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JP2004259556A - メタライズ組成物、並びにセラミック配線基板およびその製法 - Google Patents

メタライズ組成物、並びにセラミック配線基板およびその製法 Download PDF

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裕美 山田
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Abstract

【課題】表面平滑なメタライズ配線層を形成できるメタライズ組成物、並びに、前記メタライズ配線層を具備して高周波領域での伝送特性に優れたセラミック配線基板およびその製法を提供する。
【解決手段】少なくとも金属粉末および無機粉末を含有してなるメタライズ組成物であって、前記金属粉末および前記無機粉末のうちいずれかが中空粉末からなる。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メタライズ組成物、並びにセラミック配線基板およびその製法に関し、特に、セラミック絶縁層との同時焼成に適し、かつ表面が平滑なメタライズ配線層を得ることのできるメタライズ組成物、並びにこのメタライズ組成物により構成されるセラミック配線基板およびその製法に関する。
【0002】
【従来技術】
近年、セラミック配線基板においては、半導体素子の高速、高周波化に伴い、高周波回路の対応性、高密度化、高速伝送化が要求され、半導体素子の実装が従来のワイヤボンディング方式から、半導体素子とセラミック配線基板との接続間距離を短くできるフリップチップ方式が低インダクタンス化のために採用されている。また、セラミック配線基板自体も従来のアルミナ系のセラミック絶縁層に比較して低い誘電率が得られかつメタライズ配線層の低抵抗化が可能なセラミック配線基板が一層注目されている。
【0003】
このようなセラミック配線基板としては、一般にガラス成分を含有するセラミック絶縁層からなる絶縁基板に、銅、金、銀などの低抵抗金属を主体とするメタライズ配線層を施したものが知られており、このようなセラミック配線基板を作製する場合、セラミックグリーンシートの表面に、平均粒径が10μm以下の中実球状の銅粉末および無機粉末を含有する導体ペーストを用いてメラライズパターンを形成し、次に、このメタライズパターンが形成されたセラミックグリーンシートを複数積層し、メタライズパターンとセラミックグリーンシートとを同時焼成して製造されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−43730号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、導体ペーストを構成する金属粉末に上記のような中実球状の金属粉末や無機粉末を用いたのでは、金属粉末の見かけの比重が大きくなり調製される導体ペーストの密度が高くなっていた。
【0006】
このため、メタライズ配線層の低抵抗化という観点から導体ペースト中に添加される無機粉末や有機成分の量が金属粉末量に対して制限され、メタライズ組成物の焼成収縮量を制御することが困難となり、セラミック配線基板の反りを高精度に制御できないという問題があった。
【0007】
また、上記のような中実球状の金属粉末および無機粉末を用いた場合には焼成後においてもメタライズ配線層中に原料粉末の状態で残存しやすいことから、セラミック絶縁層との接合界面の表面粗さ(Rmax)が大きくなり、メタライズ配線層の導電性において、特に表皮効果の現れる高周波領域において伝送特性が低下するという問題があった。
【0008】
従って、本発明は、焼成収縮量を制御することが容易となるとともに表面平滑なメタライズ配線層を形成できるメタライズ組成物、並びに、前記メタライズ配線層を具備して高周波領域での伝送特性に優れたセラミック配線基板およびその製法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のメタライズ組成物は、少なくとも金属粉末および無機粉末を含有してなるメタライズ組成物であって、前記金属粉末および前記無機粉末のうちいずれかが中空粉末からなることを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、メタライズ組成物中に含まれる金属粉末および無機粉末のうちいずれかが中空状であることから、粉末自体の質量を低くでき、これらの金属粉末および無機粉末を含有するメタライズ組成物を用いて調製される導体ペーストの密度を低く抑えることができる。こうして上記のメタライズ組成物を用いて形成されるメタライズパターンの焼成収縮量を制御することが容易となり、このようなメタライズ組成物をセラミック配線基板のメタライズ配線層として採用した場合、中実球状の金属粉末や無機粉末を用いた従来の場合に比較してセラミック配線基板の反りを高精度に制御することが可能となる。
【0011】
また、上記のような中空の金属粉末および無機粉末は焼成中に変形しやすいことからメタライズ配線層が平滑化しやすくなり、セラミック絶縁層との接合界面の表面の面粗さ(Rmax)を低減でき、メタライズ配線層の導電性において、特に表皮効果の現れる高周波領域において伝送特性を高めることができる。
【0012】
上記メタライズ組成物では、前記金属粉末と前記無機粉末、それぞれの最大径が50μm以下であることが望ましい。また、金属粉末および無機粉末の最大径を規定することにより、メタライズ組成物の分散性をさらに高めることができ、さらに均一な焼成収縮が得られ表面平滑性をさらに向上できる。
【0013】
上記メタライズ組成物では、金属粉末が銅粉末、銀粉末および金粉末の群から選ばれる少なくとも1種であることが望ましい。上記のような低抵抗金属を用いればガラスセラミック材料などの低温焼成磁器との同時焼成を可能とすることができるとともにメタライズ配線層の導電性を高めることができる。
【0014】
上記メタライズ組成物では、金属粉末に対して無機粉末を0.05〜20質量%含有することが望ましい。金属粉末とともに混合される無機粉末量を上記の範囲とすることにより金属粉末同士の過度の焼結を抑制してメタライズ配線層の均質性並びに平滑性を高めることができる。また、セラミック絶縁層との同時焼成において、メタライズ組成物の焼結助剤としての効果が高まりメタライズ組成物自体の焼結性を高めることができるとともに、セラミック絶縁層との接着強度を向上できる。
【0015】
本発明のセラミック配線基板は、メタライズ配線層とセラミック絶縁層とを交互に積層してなるセラミック配線基板であって、前記メタライズ配線層が上記のメタライズ組成物を焼成して得られたものであることを特徴とする。
【0016】
このような構成によれば、平滑なメタライズ配線層を形成できることからセラミック絶縁層との接合界面あるいはメタライズ配線層自体の表面粗さ(Rmax)を低減でき、特に表皮効果の現れる高周波領域において伝送特性を高めることができる。
【0017】
上記セラミック配線基板では、セラミック絶縁層との接合界面におけるメタライズ配線層界面の粗さ(Rmax)が5μm以下であることが望ましい。メタライズ配線層の界面の粗さを小さくすることにより、上記のように表皮効果の現れる高周波領域において伝送特性をさらに高めることができる。
【0018】
本発明のセラミック配線基板の製法は、セラミックグリーンシート上に銅メタライズパターンを形成する工程と、該銅メタライズパターンが形成された前記セラミックグリーンシートを積層した後に焼成する工程とを具備するセラミック配線基板の製法であって、前記メタライズパターンが上記のメタライズ組成物よりなることを特徴とする。
【0019】
このような製法によれば、セラミック絶縁層との接合界面および表面が平滑なメタライズ配線層を容易に形成でき伝送特性に優れた配線基板を容易に形成できる。
【0020】
また、本発明のように中空状の粉末を用いることによりペーストの充填を制御でき、このためセラミックグリーンシートの焼成収縮量に合わせて容易に適用させることができる。さらに、本発明のメタライズ組成物を用いることによりセラミックグリーンシートの焼成収縮を拘束することもでき、焼結時のセラミック絶縁層の収縮変化を抑制して反りを低減できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のメタライズ組成物およびそれを用いたセラミック配線基板について詳述する。
【0022】
(メタライズ)
本発明のメタライズ組成物は、基本的に金属粉末と無機粉末とを含有してなるものであるが、用いる金属粉末および無機粉末のうちいずれかが中空粉末からなることが重要である。本発明でいうところの中空粉末とは中実球状粉末の内部あるいは外部に気孔などの空隙を形成しているものをいうが、多孔質状不定形粉末であってもよい。
【0023】
特に本発明では、メタライズ組成物の焼成収縮率を制御するという理由から、金属粉末として中空粉末と中実球状との混合粉末を用いることが望ましく、一方、無機粉末としては焼成後にメタライズ配線層中に残存し難いという理由から中空粉末を用いることがより望ましい。この場合、金属粉末中の全量に対する中空粉末の割合は20〜80質量%であることが望ましい。
【0024】
また、本発明では、メタライズ組成物の分散性を高め、焼成後に得られるメタライズ配線層の表面粗さを低減するという理由から、前記金属粉末および前記無機粉末が略球状であることが望ましい。
【0025】
また、上記メタライズ組成物では、混合粉末として分散性をさらに高め、焼成後に形成されるメタライズ配線層の平滑性を向上させるという理由から、金属粉末および無機粉末のそれぞれの最大径が50μm以下であることが望ましく、特に、30μm以下、さらに10μm以下であることがより望ましい。
【0026】
また、上記メタライズ組成物では、金属粉末が銅粉末、銀粉末および金粉末の群から選ばれる少なくとも1種であることが望ましい。特に、低コストで本発明のセラミック配線基板を構成するセラミック絶縁層との同時焼成が可能であるという理由から銅粉末および銀粉末が望ましく、特に、高密度のメタライズ配線層を形成した場合にも耐イオンマイグレーション性が高いという理由から銅粉末がより好ましい。
【0027】
また、上記メタライズ組成物では、金属粉末同士の過度の焼結を抑制してメタライズ配線層の均質性並びに平滑性を高めることができ、かつ、メタライズ組成物自体の焼結性を高めることができるとともに、セラミック絶縁層との接着強度を高めるという理由から、金属粉末に対して無機粉末を0.05〜20質量%含有することが望ましく、特に、1〜10質量%、さらに2〜8質量%であることがより望ましい。
【0028】
本発明のメタライズ組成物を構成する無機粉末としては、セラミック粉末やガラス粉末などの無機粉末のうち何れか1種またはこれらの混合物を用いることが望ましく、特に、金属粉末の磁器中への拡散を抑制するという理由からガラス粉末としては高軟化点のガラス粉末がより望ましい。また、本発明のメタライズ組成物を構成する無機粉末としてはかさ密度が1.5g/cm未満、特に1g/cm未満であることがより望ましい。
【0029】
そして、ガラス粉末としては、ホウ珪酸ガラス、ホウ珪酸亜鉛ガラス、PbO系ガラス、BaO系ガラスのうち少なくとも1種が用いられ、これらのガラス成分は非晶質または焼成後に結晶化するものであってもよい。
【0030】
ガラス粉末以外の無機成分としては、アルミナ、シリカ、ムライト、フォルステライト、ペタライト、ネフェリン、リチウムシリケート、カーネギアライト、ガーナイト、ジルコニアの群から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。その中でアルミナが特に望ましい。
【0031】
(構造)
次に、図面に基づいて、本発明のメタライズ組成物を用いたセラミック配線基板について説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかるセラミック配線基板の構造を示しており、複数のメタライズ配線層を有する多層配線基板である。
【0032】
図1に示すように、セラミック配線基板1は、セラミック絶縁基板2とメタライズ配線層3とから構成されている。
【0033】
セラミック絶縁基板2は、複数のセラミック絶縁層2a〜2dを積層した積層体から構成され、各層間およびセラミック絶縁基板2の表面には、厚みが5〜30μmの配線層3が被着形成されている。また、セラミック絶縁基板2内には、セラミック絶縁層2a〜2cの厚さ方向に貫通した直径が50〜200μm程度のビアホール導体4が形成されている。
【0034】
セラミック配線基板1における表面のメタライズ配線層3は、ICチップなどの各種電子部品を搭載するためのパッドとして、シールド用導体膜として、さらには、外部回路と接続する端子電極として用いられ、各種電子部品がメタライズ配線層3に半田などの導電性接着剤を介して接合される。
【0035】
そして、本発明のメタライズ配線層3のセラミック絶縁層2a〜2dとの界面の粗さ(Rmax)は5μm以下であることが望ましく、特に、3μm以下、さらには1μm以下であることがより望ましい。
【0036】
他方、セラミック絶縁基板2は、800〜1100℃の低温で焼成可能な材料からなり、例えば、少なくともSiOを含有するガラス材、又はSiOを含有するガラス材と無機フィラーとの複合材料からなるガラスセラミック磁器粉末からなる。具体的には、このガラス材は、複数の金属酸化物成分から構成され、焼成後において非晶質、又は焼成によって、コージェライト、ムライト、アノーサイト、セルジアン、スピネル、ガーナイト、ウィレマイト、ドロマイト、リチウムシリケートやその置換誘導体の結晶を析出する結晶化ガラスであることが望ましい。
【0037】
ガラス材としては周知のガラス材を用いることができるが、特に、焼成時に結晶化する結晶性ガラスが望ましく、この結晶性ガラスからの結晶相の析出により機械的強度を向上でき、この結果、メタライズ配線層3の接着強度も向上させることができる。ここで用いられるガラス成分としては、例えば、SiO−Al−MgO−CaO系結晶化ガラス材が好適であり、この系のガラス材以外にCaO、MgOなどのアルカリ土類金属酸化物、Al、P、ZnO、B、PbOから選ばれる1種または2種以上を含有するホウ珪酸ガラス、BaO系ガラス、ナトリウムソーダガラス等が挙げられる。
【0038】
セラミック絶縁基板2を構成する無機フィラーとしては、ジルコン酸カルシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、アルミナ、ムライト、フォルステライト、ジルコニア、スピネル、クオーツ、エンスタタイト等の群から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
【0039】
ガラス材と無機フィラーとの割合は、ガラス材が30〜70質量%、無機フィラーが70〜30質量%からなることが適当である。
【0040】
(製法)
本発明のセラミック配線基板は、ガラス材と無機フィラーとの複合材料と有機成分とを混合してスラリーを調製し、例えばドクターブレード法などのシート成形法を用いてセラミックグリーンシートを形成する。次に、このセラミックグリーンシートに、本発明のメタライズ組成物を含有する導体ペーストを用いてメタライズパターンやビアホール導体4を形成する。
【0041】
この場合、導体ペーストは、前記した金属粉末と無機粉末に対して、アクリル樹脂などの有機バインダと、αテルピネオール、ジブチルフタレート、ブチルカルビトールなどの有機溶剤とを攪拌混合機を用いて均質混合して調製される。
【0042】
なお、有機バインダは前記無機成分100質量部に対して1〜10質量部、有機溶剤成分は5〜30質量部の割合で混合するのが望ましい。
【0043】
その後、メタライズパターンやビアホール導体4が形成されたセラミックグリーンシートを積層圧着して積層体を形成する。
【0044】
次に、この積層体を脱脂後焼成を行う。例えば、メタライズ組成物を構成する金属粉末として銅粉末を用いた場合、300〜500℃の水蒸気を含んだ窒素雰囲気中で熱処理し、さらに温度を700℃以上に上げてグリーンシート内や導体ペースト中に含有されている有機成分を分解除去した後、800〜1100℃の窒素雰囲気中で同時焼成することにより作製することができる。
【0045】
本発明では、セラミック絶縁層2a〜2cとメタライズ組成物との焼成収縮挙動を近づけるとともに、それらの接着強度を高め、かつメタライズ組成物のガラス浮きを抑制するという理由から、焼成温度は900〜1050℃であることがより望ましい。なお、メタライズ組成物を構成する金属粉末として銀粉末を用いた場合には大気雰囲気中で焼成する。
【0046】
【実施例】
以下、本発明のメタライズ組成物およびそれを用いたセラミック配線基板について、実施例に基づき具体的に詳述する。
【0047】
まず、SiO50質量%−Al5.5質量%−MgO18.5質量%−CaO26質量%の組成を有する結晶性のガラス粉末60質量部と、無機フィラーとして、平均粒径2μmのアルミナ40質量部からなるガラスセラミック原料粉末の混合物を調製し、この混合物100質量部に対して、有機バインダとしてメタクリル酸イソブチル樹脂を固形分で14質量部、可塑剤としてフタル酸ジブチルを7質量部添加し、トルエンを溶媒としてボールミルにより40時間混合しスラリーを調整した。次に、得られたスラリーをドクターブレード法により厚さ0.3mmのグリーンシートに成形した。
【0048】
次に、表1に示すメタライズ組成物を用いて導体ペーストを調製した。具体的には、上記表1のメタライズ組成物に有機バインダ4質量部と有機溶剤を添加し、攪拌混合機を用いて混合し導体ペーストを作製した。
【0049】
次に、グリーンシートに形成されたビアホールおよびその表面に前記導体ペーストを印刷して配線パターンを形成した後、配線パターンが形成されたグリーンシートを複数積層加圧して成形体を作製した。
【0050】
次に、メタライズ組成物を構成する金属粉末として銅粉末を用いた場合の脱脂焼成は、以下のようにして行った。
【0051】
次に、この成形体を300〜500℃の温度に加熱して脱バインダ処理を行った。さらに水蒸気を含んだ窒素雰囲気中で750℃×1hの熱処理を行い成形体中の残留炭素量を200ppm以下に低減した後、900℃×1hの焼成を行いメタライズ配線層およびビアホール導体が形成されたのセラミック配線基板を得た。
【0052】
得られたセラミック配線基板は外形寸法が約20mm×20mm×1mmで、表層には面積が10mm×10mmで、厚みが10μmのメタライズ配線層が形成されていた。金属粉末として銀を用いた場合には焼成雰囲気を大気とした。
【0053】
このセラミック配線基板の断面研磨を行い露出したメタライズ配線層の界面を測定顕微鏡を用いて、界面の粗さ(Rmax)と基板の反りを測定した。尚、反り量は10mm当たりの変形量とした。
【0054】
一方、比較例として、ともに中実球状の金属粉末および無機粉末を用いてメタライズ組成物を調製し、本発明のメタライズ組成物と同様の評価を行った。
【0055】
【表1】
Figure 2004259556
【0056】
表1の結果から明らかなように、本発明のメタライズ組成物を用いた試料No.1〜8では、セラミック絶縁層との界面のメタライズ配線層の粗さが2μm以下、基板の反りを80μm以下にできた。特に、金属粉末として銅粉末を用いた場合に、中実球状と中空粉末とを混合したメタライズ組成物を用いた試料No.4〜6では、セラミック絶縁層との界面のメタライズ配線層の表面粗さが0.8μm以下、基板の反りを65μm以下にできた。
【0057】
一方、中実球状の金属粉末および無機粉末のみを用いた試料No.9では界面の表面粗さが5μm、反りが400μmと大きかった。
【0058】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、メタライズ組成物を構成する金属粉末および無機粉末のいずれかの粉末に中空粉末を用いることにより、メタライズ組成物を用いて形成されるメタライズパターンの焼成収縮量を制御することが容易となり、このようなメタライズ組成物をセラミック配線基板のメタライズ配線層として採用した場合、中実球状の金属粉末や無機粉末を用いた場合に比較してセラミック配線基板の反りを高精度に制御することが可能となる。
【0059】
また、上記のような中空の金属粉末および無機粉末では焼成中に変形しやすいことからメタライズ配線層が平滑化しやすくなり、セラミック絶縁層との接合界面の表面面粗さ(Rmax)を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミック配線基板を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 セラミック配線基板
2a〜2d セラミック絶縁層

Claims (7)

  1. 少なくとも金属粉末および無機粉末を含有してなるメタライズ組成物であって、前記金属粉末および前記無機粉末のうちいずれかが中空粉末からなることを特徴とするメタライズ組成物。
  2. 前記金属粉末と前記無機粉末、それぞれの最大径が50μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のメタライズ組成物。
  3. 金属粉末が銅粉末、銀粉末および金粉末の群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載のメタライズ組成物。
  4. 金属粉末に対して無機粉末を0.05〜20質量%含有することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか記載のメタライズ組成物。
  5. メタライズ配線層とセラミック絶縁層とを交互に積層してなるセラミック配線基板であって、前記メタライズ配線層が請求項1乃至4のうちいずれか記載のメタライズ組成物を焼成して得られたものであることを特徴とするセラミック配線基板。
  6. セラミック絶縁層との接合界面におけるメタライズ配線層界面の粗さ(Rmax)が5μm以下であることを特徴とする請求項5に記載のセラミック配線基板。
  7. セラミックグリーンシート上にメタライズパターンを形成する工程と、該メタライズパターンが形成された前記セラミックグリーンシートを積層した後に焼成する工程とを具備するセラミック配線基板の製法であって、前記メタライズパターンが請求項1乃至4のうちいずれか記載のメタライズ組成物よりなることを特徴とするセラミック配線基板の製法。
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