JP2004276857A - 車両用窓ガラス防曇装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電気ヒータ92から窓ガラス91に与える熱量を制御する新規の自動車用防曇装置を提供する
【解決手段】自動車の窓ガラス91に沿うように装着される電気ヒータ92と、窓ガラス91の防曇に必要な加熱量を算出するECU26を有し、ECU26は、この算出された加熱量を基に、窓ガラス91を加熱させるように電気ヒータ92を制御する。これにより、車室内の空調状態を乱すことなく、窓ガラス91の状態に応じて、電気ヒータ92から窓ガラス91に与える熱量を制御して、窓ガラス91の防曇を行うことができる。
【選択図】 図1
【解決手段】自動車の窓ガラス91に沿うように装着される電気ヒータ92と、窓ガラス91の防曇に必要な加熱量を算出するECU26を有し、ECU26は、この算出された加熱量を基に、窓ガラス91を加熱させるように電気ヒータ92を制御する。これにより、車室内の空調状態を乱すことなく、窓ガラス91の状態に応じて、電気ヒータ92から窓ガラス91に与える熱量を制御して、窓ガラス91の防曇を行うことができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用窓ガラスを加熱する車両用窓ガラス防曇装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、空調装置のエバポレータの冷却能力を調整することによりエバポレータから吹き出される送風空気の乾燥度合いを調整しこの調整された乾燥空気を窓ガラスに向け吹き出す車両用窓ガラス防曇装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−137627号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この防曇装置では、乾燥空気を吹き出すための送風機から騒音が発生したり、窓ガラスに吹き出された乾燥空気が窓ガラスにより反射されて乗員頭部に当たったり、乾燥空気が車室内の空調状態を乱したり、するといったデメリットがある。
【0005】
そこで、近年、上述のデメリットを回避するために、電気ヒータを窓ガラスに装着して窓ガラスを直接加熱するように構成されている電熱ガラスが提案されている。
【0006】
しかし、この電気ヒータで窓ガラスの防曇を行うには、エバポレータの冷却能力を調整するための従来の制御手法を用いることができず、窓ガラスの状態に応じて電気ヒータから窓ガラスに与える熱量を制御するための新規の制御手法が必要になると考えられる。
【0007】
本発明は、上記点に鑑み、窓ガラスの状態に応じて、電気ヒータから窓ガラスに与える熱量を制御するための新規の車両用窓ガラス防曇装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、自動車の窓ガラスを直接的に加熱する電気ヒータ(92)と、窓ガラスの防曇に必要な加熱量を算出する算出手段(S110)と、算出された加熱量を基に、窓ガラスを加熱させるように電気ヒータを制御する制御手段(S130、S140)と、を有することを特徴とする。
【0009】
これにより、窓ガラスの状態に応じて、電気ヒータから窓ガラスに与える熱量を制御するための新規の車両用窓ガラス防曇装置を提供することができる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明のように、算出手段により必要な加熱量を算出するのに、内気温度センサ(28)により検出される車室内温度、および、外気温度センサ(29)により検出される車室外温度を用いることが好ましい。
【0011】
ここで、請求項4に記載の発明のように、算出手段が、車室内温度、車室外温度、および車両の速度センサ(42)により検出される移動速度を基に、必要な加熱量を算出すれば、車両の移動速度を考慮して必要な加熱量を算出することができるので、この必要な加熱量としては正確に算出することができる。
【0012】
なお、請求項5に記載の発明のように、電気ヒータは、窓ガラスに沿うように膜状に生成されたものを用いることが好ましい。
【0013】
また、車載バッテリの残容量が少ないときに電気ヒータを動作させると、この電気ヒータの動作に伴い車載バッテリの残容量が不足して、バッテリ上がりを招く可能性がある。
【0014】
そこで、請求項2に記載の発明のように、窓ガラスに向け空調風を吹き出すための空調手段(6、7、8、20、21)を有し、車載バッテリ(B)の残容量を検出して、この検出される車載バッテリの残容量が、所定レベル未満であると判定されたとき、制御手段は、算出された加熱量を基に、窓ガラスを加熱させるように電気ヒータを制御するとともに、窓ガラスに向け空調風を吹き出させるように空調手段を制御するように構成することが好適である。
【0015】
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の車両用防曇装置が適用された自動車用空調装置の本実施形態に係る模式図であり、自動車用空調装置は、空調ユニット1を備え、この空調ユニット1は、自動車の車室内に吹き出す空気の通路を構成する空調ケーシング2を備えている。
【0017】
そして、空調ケーシング2の空気上流側部位には、車室内空気を吸入するための内気吸入口3と車室外空気を吸入するための外気吸入口4とが形成されているとともに、これらの吸入口3、4を選択的に開閉する吸入口切換ドア5が設けられている。なお、この吸入口切換ドア5は、サーボモータ(駆動手段)6によって開閉される。
【0018】
この吸入口切換ドア5の下流側部位には送風機7が配設されており、この送風機7により両吸入口3、4から吸入された空気が、後述する各吹出口13、14、15に向けて送風される。
【0019】
そして、送風機7の空気下流側には、送風機7により送風された空気を冷却する蒸発器(空気冷却手段)8が配設されており、蒸発器8の空気下流側には、走行用エンジン(図示せず。)の廃熱を熱源として蒸発器8を通過した空気を加熱するヒータコア(空気加熱手段)9が配設されている。
【0020】
なお、蒸発器8は、フロン等の冷媒を蒸発させることにより冷凍能力(冷房能力)を発揮する蒸気圧縮式冷凍サイクルの低圧側の熱交換器であり、22はエンジンから動力を得て冷媒を吸入圧縮する圧縮機であり、23は圧縮機22から吐出した冷媒を冷却(凝縮)する放熱器(凝縮器)であり、24は放熱器23から流出した冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して液相冷媒を流出するとともに、余剰冷媒を蓄えるレシーバ(気液分離手段)であり、25はレシーバ24から流出した冷媒を減圧する減圧器である。
【0021】
また、空調ケーシング2には、蒸発器8を通過した空気をヒータコア9を迂回させて下流側に流すバイパス通路10が形成されており、ヒータコア9の空気上流側には、ヒータコア9を通過する風量とバイパス通路10を通過する風量との風量割合を調節するエアミックスドア11が配設されている。
【0022】
そして、本実施形態では、蒸発器8、ヒータコア9、バイパス通路10及びエアミックスドア11により車室内に吹き出す空気の温度を調節する温度調節手段が構成されている。
【0023】
また、空調ケーシング2の最下流側部位には、車室内乗員の上半身に空調空気を吹き出すためのフェイス吹出口12と、車室内乗員の足元に空気を吹き出すためのフット吹出口13と、フロント側の電気ヒータ内蔵型ウインドシールド9の内面に向かって空気を吹き出すためのデフロスタ吹出口14と、が形成されている。このウインドシールド9の構成については後述する。
【0024】
そして、上記各吹出口12〜14の空気上流側部位それぞれには、吹出モード切換ドア15〜17が配設されており、これら吹出モード切換ドア15〜17及びエアミックスドア11は、サーボモータ(駆動手段)18〜21よって開閉される。なお、サーボモータ6、20、21、送風機7および蒸発器8は、請求項に記載の空調手段を構成している。
【0025】
また、符号26は、サーボモータ6、18〜21、送風機7及びエンジンからの動力を断続可能に圧縮機に伝達する電磁クラッチ22a等を制御する電子制御装置(以下、ECUという)である。このECU26には、蒸発器8を通過した直後の空気温度(以下、この温度を蒸発器吹出温度Teと呼ぶ。)を検出する温度センサ27、車室内の空気温度を検出する内気温度センサ28、車室外の空気温度を検出する外気温度センサ29、及び車両に降り注がれる日射量を検出する日射センサ30、車室内の湿度を検出する湿度センサ40、フロント側の電気ヒータ内蔵型ウインドシールド9の内表面の温度を検出する温度センサ41等の空調センサ31の検出値、車速センサ42により検出される自動車の移動速度、並びに乗員の手動操作により乗員(人員)が希望する車室内温度(希望室内温度)を設定(入力)する温度設定器(温度設定手段)32の設定温度Tsetが入力されている。
【0026】
ここで、温度センサ31としては、サーミスタ等のセンサが用いられ、電気ヒータ内蔵型ウインドシールド(EHW)9の内側窓ガラス91の内表面の温度を検出する。車速センサ42としては、自動車の駆動輪を回転数を基に移動速度を検出するセンサが用いられる。
【0027】
なお、33は室内空気を導入する内気モードと室外空気を導入する外気モードとを切り替える内外気切替えスイッチであり、34はデフモードを選択するデフスイッチであり、35は蒸発器吹出温度Teを略3℃程度に維持するように蒸発器8で発生する冷房能力(電磁クラッチ22a)を制御するA/Cモードと、蒸発器吹出温度を略12℃以下となるように蒸発器8で発生する冷房能力(電磁クラッチ22a)を制御するECO(エコノミー)モードと切り替えるECO(エコノミー)スイッチであり、これらのスイッチ33〜35からの信号もECU26に入力されている。
【0028】
ここで、フロント側の電気ヒータ内蔵型ウインドシールド9の構成について図2を用いて説明すると、電気ヒータ内蔵型ウインドシールド9は、板状の窓ガラス部材90、91の間に電気ヒータ92および補強用樹脂膜93を挟んで構成されている。そして、電気ヒータ92としては、外側窓ガラス部材90に沿うように膜状に成形されている導電性発熱膜が用いられ、この発熱膜は、ECU26から電力が供給されて発熱する。
【0029】
次に、本実施形態の作動について説明する。ECU26は、図3のフローチャートにしたがって、防曇処理を実行する。この防曇処理は、デフスイッチ34が手動操作により投入されたとき、繰り返し実行される。
【0030】
先ず、デフスイッチ34が手動操作により投入されたとき、センサ27〜30、40〜42から出力される各センサ検出値、および温度設定器32から出力される設定温度Tsetをそれぞれ取得する(S100)。これに伴い、電気ヒータ内蔵型ウインドシールド9の防曇に必要な熱量Qdmを次式1に基づき算出する(S110)。
【0031】
【数式1】
Qdm=Qglass+Qouter+Qinner
ここで、Qglassは、車室外にへの放熱を考慮しない場合において、現在の窓ガラス91の温度から防曇目標温度「TAO(=露点+一定温度:α(℃))」まで窓ガラス91を加熱するのに必要な熱量である。そして、この熱量Qglassは、次式2で算出される。
【0032】
【数式2】
Qglass=Tg・a1+Tr・a2+a3
ここで、Tgは、温度センサ31により検出される窓ガラス91の内表面温度、Trは露点を示すものであって、内表面温度Tgと、湿度センサ40により検出される車室内湿度とに基づき算出される。なお、a1、a2は係数であり、a3は補正定数である。
【0033】
また、数式1中のQouterは、内蔵型ウインドシールド9から車室外に放熱される熱量を示し、この熱量は、次式3で算出される。
【0034】
【数式3】
Qouter=Tg・b1+Tam・b2+So・b3+b4
ここで、Tamは外気温度センサ29により検出される室外空気温度、Soは車速センサ42により検出される自動車の移動速度である。b1、b2、b3は、それぞれ係数であり、b4は補正定数である。
【0035】
また、数式1中のQinnerは、内蔵型ウインドシールド9から車室内に放熱される熱量を示し、この熱量は、次式4で算出される。
【0036】
【数式4】
Qinner=Tg・c1+Tr・c2+c3
ここで、Trは内気温度センサ28で検出された車室内の空気温度であり、c1、c2は係数を示し、c3は補正定数を示す。
【0037】
以上のように算出された必要熱量Qdmを基に、内蔵型ウインドシールド9への防曇が必要か否かを判定する(S110a)。必要熱量Qdmが零より小さいならば(Qdm≦0)、内蔵型ウインドシールド9への防曇が必要が無いとして、NOと判定する。そして、必要熱量Qdmが零より大きいときには(Qdm>0)、内蔵型ウインドシールド9への防曇が必要であるとして、YESと判定する。
【0038】
そして、YESと判定された場合には、車載バッテリBの正極端子の電圧(以下、バッテリ電圧という)をサンプリングして、このサンプリングされるバッテリ電圧を基に、内蔵型ウインドシールド9への防曇を行うのに、電気ヒータ92だけを用いるか、或いは、電気ヒータ92に加えてデフロスタ吹出口14から空調風をウインドシールド9に吹き出させるかを決定する。
【0039】
具体的には、予めメモリに記憶された特性表に基づき、バッテリ電圧を基に、車載バッテリBの通電可能最大電力Qを算出される。特性表は、図4に示すように、バッテリ電圧、バッテリ残容量、通電可能最大電力がそれぞれ、1:1:1で特定されるように、バッテリ電圧、バッテリ残容量、通電可能最大電力の各データを含んで構成されている。
【0040】
このように特性表及びバッテリ電圧を基に通電可能最大電力Qehwを算出すると、この通電可能最大電力Qehwと必要熱量Qdmとを比較し、通電可能最大電力Qehwの方が必要熱量Qdmに比べて大きいとき(0<Qdm<Qehw)、内蔵型ウインドシールド9への防曇を行うのに、電気ヒータ92だけを用いるべきであると判定する。これに伴い、車載バッテリBからの給電に基づき、電気ヒータ92への通電を開始して電気ヒータ92から窓ガラス91、92への加熱を開始する。その後、必要熱量Qdmが零より小さく(Qdm≦0)、防曇の必要がないと判定されるまで、ステップS100〜S130の処理が繰り返される。
【0041】
また、通電可能最大電力Qehwの方が必要熱量Qdmに比べて小さいとき(Qdm≧Qehw)、内蔵型ウインドシールド9への防曇を行うのに、電気ヒータ92による加熱に加えて空調風を用いるべきであると判定する。
【0042】
この場合、車載バッテリBからの給電に基づき、電気ヒータ92への通電を開始して電気ヒータ92から窓ガラス91、92への加熱を開始するとともに、次のように、サーボモータ6、20、21などを駆動して、空調ユニット1からデフロスタ吹出口14を通して空調風をウインドシールド9の内表面に向けて吹き出させる。
【0043】
すなわち、サーボモータ6により吸入口切換ドア5を回転させて、内気吸入口3を開けるとともに、外気吸入口4を閉じる。さらに、上述の露点Trに一定温度αを加算した防曇目標温度TAOに基づいて、エアミックスドア11の開度SWを決定する。そして、サーボモータ21によりエアミックスドア11を回転させてこのドアの開度を上述の決定された開度SWに近づけるようにする。また、蒸発器吹出温度が一定温度に近づけるように電磁クラッチ22a(つまり、圧縮機22の稼働率)を制御する。さらに、送風機7の電動モータに一定電圧を出力する。
【0044】
なお、エアミックスドア11の開度SWは、次式5に基づいて決定する。
【0045】
【数5】
SW(%)=(TAO−Te)/(Tw−Te)×100
Te:蒸発器吹出温度(センサ27の検出温度)
Tw:ヒータコア9に流入する温水の温度
以上のようにサーボモータ6、20、21などを駆動すると、送風機7により車室内から内気吸入口3を通して空気が吸入される。そして、この空気が蒸発器8により除湿されて、この除湿された空気流がエアミックスドア11により、バイパス通路10に流入される空気流とヒータコア9に流入されるの空気流とに分けられる。さらに、双方の空気流は混合されて空調風としてデフロスタ吹出口14からフロント側の電気ヒータ内蔵型ウインドシールド9の内面に向かって空気を吹き出される。これにより、電気ヒータ92による加熱に加えて空調風を用いてウインドシールド9の防曇を実行することになる。
【0046】
次に、本実施形態の作用効果を示す。すなわち、自動車の窓ガラス91に沿うように装着される電気ヒータ92と、窓ガラス91の防曇に必要な加熱量を算出するECU26を有し、ECU26は、この算出された加熱量を基に、窓ガラス91を加熱させるように電気ヒータ92を制御する。これにより、車室内の空調状態を乱すことなく、窓ガラス91の状態に応じて、電気ヒータ92から窓ガラス91に与える熱量を制御するための新規の装置を提供することができる。
【0047】
ここで、フロントウインドシールド9から車室外に放熱される熱量は、車両の移動速度に応じて大きく変化するものの、本実施形態では、ECU26が、車室内温度、車室外温度、および車両の移動速度を基に、必要な加熱量を算出したので、この必要な加熱量としては正確に算出することができる。これにより、電気ヒータ92から窓ガラス91に与える熱量を精度良く制御することができる。
【0048】
また、車載バッテリBの残容量が少ないときに電気ヒータ92を動作させると、この電気ヒータ92の動作に伴い車載バッテリBの残容量が不足して、バッテリ上がりを招く可能性がある。
【0049】
そこで、窓ガラスに向け空調風を吹き出す空調ユニット1を有し、車載バッテリ(B)の残容量を検出して、この検出される車載バッテリの残容量が、所定レベル未満であると判定されたとき、上述のように算出される必要な加熱量を基に、窓ガラス91を加熱させるように電気ヒータ92を制御するとともに、窓ガラス91に向け空調風を吹き出させるようにサーボーモータ6、20、21、送風機7の電動モータを制御する。
【0050】
このことにより、電気ヒータ92と空調風とにより窓ガラス91の防曇が行われるので、車載バッテリBの電力消費量を減らし、バッテリ上がりを未然に防ぐことができる。
【0051】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、サーミスタなどの温度センサ41を用いて、フロントウインドシールド9の窓ガラス91の内表面の温度(以下、ガラス温度という)を検出する例について説明したが、これに代えて、サーミスタなどの温度センサ41を用いずに、車室内の空気温度、車室外の空気温度、車速、日射量、ECU26から電気ヒー1タ92への通電量(電流値)、その通電時間およびガラス温度がそれぞれ、1:1:1:1:1:1:1で特定される特性表(データマップ)を記憶しておき、この特性表と車室内空気温度、車室外空気温度、車速、日射量、通電量、通電時間とに基づき、窓ガラス温度を推定するようにしてもよい。
【0052】
上述の実施形態では、ガラス温度を用いて電気ヒータ92を制御したが、これに代えて、ガラス温度だけでなく、電気ヒータ92への通電に伴う窓ガラス91の内表面の温度変化特性(温度変化速度)を用いて、電気ヒータ92への通電量(電流値)を制御して、電気ヒータ92から窓ガラス91への加熱量を調整して防曇を行うようにしてもよい。
【0053】
上述の実施形態では、フロント側のウインドシールドに対して、電気ヒータ92を用いてウインドシールドに直接的に加熱して防曇(解氷)を行う例について説明したが、これに代えて、サイド側ウインドシールド、或いはバック側ウインドシールドに直接的に加熱して防曇(解氷)を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動車用空調装置の一実施形態を示す模式図である。
【図2】図1のウインドシールドの構成を示す断面図である。
【図3】図1のECUの防曇処理を示すフローチャートである。
【図4】バッテリの通電可能最大能力を算出に必要な特性表を示す図表である。
【符号の説明】
18〜21…サーボモータ、26…ECU、
91…窓ガラス、92…電気ヒータ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用窓ガラスを加熱する車両用窓ガラス防曇装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、空調装置のエバポレータの冷却能力を調整することによりエバポレータから吹き出される送風空気の乾燥度合いを調整しこの調整された乾燥空気を窓ガラスに向け吹き出す車両用窓ガラス防曇装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−137627号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この防曇装置では、乾燥空気を吹き出すための送風機から騒音が発生したり、窓ガラスに吹き出された乾燥空気が窓ガラスにより反射されて乗員頭部に当たったり、乾燥空気が車室内の空調状態を乱したり、するといったデメリットがある。
【0005】
そこで、近年、上述のデメリットを回避するために、電気ヒータを窓ガラスに装着して窓ガラスを直接加熱するように構成されている電熱ガラスが提案されている。
【0006】
しかし、この電気ヒータで窓ガラスの防曇を行うには、エバポレータの冷却能力を調整するための従来の制御手法を用いることができず、窓ガラスの状態に応じて電気ヒータから窓ガラスに与える熱量を制御するための新規の制御手法が必要になると考えられる。
【0007】
本発明は、上記点に鑑み、窓ガラスの状態に応じて、電気ヒータから窓ガラスに与える熱量を制御するための新規の車両用窓ガラス防曇装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、自動車の窓ガラスを直接的に加熱する電気ヒータ(92)と、窓ガラスの防曇に必要な加熱量を算出する算出手段(S110)と、算出された加熱量を基に、窓ガラスを加熱させるように電気ヒータを制御する制御手段(S130、S140)と、を有することを特徴とする。
【0009】
これにより、窓ガラスの状態に応じて、電気ヒータから窓ガラスに与える熱量を制御するための新規の車両用窓ガラス防曇装置を提供することができる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明のように、算出手段により必要な加熱量を算出するのに、内気温度センサ(28)により検出される車室内温度、および、外気温度センサ(29)により検出される車室外温度を用いることが好ましい。
【0011】
ここで、請求項4に記載の発明のように、算出手段が、車室内温度、車室外温度、および車両の速度センサ(42)により検出される移動速度を基に、必要な加熱量を算出すれば、車両の移動速度を考慮して必要な加熱量を算出することができるので、この必要な加熱量としては正確に算出することができる。
【0012】
なお、請求項5に記載の発明のように、電気ヒータは、窓ガラスに沿うように膜状に生成されたものを用いることが好ましい。
【0013】
また、車載バッテリの残容量が少ないときに電気ヒータを動作させると、この電気ヒータの動作に伴い車載バッテリの残容量が不足して、バッテリ上がりを招く可能性がある。
【0014】
そこで、請求項2に記載の発明のように、窓ガラスに向け空調風を吹き出すための空調手段(6、7、8、20、21)を有し、車載バッテリ(B)の残容量を検出して、この検出される車載バッテリの残容量が、所定レベル未満であると判定されたとき、制御手段は、算出された加熱量を基に、窓ガラスを加熱させるように電気ヒータを制御するとともに、窓ガラスに向け空調風を吹き出させるように空調手段を制御するように構成することが好適である。
【0015】
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の車両用防曇装置が適用された自動車用空調装置の本実施形態に係る模式図であり、自動車用空調装置は、空調ユニット1を備え、この空調ユニット1は、自動車の車室内に吹き出す空気の通路を構成する空調ケーシング2を備えている。
【0017】
そして、空調ケーシング2の空気上流側部位には、車室内空気を吸入するための内気吸入口3と車室外空気を吸入するための外気吸入口4とが形成されているとともに、これらの吸入口3、4を選択的に開閉する吸入口切換ドア5が設けられている。なお、この吸入口切換ドア5は、サーボモータ(駆動手段)6によって開閉される。
【0018】
この吸入口切換ドア5の下流側部位には送風機7が配設されており、この送風機7により両吸入口3、4から吸入された空気が、後述する各吹出口13、14、15に向けて送風される。
【0019】
そして、送風機7の空気下流側には、送風機7により送風された空気を冷却する蒸発器(空気冷却手段)8が配設されており、蒸発器8の空気下流側には、走行用エンジン(図示せず。)の廃熱を熱源として蒸発器8を通過した空気を加熱するヒータコア(空気加熱手段)9が配設されている。
【0020】
なお、蒸発器8は、フロン等の冷媒を蒸発させることにより冷凍能力(冷房能力)を発揮する蒸気圧縮式冷凍サイクルの低圧側の熱交換器であり、22はエンジンから動力を得て冷媒を吸入圧縮する圧縮機であり、23は圧縮機22から吐出した冷媒を冷却(凝縮)する放熱器(凝縮器)であり、24は放熱器23から流出した冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して液相冷媒を流出するとともに、余剰冷媒を蓄えるレシーバ(気液分離手段)であり、25はレシーバ24から流出した冷媒を減圧する減圧器である。
【0021】
また、空調ケーシング2には、蒸発器8を通過した空気をヒータコア9を迂回させて下流側に流すバイパス通路10が形成されており、ヒータコア9の空気上流側には、ヒータコア9を通過する風量とバイパス通路10を通過する風量との風量割合を調節するエアミックスドア11が配設されている。
【0022】
そして、本実施形態では、蒸発器8、ヒータコア9、バイパス通路10及びエアミックスドア11により車室内に吹き出す空気の温度を調節する温度調節手段が構成されている。
【0023】
また、空調ケーシング2の最下流側部位には、車室内乗員の上半身に空調空気を吹き出すためのフェイス吹出口12と、車室内乗員の足元に空気を吹き出すためのフット吹出口13と、フロント側の電気ヒータ内蔵型ウインドシールド9の内面に向かって空気を吹き出すためのデフロスタ吹出口14と、が形成されている。このウインドシールド9の構成については後述する。
【0024】
そして、上記各吹出口12〜14の空気上流側部位それぞれには、吹出モード切換ドア15〜17が配設されており、これら吹出モード切換ドア15〜17及びエアミックスドア11は、サーボモータ(駆動手段)18〜21よって開閉される。なお、サーボモータ6、20、21、送風機7および蒸発器8は、請求項に記載の空調手段を構成している。
【0025】
また、符号26は、サーボモータ6、18〜21、送風機7及びエンジンからの動力を断続可能に圧縮機に伝達する電磁クラッチ22a等を制御する電子制御装置(以下、ECUという)である。このECU26には、蒸発器8を通過した直後の空気温度(以下、この温度を蒸発器吹出温度Teと呼ぶ。)を検出する温度センサ27、車室内の空気温度を検出する内気温度センサ28、車室外の空気温度を検出する外気温度センサ29、及び車両に降り注がれる日射量を検出する日射センサ30、車室内の湿度を検出する湿度センサ40、フロント側の電気ヒータ内蔵型ウインドシールド9の内表面の温度を検出する温度センサ41等の空調センサ31の検出値、車速センサ42により検出される自動車の移動速度、並びに乗員の手動操作により乗員(人員)が希望する車室内温度(希望室内温度)を設定(入力)する温度設定器(温度設定手段)32の設定温度Tsetが入力されている。
【0026】
ここで、温度センサ31としては、サーミスタ等のセンサが用いられ、電気ヒータ内蔵型ウインドシールド(EHW)9の内側窓ガラス91の内表面の温度を検出する。車速センサ42としては、自動車の駆動輪を回転数を基に移動速度を検出するセンサが用いられる。
【0027】
なお、33は室内空気を導入する内気モードと室外空気を導入する外気モードとを切り替える内外気切替えスイッチであり、34はデフモードを選択するデフスイッチであり、35は蒸発器吹出温度Teを略3℃程度に維持するように蒸発器8で発生する冷房能力(電磁クラッチ22a)を制御するA/Cモードと、蒸発器吹出温度を略12℃以下となるように蒸発器8で発生する冷房能力(電磁クラッチ22a)を制御するECO(エコノミー)モードと切り替えるECO(エコノミー)スイッチであり、これらのスイッチ33〜35からの信号もECU26に入力されている。
【0028】
ここで、フロント側の電気ヒータ内蔵型ウインドシールド9の構成について図2を用いて説明すると、電気ヒータ内蔵型ウインドシールド9は、板状の窓ガラス部材90、91の間に電気ヒータ92および補強用樹脂膜93を挟んで構成されている。そして、電気ヒータ92としては、外側窓ガラス部材90に沿うように膜状に成形されている導電性発熱膜が用いられ、この発熱膜は、ECU26から電力が供給されて発熱する。
【0029】
次に、本実施形態の作動について説明する。ECU26は、図3のフローチャートにしたがって、防曇処理を実行する。この防曇処理は、デフスイッチ34が手動操作により投入されたとき、繰り返し実行される。
【0030】
先ず、デフスイッチ34が手動操作により投入されたとき、センサ27〜30、40〜42から出力される各センサ検出値、および温度設定器32から出力される設定温度Tsetをそれぞれ取得する(S100)。これに伴い、電気ヒータ内蔵型ウインドシールド9の防曇に必要な熱量Qdmを次式1に基づき算出する(S110)。
【0031】
【数式1】
Qdm=Qglass+Qouter+Qinner
ここで、Qglassは、車室外にへの放熱を考慮しない場合において、現在の窓ガラス91の温度から防曇目標温度「TAO(=露点+一定温度:α(℃))」まで窓ガラス91を加熱するのに必要な熱量である。そして、この熱量Qglassは、次式2で算出される。
【0032】
【数式2】
Qglass=Tg・a1+Tr・a2+a3
ここで、Tgは、温度センサ31により検出される窓ガラス91の内表面温度、Trは露点を示すものであって、内表面温度Tgと、湿度センサ40により検出される車室内湿度とに基づき算出される。なお、a1、a2は係数であり、a3は補正定数である。
【0033】
また、数式1中のQouterは、内蔵型ウインドシールド9から車室外に放熱される熱量を示し、この熱量は、次式3で算出される。
【0034】
【数式3】
Qouter=Tg・b1+Tam・b2+So・b3+b4
ここで、Tamは外気温度センサ29により検出される室外空気温度、Soは車速センサ42により検出される自動車の移動速度である。b1、b2、b3は、それぞれ係数であり、b4は補正定数である。
【0035】
また、数式1中のQinnerは、内蔵型ウインドシールド9から車室内に放熱される熱量を示し、この熱量は、次式4で算出される。
【0036】
【数式4】
Qinner=Tg・c1+Tr・c2+c3
ここで、Trは内気温度センサ28で検出された車室内の空気温度であり、c1、c2は係数を示し、c3は補正定数を示す。
【0037】
以上のように算出された必要熱量Qdmを基に、内蔵型ウインドシールド9への防曇が必要か否かを判定する(S110a)。必要熱量Qdmが零より小さいならば(Qdm≦0)、内蔵型ウインドシールド9への防曇が必要が無いとして、NOと判定する。そして、必要熱量Qdmが零より大きいときには(Qdm>0)、内蔵型ウインドシールド9への防曇が必要であるとして、YESと判定する。
【0038】
そして、YESと判定された場合には、車載バッテリBの正極端子の電圧(以下、バッテリ電圧という)をサンプリングして、このサンプリングされるバッテリ電圧を基に、内蔵型ウインドシールド9への防曇を行うのに、電気ヒータ92だけを用いるか、或いは、電気ヒータ92に加えてデフロスタ吹出口14から空調風をウインドシールド9に吹き出させるかを決定する。
【0039】
具体的には、予めメモリに記憶された特性表に基づき、バッテリ電圧を基に、車載バッテリBの通電可能最大電力Qを算出される。特性表は、図4に示すように、バッテリ電圧、バッテリ残容量、通電可能最大電力がそれぞれ、1:1:1で特定されるように、バッテリ電圧、バッテリ残容量、通電可能最大電力の各データを含んで構成されている。
【0040】
このように特性表及びバッテリ電圧を基に通電可能最大電力Qehwを算出すると、この通電可能最大電力Qehwと必要熱量Qdmとを比較し、通電可能最大電力Qehwの方が必要熱量Qdmに比べて大きいとき(0<Qdm<Qehw)、内蔵型ウインドシールド9への防曇を行うのに、電気ヒータ92だけを用いるべきであると判定する。これに伴い、車載バッテリBからの給電に基づき、電気ヒータ92への通電を開始して電気ヒータ92から窓ガラス91、92への加熱を開始する。その後、必要熱量Qdmが零より小さく(Qdm≦0)、防曇の必要がないと判定されるまで、ステップS100〜S130の処理が繰り返される。
【0041】
また、通電可能最大電力Qehwの方が必要熱量Qdmに比べて小さいとき(Qdm≧Qehw)、内蔵型ウインドシールド9への防曇を行うのに、電気ヒータ92による加熱に加えて空調風を用いるべきであると判定する。
【0042】
この場合、車載バッテリBからの給電に基づき、電気ヒータ92への通電を開始して電気ヒータ92から窓ガラス91、92への加熱を開始するとともに、次のように、サーボモータ6、20、21などを駆動して、空調ユニット1からデフロスタ吹出口14を通して空調風をウインドシールド9の内表面に向けて吹き出させる。
【0043】
すなわち、サーボモータ6により吸入口切換ドア5を回転させて、内気吸入口3を開けるとともに、外気吸入口4を閉じる。さらに、上述の露点Trに一定温度αを加算した防曇目標温度TAOに基づいて、エアミックスドア11の開度SWを決定する。そして、サーボモータ21によりエアミックスドア11を回転させてこのドアの開度を上述の決定された開度SWに近づけるようにする。また、蒸発器吹出温度が一定温度に近づけるように電磁クラッチ22a(つまり、圧縮機22の稼働率)を制御する。さらに、送風機7の電動モータに一定電圧を出力する。
【0044】
なお、エアミックスドア11の開度SWは、次式5に基づいて決定する。
【0045】
【数5】
SW(%)=(TAO−Te)/(Tw−Te)×100
Te:蒸発器吹出温度(センサ27の検出温度)
Tw:ヒータコア9に流入する温水の温度
以上のようにサーボモータ6、20、21などを駆動すると、送風機7により車室内から内気吸入口3を通して空気が吸入される。そして、この空気が蒸発器8により除湿されて、この除湿された空気流がエアミックスドア11により、バイパス通路10に流入される空気流とヒータコア9に流入されるの空気流とに分けられる。さらに、双方の空気流は混合されて空調風としてデフロスタ吹出口14からフロント側の電気ヒータ内蔵型ウインドシールド9の内面に向かって空気を吹き出される。これにより、電気ヒータ92による加熱に加えて空調風を用いてウインドシールド9の防曇を実行することになる。
【0046】
次に、本実施形態の作用効果を示す。すなわち、自動車の窓ガラス91に沿うように装着される電気ヒータ92と、窓ガラス91の防曇に必要な加熱量を算出するECU26を有し、ECU26は、この算出された加熱量を基に、窓ガラス91を加熱させるように電気ヒータ92を制御する。これにより、車室内の空調状態を乱すことなく、窓ガラス91の状態に応じて、電気ヒータ92から窓ガラス91に与える熱量を制御するための新規の装置を提供することができる。
【0047】
ここで、フロントウインドシールド9から車室外に放熱される熱量は、車両の移動速度に応じて大きく変化するものの、本実施形態では、ECU26が、車室内温度、車室外温度、および車両の移動速度を基に、必要な加熱量を算出したので、この必要な加熱量としては正確に算出することができる。これにより、電気ヒータ92から窓ガラス91に与える熱量を精度良く制御することができる。
【0048】
また、車載バッテリBの残容量が少ないときに電気ヒータ92を動作させると、この電気ヒータ92の動作に伴い車載バッテリBの残容量が不足して、バッテリ上がりを招く可能性がある。
【0049】
そこで、窓ガラスに向け空調風を吹き出す空調ユニット1を有し、車載バッテリ(B)の残容量を検出して、この検出される車載バッテリの残容量が、所定レベル未満であると判定されたとき、上述のように算出される必要な加熱量を基に、窓ガラス91を加熱させるように電気ヒータ92を制御するとともに、窓ガラス91に向け空調風を吹き出させるようにサーボーモータ6、20、21、送風機7の電動モータを制御する。
【0050】
このことにより、電気ヒータ92と空調風とにより窓ガラス91の防曇が行われるので、車載バッテリBの電力消費量を減らし、バッテリ上がりを未然に防ぐことができる。
【0051】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、サーミスタなどの温度センサ41を用いて、フロントウインドシールド9の窓ガラス91の内表面の温度(以下、ガラス温度という)を検出する例について説明したが、これに代えて、サーミスタなどの温度センサ41を用いずに、車室内の空気温度、車室外の空気温度、車速、日射量、ECU26から電気ヒー1タ92への通電量(電流値)、その通電時間およびガラス温度がそれぞれ、1:1:1:1:1:1:1で特定される特性表(データマップ)を記憶しておき、この特性表と車室内空気温度、車室外空気温度、車速、日射量、通電量、通電時間とに基づき、窓ガラス温度を推定するようにしてもよい。
【0052】
上述の実施形態では、ガラス温度を用いて電気ヒータ92を制御したが、これに代えて、ガラス温度だけでなく、電気ヒータ92への通電に伴う窓ガラス91の内表面の温度変化特性(温度変化速度)を用いて、電気ヒータ92への通電量(電流値)を制御して、電気ヒータ92から窓ガラス91への加熱量を調整して防曇を行うようにしてもよい。
【0053】
上述の実施形態では、フロント側のウインドシールドに対して、電気ヒータ92を用いてウインドシールドに直接的に加熱して防曇(解氷)を行う例について説明したが、これに代えて、サイド側ウインドシールド、或いはバック側ウインドシールドに直接的に加熱して防曇(解氷)を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動車用空調装置の一実施形態を示す模式図である。
【図2】図1のウインドシールドの構成を示す断面図である。
【図3】図1のECUの防曇処理を示すフローチャートである。
【図4】バッテリの通電可能最大能力を算出に必要な特性表を示す図表である。
【符号の説明】
18〜21…サーボモータ、26…ECU、
91…窓ガラス、92…電気ヒータ。
Claims (5)
- 自動車の窓ガラスを直接的に加熱する電気ヒータ(92)と、
前記窓ガラスの防曇に必要な加熱量を算出する算出手段(S110)と、
前記算出された加熱量を基に、前記窓ガラスを加熱させるように前記電気ヒータを制御する制御手段(S130、S140)と、を有することを特徴とする車両用窓ガラス防曇装置。 - 前記窓ガラスに向け空調風を吹き出すための空調手段(6、7、8、20、21)を有し、
車載バッテリ(B)の残容量を検出して、この検出される車載バッテリの残容量が、所定レベル未満であると判定されたとき、前記制御手段は、前記算出された加熱量を基に、前記窓ガラスを加熱させるように前記電気ヒータを制御するとともに、前記窓ガラスに向け空調風を吹き出させるように前記空調手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用窓ガラス防曇装置。 - 車室内温度を検出する内気温度センサ(28)と、
車室外温度を検出する外気温度センサ(29)と、を有し、
前記算出手段は、前記車室内温度、および車室外温度に基づき、前記必要な加熱量を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用窓ガラス防曇装置。 - 前記算出手段は、前記車室内温度、車室外温度、および車両の速度センサ(42)により検出される移動速度を基に、前記必要な加熱量を算出することを特徴とする請求項3に記載の車両用窓ガラス防曇装置。
- 前記電気ヒータは、前記窓ガラスに沿うように膜状に生成されたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の車両用窓ガラス防曇装置。
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- 2003-03-18 JP JP2003074102A patent/JP2004276857A/ja not_active Withdrawn
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