可逆性感熱記録媒体は、発色の安定性と消色性の両立という点で問題を残しており、実用的な記録媒体として満足し得るものではない。
【0006】
さらに本発明者らは、先に特開平5−124360号公報(特許文献11)において顕色剤として長鎖脂肪族炭化水素基をもつ有機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物またはフェノール化合物を用い、これと発色剤であるロイコ染料とを組み合わせることによって、発色と消色を加熱冷却条件により容易に行なわせることができ、その発色状態と消色状態を常温において安定に保持させることが可能であり、しかも発色と消色を繰り返すことが可能な可逆性感熱発色組成物およびこれを記録層に用いた可逆性感熱記録媒体を提案した。
またその後、長鎖脂肪族炭化水素基をもつフェノール化合物について特定の構造のものを使用することが提案されている[特開平6−210954号公報(特許文献12)、特開平10−95175公報(特許文献13)]が、これも同様の問題を持っていた。
【0007】
このように発色・消色を繰り返すことが可能な可逆性感熱記録媒体が提案されてきたが、実使用条件下では繰り返して印字・消去を行うと画像濃度の低下や打こん(印字部分の変形)などの問題を生じ、顕色剤とロイコ染料の組成物がもつ発色・消色特性を十分に発揮できる可逆性感熱記録媒体は得られていなかった。これは、サーマルヘッドによる印字が、高温への加熱と同時に記録媒体への機械的な力を加えながら行なわれるため、可逆性感熱記録層が破壊されていくことによるものである。
【0008】
このような可逆性感熱記録媒体の問題に対し、特開平6−340171号公報(特許文献14)には可逆性感熱記録層厚の1.1倍以上の平均粒子径を有する粒子の添加による繰り返し使用する際の耐久性の向上が提案され、また、特開平8−156410号公報(特許文献15)には特定範囲の光沢度及び表面粗さの保護層を設けることによりヘッドマッチング性を向上させ繰り返し耐久性の向上が提案されている。また、可逆性感熱記録層中に水酸基を有する樹脂を用いてイソシアネート化合物と熱架橋することにより、繰り返し使用により打こんの発生が少なく耐久性が強くなることが提案された[特開平10−230680号公報(特許文献16)、特開平11−58963号公報(特許文献17)]。
【0009】
しかし、このようにくり返し耐久性を向上させるために、可逆性感熱記録層や保護層の強度を上げたり、可逆性感熱記録層の厚みを1.1倍以上にしたり、あるいは多数のフィラーをいれたりすると、可逆性感熱記録層の部分が堅さをもつためにもろくなり、基材(支持体)との界面ではがれだす現象が起こる。
【0010】
そして、可逆性感熱記録媒体からなるシートを裁断する際にバリとして発生する。バリとは、シートなどを裁断する際、直角に刃をあてて切るときに可逆性感熱記録層が基材からはがれておちてしまうことである。耐久性を向上するために、可逆性感熱記録層に強度をもたせたため反面、基材との接着性が悪くなりはがれおちてしまうのである。これが印刷加工時の化粧立ちの際、シートの表面についたままであったり、またシートの間に入りくっついてとれにくくなり、印刷をする際にその部分に印刷ができず印刷不良の原因を引き起こすのである。
現在、耐久性の向上とバリの低減の両立は至っていないのが現状である。また、発色濃度及び消色濃度が向上したうえで耐久性とバリの低減に効果があるのは見つかっていなかった。
【0011】
【特許文献1】
特開昭63−107584号公報
【特許文献2】
特開平4−78573号公報
【特許文献3】
特開昭60−193691号公報
【特許文献4】
特開昭61−237684号公報
【特許文献5】
特開昭62−138556号公報
【特許文献6】
特開昭62−138568号公報
【特許文献7】
特開昭62−140881号公報
【特許文献8】
特開昭63−173684号公報
【特許文献9】
特開平2−188293号公報
【特許文献10】
特開平2−188294号公報
【特許文献11】
特開平5−124360号公報
【特許文献12】
特開平6−210954号公報
【特許文献13】
特開平10−95175公報
【特許文献14】
特開平6−340171号公報
【特許文献15】
特開平8−156410号公報
【特許文献16】
特開平10−230680号公報
【特許文献17】
特開平11−58963号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題は発色性と消色性が良好で従来より向上し、繰り返し使用によっても可逆性感熱記録媒体への打こんの発生や濃度変化が少なく、バリがでにくい可逆性感熱記録媒体を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、可逆性感熱記録層に用いる樹脂のガラス転移温度が10〜50℃の範囲であるとバリに効果があり、水酸基価が100〜300mgKOH/gの範囲であると耐久性に効果的であり、そして、可逆性感熱記録媒体の繰り返し耐久性を向上させるには、前記樹脂はイソシアネート化合物によって架橋状態とされているのが効果的であることを見いだした。本発明はこれに基づいてなされたものである。
【0014】
すなわち本発明によれば、支持体上に電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物を用い、加熱温度および/または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態を形成しうる可逆性感熱組成物を含有する可逆性感熱記録層を有する可逆性感熱記録媒体において、該可逆性感熱記録層中に含有される樹脂は、ガラス転移温度10〜50℃かつ水酸基価100〜300mgKOH/gの水酸基を含む樹脂がイソシアネート化合物によって架橋状態にあることを特徴とする可逆性感熱記録媒体が提供される。
【0015】
本発明で用いられる樹脂は、水酸基価が100〜300mgKOH/gかつガラス転移温度が10〜50℃の水酸基を含む樹脂であることにより、耐久性とバリが両立し、好ましくは水酸基価が100〜250mgKOH/gかつガラス転移温度が20〜40℃の水酸基を含有する樹脂で、これが可逆性感熱記録層中ではイソシアネート化合物によって架橋状態とされて存在する。
【0016】
水酸基価とは、樹脂1g中に含まれる遊離の水酸基をこれと当量の水酸化カリウムのmg数で表したものである。ここで、水酸基価が100mgKOH/gより小さいときは、可逆性感熱記録層の強度が低下し耐久性が劣る。また、水酸基価が逆に300mgKOH/gより大きいと、水に対する親和性が上昇し、耐水性が低下しバリも発生する。
【0017】
次に、ガラス転移温度が10℃未満の場合、繰り返し耐久性において打こんや傷が発生してしまう。また、ガラス転移温度が50℃を超える場合、バリが発生する。このことから繰り返し耐久性の向上及びバリの軽減を両立するには、上記の樹脂は水酸基価が100〜300mgKOH/gで、かつガラス転移温度が10〜50℃の水酸基を含有することが必要である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の可逆性感熱記録媒体はその可逆性感熱記録層に用いられる樹脂が、ガラス転移温度(Tg)10〜50℃かつ水酸基価100〜300mgKOH/gの水酸基を含む樹脂をイソシアネート化合物によって架橋状態とされたものである。架橋の方式は熱や紫外線や電子線によるのが一般的であるが、これらの中でも熱架橋が設備が安価であり比較的低い温度であっても架橋が行なえることから好ましい。
【0019】
Tg10〜50℃かつ水酸基価100〜300mgKOH/gの水酸基を含む樹脂としては、アクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂が用いられるが、特に発色の安定性が良好で、消去性が良好であることから、アクリルポリオール樹脂やポリエステルポリオール樹脂が好ましく用いられる。
【0020】
アクリルポリオール樹脂においては、構成の違いによってその特性に違いがあり、水酸基を有するモノマーとスチレンモノマー及びメチルメタアクリレートモノマーを少なくとも有するアクリルポリオール樹脂が好ましく用いられる。更に前記のアクリルポリオール樹脂の組成にブチルメタアクリレートモノマーが共重合されたアクリルポリオール樹脂、すなわち少なくとも水酸基を有するモノマーとスチレンモノマーとメチルメタアクリレートモノマー及びブチルメタアクリレートモノマーからなるアクリルポリオール樹脂が特に好ましく用いられる。
このとき、水酸基を有するモノマーとしては、2−ヒドリキシエチルメタアクリレートモノマー、2−ヒドロキシプロピルメタアクリレートモノマー等が好ましく用いられる。また、ブチルメタアクリレートモノマーはiso―ブチルメタアクリレートが好ましく用いられる。
【0021】
ポリエステルポリオール樹脂においては、多塩基酸として、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリツト酸、ピロメリツト酸等の芳香族多塩基酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、ダイマ酸等の脂肪族多塩基酸があり、また、これらの多塩基酸から得られる酸無水物も同様に用いられる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジアセトングリコール、ヘキサントリオール等の低分子量ポリオールの他、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等の高分子ポリオールも用いられる。
【0022】
これらから得られるポリエステルポリオールの他、ヒドロキシカルボン酸、もしくはその環状ラクトンの縮合物もしくは閉環重合、例えばポリブチロラクトンジオール、ポリカプロラクトンジオール等がある。
【0023】
また、本発明で硬化剤として好ましく用いられるイソシアネート系化合物は、公知のイソシアネート単量体のウレタン変性体、アロファネート変性体、イソシアヌレート変性体、ビュレット変性体、カルボジイミド変性体、ブロックドイソシアネートなどの変性体から選択される。また、変性体を形成するイソシアネート単量体としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)、リジンジイソシアネート(LDI)、イソプロピリデンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)(IPC)、シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、等が挙げられるが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
【0024】
更に、架橋促進剤としてこの種の反応に用いられる触媒を用いてもよい。架橋促進剤としては、例えば1,4−ジアザ−ビシクロ[2,2,2]オクタンなどの3級アミン類、有機すず化合物などの金属化合物などが挙げられる。また、硬化剤は添加した全量が架橋反応をしていても、していなくても良い。すなわち、未反応硬化剤が存在していても良い。
この種の架橋反応は経時的に進行するため、未反応の硬化剤が存在していることは架橋反応が全く進行していないことを示すのではなく、未反応の硬化剤が検出されたとしても、架橋状態にある樹脂が存在しないということにはならない。
【0025】
また、本発明におけるポリマーが架橋状態にあるのか非架橋状態にあるのかを区別する方法として、塗膜を溶解性の高い溶媒中に浸すことによって区別することができる。すなわち、非架橋状態にあるポリマーは、溶媒中に該ポリマーが溶け出し溶質中には残らなくなるため、溶質のポリマー構造の有無を分析すればよい。そこで、溶質中にポリマー構造の存在が確認できなければ、該ポリマーは非架橋状態にあることが言え、架橋状態のポリマーと区別することができる。
【0026】
本発明で用いられるロイコ染料の例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、ロイコ染料を単独または混合して用いることもできる。
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ(n−ブチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−sec−ブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−iso−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−イソプロピルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリフルロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−(2,4−ジメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−6−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2,3−ジメチル−6−ジメチルアミノフルオラン、3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−ブロモ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−クロロ−6−ジプロピルアミノフルオラン、3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−ブロモ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−クロロ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2,3−ジクロロアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−(m−トリフロロメチルアニリノ)フルオラン、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−N−n−アミル−N−メチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−メチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−ヘキシルオキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド。
【0027】
本発明で用いる発色剤は前記のフルオラン化合物、アザフタリド化合物の他に、従来公知のロイコ染料を単独または混合して使用することができる。その発色剤を以下に示す。
2−(p−アセチルアニリノ)−6−(N−n−アミル−N−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(ジ−p−メチルベンジルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−プロピルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジプロピルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−ジプロピルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−クロロアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−クロロアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−p−クロロアニリノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジブチルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−トルイジノ)フルオラン、その他。
【0028】
本発明で用いられる顕色剤は例えば特開平5−124360号公報、特開平6−210954号公報、特開平10−230680号公報などに記載されたものが用いられ、長鎖脂肪族炭化水素基をもつ有機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物またはフェノール化合物の代表例と共に開示されているように、分子内に発色剤を発色させることができる顕色能をもつ構造と分子間の凝集力をコントロールする構造を併せ持つ化合物が使用される。
【0029】
顕色能をもつ構造としては、フェノール性水酸基、カルボキシル基、リン酸基などの酸性の基が用いられるが、これらに限らず、チオ尿素基、カルボン酸金属基など発色剤を発色できる基を持てばよい。分子間の凝集力をコントロールする構造の代表例としては長鎖アルキル基等の炭化水素基などがある。この炭化水素基の炭素数は8以上であることが良好な発色・消色特性を得る上で好ましい。また、この炭化水素基には不飽和結合が含まれても良く、また分枝状の炭化水素基も包含される。この場合も主鎖部分は炭素数8以上であることが好ましい。
【0030】
上記のように顕色剤は、顕色能をもつ構造と炭化水素基のような分子間の凝集力をコントロールする構造が連結した構造を持つ。この連結部分にはヘテロ原子を含む2価の基、または、これらの基が複数個組合わせた基をはさんで結合していても良い。
【0031】
以下、本発明に用いられる顕色剤のうち好ましいものを具体的に例示するが、これらに限られず、従来から可逆性感熱記録媒体に用いられているものの使用可能である。なお、顕色剤は単独で用いても良いし2種類以上を混合して用いても良い。
【0032】
【化1】
Figure 2004284091
式中、Xはヘテロ原子を含む2価の基または直接結合手を示し、Xはヘテロ原子を含む2価の基を示す。Rは2価の炭化水素基を表し、Rは炭素数1から22の炭化水素基を表す。また、pは0〜4の整数を表し、pが2〜4の時繰り返されるRおよびXは同一でも、異なっていても良い。また、qは1〜3を表す。
【0033】
具体的には、RおよびRは置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、これらは脂肪族炭化水素基でも芳香族炭化水素基でもよく、また、これらの両方から構成される炭化水素基でもよい。また脂肪族炭化水素基は直鎖でも分枝していてもよく、不飽和結合を有していてもよい。炭化水素基につく置換基としては、水酸基、ハロゲン、アルコキシ基等がある。なお、Rは直接結合手でも良い。
【0034】
またR及びRの炭素数の和が7以下では発色の安定性や消色性が低下するため、炭素数は8以上が好ましく、11以上であることがより好ましい。X及びXはヘテロ原子を含む2価の基を示し、好ましくは表1で表される基を少なくとも1個以上有する2価の基を表す。その具体例としては、下記表2のものが挙げられる。
【0035】
【表1】
Figure 2004284091
【0036】
【表2】
Figure 2004284091
【0037】
本発明におけるフェノール化合物の具体的な例を下記表3に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、フェノール化合物を単独または混合して用いることもできる。
【0038】
【表3】
Figure 2004284091
【0039】
本発明の可逆性感熱記録媒体には、必要に応じて可逆性感熱記録層の塗布特性や発色消色特性を改善したり制御するための添加剤を用いることができる。これらの添加剤には、たとえば界面活性剤、導電剤、充填剤、酸化防止剤、光安定化剤、発色安定化剤、消色促進剤などがある。
【0040】
本発明で用いられる消色促進剤としては、下記一般式(1)(2)(3)で示されるような2級アミド基を用いることにより消去特性に優れたものとなる。
【化2】
Figure 2004284091
【化3】
Figure 2004284091
【化4】
Figure 2004284091
【0041】
式中、R36からR40は置換基を有しても良い飽和もしくは不飽和の炭化水素基を表わし、R36とR37は環を形成していても良く、形成される環は窒素原子、酸素原子または硫黄原子を介していても良い。さらに、R36からR40で好ましく用いられる置換基を有しても良い炭化水素基の例としては、直鎖のみでも分岐していても良く、−O−、−S−、−CO−、−COO−基を介していてもよい。また、芳香族環、脂肪族環を有していても良い。
【0042】
以下に本発明で用いられる消色促進剤の好ましい具体例を表4に挙げる。しかし、本発明で用いられる消色促進剤化合物はこれらに限られるものではない。
【0043】
【表4】
Figure 2004284091
表中、n、n’、n”、n’”、n””は0〜21の整数を示す。ただし全てが5以下であることはない。
【0044】
さらに本発明で用いられる消色促進剤は、下記表5に示すような会合性の基を1個以上有していても良い。
【表5】
Figure 2004284091
【0045】
表6に、本発明で用いられる消色促進剤の好ましい例を挙げる。しかし、本発明で用いられる消色促進剤はこれらの化合物に限られるものではない。表中Xは上記の会合性の基を示し、n、n’、n”、n’”、n””は0〜21の整数を示すが、全てが5以下であることはない。
【表6】
Figure 2004284091
【0046】
表7に、消色促進剤の具体的な例を示すが、本発明はこれらの化合物に限られるわけではない。
【表7】
Figure 2004284091
【0047】
発色剤と顕色剤の割合は、使用する化合物の組み合わせにより適切な範囲が変化するが、おおむねモル比で発色剤1に対し顕色剤が0.1〜20の範囲であり、好ましくは0.2〜10の範囲である。この範囲より顕色剤が少なくても多くても発色状態の濃度が低下し問題となる。
また、消色促進剤の割合は顕色剤に対し0.1重量%〜300重量%が好ましく、より好ましくは3重量%〜100重量%が好ましい。
また、発色剤と顕色剤はマイクロカプセル中に内包して用いることもできる。可逆性感熱記録層中の発色成分と樹脂の割合は、発色成分1重量部に対して樹脂0.1〜10重量部が好ましく、これより少ないと可逆性感熱記録層の熱強度が不足し、これより多い場合には発色濃度が低下して問題となる。
【0048】
記録層の形成には、前記の顕色剤、発色剤、種々の添加剤、硬化剤及び架橋状態にある樹脂ならびに塗液溶媒よりなる混合物を均一に混合分散させて調製した塗液を用いる。
塗液調製に用いられる溶媒の具体例としては、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール,n−ブタノール、メチルイソカルビノールなどのアルコール類;アセトン、2−ブタノン、エチルアミルケトン、ジアセトンアルコール、イソホロン、シクロヘキサノンなどのケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、3,4−ジヒドロ−2H−ピランなどのエーテル類;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、エチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル類;2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテートなどのグリコールエーテルアセテート類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、乳酸エチル、エチレンカーボネートなどのエステル類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、iso−オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;塩化メチレン、1,2−ジクロルエタン、ジクロロプロパン、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;N−メチル−2−ピロリドン、N−オクチル−2−ピロリドンなどのピロリドン類等を例示することができる。
【0049】
塗液調製はペイントシェーカー、ボールミル、アトライター、三本ロールミル、ケディーミル、サンドミル、ダイノミル、コロイドミル等公知の塗液分散装置を用いて行なうことができる。また、上記塗液分散装置を用いて各材料を溶媒中に分散しても良いし、各々単独で溶媒中に分散して混ぜ合わせても良い。更に加熱溶解して急冷または除冷によって析出させても良い。
【0050】
可逆性感熱記録層を設ける塗工方法については特に制限はなく、ブレード塗工、ワイヤーバー塗工、スプレー塗工、エアナイフ塗工、ビード塗工、カーテン塗工、グラビア塗工、キス塗工、リバースロール塗工、ディップ塗工、ダイ塗工等公知の方法を用いることができる。
【0051】
本発明の可逆性感熱記録媒体の支持体としては紙、樹脂フィルム、PETフィルム、合成紙、金属箔、ガラスまたはこれらの複合体などであり、記録層を保持できるものであればよい。また、必要に応じた厚みのものを単独あるいは貼り合わせる等して用いることができる。すなわち、数μm程度から数mm程度まで任意の厚みの支持体が用いられる。
【0052】
また、これらの支持体は可逆性感熱記録層と同一面および/または反対面に磁気記録層を有していても良い。また、本発明の可逆性感熱記録媒体は粘着層等を介して、他の媒体へ貼り付けても良い。あるいは、PETフィルムなどの支持体の片面にバックコート層を設け、該バックコート層の反対面に熱転写リボンに用いられる剥離層、剥離層上に本発明の可逆性感熱記録層、更に表面上に紙、樹脂フィルム、PETフィルムなどに転写できる樹脂層を設け熱転写プリンターを用いて転写させても良い。本発明の可逆性感熱記録媒体は、シート状あるいはカード状に加工されていても良く、その形状は任意の形状に加工することができ、また、媒体表面への印刷加工を施すことができる。また、本発明の可逆性感熱記録媒体は、非可逆の感熱記録層を併用しても良く、このときそれぞれの記録層の発色色調は同じでも異なっても良い。
【0053】
可逆性感熱記録層の乾燥・硬化方法は塗布・乾燥後、必要に応じて硬化処理を行なう。この硬化処理は恒温槽等を用いて比較的高温で短時間でも良く、また、比較的低温で長時間かけて熱処理しても良い。架橋反応の具体的な条件としては反応性の面から30℃〜130℃程度の温度条件で1分〜150時間程度加温することが好ましい。より好ましくは40℃〜100℃の温度条件で2分〜120時間程度加温することが好ましい。また、製造では生産性を重視するので、架橋が充分完了するまで時間をかけるのは困難である。したがって、乾燥過程とは別に架橋工程を設けてもよい。架橋工程の条件としては40℃〜100℃の温度条件で2分〜120時間程度加温することが好ましい。
可逆性感熱記録層の膜厚は1〜20μmの範囲が好ましく、より好ましくは3〜15μmである。
【0054】
可逆性感熱記録層上には、印字時のヘッドマッチング性や繰り返し耐久性の向上のために、保護層を設けることが好ましい。保護層の膜厚は0.1〜20μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.3〜10μmである。保護層の塗液に用いられる溶媒、塗液の分散装置、バインダー、塗工方法、乾燥・硬化方法等は上記記録層で用いられた公知の方法を用いることができる。
【0055】
また、可逆性感熱記録層と保護層の接着性向上、保護層の塗布による記録層の変質防止、保護層に含まれる添加剤が記録層へ移行する、あるいは、記録層に含まれる添加剤が保護層へ移行することを防止する目的で、両者の間に中間層を設けても良い。中間層の膜厚は0.1〜20μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.3〜10μmである。中間層の塗液に用いられる溶媒、塗液の分散装置、バインダー、塗工方法、乾燥・硬化方法等は上記可逆性感熱記録層で用いられたと同様なもの公知の方法を用いることができる。
【0056】
可逆性感熱記録層、中間層、保護層には紫外線吸収性能または紫外線遮蔽性能を有しない他のフィラーを添加しても良く、フィラーとしては無機フィラーと有機フィラーに分けることができる。無機フィラーとしては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸、含水ケイ酸、含水ケイ酸アルミニウム、含水ケイ酸カルシウム、アルミナ、酸化鉄、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化マンガン、シリカ、タルク、マイカ、等が挙げられる。有機フィラーとしては、シリコーン樹脂、セルロース樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、スチレン、ポリスチレン、ポリスチレン・イソプレン、スチレンビニルベンゼンなどのスチレン系樹脂、塩化ビニリデンアクリル、アクリルウレタン、エチレンアクリルなどのアクリル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒドなどのホルムアルデヒド系樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、塩化ビニル樹脂等が挙げられる。
本発明ではフィラーを単独で用いることもできるが、2種類以上含まれていても良い。複数の場合、無機フィラーと有機フィラーの組み合わせ方について特に限定はされない。また、形状としては球状、粒状、板状、針状等が挙げられる。保護層中のフィラーの含有量は体積分率で5〜50体積%である。
【0057】
また、可逆性感熱記録層、中間層、保護層に滑剤を添加しても良く、滑剤の具体例としては、エステルワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス等の合成ワックス類:硬化ひまし油等の植物性ワックス類:牛脂硬化油等の動物性ワックス類:ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類:マルガリン酸、ラウリン酸、ミスチレン酸、パルミチル酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、フロメン酸等の高級脂肪酸類:ソルビタンの脂肪酸エステルなどの高級脂肪酸エステル類:ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、メチロールステアリン酸アミド等のアミド類などが挙げられる。層中の滑剤の含有量は体積分率で0.1〜95%、より好ましくは1〜75%である。
【0058】
本発明の可逆性感熱記録媒体は、加熱温度および/または加熱後の冷却速度により相対的に発色した状態と消色した状態を形成しうるものである。この本発明に用いられる発色剤と顕色剤からなる組成物の基本的な発色・消色現象を説明する。図1はこの記録媒体の発色濃度と温度との関係を示したものである。はじめ消色状態(A)にある記録媒体を昇温していくと、溶融し始める温度Tで発色が起こり溶融発色状態(B)となる。溶融発色状態(B)から急冷すると発色状態のまま室温に下げることができ、固まった発色状態(C)となる。この発色状態が得られるかどうかは、溶融状態からの降温の速度に依存しており、徐冷では降温の過程で消色が起き、はじめと同じ消色状態(A)あるいは急冷発色状態(C)より相対的に濃度の低い状態が形成される。一方、急冷発色状態(C)をふたたび昇温していくと発色温度より低い温度Tで消色が起き(DからE)、ここから降温するとはじめと同じ消色状態(A)に戻る。実際の発色温度、消色温度は、用いる顕色剤と発色剤の組み合わせにより変化するので目的に合わせて選択できる。また溶融発色状態の濃度と急冷したときの発色濃度は、必ずしも一致するものではなく、異なる場合もある。
【0059】
本発明の可逆性感熱記録媒体では、溶融状態から急冷して得た発色状態(C)は顕色剤と発色剤が分子どうしで接触反応しうる状態で混合された状態であり、これは固体状態を形成していることが多い。この状態は顕色剤と発色剤が凝集して発色を保持した状態であり、この凝集構造の形成により発色が安定化していると考えられる。一方、消色状態は両者が相分離した状態である。この状態は少なくとも一方の化合物の分子が集合してドメインを形成したり結晶化した状態であり、凝集あるいは結晶化することにより発色剤と顕色剤が分離して安定化した状態であると考えられる。本発明では多くの場合、両者が相分離し顕色剤が結晶化することによってより完全な消色が起きる。図1に示した溶融状態から徐冷による消色および発色状態からの昇温による消色は、いずれもこの温度で凝集構造が変化し、相分離や顕色剤の結晶化が起きている。
【0060】
本発明の可逆性感熱記録ラベルは、上述した可逆性感熱記録媒体を構成する支持体の、可逆性感熱層を形成する面と反対の面に、接着剤層又は粘着剤層を設けたものである。この可逆性感熱記録ラベルには、接着剤層又は粘着剤層を形成したもの(無剥離紙型)と、その接着剤層又は粘着剤層の下に剥離紙をつけるもの(剥離紙型)とがあり、接着剤層を構成する材料としては、ホットメルト型のものが通常用いられる。
【0061】
接着剤層又は粘着剤層の材料は、一般的に用いられているものが使用可能である。例えば、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、酢ビ系樹脂、酢酸ビニル−アクリル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アクリル酸エステル系共重合体、メタクリル酸エステル系共重合体、天然ゴム、シアノアクリレート系樹脂、シリコン系樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0062】
次に、情報記憶部と可逆表示部を有し、該可逆表示部として上述の可逆性感熱記録媒体を構成する可逆性感熱記録層からなる部材について説明する。
この情報記憶部と可逆表示部を有する部材としては、次の3つのものに大別できる。
(1)情報記録部を有する部材の一部を可逆性感熱記録媒体の支持体として、可逆性感熱記録層を直接形成したもの。
(2)情報記録部を有する部材に、別途形成された、支持体上に可逆性感熱記録層を有する可逆性感熱記録媒体の支持体面を接着したもの。
(3)情報記録部を有する部材に、前記可逆性感熱記録ラベルが接着剤層又は粘着剤層を介して、接着されたもの。
【0063】
これら(1)(2)(3)場合、情報記憶部と可逆表示部のそれぞれの機能が発揮できるよう設定されることが必要であり、そうであれば情報記憶部の設定位置は、可逆性感熱記録媒体における支持体の可逆性感熱記録層を設けた面と反対側の面に設けることも、支持体と可逆性感熱記録層との間でも、あるいは可逆性感熱記録層上の一部に設けることもできる。
【0064】
この情報記録部を有する部材として用いられるものは、特に限定されないが、一般的にはカード、ディスク、ディスクカートリッジ又はテープカセットがある。
これらの例として次のようなものを挙げることができる。
ICカードや光カード等の厚手カード、フレキシブルディスク、光磁気記録ディスク(MD)やDVD−RAM等の記憶情報が書換可能なディスクを内蔵したディスクカートリッジ、CD−RW等のディスクカートリッジを用いないディスク、CD−R等の追記型ディスク、相変化形記憶材料を用いた光情報記録媒体(CD−RW)、ビデオテープカセット等。
【0065】
この可逆表示部と情報記憶部の双方を有する部材は、例えばカードの場合で説明すると、情報記憶部に記憶された情報の一部を可逆性感熱記録層に表示することによって、カード所有者等は、特別な装置がなくてもカードを見るのみで情報を確認することができて、可逆性感熱記録媒体を適用しないカードに比べてその利便性が非常に向上することになる。
【0066】
情報記憶部は、必要な情報を記憶できるものでありさえすれば特に限定されないが、例えば、磁気記録、接触型IC、非接触型ICあるいは光メモリが有用である。磁気記録層は、通常用いられる酸化鉄、バリウムフェライト等のような金属化合物及び塩ビ系、ウレタン系及びナイロン系のような樹脂等を用いて支持体に塗工形成するか、または樹脂を用いず前記の金属化合物を用いて蒸着、スパッタリング等の方法により形成される。また、表示に用いる可逆性感熱記録媒体における可逆性感熱記録層をバーコード、2次元コード等のようなやり方で記憶部として用いることもできる。
【0067】
前記(3)の可逆性感熱記録ラベルを用いる例として、磁気ストライプ付塩化ビニル製カード等のように、支持体として可逆性感熱記録層の塗布が困難な厚手のもの場合には、その全面又は一部に接着剤層又は粘着剤層を設けることができる。こうすることによって、磁気に記憶された情報の一部を表示することができる等、この媒体の利便性を向上できる。
この接着剤層又は粘着剤層を設けた可逆性感熱記録ラベルとしては、上記の磁気付塩ビカードだけでなく、ICカードや光カード等の厚手カードにも適用できる。
【0068】
また、この可逆性感熱記録ラベルは、フレキシブルディスク、MDやDVD−RAM等の記憶情報が書換可能なディスクを内蔵したディスクカートリッジ上の表示ラベルの代わりとして用いることができる。図2に、可逆性感熱記録ラベルをMDのディスクカートリッジ上に貼った例を示す。さらに、CD−RW等のディスクカートリッジを用いないディスクの場合には、直接ディスクに可逆性感熱記録ラベルを貼ることや、直接ディスク上に可逆性感熱記録層を設けることもできる。こうすることによって、それらの記憶内容の変更に応じて自動的に表示内容を変更する等の用途への応用が可能である。
図3に、可逆性感熱記録ラベルをCD−RW上に貼った例を示す。
【0069】
本発明の可逆性感熱記録ラベルは、CD−Rなどの追記型ディスク上に可逆性感熱記録ラベルを貼って、CD−Rに追記した記憶情報の一部を書換え表示することも可能である。
さらに、図4に示すように、ビデオテープカセットの表示ラベルとして用いてもよい。
【0070】
厚手カード、ディスクカートリッジ、ディスク上に熱可逆記録機能を設ける方法としては、上記の可逆性感熱記録ラベルを貼る方法以外に、それらの上に可逆性感熱記録層を直接塗布する方法や、予め別の支持体上に可逆性感熱記録層を形成しておき、厚手カード、ディスクカートリッジ、ディスク上に該感熱記録層を転写する方法等がある。
転写する場合には、可逆性感熱記録層上にホットメルトタイプ等の接着層や粘着層を設けておいてもよい。
【0071】
厚手カード、ディスク、ディスクカートリッジ、テープカセット等のように剛直なものの上に可逆性感熱記録ラベルを貼着したり、可逆性感熱記録層を設ける場合には、サーマルヘッドとの接触性を向上させ、画像を均一に形成するために弾力があり、クッションとなる層又はシートを剛直な基体とラベル又は可逆性感熱記録層の間に設けることが好ましい。
【0072】
本発明は、さらに、上記可逆性感熱記録媒体、上記情報記憶部を有する部材又は上記ラベルを用い、加熱により画像の形成及び/又は消去を行なうことを特徴とする画像処理方法、及び上記可逆性感熱記録媒体、上記情報記憶部を有する部材又は上記ラベルを有し、加熱により画像の形成及び/又は消去を行なうことを特徴とする画像処理装置を提供する。
【0073】
画像の形成は、サーマルヘッド、レーザ等、該媒体を画像上に部分的に加熱可能である画像記録手段が用いられる。画像の消去は、ホットスタンプ、セラミックヒータ、ヒートローラ、熱風等やサーマルヘッド、レーザ等の画像消去手段が用いられる。この中では、セラミックヒータが好ましく用いられる。セラミックヒータを用いることにより、装置が小型化でき、かつ安定した消去状態が得られ、コントラストのよい画像が得られる。セラミックヒータの設定温度は、100℃以上が好ましく、110℃以上がより好ましく、115℃以上がさらに好ましい。
【0074】
また、画像消去手段としてサーマルヘッドを用いることにより、さらに装置全体の小型化が可能となり、また、消費電力を低減することが可能であり、バッテリー駆動のハンディタイプの装置も可能となる。形成用と消去用を兼ねて一つのサーマルヘッドとすれば、さらに小型化が可能となる。一つのサーマルヘッドで形成と消去を行なう場合、一度前の画像を全部消去した後、あらためて新しい画像を形成してもよく、画像毎にエネルギーを変えて一度に前の画像を消去し、新しい画像を形成していくオーバーライト方式も可能である。オーバーライト方式では、形成と消去を合わせた時間が少なくなり、記録のスピードアップにつながる。
可逆性感熱記録層と情報記憶部を有するカードを用いる場合、上記の装置には、情報記憶部の記憶を読み取る手段と書き換える手段も含まれる。
【0075】
図5に、本発明の画像処理装置の例を示す。
図5は、本発明により画像の消去をセラミックヒータで、画像の形成をサーマルヘッドでそれぞれ行なう場合の装置の概略例を示す。
図5の画像処理装置においては、最初、記録媒体の磁気記録層に記憶された情報を磁気ヘッドで読み取り、次に、セラミックヒータで可逆性感熱記録層に記録された画像を加熱消去し、さらに、磁気ヘッドで読み取られた情報をもとにして、処理された新たな情報がサーマルヘッドにより、可逆性感熱層に記録される。その後、磁気記録層の情報も新たな情報に書き替えられる。
【0076】
すなわち、図5の画像処理装置においては、感熱層の反対側に磁気記録層を設けた熱可逆性記録媒体は往復の矢印で図示されている搬送路に沿って搬送され、又は搬送路に沿って装置内を逆方向に搬送される。
熱可逆性記録媒体(1)は、磁気ヘッド(34)と搬送ローラ(40)間で磁気記録層に磁気記録又は記録消去され、セラミックヒータ(38)と搬送ローラ(40)間で像消去のため加熱処理され、サーマルヘッド(53)及び搬送ローラ(47)間で像形成され、その後、装置外に搬出される。ただし、磁気記録の書き替えは、セラミックヒータによる画像消去の前であっても後であってもよい。また、所望により、セラミックヒータ(38)と搬送ローラ(40)間を通過後、又はサーマルヘッド(53)及び搬送ローラ(47)間を通過後、搬送路を逆方向に搬送され、セラミックヒータ(38)による再度の熱処理、サーマルヘッド(53)による再度の印字処理を施すことができる。
【0077】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。なお、実施例中の「部」および「%」はいずれも重量を基準とするものである。
【0078】
(実施例1)
<可逆性感熱記録層の作製>
下記組成物をボールミルを用いて平均粒径0.1〜0.3μmまでなるように破砕分散した。
2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン 2部
アクリルポリオール樹脂(三菱レイヨン社製、
水酸基価:108mgKOH/g、ガラス転移温度:28℃)の
15%MEK(メチルエチルケトン)溶液 100部
下記の構造の顕色剤 8部
【化5】
Figure 2004284091
得られた分散液に
日本ポリウレタン社製コロネートHL(アダクト型
ヘキサメチレンジイソシアネート75%酢酸エチル溶液) 20部
を加え、よく撹拌し記録層塗布液を調整した。
【0079】
上記組成の記録層塗布液を厚さ約250μmの磁気層付き白色PETフィルム(大日本インキ製)上にワイヤーバーを用い塗布し、115℃1分で乾燥した後、60℃で36時間乾燥させ、膜厚約11.0μmの記録層を設けた。この記録層上に下記組成よりなる保護層液をワイヤーバーを用いて塗工した後、照射エネルギー80W/cmの紫外線ランプ下を12m/分の搬送速度で通して硬化して膜厚3μmの保護層を設け、本発明の可逆性感熱記録媒体を作製した。
<保護層液の作製>
ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂
(大日本インキ社製C7−157) 10部
シリカ(水沢化学社製P−527) 2部
酢酸エチル 90部
【0080】
(実施例2)
実施例1中のアクリルポリオール樹脂の15%MEK溶液100部の代わりに、
アクリルポリオール樹脂(三菱レイヨン社製、水酸基価:
200mgKOH/g、ガラス転移温度:41℃)の
10%MEK溶液 100部
を用いた他は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0081】
(実施例3)
実施例1中のアクリルポリオール樹脂の15%MEK溶液100部の代わりに
アクリルポリオール樹脂(三菱レイヨン社製、水酸基価:
108mgKOH/g、ガラス転移温度:46℃)の
15%MEK溶液 80部
を用い、消色促進剤として下記の構造のものを用いた。他は、実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
下記の構造の消色促進剤 3部
【化6】
Figure 2004284091
【0082】
(実施例4)
実施例1中のアクリルポリオール樹脂の15%MEK溶液100部の代わりに
アクリルポリオール樹脂(三菱レイヨン社製、
水酸基価200mgKOH/g、ガラス転移温度25℃)の
12%MEK溶液 100部
を用い、顕色剤として下記の構造のものを用いた。他は、実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
下記の構造の顕色剤 10部
【化7】
Figure 2004284091
【0083】
(実施例5)
実施例1中の顕色剤8部の代わりに下記の構造の顕色剤10部を用い可逆性感熱記録層を設けた。
【化8】
Figure 2004284091
この可逆性感熱記録層上に下記組成からなる中間層塗液をワイヤーバーを用いて塗布し、90℃で1分乾燥した後、60℃で1時間加熱して膜厚約2μmの中間層を設けた。
<中間層の作成>
ポリエステルポリオール樹脂(武田薬品工業社製タケラックU−21)の
10%MEK溶液 100部
酸化亜鉛(住友大阪セメント) 10部
コロネートHL 15部
次に、実施例1と同様にして保護層を設け、可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0084】
(比較例1)
実施例1のアクリルポリオール樹脂の15%MEK溶液100部の代わりに
ポリエステルポリオール樹脂(ユニチカ社製UE3220、
水酸基価3mgKOH/g、ガラス転移温度5℃)の
10%MEK溶液 100部
を用いた他は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0085】
(比較例2)
実施例1のアクリルポリオール樹脂の15%MEK溶液100部の代わりに
ポリエステルポリオール樹脂(日本ポリウレタン社製、
水酸基価400mgKOH/g、ガラス転移温度70℃)の
15%THF(テトラヒドロフラン)溶液 80部
を用いた他は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0086】
(比較例3)
実施例1のアクリルポリオール樹脂の15%MEK溶液100部の代わりに
アクリルポリオール樹脂(三菱レイヨン社製、
水酸基価108mgKOH/g、ガラス転移温度80℃)の
12%MEK溶液 150部
を用いた他は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0087】
(比較例4)
実施例1のアクリルポリオール樹脂の15%MEK溶液100部の代わりに
アクリルポリオール樹脂(三菱レイヨン社製、
水酸基価105mgKOH/g、ガラス転移温度5℃)の
15%THF溶液 100部
を用いた他は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0088】
(比較例5)
実施例1のアクリルポリオール樹脂の15%MEK溶液100部の代わりに
アクリルポリオール樹脂(三菱レイヨン社製、
水酸基価70mgKOH/g、ガラス転移温度41℃)の
12%THF溶液 100部
を用いた他は実施例1と同様にして可逆性感熱記録媒体を作製した。
【0089】
以上の様に作製した記録媒体を大倉電気社製感熱印字装置にて、8ドット/mmのサーマルヘッドによって電圧13.3V、パルス幅1.2m秒で印字し、東洋精機社製熱傾斜試験機で110℃、1秒の条件で消色して、この印字部および消去部および地肌部の光学濃度をマクべス濃度計RD−914を使用し測定した。これを常温常湿(22℃、60%RH)環境下において印字と消去を行なった。測定結果を表1に示す。
【0090】
また、前記の印字・消去を常温常湿環境下50回繰り返し、画像濃度の状態と記録媒体表面の状態を目視で観察して下記のランクで評価した。評価結果を表8に示す。
ランク1:画像部は良好な発色状態で、打こんもみられなかった。
ランク2:画像部の状態はないが、やや打こんがみられた。
ランク3:画像部の発色が不均一で、打こんも発生した。
ランク4:画像部の発色状態が極めて悪く、激しく打こんが発生した。
【0091】
同様にバリについての効果についても評価をおこなった。実施例及び比較例で作成した記録層液を100μmの透明PETフィルムに膜厚約11.0μm塗布し115℃で1分乾燥した後、60℃で36時間乾燥させ、バリの評価用のサンプルを作製した。このサンプルをカッターで刃を直角に押し当てて切り裂き、切り裂いた断面をSEMで観察し断面と記録層との密着度を下記のランクで評価した。評価結果を表8に示す。
1界面と記録層が80%以上密着している
2界面と記録層が60%以上80%未満密着している
3界面と記録層が30%以上60%未満密着している
4界面と記録層が30%未満の密着である
ここで、界面と記録層の密着が完全に近い方が加工時にバリと発生しにくくバリへの効果が期待される。また、逆に界面と記録層との密着が少なくなるほどバリとなる原因に作用するためバリの問題を引き起こす。
以上の結果を下記表8に示した。
【0092】
【表8】
Figure 2004284091
【0093】
【発明の効果】
本発明の可逆性感熱記録媒体は、実施例1〜5にみられるように、くりかえし耐久性試験において打こんもみられず良好な発色状態及び消色状態であるに加え、バリへの効果が高いという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可逆性感熱発色組成物の発色・消色特性を示す図である。
【図2】可逆性感熱記録ラベルをMDのディスクカートリッジ上に貼った例を示す図である。
【図3】可逆性感熱記録ラベルをCD−RW上に貼った例を示す図である。
【図4】ビデオテープカセットの表示ラベルとして用いた例を示す図である。
【図5】本発明の画像処理装置の例を示す図である。
【符号の説明】
34 磁気ヘッド
38 セラミックヒータ
40 搬送ローラ
47 搬送ローラ
53 サーマルヘッド

Claims (16)

  1. 支持体上に電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物を用い、加熱温度および/または加熱後の冷却速度の違いにより相対的に発色した状態を形成しうる可逆性感熱組成物を含有する可逆性感熱記録層を有する可逆性感熱記録媒体において、該可逆性感熱記録層中に含有される樹脂は、ガラス転移温度10〜50℃かつ水酸基価100〜300mgKOH/gの水酸基を含む樹脂がイソシアネート化合物によって架橋状態にあることを特徴とする可逆性感熱記録媒体。
  2. 可逆性感熱記録層中に含有される樹脂のガラス転移温度が20〜40℃かつ水酸基価が100〜250mgKOH/gの水酸基を含む樹脂とイソシアネート化合物によって架橋状態にある樹脂を含有することを特徴とする請求項1記載の可逆性感熱記録媒体。
  3. 可逆性感熱記録層中に含有される樹脂がアクリルポリオール樹脂またはポリエステルポリオール樹脂であることを特徴とする請求項1または2記載の可逆性感熱記録媒体。
  4. 消色促進剤として、2級アミド基を有する化合物を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
  5. 可逆性感熱記録層上に保護層を設け、該保護層が架橋状態にある樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体。
  6. 情報記憶部と可逆表示部を有し、該可逆表示部が少なくとも請求項1〜5のいずれかに記載の熱可逆記録媒体を構成する可逆性感熱記録層からなるものであることを特徴とする情報記憶部を有する部材。
  7. 情報記憶部を有する部材が、カード、ディスク、ディスクカートリッジ又はテープカセットである請求項6記載の情報記憶部を有する部材。
  8. 可逆性感熱記録層を形成する面とは反対の面の支持体上に、接着剤層または粘着剤層を設けたことを特徴とする請求項6又は7記載の情報記憶部を有する部材。
  9. 請求項1〜5のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体の、可逆性感熱記録層を形成する面とは反対の面に、接着剤層又は粘着剤層を設けたことを特徴とする可逆性感熱記録ラベル。
  10. 可逆表示部を設けたことを特徴とする請求項9に記載の熱可逆記録ラベル。
  11. 請求項1〜5のいずれかに記載の熱可逆記録媒体、請求項6、7、8のいずれかに記載の情報記憶部を有する部材、または請求項9、10に記載の可逆性感熱記録ラベルにおいて、可逆性感熱記録層を加熱することにより画像の形成および/または消去を行うことを特徴とする画像処理方法。
  12. サーマルヘッドを用いて画像を形成することを特徴とする請求項11記載の画像処理方法。
  13. サーマルヘッド又はセラミックヒータを用いて画像を消去することを特徴とする請求項11記載の画像処理方法。
  14. 請求項1〜5のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体、請求項6、7、8に記載の情報記憶部を有する部材、または請求項9、10に記載の可逆性感熱記録ラベルを搭載し、画像の形成及び/または消去を行う手段を具備してなることを特徴とする画像処理装置。
  15. 画像の形成手段がサーマルヘッドであることを特徴とする請求項14記載の画像処理装置。
  16. 画像の消去手段がサーマルヘッド又はセラミックヒーターであることを特徴とする請求項14記載の画像処理装置。
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