JP2004279941A - トナーカートリッジ、画像形成装置及びトナーリサイクル方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】画質を低下させることなく、回収トナーを有効に利用することができ、かつ、現像装置に対して略水平に取り付けることができる構成が簡易なトナーカートリッジを提供する。
【解決手段】このトナーカートリッジ8は、現像器4に対して着脱自在で略水平方向に装着可能であり、かつ、補充トナー収容部93と回収トナー収容部92とが、仕切り壁90によって、トナー供給ローラ47の軸方向に所定の比率で分割され、補充トナー収容部93と回収トナー収容部92とから、未使用トナーと回収トナーを、トナー供給ローラ47に対して所定の比率で撹拌供給する。
【選択図】 図7
【解決手段】このトナーカートリッジ8は、現像器4に対して着脱自在で略水平方向に装着可能であり、かつ、補充トナー収容部93と回収トナー収容部92とが、仕切り壁90によって、トナー供給ローラ47の軸方向に所定の比率で分割され、補充トナー収容部93と回収トナー収容部92とから、未使用トナーと回収トナーを、トナー供給ローラ47に対して所定の比率で撹拌供給する。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像を転写した後に、感光体上に残留するトナーをクリーニングして回収トナー(リサイクルトナー)としてトナーカートリッジ内に回収して再使用に供せるようにしたトナーカートリッジ、画像形成装置及びトナーリサイクル方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば電子写真方式を利用する画像形成装置において、静電潜像担持体上に形成された静電潜像を現像するために使用されたトナーは、通常、大部分が転写紙に転写され画像を形成するために消費されるが、一部は静電潜像担持体上に残留する。しかも環境条件等によって、例えば高温高湿環境下では、転写効率が低下してさらに多くのトナーが静電潜像担持体上に残留する。
【0003】
また、静電潜像以外の像担持体面上に付着し、転写されなかった微量のトナーも静電潜像担持体面上に残留する。この他にも、種々の作像プロセス条件、例えばトナー濃度を制御するプロセスコントロールのために静電潜像担持体面上に形成した基準濃度パターンのトナー像も、同様に転写されずに静電潜像担持体上に残留する。
【0004】
従来、このような残留トナーを有効に再利用するために、クリーニング装置で回収して現像器(現像手段)に搬送したり、クリーニング装置の代わりに現像器にクリーニング動作をも行わせる等して、転写されずに静電潜像担持体上に残留したトナーを現像器で再利用する方法が提案されている。
【0005】
このようなクリーニング装置によって回収されたトナー(以下、回収トナーという)を再利用するために、例えば、図1に示すように、像担持体100に臨設したクリーニング装置106から回収トナー搬送装置107を経由させて現像器103の上部に回収トナーを循環させるようにした構成や、図2に示すように、現像器103の上部に着脱自在に装着されたトナー補充容器104内の回収現像剤収納部(図示省略)に回収トナーを搬送・供給して混合するようにした構成等も提案されている(例えば、特許文献1参照)。尚、図1,図2にて、101は帯電器、102は画像情報を反映したレーザー光、103aはトナー供給ローラ、103bは撹拌ローラ、105は転写器、Pは用紙である。
【0006】
ところで、上述のように、回収されて再使用に供されるトナーは、未使用トナーに比べて、トナーの物性(特性)が変化している。例えば、回収トナー中に、クリーニング時に像担持体100上から一緒に回収された紙粉等のトナー以外の異物や、凝集したトナー等が混入してしまっていたり、また、回収トナーが未使用トナーと比較して小粒径化してしまっていたりする。
【0007】
さらに、何度も画像形成プロセスを経て劣化して帯電しにくくなったり、逆帯電トナーが含まれるようになったり、転写チャージ等の負荷を受けて、その摩擦帯電能力が低下してしまっていたり、回収トナーの粉体特性としての流動性が低下してしまっていたりすることもある。
【0008】
したがって、回収トナーと未使用トナーとを混合して利用する場合、トナー濃度の均一性やトナー電荷量の安定性等を維持することが困難であり、一度に多くの回収トナーを現像器103内に補給すると、画像以外の地肌部にトナーが多く付着して地肌汚れや粒状汚れが発生したり、現像器103からトナー飛散が発生したりしやすくなるという問題が発生する。
【0009】
また、トナー補充容器104に収容されている未使用トナーと回収トナーがトナー補充容器104の内部で混合攪拌され、トナーが残り少なくなるにつれ容器内部のトナーの回収トナー含有率が増加し、トナーエンド直前の含有率は50%以上にまで達する。このため、回収トナーによる地肌かぶりの増加等による画像品質の低下が問題となる。
【0010】
さらに、例えば、図3に示すように、現像器103の上部に、未使用トナーを収納するトナー補充容器104とは別に、回収トナー収容装置114を設け、該トナー補充容器104からの未使用トナーの補給量と、該回収トナー収容装置114からの回収トナーの補給量とを適宜調整するように制御するようにした静電記録装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0011】
このような構成によれば、現像器4内に補給される未使用トナー量と、回収トナー量の比率を一定に保つことは可能である。しかし、そのためには、未使用トナー補給量に応じて、回収トナーの補給量を制御するための制御装置が新たに必要となる。
【0012】
また、図1ないし図3に示した構成では、クリーニング位置と現像位置がほぼ水平な対応位置にあるため、トナーをリサイクルするためには、回収したトナーを一旦現像器よりも高い位置に運び上げる必要があり、そのために、より多くのエネルギーが必要とされる。また、その搬送過程でトナーがパッキングして凝集してしまうと言う問題もあった。
【0013】
そこで、本出願人は、新たな制御装置を必要とすることなく、回収トナーと未使用トナーを所定の比率で撹拌補給できる画像形成装置を提案している(特許文献3参照)。この画像形成装置の現像手段は、回収現像剤および未使用現像剤をそれぞれ別々に収容するケーシング内でそれぞれ撹拌部材によって撹拌された回収現像剤および未使用現像剤を、現像ローラの軸線方向中央部に対応する撹拌部材の中央領域に供給するための供給手段を備えたことを特徴としている。このような構成によれば、別途、制御装置を必要とすることなく、回収トナーと未使用トナーの比率を一定に保つことができる。
【0014】
また、従来の複写機では、例えば、図4に示すように、装置本体のケーシング上部にスキャナ部120、ケーシング内に画像形成部130が配置され、スキャナ部120において原稿の読み取りを行い、その読み取った画像情報に基づいて画像形成部130にて記録用紙に画像を転写して定着を行った後、ケーシング外に設けた排紙トレイ140に記録用紙の排出を行うように構成される。
【0015】
このような複写機においては、ケーシング側面に突出した状態で排紙トレイ140が取り付けられるため、複写機の実際の設置スペースは、非常に広い面積が必要となる。そこで、設置スペースを抑えるために、スキャナ部と画像形成部との間に空間を形成するよう支持枠により排紙トレイを支持させ、排紙トレイを前記空間に配置することで、設置スペースを減少させるようにした構成が開示されている(例えば、特許文献4参照)。
【0016】
【特許文献1】
特開平6−19312号公報(「0040」〜「0045」、図1)
【特許文献1】
特開昭60−41079号公報(図1)
【特許文献3】
特開2000−162858号公報(「0068」〜「0070」、図3)
【特許文献4】
特許第2846435号公報(第1図)
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献3に記載の構成では、新たな制御装置を必要としないが、撹拌されたトナーがトナー補給口から現像装置に対して中央の一箇所からのみ補給(1点補給)されることとなる。そのため、現像装置の中央領域のトナー濃度が他に比べて異常に高くなってしまう。
【0018】
このようなことから、1点補給されたトナーを現像装置内で均一に撹拌し、現像ローラの軸方向に同一濃度となるようにするためには、現像装置内に新たな撹拌機構が必要となり、現像装置が大きくなってしまう問題点もある。さらに、上述のような過度の撹拌によって、トナーの寿命が短くなると言う問題もある。また、未使用トナー、回収トナーが両方から補給口に向かってくるため、補給口付近でトナーがパッキングして補給できなくなる可能性もある。
【0019】
一方、特許文献4に記載の複写機のように、省スペース化された構成では、例えば、図5に示すように、画像形成部130における記録用紙の搬送経路131が垂直方向となり、クリーナ106が像担持体100の上部に配置される。このような構成では、装置をコンパクト化するために、現像装置103の上部にトナーカートリッジ104を設けると、露光装置110から像担持体100への露光を妨げてしまう。
【0020】
したがって、図示のように、トナーカートリッジ104は、現像装置103とほぼ水平に近い位置に設置するのが好ましい。しかしながら、特許文献3に記載された構成では、トナーカートリッジ103を現像装置103の上部に設ける必要があるため、図5に示すような構成の画像形成装置には適用することができない。
【0021】
本発明は、このような実情に鑑みてなされ、画質を低下させることなく、回収トナーを有効に利用することができ、かつ、現像装置に対して略水平に取り付けることができる構成が簡易なトナーカートリッジ、画像形成装置及びトナーリサイクル方法を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の課題を解決するための手段を、以下のように構成している。
【0023】
(1)トナーを収納する筺体と、像担持体に臨設されたクリーニング装置から回収される回収トナーを前記筺体内に導入する導入口と、現像器にトナーを供給するために、前記筺体内に設けられるトナー供給ローラと、未使用トナーを収容するために、前記筺体内に設けられる補充トナー収容部と、前記導入口から導入した回収トナーを収容するために、前記筺体内に設けられる回収トナー収容部と、を備え、
前記補充トナー収容部と、前記回収トナー収容部とが、仕切り壁によって、前記トナー供給ローラの軸方向に所定の比率で分割されることを特徴とする。
【0024】
この構成においては、現像器に対して、トナー供給ローラの軸方向に分割された補充トナー収容部と回収トナー収容部の割合(比率)に応じて(比例して)、回収トナーと補充トナーが供給されるため、回収トナーの割合が増加して、画質が低下するような問題が発生しない。また、特別な制御装置を必要としないため、トナーカートリッジのコストを低減できる。
【0025】
また、補充トナー収容部と回収トナー収容部がトナー供給ローラの軸方向に臨むように筺体内に設けられているので、現像器に対してトナー供給ローラの軸方向にトナーが満遍なく供給されるため、現像器内での無理な撹拌が防止され現像剤の長寿命化を図ることができる。
【0026】
さらに、トナーカートリッジを、現像器に対して略水平方向に装着することができるため、画像形成装置に装着した場合に、トナーカートリッジが、露光装置から像担持体への露光の妨げになることがなく、上下方向の省スペース化を図ることができる。
【0027】
(2)前記仕切り壁によって分割される前記補充トナー収容部と、前記回収トナー収容部と、の比率が、前記像担持体における転写効率を基準とした所定の設定されることを特徴とする。
【0028】
転写効率(transfer efficiency)は、像担持体上に形成された静電潜像を現像るために使用されたトナーの重量に対して、用紙等に転写されたトナーの重量の比率(割合)を指し、通常、90〜95%程度である。
【0029】
この構成においては、仕切り壁によって分割される補充トナー収容部と、回収トナー収容部と、の比率が、転写効率を基準とした所定の値(機種等に応じて最適な値)に設定される。従って、トナー供給ローラに供給されるトナー中の未使用トナーの割合が、90〜95%内の所定の値となるため、トナー供給ローラに供給される回収トナーの割合が5〜10%内の所定の値に規制される。
【0030】
そのため、常に、一定の割合で回収トナーと未使用トナーが供給されるため、良好な画質を安定に維持することができる。すなわち、回収トナーの割合が増加して回収トナー収容部から補充トナー収容部へ回収トナーがオーバーフローし、未使用トナーと混合されることにより、トナー供給ローラへ供給される未使用トナーの割合が低下して、画質が低下するような問題がなくなる。
【0031】
(3)前記導入口から導入した回収トナーを前記トナー供給ローラの中央部へ搬送し、該トナー供給ローラ近傍で未使用トナーと撹拌混合する撹拌搬送部材を設けたことを特徴とする。
【0032】
この構成においては、撹拌搬送部材により、現像器に供給される前に予め回収トナーと未使用トナーが混合されるため、現像器内での撹拌は従来に比べソフトな撹拌でよくなり、現像剤の長寿命化を図ることができる。
【0033】
しかも、トナー供給ローラの中央部で回収トナーと未使用トナーを撹拌して現像器に供給するため、撹拌されたトナーがトナー供給ローラの両側方向に均等に分散され、トナー供給ローラの軸方向で画質の違いが生じるのを防止することが出来る。
【0034】
(4)前記補充トナー収容部と、前記回収トナー収容部と、が前記仕切り壁の上部で、連通していることを特徴とする。
【0035】
この構成においては、未使用トナーの収容量が仕切り壁を超えると、回収トナー収容部に流入し、トナー供給ローラへ回収トナーが送られる前に、未使用トナーが回収トナーと混合することにより、回収トナーが希釈され、ほぐされ、現像器へ補給されるトナーの回収トナーの偏りを低減することができる。
【0036】
(5)前記補充トナー収容部にはトナー残量検知手段が設けられ、前記トナー残量検知手段によってトナー残量が所定量以下であることが検知されると、これを報知するための信号を出力する制御手段を設けたことを特徴とする。
【0037】
この構成においては、たとえ回収トナー収容部にのみトナーが残留していても、補充トナー収容部のトナー残量が所定量以下であると、直ちにこれが報知されるため、ユーザーは、トナーを補給するタイミングを認識することができる。これにより、回収トナーのみによる画像形成を防止することができ、画質の低下を防ぐことができる。
【0038】
(6)前記トナー残量検知手段によってトナー残量が所定量以下であることが検知されると、画像形成動作を一時停止させるための信号を出力する制御手段を設けたことを特徴とする。
【0039】
この構成においては、たとえ回収トナー収容部にのみトナーが残留していても、補充トナー収容部のトナー残量が所定量以下であると、直ちに画像形成動作が停止されるため、ユーザーは、トナーを補給するタイミングを認識することができる。これにより、回収トナーのみによる画像形成を防止することができ、画質の低下を防ぐことができる。
【0040】
(7)前記補充トナー収容部には、該補充トナー収容部にトナーを供給するためのトナーホッパーが着脱自在に設けられることを特徴とする。
【0041】
この構成においては、トナーカートリッジの補充トナー収容部を画像形成装置の本体側に残したままで、トナーホッパーを着脱交換できるため、ユーザーにとって利便性が向上すると共に、カートリッジの構造も簡素化することができ、コストの低減化が可能となる。
【0042】
(8)前記トナーホッパーは、その外側部分が回転することによってトナーを撹拌補給するように構成されることを特徴とする。
【0043】
この構成においては、トナーホッパーの外側部分が回転することによって内部に収納されたトナーが撹拌されるため、内部に撹拌部材を設ける必要がなくなり、構成部品の少ない安価なカートリッジを提供することができる。
【0044】
(9)像担持体上に形成された静電潜像を現像器によって現像するようにした画像形成装置において、請求項1ないし8のいずれかに記載のトナーカートリッジが前記現像器に着脱自在に装着可能であることを特徴とする。
【0045】
この構成においては、画質を低下させることなく、回収トナーを再使用することができ、ランニングコストの低減化を図ることができる。また、トナーカートリッジが、現像器に対して着脱自在で略水平方向に装着可能であるため、画像形成装置に装着した場合に、トナーカートリッジが、露光装置から像担持体への露光の妨げになることなく、上下方向の省スペース化を図ることができる。
【0046】
(10)前記クリーニング装置の位置を、前記現像器の位置よりも上方に設定したことを特徴とする。
【0047】
この構成においては、クリーニング装置によって回収した回収トナーを現像器に搬送する過程で重力を利用して容易に搬送できるため、回収トナーの搬送途中にパッキング等のトラブルが生じにくくなる。また、従来よりも回収トナーの搬送距離が短くなるため、ランニングコストの低減化を図ることができる。
【0048】
(11)現像器に対して着脱自在に装着可能なトナーカートリッジにおけるトナーリサイクル方法であって、
前記現像器に対して撹拌供給するトナー中の未使用トナーの割合を、前記現像器によって現像される像担持体の転写効率を基準とした所定の値に設定することを特徴とする。
【0049】
この方法においては、トナー供給ローラに供給されるトナー中の未使用トナーの割合を転写効率(90〜95%)内の所定の値とし、トナー供給ローラに供給される回収トナーの割合を5〜10%内の所定の値に規制することができる。
【0050】
したがって、常に、一定の割合で回収トナーと未使用トナーが供給されるため、良好な画質を安定に維持することができる。すなわち、回収トナーの割合が増加して回収トナー収容部から補充トナー収容部へ回収トナーがオーバーフローし、未使用トナーと混合されることにより、トナー供給ローラへ供給される未使用トナーの割合が低下して、画質が低下するような問題がなくなる。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態に係るトナーカートリッジと画像形成装置について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0052】
《画像形成装置》
図6は、電子写真方式の画像形成装置の主要な構成を示す説明図で、画像形成部は、感光体ドラム(本発明の像担持体)21、クリーナ(本発明のクリーニング装置)9、帯電チャージャ2、現像装置14、トナー供給容器(本発明のトナーカートリッジ)8、転写部5、定着装置7を備えている。感光体ドラム21の表面には感光体が設けられている。帯電チャージャ2は、感光体表面を一様に帯電させ、このように一様に帯電された状態で露光走査部3による露光を受けると、感光体ドラム21の表面に静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置14により現像され、当該感光体ドラム21表面にトナー像が形成される。
【0053】
現像装置14は、現像ローラや攪拌装置を備えた現像器4と、当該現像器4に対してほぼ水平に着脱自在にセットされ、現像器4内に適宜トナーを補給するためのトナーカートリッジ8とからなる。このような構成により、トナーカートリッジ8が感光体ドラム21への露光を妨げないようになり、メカニズムのコンパクト化も図られる。尚、現像装置14の詳細な構成については後述する。
【0054】
この感光体ドラム21の回転動作と同期して転写紙(図示せず)が、給紙部6から給紙ローラ、タイミングローラ対によって感光体ドラム21と接する転写位置5まで給紙される。この転写位置5において、電荷により感光体ドラム21表面に形成されたトナー像を転写紙上に転写させる。転写紙に転写されたトナー像は、すぐに剥がれる不安定な状態であるので、定着装置7まで搬送される。定着装置7は、転写紙を高温で加圧し、トナーを転写紙上に定着させる。その後、排紙トレイ上に転写紙が排出される。
【0055】
一方、転写紙に転写されずに感光体ドラム21上に残ったトナーは、クリーナ9によって全て回収される。クリーナ9に回収されたトナーは、回収トナー搬送路10を通って、トナーカートリッジ8内の回収トナー収容部92(図7参照)に回収される。
【0056】
《トナーカートリッジ》
図7は、現像器4と着脱自在なトナーカートリッジ8を備えた現像装置14の構成を示す。この現像装置14は、トナーとキャリアとを混合した現像剤を使用する乾式2成分磁気ブラシ現像方式により、感光体ドラム21に形成された静電潜像を現像して可視像とする。
【0057】
トナーカートリッジ8は、所定の高さの仕切り壁90で仕切られた回収トナー収容部92と補充トナー収納部93から構成され、仕切り壁90の上部で、両収容部92,93は連通している。尚、カートリッジ出荷の段階では、回収トナー収容部92は空の状態で、未使用トナーを収納する補充トナー収納部93にのみトナーが充填されている。
【0058】
回収トナー搬送路10を通じてクリーナ9から回収されたトナーは、導入口91から回収トナー収容部92に導入される。一方、未使用トナーの収容量が仕切り壁90を超えると、該未使用トナーが回収トナー収容部92に流入し、回収トナー収容部92内で回収トナーと混合されて、トナー供給ローラ47に供給されるようになっている。
【0059】
トナーカートリッジ8の現像器4に接続される側には、トナー供給ローラ47が現像器4の上部に臨む位置に設けられ、その支軸が、現像器4の幅方向に差し渡されてその両端部が筺体8aの側縁部に回転自在に枢支されている。そのトナー供給ローラ47に対して平行な状態で、一対の撹拌部材82,82′が筺体8a内に並設されている。
【0060】
撹拌部材82,82′は、筺体8aの側縁部に回転自在に枢支される支軸83,83′に、櫛形もしくは梯子状に形成された複数の撹拌羽根84,84′を付設して構成され、その撹拌羽根84,84′は、図7の例では、補充トナー収容部93には4つ、回収トナー収容部92には1つ配設されている。
【0061】
そして、トナーカートリッジ8が現像器4に装着されると、後述するように、画像形成装置内に設けられている駆動源から駆動力の伝達を受けて、両撹拌部材82,82′がトナー供給ローラ47と共に回転駆動され、補充トナー収容部93内の未使用トナーと、回収トナー収容部92内の回収トナーとを、撹拌しつつ、所定の割合(比率)でトナー供給ローラ47に供給する。
【0062】
上述の補充トナー収容部93と回収トナー収容部92におけるトナー供給ローラ47に沿う方向の長さnとmは、トナー供給ローラ47へのトナー供給量に略比例するため、その比率(割合)は、転写効率を基準とした所定の値(機種に応じた最適な値)に設定するのが好ましい。
【0063】
本実施の形態では、トナー供給ローラ47に対して撹拌供給されるトナー中に占める未使用トナーの割合を、像担持体21における転写効率と略同一に設定している。すなわち、(n/m+n)×100%=rが転写効率と略等しくなるように、上記nとmの値を設定している。
【0064】
この転写効率は、感光体ドラム21上に形成された静電潜像を現像るために使用されるトナーの重量に対して、用紙等に転写されるトナーの重量の比率を指し、通常、90%〜95%程度である。従って、上記rを90%〜95%に設定すると、トナー供給ローラ47に供給されるトナー中の未使用トナーの割合が90%〜95%となるため、トナー供給ローラ47に供給される回収トナーの割合が5%〜10%に規制される。これにより、常に、充分な量の未使用トナーが供給されるため、良好な画質を維持することができる。また、回収トナーが、回収トナー収容部92からオーバーフローして補充トナー収容部93に流入することで、画質の低下を招来する等のトラブルを防ぐこともできる。
【0065】
尚、より好ましくは、上記rが転写効率よりも若干大きくなるように、mとnの値を設定すればよい。上記rが転写効率よりも小さくなる場合には、トナー供給ローラ47から現像器4に供給される未使用トナーの割合が低下(回収トナーの割合が増加)して画質が低下すると共に、回収トナーが回収トナー収容部92に滞留しやすくなり、オーバーフローする虞があるからである。
【0066】
図8に示す例では、トナー供給ローラ47と撹拌部材82との間に、回収トナーと未使用トナーとを混合するためのトナー送りスクリュウ(本発明の撹拌搬送部材)86を設けている。このような構成では、トナー送りスクリュウ86で予め回収トナーと未使用トナーとを混合した後に、現像装置14に供給することができ、回収トナーと未使用トナーの均一性が向上するため、画質の安定向上を図ることができる。
【0067】
図9に示す例では、現像装置14は、トナーを収容するトナーカートリッジ8と、トナーおよびキャリアからなる現像剤が充填された現像器4とを備えている。さらに、現像装置14には、トナー濃度制御のために働くトナー濃度制御系60を備えている。そして、現像器4内には、トナー濃度センサ41、現像ローラ44および攪拌ローラ45が設けられている。
【0068】
トナーカートリッジ8中に収納された未使用トナー及び回収トナーは、現像器4内のトナー濃度が所定値よりも小さくなった場合に現像器4に補給される。トナー補給ローラ47は、トナーカートリッジ8内のトナーを現像器4に補給するために備えられている。撹拌ローラ45は、現像器4内の現像剤(キャリアとトナー)を撹拌してトナーとキャリアを摩擦帯電させる。現像ローラ44は、混合撹拌された現像剤を感光体ドラム21に供給する。
【0069】
この現像ローラ44は、アルミニウム合金、黄銅、SUS304ステンレス等の非磁性金属製の中空円筒状の現像スリーブ内に、磁界を発生させるための複数本の磁石体を固定したマグネットローラを内挿して構成されている。この現像ローラ44は、現像スリーブのみを回転させながら、表面に現像剤を磁気的に吸着して感光体ドラム21と接する現像部へ搬送・供給する。
【0070】
撹拌ローラ45および現像ローラ44は、制御CPU61の指示を受けて、図示しない駆動装置により回転駆動される。トナー濃度制御系60は、トナー濃度センサ(透磁率センサ)41、基準電圧発生部62、比較器63、トナー補給ローラ駆動部64、トナー補給モータ65、トナー補給モータ65、ROM、RAM、および制御CPU61で構成されている。
【0071】
トナー濃度センサ41は、現像装置14の現像器4の下方に設置されており、現像器4の現像剤のトナー濃度を検知し、電圧(濃度検知電圧)として検出する。基準電圧発生部62は濃度検知電圧と比較されるべき基準電圧を発生する。この基準電圧は、現像器4内の現像剤の基準濃度を表し、比較器63は濃度検知電圧と基準電圧とを比較し、現像器4内のトナー濃度が低ければ、トナー補給ローラ駆動部64に対して、駆動信号を出力する。
【0072】
トナー補給ローラ駆動部64は、駆動信号を受けている間、トナー補給ローラ47の回転駆動源であるトナー補給モータ65を駆動する。また、RAMは、読み取ったトナー濃度センサ41の出力電圧などを一時記憶する。ROMには、トナー濃度制御等のプログラムが記憶されている。
【0073】
次に、上記トナー濃度センサ41について説明する。
【0074】
この現像装置14では、二成分系現像剤を用い、現像剤を撹拌して摩擦によってトナーを帯電させ、この帯電トナーを感光体ドラム21上に形成された静電潜像に静電気的に付着させ可視像を形成している。この種の現像装置14では、トナー濃度を測定するためのトナー濃度センサとして透磁率センサを使用するが、本現像装置14においては差動トランス方式のトナー濃度センサを用いている。
【0075】
図10は、差動トランス方式のトナー濃度センサ41の回路構成を示す。トナー濃度センサ41は、一次コイル51、基準コイル52、検知コイル53、交流電源54、ねじコア55、現像剤56、位相比較回路57、平滑回路58および5個の入出力端子74a、74b、74c、74d、74e、さらに5個の引き出し線75a、75b、75c、75d、75eにより構成されている。
【0076】
このような構成では、差動トランスの一次コイル51に交流電源54が供給される。その二次側にはほぼ同じ巻き数で逆極性の2個のコイル52,53が直列に巻かれていて、その一方のコイルが基準コイル52、もう一方のコイルが検知コイル53となる。一次コイル51と基準コイル52の近くには高透磁率のねじコア55が磁心として働くように挿入されており、ねじコア55の位置を調整して一次コイル51と基準コイル52の間のインダクタンスを調整することができる。
【0077】
一次コイル51と検知コイル53の近くに測定されるべき現像剤56あるいは磁性体(キャリア)が流れる。すると、その現像剤56あるいは磁性体(キャリア)が磁心として働いて一次コイル51と検知コイル53の間のインダクタンスを変化させる。このインダクタンスの大きさは、磁心として働いている現像剤56あるいは磁性トナーの磁粉量によって決まるので、検知コイル53の出力電圧によって磁粉量、即ちキャリア濃度を測定できる。
【0078】
基準コイル52と検知コイル53はほぼ同じ巻き数で逆極性のものが直列に結ばれているので、両コイルの差が出力として取り出せる。一次コイル51へ供給される交流電圧と二次側のコイルである基準コイル52および検知コイル53の出力とは位相比較回路57で排他的論理和を取った上で、その出力信号を平滑回路58で平滑化して直流電圧として取り出すことにより、トナー濃度を測定することができる。
【0079】
図11は、別のトナーカートリッジの構成を示す。この例では、撹拌部材82の支軸83を中心に、櫛形もしくは梯子状の撹拌羽根84が時計方向に回転し、補給ローラ47の回転によって現像部4にトナーが補給される。S2はトナーカートリッジ内のトナー残量を判定するための検知部(本発明のトナー残量検知手段)であり、前述した現像剤のトナー濃度測定部に用いられる透磁率センサと同等のセンサが用いられている。
【0080】
撹拌羽根84には、柔軟性のある高分子からなるシート85が取り付けられ、そのシート85の先端に被検知部材88が設けられている。トナーカートリッジ8にトナーが多く存在するときには、被検知部材88は撹拌羽根84が回転することによって形成される細い略円筒状の空洞部に沿って回転する。ところが、トナーが減少すると被検知部材88は重力の作用でセンサS2に近い軌跡を通るようになる。これにより、センサS2の出力値が変化する。この値をチェックすることにカートリッジ内の残存トナー量を確認することが出来る。
【0081】
シート85の長さは、少なくとも被検知部材88がトナーカートリッジ8の筺体8aの底部に摺接しうる動作が可能な程度に設定されることが好ましい。これよりも短いと残量検知が難しくなる。また、そのシート85の長さは撹拌部材82の支軸83の中心からその直下の内壁に至る距離よりも短いことが好ましい。長すぎると、撹拌部材82との干渉により、スムーズな動作が困難になることがある。
【0082】
また、シート85は、被検知部材88が重力により揺動できる程度の柔軟性を具備していることが望ましい。その理由は、シート85の柔軟性が低い場合には、トナーの抵抗は非常に小さいため、撹拌部材82によりトナーが流動化したとき、シート85の剛性によりトナー層内に潜り込んでしまう場合や、トナー層から離れて空中を回動する等の不具合が発生する虞があるからである。さらに、シート85の材質は、PET等の高分子材料であることが望ましい。金属材の場合には、被検知部材88との判別が難しくなり、誤検知の虞がある。
【0083】
尚、残量に応じて被検知部材と、センサの距離が変化することにより残量を検知する方法であれば、いずれの方法も使用可能である。例えば、トナー上面にフロートを配置して、その上下位置を検知するような方法でもよく、その他、圧電センサ等によって内部のトナー量を検知する方法でもよい。
【0084】
検知の結果、補充トナー収容部93の内部にトナーがなくなった場合には、たとえ回収トナー収容部92にトナーが残っていても、その検知信号を受けた制御手段(図示省略)からトナー残量が所定量以下であることを報知するための信号がブザー、ランプ等の報知手段に出力されると共に、画像形成動作を停止させる信号が画像形成部に出力される。
【0085】
これにより、ユーザーは、トナーカートリッジ8が空のなったことを認識することができ、かつ、以後の画像形成動作が停止される。このような対応により、それ以後、回収トナーのみが現像装置14に供給されて画質が低下するのを防止して、良好な画質を維持することができる。
【0086】
図12はさらに別の例を示し、この場合、回収トナー収容部92と補充トナー収容部93とを備えた中間ホッパー95に対して着脱自在で、トナーの補給が可能なトナー補給部(本発明のトナーカートリッジ)94を設けてもよい。そのトナー補給部94は、円筒形状をなし、外側が回転することによってトナーを撹拌供給できるよう構成されるのが好ましい。尚、トナー補給部94は、中間ホッパー95の中央部に突設したカートリッジ受部95aに着脱自在に装着できるようになっている。
【0087】
図示の例では、円筒体の内部には、円筒両端部のトナーを中央に集めるための、螺旋部が設けられている。従って、トナー補給部94内部に新たな回転駆動される撹拌部材や、トナー補給部94から中間ホッパー95へトナーを供給するための供給部材を設ける必要がない。
【0088】
このような構成により、交換するトナー補給部94の構成部品が少なくて済むので、トナーカートリッジ8のコストをさらに低減することが出来る。トナー補給部94から中間ホッパー95ヘのトナーの補給は、前記したセンサS2で中間ホッパー95内部のトナーが所定量よりも少なくなったことを検知した場合に、トナー補給部94を所定時間回転して、トナー補給部94から中間ホッパー95ヘトナー補給をすればよい。
【0089】
また、所定時間トナーを補給しても中間ホッパー95のトナー量が回復しなかった場合には、トナー補給部94内部のトナーが空になったことを検知して、図示しない表示装置等によって、ユーザに報知する。ユーザはこれを見てトナー補給部94のみを中間ホッパー95から取外して交換すればよい。
【0090】
以上の各実施の形態では、2成分のトナー補給について述べたが、本発明は、1成分現像方式の現像剤の残量検知装置についても適用が可能である。また、画像形成装置については、図6に示す構成に限定されることなく、少なくとも、本発明のトナーカートリッジを着脱自在に装着可能な現像装置を具備していれば、その形式や構成の如何を問わず、本発明を適用することができる。
【0091】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明は、以下の効果を奏する。
【0092】
(1)現像装置に対して、トナー供給ローラの軸方向に分割された補充トナー収容部と回収トナー収容部の割合に応じて、回収トナーと補充トナーが供給されるので、回収トナーの割合が増加して、画質が低下するような問題が発生しなくなる。また、特別な制御装置を必要としないため、トナーカートリッジのコストを低減できる。
【0093】
また、補充トナー収容部と回収トナー収容部がトナー供給ローラの軸方向に臨むように筺体内に設けられているので、現像装置に対してトナー供給ローラの軸方向にトナーが満遍なく供給されるため、現像装置内での無理な撹拌が防止され現像剤の長寿命化を図ることができる。
【0094】
さらに、トナーカートリッジが、現像装置に対して着脱自在で略水平方向に装着可能であるため、画像形成装置に装着した場合に、トナーカートリッジが、露光装置から像担持体への露光の妨げになることがなく、上下方向の省スペース化を図ることができる。
【0095】
(2)仕切り壁によって分割される補充トナー収容部と、回収トナー収容部と、の比率が、転写効率を基準とした所定の値(機種等に応じて最適な値)に設定されるため、トナー供給ローラに供給されるトナー中の未使用トナーの割合が、90〜95%内の所定の値となり、トナー供給ローラに供給される回収トナーの割合が5〜10%内の所定の値に規制される。
【0096】
したがって、常に、一定の割合で回収トナーと未使用トナーが供給されるため、良好な画質を安定に維持することができ、回収トナーの割合が増加し、回収トナー収容部から補充トナー収容部へ回収トナーがオーバーフローして未使用トナーと混合されることにより、トナー供給ローラへ供給される未使用トナーの割合が低下して、画質が低下するような問題がなくなる。
【0097】
(3)撹拌搬送部材により、導入口から導入した回収トナーをトナー供給ローラの中央部へ搬送し、該トナー供給ローラ近傍で未使用トナーと撹拌混合しつつ、現像装置に補給するので、現像装置に供給される前に予め回収トナーと未使用トナーが混合されるため、現像装置内での撹拌は従来に比べソフトな撹拌でよくなるため、現像剤の長寿命化を図ることができる。
【0098】
しかも、トナー供給ローラの中央部で回収トナーと未使用トナーを撹拌して現像装置に供給するため、撹拌されたトナーがトナー供給ローラの両側方向に均等に分散されるため、トナー供給ローラの軸方向で画質の違いが生じるのを防止することが出来る。
【0099】
(4)補充トナー収容部と回収トナー収容部とが仕切り壁の上部で連通するので、トナー供給ローラへ回収トナーが送られる前に、未使用トナーが回収トナーと混合することにより、回収トナーが希釈され、ほぐされ、現像装置へ補給されるトナーの回収トナーの偏りを低減することができる。
【0100】
(5)補充トナー収容部にはトナー残量検知手段を設けているため、たとえ回収トナー収容部にのみトナーが残留していても、補充トナー収容部のトナー残量が所定量以下であると、直ちにこれが報知されるため、ユーザーによってトナーが補給される。これにより、回収トナーのみによる画像形成を防止することができ、画質の低下を防ぐことができる。
【0101】
(6)補充トナー収容部にはトナー残量検知手段を設けているため、たとえ回収トナー収容部にのみトナーが残留していても、補充トナー収容部のトナー残量が所定量以下であると、直ちに画像形成動作が停止されるため、ユーザーによってトナーが補給される。これにより、回収トナーのみによる画像形成を防止することができ、画質の低下を防ぐことができる。
【0102】
(7)補充トナー収容部には、該補充トナー収容部にトナーを供給するためのトナーホッパーを着脱自在に設けているので、補充トナー収容部を画像形成装置の本体側に残したままで、トナーホッパーを着脱交換できるため、ユーザーにとって利便性が向上すると共に、カートリッジの構造も簡素化することができ、コストの低減化が可能となる。
【0103】
(8)トナーホッパーの外側部分が回転することによって内部に収納されたトナーが撹拌されるため、内部に撹拌部材を設ける必要がなくなり、構成部品の少ない安価なカートリッジを提供することができる。
【0104】
(9)画質を低下させることなく、回収トナーを再使用することができ、ランニングコストの低減化を図ることができる。また、トナーカートリッジが、現像装置に対して着脱自在で略水平方向に装着可能であるため、画像形成装置に装着した場合に、トナーカートリッジが、露光装置から像担持体への露光の妨げになることなく、上下方向の省スペース化を図ることができるため、コンパクト化が可能となる。
【0105】
(10)クリーニング装置の位置を、現像装置の位置よりも上方に設定したきで、クリーニング装置によって回収した回収トナーを現像装置に搬送する過程で、重力を利用して容易に搬送できるため、搬送に要するエネルギーが少なくなり、かつ、回収トナーの搬送途中にパッキング等のトラブルが生じにくくなる。また、従来よりも回収トナーの搬送距離が短くなるため、ランニングコストの低減化を図ることができる。
【0106】
(11)このトナーリサイクル方法によれば、トナー供給ローラに供給されるトナー中の未使用トナーの割合を転写効率(90〜95%)内の所定の値とし、トナー供給ローラに供給される回収トナーの割合を5〜10%内の所定の値に規制することができる。
【0107】
したがって、常に、一定の割合で回収トナーと未使用トナーが供給されるため、良好な画質を安定に維持することができる。すなわち、回収トナーの割合が増加して回収トナー収容部から補充トナー収容部へ回収トナーがオーバーフローし、未使用トナーと混合されることにより、トナー供給ローラへ供給される未使用トナーの割合が低下して、画質が低下するような問題がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の回収トナーの搬送経路の一例を示す説明図である。
【図2】同別の例を示す説明図である。
【図3】同さらに別の例を示す説明図である。
【図4】同画像形成装置の構成の一例を示す説明図である。
【図5】同別の例を示す説明図である。
【図6】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す説明図である。
【図7】同現像器に装着されたトナーカートリッジの全体構成図である。
【図8】同別の例の全体構成図である。
【図9】同さらに別の例の要部構成を示す説明図である。
【図10】同トナー濃度センサの回路構成図である。
【図11】同全体構成図である。
【図12】同他の例の全体構成図である。
【符号の説明】
4−現像器
8−トナーカートリッジ
8a−筺体
9−クリーニング装置
21−像担持体
41−トナー残量検知手段
47−トナー供給ローラ
86−撹拌搬送部材
90−仕切り壁
91−導入口
92−回収トナー収容部
93−補充トナー収容部
94−トナーホッパー
【発明の属する技術分野】
本発明は画像を転写した後に、感光体上に残留するトナーをクリーニングして回収トナー(リサイクルトナー)としてトナーカートリッジ内に回収して再使用に供せるようにしたトナーカートリッジ、画像形成装置及びトナーリサイクル方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば電子写真方式を利用する画像形成装置において、静電潜像担持体上に形成された静電潜像を現像するために使用されたトナーは、通常、大部分が転写紙に転写され画像を形成するために消費されるが、一部は静電潜像担持体上に残留する。しかも環境条件等によって、例えば高温高湿環境下では、転写効率が低下してさらに多くのトナーが静電潜像担持体上に残留する。
【0003】
また、静電潜像以外の像担持体面上に付着し、転写されなかった微量のトナーも静電潜像担持体面上に残留する。この他にも、種々の作像プロセス条件、例えばトナー濃度を制御するプロセスコントロールのために静電潜像担持体面上に形成した基準濃度パターンのトナー像も、同様に転写されずに静電潜像担持体上に残留する。
【0004】
従来、このような残留トナーを有効に再利用するために、クリーニング装置で回収して現像器(現像手段)に搬送したり、クリーニング装置の代わりに現像器にクリーニング動作をも行わせる等して、転写されずに静電潜像担持体上に残留したトナーを現像器で再利用する方法が提案されている。
【0005】
このようなクリーニング装置によって回収されたトナー(以下、回収トナーという)を再利用するために、例えば、図1に示すように、像担持体100に臨設したクリーニング装置106から回収トナー搬送装置107を経由させて現像器103の上部に回収トナーを循環させるようにした構成や、図2に示すように、現像器103の上部に着脱自在に装着されたトナー補充容器104内の回収現像剤収納部(図示省略)に回収トナーを搬送・供給して混合するようにした構成等も提案されている(例えば、特許文献1参照)。尚、図1,図2にて、101は帯電器、102は画像情報を反映したレーザー光、103aはトナー供給ローラ、103bは撹拌ローラ、105は転写器、Pは用紙である。
【0006】
ところで、上述のように、回収されて再使用に供されるトナーは、未使用トナーに比べて、トナーの物性(特性)が変化している。例えば、回収トナー中に、クリーニング時に像担持体100上から一緒に回収された紙粉等のトナー以外の異物や、凝集したトナー等が混入してしまっていたり、また、回収トナーが未使用トナーと比較して小粒径化してしまっていたりする。
【0007】
さらに、何度も画像形成プロセスを経て劣化して帯電しにくくなったり、逆帯電トナーが含まれるようになったり、転写チャージ等の負荷を受けて、その摩擦帯電能力が低下してしまっていたり、回収トナーの粉体特性としての流動性が低下してしまっていたりすることもある。
【0008】
したがって、回収トナーと未使用トナーとを混合して利用する場合、トナー濃度の均一性やトナー電荷量の安定性等を維持することが困難であり、一度に多くの回収トナーを現像器103内に補給すると、画像以外の地肌部にトナーが多く付着して地肌汚れや粒状汚れが発生したり、現像器103からトナー飛散が発生したりしやすくなるという問題が発生する。
【0009】
また、トナー補充容器104に収容されている未使用トナーと回収トナーがトナー補充容器104の内部で混合攪拌され、トナーが残り少なくなるにつれ容器内部のトナーの回収トナー含有率が増加し、トナーエンド直前の含有率は50%以上にまで達する。このため、回収トナーによる地肌かぶりの増加等による画像品質の低下が問題となる。
【0010】
さらに、例えば、図3に示すように、現像器103の上部に、未使用トナーを収納するトナー補充容器104とは別に、回収トナー収容装置114を設け、該トナー補充容器104からの未使用トナーの補給量と、該回収トナー収容装置114からの回収トナーの補給量とを適宜調整するように制御するようにした静電記録装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0011】
このような構成によれば、現像器4内に補給される未使用トナー量と、回収トナー量の比率を一定に保つことは可能である。しかし、そのためには、未使用トナー補給量に応じて、回収トナーの補給量を制御するための制御装置が新たに必要となる。
【0012】
また、図1ないし図3に示した構成では、クリーニング位置と現像位置がほぼ水平な対応位置にあるため、トナーをリサイクルするためには、回収したトナーを一旦現像器よりも高い位置に運び上げる必要があり、そのために、より多くのエネルギーが必要とされる。また、その搬送過程でトナーがパッキングして凝集してしまうと言う問題もあった。
【0013】
そこで、本出願人は、新たな制御装置を必要とすることなく、回収トナーと未使用トナーを所定の比率で撹拌補給できる画像形成装置を提案している(特許文献3参照)。この画像形成装置の現像手段は、回収現像剤および未使用現像剤をそれぞれ別々に収容するケーシング内でそれぞれ撹拌部材によって撹拌された回収現像剤および未使用現像剤を、現像ローラの軸線方向中央部に対応する撹拌部材の中央領域に供給するための供給手段を備えたことを特徴としている。このような構成によれば、別途、制御装置を必要とすることなく、回収トナーと未使用トナーの比率を一定に保つことができる。
【0014】
また、従来の複写機では、例えば、図4に示すように、装置本体のケーシング上部にスキャナ部120、ケーシング内に画像形成部130が配置され、スキャナ部120において原稿の読み取りを行い、その読み取った画像情報に基づいて画像形成部130にて記録用紙に画像を転写して定着を行った後、ケーシング外に設けた排紙トレイ140に記録用紙の排出を行うように構成される。
【0015】
このような複写機においては、ケーシング側面に突出した状態で排紙トレイ140が取り付けられるため、複写機の実際の設置スペースは、非常に広い面積が必要となる。そこで、設置スペースを抑えるために、スキャナ部と画像形成部との間に空間を形成するよう支持枠により排紙トレイを支持させ、排紙トレイを前記空間に配置することで、設置スペースを減少させるようにした構成が開示されている(例えば、特許文献4参照)。
【0016】
【特許文献1】
特開平6−19312号公報(「0040」〜「0045」、図1)
【特許文献1】
特開昭60−41079号公報(図1)
【特許文献3】
特開2000−162858号公報(「0068」〜「0070」、図3)
【特許文献4】
特許第2846435号公報(第1図)
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献3に記載の構成では、新たな制御装置を必要としないが、撹拌されたトナーがトナー補給口から現像装置に対して中央の一箇所からのみ補給(1点補給)されることとなる。そのため、現像装置の中央領域のトナー濃度が他に比べて異常に高くなってしまう。
【0018】
このようなことから、1点補給されたトナーを現像装置内で均一に撹拌し、現像ローラの軸方向に同一濃度となるようにするためには、現像装置内に新たな撹拌機構が必要となり、現像装置が大きくなってしまう問題点もある。さらに、上述のような過度の撹拌によって、トナーの寿命が短くなると言う問題もある。また、未使用トナー、回収トナーが両方から補給口に向かってくるため、補給口付近でトナーがパッキングして補給できなくなる可能性もある。
【0019】
一方、特許文献4に記載の複写機のように、省スペース化された構成では、例えば、図5に示すように、画像形成部130における記録用紙の搬送経路131が垂直方向となり、クリーナ106が像担持体100の上部に配置される。このような構成では、装置をコンパクト化するために、現像装置103の上部にトナーカートリッジ104を設けると、露光装置110から像担持体100への露光を妨げてしまう。
【0020】
したがって、図示のように、トナーカートリッジ104は、現像装置103とほぼ水平に近い位置に設置するのが好ましい。しかしながら、特許文献3に記載された構成では、トナーカートリッジ103を現像装置103の上部に設ける必要があるため、図5に示すような構成の画像形成装置には適用することができない。
【0021】
本発明は、このような実情に鑑みてなされ、画質を低下させることなく、回収トナーを有効に利用することができ、かつ、現像装置に対して略水平に取り付けることができる構成が簡易なトナーカートリッジ、画像形成装置及びトナーリサイクル方法を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の課題を解決するための手段を、以下のように構成している。
【0023】
(1)トナーを収納する筺体と、像担持体に臨設されたクリーニング装置から回収される回収トナーを前記筺体内に導入する導入口と、現像器にトナーを供給するために、前記筺体内に設けられるトナー供給ローラと、未使用トナーを収容するために、前記筺体内に設けられる補充トナー収容部と、前記導入口から導入した回収トナーを収容するために、前記筺体内に設けられる回収トナー収容部と、を備え、
前記補充トナー収容部と、前記回収トナー収容部とが、仕切り壁によって、前記トナー供給ローラの軸方向に所定の比率で分割されることを特徴とする。
【0024】
この構成においては、現像器に対して、トナー供給ローラの軸方向に分割された補充トナー収容部と回収トナー収容部の割合(比率)に応じて(比例して)、回収トナーと補充トナーが供給されるため、回収トナーの割合が増加して、画質が低下するような問題が発生しない。また、特別な制御装置を必要としないため、トナーカートリッジのコストを低減できる。
【0025】
また、補充トナー収容部と回収トナー収容部がトナー供給ローラの軸方向に臨むように筺体内に設けられているので、現像器に対してトナー供給ローラの軸方向にトナーが満遍なく供給されるため、現像器内での無理な撹拌が防止され現像剤の長寿命化を図ることができる。
【0026】
さらに、トナーカートリッジを、現像器に対して略水平方向に装着することができるため、画像形成装置に装着した場合に、トナーカートリッジが、露光装置から像担持体への露光の妨げになることがなく、上下方向の省スペース化を図ることができる。
【0027】
(2)前記仕切り壁によって分割される前記補充トナー収容部と、前記回収トナー収容部と、の比率が、前記像担持体における転写効率を基準とした所定の設定されることを特徴とする。
【0028】
転写効率(transfer efficiency)は、像担持体上に形成された静電潜像を現像るために使用されたトナーの重量に対して、用紙等に転写されたトナーの重量の比率(割合)を指し、通常、90〜95%程度である。
【0029】
この構成においては、仕切り壁によって分割される補充トナー収容部と、回収トナー収容部と、の比率が、転写効率を基準とした所定の値(機種等に応じて最適な値)に設定される。従って、トナー供給ローラに供給されるトナー中の未使用トナーの割合が、90〜95%内の所定の値となるため、トナー供給ローラに供給される回収トナーの割合が5〜10%内の所定の値に規制される。
【0030】
そのため、常に、一定の割合で回収トナーと未使用トナーが供給されるため、良好な画質を安定に維持することができる。すなわち、回収トナーの割合が増加して回収トナー収容部から補充トナー収容部へ回収トナーがオーバーフローし、未使用トナーと混合されることにより、トナー供給ローラへ供給される未使用トナーの割合が低下して、画質が低下するような問題がなくなる。
【0031】
(3)前記導入口から導入した回収トナーを前記トナー供給ローラの中央部へ搬送し、該トナー供給ローラ近傍で未使用トナーと撹拌混合する撹拌搬送部材を設けたことを特徴とする。
【0032】
この構成においては、撹拌搬送部材により、現像器に供給される前に予め回収トナーと未使用トナーが混合されるため、現像器内での撹拌は従来に比べソフトな撹拌でよくなり、現像剤の長寿命化を図ることができる。
【0033】
しかも、トナー供給ローラの中央部で回収トナーと未使用トナーを撹拌して現像器に供給するため、撹拌されたトナーがトナー供給ローラの両側方向に均等に分散され、トナー供給ローラの軸方向で画質の違いが生じるのを防止することが出来る。
【0034】
(4)前記補充トナー収容部と、前記回収トナー収容部と、が前記仕切り壁の上部で、連通していることを特徴とする。
【0035】
この構成においては、未使用トナーの収容量が仕切り壁を超えると、回収トナー収容部に流入し、トナー供給ローラへ回収トナーが送られる前に、未使用トナーが回収トナーと混合することにより、回収トナーが希釈され、ほぐされ、現像器へ補給されるトナーの回収トナーの偏りを低減することができる。
【0036】
(5)前記補充トナー収容部にはトナー残量検知手段が設けられ、前記トナー残量検知手段によってトナー残量が所定量以下であることが検知されると、これを報知するための信号を出力する制御手段を設けたことを特徴とする。
【0037】
この構成においては、たとえ回収トナー収容部にのみトナーが残留していても、補充トナー収容部のトナー残量が所定量以下であると、直ちにこれが報知されるため、ユーザーは、トナーを補給するタイミングを認識することができる。これにより、回収トナーのみによる画像形成を防止することができ、画質の低下を防ぐことができる。
【0038】
(6)前記トナー残量検知手段によってトナー残量が所定量以下であることが検知されると、画像形成動作を一時停止させるための信号を出力する制御手段を設けたことを特徴とする。
【0039】
この構成においては、たとえ回収トナー収容部にのみトナーが残留していても、補充トナー収容部のトナー残量が所定量以下であると、直ちに画像形成動作が停止されるため、ユーザーは、トナーを補給するタイミングを認識することができる。これにより、回収トナーのみによる画像形成を防止することができ、画質の低下を防ぐことができる。
【0040】
(7)前記補充トナー収容部には、該補充トナー収容部にトナーを供給するためのトナーホッパーが着脱自在に設けられることを特徴とする。
【0041】
この構成においては、トナーカートリッジの補充トナー収容部を画像形成装置の本体側に残したままで、トナーホッパーを着脱交換できるため、ユーザーにとって利便性が向上すると共に、カートリッジの構造も簡素化することができ、コストの低減化が可能となる。
【0042】
(8)前記トナーホッパーは、その外側部分が回転することによってトナーを撹拌補給するように構成されることを特徴とする。
【0043】
この構成においては、トナーホッパーの外側部分が回転することによって内部に収納されたトナーが撹拌されるため、内部に撹拌部材を設ける必要がなくなり、構成部品の少ない安価なカートリッジを提供することができる。
【0044】
(9)像担持体上に形成された静電潜像を現像器によって現像するようにした画像形成装置において、請求項1ないし8のいずれかに記載のトナーカートリッジが前記現像器に着脱自在に装着可能であることを特徴とする。
【0045】
この構成においては、画質を低下させることなく、回収トナーを再使用することができ、ランニングコストの低減化を図ることができる。また、トナーカートリッジが、現像器に対して着脱自在で略水平方向に装着可能であるため、画像形成装置に装着した場合に、トナーカートリッジが、露光装置から像担持体への露光の妨げになることなく、上下方向の省スペース化を図ることができる。
【0046】
(10)前記クリーニング装置の位置を、前記現像器の位置よりも上方に設定したことを特徴とする。
【0047】
この構成においては、クリーニング装置によって回収した回収トナーを現像器に搬送する過程で重力を利用して容易に搬送できるため、回収トナーの搬送途中にパッキング等のトラブルが生じにくくなる。また、従来よりも回収トナーの搬送距離が短くなるため、ランニングコストの低減化を図ることができる。
【0048】
(11)現像器に対して着脱自在に装着可能なトナーカートリッジにおけるトナーリサイクル方法であって、
前記現像器に対して撹拌供給するトナー中の未使用トナーの割合を、前記現像器によって現像される像担持体の転写効率を基準とした所定の値に設定することを特徴とする。
【0049】
この方法においては、トナー供給ローラに供給されるトナー中の未使用トナーの割合を転写効率(90〜95%)内の所定の値とし、トナー供給ローラに供給される回収トナーの割合を5〜10%内の所定の値に規制することができる。
【0050】
したがって、常に、一定の割合で回収トナーと未使用トナーが供給されるため、良好な画質を安定に維持することができる。すなわち、回収トナーの割合が増加して回収トナー収容部から補充トナー収容部へ回収トナーがオーバーフローし、未使用トナーと混合されることにより、トナー供給ローラへ供給される未使用トナーの割合が低下して、画質が低下するような問題がなくなる。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態に係るトナーカートリッジと画像形成装置について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0052】
《画像形成装置》
図6は、電子写真方式の画像形成装置の主要な構成を示す説明図で、画像形成部は、感光体ドラム(本発明の像担持体)21、クリーナ(本発明のクリーニング装置)9、帯電チャージャ2、現像装置14、トナー供給容器(本発明のトナーカートリッジ)8、転写部5、定着装置7を備えている。感光体ドラム21の表面には感光体が設けられている。帯電チャージャ2は、感光体表面を一様に帯電させ、このように一様に帯電された状態で露光走査部3による露光を受けると、感光体ドラム21の表面に静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置14により現像され、当該感光体ドラム21表面にトナー像が形成される。
【0053】
現像装置14は、現像ローラや攪拌装置を備えた現像器4と、当該現像器4に対してほぼ水平に着脱自在にセットされ、現像器4内に適宜トナーを補給するためのトナーカートリッジ8とからなる。このような構成により、トナーカートリッジ8が感光体ドラム21への露光を妨げないようになり、メカニズムのコンパクト化も図られる。尚、現像装置14の詳細な構成については後述する。
【0054】
この感光体ドラム21の回転動作と同期して転写紙(図示せず)が、給紙部6から給紙ローラ、タイミングローラ対によって感光体ドラム21と接する転写位置5まで給紙される。この転写位置5において、電荷により感光体ドラム21表面に形成されたトナー像を転写紙上に転写させる。転写紙に転写されたトナー像は、すぐに剥がれる不安定な状態であるので、定着装置7まで搬送される。定着装置7は、転写紙を高温で加圧し、トナーを転写紙上に定着させる。その後、排紙トレイ上に転写紙が排出される。
【0055】
一方、転写紙に転写されずに感光体ドラム21上に残ったトナーは、クリーナ9によって全て回収される。クリーナ9に回収されたトナーは、回収トナー搬送路10を通って、トナーカートリッジ8内の回収トナー収容部92(図7参照)に回収される。
【0056】
《トナーカートリッジ》
図7は、現像器4と着脱自在なトナーカートリッジ8を備えた現像装置14の構成を示す。この現像装置14は、トナーとキャリアとを混合した現像剤を使用する乾式2成分磁気ブラシ現像方式により、感光体ドラム21に形成された静電潜像を現像して可視像とする。
【0057】
トナーカートリッジ8は、所定の高さの仕切り壁90で仕切られた回収トナー収容部92と補充トナー収納部93から構成され、仕切り壁90の上部で、両収容部92,93は連通している。尚、カートリッジ出荷の段階では、回収トナー収容部92は空の状態で、未使用トナーを収納する補充トナー収納部93にのみトナーが充填されている。
【0058】
回収トナー搬送路10を通じてクリーナ9から回収されたトナーは、導入口91から回収トナー収容部92に導入される。一方、未使用トナーの収容量が仕切り壁90を超えると、該未使用トナーが回収トナー収容部92に流入し、回収トナー収容部92内で回収トナーと混合されて、トナー供給ローラ47に供給されるようになっている。
【0059】
トナーカートリッジ8の現像器4に接続される側には、トナー供給ローラ47が現像器4の上部に臨む位置に設けられ、その支軸が、現像器4の幅方向に差し渡されてその両端部が筺体8aの側縁部に回転自在に枢支されている。そのトナー供給ローラ47に対して平行な状態で、一対の撹拌部材82,82′が筺体8a内に並設されている。
【0060】
撹拌部材82,82′は、筺体8aの側縁部に回転自在に枢支される支軸83,83′に、櫛形もしくは梯子状に形成された複数の撹拌羽根84,84′を付設して構成され、その撹拌羽根84,84′は、図7の例では、補充トナー収容部93には4つ、回収トナー収容部92には1つ配設されている。
【0061】
そして、トナーカートリッジ8が現像器4に装着されると、後述するように、画像形成装置内に設けられている駆動源から駆動力の伝達を受けて、両撹拌部材82,82′がトナー供給ローラ47と共に回転駆動され、補充トナー収容部93内の未使用トナーと、回収トナー収容部92内の回収トナーとを、撹拌しつつ、所定の割合(比率)でトナー供給ローラ47に供給する。
【0062】
上述の補充トナー収容部93と回収トナー収容部92におけるトナー供給ローラ47に沿う方向の長さnとmは、トナー供給ローラ47へのトナー供給量に略比例するため、その比率(割合)は、転写効率を基準とした所定の値(機種に応じた最適な値)に設定するのが好ましい。
【0063】
本実施の形態では、トナー供給ローラ47に対して撹拌供給されるトナー中に占める未使用トナーの割合を、像担持体21における転写効率と略同一に設定している。すなわち、(n/m+n)×100%=rが転写効率と略等しくなるように、上記nとmの値を設定している。
【0064】
この転写効率は、感光体ドラム21上に形成された静電潜像を現像るために使用されるトナーの重量に対して、用紙等に転写されるトナーの重量の比率を指し、通常、90%〜95%程度である。従って、上記rを90%〜95%に設定すると、トナー供給ローラ47に供給されるトナー中の未使用トナーの割合が90%〜95%となるため、トナー供給ローラ47に供給される回収トナーの割合が5%〜10%に規制される。これにより、常に、充分な量の未使用トナーが供給されるため、良好な画質を維持することができる。また、回収トナーが、回収トナー収容部92からオーバーフローして補充トナー収容部93に流入することで、画質の低下を招来する等のトラブルを防ぐこともできる。
【0065】
尚、より好ましくは、上記rが転写効率よりも若干大きくなるように、mとnの値を設定すればよい。上記rが転写効率よりも小さくなる場合には、トナー供給ローラ47から現像器4に供給される未使用トナーの割合が低下(回収トナーの割合が増加)して画質が低下すると共に、回収トナーが回収トナー収容部92に滞留しやすくなり、オーバーフローする虞があるからである。
【0066】
図8に示す例では、トナー供給ローラ47と撹拌部材82との間に、回収トナーと未使用トナーとを混合するためのトナー送りスクリュウ(本発明の撹拌搬送部材)86を設けている。このような構成では、トナー送りスクリュウ86で予め回収トナーと未使用トナーとを混合した後に、現像装置14に供給することができ、回収トナーと未使用トナーの均一性が向上するため、画質の安定向上を図ることができる。
【0067】
図9に示す例では、現像装置14は、トナーを収容するトナーカートリッジ8と、トナーおよびキャリアからなる現像剤が充填された現像器4とを備えている。さらに、現像装置14には、トナー濃度制御のために働くトナー濃度制御系60を備えている。そして、現像器4内には、トナー濃度センサ41、現像ローラ44および攪拌ローラ45が設けられている。
【0068】
トナーカートリッジ8中に収納された未使用トナー及び回収トナーは、現像器4内のトナー濃度が所定値よりも小さくなった場合に現像器4に補給される。トナー補給ローラ47は、トナーカートリッジ8内のトナーを現像器4に補給するために備えられている。撹拌ローラ45は、現像器4内の現像剤(キャリアとトナー)を撹拌してトナーとキャリアを摩擦帯電させる。現像ローラ44は、混合撹拌された現像剤を感光体ドラム21に供給する。
【0069】
この現像ローラ44は、アルミニウム合金、黄銅、SUS304ステンレス等の非磁性金属製の中空円筒状の現像スリーブ内に、磁界を発生させるための複数本の磁石体を固定したマグネットローラを内挿して構成されている。この現像ローラ44は、現像スリーブのみを回転させながら、表面に現像剤を磁気的に吸着して感光体ドラム21と接する現像部へ搬送・供給する。
【0070】
撹拌ローラ45および現像ローラ44は、制御CPU61の指示を受けて、図示しない駆動装置により回転駆動される。トナー濃度制御系60は、トナー濃度センサ(透磁率センサ)41、基準電圧発生部62、比較器63、トナー補給ローラ駆動部64、トナー補給モータ65、トナー補給モータ65、ROM、RAM、および制御CPU61で構成されている。
【0071】
トナー濃度センサ41は、現像装置14の現像器4の下方に設置されており、現像器4の現像剤のトナー濃度を検知し、電圧(濃度検知電圧)として検出する。基準電圧発生部62は濃度検知電圧と比較されるべき基準電圧を発生する。この基準電圧は、現像器4内の現像剤の基準濃度を表し、比較器63は濃度検知電圧と基準電圧とを比較し、現像器4内のトナー濃度が低ければ、トナー補給ローラ駆動部64に対して、駆動信号を出力する。
【0072】
トナー補給ローラ駆動部64は、駆動信号を受けている間、トナー補給ローラ47の回転駆動源であるトナー補給モータ65を駆動する。また、RAMは、読み取ったトナー濃度センサ41の出力電圧などを一時記憶する。ROMには、トナー濃度制御等のプログラムが記憶されている。
【0073】
次に、上記トナー濃度センサ41について説明する。
【0074】
この現像装置14では、二成分系現像剤を用い、現像剤を撹拌して摩擦によってトナーを帯電させ、この帯電トナーを感光体ドラム21上に形成された静電潜像に静電気的に付着させ可視像を形成している。この種の現像装置14では、トナー濃度を測定するためのトナー濃度センサとして透磁率センサを使用するが、本現像装置14においては差動トランス方式のトナー濃度センサを用いている。
【0075】
図10は、差動トランス方式のトナー濃度センサ41の回路構成を示す。トナー濃度センサ41は、一次コイル51、基準コイル52、検知コイル53、交流電源54、ねじコア55、現像剤56、位相比較回路57、平滑回路58および5個の入出力端子74a、74b、74c、74d、74e、さらに5個の引き出し線75a、75b、75c、75d、75eにより構成されている。
【0076】
このような構成では、差動トランスの一次コイル51に交流電源54が供給される。その二次側にはほぼ同じ巻き数で逆極性の2個のコイル52,53が直列に巻かれていて、その一方のコイルが基準コイル52、もう一方のコイルが検知コイル53となる。一次コイル51と基準コイル52の近くには高透磁率のねじコア55が磁心として働くように挿入されており、ねじコア55の位置を調整して一次コイル51と基準コイル52の間のインダクタンスを調整することができる。
【0077】
一次コイル51と検知コイル53の近くに測定されるべき現像剤56あるいは磁性体(キャリア)が流れる。すると、その現像剤56あるいは磁性体(キャリア)が磁心として働いて一次コイル51と検知コイル53の間のインダクタンスを変化させる。このインダクタンスの大きさは、磁心として働いている現像剤56あるいは磁性トナーの磁粉量によって決まるので、検知コイル53の出力電圧によって磁粉量、即ちキャリア濃度を測定できる。
【0078】
基準コイル52と検知コイル53はほぼ同じ巻き数で逆極性のものが直列に結ばれているので、両コイルの差が出力として取り出せる。一次コイル51へ供給される交流電圧と二次側のコイルである基準コイル52および検知コイル53の出力とは位相比較回路57で排他的論理和を取った上で、その出力信号を平滑回路58で平滑化して直流電圧として取り出すことにより、トナー濃度を測定することができる。
【0079】
図11は、別のトナーカートリッジの構成を示す。この例では、撹拌部材82の支軸83を中心に、櫛形もしくは梯子状の撹拌羽根84が時計方向に回転し、補給ローラ47の回転によって現像部4にトナーが補給される。S2はトナーカートリッジ内のトナー残量を判定するための検知部(本発明のトナー残量検知手段)であり、前述した現像剤のトナー濃度測定部に用いられる透磁率センサと同等のセンサが用いられている。
【0080】
撹拌羽根84には、柔軟性のある高分子からなるシート85が取り付けられ、そのシート85の先端に被検知部材88が設けられている。トナーカートリッジ8にトナーが多く存在するときには、被検知部材88は撹拌羽根84が回転することによって形成される細い略円筒状の空洞部に沿って回転する。ところが、トナーが減少すると被検知部材88は重力の作用でセンサS2に近い軌跡を通るようになる。これにより、センサS2の出力値が変化する。この値をチェックすることにカートリッジ内の残存トナー量を確認することが出来る。
【0081】
シート85の長さは、少なくとも被検知部材88がトナーカートリッジ8の筺体8aの底部に摺接しうる動作が可能な程度に設定されることが好ましい。これよりも短いと残量検知が難しくなる。また、そのシート85の長さは撹拌部材82の支軸83の中心からその直下の内壁に至る距離よりも短いことが好ましい。長すぎると、撹拌部材82との干渉により、スムーズな動作が困難になることがある。
【0082】
また、シート85は、被検知部材88が重力により揺動できる程度の柔軟性を具備していることが望ましい。その理由は、シート85の柔軟性が低い場合には、トナーの抵抗は非常に小さいため、撹拌部材82によりトナーが流動化したとき、シート85の剛性によりトナー層内に潜り込んでしまう場合や、トナー層から離れて空中を回動する等の不具合が発生する虞があるからである。さらに、シート85の材質は、PET等の高分子材料であることが望ましい。金属材の場合には、被検知部材88との判別が難しくなり、誤検知の虞がある。
【0083】
尚、残量に応じて被検知部材と、センサの距離が変化することにより残量を検知する方法であれば、いずれの方法も使用可能である。例えば、トナー上面にフロートを配置して、その上下位置を検知するような方法でもよく、その他、圧電センサ等によって内部のトナー量を検知する方法でもよい。
【0084】
検知の結果、補充トナー収容部93の内部にトナーがなくなった場合には、たとえ回収トナー収容部92にトナーが残っていても、その検知信号を受けた制御手段(図示省略)からトナー残量が所定量以下であることを報知するための信号がブザー、ランプ等の報知手段に出力されると共に、画像形成動作を停止させる信号が画像形成部に出力される。
【0085】
これにより、ユーザーは、トナーカートリッジ8が空のなったことを認識することができ、かつ、以後の画像形成動作が停止される。このような対応により、それ以後、回収トナーのみが現像装置14に供給されて画質が低下するのを防止して、良好な画質を維持することができる。
【0086】
図12はさらに別の例を示し、この場合、回収トナー収容部92と補充トナー収容部93とを備えた中間ホッパー95に対して着脱自在で、トナーの補給が可能なトナー補給部(本発明のトナーカートリッジ)94を設けてもよい。そのトナー補給部94は、円筒形状をなし、外側が回転することによってトナーを撹拌供給できるよう構成されるのが好ましい。尚、トナー補給部94は、中間ホッパー95の中央部に突設したカートリッジ受部95aに着脱自在に装着できるようになっている。
【0087】
図示の例では、円筒体の内部には、円筒両端部のトナーを中央に集めるための、螺旋部が設けられている。従って、トナー補給部94内部に新たな回転駆動される撹拌部材や、トナー補給部94から中間ホッパー95へトナーを供給するための供給部材を設ける必要がない。
【0088】
このような構成により、交換するトナー補給部94の構成部品が少なくて済むので、トナーカートリッジ8のコストをさらに低減することが出来る。トナー補給部94から中間ホッパー95ヘのトナーの補給は、前記したセンサS2で中間ホッパー95内部のトナーが所定量よりも少なくなったことを検知した場合に、トナー補給部94を所定時間回転して、トナー補給部94から中間ホッパー95ヘトナー補給をすればよい。
【0089】
また、所定時間トナーを補給しても中間ホッパー95のトナー量が回復しなかった場合には、トナー補給部94内部のトナーが空になったことを検知して、図示しない表示装置等によって、ユーザに報知する。ユーザはこれを見てトナー補給部94のみを中間ホッパー95から取外して交換すればよい。
【0090】
以上の各実施の形態では、2成分のトナー補給について述べたが、本発明は、1成分現像方式の現像剤の残量検知装置についても適用が可能である。また、画像形成装置については、図6に示す構成に限定されることなく、少なくとも、本発明のトナーカートリッジを着脱自在に装着可能な現像装置を具備していれば、その形式や構成の如何を問わず、本発明を適用することができる。
【0091】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明は、以下の効果を奏する。
【0092】
(1)現像装置に対して、トナー供給ローラの軸方向に分割された補充トナー収容部と回収トナー収容部の割合に応じて、回収トナーと補充トナーが供給されるので、回収トナーの割合が増加して、画質が低下するような問題が発生しなくなる。また、特別な制御装置を必要としないため、トナーカートリッジのコストを低減できる。
【0093】
また、補充トナー収容部と回収トナー収容部がトナー供給ローラの軸方向に臨むように筺体内に設けられているので、現像装置に対してトナー供給ローラの軸方向にトナーが満遍なく供給されるため、現像装置内での無理な撹拌が防止され現像剤の長寿命化を図ることができる。
【0094】
さらに、トナーカートリッジが、現像装置に対して着脱自在で略水平方向に装着可能であるため、画像形成装置に装着した場合に、トナーカートリッジが、露光装置から像担持体への露光の妨げになることがなく、上下方向の省スペース化を図ることができる。
【0095】
(2)仕切り壁によって分割される補充トナー収容部と、回収トナー収容部と、の比率が、転写効率を基準とした所定の値(機種等に応じて最適な値)に設定されるため、トナー供給ローラに供給されるトナー中の未使用トナーの割合が、90〜95%内の所定の値となり、トナー供給ローラに供給される回収トナーの割合が5〜10%内の所定の値に規制される。
【0096】
したがって、常に、一定の割合で回収トナーと未使用トナーが供給されるため、良好な画質を安定に維持することができ、回収トナーの割合が増加し、回収トナー収容部から補充トナー収容部へ回収トナーがオーバーフローして未使用トナーと混合されることにより、トナー供給ローラへ供給される未使用トナーの割合が低下して、画質が低下するような問題がなくなる。
【0097】
(3)撹拌搬送部材により、導入口から導入した回収トナーをトナー供給ローラの中央部へ搬送し、該トナー供給ローラ近傍で未使用トナーと撹拌混合しつつ、現像装置に補給するので、現像装置に供給される前に予め回収トナーと未使用トナーが混合されるため、現像装置内での撹拌は従来に比べソフトな撹拌でよくなるため、現像剤の長寿命化を図ることができる。
【0098】
しかも、トナー供給ローラの中央部で回収トナーと未使用トナーを撹拌して現像装置に供給するため、撹拌されたトナーがトナー供給ローラの両側方向に均等に分散されるため、トナー供給ローラの軸方向で画質の違いが生じるのを防止することが出来る。
【0099】
(4)補充トナー収容部と回収トナー収容部とが仕切り壁の上部で連通するので、トナー供給ローラへ回収トナーが送られる前に、未使用トナーが回収トナーと混合することにより、回収トナーが希釈され、ほぐされ、現像装置へ補給されるトナーの回収トナーの偏りを低減することができる。
【0100】
(5)補充トナー収容部にはトナー残量検知手段を設けているため、たとえ回収トナー収容部にのみトナーが残留していても、補充トナー収容部のトナー残量が所定量以下であると、直ちにこれが報知されるため、ユーザーによってトナーが補給される。これにより、回収トナーのみによる画像形成を防止することができ、画質の低下を防ぐことができる。
【0101】
(6)補充トナー収容部にはトナー残量検知手段を設けているため、たとえ回収トナー収容部にのみトナーが残留していても、補充トナー収容部のトナー残量が所定量以下であると、直ちに画像形成動作が停止されるため、ユーザーによってトナーが補給される。これにより、回収トナーのみによる画像形成を防止することができ、画質の低下を防ぐことができる。
【0102】
(7)補充トナー収容部には、該補充トナー収容部にトナーを供給するためのトナーホッパーを着脱自在に設けているので、補充トナー収容部を画像形成装置の本体側に残したままで、トナーホッパーを着脱交換できるため、ユーザーにとって利便性が向上すると共に、カートリッジの構造も簡素化することができ、コストの低減化が可能となる。
【0103】
(8)トナーホッパーの外側部分が回転することによって内部に収納されたトナーが撹拌されるため、内部に撹拌部材を設ける必要がなくなり、構成部品の少ない安価なカートリッジを提供することができる。
【0104】
(9)画質を低下させることなく、回収トナーを再使用することができ、ランニングコストの低減化を図ることができる。また、トナーカートリッジが、現像装置に対して着脱自在で略水平方向に装着可能であるため、画像形成装置に装着した場合に、トナーカートリッジが、露光装置から像担持体への露光の妨げになることなく、上下方向の省スペース化を図ることができるため、コンパクト化が可能となる。
【0105】
(10)クリーニング装置の位置を、現像装置の位置よりも上方に設定したきで、クリーニング装置によって回収した回収トナーを現像装置に搬送する過程で、重力を利用して容易に搬送できるため、搬送に要するエネルギーが少なくなり、かつ、回収トナーの搬送途中にパッキング等のトラブルが生じにくくなる。また、従来よりも回収トナーの搬送距離が短くなるため、ランニングコストの低減化を図ることができる。
【0106】
(11)このトナーリサイクル方法によれば、トナー供給ローラに供給されるトナー中の未使用トナーの割合を転写効率(90〜95%)内の所定の値とし、トナー供給ローラに供給される回収トナーの割合を5〜10%内の所定の値に規制することができる。
【0107】
したがって、常に、一定の割合で回収トナーと未使用トナーが供給されるため、良好な画質を安定に維持することができる。すなわち、回収トナーの割合が増加して回収トナー収容部から補充トナー収容部へ回収トナーがオーバーフローし、未使用トナーと混合されることにより、トナー供給ローラへ供給される未使用トナーの割合が低下して、画質が低下するような問題がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の回収トナーの搬送経路の一例を示す説明図である。
【図2】同別の例を示す説明図である。
【図3】同さらに別の例を示す説明図である。
【図4】同画像形成装置の構成の一例を示す説明図である。
【図5】同別の例を示す説明図である。
【図6】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す説明図である。
【図7】同現像器に装着されたトナーカートリッジの全体構成図である。
【図8】同別の例の全体構成図である。
【図9】同さらに別の例の要部構成を示す説明図である。
【図10】同トナー濃度センサの回路構成図である。
【図11】同全体構成図である。
【図12】同他の例の全体構成図である。
【符号の説明】
4−現像器
8−トナーカートリッジ
8a−筺体
9−クリーニング装置
21−像担持体
41−トナー残量検知手段
47−トナー供給ローラ
86−撹拌搬送部材
90−仕切り壁
91−導入口
92−回収トナー収容部
93−補充トナー収容部
94−トナーホッパー
Claims (11)
- トナーを収納する筺体と、
像担持体に臨設されたクリーニング装置から回収される回収トナーを前記筺体内に導入する導入口と、
現像器にトナーを供給するために、前記筺体内に設けられるトナー供給ローラと、
未使用トナーを収容するために、前記筺体内に設けられる補充トナー収容部と、
前記導入口から導入した回収トナーを収容するために、前記筺体内に設けられる回収トナー収容部と、を備え、
前記補充トナー収容部と、前記回収トナー収容部とが、仕切り壁によって、前記トナー供給ローラの軸方向に所定の比率で分割されることを特徴とするトナーカートリッジ。 - 前記仕切り壁によって分割される前記補充トナー収容部と、前記回収トナー収容部と、の比率が、前記像担持体における転写効率を基準とした所定の設定されることを特徴とする請求項1に記載のトナーカートリッジ。
- 前記導入口から導入した回収トナーを前記トナー供給ローラの中央部へ搬送し、該トナー供給ローラ近傍で未使用トナーと撹拌混合する撹拌搬送部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載のトナーカートリッジ。
- 前記補充トナー収容部と、前記回収トナー収容部と、が前記仕切り壁の上部で、連通していることを特徴とする請求項1に記載のトナーカートリッジ。
- 前記補充トナー収容部にはトナー残量検知手段が設けられ、前記トナー残量検知手段によってトナー残量が所定量以下であることが検知されると、これを報知するための信号を出力する制御手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載のトナーカートリッジ。
- 前記トナー残量検知手段によってトナー残量が所定量以下であることが検知されると、画像形成動作を一時停止させるための信号を出力する制御手段を設けたことを特徴とする請求項5に記載のトナーカートリッジ。
- 前記補充トナー収容部には、該補充トナー収容部にトナーを供給するためのトナーホッパーが着脱自在に設けられることを特徴とする請求項1に記載のトナーカートリッジ。
- 前記トナーホッパーは、その外側部分が回転することによってトナーを撹拌補給するように構成されることを特徴とする請求項7に記載のトナーホッパー。
- 像担持体上に形成された静電潜像を現像器によって現像するようにした画像形成装置において、請求項1ないし8のいずれかに記載のトナーカートリッジが前記現像器に着脱自在に装着可能であることを特徴とする画像形成装置。
- 前記クリーニング装置の位置を、前記現像器の位置よりも上方に設定したことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
- 現像器に対して着脱自在に装着可能なトナーカートリッジにおけるトナーリサイクル方法であって、
前記現像器に対して撹拌供給するトナー中の未使用トナーの割合を、前記現像器によって現像される像担持体の転写効率を基準とした所定の値に設定することを特徴とするトナーリサイクル方法。
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- 2003-03-18 JP JP2003074115A patent/JP2004279941A/ja active Pending
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