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JP2004262036A - グラビア印刷ロール及び水性グラビアインキを用いて行うグラビア印刷方法 - Google Patents

グラビア印刷ロール及び水性グラビアインキを用いて行うグラビア印刷方法 Download PDF

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JP2004262036A JP2003053535A JP2003053535A JP2004262036A JP 2004262036 A JP2004262036 A JP 2004262036A JP 2003053535 A JP2003053535 A JP 2003053535A JP 2003053535 A JP2003053535 A JP 2003053535A JP 2004262036 A JP2004262036 A JP 2004262036A
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Tatsuo Shigeta
龍男 重田
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Think Laboratory Co Ltd
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Abstract

【課題】ドクターブレードに掛けられるFMスクリーンを有し、FMスクリーンのメリットが得られるとともに、水性インキを使用したグラビア印刷を行った場合に版かぶりが起きにくいグラビア印刷ロール及び水性グラビアインキを用いて行うグラビア印刷方法。
【解決手段】画線部が、ドクターブレードによるインキ掻き取りが可能であるようにベタのシャドウ部にスクリン線が残るFMスクリーンであり、しかも、非画線部にインクの転移が不能である大きさのドット状凹部がFMスクリーンのハイライト部のランダムなピッチ配列で形成されている。藍、赤、黄及びこれに墨と白を加えた5色のプロセスカラーから成る水性グラビアインキを用いることにより、目的とする色彩及び色調の文字又は模様を基材上に印刷する
【選択図】図3

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本願発明は、水性インキを使用したグラビア印刷を行った場合に版かぶりが起きにくいグラビア印刷ロール及び水性グラビアインキを用いて行うグラビア印刷方法に関するものである。
又、本願発明は、好ましくは、オフセット印刷等において適用可能なFMスクリーン(Frequency Modulation Screen)にスクリン線を加えてドクターブレードに掛けられるFMスクリーンを有するグラビア版を用い、かつ、FMスクリーンのメリットが得られるとともに、水性インキを使用したグラビア印刷を行った場合に版かぶりが起きにくいグラビア印刷ロール及び水性グラビアインキを用いて行うグラビア印刷方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
版かぶりが起きるメカニズムについて考察する。
油性インキを用いるグラビア印刷において、版面を鏡面にすると、ドクターブレードによる非画線部に付着するインキの掻き取りが完全に行われる結果、ドクターブレードと版面との潤滑性が極端に悪くなり、ドクターブレードが振動を起こして非画線部にインキを多く残すことになるので版かぶりが起き易くなる。
そこで、セルを形成し、クロムメッキしてから、ペーパー研磨して非画線部に砂目立てを行うことで、セルの縁のクロムメッキのバリ取りだけではなくて、非画線部に砂目の凹部を形成し、ドクターブレードによる非画線部に付着するインキの掻き取りを不完全に行わせて砂目の凹部に微量の油性インクを残留させることにより、ドクターブレードと版面との潤滑性を良好に維持し、ドクターブレードが振動を起こすことを回避するとともに、砂目立ての凹部に残留させる微量の油性インク中に含まれるトルエン等の溶剤がインキの転移前に蒸散してしまうことにより非画線部におけるインキの転移を回避でき、もって版かぶりが起きないグラビア印刷を達成している。
従って、版かぶりは、非画線部の砂目の凹部が十分に存在しない個所で起き易い。砂目の凹部は、インクの転移が不可である条件を確保して潤滑性を確保するための役目を果たしている。
【0003】
他方、水性インキを用いるグラビア印刷にあっては、セルを浅く形成してインクの転移量を少なくすることにより、水とアルコールの蒸散速度をトルエン等に比べて同等として、油性インキを用いるグラビア印刷と同等の印刷速度を確保しており、セルを浅く形成してインクの転移量が少なくても必要な印刷濃度を確保するために、高濃度インキを使用している。
しかるに、水性インキを用いるグラビア印刷にあっては、ドクターブレードによる非画線部に付着する水性インキの掻き取り性が油性インクに比べて劣るので、砂目立ての凹部に残留するインク量が多くなりしかも高濃度インキであるのでインキ中に含まれる水とアルコールの蒸散速度がトルエン等に比べて遅くなることから版かぶりが起き易い。
版かぶりは、非画線部の砂目立ての凹部が存在する個所でも起きてしまい、砂目立ては油性インキを用いるグラビア印刷の場合に比べて十分過ぎる程に行って潤滑性を確保する必要がある。しかしながら、砂目立てを過分に行うと、図柄部分、特に最シャドウ部のスクリーン線を傷めてしまう惧れがある。
【0004】
特開2001−30611号公報の従来の技術の記載をそっくり引用する。
従来から、グラビア印刷においては一般的に有機溶剤型(油性)インキが使用され、また用いるインキの色合わせは、藍、赤、黄及びこれに墨と白を加えたプロセスカラーによる単独又は重ね刷り以外に、顧客が要求する特別な色(以下「特色」という)をその都度調色(調肉ともいう)するか、大量に調色が必要な場合にはインキメーカーにおいて調色したものを印刷メーカーが購入して使用している。又、版は、一般的に有機溶剤型のインキの持つ特性から、着肉性及び階調性を満足するために、専ら低メッシュ(線数175線前後)で深版(版深18〜30μ)のものを使用している。
【0005】
このため、従来の有機溶剤型グラビアインキを用いるグラビア印刷方法においては、次のような問題がある。
1.インキが有機溶剤型である為、印刷工場としての労働環境の問題、防災上の問題、溶剤の大気放出による地球環境の問題、さらには食品包装用フィルムとして使用した場合には残留溶剤の問題などがある。
2.版は有機溶剤型インキの場合、乾燥が早いこと及び印刷の階調性が狭いことから、上記のとおり、版深が深く、且つメッシュが低メッシュで製版されたものが使用されているため、インキの使用量が多くなり、これが印刷コストの高騰を招く大きな要因となっている。
3.現在のグラビア印刷の場合、上記プロセスカラーインキによる単独又は重ね刷り以外に、特色(顧客特有の色)が多用されているため、色数と版数が増え、印刷までの段取り時間ロス、調色ロスが増え、さらに特色の場合には他に用途が無いことから、残インキ量が増え、コストに影響を及ぼすばかりでなく、顧客の都合によっては廃棄処分となり、省資源の立場からも改善が必要である。
4.最近の市場動向が多品種、小ロット化、短納期化している為、コスト問題がますます厳しく、さらに環境問題、食品衛生問題が大きな社会問題としてクローズアップされるようになって来ているが、有機溶剤型インキを使用すると、これら社会のニーズに応えにくいという問題がある。
【0006】
以上の理由から、有機溶剤を用いない水性グラビアインキを用いる印刷方法が注目されている。しかし、この水性グラビアインキにおいては、上記した有機溶剤使用から派生する問題はなくなるが、一方、水性なるが故の本質的欠点として乾燥不良や水溶媒に対するインキの再溶解性不良及び表面張力による版面へのインキ濡れ不良のために、現在の有機溶剤型インキと同一手法で製版された版では、印刷速度の低下を来すばかりでなく版かぶりや階調不良等の問題が発生し、高品質の印刷物を得られないという欠点がある。(特開2001−30611の引用終わり)
【0007】
従来、実用されているグラビア製版方法は、被製版ロールに感光膜を塗布形成し、レーザー露光により潜像を形成し、現像してレジストマスクを形成し、厚付硫酸銅メッキの露出面をエッチングしてセルを形成しレジスト画像を除去し最後にクロムメッキしてなるフォトリソグラフィー法と、被製版ロールに対して電子彫刻機によりセルを彫刻しクロムメッキしてなる彫刻法、その他レーザー彫刻法がある。
【0008】
従来、実用されているグラビア製版方法は、フォトリソグラフィー法と彫刻法等のいずれも、AMスクリーンであった。
図4は通常のグラビア版のAMスクリーン(Amplitude Modulation Screen)を示す。グラビア版では、階調表現を網点の大小で表し、ドクターでインキをセルに入れ余分なインキを掻き取る必要があるので、最シャドウ部のスクリン線の面積は20%〜30%になる。すなわち、グラビア版では、印刷物のグラデーション0〜100%に対して版のグラデーションは0〜75%前後で表現する版として構成される。
【0009】
図5はオフセット印刷版やフレキソ印刷版のAMスクリーンを示す。オフセット印刷版等のAMスクリーンも階調表現を網点の大小で表すが、グラビア版とは異なりスクリン線が不要なので、印刷物のグラデーション0〜100%に、版のグラデーションが0〜100%と略正確に対応している。
【0010】
近年、オフセット印刷やフレキソ印刷の分野では、図5に示す従来のAMスクリーン方式に替えて、図6に示すように、階調表現を微小網点の個数で表すFMスクリーン(Frequency Modulation Screen)方式が欧米を中心に実用化されはじめている。FMスクリーン技術は、微細構造表現力が使用される最小描画ドットの解像度を得られるため、低解像度の出力機であるプリンターやオンデマンド印刷機からの出力においても画像品質向上が期待されているが、グラビア印刷ではドクターでインキをセルに入れ余分なインキを掻き取るためのスクリン線がないので全く適用する試みがなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明は、水性インキを使用したグラビア印刷を行った場合に版かぶりが起きにくいグラビア印刷ロール及び水性グラビアインキを用いて行うグラビア印刷方法を提供することを目的としている。
又、本願発明は、オフセット印刷等において適用可能なFMスクリーン(Frequency Modulation Screen)にスクリン線を加えてドクターブレードに掛けられるFMスクリーンを有するグラビア版を用い、かつ、FMスクリーンのメリットが得られるとともに、水性インキを使用したグラビア印刷を行った場合に版かぶりが起きにくいグラビア印刷ロール及び水性グラビアインキを用いて行うグラビア印刷方法を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
[請求項1]に記載の発明は、画線部がAMスクリーンであるか、又はベタのシャドウ部にスクリン線が残るFMスクリーンであるか、又はグラデーションが0〜100%であるFMスクリーンにAMスクリーンのベタのシャドウ部のスクリン線を重畳させた複合スクリーンのいずれかであり、非画線部にインクの転移が不能である大きさのドット状凹部がAMスクリーンのピッチ配列で形成されているか、又はFMスクリーンのハイライト部のランダムなピッチ配列で形成されていることを特徴とするグラビア印刷ロールを提供するものである。
[請求項2]に記載の発明は、〔請求項1〕に記載のグラビア印刷ロールを用い、かつ、適宜に選択した色の水性グラビアインキを用いるか、又は調色された特色の水性グラビアインキを用いるか、又は藍、赤、黄及びこれに墨と白を加えた5色のプロセスカラーから成る水性グラビアインキを単独で用いるか、又は任意に重ね刷りを行うことにより、目的とする色彩及び色調の文字又は模様を基材上に印刷することを特徴とする水性グラビアインキを用いて行うグラビア印刷方法を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施の最良の形態のグラビア印刷ロールは、画線部が、ドクターブレードによるインキ掻き取りが可能であるようにベタのシャドウ部にスクリン線が残るFMスクリーンであるか、又、グラデーションが0〜100%であるFMスクリーンにAMスクリーンのベタのシャドウ部のスクリン線を重畳させた複合スクリーンであり、しかも、非画線部にインクの転移が不能である大きさのドット状凹部がFMスクリーンのハイライト部のランダムなピッチ配列で形成されている構成である。ドット状凹部は3〜8μm角とするのが好ましい。ドット状凹部を小さくするときは、反比例されて分布数を多くするのが好ましい。
具体的には、版を形成する前の版情報に対して最少セルがインキの転移が良好に行なわれる所要の大きさであるようにFMスクリーニングを行なって得られるFMスクリーンのデジタル情報とAMスクリーンのグラビア版の最シャドウ部のスクリン線のみのデジタル情報とを重畳させてなるデジタル版情報に基づいてネガマスクを形成して製版することができる。従って、セルの形成には、フォトリソグラフィー法、インクジェットによるネガ膜形成・エッチング法と、レーザー彫刻法が適用できる。
FMスクリーンにすると、版深は17μより浅くなり、通常において15μm位である。この構成であると、FMスクリーンのメリットが得られるとともに、水性インキを使用したグラビア印刷を行った場合に版かぶりが起きにくい。この版胴は、スクリン線が必要となる濃度領域でセルは細溝状に複雑に曲がって何処かにつながっているから版深が浅くてもフリーフローセルとなってインキの中抜けが回避され、面ムラの発生や印刷色調のバラつきが回避され、高品質が得られる。他方、スクリン線は細かく断続しているがAMスクリーンにおけるスクリン線の断続とは異なりドクターによるインキ掻き取り機能に支障を生じない。
FMスクリーンのメリットとして、具体的には、エッチング法により形成されるグラビア版のAMスクリーンの、セルが非常に小さいハイライト部においてインキがセル内に詰まってしまうことに起因するインキの転移が不良であるという欠点を克服でき、最シャドウ部のスクリン線の交差部をインキが流れるように欠いて交差部にインキが確実に転移し得るとともに文字の輪郭をギザギザがないアウトラインとすることができ、最シャドウ部のセルも浅いので水性インキを使用する印刷に適しているという長所を享受でき、ハイライト部から中間調部においてFMスクリーンがAMスクリーンよりも優れているメリットとして、モアレの発生を回避でき、5色以上の印刷でも線切れが起こらないことや高解像度の印刷再現ができることやデンシティージャンプが目立たないこと等のメリットが享受でき、特に、高品質の水性グラビア印刷物を提供することができる。
本願発明は、画線部がAMスクリーンであり、しかも、非画線部にインクの転移が不能である大きさのドット状凹部がAMスクリーンのピッチ配列で形成されているグラビア印刷ロールも含まれる。この構成であると、水性インキを使用したグラビア印刷を行った場合に版かぶりが起きにくい。セルの形成には、フォトリソグラフィー法、電子彫刻機による彫刻法と、インクジェットによるネガ膜形成・エッチング法と、レーザー彫刻法が適用できる。
画線部をAMスクリーンとするときは、非画線部にインクの転移が不能である大きさのドット状凹部を形成するだけでなくて、さらに、線数200〜400線前後の高メッシュで版深が12〜20μの浅版とすることが、水性インキを使用したグラビア印刷を行った場合に版かぶりが一層起きにくい。
なお、非画線部のドット状凹部の分布の方式は、画線部のAMスクリーンやFMスクリーンの分布の方式に関係無く設けることができる。画線部がAMスクリーンだから、非画線部もAMスクリーンの配列とする限定は特に必要無い。このグラビア印刷ロールは、油性グラビアインキを用いて行うグラビア印刷方法への適用を排除するものではない。
【0014】
最良の形態の水性グラビアインキを用いて行うグラビア印刷方法は、前記のグラビア印刷ロールを用い、かつ、又は藍、赤、黄及びこれに墨と白を加えた5色のプロセスカラーから成る水性グラビアインキを用いることにより、目的とする色彩及び色調の文字又は模様を基材上に印刷するものである。
水性グラビアインキは、藍、赤、黄及びこれに墨と白を加えた5色から成るプロセスカラーインキを用いて単独又は重ね刷りを行い、目的とする色彩と色調を出すことが基本である。
この5種類のプロセスカラーインキは水性インキ用樹脂を主成分とし、これに顔料さらに任意の添加剤を加え、水又は水とアルコール等からなる溶剤に混合して調整されたものである。
本願発明の水性グラビアインキを用いて行うグラビア印刷方法は、適宜に選択した色の水性グラビアインキを用いるか、又は調色された特色の水性グラビアインキを用いても良い。
調色された特色の水性グラビアインキを印刷の一部に、又は全部に用いることも可能であり、又、この調色された特色の水性グラビアインキを用いる場合の製版も同一手法である。
【0015】
本願発明にかかるグラビア印刷版は、具体的には、例えば図1、図2、図3に示す。
図1に示す版は、画線部が0%〜75%のAMスクリーンのグラデーションであり、非画線部にインクの転移が不能である大きさのドット状凹部がAMスクリーンのピッチ配列で形成されている。ドット状凹部は8μm角とした。
図2に示す版は、画線部が0%〜75%のFMスクリーンのグラデーションであり、非画線部にインクの転移が不能である大きさのドット状凹部がAMスクリーンのピッチ配列で形成されている。
図3に示す版A3は、版Bと版Cを併せたものである。Bは、版を形成する前の版情報として0%〜100%のグラデーションを用意した場合、これをFMスクリーニングプログラムによりFMスクリーニングを行なって得られるFMスクリーンのデジタル情報を表示したものに、インクの転移が不能である大きさのドット状凹部がAMスクリーンのピッチ配列で形成されている非画線部を付け足したものである。Cは、版を形成する前の版情報をAMスクリーニングしてシャドウ部の領域又は中間調部のシャドウ部寄りからシャドウ部の領域に対応して得られたAMスクリーンの最シャドウ部のスクリン線で表示されるAMスクリーン情報を表示したものである。従って、A3は、Bに示すFMスクリーンのデジタル情報と、Cに示すAMスクリーンのスクリン線のみのデジタル情報とを重畳させたデジタル版情報を表示したものである。
従って、版A3は、版を形成する前の版情報に対して、最少セルがインキの転移が良好に行なわれる所要の大きさであるようにしてハイライト部からシャドウ部までの領域をFMスクリーニングしてなるFMスクリーン情報B(光学情報として図示している)の中間調部のシャドウ部寄りからシャドウ部までの領域に、グラビア版のAMスクリーンの最シャドウ部のスクリン線のみの情報C(光学情報として図示している)を重畳させて作られていることにより、ハイライト部から中間調部までの領域では純粋にFMスクリーンでありザラツキの発生がなく、しかも、最少セルがインキの転移が良好に行なわれる所要の大きさに規制されており、中間調部から桝目状のAMスクリーンがFMスクリーンがベースに徐々に発生して、シャドウ部の領域では完全にAMスクリーンになり、非画線部では、インクの転移が不能である大きさのドット状凹部がAMスクリーンのピッチ配列で形成されている、グラビア印刷版となっている。
このグラビア印刷版は、シャドー部においてはグラビア印刷に必要な桝目状のAMスクリーンでありかつ桝目内にFMスクリーンのドットがあり光学濃度が偏重しており印刷物において十分な光学濃度を得られ、シャドー部から中間調部に移行する領域は、桝目状のAMスクリーンが徐々に消えてFMスクリーンのドットに移行していき、中間調部からハイライト部では、グラビア版のAMスクリーンの最シャドウ部のスクリン線を重畳させていないので純粋にFMスクリーンであり、しかも最少セルがインキの転移が良好に行なわれる所要の大きさに規制されているからインクの転移が良好で、FMスクリーンの優れている点が得られる。そして、非画線部では、インクの転移が不能である大きさのドット状凹部が分布形成されているから、ドクターブレードと版面の潤滑性が確保されて版かぶりが起きにくい。
【0016】
【実施例1】
市販の水性インキと水/エタノール/イソプロピルアルコール/水性ポリウレタン/ポリビニルピロリドンが50%/20%/15%/5%/3%の希釈剤を用いて印刷粘度がザーンカップ♯3−15秒の印刷インキ、藍、赤、黄の3原色プラス墨、白と2つの特色を調色し、藍、赤、黄の3原色プラス墨、白と2つの特色の7色7版を図1に示すように作り、被印刷材料として、OPP×20μmに対し130m/sのフィルム走行速度でグラビア印刷を行った。この結果、得られた印刷には、版かぶり等の障害が認められず、高品質の印刷物を得ることができた。
【0017】
【実施例2】
市販の水性インキと水/エタノール/イソプロピルアルコール/水性ポリウレタン/ポリビニルピロリドンが50%/20%/15%/5%/3%の希釈剤を用いて印刷粘度がザーンカップ♯3−15秒の印刷インキ、藍、赤、黄の3原色プラス墨、白と2つの特色を調色し、藍、赤、黄の3原色プラス墨、白と2つの特色の7色7版を図2に示すように作り、被印刷材料として、OPP×20μmに対し130m/sのフィルム走行速度でグラビア印刷を行った。この結果、得られた印刷には、版かぶり等の障害が認められず、高品質の印刷物を得ることができた。
【0018】
【実施例3】
市販の水性インキと水/エタノール/イソプロピルアルコール/水性ポリウレタン/ポリビニルピロリドンが50%/20%/15%/5%/3%の希釈剤を用いて印刷粘度がザーンカップ♯3−15秒の印刷インキ、藍、赤、黄の3原色プラス墨、白と2つの特色を調色し、藍、赤、黄の3原色プラス墨、白と2つの特色の7色7版を図3に示すように作り、被印刷材料として、OPP×20μmに対し130m/sのフィルム走行速度でグラビア印刷を行った。この結果、得られた印刷には、版かぶり等の障害が認められず、高品質の印刷物を得ることができた。
【0019】
上記の実施例2と3については、FMスクリーンのメリットが得られた。すなわち、エッチング法により形成されるグラビア版のAMスクリーンの、セルが非常に小さいハイライト部においてインキがセル内に詰まってしまうことに起因するインキの転移が不良であるという欠点の克服と、最シャドウ部のスクリン線の交差部をインキが流れるように欠いて交差部にインキが確実に転移し得るとともに文字の輪郭をギザギザがないアウトラインとすることができること、最シャドウ部のセルも浅いので水性インキを使用する印刷に適しているという長所の享受と、ハイライト部から中間調部においてFMスクリーンがAMスクリーンよりも優れているメリットとして、モアレの発生を回避できること、5色以上の印刷でも線切れが起こらないこと、高解像度の印刷再現ができること、デンシティージャンプが目立たないこと等のメリットが享受でき、特に、高品質の水性グラビア印刷物を提供することができる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本願発明によれば、水性インキを使用したグラビア印刷を行った場合に版かぶりが起きにくいグラビア印刷ロール及び水性グラビアインキを用いて行うグラビア印刷方法を提供できる。
特に、スクリン線を加えてドクターブレードに掛けられるFMスクリーンを有するグラビア版を用いるときには、FMスクリーンのメリットが得られるグラビア印刷ロール及び水性グラビアインキを用いて行うグラビア印刷方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明のグラビア印刷版の第一の実施の態様にかかり、画線部がAMスクリーンであるグラデーションを示す。
【図2】本願発明のグラビア印刷版の第二の実施の態様にかかり、画線部がベタのシャドウ部にスクリン線が残るFMスクリーンであるグラデーションを示す。
【図3】本願発明のグラビア印刷版の第三の実施の態様にかかり、画線部がグラデーションが0〜100%であるFMスクリーンにAMスクリーンのベタのシャドウ部のスクリン線を重畳させた複合スクリーンを示す。
【図4】従来のグラビア版の通常のAMスクリーンを示す図。
【図5】従来のオフセット印刷等に用いられる通常のAMスクリーンを示す図。
【図6】従来のオフセット印刷等に用いられるFMスクリーンを示す図。

Claims (2)

  1. 画線部がAMスクリーンであるか、又はベタのシャドウ部にスクリン線が残るFMスクリーンであるか、又はグラデーションが0〜100%であるFMスクリーンにAMスクリーンのベタのシャドウ部のスクリン線を重畳させた複合スクリーンのいずれかであり、非画線部にインクの転移が不能である大きさのドット状凹部がAMスクリーンのピッチ配列で形成されているか、又はFMスクリーンのハイライト部のランダムなピッチ配列で形成されていることを特徴とするグラビア印刷ロール。
  2. 〔請求項1〕に記載のグラビア印刷ロールを用い、かつ、適宜に選択した色の水性グラビアインキを用いるか、又は調色された特色の水性グラビアインキを用いるか、又は藍、赤、黄及びこれに墨と白を加えた5色のプロセスカラーから成る水性グラビアインキを単独で用いるか、又は任意に重ね刷りを行うことにより、目的とする色彩及び色調の文字又は模様を基材上に印刷することを特徴とする水性グラビアインキを用いて行うグラビア印刷方法。
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