JP2004253873A - 電子撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】静音動作モードが設定されているときに、ユーザにカメラの発生音を聞かれることなしに防塵動作を行うことができる電子撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像動作に関連した音の発生を抑制する静音動作モードを有する電子撮像装置であって、被写体の光学像を結像する撮影光学系12aと、撮影光学系12aにより結像された光学像を電気信号に変換する撮像素子27と、撮影光学系12aと撮像素子27との間に配置され、撮像素子27の光電変換面への塵埃等の付着を防止する防塵フィルタ21と、防塵フィルタ21を所定の周波数で振動させることにより防塵フィルタ21に塵埃除去動作を行わせるボディ制御用マイクロコンピュータ150とを具備し、このマイクロコンピュータ150は、静音動作モードが選択されているか否かに応じて、異なる振動形態で防塵フィルタ21を振動させる。
【選択図】 図2
【解決手段】撮像動作に関連した音の発生を抑制する静音動作モードを有する電子撮像装置であって、被写体の光学像を結像する撮影光学系12aと、撮影光学系12aにより結像された光学像を電気信号に変換する撮像素子27と、撮影光学系12aと撮像素子27との間に配置され、撮像素子27の光電変換面への塵埃等の付着を防止する防塵フィルタ21と、防塵フィルタ21を所定の周波数で振動させることにより防塵フィルタ21に塵埃除去動作を行わせるボディ制御用マイクロコンピュータ150とを具備し、このマイクロコンピュータ150は、静音動作モードが選択されているか否かに応じて、異なる振動形態で防塵フィルタ21を振動させる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子撮像装置に関し、特に、例えばカメラシステムなどの構成部材に付着した塵埃を除去可能な防塵機能付きの電子撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光学装置の防塵機能に関する技術の一例としては、撮像素子を保護する保護ガラス(防塵ガラス)を振動させることで、当該保護ガラスに付着した塵埃を払い落とす技術が知られている。例えば、特開2002−204379には、保護ガラスを振動させる手段として圧電素子を用いることが開示されている。この圧電素子は印加電圧に反応して伸縮して保護ガラスを所定の1つの周期で加振するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、カメラムにはさまざまな撮影モードが存在するが、各々の撮像動作に伴ってカメラが発生する音をできるだけ抑制したいというニーズが存在する。このようなニーズに答えるために、撮像動作を静かに実行できる動作モード(以下、静音動作モード)を備えたカメラシステムが提案されている。
【0004】
静音動作モードにおいては、音によるユーザへの告知動作を行わない。また、カメラの機構部材の駆動をメカニカルノイズが発生しないように行う、などの配慮がなされる。
【0005】
ところで、塵埃を除去するために防塵ガラスを加振すれば、空気が振動することにより音が発生する。この加振する際に発生する音の周波数が可聴帯域にあるとユーザはこの音を聞き取ることになる。静音動作モードが設定されている際にこのような音が発生することは望ましくない。
【0006】
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、静音動作モードが設定されているときに、ユーザにカメラの発生音を聞かれることなしに撮像動作を行うことができ、特に、静音動作モードが設定されているときに、ユーザにカメラの発生音を聞かれることなしに防塵動作を行うことができる電子撮像装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、第1の発明は、撮像動作に関連した音の発生を抑制する静音動作モードを有する電子撮像装置であって、被写体の光学像を結像する撮影光学系と、上記撮影光学系により結像された光学像を電気信号に変換する光電変換手段と、上記撮影光学系と上記光電変換手段との間に配置され、前記光電変換手段の光電変換面への塵埃等の付着を防止する防塵フィルタと、前記防塵フィルタを所定の周波数で振動させることにより前記防塵フィルタに塵埃除去動作を行わせる制御手段と、を具備し、前記制御手段は、前記静音動作モードが選択されているか否かに応じて、異なる振動形態で前記防塵フィルタを振動させる。
【0008】
また、第2の発明は、第1の発明に係る電子撮像装置において、前記制御手段は、前記静音動作モードが選択されているか否かに応じて、異なる駆動周波数で前記防塵フィルタを振動させる。
【0009】
また、第3の発明は、第2の発明に係る電子撮像装置において、前記制御手段は、前記静音動作モードが選択されている場合には、前記静音動作モードが選択されていない場合よりも高い駆動周波数で前記防塵フィルタを振動させる。
【0010】
また、第4の発明は、第3の発明に係る電子撮像装置において、前記制御手段は、前記静音動作モードが選択されている場合には可聴音を発生しない駆動周波数で前記防塵フィルタを振動させる。
【0011】
また、第5の発明は、第1の発明に係る電子撮像装置において、前記制御手段は、前記静音動作モードが選択されているか否かに応じて、前記防塵フィルタに進行波を発生させることと、前記防塵フィルタに定在波を発生させることのいずれかを行う。
【0012】
また、第6の発明は、第5の発明に係る電子撮像装置において、前記防塵フィルタは複数の圧電素子を備え、前記制御手段は、前記静音動作モードが選択されている場合には前記複数の圧電素子に位相の異なる駆動電圧を印加し、前記静音動作モードが選択されていない場合には前記複数の圧電素子に同相の駆動電圧を印加する。
【0013】
また、第7の発明は、撮像動作に関連した音の発生を抑制する静音動作モードを有する電子撮像装置であって、被写体の光学像を結像する撮影光学系と、上記撮影光学系により結像された光学像を電気信号に変換する光電変換手段と、上記撮影光学系と上記光電変換手段との間に配置され、前記光電変換手段の光電変換面への塵埃等の付着を防止する防塵フィルタと、前記防塵フィルタを所定の周波数で振動させることにより前記防塵フィルタに塵埃除去動作を行わせる制御手段と、を具備し、前記制御手段は、前記静音動作モードが選択されているか否かに応じて、前記防塵フィルタの塵埃除去動作を実行することと、前記防塵フィルタの塵埃除去動作を禁止することのいずれかを行う。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
図1は、本発明をデジタルカメラに適用した場合の実施の形態の概略的な構成を示す一部切り欠き斜視図である。
【0016】
すなわち、図1は、カメラ本体の一部を切断して、その内部構成を概略的に示す斜視図である。
【0017】
本実施形態のカメラ1は、それぞれが別体に構成されるカメラ本体部11及びレンズ鏡筒12とからなり、このカメラ本体部11及びレンズ鏡筒12の両者は、互いに着脱自在に構成されてなるものである。
【0018】
そして、レンズ鏡筒12は、複数のレンズやその駆動機構等からなる撮影光学系12aを内部に保持して構成されている。
【0019】
この撮影光学系12aは、被写体からの光束を透過させることによって、当該被写光束により形成される被写体の像を所定の位置(後述する撮像素子の光電変換面上)に結像せしめるように、例えば、複数の光学レンズ等によって構成されるものである。
【0020】
このレンズ鏡筒12は、カメラ本体部11の前面に向けて突出するように配設されている。
【0021】
また、カメラ本体部11は、内部に各種の構成部材等を備えて構成され、かつ撮影光学系12aを保持するレンズ鏡筒12を着脱自在となるように配設するための連結部材である撮影光学系装着部11aをその前面に備えて構成されてなるいわゆる一眼レフレックス方式のカメラである。
【0022】
つまり、カメラ本体部11の前面側の略中央部には、被写体光束を当該カメラ本体部11の内部へと導き得る所定の口径を有する露光用開口が形成されており、この露光用開口の周縁部に撮影光学系装着部11aが形成されている。
【0023】
そして、このカメラ本体部11の前面に上述の撮影光学系装着部11aが配設されているほか、上面部や背面部等の所定の位置にカメラ本体部11を動作させるための各種の操作部材、例えば、撮像動作を開始せしめるための指示信号等を発生させるためのレリーズボタン17等が配設されている。
【0024】
このカメラ本体部11の内部には、各種の構成部材、例えば、いわゆる観察光学系を構成するファインダ装置13と、撮像素子の光電変換面への被写体光束の照射時間等を制御するシャッタ機構等を備えたシャッタ部14と、被写体像に対応した画像信号を得る不図示の撮像素子及びこの撮像素子の光電変換面の前面側の所定の位置に配設され、当該光電変換面への塵挨等の付着を予防する防塵部材である防塵フィルタ(防塵ガラスともいう)21等を含む撮像ユニット15と、電気回路を構成する各種の電気部材が実装される主回路基板16を始めとした複数の回路基板(主回路基板16のみを図示している)等が、それぞれ所定の位置に配設されている。
【0025】
ファインダ装置13は、撮影光学系12aを透過した被写体光束の光軸を折り曲げて観察光学系の側へと導き得るように構成されるクイックリターンミラー13bと、このクイックリターンミラー13bから出射する光束を受けて正立正像を形成するペンタプリズム13aと、このペンタプリズム13aにより形成される像を拡大して観察するのに最適な形態の像を結像させる接眼レンズ13c等によって構成されている。
【0026】
クイックリターンミラー13bは、撮影光学系12aの光軸から退避する位置と当該光軸上の所定の位置との間で移動自在に構成され、通常状態においては、撮影光学系12aの光軸上において当該光軸に対して所定の角度、例えば、角度45度を有して配置されている。
【0027】
これにより、撮影光学系12aを透過した被写体光束は、当該カメラ1が通常状態にあるときには、クイックリターンミラー13bによってその光軸が折り曲げられて、当該クイックリターンミラー13bの上方に配置されるペンタプリズム13aの側へと反射されるようになっている。
【0028】
一方、本カメラ1が撮像動作の実行中においては、当該クイックリターンミラー13bは撮影光学系12aの光軸から退避する所定の位置に移動するようになっており、これによって、被写体光束は、撮像素子側へと導かれる。
【0029】
また、シャッタ部14は、例えば、フォーカルプレーン方式のシャッタ機構やその駆動回路等、従来のカメラ等において一般的に利用されているものと同様のものが適用される。
【0030】
図2は、本発明に係わる一実施の形態のカメラのシステム構成を示すブロック図である。
【0031】
すなわち、この実施の形態のカメラシステムは、カメラ本体11と、交換レンズとしてのレンズ鏡筒12とから主に構成されており、カメラ本体11の前面に対して所望のレンズ鏡筒12が着脱自在に装着されている。
【0032】
レンズ鏡筒12の制御は、レンズ制御用マイクロコンピュータ(以下、Lucomと称する)205が行う。
【0033】
カメラ本体11の制御は、ボディ制御用マイクロコンピュータ(以下、Bucomと称する)150が行う。
【0034】
なお、これらLucom205とBucom150とは、合体時において通信コネクタ206を介して通信可能に電気的接続がなされる。
【0035】
そして、この場合、カメラシステムとしてLucom205がBucom150に従属的に協働しながら稼動するようになっている。
【0036】
また、レンズ鏡筒12内には、撮影光学系12aと、絞り203とが設けられている。
【0037】
この撮影光学系12aは、レンズ駆動機構202内に在る図示しないDCモータによって駆動される。
【0038】
また、絞り203は、絞り駆動機構204内に在る図示しないステッピングモータによって駆動される。
【0039】
Lucom205は、Bucom150からの指令に従って、これらの各モータを制御する。
【0040】
そして、このカメラ本体11内には、次の構成部材が図示のように配設されている。
【0041】
例えば、光学系としての一眼レフレックス方式の構成部材(ペンタプリズム13a、クイックリターンミラー13b、接眼レンズ13c、サブミラー114)と、光軸上のフォーカルプレーン式のシャッタ115と、上記サブミラー14からの反射光束を受けて自動測距するためのAFセンサユニット116とが設けられている。
【0042】
また、上記AFセンサユニット116を駆動制御するAFセンサ駆動回路117と、上記クイックリターンミラー13bを駆動制御するミラー駆動機構118と、上記シャッタ115の先幕と後幕を駆動するためのばね力をチャージするシャッタチャージ機構119と、それら先幕と後幕の動きを制御するシャッタ制御回路120と、上記ペンタプリズム13aからの光束に基づき測光処理する測光回路121とが設けられている。
【0043】
光軸上には、上記光学系を通過した被写体像を光電変換するための撮像素子27が光電変換素子として設けられている。
【0044】
この場合、この撮像素子27は、該撮像素子27と撮影光学系12aとの間に配設された光学素子としての透明なガラス部材でなる防塵フィルタ21によって保護されている。
【0045】
そして、この防塵フィルタ21を所定の周波数で振動させる加振手段の一部として、例えば、圧電素子22がその防塵フィルタ21の周縁部に取り付けられている。
【0046】
また、圧電素子22は2つの電極を有しており、この圧電素子22が加振手段の一部としての防塵フィルタ駆動回路140によって防塵フィルタ21を振動させ、そのガラス表面に付着していた塵を除去できるように構成されている。
【0047】
なお、撮像素子27の周辺の温度を測定するために、防塵フィルタ21の近傍には、温度測定回路133が設けられている。
【0048】
このカメラシステムには、また、撮像素子27に接続されたインターフェース回路123と、液晶モニタ124と、記憶領域として設けられたSDRAM125と、FlashROM126及び記録メディア127などを利用して画像処理する画像処理コントローラ128とが設けられ、電子撮像機能と共に電子記録表示機能を提供できるように構成されている。
【0049】
その他の記憶領域としては、カメラ制御に必要な所定の制御パラメータを記憶する不揮発性記憶手段として、例えば、EEPROMからなる不揮発性メモリ129が、Bucom150からアクセス可能に設けられている。
【0050】
また、Bucom150には、当該カメラの動作状態を表示出力によってユーザへ告知するための動作表示用LCD151と、カメラ操作スイッチ(SW)152とが設けられている。
【0051】
上記カメラ操作SW152は、例えば、レリーズSW、モード変更SW及びパワーSWなどの、当該カメラを操作するために必要な操作釦を含むスイッチ群である。
【0052】
さらに、電源としての電池154と、この電源の電圧を、当該カメラシステムを構成する各回路ユニットが必要とする電圧に変換して供給する電源回路153が設けられている。
【0053】
次に、上述したように構成されるカメラシステムの動作について説明する。まず、画像処理コントローラ128は、Bucom150の指令に従ってインターフェース回路123を制御して撮像素子27から画像データを取り込む。
【0054】
この画像データは,画像処理コントローラ128でビデオ信号に変換され、液晶モニタ124にて出力表示される。
【0055】
ユーザは、この液晶モニタ124の表示画像から、撮影した画像イメージを確認することができる。
【0056】
SDRAM125は、画像データの一時的保管用メモリであり、画像データが変換される際のワークエリアなどに使用される。
【0057】
また、この画像データはJPEGデータに変換された後には記録メディア127に保管されるように設定されている。
【0058】
撮像素子27は、前述したように透明なガラス部材でなる防塵フィルタ21によって保護されている。
【0059】
この防塵フィルタ21の周縁部にはそのガラス面を加振するための圧電素子22が配置されており、この圧電素子22は、後で詳しく説明するように、該圧電素子22の駆動手段としても働く防塵フィルタ駆動回路140によって駆動される。
【0060】
撮像素子27及び圧電素子22は、防塵フィルタ21を一面とし、かつ破線で示すような枠体によって囲まれたケース内に一体的に収納されることが、防塵のためにはより好ましい。
【0061】
通常、温度はガラス製の物材の弾性係数に影響し、その固有振動数を変化させる要因の1つであるため、運用時にその温度を計測してその固有振動数の変化を考慮しなければならない。
【0062】
稼動中に温度上昇が激しい撮像素子27の前面を保護するため設けられた防塵フィルタ21の温度変化を測定して、そのときの固有振動数を予想するようにしたほうがよい。
【0063】
したがって、この例の場合、上記温度測定回路133に接続されたセンサ(不図示)が、撮像素子27の周辺温度を測定するため設けられている。
【0064】
なお、そのセンサの温度測定ポイントは、防塵フィルタ21の振動面の極近傍に設定されるのが好ましい。
【0065】
ミラー駆動機構118は、クイックリターンミラー13bをUP位置とDOWN位置へ駆動するための機構であり、このクイックリターンミラー13bがDOWN位置にあるとき、撮影光学系12aからの光束はAFセンサユニット116側とペンタプリズム13a側へと分割されて導かれる。
【0066】
AFセンサユニット116内のAFセンサからの出力は、AFセンサ駆動回路117を介してBucom150へ送信されて周知の測距処理が行われる。
【0067】
また、ペンタプリズム13aに隣接する接眼レンズ13cからはユーザが被写体を目視できる一方、このペンタプリズム13aを通過した光束の一部は測光回路121内のホトセンサ(不図示)へ導かれ、ここで検知された光量に基づき周知の測光処理が行われる。
【0068】
次に、本実施形態のカメラ1における撮像ユニット15の詳細について説明する。
【0069】
図3、図4、図5は、本実施形態のカメラ1における撮像ユニット15の一部を取り出して示す図であって、図3は、当該撮像ユニットを分解して示す要部分解斜視図である。
【0070】
また、図4は、当該撮像ユニット組み立てた状態の一部を切断して示す斜視図であり、図5は、図4の切断面に沿う断面図である。
【0071】
なお、本実施形態のカメラ1の撮像ユニット15は、上述したようにシャッタ部14を含む複数の部材によって構成されるユニットであるが、図3乃至図5においては、その主要部を図示するに留め、シャッタ部14についての図示を省略している。
【0072】
また、各構成部材の位置関係を示すために、図3乃至図5においては、当該撮像ユニット15の近傍に設けられ、撮像素子27が実装されると共に、画像信号処理回路及びワークメモリ等からなる撮像系の電気回路が実装される主回路基板16を合わせて図示している。
【0073】
なお、この主回路基板16、それ自体の詳細については、従来のカメラ等において、一般的に利用されているものが適用されるものとして、その説明は省略する。
【0074】
撮像ユニット15は、CCD等からなり撮影光学系12aを透過し自己の光電変換面上に照射された光に対応した画像信号を得る撮像素子27と、この撮像素子27を固定支持する薄板状の部材からなる撮像素子固定板28と、撮像素子27の光電変換面の側に配設され、撮影光学系12aを透過して照射される被写体光束から高周波成分を取り除くべく形成される光学素子である光学的ローパスフィルタ(Low Pass Filter;以下、光学LPFという)25と、この光学LPF25と撮像素子27との間の周縁部に配置され、略枠形状の弾性部材等によって形成されるローパスフィルタ受け部材26と、撮像素子27を収納し固定保持すると共に光学LPF25(光学素子)をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持し、かつ所定の部位を後述する防塵フィルタ受け部材23に密に接触するように配設される撮像素子収納ケース部材24(以下、CCDケース24という)と、このCCDケース24の前面側に配置され防塵フィルタ21をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する防塵フィルタ受け部材23と、この防塵フィルタ受け部材23によって支持されて撮像素子27の光電変換面の側であって光学LPF25の前面側において当該光学LPF25の間に所定の間隔を持つ所定の位置に対向配置される防塵部材である防塵フィルタ21と、この防塵フィルタ21の周縁部に配設され当該防塵フィルタ21に対して所定の振動を与えるための加振用部材であり、例えば、電気機械変換素子等からなる圧電素子22と、防塵フィルタ21を防塵フィルタ受け部材23に対して気密に接合させ固定保持するための弾性体からなる押圧部材20等によって構成されている。
【0075】
撮像素子27は、撮影光学系12aを透過した被写体光束を自己の光電変換面に受けて光電変換処理を行うことによって、当該光電変換面に形成される被写体像に対応した画像信号を取得するものであって、例えば、電荷結合素子(CCD;Charge Coupled Device)が用いられる。
【0076】
この撮像素子27は、撮像素子固定板28を介して主回路基板16上の所定の位置に実装されている。
【0077】
この主回路基板16には、上述したように画像信号処理回路及びワークメモリ等が共に実装されており、撮像素子27から出力された信号は、これらの回路で処理されるようになっている。
【0078】
撮像素子27の前面側には、ローパスフィルタ受け部材26を挟んで光学LPF25が配設されている。
【0079】
そして、これらの撮像素子27、ローパスフィルタ受け部材26、光学LPF25を覆うようにCCDケース24が配設されている。
【0080】
つまり、CCDケース24には、略中央部分に矩形状からなる開口24cが設けられており、この開口24cには、その後方側から光学LPF25及び撮像素子27が配設されるようになっている。
【0081】
この開口24cの後方側の内周縁部には、図4、図5に示すように断面が略L字形状からなる段部24aが形成されている。
【0082】
上述したように、光学LPF25と撮像素子27との間には、弾性部材等からなるローパスフィルタ受け部材26が配設されている。
【0083】
このローパスフィルタ受け部材26は、撮像素子27の前面側の周縁部においてその光電変換面の有効範囲を避ける位置に配設され、かつ光学LPF25の背面側の周縁部近傍に当接するようになっている。
【0084】
そして、光学LPF25と撮像素子27との間を略気密性が保持されるようにしている。
【0085】
これにより、光学LPF25には、ローパスフィルタ受け部材26による光軸方向への弾性力が働くことになる。
【0086】
そこで、光学LPF25の前面側の周縁部を、CCDケース24の段部24aに対して略気密に接触させるように配置することによって、当該光学LPF25をその光軸方向に変位させようとするローパスフィルタ受け部材26による弾性力に抗して当該光学LPF25の光軸方向における位置を規制するようにしている。
【0087】
換言すれば、CCDケース24の開口24cの内部に背面側より挿入された光学LPF25は、CCDケース24の段部24aによって光軸方向における位置規制がなされている。
【0088】
これにより、当該光学LPF25は、CCDケース24の内部から前面側へ向けて外部に抜け出ないようになっている。
【0089】
このようにして、CCDケース24の開口24cの内部に背面側から光学LPF25が挿入された後、光学LPF25の背面側には、撮像素子27が配設されるようになっている。
【0090】
この場合において、光学LPF25と撮像素子27との間には、周縁部においてローパスフィルタ受け部材26が挟持されるようになっている。
【0091】
また、撮像素子27は、上述したように撮像素子固定板28を挟んで主回路基板16に実装されている。
【0092】
そして、撮像素子固定板28は、CCDケース24の背面側からネジ孔24eに対してネジ28bによってスペーサ28aを介して固定されている。
【0093】
また、撮像素子固定板28には、主回路基板16がスペーサ16cを介してネジ16dによって固定されている。
【0094】
CCDケース24の前面側には、防塵フィルタ受け部材23がCCDケース24のネジ孔24bに対してネジ23bによって固定されている。
【0095】
この場合において、CCDケース24の周縁側であって前面側の所定の位置には、図4、図5において詳細に示すように、周溝24dが略環状に形成されている。
【0096】
その一方で、防塵フィルタ受け部材23の周縁側であって背面側の所定の位置には、CCDケース24の周溝24dに対応させた環状凸部23d(図3には図示せず)が全周にわたって略環状に形成されている。
【0097】
したがって、環状凸部23dと周溝24dとが嵌合することによりCCDケース24と防塵フィルタ受け部材23とは、環状の領域、すなわち、周溝24dと環状凸部23dとが形成される領域において相互に略気密に嵌合するようになっている。
【0098】
防塵フィルタ21は、全体として円形乃至多角形の板状をなし、少なくとも自己の中心から放射方向に所定の広がりを持つ領域が透明部をなしており、この透明部が光学LPF25の前面側に所定の間隔をもって対向配置されているものである。
【0099】
また、防塵フィルタ21の一方の面(本実施形態では背面側)の周縁部には、当該防塵フィルタ21に対して振動を与えるための所定の加振用部材であり、電気機械変換素子等によって形成される圧電素子22が一体となるように、例えば、接着剤による貼着等の手段により配設されている。
【0100】
この圧電素子22は、外部から所定の駆動電圧を印加することによって防塵フィルタ21に所定の振動を発生させることができるように構成されている。
【0101】
そして、防塵フィルタ21は、防塵フィルタ受け部材23に対して気密に接合するように、板ばね等の弾性体からなる押圧部材20によって固定保持されている。
【0102】
防塵フィルタ受け部材23の略中央部近傍には、円形状又は多角形状からなる開口23fが設けられている。
【0103】
この開口23fは、撮影光学系12aを透過した被写体光束を通過させて、当該光束が、その後方に配置される撮像素子27の光電変換面を照射するのに十分な大きさとなるように設定されている。
【0104】
この開口23fの周縁部には、前面側に突出する壁部23e(図4、図5参照)が略環状に形成されており、この壁部23eの先端側には、さらに前面側に向けて突出するように、受け部23cが形成されている。
【0105】
一方、防塵フィルタ受け部材23の前面側の外周縁部近傍には、所定の位置に複数(本実施形態では3箇所)の突状部23aが前面側に向けて突出するように形成されている。
【0106】
この突状部23aは、防塵フィルタ21を固定保持する押圧部材20を固設するために形成される部位であって、当該押圧部材20は、突状部23aの先端部に対してねじ20a等の締結手段により固設されている。
【0107】
押圧部材20は、上述したように板ばね等の弾性体によって形成される部材であって、その基端部が突状部23a固定され、自由端部が防塵フィルタ21の外周縁部に当接することによって、当該防塵フィルタ21を防塵フィルタ受け部材23の側、すなわち、光軸方向に向けて押圧するようになっている。
【0108】
この場合において、防塵フィルタ21の背面側の外周縁部に配設される圧電素子22の所定の部位が、受け部23cに当接することによって、防塵フィルタ21及び圧電素子22の光軸方向における位置が規制されるようになっている。
【0109】
これにより、防塵フィルタ21は、圧電素子22を介して防塵フィルタ受け部材23に対して気密に接合するように固定保持されている。
【0110】
換言すれば、防塵フィルタ受け部材23は、押圧部材20による付勢力によって防塵フィルタ21と圧電素子22を介して気密に接合するように構成されている。
【0111】
ところで、上述したように防塵フィルタ受け部材23とCCDケース24とは、周溝24dと環状凸部23d(図4、図5参照)とが相互に略気密に嵌合するようになっているのと同時に、防塵フィルタ受け部材23と防塵フィルタ21とは、押圧部材20の付勢力により圧電素子22を介して気密に接合するようになっている。
【0112】
また、CCDケース24に配設される光学LPF25は、当該光学LPF25の前面側の周縁部とCCDケース24の段部24aとの間で略気密となるように配設されている。
【0113】
さらに、光学LPF25の背面側には、撮像素子27がローパスフィルタ受け部材26を介して配設されており、光学LPF25と撮像素子27との間においても、略気密性が保持されるようになっている。
【0114】
これにより、光学LPF25と防塵フィルタ21とが対向する間の空間には、所定の空隙部51aが形成されている。
【0115】
また、光学LPF25の周縁側、すなわち、CCDケース24と、防塵フィルタ受け部材23と、防塵フィルタ21とによって、空間部51bが形成されている。
【0116】
この空間部51bは、光学LPF25の外側に張り出すようにして形成されている封止された空間である(図4、図5参照)。
【0117】
また、この空間部51bは、空隙部51aよりも広い空間となるように設定されている。
【0118】
そして、空隙部51aと空間部51bとからなる空間は、上述した如くCCDケース24と防塵フィルタ受け部材23と防塵フィルタ21と光学LPF25とによって、略気密に封止される封止空間51となっている。
【0119】
このように、本実施形態のカメラにおける撮像ユニット15では、光学LPF25及び防塵フィルタ21の周縁に形成され空隙部51aを含む略密閉された封止空間51を形成する封止構造部が構成されている。
【0120】
そして、この封止構造部は、光学LPF25の周縁乃至その近傍から外側の位置に設けられるようになっている。
【0121】
さらに、本実施形態においては、防塵フィルタ21をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部材である防塵フィルタ受け部材23と、光学LPF25をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持すると共に、自己の所定部位で防塵フィルタ受け部材23と密に接触するように配設される第2の部材であるCCDケース24等によって、封止構造部が構成されている。
【0122】
上述のように構成された本実施形態のカメラにおいては、撮像素子27の前面側の所定の位置に防塵フィルタ21を対向配置し、撮像素子27の光電変換面と防塵フィルタ21との周縁に形成される封止空間51を封止するように構成したことによって、撮像素子27の光電変換面に塵挨等が付着するのを未然に予防している。
【0123】
そして、この場合においては、防塵フィルタ21の前面側の露出面に付着する塵挨等については、当該防塵フィルタ21の周縁部に一体となるように配設される圧電素子22に周期電圧を印加して防塵フィルタ21に対して所定の振動を与えることによって、除去することができるようになっている。
【0124】
ここで、防塵フィルタ21の塵埃除去動作としての振動について説明する。図6は、カメラ1における撮像ユニット15のうち防塵フィルタ21及びこれに一体に設けられる圧電素子22のみを取り出して示す正面図である。
【0125】
また、図7及び図8は、図6の圧電素子22に対して周期的な駆動電圧を印加した際の防塵フィルタ21及び圧電素子22の状態変化を示し、図7は図6のA−A線に沿う断面図、図8は、図6のB−B線に沿う断面図である。
【0126】
例えば圧電素子22に負(マイナス;−)電圧を印加した場合には、防塵フィルタ21は、図7、図8において実線で示すように変形する一方、圧電素子22に正(プラス;+)電圧を印加した場合には、防塵フィルタ21は、同図において点線で示すように変形することになる。
【0127】
この場合において、図6〜図8の符号21aで示すような振動の節の位置では、実質的に振幅は零になることから、この節21aに対応する部位に防塵フィルタ受け部材23の受け部23cを当接させるように設定する。これにより、振動を阻害することなく防塵フィルタ21を効率的に支持し得ることになる。そしてこの状態において、圧電素子22に対して周期的な電圧を印加することで防塵フィルタ21は振動し、当該防塵フィルタ21の表面に付着した塵埃等は除去される。
【0128】
なお、このときの共振周波数は、防塵フィルタ21の形状や板厚・材質等により決まるものである。上述の図6〜図8に示す例では、一次振動を発生させた場合を示している。
【0129】
また、図9〜図11に図示する別の例では、図6〜図8に示す例と全く同じ構成の防塵フィルタに対して二次振動を発生させた場合の様子を示している。
【0130】
この場合、図9は、図6と同様にカメラ1における撮像ユニット15のうち防塵フィルタ21及びこれに一体に設けられる圧電素子22のみを取り出して示す正面図である。
【0131】
図10及び図11は、図9の圧電素子22に対して二次振動を発生させるための周期的な電圧を印加した際の防塵フィルタ21及び圧電素子22の状態変化を示し、図10は、図9のA−A線に沿う断面図、図11は図9のB−B線に沿う断面図である。
【0132】
例えば圧電素子22に負(マイナス;−)電圧を印加した場合には、防塵フィルタ21は、図10及び図11において実線で示すように変形する一方、圧電素子22に正(プラス;+)電圧を印加した場合には、防塵フィルタ21は、同図において点線で示すように変形することになる。
【0133】
この場合においては、図9〜図11に示す符号21a、21bに示すようにこの振動では二対の節が存在することになるが、節21aに対応する部位に防塵フィルタ受け部材23の受け部23cを当接させるように設定することで、上述の図6〜図8に示す例と同様に、振動を阻害することなく防塵フィルタ21を効率的に支持し得ることになる。
【0134】
したがって、このような防塵機構において、所定の時期に圧電素子22に対して周期的な電圧を印加することで防塵フィルタ21は振動し、当該防塵フィルタ21の表面に付着した塵埃等は除去できる。
【0135】
図12は、本電子撮像装置における撮像ユニットのうち防塵フィルタに振動を与える加振手段の構成を概念的に示す図である。
【0136】
図12に示すように、円環形状の圧電素子22は、22a、22bに分極されている。この場合において、圧電素子22a、22bは、円周方向に8分割した領域において板厚方向に分極されており、分極方向はプラス(+)とマイナス(−)で表示され、分極方向が逆となっている領域が交互に配置されている。そして、一方の圧電素子22bは、他方の圧電素子22aに対して振動の波長(ここで1波長はプラス(+)、マイナス(−)の分極領域の長さに相当する)の四分の一波長(1/4λ)分だけずらした位置となるように配置されている。
【0137】
このように構成される圧電素子22a、22bに対しては、防塵フィルタ駆動回路140によって、それぞれの板厚方向に所定の周波数の電圧が追加されることになる。
【0138】
この場合において、防塵フィルタ駆動回路140の発振器34から出力される周波数信号(第1の周期電圧信号)は、そのまま圧電素子22bに追加される一方、圧電素子22aに対しては、防塵フィルタ駆動回路48の90°移相器35によって位相が90°ずれた信号(第2の周期電圧信号)が印加されるようになっている。
【0139】
このような信号を各圧電素子22a、22bに印加することによって、防塵フィルタ21は、図13(防塵フィルタ21のみ表示されている)に示すように防塵フィルタ21の中心部を軸として回転方向Xへ向けて進行する屈曲進行波振動(山Yと谷Tとが交互に等間隔、等振幅で生じる振動)が生じることになる。
【0140】
なお、圧電素子22a、22bによって発声させられる屈曲進行波を任意の時間で見たときには、防塵フィルタ21の中心部(光軸)に対して略対称形状となっている。
【0141】
図14は、図2で説明した本電子撮像装置1における防塵フィルタ駆動回路140の構成を概略的に示す回路図である。図15は、図14の防塵フィルタ駆動回路140における各構成部材から出力される各信号形態を示すタイムチャートである。
【0142】
ボディ制御用マイクロコンピュータ150の内部にはクロックジェネレータ255が設けられているが、このクロックジェネレータ255は、圧電素子22a、22bに印加すべき信号周波数よりも十分に早い周波数でパルス信号(基本クロック)を出力する(図15に示すSig1参照)。この基本クロック信号は、防塵フィルタ駆動回路140のN進カウンタ241に入力される。N進カウンタ241はパルス信号をカウントし、所定値=Nに達する毎にカウント終了パルス信号を出力する。即ち、基本クロック信号は1/Nで分周されることになる(図15に示すSig2参照)。
【0143】
分周されたパルス信号は、HighとLowのデューティー比が1:1ではないので、第1の1/2分周回路242−1を介してデューティー比を1:1に変換する。このときに周波数は半分になる(図15に示すSig3参照)。第1の1/2分周回路242−1からの出力信号は、第2の1/2分周回路242−2とエクスクルーシブオア(ExOR)回路247へと出力される。第2の1/2分周回路242−2に入力されたパルス信号は、さらに周波数が半分になって出力される(図15に示すSig4参照)。
【0144】
ここで、パルス信号Sig4のハイ(High)状態において、MOSトランジスタQ01(244b1)がオン(ON)状態となる。さらに、パルス信号Sig4は、第1インバータ243−1を介してMOSトランジスタQ02(244c1)に印加される。この場合は、パルス信号Sig4のロー(Low)状態においてMOSトランジスタQ02(244c1)がオン(ON)状態となる。
【0145】
このようにしてトランスA(245−1)の1次側に接続された2つのMOSトランジスタQ01(244b1)及びQ02(244c1)が交互にオン状態になると、当該トランスA(245−1)の2次側には、図15に示すSig5の信号が発生する。この場合において、トランスA(245−1)の巻線比は、電源回路153の出力電圧と一方の圧電素子22aを駆動させるのに必要な電圧によって決定される。
【0146】
なお、抵抗R00(246−1)は、トランスA(245−1)に過大な電流が流れることを制限するために配設されているものである。
【0147】
圧電素子22aを駆動させるに際しては、Q00(244a1)がオン(ON)状態にあり、かつ電源回路153からトランスA(245−1)のセンタータップに電圧が印加されている必要がある。そして、この場合において、Q00(244a1)のオン又はオフの制御は、ボディ制御用マイクロコンピュータ150のP_PwContAから行われるようになっている。
【0148】
また、N進カウンタ241の設定値=Nは、ボディ制御用マイクロコンピュータ150のポート=D_NCntから設定される。つまり、ボディ制御用マイクロコンピュータ150は、設定値=Nを制御することによって、圧電素子22a、22bの駆動周波数を任意に変更することができるようになっている。
【0149】
駆動周波数の算出は、次に示す式(1)による。
【0150】
fdrv=fpls/4N ……(1)
ここで、N:N進カウンタ241への設定値
fpls:クロックジェネレータ255の出力パルスの周波数
fdrv:圧電素子22aへ印加される信号の周波数
このようにして、圧電素子22aに所定の電圧の駆動信号(Sig5)が印加される。
【0151】
一方、第1の1/2分周回路242−1の出力信号Sig3は、エクスクルーシブオア(ExOR)回路247を経由して、第3の1/2分周回路242−3へと出力される。この場合において、ボディ制御用マイクロコンピュータ150のポートP_θContがハイ(High)状態のときには、パルス信号Sig3は反転する。その後、第3の1/2分周回路243−3へと出力される。
【0152】
また、ポートP_θContがロー(Low)状態のときには、パルス信号Sig3は、そのままの状態で第3の1/2分周回路242−3へと出力される(図15に示すSig6参照)。このパルス信号Sig6は、さらに第3の1/2分周回路242−3によって半分の周波数にされた後、出力される(図15に示すSig7参照)。これによって、第2インバータ243−2、Q11(244b2)、Q12(244c2)、トランスB(245−2)が駆動されて、圧電素子22bに所定の電圧の駆動信号(Sig8)が印加される。
【0153】
なお、第2インバータ243−2、Q11(244b2)、Q12(244c2)、トランスB(245−2)、抵抗R10のそれぞれの機能は、上述した第1インバータ243−1、Q01(244b1)、Q02(244c1)、トランスA(245−1)、抵抗R00(246−1)のそれぞれと略同様となっている。
【0154】
また、第1〜第3の1/2分周回路242−1,242−2,242−3のいずれにおいても、入力されるパルス信号の立ち上がりエッジに反応して分周動作を行うようになっている。
【0155】
そして、パルス信号の周波数が同じであっても、信号が反転しているときには、第2の1/2分周回路242−2と第3の1/2分周回路242−3とがそれぞれ出力するパルス信号には位相の相違が発生する。この場合における位相の差は90°となる。
【0156】
したがって、圧電素子22aに印加される信号Sig5と、圧電素子22bに印加される信号Sig8との間には、90°の位相差が発生することになる。そして、この位相の差は、ボディ制御用マイクロコンピュータ150のポートP_θContによって制御できる。例えば、ポートP_θContがハイ(High)状態であれば、90°の位相差が発生し、ロー(Low)状態であれば、位相差は発生しないことになる。つまり、ポートP_θContを制御することによって、異なる形態の振動を防塵フィルタ21に対して加えることができる。
【0157】
(第1実施形態)
図16は、本発明の第1実施形態に係るカメラシステムにおけるBucom150の動作を説明するためのフローチャートである。
【0158】
Bucom150は、カメラの電源SWがON操作されると、その稼動を開始する。ステップS100において、当該カメラシステムを起動するための処理が実行される。電源回路153を制御して当該カメラシステムを構成する各回路ユニットへ電力を供給する。また各回路の初期設定を行う。
【0159】
次に、ステップS101、ステップS102、及び、ステップS103で示すように、電源起動時に塵埃を除去する動作を実行する。電源OFF中に何らかの理由(例えばユーザが撮影レンズの交換を行ったこと等)により塵埃が防塵フィルタ21に付着する可能性があるからである。
【0160】
ステップS101では、カメラ操作SW152の一つである静音動作モード選択SWの状態を判定する。静音動作モード選択SWがONならば静音動作モードが選択され、撮像動作に関連して発生するさまざまな音を抑制しなければならない。従ってここでは、撮像動作が遅れてもアクチュエータの動作速度を落としてメカニカルノイズを抑える。また音による告知表示(バッテリ低下時の警告、撮像動作を明示するための擬似的なレリーズ音、焦点調整動作終了時の告知音など)は禁止される。静音動作モードにおいては防塵動作に伴い防塵フィルタ21が発生する音も抑制しなければならない。
【0161】
ステップS101で静音動作モードが選択されていなければステップS101からステップS102へ移行して、防塵フィルタ21に対する防塵動作を実行する。防塵フィルタ21を共振周波数(f0)で加振するためにN進カウンタ241に設定される値は不揮発性メモリ129に記憶されている。塵埃を除去するために防塵フィルタ21を加振する時間(T0)も不揮発性メモリ129に記憶されている。ステップS102では、これらのデータに基づいて有音の防塵動作が実行される。ここでは2つの圧電素子22a、22bを周波数f0で同相にてT0の時間だけ駆動する。周波数f0で防塵フィルタ21を加振すると、防塵フィルタ21は図7、図8で示したごとく振動する。防塵フィルタ21は全体が同じ位相で振動する。したがってf0が可聴周波数であれば人が検知可能な音が発生する。静音動作モードではないので音の発生はユーザに対して防塵動作の告知となり都合がよい。
【0162】
一方、ステップS101において静音動作モードが選択されるとステップS101からステップS103へ移行する。ここではステップS102の動作と同様に防塵フィルタ21に対する防塵動作が実行される。不揮発性メモリ129から2つの制御パラメータ(f1,T1)を読み出す。ここでf1は上述のf0とは異なる(f0よりも高い)周波数である。ただし、駆動周波数が高いとフィルタの振動幅が小さくなるので、付着した塵埃等を完全に除去するために周波数f1における駆動時間T1を周波数f0における駆動時間T0よりも長く設定する必要がある。ステップS103では、これらの制御パラメータに基づいて防塵フィルタ21が加振されて無音の防塵動作が実行される。防塵フィルタ21をf1で加振すると、防塵フィルタ21は図10、図11で示したごとく、図7,図8で示した振動形態とは異なる形態で振動する。ここでの防塵フィルタ21は全体が同じ位相では振動しない。図でわかるように中央部の偏移と周辺部の偏移の位相が180°ずれている。したがって中央部の偏移により発生する音と周辺部の偏移により発生する音も位相がずれて相殺される。したがってf1が可聴周波数であっても、防塵動作に伴う音をユーザは聞くことはない。防塵フィルタ21を構成する円形のガラス板の振動のモードは多数存在する。図7、図8で示した以外の振動モードでは防塵フィルタ21全体が同相で振動しないため音を効率よく輻射できない。したがって静音動作モードでは防塵フィルタ21全体が同相で振動しない周波数で駆動するならば、周波数f1に固執する必要はない。
【0163】
ステップS102あるいはステップS103の実行の後は、ステップS104に移行する。ステップS104ではカメラ操作SW152の一つである1stレリーズSWの状態を判定する。1stレリーズSWの操作が検出されるまでステップS104で待機する。1stレリーズSWが操作されるとステップS104からステップS105へ移行する。ステップS105では測光回路121から被写体の輝度情報を入手する。そしてこの情報から撮像ユニット15の露光時間(Tv値)とレンズユニット12の絞り設定値(Av値)を算出する。
【0164】
ステップS106では、AFセンサ駆動回路117を経由してAFセンサユニット116の検知データを入手する。このデータに基づきピントのズレ量を算出する。
【0165】
ステップS107では、その算出されたズレ量が許可された範囲内にあるか否かを判定し、否の場合はステップS108で撮影光学系12aにおける撮影レンズの駆動制御を行い、ステップS104へ戻る。
【0166】
一方、ステップS107で、ズレ量が許可された範囲内に在る場合は、ステップS109へ移行する。ステップS109では、カメラ操作SW152の1つである2ndレリーズSWの操作状態を判定する。SWの操作がなされているときにはステップS110へ移行し、SWの操作がない時はステップS104へ移行する。
【0167】
ステップS110では静音動作モード設定SWの状態を検出する。静音動作モードでないときはステップS111において撮像動作に先立って有音の防塵動作を開始する。この動作はすでに説明したステップS102と同じ動作である。防塵動作は、後述する、撮像動作に必要な準備動作(ステップS113,ステップS114)と平行して実行される。
【0168】
一方、ステップS110で静音動作モードのときは、ステップS112において無音の防塵動作を開始する。この動作はステップS103と同じ動作である。
【0169】
ステップS113ではステップS105において算出されたAv値に基づいて撮影光学系12aにおける撮影レンズの絞りが設定される。
【0170】
ステップS114ではクイックリターンミラー13bをUP位置へ駆動する。
【0171】
ステップS115では防塵動作を終了するため圧電素子22の駆動を停止することにより防塵フィルタ21の駆動を停止する。
【0172】
ステップS116ではシャッタ14をOPEN制御する。ステップS117ではステップS105において算出されたTv値に基づき撮像素子27を露光することにより撮像動作を行う。
【0173】
ステップS118ではシャッタ14をCLOSE制御する。ステップS119ではクイックリターンミラー13bをDown位置へ駆動するとともに、シャッタ14をチャージする。
【0174】
ステップS120では撮影光学系12aにおける撮影レンズの絞りを開放位置へ駆動する。ステップS121では撮像素子27から画像データを読み出して、所定のフォーマットへ変換後、記録メディアへ保管する。
【0175】
上記した第1実施形態によれば、静音動作モードが設定されているときには無音の防塵動作を行うようにしたので、ユーザにカメラの発生音を聞かれることなしに防塵動作を行うことができる。
【0176】
(第2実施形態)
図17は、本発明の第2実施形態に係るカメラシステムにおけるBucom150の動作を説明するためのフローチャートである。
【0177】
Bucom150は、カメラの電源SWがON操作されると、その稼動を開始する。ステップS200において、当該カメラシステムを起動するための処理が実行される。電源回路153を制御して当該カメラシステムを構成する各回路ユニットへ電力を供給する。また各回路の初期設定を行う。
【0178】
次に、ステップS201、ステップS202、及び、ステップS203で示すように、電源起動時にチリを除去する動作を実行する。電源OFF中に何らかの理由(例えばユーザが撮影レンズの交換を行ったこと等)により塵埃が防塵フィルタ21に付着する可能性があるからである。
【0179】
ステップS201では、カメラ操作SW152の一つである静音動作モード選択SWの状態を判定する。静音動作モード選択SWがONでは静音動作モードが選択され、撮像動作に関連して発生するさまざまな音を抑制しなければならない。従ってここでは、撮像動作が遅れてもアクチュエータの動作速度を落とすメカニカルノイズを抑える。また音による告知表示(バッテリ低下時の警告、撮像動作を明示するための擬似的なレリーズ音、焦点調整動作終了時の告知音など)は禁止される。静音動作モードにおいては防塵動作に伴い防塵フィルタ21が発生する音も抑制しなければならない。
【0180】
ステップS201で静音動作モードが選択されていなければステップS201からステップS202へ移行する。ステップS202では防塵フィルタ21に対する防塵動作を実行する。防塵フィルタ21を共振周波数(f0)で加振するためにN進カウンタ241に設定される値は不揮発性メモリ129に記憶されている。塵埃を除去するために防塵フィルタ21を加振する時間(T0)も不揮発性メモリ129に記憶されている。ステップS202では、これらのデータに基づいて有音の防塵動作が実行される。ここでは2つの圧電素子22a、22bを周波数f0で同相にてT0の時間だけ駆動する。周波数f0で防塵フィルタ21を加振すると、防塵フィルタ21は図7、図8で示したごとく振動する。防塵フィルタ21は全体が同じ位相で振動する。したがってf0が可聴周波数であれば人が検知可能な音が発生する。静音動作モードではないので音の発生はユーザに対して防塵動作の告知となり都合がよい。
【0181】
一方、ステップS201において静音動作モードが選択されるとステップS201からステップS203へ移行する。ここではステップS202の動作と同様に防塵フィルタ21に対する防塵動作が実行される。不揮発性メモリ129から2つの制御パラメータ(fs,Ts)を読み出す。ここで、fsは駆動周波数であり、Tsは駆動時間である。このパラメータに基づいて2つの圧電素子22a,22bに90°位相がずれた駆動信号を印加すると、防塵フィルタ21は図13で示したごとく振動する。この場合、防塵フィルタ21には進行波が発生するが、防塵フィルタ21全体が同相で振動しないため音を輻射することはできない。したがって無音状態での防塵動作となる。
【0182】
ステップS202あるいはステップS203の実行の後は、ステップS204に移行する。ステップS204ではカメラ操作SW152の一つである1stレリーズSWの状態を判定する。1stレリーズSWの操作が検出されるまでステップS204で待機する。1stレリーズSWが操作されるとステップS204からステップS205へ移行する。ステップS205では測光回路121から被写体の輝度情報を入手する。そしてこの情報から撮像ユニット15の露光時間(Tv値)とレンズユニット12の絞り設定値(Av値)を算出する。
【0183】
ステップS206では、AFセンサ駆動回路117を経由してAFセンサユニット116の検知データを入手する。このデータに基づきピントのズレ量を算出する。
【0184】
ステップS207では、その算出されたズレ量が許可された範囲内にあるか否かを判定し、否の場合はステップS208で撮影光学系12aにおける撮影レンズの駆動制御を行い、ステップS204へ戻る。
【0185】
一方、ステップS207でズレ量が許可された範囲内に在る場合は、ステップS209へ移行する。ステップS209ではカメラ操作SW152の1つである2ndレリーズSWの操作状態を判定する。2ndレリーズSWの操作がなされているときはステップS210へ移行し操作がない時はステップS204へ移行する。
【0186】
ステップS210では静音動作モード設定SWの状態を検出する。静音動作モードでないときはステップS211において撮像動作に先立って有音の防塵動作を開始する。この動作はすでに説明したステップS202と同じである。防塵動作は撮像動作に必要な準備動作(ステップS213,ステップS214)と平行して実行される。
【0187】
一方、ステップS210で静音動作モードのときは、ステップS210からステップS212に移行して屈曲進行波による防塵動作を開始する。この動作はステップS203と同じ動作である。
【0188】
ステップS213ではステップS205において算出されたAv値に基づいて撮影光学系12aにおける撮影レンズの絞りが設定される。
【0189】
ステップS214ではクイックリターンミラー13bをUP位置へ駆動する。
【0190】
ステップS215では防塵動作を終了するために圧電素子22の駆動を停止することにより防塵フィルタ21の駆動を停止する。
【0191】
ステップS216ではシャッタ14をOPEN制御する。ステップS217ではステップS205において算出されたTv値に基づき撮像素子27を露光して撮像動作を行う。
【0192】
ステップS218ではシャッタ14をCLOSE制御する。ステップS219ではクイックリターンミラー13bをDown位置へ駆動する。さらにシャッタ14をチャージする。ステップS220では撮影光学系12aにおける撮影レンズの絞りを開放位置へ駆動する。ステップS221では撮像素子27から画像データを読み出して、所定のフォーマットへ変換後、記録メディアへ保管する。
【0193】
上記した第2実施形態によれば、静音動作モードが設定されているときには屈曲進行波による防塵動作を行うようにしたので、ユーザにカメラの発生音を聞かれることなしに防塵動作を行うことができる。
【0194】
(第3実施形態)
上記した第1実施形態および第2実施形態では、静音動作モードが選択された時には、人が聞くことが可能な音を発生しないような形態で防塵フィルタ21を駆動することにより、静音動作モードであっても防塵動作そのものを停止させることは行っていない。しかし、第3実施形態例においては、静音動作モードが設定された場合には防塵動作そのものの動作を禁止することとする。この防塵動作の禁止に伴い防塵フィルタ21に塵埃が付着する確率を小さくするためにクイックリターンミラー13bをUP位置に移動する。
【0195】
通常、クイックリターンミラー13bは露光動作に連動してUP/Down駆動されるが、ここでは、静音動作モードに設定されると、クイックリターンミラー13bをUP位置に固定する。クイックリターンミラー13bが固定されることによってミラーボックス内の空気は撹拌されない。したがってミラーボックス内に存在する塵埃が巻き上げられて防塵フィルタ21に付着する可能性が小さくなる。またクイックリターンミラー13bのUP/Downによって発生するメカニカルノイズも無くなり、静音動作モードの主旨により合致することになる。
【0196】
以下、図18のフローチャートを参照して本発明の第3実施形態に係るカメラシステムにおけるBucom150の動作を説明する。Bucom150は、カメラの電源SWがON操作されると、その稼動を開始する。ステップS300において、当該カメラシステムを起動するための処理が実行される。電源回路153を制御して当該カメラシステムを構成する各回路ユニットへ電力を供給する。また各回路の初期設定を行う。
【0197】
ステップS301ではカメラ操作SW152の1つである静音動作モード選択SWの状態を判定する。静音動作モード選択SWがONのときは静音動作モードが選択されたことを示している。ステップS301で静音動作モード選択SWがONならばステップS301からステップS302へ移行する。ステップS302ではクイックリターンミラー13bの位置を検出する。クイックリターンミラー13bがDown位置にあるならば静音動作モード選択SWがONされた直後であることを示している。そこでステップS302からステップS303へ移行して、クイックリターンミラー13bをUP位置へ駆動する。クイックリターンミラー13bをUP位置へ設定するとファインダはblack out状態となり、ユーザはファインダを利用して被写体を観察することができない。この状況で被写体を観察するためには液晶モニタ124を利用する必要がある。
【0198】
そのためシャッタ14をOPEN状態に設定して撮像素子27から画像データを読み出してビデオ信号を作成する。そしてビデオ信号で液晶モニタ124へ被写体像を表示する。この動作に関する詳細な説明は省略する。
【0199】
次のステップS304では所定の条件で防塵動作を実行する。ステップS304の防塵動作はステップS102(図16)と同じである。防塵動作に伴い音が発生するが、以後静音動作モード中に防塵動作は行わないので問題はない。ここで防塵動作において第1、第2実施形態で示した無音の防塵動作を実施しない理由は、有音の防塵動作を実行することで音を利用してユーザに対して静音動作モードへ移行したことを告知するためである。
【0200】
すでに静音動作モードに設定され、クイックリターンミラー13bがUP位置にあるならばステップS303,ステップS304の動作は必要ない。この時はステップS302からステップS307へ移行する。
【0201】
一方、ステップS301で静音動作モード選択SWがOFFのときはステップS305においてクイックリターンミラー13bの位置を検出する。クイックリターンミラーがUP位置にあるときは静音動作モード選択SWがOFFされた直後であることを示している。ステップS305でクイックリターンミラー13bがUP位置ならばステップS306においてクイックリターンミラー13bをDown位置へ戻す。クイックリターンミラー13bがDown位置に設定されることに伴いファインダのblack out状態は解除される。ユーザはファインダを介して被写体を観察可能になる。次にステップS307に移行する。
【0202】
ステップS307ではカメラ操作SW152の一つである1stレリーズSWの状態を判定する。1stレリーズSWがONされるとステップS307からステップS308へ移行し、1stレリーズSWがOFFならばステップS301へ移行する。ステップS308では静音動作モード選択SWの状態を検出する。静音動作モード選択SWがOFFならばステップS309へ移行する。
【0203】
ステップS309では測光回路121から被写体の輝度情報を入手する。そしてこの情報から撮像素子27の露光時間(Tv値)とレンズユニット12の絞り設定値(Av値)を算出する。ステップS310では、公知の位相差方式の焦点調整動作が実行される。すなわち、AFセンサ駆動回路117を経由してAFセンサユニット116の検知データを入手する。このデータに基づきピントのズレ量を算出し、このズレ量に基づき撮影光学系12aにおける撮影レンズを駆動する。その後、ステップS313に移行する。
【0204】
一方、ステップS308で静音動作モードのときはステップS308からステップS311へ移行する。ステップS311では撮影素子27の出力に基づいて被写体輝度情報を検出する。そして撮影素子27の露光時間(Tv値)とレンズユニット12の絞り設定値(Av値)とを算出する。クイックリターンミラー13bがUP位置にあるため、ファインダ光学系に配置された測光回路121を利用して被写体輝度情報を入手することは出来ない。
【0205】
ステップS312では公知のコントラスト方式の焦点調整動作が実行される。すなわち、撮像素子27から読み出した画像データのコントラストが最大になるように撮影レンズのポジションを調整する。
【0206】
ステップS313ではカメラ操作SW152の1つである2ndレリーズSWの操作状態を判定する。2ndレリーズSWの操作がなされているときはステップS314へ移行し、当該操作がない時はステップS301へ移行する。
【0207】
ステップS314ではすでに算出されたAv値に基づき撮影光学系12aにおける撮影レンズの絞りを制御する。ステップS315では静音動作モードが設定されているか否かを判定する。静音動作モードが設定されているならばクイックリターンミラー13bを駆動する必要はない。また防塵動作も禁止される。したがってこの場合はステップS315からステップS318へ移行する。
【0208】
一方、ステップS315で静音動作モードが設定されていない時は、ステップS316においてクイックリターンミラー13bをUP位置へ駆動する。さらにステップS317では防塵動作が実行される。ここでの防塵動作はステップS304の防塵動作と同じである。
【0209】
ステップS318ではシャッタ14をOPEN制御する。ステップS319ではすでに算出されたTv値に基づき撮像素子27を露光する。ステップS320ではシャッタ14をCLOSE制御する。
【0210】
ステップS321では静音動作モードが設定されているか否かを判定する。静音動作モードであればクイックリターンミラー13bをDownさせる必要はないので、ただちにステップS323に移行する。また、静音動作モードが設定されていないときはステップS322においてクイックリターンミラー13bをDown位置へ駆動した後、ステップS323に移行する。ステップS323ではシャッタ14をチャージする。
【0211】
次のステップS324では撮影光学系12aにおける撮影レンズの絞りを開放位置へ駆動する。ステップS325では撮像素子27から画像データを読み出して、所定のフォーマットへ変換後、記録メディアへ保管する。
【0212】
上記した第3実施形態によれば、静音動作モードが設定されているときには防塵動作を行わないようにしたので、ユーザにカメラの発生音を聞かれることなしに撮像動作を行うことができる。
【0213】
(付記)
1.被写体の光学像を結像する撮影光学系と、
上記光学像を電気信号に変換する光電変換手段と、
上記撮影光学系と上記光電変換手段との間に配置され、設定周期で振動可能な防塵フィルタと、
を具備しており、
上記防塵フィルタは、振動時に可聴音を発生する第1の振動形態と、上記第1の振動形態よりも可聴音の小さい第2の振動形態で振動可能であることを特徴とする電子撮像装置。
【0214】
2. 上記第1の振動形態は上記防塵フィルタに定在波を発生させる振動形態であり、上記第2の振動形態は上記防塵フィルタに進行波を発生させる振動形態であることを特徴とする1.に記載の電子撮像装置。
【0215】
3. 上記第1の振動形態においては上記防塵フィルタを第1の周波数で振動させ、上記第2の振動形態においては上記防塵フィルタを上記第1の周波数よりも高い第2の周波数で振動させることを特徴とする1.に記載の電子撮像装置。
【0216】
4. 上記第2の振動形態は、上記電子撮像装置が静音モードに設定された際に実行される振動形態であることを特徴とする1.に記載の電子撮像装置。
【0217】
5. 被写体の光学像を結像する撮影光学系と、
上記光学像を電気信号に変換する光電変換手段と、
上記撮影光学系と上記光電変換手段との間に配置された防塵ガラスと、
上記防塵ガラスの周縁部に配置された複数の圧電素子と、
上記複数の圧電素子に周期的な駆動電圧を印加し、それによって生じる上記圧電素子の振動によって上記防塵ガラスに振動波を発生させる駆動制御手段と、
を具備しており、
上記駆動制御手段は、上記防塵ガラスが可聴音を発しながら振動する第1の周波数と、可聴音を発しない第2の周波数でもって、上記複数の圧電素子を駆動させることが可能であることを特徴とする電子撮像装置。
【0218】
6. 上記電子撮像装置は静音動作モードを有しており、上記駆動制御手段は上記静音動作モード時には上記第2の周波数でもって上記複数の圧電素子を駆動することを特徴とする5.に記載の電子撮像装置。
【0219】
7. 上記第2の周波数は、上記第1の周波数よりも高いことを特徴とする6.に記載の電子撮像装置。
【0220】
8. 被写体の光学像を結像する撮影光学系と、
上記光学像を電気信号に変換する光電変換手段と、
上記撮影光学系と上記光電変換手段との間に配置された防塵ガラスと、
上記防塵ガラスの周縁部に配置された複数の圧電素子と、
上記複数の圧電素子に周期的な駆動圧電を印加し、それによって生じる上記圧電素子の振動によって上記防塵ガラスに振動波を発生させる駆動制御手段と、
通常動作モードと静音動作モードを選択的に設定するための設定手段と、
を具備しており、
上記駆動制御手段は、上記通常動作モードにおいては上記防塵ガラスに定在波を発生させ、上記静音動作モードにおいては上記防塵ガラスに進行波を発生させることを特徴とする電子撮像装置。
【0221】
9. 上記駆動制御手段は、上記通常動作モードにおいては上記複数の圧電素子に同相の駆動電圧を印加し、上記静音動作モードにおいては位相の異なる駆動電圧を上記複数の圧電素子に印加することを特徴とする8.に記載の電子撮像装置。
【0222】
10. 被写体の光学像を結像する撮影光学系と、
上記光学像を電気信号に変換する光電変換手段と、
上記撮影光学系と上記光電変換手段との間に配置され、設定周期で振動可能な防塵フィルタと、
撮像動作に先立つタイミングで上記防塵フィルタを振動させる振動制御手段と、
通常動作モードと静音動作モードを選択的に設定するための設定手段と、
を具備しており、
上記静音動作モードが設定されている場合には、上記防塵フィルタの振動動作を禁止するようにしたことを特徴とする電子撮像装置。
【0223】
【発明の効果】
本発明によれば、静音動作モードが設定されているときに、ユーザにカメラの発生音を聞かれることなしに撮像動作を行うことができ、特に、静音動作モードが設定されているときに、ユーザにカメラの発生音を聞かれることなしに防塵動作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をデジタルカメラに適用した場合の実施の形態の概略的な構成を示す一部切り欠き斜視図である。
【図2】本発明に係わる一実施の形態のカメラのシステム構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態のカメラ1における撮像ユニット15の一部を取り出して示す図であり、当該撮像ユニット15を分解して示す要部分解斜視図である。
【図4】本実施形態のカメラ1における撮像ユニット15の一部を取り出して示す図であり、当該撮像ユニット組み立てた状態の一部を切断して示す斜視図である。
【図5】本実施形態のカメラ1における撮像ユニット15の一部を取り出して示す図であり、図4の切断面に沿う断面図である。
【図6】カメラ1における撮像ユニット15のうち防塵フィルタ21及びこれに一体に設けられる圧電素子22のみを取り出して示す正面図である。
【図7】図6の圧電素子22に対して周期的な駆動電圧を印加した際の防塵フィルタ21及び圧電素子22の状態変化を示しており、図6のA−A線に沿う断面図である。
【図8】図6の圧電素子22に対して周期的な駆動電圧を印加した際の防塵フィルタ21及び圧電素子22の状態変化を示しており、図6のB−B線に沿う断面図である。
【図9】図6と同様にカメラ1における撮像ユニット15のうち防塵フィルタ21及びこれに一体に設けられる圧電素子22のみを取り出して示す正面図である。
【図10】図9の圧電素子22に対して二次振動を発生させるための周期的な電圧を印加した際の防塵フィルタ21及び圧電素子22の状態変化を示しており、図9のA−A線に沿う断面図である。
【図11】図9の圧電素子22に対して二次振動を発生させるための周期的な電圧を印加した際の防塵フィルタ21及び圧電素子22の状態変化を示しており、図9のB−B線に沿う断面図である。
【図12】本電子撮像装置における撮像ユニットのうち防塵フィルタに振動を与える加振手段の構成を概念的に示す図である。
【図13】防塵フィルタ21に発生する屈曲進行波振動(山Yと谷Tとが交互に等間隔、等振幅で生じる振動)のようすを示す図である。
【図14】図2で説明した本電子撮像装置1における防塵フィルタ駆動回路140の構成を概略的に示す回路図である。
【図15】図14の防塵フィルタ駆動回路140における各構成部材から出力される各信号形態を示すタイムチャートである。
【図16】本発明の第1実施形態に係るカメラシステムにおけるBucom150の動作を説明するためのフローチャートである。
【図17】本発明の第2実施形態に係るカメラシステムにおけるBucom150の動作を説明するためのフローチャートである。
【図18】本発明の第3実施形態に係るカメラシステムにおけるBucom150の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1…カメラ、11…カメラ本体、11a…撮影光学系装着部、12…レンズユニット、12a…撮影光学系、13…ファインダ装置、13a…ペンタプリズム、13b…反射鏡、13c…接眼レンズ、14…シャッタ部、15…撮像ユニット、16…主回路基板、17…レリーズボタン、21…防塵フィルタ、27…撮像素子、28…画像処理コントローラ、140…防塵フィルタ駆動回路、150…ボディ制御用マイクロコンピュータ(Bucom)、205…レンズ制御用マイクロコンピュータ(Lucom)。
【発明の属する技術分野】
本発明は電子撮像装置に関し、特に、例えばカメラシステムなどの構成部材に付着した塵埃を除去可能な防塵機能付きの電子撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光学装置の防塵機能に関する技術の一例としては、撮像素子を保護する保護ガラス(防塵ガラス)を振動させることで、当該保護ガラスに付着した塵埃を払い落とす技術が知られている。例えば、特開2002−204379には、保護ガラスを振動させる手段として圧電素子を用いることが開示されている。この圧電素子は印加電圧に反応して伸縮して保護ガラスを所定の1つの周期で加振するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、カメラムにはさまざまな撮影モードが存在するが、各々の撮像動作に伴ってカメラが発生する音をできるだけ抑制したいというニーズが存在する。このようなニーズに答えるために、撮像動作を静かに実行できる動作モード(以下、静音動作モード)を備えたカメラシステムが提案されている。
【0004】
静音動作モードにおいては、音によるユーザへの告知動作を行わない。また、カメラの機構部材の駆動をメカニカルノイズが発生しないように行う、などの配慮がなされる。
【0005】
ところで、塵埃を除去するために防塵ガラスを加振すれば、空気が振動することにより音が発生する。この加振する際に発生する音の周波数が可聴帯域にあるとユーザはこの音を聞き取ることになる。静音動作モードが設定されている際にこのような音が発生することは望ましくない。
【0006】
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、静音動作モードが設定されているときに、ユーザにカメラの発生音を聞かれることなしに撮像動作を行うことができ、特に、静音動作モードが設定されているときに、ユーザにカメラの発生音を聞かれることなしに防塵動作を行うことができる電子撮像装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、第1の発明は、撮像動作に関連した音の発生を抑制する静音動作モードを有する電子撮像装置であって、被写体の光学像を結像する撮影光学系と、上記撮影光学系により結像された光学像を電気信号に変換する光電変換手段と、上記撮影光学系と上記光電変換手段との間に配置され、前記光電変換手段の光電変換面への塵埃等の付着を防止する防塵フィルタと、前記防塵フィルタを所定の周波数で振動させることにより前記防塵フィルタに塵埃除去動作を行わせる制御手段と、を具備し、前記制御手段は、前記静音動作モードが選択されているか否かに応じて、異なる振動形態で前記防塵フィルタを振動させる。
【0008】
また、第2の発明は、第1の発明に係る電子撮像装置において、前記制御手段は、前記静音動作モードが選択されているか否かに応じて、異なる駆動周波数で前記防塵フィルタを振動させる。
【0009】
また、第3の発明は、第2の発明に係る電子撮像装置において、前記制御手段は、前記静音動作モードが選択されている場合には、前記静音動作モードが選択されていない場合よりも高い駆動周波数で前記防塵フィルタを振動させる。
【0010】
また、第4の発明は、第3の発明に係る電子撮像装置において、前記制御手段は、前記静音動作モードが選択されている場合には可聴音を発生しない駆動周波数で前記防塵フィルタを振動させる。
【0011】
また、第5の発明は、第1の発明に係る電子撮像装置において、前記制御手段は、前記静音動作モードが選択されているか否かに応じて、前記防塵フィルタに進行波を発生させることと、前記防塵フィルタに定在波を発生させることのいずれかを行う。
【0012】
また、第6の発明は、第5の発明に係る電子撮像装置において、前記防塵フィルタは複数の圧電素子を備え、前記制御手段は、前記静音動作モードが選択されている場合には前記複数の圧電素子に位相の異なる駆動電圧を印加し、前記静音動作モードが選択されていない場合には前記複数の圧電素子に同相の駆動電圧を印加する。
【0013】
また、第7の発明は、撮像動作に関連した音の発生を抑制する静音動作モードを有する電子撮像装置であって、被写体の光学像を結像する撮影光学系と、上記撮影光学系により結像された光学像を電気信号に変換する光電変換手段と、上記撮影光学系と上記光電変換手段との間に配置され、前記光電変換手段の光電変換面への塵埃等の付着を防止する防塵フィルタと、前記防塵フィルタを所定の周波数で振動させることにより前記防塵フィルタに塵埃除去動作を行わせる制御手段と、を具備し、前記制御手段は、前記静音動作モードが選択されているか否かに応じて、前記防塵フィルタの塵埃除去動作を実行することと、前記防塵フィルタの塵埃除去動作を禁止することのいずれかを行う。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
図1は、本発明をデジタルカメラに適用した場合の実施の形態の概略的な構成を示す一部切り欠き斜視図である。
【0016】
すなわち、図1は、カメラ本体の一部を切断して、その内部構成を概略的に示す斜視図である。
【0017】
本実施形態のカメラ1は、それぞれが別体に構成されるカメラ本体部11及びレンズ鏡筒12とからなり、このカメラ本体部11及びレンズ鏡筒12の両者は、互いに着脱自在に構成されてなるものである。
【0018】
そして、レンズ鏡筒12は、複数のレンズやその駆動機構等からなる撮影光学系12aを内部に保持して構成されている。
【0019】
この撮影光学系12aは、被写体からの光束を透過させることによって、当該被写光束により形成される被写体の像を所定の位置(後述する撮像素子の光電変換面上)に結像せしめるように、例えば、複数の光学レンズ等によって構成されるものである。
【0020】
このレンズ鏡筒12は、カメラ本体部11の前面に向けて突出するように配設されている。
【0021】
また、カメラ本体部11は、内部に各種の構成部材等を備えて構成され、かつ撮影光学系12aを保持するレンズ鏡筒12を着脱自在となるように配設するための連結部材である撮影光学系装着部11aをその前面に備えて構成されてなるいわゆる一眼レフレックス方式のカメラである。
【0022】
つまり、カメラ本体部11の前面側の略中央部には、被写体光束を当該カメラ本体部11の内部へと導き得る所定の口径を有する露光用開口が形成されており、この露光用開口の周縁部に撮影光学系装着部11aが形成されている。
【0023】
そして、このカメラ本体部11の前面に上述の撮影光学系装着部11aが配設されているほか、上面部や背面部等の所定の位置にカメラ本体部11を動作させるための各種の操作部材、例えば、撮像動作を開始せしめるための指示信号等を発生させるためのレリーズボタン17等が配設されている。
【0024】
このカメラ本体部11の内部には、各種の構成部材、例えば、いわゆる観察光学系を構成するファインダ装置13と、撮像素子の光電変換面への被写体光束の照射時間等を制御するシャッタ機構等を備えたシャッタ部14と、被写体像に対応した画像信号を得る不図示の撮像素子及びこの撮像素子の光電変換面の前面側の所定の位置に配設され、当該光電変換面への塵挨等の付着を予防する防塵部材である防塵フィルタ(防塵ガラスともいう)21等を含む撮像ユニット15と、電気回路を構成する各種の電気部材が実装される主回路基板16を始めとした複数の回路基板(主回路基板16のみを図示している)等が、それぞれ所定の位置に配設されている。
【0025】
ファインダ装置13は、撮影光学系12aを透過した被写体光束の光軸を折り曲げて観察光学系の側へと導き得るように構成されるクイックリターンミラー13bと、このクイックリターンミラー13bから出射する光束を受けて正立正像を形成するペンタプリズム13aと、このペンタプリズム13aにより形成される像を拡大して観察するのに最適な形態の像を結像させる接眼レンズ13c等によって構成されている。
【0026】
クイックリターンミラー13bは、撮影光学系12aの光軸から退避する位置と当該光軸上の所定の位置との間で移動自在に構成され、通常状態においては、撮影光学系12aの光軸上において当該光軸に対して所定の角度、例えば、角度45度を有して配置されている。
【0027】
これにより、撮影光学系12aを透過した被写体光束は、当該カメラ1が通常状態にあるときには、クイックリターンミラー13bによってその光軸が折り曲げられて、当該クイックリターンミラー13bの上方に配置されるペンタプリズム13aの側へと反射されるようになっている。
【0028】
一方、本カメラ1が撮像動作の実行中においては、当該クイックリターンミラー13bは撮影光学系12aの光軸から退避する所定の位置に移動するようになっており、これによって、被写体光束は、撮像素子側へと導かれる。
【0029】
また、シャッタ部14は、例えば、フォーカルプレーン方式のシャッタ機構やその駆動回路等、従来のカメラ等において一般的に利用されているものと同様のものが適用される。
【0030】
図2は、本発明に係わる一実施の形態のカメラのシステム構成を示すブロック図である。
【0031】
すなわち、この実施の形態のカメラシステムは、カメラ本体11と、交換レンズとしてのレンズ鏡筒12とから主に構成されており、カメラ本体11の前面に対して所望のレンズ鏡筒12が着脱自在に装着されている。
【0032】
レンズ鏡筒12の制御は、レンズ制御用マイクロコンピュータ(以下、Lucomと称する)205が行う。
【0033】
カメラ本体11の制御は、ボディ制御用マイクロコンピュータ(以下、Bucomと称する)150が行う。
【0034】
なお、これらLucom205とBucom150とは、合体時において通信コネクタ206を介して通信可能に電気的接続がなされる。
【0035】
そして、この場合、カメラシステムとしてLucom205がBucom150に従属的に協働しながら稼動するようになっている。
【0036】
また、レンズ鏡筒12内には、撮影光学系12aと、絞り203とが設けられている。
【0037】
この撮影光学系12aは、レンズ駆動機構202内に在る図示しないDCモータによって駆動される。
【0038】
また、絞り203は、絞り駆動機構204内に在る図示しないステッピングモータによって駆動される。
【0039】
Lucom205は、Bucom150からの指令に従って、これらの各モータを制御する。
【0040】
そして、このカメラ本体11内には、次の構成部材が図示のように配設されている。
【0041】
例えば、光学系としての一眼レフレックス方式の構成部材(ペンタプリズム13a、クイックリターンミラー13b、接眼レンズ13c、サブミラー114)と、光軸上のフォーカルプレーン式のシャッタ115と、上記サブミラー14からの反射光束を受けて自動測距するためのAFセンサユニット116とが設けられている。
【0042】
また、上記AFセンサユニット116を駆動制御するAFセンサ駆動回路117と、上記クイックリターンミラー13bを駆動制御するミラー駆動機構118と、上記シャッタ115の先幕と後幕を駆動するためのばね力をチャージするシャッタチャージ機構119と、それら先幕と後幕の動きを制御するシャッタ制御回路120と、上記ペンタプリズム13aからの光束に基づき測光処理する測光回路121とが設けられている。
【0043】
光軸上には、上記光学系を通過した被写体像を光電変換するための撮像素子27が光電変換素子として設けられている。
【0044】
この場合、この撮像素子27は、該撮像素子27と撮影光学系12aとの間に配設された光学素子としての透明なガラス部材でなる防塵フィルタ21によって保護されている。
【0045】
そして、この防塵フィルタ21を所定の周波数で振動させる加振手段の一部として、例えば、圧電素子22がその防塵フィルタ21の周縁部に取り付けられている。
【0046】
また、圧電素子22は2つの電極を有しており、この圧電素子22が加振手段の一部としての防塵フィルタ駆動回路140によって防塵フィルタ21を振動させ、そのガラス表面に付着していた塵を除去できるように構成されている。
【0047】
なお、撮像素子27の周辺の温度を測定するために、防塵フィルタ21の近傍には、温度測定回路133が設けられている。
【0048】
このカメラシステムには、また、撮像素子27に接続されたインターフェース回路123と、液晶モニタ124と、記憶領域として設けられたSDRAM125と、FlashROM126及び記録メディア127などを利用して画像処理する画像処理コントローラ128とが設けられ、電子撮像機能と共に電子記録表示機能を提供できるように構成されている。
【0049】
その他の記憶領域としては、カメラ制御に必要な所定の制御パラメータを記憶する不揮発性記憶手段として、例えば、EEPROMからなる不揮発性メモリ129が、Bucom150からアクセス可能に設けられている。
【0050】
また、Bucom150には、当該カメラの動作状態を表示出力によってユーザへ告知するための動作表示用LCD151と、カメラ操作スイッチ(SW)152とが設けられている。
【0051】
上記カメラ操作SW152は、例えば、レリーズSW、モード変更SW及びパワーSWなどの、当該カメラを操作するために必要な操作釦を含むスイッチ群である。
【0052】
さらに、電源としての電池154と、この電源の電圧を、当該カメラシステムを構成する各回路ユニットが必要とする電圧に変換して供給する電源回路153が設けられている。
【0053】
次に、上述したように構成されるカメラシステムの動作について説明する。まず、画像処理コントローラ128は、Bucom150の指令に従ってインターフェース回路123を制御して撮像素子27から画像データを取り込む。
【0054】
この画像データは,画像処理コントローラ128でビデオ信号に変換され、液晶モニタ124にて出力表示される。
【0055】
ユーザは、この液晶モニタ124の表示画像から、撮影した画像イメージを確認することができる。
【0056】
SDRAM125は、画像データの一時的保管用メモリであり、画像データが変換される際のワークエリアなどに使用される。
【0057】
また、この画像データはJPEGデータに変換された後には記録メディア127に保管されるように設定されている。
【0058】
撮像素子27は、前述したように透明なガラス部材でなる防塵フィルタ21によって保護されている。
【0059】
この防塵フィルタ21の周縁部にはそのガラス面を加振するための圧電素子22が配置されており、この圧電素子22は、後で詳しく説明するように、該圧電素子22の駆動手段としても働く防塵フィルタ駆動回路140によって駆動される。
【0060】
撮像素子27及び圧電素子22は、防塵フィルタ21を一面とし、かつ破線で示すような枠体によって囲まれたケース内に一体的に収納されることが、防塵のためにはより好ましい。
【0061】
通常、温度はガラス製の物材の弾性係数に影響し、その固有振動数を変化させる要因の1つであるため、運用時にその温度を計測してその固有振動数の変化を考慮しなければならない。
【0062】
稼動中に温度上昇が激しい撮像素子27の前面を保護するため設けられた防塵フィルタ21の温度変化を測定して、そのときの固有振動数を予想するようにしたほうがよい。
【0063】
したがって、この例の場合、上記温度測定回路133に接続されたセンサ(不図示)が、撮像素子27の周辺温度を測定するため設けられている。
【0064】
なお、そのセンサの温度測定ポイントは、防塵フィルタ21の振動面の極近傍に設定されるのが好ましい。
【0065】
ミラー駆動機構118は、クイックリターンミラー13bをUP位置とDOWN位置へ駆動するための機構であり、このクイックリターンミラー13bがDOWN位置にあるとき、撮影光学系12aからの光束はAFセンサユニット116側とペンタプリズム13a側へと分割されて導かれる。
【0066】
AFセンサユニット116内のAFセンサからの出力は、AFセンサ駆動回路117を介してBucom150へ送信されて周知の測距処理が行われる。
【0067】
また、ペンタプリズム13aに隣接する接眼レンズ13cからはユーザが被写体を目視できる一方、このペンタプリズム13aを通過した光束の一部は測光回路121内のホトセンサ(不図示)へ導かれ、ここで検知された光量に基づき周知の測光処理が行われる。
【0068】
次に、本実施形態のカメラ1における撮像ユニット15の詳細について説明する。
【0069】
図3、図4、図5は、本実施形態のカメラ1における撮像ユニット15の一部を取り出して示す図であって、図3は、当該撮像ユニットを分解して示す要部分解斜視図である。
【0070】
また、図4は、当該撮像ユニット組み立てた状態の一部を切断して示す斜視図であり、図5は、図4の切断面に沿う断面図である。
【0071】
なお、本実施形態のカメラ1の撮像ユニット15は、上述したようにシャッタ部14を含む複数の部材によって構成されるユニットであるが、図3乃至図5においては、その主要部を図示するに留め、シャッタ部14についての図示を省略している。
【0072】
また、各構成部材の位置関係を示すために、図3乃至図5においては、当該撮像ユニット15の近傍に設けられ、撮像素子27が実装されると共に、画像信号処理回路及びワークメモリ等からなる撮像系の電気回路が実装される主回路基板16を合わせて図示している。
【0073】
なお、この主回路基板16、それ自体の詳細については、従来のカメラ等において、一般的に利用されているものが適用されるものとして、その説明は省略する。
【0074】
撮像ユニット15は、CCD等からなり撮影光学系12aを透過し自己の光電変換面上に照射された光に対応した画像信号を得る撮像素子27と、この撮像素子27を固定支持する薄板状の部材からなる撮像素子固定板28と、撮像素子27の光電変換面の側に配設され、撮影光学系12aを透過して照射される被写体光束から高周波成分を取り除くべく形成される光学素子である光学的ローパスフィルタ(Low Pass Filter;以下、光学LPFという)25と、この光学LPF25と撮像素子27との間の周縁部に配置され、略枠形状の弾性部材等によって形成されるローパスフィルタ受け部材26と、撮像素子27を収納し固定保持すると共に光学LPF25(光学素子)をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持し、かつ所定の部位を後述する防塵フィルタ受け部材23に密に接触するように配設される撮像素子収納ケース部材24(以下、CCDケース24という)と、このCCDケース24の前面側に配置され防塵フィルタ21をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する防塵フィルタ受け部材23と、この防塵フィルタ受け部材23によって支持されて撮像素子27の光電変換面の側であって光学LPF25の前面側において当該光学LPF25の間に所定の間隔を持つ所定の位置に対向配置される防塵部材である防塵フィルタ21と、この防塵フィルタ21の周縁部に配設され当該防塵フィルタ21に対して所定の振動を与えるための加振用部材であり、例えば、電気機械変換素子等からなる圧電素子22と、防塵フィルタ21を防塵フィルタ受け部材23に対して気密に接合させ固定保持するための弾性体からなる押圧部材20等によって構成されている。
【0075】
撮像素子27は、撮影光学系12aを透過した被写体光束を自己の光電変換面に受けて光電変換処理を行うことによって、当該光電変換面に形成される被写体像に対応した画像信号を取得するものであって、例えば、電荷結合素子(CCD;Charge Coupled Device)が用いられる。
【0076】
この撮像素子27は、撮像素子固定板28を介して主回路基板16上の所定の位置に実装されている。
【0077】
この主回路基板16には、上述したように画像信号処理回路及びワークメモリ等が共に実装されており、撮像素子27から出力された信号は、これらの回路で処理されるようになっている。
【0078】
撮像素子27の前面側には、ローパスフィルタ受け部材26を挟んで光学LPF25が配設されている。
【0079】
そして、これらの撮像素子27、ローパスフィルタ受け部材26、光学LPF25を覆うようにCCDケース24が配設されている。
【0080】
つまり、CCDケース24には、略中央部分に矩形状からなる開口24cが設けられており、この開口24cには、その後方側から光学LPF25及び撮像素子27が配設されるようになっている。
【0081】
この開口24cの後方側の内周縁部には、図4、図5に示すように断面が略L字形状からなる段部24aが形成されている。
【0082】
上述したように、光学LPF25と撮像素子27との間には、弾性部材等からなるローパスフィルタ受け部材26が配設されている。
【0083】
このローパスフィルタ受け部材26は、撮像素子27の前面側の周縁部においてその光電変換面の有効範囲を避ける位置に配設され、かつ光学LPF25の背面側の周縁部近傍に当接するようになっている。
【0084】
そして、光学LPF25と撮像素子27との間を略気密性が保持されるようにしている。
【0085】
これにより、光学LPF25には、ローパスフィルタ受け部材26による光軸方向への弾性力が働くことになる。
【0086】
そこで、光学LPF25の前面側の周縁部を、CCDケース24の段部24aに対して略気密に接触させるように配置することによって、当該光学LPF25をその光軸方向に変位させようとするローパスフィルタ受け部材26による弾性力に抗して当該光学LPF25の光軸方向における位置を規制するようにしている。
【0087】
換言すれば、CCDケース24の開口24cの内部に背面側より挿入された光学LPF25は、CCDケース24の段部24aによって光軸方向における位置規制がなされている。
【0088】
これにより、当該光学LPF25は、CCDケース24の内部から前面側へ向けて外部に抜け出ないようになっている。
【0089】
このようにして、CCDケース24の開口24cの内部に背面側から光学LPF25が挿入された後、光学LPF25の背面側には、撮像素子27が配設されるようになっている。
【0090】
この場合において、光学LPF25と撮像素子27との間には、周縁部においてローパスフィルタ受け部材26が挟持されるようになっている。
【0091】
また、撮像素子27は、上述したように撮像素子固定板28を挟んで主回路基板16に実装されている。
【0092】
そして、撮像素子固定板28は、CCDケース24の背面側からネジ孔24eに対してネジ28bによってスペーサ28aを介して固定されている。
【0093】
また、撮像素子固定板28には、主回路基板16がスペーサ16cを介してネジ16dによって固定されている。
【0094】
CCDケース24の前面側には、防塵フィルタ受け部材23がCCDケース24のネジ孔24bに対してネジ23bによって固定されている。
【0095】
この場合において、CCDケース24の周縁側であって前面側の所定の位置には、図4、図5において詳細に示すように、周溝24dが略環状に形成されている。
【0096】
その一方で、防塵フィルタ受け部材23の周縁側であって背面側の所定の位置には、CCDケース24の周溝24dに対応させた環状凸部23d(図3には図示せず)が全周にわたって略環状に形成されている。
【0097】
したがって、環状凸部23dと周溝24dとが嵌合することによりCCDケース24と防塵フィルタ受け部材23とは、環状の領域、すなわち、周溝24dと環状凸部23dとが形成される領域において相互に略気密に嵌合するようになっている。
【0098】
防塵フィルタ21は、全体として円形乃至多角形の板状をなし、少なくとも自己の中心から放射方向に所定の広がりを持つ領域が透明部をなしており、この透明部が光学LPF25の前面側に所定の間隔をもって対向配置されているものである。
【0099】
また、防塵フィルタ21の一方の面(本実施形態では背面側)の周縁部には、当該防塵フィルタ21に対して振動を与えるための所定の加振用部材であり、電気機械変換素子等によって形成される圧電素子22が一体となるように、例えば、接着剤による貼着等の手段により配設されている。
【0100】
この圧電素子22は、外部から所定の駆動電圧を印加することによって防塵フィルタ21に所定の振動を発生させることができるように構成されている。
【0101】
そして、防塵フィルタ21は、防塵フィルタ受け部材23に対して気密に接合するように、板ばね等の弾性体からなる押圧部材20によって固定保持されている。
【0102】
防塵フィルタ受け部材23の略中央部近傍には、円形状又は多角形状からなる開口23fが設けられている。
【0103】
この開口23fは、撮影光学系12aを透過した被写体光束を通過させて、当該光束が、その後方に配置される撮像素子27の光電変換面を照射するのに十分な大きさとなるように設定されている。
【0104】
この開口23fの周縁部には、前面側に突出する壁部23e(図4、図5参照)が略環状に形成されており、この壁部23eの先端側には、さらに前面側に向けて突出するように、受け部23cが形成されている。
【0105】
一方、防塵フィルタ受け部材23の前面側の外周縁部近傍には、所定の位置に複数(本実施形態では3箇所)の突状部23aが前面側に向けて突出するように形成されている。
【0106】
この突状部23aは、防塵フィルタ21を固定保持する押圧部材20を固設するために形成される部位であって、当該押圧部材20は、突状部23aの先端部に対してねじ20a等の締結手段により固設されている。
【0107】
押圧部材20は、上述したように板ばね等の弾性体によって形成される部材であって、その基端部が突状部23a固定され、自由端部が防塵フィルタ21の外周縁部に当接することによって、当該防塵フィルタ21を防塵フィルタ受け部材23の側、すなわち、光軸方向に向けて押圧するようになっている。
【0108】
この場合において、防塵フィルタ21の背面側の外周縁部に配設される圧電素子22の所定の部位が、受け部23cに当接することによって、防塵フィルタ21及び圧電素子22の光軸方向における位置が規制されるようになっている。
【0109】
これにより、防塵フィルタ21は、圧電素子22を介して防塵フィルタ受け部材23に対して気密に接合するように固定保持されている。
【0110】
換言すれば、防塵フィルタ受け部材23は、押圧部材20による付勢力によって防塵フィルタ21と圧電素子22を介して気密に接合するように構成されている。
【0111】
ところで、上述したように防塵フィルタ受け部材23とCCDケース24とは、周溝24dと環状凸部23d(図4、図5参照)とが相互に略気密に嵌合するようになっているのと同時に、防塵フィルタ受け部材23と防塵フィルタ21とは、押圧部材20の付勢力により圧電素子22を介して気密に接合するようになっている。
【0112】
また、CCDケース24に配設される光学LPF25は、当該光学LPF25の前面側の周縁部とCCDケース24の段部24aとの間で略気密となるように配設されている。
【0113】
さらに、光学LPF25の背面側には、撮像素子27がローパスフィルタ受け部材26を介して配設されており、光学LPF25と撮像素子27との間においても、略気密性が保持されるようになっている。
【0114】
これにより、光学LPF25と防塵フィルタ21とが対向する間の空間には、所定の空隙部51aが形成されている。
【0115】
また、光学LPF25の周縁側、すなわち、CCDケース24と、防塵フィルタ受け部材23と、防塵フィルタ21とによって、空間部51bが形成されている。
【0116】
この空間部51bは、光学LPF25の外側に張り出すようにして形成されている封止された空間である(図4、図5参照)。
【0117】
また、この空間部51bは、空隙部51aよりも広い空間となるように設定されている。
【0118】
そして、空隙部51aと空間部51bとからなる空間は、上述した如くCCDケース24と防塵フィルタ受け部材23と防塵フィルタ21と光学LPF25とによって、略気密に封止される封止空間51となっている。
【0119】
このように、本実施形態のカメラにおける撮像ユニット15では、光学LPF25及び防塵フィルタ21の周縁に形成され空隙部51aを含む略密閉された封止空間51を形成する封止構造部が構成されている。
【0120】
そして、この封止構造部は、光学LPF25の周縁乃至その近傍から外側の位置に設けられるようになっている。
【0121】
さらに、本実施形態においては、防塵フィルタ21をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持する第1の部材である防塵フィルタ受け部材23と、光学LPF25をその周縁部位乃至その近傍部位に密着して支持すると共に、自己の所定部位で防塵フィルタ受け部材23と密に接触するように配設される第2の部材であるCCDケース24等によって、封止構造部が構成されている。
【0122】
上述のように構成された本実施形態のカメラにおいては、撮像素子27の前面側の所定の位置に防塵フィルタ21を対向配置し、撮像素子27の光電変換面と防塵フィルタ21との周縁に形成される封止空間51を封止するように構成したことによって、撮像素子27の光電変換面に塵挨等が付着するのを未然に予防している。
【0123】
そして、この場合においては、防塵フィルタ21の前面側の露出面に付着する塵挨等については、当該防塵フィルタ21の周縁部に一体となるように配設される圧電素子22に周期電圧を印加して防塵フィルタ21に対して所定の振動を与えることによって、除去することができるようになっている。
【0124】
ここで、防塵フィルタ21の塵埃除去動作としての振動について説明する。図6は、カメラ1における撮像ユニット15のうち防塵フィルタ21及びこれに一体に設けられる圧電素子22のみを取り出して示す正面図である。
【0125】
また、図7及び図8は、図6の圧電素子22に対して周期的な駆動電圧を印加した際の防塵フィルタ21及び圧電素子22の状態変化を示し、図7は図6のA−A線に沿う断面図、図8は、図6のB−B線に沿う断面図である。
【0126】
例えば圧電素子22に負(マイナス;−)電圧を印加した場合には、防塵フィルタ21は、図7、図8において実線で示すように変形する一方、圧電素子22に正(プラス;+)電圧を印加した場合には、防塵フィルタ21は、同図において点線で示すように変形することになる。
【0127】
この場合において、図6〜図8の符号21aで示すような振動の節の位置では、実質的に振幅は零になることから、この節21aに対応する部位に防塵フィルタ受け部材23の受け部23cを当接させるように設定する。これにより、振動を阻害することなく防塵フィルタ21を効率的に支持し得ることになる。そしてこの状態において、圧電素子22に対して周期的な電圧を印加することで防塵フィルタ21は振動し、当該防塵フィルタ21の表面に付着した塵埃等は除去される。
【0128】
なお、このときの共振周波数は、防塵フィルタ21の形状や板厚・材質等により決まるものである。上述の図6〜図8に示す例では、一次振動を発生させた場合を示している。
【0129】
また、図9〜図11に図示する別の例では、図6〜図8に示す例と全く同じ構成の防塵フィルタに対して二次振動を発生させた場合の様子を示している。
【0130】
この場合、図9は、図6と同様にカメラ1における撮像ユニット15のうち防塵フィルタ21及びこれに一体に設けられる圧電素子22のみを取り出して示す正面図である。
【0131】
図10及び図11は、図9の圧電素子22に対して二次振動を発生させるための周期的な電圧を印加した際の防塵フィルタ21及び圧電素子22の状態変化を示し、図10は、図9のA−A線に沿う断面図、図11は図9のB−B線に沿う断面図である。
【0132】
例えば圧電素子22に負(マイナス;−)電圧を印加した場合には、防塵フィルタ21は、図10及び図11において実線で示すように変形する一方、圧電素子22に正(プラス;+)電圧を印加した場合には、防塵フィルタ21は、同図において点線で示すように変形することになる。
【0133】
この場合においては、図9〜図11に示す符号21a、21bに示すようにこの振動では二対の節が存在することになるが、節21aに対応する部位に防塵フィルタ受け部材23の受け部23cを当接させるように設定することで、上述の図6〜図8に示す例と同様に、振動を阻害することなく防塵フィルタ21を効率的に支持し得ることになる。
【0134】
したがって、このような防塵機構において、所定の時期に圧電素子22に対して周期的な電圧を印加することで防塵フィルタ21は振動し、当該防塵フィルタ21の表面に付着した塵埃等は除去できる。
【0135】
図12は、本電子撮像装置における撮像ユニットのうち防塵フィルタに振動を与える加振手段の構成を概念的に示す図である。
【0136】
図12に示すように、円環形状の圧電素子22は、22a、22bに分極されている。この場合において、圧電素子22a、22bは、円周方向に8分割した領域において板厚方向に分極されており、分極方向はプラス(+)とマイナス(−)で表示され、分極方向が逆となっている領域が交互に配置されている。そして、一方の圧電素子22bは、他方の圧電素子22aに対して振動の波長(ここで1波長はプラス(+)、マイナス(−)の分極領域の長さに相当する)の四分の一波長(1/4λ)分だけずらした位置となるように配置されている。
【0137】
このように構成される圧電素子22a、22bに対しては、防塵フィルタ駆動回路140によって、それぞれの板厚方向に所定の周波数の電圧が追加されることになる。
【0138】
この場合において、防塵フィルタ駆動回路140の発振器34から出力される周波数信号(第1の周期電圧信号)は、そのまま圧電素子22bに追加される一方、圧電素子22aに対しては、防塵フィルタ駆動回路48の90°移相器35によって位相が90°ずれた信号(第2の周期電圧信号)が印加されるようになっている。
【0139】
このような信号を各圧電素子22a、22bに印加することによって、防塵フィルタ21は、図13(防塵フィルタ21のみ表示されている)に示すように防塵フィルタ21の中心部を軸として回転方向Xへ向けて進行する屈曲進行波振動(山Yと谷Tとが交互に等間隔、等振幅で生じる振動)が生じることになる。
【0140】
なお、圧電素子22a、22bによって発声させられる屈曲進行波を任意の時間で見たときには、防塵フィルタ21の中心部(光軸)に対して略対称形状となっている。
【0141】
図14は、図2で説明した本電子撮像装置1における防塵フィルタ駆動回路140の構成を概略的に示す回路図である。図15は、図14の防塵フィルタ駆動回路140における各構成部材から出力される各信号形態を示すタイムチャートである。
【0142】
ボディ制御用マイクロコンピュータ150の内部にはクロックジェネレータ255が設けられているが、このクロックジェネレータ255は、圧電素子22a、22bに印加すべき信号周波数よりも十分に早い周波数でパルス信号(基本クロック)を出力する(図15に示すSig1参照)。この基本クロック信号は、防塵フィルタ駆動回路140のN進カウンタ241に入力される。N進カウンタ241はパルス信号をカウントし、所定値=Nに達する毎にカウント終了パルス信号を出力する。即ち、基本クロック信号は1/Nで分周されることになる(図15に示すSig2参照)。
【0143】
分周されたパルス信号は、HighとLowのデューティー比が1:1ではないので、第1の1/2分周回路242−1を介してデューティー比を1:1に変換する。このときに周波数は半分になる(図15に示すSig3参照)。第1の1/2分周回路242−1からの出力信号は、第2の1/2分周回路242−2とエクスクルーシブオア(ExOR)回路247へと出力される。第2の1/2分周回路242−2に入力されたパルス信号は、さらに周波数が半分になって出力される(図15に示すSig4参照)。
【0144】
ここで、パルス信号Sig4のハイ(High)状態において、MOSトランジスタQ01(244b1)がオン(ON)状態となる。さらに、パルス信号Sig4は、第1インバータ243−1を介してMOSトランジスタQ02(244c1)に印加される。この場合は、パルス信号Sig4のロー(Low)状態においてMOSトランジスタQ02(244c1)がオン(ON)状態となる。
【0145】
このようにしてトランスA(245−1)の1次側に接続された2つのMOSトランジスタQ01(244b1)及びQ02(244c1)が交互にオン状態になると、当該トランスA(245−1)の2次側には、図15に示すSig5の信号が発生する。この場合において、トランスA(245−1)の巻線比は、電源回路153の出力電圧と一方の圧電素子22aを駆動させるのに必要な電圧によって決定される。
【0146】
なお、抵抗R00(246−1)は、トランスA(245−1)に過大な電流が流れることを制限するために配設されているものである。
【0147】
圧電素子22aを駆動させるに際しては、Q00(244a1)がオン(ON)状態にあり、かつ電源回路153からトランスA(245−1)のセンタータップに電圧が印加されている必要がある。そして、この場合において、Q00(244a1)のオン又はオフの制御は、ボディ制御用マイクロコンピュータ150のP_PwContAから行われるようになっている。
【0148】
また、N進カウンタ241の設定値=Nは、ボディ制御用マイクロコンピュータ150のポート=D_NCntから設定される。つまり、ボディ制御用マイクロコンピュータ150は、設定値=Nを制御することによって、圧電素子22a、22bの駆動周波数を任意に変更することができるようになっている。
【0149】
駆動周波数の算出は、次に示す式(1)による。
【0150】
fdrv=fpls/4N ……(1)
ここで、N:N進カウンタ241への設定値
fpls:クロックジェネレータ255の出力パルスの周波数
fdrv:圧電素子22aへ印加される信号の周波数
このようにして、圧電素子22aに所定の電圧の駆動信号(Sig5)が印加される。
【0151】
一方、第1の1/2分周回路242−1の出力信号Sig3は、エクスクルーシブオア(ExOR)回路247を経由して、第3の1/2分周回路242−3へと出力される。この場合において、ボディ制御用マイクロコンピュータ150のポートP_θContがハイ(High)状態のときには、パルス信号Sig3は反転する。その後、第3の1/2分周回路243−3へと出力される。
【0152】
また、ポートP_θContがロー(Low)状態のときには、パルス信号Sig3は、そのままの状態で第3の1/2分周回路242−3へと出力される(図15に示すSig6参照)。このパルス信号Sig6は、さらに第3の1/2分周回路242−3によって半分の周波数にされた後、出力される(図15に示すSig7参照)。これによって、第2インバータ243−2、Q11(244b2)、Q12(244c2)、トランスB(245−2)が駆動されて、圧電素子22bに所定の電圧の駆動信号(Sig8)が印加される。
【0153】
なお、第2インバータ243−2、Q11(244b2)、Q12(244c2)、トランスB(245−2)、抵抗R10のそれぞれの機能は、上述した第1インバータ243−1、Q01(244b1)、Q02(244c1)、トランスA(245−1)、抵抗R00(246−1)のそれぞれと略同様となっている。
【0154】
また、第1〜第3の1/2分周回路242−1,242−2,242−3のいずれにおいても、入力されるパルス信号の立ち上がりエッジに反応して分周動作を行うようになっている。
【0155】
そして、パルス信号の周波数が同じであっても、信号が反転しているときには、第2の1/2分周回路242−2と第3の1/2分周回路242−3とがそれぞれ出力するパルス信号には位相の相違が発生する。この場合における位相の差は90°となる。
【0156】
したがって、圧電素子22aに印加される信号Sig5と、圧電素子22bに印加される信号Sig8との間には、90°の位相差が発生することになる。そして、この位相の差は、ボディ制御用マイクロコンピュータ150のポートP_θContによって制御できる。例えば、ポートP_θContがハイ(High)状態であれば、90°の位相差が発生し、ロー(Low)状態であれば、位相差は発生しないことになる。つまり、ポートP_θContを制御することによって、異なる形態の振動を防塵フィルタ21に対して加えることができる。
【0157】
(第1実施形態)
図16は、本発明の第1実施形態に係るカメラシステムにおけるBucom150の動作を説明するためのフローチャートである。
【0158】
Bucom150は、カメラの電源SWがON操作されると、その稼動を開始する。ステップS100において、当該カメラシステムを起動するための処理が実行される。電源回路153を制御して当該カメラシステムを構成する各回路ユニットへ電力を供給する。また各回路の初期設定を行う。
【0159】
次に、ステップS101、ステップS102、及び、ステップS103で示すように、電源起動時に塵埃を除去する動作を実行する。電源OFF中に何らかの理由(例えばユーザが撮影レンズの交換を行ったこと等)により塵埃が防塵フィルタ21に付着する可能性があるからである。
【0160】
ステップS101では、カメラ操作SW152の一つである静音動作モード選択SWの状態を判定する。静音動作モード選択SWがONならば静音動作モードが選択され、撮像動作に関連して発生するさまざまな音を抑制しなければならない。従ってここでは、撮像動作が遅れてもアクチュエータの動作速度を落としてメカニカルノイズを抑える。また音による告知表示(バッテリ低下時の警告、撮像動作を明示するための擬似的なレリーズ音、焦点調整動作終了時の告知音など)は禁止される。静音動作モードにおいては防塵動作に伴い防塵フィルタ21が発生する音も抑制しなければならない。
【0161】
ステップS101で静音動作モードが選択されていなければステップS101からステップS102へ移行して、防塵フィルタ21に対する防塵動作を実行する。防塵フィルタ21を共振周波数(f0)で加振するためにN進カウンタ241に設定される値は不揮発性メモリ129に記憶されている。塵埃を除去するために防塵フィルタ21を加振する時間(T0)も不揮発性メモリ129に記憶されている。ステップS102では、これらのデータに基づいて有音の防塵動作が実行される。ここでは2つの圧電素子22a、22bを周波数f0で同相にてT0の時間だけ駆動する。周波数f0で防塵フィルタ21を加振すると、防塵フィルタ21は図7、図8で示したごとく振動する。防塵フィルタ21は全体が同じ位相で振動する。したがってf0が可聴周波数であれば人が検知可能な音が発生する。静音動作モードではないので音の発生はユーザに対して防塵動作の告知となり都合がよい。
【0162】
一方、ステップS101において静音動作モードが選択されるとステップS101からステップS103へ移行する。ここではステップS102の動作と同様に防塵フィルタ21に対する防塵動作が実行される。不揮発性メモリ129から2つの制御パラメータ(f1,T1)を読み出す。ここでf1は上述のf0とは異なる(f0よりも高い)周波数である。ただし、駆動周波数が高いとフィルタの振動幅が小さくなるので、付着した塵埃等を完全に除去するために周波数f1における駆動時間T1を周波数f0における駆動時間T0よりも長く設定する必要がある。ステップS103では、これらの制御パラメータに基づいて防塵フィルタ21が加振されて無音の防塵動作が実行される。防塵フィルタ21をf1で加振すると、防塵フィルタ21は図10、図11で示したごとく、図7,図8で示した振動形態とは異なる形態で振動する。ここでの防塵フィルタ21は全体が同じ位相では振動しない。図でわかるように中央部の偏移と周辺部の偏移の位相が180°ずれている。したがって中央部の偏移により発生する音と周辺部の偏移により発生する音も位相がずれて相殺される。したがってf1が可聴周波数であっても、防塵動作に伴う音をユーザは聞くことはない。防塵フィルタ21を構成する円形のガラス板の振動のモードは多数存在する。図7、図8で示した以外の振動モードでは防塵フィルタ21全体が同相で振動しないため音を効率よく輻射できない。したがって静音動作モードでは防塵フィルタ21全体が同相で振動しない周波数で駆動するならば、周波数f1に固執する必要はない。
【0163】
ステップS102あるいはステップS103の実行の後は、ステップS104に移行する。ステップS104ではカメラ操作SW152の一つである1stレリーズSWの状態を判定する。1stレリーズSWの操作が検出されるまでステップS104で待機する。1stレリーズSWが操作されるとステップS104からステップS105へ移行する。ステップS105では測光回路121から被写体の輝度情報を入手する。そしてこの情報から撮像ユニット15の露光時間(Tv値)とレンズユニット12の絞り設定値(Av値)を算出する。
【0164】
ステップS106では、AFセンサ駆動回路117を経由してAFセンサユニット116の検知データを入手する。このデータに基づきピントのズレ量を算出する。
【0165】
ステップS107では、その算出されたズレ量が許可された範囲内にあるか否かを判定し、否の場合はステップS108で撮影光学系12aにおける撮影レンズの駆動制御を行い、ステップS104へ戻る。
【0166】
一方、ステップS107で、ズレ量が許可された範囲内に在る場合は、ステップS109へ移行する。ステップS109では、カメラ操作SW152の1つである2ndレリーズSWの操作状態を判定する。SWの操作がなされているときにはステップS110へ移行し、SWの操作がない時はステップS104へ移行する。
【0167】
ステップS110では静音動作モード設定SWの状態を検出する。静音動作モードでないときはステップS111において撮像動作に先立って有音の防塵動作を開始する。この動作はすでに説明したステップS102と同じ動作である。防塵動作は、後述する、撮像動作に必要な準備動作(ステップS113,ステップS114)と平行して実行される。
【0168】
一方、ステップS110で静音動作モードのときは、ステップS112において無音の防塵動作を開始する。この動作はステップS103と同じ動作である。
【0169】
ステップS113ではステップS105において算出されたAv値に基づいて撮影光学系12aにおける撮影レンズの絞りが設定される。
【0170】
ステップS114ではクイックリターンミラー13bをUP位置へ駆動する。
【0171】
ステップS115では防塵動作を終了するため圧電素子22の駆動を停止することにより防塵フィルタ21の駆動を停止する。
【0172】
ステップS116ではシャッタ14をOPEN制御する。ステップS117ではステップS105において算出されたTv値に基づき撮像素子27を露光することにより撮像動作を行う。
【0173】
ステップS118ではシャッタ14をCLOSE制御する。ステップS119ではクイックリターンミラー13bをDown位置へ駆動するとともに、シャッタ14をチャージする。
【0174】
ステップS120では撮影光学系12aにおける撮影レンズの絞りを開放位置へ駆動する。ステップS121では撮像素子27から画像データを読み出して、所定のフォーマットへ変換後、記録メディアへ保管する。
【0175】
上記した第1実施形態によれば、静音動作モードが設定されているときには無音の防塵動作を行うようにしたので、ユーザにカメラの発生音を聞かれることなしに防塵動作を行うことができる。
【0176】
(第2実施形態)
図17は、本発明の第2実施形態に係るカメラシステムにおけるBucom150の動作を説明するためのフローチャートである。
【0177】
Bucom150は、カメラの電源SWがON操作されると、その稼動を開始する。ステップS200において、当該カメラシステムを起動するための処理が実行される。電源回路153を制御して当該カメラシステムを構成する各回路ユニットへ電力を供給する。また各回路の初期設定を行う。
【0178】
次に、ステップS201、ステップS202、及び、ステップS203で示すように、電源起動時にチリを除去する動作を実行する。電源OFF中に何らかの理由(例えばユーザが撮影レンズの交換を行ったこと等)により塵埃が防塵フィルタ21に付着する可能性があるからである。
【0179】
ステップS201では、カメラ操作SW152の一つである静音動作モード選択SWの状態を判定する。静音動作モード選択SWがONでは静音動作モードが選択され、撮像動作に関連して発生するさまざまな音を抑制しなければならない。従ってここでは、撮像動作が遅れてもアクチュエータの動作速度を落とすメカニカルノイズを抑える。また音による告知表示(バッテリ低下時の警告、撮像動作を明示するための擬似的なレリーズ音、焦点調整動作終了時の告知音など)は禁止される。静音動作モードにおいては防塵動作に伴い防塵フィルタ21が発生する音も抑制しなければならない。
【0180】
ステップS201で静音動作モードが選択されていなければステップS201からステップS202へ移行する。ステップS202では防塵フィルタ21に対する防塵動作を実行する。防塵フィルタ21を共振周波数(f0)で加振するためにN進カウンタ241に設定される値は不揮発性メモリ129に記憶されている。塵埃を除去するために防塵フィルタ21を加振する時間(T0)も不揮発性メモリ129に記憶されている。ステップS202では、これらのデータに基づいて有音の防塵動作が実行される。ここでは2つの圧電素子22a、22bを周波数f0で同相にてT0の時間だけ駆動する。周波数f0で防塵フィルタ21を加振すると、防塵フィルタ21は図7、図8で示したごとく振動する。防塵フィルタ21は全体が同じ位相で振動する。したがってf0が可聴周波数であれば人が検知可能な音が発生する。静音動作モードではないので音の発生はユーザに対して防塵動作の告知となり都合がよい。
【0181】
一方、ステップS201において静音動作モードが選択されるとステップS201からステップS203へ移行する。ここではステップS202の動作と同様に防塵フィルタ21に対する防塵動作が実行される。不揮発性メモリ129から2つの制御パラメータ(fs,Ts)を読み出す。ここで、fsは駆動周波数であり、Tsは駆動時間である。このパラメータに基づいて2つの圧電素子22a,22bに90°位相がずれた駆動信号を印加すると、防塵フィルタ21は図13で示したごとく振動する。この場合、防塵フィルタ21には進行波が発生するが、防塵フィルタ21全体が同相で振動しないため音を輻射することはできない。したがって無音状態での防塵動作となる。
【0182】
ステップS202あるいはステップS203の実行の後は、ステップS204に移行する。ステップS204ではカメラ操作SW152の一つである1stレリーズSWの状態を判定する。1stレリーズSWの操作が検出されるまでステップS204で待機する。1stレリーズSWが操作されるとステップS204からステップS205へ移行する。ステップS205では測光回路121から被写体の輝度情報を入手する。そしてこの情報から撮像ユニット15の露光時間(Tv値)とレンズユニット12の絞り設定値(Av値)を算出する。
【0183】
ステップS206では、AFセンサ駆動回路117を経由してAFセンサユニット116の検知データを入手する。このデータに基づきピントのズレ量を算出する。
【0184】
ステップS207では、その算出されたズレ量が許可された範囲内にあるか否かを判定し、否の場合はステップS208で撮影光学系12aにおける撮影レンズの駆動制御を行い、ステップS204へ戻る。
【0185】
一方、ステップS207でズレ量が許可された範囲内に在る場合は、ステップS209へ移行する。ステップS209ではカメラ操作SW152の1つである2ndレリーズSWの操作状態を判定する。2ndレリーズSWの操作がなされているときはステップS210へ移行し操作がない時はステップS204へ移行する。
【0186】
ステップS210では静音動作モード設定SWの状態を検出する。静音動作モードでないときはステップS211において撮像動作に先立って有音の防塵動作を開始する。この動作はすでに説明したステップS202と同じである。防塵動作は撮像動作に必要な準備動作(ステップS213,ステップS214)と平行して実行される。
【0187】
一方、ステップS210で静音動作モードのときは、ステップS210からステップS212に移行して屈曲進行波による防塵動作を開始する。この動作はステップS203と同じ動作である。
【0188】
ステップS213ではステップS205において算出されたAv値に基づいて撮影光学系12aにおける撮影レンズの絞りが設定される。
【0189】
ステップS214ではクイックリターンミラー13bをUP位置へ駆動する。
【0190】
ステップS215では防塵動作を終了するために圧電素子22の駆動を停止することにより防塵フィルタ21の駆動を停止する。
【0191】
ステップS216ではシャッタ14をOPEN制御する。ステップS217ではステップS205において算出されたTv値に基づき撮像素子27を露光して撮像動作を行う。
【0192】
ステップS218ではシャッタ14をCLOSE制御する。ステップS219ではクイックリターンミラー13bをDown位置へ駆動する。さらにシャッタ14をチャージする。ステップS220では撮影光学系12aにおける撮影レンズの絞りを開放位置へ駆動する。ステップS221では撮像素子27から画像データを読み出して、所定のフォーマットへ変換後、記録メディアへ保管する。
【0193】
上記した第2実施形態によれば、静音動作モードが設定されているときには屈曲進行波による防塵動作を行うようにしたので、ユーザにカメラの発生音を聞かれることなしに防塵動作を行うことができる。
【0194】
(第3実施形態)
上記した第1実施形態および第2実施形態では、静音動作モードが選択された時には、人が聞くことが可能な音を発生しないような形態で防塵フィルタ21を駆動することにより、静音動作モードであっても防塵動作そのものを停止させることは行っていない。しかし、第3実施形態例においては、静音動作モードが設定された場合には防塵動作そのものの動作を禁止することとする。この防塵動作の禁止に伴い防塵フィルタ21に塵埃が付着する確率を小さくするためにクイックリターンミラー13bをUP位置に移動する。
【0195】
通常、クイックリターンミラー13bは露光動作に連動してUP/Down駆動されるが、ここでは、静音動作モードに設定されると、クイックリターンミラー13bをUP位置に固定する。クイックリターンミラー13bが固定されることによってミラーボックス内の空気は撹拌されない。したがってミラーボックス内に存在する塵埃が巻き上げられて防塵フィルタ21に付着する可能性が小さくなる。またクイックリターンミラー13bのUP/Downによって発生するメカニカルノイズも無くなり、静音動作モードの主旨により合致することになる。
【0196】
以下、図18のフローチャートを参照して本発明の第3実施形態に係るカメラシステムにおけるBucom150の動作を説明する。Bucom150は、カメラの電源SWがON操作されると、その稼動を開始する。ステップS300において、当該カメラシステムを起動するための処理が実行される。電源回路153を制御して当該カメラシステムを構成する各回路ユニットへ電力を供給する。また各回路の初期設定を行う。
【0197】
ステップS301ではカメラ操作SW152の1つである静音動作モード選択SWの状態を判定する。静音動作モード選択SWがONのときは静音動作モードが選択されたことを示している。ステップS301で静音動作モード選択SWがONならばステップS301からステップS302へ移行する。ステップS302ではクイックリターンミラー13bの位置を検出する。クイックリターンミラー13bがDown位置にあるならば静音動作モード選択SWがONされた直後であることを示している。そこでステップS302からステップS303へ移行して、クイックリターンミラー13bをUP位置へ駆動する。クイックリターンミラー13bをUP位置へ設定するとファインダはblack out状態となり、ユーザはファインダを利用して被写体を観察することができない。この状況で被写体を観察するためには液晶モニタ124を利用する必要がある。
【0198】
そのためシャッタ14をOPEN状態に設定して撮像素子27から画像データを読み出してビデオ信号を作成する。そしてビデオ信号で液晶モニタ124へ被写体像を表示する。この動作に関する詳細な説明は省略する。
【0199】
次のステップS304では所定の条件で防塵動作を実行する。ステップS304の防塵動作はステップS102(図16)と同じである。防塵動作に伴い音が発生するが、以後静音動作モード中に防塵動作は行わないので問題はない。ここで防塵動作において第1、第2実施形態で示した無音の防塵動作を実施しない理由は、有音の防塵動作を実行することで音を利用してユーザに対して静音動作モードへ移行したことを告知するためである。
【0200】
すでに静音動作モードに設定され、クイックリターンミラー13bがUP位置にあるならばステップS303,ステップS304の動作は必要ない。この時はステップS302からステップS307へ移行する。
【0201】
一方、ステップS301で静音動作モード選択SWがOFFのときはステップS305においてクイックリターンミラー13bの位置を検出する。クイックリターンミラーがUP位置にあるときは静音動作モード選択SWがOFFされた直後であることを示している。ステップS305でクイックリターンミラー13bがUP位置ならばステップS306においてクイックリターンミラー13bをDown位置へ戻す。クイックリターンミラー13bがDown位置に設定されることに伴いファインダのblack out状態は解除される。ユーザはファインダを介して被写体を観察可能になる。次にステップS307に移行する。
【0202】
ステップS307ではカメラ操作SW152の一つである1stレリーズSWの状態を判定する。1stレリーズSWがONされるとステップS307からステップS308へ移行し、1stレリーズSWがOFFならばステップS301へ移行する。ステップS308では静音動作モード選択SWの状態を検出する。静音動作モード選択SWがOFFならばステップS309へ移行する。
【0203】
ステップS309では測光回路121から被写体の輝度情報を入手する。そしてこの情報から撮像素子27の露光時間(Tv値)とレンズユニット12の絞り設定値(Av値)を算出する。ステップS310では、公知の位相差方式の焦点調整動作が実行される。すなわち、AFセンサ駆動回路117を経由してAFセンサユニット116の検知データを入手する。このデータに基づきピントのズレ量を算出し、このズレ量に基づき撮影光学系12aにおける撮影レンズを駆動する。その後、ステップS313に移行する。
【0204】
一方、ステップS308で静音動作モードのときはステップS308からステップS311へ移行する。ステップS311では撮影素子27の出力に基づいて被写体輝度情報を検出する。そして撮影素子27の露光時間(Tv値)とレンズユニット12の絞り設定値(Av値)とを算出する。クイックリターンミラー13bがUP位置にあるため、ファインダ光学系に配置された測光回路121を利用して被写体輝度情報を入手することは出来ない。
【0205】
ステップS312では公知のコントラスト方式の焦点調整動作が実行される。すなわち、撮像素子27から読み出した画像データのコントラストが最大になるように撮影レンズのポジションを調整する。
【0206】
ステップS313ではカメラ操作SW152の1つである2ndレリーズSWの操作状態を判定する。2ndレリーズSWの操作がなされているときはステップS314へ移行し、当該操作がない時はステップS301へ移行する。
【0207】
ステップS314ではすでに算出されたAv値に基づき撮影光学系12aにおける撮影レンズの絞りを制御する。ステップS315では静音動作モードが設定されているか否かを判定する。静音動作モードが設定されているならばクイックリターンミラー13bを駆動する必要はない。また防塵動作も禁止される。したがってこの場合はステップS315からステップS318へ移行する。
【0208】
一方、ステップS315で静音動作モードが設定されていない時は、ステップS316においてクイックリターンミラー13bをUP位置へ駆動する。さらにステップS317では防塵動作が実行される。ここでの防塵動作はステップS304の防塵動作と同じである。
【0209】
ステップS318ではシャッタ14をOPEN制御する。ステップS319ではすでに算出されたTv値に基づき撮像素子27を露光する。ステップS320ではシャッタ14をCLOSE制御する。
【0210】
ステップS321では静音動作モードが設定されているか否かを判定する。静音動作モードであればクイックリターンミラー13bをDownさせる必要はないので、ただちにステップS323に移行する。また、静音動作モードが設定されていないときはステップS322においてクイックリターンミラー13bをDown位置へ駆動した後、ステップS323に移行する。ステップS323ではシャッタ14をチャージする。
【0211】
次のステップS324では撮影光学系12aにおける撮影レンズの絞りを開放位置へ駆動する。ステップS325では撮像素子27から画像データを読み出して、所定のフォーマットへ変換後、記録メディアへ保管する。
【0212】
上記した第3実施形態によれば、静音動作モードが設定されているときには防塵動作を行わないようにしたので、ユーザにカメラの発生音を聞かれることなしに撮像動作を行うことができる。
【0213】
(付記)
1.被写体の光学像を結像する撮影光学系と、
上記光学像を電気信号に変換する光電変換手段と、
上記撮影光学系と上記光電変換手段との間に配置され、設定周期で振動可能な防塵フィルタと、
を具備しており、
上記防塵フィルタは、振動時に可聴音を発生する第1の振動形態と、上記第1の振動形態よりも可聴音の小さい第2の振動形態で振動可能であることを特徴とする電子撮像装置。
【0214】
2. 上記第1の振動形態は上記防塵フィルタに定在波を発生させる振動形態であり、上記第2の振動形態は上記防塵フィルタに進行波を発生させる振動形態であることを特徴とする1.に記載の電子撮像装置。
【0215】
3. 上記第1の振動形態においては上記防塵フィルタを第1の周波数で振動させ、上記第2の振動形態においては上記防塵フィルタを上記第1の周波数よりも高い第2の周波数で振動させることを特徴とする1.に記載の電子撮像装置。
【0216】
4. 上記第2の振動形態は、上記電子撮像装置が静音モードに設定された際に実行される振動形態であることを特徴とする1.に記載の電子撮像装置。
【0217】
5. 被写体の光学像を結像する撮影光学系と、
上記光学像を電気信号に変換する光電変換手段と、
上記撮影光学系と上記光電変換手段との間に配置された防塵ガラスと、
上記防塵ガラスの周縁部に配置された複数の圧電素子と、
上記複数の圧電素子に周期的な駆動電圧を印加し、それによって生じる上記圧電素子の振動によって上記防塵ガラスに振動波を発生させる駆動制御手段と、
を具備しており、
上記駆動制御手段は、上記防塵ガラスが可聴音を発しながら振動する第1の周波数と、可聴音を発しない第2の周波数でもって、上記複数の圧電素子を駆動させることが可能であることを特徴とする電子撮像装置。
【0218】
6. 上記電子撮像装置は静音動作モードを有しており、上記駆動制御手段は上記静音動作モード時には上記第2の周波数でもって上記複数の圧電素子を駆動することを特徴とする5.に記載の電子撮像装置。
【0219】
7. 上記第2の周波数は、上記第1の周波数よりも高いことを特徴とする6.に記載の電子撮像装置。
【0220】
8. 被写体の光学像を結像する撮影光学系と、
上記光学像を電気信号に変換する光電変換手段と、
上記撮影光学系と上記光電変換手段との間に配置された防塵ガラスと、
上記防塵ガラスの周縁部に配置された複数の圧電素子と、
上記複数の圧電素子に周期的な駆動圧電を印加し、それによって生じる上記圧電素子の振動によって上記防塵ガラスに振動波を発生させる駆動制御手段と、
通常動作モードと静音動作モードを選択的に設定するための設定手段と、
を具備しており、
上記駆動制御手段は、上記通常動作モードにおいては上記防塵ガラスに定在波を発生させ、上記静音動作モードにおいては上記防塵ガラスに進行波を発生させることを特徴とする電子撮像装置。
【0221】
9. 上記駆動制御手段は、上記通常動作モードにおいては上記複数の圧電素子に同相の駆動電圧を印加し、上記静音動作モードにおいては位相の異なる駆動電圧を上記複数の圧電素子に印加することを特徴とする8.に記載の電子撮像装置。
【0222】
10. 被写体の光学像を結像する撮影光学系と、
上記光学像を電気信号に変換する光電変換手段と、
上記撮影光学系と上記光電変換手段との間に配置され、設定周期で振動可能な防塵フィルタと、
撮像動作に先立つタイミングで上記防塵フィルタを振動させる振動制御手段と、
通常動作モードと静音動作モードを選択的に設定するための設定手段と、
を具備しており、
上記静音動作モードが設定されている場合には、上記防塵フィルタの振動動作を禁止するようにしたことを特徴とする電子撮像装置。
【0223】
【発明の効果】
本発明によれば、静音動作モードが設定されているときに、ユーザにカメラの発生音を聞かれることなしに撮像動作を行うことができ、特に、静音動作モードが設定されているときに、ユーザにカメラの発生音を聞かれることなしに防塵動作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をデジタルカメラに適用した場合の実施の形態の概略的な構成を示す一部切り欠き斜視図である。
【図2】本発明に係わる一実施の形態のカメラのシステム構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態のカメラ1における撮像ユニット15の一部を取り出して示す図であり、当該撮像ユニット15を分解して示す要部分解斜視図である。
【図4】本実施形態のカメラ1における撮像ユニット15の一部を取り出して示す図であり、当該撮像ユニット組み立てた状態の一部を切断して示す斜視図である。
【図5】本実施形態のカメラ1における撮像ユニット15の一部を取り出して示す図であり、図4の切断面に沿う断面図である。
【図6】カメラ1における撮像ユニット15のうち防塵フィルタ21及びこれに一体に設けられる圧電素子22のみを取り出して示す正面図である。
【図7】図6の圧電素子22に対して周期的な駆動電圧を印加した際の防塵フィルタ21及び圧電素子22の状態変化を示しており、図6のA−A線に沿う断面図である。
【図8】図6の圧電素子22に対して周期的な駆動電圧を印加した際の防塵フィルタ21及び圧電素子22の状態変化を示しており、図6のB−B線に沿う断面図である。
【図9】図6と同様にカメラ1における撮像ユニット15のうち防塵フィルタ21及びこれに一体に設けられる圧電素子22のみを取り出して示す正面図である。
【図10】図9の圧電素子22に対して二次振動を発生させるための周期的な電圧を印加した際の防塵フィルタ21及び圧電素子22の状態変化を示しており、図9のA−A線に沿う断面図である。
【図11】図9の圧電素子22に対して二次振動を発生させるための周期的な電圧を印加した際の防塵フィルタ21及び圧電素子22の状態変化を示しており、図9のB−B線に沿う断面図である。
【図12】本電子撮像装置における撮像ユニットのうち防塵フィルタに振動を与える加振手段の構成を概念的に示す図である。
【図13】防塵フィルタ21に発生する屈曲進行波振動(山Yと谷Tとが交互に等間隔、等振幅で生じる振動)のようすを示す図である。
【図14】図2で説明した本電子撮像装置1における防塵フィルタ駆動回路140の構成を概略的に示す回路図である。
【図15】図14の防塵フィルタ駆動回路140における各構成部材から出力される各信号形態を示すタイムチャートである。
【図16】本発明の第1実施形態に係るカメラシステムにおけるBucom150の動作を説明するためのフローチャートである。
【図17】本発明の第2実施形態に係るカメラシステムにおけるBucom150の動作を説明するためのフローチャートである。
【図18】本発明の第3実施形態に係るカメラシステムにおけるBucom150の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1…カメラ、11…カメラ本体、11a…撮影光学系装着部、12…レンズユニット、12a…撮影光学系、13…ファインダ装置、13a…ペンタプリズム、13b…反射鏡、13c…接眼レンズ、14…シャッタ部、15…撮像ユニット、16…主回路基板、17…レリーズボタン、21…防塵フィルタ、27…撮像素子、28…画像処理コントローラ、140…防塵フィルタ駆動回路、150…ボディ制御用マイクロコンピュータ(Bucom)、205…レンズ制御用マイクロコンピュータ(Lucom)。
Claims (7)
- 撮像動作に関連した音の発生を抑制する静音動作モードを有する電子撮像装置であって、
被写体の光学像を結像する撮影光学系と、
上記撮影光学系により結像された光学像を電気信号に変換する光電変換手段と、
上記撮影光学系と上記光電変換手段との間に配置され、前記光電変換手段の光電変換面への塵埃等の付着を防止する防塵フィルタと、
前記防塵フィルタを所定の周波数で振動させることにより前記防塵フィルタに塵埃除去動作を行わせる制御手段と、
を具備し、
前記制御手段は、前記静音動作モードが選択されているか否かに応じて、異なる振動形態で前記防塵フィルタを振動させることを特徴とする電子撮像装置。 - 前記制御手段は、前記静音動作モードが選択されているか否かに応じて、異なる駆動周波数で前記防塵フィルタを振動させることを特徴とする請求項1記載の電子撮像装置。
- 前記制御手段は、前記静音動作モードが選択されている場合には、前記静音動作モードが選択されていない場合よりも高い駆動周波数で前記防塵フィルタを振動させることを特徴とする請求項2記載の電子撮像装置。
- 前記制御手段は、前記静音動作モードが選択されている場合には可聴音を発生しない駆動周波数で前記防塵フィルタを振動させることを特徴とする請求項3記載の電子撮像装置。
- 前記制御手段は、前記静音動作モードが選択されているか否かに応じて、前記防塵フィルタに進行波を発生させることと、前記防塵フィルタに定在波を発生させることのいずれかを行うことを特徴とする請求項1記載の電子撮像装置。
- 前記防塵フィルタは複数の圧電素子を備え、前記制御手段は、前記静音動作モードが選択されている場合には前記複数の圧電素子に位相の異なる駆動電圧を印加し、前記静音動作モードが選択されていない場合には前記複数の圧電素子に同相の駆動電圧を印加することを特徴とする請求項5記載の電子撮像装置。
- 撮像動作に関連した音の発生を抑制する静音動作モードを有する電子撮像装置であって、
被写体の光学像を結像する撮影光学系と、
上記撮影光学系により結像された光学像を電気信号に変換する光電変換手段と、
上記撮影光学系と上記光電変換手段との間に配置され、前記光電変換手段の光電変換面への塵埃等の付着を防止する防塵フィルタと、
前記防塵フィルタを所定の周波数で振動させることにより前記防塵フィルタに塵埃除去動作を行わせる制御手段と、
を具備し、
前記制御手段は、前記静音動作モードが選択されているか否かに応じて、前記防塵フィルタの塵埃除去動作を実行することと、前記防塵フィルタの塵埃除去動作を禁止することのいずれかを行うことを特徴とする請求項1記載の電子撮像装置。
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