[go: up one dir, main page]

JP2004283650A - 土壌又は地下水の浄化方法及び汚染水の処理方法 - Google Patents

土壌又は地下水の浄化方法及び汚染水の処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004283650A
JP2004283650A JP2003075733A JP2003075733A JP2004283650A JP 2004283650 A JP2004283650 A JP 2004283650A JP 2003075733 A JP2003075733 A JP 2003075733A JP 2003075733 A JP2003075733 A JP 2003075733A JP 2004283650 A JP2004283650 A JP 2004283650A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxygen
water
soil
organic compound
substance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003075733A
Other languages
English (en)
Inventor
Terunobu Maeda
照信 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
CIVIL CHEMICAL ENGINEERING CO
CIVIL CHEMICAL ENGINEERING CO Ltd
Original Assignee
CIVIL CHEMICAL ENGINEERING CO
CIVIL CHEMICAL ENGINEERING CO Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by CIVIL CHEMICAL ENGINEERING CO, CIVIL CHEMICAL ENGINEERING CO Ltd filed Critical CIVIL CHEMICAL ENGINEERING CO
Priority to JP2003075733A priority Critical patent/JP2004283650A/ja
Publication of JP2004283650A publication Critical patent/JP2004283650A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)

Abstract

【課題】有機ハロゲン化物等の有機化合物により汚染された土壌又は地下水からこの有機化合物を高速で分解処理することができ、またそのために、広範囲の汚染領域に注入可能であり、さらに難透水性部分があっても、有機化合物の分解を可能にする土壌又は地下水を浄化方法を提供すること。
【解決手段】有機化合物で汚染された土壌又は地下水に、(好ましくは還元作用を有する物質の存在下に)酸素含有水を注入することにより有機化合物を分解させることを特徴とする土壌又は地下水の浄化方法。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機ハロゲン化物等の有機化合物により汚染された土壌又は地下水から、この汚染物質を分解除去することにより汚染された土壌又は地下水を浄化する方法、及び有機化合物で汚染されたの浄化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
機械類の油類除去等の工業的な洗浄には、これまでトリクロロエチレン等の有機ハロゲン化物が大量に使用されてきた。環境汚染の観点から、最近ではこのような有機ハロゲン化物の使用が規制されるようになってきている。しかしながら、既に多量の有機ハロゲン化物が使用されており、このためその土壌汚染あるいは水質汚染も進んでいる。即ち、トリクロロエチレン等の有機ハロゲン化物は、安定で微生物に分解され難く、自然環境に投棄された有機ハロゲン化物は、土壌を汚染するだけでなく、最終的には河川や地下水を汚染し、これが飲料水の原水となることがあり、問題となる。
【0003】
上記有機ハロゲン化物等の揮発性の有機化合物で汚染された土壌を浄化する一般的な方法としては、土壌ガス吸引法、地下水揚水法、土壌掘削法等が知られている。これらの方法は、土壌を直接浄化する方法ではなく、上記土壌ガス吸引法、地下水揚水法等により集められた汚染水、あるいは河川、地下水等の汚染水を浄化する方法であり、対象は極めて大量であり、処理は長期間を要する場合が多い。また処理工程が複雑となる場合が多いのも欠点である。
【0004】
このため、最近では、地下水汚染等については、汚染物質の自然減衰も検討されている。即ち、汚染源の除去工事を行った後、汚染物質の自然減衰が認められ、かつ地下水汚染域の縮小あるいは平衡が認められ、人体への健康リスクが許容レベル以下に留まるのであれば、特別な浄化対策を行うことなく、定期的な観測によるリスク管理のみを実施する「モニタード・ナチュラル・アテニュエ−ション(MNA;科学的自然減衰)」が増えている。
【0005】
この科学的自然減衰の普及に伴い、酸素徐放剤と水素徐放剤を用いて好気性或いは嫌気性の自然浄化能力をためる方法が注目されている。例えば、水素徐放剤として、ポリ乳酸グリセリンエステルを、帯水層に注入すると、嫌気的に微生物分解されて6〜12ヶ月かけて水素をゆっくり放出される。これにより汚染物質である有機化合物の脱塩素化が促進される(「実務書のバイブル 土壌・地下水汚染にどう対処するか−調査・対策の進め方」、中島誠著、化学工業日報社発行、2001年3月19日初版1刷発行;189〜190頁)。
【0006】
また酸素徐放剤としては、過酸化マグネシウムを使用する方法が、ORC TECHNICAL BULLRTIN #114, Oxygen Release Compound(http://www.regenesis.com/ORCtech/Tb114.htm)に記載されている。
【0007】
【非特許文献1】
「実務書のバイブル 土壌・地下水汚染にどう対処するか−調査・対策の進め方」2001年3月19日初版1刷発行;189〜190頁
【非特許文献2】
インターネット:http://www.regenesis.com/ORCtech/Tb114.htm
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、浄化工事を行う側の立場からは、有機ハロゲン化物等の有機化合物により汚染された土壌から、直接この汚染物質を分解等により除去する際、その浄化速度をさらに向上させることは、依然として最重要の要望事項である。
【0009】
しかしながら、上記酸素徐放剤として過酸化物を使用する方法では、水素徐放剤と同様に分解(浄化)速度が遅いこと、さらには難溶性の水酸化物や難溶性の酸化物が土壌粒子の間に残り、再注入が困難になる等の問題がある。一方、過酸化物として、分解速度の速い過酸化水素を使用した場合、過酸化水素は土壌にあふれると瞬時に分解するため、注入半径を大きくとることができないとの問題がある。
【0010】
本発明の目的は、有機ハロゲン化物等の有機化合物により汚染された土壌及び/又は地下水から、直接、この有機化合物を高速で分解することにより無毒化、或いは無毒化後除去することができる土壌又は地下水を浄化方法を提供することにある。
【0011】
また本発明の目的は、有機ハロゲン化物等の有機化合物により汚染された土壌及び/又は地下水からこの有機化合物を分解処理するために、汚染領域が広範囲でも注入可能であり、また再注入することも容易である土壌又は地下水を浄化方法を提供することにある。
【0012】
さらに、本発明の目的は、有機ハロゲン化物等の有機化合物により汚染された土壌及び/又は地下水の中に、難透水性部分があっても、有機化合物の迅速な分解が可能な土壌又は地下水を浄化方法を提供することにある。
【0013】
さらにまた、本発明の目的は、有機化合物により汚染された水を迅速に浄化する方法を提供することにもある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者の検討によれば、上記目的は、酸素含有水を、汚染土壌、汚染地下水に接触させることにより達成されることが分かった。この場合、汚染物質である有機化合物は、酸素含有水の酸素が還元物質の作用で得られる活性化された酸素により酸化作用を受けて分解すると考えられるが、その反応機構については未だ推測の域を出ていない。
【0015】
即ち、上記目的は、有機化合物で汚染された土壌又は地下水に、(好ましくは還元作用を有する物質の存在下に)酸素含有水を注入することにより有機化合物を分解させることを特徴とする土壌又は地下水の浄化方法により達成することができる。
【0016】
上記浄化方法において、酸素含有水が、酸素の飽和水、特に過飽和水であることが好ましい。酸素の濃度が高いほど、有機化合物の分解速度(浄化速度)は向上する。
【0017】
還元作用を有する物質は、特に注入しなくても汚染土壌に存在している場合があり、その場合酸素含有水の注入のみで浄化作用が得られる。即ち、一般に、汚染が存在する土壌は還元的な雰囲気にあることが多く、例えば炭酸水素鉄や炭酸水素マンガンが含まれている(このような炭酸水素塩が含まれた水は空気に触れると酸化されて赤水となることから、このような塩の存在を知ることができる)。この様な土壌は、還元性を有するので、酸素の供給のみで、有機化合物の分解が可能である。
【0018】
還元作用を有する物質は、鉄、鉄化合物(例、炭酸水素鉄)及び/又は酵素であることが好ましい。このような還元作用を有する物質は、一般に酸素を供給する前に、土壌または地下水にあらかじめ注入しておくことが好ましい。酸素と同時に供給しても良い。鉄、鉄化合物及び/又は酵素であっても、還元作用を持たないものは本発明では通常使用することができない。
【0019】
還元作用を有する物質としては、鉄粉が好ましく、特に平均粒径5μm以下(特に0.01〜3μm)の鉄微粒子が好ましい。土壌への注入が容易で、分解速度が速い。
【0020】
このような鉄微粒子の水分散液として、製鋼時に排出される水性スラリー状の製鋼ダストを用いることが好ましい。製鋼時に排出されるスラリー状の製鋼ダストが、製鋼用の酸素吹転炉から、精錬中に発生する排ガスを集塵し、ガスを除去して得られるものであることが特に好ましい。集塵は、一般に湿式集塵により行われる。また前記集塵後、シックナーにより製鋼ダストを沈降収集させることが好ましい。
【0021】
汚染物質である有機化合物が、有機ハロゲン化物、特に塩素化有機化合物であることが好ましい。分解が迅速に行われる。
【0022】
さらに、前記目的は、有機化合物で汚染された土壌の下部付近に存在する水の通り難い層のその下側に存在する水の通り易い層に、酸素含有水(好ましくは及び還元作用を有する物質)を注入し、次いで減圧して酸素を気化させることにより少なくとも水の通り難い層に含まれる有機化合物を分解させることを特徴とする土壌又は地下水の浄化方法によっても達成することができる。
【0023】
上記方法において、酸素含有水及び還元作用を有する物質を注入する場合は、還元作用を有する物質を先に注入して行うが、同時、略同時に行っても良い。酸素含有水を先に注入しても良いが、効率は悪くなる。
【0024】
酸素含有水注入後、減圧(好ましくは揚水により)することにより、酸素含有水中の酸素が過飽和となり、気化を始める。気化した酸素は、水の通り難い層(難透水層)であっても通過するため、汚染されたこのような層も浄化することができる。尚、難透水層は種々な物質が蓄積されている場合があり、酸素の通過のみで浄化される場合がある。この酸素含有水は気化しやすいように過飽和に近いものが好ましい。この気化した酸素は、大部分は活性化された酸素であり、これにより汚染物質である有機化合物を分解すると考えられる。上記発明においても、前記(課題を解決するための手段の冒頭の)発明の好ましい態様を適用することができる。
【0025】
更にまた、前記目的は、有機化合物(特に有機塩素系化合物)で汚染された水に、酸素含有水を注入することにより該化合物を分解させることを特徴とする汚染水の浄化方法によっても達成することができる。
【0026】
上記発明においても、前記(課題を解決するための手段の冒頭の)発明の好ましい態様を適用することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の浄化方法は、好ましくは還元作用を有する物質の存在下に、汚染土壌(地下水)に酸素含有水を注入する工程を基本構成として有する。
【0028】
本発明においては、有機ハロゲン化物等の有機化合物で汚染された土壌又は地下水を極めて迅速に、且つ経済的に浄化することができる。従来の過酸化物を用いた方法に比べて格段に速く、広範囲に使用可能であり、又従来の鉄微粒子を使用する方法に比べても速く、且つ鉄の使用量を激減させることができる。
【0029】
本発明の土壌又は地下水の浄化方法は、例えば以下のように行うことができる。例えば、有機ハロゲン化物で汚染された土壌(地盤)又は地下水に還元作用を有する物質、酸素含有水を、この順又は同時に注入することにより行われる。還元作用を有する物質は、汚染土壌に還元作用がある場合には注入しなくても良い。好ましくは、有機ハロゲン化物で汚染された土壌に、還元作用を有する物質(例えば鉄微粒子分散液)、酸素含有水を供給するための注入管を挿入し、これらをその注入管に注入することにより行う。
【0030】
上記の方法は、より具体的に示すと、例えば下記のように行うことができる。
【0031】
有機ハロゲン化物で汚染されたの表面にボーリングにより還元作用を有する物質、酸素含有水を供給するための注入管を設ける。注入管は必要により間隔を隔てて複数設けることができる。還元作用を有する物質及び酸素含有水を、この順で供給用注入管に注入する。これにより、汚染土壌内に還元物質が浸透し、還元物質(及び水等)により活性化された酸素と汚染物質が接触することにより、酸化され、汚染物質である有機化合物は分解除去される。注入管で注入する前に、注入管から地下水を排出し、その後還元作用を有する物質、酸素含有水を注入しても良い。注入した液が土壌表面からあふれ出ないように土壌表面に不透水性シート(例、ベントナイトシート)で覆っても良い。あるいは土壌内にシートを埋め込んでも良い。
【0032】
上記浄化方法は、また下記のように行っても良い。即ち、図1に示すように、汚染土壌の周囲を、地下の不透水性地盤11に至る不通気層12で遮断し、その内側の土壌中に注入管9、必要により通気性柱状部2及び水平通気層4を設置し、これらの上に不通気性のシート6で覆い、その周縁部を不通気層の外側で糊材を混入させた埋め戻し土砂からなる不通気層7によって遮断することができる。上記水平通気層4内には、通気性材3を透過しない大きさの孔の多数からなる多孔管である吸気管5が埋設されている。
【0033】
そして、浄化処理は、例えば、注入管9から本発明の還元作用を有する物質、酸素含有水を順に注入し、必要により注入管9より揚水することにより減圧して、還元物質と接触により活性化された酸素の拡散により、汚染物質を酸化、分解することによって行われる。
【0034】
上記の方法のように、有機ハロゲン化物等の有機化合物で汚染された土壌の表面を、不通気性のシートで覆うこと(一般に、シートの覆いは浄化剤注入後に設置される)が好ましく、必要により通気性柱状部(上記発生物質の除去に有用)を設けることができる。
【0035】
さらに、本発明は、有機化合物で汚染された土壌の下部付近に難透水性層(水の通り難い層)が存在し、このような汚染された難透水性層を浄化する場合にも有利に利用することができる。即ち、還元物質により活性化された酸素が気体状態であることから、このような汚染された難透水層に浸透、拡散させることが可能であるため、極めて効率的に汚染物質を分解することができると考えられる。図2及び図3を参照しながら説明する。
【0036】
図2に示すように、汚染区域が不通気層22で遮断されており、易透水性層(水の通り易い層)23、その上に汚染された難透水性層(水の通り難い層)24、さらにその上に地下水25が占めており、揚水管26が難透水性層24の上部まで設けられ、還元作用を有する物質、酸素含有水を注入するために利用される注入管27が易透水性層23の底部まで設けられている。揚水管26から所定量揚水した後、注入管27から還元作用を有する物質及び酸素含有水を同時に注入する。その後、図3に示すように、揚水管26及び注入管27から揚水され、汚染区域の内部が減圧化され、主として易透水性層23に存在する水中の酸素が気化し、難透水性層24を通過して、上部に出ていく。この酸素は還元作用を有する物質(さらには水)との反応で、活性化されており、このため活性化酸素が難透水性層24を通過した際、難透水性層24に含まれる汚染物質が分解される。他の領域の汚染物質もこの活性化酸素により酸化分解される。この分解速度は極めて速く、驚くべきものである。
【0037】
一方、後の実施例4で示すトリクロロエチレンを用いたカラム実験では、シス−1,2−ジクロロエチレンを経て分解することが確認されている。従って、このことは、本発明の方法では、過酸化物を用いた分解法と異なり触媒反応により脱塩素反応が進んでいることを示唆している。
【0038】
この汚染領域、例えば易透水性層23或いは難透水性層24に還元物質が存在している場合は、鉄粉等の還元物質を注入しなくても、酸素含有水を注入するだけで、活性化酸素が発生し、浄化が可能である。特に、難透水層は種々な物質が蓄積されていることがあり、酸素の通過のみで浄化される場合、或いは特に浄化作用が促進される場合がある。
【0039】
以上の浄化方法において、酸素含有水は、酸素の飽和水、特に過飽和水であることが好ましい。酸素の濃度が高いほど、浄化速度は向上するためである。
【0040】
酸素含有水は、一般に水1L中に酸素5〜200mg/L(リットル)、好ましくは酸素8〜150mg/L含有するものである。酸素の(過)飽和水は、例えば、水の入った注入管付き容器を加圧状態を保ちながら、注入管より酸素ガスを注入することにより得ることができる。酸素含有水の代わりに、地下水に酸素を直接注入しても良いが、一般に効率が低下する。
【0041】
還元作用を有する物質が、鉄、鉄化合物及び/又は酵素であることが好ましい。鉄としては、鉄粉、一般に、平均粒径5μm以下(特に0.01〜3μm)の鉄微粒子が好ましい。これらは、一般に水スラリー状で使用され、特に後述する製鋼ダストスラリーがとりわけ好ましい。
【0042】
鉄化合物としては、重炭酸鉄、炭酸水素鉄、FeO、Fe(OH)、FeCl、Fe(ClO) 、Fe(NO、FeSO、FeCO等の鉄(II)化合物を挙げることができる。さらにカルボニル化合物等の鉄(0)化合物、Fe(NO)X(X=ハロゲン)等の鉄(I)化合物、フェロセン等の有機鉄化合物等を挙げることができる。酵素としては、還元酵素であり、例えばヘモグロビン等ヘムタンパク、及びトランシフェリン等の非ヘムタンパク等を挙げることができる。さらに、土壌に添加することはできないが、汚染土壌に含まれている炭酸水素マンガン等のマンガン化合物も還元作用を有する物質として挙げることができる。
【0043】
本発明では、上記還元作用を有する物質は、一般に製鋼ダストスラリーと同様にスラリー状或いは水溶液で使用される。
【0044】
このような還元作用を有する物質は、一般に、酸素を供給する前に、土壌または地下水にあらかじめ注入しておく。酸素と同時に供給しても良い。鉄、鉄化合物及び/又は酵素であっても、酸化還元作用を持たないものは本発明では使用することができない。例えば、関東ローム層や堆積層の様な土壌は、還元性を有するので、酸素の供給のみで、有機化合物の分解が可能である。
【0045】
本発明で使用される鉄粉は上記粒径を有する鉄粉スラリーが好ましいが、中でもこのような粒径を有する製鋼ダストスラリーを使用することが好ましい。製鋼ダストスラリーは、一般に製鋼用の酸素吹転炉から、精錬中に発生する排ガス中の製鋼ダストを集塵(好ましくは湿式集塵)し、炭酸ガス等のガスを除去することにより得られる製鋼ダストからなるスラリーである。
【0046】
通常、前記製鋼ダストスラリーは、集塵後、上記製鋼ダストをシックナーにより鉄粉スラッジのスラリーとされたものである。所望により、得られた製鋼ダストにさらに特定用途(例、トナー用)向けの高品位鉄粉を加えて、スラリーとすることもできる。
【0047】
前記製鋼ダストスラリーの製法を、図4を参照しながら説明する。
【0048】
製鋼用の酸素吹転炉内において、C、Si、P、F等の不純物を含有する銑鉄等が投入され、攪拌されながら、酸素が上部から急速に吹き込まれる。この状態で不純物含有銑鉄と酸素との間で反応が起こり、C、Si、P等は酸化物となりホタル石のカルシウムとスラグを形成し、この時一部のフッ素化合物は銑鉄に取り込まれる(このような反応は銑鉄製造時の高炉内でも起こっている考えられる)。この間における、酸素を吹き込むことにより発生する微粒子の鉄粉を含む排ガスは、ガス回収フードを通って、湿式集塵で集められる。湿式集塵では、CO等の気体はガス回収タンクに送られる。排ガスを集塵して得た製鋼ダストは、水性スラリー状であり、このスラリーは粗粒分別(60μmで)され、粗いものは粗粒鉄粉として回収され、そして細かいものは、シックナーで濃縮化され、最終的にフィルタープレスにより微粒子のみに選別されて、細粒鉄粉(即ち、鉄微粒子スラリー)を得ることができる。
【0049】
こうして得られる鉄微粒子は、種々の酸化段階の酸化鉄も含むものであるが、このような酸化鉄もガス燃焼状態で捕捉されたダストでは還元状態にあるため、浄化作用に繋がる還元作用を示すと考えられる。従って、金属鉄が30質量%以上占めなくても、上記の鉄微粒子は高い還元作用を示すことができる場合が多い。
【0050】
前記粗粒鉄粉中の97質量%Feの粒度の例は下記の通り。
Figure 2004283650
【0051】
前記細粒鉄粉の組成例は下記の通り。
Figure 2004283650
【0052】
前記細粒鉄粉の成分の範囲は下記の通り。
Figure 2004283650
【0053】
製鋼ダストスラリーにおいて、前記鉄微粒子(製鋼微粒子)は、5μm以下、さらに0.01〜3μmの平均粒径を有することが好ましく、その形状は球状であることが好ましい。また、上記スラリーの固形分は20〜70質量%(特に20〜50質量%)が好ましい。固形分中、90質量%以上は金属鉄及び鉄含有化合物である。固形分中、金属鉄が30質量%以上占める。
【0054】
本発明の浄化方法は、汚染土壌又は地下水から汚染物質を酸化等により分解、無毒化、或いは無毒化後除去するために有用である。
【0055】
本発明の浄化の対象となる汚染源として、有機ハロゲン化物等の有機化合物を挙げることができる。有機ハロゲン化物の例としては、1,1−ジクロロエチレン、1,2−ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ジクロロジフルオロエタン、PCB、クロロナフタリン、ペンタクロロフェノール、クロロジシクロペンタジエン類、BHC、DDT、2.4D、クロロピクリン酸等を挙げることができる。これらの有機ハロゲン化物は、活性化された酸素の酸化作用により、分解され、土壌より除去されると考えられる。
【0056】
本発明の浄化方法に好適に使用される製鋼ダストスラリーに含まれる鉄微粒子は、一般に極めて微粒子であり、このため直接汚染土壌に付与した場合、土壌内に迅速に浸透する。このような超微粒子の鉄粉を用いることにより大幅な洗浄力の向上が図れる。また、鉄微粒子はこのように超微粒子である上、特にその形状が球である場合は、汚染土壌に付与した際、極めて迅速に土壌内に浸透し、浄化作用を示す。
【0057】
上記製鋼ダストスラリーは、さらに鉄以外の金属でも、還元作用を有する金属であるMn、Mg、Zn、Al、Ti等を併用することができる。これらの金属も。その平均粒径はできるだけ小さいことが好ましい。
【0058】
微粒子の鉄粉は、表面積が大きく表面に酸化(不働態化)され易いため、本発明ではこれを防止するため親水性バインダー及び/又は金属ハロゲン化物を併用することが好ましい。
【0059】
金属ハロゲン化物は、NaCl、KCl、MgCl、CaCl等を挙げることができ、特にNaClが好ましい。金属ハロゲン化物は、鉄の水酸化物、酸化物を金属鉄に還元する働きがある。その使用量は、固形分に対して0.5〜200質量%が一般的で、0.5〜50質量%が好ましい。
【0060】
更に、本発明の還元作用を有する物質である鉄微粒子(好ましくは製鋼ダストスラリー)は親水性樹脂を含むことができる。親水性樹脂は、鉄微粒子の表面を覆い酸化されないように保護する機能を有する。このような親水性樹脂の例としては、スクロース等の二糖類、スクロース誘導体(例、スクロース高級脂肪酸エステル)、グルコース等の単糖類、アルギン酸;プルラン、PVA(ポリビニルアルコール)、CMC(カルボキシルメチルセルロース)、ポリアクリルアミド、グアガム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性樹脂を挙げることができる。プルラン(水溶液にした際の粘度が低く特に好ましい)、ヒドロキシエチルセルロース、スクロース、グルコース、PVAが好ましい。親水性樹脂として生分解性ポリマーを用いると二次的な環境汚染に対して特に有効である。その使用量は、固形分に対して0.01〜200質量%が一般的で、0.01〜100質量%が好ましい。
【0061】
本発明で使用される還元作用を有する物質(好ましくは製鋼ダストスラリー)は、所望により金属ハロゲン化物又は親水性樹脂、又は金属ハロゲン化物及び親水性樹脂とを加えて、懸濁、あるいは分散させて得られるものが好ましい。更に適宜水を加えて所望の濃度にすることができる。また必要により分散時に界面活性剤を使用することもできる。上記親水性バインダーの代わりに生分解性ポリマー(例、生分解性ポリカプロラクトン)を用いると二次的な環境汚染に対して特に有効である。
【0062】
上記還元作用を有する物質(好ましくは製鋼ダストスラリー)は、さらに還元剤として金属硫酸塩(特に硫酸第一鉄)を含有することが好ましい。これは空気中の酸素と反応するため、金属鉄微粒子の表面の酸化を防ぐことができる。
【0063】
上記還元作用を有する物質(好ましくは製鋼ダストスラリー)は、さらに無機炭酸塩又は炭酸塩系鉱物を含有していることが好ましい。これらの例としては、炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珊瑚化石石灰岩、石灰岩、ドロマイトを挙げることができ、特に沈降性炭酸カルシウムが好ましい。本発明の土壌浄化剤は微粒子の鉄を使用しているため、土壌内の土壌粒子の間隙に注入することが可能である。しかしながら、微粒子にすることにより地下水等に溶出する可能性も高くなることから、本発明では上記炭酸塩を用いて、溶出した鉄イオンを固定し、これを防止することが好ましい。
【0064】
本発明の還元作用を有する物質は、好ましくは、前述のように上記精製した製鋼ダストスラリー、及び所望により親水性樹脂、金属ハロゲン化物又は金属ハロゲン化物及び親水性樹脂を添加して、懸濁、あるいは分散させて得られるものである。その際分散に用いる水としては、鉄の酸化を極力抑制する観点から、還元性電解水(pH=7〜13が好ましい)を用いることが好ましい。分散剤として、ナフタレンスルホン酸系等の界面活性剤を使用しても良い。分散剤の使用量は、固形分に対して0.01〜10質量%が一般的で、0.1〜5質量%が好ましい。また前述の酸化防止剤を前記範囲内にてさらに使用しても良い。
【0065】
土壌に注入するスラリー中の鉄微粒子の濃度は、一般に0.01〜50質量%であり、0.1〜1質量%が好ましい。また注入量は、一般に土壌1m当たり鉄微粒子1〜400kgであり、1〜20kgが好ましい。
【0066】
また土壌に注入する酸素含有液も、還元性を有する物質である鉄微粒子スラリーにおいて用いた添加剤を適宜同様に含んでいても良い。酸素含有液の酸素は、土壌1m当たり0.5〜10g、特に1〜5g注入することが好ましい。酸素含有液は、更に繰り返し注入することが好ましい。
【0067】
本発明の酸素含有液を用いる方法は、例えば、前記浄化方法で地下水を揚水した際の汚染水に、さらには工場で大量に発生する工場廃水に有機塩素系化合物が混入していた場合にも有効に利用することができることは上記説明から明らかである。即ち、有機化合物(特に有機塩素系化合物)で汚染された水に、酸素含有水を注入することにより該化合物を分解させることができ、これにより、この様な汚染水を迅速に浄化することができる。
【0068】
【実施例】
[実施例1]
(a)製鋼ダストスラリー
前記図4に示す方法を用いて、下記の製造条件で精製前の製鋼ダストスラリーを得た。
【0069】
製造条件:OG(oxygen gas)ガス処理方式を装備した上底吹き転炉にて製造
転炉の容量:350T/回
(T:転炉内の鋼の質量に相当し、容量で示される量)
投入銑鉄:溶銑比率70〜96%
酸素吹き込み量:吹錬時間20分程度
スラリー製造速度:250t/D(日)
【0070】
上記方法により下記の精製前の製鋼ダストスラリー得た。その組成は下記の通り。
Figure 2004283650
【0071】
前記細粒鉄粉の成分は下記の通り。
Figure 2004283650
【0072】
上記フィルタープレス後のスラリーに含まれる鉄微粒子は、電子顕微鏡(20000倍)による観察により球状であることを確認した。またその粒度分布は図5に示す如くであった。平均粒径は1.3μmであった。
【0073】
上記鉄微粒子の粒度分布は、下記の条件で測定した。
【0074】
測定器:SKレーザ・ミクロン・サイザー7000S
分散媒:0.2%NaHMP
分散条件:超音波(U.S.WAVE) 5分
【0075】
図5の粒度分布の各粒径の体積分率を表6に示す。
[表6]
画分 粒径(μm) 体積(%)
1 0.1 11.1
2 0.2 16.9
3 0.4 25.3
4 0.6 31.4
5 0.8 36.2
6 1.0 40.2
7 1.5 59.5
8 2.0 81.1
9 3.0 91.1
10 4.0 97.3
11 6.0 100.0
12 8.0 100.0
13 12.0 100.0
14 16.0 100.0
15 24.0 100.0
16 32.0 100.0
17 48.0 100.0
18 64.0 100.0
19 96.0 100.0
20 128.0 100.0
21 192.0 100.0
【0076】
内容積250mlのガラス容器(サンボトル:アズワン(株)製)に、200mlの水と、上記フィルタープレス後のスラリー(固形分65質量%)1000mgを入れ、容器を氷水に浸した。容器の蓋を貫通して下部で達する注射針を設け、また上部にも注射針を設けた。
【0077】
下部で達する注射針から酸素を注入して、2時間に亘ってバブリングした。
【0078】
この容器を30℃の恒温水槽に入れ、その後トリクロロエチレンを注射器を用いて所定量(図6のグラフ参照)注入した。
(トリクロロエチレンの検出)
トリクロロエチレンの検出は、ガスクロマトグラフGC−310(日本電子データム(株)製)を用いて行った。その際、カラムとして、ウルトラアロイJEOLDTM 0.53mmφ×30m(フロンティア・ラボ(株)製)及び検出器としてPIDを用いた。
【0079】
注入後のトリクロロエチレンの濃度変化を図6のグラフに示す。
【0080】
グラフから、注入時のトリクロロエチレンの濃度が約1.23mg/Lであったが670時間後にはほぼ0.01mg/Lまで減少している。
【0081】
[実施例2]
スラリーの量を1000mgから100mgに変更した以外は、実施例1の操作を同様に繰り返した。
【0082】
図6のグラフから、注入時のトリクロロエチレンの濃度が約1.03mg/Lであったが680時間後にはほぼ0.01mg/Lまで減少している。
【0083】
[比較例1]
スラリーの代わりに同量の四三酸化鉄(試薬特級、和光純薬(株)製)使用した以外は、実施例1の操作を同様に繰り返した。
しかしながら、トリクロロエチレンの減少が認められなかった。
【0084】
[比較例2]
スラリーの代わりに同量の三二酸化鉄(試薬特級、和光純薬(株)製)使用した以外は、実施例1の操作を同様に繰り返した。
しかしながら、トリクロロエチレンの減少が認められなかった。
【0085】
[比較例3]
スラリーの代わりに同量の水酸化酸化鉄(関東化学(株)製)使用した以外は、実施例1の操作を同様に繰り返した。
しかしながら、トリクロロエチレンの減少が認められなかった。
【0086】
[比較例4]
スラリーの代わりに同量の牛由来ヘモグロビン(化学用、和光純薬(株)製)使用した以外は、実施例1の操作を同様に繰り返した。
しかしながら、トリクロロエチレンの減少が認められなかった。
【0087】
[実施例3]
関東ローム層20gを煮沸滅菌した後、実施例1で用いた装置に入れ、更に水200mlを加えた。これを氷水の温度で3時間、酸素をバブリングした。30℃の恒温水槽に浸し、下記の揮発性有機化合物分析用混合試料(濃度1mg/L)を0.1ml添加した。
【0088】
1週間後の初期濃度に対するそれぞれの濃度を、初期濃度に対する%として下記に示す。尚、クロマトグラフ分析時の検出器としてPID及びDELCDを用いた。
【0089】
(結果)
1,1−ジクロロメタン 17.8%
ジクロロメタン 86.6%
ジス−1,2−ジクロロメタン 17.5%
1,1,1−トリクロロエタン 0%
四塩化炭素 0%
1,2−ジクロロエタン 77.7%(ベンゼンとの合計量)
トリクロロエチレン 29.5%
シス−1,3−ジクロロプロペン 0%
トランス−1,3−ジクロロプロペン 0%
1,1,2−トリクロロエタン 37.0%
テトラクロロエチレン 47.4%
【0090】
いずれも濃度が大幅に減少していた。従って、酸素による分解が認められ、ローム層には還元性を示す物質が存在していると考えられる。
【0091】
[実施例4]
[カラムを用いた試験]
実施例1で用いた製鋼スラリーを連続的にビーズミル(分散用装置)に導入し、分散後HClを後述するpHメータでpH4になるように添加し、ラインミキサで混合し、混合後pHメータでpHを測定し(これにより前記HClの添加量の調節を行う)、その後NaOHを後述するpHメータでpH7になるように添加し、更に20質量%の硝酸第1鉄及びアスコルビン酸0.1質量%を含む水分散液(前記土壌浄化剤と同量で)を加え、ラインミキサで混合し、混合後pHメータでpHを測定し、製鋼スラリー分散液を得た。
【0092】
上記分散液及び酸素含有水を用いる浄化試験を、図7に示す装置を用いて行った。内径50mm、長さ250cmの上側塩化ビニル管(カラム)71の上下にフランジを取り付け、この塩ビ管71で500gの珪砂5号、10.0mgのトリクロロエチレン及び0.50gの製鋼スラリー分散液を混合した。
【0093】
別に、内径50mm、長さ120cmの下側塩化ビニル管72を用意し、これに1.0Lの水を入れ、酸素をバブリングして溶存空気を除去した後、0.3MPaまで酸素で加圧した。これを常圧に戻した後、この塩化ビニル管72を前記の塩化ビニル管71の下部に接続した(図7に示す装置)。
【0094】
酸素の供給を、24時間毎に塩化ビニル管72を取り外して、酸素の加圧、常圧への戻し、及び接続を行った。
【0095】
塩化ビニル管71の珪砂上部から気体を採取してガスクロマトグラフィの分析を行った。その分析結果(時間の経過に対する有機塩素系化合物の検出量)を図8に示す。
【0096】
トリクロロエチレンは漸次減少しているが、24時間後からシス−1,2−ジクロロエチレンが現れ、これも急速に減少している。このグラフから、トリクロロエチレンはシス−1,2−ジクロロエチレンを経て分解すると考えられる。尚、シス−1,2−ジクロロエチレンの検出は上記の塩化ビニル管のカラムを用いて得られたもので、他の実験では得られなかった。これは本発明による分解経路を解明する上での示唆となると考えられる。
【0097】
120時間後、分析可能値以下となったため、珪砂を取り出し、分析を行ったが、有機塩素系化合物は検出されなかった。
【0098】
【発明の効果】
本発明の浄化方法は、有機ハロゲン化物等の有機化合物により汚染された土壌又は地下水から、直接、効率よくこの有機化合物を分解することにより無毒化、或いは無毒化後除去することができる。また、本発明の方法により、有機化合物により汚染された土壌又は地下水からこの有機化合物を、従来の方法に比較して遙かに高速で、且つ経済的に分解処理することができる。さらに本発明の方法は、無害な酸素を注入する方法であるため、広範囲の汚染領域に注入可能であり、また再注入することも可能との利点を有する。
【0099】
さらにまた、有機化合物により汚染された土壌又は地下水のなかに、難透水性部分があっても、処理材料が酸素であるため、このような難透水性部にも浸透が容易で、汚染源の有機化合物を分解することが容易である。
【0100】
従って、本発明の浄化方法は、地球表面層に存在する汚染された土壌、地盤或いは地下水を直接浄化することができる方法であり、そして上記のように土壌又は地下水に対して高速で、経済的な浄化作用を示すと共に、難透水性部分等の浄化の困難な場所も容易に浄化することができるものであるということができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の浄化方法の実施形態の一例を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の浄化方法の有利な実施形態の一例を示す断面図である。
【図3】図3は、図2に示す本発明の浄化方法の実施形態の例の続を示す断面図である。
【図4】図4は、製鋼ダストスラリーの製造方法の例を示すフローチャートである。
【図5】図5は、実施例で使用された製鋼ダストスラリーの鉄微粒子の粒度分布を示すグラフである。
【図6】図6は、実施例1及び2で行われた方法により得られるトリクロロエチレンの濃度の減少を示すグラフである。
【図7】図7は、実施例4で実験で使用した装置である。
【図8】図8は、実施例4で行われた方法により得られるトリクロロエチレン及びシス−1,2−ジクロロエチレンの濃度の減少を示すグラフである。
【符号の説明】
2 通気性柱状部
3 通気性材
4 水平通気層
5 吸気管
6 不通気性のシート
9 注入管
11 地下の不透水性地盤
12、22 不通気層
23 易透水性層
24 難透水性層
25 地下水
26 揚水管
27 注入管
71 上側塩化ビニル管
72 下側塩化ビニル管

Claims (17)

  1. 有機化合物で汚染された土壌又は地下水に、酸素含有水を注入することにより有機化合物を分解させることを特徴とする土壌又は地下水の浄化方法。
  2. 有機化合物で汚染された土壌の下部付近に存在する水の通り難い層のその下側に存在する水の通り易い層に、酸素含有水を注入し、次いで減圧して酸素を気化させることにより、少なくとも水の通り難い層に含まれる有機化合物を分解させることを特徴とする土壌又は地下水の浄化方法。
  3. 酸素含有水の注入を、還元作用を有する物質の存在下に行う請求項1に記載の浄化方法。
  4. 酸素含有水の注入の前又は同時に、還元作用を有する物質を注入する請求項3に記載の浄化方法。
  5. 減圧を、揚水することにより行う請求項2又は4に記載の方法。
  6. 酸素含有水が、酸素の飽和又は過飽和水である請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 還元作用を有する物質が、鉄、鉄化合物及び/又は酵素である請求項3〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 還元作用を有する物質が、平均粒径5μm以下の鉄微粒子である請求項3〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 有機化合物が、有機ハロゲン化物である請求項3〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 有機化合物が、塩素化有機化合物である請求項3〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 還元作用を有する物質が、製鋼時に排出される水性スラリー状の製鋼ダストである請求項3〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 製鋼時に排出されるスラリー状の製鋼ダストが、製鋼用の酸素吹転炉から、精錬中に発生する排ガスを集塵し、ガスを除去して得られるものである請求項11に記載の方法。
  13. 前記集塵を湿式集塵により行う請求項12に記載の方法。
  14. 前記集塵後、シックナーにより製鋼ダストを沈降収集させる請求項12又は13に記載の方法。
  15. 有機化合物で汚染された水に、酸素含有水を注入することにより該化合物を分解させることを特徴とする汚染水の浄化方法。
  16. 酸素含有水の注入を、還元作用を有する物質の存在下に行う請求項15に記載の浄化方法。
  17. 有機化合物が、塩素化有機化合物である請求項15又は16に記載の方法。
JP2003075733A 2003-03-19 2003-03-19 土壌又は地下水の浄化方法及び汚染水の処理方法 Pending JP2004283650A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003075733A JP2004283650A (ja) 2003-03-19 2003-03-19 土壌又は地下水の浄化方法及び汚染水の処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003075733A JP2004283650A (ja) 2003-03-19 2003-03-19 土壌又は地下水の浄化方法及び汚染水の処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004283650A true JP2004283650A (ja) 2004-10-14

Family

ID=33290974

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003075733A Pending JP2004283650A (ja) 2003-03-19 2003-03-19 土壌又は地下水の浄化方法及び汚染水の処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004283650A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006326503A (ja) * 2005-05-26 2006-12-07 Toagosei Co Ltd 有機化合物を分解する組成物および分解方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006326503A (ja) * 2005-05-26 2006-12-07 Toagosei Co Ltd 有機化合物を分解する組成物および分解方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4069174B2 (ja) 土壌の無害化処理方法
JP3862394B2 (ja) 土壌の無害化処理方法
JP4167052B2 (ja) 有機化合物汚染の浄化方法
JP4065226B2 (ja) 汚染土壌および汚染地下水の浄化方法
Chen et al. Constructing the active surface soil layer with ZVI-biochar amendment for simultaneous immobilization of As and Zn in both contaminated soil and groundwater: Continuous versus intermittent infiltration mode
Xu et al. An evaluation of the green chelant EDDS to enhance the stability of hydrogen peroxide in the presence of aquifer solids
JP3725749B2 (ja) 鉄微粒子スラリー及びその製造方法、土壌浄化剤並びに土壌浄化方法
JP6359891B2 (ja) 土壌浄化剤及び汚染された土壌の浄化方法
JP2004283650A (ja) 土壌又は地下水の浄化方法及び汚染水の処理方法
JP4081227B2 (ja) 土壌の浄化工法
JP4530824B2 (ja) 土壌浄化剤並びに土壌浄化方法
JP3476192B2 (ja) 製鋼ダストスラリーの精製方法及び土壌浄化剤
JP2004025166A (ja) 陰イオンの不溶化方法及び土壌浄化剤並びに土壌又は地下水の浄化方法
JP2004113976A (ja) 土壌浄化剤及び土壌浄化方法
JP2004331996A (ja) 還元剤用海綿鉄、その製造方法およびその用途
JP4660958B2 (ja) 有機塩素化合物で汚染された土壌、水およびガスの浄化方法
JP4482678B2 (ja) 土壌の無害化処理方法
JP4345493B2 (ja) 土壌浄化剤及び土壌浄化方法
JP4788105B2 (ja) 汚染土壌の浄化方法
JP2006075742A (ja) 汚染土壌の処理方法
JP4670029B2 (ja) 土壌浄化方法
JP5109036B2 (ja) 土壌の無害化処理方法
JP2002159960A (ja) 土壌の無害化処理方法および有機ハロゲン化合物分解用鉄粉材料
JP2008194542A (ja) 土壌・地下水の浄化処理用貴金属担持金属鉄粒子、及び土壌・地下水の浄化処理方法
JP2006075773A (ja) 難分解性有機化合物による汚染土壌地下水の浄化方法