JP2004257432A - ネジ送り機構及び該ネジ送り機構を具えた椅子型マッサージ機 - Google Patents
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Abstract
【課題】ネジ軸と直交する向きに作用する負荷に耐え得るネジ送り機構を提供する。
【解決手段】駆動手段69に回転可能に連結されたネジ軸67と、該ネジ軸67に嵌められた送りナット92と、を具え、ネジ軸67を回動させて、ネジ推力により送りナット92をネジ軸67に沿って移動させるネジ送り機構において、両端が固定された補助軸97をネジ軸67と平行に配備し、送りナット92は、補助軸97にスライド可能に嵌めたものである。
【選択図】 図1
【解決手段】駆動手段69に回転可能に連結されたネジ軸67と、該ネジ軸67に嵌められた送りナット92と、を具え、ネジ軸67を回動させて、ネジ推力により送りナット92をネジ軸67に沿って移動させるネジ送り機構において、両端が固定された補助軸97をネジ軸67と平行に配備し、送りナット92は、補助軸97にスライド可能に嵌めたものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネジ推力によって移動する送りナットに、ネジ軸と直交する向きの負荷が作用しても、ネジ軸には大きな負荷が作用しないネジ送り機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
回転方向の力を水平方向の移動に変換する機構として、ネジ送り機構が知られている。該ネジ送り機構は、駆動手段によって回転するネジ軸に送りナットを噛合したものである。
ネジ軸を回転させると、ネジ推力によって送りナットがネジ軸に沿って送りナットと共にスライド移動する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特許第2918931号公報(第2〜4頁及び図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
送りナットに対しネジ軸と直交する向きの負荷が作用した場合、その負荷はネジ軸に直接作用するため、ネジ軸に歪みが生じたり、送りナットとネジ軸との間にがたつきや焼付きを生ずることがあった。
ネジ軸の歪み、送りナットのがたつき、焼付き等が生ずると、異常音や摩耗が生じ、さらには、送りナットの正確な位置決めが困難となるという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、ネジ軸と直交する向きに作用する負荷に耐え得るネジ送り機構を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のネジ送り機構(90)は、
駆動手段(69)に回転可能に連結されたネジ軸(67)と、
該ネジ軸(67)に嵌められた送りナット(92)と、
を具え、ネジ軸(67)を回動させて、ネジ推力により送りナット(92)をネジ軸(67)に沿って移動させるネジ送り機構において、
両端が固定された補助軸(97)をネジ軸(67)と平行に配備し、送りナット(92)は、補助軸(97)にスライド可能に嵌めたものである。
【0007】
また、本発明の請求項2に記載のネジ送り機構(90)は、
送りナット(92)は、ネジ孔(94)が形成されたナット部(93)と、該ナット部(93)を余裕をもって収容する収容部(96)が凹設されたホルダー(95)とを有し、該ホルダー(95)には、補助軸(97)がスライド可能に嵌まる補助軸用孔(96a)と、収容部(96)にナット部(93)が収容された状態で、ナット部(93)のネジ孔(94)と同軸上にネジ軸(67)よりも内径の大きい遊嵌孔(96b)が並設されており、
補助軸(97)は、ホルダー(95)の補助軸用孔(96a)に嵌まり、
ネジ軸(67)は、ナット部(93)が収容部(96)に収容された状態で、ナット部(93)のネジ孔(94)に螺合すると共に、収容部(96)の遊嵌孔(96b)の中に余裕をもって嵌めたものである。
【0008】
【作用及び効果】
本発明の請求項1に記載のネジ送り機構(90)によれば、ネジ軸(67)と平行な補助軸(97)が送りナット(92)に嵌まっており、送りナット(92)に対しネジ軸(67)と直交する向きの負荷が作用した場合でも、その負荷の大部分は、補助軸(97)に作用するため、ネジ軸(67)には大きな負荷が作用せず、ネジ軸(67)の歪みや送りナット(92)の焼付きは防止される。
これにより、ネジ送り機構(90)の回転不良や、異常音、焼付き等が防止されると共に、ネジ送り機構(90)の長寿命化を図ることができる。
【0009】
本発明の請求項2に記載のネジ送り機構(90)によれば、ナット部(93)は、ホルダー(95)の収容部(96)に余裕をもって嵌められている。ナット部(93)がネジ軸(67)上をネジ推力によって移動する場合には、ナット部(93)の端面が収容部(96)の内壁に当たって、ナット部(93)とホルダー(95)が一体となって、ネジ軸(67)上を移動する。ホルダー(95)にネジ軸(67)と直交する向きの負荷が作用した場合、該負荷は、ホルダー(95)から補助軸(97)にのみ作用し、ナット部(93)に直接作用しないから、ネジ軸(67)の歪みやナット部(93)の焼付きが防止される。
これにより、ネジ送り機構(90)の回転不良や、異常音、焼付き等がさらに防止され、長寿命化を図ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のネジ送り機構(90)の斜視図、図2は本発明のネジ送り機構(90)の分解図である。図1及び図2に示すように、ネジ送り機構(90)は、外周にネジ溝を有するネジ軸(67)と、該ネジ軸(67)と平行な補助軸(97)と、ネジ軸(67)及び補助軸(97)が貫通する送りナット(92)とを具える。
ネジ軸(67)は、一端がモータ等の駆動手段(69)に連繋されており、フレーム(100)(100)間に枢支されている。
補助軸(97)は、図1及び図3に示すように、両端がフレーム(100)(100)に夫々固定されている。
送りナット(92)は、図2及び図3に示すように、ナット部(93)とホルダー(95)から構成される。
ナット部(93)は、ネジ軸(67)が螺合するネジ孔(94)が開設されており、ホルダー(95)に凹設された収容部(96)に余裕をもった状態で嵌まっている。
ホルダー(95)には、補助軸(97)が貫通する補助軸用孔(96a)が開設されており、補助軸用孔(96a)の側部には、上記ナット部(93)が余裕をもった状態で嵌まる収容部(96)が凹設されている。収容部(96)には、ナット部(93)を収容した状態で、ナット部(93)のネジ孔(94)と同軸で且つネジ孔(94)よりも内径の大きい遊嵌孔(96b)が壁面に開設されている。
ネジ軸(67)は、収容部(95)の遊嵌孔(96b)を余裕をもって貫通し、収容部(96)に収容されたナット部(93)のネジ孔(94)に螺合している。
送りナット(92)のホルダー(95)には、ネジ送り機構(90)によって搬送する物体が取り付けられる。
【0011】
上記構成のネジ送り機構(90)において、駆動手段(69)を作動させて、ネジ軸(67)を回転すると、ナット部(93)がネジ推力によって移動する。ナット部(93)は、ホルダー(95)に嵌まっているから、ナット部(93)がホルダー(95)の収容部(96)の内壁に当たった状態で送りナット(92)はネジ軸(67)に沿ってスライドする。
【0012】
ホルダー(95)にネジ軸(67)と直交する向きの負荷が作用した場合(図3中矢印Fで示す)、送りナット(92)は、ホルダー(95)に余裕をもって嵌まっているから、ホルダー(95)に作用する直交方向の負荷は、ホルダー(95)から補助軸(97)に作用する。従って、負荷が送りナット(92)を介してネジ軸(67)に作用することは殆んどない。
【0013】
上記ネジ送り機構(90)は、後述する椅子型マッサージ機や、NC旋盤等に利用できる。
【0014】
【実施例】
上記ネジ送り機構(90)を椅子型マッサージ機の施療指(30)(30)のせり出し機構(60)に適用した例について説明する。
【0015】
椅子型マッサージ機は、被施療者が腰掛ける座部の後端に背凭れ(12)をフレーム等で傾動自在且つ位置決め可能に連結したものである。背凭れ(12)は、当て布やクッション等(図示せず)にて周囲が包まれている。
【0016】
背凭れの内部構成
背凭れ(12)の内部には、図4及び図6に示すように、左右一対のガイドレール(14)が上下方向に平行に配備されている。各ガイドレール(14)(14)は、断面形状がコ字状であって、溝が対向するように配置される。溝の開口縁にラック(16)が刻設されており(図6参照)、ガイドレール(14)(14)には、後述のマッサージユニット(20)が昇降可能に取り付けられている。
【0017】
マッサージユニット(20)は、図4乃至図6に示すように、メインシャーシ(21)の上下部から突設された4つのローラ(23)(23)(65)(65)がガイドレール(14)(14)に嵌まり、昇降可能となっている。メインシャーシ(21)には、マッサージユニット(20)のすべての構成部品が搭載される。
メインシャーシ(21)の中央には、図6及び図7に示すように、2枚の補助シャーシ(22)(22)が縦向きに間隔をあけて固定されている。
【0018】
下側のローラ(23)(23)は、補助シャーシ(22)(22)の下部を左右方向に貫通し、メインシャーシ(21)の両側から突出する上下回転軸(24)の先端に嵌まっており、上下回転軸(24)には、ローラ(23)(23)の内側にガイドレール(14)(14)のラック(16)(16)と噛合するギア(25)(25)が固定されている。上下回転軸(24)は、減速装置(27)を介して上下用モータ(26)に連繋されており、上下用モータ(26)を駆動することによって、ラック(16)(16)と噛み合ったギア(25)(25)が回転して、マッサージユニット(20)はガイドレール(14)(14)に沿って昇降する。減速装置(27)は、プーリとベルトの組合せ、ウォームとウォームホイールの組合せから構成することができる。なお、図7では、減速装置(27)のプーリ間を連繋するベルトの図示を省略している。
【0019】
施療指の構造及び揉み、叩き機構
被施療者にマッサージを施す施療指(30)(30)は、図6乃至図8に示すように、補助シャーシ(22)(22)の略中央に軸支された揉み軸(40)と、該揉み軸(40)の下方に支持された叩き軸(50)に連繋される。揉み軸(40)及び叩き軸(50)は、夫々図6及び図7に示すように、メインシャーシ(21)に搭載された揉みモータ(41)、叩きモータ(51)に、減速装置(42)(52)を介して連繋されている。揉み軸(40)と揉みモータ(41)間の減速装置(42)は、プーリとベルトの組合せ、ウォームとウォームホイールの組合せから構成することができる。
施療指(30)(30)の基部は、図7及び図8に示すように、揉み軸(40)に夫々傾斜し、且つ、偏心した状態で枢支されており、該施療指(30)は、メインシャーシ(21)の前面に開設された孔(21a)から前方に向けて突出する揺動レバー(33)(33)と、該揺動レバー(33)(33)の先端に枢支され、中央がくの字型に屈曲したマッサージアーム(32)(32)と、該マッサージアーム(32)(32)の上下に枢支された揉み玉(31)(31)(31a)(31a)を具える。
【0020】
揉み軸(40)には、揺動レバー(33)(33)が夫々前方へ広がって傾斜した状態で枢支されており、揺動レバー(33)(33)はロッド(55)(55)に夫々接続されて回転が阻止されているから、揉み軸(40)を回転すると、揺動レバー(33)(33)の先端が左右に動く。これにより、マッサージアーム(32)(32)が左右に揺動し、上側の揉み玉(31)(31)どうし、及び、下側の揉み玉(31a)(31a)どうしが接近及び離間を繰り返しながら往復移動して、揉み動作が行なわれる。
【0021】
叩き軸(50)には、図7及び図8に示すように、互いに位相が180度ずれた偏心カム(53)(53)が枢支されており、両偏心カム(53)(53)は、揺動レバー(33)(33)の揉み軸(40)側後端に取り付けられた自在継手(54)(54)と、ロッド(55)(55)を介して接続されている。
【0022】
また、叩きモータ(51)を回転すると、叩き軸(50)に偏心して連繋されたロッド(55)(55)を介して、施療指(30)(30)が上下方向に往復移動して、叩き動作が行なわれる。
【0023】
せり出し機構 (60)
上記マッサージユニット(20)には、マッサージユニット(20)を図4及び図5に示すように、前後に移動させるせり出し機構(60)が配備される。せり出し機構(60)として以下のクランク機構(61)、ネジ送り機構(90)及びリンク機構(70)からなる構成を挙げることができる。
クランク機構(61)は、図8及び図9に示すように、揉み軸(40)の前方に配備されたクランク軸(62)と、上側のローラ(65)(65)(図9参照)が回転自在に嵌められたクランクピン(64)(64)(図8参照)とを、クランクアーム(63)(63)により接続して構成される。クランクピン(64)(64)は、クランク軸(62)に対して偏心しているため、クランク軸(62)を回転させると、クランクピン(64)(64)がクランク軸(62)を中心として周軌道を描く。なお、図示の実施例では、クランク軸(62)、クランクアーム(63)(63)及びクランクピン(64)(64)は、1本の金属棒から構成しており、図8に示すように、クランク軸(62)(62)を軸受(62a)(62a)によってメインシャーシ(21)に軸支している。
【0024】
補助シャーシ(22)には、図6に示すように、ネジ送り機構(90)が配備される。補助シャーシ(22)の上下には、軸受(22b)(22b)を具える支持片(22a)(22a)が突設されており、軸受(22b)(22b)には、図6、図7及び図9に示すように、外周にネジ溝の切られたネジ軸(67)が枢支され、該ネジ軸(67)と平行に補助軸(97)が固定されている。ネジ軸(67)の上端は、プーリやベルト(図7では省略)からなる減速装置(68)を介して、駆動手段(69)となるせり出し用モータに連繋されている。
ネジ軸(67)及び補助軸(97)には、図9に示すように、送りナット(92)が嵌まっている。送りナット(92)は、図1乃至図3を参照するとわかるように、ネジ孔(94)を有するナット部(93)と、該ナット部(93)が余裕をもって嵌まる収容部(96)の凹設されたホルダー(95)とから構成され、ホルダー(95)には、補助軸(97)が貫通する補助軸用孔(96a)が開設されている。ホルダー(95)の補助軸用孔(96a)には、補助軸(97)が貫通し、ナット部(93)は、ホルダー(95)の収容部(96)に収容された状態で、ネジ軸(67)が螺合している。送りナット(92)、即ち、ホルダー(95)及びナット部(93)は、例えば合成樹脂から作られ、ホルダー(95)には、図9及び図10に示すようにリンク機構(70)が接続されている。リンク機構(70)は、リンク片(72)とリンク片(78)から構成することができる。
なお、以下では、リンク片(72)は、長手方向に伸縮可能となるように相互にスライド可能に構成された第1リンク片(73)と第2リンク片(75)から構成した例について説明する。
第1リンク片(73)は送りナット(92)のホルダー(95)に対し、前後方向に傾動可能に枢支されており、第1リンク片(73)の基端側近傍には、スライド用軸(74)が突設されている。
第2リンク片(75)は、第1リンク片(73)を両側から挟み込む一対の部材から構成され、夫々長手方向に長孔(76)が開設されている。第2リンク片(75)の長孔(76)は、夫々第1リンク片(73)のスライド用軸(74)にスライド可能に嵌まっている。
さらに、第2リンク片(75)の先端には、図9に示すように、軸(75a)が突設されており、前記スライド用軸(74)との間にバネ(77)が張設されている。バネ(77)は、第2リンク片(75)を送りナット(92)の方に向けて付勢し、無負荷の状態では、バネ(77)は、第2リンク片(75)が送りナット(92)側に最も引き寄せられた状態となっている。
【0025】
第2リンク片(75)の軸(75a)には、第3リンク片(78)が枢支されている。第3リンク片(78)は、中央で前方に向けて屈曲したリンク片であり、第3リンク片(78)の先端は、前記クランク軸(62)に固定されて、第3リンク片(78)とクランク軸(62)は一体に回転する。
【0026】
送りナット(92)がネジ軸(67)の上側に位置しているときには、第3リンク片(78)が第2リンク片(75)側に引き寄せられており、マッサージユニット(20)(メインシャーシ(21))は最も引き下がった位置にある(図4及び図9参照)。
【0027】
この状態から、ネジ軸(67)を回転させて、図10に示すように、送りナット(92)を下側に移動させると(図10中矢印A方向)、送りナット(92)の下方向への移動に伴って、第2リンク片(75)が第3リンク片(78)との係合部を下向きに引っ張り、第3リンク片(78)がクランク軸(62)を中心として回転する。第3リンク片(78)とクランク軸(62)は固定されているため、クランク軸(62)は、第3リンク片(78)と共に一体回転する。
【0028】
クランク軸(62)の両端のクランクピン(64)(64)は、ローラ(65)(65)によってガイドレール(14)(14)に沿ってのみ移動可能であり、前後方向へは移動しないから、クランク軸(62)の回転により、マッサージユニット(20)は、上下回転軸(24)を中心として傾動する。上下回転軸(24)は、マッサージユニット(20)の下方に設けられているから、図5に示すように、マッサージユニット(20)の傾動により、施療指(30)(30)は前方にせり出す(図10中矢印Bで示す)。
【0029】
被施療者の肩位置で施療指(30)(30)をせり出させることにより、施療指(30)(30)は、被施療者の肩の上部まで届く。この状態で揉みモータ(41)及び/又は叩きモータ(51)を駆動することにより、被施療者の肩の上部を効果的にマッサージすることができる。
【0030】
また、被施療者の肩位置よりも下側、即ち、背中や腰位置に、施療指(30)(30)がある状態で、施療指(30)(30)をせり出させることにより、被施療者の背中や腰が指圧マッサージされる。また、この状態のまま、上下用モータ(26)を回転してマッサージユニット(20)を昇降させることにより、施療指(30)(30)が被施療者に強く押し当てられた状態のローリングマッサージを施すことができる。
【0031】
図5の状態から、ネジ軸(67)を逆回転させると、送りナット(92)が上側に移動し、上記とは逆に、マッサージユニット(20)は後退し、施療指(30)(30)は背凭れの内部に引き戻される(図4参照)。引き戻された状態では、従来と同様のマッサージを行なうことができる。
【0032】
ネジ軸(67)の回転、即ちネジ軸(67)に対する送りナット(92)の位置を調節することによって、マッサージユニット(20)のせり出し量を調節することができる。また、クランクアーム(63)(63)の長さを変えることによって、最大のせり出し量も調節できる。
【0033】
上記せり出し機構(60)において、クランク機構(61)を動作させる際に、リンク機構(70)を介して、送りナット(92)に、図10中、矢印Cで示すネジ軸(67)に対して直交する向きの力が作用する。しかしながら、上記のように、送りナット(92)は、ホルダー(95)とナット部(93)から構成し、補強用の補助軸(97)にホルダー(95)を嵌め、ネジ軸(67)にナット部(93)を嵌めた状態で、ホルダー(95)にナット部(93)が余裕をもってはまっている(図3参照)。また、リンク機構(70)は、ナット部(93)ではなく、ホルダー(95)に連繋されているから、矢印C方向の力は、ホルダー(95)を介して補助軸(97)で受け止められる。即ち、ホルダー(95)からネジ軸(67)に対し、矢印C方向の力がナット部(93)を介して作用することはないため、ネジ軸(67)の歪み等を防止できる。
【0034】
アームロック機構 (80)
上記せり出し機構(60)には、さらに、マッサージユニット(20)のせり出し動作に合わせて、施療指(30)(30)も前方に突出させるアームロック機構(80)を設けることもできる。
アームロック機構(80)は、図10に示すように、マッサージアーム(32)の屈曲部分と、前記クランク軸(62)とを、夫々、自在継手(81)(82)を介して、アームロックロッド(83)にて連繋したものである。クランク軸(62)側の自在継手(82)(82)は、マッサージユニット(20)が最も突出したときに(図5参照)、マッサージアーム(32)の上側の揉み玉(31)を最も前方に押し出せる位置に取り付けられている。
【0035】
クランク軸(62)を回転させて、上記のように、マッサージユニット(20)をせり出していくと、クランク軸(62)の回転と共に自在継手(82)が回転し、アームロックロッド(83)を上方に押し上げる。その結果、アームロックロッド(83)がマッサージアーム(32)を前方に回転させ、上下の揉み玉(31)(31a)が、最初は背凭れ(12)とほぼ平行であった状態から、図5の如く、上側の揉み玉(31)がメインシャーシ(21)に対して前方に突出する。
上述のせり出し機構(60)によるマッサージユニット(20)のせり出しに加えて、揉み玉(31)をせり出すことにより、揉み玉(31)が肩の上部まで十分大きくせり出し、効果的なマッサージを施すことができる。
なお、この状態で、揉み軸(40)及び/又は叩き軸(50)を回転させることにより、上側の揉み玉(31)が突出した状態での揉み及び/又は叩きマッサージを施すことができる。
施療指(30)(30)が被施療者の背中や腰に当接している状態で、上記動作を行なうと、上側の揉み玉(31)による指圧マッサージを行なうこともできる。
【0036】
また、クランク軸(62)を逆向きに回転させて、マッサージユニット(20)を後退させると、上記とは逆に、自在継手(82)(82)がアームロックロッド(83)(83)を下向きに引っ張る。その結果、アームロックロッド(83)(83)がマッサージアーム(32)(32)を後方に回転させ、上下の揉み玉(31)(31a)が背凭れ(12)に対してほぼ平行な状態に戻り、通常のマッサージを行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のネジ送り機構の斜視図である。
【図2】本発明のネジ送り機構の分解斜視図である。
【図3】図1の線A−Aに沿う断面図である。
【図4】本発明のネジ送り機構を具えた椅子型マッサージ機の背凭れの断面図である。
【図5】マッサージユニット及び施療指を前方にせり出した状態を示す背凭れの断面図である。
【図6】マッサージユニットの背面図である。
【図7】マッサージユニットを右斜め後方から見た斜視図である。
【図8】マッサージユニットの要部を取り出して示す斜視図である。
【図9】マッサージユニットを左斜め後方から見た斜視図である。
【図10】マッサージユニットの要部を取り出して示す断面図である。
【符号の説明】
(67) ネジ軸
(90) ネジ送り機構
(92) 送りナット
(93) ナット部
(95) ホルダー
(97) 補助軸
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネジ推力によって移動する送りナットに、ネジ軸と直交する向きの負荷が作用しても、ネジ軸には大きな負荷が作用しないネジ送り機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
回転方向の力を水平方向の移動に変換する機構として、ネジ送り機構が知られている。該ネジ送り機構は、駆動手段によって回転するネジ軸に送りナットを噛合したものである。
ネジ軸を回転させると、ネジ推力によって送りナットがネジ軸に沿って送りナットと共にスライド移動する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特許第2918931号公報(第2〜4頁及び図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
送りナットに対しネジ軸と直交する向きの負荷が作用した場合、その負荷はネジ軸に直接作用するため、ネジ軸に歪みが生じたり、送りナットとネジ軸との間にがたつきや焼付きを生ずることがあった。
ネジ軸の歪み、送りナットのがたつき、焼付き等が生ずると、異常音や摩耗が生じ、さらには、送りナットの正確な位置決めが困難となるという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、ネジ軸と直交する向きに作用する負荷に耐え得るネジ送り機構を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のネジ送り機構(90)は、
駆動手段(69)に回転可能に連結されたネジ軸(67)と、
該ネジ軸(67)に嵌められた送りナット(92)と、
を具え、ネジ軸(67)を回動させて、ネジ推力により送りナット(92)をネジ軸(67)に沿って移動させるネジ送り機構において、
両端が固定された補助軸(97)をネジ軸(67)と平行に配備し、送りナット(92)は、補助軸(97)にスライド可能に嵌めたものである。
【0007】
また、本発明の請求項2に記載のネジ送り機構(90)は、
送りナット(92)は、ネジ孔(94)が形成されたナット部(93)と、該ナット部(93)を余裕をもって収容する収容部(96)が凹設されたホルダー(95)とを有し、該ホルダー(95)には、補助軸(97)がスライド可能に嵌まる補助軸用孔(96a)と、収容部(96)にナット部(93)が収容された状態で、ナット部(93)のネジ孔(94)と同軸上にネジ軸(67)よりも内径の大きい遊嵌孔(96b)が並設されており、
補助軸(97)は、ホルダー(95)の補助軸用孔(96a)に嵌まり、
ネジ軸(67)は、ナット部(93)が収容部(96)に収容された状態で、ナット部(93)のネジ孔(94)に螺合すると共に、収容部(96)の遊嵌孔(96b)の中に余裕をもって嵌めたものである。
【0008】
【作用及び効果】
本発明の請求項1に記載のネジ送り機構(90)によれば、ネジ軸(67)と平行な補助軸(97)が送りナット(92)に嵌まっており、送りナット(92)に対しネジ軸(67)と直交する向きの負荷が作用した場合でも、その負荷の大部分は、補助軸(97)に作用するため、ネジ軸(67)には大きな負荷が作用せず、ネジ軸(67)の歪みや送りナット(92)の焼付きは防止される。
これにより、ネジ送り機構(90)の回転不良や、異常音、焼付き等が防止されると共に、ネジ送り機構(90)の長寿命化を図ることができる。
【0009】
本発明の請求項2に記載のネジ送り機構(90)によれば、ナット部(93)は、ホルダー(95)の収容部(96)に余裕をもって嵌められている。ナット部(93)がネジ軸(67)上をネジ推力によって移動する場合には、ナット部(93)の端面が収容部(96)の内壁に当たって、ナット部(93)とホルダー(95)が一体となって、ネジ軸(67)上を移動する。ホルダー(95)にネジ軸(67)と直交する向きの負荷が作用した場合、該負荷は、ホルダー(95)から補助軸(97)にのみ作用し、ナット部(93)に直接作用しないから、ネジ軸(67)の歪みやナット部(93)の焼付きが防止される。
これにより、ネジ送り機構(90)の回転不良や、異常音、焼付き等がさらに防止され、長寿命化を図ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のネジ送り機構(90)の斜視図、図2は本発明のネジ送り機構(90)の分解図である。図1及び図2に示すように、ネジ送り機構(90)は、外周にネジ溝を有するネジ軸(67)と、該ネジ軸(67)と平行な補助軸(97)と、ネジ軸(67)及び補助軸(97)が貫通する送りナット(92)とを具える。
ネジ軸(67)は、一端がモータ等の駆動手段(69)に連繋されており、フレーム(100)(100)間に枢支されている。
補助軸(97)は、図1及び図3に示すように、両端がフレーム(100)(100)に夫々固定されている。
送りナット(92)は、図2及び図3に示すように、ナット部(93)とホルダー(95)から構成される。
ナット部(93)は、ネジ軸(67)が螺合するネジ孔(94)が開設されており、ホルダー(95)に凹設された収容部(96)に余裕をもった状態で嵌まっている。
ホルダー(95)には、補助軸(97)が貫通する補助軸用孔(96a)が開設されており、補助軸用孔(96a)の側部には、上記ナット部(93)が余裕をもった状態で嵌まる収容部(96)が凹設されている。収容部(96)には、ナット部(93)を収容した状態で、ナット部(93)のネジ孔(94)と同軸で且つネジ孔(94)よりも内径の大きい遊嵌孔(96b)が壁面に開設されている。
ネジ軸(67)は、収容部(95)の遊嵌孔(96b)を余裕をもって貫通し、収容部(96)に収容されたナット部(93)のネジ孔(94)に螺合している。
送りナット(92)のホルダー(95)には、ネジ送り機構(90)によって搬送する物体が取り付けられる。
【0011】
上記構成のネジ送り機構(90)において、駆動手段(69)を作動させて、ネジ軸(67)を回転すると、ナット部(93)がネジ推力によって移動する。ナット部(93)は、ホルダー(95)に嵌まっているから、ナット部(93)がホルダー(95)の収容部(96)の内壁に当たった状態で送りナット(92)はネジ軸(67)に沿ってスライドする。
【0012】
ホルダー(95)にネジ軸(67)と直交する向きの負荷が作用した場合(図3中矢印Fで示す)、送りナット(92)は、ホルダー(95)に余裕をもって嵌まっているから、ホルダー(95)に作用する直交方向の負荷は、ホルダー(95)から補助軸(97)に作用する。従って、負荷が送りナット(92)を介してネジ軸(67)に作用することは殆んどない。
【0013】
上記ネジ送り機構(90)は、後述する椅子型マッサージ機や、NC旋盤等に利用できる。
【0014】
【実施例】
上記ネジ送り機構(90)を椅子型マッサージ機の施療指(30)(30)のせり出し機構(60)に適用した例について説明する。
【0015】
椅子型マッサージ機は、被施療者が腰掛ける座部の後端に背凭れ(12)をフレーム等で傾動自在且つ位置決め可能に連結したものである。背凭れ(12)は、当て布やクッション等(図示せず)にて周囲が包まれている。
【0016】
背凭れの内部構成
背凭れ(12)の内部には、図4及び図6に示すように、左右一対のガイドレール(14)が上下方向に平行に配備されている。各ガイドレール(14)(14)は、断面形状がコ字状であって、溝が対向するように配置される。溝の開口縁にラック(16)が刻設されており(図6参照)、ガイドレール(14)(14)には、後述のマッサージユニット(20)が昇降可能に取り付けられている。
【0017】
マッサージユニット(20)は、図4乃至図6に示すように、メインシャーシ(21)の上下部から突設された4つのローラ(23)(23)(65)(65)がガイドレール(14)(14)に嵌まり、昇降可能となっている。メインシャーシ(21)には、マッサージユニット(20)のすべての構成部品が搭載される。
メインシャーシ(21)の中央には、図6及び図7に示すように、2枚の補助シャーシ(22)(22)が縦向きに間隔をあけて固定されている。
【0018】
下側のローラ(23)(23)は、補助シャーシ(22)(22)の下部を左右方向に貫通し、メインシャーシ(21)の両側から突出する上下回転軸(24)の先端に嵌まっており、上下回転軸(24)には、ローラ(23)(23)の内側にガイドレール(14)(14)のラック(16)(16)と噛合するギア(25)(25)が固定されている。上下回転軸(24)は、減速装置(27)を介して上下用モータ(26)に連繋されており、上下用モータ(26)を駆動することによって、ラック(16)(16)と噛み合ったギア(25)(25)が回転して、マッサージユニット(20)はガイドレール(14)(14)に沿って昇降する。減速装置(27)は、プーリとベルトの組合せ、ウォームとウォームホイールの組合せから構成することができる。なお、図7では、減速装置(27)のプーリ間を連繋するベルトの図示を省略している。
【0019】
施療指の構造及び揉み、叩き機構
被施療者にマッサージを施す施療指(30)(30)は、図6乃至図8に示すように、補助シャーシ(22)(22)の略中央に軸支された揉み軸(40)と、該揉み軸(40)の下方に支持された叩き軸(50)に連繋される。揉み軸(40)及び叩き軸(50)は、夫々図6及び図7に示すように、メインシャーシ(21)に搭載された揉みモータ(41)、叩きモータ(51)に、減速装置(42)(52)を介して連繋されている。揉み軸(40)と揉みモータ(41)間の減速装置(42)は、プーリとベルトの組合せ、ウォームとウォームホイールの組合せから構成することができる。
施療指(30)(30)の基部は、図7及び図8に示すように、揉み軸(40)に夫々傾斜し、且つ、偏心した状態で枢支されており、該施療指(30)は、メインシャーシ(21)の前面に開設された孔(21a)から前方に向けて突出する揺動レバー(33)(33)と、該揺動レバー(33)(33)の先端に枢支され、中央がくの字型に屈曲したマッサージアーム(32)(32)と、該マッサージアーム(32)(32)の上下に枢支された揉み玉(31)(31)(31a)(31a)を具える。
【0020】
揉み軸(40)には、揺動レバー(33)(33)が夫々前方へ広がって傾斜した状態で枢支されており、揺動レバー(33)(33)はロッド(55)(55)に夫々接続されて回転が阻止されているから、揉み軸(40)を回転すると、揺動レバー(33)(33)の先端が左右に動く。これにより、マッサージアーム(32)(32)が左右に揺動し、上側の揉み玉(31)(31)どうし、及び、下側の揉み玉(31a)(31a)どうしが接近及び離間を繰り返しながら往復移動して、揉み動作が行なわれる。
【0021】
叩き軸(50)には、図7及び図8に示すように、互いに位相が180度ずれた偏心カム(53)(53)が枢支されており、両偏心カム(53)(53)は、揺動レバー(33)(33)の揉み軸(40)側後端に取り付けられた自在継手(54)(54)と、ロッド(55)(55)を介して接続されている。
【0022】
また、叩きモータ(51)を回転すると、叩き軸(50)に偏心して連繋されたロッド(55)(55)を介して、施療指(30)(30)が上下方向に往復移動して、叩き動作が行なわれる。
【0023】
せり出し機構 (60)
上記マッサージユニット(20)には、マッサージユニット(20)を図4及び図5に示すように、前後に移動させるせり出し機構(60)が配備される。せり出し機構(60)として以下のクランク機構(61)、ネジ送り機構(90)及びリンク機構(70)からなる構成を挙げることができる。
クランク機構(61)は、図8及び図9に示すように、揉み軸(40)の前方に配備されたクランク軸(62)と、上側のローラ(65)(65)(図9参照)が回転自在に嵌められたクランクピン(64)(64)(図8参照)とを、クランクアーム(63)(63)により接続して構成される。クランクピン(64)(64)は、クランク軸(62)に対して偏心しているため、クランク軸(62)を回転させると、クランクピン(64)(64)がクランク軸(62)を中心として周軌道を描く。なお、図示の実施例では、クランク軸(62)、クランクアーム(63)(63)及びクランクピン(64)(64)は、1本の金属棒から構成しており、図8に示すように、クランク軸(62)(62)を軸受(62a)(62a)によってメインシャーシ(21)に軸支している。
【0024】
補助シャーシ(22)には、図6に示すように、ネジ送り機構(90)が配備される。補助シャーシ(22)の上下には、軸受(22b)(22b)を具える支持片(22a)(22a)が突設されており、軸受(22b)(22b)には、図6、図7及び図9に示すように、外周にネジ溝の切られたネジ軸(67)が枢支され、該ネジ軸(67)と平行に補助軸(97)が固定されている。ネジ軸(67)の上端は、プーリやベルト(図7では省略)からなる減速装置(68)を介して、駆動手段(69)となるせり出し用モータに連繋されている。
ネジ軸(67)及び補助軸(97)には、図9に示すように、送りナット(92)が嵌まっている。送りナット(92)は、図1乃至図3を参照するとわかるように、ネジ孔(94)を有するナット部(93)と、該ナット部(93)が余裕をもって嵌まる収容部(96)の凹設されたホルダー(95)とから構成され、ホルダー(95)には、補助軸(97)が貫通する補助軸用孔(96a)が開設されている。ホルダー(95)の補助軸用孔(96a)には、補助軸(97)が貫通し、ナット部(93)は、ホルダー(95)の収容部(96)に収容された状態で、ネジ軸(67)が螺合している。送りナット(92)、即ち、ホルダー(95)及びナット部(93)は、例えば合成樹脂から作られ、ホルダー(95)には、図9及び図10に示すようにリンク機構(70)が接続されている。リンク機構(70)は、リンク片(72)とリンク片(78)から構成することができる。
なお、以下では、リンク片(72)は、長手方向に伸縮可能となるように相互にスライド可能に構成された第1リンク片(73)と第2リンク片(75)から構成した例について説明する。
第1リンク片(73)は送りナット(92)のホルダー(95)に対し、前後方向に傾動可能に枢支されており、第1リンク片(73)の基端側近傍には、スライド用軸(74)が突設されている。
第2リンク片(75)は、第1リンク片(73)を両側から挟み込む一対の部材から構成され、夫々長手方向に長孔(76)が開設されている。第2リンク片(75)の長孔(76)は、夫々第1リンク片(73)のスライド用軸(74)にスライド可能に嵌まっている。
さらに、第2リンク片(75)の先端には、図9に示すように、軸(75a)が突設されており、前記スライド用軸(74)との間にバネ(77)が張設されている。バネ(77)は、第2リンク片(75)を送りナット(92)の方に向けて付勢し、無負荷の状態では、バネ(77)は、第2リンク片(75)が送りナット(92)側に最も引き寄せられた状態となっている。
【0025】
第2リンク片(75)の軸(75a)には、第3リンク片(78)が枢支されている。第3リンク片(78)は、中央で前方に向けて屈曲したリンク片であり、第3リンク片(78)の先端は、前記クランク軸(62)に固定されて、第3リンク片(78)とクランク軸(62)は一体に回転する。
【0026】
送りナット(92)がネジ軸(67)の上側に位置しているときには、第3リンク片(78)が第2リンク片(75)側に引き寄せられており、マッサージユニット(20)(メインシャーシ(21))は最も引き下がった位置にある(図4及び図9参照)。
【0027】
この状態から、ネジ軸(67)を回転させて、図10に示すように、送りナット(92)を下側に移動させると(図10中矢印A方向)、送りナット(92)の下方向への移動に伴って、第2リンク片(75)が第3リンク片(78)との係合部を下向きに引っ張り、第3リンク片(78)がクランク軸(62)を中心として回転する。第3リンク片(78)とクランク軸(62)は固定されているため、クランク軸(62)は、第3リンク片(78)と共に一体回転する。
【0028】
クランク軸(62)の両端のクランクピン(64)(64)は、ローラ(65)(65)によってガイドレール(14)(14)に沿ってのみ移動可能であり、前後方向へは移動しないから、クランク軸(62)の回転により、マッサージユニット(20)は、上下回転軸(24)を中心として傾動する。上下回転軸(24)は、マッサージユニット(20)の下方に設けられているから、図5に示すように、マッサージユニット(20)の傾動により、施療指(30)(30)は前方にせり出す(図10中矢印Bで示す)。
【0029】
被施療者の肩位置で施療指(30)(30)をせり出させることにより、施療指(30)(30)は、被施療者の肩の上部まで届く。この状態で揉みモータ(41)及び/又は叩きモータ(51)を駆動することにより、被施療者の肩の上部を効果的にマッサージすることができる。
【0030】
また、被施療者の肩位置よりも下側、即ち、背中や腰位置に、施療指(30)(30)がある状態で、施療指(30)(30)をせり出させることにより、被施療者の背中や腰が指圧マッサージされる。また、この状態のまま、上下用モータ(26)を回転してマッサージユニット(20)を昇降させることにより、施療指(30)(30)が被施療者に強く押し当てられた状態のローリングマッサージを施すことができる。
【0031】
図5の状態から、ネジ軸(67)を逆回転させると、送りナット(92)が上側に移動し、上記とは逆に、マッサージユニット(20)は後退し、施療指(30)(30)は背凭れの内部に引き戻される(図4参照)。引き戻された状態では、従来と同様のマッサージを行なうことができる。
【0032】
ネジ軸(67)の回転、即ちネジ軸(67)に対する送りナット(92)の位置を調節することによって、マッサージユニット(20)のせり出し量を調節することができる。また、クランクアーム(63)(63)の長さを変えることによって、最大のせり出し量も調節できる。
【0033】
上記せり出し機構(60)において、クランク機構(61)を動作させる際に、リンク機構(70)を介して、送りナット(92)に、図10中、矢印Cで示すネジ軸(67)に対して直交する向きの力が作用する。しかしながら、上記のように、送りナット(92)は、ホルダー(95)とナット部(93)から構成し、補強用の補助軸(97)にホルダー(95)を嵌め、ネジ軸(67)にナット部(93)を嵌めた状態で、ホルダー(95)にナット部(93)が余裕をもってはまっている(図3参照)。また、リンク機構(70)は、ナット部(93)ではなく、ホルダー(95)に連繋されているから、矢印C方向の力は、ホルダー(95)を介して補助軸(97)で受け止められる。即ち、ホルダー(95)からネジ軸(67)に対し、矢印C方向の力がナット部(93)を介して作用することはないため、ネジ軸(67)の歪み等を防止できる。
【0034】
アームロック機構 (80)
上記せり出し機構(60)には、さらに、マッサージユニット(20)のせり出し動作に合わせて、施療指(30)(30)も前方に突出させるアームロック機構(80)を設けることもできる。
アームロック機構(80)は、図10に示すように、マッサージアーム(32)の屈曲部分と、前記クランク軸(62)とを、夫々、自在継手(81)(82)を介して、アームロックロッド(83)にて連繋したものである。クランク軸(62)側の自在継手(82)(82)は、マッサージユニット(20)が最も突出したときに(図5参照)、マッサージアーム(32)の上側の揉み玉(31)を最も前方に押し出せる位置に取り付けられている。
【0035】
クランク軸(62)を回転させて、上記のように、マッサージユニット(20)をせり出していくと、クランク軸(62)の回転と共に自在継手(82)が回転し、アームロックロッド(83)を上方に押し上げる。その結果、アームロックロッド(83)がマッサージアーム(32)を前方に回転させ、上下の揉み玉(31)(31a)が、最初は背凭れ(12)とほぼ平行であった状態から、図5の如く、上側の揉み玉(31)がメインシャーシ(21)に対して前方に突出する。
上述のせり出し機構(60)によるマッサージユニット(20)のせり出しに加えて、揉み玉(31)をせり出すことにより、揉み玉(31)が肩の上部まで十分大きくせり出し、効果的なマッサージを施すことができる。
なお、この状態で、揉み軸(40)及び/又は叩き軸(50)を回転させることにより、上側の揉み玉(31)が突出した状態での揉み及び/又は叩きマッサージを施すことができる。
施療指(30)(30)が被施療者の背中や腰に当接している状態で、上記動作を行なうと、上側の揉み玉(31)による指圧マッサージを行なうこともできる。
【0036】
また、クランク軸(62)を逆向きに回転させて、マッサージユニット(20)を後退させると、上記とは逆に、自在継手(82)(82)がアームロックロッド(83)(83)を下向きに引っ張る。その結果、アームロックロッド(83)(83)がマッサージアーム(32)(32)を後方に回転させ、上下の揉み玉(31)(31a)が背凭れ(12)に対してほぼ平行な状態に戻り、通常のマッサージを行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のネジ送り機構の斜視図である。
【図2】本発明のネジ送り機構の分解斜視図である。
【図3】図1の線A−Aに沿う断面図である。
【図4】本発明のネジ送り機構を具えた椅子型マッサージ機の背凭れの断面図である。
【図5】マッサージユニット及び施療指を前方にせり出した状態を示す背凭れの断面図である。
【図6】マッサージユニットの背面図である。
【図7】マッサージユニットを右斜め後方から見た斜視図である。
【図8】マッサージユニットの要部を取り出して示す斜視図である。
【図9】マッサージユニットを左斜め後方から見た斜視図である。
【図10】マッサージユニットの要部を取り出して示す断面図である。
【符号の説明】
(67) ネジ軸
(90) ネジ送り機構
(92) 送りナット
(93) ナット部
(95) ホルダー
(97) 補助軸
Claims (4)
- 駆動手段(69)に回転可能に連結されたネジ軸(67)と、
該ネジ軸(67)に嵌められた送りナット(92)と、
を具え、ネジ軸(67)を回動させて、ネジ推力により送りナット(92)をネジ軸(67)に沿って移動させるネジ送り機構において、
両端が固定された補助軸(97)をネジ軸(67)と平行に配備し、送りナット(92)は、補助軸(97)にスライド可能に嵌まっていることを特徴とするネジ送り機構。 - 送りナット(92)は、ネジ孔(94)が形成されたナット部(93)と、該ナット部(93)を余裕をもって収容する収容部(96)が凹設されたホルダー(95)とを有し、該ホルダー(95)には、補助軸(97)がスライド可能に嵌まる補助軸用孔(96a)と、収容部(96)にナット部(93)が収容された状態で、ナット部(93)のネジ孔(94)と同軸上にネジ軸(67)よりも内径の大きい遊嵌孔(96b)が並設されており、
補助軸(97)は、ホルダー(95)の補助軸用孔(96a)に嵌まり、
ネジ軸(67)は、ナット部(93)が収容部(96)に収容された状態で、ナット部(93)のネジ孔(94)に螺合すると共に、収容部(96)の遊嵌孔(96b)の中に余裕をもって嵌められる請求項1に記載のネジ送り機構。 - 被施療者が腰掛ける座部の後方に配備され、長手方向に一対のガイドレール(14)(14)を具える背凭れ(12)と、
該背凭れ(12)の内部に収容され、ガイドレール(14)(14)に嵌まる上下一対のローラ(23)(65)と、背凭れ(12)から突出する一対の施療指(30)(30)を具えたマッサージユニット(20)と、を具える椅子型マッサージ機において、
マッサージユニット(20)を背凭れ(12)に対して前後に移動させるせり出し機構(60)を具え、
該せり出し機構(60)は、
マッサージユニット(20)の一方のローラ(65)(65)に回転自在に嵌まるクランクピン(64)(64)と、クランクピン(64)(64)を偏心位置で支持するクランク軸(62)とを具えるクランク機構(61)と、
駆動手段(69)に回転可能に連結されたネジ軸(67)と両端が固定された補助軸(97)をネジ軸(67)と平行に配備し、ネジ軸(67)に螺合し補助軸(97)にスライド可能に嵌まるナット(92)とを具えるネジ送り機構(90)と、送りナット(92)とクランク軸(62)とを連繋するリンク機構(70)とを具え、
ネジ軸(67)を回転させて、送りナット(92)のネジ推力により、送りナット(92)に連繋されたリンク機構(70)を介して、クランク軸(62)を回転させることにより、マッサージユニット(20)を背凭れ(12)に対して傾動させるようにしたことを特徴とする椅子型マッサージ機。 - 送りナット(92)は、ネジ孔(94)が形成されたナット部(93)と、該ナット部(93)を余裕をもって収容する収容部(96)が凹設されたホルダー(95)とを有し、該ホルダー(95)には、補助軸(97)がスライド可能に嵌まる補助軸用孔(96a)と、収容部(96)にナット部(93)が収容された状態で、ナット部(93)のネジ孔(94)と同軸上にネジ軸(67)よりも内径の大きい遊嵌孔(96b)が並設されており、
補助軸(97)は、ホルダー(95)の補助軸用孔(96a)に嵌まり、
ネジ軸(67)は、ナット部(93)が収容部(96)に収容された状態で、ナット部(93)のネジ孔(94)に螺合すると共に、収容部(96)の遊嵌孔(96b)の中に余裕をもって嵌められ、
リンク機構(70)は、ホルダー(95)に連結されている請求項3に記載の椅子型マッサージ機。
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---|---|---|---|
JP2003046663A Pending JP2004257432A (ja) | 2003-02-25 | 2003-02-25 | ネジ送り機構及び該ネジ送り機構を具えた椅子型マッサージ機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004257432A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008200437A (ja) * | 2007-02-22 | 2008-09-04 | Matsushita Electric Works Ltd | マッサージ装置 |
-
2003
- 2003-02-25 JP JP2003046663A patent/JP2004257432A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008200437A (ja) * | 2007-02-22 | 2008-09-04 | Matsushita Electric Works Ltd | マッサージ装置 |
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Legal Events
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Effective date: 20050706 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20080520 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080521 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080930 |