JP2004267872A - 排ガス浄化方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】触媒を速やかに昇温できるようにするとともに、それによって低温域からHCを効率よく酸化除去できるようにする。
【解決手段】CO濃度が1%以上の排ガスを、少なくともセリアを含む担体に貴金属を担持してなる触媒に供給してCOを酸化燃焼させ、その燃焼熱によって触媒を昇温し排ガス中のHCを酸化燃焼する。
CO濃度が高い排ガスを低温域から酸素吸放出能を有する触媒に供給し、低温域からCOを酸化燃焼することで、反応熱によって触媒をHCが酸化燃焼される温度まで速やかに昇温する。
【選択図】 図1
【解決手段】CO濃度が1%以上の排ガスを、少なくともセリアを含む担体に貴金属を担持してなる触媒に供給してCOを酸化燃焼させ、その燃焼熱によって触媒を昇温し排ガス中のHCを酸化燃焼する。
CO濃度が高い排ガスを低温域から酸素吸放出能を有する触媒に供給し、低温域からCOを酸化燃焼することで、反応熱によって触媒をHCが酸化燃焼される温度まで速やかに昇温する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車などから排出される排ガスを浄化する方法に関し、詳しくは低温域の排ガス中の炭化水素(HC)を効率よく浄化できる排ガス浄化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の排ガス規制の強化により、エンジン始動からごく短い時間にも排ガスを浄化する必要性がきわめて高くなっている。そのためには、より低温で触媒を活性化し、排出規制成分を浄化しなければならない。しかしながら、触媒活性成分として広く用いられている貴金属には、その種固有の活性化温度が存在し、その活性化温度未満の温度域では有害物質の浄化が困難である。したがって貴金属をより早く活性化させるためには、触媒自体を早期に活性化温度まで昇温することが必要となる。
【0003】
そこでエンジン直下に触媒を配置し、高温の排ガスが直ちに触媒と接触するような工夫がなされているが、十分ではない。また例えば特表平11−501378号公報には、低温域において水素と空気の混合物を触媒に供給し、水素の燃焼熱を利用して触媒を予備加熱する方法が記載されている。しかし一般の排ガスでは水素が含まれる場合でもきわめて微量であり、予備加熱にはほとんど役に立たない。したがって排ガスとは別に水素を供給する必要があるが、水素の貯蔵方法あるいは生成方法など種々の困難性があることから実用化はほど遠いというのが現状である。
【0004】
一方、触媒自体を改良することで、より低温域から活性化させる試みも行われている。例えば白金(Pt)などの貴金属をセリアに担持した触媒は、低温から一酸化炭素(CO)を浄化する性能に長けている。しかし低温では貴金属に対してCOが強く吸着し、貴金属の活性が低下する吸着被毒が生じる。そこでセリアに貴金属を担持した触媒と三元触媒などを組み合わせて用いれば、貴金属のCO吸着被毒が緩和されるためCOが低温から着火され、HCの着火性が向上する。また、COを低温で着火させることによって触媒表面の暖機が促進されるため、HC浄化能の早期発現が可能となる。
【0005】
さらにセリアは酸素吸放出能を有し、貴金属(Pt)を担持したセリアでは低温でも酸素吸放出が容易に行われる。そこでセリアを担体とする触媒を用いれば、担体からの酸素供与によって貴金属に吸着被毒したCOを酸化浄化するだけでなく、その反応熱によって触媒全体の温度が上昇する。したがって担持されている貴金属はその活性化温度に速やかに昇温され、HC浄化活性が早期に発現される。
【0006】
しかしセリアに貴金属を担持した触媒では、高温時にセリアにシンタリングが生じ、それに伴って貴金属にも粒成長が生じて活性点が減少するため、高温耐久後の浄化活性が低下するという問題があった。そこで特開2002−211908号公報には、CeO2−Al2O3複合酸化物を担体とした触媒が開示され、この触媒は高温域でも安定であるため高温耐久後の浄化活性に優れていることが記載されている。
【0007】
また特開平04−215845号公報には、遷移金属酸化物よりなる担体に金を除く貴金属を担持した触媒が記載されている。遷移金属酸化物は 250℃以下の低温で酸素を放出し、貴金属に優先的に吸着したCOの酸化が促進される。したがって貴金属のCO吸着被毒が緩和されるとともに、その反応熱によって触媒を昇温することができる。
【0008】
【特許文献1】特表平11−501378号
【特許文献2】特開2002−211908号
【特許文献3】特開平04−215845号
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが遷移金属酸化物よりなる担体に貴金属を担持した触媒では、 200℃以下ではCOの酸化活性が不足し、エンジン始動直後の低温域でHCを酸化除去することは困難であった。またセリアに貴金属を担持した触媒などを用い、 200℃以下の温度においてCOを酸化燃焼できたとしても、その反応熱量が少なく触媒を速やかに昇温できるまでには至らなかった。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、触媒を速やかに昇温できるようにするとともに、それによって低温域からHCを効率よく酸化除去できるようにすることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の排ガス浄化方法の特徴は、CO濃度が1%以上の排ガスを少なくともセリアを含む担体に貴金属を担持してなる触媒に供給してCOを酸化燃焼させ、その燃焼熱によって触媒を昇温し排ガス中のHCを酸化燃焼することにある。
【0012】
触媒は、セリアが他の金属酸化物に微粒子として島状に保持された形態をもち、細孔容積が2cc/g以上であって 900℃以上の高温に晒された後にもセリアの粒子径が30nm以下である特性を有する複合酸化物と、その複合酸化物に担持された貴金属と、からなることが望ましい。
【0013】
また触媒における他の金属酸化物は、少なくともアルミナを含むことが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
例えばPtを担持した触媒を用いた場合、COを酸化燃焼できる温度は約 180℃以上であり、HCの酸化燃焼が生じる温度より低温である。またCOは排ガス中に存在する成分である。したがってCOの燃焼熱を利用して触媒を昇温することが望ましい。ところが排ガス中のCO濃度は、一般に高くても1%の範囲であり、その程度の量では燃焼させたとしても低温域にある触媒の昇温には不十分である。
【0015】
そこで本願発明では、CO濃度が1%以上の排ガスを用いている。このようにCO濃度が高い排ガスを触媒に供給することで、 200℃以下の低温域からCOを酸化燃焼することができ、HCを酸化燃焼できる温度まで触媒を速やかに昇温することができる。したがって、エンジン始動時から触媒が 200℃程度まで昇温されるまでに排出されるHC量を大きく低減することができる。また一酸化窒素(NO)の酸化も生じるので、NOx 吸蔵還元型触媒を用いた場合には、NOx 吸蔵能が向上しNOx 浄化活性が向上する。
【0016】
排ガス中のCO濃度を1%以上に高めるには、排ガス中にCOを添加する方法を用いてもよいが、エンジンの制御によって行うことが好ましい。例えば一般には、良好な混合気を形成するために吸気行程でシリンダ内に燃料が噴射されているが、圧縮行程で燃料を噴射すると、排ガス中のCO濃度を1%以上とすることができる。また空燃比( A/F)をリッチに調整しても排ガス中のCO濃度を1%以上とすることができるが、この方法では燃費が悪化するため好ましくない。このようにエンジン制御によって排ガス中のCO濃度を高める方法を採用すれば、COタンクなどの貯蔵容器が不要となり、現状の環境で容易に行うことができる。
【0017】
触媒として、従来公知の酸化触媒、三元触媒などを用いると、低温域では、COが貴金属に吸着して活性が低下するという不具合がある。そこで本発明では、少なくともセリアに貴金属を担持した触媒を用いることが好ましい。この触媒は酸素吸放出能を有するため、COの酸化活性が高く貴金属に吸着したCOも速やかに酸化燃焼されるので、活性の低下が生じない。またこの触媒によれば、 200℃以下の低温においても酸素吸放出能が発現されCOの酸化活性が高い。したがって始動時からの低温域においてもCOを効率よく酸化燃焼することができ、CO濃度が1%以上の排ガスの供給によりその反応熱量が多大となる。したがって触媒が早期に貴金属の活性化温度に到達し、排ガス中のHCを酸化燃焼することができる。
【0018】
しかしこの触媒では、熱によってセリアがシンタリングして酸素吸放出能が低下し、セリアのシンタリングによって担持されている貴金属の粒成長が生じ活性が低下するため実用性に問題があった。
【0019】
そこで特開2002−211908号公報に開示された触媒を用いることが望ましい。この触媒は、セリアが他の金属酸化物に微粒子として島状に保持された形態をもち、細孔容積が2cc/g以上であって、 900℃以上の高温に晒された後にもセリアの粒子径が30nm以下である特性を有する複合酸化物と、その複合酸化物に担持された貴金属と、から構成されている。
【0020】
この触媒では、セリア粒子が他の金属酸化物に島状に保持されて互いに分離され、セリア粒子どうしの接触が抑制されているので、シンタリングがほとんど生じない。これにより、セリアに担持されている貴金属の粒成長も抑制される。そして微細なセリア粒子に担持されている貴金属は、高温耐久後においてもセリアとの接触界面が多く存在し、互いの固相反応が抑制されているため粒成長がさらに抑制され、活性点を多く有している。そしてセリア粒子は粒成長が抑制されているためその酸素吸放出能を高く発現し、貴金属の活性低下も抑制されているので、高温耐久後も高い活性が発現される。
【0021】
複合酸化物を構成する他の金属酸化物は Al2O3,SiO2,TiO2,SiO2−Al2O3及びTiO2−Al2O3から選ばれる少なくとも一種とすることができる。少なくとも Al2O3を含むことが望ましく、 Al2O3を主成分とすることが望ましい。
【0022】
セリアと他の金属酸化物との構成比率は、モル比でセリウム元素:他の金属元素=8:2〜 0.5: 9.5の範囲とするのが望ましい。セリアがこの範囲より少ないと酸素吸放出能が不十分となり、他の金属酸化物がこの範囲より少なくなると熱安定性が低下してしまう。
【0023】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
【0024】
(実施例1)
市販の硝酸アルミニウム9水和物 0.2モル(75.1g)を2000mlのイオン交換水に混合し、プロペラ撹拌器で5分間撹拌して溶解した。そこへ濃度28重量%の硝酸セリウム水溶液 304g(CeO2換算で 0.5モル相当)を混合し、さらに5分間撹拌した。
【0025】
得られた混合水溶液に、25%アンモニア水 177gを加え、さらに10分間撹拌して沈殿物を含む水溶液とした。これを2気圧の加圧下にて 120℃で2時間熱処理する熟成工程を行い、沈殿物を熟成した。
【0026】
その後、熟成された沈殿物を含む水溶液を 100℃/時間の昇温速度で加熱し、 400℃で5時間か焼してCeO2−Al2O3複合酸化物粉末を調製した。得られたCeO2−Al2O3複合酸化物粉末は、約89重量%のCeO2と約11重量%の Al2O3から構成されている。
【0027】
得られたCeO2−Al2O3複合酸化物粉末 200gと、セリアゾル(固形分15%) 148gと、純水40gをメジアン径D50約7μmまで湿式粉砕し、スラリーを得た。このスラリーをコージェライト製ハニカム基材( 400セル/インチ、3ミル)にコートし 110℃で通風乾燥後 500℃で1時間焼成してコート層を固定した。必要に応じてコート過程を繰り返し行い、ハニカム基材1リットルあたり 150gのコート層を形成した。続いてジニトロジアンミン白金水溶液を用いてPtを吸水担持し、所定温度で焼成して触媒を調製した。ハニカム基材1リットルあたりPtは5g担持されている。
【0028】
得られた触媒を、排気量2Lのガソリン直噴エンジンを搭載したエンジンベンチの排気系に弁を介して配置し、弁を開くことで室温にある触媒に排ガスが一気に流通するように調整した。そしてエンジンの圧縮行程で燃料をシリンダ内に噴射し、 A/F=15.0で燃焼するように調整した。なお、上記燃焼条件における排ガス中のCO濃度は 1.5〜 2.0%であり、吸気行程で燃料を噴射した場合に比べてCO濃度は 1.5〜2倍となる。
【0029】
エンジンを駆動してしばらく放置した後、弁を開いて 350℃の排ガスを触媒に流通させ、触媒温度が室温から 200℃まで昇温するまでに排出されたHC量の積算値を測定し、結果を図1に示す。
【0030】
(実施例2)
実施例1で調製された触媒を用い、エンジンの圧縮行程で燃料をシリンダ内に噴射し、 A/F=14.5で燃焼するように調整したこと以外は実施例1と同様にして、触媒温度が室温から 200℃まで昇温するまでに排出されたHC量の積算値を測定した。結果を図1に示す。なお、上記燃焼条件における排ガス中のCO濃度は 2.0〜 2.5%である。
【0031】
(比較例1)
CeO2−Al2O3複合酸化物粉末に代えて Al2O3粉末を用い、Ptに代えてPdを同量担持したこと以外は実施例1と同様に調製された触媒を用い、実施例1と同様にして、触媒温度が室温から 200℃まで昇温するまでに排出されたHC量の積算値を測定した。結果を図1に示す。
【0032】
(比較例2)
比較例1と同様の触媒を用い、エンジンの圧縮行程で燃料をシリンダ内に噴射し、 A/F=14.5で燃焼するように調整したこと以外は実施例1と同様にして、触媒温度が室温から 200℃まで昇温するまでに排出されたHC量の積算値を測定した。結果を図1に示す。
【0033】
(比較例3)
実施例1で調製された触媒を用い、エンジンの吸気行程で燃料をシリンダ内に噴射し、 A/F=15.0で燃焼するように調整したこと以外は実施例1と同様にして、触媒温度が室温から 200℃まで昇温するまでに排出されたHC量の積算値を測定した。結果を図1に示す。なお、上記燃焼条件における排ガス中のCO濃度は 0.4〜 0.7%である。
【0034】
(比較例4)
実施例1で調製された触媒を用い、エンジンの吸気行程で燃料をシリンダ内に噴射し、 A/F=15.0で燃焼するように調整したこと以外は実施例1と同様にして、触媒温度が室温から 200℃まで昇温するまでに排出されたHC量の積算値を測定した。結果を図1に示す。
【0035】
<評価>
表1に、各実施例及び各比較例で用いた触媒の担体と、排ガス中のCO濃度との一覧表を示す。
【0036】
【表1】
【0037】
図1において、実施例1の浄化方法によれば比較例3の浄化方法に比べてHC排出量が大きく低減されていることがわかる。これは、排ガス中のCO濃度が1%以上の排ガスを用いたことに起因していることが明らかであり、 200℃以下の低温域でCOが燃焼し、その反応熱によって触媒が速やかに昇温されHCが浄化されたと考えられる。
【0038】
また実施例1と比較例1との比較、あるいは実施例2と比較例2との比較から、CeO2−Al2O3複合酸化物を担体とした触媒を用いることで、低温域のHC浄化活性が向上していることが明らかである。
【0039】
そして比較例3の浄化方法では、比較例4に比べてHC排出量が小さいことから、CeO2−Al2O3複合酸化物を担体とした触媒を用いることで低温域の活性がある程度向上することがわかる。しかし実施例1と実施例2のHC排出量の差は、比較例3と比較例4のHC排出量の差より大きいことから、CO濃度の高い排ガスを流し、かつCeO2−Al2O3複合酸化物を担体とした触媒を用いることで、相乗効果が発現され、低温域のHC浄化活性が格段に向上することが明らかである。
【0040】
【発明の効果】
すなわち本発明の排ガス浄化方法によれば、エンジン始動から触媒がHC浄化活性温度に到達するまでの時間を大幅に短縮することができ、その間に排出されるHCの排出量を大きく低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例の浄化方法において、エンジン始動から触媒温度が 200℃に到達するまでに排出されたHC量の積算値を示すグラフである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車などから排出される排ガスを浄化する方法に関し、詳しくは低温域の排ガス中の炭化水素(HC)を効率よく浄化できる排ガス浄化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の排ガス規制の強化により、エンジン始動からごく短い時間にも排ガスを浄化する必要性がきわめて高くなっている。そのためには、より低温で触媒を活性化し、排出規制成分を浄化しなければならない。しかしながら、触媒活性成分として広く用いられている貴金属には、その種固有の活性化温度が存在し、その活性化温度未満の温度域では有害物質の浄化が困難である。したがって貴金属をより早く活性化させるためには、触媒自体を早期に活性化温度まで昇温することが必要となる。
【0003】
そこでエンジン直下に触媒を配置し、高温の排ガスが直ちに触媒と接触するような工夫がなされているが、十分ではない。また例えば特表平11−501378号公報には、低温域において水素と空気の混合物を触媒に供給し、水素の燃焼熱を利用して触媒を予備加熱する方法が記載されている。しかし一般の排ガスでは水素が含まれる場合でもきわめて微量であり、予備加熱にはほとんど役に立たない。したがって排ガスとは別に水素を供給する必要があるが、水素の貯蔵方法あるいは生成方法など種々の困難性があることから実用化はほど遠いというのが現状である。
【0004】
一方、触媒自体を改良することで、より低温域から活性化させる試みも行われている。例えば白金(Pt)などの貴金属をセリアに担持した触媒は、低温から一酸化炭素(CO)を浄化する性能に長けている。しかし低温では貴金属に対してCOが強く吸着し、貴金属の活性が低下する吸着被毒が生じる。そこでセリアに貴金属を担持した触媒と三元触媒などを組み合わせて用いれば、貴金属のCO吸着被毒が緩和されるためCOが低温から着火され、HCの着火性が向上する。また、COを低温で着火させることによって触媒表面の暖機が促進されるため、HC浄化能の早期発現が可能となる。
【0005】
さらにセリアは酸素吸放出能を有し、貴金属(Pt)を担持したセリアでは低温でも酸素吸放出が容易に行われる。そこでセリアを担体とする触媒を用いれば、担体からの酸素供与によって貴金属に吸着被毒したCOを酸化浄化するだけでなく、その反応熱によって触媒全体の温度が上昇する。したがって担持されている貴金属はその活性化温度に速やかに昇温され、HC浄化活性が早期に発現される。
【0006】
しかしセリアに貴金属を担持した触媒では、高温時にセリアにシンタリングが生じ、それに伴って貴金属にも粒成長が生じて活性点が減少するため、高温耐久後の浄化活性が低下するという問題があった。そこで特開2002−211908号公報には、CeO2−Al2O3複合酸化物を担体とした触媒が開示され、この触媒は高温域でも安定であるため高温耐久後の浄化活性に優れていることが記載されている。
【0007】
また特開平04−215845号公報には、遷移金属酸化物よりなる担体に金を除く貴金属を担持した触媒が記載されている。遷移金属酸化物は 250℃以下の低温で酸素を放出し、貴金属に優先的に吸着したCOの酸化が促進される。したがって貴金属のCO吸着被毒が緩和されるとともに、その反応熱によって触媒を昇温することができる。
【0008】
【特許文献1】特表平11−501378号
【特許文献2】特開2002−211908号
【特許文献3】特開平04−215845号
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが遷移金属酸化物よりなる担体に貴金属を担持した触媒では、 200℃以下ではCOの酸化活性が不足し、エンジン始動直後の低温域でHCを酸化除去することは困難であった。またセリアに貴金属を担持した触媒などを用い、 200℃以下の温度においてCOを酸化燃焼できたとしても、その反応熱量が少なく触媒を速やかに昇温できるまでには至らなかった。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、触媒を速やかに昇温できるようにするとともに、それによって低温域からHCを効率よく酸化除去できるようにすることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の排ガス浄化方法の特徴は、CO濃度が1%以上の排ガスを少なくともセリアを含む担体に貴金属を担持してなる触媒に供給してCOを酸化燃焼させ、その燃焼熱によって触媒を昇温し排ガス中のHCを酸化燃焼することにある。
【0012】
触媒は、セリアが他の金属酸化物に微粒子として島状に保持された形態をもち、細孔容積が2cc/g以上であって 900℃以上の高温に晒された後にもセリアの粒子径が30nm以下である特性を有する複合酸化物と、その複合酸化物に担持された貴金属と、からなることが望ましい。
【0013】
また触媒における他の金属酸化物は、少なくともアルミナを含むことが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
例えばPtを担持した触媒を用いた場合、COを酸化燃焼できる温度は約 180℃以上であり、HCの酸化燃焼が生じる温度より低温である。またCOは排ガス中に存在する成分である。したがってCOの燃焼熱を利用して触媒を昇温することが望ましい。ところが排ガス中のCO濃度は、一般に高くても1%の範囲であり、その程度の量では燃焼させたとしても低温域にある触媒の昇温には不十分である。
【0015】
そこで本願発明では、CO濃度が1%以上の排ガスを用いている。このようにCO濃度が高い排ガスを触媒に供給することで、 200℃以下の低温域からCOを酸化燃焼することができ、HCを酸化燃焼できる温度まで触媒を速やかに昇温することができる。したがって、エンジン始動時から触媒が 200℃程度まで昇温されるまでに排出されるHC量を大きく低減することができる。また一酸化窒素(NO)の酸化も生じるので、NOx 吸蔵還元型触媒を用いた場合には、NOx 吸蔵能が向上しNOx 浄化活性が向上する。
【0016】
排ガス中のCO濃度を1%以上に高めるには、排ガス中にCOを添加する方法を用いてもよいが、エンジンの制御によって行うことが好ましい。例えば一般には、良好な混合気を形成するために吸気行程でシリンダ内に燃料が噴射されているが、圧縮行程で燃料を噴射すると、排ガス中のCO濃度を1%以上とすることができる。また空燃比( A/F)をリッチに調整しても排ガス中のCO濃度を1%以上とすることができるが、この方法では燃費が悪化するため好ましくない。このようにエンジン制御によって排ガス中のCO濃度を高める方法を採用すれば、COタンクなどの貯蔵容器が不要となり、現状の環境で容易に行うことができる。
【0017】
触媒として、従来公知の酸化触媒、三元触媒などを用いると、低温域では、COが貴金属に吸着して活性が低下するという不具合がある。そこで本発明では、少なくともセリアに貴金属を担持した触媒を用いることが好ましい。この触媒は酸素吸放出能を有するため、COの酸化活性が高く貴金属に吸着したCOも速やかに酸化燃焼されるので、活性の低下が生じない。またこの触媒によれば、 200℃以下の低温においても酸素吸放出能が発現されCOの酸化活性が高い。したがって始動時からの低温域においてもCOを効率よく酸化燃焼することができ、CO濃度が1%以上の排ガスの供給によりその反応熱量が多大となる。したがって触媒が早期に貴金属の活性化温度に到達し、排ガス中のHCを酸化燃焼することができる。
【0018】
しかしこの触媒では、熱によってセリアがシンタリングして酸素吸放出能が低下し、セリアのシンタリングによって担持されている貴金属の粒成長が生じ活性が低下するため実用性に問題があった。
【0019】
そこで特開2002−211908号公報に開示された触媒を用いることが望ましい。この触媒は、セリアが他の金属酸化物に微粒子として島状に保持された形態をもち、細孔容積が2cc/g以上であって、 900℃以上の高温に晒された後にもセリアの粒子径が30nm以下である特性を有する複合酸化物と、その複合酸化物に担持された貴金属と、から構成されている。
【0020】
この触媒では、セリア粒子が他の金属酸化物に島状に保持されて互いに分離され、セリア粒子どうしの接触が抑制されているので、シンタリングがほとんど生じない。これにより、セリアに担持されている貴金属の粒成長も抑制される。そして微細なセリア粒子に担持されている貴金属は、高温耐久後においてもセリアとの接触界面が多く存在し、互いの固相反応が抑制されているため粒成長がさらに抑制され、活性点を多く有している。そしてセリア粒子は粒成長が抑制されているためその酸素吸放出能を高く発現し、貴金属の活性低下も抑制されているので、高温耐久後も高い活性が発現される。
【0021】
複合酸化物を構成する他の金属酸化物は Al2O3,SiO2,TiO2,SiO2−Al2O3及びTiO2−Al2O3から選ばれる少なくとも一種とすることができる。少なくとも Al2O3を含むことが望ましく、 Al2O3を主成分とすることが望ましい。
【0022】
セリアと他の金属酸化物との構成比率は、モル比でセリウム元素:他の金属元素=8:2〜 0.5: 9.5の範囲とするのが望ましい。セリアがこの範囲より少ないと酸素吸放出能が不十分となり、他の金属酸化物がこの範囲より少なくなると熱安定性が低下してしまう。
【0023】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
【0024】
(実施例1)
市販の硝酸アルミニウム9水和物 0.2モル(75.1g)を2000mlのイオン交換水に混合し、プロペラ撹拌器で5分間撹拌して溶解した。そこへ濃度28重量%の硝酸セリウム水溶液 304g(CeO2換算で 0.5モル相当)を混合し、さらに5分間撹拌した。
【0025】
得られた混合水溶液に、25%アンモニア水 177gを加え、さらに10分間撹拌して沈殿物を含む水溶液とした。これを2気圧の加圧下にて 120℃で2時間熱処理する熟成工程を行い、沈殿物を熟成した。
【0026】
その後、熟成された沈殿物を含む水溶液を 100℃/時間の昇温速度で加熱し、 400℃で5時間か焼してCeO2−Al2O3複合酸化物粉末を調製した。得られたCeO2−Al2O3複合酸化物粉末は、約89重量%のCeO2と約11重量%の Al2O3から構成されている。
【0027】
得られたCeO2−Al2O3複合酸化物粉末 200gと、セリアゾル(固形分15%) 148gと、純水40gをメジアン径D50約7μmまで湿式粉砕し、スラリーを得た。このスラリーをコージェライト製ハニカム基材( 400セル/インチ、3ミル)にコートし 110℃で通風乾燥後 500℃で1時間焼成してコート層を固定した。必要に応じてコート過程を繰り返し行い、ハニカム基材1リットルあたり 150gのコート層を形成した。続いてジニトロジアンミン白金水溶液を用いてPtを吸水担持し、所定温度で焼成して触媒を調製した。ハニカム基材1リットルあたりPtは5g担持されている。
【0028】
得られた触媒を、排気量2Lのガソリン直噴エンジンを搭載したエンジンベンチの排気系に弁を介して配置し、弁を開くことで室温にある触媒に排ガスが一気に流通するように調整した。そしてエンジンの圧縮行程で燃料をシリンダ内に噴射し、 A/F=15.0で燃焼するように調整した。なお、上記燃焼条件における排ガス中のCO濃度は 1.5〜 2.0%であり、吸気行程で燃料を噴射した場合に比べてCO濃度は 1.5〜2倍となる。
【0029】
エンジンを駆動してしばらく放置した後、弁を開いて 350℃の排ガスを触媒に流通させ、触媒温度が室温から 200℃まで昇温するまでに排出されたHC量の積算値を測定し、結果を図1に示す。
【0030】
(実施例2)
実施例1で調製された触媒を用い、エンジンの圧縮行程で燃料をシリンダ内に噴射し、 A/F=14.5で燃焼するように調整したこと以外は実施例1と同様にして、触媒温度が室温から 200℃まで昇温するまでに排出されたHC量の積算値を測定した。結果を図1に示す。なお、上記燃焼条件における排ガス中のCO濃度は 2.0〜 2.5%である。
【0031】
(比較例1)
CeO2−Al2O3複合酸化物粉末に代えて Al2O3粉末を用い、Ptに代えてPdを同量担持したこと以外は実施例1と同様に調製された触媒を用い、実施例1と同様にして、触媒温度が室温から 200℃まで昇温するまでに排出されたHC量の積算値を測定した。結果を図1に示す。
【0032】
(比較例2)
比較例1と同様の触媒を用い、エンジンの圧縮行程で燃料をシリンダ内に噴射し、 A/F=14.5で燃焼するように調整したこと以外は実施例1と同様にして、触媒温度が室温から 200℃まで昇温するまでに排出されたHC量の積算値を測定した。結果を図1に示す。
【0033】
(比較例3)
実施例1で調製された触媒を用い、エンジンの吸気行程で燃料をシリンダ内に噴射し、 A/F=15.0で燃焼するように調整したこと以外は実施例1と同様にして、触媒温度が室温から 200℃まで昇温するまでに排出されたHC量の積算値を測定した。結果を図1に示す。なお、上記燃焼条件における排ガス中のCO濃度は 0.4〜 0.7%である。
【0034】
(比較例4)
実施例1で調製された触媒を用い、エンジンの吸気行程で燃料をシリンダ内に噴射し、 A/F=15.0で燃焼するように調整したこと以外は実施例1と同様にして、触媒温度が室温から 200℃まで昇温するまでに排出されたHC量の積算値を測定した。結果を図1に示す。
【0035】
<評価>
表1に、各実施例及び各比較例で用いた触媒の担体と、排ガス中のCO濃度との一覧表を示す。
【0036】
【表1】
【0037】
図1において、実施例1の浄化方法によれば比較例3の浄化方法に比べてHC排出量が大きく低減されていることがわかる。これは、排ガス中のCO濃度が1%以上の排ガスを用いたことに起因していることが明らかであり、 200℃以下の低温域でCOが燃焼し、その反応熱によって触媒が速やかに昇温されHCが浄化されたと考えられる。
【0038】
また実施例1と比較例1との比較、あるいは実施例2と比較例2との比較から、CeO2−Al2O3複合酸化物を担体とした触媒を用いることで、低温域のHC浄化活性が向上していることが明らかである。
【0039】
そして比較例3の浄化方法では、比較例4に比べてHC排出量が小さいことから、CeO2−Al2O3複合酸化物を担体とした触媒を用いることで低温域の活性がある程度向上することがわかる。しかし実施例1と実施例2のHC排出量の差は、比較例3と比較例4のHC排出量の差より大きいことから、CO濃度の高い排ガスを流し、かつCeO2−Al2O3複合酸化物を担体とした触媒を用いることで、相乗効果が発現され、低温域のHC浄化活性が格段に向上することが明らかである。
【0040】
【発明の効果】
すなわち本発明の排ガス浄化方法によれば、エンジン始動から触媒がHC浄化活性温度に到達するまでの時間を大幅に短縮することができ、その間に排出されるHCの排出量を大きく低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例の浄化方法において、エンジン始動から触媒温度が 200℃に到達するまでに排出されたHC量の積算値を示すグラフである。
Claims (3)
- 一酸化炭素濃度が1%以上の排ガスを少なくともセリアを含む担体に貴金属を担持してなる触媒に供給して一酸化炭素を酸化燃焼させ、その燃焼熱によって該触媒を昇温し該排ガス中の炭化水素を酸化燃焼することを特徴とする排ガス浄化方法。
- 前記触媒は、セリアが他の金属酸化物に微粒子として島状に保持された形態をもち、細孔容積が2cc/g以上であって 900℃以上の高温に晒された後にもセリアの粒子径が30nm以下である特性を有する複合酸化物と、該複合酸化物に担持された貴金属と、からなる請求項1に記載の排ガス浄化方法。
- 前記他の金属酸化物は少なくともアルミナを含む請求項2に記載の排ガス浄化方法。
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