JP2004276159A - 砥石修正器及び砥石装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】砥石の研磨面の修正を短時間に効率よく実施できること。
【解決手段】刃物を研磨する研磨面を備えた砥石と、この砥石の研磨面を修正する修正面を基台17に備えた砥石修正器13と、この砥石修正器の修正面を被覆可能な被覆体とを備え、砥石修正器の上に被覆体を介して砥石を載置可能な砥石装置において、上記砥石修正器の基台の表面に防錆用の防錆メッキ32(銅メッキ層33、ニッケルメッキ層34)が施され、上記修正面16が上記防錆メッキと、この防錆メッキ上に電着されたダイヤモンド砥粒30を備えて構成されたものである。
【選択図】 図7
【解決手段】刃物を研磨する研磨面を備えた砥石と、この砥石の研磨面を修正する修正面を基台17に備えた砥石修正器13と、この砥石修正器の修正面を被覆可能な被覆体とを備え、砥石修正器の上に被覆体を介して砥石を載置可能な砥石装置において、上記砥石修正器の基台の表面に防錆用の防錆メッキ32(銅メッキ層33、ニッケルメッキ層34)が施され、上記修正面16が上記防錆メッキと、この防錆メッキ上に電着されたダイヤモンド砥粒30を備えて構成されたものである。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、砥石の研磨面を修正する砥石修正器、及びこの砥石修正器を有する砥石装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、砥石の研磨面は、使用により凹形状または凸形状に摩耗してしまう。
この研磨面を平坦面に修正するものとして、上面に研磨剤を水とともに撒き、砥石の研磨面を上記上面に擦りつけ、研磨剤により上記研磨面を研削して平坦面とする砥石修正器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
実公平8‐5007号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述の砥石修正器では、砥石修正器の上面上を研磨剤が移動するため、砥石の研磨面を必ずしも迅速に研削して効率的に修正できるとはいえない。
【0005】
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、砥石の研磨面の修正を短時間に効率よく実施できる砥石修正器及び砥石装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、砥石の研磨面を修正する修正面が基台に設けられた砥石修正器において、上記基台の表面に防錆用の防錆メッキが施され、上記修正面が上記防錆メッキと、この防錆メッキ上に固着されたダイヤモンド砥粒を備えて構成されたことを特徴とするものである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記ダイヤモンド砥粒は、電着により防錆メッキ上に固着されたことを特徴とするものである。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記ダイヤモンド砥粒は、粒度が#270〜#500であることを特徴とするものである。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、上記ダイヤモンド砥粒は、その突出量が平均粒径の0〜4%であることを特徴とするものである。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、上記修正面には、砥石から脱落した砥石砥粒を貯留可能な溝が形成されたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項6に記載の発明は、刃物を研磨する研磨面を備えた砥石と、この砥石の研磨面を修正する修正面を基台に備えた砥石修正器と、この砥石修正器の上記修正面を被覆可能な被覆体とを備え、上記砥石修正器の上に上記被覆体を介して上記砥石を載置可能な砥石装置において、上記砥石修正器の基台の表面に防錆用の防錆メッキが施され、上記修正面が上記防錆メッキと、この防錆メッキ上に固着されたダイヤモンド砥粒を備えて構成されたことを特徴とするものである。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、上記砥石修正器におけるダイヤモンド砥粒は、電着により防錆メッキ上に固着されたことを特徴とするものである。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項6または7に記載の発明において、上記砥石修正器におけるダイヤモンド砥粒は、粒度が#270〜#500であることを特徴とするものである。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項6乃至8のいずれかに記載の発明において、上記砥石修正器におけるダイヤモンド砥粒は、その突出量が平均粒径の0〜4%であることを特徴とするものである。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項6乃至9のいずれかに記載の発明において、上記砥石修正器の修正面には、砥石から脱落した砥石砥粒を貯留可能な溝が形成されたことを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1は、本発明に係る砥石装置の一実施の形態を示す斜視図である。図2は、図1の砥石装置を分解して示す側面図である。
【0017】
これらの図1及び図2に示すように、砥石装置11は、図示しない刃物などを研磨する研磨面15を備えた砥石12と、この砥石12の研磨面15を修正する修正面16を基台17に備えた砥石修正器13と、この砥石修正器13の修正面16を被覆可能な被覆体14とを有して構成される。砥石修正器13の上に被覆体14を介して砥石12が載置可能、つまり砥石修正器13の上に被覆体14が、この被覆体14の上に砥石12がそれぞれ載置可能とされる。これにより、砥石修正器13が砥石12の支持台として機能する。
【0018】
上記砥石12は、図3に示すように、研磨作用を備えた研磨層18の下に、研磨作用を備えない基盤層19が一体化されて構成されたものであり、研磨層18の上面及び基盤層19の下面が矩形状に形成されている。また、この砥石12では、少なくとも研磨層18が、アルミナ(Al2O3)や炭化ケイ素(SiC)から構成される。上記研磨層18の上面が砥石12の研磨面15である。この研磨面15により、包丁、剃刀、鋏、のみ、鉋などの刃物などが研磨可能とされる。
【0019】
前記砥石修正器13は、図2、図4及び図5に示すように、例えば鋳鉄製の基台17の上面28に矩形状の修正面16が形成されたものである。この基台17の前方と後方に、修正器前端面20、修正器後端面21がそれぞれ形成され、基台17の両側方に、修正器側面26、27がそれぞれ形成される。また、基台17の下方部分には脚部22が形成され、この脚部22の底面に滑り止め部材23が貼着されている。
【0020】
基台17の修正面16には、図7に示すように、砥石12の研磨面15を研削可能なダイヤモンド砥粒30が後述の如く設けられており、また、複数本の溝31が後述の如く形成されている。修正面16は、ダイヤモンド砥粒30によって、使用により略凹形状又は略凸形状に摩耗した砥石12の研磨面15を平坦面に修正する。つまり、基台17の修正面16に水を掛け、砥石12の研磨面15をこの修正面16に押し当て、前後または左右斜め方向に摺動することにより、修正面16のダイヤモンド砥粒30が砥石12の研磨面15を研削して平坦面に修正する。
【0021】
図6に示すように、前記被覆体14は、ゴムや合成樹脂などの弾性部材にて構成される。この被覆体14には、前方側に、砥石修正器13の修正器前端面20に係止可能な修正器用前係止部24が、後方側に、砥石修正器13の修正器後端面21に係止可能な修正器用後係止部25がそれぞれ設けられる。更に、この被覆体14には、両側方側に、砥石修正器13のそれぞれの修正器側面26、27(図2)に係止可能な修正器用スカート部39、40が設けられる。
【0022】
被覆体14の修正器用前係止部24が砥石修正器13の修正器前端面20に、被覆体14の修正器用後係止部25が砥石修正器13の修正器後端面21にそれぞれ係止されることにより、被覆体14と砥石修正器13との前後方向のずれが防止された状態で、砥石修正器13の修正面16が被覆体14により被覆され、更に、被覆体14の修正器用スカート部39及び40が砥石修正器13のそれぞれの修正器側面26、27に係止されることにより、被覆体14と砥石修正器13との左右方向のずれが防止された状態で、砥石修正器13の修正面16が被覆体14により被覆される。
【0023】
また、被覆体14の上面側には、砥石12の砥石前端面41を係止可能な砥石用前係止部45が修正器用前係止部24に一体に設けられ、砥石12の砥石後端面42を係止可能な砥石用後係止部46が修正器用後係止部25と一体に設けられる。被覆体14の上面側には、更に、砥石12の砥石側面43、44をそれぞれ係止可能な砥石用側面係止部47、48が、それぞれ修正器用スカート部39、40と一体に設けられる。
【0024】
砥石12の砥石前端面41が被覆体14の砥石用前係止部45に、砥石12の砥石後端面42が被覆体14の砥石用後係止部46にそれぞれ係止されることにより、砥石12と被覆体14との前後方向のずれが防止された状態で砥石12が被覆体14に載置され、更に、砥石12の砥石側面43、44が被覆体14の砥石用側面係止部47、48にそれぞれ係止されることにより、砥石12と被覆体14との左右方向のずれが防止された状態で砥石12が被覆体14上に載置される。
【0025】
砥石修正器13の修正面16が被覆体14により被覆され、この被覆体14上に砥石12が嵌合して載置された状態で、砥石12の研磨面15に刃物などが押し当てられて摺動されることにより当該刃物などが研磨されるが、この砥石修正器13は鋳鉄製で重量物となっているため、砥石12による刃物などの研磨時に当該砥石12の支持台として有効に機能する。
【0026】
さて、前述のように、砥石修正器13の修正面16にはダイヤモンド砥粒30が設けられるが、このダイヤモンド砥粒30は、図7に示すように、基台17の上面28に施された防錆メッキ32上に固着(本実施の形態では電着)される。
【0027】
つまり、砥石修正器13における基台17の上面28を含めた全表面に電気メッキ処理によって銅メッキを施し、この銅メッキ層33の全表面に、無電解メッキ処理または電気メッキ処理によってニッケルメッキ層34を形成する。これらの銅メッキ層33、ニッケルメッキ層34のそれぞれが防錆メッキ32として機能する。銅メッキ層33のメッキ厚は例えば10μm(公差8〜12μm)であり、ニッケルメッキ層34のメッキ厚は、例えば5μm(公差4〜7μm)である。そして、砥石修正器13の上面28に施されたニッケルメッキ層34の表面にダイヤモンド砥粒30を載せた状態で、上述と同様なメッキ処理によってニッケルメッキを施し、この電着用ニッケルメッキ層35中にダイヤモンド砥粒30を包持することによって、当該ダイヤモンド砥粒30が基台17の上面28に施された防錆メッキ32に電着される。これらの基台17の上面28、防錆メッキ32及びダイヤモンド砥粒30によって砥石修正器13の修正面16が構成される。上記電着用ニッケルメッキ層35のメッキ厚は、ダイヤモンド砥粒30の粒径が後述の如く#270〜#500であることから、例えば54〜29μmである。
【0028】
このように、砥石修正器13の基台17に防錆メッキ32(銅メッキ層33、ニッケルメッキ層34)を施すのは、基台17の上面28に電着用ニッケルメッキ層35によってダイヤモンド砥粒30を直接電着すると、鉄がニッケルよりもイオン化傾向が低いことから、鋳鉄製の基台17に錆が発生し易くなるためである。銅メッキ層33が主に防錆作用を果たし、ニッケルメッキ層34は、主に銅メッキ層33への電着用ニッケルメッキ層35の密着性を高める機能を果たすとともに、化粧メッキとしても機能する。
【0029】
ここで、砥石修正器13の基台17における上面28は、平坦度が例えば250mmの長さで20μm以内となるような平坦面に形成され、上記銅メッキ層33及びニッケルメッキ層34は、それらの表面が上面28の平坦度と同程度の平坦度となるようにメッキ処理される。即ち、メッキ処理の電流値を大きくすると、メッキのエッジ効果によってメッキ厚が不均一となるので、銅メッキ層33及びニッケルメッキ層34のメッキ処理には、上述のメッキのエッジ効果が発生しないように、メッキ処理の電流値が設定される。
【0030】
前述のようにして砥石修正器13の修正面16を構成するダイヤモンド砥粒30は、その粒度が#270〜#500であり、その粒径が、φ54〜φ29μmである。ダイヤモンド砥粒30の粒度が#270(粒径φ54μm)を越えて粗くなると、この砥石修正器13により研削されて修正される砥石12の研磨面15を粗くし過ぎてしまい、この研磨面15によって刃物に良好な刃付けを実施することが困難となる。また、ダイヤモンド砥粒30の粒度が#500(粒径φ29μm)を越えて細かくなると、砥石修正器13の寿命を短くしてしまうと同時に、ダイヤモンド砥粒30の十分な突出量を確保できず、砥石12の研磨面15の修正(研削)効率が低下してしまう。
【0031】
また、砥石修正器13の修正面16を構成するダイヤモンド砥粒30は、電着用ニッケルメッキ層35からの突出量が平均粒径の0〜4%に設定される。ここで、ダイヤモンド砥粒30の突出量がその平均粒径の0%の場合でも、実際には、平均砥粒よりも粒径の大きなダイヤモンド砥粒30が電着用ニッケルメッキ層35の表面から突出している。砥石修正器13の修正面16によって砥石12の研磨面15を修正する修正作業中には、砥石12の材質である炭化ケイ素(SiC)やアルミナ(Al2O3)などの砥石砥粒が脱落し、この砥石砥粒が修正面16の電着用ニッケルメッキ層35を研削して後退させ、ダイヤモンド砥粒30を電着用ニッケルメッキ層35から突出させることとなる。このため、ダイヤモンド砥粒30の突出量を上述の範囲に設定することによっても、修正面16に目詰まりが発生せず、しかも、砥石12の研磨面15を修正する過程で、砥石修正器13の修正面16におけるダイヤモンド砥粒30の突出量を、被削物である砥石12の砥石砥粒の粒度に対応した値に最適化できるのである。
【0032】
また、ダイヤモンド砥粒30が設けられた修正面16には、前述のように溝31(図4及び図5参照)が形成されている。この溝31は、深さが約3mmであって、修正面16の周囲に形成された囲繞溝36と、この囲繞溝36に直交する垂直溝37と、囲繞溝36に対し傾斜して交差する傾斜溝38とからなる。垂直溝37及び傾斜溝38は互いに交差して、修正面16のほぼ全面に形成される。
砥石12の研磨面15が砥石修正器13の修正面16のダイヤモンド砥粒30により研削されるときに、この研削された砥石12の砥石砥粒が、上記溝31(囲繞溝36、垂直溝37及び傾斜溝38)内に貯留される。これにより、砥石修正器13における修正面16の目詰まりが回避される。
【0033】
以上のように構成されたことから、上記実施の形態によれば、次の効果▲1▼〜▲9▼を奏する。
▲1▼砥石修正器13の上面28に、防錆メッキ32を介してダイヤモンド砥粒30が電着されて修正面16が構成されたことから、修正面16に水とともに研磨剤を撒く必要がなく、修正面16に水を掛けることのみによって、修正面16のダイヤモンド砥粒30により砥石12の研磨面15を短時間かつ効率的に研削して平坦面に修正することができる。
【0034】
しかも、修正面16が研磨剤により非平坦面に削られる面状狂いが発生しないので、砥石修正器13における修正面16のダイヤモンド砥粒30により、砥石12の研磨面15を平坦面に良好に修正できるとともに、砥石修正器13の長寿命化を実現できる。
【0035】
▲2▼砥石修正器13の修正面16を構成するダイヤモンド砥粒30の粒度が#270〜#500に設定されたので、この砥石修正器13により修正される砥石12の研磨面15が粗面にならず、且つこの研磨面15を効率的に修正できる。従って、砥石12の研磨面15を理想的な平坦面に迅速に修正できる。
【0036】
▲3▼砥石修正器13の修正面16を構成するダイヤモンド砥粒30は、電着用ニッケルメッキ層35からの突出量が平均粒径の0〜4%に設定されるが、修正対象の砥石12の研磨面15から脱落する砥石砥粒によって電着用ニッケルメッキ層35が削られることになり、これにより、電着用ニッケルメッキ層35からのダイヤモンド砥粒30の突出量を、砥石12の研磨面15の修正過程で、修正対象の砥石12の砥石砥粒に対応して最適化できる。この結果、砥石修正器13の修正面16に目詰まりが発生せず、この修正面16のダイヤモンド砥粒30によって砥石12の研磨面15を良好に修正できる。
【0037】
▲4▼砥石修正器13の修正面16には防錆メッキ32が施され、この防錆メッキ32上にダイヤモンド砥粒30が電着されたので、鋳鉄製の基台17における上面28に電着用ニッケルメッキを用いて直接ダイヤモンド砥粒30が電着される場合に比べ、砥石修正器13に発生する恐れがある錆を確実に防止できる。
【0038】
▲5▼砥石修正器13の修正面16に溝31が形成されたことから、修正面16のダイヤモンド砥粒30を用いて砥石12の研磨面15を修正する際に、この研磨面15から脱落する砥石砥粒が上記溝31内に積極的に貯留される。この結果、砥石修正器13の修正面16における砥石12の砥石砥粒による目詰まりの発生が抑制されるので、修正面16のダイヤモンド砥粒30による研削効果を向上させることができる。
【0039】
▲6▼砥石修正器13の上に被覆体14を、この被覆体14の上に砥石12をそれぞれ載置して、砥石修正器13と砥石12との間に被覆体を介在させたことから、砥石12による刃物の研磨時に専用の支持台を用意する必要がなく、重量物である鋳鉄製の砥石修正器13を砥石12の支持台として有効に利用して、刃物の研磨を安定して実施できる。
【0040】
▲7▼砥石修正器13の修正器前端面20に被覆体14の修正器用前係止部24を、砥石修正器13の修正器後端面21に被覆体14の修正器用後係止部25をそれぞれ係止し、且つ、砥石修正器13の修正器側面26、27に被覆体14の修正器用スカート部39,40をそれぞれ係止すれば、この被覆体14によって砥石修正器13の修正面16を、前後左右のずれを防止した状態で簡単に覆うことができる。更に、被覆体14の上に砥石12を載置する際に、この砥石12の砥石前端面41を被覆体14の砥石用前係止部45に、砥石12の砥石後端面42を被覆体14の砥石用後係止部46にそれぞれ係止し、且つ、砥石12の砥石側面43、44を被覆体14の砥石用側面係止部47、48にそれぞれ係止することにより、砥石12を被覆体14の上に、前後左右のずれを防止した状態で簡単に載置することができる。従って、被覆体14を介して砥石修正器13に組み付けられた砥石12を用いて刃物を研磨すれば、上述のように砥石12、砥石修正器13及び被覆体14のずれが防止されるので、刃物をより一層安定して研磨できる。
【0041】
▲8▼砥石修正器13の上に被覆体14を介して砥石12を載置して、砥石修正器13を砥石12の支持台として利用して刃物を研磨する際に、砥石修正器13と砥石12との間に介在された被覆体14がゴムなどの弾性部材で構成されているため、刃物などの研磨時に生ずる砥石12の振動を被覆体14が吸収できるので、砥石修正器13の修正面16が損傷することを防止できる。
【0042】
▲9▼砥石修正器13の上に被覆体14を、この被覆体14の上に砥石12をそれぞれ載置して、被覆体14を介し砥石修正器13と砥石12を一体化できるので、砥石修正器13を用いた砥石12の研磨面15の修正作業を頻繁に実施でき、従って、この研磨面15の平面度を常に良好に確保できる。
【0043】
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、砥石修正器13における防錆メッキ32にダイヤモンド砥粒30が電着されて修正面16が構成されるものを述べたが、このダイヤモンド砥粒30は、防錆メッキ32にレジンボンドやメタンボルトなどによって固着されてもよい。また、砥石修正器13の基台17が鋳鉄製のものを述べたが、ステンレス製であってもよい。
【0044】
【発明の効果】
請求項1乃至5に記載の砥石修正器によれば、砥石の研磨面の修正を短時間に効率よく実施できる。
請求項6乃至10に記載の砥石装置によれば、砥石修正器を用いて砥石の研磨面を短時間に効率よく修正できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る砥石装置の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】図1の砥石装置を分解して示す側面図である。
【図3】図2の砥石を、一部を破断して示す側面図である。
【図4】図2のIV‐IV線に沿う断面図である。
【図5】図2の砥石修正器を示す平面図である。
【図6】図2の被覆体を示し、(A)が平面図、(B)が側面図である。
【図7】図4のVII部を拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
11 砥石装置
12 砥石
13 砥石修正器
14 被覆体
15 研磨面
16 修正面
17 基台
30 ダイヤモンド砥粒
31 溝
32 防錆メッキ
33 銅メッキ層
34 ニッケルメッキ層
35 電着用ニッケルメッキ層
36 囲繞溝
37 垂直溝
38 傾斜溝
【発明の属する技術分野】
本発明は、砥石の研磨面を修正する砥石修正器、及びこの砥石修正器を有する砥石装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、砥石の研磨面は、使用により凹形状または凸形状に摩耗してしまう。
この研磨面を平坦面に修正するものとして、上面に研磨剤を水とともに撒き、砥石の研磨面を上記上面に擦りつけ、研磨剤により上記研磨面を研削して平坦面とする砥石修正器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
実公平8‐5007号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述の砥石修正器では、砥石修正器の上面上を研磨剤が移動するため、砥石の研磨面を必ずしも迅速に研削して効率的に修正できるとはいえない。
【0005】
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、砥石の研磨面の修正を短時間に効率よく実施できる砥石修正器及び砥石装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、砥石の研磨面を修正する修正面が基台に設けられた砥石修正器において、上記基台の表面に防錆用の防錆メッキが施され、上記修正面が上記防錆メッキと、この防錆メッキ上に固着されたダイヤモンド砥粒を備えて構成されたことを特徴とするものである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記ダイヤモンド砥粒は、電着により防錆メッキ上に固着されたことを特徴とするものである。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記ダイヤモンド砥粒は、粒度が#270〜#500であることを特徴とするものである。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、上記ダイヤモンド砥粒は、その突出量が平均粒径の0〜4%であることを特徴とするものである。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、上記修正面には、砥石から脱落した砥石砥粒を貯留可能な溝が形成されたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項6に記載の発明は、刃物を研磨する研磨面を備えた砥石と、この砥石の研磨面を修正する修正面を基台に備えた砥石修正器と、この砥石修正器の上記修正面を被覆可能な被覆体とを備え、上記砥石修正器の上に上記被覆体を介して上記砥石を載置可能な砥石装置において、上記砥石修正器の基台の表面に防錆用の防錆メッキが施され、上記修正面が上記防錆メッキと、この防錆メッキ上に固着されたダイヤモンド砥粒を備えて構成されたことを特徴とするものである。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、上記砥石修正器におけるダイヤモンド砥粒は、電着により防錆メッキ上に固着されたことを特徴とするものである。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項6または7に記載の発明において、上記砥石修正器におけるダイヤモンド砥粒は、粒度が#270〜#500であることを特徴とするものである。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項6乃至8のいずれかに記載の発明において、上記砥石修正器におけるダイヤモンド砥粒は、その突出量が平均粒径の0〜4%であることを特徴とするものである。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項6乃至9のいずれかに記載の発明において、上記砥石修正器の修正面には、砥石から脱落した砥石砥粒を貯留可能な溝が形成されたことを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1は、本発明に係る砥石装置の一実施の形態を示す斜視図である。図2は、図1の砥石装置を分解して示す側面図である。
【0017】
これらの図1及び図2に示すように、砥石装置11は、図示しない刃物などを研磨する研磨面15を備えた砥石12と、この砥石12の研磨面15を修正する修正面16を基台17に備えた砥石修正器13と、この砥石修正器13の修正面16を被覆可能な被覆体14とを有して構成される。砥石修正器13の上に被覆体14を介して砥石12が載置可能、つまり砥石修正器13の上に被覆体14が、この被覆体14の上に砥石12がそれぞれ載置可能とされる。これにより、砥石修正器13が砥石12の支持台として機能する。
【0018】
上記砥石12は、図3に示すように、研磨作用を備えた研磨層18の下に、研磨作用を備えない基盤層19が一体化されて構成されたものであり、研磨層18の上面及び基盤層19の下面が矩形状に形成されている。また、この砥石12では、少なくとも研磨層18が、アルミナ(Al2O3)や炭化ケイ素(SiC)から構成される。上記研磨層18の上面が砥石12の研磨面15である。この研磨面15により、包丁、剃刀、鋏、のみ、鉋などの刃物などが研磨可能とされる。
【0019】
前記砥石修正器13は、図2、図4及び図5に示すように、例えば鋳鉄製の基台17の上面28に矩形状の修正面16が形成されたものである。この基台17の前方と後方に、修正器前端面20、修正器後端面21がそれぞれ形成され、基台17の両側方に、修正器側面26、27がそれぞれ形成される。また、基台17の下方部分には脚部22が形成され、この脚部22の底面に滑り止め部材23が貼着されている。
【0020】
基台17の修正面16には、図7に示すように、砥石12の研磨面15を研削可能なダイヤモンド砥粒30が後述の如く設けられており、また、複数本の溝31が後述の如く形成されている。修正面16は、ダイヤモンド砥粒30によって、使用により略凹形状又は略凸形状に摩耗した砥石12の研磨面15を平坦面に修正する。つまり、基台17の修正面16に水を掛け、砥石12の研磨面15をこの修正面16に押し当て、前後または左右斜め方向に摺動することにより、修正面16のダイヤモンド砥粒30が砥石12の研磨面15を研削して平坦面に修正する。
【0021】
図6に示すように、前記被覆体14は、ゴムや合成樹脂などの弾性部材にて構成される。この被覆体14には、前方側に、砥石修正器13の修正器前端面20に係止可能な修正器用前係止部24が、後方側に、砥石修正器13の修正器後端面21に係止可能な修正器用後係止部25がそれぞれ設けられる。更に、この被覆体14には、両側方側に、砥石修正器13のそれぞれの修正器側面26、27(図2)に係止可能な修正器用スカート部39、40が設けられる。
【0022】
被覆体14の修正器用前係止部24が砥石修正器13の修正器前端面20に、被覆体14の修正器用後係止部25が砥石修正器13の修正器後端面21にそれぞれ係止されることにより、被覆体14と砥石修正器13との前後方向のずれが防止された状態で、砥石修正器13の修正面16が被覆体14により被覆され、更に、被覆体14の修正器用スカート部39及び40が砥石修正器13のそれぞれの修正器側面26、27に係止されることにより、被覆体14と砥石修正器13との左右方向のずれが防止された状態で、砥石修正器13の修正面16が被覆体14により被覆される。
【0023】
また、被覆体14の上面側には、砥石12の砥石前端面41を係止可能な砥石用前係止部45が修正器用前係止部24に一体に設けられ、砥石12の砥石後端面42を係止可能な砥石用後係止部46が修正器用後係止部25と一体に設けられる。被覆体14の上面側には、更に、砥石12の砥石側面43、44をそれぞれ係止可能な砥石用側面係止部47、48が、それぞれ修正器用スカート部39、40と一体に設けられる。
【0024】
砥石12の砥石前端面41が被覆体14の砥石用前係止部45に、砥石12の砥石後端面42が被覆体14の砥石用後係止部46にそれぞれ係止されることにより、砥石12と被覆体14との前後方向のずれが防止された状態で砥石12が被覆体14に載置され、更に、砥石12の砥石側面43、44が被覆体14の砥石用側面係止部47、48にそれぞれ係止されることにより、砥石12と被覆体14との左右方向のずれが防止された状態で砥石12が被覆体14上に載置される。
【0025】
砥石修正器13の修正面16が被覆体14により被覆され、この被覆体14上に砥石12が嵌合して載置された状態で、砥石12の研磨面15に刃物などが押し当てられて摺動されることにより当該刃物などが研磨されるが、この砥石修正器13は鋳鉄製で重量物となっているため、砥石12による刃物などの研磨時に当該砥石12の支持台として有効に機能する。
【0026】
さて、前述のように、砥石修正器13の修正面16にはダイヤモンド砥粒30が設けられるが、このダイヤモンド砥粒30は、図7に示すように、基台17の上面28に施された防錆メッキ32上に固着(本実施の形態では電着)される。
【0027】
つまり、砥石修正器13における基台17の上面28を含めた全表面に電気メッキ処理によって銅メッキを施し、この銅メッキ層33の全表面に、無電解メッキ処理または電気メッキ処理によってニッケルメッキ層34を形成する。これらの銅メッキ層33、ニッケルメッキ層34のそれぞれが防錆メッキ32として機能する。銅メッキ層33のメッキ厚は例えば10μm(公差8〜12μm)であり、ニッケルメッキ層34のメッキ厚は、例えば5μm(公差4〜7μm)である。そして、砥石修正器13の上面28に施されたニッケルメッキ層34の表面にダイヤモンド砥粒30を載せた状態で、上述と同様なメッキ処理によってニッケルメッキを施し、この電着用ニッケルメッキ層35中にダイヤモンド砥粒30を包持することによって、当該ダイヤモンド砥粒30が基台17の上面28に施された防錆メッキ32に電着される。これらの基台17の上面28、防錆メッキ32及びダイヤモンド砥粒30によって砥石修正器13の修正面16が構成される。上記電着用ニッケルメッキ層35のメッキ厚は、ダイヤモンド砥粒30の粒径が後述の如く#270〜#500であることから、例えば54〜29μmである。
【0028】
このように、砥石修正器13の基台17に防錆メッキ32(銅メッキ層33、ニッケルメッキ層34)を施すのは、基台17の上面28に電着用ニッケルメッキ層35によってダイヤモンド砥粒30を直接電着すると、鉄がニッケルよりもイオン化傾向が低いことから、鋳鉄製の基台17に錆が発生し易くなるためである。銅メッキ層33が主に防錆作用を果たし、ニッケルメッキ層34は、主に銅メッキ層33への電着用ニッケルメッキ層35の密着性を高める機能を果たすとともに、化粧メッキとしても機能する。
【0029】
ここで、砥石修正器13の基台17における上面28は、平坦度が例えば250mmの長さで20μm以内となるような平坦面に形成され、上記銅メッキ層33及びニッケルメッキ層34は、それらの表面が上面28の平坦度と同程度の平坦度となるようにメッキ処理される。即ち、メッキ処理の電流値を大きくすると、メッキのエッジ効果によってメッキ厚が不均一となるので、銅メッキ層33及びニッケルメッキ層34のメッキ処理には、上述のメッキのエッジ効果が発生しないように、メッキ処理の電流値が設定される。
【0030】
前述のようにして砥石修正器13の修正面16を構成するダイヤモンド砥粒30は、その粒度が#270〜#500であり、その粒径が、φ54〜φ29μmである。ダイヤモンド砥粒30の粒度が#270(粒径φ54μm)を越えて粗くなると、この砥石修正器13により研削されて修正される砥石12の研磨面15を粗くし過ぎてしまい、この研磨面15によって刃物に良好な刃付けを実施することが困難となる。また、ダイヤモンド砥粒30の粒度が#500(粒径φ29μm)を越えて細かくなると、砥石修正器13の寿命を短くしてしまうと同時に、ダイヤモンド砥粒30の十分な突出量を確保できず、砥石12の研磨面15の修正(研削)効率が低下してしまう。
【0031】
また、砥石修正器13の修正面16を構成するダイヤモンド砥粒30は、電着用ニッケルメッキ層35からの突出量が平均粒径の0〜4%に設定される。ここで、ダイヤモンド砥粒30の突出量がその平均粒径の0%の場合でも、実際には、平均砥粒よりも粒径の大きなダイヤモンド砥粒30が電着用ニッケルメッキ層35の表面から突出している。砥石修正器13の修正面16によって砥石12の研磨面15を修正する修正作業中には、砥石12の材質である炭化ケイ素(SiC)やアルミナ(Al2O3)などの砥石砥粒が脱落し、この砥石砥粒が修正面16の電着用ニッケルメッキ層35を研削して後退させ、ダイヤモンド砥粒30を電着用ニッケルメッキ層35から突出させることとなる。このため、ダイヤモンド砥粒30の突出量を上述の範囲に設定することによっても、修正面16に目詰まりが発生せず、しかも、砥石12の研磨面15を修正する過程で、砥石修正器13の修正面16におけるダイヤモンド砥粒30の突出量を、被削物である砥石12の砥石砥粒の粒度に対応した値に最適化できるのである。
【0032】
また、ダイヤモンド砥粒30が設けられた修正面16には、前述のように溝31(図4及び図5参照)が形成されている。この溝31は、深さが約3mmであって、修正面16の周囲に形成された囲繞溝36と、この囲繞溝36に直交する垂直溝37と、囲繞溝36に対し傾斜して交差する傾斜溝38とからなる。垂直溝37及び傾斜溝38は互いに交差して、修正面16のほぼ全面に形成される。
砥石12の研磨面15が砥石修正器13の修正面16のダイヤモンド砥粒30により研削されるときに、この研削された砥石12の砥石砥粒が、上記溝31(囲繞溝36、垂直溝37及び傾斜溝38)内に貯留される。これにより、砥石修正器13における修正面16の目詰まりが回避される。
【0033】
以上のように構成されたことから、上記実施の形態によれば、次の効果▲1▼〜▲9▼を奏する。
▲1▼砥石修正器13の上面28に、防錆メッキ32を介してダイヤモンド砥粒30が電着されて修正面16が構成されたことから、修正面16に水とともに研磨剤を撒く必要がなく、修正面16に水を掛けることのみによって、修正面16のダイヤモンド砥粒30により砥石12の研磨面15を短時間かつ効率的に研削して平坦面に修正することができる。
【0034】
しかも、修正面16が研磨剤により非平坦面に削られる面状狂いが発生しないので、砥石修正器13における修正面16のダイヤモンド砥粒30により、砥石12の研磨面15を平坦面に良好に修正できるとともに、砥石修正器13の長寿命化を実現できる。
【0035】
▲2▼砥石修正器13の修正面16を構成するダイヤモンド砥粒30の粒度が#270〜#500に設定されたので、この砥石修正器13により修正される砥石12の研磨面15が粗面にならず、且つこの研磨面15を効率的に修正できる。従って、砥石12の研磨面15を理想的な平坦面に迅速に修正できる。
【0036】
▲3▼砥石修正器13の修正面16を構成するダイヤモンド砥粒30は、電着用ニッケルメッキ層35からの突出量が平均粒径の0〜4%に設定されるが、修正対象の砥石12の研磨面15から脱落する砥石砥粒によって電着用ニッケルメッキ層35が削られることになり、これにより、電着用ニッケルメッキ層35からのダイヤモンド砥粒30の突出量を、砥石12の研磨面15の修正過程で、修正対象の砥石12の砥石砥粒に対応して最適化できる。この結果、砥石修正器13の修正面16に目詰まりが発生せず、この修正面16のダイヤモンド砥粒30によって砥石12の研磨面15を良好に修正できる。
【0037】
▲4▼砥石修正器13の修正面16には防錆メッキ32が施され、この防錆メッキ32上にダイヤモンド砥粒30が電着されたので、鋳鉄製の基台17における上面28に電着用ニッケルメッキを用いて直接ダイヤモンド砥粒30が電着される場合に比べ、砥石修正器13に発生する恐れがある錆を確実に防止できる。
【0038】
▲5▼砥石修正器13の修正面16に溝31が形成されたことから、修正面16のダイヤモンド砥粒30を用いて砥石12の研磨面15を修正する際に、この研磨面15から脱落する砥石砥粒が上記溝31内に積極的に貯留される。この結果、砥石修正器13の修正面16における砥石12の砥石砥粒による目詰まりの発生が抑制されるので、修正面16のダイヤモンド砥粒30による研削効果を向上させることができる。
【0039】
▲6▼砥石修正器13の上に被覆体14を、この被覆体14の上に砥石12をそれぞれ載置して、砥石修正器13と砥石12との間に被覆体を介在させたことから、砥石12による刃物の研磨時に専用の支持台を用意する必要がなく、重量物である鋳鉄製の砥石修正器13を砥石12の支持台として有効に利用して、刃物の研磨を安定して実施できる。
【0040】
▲7▼砥石修正器13の修正器前端面20に被覆体14の修正器用前係止部24を、砥石修正器13の修正器後端面21に被覆体14の修正器用後係止部25をそれぞれ係止し、且つ、砥石修正器13の修正器側面26、27に被覆体14の修正器用スカート部39,40をそれぞれ係止すれば、この被覆体14によって砥石修正器13の修正面16を、前後左右のずれを防止した状態で簡単に覆うことができる。更に、被覆体14の上に砥石12を載置する際に、この砥石12の砥石前端面41を被覆体14の砥石用前係止部45に、砥石12の砥石後端面42を被覆体14の砥石用後係止部46にそれぞれ係止し、且つ、砥石12の砥石側面43、44を被覆体14の砥石用側面係止部47、48にそれぞれ係止することにより、砥石12を被覆体14の上に、前後左右のずれを防止した状態で簡単に載置することができる。従って、被覆体14を介して砥石修正器13に組み付けられた砥石12を用いて刃物を研磨すれば、上述のように砥石12、砥石修正器13及び被覆体14のずれが防止されるので、刃物をより一層安定して研磨できる。
【0041】
▲8▼砥石修正器13の上に被覆体14を介して砥石12を載置して、砥石修正器13を砥石12の支持台として利用して刃物を研磨する際に、砥石修正器13と砥石12との間に介在された被覆体14がゴムなどの弾性部材で構成されているため、刃物などの研磨時に生ずる砥石12の振動を被覆体14が吸収できるので、砥石修正器13の修正面16が損傷することを防止できる。
【0042】
▲9▼砥石修正器13の上に被覆体14を、この被覆体14の上に砥石12をそれぞれ載置して、被覆体14を介し砥石修正器13と砥石12を一体化できるので、砥石修正器13を用いた砥石12の研磨面15の修正作業を頻繁に実施でき、従って、この研磨面15の平面度を常に良好に確保できる。
【0043】
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、砥石修正器13における防錆メッキ32にダイヤモンド砥粒30が電着されて修正面16が構成されるものを述べたが、このダイヤモンド砥粒30は、防錆メッキ32にレジンボンドやメタンボルトなどによって固着されてもよい。また、砥石修正器13の基台17が鋳鉄製のものを述べたが、ステンレス製であってもよい。
【0044】
【発明の効果】
請求項1乃至5に記載の砥石修正器によれば、砥石の研磨面の修正を短時間に効率よく実施できる。
請求項6乃至10に記載の砥石装置によれば、砥石修正器を用いて砥石の研磨面を短時間に効率よく修正できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る砥石装置の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】図1の砥石装置を分解して示す側面図である。
【図3】図2の砥石を、一部を破断して示す側面図である。
【図4】図2のIV‐IV線に沿う断面図である。
【図5】図2の砥石修正器を示す平面図である。
【図6】図2の被覆体を示し、(A)が平面図、(B)が側面図である。
【図7】図4のVII部を拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
11 砥石装置
12 砥石
13 砥石修正器
14 被覆体
15 研磨面
16 修正面
17 基台
30 ダイヤモンド砥粒
31 溝
32 防錆メッキ
33 銅メッキ層
34 ニッケルメッキ層
35 電着用ニッケルメッキ層
36 囲繞溝
37 垂直溝
38 傾斜溝
Claims (10)
- 砥石の研磨面を修正する修正面が基台に設けられた砥石修正器において、
上記基台の表面に防錆用の防錆メッキが施され、上記修正面が上記防錆メッキと、この防錆メッキ上に固着されたダイヤモンド砥粒を備えて構成されたことを特徴とする砥石修正器。 - 上記ダイヤモンド砥粒は、電着により防錆メッキ上に固着されたことを特徴とする請求項1に記載の砥石修正器。
- 上記ダイヤモンド砥粒は、粒度が#270〜#500であることを特徴とする請求項1または2に記載の砥石修正器。
- 上記ダイヤモンド砥粒は、その突出量が平均粒径の0〜4%であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の砥石修正器。
- 上記修正面には、砥石から脱落した砥石砥粒を貯留可能な溝が形成されたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の砥石修正器。
- 刃物を研磨する研磨面を備えた砥石と、この砥石の研磨面を修正する修正面を基台に備えた砥石修正器と、この砥石修正器の上記修正面を被覆可能な被覆体とを備え、上記砥石修正器の上に上記被覆体を介して上記砥石を載置可能な砥石装置において、
上記砥石修正器の基台の表面に防錆用の防錆メッキが施され、上記修正面が上記防錆メッキと、この防錆メッキ上に固着されたダイヤモンド砥粒を備えて構成されたことを特徴とする砥石装置。 - 上記砥石修正器におけるダイヤモンド砥粒は、電着により防錆メッキ上に固着されたことを特徴とする請求項6に記載の砥石装置。
- 上記砥石修正器におけるダイヤモンド砥粒は、粒度が#270〜#500であることを特徴とする請求項6または7に記載の砥石装置。
- 上記砥石修正器におけるダイヤモンド砥粒は、その突出量が平均粒径の0〜4%であることを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の砥石装置。
- 上記砥石修正器の修正面には、砥石から脱落した砥石砥粒を貯留可能な溝が形成されたことを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載の砥石装置。
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JP2003069275A JP2004276159A (ja) | 2003-03-14 | 2003-03-14 | 砥石修正器及び砥石装置 |
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Cited By (1)
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CN114714245A (zh) * | 2016-04-06 | 2022-07-08 | M丘比德技术公司 | 化学-机械平面化垫调节器 |
-
2003
- 2003-03-14 JP JP2003069275A patent/JP2004276159A/ja active Pending
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