JP2004269441A - ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体およびそれを用いた電子写真感光体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係るナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体は、下記一般式(1) で表されることを特徴とする。本発明に係る電子写真感光体は、導電性基体上に、下記一般式(1) で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含有する感光層を設けてなるものである。
【化1】
〔式(1) 中、R1 〜R4 は同一または異なって、置換基を有することのあるアルキル基やアリール基等を示す。X1 ,X2 は同一または異なって、アルコキシカルボニル基等を示す。a,bは0〜2の整数を示す。〕
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電荷輸送能、有機溶剤への溶解性、バインダ樹脂との相溶性および耐ガス性に優れた新規なナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体と、それを用いた電子写真感光体とに関する。
【0002】
【従来の技術】
静電式複写機、ファクシミリ、レーザビームプリンタ等の画像形成装置には、当該装置に用いられる光源の波長領域に感度を有する電子写真感光体が使用されている。近年の電子写真感光体は有機感光体(OPC)が主流であって、この有機感光体の感光層には、上記波長領域に感度を有する電荷発生剤とともに、ジフェノキノン類等の電荷輸送剤が配合されている。
【0003】
電子写真感光体の感度特性を向上させるには、電荷輸送剤の電荷輸送能が高いことが求められる。そこで、従来、種々の電荷輸送剤が研究開発されており、特許文献1〜4には、電荷輸送能(電子輸送能)に優れた化合物として、下記一般式(81)に示すナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体が例示されている。
【0004】
【化2】
【0005】
〔一般式(81)中、R81およびR82は同一または異なって、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基等を示す。R83およびR84は同一または異なって、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子等を示す。aおよびbは同一または異なって、0〜2の整数を示す。〕
しかしながら、上記ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(81)は、有機溶剤に対する溶解性や感光層の形成時に用いるバインダ樹脂との相溶性が低いという難点があり、感光層中に結晶として析出することによって電子写真感光体の感度特性が低下するという問題がある。なお、感光層中でのナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体の含有量を少なくすることでバインダ樹脂との相溶性を確保して、結晶が析出する問題を抑制することができるものの、かかる感光層では十分な感度が得られなくなるという別の問題が生じる。
【0006】
一方、特許文献5には、下記一般式(82)で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体が記載されている。
【0007】
【化3】
【0008】
〔一般式(82)中、R85は炭素数4〜8のシクロアルキレン基またはアリーレン基を示す。R86はアルキル基、アラルキル基、アリール基を示す。R83、R84、aおよびbは前記と同じである。〕
特許文献5には、上記ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(82) は、特許文献3等に記載のものに比べて、有機溶剤への溶解性やバインダ樹脂との相溶性が改善されている旨、記載されている。しかしながら、本発明者らが検討した結果、上記ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(82)の溶解性や相溶性は、電子写真感光体の製造に用いるという観点からは未だ十分ではない。
【0009】
また、特許文献6には、一般式(83):
【0010】
【化4】
【0011】
〔一般式(83)中、R87およびR88の一方はアリール基を示し、他方はアルキル基、アラルキル基等を示す。cおよびdは互いに異なって、0〜6の整数を示す。R89およびR90は同一または異なって、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を示す。aおよびbは前記と同じである。〕
で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体が、特許文献7には、一般式(84):
【0012】
【化5】
【0013】
〔一般式(84)中、R91およびR92は互いに異なって、アルキル基、アルコキシ基またはアリール基を示す。R93は水素原子、アルキル基、アルコキシ基またはアリール基を示す。R89、R90、aおよびbは前記と同じである。〕
で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体が、それぞれ記載されている。
かかるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(83),(84) は、いずれも有機溶剤への溶解性やバインダ樹脂との相溶性に優れたものである。しかしながら、オゾンやNOxガスに対する耐性(耐ガス性)は、電子写真感光体に使用するという観点からは十分に高いとはいえないレベルである。
【0014】
しかも、上記ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(83)は、分子構造が左右非対称であることを特徴とするものの、そのことに起因して、合成工程が複雑で収率が低くなることから、製造コストが高くなる問題がある。
【0015】
【特許文献1】
米国特許第4442193号明細書(クレーム1,表1)
【特許文献2】
米国特許第5468583号明細書(クレーム1,表1)
【特許文献3】
特公平1−39098号公報(請求項1)
【特許文献4】
特開2002−116565号公報(請求項1,〔0055〕〜〔0059〕)
【特許文献5】
特開平5−25174号公報(請求項1,〔0010〕〜〔0020〕)
【特許文献6】
特開平11−343290号公報(請求項1,〔0009〕〜〔0010〕)
【特許文献7】
特開平11−343291号公報(請求項1,〔0010〕,〔0011〕)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、電荷輸送能、有機溶剤への溶解性、バインダ樹脂との相溶性および耐ガス性のいずれにおいても優れた性能を示し、好ましくは合成工程が簡易で収率の高い、新規なナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を提供することである。
本発明の他の目的は、感度特性に優れ、感光層の経時的な安定性に優れた電子写真感光体を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明者らは、上記課題を解決するために、特許文献1〜7に記載のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体とは構造の異なる新規なナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体について検討を重ねた。その結果、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド(1,8:4,5−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド)にマロン酸エステルを反応させて得られる化合物が電荷輸送能に優れ、しかも有機溶剤への溶解性、電子写真感光体の感光層に用いられるバインダ樹脂との相溶性、オゾンやNOxガスに対する耐性(耐ガス性)にも優れているという全く新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
【0018】
すなわち、本発明に係るナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体は、一般式(1) :
【0019】
【化6】
【0020】
〔一般式(1) 中、R1 〜R4 は同一または異なって、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基を示す。これらの基はいずれもさらに置換基を有していてもよい。X1 およびX2 は同一または異なって、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基またはハロゲン原子を示す。これらの基のうち、シアノ基、ニトロ基およびハロゲン原子以外の基は、さらに置換基を有していてもよい。aおよびbは同一または異なって、0〜2の整数を示す。〕
で表されることを特徴とする。
【0021】
上記一般式(1) で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体は、π電子共役平面が広く、しかもアクセプター性官能基としての基:=Oや基:−C〔(COOR)2 〕2 を有することから、極めて優れた電子輸送能を発揮することができる。それゆえ、かかるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(1) を電子写真感光体の感光層に含有させることによって、当該感光体の感度を向上させることができる。
しかも、前述のように、上記一般式(1) で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体は、有機溶剤への溶解性、電子写真感光体の感光層に用いられるバインダ樹脂との相溶性が優れており、オゾンやNOxガスに対する耐性(耐ガス性)にも優れている。
【0022】
従って、本発明に係るナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(1) は、例えば静電式複写機、ファクシミリ、レーザビームプリンタ等の画像形成装置に用いられる電子写真感光体用の電荷輸送材料(電子輸送材料)として、極めて有用である。かかるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(1) は、有機EL素子に用いられる有機発光材料としても好適である。
【0023】
本発明に係るナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体は、上記一般式(1) のR1 とR3 が同一でかつR2 とR4 が同一であるものであってもよい。すなわち、下記一般式(1’)に示すような構造であって、X1 およびX2 以外の部分において、その形状が分子全体で対称となるものであってもよい。
【0024】
【化7】
【0025】
〔上記式中のR1 、R2 、X1 、X2 、aおよびbは前記と同じである。〕
一般に、分子構造が対称であるときには、有機溶剤に対する溶解性やバインダ樹脂との相溶性が低下する傾向がある。しかしながら、本発明に係るナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体では、たとえ分子構造が上記一般式(1’)に示すような対称形のものであったとしても、イミドを形成する窒素原子に4つものエステル構造が導入されていることなどに起因して、有機溶剤に対する溶解性やバインダ樹脂との相溶性を、電子写真感光体の製造に用いる上で十分な程度に維持することができる。また、分子構造を上記一般式(1’)に示すような対称形のものとすることによって、その合成工程を簡易なものとし、かつ収率を向上させることができる。
【0026】
従って、本発明に係るナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を、上記一般式(1’)に示すような対称形のものとしたときには、有機溶剤に対する溶解性やバインダ樹脂との相溶性を十分なレベルに維持しつつ、その合成コスト、ひいては電子写真感光体の製造コストを低下させることができる。
【0027】
本発明の電子写真感光体は、導電性基体上に感光層を設けてなる電子写真感光体であって、当該感光層が、上記一般式(1) で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含有することを特徴とする。
本発明の電子写真感光体は、前述のように、電子輸送剤として電子輸送能の高い上記一般式(1) で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(1) を含有することから、従来の電子写真感光体に比べて高感度である。また、当該誘導体(1) は、前述のようにバインダ樹脂との相溶性が良好で、オゾンやNOxガスに対する耐性(耐ガス性)も良好であることから、かかる誘導体(1) を含有する感光層の経時的な安定性を向上させることができる。
【0028】
本発明の電子写真感光体において、感光層は、導電性基体上に直接に設けられていてもよく、下引き層を介して設けられていてもよい。
本発明の電子写真感光体は、
(I) その感光層が単一の層であって、上記一般式(1) で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体とともに、少なくとも電荷発生剤を含有するもの、すなわち、いわゆる単層型の感光体であってもよく、
(II)感光層が、少なくとも電荷発生剤を含有する電荷発生層と、少なくとも上記一般式(1) で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含有する電荷輸送層とを含み、当該電荷発生層と電荷輸送層とが、上記導電性基体側からこの順でまたは逆の順で設けられてなるもの、すなわち、いわゆる積層型の感光体であってもよい。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体と、それを用いた電子写真感光体とについて詳細に説明する。
【0030】
〔ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体〕
本発明に係るナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体は、前述のように、上記一般式(1) で表されるものである。
一般式(1) で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体において、R1 〜R4 は、前述のように同一または異なる基であって、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基の中から適宜選択されるものである。上記例示の基はいずれもさらに置換基を有するものであってもよい。
R1 〜R4 の炭素数は、一般に、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(1) の有機溶剤に対する溶解性をより一層良好なものとする上で多いのが好ましいが、当該誘導体(1) の電子輸送能(電荷移動度)をより一層良好なものとするには少ないのが好ましいことから、両者のバランスをとって設定すればよい。
【0031】
上記アルキル基の炭素数は好ましくは1〜8、より好ましくは2〜6、さらに好ましくは2〜4である。上記アルキル基は直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよく、さらにアルコキシ基またはハロゲン原子を有するものであってもよい。上記アルキル基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル;2−エトキシエチル、4−メトキシプロピル;パークロロメチル、パーフルオロエチル等が挙げられる。
【0032】
上記シクロアルキル基の炭素数は好ましくは12以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは8以下である。上記シクロアルキル基は、その環上にさらにアルキル基またはハロゲン原子を有するものであってもよい。上記シクロアルキル基の具体例としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、2,6−ジメチルシクロヘキサン、2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル等が挙げられる。
【0033】
上記アリール基の炭素数は好ましくは12以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは8以下である。上記アリール基は、その環上にさらにアルキル基またはハロゲン原子を有するものであってもよい。上記アリール基の具体例としては、フェニル、ナフチル、ビフェニリル;トリル、キシリル、メシチル、クメニル、2−エチル−6−メチルフェニル等が挙げられる。
上記アラルキル基の炭素数は好ましくは12以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは8以下である。上記アラルキル基は、その環上にアルキル基またはハロゲン原子を有するものであってもよく、そのアルキレン鎖上にハロゲン原子を有するものであってもよい。上記アラルキル基の具体例としては、ベンジル、フェネチル、2,6−ジメチルベンジル等が挙げられる。
【0034】
一般式(1) で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体において、X1 およびX2 は、前述のように同一または異なる基であって、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基またはハロゲン原子の中から適宜選択されるものである。これらの基のうち、シアノ基、ニトロ基およびハロゲン原子以外の基は、いずれもさらに置換基を有するものであってもよい。
【0035】
X1 およびX2 がアルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基またはアルコキシカルボニル基である場合において、そのアルキル鎖またはアリール部分の炭素数は、一般に、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(1) の有機溶剤に対する溶解性をより一層良好なものとする上で多いのが好ましいが、当該誘導体(1) の電子輸送能(電荷移動度)をより一層良好なものとするには少ないのが好ましいことから、両者のバランスをとって設定すればよい。
【0036】
X1 およびX2 がアルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基またはアルコキシカルボニル基である場合には、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(1) のπ電子共役平面をより一層広くすることができる。かかる効果は、X1 およびX2 がアシル基、アシルオキシ基またはアルコキシカルボニル基である場合に顕著である。また、X1 およびX2 がシアノ基、ニトロ基またはハロゲン原子である場合には、X1 およびX2 が水素原子であるのに比較して、還元電位を小さくすることができる。従って、使用する電荷発生剤の種類に応じて適切な置換基を導入することによって、電子の注入性を適宜調整することができる。
【0037】
X1 およびX2 に相当するアルキル基は、R1 〜R4 の場合と同様である。
上記アルコキシ基の炭素数は好ましくは1〜8、より好ましくは2〜6、さらに好ましくは2〜4である。上記アルコキシ基は直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよく、さらにハロゲン原子を有するものであってもよい。上記アルコキシ基の具体例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、n−ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ;パーフルオロメトキシ等が挙げられる。
【0038】
上記アシル基の炭素数は好ましくは2〜8、より好ましくは2〜6、さらに好ましくは2〜4である。上記アシル基は、そのアルキル鎖上またはアリール部分にハロゲン原子を有するものであってもよい。上記アシル基の具体例としては、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ベンゾイル等が挙げられる。
上記アシルオキシ基の炭素数は好ましくは2〜8、より好ましくは2〜6、さらに好ましくは2〜4である。上記アシルオキシ基は、そのアルキル鎖上またはアリール部分にハロゲン原子を有するものであってもよい。すなわち、上記アルキルカルボニル基の具体例としては、アセトキシ、ベンゾイルオキシ等が挙げられる。
【0039】
上記アルコキシカルボニル基の炭素数は好ましくは2〜8、より好ましくは2〜6、さらに好ましくは2〜4である。上記アルコキシカルボニル基は、そのアルキル鎖上にハロゲン原子を有するものであってもよい。上記アルコキシカルボニル基の具体例としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、s−ブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル;パーフルオロメトキシカルボニル等が挙げられる。
【0040】
X1 およびX2 の数を示すaおよびbは、前述のように同一または異なる数を示し、0〜2の整数から適宜選択されるものである。aおよびbは、上記範囲のなかでも特に0または1であるのが好ましい。
【0041】
(合成方法)
本発明に係るナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(1) は、1,8:4,5−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミドとマロン酸エステルとを反応原料として合成することができる。
すなわち、例えば下記反応式(I) に示すように、1,8:4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物の誘導体(51)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等の溶媒に溶解させて、これに液体アンモニアに溶解させたカリウムアミドを滴下することによって、上記誘導体(51)のエーテル性酸素を窒素で置換したナフタレンテトラカルボン酸ジイミドのカリウム塩(52)が得られる。次いで、この化合物(52)と、マロン酸エステルのα−水素をハロゲン化(下記反応式(I) では臭素化)した化合物(53)とを、DMF等の溶媒中で反応させることによって、一般式(1) のR1 とR3 およびR2 とR4 とが同一のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(1’)が得られる。
【0042】
【化8】
【0043】
〔上記式中のR1 、R2 、X1 、X2 、aおよびbは前記と同じである。〕
上記一般式(1) で表される、R1 とR3 およびR2 とR4 がそれぞれ別の基であるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を合成するには、例えば対応する化合物(52)と(53)とを1:0.9程度の割合(モル比)で反応させ、こうして得られた粗生成物と、異なる置換基(R3 ,R4 )を有する化合物(53’) とを1:1.5程度の割合(モル比)で反応させればよい。
【0044】
(具体例)
本発明に係るナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(1) の具体例を表1および表2に示す。なお、本発明に係るナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(1) は、下記の化合物に限定されるものではない。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
〔表1および2中、“Me”はメチルを、“Et”はエチルを、“t−Bu”はt−ブチルを、“C2 F5 −”はパーフルオロエチルを、“EtO−C2 H4 −”は2−エトキシエチルを、“c−Hexa”はシクロヘキシルを、“Ph”はフェニルを、“2Et,6Me−Ph”は2−エチル−6−メチルフェニルを、“PhCH2 −”はベンジルを、“MeO”はメトキシを、“MeCO”はアセチルを、“MeCOO”はアセトキシを、“PrOCO”はプロピルオキシカルボニルを、それぞれ示す。“X1 ,X2 ”欄の“2”および“6”は上記一般式(1) に示すナフタレンカルボン酸ジイミド誘導体の置換位置番号に対応するものであって、“2,6−di Et”は2位と6位の炭素原子にそれぞれエチル基が置換していることを示す。〕
【0048】
〔電子写真感光体〕
次に、本発明の電子写真感光体について詳細に説明する。
本発明の電子写真感光体は、前述のように、導電性基体上に感光層を設けてなるものであって、当該感光層が上記一般式(1) で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含有するものである。
上記感光層の構成は、同一の層中に電荷発生剤と電荷輸送剤とを混在させる、いわゆる単層型感光体の場合と、電荷発生剤を含有する層(電荷発生層)と電荷輸送剤を含有する層(電荷輸送層)とを分離してなる、いわゆる積層型感光体の場合とで異なるが、いずれの感光層も、電荷発生剤、電荷輸送剤等の各成分をバインダ樹脂等とともに溶媒中に溶解・分散させ、こうして得られた塗布液を導電基体上に(直接にまたは下引き層を介して)塗布、乾燥することによって形成されるものである。
【0049】
(電荷発生剤)
本発明の電子写真感光体に使用可能な電荷発生剤としては、例えば下記式(CGM1)で表される無金属フタロシアニン(H2 Pc)、下記式(CGM2)で表されるチタニルフタロシアニン(TiOPc)、下記式(CGM3)で表されるヒドロキシガリウムフタロシアニン、下記式(CGM4)で表されるクロロガリウムフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料;ジスアゾ顔料;ジスアゾ縮合顔料、モノアゾ顔料、ペリレン系顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、ピリリウム塩、アンサンスロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料等の、従来公知の種々の電荷発生剤が挙げられる。
【0050】
【化9】
【0051】
【化10】
【0052】
【化11】
【0053】
【化12】
【0054】
電荷発生剤は、電子写真感光体が所望の吸収波長域で感度を有するように、上記例示のものの中から種々選択すればよい。上記例示の電荷発生剤は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
半導体レーザを使用したレーザビームプリンタやファクシミリといったデジタル光学系の画像形成装置には、上記例示の電荷発生剤のうち、600nm以上の波長領域に感度を有する感光体が必要となるため、例えば無金属フタロシアニン(CGM1)やチタニルフタロシアニン(CGM2)等のフタロシアニン系顔料が好適に用いられる。
【0055】
上記フタロシアニン系顔料について、その結晶形は特に限定されるものではなく、種々のものを採用することができるが、無金属フタロシアニン(CGM1)についてはX型またはI型を、チタニルフタロシアニン(CGM2)についてはα型〔そのX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)が7.6°と28.6°のときに主たる回折ピークを有するもの〕またはY型〔ブラッグ角(2θ±0.2°)が27.2°のときに主たる回折ピークを有するもの〕を、ヒドロキシガリウムフタロシアニン(CGM3)についてはV型を、クロロガリウムフタロシアニン(CGM4)についてはII型を、それぞれ用いるのが、感光体の感度をより一層良好なものにするという観点から好ましい。
【0056】
ハロゲンランプ等の白色光源を使用した静電式複写機といったアナログ光学系の画像形成装置には、上記例示の電荷発生剤のうち、可視領域に感度を有するペリレン系顔料やビスアゾ系顔料等が好適に用いられる。
電荷発生剤のバインダ樹脂中での分散性といった特性を向上させるためには、ジスアゾイエロー、ジアニシジンオレンジ、ピラゾロンオレンジ、ピラゾロンレッド等のアゾ系顔料を配合してもよい。
【0057】
(電荷輸送剤)
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷輸送剤としては、従来公知の電子輸送剤および/または正孔輸送剤が挙げられる。
電子輸送剤と正孔輸送剤のいずれか(または両方)を用いることの選択は、感光体の層構造や帯電極性等に応じて決定すればよい。単層型の電子写真感光体において、電子輸送剤と正孔輸送剤との間に電荷移動錯体が生じないのであれば、両者を混合して感光層中に配合するのが好ましい。
【0058】
(電子輸送剤)
本発明の電子写真感光体に用いられる電子輸送剤は、上記一般式(1) で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体である。
本発明の電子写真感光体においては、上記ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(1) と併せて、従来公知の種々の電子輸送剤を感光層中に含有させてもよい。
【0059】
かかる他の電子輸送剤としては、例えば下記一般式(ETM1)および(ETM2)で表されるジフェノキノン誘導体、下記一般式(ETM3)で表されるスチルベンキノン誘導体、下記一般式(ETM4)、(ETM5)、(ETM6)および(ETM7)で表されるナフトキノン誘導体、下記一般式(ETM8)および(ETM9)で表されるジナフトキノン誘導体、下記一般式(ETM10) 、(ETM11) 、(ETM12) および(ETM13) で表されるアゾキノン誘導体、下記一般式(ETM14) で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体等が挙げられる。
【0060】
【化13】
【0061】
【化14】
【0062】
【化15】
【0063】
【化16】
【0064】
【化17】
【0065】
【化18】
【0066】
【化19】
【0067】
〔一般式(ETM1)〜(ETM14) 中、Re1〜Re11 、Re13 〜Re26 、Re32 〜Re37 、Re40 およびRe41 は同一または異なって、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数12以下のアリール基を示す。Re12 は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数12以下のアリール基、炭素数1〜9のアルキルカルボニル基、炭素数1〜9のアルコキシカルボニル基、炭素数13以下のアリールカルボニル基または炭素数13以下のアリールオキシカルボニル基を示す。Re27 、Re29 およびRe31 は同一または異なって、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数12以下のアリール基、塩素原子またはニトロ基を示す。Re28 、Re30 、Re38 およびRe39 は同一または異なって、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数12以下のアリール基を示す。aは0〜3の整数を示し、bは0〜4の整数を示す。〕
なお、上記一般式(ETM12) で表されるアゾキノン誘導体は、アニリン誘導体〔置換基(Re31 )a を備えるもの〕と亜硝酸ナトリウムに濃塩酸を加えてジアゾニウム化合物を生成させて、このジアゾニウム化合物と9−ヒドロキシ−10−メチルアントラセンの誘導体〔置換基(Re30 )b を備えるもの〕とをジアゾカップリングさせた後、こうして得られた生成物のヒドロキシ基を酸化することによって得られる。
ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(1) とともに配合されることのある電子輸送剤は、上記例示の1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0068】
(正孔輸送剤)
本発明の電子写真感光体に使用可能な正孔輸送剤としては、従来公知の種々の正孔輸送剤が挙げられる。なかでも、下記の一般式(HTM1)で表されるビススチルベンジアミン誘導体、一般式(HTM2)で表されるビストリフェニルアミン誘導体、一般式(HTM3)で表されるトリフェニルアミノスチリル誘導体および一般式(HTM4)で表されるスチルベンアミン−ヒドラゾン誘導体を用いるのが好適である。
【0069】
【化20】
【0070】
(一般式(HTM1)のXh1は下記式(A) 〜(C)のいずれかを、一般式(HTM2)のXh2は下記式(A) 〜(D)のいずれかを、それぞれ示す。)
【0071】
【化21】
【0072】
【化22】
【0073】
〔一般式(HTM1)〜(HTM4)中、Rh1〜Rh18 およびRh20 〜Rh25 は同一または異なって、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基または炭素数12以下のアリール基を示す。Rh19 は水素原子、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数12以下のアリール基を示す。aおよびbは前記と同じである。kは0〜3の整数を示す。〕
かかる正孔輸送剤は特にその電荷輸送能が高く、しかもナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体との間に電荷移動錯体を形成しにくく、上記例示のバインダ樹脂との相溶性が良好であるといった特徴を備えている。
【0074】
なお、上記例示の正孔輸送剤のなかでも特に、式(h1):
【0075】
【化23】
【0076】
〔式(h1)中、Rha〜Rhcは同一または異なって、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基または炭素数12以下のアリール基を示す。同一のベンゼン環に基Rha〜Rhcが2以上置換する場合において、隣接する炭素原子に置換する基Rha〜Rhcは、互いに結合して、飽和または不飽和の炭化水素環を形成してもよい。aは前記と同じである。〕
で表されるトリフェニルアミノスチリル構造をその分子中に備えるもの(上記一般式(HTM1),(HTM3)および(HTM4)で表されるもの)がより好適である。
上記例示の正孔輸送剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0077】
(バインダ樹脂)
本発明の電子写真感光体において、電荷発生剤、電荷輸送剤等の各成分を含有する層を形成するためのバインダ樹脂には、従来公知の種々の樹脂を採用することができる。
【0078】
なかでも、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリレート、ポリスチレンおよびポリメタクリル酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂をバインダ樹脂として使用するのが、本発明に係るナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(1) との相溶性、電子写真感光体の感光層の強度や耐磨耗性などをより一層良好なものにするという観点から好ましい。かかるバインダ樹脂は、電荷発生剤や電荷輸送剤との相溶性に優れており、しかも電荷輸送剤の電荷輸送能を妨害するような部位をその分子内に有しないものである。従って、かかるバインダ樹脂を用いることによって、より一層高感度な電子写真感光体を得ることができる。
【0079】
とりわけ、バインダ樹脂として、下記一般式(resin1)および/または一般式(resin2)で表される繰返し単位を有するポリカーボネートを用いたとき、あるいはバインダ樹脂にかかるポリカーボネートを含有させるときは、電子写真感光体の耐磨耗性と耐ガス性とを両立させつつ、双方の特性を改善して、より一層の長寿命化を達成するという効果が得られる。
【0080】
【化24】
【0081】
〔一般式(resin1),(resin2) 中、Rr1〜Rr10 は同一または異なって、炭素数1〜3のアルキル基を示す。x,yおよびzは同一または異なって2以上の整数を示す。但し、0.05<(y/(y+z))<0.4である。〕
【0082】
(分散媒)
本発明の電子写真感光体において、上記電荷発生剤、電荷輸送剤、バインダ樹脂等の各成分を分散・溶解させた塗布液を調製するための分散媒としては、感光層形成用塗布液の溶媒として従来用いられている種々の有機溶剤が使用可能である。かかる有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
なお、これに限定されるものではないが、本発明においては、上記電荷発生剤、電荷輸送剤、バインダ樹脂等の各成分を安定して分散させる上で、各種の有機溶剤の中でも特に、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、シクロヘキサノン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、ジクロロエタンおよびクロロベンゼンからなる群より選ばれる少なくとも1種の有機溶剤を用いるのが好ましい。
【0083】
(他の成分)
感光層形成用の塗布液には、電子写真特性に悪影響を与えない範囲であれば、上記各成分のほかにも従来公知の種々の添加剤、例えば酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー等を配合することができる。また、感光層の感度を向上させるために、例えばテルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレン等の公知の増感剤を電荷発生剤と併用してもよい。さらに、電荷輸送剤や電荷発生剤の分散性、感光層表面の平滑性を良くするために界面活性剤、レベリング剤等を使用してもよい。
【0084】
(導電性基体)
上記感光層が形成される導電性基体には、導電性を有する種々の材料を使用することができ、例えば鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等の金属単体;上記金属が蒸着またはラミネートされたプラスチック材料、ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で被覆されたガラス;カーボンブラック等の導電性微粒子を分散させた樹脂基体等が挙げられる。
導電性基体の形状は、使用する画像形成装置の構造に合わせて、シート状、ドラム状等のいずれであってもよく、基体自体が導電性を有するか、あるいは基体の表面が導電性を有していればよい。また、導電性基体は、使用に際して十分な機械的強度を有するものが好ましい。
【0085】
(単層型電子写真感光体の製造方法)
単層型の電子写真感光体は、電荷発生剤と電子輸送剤とバインダ樹脂と、さらに必要に応じて正孔輸送剤や上記他の成分を、適当な分散媒に分散または溶解させて、こうして得られた感光層形成用塗布液を導電性基体上に塗布し、乾燥させて感光層を形成することによって得られる。
【0086】
上記感光層形成用塗布液において、電荷発生剤は、バインダ樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜30重量部の割合で配合すればよい。電子輸送剤は、バインダ樹脂100重量部に対して5〜200重量部、好ましくは10〜100重量部の割合で配合すればよい。本発明のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(1) 以外の電子輸送剤については、本発明の効果を損なわない範囲で配合すればよい。正孔輸送剤は、バインダ樹脂100重量部に対して5〜500重量部、好ましくは25〜200重量部の割合で配合すればよい。電子輸送剤と正孔輸送剤とを併用する場合において、電子輸送剤と正孔輸送剤との総量は、バインダ樹脂100重量部に対して20〜500重量部、好ましくは30〜200重量部とするのが適当である。
【0087】
感光層形成用塗布液の塗布によって得られる感光層の厚さは5〜100μm、特に10〜50μmとなるように設定するのが好ましい。
前記感光層を塗布の方法により形成する場合には、前記例示の電荷発生剤、電荷輸送剤、不溶性アゾ顔料、バインダ樹脂等を、適当な溶剤とともに、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、超音波分散機等の公知の手段を用いて分散混合して、こうして調製された分散液を公知の手段により導電性基体上に塗布して乾燥させればよい。
【0088】
(積層型電子写真感光体の製造方法)
積層型の電子写真感光体の製造では、まず、電荷発生剤とバインダ樹脂と、さらに必要に応じて上記他の成分を、適当な分散媒に分散または溶解させ、こうして得られた電荷発生層形成用塗布液を導電性基体上に塗布し、乾燥させて電荷発生層を形成する。次いで、電子輸送剤とバインダ樹脂と、さらに必要に応じて正孔輸送剤や上記他の成分を、適当な分散媒に分散または溶解させ、こうして得られた電荷輸送層形成用塗布液を上記の電荷発生層上に塗布し、乾燥させて電荷輸送層を形成する。こうして、導電性基体上に電荷発生層と電荷輸送層とをこの順序で積層してなる電子写真感光体が得られる。
【0089】
なお、電荷発生層と電荷輸送層の積層順序は上記と逆の順序であってもよいが、通常、電荷発生層の膜厚が薄く、その強度が十分ではないことから、上記のとおりの積層順序とするのが好ましい。
本発明の単層型および積層型電子写真感光体において特に限定されるものではないが、導電性基体と感光層との間には、感光体の特性を阻害しない範囲で下引き層(バリア層)を形成してもよい。また、感光体の表面には保護層を形成してもよい。
【0090】
【実施例】
次に、合成例、実施例および比較例を挙げて、本発明を説明する。
〔ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体の合成〕
(合成例1)
1,8:4,5−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド26.6g(0.1モル)を1Nの水酸化カリウム水溶液250mLに溶解し、50℃で2時間撹拌した後、メタノールで洗浄し、乾燥させることによって、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミドのカリウム塩を得た。
【0091】
一方、マロン酸のエチル(t−ブチル)エステルを四塩化炭素中で臭素と反応させることによって、当該エステルのα−水素を臭素化した。
次いで、上記ナフタレンテトラカルボン酸ジイミドのカリウム塩17.1g(0.05モル)をDMF200mLに溶解し、上記エステルの臭素化物29.3g(0.11モル)を加えて10時間還流撹拌した。反応生成物をメタノールに注いでクロロホルムで抽出し、カラムクロマトグラフィーで分離した後、乾燥、濃縮によって、下記式(1−1) で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(白色結晶)16.0gを得た。
【0092】
収率は50%であった。生成物の融点は250℃以上(分解)、元素分析結果は、理論値C:60.18、H:5.37、O:30.06、N:4.39に対して、測定値C:60.20、H:5.39、O:30.07、N:4.34であった。質量分析(FD−MS)では、C32H34O12N2 =638に対して、質量数638のピークのみが検出された。
以上の測定結果により、生成化合物が目的化合物のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(1−1) であることが確認された。
【0093】
(合成例2)
マロン酸のエチル(t−ブチル)エステルに代えて同モル量のマロン酸ジ(t−ブチル)を用いたほかは、合成例1と同様にして反応を行うことにより、下記式(1−2) で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(白色結晶)17.4gを得た。
【0094】
収率は50%であった。生成物の融点は250℃以上、元素分析結果は、理論値C:62.24、H:6.09、O:27.64、N:4.03に対して、測定値C:62.25、H:6.11、O:27.64、N:4.00であった。FD−MSでは、C36H42O12N2 =694に対して、質量数694のピークのみが検出された。
以上の測定結果により、生成化合物が目的化合物のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(1−2) であることが確認された。
【0095】
(合成例3)
マロン酸のエチル(t−ブチル)エステルに代えて同モル量のマロン酸ベンジルメチルを用いたほかは、合成例1と同様にして反応を行うことにより、下記式(1−3) で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(白色結晶)19.1gを得た。
【0096】
収率は55%であった。生成物の融点は218℃、元素分析結果は、理論値C:63.72、H:3.86、O:28.29、N:4.13に対して、測定値C:63.72、H:3.88、O:28.31、N:4.09であった。FD−MSでは、C36H26O12N2 =678に対して、質量数678のピークのみが検出された。
以上の測定結果により、生成化合物が目的化合物のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(1−3) であることが確認された。
【0097】
(合成例4)
マロン酸のエチル(t−ブチル)エステルに代えて同モル量のマロン酸ベンジルエチルを用いたほかは、合成例1と同様にして反応を行うことにより、下記式(1−4) で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(白色結晶)17.7gを得た。
【0098】
収率は50%であった。生成物の融点は215℃、元素分析結果は、理論値C:64.59、H:4.28、O:27.17、N:3.96に対して、測定値C:64.61、H:4.28、O:27.18、N:3.93であった。FD−MSでは、C38H30O12N2 =706に対して、質量数706のピークのみが検出された。
以上の測定結果により、生成化合物が目的化合物のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(1−4) であることが確認された。
【0099】
(合成例5)
マロン酸のエチル(t−ブチル)エステルに代えて、同モル量のマロン酸のエチル(2−エトキシエチル)エステルを用いたほかは、合成例1と同様にして反応を行うことにより、下記式(1−5) で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(白色結晶)15.1gを得た。
【0100】
収率は45%であった。生成物の融点は250℃以上、元素分析結果は、理論値C:57.31、H:5.11、O:33.40、N:4.18に対して、測定値C:57.31、H:5.10、O:33.42、N:4.17であった。FD−MSでは、C32H34O14N2 =670に対して、質量数670のピークのみが検出された。
以上の測定結果により、生成化合物が目的化合物のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(1−5) であることが確認された。
【0101】
(合成例6)
マロン酸のエチル(t−ブチル)エステルに代えて、同モル量のマロン酸のエチル(2−エチル−6−メチルフェニル)エステルを用いたほかは、合成例1と同様にして反応を行うことにより、下記式(1−6) で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(白色結晶)19.5gを得た。
【0102】
収率は50%であった。生成物の融点は198℃、元素分析結果は、理論値C:66.13、H:5.02、O:25.17、N:3.67に対して、測定値C:66.14、H:5.03、O:25.17、N:3.65であった。FD−MSでは、C42H38O12N2 =762に対して、質量数762のピークのみが検出された。
【0103】
以上の測定結果により、生成化合物が目的化合物のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(1−6) であることが確認された。
合成例1〜6で得られたナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体の化学構造は次のとおりである。
【0104】
【化25】
【0105】
【化26】
【0106】
【化27】
【0107】
〔電子写真感光体の製造〕
(実施例1)
(1) X型H2 Pc処方
上記式(CGM1)で表される無金属フタロシアニンのうち結晶型がX型のもの(電荷発生剤)3.5重量部、下記式(HTM1−1)で表されるビススチルベンジアミン誘導体(正孔輸送剤)50重量部、上記式(1−1) で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(主たる電子輸送剤)30重量部、下記式(ETM1−1)で表されるジフェノキノン誘導体(他の電子輸送剤)10重量部、バインダ樹脂100重量部およびレベリング剤0.1重量部をテトラヒドロフラン(溶媒)750重量部に加え、これを超音波分散機で50時間混合分散することによって、感光層形成用の塗布液を調製した。
【0108】
上記バインダ樹脂には、下記式(ru−1)、(ru−2)および(ru−3)で表される繰返し単位を、順に20.0:0.1:79.9の割合で(重量比)含有するポリカーボネート(粘度平均分子量50,000)を使用した。
上記レベリング剤には、ジメチルシリコーンオイル〔信越化学工業(株)製の商品名「KF−96−50CS」〕を使用した。
【0109】
【化28】
【0110】
【化29】
【0111】
【化30】
【0112】
次いで、上記感光層形成用の塗布液をアルミニウム素管上に塗布した後、120℃で40分間熱風乾燥することにより、膜厚30μmの感光層を備える単層型の電子写真感光体を得た。
【0113】
(2) Y型TiOPc処方
上記式(CGM2)で表されるチタニルフタロシアニンのうち結晶型がY型のもの(電荷発生剤)1.5重量部、下記式(Pig1)で表されるアゾ系顔料1.5重量部、下記式(HTM3−1)で表されるビススチルベンジアミン誘導体(正孔輸送剤)40重量部、上記式(1−1) で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(電子輸送剤)50重量部、バインダ樹脂100重量部およびレベリング剤0.1重量部をテトラヒドロフラン(溶媒)400重量部に加え、これを超音波分散機で50時間混合分散することによって、感光層形成用の塗布液を調製した。
【0114】
上記Y型チタニルフタロシアニンは、そのX線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)が27.2°のときに主たる回折ピークを有するものである。
上記バインダ樹脂には、ビスフェノールC型ポリカーボネート(粘度平均分子量25,000)を使用した。上記レベリング剤には、上記(1) のX型H2 Pc処方と同じものを使用した。
【0115】
【化31】
【0116】
【化32】
【0117】
次いで、上記感光層形成用の塗布液をアルミニウム素管上に塗布した後、120℃で40分間熱風乾燥することにより、膜厚25μmの感光層を備える単層型の電子写真感光体を得た。
【0118】
(実施例2〜7)
主たる電子輸送剤として、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(1−1) に代えて上記式(1−2) 〜(1−7) で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体30重量部を用いたほかは、実施例1の(1) と同様にして、X型H2 Pc処方の単層型電子写真感光体を製造した。
【0119】
また、電子輸送剤として、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(1−1) に代えて上記式(1−2) 〜(1−7) で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体50重量部を用いたほかは、実施例1の(2) と同様にして、Y型TiOPc処方の単層型電子写真感光体を製造した。
実施例2〜7に使用したナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体の式番号は、下記の表3に示すとおりである。
【0120】
(比較例1〜5)
主たる電子輸送剤として、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(1−1) に代えて下記式(81−1)、(81−2)、(81−3)、(84−1)または(84−2)で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体30重量部を用いたほかは、実施例1の(1) と同様にして、X型H2 Pc処方の単層型電子写真感光体を製造した。
下記のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(81−1)は特許文献2に記載の化合物No.18および特許文献4に記載の化合物(1−11)に相当する。下記のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(81−3)は特許文献4に記載の化合物(1−13)に相当する。下記のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(84−1),(84−2) は特許文献7に記載のものに相当する。
【0121】
なお、下記のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(81−2)は、1,8:4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等に溶解させて、これにp−アミノ安息香酸t−ブチルエステルを加えて反応させることによって合成することができる。
【0122】
【化33】
【0123】
【化34】
【0124】
また、電子輸送剤として、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(1−1) に代えて上記式(81−1)、(81−2)、(81−3)、(84−1)または(84−2)で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体50重量部を用いたほかは、実施例1の(2) と同様にして、Y型TiOPc処方の単層型電子写真感光体を製造した。
比較例1〜5に使用したナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体の式番号は、下記の表3に示すとおりである。
【0125】
(電子写真感光体の物性評価)
(1) 正帯電時の感度の測定
正帯電時感度については、上記実施例および比較例で得られた電子写真感光体の、X型H2 Pc処方とY型TiOPc処方の両方について測定した。測定方法は次のとおりである。
まず、上記電子写真感光体をドラム感度試験機〔ジェンテック(GENTEC)社製〕に設置して、表面電位が+850V±20Vとなるように帯電させた。次いで、ハロゲンランプの白色光からバンドパスフィルタを用いて取り出した波長780nm(半値幅20nm)の単色光(光量1.0μJ/cm2 )で感光体の表面を露光して、その直後の表面電位(明電位)を測定した。
上記露光直後の表面電位値は+120V以下、好ましくは+110V以下であればよく、その値が大きくなるほど電子写真感光体の感度が劣っているといえる。
【0126】
(2) 負帯電時の感度の測定
負帯電時感度については、上記実施例および比較例で得られた電子写真感光体のうち、Y型TiOPc処方のものについてのみ測定した。測定は、感光体に対する帯電電圧を逆の極性に設定したほかは、上記(1) の感度測定と同様にして行った。
上記露光直後の表面電位値は−120V以上、好ましくは−110V以上であればよく、その値が小さく(負に大きく)なるほど電子写真感光体の感度が劣っているといえる。
【0127】
(3) 耐オゾン性の評価
耐オゾン性の評価は、上記実施例および比較例で得られた電子写真感光体の、X型H2 Pc処方とY型TiOPc処方の両方について行った。
上記電子写真感光体を静電式複写装置〔京セラミタ(株)製の製品名「Creage7325」の改良型〕に設置して、表面電位が+850Vとなるようにグリッド電圧を設定しつつ帯電させた。次いで、オゾン雰囲気(5ppm)に5時間暴露して、暴露前に設定したグリッド電圧と同じ条件での表面電位を測定した。
【0128】
さらに、オゾン暴露前後の表面電位の変化量(V)を求めて、電子写真感光体の耐オゾン性を評価した。例えば、オゾン暴露前の表面電位が850Vであって、暴露後の表面電位が740Vであれば、評価は−110Vとなる。オゾン暴露前後の表面電位の変化量は、X型H2 Pc処方では±160V以内、好ましくは±130V以内であればよく、Y型TiOPc処方では±90V以内、好ましくは±75V以内であればよい(暴露後の表面電位の低下量または上昇量が上記値の絶対値よりも小さければよい)。変化量が大きくなるほど、電子写真感光体の耐オゾン性が低いといえる。
【0129】
以上の結果を表3に示す。
【0130】
【表3】
【0131】
表3中、“*1”は感光層にてナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体の結晶化が生じたことを示す。結晶化が生じたものについては、耐オゾン性の評価を実施していない。
表3より明らかなように、本発明に係るナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(1) を用いた実施例1〜7の電子写真感光体は、特許文献に記載のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を用いた比較例1〜5の電子写真感光体と比べて明電位(の絶対値)が十分に小さく、正帯電および負帯電時のいずれにおいても感度が優れていることがわかった。
【0132】
また、実施例1〜7の電子写真感光体は、比較例1〜5の電子写真感光体と比べて耐オゾン性に優れていることから、本発明に係るナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体(1) を用いることによって、電子写真感光体の感光層の経時的な安定性が優れたものになることがわかった。
Claims (5)
- 上記一般式(1) で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体のR1 とR3 が同一ならびにR2 とR4 が同一である請求項1記載のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体。
- 導電性基体上に感光層を設けてなる電子写真感光体であって、当該感光層が、上記一般式(1) で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含有する電子写真感光体。
- 上記感光層が単一の層であって、上記一般式(1) で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体とともに、少なくとも電荷発生剤を含有する請求項3記載の電子写真感光体。
- 上記感光層が、少なくとも電荷発生剤を含有する電荷発生層と、少なくとも上記一般式(1) で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含有する電荷輸送層とを含み、当該電荷発生層と電荷輸送層とが、上記導電性基体側からこの順でまたは逆の順で設けられてなる請求項3記載の電子写真感光体。
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