JP2004278793A - 高速回転軸用軸受 - Google Patents

Abstract

【課題】ハウジング内に配置された浮動ブッシュ（３、４）を備えた高速回転軸用軸受において、これを、単純な手段で、振動励起の確実で良好な減衰が生ずるよう形成する。
【解決手段】各浮動ブッシュ（３、４）がその両側端面（８、１０）の軸側端に、半径方向外側に延びる環状凹所（１１、１２）を有し、各浮動ブッシュの両側端面に隣接する接触支持壁（６、７、９）に存在する軸貫通孔（１３）の内径が、前記環状凹所の半径方向高さより小さくされる。
【選択図】図１

Description

本発明はハウジング内に配置された浮動ブッシュを備える高速回転軸用軸受に関する。

浮動ブッシュ付き軸受は既に公知である。

本発明の課題は、冒頭に述べた形式の軸受を単純な手段で、振動励起の確実で良好な減衰が起こるように形成することにある。

この課題は、本発明に基づき、各浮動ブッシュがその両側端面の軸側端に、半径方向外側に延びる環状凹所を有し、各浮動ブッシュの両側端面に隣接する接触支持壁に存在する軸貫通孔の内径が、前記環状凹所の半径方向高さより小さいことで解決される。

この形態では、凹所に油溜まりが生じ、該油溜まりは、浮動ブッシュの振動運動時、浮動ブッシュのハウジング側面の良好な潤滑を保証する。油溜まりは、接触支持壁と浮動ブッシュの間の隙間に空気が侵入するのを防ぐ。空気の侵入は、減衰作用を悪化させる。

本発明の１実施態様では、浮動ブッシュの両側端面および／又は接触支持壁に、半径方向に延びる溝を配置する。これにより、接触支持壁と浮動ブッシュの間の隙間が小さい場合も、外側油膜に対する十分な油量供給を保証できる。

本発明の他の特徴と利点を、従属請求項と図を参照した本発明の２つの実施例の説明で明らかにする。

図１において、１は軸受の固定ハウジング、２は軸である。軸２は２つの浮動ブッシュ３、４で支持され、該ブッシュ３、４間に間隔ブッシュ５が配置されている。間隔ブッシュ５は円筒ピン３２で回り止めされている。更に、この軸受は両外側における円板状接触支持壁６、７で外に対し閉じられている。

一方の浮動ブッシュ３は、間隔ブッシュ５と接触支持壁６の間に軸方向遊びをもって配置されている。更に、間隔ブッシュ５はハウジングに固定された円筒ピン３２で回り止めされている。このピン３２は、間隔ブッシュ５に存在し、例えば大きな直径の孔又は長孔の形をした少なくとも軸２の軸方向に遊びを与える凹所３３に係合している。

浮動ブッシュ３の接触支持壁６側の端面８と、間隔ブッシュ５の接触支持壁９側の端面１０とに、各々傾斜面で境界づけられた環状凹所１１、１２が存在する。これらの凹所１１、１２は半径方向外側に延びている。接触支持壁６は軸貫通孔１３の内径を有し、該内径は凹所１１の半径方向高さより小さい。この形状の故、凹所１１の軸から離れた箇所に油溜まり１４が生ずる。この油溜まりは、浮動ブッシュ３の振動運動時、浮動ブッシュ３がこれと接触支持壁６の間に空気を吸い込まないように作用する。従ってハウジング１と浮動ブッシュ３の間に、振動励起を減衰する一定の潤滑油膜を維持できる。

軸２の低速回転時に、浮動ブッシュ３とハウジング１の間に十分な潤滑油膜を確保すべく、浮動ブッシュ３の両側端面に半径方向に延びる溝１５、１６を設けている。しかしこれらの溝は、接触支持壁６、７の浮動ブッシュ３側の面に設けてもよい。

ハウジング１の反対側端で、浮動ブッシュ４に対し、上と同じ構造を採用している。

図２の実施例は、図１のそれと殆ど一致している。ここでは、浮動ブッシュ２０、２１に対する接触支持壁１８、１９を持つハウジング１７を用いている。浮動ブッシュ２０、２１の軸方向外側への動きは、接触支持壁２２、２３で制限している。浮動ブッシュ２０の両側端面２４、２５に各々凹所２６、２７を設けており、両凹所２６、２７は、湾曲境界面付きの溝で形成している。ここでも、接触支持壁１８、２２の軸貫通孔２８、２９の内径は、凹所２６、２７の半径方向高さより小さく、このため油溜まり３０、３１が生じている。これら油溜まり３０、３１は、ハウジング１７と浮動ブッシュ２０の間の潤滑油膜に空気が侵入するのを防ぐ。他方の浮動ブッシュ２１も同様に形成し支持する。

本発明によると、振動励起の良好な減衰だけでなく、軸受の良好な耐摩耗性も生ずる。

本発明に基づく軸受の断面図。 本発明に基づく軸受の第２実施例の図１に相当する断面図。

符号の説明

１ ハウジング、２ 軸、３、４、２０、２１ 浮動ブッシュ、５ 間隔ブッシュ、６、７、９、１８、１９、２２、２３ 接触支持壁、８、１０、２４、２５ 端面、１１、１２、２６、２７ 環状凹所、１３、２８、２９ 軸貫通孔、１５、１６ 溝、３２ 円筒ピン

Claims (8)

1. ハウジング内に配置された浮動ブッシュを備える高速回転軸用軸受において、各浮動ブッシュ（３、４、２０、２１）がその両側端面（８、１０、２４、２５）の軸（２）側端に、半径方向外側に延びる環状凹所（１１、１２、２６、２７）を有し、各浮動ブッシュの両側端面に隣接する接触支持壁（６、７、９、１８、１９、２２、２３）に存在する軸貫通孔（１３、２８、２９）の内径が、前記環状凹所の半径方向高さより小さいことを特徴とする軸受。
2. 浮動ブッシュの両側端面（８、１０、２４、２５）および／又は接触支持壁（６、７、９、１８、１９、２２、２３）に、半径方向に延びる溝（１５、６）が配置されたことを特徴とする請求項１記載の軸受。
3. 凹所（１１、１２）が傾斜面により形成されたことを特徴とする請求項１又は２記載の軸受。
4. 凹所（２６、２７）が湾曲境界面を備えた溝により形成されたことを特徴とする請求項１又は２記載の軸受。
5. 接触支持壁（６、７、２２、２３）が円板として形成されたことを特徴とする請求項１から４の１つに記載の軸受。
6. 接触支持壁（９）が、両浮動ブッシュ（３、４）間に配置された間隔ブッシュ（５）の側壁により形成されたことを特徴とする請求項１から４の１つに記載の軸受。
7. 接触支持壁（１８、１９）が、固定ハウジング（１７）の側壁として形成されたことを特徴とする請求項１から４の１つに記載の軸受。
8. 間隔ブッシュ（５）が、間隔ブッシュ（５）に存在する少なくとも軸方向における遊びを与える凹所（３３）に、大きな直径の孔に係合する円筒ピン（３２）により、ハウジング（１１）に対し回り止めして配置されたことを特徴とする請求項１から４および６の１つに記載の軸受。

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