JP2004280016A - 中間転写装置と画像形成装置と中間転写体の移動速度補正方法及び感光体回転速度補正方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】中間転写ベルトを速度制御する制御系が速度誤差を生じるような場合でも、中間転写体を色ずれが生じないように速度補正できるようにする。
【解決手段】中間転写ベルト10上に、トナー像91B,91Yの異なる色の組合せからなる色ずれ検出用のパターン91を全周に亘って形成し、その互いのトナー像の副走査方向の相対的な位置ずれを検出する。その後、パターン91を消去して、同様にトナー像91B,92Mからなるパターン92を、さらにその消去後にトナー像91B,93Cからなるパターン93を同様に形成して、互いのトナー像の相対的な位置ずれをそれぞれ検出する。そして、その位置ずれ情報を基にして、その位置ずれを正すように中間転写ベルト10の移動速度を補正する。
【選択図】 図13
【解決手段】中間転写ベルト10上に、トナー像91B,91Yの異なる色の組合せからなる色ずれ検出用のパターン91を全周に亘って形成し、その互いのトナー像の副走査方向の相対的な位置ずれを検出する。その後、パターン91を消去して、同様にトナー像91B,92Mからなるパターン92を、さらにその消去後にトナー像91B,93Cからなるパターン93を同様に形成して、互いのトナー像の相対的な位置ずれをそれぞれ検出する。そして、その位置ずれ情報を基にして、その位置ずれを正すように中間転写ベルト10の移動速度を補正する。
【選択図】 図13
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数のそれぞれ回転する感光体の表面に光を照射することによりその感光体上にそれぞれ形成した異なる色のトナー像が中間転写ベルト等の中間転写体上にずれなく重ね合わせ状態に転写されていくように中間転写体の速度を制御する中間転写装置と画像形成装置と中間転写体の移動速度補正方法及び感光体回転速度補正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、複写機やプリンタ等の画像形成装置は、市場からの要求にともない、フルカラーの画像を形成可能なものが多くなってきている。このようなカラー画像も形成可能な画像形成装置には、例えば複数の感光体を並べて配置すると共にその各感光体に対応させて異なる色のトナーで現像をする現像装置をそれぞれ設け、各感光体上にそれぞれ単色トナー画像を形成し、その単色のトナー画像をベルト状あるいはドラム状の中間転写体上に順次転写していくことによりフルカラーの合成カラー画像を形成する、いわゆるタンデム型のものがある。
その一例を図31に示すと、このカラーの画像形成装置は、一直線上に配置された複数の各感光体96Y,96C,96M,96K上に形成されたそれぞれ異なる色のトナー画像を、矢示B方向に回動する中間転写体である中間転写ベルト94上に順次重ね合わせていくように転写していき、その中間転写ベルト94上の画像を2次転写装置95によりシートP上に一括転写するものである。
【0003】
このようなタンデム型のカラーの画像形成装置では、各感光体上に形成した異なる色のトナー画像を上述したように中間転写ベルト上に重ね合わせてカラー画像を形成するため、その各色の画像の重ね合わせ位置が互いにずれてしまうと、画像上において色ずれや微妙な色合いに変化が生じてしまうようになるので画像品質が低下してしまう。したがって、その各色のトナー画像の位置ずれ(色ずれ)は重要な問題である。
そこで、従来の複数色の画像を形成する画像形成装置には、例えば特許文献1に記載されているように、2色の画像を主走査方向及び副走査方向の両方向で一致させることができるようにしたものがある。
【0004】
【特許文献1】
特許第3254244号公報(第3〜4頁、図1〜図7)
【特許文献2】
特開平11−24507号公報(第3〜4頁、第1図)
【0005】
この特許文献1に記載されている技術は、ドラム状の感光体表面の周方向に互いに離れた2箇所の位置に書き込み装置からのレーザビームがそれぞれ照射され、そこに画像がそれぞれ書き込まれるようになっている。そして、その感光体の周面近傍には感光体表面に書き込まれてそれぞれ現像された2色(黒と赤)のトナー像の位置ずれを検知するための光学センサが設けられている。
この画像形成装置では、図32に示すように、例えば矢示Aの主走査方向の黒と赤のトナー像の位置ずれを検出するためのトナー像パターン143を主走査方向に等間隔に複数形成し、その黒の各トナー像パターン1431b,1432b,1433b(右上がりのハッチングで示している)及び赤のトナー像パターン1431r,1432r,1433r(右下がりのハッチングで示している)の主走査方向の幅をそれぞれ3ドット幅にしている。また、その各トナー像パターン間の間隔も3ドット幅にしている。
【0006】
したがって、黒の各トナー像パターン1431b,1432b,1433bと赤のトナー像パターン1431r,1432r,1433rが主走査方向にずれなく一致しているときには図32に示すようになり、各トナー像パターン間の隙間は最大の3ドットになる。したがって、このトナー像パターン143を光学センサで検知した際のセンサ出力は最大(反射光量が最大)になる。
また、その黒の各トナー像パターン1431b,1432b,1433bと赤のトナー像パターン1431r,1432r,1433rとが相対的に主走査方向に1ドットずれたときには図33に示すようになり、各トナー像パターン間の隙間は2ドットとなり、センサ出力は上記の場合よりも小さくなる。
【0007】
さらに、その黒の各トナー像パターン1431b,1432b,1433bと赤のトナー像パターン1431r,1432r,1433rとが相対的に主走査方向に3ドットずれたときには図34に示すようになり、各トナー像パターン間の隙間は0(零)となり、センサ出力は最低となる。
そこで、この画像形成装置では、上記のような2色のトナー像の組合せからなるトナー像パターンで、その2色のトナー像の相対的なずれを検出した場合には、その主走査方向にずれた分だけ書込装置のレーザビームの書き込みタイミングを補正するようにしている。そして、この特許文献1には、このような2色のトナー像の位置ずれ補正は、副走査方向についても同様に行える点が記載されている。
【0008】
ここで、この特許文献1に記載されている技術をタンデム型のカラーの画像形成装置に適用して、中間転写ベルト上に上記の2色からなるトナー像パターン(色ずれ検出用のパターン)を形成するようにすれば、主走査方向と副走査方向の両方について2色のトナー像を一応は一致させることができる。
しかしながら、中間転写体として中間転写ベルトを使用している画像形成装置の場合には、中間転写ベルトの速度に速度ムラが生じれば、その中間転写ベルトに各感光体から順次転写される色違いのトナー像は、ベルトの移動方向となる副走査方向にその速度変動が生じた分だけずれるようになるので、それによって色ずれが発生する。
【0009】
すなわち、タンデム型のカラーの画像形成装置の場合には、中間転写ベルトの速度を常に一定に保つことが極めて重要となる。そこで、従来の転写ベルトを使用したカラーの画像形成装置には、例えば特許文献2に記載されているように、転写ベルトの速度ムラを補正するようにしたものがある。
この特許文献2には、駆動ローラを1本含む5本の支持ローラ間に中間転写ベルト(転写ベルト)を回動可能に張架し、その中間転写ベルトの外周面に、シアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの4色のトナー画像を順次重ね合わせ状態に転写していくことによりフルカラーの画像を形成するカラー複写機が記載されている。
【0010】
このカラー複写機の中間転写ベルトの内面には、微細且つ精密な目盛(マーク)で形成したスケールを設けて、そのスケールを光学型の検出器で読み取って中間転写ベルトの移動速度を正確に検知し、その検出した移動速度をフィードバック制御系によりフィードバック制御して中間転写ベルトを正確な移動速度になるように制御している。
そして、そのフィードバックの制御系に、上記検出器の他に位置制御回路,速度制御回路,電力変換回路,位置検出回路,速度検出回路等を設け、その位置制御回路で位置検出回路からの正確且つ微細な位置信号と中間転写ベルトの目標位置との偏差を演算し、それにより中間転写ベルトの目標速度を正確に算出し、それを速度制御回路に出力するようにしている。その速度制御回路は、位置制御回路から入力した正確な目標速度と、速度検出回路から入力する速度信号との偏差を演算し、それにより中間転写ベルトを駆動するモータに供給する正確な電気量を算出してそれを電力変換回路に出力し、上記モータの駆動を制御することにより中間転写ベルトの移動を正確な移動速度にしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このような中間転写ベルトの速度制御を精度よく行おうとすれば、その中間転写ベルト上に形成するスケールの目盛を精度良く形成(印刷や刻印等)することが不可欠である。ところが、そのスケールの個々の目盛を、仮に高い精度度で且つ精細に形成したとしても、そのスケール全体が理想とする位置関係(絶対位置)に常になっていなければ、そのスケールを使用して速度制御を行う中間転写ベルトは正しい速度に制御されない。
また、このような中間転写ベルトは、実際には回動時に伸縮したり、経時的にその表面が汚れることによりスケールが汚れてしまったり、そのスケールの目盛を刻印等で形成している場合にはその精度にバラツキが生じてしまったりすることがあるため、スケール全体を理想とする位置関係にするのは非常に難しいということがあった。
この発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、スケール全体が理想とする位置関係に対しずれているときのように中間転写ベルト等の中間転写体を速度制御する制御系が速度誤差を生じるような場合でも、中間転写体を色ずれが生じないように正確に速度補正することができるようにすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の目的を達成するため、2個以上のn個のそれぞれ異なる色のトナー像を個別に担持してそれぞれ回転するn個の感光体と、その各感光体にそれぞれ対応する色の画像を書き込むために各感光体間の距離に応じた発光タイミングでそれぞれ光を照射する画像書込手段と、各感光体上に形成された各色のトナー像が重ね合わせ状態に順次転写されていくように回動する中間転写体と、その中間転写体を上記n個のトナー像が重ね合わせ状態になるように速度制御する移動速度制御手段とを備えた中間転写装置において、
上記中間転写体上に異なる色のトナー像の組合せからなる色ずれ検出用のパターンを全周に亘って形成するパターン形成手段と、その手段により形成された上記パターンからそのパターンを形成している色のトナー像の上記中間転写体の移動方向の相対的な位置ずれを検出する位置ずれ検出手段と、その位置ずれ検出手段が検出した位置ずれ情報を基にしてその位置ずれを正すように上記中間転写体の移動速度を補正する移動速度補正手段とを設けたものである。
【0013】
上記移動速度補正手段は、上記中間転写体の全周に亘ってその移動方向に沿って当間隔に多数形成されたマークからなるスケールをセンサで読み取り、上記各マークの読み取りタイミングから上記中間転写体の実速度を検出して、その実速度を基に上記中間転写体の移動速度を補正する手段であるようにするとよい。
また、その移動速度補正手段は、中間転写体の移動方向に隣合う上記マーク間の距離と上記中間転写体の移動速度とにより決まる等間隔のパルス状に連続する位置司令信号を補正することにより上記中間転写体の移動速度を補正する手段であるようにしてもよい。
さらに、上記移動速度補正手段は、上記各マークを上記センサが読み取る度に出力される信号の出力タイミングを基準にして上記中間転写体の移動速度を補正する手段であるようにしてもよい。
【0014】
上記移動速度補正手段による速度補正は、上記位置ずれ情報を基にして中間転写体の1周内ごとに行うものとし、その補正する移動速度の補正量は中間転写体のホームポジションを基準とした各位値ごとにそれぞれ割り振って配分するとよい。
また、上記移動速度の補正は、補正速度を数段階に分けた段階的な速度補正とし、その補正速度を変更するタイミングは上記センサが上記各マークを読み取る度に出力する信号の複数個分ごとに行うようにするとよい。
【0015】
上記いずれかの中間転写装置において、上記位置ずれ検出手段は上記パターンに対して光を照射してその反射率により上記位置ずれを検出する手段であり、上記パターン形成手段は上記n個の色のトナー像を2色ずつ組み合わせて色違いの組合せパターンを複数組形成する手段であり、その各組のパターンごとに得られる上記中間転写体の移動方向の位置に対する反射率の関係を示す位置ずれパターンを互いに対比させ、上記n個の各感光体の中間転写体の移動方向の配設位置関係からそれぞれ予測される上記各組の予測位置ずれパターンに対して上記位置ずれ検出手段が検出した実際の位置ずれパターンが一定値を超えてずれているときは、その一定値を超えた色のトナー像を担持する感光体の回転速度を上記一定値を超えたずれ量を正すように補正する手段を設けるとよい。
【0016】
複数組形成する上記色違いの組合せパターンは、1つの色を特定色として選択し、その特定色以外の他の全ての色を1色ずつ上記特定色とそれぞれ組み合わせて形成されている各パターンであるようにするとよい。
また、上記各組のパターンごとに得られる上記中間転写体の移動方向の位置に対する反射率の関係の互いの対比は、上記特定色とその特定色以外の中から選択した1色とを組み合わせた1つのパターンを常に対比基準にするとよい。
そして、その特定色は、中間転写体の移動方向に対して最も上流側に位置する感光体に形成されるトナー像の色にするとよい。
【0017】
上記中間転写装置において、上記特定色の選択はn個の色を全て総あたりとした全組合せの色違いのパターンについて位置ずれパターンを測定し、最初に任意に選択した第1色を基準にして組み合わせた異なるn−1個の各パターンからそれぞれ得た上記位置ずれパターンの相関を見ると共に、上記第1色を除いた全ての色を互いに組合せた上記位置ずれパターンの相関を見て、上記第1色の実際のずれ位置が予測される予測ずれ位置に対して相関が保たれる一定値以内にあればその第1色を上記特定色として選択し、一定値を超えていれば次以降に任意に選択する第2色以降を同様に基準にしてその第2色以降が特定色に成り得るかを同様に順次判断していくことにより上記特定色を選択する手段を設けるとよい。
上記感光体の回転速度の補正は、その感光体の1回転内で上記ずれ量が上記一定値を超えた部分について行うとよい。
【0018】
また、上記いずれかの中間転写装置において、上記色ずれ検出用のパターンは全てを同時に中間転写体上に主走査方向に間隔を置いて全周に亘って形成し、その各パターンに対応させてそのパターンをそれぞれ検知可能にセンサを複数個設けるとよい。
上記色ずれ検出用のパターンは順に1本ずつ中間転写体の全周に亘って形成していき、上記位置ずれ検出手段が上記パターンから位置ずれ情報を検出した後に中間転写体上のパターンを消去し、その後に次以降の色の組合せが異なるパターンを同様に順次形成していくことにより上記位置ずれ情報を検出していくようにするとよい。
上記色ずれ検出用のパターンは、異なる色の組合せによって形成された複数の各パターンが中間転写体の移動方向に沿って順に配置されて全周に亘って形成されているようにするとよい。
【0019】
あるいは、上記パターンを1本形成して上記位置ずれを検出した後にそのパターン消去して主走査方向の同じ位置に上記パターンを今度はその書き出し開始位置のパターンを初回に形成したパターンと色違いの組合せのパターンが位置するように中間転写体の移動方向にずらして形成して1本目と同様に上記位置ずれを検出し、以降はそのパターンを消去して同様に更に色違いの組合せのパターンが書き出し開始位置に位置するようにn−1本まで形成していくようにしてもよい。
上記中間転写体は、複数のローラ間に張装されて回動する無端状のベルト部材で形成されているようにするとよい。
また、上記いずれかの中間転写装置を備えた画像形成装置も提供する。
【0020】
さらに、中間転写体上にその移動方向に沿って等間隔に多数のマークが配置されたスケールをセンサで検知し、その各マークの読み取りタイミングから中間転写体の実速度を検出して、中間転写体上にn個の感光体からの各トナー像が重ね合わせ状態になるように中間転写体の移動速度を上記実速度を基にして速度制御し、中間転写体上にはそれぞれ異なる2色ずつ組み合わせた色違いのトナー像からなる色ずれ検出用のパターンを中間転写体の移動方向に沿って全周に亘って形成し、その各組のパターンに対してセンサからそれぞれ光を照射してそのときの反射率により、各組のパターンごとに色の異なるトナー像の中間転写体の移動方向の相対的な位置ずれを検出し、その検出した位置ずれ情報を基にしてその位置ずれを正すように中間転写体の移動速度を補正する中間転写体の移動速度補正方法も提供する。
【0021】
さらにまた、上記中間転写体の移動速度補正方法の感光体の回転速度を補正する感光体回転速度補正方法であって、上記色違いの組合せパターンごとに得られる中間転写体の移動方向の位置に対する反射率の関係を示す位置ずれパターンを互いに対比させ、n個の各感光体の中間転写体の移動方向の配設位置関係からそれぞれ予測される上記各組の予測ずれパターンに対して上記反射率により実際に検出した上記位置ずれパターンが一定値を超えてずれているときは、その一定値を超えた色のトナー像を担持する感光体の回転速度を上記一定値を超えたずれ量を正すように補正する感光体回転速度補正方法も提供する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1はこの発明の一実施形態例である中間転写装置を制御系と共に示す概略構成図、図2は同じくその中間転写装置を備えた画像形成装置の一例を示す全体構成図である。
図2に画像形成装置の一例として示すカラー複写機は、中間転写体である中間転写ベルト10を使用したタンデム型の電子写真装置であり、給紙テーブル2上に複写機本体1を載置している。その複写機本体1の上にはスキャナ3を取り付けると共に、その上に原稿自動給送装置(ADF)4を取り付けている。
複写機本体1内には、その略中央に駆動ローラ9,従動ローラ15,16間に張装されて図2の矢印方向に回動する無端ベルト状の中間転写ベルト10を有する中間転写装置20を設けている。その中間転写ベルト10は、従動ローラ15の左方に設けられているクリーニング装置17により、その表面に画像転写後に残留する残留トナーが除去されるようになっている。
【0023】
その中間転写ベルト10の駆動ローラ9と従動ローラ15の間に架け渡された直線部分の上方には、その中間転写ベルト10の移動方向に沿って、異なる色の画像を外面にそれぞれ形成するブラック,イエロー,マゼンタ,シアン用の4つの画像形成部18を構成するドラム状の感光体40B,40Y,40M,40C(以下、特定しない場合には単に感光体40と呼ぶ)を、それぞれ図2で反時計回り方向に回転可能に設けている。そして、その各感光体上に形成された各画像(トナー画像)が、中間転写ベルト10上面に直接重ね合わせ状態に順次転写されていくようになっている。
そのドラム状の感光体40の回りには、帯電装置60、現像装置61、1次転写装置62、感光体クリーニング装置63、除電装置64をそれぞれ設けている。そして、その感光体の上方に、画像書込手段である書込装置21を設けている。
その書込装置21は、4つの異なる色の画像を形成するための4個のレーザダイオードを備えており、その各レーザダイオードから4個の各感光体40にそれぞれ光(レーザビーム)が照射されて、そこにデジタル画像データの書き込みがそれぞれ行われる。
【0024】
一方、中間転写ベルト10の下側には、その中間転写ベルト10上の画像を記録材であるシートPに転写する転写部となる2次転写装置22を設けている。その2次転写装置22は、2つのローラ23,23間に無端ベルトである2次転写ベルト24を掛け渡したものであり、その2次転写ベルト24が中間転写ベルト10を介して従動ローラ16に押し当たるようになっている。この2次転写装置22は、2次転写ベルト24と中間転写ベルト10との間に送り込まれるシートPに、中間転写ベルト10上のトナー画像を一括転写する。
【0025】
その2次転写装置22のシート搬送方向下流側には、シートP上のトナー画像を定着する定着装置25があり、そこでは無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27が押し当てられている。
なお、2次転写装置22は、画像転写後のシートを定着装置25へ搬送する機能も果たす。また、この2次転写装置22は、転写ローラや非接触のチャージャを使用した転写装置であってもよい。
その2次転写装置22の下側には、シートの両面に画像を形成する際にシートを反転させるシート反転装置28を設けている。
【0026】
このカラー複写機は、カラーのコピーをとるときは、原稿自動給送装置4の原稿台30上に原稿をセットする。また、手動で原稿をセットする場合には、原稿自動給送装置4を開いてスキャナ3のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動給送装置4を閉じてそれを押える。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動給送装置4に原稿をセットしたときは、その原稿がコンタクトガラス32上に給送される。また、手動で原稿をコンタクトガラス32上にセットしたときは、直ちにスキャナ3が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行を開始する。そして、第1走行体33の光源から光が原稿に向けて照射され、その原稿面からの反射光が第2走行体34に向かうと共に、その光が第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読取りセンサ36に入射して、原稿の内容が読み取られる。
【0027】
また、上述したスタートスイッチの押下により、中間転写ベルト10が回動を開始する。さらに、それと同時に各感光体40B,40Y,40M,40Cが回転を開始して、その各感光体上にブラック,イエロー,マゼンタ,シアンの各単色画像を形成する動作を開始する。そして、その各感光体上に形成された各色の画像は、図2で時計回り方向に回動する中間転写ベルト10上に重ね合わせ状態に順次転写されていき、そこにフルカラーの合成カラー画像が形成される。
一方、上述したスタートスイッチの押下により、給紙テーブル2内の選択された給紙段の給紙ローラ42が回転し、ペーパーバンク43の中の選択された1つの給紙カセット44からシートPが繰り出され、それが分離ローラ45により1枚に分離されて給紙路46に搬送される。
【0028】
そのシートPは、搬送ローラ47により複写機本体1内の給紙路48に搬送され、レジストローラ49に突き当たって一旦停止する。
また、手差し給紙の場合には、手差しトレイ51上にセットされたシートPが給紙ローラ50の回転により繰り出され、それが分離ローラ52により1枚に分離されて手差し給紙路53に搬送され、レジストローラ49に突き当たって一旦停止状態になる。
そのレジストローラ49は、中間転写ベルト10上の合成カラー画像に合わせた正確なタイミングで回転を開始し、一旦停止状態にあったシートPを中間転写ベルト10と2次転写装置22との間に送り込む。そして、そのシートP上に2次転写装置22でカラー画像が転写される。
【0029】
その画像が転写されたシートPは、搬送装置としての機能も有する2次転写装置22により定着装置25へ搬送され、そこで熱と加圧力が加えられることにより転写画像が定着される。その後、そのシートPは、切換爪55により排出側に案内され、排出ローラ56により排紙トレイ57上に排出されてそこにスタックされる。
また、両面コピーモードが選択されているときには、片面に画像を形成したシートPを切換爪55によりシート反転装置28側に搬送し、そこで反転させて再び転写位置へ導き、今度は裏面に画像を形成した後に、排出ローラ56により排紙トレイ57上に排出する。
【0030】
中間転写装置20は、図1に示すよう4個(2個以上のn個であってもよい)のそれぞれ異なる色のトナー像を個別に担持してそれぞれ回転する4個の感光体40B,40Y,40M,40Cと、その各感光体40にそれぞれ対応する色の画像を書き込むために各感光体40間の距離に応じた発光タイミングでそれぞれ光を照射する書込装置(画像書込手段)21と、各感光体40上に形成された各色のトナー像が重ね合わせ状態に順次転写されていくように矢示C方向に回動する中間転写ベルト(中間転写体)10と、その中間転写ベルト10を4個のトナー像が重ね合わせ状態になるようにベルト駆動モータ7を速度制御する移動速度制御手段として機能する制御装置70とを備えている。
【0031】
また、この中間転写装置20は、中間転写ベルト10上に異なる色のトナー像の組合せからなる色ずれ検出用のパターンを全周に亘って形成するパターン形成手段と、その手段により形成された上記パターンをセンサ37で検知した情報からそのパターンを形成している色のトナー像の中間転写ベルト10の移動方向の相対的な位置ずれを検出する位置ずれ検出手段と、その位置ずれ検出手段が検出した位置ずれ情報を基にしてその位置ずれを正すように上述した中間転写体移動手段の移動速度を補正する移動速度補正手段も設けている。
そして、この実施の形態では、上記パターン形成手段は書込装置21と制御装置70とが機能し、位置ずれ検出手段はセンサ37と制御装置70とが機能している。また、移動速度補正手段は制御装置70が機能している。
【0032】
中間転写ベルト10は、ベルト駆動モータ7により駆動ローラ9を介して図1の矢示C方向に回動されるようになっている。すなわち、ベルト駆動モータ7の回転力は、中間転写ベルト10を回動可能に張架すると共にそのベルトを駆動する駆動ローラ9に伝達され、その駆動ローラ9の回転により中間転写ベルト10が矢示C方向に回動される。
なお、ベルト駆動モータ7は、回転力を駆動ローラ9に直接伝達するものであってもよいし、その間にギヤを介したものであってもよい。
中間転写ベルト10は、例えば弗素系樹脂,ポリカーボネート樹脂,ポリイミド樹脂等で形成するベルトであり、そのベルトの全層や、その一部を弾性部材で形成するようにした弾性ベルトを使用したりする。
そして、この中間転写ベルト10に、感光体40B,40Y,40M,40Cの順に、そこに形成されている異なる色の単色画像(トナー像)が順次重ね合わせ状態に転写されていく。
【0033】
制御装置70による中間転写ベルト10の速度制御は、上述したようにベルト駆動モータ7の回転数を調整することにより行うが、その速度制御は、中間転写ベルト10上にその移動方向に沿って当間隔に多数のマーク5a(図3参照)が配置されたスケール5をそれに対応させて設けているセンサ6で検知し、その各マーク5aの読み取りタイミングから中間転写ベルト10の実速度を検出して、その実速度を基にして中間転写ベルト10上に4個の感光体40からのトナー像が重ね合わせ状態になるように中間転写ベルト10を回動させることにより行う。
【0034】
すなわち、中間転写ベルト10の内面には、図3及び図4に示すように中間転写ベルト10の移動方向に沿って連続して交互に規則正しく配置した反射部となるマーク5aと、そのマーク5a間に位置する非反射部5bとが交互に中間転写ベルト10の全周に亘って当間隔に形成してある。
そのマーク5aは、図4に示すように白色に形成されていて、そのマーク5aと5aの間の非反射部5bが黒色(ハッチングで示している)に形成されている。また、そのスケール5のベルト幅方向(主走査方向)の位置は、例えば感光体の端部に対応する位置にしている。
なお、このスケール5を検知する図1に示したセンサ6の配設位置は、中間転写ベルト10が直線状に張架された部分のベルト面のスケール5を検知できる位置であれば、いずれの場所であってもよい。
【0035】
そのセンサ6は、その一例を図4に示すように、例えば一対の発光部6aと受光部6bとを備えた反射型光学センサであり、発光部6aからスケール5に向けて照射した光の反射光を受光部6bで受光し、その際にスケール5のマーク5aと非反射部5bとで異なる反射光量を検出する。
このセンサ6は、スケール5のマーク5aと非反射部5bとで異なる反射率により正弦波のアナログ信号波形を得て、それをセンサ内の回路によりデジタル信号に変換した後、HighとLowの2値の信号にして、それを受光部6bが出力する。
【0036】
ここで、この実施の形態では、センサ6は受光部6bが光を受光するとHigh信号を出力するタイプのものを使用しているので、スケール5のマーク5aの反射率が非反射部5bよりも高くなるので、センサ6から出力される信号は図4のtの範囲が、マーク5aがセンサ6を通過している間の出力となる。したがって、中間転写ベルト10が回動するに伴い、センサ6の検出範囲を通過するマーク5aの有無により、センサ6の出力がHigh、Lowを図示のように繰り返す。
したがって、その信号がLowからHighに変化した時点から次のLowからHighに変化するまでの時間Tを求めることにより、中間転写ベルト10の表面の移動速度(以下、単にベルト速度ともいう)を検出することができる。
【0037】
図5はそのスケールを使用して行う中間転写ベルトのベルト速度制御ループを示すブロック図である。
このベルト速度制御では、等時間間隔の連続するパルスからなる位置司令信号と、上述したように中間転写ベルト10上のスケール5を検知して得た位置検知のスケール信号がフィードバックされてくる。したがって、その位置検知のスケール信号と位置司令信号とを位置制御ブロック39で比較し、それらのずれ量を計測する。
そして、そのずれ量を電力変換アンプ38で電力に変換し、そのずれ量を正すようにベルト駆動モータ7の回転数を制御する。それにより、中間転写ベルト10のベルト速度が、位置司令信号に正しく追従するように制御される。
このように、中間転写ベルト10上のスケール5を基にして、中間転写ベルト10のベルト速度を直接位置制御することにより、ベルト駆動モータ7の回転数を検出するために設けているエンコーダ(図示せず)や、ベルト駆動モータ7や、中間転写ベルト10等の各部のバラツキがあったとしても、それがベルト速度に影響を与えないようにすことができ、それによりベルト速度を正確な速度に制御することができる。
【0038】
このように、センサ6がベルト速度に対応して出力する情報から中間転写ベルト10の表面の実際の移動速度を検出し、それに応じてその中間転写ベルト10の移動速度を、図1に示した制御装置70が予め設定した基本速度になるように制御する。
その制御装置70は、各種判断及び処理機能を有する中央処理装置(CPU)と、各処理プログラム及び固定データを格納したROMと、処理データを格納するデータメモリであるRAMと、入出力回路(I/O)とからなるマイクロコンピュータを有している。
【0039】
その制御装置70は、ベルト駆動モータ7に対しそれを駆動するための信号を出力し、そのベルト駆動モータ7を中間転写ベルト10が基本速度(定常速度)で回動するように制御する。中間転写ベルト10が回動すると、センサ6はベルト上のスケール5を読み取り、その検出情報が制御装置70にフィードバックされる。
その際、制御装置70は、フィードバックされた情報から得たベルト速度が基本速度に一致していれば、そのままベルト駆動モータ7の回転数を維持することにより(変更なし)、中間転写ベルト10をそのまま基本速度で回動させ続ける。
【0040】
また、そのフィードバックされた情報から得たベルト速度が基本速度と相違する場合には、その差を算出して、中間転写ベルト10のベルト速度が基本速度になるように、ベルト駆動モータ7の回転数を制御する。
制御装置70がセンサ6から中間転写ベルト10の回動に応じて入力するのは、2値化した信号のパルスであり、制御装置70は予め設定した規定時間内にカウントした上記パルスのカウント値を基準カウント値(基本速度に対応するカウント値)と比較し、その差のプラスあるいはマイナスによりベルト駆動モータ7に与えるフィードバック量を計算する。
【0041】
次に、制御装置70が行う中間転写ベルト10のベルト速度の制御について、図6を参照して詳しく説明する。
図1に示した制御装置70は、所定のタイミングで図6に示す中間転写ベルトの移動速度制御処理をスタートさせる。
まずステップ1で、ベルト駆動モータ7をONにして、それを目標速度である基本速度Vで回転させるようにし、ステップ2へ進む。そこでは、ベルト駆動モータ7をOFFにする信号を入力しているか否かを判断し、OFF信号を入力していればステップ3へ進んでベルト駆動モータ7をOFFにして、この処理を終了する。
また、ステップ2でOFF信号を入力していなくてステップ4へ進んだときには、そこでフィードバックされるセンサ6からの信号を入力し、その情報から中間転写ベルト10の表面の実際の速度V′を検出する。そして、次のステップ5で、基本速度Vと実際の速度V′との速度比較を行う。
【0042】
次のステップ6では、その基本速度Vと実際の速度V′とが同じでないか(V≠V)を判断し、その基本速度Vと実際の速度V′が同じで、その間に速度差がなければ(許容できる速度差)、中間転写ベルト10は基本速度Vと同じ速度でベルト表面が回転していると判断できるので、そのまま基本速度Vで制御を継続してステップ2へ戻り、再びそのステップ2以降の判断及び処理を繰り返す。
また、ステップ6の判断で、基本速度Vと実際の速度V′とが同じでないときにはステップ7に進んで、そこで基本速度Vと中間転写ベルト10の実際の速度V′とのベルト表面の速度差V″を計算する。
そして、ステップ8で、その速度差V″がV″>0であるか否かを判断し、V″>0であれば(YESの判断)、基本速度Vよりも、中間転写ベルト10の実際の速度V′の方が遅いと判断できるので、基本速度Vに速度差V″を加えた速度V1になるように、ベルト駆動モータ7の回転数を制御し、その後ステップ2へ戻る。
【0043】
また、ステップ8の判断で速度差V″がV″>0でないときには、速度差V″はV″<0であって中間転写ベルト10の実際の速度V′のベルト表面速度が基本速度Vよりも速いと判断できるので、ステップ10へ進んで、そこで基本速度Vから速度差V″を差し引いた速度V2になるように、ベルト駆動モータ7の回転数を制御し、その後ステップ2へ戻る。
そして、そのステップ2以降の判断及び処理を繰返すことにより、中間転写ベルト10の表面の実際の速度V′が基本速度Vになるように補正制御する。そして、ステップ2でベルト駆動モータ7をOFFにする信号の入力を判断するとステップ3へ進んで、ベルト駆動モータ7をOFFにして、この処理を終了する。なお、スケール5は、中間転写ベルト10の外側の面に設けてもよいが、そうするとその目盛がトナー等により汚れやすくなるので、この実施の形態ではスケール5を中間転写ベルト10の内面側に形成するようにしている。
【0044】
ところで、図2で説明した画像形成装置は、フルカラーの画像を形成するときには、4つの各感光体40の帯電された帯電面に書込装置21の4つのレーザダイオードからそれぞれ光を照射してそこに画像(潜像)を形成し、それを各現像装置61によりそれぞれ異なる色のトナーで現像してトナー像とし、その各色のトナー像を中間転写ベルト10上に順次重ね合わせ状態に転写していき、そこに合成のフルカラー画像を得る。
その場合、1色目のブラック画像を中間転写ベルト10上に転写するタイミングに対し、2色目のイエロー画像を中間転写ベルト10上のブラック画像の上に重ね合わせて転写するタイミングは、中間転写ベルト10が感光体40Bから感光体40Yまで移動する時間分だけ時間をずらすようにする必要がある。そのため、精密な重ね合わせのカラー画像を得るためには、上記の時間ずれを高精度で補正する必要がある。
同様に、3色目のマゼンタ色及び4色目のシアン色の画像についても、同様に転写タイミングをそれぞれずらす必要がある。
【0045】
そこで、この実施の形態による中間転写装置20では、次に示すような方法で上記のタイミング調整を行っている。
まず、正規の画像形成動作に先だって、図7に示すように中間転写ベルト10上に各色のトナー像の位置ずれ(色ずれ)を検知するためのタイミング調整用のパターン81,82,83を、正規の画像形成動作に先だってそれぞれ形成する。
すなわち、予め基準色を例えばブラックとし、それぞれ短冊状のパターンからなるブラックパターン81Bとイエローパターン81Y(図7では両者は重なっている)との組合せによる第1組合せのパターン81を、例えば3本(数は適宜増減可)ずつ縦横に、光学式のセンサ37に対応する位置にそれぞれ形成する。次に、その第1組合せのパターン81に続いて、中間転写ベルト10の移動方向(矢示C方向)に、同様にそれぞれ短冊状のパターンからなるブラックパターン82Bとマゼンタパターン82Mとの組合せによる第2組合せのパターン82を、同様に3本ずつ縦横にそれぞれ形成する。
【0046】
さらに、その第2組合せのパターン82に続いて、中間転写ベルト10の移動方向(矢示C方向)に、同様にそれぞれ短冊状のパターンからなるブラックパターン83Bとシアンパターン83Cとの組合せによる第3組合せのパターン83を、同様に3本ずつ縦横にそれぞれ形成する。なお、この第1組合せのパターン81,第2組合せのパターン82,第3組合せのパターン83は、さらに2順以上中間転写ベルト10の移動方向に連続させてもよい。
このパターン81,82,83は、いずれも図1に示した書込装置21が各感光体40B,40Y,40M,40C上に電子写真方式により各パターン書き込んで、それを対応する各色のトナーで現像したトナー像を各1次転写装置62により中間転写ベルト10に転写することにより形成する。
【0047】
そのパターン81,82,83は、ブラックに組合せる色が異なるだけの同様なパターンである。したがって、その中で代表して第1組合せのパターン81について、図8を参照して詳しく説明する。
なお、第1組合せのパターン81,第2組合せのパターン82,第3組合せのパターン83を使用して行う位置ずれ検知は、基本的には図32乃至図34で説明したものと同様であり、そのパターンを形成するのが中間転写ベルト10上である点と、各色の位置ずれ検知を行う方向が、主走査方向と副走査方向の2方向である点のみが異なる。
【0048】
第1組合せのパターン81は、図8に示すように例えば矢示Cの副走査方向におけるブラック色とイエロー色のトナー像の互いの位置ずれを検出するために、そのブラック色のトナー像からなる短冊状のブラックパターン81B(右上がりのハッチングで示している)と、イエロー色のトナー像からなるイエローパターン81Y(右下がりのハッチングで示している)とを組み合わせたパターンであり、図8ではそのブラックパターン81Bとイエローパターン81Yが全く一致した状態(位置ずれゼロの場合)にある場合を示している。
その各ブラックパターン81Bとイエローパターン81Yは、副走査方向と主走査方向(矢示B)とにそれぞれ3本ずつ平行させて形成するものであり、そのいずれのものも短手側の幅は、この例ではそれぞれ3ドット幅(3d)にしている。また、その互いに隣合う各ブラックパターン81B間及び各イエローパターン81Y間も、同様に3ドット幅(3d)にしている。
【0049】
したがって、ブラックパターン81Bとイエローパターン81Yが主走査方向及び副走査方向にずれなく一致しているときには図8に示したようになり、そのブラックパターン81B間及びイエローパターン81Y間の隙間は最大の3ドットとなる。したがって、この第1組合せのパターン81を光学センサであるセンサ37で検知した際のセンサ出力は最大(反射光量が最大)となる。
ここで、そのブラックパターン81Bとイエローパターン81Yとが相対的に図8の矢示Cの副走査方向に1ドットずれたときには、各パターン間の隙間、すなわち隣合うブラックパターン81Bとイエローパターン81Yとの間の隙間は2ドットとなって、センサ出力は上記の場合よりも小さくなる(図33の場合と同様)。
【0050】
さらに、そのブラックパターン81Bとイエローパターン81Yとが相対的に副走査方向に3ドットずれたときには、各パターン間の隙間、すなわち隣合うブラックパターン81Bとイエローパターン81Yとの間の隙間は0(零)となり、センサ出力は最低となる。
そこで、この画像形成装置では、上記のような2色のブラックパターン81Bとイエローパターン81Yの組合せからなる第1組合せのパターン81により、ブラックとイエローのトナー像の相対的なずれを検出した場合には、その副走査方向にずれた分だけ書込装置21(図1及び図2参照)のレーザビームの書き込みタイミングを補正するようにしている。
同様に、主走査方向に3本平行させて形成しているブラックパターン81Bとイエローパターン81Yとからなる第1組合せのパターン81により、主走査方向のブラック色とイエロー色のトナー像の互いの位置ずれも検出して、ブラックとイエローのトナー像の相対的なずれが生じている分だけ、書込装置21のレーザビームの書き込みタイミングを補正するようにしている。
【0051】
このようにして、第1組合せのパターン81によりブラックとイエローのトナー像の相対的なずれを補正し、同様な方法でブラックとマゼンタのトナー像からなる第2組合せのパターン82を使用して、ブラックとマゼンタの副走査方向及び主走査方向のトナー像の相対的なずれをそれぞれ補正する。さらに、同様にブラックとシアンのトナー像からなる第3組合せのパターン83を使用して、ブラックとシアンの副走査方向及び主走査方向のトナー像の相対的なずれをそれぞれ補正する。
このようにすることで、この画像形成装置では、各色の画像の転写タイミングを調整することにより、各色のトナー像を重ね合わせた際の位置ずれを無くすようにしている。
【0052】
図9は上述したタイミング調整用の各組合せパターンを形成する動作を説明するためのブロック図である。
この実施の形態による中間転写装置20では、次に示すような動作手順で上記のタイミング調整を行っている。
図9に示すように、パターン発生スタート信号を基準パターン発生装置100が入力すると、その基準パターン発生装置100はトリガとしてパターンデータを書込装置21のブラック用の画像書込部21Bに出力する。それにより、画像書込部21Bがブラックパターン81Bを形成するためのレーザ光を照射して、感光体40B上にブラックパターン81Bに対応する画像を形成する。
また、ブラックパターン81Bに組み合わせるイエロー,マゼンタ,シアンの各比較用のパターン書込信号は、比較パターン発生装置104からそれぞれ出力されるが、そのイエロー,マゼンタ,シアンの各画像を形成する各感光体40Y,40M,40Cは、副走査方向にそれぞれ異なる位置に配置されている(図1参照)。
【0053】
したがって、その各感光体間の時間分だけ発光タイミング(書込タイミング)が、第1時間遅延ユニット101,第2時間遅延ユニット102,第3時間遅延ユニット103でそれぞれ遅延されて、イエロー用の画像書込部21Y,マゼンタ用の画像書込部21M,シアン用の画像書込部21Cにそれぞれ出力される。それにより、その画像書込部21Y,21M,21Cから各感光体40Y,40M,40Cに、ブラックパターン81B,82B,83Bにそれぞれ組み合わせる比較用のイエローパターン81Y,マゼンタパターン82M,シアンパターン83Cに対応するレーザ光が照射され、そこに各画像が形成される。
したがって、このようにして各感光体40上に形成した潜像を対応する色の現像装置で現像してトナーにした後に、それを中間転写ベルト10上に転写して図7に示した第1〜第3の組合せのパターン81〜83を形成する。
【0054】
なお、第1,第2,第3時間遅延ユニット101,102,103の各遅延量は、別の手段により基本遅延量を設定し、細かい位置補正を本方式の上記組合せパターンの位置変化により検出した結果を基にして補正する。
また、図7乃至図9で説明したタイミングの調整方法は、その一例を示したものであり、例えば図13以降で説明する2色のトナー像を組み合わせる色ずれ検知用パターンのように、基準色側のトナー像を副走査方向に当間隔に配置し、そこに組み合わせる側のもう一方の側のトナー像を基準色側のトナー像に対して副走査方向に少しずつずらして配置するパターンを使用して、各色用のレーザビームを照射する発光タイミングを調整するようにしてもよい。
【0055】
ところで、上述した転写タイミングの調整により、中間転写ベルト10の移動方向(副走査方向)の位置ずれは完全に補正されるように思われるが、実際には中間転写ベルト10は、例えば図10に示した中間転写ベルト10のようにベルトの厚さにバラツキがあるときにはベルトの移動速度が図11に示すように変化するため、上述したような転写タイミングの調整を行っても、中間転写ベルト10上のトナー像が感光体間の転写位置に到達するまでの時間に変化が生じるため、図12に示すように2色の重ね合わせたトナー像にベルトの移動速度(ベルトの表面速度)に対応して位置ずれが生じたりする。
そのため、この実施の形態では、図1乃至図6で説明したように中間転写ベルト10の内面にスケール5を形成(例えば刻印)し、中間転写ベルト10の回動時にスケール5をセンサ6で読み取ることにより中間転写ベルト10の実速度を検出し、そのフィードバックされた実速度を基にしてベルト速度を基本速度になるように制御装置70が制御するようにしている。
【0056】
ところで、図5に示したようにスケール5をセンサ6で読み取った情報から中間転写ベルト10の実速度を検出する方法の場合には、そのスケール5を形成している多数のマーク5aの位置が全て基準になるので、その各マーク5aの副走査方向の位置がずれていると複数の色のトナー像を重ね合わせる転写タイミングがずれてしまうため、トナー像に位置ずれが生じる。
したがって、中間転写ベルト10上に形成するスケール5のマーク5aは、それを精度良く形成することが不可欠である。ところが、従来の中間転写装置が持つ課題の項でも述べたように、スケール5の個々のマーク(目盛)5aを、仮に高い精度で且つ精細に形成したとしても、そのスケール5全体が理想とする位置関係(絶対位置)に常になっていなければ、そのスケール5を使用して速度制御が行われる中間転写ベルト10は正しい速度に制御されない。
また、仮にその各マーク5aを中間転写ベルト10上に、理想とする位置関係で形成することができたとしても、中間転写ベルト10は経時変化で伸縮したりするため正確な中間転写ベルト10の速度制御はできない。
【0057】
そこで、この実施の形態では、中間転写ベルト10上にスケール5が理想とする位置関係に対してずれて形成されていたり、経時変化で中間転写ベルト10が伸縮したりしたとしても、中間転写ベルト10を正確に速度制御して、トナー像の重ね合わせ画像に位置ずれが生じないようにしている。
そのため、この実施の形態では、以下のような移動速度補正方法を実施する。すなわち、中間転写ベルト10上にその移動方向に沿って当間隔に多数のマーク5aが配置されたスケール5をセンサ6で検知し、その各マーク5aの読み取りタイミングから中間転写ベルト10の実速度を検出して、その移動速度を基にして中間転写ベルト10上に4個の各感光体40からのトナー像が重ね合わせ状態になるように中間転写ベルト10を移動させるベルト駆動モータ(中間転写体移動手段)7の回転数を制御する。
【0058】
また、中間転写ベルト10上には、それぞれ異なる2色ずつ組み合わせた色違いのトナー像からなる色ずれ検出用のパターン(図13及び図14等で説明する)を中間転写ベルト10の移動方向に沿って全周に亘って形成し、その各組のパターンに対してセンサ37からそれぞれ光を照射してそのときの反射率により、各組のパターンごとに色の異なるトナー像の中間転写ベルト10の移動方向の相対的な位置ずれを検出し、その検出した位置ずれ情報を基にしてその位置ずれを正すようにベルト駆動モータ7の回転速度を補正することにより中間転写ベルト10の移動速度を補正する。
【0059】
以下、その色ずれ検出用のパターンを使用して行う中間転写ベルト10の移動速度補正について詳しく説明する。
図13(a)は正規の画像形成に先がけて中間転写ベルト上に形成する色ずれ検出用のパターンを示す平面図、図13(b)は同じくそのパターンを検知して得た反射率の変化を示す線図である。
図13の(a)に示す色ずれ検出用のパターン91,92,93(外見は同一で色違い)は、図7で説明した発光タイミング調整用パターン81,82,83と同様に3種類のパターンからなる。その各パターンは、基準色で形成したトナー像とそれに組み合わせる基準色以外の1色で形成する色ずれ(位置ずれ)測定色とを組み合わせた2色のトナー像からなるものであり、この実施の形態ではその基準色をブラックとしている。
そして、1番目の色ずれ検出用のパターン91を、ブラックとイエローの組合せとし、2番目の色ずれ検出用のパターン92を、ブラックとマゼンタの組合せとし、3番目の色ずれ検出用のパターン93を、ブラックとシアンの組合せとしている。
【0060】
なお、図13の(a)では、1,2,3番目の色ずれ検出用のパターン91,92,93を、図示の簡略化により1つの図で代用して図示しているが、実際にはこの各パターン91,92,93は、最初に中間転写ベルト10上にパターン91を形成し、そのパターン91をセンサ37で検知して必要な情報(反射率)を読み取った後でそのパターン91を消去し、次にパターン92を中間転写ベルト10上に形成して、同様にそのパターン91から必要な情報を読み取る。その後、そのパターン92を消去し、次にパターン93を中間転写ベルト10上に形成して、同様にそのパターン93から必要な情報を読み取り、その後そのパターン93を消去する。
【0061】
パターン91は、それぞれ短冊状に形成した多数のブラック色のトナー像91B,91Yの組合せからなり、ブラック色のトナー像91B(図13の(a)では便宜上ハッチングを入れて図示している)は基準側のトナー像となり、イエロー色のトナー像91Y(便宜上点描を入れて図示している)は色ずれを測定するためのトナー像となる。その基準側のブラック色のトナー像91Bは、等間隔に中間転写ベルト10上に、その移動方向(矢示Cの副走査方向)に沿って多数個を連続させて形成する。
一方、色ずれを測定する側のトナー像91Yは、同様に中間転写ベルト10上に移動方向に沿って多数個を連続させて形成するが、その互いの間隔は少しずつ中間転写ベルト10の移動方向にずらした不均一な間隔にする。
【0062】
したがって、この2色のトナー像91B,91Yの組合せからなるパターン91は、場所によってトナー像91Bとトナー像91Yの重なり度合いが異なるので、このパターン91からセンサ37は上記トナー像の重なり度合いの変化に対応して、中間転写ベルト10の移動方向となる副走査方向の各位置に対応して、図13の(b)に示すような反射率を得る。
ここで、トナー像91Bと91Yが完全に重なった部分(図で左右の端部に位置するもの)では、それぞれ隣合うトナー像91B間、及びトナー像91Y間に位置する中間転写ベルト10の地肌部分が全て露出した状態になるので、反射率が最も高くなる(図13の(b)参照)。
【0063】
そして、そのトナー像91Yの基準色側のトナー像91Bに対するずれ量が増大していくにしたがって、上記地肌部分が見える領域が少なくなり、トナー像91Yが一個分だけ完全にずれた位置(図示の略中央付近)で地肌部分が全く見えなくなり、そこで反射率は最低になる。
そして、この1番目の色ずれ検出用のパターン91の反射率の検出を中間転写ベルト10の全周に亘って終えると、そのパターン91を消去して、次にブラックとマゼンタの組合せとなる2番目の色ずれ検出用のパターン92を中間転写ベルト10上に同様に形成し、上述した場合と同様にその反射率を中間転写ベルト10の全周に亘って検出する。
そして、その検出を終えると、そのパターン92を消去して、さらにブラックとシアンの組合せとなる3番目の色ずれ検出用のパターン93を中間転写ベルト10上に形成し、その反射率を中間転写ベルト10の全周に亘って検出した後、それを消去する。
【0064】
このようにして、この実施の形態では、均一な間隔で形成したトナー像91Bと、それぞれベルトの移動方向に徐々に位置をずらしたトナー像91Y,92M,93Cとの組合せからなる各パターン91,92,93について、その反射率を中間転写ベルト10の全周に亘ってそれぞれ検出し、その反射率を制御装置70(図1)の後述する反射率格納メモリ41aに格納する。
なお、図14には、トナー像91Y(92M,93Cも同様)が、ベルトの移動方向に若干ずつずれた位置に形成されている点を明瞭にするため、そのトナー像91Yをトナー像91Bに対して便宜上主走査方向にずらした位置に図示している。
【0065】
次に、このパターン91,92,93を形成する手順、及びその各パターンから検出した結果から得た反射率を基にして行う中間転写ベルト10のベルト速度補正の手順を、図15を参照して説明する。
まず最初に、正規の画像形成動作を開始する前に、図3及び図4で説明した中間転写ベルト10上のスケール5を使った中間転写ベルト速度制御を行いながら、中間転写ベルト10上に図13の(a)で説明した1番目の色ずれ検出用のパターン91を形成する。そのパターン91は、中間転写ベルト10の全周に亘って形成する。
【0066】
次に、パターン91の反射率をセンサ37により、中間転写ベルト10の一周全てについて検出(測定)する。この場合、位置ずれが発生していなければ特定点(ベルトの継目等のホームポジションとなる位置)を基準として、一定周期で上記反射率の変化が現れるはずである。しかし、位置ずれが発生している場合にはその特定点から見たときの周期の位相にずれが発生する。そのため、中間転写ベルト10の特定点から回動方向の各位置について、上記反射率が図13の(b)と同じ出力位相にするため、トナー像91Yを副走査方向にずらす必要のあるずらし量(位置ずれ値)をそれぞれ算出し、その算出した各値を中間転写ベルト10のホームポジション(例えば継目とする)からの回動方向の各位置ごとに対応させて格納メモリ41に格納する。
次に、その格納したデータを、中間転写ベルト10のベルト速度を補正するための補正データにするには、各感光体40間の距離に応じた時間遅延や、中間転写ベルト10一周でのズレ(オフセット)をゼロにする等の修正、さらにはその速度補正量をベルト一周内で再分配する必要であるので、それを補正量再分配装置105で行い、その補正量再分配結果を格納メモリ41に再格納する。
【0067】
その後、その1番目の色ずれ検出用のパターン91を中間転写ベルト10から消去し、その中間転写ベルト10上に今度は2番目の色ずれ検出用のパターン92を形成し、1番目の色ずれ検出用のパターン91の場合と同様な手順を経て、補正量再分配結果を格納メモリ41に再格納する。
さらに、その後に2番目の色ずれ検出用のパターン92を中間転写ベルト10から消去し、その中間転写ベルト10上に今度は3番目の色ずれ検出用のパターン93を形成し、1,2番目の色ずれ検出用のパターン91,92の場合と同様な手順を経て、補正量再分配結果を格納メモリ41に再格納する。
【0068】
そして、実際の画像(オペレータにより画像形成指示される画像)を形成するときは、中間転写ベルト10上のスケール5をセンサ6が検知して得られるベルトスケール検知(ベルトの実速度に対応)と、常に当時間隔のパルスとして出力される位置司令信号とのずれから位置制御装置106で得られるベルト速度制御量に、上述した記憶部から呼び出した補正量再分配結果による補正量を加算して、実際に制御する補正量を決定し、その補正量により制御装置70のモータ制御部70aがベルト駆動モータ7を駆動制御して中間転写ベルト10を最適なベルト速度に制御する。
【0069】
このように、この実施の形態による中間転写装置及びそれを備えた画像形成装置によれば、中間転写ベルト10上に形成するスケール5に精度上の誤差があったり、その絶対位置にずれがあったり、さらにはその中間転写ベルト10が経時的に伸縮したりすることによりベルト速度に変動が生じたとしても、上述したそれぞれ2色のトナー像の組合せからなる色ずれ検出用のパターン91,92,93を使用した色合わせ結果をフィードバックすることによりベルト速度に補正をかけるので、中間転写ベルト10を正しいベルト速度に制御することができる。
【0070】
なお、この中間転写ベルト10のベルト速度を各色間で色ずれが生じないように補正する制御は、全て図1に示した移動速度補正手段として機能する制御装置70が行う。
そして、その制御は、中間転写ベルト10の全周に亘ってその移動方向に沿って当間隔に多数形成されたマーク5aからなるスケール5をセンサ6で読み取り、その各マーク5aを読み取ったタイミングから中間転写ベルト10の実速度を検出して、そのスケール検知で得た移動速度を基にし、等時間隔のパルスとして出力される位置司令信号とのずれから得られるベルト速度制御量に、格納メモリ41から読み出した補正量再分配結果による補正量を加算して制御する補正量を決定し、それによりベルト駆動モータ7を駆動制御して中間転写ベルト10を最適なベルト速度に制御する。
【0071】
すなわち、この実施の形態では制御装置70は、各マーク5aをセンサ6が読み取る度に出力される信号の出力タイミング(パルスの立上りタイミング)を基準にして中間転写ベルト10の移動速度を補正するようにしている。
また、その制御装置70による速度補正は、図15の格納メモリ41に記憶させている位置ずれ情報を基にして、図16に示すように中間転写ベルト10の1周(周期T)内ごとに行うものであり、その補正するベルト速度(移動速度)の補正量は、中間転写ベルト10のホームポジションを基準として、そこからベルト移動方向の各位値ごとにそれぞれ割り振って配分することにより行っている。そして、そのベルト速度の補正は、図16に示したように補正速度を数段階に分けた段階的な速度補正であり、その補正速度を変更するタイミングは、この実施の形態では位置司令信号のパルス複数個分ごとにしている。これは、あまり短い時間間隔にすると速度変更の制御が追従しなくなるためである。
【0072】
図17はパルス状に連続する位置司令信号を補正することにより中間転写ベルトの移動速度を補正するようにした中間転写装置が反射率データを基にして位置司令信号の出力タイミングを補正する手順を説明するためのブロック図、図18は同じくその中間転写装置のベルト速度補正に関する制御系を示すブロック図、図19は同じくその補正前後の位置司令信号を示す波形図であり、図15と対応する部分には同一の符号を付してある。
なお、この実施形態による中間転写装置を備えた画像形成装置は、図2で説明した画像形成装置と各部の構成が同様であり、制御系が行う中間転写ベルト10の移動速度を補正する方法が異なるだけであるため、その図示及び説明を省略し、必要に応じて図1及び図2等で使用した符号を使用して説明する。
この実施形態による中間転写装置の移動速度補正手段として機能する制御装置(図1の制御装置70と同様な構成)は、中間転写ベルト10の移動方向に隣合うマーク5a(図4参照)間の距離と中間転写ベルト10の移動速度とにより決まる図19に示す等間隔のパルス状に連続する位置司令信号自体を図示のように補正することにより、中間転写ベルト10の移動速度を補正する。
【0073】
すなわち、図15で説明した実施形態による中間転写装置の場合には、位置司令信号と、中間転写ベルト10上に形成しているスケール5を検知することにより得た中間転写ベルト10の実速度とのずれから得られるベルト速度制御量に、格納メモリ41から読み出した補正量再分配結果による補正量を加算して、最終的に制御する補正量を決定する方法であったため、この補正方法の場合には制御回路が2系統になって構成が複雑化するということがあった。
そこで、この実施形態では、位置司令信号自体の各パルスの時間間隔を、格納メモリ41の反射率格納メモリ41aから読み出した補正量再分配結果により補正(図19に示した補正量の分配位置に応じて変更)するようにしている。そして、その補正後の位置司令信号により、ベルト駆動モータ7(図18)を駆動させて中間転写ベルト10を補正した速度で回動させるようにしている。
【0074】
その補正時間の変換は、中間転写ベルト10のホームポジションが1周ごとにくる度に、図18に示す格納メモリ41に格納されている補正量再分配結果を読み出して、それを補正時間に変換する。そして、その補正時間は位置司令信号に加算することにより、図19に示したように補正した部分の位置司令信号が補正前の等間隔のパルス(出力信号)から少しずれた間隔のパルスになる。
この補正後の位置司令信号により、中間転写ベルト10を駆動するベルト駆動モータ7の回転数を制御すると、スケール5の絶対位置のずれによって生じる異なる色のトナー像の副走査方向の色ずれ(位置ずれ)を補正することができる。
【0075】
その位置司令信号を補正する手順を、図17を参照して説明する。
まず、中間転写ベルト10上の色ずれ検出用のパターン91〜93(図13参照)を読み取った反射率データが、反射率格納メモリ41aに順次格納される。また反射率データ格納カウンタ54は、中間転写ベルト10上のスケール5のマーク5aを一定数(この例では図19のようにパルス3個分の周期)カウントするごとにカウントアップされるようになっている。
反射率データが反射率格納メモリ41aに格納されると、その反射率データはこの制御装置のCPUのソフトウエア処理により、反射率データ群が補正データ群に変換される。
【0076】
その反射率データ群を補正データ群に変換する際には、反射率の変化から、どの程度位置ずれが生じているのかを考慮したり、その位置ずれはどの時点での速度変動に起因しているものであるのか、その位置ずれはどのように補正値をベルト一周内で配分すればその位置ずれをゼロにすることができるか等を考慮し、ベルト一周内において配分する補正値を決定する。
また、指示された画像を形成する画像形成時には、補正値読み出しカウンタ58のカウントタイミングにしたがって補正値を読み出し、その補正値により位置司令信号の出力タイミングを補正する。
【0077】
図20はそのベルト速度補正値算出処理を示すフロー図である。
この実施の形態による中間転写装置が有する制御装置は、図20のルーチンがスタートすると、まず最初のステップで、制御装置が備えている反射率データを格納する際に使用する反射率データ格納カウンタ54のカウント値をクリアする。そして、次のステップで回動する中間転写ベルト10のホームポジションが来るのを待ち、そのホームポジションが来ると次のステップへ進んで、中間転写ベルト10上に形成した色ずれ検出用のパターン91〜93(図13参照)を、一定のスケール間隔(図19の場合にはマーク5aを3個検出する間隔)単位で順次検知して、その反射率をそれぞれ検出する。
【0078】
その検出した反射率の各データは、次のステップで制御装置の反射率格納メモリ41aに、上記一定のスケール間隔ごとの反射率データとして格納し、次のステップで、その一定スケール間隔の反射率データを格納する度に反射率データ格納カウンタ54をカウントアップしていく。
そして、次のステップで、中間転写ベルト10が1周回動したか否かを判断し、1周していれば次のステップへ進んで、反射率格納メモリ41aに格納されている反射率データを基にして、中間転写ベルト10の1周における全体の補正をどのようにすれば整合がとれるかを計算し、ベルト1周における補正値の配分を計算し、それを補正データ格納メモリ41b(図17)に再格納してこの処理を終了する。
なお、上記補正値の配分は、中間転写ベルト10が一周した後で副走査方向の位置ずれ量がゼロになるように、考慮しなければならない。
【0079】
図21はその補正値を使用して位置司令信号を補正する処理のルーチンを示すフロー図である。
このルーチンは、それがスタートすると、まず最初に制御装置が備えている補正データ格納メモリ41bのカウンタをクリアし、次のステップでホームポジションが来るのを待ち、ホームポジションが来ると次のステップへ進んで、補正データ格納メモリ41bに格納されている補正値を、一定のスケール間隔(図19の場合にはマーク5aを3個検出する間隔)単位で読み出し、次のステップでその補正値により一定のスケール間隔ごとに位置司令信号の出力タイミングを補正する。すなわち、補正前の等間隔のパルスからなる位置司令信号を、間隔が少しずれたパルスに補正する。
そして、次のステップで、その一定のスケール間隔こどに位置司令信号の出力タイミングを補正する度に補正値格納メモリカウンタをカウントアップする。
【0080】
さらに、次のステップで、中間転写ベルト10が1周したか否かを判断し、1周していればこの処理を終了するが、まだ1周していなければ、再び上述した一定スケール間隔で位置司令信号を補正する処理以降を繰り返し、中間転写ベルト10が1周したことを判断すると、この処理を終了する。
この実施の形態によれば、位置司令信号自体を補正し、その補正した位置司令信号により中間転写ベルト10のベルト速度を制御するため、その補正後の位置司令信号によりベルト速度制御を行う速度制御装置は、従来のものと全く同様のものを使用することができる。したがって、制御システムを簡略化することができながら、中間転写ベルト10のベルト速度を高精度に制御することができる。
【0081】
ところで、中間転写ベルト10に速度変動があった場合には、図13に示した3種類の各パターン91,92,93ごとに得られる中間転写ベルト10の移動方向の位置に対する反射率の関係を示した位置ずれパターンは、図22に示すように異なる。
この図22の(a)〜(c)は、ブラックとイエロー(以下Bk,Yとも記載する)のトナー像からなるパターン91と、ブラックとマゼンタ(以下Mとも記載する)のトナー像からなるパターン92と、,ブラックとシアン(以下Cとも記載する)のトナー像からなるパターン93をそれぞれセンサ37が検知した反射率を中間転写ベルト10の移動方向のホームポジシヨンからの位置を揃えて比較した線図である。
【0082】
ドラム状の各感光体が、図1等に示したように、中間転写ベルト10の移動方向にブラック用の感光体40B、イエロー用の感光体40Y、マゼンタ用の感光体40M、シアン用の感光体40Cの順で並んでいる場合には、図22に示したように、反射率の位置ずれパターンにおける反射率の最高位値及び最低位置が発生するベルト移動方向の各位置は、その移動方向に順次ずれるようになる。したがって、それが検出時間のずれとなる。
ここで、仮にマゼンタ用の感光体40Mだけに、ドラムの速度ムラ(回転ムラ)があったとした場合について考えてみると、上記3種類の位置ずれパターンを時間軸(図22で横軸)の補正を行うことにより、3種類の位置ずれパターンの反射率の最高位値及び最低位置の位置を揃えると、その結果は図23の(a)に示すようになる。
【0083】
その結果は、Bk−Yの組合せの位置ずれパターンとBk−Cの組合せの位置ずれパターンとは略同じパターンになるが、Bk−Mの組合せの位置ずれパターンのみが、他の2つのパターンに対して異なる位置ずれパターンを示すようになる。
これは、中間転写ベルト10の速度変動以外の要因で発生したものであって、マゼンタ用の感光体40Mの回転速度ムラに起因するものであるので、そのずれをなくすように感光体40Mの回転速度を補正するようにすれば、マゼンタの色ずれを直すことができる(ずれている色が他の色である場合も同様)。
【0084】
すなわち、図23の(b)に示すようなタイミングごとに、感光体40Mの回転速度を縦軸の回転速度補正量だけ補正すればよい。
そして、この実施の形態による中間転写装置では、色ずれ検出用のパターンからそのパターンを形成しているトナー像の相対的な位置ずれを検出する位置ずれ検出手段は、上記パターンに対して光を照射してその反射率により上記位置ずれを検出する。また、そのパターンを形成するパターン形成手段は4(2個以上のn個)個の色のトナー像を2色ずつ組み合わせて色違いの組合せパターンを複数組形成する手段である。
【0085】
さらに、この中間転写装置は、各組のパターンごとに得られる中間転写ベルト10の移動方向の位置に対する反射率の関係を示す位置ずれパターンを互いに対比させ、4個の各感光体40B,40Y,40M,40Cの中間転写ベルト10の移動方向の配設位置関係からそれぞれ予測される上記各組の予測位置ずれパターンに対して上記位置ずれ検出手段が検出した実際の位置ずれパターンが一定値を超えてずれているときは、そのずれが一定値を超えた色のトナー像を担持する感光体の回転速度を上記一定値を超えたずれ量を正すように補正する手段も設けている。
そして、その複数組(この例では3組)形成する色違いの組合せパターンは、例えばブラック(それ以外の色に任意に変更可)である1つの色を特定色として選択し、その特定色以外の他のイエロー,マゼンタ,シアンの全ての色を1色ずつブラックにそれぞれ組み合わせて各パターン91,92,93(図13)を形成している。
【0086】
また、上述した各組のパターンごとに得られる中間転写ベルト10の移動方向の位置に対する反射率の関係を示す位置ずれパターンの互いの対比は、特定色とその特定色以外の中から選択した1色とを組み合わせた1つのパターンを常に対比基準にするとよい(例えば、図24の例ではBk−Yの組合せを対比基準にしている)。
なお、上記特定色とする色は、中間転写ベルト10の移動方向に対して最も上流側に位置する感光体に形成されるトナー像の色、すなわち図1に示した中間転写装置20の場合には、最も上流側に位置する感光体40Bに対応するブラック色にするとよい。
【0087】
図24は回転速度ムラにより色ずれを生じさせている感光体の回転速度を補正する処理を行うルーチンを示すフロー図である。
このフローチャートは、上述したようにブラックを特定色にすると共に、Bk−Yの組合せパターンを対比基準とした場合の一例を示したものである。
制御装置が有するマイクロコンピュータは、図24のルーチンがスタートすると、まず最初のステップで、図22の(a)〜(c)に示したように、BKをそれぞれ基準とした3つの各パターンについて、BKに対するY,M,Cの各色のずれ量を、上記各パターンからの反射率により検出し、それを図17に示した反射率格納メモリ41aに格納する。
【0088】
次のステップでは、図22の(c)に示したように、対比基準とするBk−Yのずれパターンのずれ量からBk−Mのずれパターンを予測する。すなわち、図1に示したように、M用の感光体40MはY用の感光体40Yからベルトの移動方向下流側に所定の距離離れた位置に配設されているので、正常な動作時にはBk−Mのずれパターンは、図22の(b)に示したように、MのBkに対する色ずれの最大色ずれ位置は、同図に関連線aを引いたように、その関連線a上に位置するはずである。したがって、このようなずれ量を予測することにより、図22の(b)に示したBk−Mのずれパターンを予測する。
次のステップでは、Bk−Mの予測した予測ずれパターンに対して実際に測定したずれパターンを比較し、その差のずれ量を算出する。さらに、次のステップで、そのずれ量が一定値以内にあるか否かを判断し、一定値以内になければ(一定値を超えてずれているとき)、M用の感光体40Mに回転速度ムラが生じているので、その感光体40Mの回転速度を補正してずれを正す。
【0089】
また、Mのずれが一定値以内にあれば次のステップに進んで、対比基準のBk−Yのずれパターンのずれ量から、今度はBk−Cのずれパターンを予測する。すなわち、C用の感光体40Cの配設位置から推定して、感光体40Cが正常な動作をしているときには、Bk−Cのずれパターンの最大色ずれ位置は、図22の(a)に示した関連線a上に位置するはずであるので、このようなずれ量を予測することにより、Bk−Cのずれパターンを予測する。
次のステップでは、Bk−Cの予測した予測ずれパターンに対して実際に測定したずれパターンを比較し、その差のずれ量を算出し、次のステップでそのずれ量が一定値以内にあるか否かを判断し、一定値以内になければ(一定値を超えてずれているとき)、C用の感光体40Cに回転速度ムラが生じているので、その感光体40Cの回転速度を補正してずれを正し、この処理を終了する。
【0090】
また、M,Cのずれ量が共に一定値以内であるとには、そのM,C用の感光体40M,40Cの回転速度を補正する必要はないので、そのままこの処理を終了する。
このように、この実施の形態では、ドラム状の各感光体の転写特性(回転速度、メカ特性)に問題があったときでも、ベルト速度の変動成分と分離してその問題を生じている感光体の回転速度を確実に補正制御することができる。
なお、この実施の形態では、上記感光体の回転速度の補正は、その回転速度の補正する感光体の1回転内で、図23の(a)に示したように、ずれ量が一定値(許容できる色ずれを値を予め実験により求めておく)を超えた部分について、図23の(b)に示した速度補正量で部分的に速度補正する。したがって、感光体の1回転内における速度変動に対しても、それを細かく補正することができる。
【0091】
次に、最適な特定色を選択して複数組の色違いの組合せパターンを形成するようにした中間転写装置の実施形態について、図25及び図26を参照して説明する。
図22で説明した実施形態の場合には特定色をBkとし、そのBkとYを組み合わせたパターンを対比基準にし、それに対してMやCの色のずれを判断していた。したがって、この場合にはY自体が正規の位置に対してずれているときには好ましくなかった。
【0092】
そこで、この実施形態では、上述した特定色の選択は、n個(この例では4個)の色を全て総あたりとした全組合せの色違いのパターンについて図22に示したものと同様な位置ずれパターンを測定し、最初に任意に選択した第1色を基準にして組み合わせた異なるn−1個(この例では3個)の各パターンからそれぞれ得た上記位置ずれパターンの相関を見ると共に、その第1色を除いた全ての色を互いに組合せた位置ずれパターンの相関を見て、第1色の実際のずれ位置が予測される予測ずれ位置に対して相関が保たれる一定値内にあればその第1色を特定色として選択し、一定値を超えていれば次以降に任意に選択する第2色以降を同様に基準にしてその第2色以降が特定色に成り得るかを同様に順次判断していくことにより特定色を選択する手段を設けている。
そして、その手段としては、図1に示した制御装置70と同様な制御装置(制御装置70と制御する内容のみ異なるだけであるので、その図示は省略する)が機能する。
【0093】
この実施形態では、4個の感光体を有する場合であるので、全て総あたりとした全組合せの色違いのパターンは6通り存在する。したがって、この6種類のパターンの全てについて、中間転写ベルト10が一周する間の全てのベルト位置に対して組み合わせた2色間のずれ量(この例では反射率で求めている)を反射率により求め、そのデータを反射率格納メモリ41a(図17)に格納する。
そして、その後で、色を組み合わせる上で基準とする基準の色を含む3種類のずれパターンと、その基準の色を含まない3種類のずれパターンについて、それぞれ相関を比較する。
そして、基準とした色の実際のずれ量が、予測される予測ずれ位置に対して相関が保たれる一定値内にあればその基準とした色を特定色として選択するが、一定値を超えていれば、その色を扱う感光体は回転ムラ等があることにより色ずれが発生しているということになる。したがって、この場合には、次以降に任意に選択する色の中から特定色を決定する。
【0094】
以下、その制御装置が行う特定色を選択するために行う総あたりの全組合せの色違いパターンを測定して反射率格納メモリ41aに格納する処理を図25で、その反射率格納メモリに格納した情報を基にして特定色を決定する処理を図26を参照して、それぞれ説明する。
図25に示すルーチンがスタートすると、まず最初のステップで、第1色を任意に選択するが、この例ではその任意に選択した第1色をBkとした場合の例を示しており、そのBkを基準にしてYと組み合わせたBk−Yのパターンのずれ量を反射率により中間転写ベルト10の一周に亘って検出したデータ(図22の(c)の位置ずれパターンに相当する)を反射率格納メモリ41aに格納する。
【0095】
次に、同様にBkを基準にしてMと組み合わせたBk−Mのパターンのずれ量を反射率により検出したデータ(図22の(b)に相当)を反射率格納メモリ41aに格納する。さらに、Bkを基準にしてCと組み合わせたBk−Cのパターンのずれ量を反射率により検出したデータ(図22の(a)に相当)を反射率格納メモリに格納する。
また、次のステップで、上記第1色としたBkを除いたY,M,Cの各色を互いに組合せた位置ずれパターンとして、まず最初にY−Mのパターンのずれ量を反射率により検出したデータ、すなわち図22の(a)〜(c)に示したものと同様なずれパターンで、色の組合せをY−Mの組合せにした点のみが異なる位置ずれパターンのデータを、反射率格納メモリ41aに格納する。さらに、それに続いて、同様にYとCを組み合わせたY−Cのパターンのずれ量を反射率により検出したデータと、MとCを組み合わせたM−Cのパターンのずれ量を反射率により検出したデータを順次反射率格納メモリ41aに格納し、このルーチンの処理を終了する。
【0096】
そして、次の図26に示すルーチンがスタートすると、まずステップ1で、図25で説明した処理で先にデータを格納したBk−Y,Bk−M,Bk−Cの3つのずれパターンの相関を計算する。
すなわち、図22の(a)〜(c)に示したように、Y,M,Cの色のトナー像を形成する図1に示した各感光体40Y,M,Cは、基準としたBk色のトナー像を形成する各感光体40Bからの距離がそれぞれ異なる距離に配設されているので、図22の(a)〜(c)に示したように、中間転写ベルト10のベルト移動方向のベルト一周内における各位置での各色の基準色であるBk色に対するずれを表した位置ずれパターンは、その最高ずれ位置(波形の頂上)あるいは最低ずれ位置(波形の最下位値)は、関連線aで示したような相関が通常はみられる。したがって、ステップ1では、Bk−Y,Bk−M,Bk−Cの3つのずれパターンには、上述したような相関があるかを計算する。
【0097】
次に、ステップ2では、図25で説明した処理で後にデータを格納したY−M,Y−C,M−Cの3つの位置ずれパターンの相関を、ステップ1の場合と同様な方法で計算する。
次のステップ3では、基準の第1色としたBkのずれが、予測される予測ずれ位置に対して相関が保たれる一定値内にあるか(相関あり)否かを判断し、一定値以内にあって相関が保たれていればBkは正常なずれ範囲にあるのでステップ4へ進んで、Bkを基準とする特定色に決定する。
また、ステップ3の判断で、相関がなくてステップ5へ進んだときには、第1色として選択したBkは特定色にするにはふさわしくなかったので、今度は第2色のY(それ以外の色としてもよい)を基準の色として、そのYと他の3色をそれぞれ組み合わせたY−Bk,Y−M,Y−Cの3つのずれパターンの相関を計算する。
【0098】
そして、次のステップ6で、そのYを含まない3色の組合せとなるBk−M,Bk−C,M−Cの3つのずれパターンの相関を、上述した場合と同様な方法で計算する。
次のステップ7では、基準色としたYが、予測される予測ずれ位置に対して相関が保たれる一定値内にあるか(相関あり)否かを判断し、一定値以内にあって相関が保たれていればYは正常なずれ範囲にあるのでステップ8へ進んで、Yを基準とする特定色に決定する。
また、ステップ7の判断で、相関がなくてステップ9へ進んだときには、第2色として選択したYは特定色にするにはふさわしくなかったので、今度は第3色のM(それ以外の色としてもよい)を基準の色として、そのMと他の3色をそれぞれ組み合わせたM−Bk,M−Y,M−Cの3つのずれパターンの相関を計算する。
【0099】
そして、次のステップ10で、そのMを含まない3色の組合せとなるBk−Y,Bk−C,Y−Cの3つのずれパターンの相関を、上述した場合と同様な方法で計算する。
次のステップ11では、基準色としたMが、予測される予測ずれ位置に対して相関が保たれる一定値内にあるか(相関あり)否かを判断し、一定値以内にあって相関が保たれていればMは正常なずれ範囲にあるのでステップ12へ進んで、Mを基準とする特定色に決定する。
また、ステップ11の判断で、相関がなくてステップ13へ進んだときには、第3色として選択したMは特定色にするにはふさわしくなかったので、今度は第4色のCを基準の色として、そのCと他の3色をそれぞれ組み合わせたC−Bk,C−Y,C−Mの3つのずれパターンの相関を計算する。
【0100】
そして、次のステップ14で、そのCを含まない3色の組合せとなるBk−Y,Bk−M,Y−Mの3つのずれパターンの相関を、上述した場合と同様な方法で計算する。
次のステップ15では、基準色としたCが、予測される予測ずれ位置に対して相関が保たれる一定値内にあるか(相関あり)否かを判断し、一定値以内にあって相関が保たれていればCは正常なずれ範囲にあるのでステップ16へ進んで、Cを基準とする特定色に決定する。
また、ステップ15の判断で、Cが予測される予測ずれ位置に対して一定値を超えることにより相関がないときには、第4色として選択したCも特定色にするにはふさわしくないので、エラーとして、この処理を終了する。
【0101】
この実施の形態によれば、2色のトナー像を組み合わせてなる色ずれ検出用の各パターンを形成する際に、その基準色となる側の色について、適するものと適さないものとを区別するので、例えば基準にしようとした色を扱う感光体の特性に問題があった場合には、その問題のある感光体以外の感光体が形成するトナー像の色を基準の特定色にすることができる。
したがって、常に最適な色の組み合わせによる色ずれ検出用の各パターンが対比基準となるため、高い精度の色ずれ補正を行うことができる。
【0102】
図27は複数本形成する色ずれ検出用のパターンの全てを同時に中間転写ベルト上に主走査方向に間隔を置いて全周に亘って形成するようにした中間転写装置の中間転写ベルトのパターン付近を示す平面図である。
なお、この実施の形態による中間転写装置は、中間転写ベルト10に3本のパターン91,92,93を同時に形成すると共に、それらを検知する3個のセンサ37A,37B,37Cを設けた点以外は、図1に示した中間転写転写装置20と同様であるため、その全体の図示を省略する。また、この実施の形態による中間転写装置を備えた画像形成装置も、中間転写ベルト10に形成する上記パターン以外は、図2に示した画像形成装置の構成と同様であるため、その図示も省略する。
【0103】
この実施の形態では、色ずれ検出用のパターンは異なる色の組合せのものをn−1本形成する。したがって、フルカラーの4個の感光体を有するものでは、4−1=3となり、上述したように3本のパターン91,92,93を、全てを同時に中間転写ベルト10の矢示Eの主走査方向に間隔を置いて全周に亘って形成する。また、その各パターン91,92,93に対応させて、その各パターンをそれぞれ検知可能にセンサ37A,37B,37C(図1のセンサ37と同様なもの)をそれぞれ設ける。
なお、パターン91,92,93は、図13等で説明したものと同様なものである。
この実施の形態によれば、3本のパターン91,92,93を3個のセンサ37A,37B,37Cで同時に検知することができるので、そのパターンを1本ずつベルト上に形成して、それを検知した後に消去して、そこに次のパターンを形成していく場合に比べて、短時間で全てのパターンの色ずれ情報を得ることができる。
【0104】
図28は色ずれ検出用のパターンを1本ずつ順に中間転写ベルトに形成していく場合のパターン形成方法を説明するための図27と同様な平面図である。なお、この実施の形態による中間転写装置20は、図1等で説明したものと同様なものである。
図27で説明したように、3本の色違いのパターン91,92,93を全て同時に中間転写ベルト10に形成した場合には、上述したようにパターン全体を検知する検知時間は短くなるため高率は良くなるが、そのパターンを検知するためのセンサが3個必要となるという欠点を有する。
【0105】
そこで、この実施の形態では、センサ37(図4参照)を1個にして、異なる色の組合せのパターンをn−1本形成する。すなわち、フルカラーの4個の感光体を有するこの実施形態では、4−1=3となり、3本のパターン91,92,93を順に1本ずつ中間転写ベルト10の全周に亘って形成していき、センサ37が最初に形成したBk−Cの組合せのパターン91(図28の(a))から位置ずれ情報を検出した後に中間転写ベルト10上のパターン91を消去し、その後に同様に次以降の色の組合せが異なるBk−Yの組合せのパターン92を図28の(b)に示すように、さらにそのパターン92を消去した後にBk−Mの組合せのパターン93を図28の(c)に示すように順次形成していくことにより、それぞれ各色の位置ずれ情報を検出していく。
【0106】
図29は異なる色の組合せによって形成した複数のパターンを中間転写ベルトの移動方向に沿って順に配置するようにした実施形態の中間転写ベルトのパターン付近を示す平面図である。
図28で説明した1本ずつ中間転写ベルト10上にパターンを形成していく方法の場合には、中間転写ベルト10が一回転するごとに中間転写ベルト10のホームポジションからの位置と感光体とが接する位置関係が異なるようになるため、別々のノイズや色ずれに関する変動要因が新たに加わってしまう。したがって、色ずれの検出に関して不利になる点があった。
【0107】
そこで、この実施の形態では、異なる色の組合せによって形成した複数の色ずれ検出用の各パターン91,92,93(図28示したものに対してベルト移動方向の長さがそれぞれ短くなるが、説明の都合上同一の符号を付してある。)を中間転写ベルト10の矢示C移動方向(副走査方向)に沿って順に全周に亘って繰返し配置している。
このようにすれば、中間転写ベルト上に形成されたパターンを検知するセンサが一個の場合でも、3つのパターン91,92,93の色ずれを高い位置精度で検出(測定)することができる。また、中間転写ベルト10が1回転する間に3つのパターン91,92,93の全てについて検出することができるので、ノイズを比較、相関を取る段階で打ち消すことができ、ノイズに強い計測ができる。
【0108】
図30は異なる色の組合せによる複数のパターンを中間転写ベルトの移動方向に沿って順に配置してそれを検知した後にそのパターンを消去して次にパターンの書き出し開始位置をずらして形成していくようにした実施形態の中間転写ベルトのパターン付近を示す平面図である。
この実施の形態では、図29に示したパターン91,92,93からなる1本のパターンを、図30の(a)に示すように、中間転写ベルト10上にパターン91が先頭の書き出し開始位置になるように1本形成する。
そして、その位置ずれを検出した後にそのパターンを消去して、主走査方向(矢示E方向)の同じ位置に、図30の(b)に示すように今度は書き出し開始位置が初回に形成したパターン91と色違いの組合せのパターン92が位置するように、図29で説明したパターンを中間転写ベルト10の移動方向にずらして形成する。さらに、そのパターンの位置ずれを検出した後に、そのパターンを消去する。
【0109】
次に、図30の(c)に示すように、書き出し開始位置に今度はパターン93が位置するように、再びパターンを形成する。すなわち、順に3(n−1=4−1)本のパターンを書き出し開始位置のパターンの色を代えて形成していく。
このようにするのは、中間転写ベルト10が1回転する間に、それぞれ色違いの組合せパターンとなるパターン91,92,93をベルトの移動方向に時分割で1本だけ形成した場合には、それら色違いのパターンを全て中間転写ベルト10が1回転する間に検出することはできるが、そのようにすると、その3種の色違いのパターンは中間転写ベルト10上の位置(例えばベルトの継目等のホームポジションからの位置)が異なる箇所で計測されたものとなるので、サンプリング精度が落ちるという欠点が生じる。
【0110】
そこで、この実施の形態では、上述したように3つのパターン91,92,93を時分割して1本のパターンにして中間転写ベルト10の全周に形成し、その消去後に次以降に形成するパターンの書き出し開始位置の順序を入れ替えることにより、3つのパターン91,92,93の全てが、ベルトのホームポジション(HP)からの位置が同じ位置でそれぞれ検出されるようにしている。それにより、サンプリング精度を高めることができる。
【0111】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明による中間転写装置と画像形成装置と中間転写体の移動速度補正方法によれば、中間転写体上に異なる色のトナー像の組合せからなる色ずれ検出用のパターンを全周に亘って形成し、そのパターンを形成している色のトナー像の中間転写体の移動方向の相対的な位置ずれを検出して、その位置ずれを正すように中間転写体の移動速度を補正するので、中間転写体を速度制御する制御系が部品精度や経時的な変化により速度誤差を生じるような場合であっても、中間転写体を色ずれが生じない速度に正確に補正することができる。また、この発明による感光体回転速度補正方法を実施すれば、複数の感光体の中に回転速度やメカ特性に問題があるものがあったとしても、その問題のある感光体を見つけてその感光体の回転速度を正常な状態に確実に補正することができる。したがって、画像の色ずれを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態例である中間転写装置を制御系と共に示す概略構成図である。
【図2】同じくその中間転写装置を備えた画像形成装置の一例を示す全体構成図である。
【図3】同じくその中間転写装置に設けられている中間転写ベルトの内面に形成するスケールを説明するための平面図である。
【図4】同じくそのスケールを検知するセンサとそのセンサ出力とを説明するための説明図である。
【図5】同じくそのスケールを使用して行う中間転写ベルトのベルト速度制御ループを示すブロック図である。
【図6】図1の制御装置が行う中間転写ベルトの移動速度制御処理を示すフロー図である。
【図7】書込装置の発光タイミングを調整するために中間転写ベルト上に形成するタイミング調整用パターンを示す平面図である。
【図8】同じくそのタイミング調整用パターンを詳しく説明するための拡大図である。
【図9】同じくそのタイミング調整用の各組合せパターンを形成する動作を説明するためのブロック図である。
【図10】ベルトの厚さにバラツキがある中間転写ベルトの例を示す正面図である。
【図11】同じくそのベルトの厚さにバラツキがある場合のベルト速度の変化を示す線図である。
【図12】中間転写ベルトに速度変動が生じると2色の重ね合わせたトナー像に位置ずれが生じることを説明するための線図である。
【図13】中間転写ベルト上に形成する色ずれ検出用のパターンとそのパターンから得られる反射率を対照させて示した図である。
【図14】同じくそのパターンは2色の異なるトナー像がベルトの移動方向に若干ずつずれた位置に形成されていることを便宜上互いの位置を主走査方向にずらして図示した平面図である。
【図15】中間転写ベルトのベルト速度補正の手順の説明に供するブロック図である。
【図16】同じくそのベルト速度補正は中間転写ベルトの1周内ごとに行う点を説明するための波形図である。
【図17】パルス状に連続する位置司令信号を補正することにより中間転写ベルトの移動速度を補正するようにした中間転写装置が反射率データを基にして位置司令信号の出力タイミングを補正する手順を説明するためのブロック図である。
【図18】同じくその中間転写装置のベルト速度補正に関する制御系を示すブロック図である。
【図19】同じくそのベルト速度補正の補正前後の位置司令信号を示す波形図である。
【図20】図18の制御系が行うベルト速度補正値算出処理を示すフロー図である。
【図21】同じくその算出された補正値を使用して位置司令信号を補正する処理のルーチンを示すフロー図である。
【図22】それぞれ色の異なる組合せの3種のパターンの反射率の変化を示す位置ずれパターンを比較対比した線図である。
【図23】同じくその3種類の位置ずれパターンの反射率の最高位値及び最低位置の位置を揃えるように時間軸を補正した状態を示す線図である。
【図24】回転速度ムラにより色ずれを生じさせている感光体の回転速度を補正する処理を行うルーチンを示すフロー図である。
【図25】特定色を選択するために行う総あたりの全組合せの色違いパターンを測定して反射率格納メモリに格納する処理を示すフロー図である。
【図26】同じくその反射率格納メモリに格納した情報を基にして特定色を決定する処理を示すフロー図である。
【図27】複数本形成する色ずれ検出用のパターンの全てを同時に中間転写ベルト上に主走査方向に間隔を置いて全周に亘って形成するようにした中間転写装置の中間転写ベルトのパターン付近を示す平面図である。
【図28】色ずれ検出用のパターンを1本ずつ順に中間転写ベルトに形成していく場合のパターン形成方法を説明するための図27と同様な平面図である。
【図29】異なる色の組合せによって形成した複数のパターンを中間転写ベルトの移動方向に沿って順に配置するようにした実施形態の中間転写ベルトのパターン付近を示す平面図である。
【図30】異なる色の組合せによる複数のパターンを中間転写ベルトの移動方向に沿って順に配置してそれを検知した後にそのパターン消去して次にパターンの書き出し開始位置をずらして形成していくようにした実施形態の中間転写ベルトのパターン付近を示す平面図である。
【図31】従来の間接転写方式の画像形成装置の一例を画像形成部のみ示す構成図である。
【図32】従来のトナー像の位置ずれを検出する方法を説明するための説明図である。
【図33】同じくその位置ずれを検出するための2色のトナー像が互いに1ドットずれた状態を示す説明図である。
【図34】同じくその位置ずれを検出するための2色のトナー像が互いに3ドットずれた状態を示す説明図である。
【符号の説明】
5:スケール 5a:マーク
6,37:センサ 9:駆動ローラ(張架部材)
10:中間転写ベルト(中間転写体)
15,16:従動ローラ 20:中間転写装置
21:書込装置(画像書込手段)
40B,40Y,40M,40C:感光体
70:制御装置 91,92,93:パターン
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数のそれぞれ回転する感光体の表面に光を照射することによりその感光体上にそれぞれ形成した異なる色のトナー像が中間転写ベルト等の中間転写体上にずれなく重ね合わせ状態に転写されていくように中間転写体の速度を制御する中間転写装置と画像形成装置と中間転写体の移動速度補正方法及び感光体回転速度補正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、複写機やプリンタ等の画像形成装置は、市場からの要求にともない、フルカラーの画像を形成可能なものが多くなってきている。このようなカラー画像も形成可能な画像形成装置には、例えば複数の感光体を並べて配置すると共にその各感光体に対応させて異なる色のトナーで現像をする現像装置をそれぞれ設け、各感光体上にそれぞれ単色トナー画像を形成し、その単色のトナー画像をベルト状あるいはドラム状の中間転写体上に順次転写していくことによりフルカラーの合成カラー画像を形成する、いわゆるタンデム型のものがある。
その一例を図31に示すと、このカラーの画像形成装置は、一直線上に配置された複数の各感光体96Y,96C,96M,96K上に形成されたそれぞれ異なる色のトナー画像を、矢示B方向に回動する中間転写体である中間転写ベルト94上に順次重ね合わせていくように転写していき、その中間転写ベルト94上の画像を2次転写装置95によりシートP上に一括転写するものである。
【0003】
このようなタンデム型のカラーの画像形成装置では、各感光体上に形成した異なる色のトナー画像を上述したように中間転写ベルト上に重ね合わせてカラー画像を形成するため、その各色の画像の重ね合わせ位置が互いにずれてしまうと、画像上において色ずれや微妙な色合いに変化が生じてしまうようになるので画像品質が低下してしまう。したがって、その各色のトナー画像の位置ずれ(色ずれ)は重要な問題である。
そこで、従来の複数色の画像を形成する画像形成装置には、例えば特許文献1に記載されているように、2色の画像を主走査方向及び副走査方向の両方向で一致させることができるようにしたものがある。
【0004】
【特許文献1】
特許第3254244号公報(第3〜4頁、図1〜図7)
【特許文献2】
特開平11−24507号公報(第3〜4頁、第1図)
【0005】
この特許文献1に記載されている技術は、ドラム状の感光体表面の周方向に互いに離れた2箇所の位置に書き込み装置からのレーザビームがそれぞれ照射され、そこに画像がそれぞれ書き込まれるようになっている。そして、その感光体の周面近傍には感光体表面に書き込まれてそれぞれ現像された2色(黒と赤)のトナー像の位置ずれを検知するための光学センサが設けられている。
この画像形成装置では、図32に示すように、例えば矢示Aの主走査方向の黒と赤のトナー像の位置ずれを検出するためのトナー像パターン143を主走査方向に等間隔に複数形成し、その黒の各トナー像パターン1431b,1432b,1433b(右上がりのハッチングで示している)及び赤のトナー像パターン1431r,1432r,1433r(右下がりのハッチングで示している)の主走査方向の幅をそれぞれ3ドット幅にしている。また、その各トナー像パターン間の間隔も3ドット幅にしている。
【0006】
したがって、黒の各トナー像パターン1431b,1432b,1433bと赤のトナー像パターン1431r,1432r,1433rが主走査方向にずれなく一致しているときには図32に示すようになり、各トナー像パターン間の隙間は最大の3ドットになる。したがって、このトナー像パターン143を光学センサで検知した際のセンサ出力は最大(反射光量が最大)になる。
また、その黒の各トナー像パターン1431b,1432b,1433bと赤のトナー像パターン1431r,1432r,1433rとが相対的に主走査方向に1ドットずれたときには図33に示すようになり、各トナー像パターン間の隙間は2ドットとなり、センサ出力は上記の場合よりも小さくなる。
【0007】
さらに、その黒の各トナー像パターン1431b,1432b,1433bと赤のトナー像パターン1431r,1432r,1433rとが相対的に主走査方向に3ドットずれたときには図34に示すようになり、各トナー像パターン間の隙間は0(零)となり、センサ出力は最低となる。
そこで、この画像形成装置では、上記のような2色のトナー像の組合せからなるトナー像パターンで、その2色のトナー像の相対的なずれを検出した場合には、その主走査方向にずれた分だけ書込装置のレーザビームの書き込みタイミングを補正するようにしている。そして、この特許文献1には、このような2色のトナー像の位置ずれ補正は、副走査方向についても同様に行える点が記載されている。
【0008】
ここで、この特許文献1に記載されている技術をタンデム型のカラーの画像形成装置に適用して、中間転写ベルト上に上記の2色からなるトナー像パターン(色ずれ検出用のパターン)を形成するようにすれば、主走査方向と副走査方向の両方について2色のトナー像を一応は一致させることができる。
しかしながら、中間転写体として中間転写ベルトを使用している画像形成装置の場合には、中間転写ベルトの速度に速度ムラが生じれば、その中間転写ベルトに各感光体から順次転写される色違いのトナー像は、ベルトの移動方向となる副走査方向にその速度変動が生じた分だけずれるようになるので、それによって色ずれが発生する。
【0009】
すなわち、タンデム型のカラーの画像形成装置の場合には、中間転写ベルトの速度を常に一定に保つことが極めて重要となる。そこで、従来の転写ベルトを使用したカラーの画像形成装置には、例えば特許文献2に記載されているように、転写ベルトの速度ムラを補正するようにしたものがある。
この特許文献2には、駆動ローラを1本含む5本の支持ローラ間に中間転写ベルト(転写ベルト)を回動可能に張架し、その中間転写ベルトの外周面に、シアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの4色のトナー画像を順次重ね合わせ状態に転写していくことによりフルカラーの画像を形成するカラー複写機が記載されている。
【0010】
このカラー複写機の中間転写ベルトの内面には、微細且つ精密な目盛(マーク)で形成したスケールを設けて、そのスケールを光学型の検出器で読み取って中間転写ベルトの移動速度を正確に検知し、その検出した移動速度をフィードバック制御系によりフィードバック制御して中間転写ベルトを正確な移動速度になるように制御している。
そして、そのフィードバックの制御系に、上記検出器の他に位置制御回路,速度制御回路,電力変換回路,位置検出回路,速度検出回路等を設け、その位置制御回路で位置検出回路からの正確且つ微細な位置信号と中間転写ベルトの目標位置との偏差を演算し、それにより中間転写ベルトの目標速度を正確に算出し、それを速度制御回路に出力するようにしている。その速度制御回路は、位置制御回路から入力した正確な目標速度と、速度検出回路から入力する速度信号との偏差を演算し、それにより中間転写ベルトを駆動するモータに供給する正確な電気量を算出してそれを電力変換回路に出力し、上記モータの駆動を制御することにより中間転写ベルトの移動を正確な移動速度にしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このような中間転写ベルトの速度制御を精度よく行おうとすれば、その中間転写ベルト上に形成するスケールの目盛を精度良く形成(印刷や刻印等)することが不可欠である。ところが、そのスケールの個々の目盛を、仮に高い精度度で且つ精細に形成したとしても、そのスケール全体が理想とする位置関係(絶対位置)に常になっていなければ、そのスケールを使用して速度制御を行う中間転写ベルトは正しい速度に制御されない。
また、このような中間転写ベルトは、実際には回動時に伸縮したり、経時的にその表面が汚れることによりスケールが汚れてしまったり、そのスケールの目盛を刻印等で形成している場合にはその精度にバラツキが生じてしまったりすることがあるため、スケール全体を理想とする位置関係にするのは非常に難しいということがあった。
この発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、スケール全体が理想とする位置関係に対しずれているときのように中間転写ベルト等の中間転写体を速度制御する制御系が速度誤差を生じるような場合でも、中間転写体を色ずれが生じないように正確に速度補正することができるようにすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の目的を達成するため、2個以上のn個のそれぞれ異なる色のトナー像を個別に担持してそれぞれ回転するn個の感光体と、その各感光体にそれぞれ対応する色の画像を書き込むために各感光体間の距離に応じた発光タイミングでそれぞれ光を照射する画像書込手段と、各感光体上に形成された各色のトナー像が重ね合わせ状態に順次転写されていくように回動する中間転写体と、その中間転写体を上記n個のトナー像が重ね合わせ状態になるように速度制御する移動速度制御手段とを備えた中間転写装置において、
上記中間転写体上に異なる色のトナー像の組合せからなる色ずれ検出用のパターンを全周に亘って形成するパターン形成手段と、その手段により形成された上記パターンからそのパターンを形成している色のトナー像の上記中間転写体の移動方向の相対的な位置ずれを検出する位置ずれ検出手段と、その位置ずれ検出手段が検出した位置ずれ情報を基にしてその位置ずれを正すように上記中間転写体の移動速度を補正する移動速度補正手段とを設けたものである。
【0013】
上記移動速度補正手段は、上記中間転写体の全周に亘ってその移動方向に沿って当間隔に多数形成されたマークからなるスケールをセンサで読み取り、上記各マークの読み取りタイミングから上記中間転写体の実速度を検出して、その実速度を基に上記中間転写体の移動速度を補正する手段であるようにするとよい。
また、その移動速度補正手段は、中間転写体の移動方向に隣合う上記マーク間の距離と上記中間転写体の移動速度とにより決まる等間隔のパルス状に連続する位置司令信号を補正することにより上記中間転写体の移動速度を補正する手段であるようにしてもよい。
さらに、上記移動速度補正手段は、上記各マークを上記センサが読み取る度に出力される信号の出力タイミングを基準にして上記中間転写体の移動速度を補正する手段であるようにしてもよい。
【0014】
上記移動速度補正手段による速度補正は、上記位置ずれ情報を基にして中間転写体の1周内ごとに行うものとし、その補正する移動速度の補正量は中間転写体のホームポジションを基準とした各位値ごとにそれぞれ割り振って配分するとよい。
また、上記移動速度の補正は、補正速度を数段階に分けた段階的な速度補正とし、その補正速度を変更するタイミングは上記センサが上記各マークを読み取る度に出力する信号の複数個分ごとに行うようにするとよい。
【0015】
上記いずれかの中間転写装置において、上記位置ずれ検出手段は上記パターンに対して光を照射してその反射率により上記位置ずれを検出する手段であり、上記パターン形成手段は上記n個の色のトナー像を2色ずつ組み合わせて色違いの組合せパターンを複数組形成する手段であり、その各組のパターンごとに得られる上記中間転写体の移動方向の位置に対する反射率の関係を示す位置ずれパターンを互いに対比させ、上記n個の各感光体の中間転写体の移動方向の配設位置関係からそれぞれ予測される上記各組の予測位置ずれパターンに対して上記位置ずれ検出手段が検出した実際の位置ずれパターンが一定値を超えてずれているときは、その一定値を超えた色のトナー像を担持する感光体の回転速度を上記一定値を超えたずれ量を正すように補正する手段を設けるとよい。
【0016】
複数組形成する上記色違いの組合せパターンは、1つの色を特定色として選択し、その特定色以外の他の全ての色を1色ずつ上記特定色とそれぞれ組み合わせて形成されている各パターンであるようにするとよい。
また、上記各組のパターンごとに得られる上記中間転写体の移動方向の位置に対する反射率の関係の互いの対比は、上記特定色とその特定色以外の中から選択した1色とを組み合わせた1つのパターンを常に対比基準にするとよい。
そして、その特定色は、中間転写体の移動方向に対して最も上流側に位置する感光体に形成されるトナー像の色にするとよい。
【0017】
上記中間転写装置において、上記特定色の選択はn個の色を全て総あたりとした全組合せの色違いのパターンについて位置ずれパターンを測定し、最初に任意に選択した第1色を基準にして組み合わせた異なるn−1個の各パターンからそれぞれ得た上記位置ずれパターンの相関を見ると共に、上記第1色を除いた全ての色を互いに組合せた上記位置ずれパターンの相関を見て、上記第1色の実際のずれ位置が予測される予測ずれ位置に対して相関が保たれる一定値以内にあればその第1色を上記特定色として選択し、一定値を超えていれば次以降に任意に選択する第2色以降を同様に基準にしてその第2色以降が特定色に成り得るかを同様に順次判断していくことにより上記特定色を選択する手段を設けるとよい。
上記感光体の回転速度の補正は、その感光体の1回転内で上記ずれ量が上記一定値を超えた部分について行うとよい。
【0018】
また、上記いずれかの中間転写装置において、上記色ずれ検出用のパターンは全てを同時に中間転写体上に主走査方向に間隔を置いて全周に亘って形成し、その各パターンに対応させてそのパターンをそれぞれ検知可能にセンサを複数個設けるとよい。
上記色ずれ検出用のパターンは順に1本ずつ中間転写体の全周に亘って形成していき、上記位置ずれ検出手段が上記パターンから位置ずれ情報を検出した後に中間転写体上のパターンを消去し、その後に次以降の色の組合せが異なるパターンを同様に順次形成していくことにより上記位置ずれ情報を検出していくようにするとよい。
上記色ずれ検出用のパターンは、異なる色の組合せによって形成された複数の各パターンが中間転写体の移動方向に沿って順に配置されて全周に亘って形成されているようにするとよい。
【0019】
あるいは、上記パターンを1本形成して上記位置ずれを検出した後にそのパターン消去して主走査方向の同じ位置に上記パターンを今度はその書き出し開始位置のパターンを初回に形成したパターンと色違いの組合せのパターンが位置するように中間転写体の移動方向にずらして形成して1本目と同様に上記位置ずれを検出し、以降はそのパターンを消去して同様に更に色違いの組合せのパターンが書き出し開始位置に位置するようにn−1本まで形成していくようにしてもよい。
上記中間転写体は、複数のローラ間に張装されて回動する無端状のベルト部材で形成されているようにするとよい。
また、上記いずれかの中間転写装置を備えた画像形成装置も提供する。
【0020】
さらに、中間転写体上にその移動方向に沿って等間隔に多数のマークが配置されたスケールをセンサで検知し、その各マークの読み取りタイミングから中間転写体の実速度を検出して、中間転写体上にn個の感光体からの各トナー像が重ね合わせ状態になるように中間転写体の移動速度を上記実速度を基にして速度制御し、中間転写体上にはそれぞれ異なる2色ずつ組み合わせた色違いのトナー像からなる色ずれ検出用のパターンを中間転写体の移動方向に沿って全周に亘って形成し、その各組のパターンに対してセンサからそれぞれ光を照射してそのときの反射率により、各組のパターンごとに色の異なるトナー像の中間転写体の移動方向の相対的な位置ずれを検出し、その検出した位置ずれ情報を基にしてその位置ずれを正すように中間転写体の移動速度を補正する中間転写体の移動速度補正方法も提供する。
【0021】
さらにまた、上記中間転写体の移動速度補正方法の感光体の回転速度を補正する感光体回転速度補正方法であって、上記色違いの組合せパターンごとに得られる中間転写体の移動方向の位置に対する反射率の関係を示す位置ずれパターンを互いに対比させ、n個の各感光体の中間転写体の移動方向の配設位置関係からそれぞれ予測される上記各組の予測ずれパターンに対して上記反射率により実際に検出した上記位置ずれパターンが一定値を超えてずれているときは、その一定値を超えた色のトナー像を担持する感光体の回転速度を上記一定値を超えたずれ量を正すように補正する感光体回転速度補正方法も提供する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1はこの発明の一実施形態例である中間転写装置を制御系と共に示す概略構成図、図2は同じくその中間転写装置を備えた画像形成装置の一例を示す全体構成図である。
図2に画像形成装置の一例として示すカラー複写機は、中間転写体である中間転写ベルト10を使用したタンデム型の電子写真装置であり、給紙テーブル2上に複写機本体1を載置している。その複写機本体1の上にはスキャナ3を取り付けると共に、その上に原稿自動給送装置(ADF)4を取り付けている。
複写機本体1内には、その略中央に駆動ローラ9,従動ローラ15,16間に張装されて図2の矢印方向に回動する無端ベルト状の中間転写ベルト10を有する中間転写装置20を設けている。その中間転写ベルト10は、従動ローラ15の左方に設けられているクリーニング装置17により、その表面に画像転写後に残留する残留トナーが除去されるようになっている。
【0023】
その中間転写ベルト10の駆動ローラ9と従動ローラ15の間に架け渡された直線部分の上方には、その中間転写ベルト10の移動方向に沿って、異なる色の画像を外面にそれぞれ形成するブラック,イエロー,マゼンタ,シアン用の4つの画像形成部18を構成するドラム状の感光体40B,40Y,40M,40C(以下、特定しない場合には単に感光体40と呼ぶ)を、それぞれ図2で反時計回り方向に回転可能に設けている。そして、その各感光体上に形成された各画像(トナー画像)が、中間転写ベルト10上面に直接重ね合わせ状態に順次転写されていくようになっている。
そのドラム状の感光体40の回りには、帯電装置60、現像装置61、1次転写装置62、感光体クリーニング装置63、除電装置64をそれぞれ設けている。そして、その感光体の上方に、画像書込手段である書込装置21を設けている。
その書込装置21は、4つの異なる色の画像を形成するための4個のレーザダイオードを備えており、その各レーザダイオードから4個の各感光体40にそれぞれ光(レーザビーム)が照射されて、そこにデジタル画像データの書き込みがそれぞれ行われる。
【0024】
一方、中間転写ベルト10の下側には、その中間転写ベルト10上の画像を記録材であるシートPに転写する転写部となる2次転写装置22を設けている。その2次転写装置22は、2つのローラ23,23間に無端ベルトである2次転写ベルト24を掛け渡したものであり、その2次転写ベルト24が中間転写ベルト10を介して従動ローラ16に押し当たるようになっている。この2次転写装置22は、2次転写ベルト24と中間転写ベルト10との間に送り込まれるシートPに、中間転写ベルト10上のトナー画像を一括転写する。
【0025】
その2次転写装置22のシート搬送方向下流側には、シートP上のトナー画像を定着する定着装置25があり、そこでは無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27が押し当てられている。
なお、2次転写装置22は、画像転写後のシートを定着装置25へ搬送する機能も果たす。また、この2次転写装置22は、転写ローラや非接触のチャージャを使用した転写装置であってもよい。
その2次転写装置22の下側には、シートの両面に画像を形成する際にシートを反転させるシート反転装置28を設けている。
【0026】
このカラー複写機は、カラーのコピーをとるときは、原稿自動給送装置4の原稿台30上に原稿をセットする。また、手動で原稿をセットする場合には、原稿自動給送装置4を開いてスキャナ3のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動給送装置4を閉じてそれを押える。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動給送装置4に原稿をセットしたときは、その原稿がコンタクトガラス32上に給送される。また、手動で原稿をコンタクトガラス32上にセットしたときは、直ちにスキャナ3が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行を開始する。そして、第1走行体33の光源から光が原稿に向けて照射され、その原稿面からの反射光が第2走行体34に向かうと共に、その光が第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読取りセンサ36に入射して、原稿の内容が読み取られる。
【0027】
また、上述したスタートスイッチの押下により、中間転写ベルト10が回動を開始する。さらに、それと同時に各感光体40B,40Y,40M,40Cが回転を開始して、その各感光体上にブラック,イエロー,マゼンタ,シアンの各単色画像を形成する動作を開始する。そして、その各感光体上に形成された各色の画像は、図2で時計回り方向に回動する中間転写ベルト10上に重ね合わせ状態に順次転写されていき、そこにフルカラーの合成カラー画像が形成される。
一方、上述したスタートスイッチの押下により、給紙テーブル2内の選択された給紙段の給紙ローラ42が回転し、ペーパーバンク43の中の選択された1つの給紙カセット44からシートPが繰り出され、それが分離ローラ45により1枚に分離されて給紙路46に搬送される。
【0028】
そのシートPは、搬送ローラ47により複写機本体1内の給紙路48に搬送され、レジストローラ49に突き当たって一旦停止する。
また、手差し給紙の場合には、手差しトレイ51上にセットされたシートPが給紙ローラ50の回転により繰り出され、それが分離ローラ52により1枚に分離されて手差し給紙路53に搬送され、レジストローラ49に突き当たって一旦停止状態になる。
そのレジストローラ49は、中間転写ベルト10上の合成カラー画像に合わせた正確なタイミングで回転を開始し、一旦停止状態にあったシートPを中間転写ベルト10と2次転写装置22との間に送り込む。そして、そのシートP上に2次転写装置22でカラー画像が転写される。
【0029】
その画像が転写されたシートPは、搬送装置としての機能も有する2次転写装置22により定着装置25へ搬送され、そこで熱と加圧力が加えられることにより転写画像が定着される。その後、そのシートPは、切換爪55により排出側に案内され、排出ローラ56により排紙トレイ57上に排出されてそこにスタックされる。
また、両面コピーモードが選択されているときには、片面に画像を形成したシートPを切換爪55によりシート反転装置28側に搬送し、そこで反転させて再び転写位置へ導き、今度は裏面に画像を形成した後に、排出ローラ56により排紙トレイ57上に排出する。
【0030】
中間転写装置20は、図1に示すよう4個(2個以上のn個であってもよい)のそれぞれ異なる色のトナー像を個別に担持してそれぞれ回転する4個の感光体40B,40Y,40M,40Cと、その各感光体40にそれぞれ対応する色の画像を書き込むために各感光体40間の距離に応じた発光タイミングでそれぞれ光を照射する書込装置(画像書込手段)21と、各感光体40上に形成された各色のトナー像が重ね合わせ状態に順次転写されていくように矢示C方向に回動する中間転写ベルト(中間転写体)10と、その中間転写ベルト10を4個のトナー像が重ね合わせ状態になるようにベルト駆動モータ7を速度制御する移動速度制御手段として機能する制御装置70とを備えている。
【0031】
また、この中間転写装置20は、中間転写ベルト10上に異なる色のトナー像の組合せからなる色ずれ検出用のパターンを全周に亘って形成するパターン形成手段と、その手段により形成された上記パターンをセンサ37で検知した情報からそのパターンを形成している色のトナー像の中間転写ベルト10の移動方向の相対的な位置ずれを検出する位置ずれ検出手段と、その位置ずれ検出手段が検出した位置ずれ情報を基にしてその位置ずれを正すように上述した中間転写体移動手段の移動速度を補正する移動速度補正手段も設けている。
そして、この実施の形態では、上記パターン形成手段は書込装置21と制御装置70とが機能し、位置ずれ検出手段はセンサ37と制御装置70とが機能している。また、移動速度補正手段は制御装置70が機能している。
【0032】
中間転写ベルト10は、ベルト駆動モータ7により駆動ローラ9を介して図1の矢示C方向に回動されるようになっている。すなわち、ベルト駆動モータ7の回転力は、中間転写ベルト10を回動可能に張架すると共にそのベルトを駆動する駆動ローラ9に伝達され、その駆動ローラ9の回転により中間転写ベルト10が矢示C方向に回動される。
なお、ベルト駆動モータ7は、回転力を駆動ローラ9に直接伝達するものであってもよいし、その間にギヤを介したものであってもよい。
中間転写ベルト10は、例えば弗素系樹脂,ポリカーボネート樹脂,ポリイミド樹脂等で形成するベルトであり、そのベルトの全層や、その一部を弾性部材で形成するようにした弾性ベルトを使用したりする。
そして、この中間転写ベルト10に、感光体40B,40Y,40M,40Cの順に、そこに形成されている異なる色の単色画像(トナー像)が順次重ね合わせ状態に転写されていく。
【0033】
制御装置70による中間転写ベルト10の速度制御は、上述したようにベルト駆動モータ7の回転数を調整することにより行うが、その速度制御は、中間転写ベルト10上にその移動方向に沿って当間隔に多数のマーク5a(図3参照)が配置されたスケール5をそれに対応させて設けているセンサ6で検知し、その各マーク5aの読み取りタイミングから中間転写ベルト10の実速度を検出して、その実速度を基にして中間転写ベルト10上に4個の感光体40からのトナー像が重ね合わせ状態になるように中間転写ベルト10を回動させることにより行う。
【0034】
すなわち、中間転写ベルト10の内面には、図3及び図4に示すように中間転写ベルト10の移動方向に沿って連続して交互に規則正しく配置した反射部となるマーク5aと、そのマーク5a間に位置する非反射部5bとが交互に中間転写ベルト10の全周に亘って当間隔に形成してある。
そのマーク5aは、図4に示すように白色に形成されていて、そのマーク5aと5aの間の非反射部5bが黒色(ハッチングで示している)に形成されている。また、そのスケール5のベルト幅方向(主走査方向)の位置は、例えば感光体の端部に対応する位置にしている。
なお、このスケール5を検知する図1に示したセンサ6の配設位置は、中間転写ベルト10が直線状に張架された部分のベルト面のスケール5を検知できる位置であれば、いずれの場所であってもよい。
【0035】
そのセンサ6は、その一例を図4に示すように、例えば一対の発光部6aと受光部6bとを備えた反射型光学センサであり、発光部6aからスケール5に向けて照射した光の反射光を受光部6bで受光し、その際にスケール5のマーク5aと非反射部5bとで異なる反射光量を検出する。
このセンサ6は、スケール5のマーク5aと非反射部5bとで異なる反射率により正弦波のアナログ信号波形を得て、それをセンサ内の回路によりデジタル信号に変換した後、HighとLowの2値の信号にして、それを受光部6bが出力する。
【0036】
ここで、この実施の形態では、センサ6は受光部6bが光を受光するとHigh信号を出力するタイプのものを使用しているので、スケール5のマーク5aの反射率が非反射部5bよりも高くなるので、センサ6から出力される信号は図4のtの範囲が、マーク5aがセンサ6を通過している間の出力となる。したがって、中間転写ベルト10が回動するに伴い、センサ6の検出範囲を通過するマーク5aの有無により、センサ6の出力がHigh、Lowを図示のように繰り返す。
したがって、その信号がLowからHighに変化した時点から次のLowからHighに変化するまでの時間Tを求めることにより、中間転写ベルト10の表面の移動速度(以下、単にベルト速度ともいう)を検出することができる。
【0037】
図5はそのスケールを使用して行う中間転写ベルトのベルト速度制御ループを示すブロック図である。
このベルト速度制御では、等時間間隔の連続するパルスからなる位置司令信号と、上述したように中間転写ベルト10上のスケール5を検知して得た位置検知のスケール信号がフィードバックされてくる。したがって、その位置検知のスケール信号と位置司令信号とを位置制御ブロック39で比較し、それらのずれ量を計測する。
そして、そのずれ量を電力変換アンプ38で電力に変換し、そのずれ量を正すようにベルト駆動モータ7の回転数を制御する。それにより、中間転写ベルト10のベルト速度が、位置司令信号に正しく追従するように制御される。
このように、中間転写ベルト10上のスケール5を基にして、中間転写ベルト10のベルト速度を直接位置制御することにより、ベルト駆動モータ7の回転数を検出するために設けているエンコーダ(図示せず)や、ベルト駆動モータ7や、中間転写ベルト10等の各部のバラツキがあったとしても、それがベルト速度に影響を与えないようにすことができ、それによりベルト速度を正確な速度に制御することができる。
【0038】
このように、センサ6がベルト速度に対応して出力する情報から中間転写ベルト10の表面の実際の移動速度を検出し、それに応じてその中間転写ベルト10の移動速度を、図1に示した制御装置70が予め設定した基本速度になるように制御する。
その制御装置70は、各種判断及び処理機能を有する中央処理装置(CPU)と、各処理プログラム及び固定データを格納したROMと、処理データを格納するデータメモリであるRAMと、入出力回路(I/O)とからなるマイクロコンピュータを有している。
【0039】
その制御装置70は、ベルト駆動モータ7に対しそれを駆動するための信号を出力し、そのベルト駆動モータ7を中間転写ベルト10が基本速度(定常速度)で回動するように制御する。中間転写ベルト10が回動すると、センサ6はベルト上のスケール5を読み取り、その検出情報が制御装置70にフィードバックされる。
その際、制御装置70は、フィードバックされた情報から得たベルト速度が基本速度に一致していれば、そのままベルト駆動モータ7の回転数を維持することにより(変更なし)、中間転写ベルト10をそのまま基本速度で回動させ続ける。
【0040】
また、そのフィードバックされた情報から得たベルト速度が基本速度と相違する場合には、その差を算出して、中間転写ベルト10のベルト速度が基本速度になるように、ベルト駆動モータ7の回転数を制御する。
制御装置70がセンサ6から中間転写ベルト10の回動に応じて入力するのは、2値化した信号のパルスであり、制御装置70は予め設定した規定時間内にカウントした上記パルスのカウント値を基準カウント値(基本速度に対応するカウント値)と比較し、その差のプラスあるいはマイナスによりベルト駆動モータ7に与えるフィードバック量を計算する。
【0041】
次に、制御装置70が行う中間転写ベルト10のベルト速度の制御について、図6を参照して詳しく説明する。
図1に示した制御装置70は、所定のタイミングで図6に示す中間転写ベルトの移動速度制御処理をスタートさせる。
まずステップ1で、ベルト駆動モータ7をONにして、それを目標速度である基本速度Vで回転させるようにし、ステップ2へ進む。そこでは、ベルト駆動モータ7をOFFにする信号を入力しているか否かを判断し、OFF信号を入力していればステップ3へ進んでベルト駆動モータ7をOFFにして、この処理を終了する。
また、ステップ2でOFF信号を入力していなくてステップ4へ進んだときには、そこでフィードバックされるセンサ6からの信号を入力し、その情報から中間転写ベルト10の表面の実際の速度V′を検出する。そして、次のステップ5で、基本速度Vと実際の速度V′との速度比較を行う。
【0042】
次のステップ6では、その基本速度Vと実際の速度V′とが同じでないか(V≠V)を判断し、その基本速度Vと実際の速度V′が同じで、その間に速度差がなければ(許容できる速度差)、中間転写ベルト10は基本速度Vと同じ速度でベルト表面が回転していると判断できるので、そのまま基本速度Vで制御を継続してステップ2へ戻り、再びそのステップ2以降の判断及び処理を繰り返す。
また、ステップ6の判断で、基本速度Vと実際の速度V′とが同じでないときにはステップ7に進んで、そこで基本速度Vと中間転写ベルト10の実際の速度V′とのベルト表面の速度差V″を計算する。
そして、ステップ8で、その速度差V″がV″>0であるか否かを判断し、V″>0であれば(YESの判断)、基本速度Vよりも、中間転写ベルト10の実際の速度V′の方が遅いと判断できるので、基本速度Vに速度差V″を加えた速度V1になるように、ベルト駆動モータ7の回転数を制御し、その後ステップ2へ戻る。
【0043】
また、ステップ8の判断で速度差V″がV″>0でないときには、速度差V″はV″<0であって中間転写ベルト10の実際の速度V′のベルト表面速度が基本速度Vよりも速いと判断できるので、ステップ10へ進んで、そこで基本速度Vから速度差V″を差し引いた速度V2になるように、ベルト駆動モータ7の回転数を制御し、その後ステップ2へ戻る。
そして、そのステップ2以降の判断及び処理を繰返すことにより、中間転写ベルト10の表面の実際の速度V′が基本速度Vになるように補正制御する。そして、ステップ2でベルト駆動モータ7をOFFにする信号の入力を判断するとステップ3へ進んで、ベルト駆動モータ7をOFFにして、この処理を終了する。なお、スケール5は、中間転写ベルト10の外側の面に設けてもよいが、そうするとその目盛がトナー等により汚れやすくなるので、この実施の形態ではスケール5を中間転写ベルト10の内面側に形成するようにしている。
【0044】
ところで、図2で説明した画像形成装置は、フルカラーの画像を形成するときには、4つの各感光体40の帯電された帯電面に書込装置21の4つのレーザダイオードからそれぞれ光を照射してそこに画像(潜像)を形成し、それを各現像装置61によりそれぞれ異なる色のトナーで現像してトナー像とし、その各色のトナー像を中間転写ベルト10上に順次重ね合わせ状態に転写していき、そこに合成のフルカラー画像を得る。
その場合、1色目のブラック画像を中間転写ベルト10上に転写するタイミングに対し、2色目のイエロー画像を中間転写ベルト10上のブラック画像の上に重ね合わせて転写するタイミングは、中間転写ベルト10が感光体40Bから感光体40Yまで移動する時間分だけ時間をずらすようにする必要がある。そのため、精密な重ね合わせのカラー画像を得るためには、上記の時間ずれを高精度で補正する必要がある。
同様に、3色目のマゼンタ色及び4色目のシアン色の画像についても、同様に転写タイミングをそれぞれずらす必要がある。
【0045】
そこで、この実施の形態による中間転写装置20では、次に示すような方法で上記のタイミング調整を行っている。
まず、正規の画像形成動作に先だって、図7に示すように中間転写ベルト10上に各色のトナー像の位置ずれ(色ずれ)を検知するためのタイミング調整用のパターン81,82,83を、正規の画像形成動作に先だってそれぞれ形成する。
すなわち、予め基準色を例えばブラックとし、それぞれ短冊状のパターンからなるブラックパターン81Bとイエローパターン81Y(図7では両者は重なっている)との組合せによる第1組合せのパターン81を、例えば3本(数は適宜増減可)ずつ縦横に、光学式のセンサ37に対応する位置にそれぞれ形成する。次に、その第1組合せのパターン81に続いて、中間転写ベルト10の移動方向(矢示C方向)に、同様にそれぞれ短冊状のパターンからなるブラックパターン82Bとマゼンタパターン82Mとの組合せによる第2組合せのパターン82を、同様に3本ずつ縦横にそれぞれ形成する。
【0046】
さらに、その第2組合せのパターン82に続いて、中間転写ベルト10の移動方向(矢示C方向)に、同様にそれぞれ短冊状のパターンからなるブラックパターン83Bとシアンパターン83Cとの組合せによる第3組合せのパターン83を、同様に3本ずつ縦横にそれぞれ形成する。なお、この第1組合せのパターン81,第2組合せのパターン82,第3組合せのパターン83は、さらに2順以上中間転写ベルト10の移動方向に連続させてもよい。
このパターン81,82,83は、いずれも図1に示した書込装置21が各感光体40B,40Y,40M,40C上に電子写真方式により各パターン書き込んで、それを対応する各色のトナーで現像したトナー像を各1次転写装置62により中間転写ベルト10に転写することにより形成する。
【0047】
そのパターン81,82,83は、ブラックに組合せる色が異なるだけの同様なパターンである。したがって、その中で代表して第1組合せのパターン81について、図8を参照して詳しく説明する。
なお、第1組合せのパターン81,第2組合せのパターン82,第3組合せのパターン83を使用して行う位置ずれ検知は、基本的には図32乃至図34で説明したものと同様であり、そのパターンを形成するのが中間転写ベルト10上である点と、各色の位置ずれ検知を行う方向が、主走査方向と副走査方向の2方向である点のみが異なる。
【0048】
第1組合せのパターン81は、図8に示すように例えば矢示Cの副走査方向におけるブラック色とイエロー色のトナー像の互いの位置ずれを検出するために、そのブラック色のトナー像からなる短冊状のブラックパターン81B(右上がりのハッチングで示している)と、イエロー色のトナー像からなるイエローパターン81Y(右下がりのハッチングで示している)とを組み合わせたパターンであり、図8ではそのブラックパターン81Bとイエローパターン81Yが全く一致した状態(位置ずれゼロの場合)にある場合を示している。
その各ブラックパターン81Bとイエローパターン81Yは、副走査方向と主走査方向(矢示B)とにそれぞれ3本ずつ平行させて形成するものであり、そのいずれのものも短手側の幅は、この例ではそれぞれ3ドット幅(3d)にしている。また、その互いに隣合う各ブラックパターン81B間及び各イエローパターン81Y間も、同様に3ドット幅(3d)にしている。
【0049】
したがって、ブラックパターン81Bとイエローパターン81Yが主走査方向及び副走査方向にずれなく一致しているときには図8に示したようになり、そのブラックパターン81B間及びイエローパターン81Y間の隙間は最大の3ドットとなる。したがって、この第1組合せのパターン81を光学センサであるセンサ37で検知した際のセンサ出力は最大(反射光量が最大)となる。
ここで、そのブラックパターン81Bとイエローパターン81Yとが相対的に図8の矢示Cの副走査方向に1ドットずれたときには、各パターン間の隙間、すなわち隣合うブラックパターン81Bとイエローパターン81Yとの間の隙間は2ドットとなって、センサ出力は上記の場合よりも小さくなる(図33の場合と同様)。
【0050】
さらに、そのブラックパターン81Bとイエローパターン81Yとが相対的に副走査方向に3ドットずれたときには、各パターン間の隙間、すなわち隣合うブラックパターン81Bとイエローパターン81Yとの間の隙間は0(零)となり、センサ出力は最低となる。
そこで、この画像形成装置では、上記のような2色のブラックパターン81Bとイエローパターン81Yの組合せからなる第1組合せのパターン81により、ブラックとイエローのトナー像の相対的なずれを検出した場合には、その副走査方向にずれた分だけ書込装置21(図1及び図2参照)のレーザビームの書き込みタイミングを補正するようにしている。
同様に、主走査方向に3本平行させて形成しているブラックパターン81Bとイエローパターン81Yとからなる第1組合せのパターン81により、主走査方向のブラック色とイエロー色のトナー像の互いの位置ずれも検出して、ブラックとイエローのトナー像の相対的なずれが生じている分だけ、書込装置21のレーザビームの書き込みタイミングを補正するようにしている。
【0051】
このようにして、第1組合せのパターン81によりブラックとイエローのトナー像の相対的なずれを補正し、同様な方法でブラックとマゼンタのトナー像からなる第2組合せのパターン82を使用して、ブラックとマゼンタの副走査方向及び主走査方向のトナー像の相対的なずれをそれぞれ補正する。さらに、同様にブラックとシアンのトナー像からなる第3組合せのパターン83を使用して、ブラックとシアンの副走査方向及び主走査方向のトナー像の相対的なずれをそれぞれ補正する。
このようにすることで、この画像形成装置では、各色の画像の転写タイミングを調整することにより、各色のトナー像を重ね合わせた際の位置ずれを無くすようにしている。
【0052】
図9は上述したタイミング調整用の各組合せパターンを形成する動作を説明するためのブロック図である。
この実施の形態による中間転写装置20では、次に示すような動作手順で上記のタイミング調整を行っている。
図9に示すように、パターン発生スタート信号を基準パターン発生装置100が入力すると、その基準パターン発生装置100はトリガとしてパターンデータを書込装置21のブラック用の画像書込部21Bに出力する。それにより、画像書込部21Bがブラックパターン81Bを形成するためのレーザ光を照射して、感光体40B上にブラックパターン81Bに対応する画像を形成する。
また、ブラックパターン81Bに組み合わせるイエロー,マゼンタ,シアンの各比較用のパターン書込信号は、比較パターン発生装置104からそれぞれ出力されるが、そのイエロー,マゼンタ,シアンの各画像を形成する各感光体40Y,40M,40Cは、副走査方向にそれぞれ異なる位置に配置されている(図1参照)。
【0053】
したがって、その各感光体間の時間分だけ発光タイミング(書込タイミング)が、第1時間遅延ユニット101,第2時間遅延ユニット102,第3時間遅延ユニット103でそれぞれ遅延されて、イエロー用の画像書込部21Y,マゼンタ用の画像書込部21M,シアン用の画像書込部21Cにそれぞれ出力される。それにより、その画像書込部21Y,21M,21Cから各感光体40Y,40M,40Cに、ブラックパターン81B,82B,83Bにそれぞれ組み合わせる比較用のイエローパターン81Y,マゼンタパターン82M,シアンパターン83Cに対応するレーザ光が照射され、そこに各画像が形成される。
したがって、このようにして各感光体40上に形成した潜像を対応する色の現像装置で現像してトナーにした後に、それを中間転写ベルト10上に転写して図7に示した第1〜第3の組合せのパターン81〜83を形成する。
【0054】
なお、第1,第2,第3時間遅延ユニット101,102,103の各遅延量は、別の手段により基本遅延量を設定し、細かい位置補正を本方式の上記組合せパターンの位置変化により検出した結果を基にして補正する。
また、図7乃至図9で説明したタイミングの調整方法は、その一例を示したものであり、例えば図13以降で説明する2色のトナー像を組み合わせる色ずれ検知用パターンのように、基準色側のトナー像を副走査方向に当間隔に配置し、そこに組み合わせる側のもう一方の側のトナー像を基準色側のトナー像に対して副走査方向に少しずつずらして配置するパターンを使用して、各色用のレーザビームを照射する発光タイミングを調整するようにしてもよい。
【0055】
ところで、上述した転写タイミングの調整により、中間転写ベルト10の移動方向(副走査方向)の位置ずれは完全に補正されるように思われるが、実際には中間転写ベルト10は、例えば図10に示した中間転写ベルト10のようにベルトの厚さにバラツキがあるときにはベルトの移動速度が図11に示すように変化するため、上述したような転写タイミングの調整を行っても、中間転写ベルト10上のトナー像が感光体間の転写位置に到達するまでの時間に変化が生じるため、図12に示すように2色の重ね合わせたトナー像にベルトの移動速度(ベルトの表面速度)に対応して位置ずれが生じたりする。
そのため、この実施の形態では、図1乃至図6で説明したように中間転写ベルト10の内面にスケール5を形成(例えば刻印)し、中間転写ベルト10の回動時にスケール5をセンサ6で読み取ることにより中間転写ベルト10の実速度を検出し、そのフィードバックされた実速度を基にしてベルト速度を基本速度になるように制御装置70が制御するようにしている。
【0056】
ところで、図5に示したようにスケール5をセンサ6で読み取った情報から中間転写ベルト10の実速度を検出する方法の場合には、そのスケール5を形成している多数のマーク5aの位置が全て基準になるので、その各マーク5aの副走査方向の位置がずれていると複数の色のトナー像を重ね合わせる転写タイミングがずれてしまうため、トナー像に位置ずれが生じる。
したがって、中間転写ベルト10上に形成するスケール5のマーク5aは、それを精度良く形成することが不可欠である。ところが、従来の中間転写装置が持つ課題の項でも述べたように、スケール5の個々のマーク(目盛)5aを、仮に高い精度で且つ精細に形成したとしても、そのスケール5全体が理想とする位置関係(絶対位置)に常になっていなければ、そのスケール5を使用して速度制御が行われる中間転写ベルト10は正しい速度に制御されない。
また、仮にその各マーク5aを中間転写ベルト10上に、理想とする位置関係で形成することができたとしても、中間転写ベルト10は経時変化で伸縮したりするため正確な中間転写ベルト10の速度制御はできない。
【0057】
そこで、この実施の形態では、中間転写ベルト10上にスケール5が理想とする位置関係に対してずれて形成されていたり、経時変化で中間転写ベルト10が伸縮したりしたとしても、中間転写ベルト10を正確に速度制御して、トナー像の重ね合わせ画像に位置ずれが生じないようにしている。
そのため、この実施の形態では、以下のような移動速度補正方法を実施する。すなわち、中間転写ベルト10上にその移動方向に沿って当間隔に多数のマーク5aが配置されたスケール5をセンサ6で検知し、その各マーク5aの読み取りタイミングから中間転写ベルト10の実速度を検出して、その移動速度を基にして中間転写ベルト10上に4個の各感光体40からのトナー像が重ね合わせ状態になるように中間転写ベルト10を移動させるベルト駆動モータ(中間転写体移動手段)7の回転数を制御する。
【0058】
また、中間転写ベルト10上には、それぞれ異なる2色ずつ組み合わせた色違いのトナー像からなる色ずれ検出用のパターン(図13及び図14等で説明する)を中間転写ベルト10の移動方向に沿って全周に亘って形成し、その各組のパターンに対してセンサ37からそれぞれ光を照射してそのときの反射率により、各組のパターンごとに色の異なるトナー像の中間転写ベルト10の移動方向の相対的な位置ずれを検出し、その検出した位置ずれ情報を基にしてその位置ずれを正すようにベルト駆動モータ7の回転速度を補正することにより中間転写ベルト10の移動速度を補正する。
【0059】
以下、その色ずれ検出用のパターンを使用して行う中間転写ベルト10の移動速度補正について詳しく説明する。
図13(a)は正規の画像形成に先がけて中間転写ベルト上に形成する色ずれ検出用のパターンを示す平面図、図13(b)は同じくそのパターンを検知して得た反射率の変化を示す線図である。
図13の(a)に示す色ずれ検出用のパターン91,92,93(外見は同一で色違い)は、図7で説明した発光タイミング調整用パターン81,82,83と同様に3種類のパターンからなる。その各パターンは、基準色で形成したトナー像とそれに組み合わせる基準色以外の1色で形成する色ずれ(位置ずれ)測定色とを組み合わせた2色のトナー像からなるものであり、この実施の形態ではその基準色をブラックとしている。
そして、1番目の色ずれ検出用のパターン91を、ブラックとイエローの組合せとし、2番目の色ずれ検出用のパターン92を、ブラックとマゼンタの組合せとし、3番目の色ずれ検出用のパターン93を、ブラックとシアンの組合せとしている。
【0060】
なお、図13の(a)では、1,2,3番目の色ずれ検出用のパターン91,92,93を、図示の簡略化により1つの図で代用して図示しているが、実際にはこの各パターン91,92,93は、最初に中間転写ベルト10上にパターン91を形成し、そのパターン91をセンサ37で検知して必要な情報(反射率)を読み取った後でそのパターン91を消去し、次にパターン92を中間転写ベルト10上に形成して、同様にそのパターン91から必要な情報を読み取る。その後、そのパターン92を消去し、次にパターン93を中間転写ベルト10上に形成して、同様にそのパターン93から必要な情報を読み取り、その後そのパターン93を消去する。
【0061】
パターン91は、それぞれ短冊状に形成した多数のブラック色のトナー像91B,91Yの組合せからなり、ブラック色のトナー像91B(図13の(a)では便宜上ハッチングを入れて図示している)は基準側のトナー像となり、イエロー色のトナー像91Y(便宜上点描を入れて図示している)は色ずれを測定するためのトナー像となる。その基準側のブラック色のトナー像91Bは、等間隔に中間転写ベルト10上に、その移動方向(矢示Cの副走査方向)に沿って多数個を連続させて形成する。
一方、色ずれを測定する側のトナー像91Yは、同様に中間転写ベルト10上に移動方向に沿って多数個を連続させて形成するが、その互いの間隔は少しずつ中間転写ベルト10の移動方向にずらした不均一な間隔にする。
【0062】
したがって、この2色のトナー像91B,91Yの組合せからなるパターン91は、場所によってトナー像91Bとトナー像91Yの重なり度合いが異なるので、このパターン91からセンサ37は上記トナー像の重なり度合いの変化に対応して、中間転写ベルト10の移動方向となる副走査方向の各位置に対応して、図13の(b)に示すような反射率を得る。
ここで、トナー像91Bと91Yが完全に重なった部分(図で左右の端部に位置するもの)では、それぞれ隣合うトナー像91B間、及びトナー像91Y間に位置する中間転写ベルト10の地肌部分が全て露出した状態になるので、反射率が最も高くなる(図13の(b)参照)。
【0063】
そして、そのトナー像91Yの基準色側のトナー像91Bに対するずれ量が増大していくにしたがって、上記地肌部分が見える領域が少なくなり、トナー像91Yが一個分だけ完全にずれた位置(図示の略中央付近)で地肌部分が全く見えなくなり、そこで反射率は最低になる。
そして、この1番目の色ずれ検出用のパターン91の反射率の検出を中間転写ベルト10の全周に亘って終えると、そのパターン91を消去して、次にブラックとマゼンタの組合せとなる2番目の色ずれ検出用のパターン92を中間転写ベルト10上に同様に形成し、上述した場合と同様にその反射率を中間転写ベルト10の全周に亘って検出する。
そして、その検出を終えると、そのパターン92を消去して、さらにブラックとシアンの組合せとなる3番目の色ずれ検出用のパターン93を中間転写ベルト10上に形成し、その反射率を中間転写ベルト10の全周に亘って検出した後、それを消去する。
【0064】
このようにして、この実施の形態では、均一な間隔で形成したトナー像91Bと、それぞれベルトの移動方向に徐々に位置をずらしたトナー像91Y,92M,93Cとの組合せからなる各パターン91,92,93について、その反射率を中間転写ベルト10の全周に亘ってそれぞれ検出し、その反射率を制御装置70(図1)の後述する反射率格納メモリ41aに格納する。
なお、図14には、トナー像91Y(92M,93Cも同様)が、ベルトの移動方向に若干ずつずれた位置に形成されている点を明瞭にするため、そのトナー像91Yをトナー像91Bに対して便宜上主走査方向にずらした位置に図示している。
【0065】
次に、このパターン91,92,93を形成する手順、及びその各パターンから検出した結果から得た反射率を基にして行う中間転写ベルト10のベルト速度補正の手順を、図15を参照して説明する。
まず最初に、正規の画像形成動作を開始する前に、図3及び図4で説明した中間転写ベルト10上のスケール5を使った中間転写ベルト速度制御を行いながら、中間転写ベルト10上に図13の(a)で説明した1番目の色ずれ検出用のパターン91を形成する。そのパターン91は、中間転写ベルト10の全周に亘って形成する。
【0066】
次に、パターン91の反射率をセンサ37により、中間転写ベルト10の一周全てについて検出(測定)する。この場合、位置ずれが発生していなければ特定点(ベルトの継目等のホームポジションとなる位置)を基準として、一定周期で上記反射率の変化が現れるはずである。しかし、位置ずれが発生している場合にはその特定点から見たときの周期の位相にずれが発生する。そのため、中間転写ベルト10の特定点から回動方向の各位置について、上記反射率が図13の(b)と同じ出力位相にするため、トナー像91Yを副走査方向にずらす必要のあるずらし量(位置ずれ値)をそれぞれ算出し、その算出した各値を中間転写ベルト10のホームポジション(例えば継目とする)からの回動方向の各位置ごとに対応させて格納メモリ41に格納する。
次に、その格納したデータを、中間転写ベルト10のベルト速度を補正するための補正データにするには、各感光体40間の距離に応じた時間遅延や、中間転写ベルト10一周でのズレ(オフセット)をゼロにする等の修正、さらにはその速度補正量をベルト一周内で再分配する必要であるので、それを補正量再分配装置105で行い、その補正量再分配結果を格納メモリ41に再格納する。
【0067】
その後、その1番目の色ずれ検出用のパターン91を中間転写ベルト10から消去し、その中間転写ベルト10上に今度は2番目の色ずれ検出用のパターン92を形成し、1番目の色ずれ検出用のパターン91の場合と同様な手順を経て、補正量再分配結果を格納メモリ41に再格納する。
さらに、その後に2番目の色ずれ検出用のパターン92を中間転写ベルト10から消去し、その中間転写ベルト10上に今度は3番目の色ずれ検出用のパターン93を形成し、1,2番目の色ずれ検出用のパターン91,92の場合と同様な手順を経て、補正量再分配結果を格納メモリ41に再格納する。
【0068】
そして、実際の画像(オペレータにより画像形成指示される画像)を形成するときは、中間転写ベルト10上のスケール5をセンサ6が検知して得られるベルトスケール検知(ベルトの実速度に対応)と、常に当時間隔のパルスとして出力される位置司令信号とのずれから位置制御装置106で得られるベルト速度制御量に、上述した記憶部から呼び出した補正量再分配結果による補正量を加算して、実際に制御する補正量を決定し、その補正量により制御装置70のモータ制御部70aがベルト駆動モータ7を駆動制御して中間転写ベルト10を最適なベルト速度に制御する。
【0069】
このように、この実施の形態による中間転写装置及びそれを備えた画像形成装置によれば、中間転写ベルト10上に形成するスケール5に精度上の誤差があったり、その絶対位置にずれがあったり、さらにはその中間転写ベルト10が経時的に伸縮したりすることによりベルト速度に変動が生じたとしても、上述したそれぞれ2色のトナー像の組合せからなる色ずれ検出用のパターン91,92,93を使用した色合わせ結果をフィードバックすることによりベルト速度に補正をかけるので、中間転写ベルト10を正しいベルト速度に制御することができる。
【0070】
なお、この中間転写ベルト10のベルト速度を各色間で色ずれが生じないように補正する制御は、全て図1に示した移動速度補正手段として機能する制御装置70が行う。
そして、その制御は、中間転写ベルト10の全周に亘ってその移動方向に沿って当間隔に多数形成されたマーク5aからなるスケール5をセンサ6で読み取り、その各マーク5aを読み取ったタイミングから中間転写ベルト10の実速度を検出して、そのスケール検知で得た移動速度を基にし、等時間隔のパルスとして出力される位置司令信号とのずれから得られるベルト速度制御量に、格納メモリ41から読み出した補正量再分配結果による補正量を加算して制御する補正量を決定し、それによりベルト駆動モータ7を駆動制御して中間転写ベルト10を最適なベルト速度に制御する。
【0071】
すなわち、この実施の形態では制御装置70は、各マーク5aをセンサ6が読み取る度に出力される信号の出力タイミング(パルスの立上りタイミング)を基準にして中間転写ベルト10の移動速度を補正するようにしている。
また、その制御装置70による速度補正は、図15の格納メモリ41に記憶させている位置ずれ情報を基にして、図16に示すように中間転写ベルト10の1周(周期T)内ごとに行うものであり、その補正するベルト速度(移動速度)の補正量は、中間転写ベルト10のホームポジションを基準として、そこからベルト移動方向の各位値ごとにそれぞれ割り振って配分することにより行っている。そして、そのベルト速度の補正は、図16に示したように補正速度を数段階に分けた段階的な速度補正であり、その補正速度を変更するタイミングは、この実施の形態では位置司令信号のパルス複数個分ごとにしている。これは、あまり短い時間間隔にすると速度変更の制御が追従しなくなるためである。
【0072】
図17はパルス状に連続する位置司令信号を補正することにより中間転写ベルトの移動速度を補正するようにした中間転写装置が反射率データを基にして位置司令信号の出力タイミングを補正する手順を説明するためのブロック図、図18は同じくその中間転写装置のベルト速度補正に関する制御系を示すブロック図、図19は同じくその補正前後の位置司令信号を示す波形図であり、図15と対応する部分には同一の符号を付してある。
なお、この実施形態による中間転写装置を備えた画像形成装置は、図2で説明した画像形成装置と各部の構成が同様であり、制御系が行う中間転写ベルト10の移動速度を補正する方法が異なるだけであるため、その図示及び説明を省略し、必要に応じて図1及び図2等で使用した符号を使用して説明する。
この実施形態による中間転写装置の移動速度補正手段として機能する制御装置(図1の制御装置70と同様な構成)は、中間転写ベルト10の移動方向に隣合うマーク5a(図4参照)間の距離と中間転写ベルト10の移動速度とにより決まる図19に示す等間隔のパルス状に連続する位置司令信号自体を図示のように補正することにより、中間転写ベルト10の移動速度を補正する。
【0073】
すなわち、図15で説明した実施形態による中間転写装置の場合には、位置司令信号と、中間転写ベルト10上に形成しているスケール5を検知することにより得た中間転写ベルト10の実速度とのずれから得られるベルト速度制御量に、格納メモリ41から読み出した補正量再分配結果による補正量を加算して、最終的に制御する補正量を決定する方法であったため、この補正方法の場合には制御回路が2系統になって構成が複雑化するということがあった。
そこで、この実施形態では、位置司令信号自体の各パルスの時間間隔を、格納メモリ41の反射率格納メモリ41aから読み出した補正量再分配結果により補正(図19に示した補正量の分配位置に応じて変更)するようにしている。そして、その補正後の位置司令信号により、ベルト駆動モータ7(図18)を駆動させて中間転写ベルト10を補正した速度で回動させるようにしている。
【0074】
その補正時間の変換は、中間転写ベルト10のホームポジションが1周ごとにくる度に、図18に示す格納メモリ41に格納されている補正量再分配結果を読み出して、それを補正時間に変換する。そして、その補正時間は位置司令信号に加算することにより、図19に示したように補正した部分の位置司令信号が補正前の等間隔のパルス(出力信号)から少しずれた間隔のパルスになる。
この補正後の位置司令信号により、中間転写ベルト10を駆動するベルト駆動モータ7の回転数を制御すると、スケール5の絶対位置のずれによって生じる異なる色のトナー像の副走査方向の色ずれ(位置ずれ)を補正することができる。
【0075】
その位置司令信号を補正する手順を、図17を参照して説明する。
まず、中間転写ベルト10上の色ずれ検出用のパターン91〜93(図13参照)を読み取った反射率データが、反射率格納メモリ41aに順次格納される。また反射率データ格納カウンタ54は、中間転写ベルト10上のスケール5のマーク5aを一定数(この例では図19のようにパルス3個分の周期)カウントするごとにカウントアップされるようになっている。
反射率データが反射率格納メモリ41aに格納されると、その反射率データはこの制御装置のCPUのソフトウエア処理により、反射率データ群が補正データ群に変換される。
【0076】
その反射率データ群を補正データ群に変換する際には、反射率の変化から、どの程度位置ずれが生じているのかを考慮したり、その位置ずれはどの時点での速度変動に起因しているものであるのか、その位置ずれはどのように補正値をベルト一周内で配分すればその位置ずれをゼロにすることができるか等を考慮し、ベルト一周内において配分する補正値を決定する。
また、指示された画像を形成する画像形成時には、補正値読み出しカウンタ58のカウントタイミングにしたがって補正値を読み出し、その補正値により位置司令信号の出力タイミングを補正する。
【0077】
図20はそのベルト速度補正値算出処理を示すフロー図である。
この実施の形態による中間転写装置が有する制御装置は、図20のルーチンがスタートすると、まず最初のステップで、制御装置が備えている反射率データを格納する際に使用する反射率データ格納カウンタ54のカウント値をクリアする。そして、次のステップで回動する中間転写ベルト10のホームポジションが来るのを待ち、そのホームポジションが来ると次のステップへ進んで、中間転写ベルト10上に形成した色ずれ検出用のパターン91〜93(図13参照)を、一定のスケール間隔(図19の場合にはマーク5aを3個検出する間隔)単位で順次検知して、その反射率をそれぞれ検出する。
【0078】
その検出した反射率の各データは、次のステップで制御装置の反射率格納メモリ41aに、上記一定のスケール間隔ごとの反射率データとして格納し、次のステップで、その一定スケール間隔の反射率データを格納する度に反射率データ格納カウンタ54をカウントアップしていく。
そして、次のステップで、中間転写ベルト10が1周回動したか否かを判断し、1周していれば次のステップへ進んで、反射率格納メモリ41aに格納されている反射率データを基にして、中間転写ベルト10の1周における全体の補正をどのようにすれば整合がとれるかを計算し、ベルト1周における補正値の配分を計算し、それを補正データ格納メモリ41b(図17)に再格納してこの処理を終了する。
なお、上記補正値の配分は、中間転写ベルト10が一周した後で副走査方向の位置ずれ量がゼロになるように、考慮しなければならない。
【0079】
図21はその補正値を使用して位置司令信号を補正する処理のルーチンを示すフロー図である。
このルーチンは、それがスタートすると、まず最初に制御装置が備えている補正データ格納メモリ41bのカウンタをクリアし、次のステップでホームポジションが来るのを待ち、ホームポジションが来ると次のステップへ進んで、補正データ格納メモリ41bに格納されている補正値を、一定のスケール間隔(図19の場合にはマーク5aを3個検出する間隔)単位で読み出し、次のステップでその補正値により一定のスケール間隔ごとに位置司令信号の出力タイミングを補正する。すなわち、補正前の等間隔のパルスからなる位置司令信号を、間隔が少しずれたパルスに補正する。
そして、次のステップで、その一定のスケール間隔こどに位置司令信号の出力タイミングを補正する度に補正値格納メモリカウンタをカウントアップする。
【0080】
さらに、次のステップで、中間転写ベルト10が1周したか否かを判断し、1周していればこの処理を終了するが、まだ1周していなければ、再び上述した一定スケール間隔で位置司令信号を補正する処理以降を繰り返し、中間転写ベルト10が1周したことを判断すると、この処理を終了する。
この実施の形態によれば、位置司令信号自体を補正し、その補正した位置司令信号により中間転写ベルト10のベルト速度を制御するため、その補正後の位置司令信号によりベルト速度制御を行う速度制御装置は、従来のものと全く同様のものを使用することができる。したがって、制御システムを簡略化することができながら、中間転写ベルト10のベルト速度を高精度に制御することができる。
【0081】
ところで、中間転写ベルト10に速度変動があった場合には、図13に示した3種類の各パターン91,92,93ごとに得られる中間転写ベルト10の移動方向の位置に対する反射率の関係を示した位置ずれパターンは、図22に示すように異なる。
この図22の(a)〜(c)は、ブラックとイエロー(以下Bk,Yとも記載する)のトナー像からなるパターン91と、ブラックとマゼンタ(以下Mとも記載する)のトナー像からなるパターン92と、,ブラックとシアン(以下Cとも記載する)のトナー像からなるパターン93をそれぞれセンサ37が検知した反射率を中間転写ベルト10の移動方向のホームポジシヨンからの位置を揃えて比較した線図である。
【0082】
ドラム状の各感光体が、図1等に示したように、中間転写ベルト10の移動方向にブラック用の感光体40B、イエロー用の感光体40Y、マゼンタ用の感光体40M、シアン用の感光体40Cの順で並んでいる場合には、図22に示したように、反射率の位置ずれパターンにおける反射率の最高位値及び最低位置が発生するベルト移動方向の各位置は、その移動方向に順次ずれるようになる。したがって、それが検出時間のずれとなる。
ここで、仮にマゼンタ用の感光体40Mだけに、ドラムの速度ムラ(回転ムラ)があったとした場合について考えてみると、上記3種類の位置ずれパターンを時間軸(図22で横軸)の補正を行うことにより、3種類の位置ずれパターンの反射率の最高位値及び最低位置の位置を揃えると、その結果は図23の(a)に示すようになる。
【0083】
その結果は、Bk−Yの組合せの位置ずれパターンとBk−Cの組合せの位置ずれパターンとは略同じパターンになるが、Bk−Mの組合せの位置ずれパターンのみが、他の2つのパターンに対して異なる位置ずれパターンを示すようになる。
これは、中間転写ベルト10の速度変動以外の要因で発生したものであって、マゼンタ用の感光体40Mの回転速度ムラに起因するものであるので、そのずれをなくすように感光体40Mの回転速度を補正するようにすれば、マゼンタの色ずれを直すことができる(ずれている色が他の色である場合も同様)。
【0084】
すなわち、図23の(b)に示すようなタイミングごとに、感光体40Mの回転速度を縦軸の回転速度補正量だけ補正すればよい。
そして、この実施の形態による中間転写装置では、色ずれ検出用のパターンからそのパターンを形成しているトナー像の相対的な位置ずれを検出する位置ずれ検出手段は、上記パターンに対して光を照射してその反射率により上記位置ずれを検出する。また、そのパターンを形成するパターン形成手段は4(2個以上のn個)個の色のトナー像を2色ずつ組み合わせて色違いの組合せパターンを複数組形成する手段である。
【0085】
さらに、この中間転写装置は、各組のパターンごとに得られる中間転写ベルト10の移動方向の位置に対する反射率の関係を示す位置ずれパターンを互いに対比させ、4個の各感光体40B,40Y,40M,40Cの中間転写ベルト10の移動方向の配設位置関係からそれぞれ予測される上記各組の予測位置ずれパターンに対して上記位置ずれ検出手段が検出した実際の位置ずれパターンが一定値を超えてずれているときは、そのずれが一定値を超えた色のトナー像を担持する感光体の回転速度を上記一定値を超えたずれ量を正すように補正する手段も設けている。
そして、その複数組(この例では3組)形成する色違いの組合せパターンは、例えばブラック(それ以外の色に任意に変更可)である1つの色を特定色として選択し、その特定色以外の他のイエロー,マゼンタ,シアンの全ての色を1色ずつブラックにそれぞれ組み合わせて各パターン91,92,93(図13)を形成している。
【0086】
また、上述した各組のパターンごとに得られる中間転写ベルト10の移動方向の位置に対する反射率の関係を示す位置ずれパターンの互いの対比は、特定色とその特定色以外の中から選択した1色とを組み合わせた1つのパターンを常に対比基準にするとよい(例えば、図24の例ではBk−Yの組合せを対比基準にしている)。
なお、上記特定色とする色は、中間転写ベルト10の移動方向に対して最も上流側に位置する感光体に形成されるトナー像の色、すなわち図1に示した中間転写装置20の場合には、最も上流側に位置する感光体40Bに対応するブラック色にするとよい。
【0087】
図24は回転速度ムラにより色ずれを生じさせている感光体の回転速度を補正する処理を行うルーチンを示すフロー図である。
このフローチャートは、上述したようにブラックを特定色にすると共に、Bk−Yの組合せパターンを対比基準とした場合の一例を示したものである。
制御装置が有するマイクロコンピュータは、図24のルーチンがスタートすると、まず最初のステップで、図22の(a)〜(c)に示したように、BKをそれぞれ基準とした3つの各パターンについて、BKに対するY,M,Cの各色のずれ量を、上記各パターンからの反射率により検出し、それを図17に示した反射率格納メモリ41aに格納する。
【0088】
次のステップでは、図22の(c)に示したように、対比基準とするBk−Yのずれパターンのずれ量からBk−Mのずれパターンを予測する。すなわち、図1に示したように、M用の感光体40MはY用の感光体40Yからベルトの移動方向下流側に所定の距離離れた位置に配設されているので、正常な動作時にはBk−Mのずれパターンは、図22の(b)に示したように、MのBkに対する色ずれの最大色ずれ位置は、同図に関連線aを引いたように、その関連線a上に位置するはずである。したがって、このようなずれ量を予測することにより、図22の(b)に示したBk−Mのずれパターンを予測する。
次のステップでは、Bk−Mの予測した予測ずれパターンに対して実際に測定したずれパターンを比較し、その差のずれ量を算出する。さらに、次のステップで、そのずれ量が一定値以内にあるか否かを判断し、一定値以内になければ(一定値を超えてずれているとき)、M用の感光体40Mに回転速度ムラが生じているので、その感光体40Mの回転速度を補正してずれを正す。
【0089】
また、Mのずれが一定値以内にあれば次のステップに進んで、対比基準のBk−Yのずれパターンのずれ量から、今度はBk−Cのずれパターンを予測する。すなわち、C用の感光体40Cの配設位置から推定して、感光体40Cが正常な動作をしているときには、Bk−Cのずれパターンの最大色ずれ位置は、図22の(a)に示した関連線a上に位置するはずであるので、このようなずれ量を予測することにより、Bk−Cのずれパターンを予測する。
次のステップでは、Bk−Cの予測した予測ずれパターンに対して実際に測定したずれパターンを比較し、その差のずれ量を算出し、次のステップでそのずれ量が一定値以内にあるか否かを判断し、一定値以内になければ(一定値を超えてずれているとき)、C用の感光体40Cに回転速度ムラが生じているので、その感光体40Cの回転速度を補正してずれを正し、この処理を終了する。
【0090】
また、M,Cのずれ量が共に一定値以内であるとには、そのM,C用の感光体40M,40Cの回転速度を補正する必要はないので、そのままこの処理を終了する。
このように、この実施の形態では、ドラム状の各感光体の転写特性(回転速度、メカ特性)に問題があったときでも、ベルト速度の変動成分と分離してその問題を生じている感光体の回転速度を確実に補正制御することができる。
なお、この実施の形態では、上記感光体の回転速度の補正は、その回転速度の補正する感光体の1回転内で、図23の(a)に示したように、ずれ量が一定値(許容できる色ずれを値を予め実験により求めておく)を超えた部分について、図23の(b)に示した速度補正量で部分的に速度補正する。したがって、感光体の1回転内における速度変動に対しても、それを細かく補正することができる。
【0091】
次に、最適な特定色を選択して複数組の色違いの組合せパターンを形成するようにした中間転写装置の実施形態について、図25及び図26を参照して説明する。
図22で説明した実施形態の場合には特定色をBkとし、そのBkとYを組み合わせたパターンを対比基準にし、それに対してMやCの色のずれを判断していた。したがって、この場合にはY自体が正規の位置に対してずれているときには好ましくなかった。
【0092】
そこで、この実施形態では、上述した特定色の選択は、n個(この例では4個)の色を全て総あたりとした全組合せの色違いのパターンについて図22に示したものと同様な位置ずれパターンを測定し、最初に任意に選択した第1色を基準にして組み合わせた異なるn−1個(この例では3個)の各パターンからそれぞれ得た上記位置ずれパターンの相関を見ると共に、その第1色を除いた全ての色を互いに組合せた位置ずれパターンの相関を見て、第1色の実際のずれ位置が予測される予測ずれ位置に対して相関が保たれる一定値内にあればその第1色を特定色として選択し、一定値を超えていれば次以降に任意に選択する第2色以降を同様に基準にしてその第2色以降が特定色に成り得るかを同様に順次判断していくことにより特定色を選択する手段を設けている。
そして、その手段としては、図1に示した制御装置70と同様な制御装置(制御装置70と制御する内容のみ異なるだけであるので、その図示は省略する)が機能する。
【0093】
この実施形態では、4個の感光体を有する場合であるので、全て総あたりとした全組合せの色違いのパターンは6通り存在する。したがって、この6種類のパターンの全てについて、中間転写ベルト10が一周する間の全てのベルト位置に対して組み合わせた2色間のずれ量(この例では反射率で求めている)を反射率により求め、そのデータを反射率格納メモリ41a(図17)に格納する。
そして、その後で、色を組み合わせる上で基準とする基準の色を含む3種類のずれパターンと、その基準の色を含まない3種類のずれパターンについて、それぞれ相関を比較する。
そして、基準とした色の実際のずれ量が、予測される予測ずれ位置に対して相関が保たれる一定値内にあればその基準とした色を特定色として選択するが、一定値を超えていれば、その色を扱う感光体は回転ムラ等があることにより色ずれが発生しているということになる。したがって、この場合には、次以降に任意に選択する色の中から特定色を決定する。
【0094】
以下、その制御装置が行う特定色を選択するために行う総あたりの全組合せの色違いパターンを測定して反射率格納メモリ41aに格納する処理を図25で、その反射率格納メモリに格納した情報を基にして特定色を決定する処理を図26を参照して、それぞれ説明する。
図25に示すルーチンがスタートすると、まず最初のステップで、第1色を任意に選択するが、この例ではその任意に選択した第1色をBkとした場合の例を示しており、そのBkを基準にしてYと組み合わせたBk−Yのパターンのずれ量を反射率により中間転写ベルト10の一周に亘って検出したデータ(図22の(c)の位置ずれパターンに相当する)を反射率格納メモリ41aに格納する。
【0095】
次に、同様にBkを基準にしてMと組み合わせたBk−Mのパターンのずれ量を反射率により検出したデータ(図22の(b)に相当)を反射率格納メモリ41aに格納する。さらに、Bkを基準にしてCと組み合わせたBk−Cのパターンのずれ量を反射率により検出したデータ(図22の(a)に相当)を反射率格納メモリに格納する。
また、次のステップで、上記第1色としたBkを除いたY,M,Cの各色を互いに組合せた位置ずれパターンとして、まず最初にY−Mのパターンのずれ量を反射率により検出したデータ、すなわち図22の(a)〜(c)に示したものと同様なずれパターンで、色の組合せをY−Mの組合せにした点のみが異なる位置ずれパターンのデータを、反射率格納メモリ41aに格納する。さらに、それに続いて、同様にYとCを組み合わせたY−Cのパターンのずれ量を反射率により検出したデータと、MとCを組み合わせたM−Cのパターンのずれ量を反射率により検出したデータを順次反射率格納メモリ41aに格納し、このルーチンの処理を終了する。
【0096】
そして、次の図26に示すルーチンがスタートすると、まずステップ1で、図25で説明した処理で先にデータを格納したBk−Y,Bk−M,Bk−Cの3つのずれパターンの相関を計算する。
すなわち、図22の(a)〜(c)に示したように、Y,M,Cの色のトナー像を形成する図1に示した各感光体40Y,M,Cは、基準としたBk色のトナー像を形成する各感光体40Bからの距離がそれぞれ異なる距離に配設されているので、図22の(a)〜(c)に示したように、中間転写ベルト10のベルト移動方向のベルト一周内における各位置での各色の基準色であるBk色に対するずれを表した位置ずれパターンは、その最高ずれ位置(波形の頂上)あるいは最低ずれ位置(波形の最下位値)は、関連線aで示したような相関が通常はみられる。したがって、ステップ1では、Bk−Y,Bk−M,Bk−Cの3つのずれパターンには、上述したような相関があるかを計算する。
【0097】
次に、ステップ2では、図25で説明した処理で後にデータを格納したY−M,Y−C,M−Cの3つの位置ずれパターンの相関を、ステップ1の場合と同様な方法で計算する。
次のステップ3では、基準の第1色としたBkのずれが、予測される予測ずれ位置に対して相関が保たれる一定値内にあるか(相関あり)否かを判断し、一定値以内にあって相関が保たれていればBkは正常なずれ範囲にあるのでステップ4へ進んで、Bkを基準とする特定色に決定する。
また、ステップ3の判断で、相関がなくてステップ5へ進んだときには、第1色として選択したBkは特定色にするにはふさわしくなかったので、今度は第2色のY(それ以外の色としてもよい)を基準の色として、そのYと他の3色をそれぞれ組み合わせたY−Bk,Y−M,Y−Cの3つのずれパターンの相関を計算する。
【0098】
そして、次のステップ6で、そのYを含まない3色の組合せとなるBk−M,Bk−C,M−Cの3つのずれパターンの相関を、上述した場合と同様な方法で計算する。
次のステップ7では、基準色としたYが、予測される予測ずれ位置に対して相関が保たれる一定値内にあるか(相関あり)否かを判断し、一定値以内にあって相関が保たれていればYは正常なずれ範囲にあるのでステップ8へ進んで、Yを基準とする特定色に決定する。
また、ステップ7の判断で、相関がなくてステップ9へ進んだときには、第2色として選択したYは特定色にするにはふさわしくなかったので、今度は第3色のM(それ以外の色としてもよい)を基準の色として、そのMと他の3色をそれぞれ組み合わせたM−Bk,M−Y,M−Cの3つのずれパターンの相関を計算する。
【0099】
そして、次のステップ10で、そのMを含まない3色の組合せとなるBk−Y,Bk−C,Y−Cの3つのずれパターンの相関を、上述した場合と同様な方法で計算する。
次のステップ11では、基準色としたMが、予測される予測ずれ位置に対して相関が保たれる一定値内にあるか(相関あり)否かを判断し、一定値以内にあって相関が保たれていればMは正常なずれ範囲にあるのでステップ12へ進んで、Mを基準とする特定色に決定する。
また、ステップ11の判断で、相関がなくてステップ13へ進んだときには、第3色として選択したMは特定色にするにはふさわしくなかったので、今度は第4色のCを基準の色として、そのCと他の3色をそれぞれ組み合わせたC−Bk,C−Y,C−Mの3つのずれパターンの相関を計算する。
【0100】
そして、次のステップ14で、そのCを含まない3色の組合せとなるBk−Y,Bk−M,Y−Mの3つのずれパターンの相関を、上述した場合と同様な方法で計算する。
次のステップ15では、基準色としたCが、予測される予測ずれ位置に対して相関が保たれる一定値内にあるか(相関あり)否かを判断し、一定値以内にあって相関が保たれていればCは正常なずれ範囲にあるのでステップ16へ進んで、Cを基準とする特定色に決定する。
また、ステップ15の判断で、Cが予測される予測ずれ位置に対して一定値を超えることにより相関がないときには、第4色として選択したCも特定色にするにはふさわしくないので、エラーとして、この処理を終了する。
【0101】
この実施の形態によれば、2色のトナー像を組み合わせてなる色ずれ検出用の各パターンを形成する際に、その基準色となる側の色について、適するものと適さないものとを区別するので、例えば基準にしようとした色を扱う感光体の特性に問題があった場合には、その問題のある感光体以外の感光体が形成するトナー像の色を基準の特定色にすることができる。
したがって、常に最適な色の組み合わせによる色ずれ検出用の各パターンが対比基準となるため、高い精度の色ずれ補正を行うことができる。
【0102】
図27は複数本形成する色ずれ検出用のパターンの全てを同時に中間転写ベルト上に主走査方向に間隔を置いて全周に亘って形成するようにした中間転写装置の中間転写ベルトのパターン付近を示す平面図である。
なお、この実施の形態による中間転写装置は、中間転写ベルト10に3本のパターン91,92,93を同時に形成すると共に、それらを検知する3個のセンサ37A,37B,37Cを設けた点以外は、図1に示した中間転写転写装置20と同様であるため、その全体の図示を省略する。また、この実施の形態による中間転写装置を備えた画像形成装置も、中間転写ベルト10に形成する上記パターン以外は、図2に示した画像形成装置の構成と同様であるため、その図示も省略する。
【0103】
この実施の形態では、色ずれ検出用のパターンは異なる色の組合せのものをn−1本形成する。したがって、フルカラーの4個の感光体を有するものでは、4−1=3となり、上述したように3本のパターン91,92,93を、全てを同時に中間転写ベルト10の矢示Eの主走査方向に間隔を置いて全周に亘って形成する。また、その各パターン91,92,93に対応させて、その各パターンをそれぞれ検知可能にセンサ37A,37B,37C(図1のセンサ37と同様なもの)をそれぞれ設ける。
なお、パターン91,92,93は、図13等で説明したものと同様なものである。
この実施の形態によれば、3本のパターン91,92,93を3個のセンサ37A,37B,37Cで同時に検知することができるので、そのパターンを1本ずつベルト上に形成して、それを検知した後に消去して、そこに次のパターンを形成していく場合に比べて、短時間で全てのパターンの色ずれ情報を得ることができる。
【0104】
図28は色ずれ検出用のパターンを1本ずつ順に中間転写ベルトに形成していく場合のパターン形成方法を説明するための図27と同様な平面図である。なお、この実施の形態による中間転写装置20は、図1等で説明したものと同様なものである。
図27で説明したように、3本の色違いのパターン91,92,93を全て同時に中間転写ベルト10に形成した場合には、上述したようにパターン全体を検知する検知時間は短くなるため高率は良くなるが、そのパターンを検知するためのセンサが3個必要となるという欠点を有する。
【0105】
そこで、この実施の形態では、センサ37(図4参照)を1個にして、異なる色の組合せのパターンをn−1本形成する。すなわち、フルカラーの4個の感光体を有するこの実施形態では、4−1=3となり、3本のパターン91,92,93を順に1本ずつ中間転写ベルト10の全周に亘って形成していき、センサ37が最初に形成したBk−Cの組合せのパターン91(図28の(a))から位置ずれ情報を検出した後に中間転写ベルト10上のパターン91を消去し、その後に同様に次以降の色の組合せが異なるBk−Yの組合せのパターン92を図28の(b)に示すように、さらにそのパターン92を消去した後にBk−Mの組合せのパターン93を図28の(c)に示すように順次形成していくことにより、それぞれ各色の位置ずれ情報を検出していく。
【0106】
図29は異なる色の組合せによって形成した複数のパターンを中間転写ベルトの移動方向に沿って順に配置するようにした実施形態の中間転写ベルトのパターン付近を示す平面図である。
図28で説明した1本ずつ中間転写ベルト10上にパターンを形成していく方法の場合には、中間転写ベルト10が一回転するごとに中間転写ベルト10のホームポジションからの位置と感光体とが接する位置関係が異なるようになるため、別々のノイズや色ずれに関する変動要因が新たに加わってしまう。したがって、色ずれの検出に関して不利になる点があった。
【0107】
そこで、この実施の形態では、異なる色の組合せによって形成した複数の色ずれ検出用の各パターン91,92,93(図28示したものに対してベルト移動方向の長さがそれぞれ短くなるが、説明の都合上同一の符号を付してある。)を中間転写ベルト10の矢示C移動方向(副走査方向)に沿って順に全周に亘って繰返し配置している。
このようにすれば、中間転写ベルト上に形成されたパターンを検知するセンサが一個の場合でも、3つのパターン91,92,93の色ずれを高い位置精度で検出(測定)することができる。また、中間転写ベルト10が1回転する間に3つのパターン91,92,93の全てについて検出することができるので、ノイズを比較、相関を取る段階で打ち消すことができ、ノイズに強い計測ができる。
【0108】
図30は異なる色の組合せによる複数のパターンを中間転写ベルトの移動方向に沿って順に配置してそれを検知した後にそのパターンを消去して次にパターンの書き出し開始位置をずらして形成していくようにした実施形態の中間転写ベルトのパターン付近を示す平面図である。
この実施の形態では、図29に示したパターン91,92,93からなる1本のパターンを、図30の(a)に示すように、中間転写ベルト10上にパターン91が先頭の書き出し開始位置になるように1本形成する。
そして、その位置ずれを検出した後にそのパターンを消去して、主走査方向(矢示E方向)の同じ位置に、図30の(b)に示すように今度は書き出し開始位置が初回に形成したパターン91と色違いの組合せのパターン92が位置するように、図29で説明したパターンを中間転写ベルト10の移動方向にずらして形成する。さらに、そのパターンの位置ずれを検出した後に、そのパターンを消去する。
【0109】
次に、図30の(c)に示すように、書き出し開始位置に今度はパターン93が位置するように、再びパターンを形成する。すなわち、順に3(n−1=4−1)本のパターンを書き出し開始位置のパターンの色を代えて形成していく。
このようにするのは、中間転写ベルト10が1回転する間に、それぞれ色違いの組合せパターンとなるパターン91,92,93をベルトの移動方向に時分割で1本だけ形成した場合には、それら色違いのパターンを全て中間転写ベルト10が1回転する間に検出することはできるが、そのようにすると、その3種の色違いのパターンは中間転写ベルト10上の位置(例えばベルトの継目等のホームポジションからの位置)が異なる箇所で計測されたものとなるので、サンプリング精度が落ちるという欠点が生じる。
【0110】
そこで、この実施の形態では、上述したように3つのパターン91,92,93を時分割して1本のパターンにして中間転写ベルト10の全周に形成し、その消去後に次以降に形成するパターンの書き出し開始位置の順序を入れ替えることにより、3つのパターン91,92,93の全てが、ベルトのホームポジション(HP)からの位置が同じ位置でそれぞれ検出されるようにしている。それにより、サンプリング精度を高めることができる。
【0111】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明による中間転写装置と画像形成装置と中間転写体の移動速度補正方法によれば、中間転写体上に異なる色のトナー像の組合せからなる色ずれ検出用のパターンを全周に亘って形成し、そのパターンを形成している色のトナー像の中間転写体の移動方向の相対的な位置ずれを検出して、その位置ずれを正すように中間転写体の移動速度を補正するので、中間転写体を速度制御する制御系が部品精度や経時的な変化により速度誤差を生じるような場合であっても、中間転写体を色ずれが生じない速度に正確に補正することができる。また、この発明による感光体回転速度補正方法を実施すれば、複数の感光体の中に回転速度やメカ特性に問題があるものがあったとしても、その問題のある感光体を見つけてその感光体の回転速度を正常な状態に確実に補正することができる。したがって、画像の色ずれを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態例である中間転写装置を制御系と共に示す概略構成図である。
【図2】同じくその中間転写装置を備えた画像形成装置の一例を示す全体構成図である。
【図3】同じくその中間転写装置に設けられている中間転写ベルトの内面に形成するスケールを説明するための平面図である。
【図4】同じくそのスケールを検知するセンサとそのセンサ出力とを説明するための説明図である。
【図5】同じくそのスケールを使用して行う中間転写ベルトのベルト速度制御ループを示すブロック図である。
【図6】図1の制御装置が行う中間転写ベルトの移動速度制御処理を示すフロー図である。
【図7】書込装置の発光タイミングを調整するために中間転写ベルト上に形成するタイミング調整用パターンを示す平面図である。
【図8】同じくそのタイミング調整用パターンを詳しく説明するための拡大図である。
【図9】同じくそのタイミング調整用の各組合せパターンを形成する動作を説明するためのブロック図である。
【図10】ベルトの厚さにバラツキがある中間転写ベルトの例を示す正面図である。
【図11】同じくそのベルトの厚さにバラツキがある場合のベルト速度の変化を示す線図である。
【図12】中間転写ベルトに速度変動が生じると2色の重ね合わせたトナー像に位置ずれが生じることを説明するための線図である。
【図13】中間転写ベルト上に形成する色ずれ検出用のパターンとそのパターンから得られる反射率を対照させて示した図である。
【図14】同じくそのパターンは2色の異なるトナー像がベルトの移動方向に若干ずつずれた位置に形成されていることを便宜上互いの位置を主走査方向にずらして図示した平面図である。
【図15】中間転写ベルトのベルト速度補正の手順の説明に供するブロック図である。
【図16】同じくそのベルト速度補正は中間転写ベルトの1周内ごとに行う点を説明するための波形図である。
【図17】パルス状に連続する位置司令信号を補正することにより中間転写ベルトの移動速度を補正するようにした中間転写装置が反射率データを基にして位置司令信号の出力タイミングを補正する手順を説明するためのブロック図である。
【図18】同じくその中間転写装置のベルト速度補正に関する制御系を示すブロック図である。
【図19】同じくそのベルト速度補正の補正前後の位置司令信号を示す波形図である。
【図20】図18の制御系が行うベルト速度補正値算出処理を示すフロー図である。
【図21】同じくその算出された補正値を使用して位置司令信号を補正する処理のルーチンを示すフロー図である。
【図22】それぞれ色の異なる組合せの3種のパターンの反射率の変化を示す位置ずれパターンを比較対比した線図である。
【図23】同じくその3種類の位置ずれパターンの反射率の最高位値及び最低位置の位置を揃えるように時間軸を補正した状態を示す線図である。
【図24】回転速度ムラにより色ずれを生じさせている感光体の回転速度を補正する処理を行うルーチンを示すフロー図である。
【図25】特定色を選択するために行う総あたりの全組合せの色違いパターンを測定して反射率格納メモリに格納する処理を示すフロー図である。
【図26】同じくその反射率格納メモリに格納した情報を基にして特定色を決定する処理を示すフロー図である。
【図27】複数本形成する色ずれ検出用のパターンの全てを同時に中間転写ベルト上に主走査方向に間隔を置いて全周に亘って形成するようにした中間転写装置の中間転写ベルトのパターン付近を示す平面図である。
【図28】色ずれ検出用のパターンを1本ずつ順に中間転写ベルトに形成していく場合のパターン形成方法を説明するための図27と同様な平面図である。
【図29】異なる色の組合せによって形成した複数のパターンを中間転写ベルトの移動方向に沿って順に配置するようにした実施形態の中間転写ベルトのパターン付近を示す平面図である。
【図30】異なる色の組合せによる複数のパターンを中間転写ベルトの移動方向に沿って順に配置してそれを検知した後にそのパターン消去して次にパターンの書き出し開始位置をずらして形成していくようにした実施形態の中間転写ベルトのパターン付近を示す平面図である。
【図31】従来の間接転写方式の画像形成装置の一例を画像形成部のみ示す構成図である。
【図32】従来のトナー像の位置ずれを検出する方法を説明するための説明図である。
【図33】同じくその位置ずれを検出するための2色のトナー像が互いに1ドットずれた状態を示す説明図である。
【図34】同じくその位置ずれを検出するための2色のトナー像が互いに3ドットずれた状態を示す説明図である。
【符号の説明】
5:スケール 5a:マーク
6,37:センサ 9:駆動ローラ(張架部材)
10:中間転写ベルト(中間転写体)
15,16:従動ローラ 20:中間転写装置
21:書込装置(画像書込手段)
40B,40Y,40M,40C:感光体
70:制御装置 91,92,93:パターン
Claims (20)
- 2個以上のn個のそれぞれ異なる色のトナー像を個別に担持してそれぞれ回転するn個の感光体と、その各感光体にそれぞれ対応する色の画像を書き込むために前記各感光体間の距離に応じた発光タイミングでそれぞれ光を照射する画像書込手段と、前記各感光体上に形成された各色のトナー像が重ね合わせ状態に順次転写されていくように回動する中間転写体と、該中間転写体を前記n個のトナー像が重ね合わせ状態になるように速度制御する移動速度制御手段とを備えた中間転写装置において、
前記中間転写体上に異なる色のトナー像の組合せからなる色ずれ検出用のパターンを全周に亘って形成するパターン形成手段と、該手段により形成された前記パターンからそのパターンを形成している色のトナー像の前記中間転写体の移動方向の相対的な位置ずれを検出する位置ずれ検出手段と、該位置ずれ検出手段が検出した位置ずれ情報を基にしてその位置ずれを正すように前記中間転写体の移動速度を補正する移動速度補正手段とを設けたことを特徴とする中間転写装置。 - 前記移動速度補正手段は、前記中間転写体の全周に亘ってその移動方向に沿って当間隔に多数形成されたマークからなるスケールをセンサで読み取り、前記各マークの読み取りタイミングから前記中間転写体の実速度を検出して、その実速度を基に前記中間転写体の移動速度を補正する手段であることを特徴とする請求項1記載の中間転写装置。
- 前記移動速度補正手段は、前記中間転写体の移動方向に隣合う前記マーク間の距離と前記中間転写体の移動速度とにより決まる等間隔のパルス状に連続する位置司令信号を補正することにより前記中間転写体の移動速度を補正する手段であることを特徴とする請求項2記載の中間転写装置。
- 前記移動速度補正手段は、前記各マークを前記センサが読み取る度に出力される信号の出力タイミングを基準にして前記中間転写体の移動速度を補正する手段であることを特徴とする請求項2又は3記載の中間転写装置。
- 前記移動速度補正手段による速度補正は、前記位置ずれ情報を基にして前記中間転写体の1周内ごとに行うものであり、その補正する移動速度の補正量は前記中間転写体のホームポジションを基準とした各位値ごとにそれぞれ割り振って配分されることを特徴とする請求項3又は4記載の中間転写装置。
- 前記移動速度の補正は、補正速度を数段階に分けた段階的な速度補正であり、その補正速度を変更するタイミングは前記センサが前記各マークを読み取る度に出力する信号の複数個分ごとに行うことを特徴とする請求項5記載の中間転写装置。
- 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の中間転写装置において、前記位置ずれ検出手段は前記パターンに対して光を照射してその反射率により前記位置ずれを検出する手段であり、前記パターン形成手段は前記n個の色のトナー像を2色ずつ組み合わせて色違いの組合せパターンを複数組形成する手段であり、その各組のパターンごとに得られる前記中間転写体の移動方向の位置に対する反射率の関係を示す位置ずれパターンを互いに対比させ、前記n個の各感光体の前記中間転写体の移動方向の配設位置関係からそれぞれ予測される前記各組の予測位置ずれパターンに対して前記位置ずれ検出手段が検出した実際の位置ずれパターンが一定値を超えてずれているときは、その一定値を超えた色のトナー像を担持する感光体の回転速度を前記一定値を超えたずれ量を正すように補正する手段を設けたことを特徴とする中間転写装置。
- 複数組形成する前記色違いの組合せパターンは、1つの色を特定色として選択し、その特定色以外の他の全ての色を1色ずつ前記特定色とそれぞれ組み合わせて形成されている各パターンであることを特徴とする請求項7記載の中間転写装置。
- 前記各組のパターンごとに得られる前記中間転写体の移動方向の位置に対する反射率の関係の互いの対比は、前記特定色とその特定色以外の中から選択した1色とを組み合わせた1つのパターンを常に対比基準としていることを特徴とする請求項8記載の中間転写装置。
- 前記特定色は、前記中間転写体の移動方向に対して最も上流側に位置する感光体に形成されるトナー像の色としていることを特徴とする請求項8又は9記載の中間転写装置。
- 請求項8記載の中間転写装置において、前記特定色の選択はn個の色を全て総あたりとした全組合せの色違いのパターンについて位置ずれパターンを測定し、最初に任意に選択した第1色を基準にして組み合わせた異なるn−1個の各パターンからそれぞれ得た前記位置ずれパターンの相関を見ると共に、前記第1色を除いた全ての色を互いに組合せた前記位置ずれパターンの相関を見て、前記第1色の実際のずれ位置が予測される予測ずれ位置に対して相関が保たれる一定値以内にあればその第1色を前記特定色として選択し、一定値を超えていれば次以降に任意に選択する第2色以降を同様に基準にしてその第2色以降が特定色に成り得るかを同様に順次判断していくことにより前記特定色を選択する手段を設けたことを特徴とする中間転写装置。
- 前記感光体の回転速度の補正は、該感光体の1回転内で前記ずれ量が前記一定値を超えた部分について行うことを特徴とする請求項7乃至11のいずれか一項に記載の中間転写装置。
- 請求項1乃至12のいずれか一項に記載の中間転写装置において、前記色ずれ検出用のパターンは全てを同時に前記中間転写体上に主走査方向に間隔を置いて全周に亘って形成し、その各パターンに対応させて該パターンをそれぞれ検知可能に前記センサを複数個設けたことを特徴とする中間転写装置。
- 前記色ずれ検出用のパターンは順に1本ずつ前記中間転写体の全周に亘って形成していき、前記位置ずれ検出手段が前記パターンから位置ずれ情報を検出した後に前記中間転写体上のパターンを消去し、その後に次以降の色の組合せが異なるパターンを同様に順次形成していくことにより前記位置ずれ情報を検出していくことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の中間転写装置。
- 前記色ずれ検出用のパターンは、異なる色の組合せによって形成された複数の各パターンが前記中間転写体の移動方向に沿って順に配置されて全周に亘って形成されていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の中間転写装置。
- 前記パターンを1本形成して前記位置ずれを検出した後に該パターン消去して主走査方向の同じ位置に前記パターンを今度はその書き出し開始位置のパターンを初回に形成したパターンと色違いの組合せのパターンが位置するように前記中間転写体の移動方向にずらして形成して1本目と同様に前記位置ずれを検出し、以降は該パターンを消去して同様に更に色違いの組合せのパターンが書き出し開始位置に位置するようにn−1本まで形成していくことを特徴とする請求項15記載の中間転写装置。
- 前記中間転写体は、複数のローラ間に張装されて回動する無端状のベルト部材で形成されていることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載の中間転写装置。
- 請求項1乃至17のいずれか一項に記載の中間転写装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
- 中間転写体上にその移動方向に沿って等間隔に多数のマークが配置されたスケールをセンサで検知し、その各マークの読み取りタイミングから前記中間転写体の実速度を検出して、前記中間転写体上にn個の感光体からの各トナー像が重ね合わせ状態になるように前記中間転写体の移動速度を前記実速度を基にして速度制御し、前記中間転写体上にはそれぞれ異なる2色ずつ組み合わせた色違いのトナー像からなる色ずれ検出用のパターンを前記中間転写体の移動方向に沿って全周に亘って形成し、その各組のパターンに対してセンサからそれぞれ光を照射してそのときの反射率により、各組のパターンごとに色の異なるトナー像の前記中間転写体の移動方向の相対的な位置ずれを検出し、その検出した位置ずれ情報を基にしてその位置ずれを正すように前記中間転写体の移動速度を補正する中間転写体の移動速度補正方法。
- 請求項19記載の中間転写体の移動速度補正方法の感光体の回転速度を補正する感光体回転速度補正方法であって、
前記色違いの組合せパターンごとに得られる前記中間転写体の移動方向の位置に対する反射率の関係を示す位置ずれパターンを互いに対比させ、n個の各感光体の前記中間転写体の移動方向の配設位置関係からそれぞれ予測される前記各組の予測ずれパターンに対して前記反射率により実際に検出した前記位置ずれパターンが一定値を超えてずれているときは、その一定値を超えた色のトナー像を担持する感光体の回転速度を前記一定値を超えたずれ量を正すように補正することを特徴とする感光体回転速度補正方法。
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