JP2004244536A - ポリオキシメチレン樹脂組成物製歯車 - Google Patents
ポリオキシメチレン樹脂組成物製歯車 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004244536A JP2004244536A JP2003036723A JP2003036723A JP2004244536A JP 2004244536 A JP2004244536 A JP 2004244536A JP 2003036723 A JP2003036723 A JP 2003036723A JP 2003036723 A JP2003036723 A JP 2003036723A JP 2004244536 A JP2004244536 A JP 2004244536A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- weight
- gear
- polyethylene wax
- polyoxymethylene
- silicone
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Gears, Cams (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
【解決手段】(A)オキシメチレンユニットを主たる構成単位とする重合体中に、オキシメチレンユニット100mol当たり、炭素数2以上のオキシアルキレンユニットを3.0〜10mol含有してなるポリオキシメチレン共重合体100重量部に対して、(B)ポリエチレンワックス0.1〜20重量部、および(C)25℃における粘度が50万cSt以上であるシリコーン0.1〜5重量部を配合したポリオキシメチレン樹脂組成物からなる歯車であって、23℃における曲げ弾性率(ASTM D790)が1000以上2000MPa以下であり、かつ23℃における動摩擦係数(μ)が0.25以下であるポリオキシメチレン樹脂組成物製歯車。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気・電子機器、事務機器、自動車、産業機器等で要求されている高品質化を目的とした歯車材料として好適な、ポリオキシメチレン樹脂組成物製歯車に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリオキシメチレン樹脂は、バランスのとれた機械物性を示し、かつ摩擦摩耗特性に優れるため、歯車等の摺動部品材料として自動車、電気・電子製品等の分野で広く利用されている。しかし、このような分野における要求特性は近年ますます高度化しており、摺動特性の更なる改良、歯車の低騒音化、長寿命化といった点において、一層の改良が望まれている。
従来ポリオキシメチレンの摩擦摩耗特性を更に改良するために、ポリオキシメチレン樹脂に各種の潤滑剤、例えばフッ素樹脂、ポリオレフィンなどを配合することが一般的に行われているが、摺動性はある程度向上するものの、潤滑剤との混和性が低いため、成形品表面が剥離(いわゆるデラミ)したり、成形金型に析出物を発生し易いといった問題があった。
【0003】
従来、ポリオキシメチレン、ポリエチレンワックス、およびシリコーンオイルを配合することで、摺動時の騒音を低減する技術が知られている(特許文献1参照)。しかし、使用するポリアセタールは特に限定されておらず、一般的な摺動時の騒音特性に効果が見られるものの、未だ十分とは言えず、特に歯車特性において、近年の市場の高度な要求を満たせないケースが発生してきた。
また、(A)炭素数2以上のオキシアルキレンユニットを3.0〜10重量%含有してなるポリアセタール樹脂100重量部に対し、(B)シリコーン系オイルやα−オレフィンオリゴマー等の潤滑油0.1〜10重量部を配合してなる組成物を摺動部品に用いる技術は、特許文献2に開示されている。しかし、該潤滑油として、2種以上を併用した例は無く、もちろん、シリコーン系オイルとα−オレフィンオリゴマーとの併用に相乗効果があることの示唆も無い。更に、シリコーンオイルの粘度も30万cSt以下のものが使用されているだけで、摩耗特性の改良効果も十分で無く、歯車特性(騒音特性、寿命特性)が不十分であった。
【0004】
【特許文献1】特許第2970691号公報
【特許文献2】特開平8−157688号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、このような従来のポリオキシメチレン樹脂組成物製の歯車が持つ欠点を改良し、表面外観、騒音特性および寿命特性等の歯車特性に優れたポリオキシメチレン樹脂製歯車を提供することにある。
中でも、歯車の低騒音化には、歯車同士の歯と歯がぶつかる時に生じる「打音」と、歯面が擦れ合う「滑り音」、それぞれの低減が必要である。つまり、従来、摺動部材としての低騒音化を意図していたものは、このうち、「滑り音」の低減を目的としたもので、「打音」の改良が不十分であり、本発明はこの改良をも達成し、優れた歯車特性を有する歯車の提供を目的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上述の問題点を解決するために鋭意検討した結果、特定のポリオキシメチレン樹脂を使用し、かつ2種類の特定の潤滑剤を配合することにより、前記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は、(A)オキシメチレンユニットを主たる構成単位とする重合体中に、オキシメチレンユニット100mol当たり、炭素数2以上のオキシアルキレンユニットを3.0〜10mol含有してなるポリオキシメチレン共重合体100重量部に対して、(B)ポリエチレンワックス0.1〜20重量部、および(C)25℃における粘度が50万cSt以上であるシリコーン0.1〜5重量部を配合したポリオキシメチレン樹脂組成物からなる歯車であって、ASTM D790に準じて測定した23℃における曲げ弾性率が1000以上2000MPa以下であり、かつスラスト式摩擦摩耗試験により同一材同士を摺動させた場合の23℃における動摩擦係数(μ)が0.25以下であるポリオキシメチレン樹脂組成物製歯車に存する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に使用される(A)ポリオキシメチレン樹脂は、オキシメチレンユニットを主たる構成単位とする重合体中に、オキシメチレンユニット100mol当たり、炭素数2以上のオキシアルキレンユニットを3.0〜10mol含有してなるポリオキシメチレン共重合体である。コポリマー(ブロックポリマー)の他に、ターポリマー等も含まれる。また、前記ポリオキシメチレン樹脂は、線状構造のみならず、分岐、架橋構造を有していてもよい。前記炭素数2以上のオキシアルキレンユニットとしては、例えば、オキシエチレン基(−CH2CH2O−)、オキシプロピレン基(−CH2CH2CH2O−)、オキシブチレン基(−CH2CH2CH2CH2O−)等の炭素数2〜4のオキシアルキレン基が挙げられ、中でもオキシエチレン基が好ましい。オキシメチレン基(−CH2O−)と炭素数2〜4のオキシアルキレン基を構成単位とするポリオキシメチレン樹脂は、例えば、ホルムアルデヒドの3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)などのオキシメチレン基の環状オリゴマーとエチレンオキサイド、1,3−ジオキソラン、1,3,6−トリオキソカン、1,3−ジオキセパン等の炭素数2〜4のオキシアルキレン基を含む環状オリゴマーとを共重合することによって製造することができる。中でも、トリオキサンやテトラオキサンなどの環状オリゴマーと、エチレンオキサイドまたは1,3−ジオキソランとの共重合が好ましい。特に、トリオキサンと1,3−ジオソランとの共重合体がさらに好ましい。
【0008】
炭素数2以上のオキシアルキレンユニットの含有量としては、オキシメチレンユニット100mol当たり、3.0〜10molである必要があり、好ましくは3.2〜7.5molが良い。このように、炭素数2以上のオキシアルキレンユニットを特定量含むポリオキシメチレン樹脂は、摺動剤との混和性を改良し、成形性を向上させる効果がある。オキシメチレンユニット100molに対して、炭素数2以上のオキシアルキレンユニットの含有量が3.0molよりも少ないと、摺動剤との混和性も低く、成形時にスクリュースリップに起因する計量不良が起こり、形状に不良品が生じたり、成形品表面が剥離したり(いわゆるデラミ)、成形金型に析出物を発生し易いといった問題が発生する。また、オキシメチレンユニット100molに対して、炭素数2以上のオキシアルキレンユニットの含有量が10molよりも多くなると、機械物性の低下が著しくなり、ポリオキシメチレン樹脂の高摩擦摩耗性という特性が得られず、摺動部材として実用に供し得ない。また、その溶融粘度はいずれでも良いが、溶融指数(MI)[ASTM−D1238:190℃、2.16kg荷重下]で0.01〜150g/10分が好ましい。
【0009】
さらに、このポリオキシメチレン樹脂組成物は、ASTM D790による23℃での曲げ弾性率が1000〜2000MPaでなければならない。曲げ弾性率が低いほど、歯の変形による反発エネルギーが小さくなるため、歯の打音が低減され、結果として騒音が低減される。曲げ弾性率が2000MPaよりも高いと、歯の反発エネルギーが大きくなり、歯車騒音低減効果が得られない。また、曲げ弾性率が1000MPaよりも小さいと、機械的強度が低下し、歯車としての寿命が短くなり、実用に供し得なくなる。
【0010】
また、本発明において、(B)ポリエチレンワックスは、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリエチレン共重合体、またはそれらを酸化変性または酸変性することによって極性基を導入した型の変性ポリエチレンワックスを意味する。その数平均分子量は、好ましくは500〜15000であり、より好ましくは1000〜10000である。低分子量ポリエチレンおよび低分子量ポリエチレン共重合体のポリエチレンワックスは、エチレン又はエチレンとα−オレフィンとを、チーグラー触媒などで直接重合する方法、高分子量ポリエチレンあるいは共重合体製造時の副生物として得る方法、高分子量のポリエチレン、あるいは共重合体を熱分解する方法などによって製造することができる。なかでも、エチレン50〜99モルパーセントとα−オレフィン1〜50モルパーセントとの共重合体型のポリエチレンワックスが好ましい。特に、好ましくはα−オレフィンがプロピレンであるポリエチレンワックスである。
【0011】
変性ポリエチレンワックスは、上記の低分子量ポリエチレン、低分子量ポリエチレン共重合体もしくは、それらを酸化変性または酸変性した変性ポリエチレンワックスを意味する。酸化変性は、ワックスをパーオキシドや酸素等で処理してカルボキシル基や水酸基等の極性基を導入して行なう。また、酸変性処理は、必要とあらばパーオキシドや酸素の存在下に、ワックスを無機酸、有機酸あるいは不飽和カルボン酸等によって処理することにより、カルボキシル基やスルホン酸基等の極性基を導入して製造される。
これらのポリエチレンワックスは、一般型高密度ポリエチレンワックス、一般型低密度ポリエチレンワックス、低酸価型ポリエチレンワックス、高酸価型ポリエチレンワックス、酸変性型ポリエチレンワックス、あるいは特殊モノマー変性型等の名称で市販され、市場より容易に入手することができる。
【0012】
ポリエチレンワックスの配合量は、ポリオキシメチレン樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部で、好ましくは、0.5〜5重量部である。20重量部を越える量を用いる場合は、ポリオキシメチレン樹脂の機械的性能が低下し、0.1重量部未満では本発明の目的効果は少ない。ポリエチレンワックスは単独で用いても良いし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0013】
本発明において用いる(C)25℃における粘度が50万cSt以上であるシリコーンについて以下に詳しく述べる。本発明において用いるシリコーンの粘度は、25℃における粘度が50万センチストークス(cSt)以上であり、好ましくは100万cSt以上である。25℃におけるシリコーンの粘度が50万cStよりも小さいと外観が悪くなるとともに、摺動特性の継続性が失われ、本発明の目的を達成できない。またシリコーンの種類としては、一般に知られるものの中から任意に選ぶことができる。例えば、ポリジメチルシロキサンから成るシリコーン、ポリジメチルシロキサンのメチル基の一部がフェニル基と置換されたシリコーン、ポリジメチルシロキサンのメチル基の一部が水素や炭素数2以上のアルキル基と置換されたシリコーン、ポリジメチルシロキサンのメチル基の一部がハロゲン化フェニル基と置換されたシリコーン、ポリジメチルシロキサンのメチル基の一部がフルオロエステル基と置換されたシリコーン、エポキシ基を有するポリジメチルシロキサンのようなエポキシ変性シリコーン、アミノ基を有するポリジメチルシロキサンのようなアミノ変性シリコーン、アルコール性水酸基を有するポリジメチルシロキサンのようなアルコール変性シリコーン、ジメチルシロキサンとフェニルメチルシロキサンのようなアルキルアラルキルシリコーン、ジメチルシロキサン単位のメチル基の一部がポリエーテルで置換された構造を有するポリジメチルシロキサンのようなポリエーテル変性シリコーン、ジメチルシロキサン単位のメチル基の一部がポリエーテルで置換された構造を有するシロキサンとフェニルメチルシロキサンとのポリマーのようなアルキルアラルキルポリエーテル変性シリコーンなどが挙げられる。
【0014】
シリコーンは、単独であるいは2種以上組み合わせて用いる。その添加量は全組成物重量の0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜2重量%である。この量が0.1重量%未満では充分な本発明の目的効果が得られない。また5重量%を超えると組成物の成形加工性が劣り、外観も悪化する。
(B)ポリエチレンワックスと(C)シリコーンとの重量比(C/B)は0.01〜4の範囲が好ましく、より好適には0.05〜2の範囲である。
【0015】
ポリオキシメチレン、ポリエチレンワックスおよびシリコーンとの混合の方法については、特に制限は無く、公知の混合あるいはブレンド方法を採用することができる。このようにして得られた本発明組成物には、用途に応じ公知の熱可塑性ポリマー、無機添加剤、顔料、充填剤、ガラス繊維、炭素繊維、ウィスカー等を混合することができる。
【0016】
以上説明した、本発明で使用するポリオキシメチレン樹脂組成物は、更に、スラスト式摩擦摩耗試験により同一材同士を、温度23℃、湿度50%雰囲気下で、面圧力0.5MPa、線速度0.1m/秒にて摺動させた場合の動摩擦係数(μ)が0.25以下であることが必要である。(このとき、試験片は円筒型スラスト試験片を用いて測定した値。)このμが0.25よりも小さいと、歯車走行時の滑り音が低減され、結果として騒音が低減される。μが0.25よりも大きいと、滑り性が不十分となり、歯車騒音低減効果が得られない。
【0017】
歯車としては、いかなる種類のものも用いることが出来る。例えば、平歯車、はすば歯車、内歯車、ラック、やまば歯車、すぐばかさ歯車、はすばかさ歯車、まがりばかさ歯車、冠歯車、ゼロールベベルギア、ハイポイドギア、フェースギア、ねじ歯車、円筒ウォームギア、鼓形ウォームギア、ノビコフ歯車などが挙げられる。また、歯車の作成方法としては特に限定されず、射出成形、丸棒や板などの素材からの切削加工など一般的な成形加工方法のいずれでも良い。
【0018】
【実施例】
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明の詳細を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、評価の方法は次の通りである。
(1)曲げ弾性率
曲げ弾性率は、ASTM−D790に準拠し、温度23℃、湿度50%RHにて測定を行った。
(2)スラスト式摩擦摩耗試験
試験片:円筒型スラスト試験片を、シリンダー温度200℃、金型温度80℃、成形サイクル30秒で射出成形にて作成。
動摩擦係数:オリエンテック製スラスト式摩擦摩耗試験機を用い、温度23℃、湿度50%雰囲気下で、面圧力0.5MPa、線速度0.1m/秒にて同一材同士で測定し、動摩擦係数(μ)を求めた。
【0019】
(3)成形(表面外観評価)
歯車成形品(歯形:平歯車,モジュール1.0、歯数50,基準円ピッチ径φ50mm,歯幅5mm,φ1.8mmの3点ピンゲート方式)を下記の条件にて成形し、その成形品の表層剥離(デラミ)の状態を目視にて以下の3段階で評価した。
成形機:日精樹脂工業(株)製 PS−40射出成形機
シリンダー温度:200℃
金型温度:80℃
成形品デラミ:
A デラミなし
B ゲート部分にデラミあり
C 成形品全体にデラミあり
【0020】
(4)歯車騒音特性
上記(3)で作成した平歯車を用いて、防音箱を備えた歯車騒音試験機(図1)にて、温度23℃、湿度50%雰囲気下で、下記の2条件で同一材同士の歯車をかみ合い走行させ、騒音特性を評価した。
精密騒音計:(株)リオン NA−29
歯車かみ合い部分から騒音計までの距離:10cm
試験条件:トルク2kgf・cm,回転数500rpmおよび1000rpm
暗騒音:45dB(500rpm),58dB(1000rpm)
(5)歯車寿命特性
上記(3)で平歯車を用いて、上記(4)の歯車騒音試験機にて、同一材同士を温度23℃、湿度50%雰囲気下で下記の2条件でかみ合い走行させ、歯が破壊されるまでの積算回転数にて、歯車の寿命特性を評価した。
トルク:40kgf・cmおよび30kgf・cm
回転数:300rpm
【0021】
実施例及び比較例で使用したポリオキシメチレン樹脂、ポリエチレンワックス、シリコーンを以下に示す。
(A)ポリオキシメチレン樹脂
A−1:トリオキサンと1,3−ジオキソランとのオキシメチレンコポリマーであり、オキシエチレンユニット5.0mol%を含有するポリオキシメチレン樹脂(メルトインデックス9.0g/10分)
A−2:トリオキサンと1,3−ジオキソランとのオキシメチレンコポリマーであり、オキシエチレンユニット3.9mol%を含有するポリオキシメチレン樹脂(メルトインデックス9.0g/10分)
A−3:トリオキサンと1,3−ジオキソランとのオキシメチレンコポリマーであり、オキシエチレンユニット1.8mol%を含有するポリオキシメチレン樹脂(メルトインデックス9.0g/10分)
【0022】
(B)ポリエチレンワックス
B−1:ハイワックス8051E〔三井化学(株)製、分子量6000、高酸価型、酸価10、エチレン−プロピレン共重合型〕
B−2:ハイワックス2203A〔三井化学(株)製、分子量2700、酸変性型、酸価30〕
B−3:ハイワックス405MP〔三井化学(株)製、分子量4000、低酸価型、酸価1〕
B−4:ハイワックス420P〔三井化学(株)製、分子量4000、一般低密度型、酸価0〕
B−5:ヘキストワックス522E〔ヘキスト社製、分子量2000、高酸価型、酸価25〕
【0023】
(C)シリコーン
C−1:KF−96−1000000CS〔信越シリコーン社製、ポリジメチルシロキサン、粘度100万cSt〕
C−2:KF−96−500000CS〔信越シリコーン社製、ポリジメチルシロキサン、粘度50万cSt〕
C−3:KF−96−150000CS〔信越シリコーン社製、ポリジメチルシロキサン、粘度15万cSt〕
C−4:KF−96−300000CS〔信越シリコーン社製、ポリジメチルシロキサン、粘度30万cSt〕
【0024】
[実施例1〜7]
表1に示すポリオキシメチレン樹脂、ポリエチレンワックス、およびシリコーンを、表1で示す割合で混合し、スーパーミキサー〔川田製作所社製〕を用いて均質に混合したのち、二軸押出機〔池貝鉄工社製、PCM−30〕を用いてペレット化した。続いて、上記(1)〜(5)のごとく、曲げ弾性率、動摩擦係数、表面外観、歯車騒音特性および歯車寿命特性の評価を行った。その評価結果を表1に示す。
【0025】
[比較例1〜6]
表2に示した割合で、実施例と同様に方法にて樹脂組成物を作成し、実施例と同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。なお、表2の高分子量ポリエチレン(PE)は、ハイゼックス2200J(三井化学(株)製、分子量10万)を用いた。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、特定のポリオキシメチレンに特定のポリエチレンワックスおよび特定のリコーンオイルとを混合することで、それらが相乗効果を発現し、極めて優れた成形加工性、摩擦摩耗性および低騒音特性を有し、それらなる歯車は高性能を要求される部品として好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いた歯車騒音試験機の図である。
Claims (3)
- (A)オキシメチレンユニットを主たる構成単位とする重合体中に、オキシメチレンユニット100mol当たり、炭素数2以上のオキシアルキレンユニットを3.0〜10mol含有してなるポリオキシメチレン共重合体100重量部に対して、(B)ポリエチレンワックス0.1〜20重量部、および(C)25℃における粘度が50万cSt以上であるシリコーン0.1〜5重量部を配合したポリオキシメチレン樹脂組成物からなる歯車であって、ASTMD790に準じて測定した23℃における曲げ弾性率が1000以上2000MPa以下であり、かつスラスト式摩擦摩耗試験により同一材同士を摺動させた場合の23℃における動摩擦係数(μ)が0.25以下であるポリオキシメチレン樹脂組成物製歯車。
- (B)ポリエチレンワックスが、エチレン50〜99モルパーセントとα−オレフィン1〜50モルパーセントとの共重合体であるポリエチレンワックス、及び酸化変性もしくは酸変性により極性基を導入したポリエチレンワックスから選ばれるものである請求項1に記載の歯車。
- (B)ポリエチレンワックスと、(C)25℃における粘度が50万cSt以上であるシリコーンとの重量比が、1:0.01〜4である請求項1または2に記載の歯車。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003036723A JP2004244536A (ja) | 2003-02-14 | 2003-02-14 | ポリオキシメチレン樹脂組成物製歯車 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003036723A JP2004244536A (ja) | 2003-02-14 | 2003-02-14 | ポリオキシメチレン樹脂組成物製歯車 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004244536A true JP2004244536A (ja) | 2004-09-02 |
Family
ID=33021734
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003036723A Pending JP2004244536A (ja) | 2003-02-14 | 2003-02-14 | ポリオキシメチレン樹脂組成物製歯車 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004244536A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007145211A1 (ja) * | 2006-06-15 | 2007-12-21 | Mitsubishi Engineering-Plastics Corporation | ポリアセタール樹脂組成物とその製造方法、及び該樹脂組成物を成形してなる摺動部材 |
JP2015054460A (ja) * | 2013-09-12 | 2015-03-23 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | 複合成形部品 |
JP2016039998A (ja) * | 2008-03-31 | 2016-03-24 | 三菱瓦斯化学株式会社 | ポリアセタール含有ブラシ |
JP2017155114A (ja) * | 2016-03-01 | 2017-09-07 | 旭化成株式会社 | ポリオキシメチレン樹脂組成物 |
WO2018230389A1 (ja) * | 2017-06-15 | 2018-12-20 | 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 | ポリアセタール樹脂組成物、成形品およびポリアセタール樹脂組成物の製造方法 |
JP2019163484A (ja) * | 2013-10-21 | 2019-09-26 | ティコナ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 本質的に低摩擦のポリオキシメチレン |
WO2025134911A1 (ja) * | 2023-12-21 | 2025-06-26 | グローバルポリアセタール株式会社 | 樹脂組成物、ペレット、および、成形品 |
-
2003
- 2003-02-14 JP JP2003036723A patent/JP2004244536A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007145211A1 (ja) * | 2006-06-15 | 2007-12-21 | Mitsubishi Engineering-Plastics Corporation | ポリアセタール樹脂組成物とその製造方法、及び該樹脂組成物を成形してなる摺動部材 |
US8097670B2 (en) | 2006-06-15 | 2012-01-17 | Mitsubishi Engineering-Plastics Corporation | Polyacetal resin composition, process for producing the same, and sliding member molded from the resin composition |
EP2050787A4 (en) * | 2006-06-15 | 2013-11-20 | Mitsubishi Eng Plastics Corp | POLYACETAL RESIN COMPOSITION, METHOD OF MANUFACTURING THEREFOR AND OF THE RESIN COMPOSITION SHAPED GLIDING ELEMENT |
JP2016039998A (ja) * | 2008-03-31 | 2016-03-24 | 三菱瓦斯化学株式会社 | ポリアセタール含有ブラシ |
JP2015054460A (ja) * | 2013-09-12 | 2015-03-23 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | 複合成形部品 |
JP2019163484A (ja) * | 2013-10-21 | 2019-09-26 | ティコナ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 本質的に低摩擦のポリオキシメチレン |
JP2017155114A (ja) * | 2016-03-01 | 2017-09-07 | 旭化成株式会社 | ポリオキシメチレン樹脂組成物 |
WO2018230389A1 (ja) * | 2017-06-15 | 2018-12-20 | 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 | ポリアセタール樹脂組成物、成形品およびポリアセタール樹脂組成物の製造方法 |
JP6445226B1 (ja) * | 2017-06-15 | 2018-12-26 | 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 | ポリアセタール樹脂組成物、成形品およびポリアセタール樹脂組成物の製造方法 |
US11384237B2 (en) | 2017-06-15 | 2022-07-12 | Mitsubishi Engineering-Plastics Corporation | Polyacetal resin composition, molded article and method for manufacturing polyacetal resin composition |
WO2025134911A1 (ja) * | 2023-12-21 | 2025-06-26 | グローバルポリアセタール株式会社 | 樹脂組成物、ペレット、および、成形品 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5032212B2 (ja) | ポリアセタール樹脂組成物とその製造方法、及び該樹脂組成物を成形してなる摺動部材 | |
CA2026072C (en) | Polyacetal resin composition and sliding member | |
EP2201065B1 (en) | Polyacetal compositions with improved tribological properties | |
JP2009079117A (ja) | ポリプロピレン系樹脂組成物 | |
JP2004511642A (ja) | 騒音減衰性を有する成形された軟質エラストマー/硬質ポリエステル組成物 | |
JP2017509767A (ja) | 摩擦抵抗の低減された熱可塑性ポリマー組成物 | |
JPS6096649A (ja) | 摺動部材用樹脂組成物 | |
JP2004244536A (ja) | ポリオキシメチレン樹脂組成物製歯車 | |
JP2970691B2 (ja) | ポリアセタール樹脂組成物 | |
JP6318237B2 (ja) | ポリアセタール樹脂組成物及びその成形体 | |
JP6445226B1 (ja) | ポリアセタール樹脂組成物、成形品およびポリアセタール樹脂組成物の製造方法 | |
JPS61120848A (ja) | 高い耐摩耗性を有する熱可塑性ポリオキシメチレン成形材料 | |
CA2517984A1 (en) | Polyacetals with improved resistance to bleach | |
JP2009191113A (ja) | ポリアセタール樹脂組成物及び該樹脂組成物を成形してなる摺動部材 | |
JP2004218765A (ja) | ポリオキシメチレン樹脂製歯車 | |
JP6049466B2 (ja) | ポリアセタール樹脂成形体及び精密機構部品 | |
KR101694904B1 (ko) | 폴리옥시메틸렌 수지 조성물 및 이를 포함하는 성형품 | |
JP6491911B2 (ja) | ポリアセタール樹脂成形体 | |
JP4524550B2 (ja) | 摺動部材用樹脂組成物および摺動部材 | |
JP2002069267A (ja) | ポリアセタール樹脂組成物 | |
JP2017206665A (ja) | ポリアセタール樹脂組成物、その製造方法及び樹脂成形品 | |
JP2002053731A (ja) | ポリアセタール樹脂組成物 | |
JP3149151B2 (ja) | 高摺動性ポリアセタール樹脂組成物 | |
JP3114463B2 (ja) | ポリオキシメチレン組成物 | |
JPH0369378B2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20051207 |
|
RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421 Effective date: 20051207 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20051207 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070511 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070529 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071002 |