JP2004241594A - 半導体パッケージ - Google Patents
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Abstract
【課題】半田ボールが有するセルフアライメント効果や高い保持力を維持しながら熱膨張差によって発生する応力を効果的に吸収することによって、接続部の半田に生ずるクラックの発生を防止する。
【解決手段】半導体パッケージと実装基板の熱膨張差によって発生する応力が比較的大きい接続端子には柔軟性を有する樹脂コア導電ボール17を用いる。一方他の接続端子には半田ボール18を用いることによって、リフローの際の溶融半田の表面張力に依存するセルフアライメント効果を維持し、さらには半導体パッケージを実装基板の下面に配置した状態でリフローする際の保持力を確保することによって、半導体パッケージの落下防止を図る。
【効果】半田ボール18と樹脂コア導電ボール17とを適正配置することによって、半導体パッケージを実装基板に実装する際の接続の信頼性の向上が図られた。
【選択図】 図1
【解決手段】半導体パッケージと実装基板の熱膨張差によって発生する応力が比較的大きい接続端子には柔軟性を有する樹脂コア導電ボール17を用いる。一方他の接続端子には半田ボール18を用いることによって、リフローの際の溶融半田の表面張力に依存するセルフアライメント効果を維持し、さらには半導体パッケージを実装基板の下面に配置した状態でリフローする際の保持力を確保することによって、半導体パッケージの落下防止を図る。
【効果】半田ボール18と樹脂コア導電ボール17とを適正配置することによって、半導体パッケージを実装基板に実装する際の接続の信頼性の向上が図られた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体パッケージに係り、とくに導電性ボールを外部接続端子とする半導体パッケージに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体のベアチップを直接実装基板(マザーボード)に実装することが困難であるために、通常半導体ベアチップはインターポーザ基板等に実装され、このインターポーザ基板を半導体パッケージとして実装基板上に実装している。
【0003】
従来のこのようなタイプの半導体パッケージは、例えば図14および図15に示す構成になっている。すなわち絶縁材料から成るインターポーザ基板1を用意し、このインターポーザ基板1の上面に半導体ベアチップ2を実装し、その電極をインターポーザ基板1の電極とワイヤボンディング等の方法によって接続している。そしてインターポーザ基板1の下面に半田ボール3を所定の配置で配列している。なお半田ボール3は図16に示すようにインターポーザ基板1の下面の電極ランド4の部分に配置される。そして上記電極ランド4以外の部分についてはオーバコート5を施す。
【0004】
このようなインターポーザ基板1を備える半導体パッケージは、図16に示すように、マザーボード等の回路基板6上に実装される。すなわち実装基板を構成する回路基板6の所定の位置に接続用ランド7が設けられるとともに、その周囲がソルダーレジスト8によって覆われる。従って半導体パッケージは上記インターポーザ基板1の半田ボール3によって接続用ランド7に接続されることになる。
【0005】
このような半田ボール3を用いて外部接続を行なうようにした半導体パッケージは、リード端子を有する半導体パッケージと比較して、接合部の半田量が多いために、リフローの際に溶融半田の表面張力によるセルフアライメント効果が大きく、半田品質の確保に有利に働く。また両面リフロープロセスにおいて、先行リフロー面であって下面に半導体パッケージが配置された場合に、後行面リフローの際に、回路基板の下側に取付けられた半導体パッケージが溶融半田の表面張力によって保持され、リフロー炉内において半導体パッケージが欠落し難くなる。
【0006】
また回路基板が凸反りした場合や半導体パッケージが凹反りした場合に、外部接続用導電性ボールの半田付け接続不良が懸念されるが、導電性ボールが半田ボールの場合には、先行して半田付け接続したポールが張力バランスによって溶融変形し、半導体パッケージを基板側に引込み、沈み込ます挙動を生ずる。これによって危ぶまれた外部接続部の導電性ボールと基板ランド上の半田とのコンタクト、すなわち半田付け接続が確保される技術的優位性を有している。
【0007】
ところがこのような回路基板を組込んだ機器の使用時における温度環境下で、半導体パッケージと回路基板の熱膨張差によって発生する応力が、半導体パッケージと回路基板との接続部の寿命および信頼性に大きく影響を及ぼす。すなわち図16に示すように、半田ボール3は比較的柔軟性が小さいために、この半田ボール3のとくに半導体パッケージ1の電極ランド4との接続部の際部に応力が集中し、それを起点にクラック9が発生し、このクラック9が次第に成長すると接続不良に至る可能性がある。このような接続不良が信頼性を左右する大きな要因であることが知られている。
【0008】
さらに近年の半導体パッケージの多ピン化および大型化、狭ピッチ化に伴う接続部微細化、WLCSPでの内部の半導体チップとの接続部の近接化によって、接続部の信頼性確保が難しくなっている。
【0009】
このような半田ボール3を用いた接続に伴う信頼性の低下を補うために、柔軟性があって応力を吸収する樹脂コア導電ボールが提案されている。しかるに樹脂コア導電ボールは接続部の半田力が半田ボールよりも少なく、溶融半田の表面張力に依存したセルフアライメント効果が小さくなって実装時における位置精度が劣化する。また回路基板の下面に半導体パッケージを実装した状態で上側に別の部品を実装してリフローを行なう際に、上記下面の半導体パッケージの保持力が減少するために、自重が大きい半導体パッケージの場合には、別の方法でサポートしないとこの半導体パッケージの欠落が発生したり、半田接合部が変形して接続不良や信頼性の劣化を生ずる。
【0010】
また上述の半田ボールの溶融変形によるパッケージの引込み、すなわち沈み込み挙動が期待できないので、基板の凸反りやパッケージの凹反りに対して外周部の接続オープンの不良を発生し易い。また半導体チップの自己発熱に対して、樹脂コア導電ボールは熱伝導が半田ボールに対して劣るために、樹脂コア導電ボールを経由した実装基板への放熱性が低下する。そのために半導体パッケージの内部や接続部の温度が上昇し、半導体の寿命や信頼性を劣化させる可能性がある。
【0011】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、セルフアライメント効果や半導体パッケージの保持力を確保しながらしかも温度変化に伴うクラックの発生による接続の信頼性の低下を防止するようにした半導体パッケージを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本願の主要な発明は、
外部接続端子が導電性ボールから構成される半導体パッケージにおいて、
樹脂製コアの外周部に導電層を設けた樹脂コア導電ボールと、半田ボールとを混在して複合的に配置したことを特徴とする半導体パッケージに関するものである。
【0013】
ここでグリッド外周側の外部接続部に樹脂コア導電ボールを配し、その他の外部接続部には半田ボールを配することが好適である。またグリッドのコーナの外部接続部に樹脂コア導電ボールを配し、その他の外部接続部には半田ボールを配するようにしてもよい。またグリッドの半導体チップの外周縁と対応する位置の外部接続部に樹脂コア導電ボールを配し、その他の外部接続部には半田ボールを配することも可能である。この場合にとくにグリッドの半導体チップの外周縁と対応する位置の内側の1列の外部接続部に樹脂コア導電ボールを配し、その他の外部接続部には半田ボールを配することが好ましい。
【0014】
本願の別の主要な発明は、
半導体チップを実装したインターポーザ基板の下面に導電性ボールから成る外部接続端子を設けた半導体パッケージにおいて、
前記導電性ボールとして樹脂コア導電ボールと半田ボールとを併用し、これら2種類の導電性ボール混在して配置したことを特徴とする半導体パッケージに関するものである。
【0015】
ここで前記樹脂コア導電ボールが樹脂をコアとし、その外周部に導電層と接合層とを積層して形成したものであってよい。また前記樹脂コア導電ボールの樹脂がジビニルベンゼン架橋共重合体であってよい。また前記樹脂コア導電ボールの導電層が銅メッキ層またはニッケルメッキ層であることが好適である。また前記樹脂コア導電ボールの接合層が半田メッキ層であることが好ましい。
【0016】
本願のさらに別の主要な発明は、
導電性ボールを外部接続端子とする半導体パッケージにおいて、
前記導電性ボールとして半田ボールと樹脂コア導電ボールとを混在して配置するとともに、この半導体パッケージと実装基板の熱膨張差による応力が大きい部位の外部接続端子を樹脂コア導電ボールとするとともに、他の外部接続端子を半田ボールとしたことを特徴とする半導体パッケージに関するものである。
【0017】
ここで半導体チップからの熱を実装基板に逃がす部位に半田ボールを配することが好ましい。
【0018】
本願に含まれる発明の好ましい態様は、導電性ボールを外部接続端子とする半導体パッケージにおいて、半田ボールと、樹脂コア導電ボールとを混在配置することによって半導体パッケージを実装基板に実装する際の半田付け品質と接続信頼性の向上を図るものである。すなわち半導体パッケージにおいて、とくに外部接続部が導電性ボールであるパッケージであって、導電性ボールがグリッド状に配置されており、しかも上記導電性ボールは、樹脂をコアとしてその外周部を導電層(例えば銅メッキ、ニッケルメッキ等)と接合層(例えば半田メッキ)で構成した樹脂コア導電ボールと、半田ボールとが混在配置されていることを特徴とするものである。
【0019】
上記導電性ボールの配置は、この実装基板を用いた商品の使用環境下における半導体パッケージと実装基板の熱膨張差で比較的大きい応力が発生するグリッドの外周部、グリッドのコーナ、あるいは半導体チップの外周縁の内側の1列であってファン・イン1列に樹脂コア導電ボールを配置し、その他の接続端子に半田ボールを用いることを特徴とするものである。
【0020】
以上のような態様によれば、半導体パッケージの電極端子と実装基板の接続用ランドとの接続の信頼性を維持することができる。またセルフアライメント効果を維持確保し、リフロー位置精度や半田付け品質の向上を図ることが可能になる。また半導体パッケージのリフロー下面配置時の半田張力による保持力を確保し、リフロー炉内パッケージ落下や接合部の変形による品質および信頼性の劣化を防止できるようになる。さらに基板の凸反り部への搭載やパッケージ凹反りの際におけるパッケージ外周部側接続部のオープン不良が防止される。また半導体ベアチップから発生する熱を実装基板に放熱する放熱性を促進することによって、半導体チップの寿命と信頼性の確保を図ることが可能になる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図示の実施の形態によって説明する。図1〜図9は本発明の主要な実施の形態を示すものである。この実施の形態の半導体パッケージは図1および図2に示すように、セラミック、有機材料等の絶縁材料から成るほぼ正方形のインターポーザ基板15を備える。そしてこのインターポーザ基板15の上面に半導体ベアチップ16が実装される。半導体ベアチップ16はワイヤボンディング、フリップチップボンディング等の方法によってインターポーザ基板15の電極と接続される。そしてこのインターポーザ基板15の下面には外部接続用の導電性ボールが配される。
【0022】
ここでとくにこの半導体パッケージは、導電性ボールが樹脂コアボール17と半田ボール18とを混在して複合的に配置したことを顕著な特徴とする。なおこれらの導電性ボールが配置されていない領域であってインターポーザ基板15の下面はオーバコート19によって覆われる。
【0023】
外部接続手段を構成する導電ボールの内の樹脂コアボール17は図3に示すように、樹脂コア23の外周部に導電層24を形成し、この導電層24の外側にさらに半田メッキ層から成る接合層25を形成した構成になっている。
【0024】
なおここで樹脂コア23としては、例えばジビニルベンゼン架橋共重合体の球状体であって、その直径が50〜750μm程度の値のボールであることが好ましい。導電層24は銅等の導電性金属層であってよく、例えば1〜15μmの膜厚であることが好適である。そしてその外側に形成される接合層25は、共晶半田等の半田層から構成され、その膜厚が3〜30μm程度の値であることが好ましい。なおこのような樹脂コアボール17は、例えば積水化学工業株式会社製のミクロパールSOL(商品名)等が好適に用いられる。
【0025】
このような構成に係る樹脂コアボール17はとくに図1に示すように、インターポーザ基板15の下面においてとくにグリッドの外周側の2列に配列される。これに対してそれ以外の外部接続手段は、従来と同様の半田ボール18が用いられる。すなわちここではインターポーザ基板15の下面のグリッドの内の外周側の部分を樹脂コアボール17から構成し、内側の部分を半田ボール18から構成する。
【0026】
図4に示すように樹脂コアボール17はインターポーザ基板15のオーバコート19が形成されていない電極ランド28上に取付けられ、回路基板29の接続用ランド30と接触するように配される。なおこのときに回路基板29の接続用ランド30の上面に塗布されたクリーム半田から成るソルダーペースト32と接触する。回路基板29の上記接続用ランド30以外の領域にはソルダーレジスト31が予め塗布される。
【0027】
従ってこのような状態でリフロー炉に導入すると、上記ソルダーペースト32が溶融し、これによってインターポーザ基板15の電極ランド28と回路基板29の接続用ランド30とが樹脂コアボール17によって互いに接続される。
【0028】
これに対してインターポーザ基板15の半田ボール18は図5に示すように、インターポーザ基板15の中心側の電極ランド28上に設けられる。そしてこのような半田ボール18によって接続される回路基板29側の接続用ランド30の表面に予めソルダーペースト32を塗布しておく。そしてインターポーザ基板15を備える半導体パッケージを回路基板29に正しく位置決めして実装した状態で、静かにリフロー炉内に導入すると、上記ソルダーペースト32が溶融するとともに、半田ボール18が半溶融し、これによってインターポーザ基板15の電極ランド28と回路基板29の接続用ランド30とが互いに接続される。
【0029】
図4および図5に示す接続によって、半導体パッケージのインターポーザ基板15上の樹脂コアボール17と半田ボール18とがそれぞれ回路基板29上の対応する接続用ランド30に半田付けして接続される。これによって半導体パッケージが実装基板を構成する回路基板29上に実装される。
【0030】
このような半導体パッケージの顕著な特徴は、とくにグリッドの外周列を構成する樹脂コアボール17の存在にある。図6に示すようにインターポーザ基板15と回路基板29とは互いに異なる材料から構成されており、熱膨張係数が相違する。またインターポーザ基板15は半導体ベアチップ16の熱を直接受けるために、回路基板29よりも高い温度になり易い。従ってインターポーザ基板15の温度変化に伴う伸縮と回路基板29の温度変化に伴う伸縮との差異が、両者を接続する樹脂コアボール17に応力として作用する。
【0031】
ところが樹脂コアボール17はその中心部が樹脂コア23から構成されており、柔軟な特性を有しているために、上記の応力をその柔軟性によって吸収する。従ってこのような樹脂コアボール17の接合層25の部分であってとくにインターポーザ基板15の電極ランド28との接続部の近傍においてクラックを発生することがない。従ってこのことから、インターポーザ基板15と回路基板29との接続の信頼性を改善することが可能になる。とくにインターポーザ基板15と回路基板29との間で熱による伸縮の差の大きい部位に上記の樹脂コアボール17を配置することによって、高い接続信頼性を得ることが過濃になる。
【0032】
またインターポーザ基板15と回路基板29とは図7に示すように、グリッドの中心側において半田ボール18によって互いに接続される。そして半田ボール18は接続部の半田量が多いために、リフローの際における溶融半田の表面張力によるセルフアライメント効果が大きく働く。従って図7に示すようにインターポーザ基板15の電極ランド28と回路基板29の接続用ランド30との間に位置ずれがあっても、リフローの際の溶融半田の表面張力によるセルフアライメント効果によって、インターポーザ基板15が回路基板29に対して相対的に正しい位置に自己修正される。従ってこれによっても接続の信頼性が確保される。
【0033】
また図8に示すような両面リフロープロセスにおいて、回路基板29に予め半導体パッケージを実装した後に、この回路基板29の反対側の面にチップ部品36を実装し、リフローを行なうことになる。このような後行面リフローの際に、回路基板29の下側に既に実装されている半導体パッケージは、樹脂コアボール17あるいは半田ボール18の半田が溶融すると脱落する可能性がある。ところがここではとくにインターポーザ基板15の中心部において図9に示すように半田ボール18によって半導体パッケージが保持されている。一般に半田ボール18は半田量が多く、その表面張力によって高い保持力を確保できる。このことから半田ボール18によって回路基板29の下面の半導体パッケージの脱落が起き難く、リフロー内の欠落が防止される。
【0034】
さらにはこのような半導体パッケージは、回路基板29が凸反りした場合や、半導体パッケージが凹反りしていた場合に、外周側の接続部の半田不良が懸念される。ところが半田ボール18の場合には、先行して半田付け接続した半田ボール18が張力バランスによって溶融変形し、半導体パッケージを回路基板29側に引込む沈み込み挙動を発現する。これによって外周側に位置する接続部と回路基板29の接続用ランド30との半田付けのコンタクト、すなわち半田付け接続を確実なものとする。従ってこのような理由からも、接続の信頼性が向上する。
【0035】
次に別の実施の形態を図10によって説明する。この実施の形態は、インターポーザ基板15の下面における導電性ボールの配置を変更したものであって、互いに混在して配置される樹脂コアボール17と半田ボール18の相互の位置関係を上記実施の形態とは別の配列としている。すなわちここではインターポーザ基板15の下面であってそのコーナの4つの導電性ボールを樹脂コアボール17から構成し、それ以外の導電性ボールを半田ボール18から構成している。
【0036】
このような構造は、とくにインターポーザ基板15のコーナの部分において、インターポーザ基板15と回路基板29との間の温度変化に伴う熱膨張差によって発生する応力が著しいコーナの部分を樹脂コアボール17とすることによって、接続の信頼性を高めたものである。従ってこのような配置は、接続部の寿命および信頼性を大きく改善することになる。
【0037】
図11はさらに別の実施の形態を示している。この実施の形態においては、インターポーザ基板15のそれぞれのコーナの3つの導電性ボールをともに樹脂コアボール17から構成したものである。このような構成は、図10とほぼ同様の作用効果を奏する。
【0038】
図12はさらに別の実施の形態を示している。この実施の形態は、インターポーザ基板15の下面のグリッドの内の半導体ベアチップ16の投影外周の内側の1列、すなわちファン・イン1列を樹脂コアボール17から構成するとともに、それ以外の部分については半田ボール18を用いた構成を示している。
【0039】
一般にインターポーザ基板15と半導体ベアチップ16との間の隙間を樹脂で封入するようにした構成によると、インターポーザ基板15と半導体ベアチップ16とが接合される部分においてはインターポーザ基板15が半導体ベアチップ16によって強固に拘束される。従って半導体ベアチップ16の外周縁の近傍において応力を発生し易い。このような応力をとくに樹脂コアボール17によって吸収することにより、接続の信頼性が確保されるようになる。
【0040】
図13は図12に示す実施の形態をさらに発展させたものである。すなわちこの実施の形態は、インターポーザ基板15の下面のグリッドの内の半導体ベアチップ16の投影外周の内側の1列であってファン・イン1列を樹脂コアボール17から構成するとともに、さらにグリッドのファン・イン1列の内側に半田ボール18を配列したものである。
【0041】
このような構成によれば、とくに応力を発生し易い半導体ベアチップ16の外周縁の近傍における上記の応力を樹脂コアボール17によって吸収することができる。しかもファン・イン1列の樹脂コアボール17の内側であって半導体ベアチップ16の下面と対応する位置に配列されている半田ボール18によって、この半導体ベアチップ16の発熱を回路基板29側に逃がすことが可能になる。よって半導体ベアチップ16の放熱性に優れた半導体パッケージが提供できるようになる。
【0042】
以上本願に含まれる発明を図示の実施の形態によって説明したが、本願に含まれる発明は上記実施の形態によって限定されることなく、本願に含まれる発明の技術的思想の範囲内で各種の変更が可能である。例えば上記実施の形態における樹脂コアボール17と半田ボール18の配置の関係は、必ずしも上記の図示の実施の形態のものに限定されることなく、その他各種の組合わせが可能である。すなわちインターポーザ基板15と半導体ベアチップ16との接続あるいは接合の状態や、この回路基板29を用いた商品の使用態様等に応じて適宜変更が可能である。
【0043】
【発明の効果】
本願の主要な発明は、外部接続端子が導電性ボールから構成される半導体パッケージにおいて、樹脂製コアの外周部に導電層を設けた樹脂コア導電ボールと、半田ボールとを混在して複合的に配置したものである。
【0044】
従ってこのような半導体パッケージによれば、樹脂コア導電ボールによって半導体パッケージと実装基板との間に生じる応力を吸収するとともに、半田ボールによってセルフアライメント効果と高い保持力とを確保することが可能になり、実装基板に対する接続の信頼性を高めることが可能な半導体パッケージが提供される。
【0045】
本願の別の主要な発明は、半導体チップを実装したインターポーザ基板の下面に導電性ボールから成る外部接続端子を設けた半導体パッケージにおいて、導電性ボールとして樹脂コア導電ボールと半田ボールとを併用し、これら2種類の導電性ボール混在して配置したものである。
【0046】
従ってこのような半導体パッケージによれば、上記樹脂コア導電ボールと半田ボールとを適宜最適な状態に配置することによって、半田ボールによるセルフアライメント効果と高い保持力とを維持しながらしかも樹脂コア導電ボールによってこの半導体パッケージと実装基板との間の接続の信頼性を図ることが可能になり、従来は相矛盾していた問題を同時に解消できるようになる。
【0047】
本願のさらに別の主要な発明は、導電性ボールを外部接続端子とする半導体パッケージにおいて、導電性ボールとして半田ボールと樹脂コア導電ボールとを混在して配置するとともに、この半導体パッケージと実装基板の熱膨張差による応力が大きい部位の外部接続端子を樹脂コア導電ボールとするとともに、他の外部接続端子を半田ボールとしたものである。
【0048】
従ってこのような半導体パッケージによれば、半導体パッケージと実装基板との間の熱膨張差による大きな応力を樹脂コア導電ボールによって吸収するとともに、他の外部接続端子を構成する半田ボールによってセルフアライメント効果と高い保持力とを確保することが可能になり、パッケージ外周接続部のオープン不良も防止できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の半導体パッケージの底面図である。
【図2】同半導体パッケージの正面図である。
【図3】樹脂コアボールの縦断面図である。
【図4】樹脂コアボールによる接続を示す要部拡大断面図である。
【図5】半田ボールによる接続を示す要部拡大断面図である。
【図6】半田クラックの防止の動作を示す要部拡大断面図である。
【図7】半田ボールによるセルフアライメントの動作を示す拡大断面図である。
【図8】後行面のリフローの際における半導体パッケージの保持の動作を示す要部断面図である。
【図9】同要部拡大断面図である。
【図10】別の実施の形態の半導体パッケージの底面図である。
【図11】さらに別の実施の形態の半導体パッケージの底面図である。
【図12】さらに別の実施の形態の半導体パッケージの底面図である。
【図13】さらに別の実施の形態の半導体パッケージの底面図である。
【図14】従来の半導体パッケージの底面図である。
【図15】同半導体パッケージの正面図である。
【図16】同半導体パッケージによる接続の際におけるクラックの発生を示す要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1‥‥インターポーザ基板、2‥‥半導体ベアチップ、3‥‥半田ボール、4‥‥電極ランド、5‥‥オーバコート、6‥‥回路基板、7‥‥接続用ランド、8‥‥ソルダーレジスト、9‥‥クラック、15‥‥インターポーザ基板、16‥‥半導体ベアチップ、17‥‥樹脂コアボール、18‥‥半田ボール、19‥‥オーバコート、23‥‥樹脂コア、24‥‥導電層、25‥‥接合層(半田メッキ層)、28‥‥電極ランド、29‥‥回路基板、30‥‥接続用ランド、31‥‥ソルダーレジスト、32‥‥ソルダーペースト(クリーム半田)、36‥‥チップ部品
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体パッケージに係り、とくに導電性ボールを外部接続端子とする半導体パッケージに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体のベアチップを直接実装基板(マザーボード)に実装することが困難であるために、通常半導体ベアチップはインターポーザ基板等に実装され、このインターポーザ基板を半導体パッケージとして実装基板上に実装している。
【0003】
従来のこのようなタイプの半導体パッケージは、例えば図14および図15に示す構成になっている。すなわち絶縁材料から成るインターポーザ基板1を用意し、このインターポーザ基板1の上面に半導体ベアチップ2を実装し、その電極をインターポーザ基板1の電極とワイヤボンディング等の方法によって接続している。そしてインターポーザ基板1の下面に半田ボール3を所定の配置で配列している。なお半田ボール3は図16に示すようにインターポーザ基板1の下面の電極ランド4の部分に配置される。そして上記電極ランド4以外の部分についてはオーバコート5を施す。
【0004】
このようなインターポーザ基板1を備える半導体パッケージは、図16に示すように、マザーボード等の回路基板6上に実装される。すなわち実装基板を構成する回路基板6の所定の位置に接続用ランド7が設けられるとともに、その周囲がソルダーレジスト8によって覆われる。従って半導体パッケージは上記インターポーザ基板1の半田ボール3によって接続用ランド7に接続されることになる。
【0005】
このような半田ボール3を用いて外部接続を行なうようにした半導体パッケージは、リード端子を有する半導体パッケージと比較して、接合部の半田量が多いために、リフローの際に溶融半田の表面張力によるセルフアライメント効果が大きく、半田品質の確保に有利に働く。また両面リフロープロセスにおいて、先行リフロー面であって下面に半導体パッケージが配置された場合に、後行面リフローの際に、回路基板の下側に取付けられた半導体パッケージが溶融半田の表面張力によって保持され、リフロー炉内において半導体パッケージが欠落し難くなる。
【0006】
また回路基板が凸反りした場合や半導体パッケージが凹反りした場合に、外部接続用導電性ボールの半田付け接続不良が懸念されるが、導電性ボールが半田ボールの場合には、先行して半田付け接続したポールが張力バランスによって溶融変形し、半導体パッケージを基板側に引込み、沈み込ます挙動を生ずる。これによって危ぶまれた外部接続部の導電性ボールと基板ランド上の半田とのコンタクト、すなわち半田付け接続が確保される技術的優位性を有している。
【0007】
ところがこのような回路基板を組込んだ機器の使用時における温度環境下で、半導体パッケージと回路基板の熱膨張差によって発生する応力が、半導体パッケージと回路基板との接続部の寿命および信頼性に大きく影響を及ぼす。すなわち図16に示すように、半田ボール3は比較的柔軟性が小さいために、この半田ボール3のとくに半導体パッケージ1の電極ランド4との接続部の際部に応力が集中し、それを起点にクラック9が発生し、このクラック9が次第に成長すると接続不良に至る可能性がある。このような接続不良が信頼性を左右する大きな要因であることが知られている。
【0008】
さらに近年の半導体パッケージの多ピン化および大型化、狭ピッチ化に伴う接続部微細化、WLCSPでの内部の半導体チップとの接続部の近接化によって、接続部の信頼性確保が難しくなっている。
【0009】
このような半田ボール3を用いた接続に伴う信頼性の低下を補うために、柔軟性があって応力を吸収する樹脂コア導電ボールが提案されている。しかるに樹脂コア導電ボールは接続部の半田力が半田ボールよりも少なく、溶融半田の表面張力に依存したセルフアライメント効果が小さくなって実装時における位置精度が劣化する。また回路基板の下面に半導体パッケージを実装した状態で上側に別の部品を実装してリフローを行なう際に、上記下面の半導体パッケージの保持力が減少するために、自重が大きい半導体パッケージの場合には、別の方法でサポートしないとこの半導体パッケージの欠落が発生したり、半田接合部が変形して接続不良や信頼性の劣化を生ずる。
【0010】
また上述の半田ボールの溶融変形によるパッケージの引込み、すなわち沈み込み挙動が期待できないので、基板の凸反りやパッケージの凹反りに対して外周部の接続オープンの不良を発生し易い。また半導体チップの自己発熱に対して、樹脂コア導電ボールは熱伝導が半田ボールに対して劣るために、樹脂コア導電ボールを経由した実装基板への放熱性が低下する。そのために半導体パッケージの内部や接続部の温度が上昇し、半導体の寿命や信頼性を劣化させる可能性がある。
【0011】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、セルフアライメント効果や半導体パッケージの保持力を確保しながらしかも温度変化に伴うクラックの発生による接続の信頼性の低下を防止するようにした半導体パッケージを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本願の主要な発明は、
外部接続端子が導電性ボールから構成される半導体パッケージにおいて、
樹脂製コアの外周部に導電層を設けた樹脂コア導電ボールと、半田ボールとを混在して複合的に配置したことを特徴とする半導体パッケージに関するものである。
【0013】
ここでグリッド外周側の外部接続部に樹脂コア導電ボールを配し、その他の外部接続部には半田ボールを配することが好適である。またグリッドのコーナの外部接続部に樹脂コア導電ボールを配し、その他の外部接続部には半田ボールを配するようにしてもよい。またグリッドの半導体チップの外周縁と対応する位置の外部接続部に樹脂コア導電ボールを配し、その他の外部接続部には半田ボールを配することも可能である。この場合にとくにグリッドの半導体チップの外周縁と対応する位置の内側の1列の外部接続部に樹脂コア導電ボールを配し、その他の外部接続部には半田ボールを配することが好ましい。
【0014】
本願の別の主要な発明は、
半導体チップを実装したインターポーザ基板の下面に導電性ボールから成る外部接続端子を設けた半導体パッケージにおいて、
前記導電性ボールとして樹脂コア導電ボールと半田ボールとを併用し、これら2種類の導電性ボール混在して配置したことを特徴とする半導体パッケージに関するものである。
【0015】
ここで前記樹脂コア導電ボールが樹脂をコアとし、その外周部に導電層と接合層とを積層して形成したものであってよい。また前記樹脂コア導電ボールの樹脂がジビニルベンゼン架橋共重合体であってよい。また前記樹脂コア導電ボールの導電層が銅メッキ層またはニッケルメッキ層であることが好適である。また前記樹脂コア導電ボールの接合層が半田メッキ層であることが好ましい。
【0016】
本願のさらに別の主要な発明は、
導電性ボールを外部接続端子とする半導体パッケージにおいて、
前記導電性ボールとして半田ボールと樹脂コア導電ボールとを混在して配置するとともに、この半導体パッケージと実装基板の熱膨張差による応力が大きい部位の外部接続端子を樹脂コア導電ボールとするとともに、他の外部接続端子を半田ボールとしたことを特徴とする半導体パッケージに関するものである。
【0017】
ここで半導体チップからの熱を実装基板に逃がす部位に半田ボールを配することが好ましい。
【0018】
本願に含まれる発明の好ましい態様は、導電性ボールを外部接続端子とする半導体パッケージにおいて、半田ボールと、樹脂コア導電ボールとを混在配置することによって半導体パッケージを実装基板に実装する際の半田付け品質と接続信頼性の向上を図るものである。すなわち半導体パッケージにおいて、とくに外部接続部が導電性ボールであるパッケージであって、導電性ボールがグリッド状に配置されており、しかも上記導電性ボールは、樹脂をコアとしてその外周部を導電層(例えば銅メッキ、ニッケルメッキ等)と接合層(例えば半田メッキ)で構成した樹脂コア導電ボールと、半田ボールとが混在配置されていることを特徴とするものである。
【0019】
上記導電性ボールの配置は、この実装基板を用いた商品の使用環境下における半導体パッケージと実装基板の熱膨張差で比較的大きい応力が発生するグリッドの外周部、グリッドのコーナ、あるいは半導体チップの外周縁の内側の1列であってファン・イン1列に樹脂コア導電ボールを配置し、その他の接続端子に半田ボールを用いることを特徴とするものである。
【0020】
以上のような態様によれば、半導体パッケージの電極端子と実装基板の接続用ランドとの接続の信頼性を維持することができる。またセルフアライメント効果を維持確保し、リフロー位置精度や半田付け品質の向上を図ることが可能になる。また半導体パッケージのリフロー下面配置時の半田張力による保持力を確保し、リフロー炉内パッケージ落下や接合部の変形による品質および信頼性の劣化を防止できるようになる。さらに基板の凸反り部への搭載やパッケージ凹反りの際におけるパッケージ外周部側接続部のオープン不良が防止される。また半導体ベアチップから発生する熱を実装基板に放熱する放熱性を促進することによって、半導体チップの寿命と信頼性の確保を図ることが可能になる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図示の実施の形態によって説明する。図1〜図9は本発明の主要な実施の形態を示すものである。この実施の形態の半導体パッケージは図1および図2に示すように、セラミック、有機材料等の絶縁材料から成るほぼ正方形のインターポーザ基板15を備える。そしてこのインターポーザ基板15の上面に半導体ベアチップ16が実装される。半導体ベアチップ16はワイヤボンディング、フリップチップボンディング等の方法によってインターポーザ基板15の電極と接続される。そしてこのインターポーザ基板15の下面には外部接続用の導電性ボールが配される。
【0022】
ここでとくにこの半導体パッケージは、導電性ボールが樹脂コアボール17と半田ボール18とを混在して複合的に配置したことを顕著な特徴とする。なおこれらの導電性ボールが配置されていない領域であってインターポーザ基板15の下面はオーバコート19によって覆われる。
【0023】
外部接続手段を構成する導電ボールの内の樹脂コアボール17は図3に示すように、樹脂コア23の外周部に導電層24を形成し、この導電層24の外側にさらに半田メッキ層から成る接合層25を形成した構成になっている。
【0024】
なおここで樹脂コア23としては、例えばジビニルベンゼン架橋共重合体の球状体であって、その直径が50〜750μm程度の値のボールであることが好ましい。導電層24は銅等の導電性金属層であってよく、例えば1〜15μmの膜厚であることが好適である。そしてその外側に形成される接合層25は、共晶半田等の半田層から構成され、その膜厚が3〜30μm程度の値であることが好ましい。なおこのような樹脂コアボール17は、例えば積水化学工業株式会社製のミクロパールSOL(商品名)等が好適に用いられる。
【0025】
このような構成に係る樹脂コアボール17はとくに図1に示すように、インターポーザ基板15の下面においてとくにグリッドの外周側の2列に配列される。これに対してそれ以外の外部接続手段は、従来と同様の半田ボール18が用いられる。すなわちここではインターポーザ基板15の下面のグリッドの内の外周側の部分を樹脂コアボール17から構成し、内側の部分を半田ボール18から構成する。
【0026】
図4に示すように樹脂コアボール17はインターポーザ基板15のオーバコート19が形成されていない電極ランド28上に取付けられ、回路基板29の接続用ランド30と接触するように配される。なおこのときに回路基板29の接続用ランド30の上面に塗布されたクリーム半田から成るソルダーペースト32と接触する。回路基板29の上記接続用ランド30以外の領域にはソルダーレジスト31が予め塗布される。
【0027】
従ってこのような状態でリフロー炉に導入すると、上記ソルダーペースト32が溶融し、これによってインターポーザ基板15の電極ランド28と回路基板29の接続用ランド30とが樹脂コアボール17によって互いに接続される。
【0028】
これに対してインターポーザ基板15の半田ボール18は図5に示すように、インターポーザ基板15の中心側の電極ランド28上に設けられる。そしてこのような半田ボール18によって接続される回路基板29側の接続用ランド30の表面に予めソルダーペースト32を塗布しておく。そしてインターポーザ基板15を備える半導体パッケージを回路基板29に正しく位置決めして実装した状態で、静かにリフロー炉内に導入すると、上記ソルダーペースト32が溶融するとともに、半田ボール18が半溶融し、これによってインターポーザ基板15の電極ランド28と回路基板29の接続用ランド30とが互いに接続される。
【0029】
図4および図5に示す接続によって、半導体パッケージのインターポーザ基板15上の樹脂コアボール17と半田ボール18とがそれぞれ回路基板29上の対応する接続用ランド30に半田付けして接続される。これによって半導体パッケージが実装基板を構成する回路基板29上に実装される。
【0030】
このような半導体パッケージの顕著な特徴は、とくにグリッドの外周列を構成する樹脂コアボール17の存在にある。図6に示すようにインターポーザ基板15と回路基板29とは互いに異なる材料から構成されており、熱膨張係数が相違する。またインターポーザ基板15は半導体ベアチップ16の熱を直接受けるために、回路基板29よりも高い温度になり易い。従ってインターポーザ基板15の温度変化に伴う伸縮と回路基板29の温度変化に伴う伸縮との差異が、両者を接続する樹脂コアボール17に応力として作用する。
【0031】
ところが樹脂コアボール17はその中心部が樹脂コア23から構成されており、柔軟な特性を有しているために、上記の応力をその柔軟性によって吸収する。従ってこのような樹脂コアボール17の接合層25の部分であってとくにインターポーザ基板15の電極ランド28との接続部の近傍においてクラックを発生することがない。従ってこのことから、インターポーザ基板15と回路基板29との接続の信頼性を改善することが可能になる。とくにインターポーザ基板15と回路基板29との間で熱による伸縮の差の大きい部位に上記の樹脂コアボール17を配置することによって、高い接続信頼性を得ることが過濃になる。
【0032】
またインターポーザ基板15と回路基板29とは図7に示すように、グリッドの中心側において半田ボール18によって互いに接続される。そして半田ボール18は接続部の半田量が多いために、リフローの際における溶融半田の表面張力によるセルフアライメント効果が大きく働く。従って図7に示すようにインターポーザ基板15の電極ランド28と回路基板29の接続用ランド30との間に位置ずれがあっても、リフローの際の溶融半田の表面張力によるセルフアライメント効果によって、インターポーザ基板15が回路基板29に対して相対的に正しい位置に自己修正される。従ってこれによっても接続の信頼性が確保される。
【0033】
また図8に示すような両面リフロープロセスにおいて、回路基板29に予め半導体パッケージを実装した後に、この回路基板29の反対側の面にチップ部品36を実装し、リフローを行なうことになる。このような後行面リフローの際に、回路基板29の下側に既に実装されている半導体パッケージは、樹脂コアボール17あるいは半田ボール18の半田が溶融すると脱落する可能性がある。ところがここではとくにインターポーザ基板15の中心部において図9に示すように半田ボール18によって半導体パッケージが保持されている。一般に半田ボール18は半田量が多く、その表面張力によって高い保持力を確保できる。このことから半田ボール18によって回路基板29の下面の半導体パッケージの脱落が起き難く、リフロー内の欠落が防止される。
【0034】
さらにはこのような半導体パッケージは、回路基板29が凸反りした場合や、半導体パッケージが凹反りしていた場合に、外周側の接続部の半田不良が懸念される。ところが半田ボール18の場合には、先行して半田付け接続した半田ボール18が張力バランスによって溶融変形し、半導体パッケージを回路基板29側に引込む沈み込み挙動を発現する。これによって外周側に位置する接続部と回路基板29の接続用ランド30との半田付けのコンタクト、すなわち半田付け接続を確実なものとする。従ってこのような理由からも、接続の信頼性が向上する。
【0035】
次に別の実施の形態を図10によって説明する。この実施の形態は、インターポーザ基板15の下面における導電性ボールの配置を変更したものであって、互いに混在して配置される樹脂コアボール17と半田ボール18の相互の位置関係を上記実施の形態とは別の配列としている。すなわちここではインターポーザ基板15の下面であってそのコーナの4つの導電性ボールを樹脂コアボール17から構成し、それ以外の導電性ボールを半田ボール18から構成している。
【0036】
このような構造は、とくにインターポーザ基板15のコーナの部分において、インターポーザ基板15と回路基板29との間の温度変化に伴う熱膨張差によって発生する応力が著しいコーナの部分を樹脂コアボール17とすることによって、接続の信頼性を高めたものである。従ってこのような配置は、接続部の寿命および信頼性を大きく改善することになる。
【0037】
図11はさらに別の実施の形態を示している。この実施の形態においては、インターポーザ基板15のそれぞれのコーナの3つの導電性ボールをともに樹脂コアボール17から構成したものである。このような構成は、図10とほぼ同様の作用効果を奏する。
【0038】
図12はさらに別の実施の形態を示している。この実施の形態は、インターポーザ基板15の下面のグリッドの内の半導体ベアチップ16の投影外周の内側の1列、すなわちファン・イン1列を樹脂コアボール17から構成するとともに、それ以外の部分については半田ボール18を用いた構成を示している。
【0039】
一般にインターポーザ基板15と半導体ベアチップ16との間の隙間を樹脂で封入するようにした構成によると、インターポーザ基板15と半導体ベアチップ16とが接合される部分においてはインターポーザ基板15が半導体ベアチップ16によって強固に拘束される。従って半導体ベアチップ16の外周縁の近傍において応力を発生し易い。このような応力をとくに樹脂コアボール17によって吸収することにより、接続の信頼性が確保されるようになる。
【0040】
図13は図12に示す実施の形態をさらに発展させたものである。すなわちこの実施の形態は、インターポーザ基板15の下面のグリッドの内の半導体ベアチップ16の投影外周の内側の1列であってファン・イン1列を樹脂コアボール17から構成するとともに、さらにグリッドのファン・イン1列の内側に半田ボール18を配列したものである。
【0041】
このような構成によれば、とくに応力を発生し易い半導体ベアチップ16の外周縁の近傍における上記の応力を樹脂コアボール17によって吸収することができる。しかもファン・イン1列の樹脂コアボール17の内側であって半導体ベアチップ16の下面と対応する位置に配列されている半田ボール18によって、この半導体ベアチップ16の発熱を回路基板29側に逃がすことが可能になる。よって半導体ベアチップ16の放熱性に優れた半導体パッケージが提供できるようになる。
【0042】
以上本願に含まれる発明を図示の実施の形態によって説明したが、本願に含まれる発明は上記実施の形態によって限定されることなく、本願に含まれる発明の技術的思想の範囲内で各種の変更が可能である。例えば上記実施の形態における樹脂コアボール17と半田ボール18の配置の関係は、必ずしも上記の図示の実施の形態のものに限定されることなく、その他各種の組合わせが可能である。すなわちインターポーザ基板15と半導体ベアチップ16との接続あるいは接合の状態や、この回路基板29を用いた商品の使用態様等に応じて適宜変更が可能である。
【0043】
【発明の効果】
本願の主要な発明は、外部接続端子が導電性ボールから構成される半導体パッケージにおいて、樹脂製コアの外周部に導電層を設けた樹脂コア導電ボールと、半田ボールとを混在して複合的に配置したものである。
【0044】
従ってこのような半導体パッケージによれば、樹脂コア導電ボールによって半導体パッケージと実装基板との間に生じる応力を吸収するとともに、半田ボールによってセルフアライメント効果と高い保持力とを確保することが可能になり、実装基板に対する接続の信頼性を高めることが可能な半導体パッケージが提供される。
【0045】
本願の別の主要な発明は、半導体チップを実装したインターポーザ基板の下面に導電性ボールから成る外部接続端子を設けた半導体パッケージにおいて、導電性ボールとして樹脂コア導電ボールと半田ボールとを併用し、これら2種類の導電性ボール混在して配置したものである。
【0046】
従ってこのような半導体パッケージによれば、上記樹脂コア導電ボールと半田ボールとを適宜最適な状態に配置することによって、半田ボールによるセルフアライメント効果と高い保持力とを維持しながらしかも樹脂コア導電ボールによってこの半導体パッケージと実装基板との間の接続の信頼性を図ることが可能になり、従来は相矛盾していた問題を同時に解消できるようになる。
【0047】
本願のさらに別の主要な発明は、導電性ボールを外部接続端子とする半導体パッケージにおいて、導電性ボールとして半田ボールと樹脂コア導電ボールとを混在して配置するとともに、この半導体パッケージと実装基板の熱膨張差による応力が大きい部位の外部接続端子を樹脂コア導電ボールとするとともに、他の外部接続端子を半田ボールとしたものである。
【0048】
従ってこのような半導体パッケージによれば、半導体パッケージと実装基板との間の熱膨張差による大きな応力を樹脂コア導電ボールによって吸収するとともに、他の外部接続端子を構成する半田ボールによってセルフアライメント効果と高い保持力とを確保することが可能になり、パッケージ外周接続部のオープン不良も防止できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の半導体パッケージの底面図である。
【図2】同半導体パッケージの正面図である。
【図3】樹脂コアボールの縦断面図である。
【図4】樹脂コアボールによる接続を示す要部拡大断面図である。
【図5】半田ボールによる接続を示す要部拡大断面図である。
【図6】半田クラックの防止の動作を示す要部拡大断面図である。
【図7】半田ボールによるセルフアライメントの動作を示す拡大断面図である。
【図8】後行面のリフローの際における半導体パッケージの保持の動作を示す要部断面図である。
【図9】同要部拡大断面図である。
【図10】別の実施の形態の半導体パッケージの底面図である。
【図11】さらに別の実施の形態の半導体パッケージの底面図である。
【図12】さらに別の実施の形態の半導体パッケージの底面図である。
【図13】さらに別の実施の形態の半導体パッケージの底面図である。
【図14】従来の半導体パッケージの底面図である。
【図15】同半導体パッケージの正面図である。
【図16】同半導体パッケージによる接続の際におけるクラックの発生を示す要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1‥‥インターポーザ基板、2‥‥半導体ベアチップ、3‥‥半田ボール、4‥‥電極ランド、5‥‥オーバコート、6‥‥回路基板、7‥‥接続用ランド、8‥‥ソルダーレジスト、9‥‥クラック、15‥‥インターポーザ基板、16‥‥半導体ベアチップ、17‥‥樹脂コアボール、18‥‥半田ボール、19‥‥オーバコート、23‥‥樹脂コア、24‥‥導電層、25‥‥接合層(半田メッキ層)、28‥‥電極ランド、29‥‥回路基板、30‥‥接続用ランド、31‥‥ソルダーレジスト、32‥‥ソルダーペースト(クリーム半田)、36‥‥チップ部品
Claims (12)
- 外部接続端子が導電性ボールから構成される半導体パッケージにおいて、
樹脂製コアの外周部に導電層を設けた樹脂コア導電ボールと、半田ボールとを混在して複合的に配置したことを特徴とする半導体パッケージ。 - グリッド外周側の外部接続部に樹脂コア導電ボールを配し、その他の外部接続部には半田ボールを配したことを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージ。
- グリッドのコーナの外部接続部に樹脂コア導電ボールを配し、その他の外部接続部には半田ボールを配したことを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージ。
- グリッドの半導体チップの外周縁と対応する位置の外部接続部に樹脂コア導電ボールを配し、その他の外部接続部には半田ボールを配したことを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージ。
- グリッドの半導体チップの外周縁と対応する位置の内側の1列の外部接続部に樹脂コア導電ボールを配し、その他の外部接続部には半田ボールを配したことを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージ。
- 半導体チップを実装したインターポーザ基板の下面に導電性ボールから成る外部接続端子を設けた半導体パッケージにおいて、
前記導電性ボールとして樹脂コア導電ボールと半田ボールとを併用し、これら2種類の導電性ボール混在して配置したことを特徴とする半導体パッケージ。 - 前記樹脂コア導電ボールが樹脂をコアとし、その外周部に導電層と接合層とを積層して形成したものであることを特徴とする請求項6に記載の半導体パッケージ。
- 前記樹脂コア導電ボールの樹脂がジビニルベンゼン架橋共重合体であることを特徴とする請求項7に記載の半導体パッケージ。
- 前記樹脂コア導電ボールの導電層が銅メッキ層またはニッケルメッキ層であることを特徴とする請求項7に記載の半導体パッケージ。
- 前記樹脂コア導電ボールの接合層が半田メッキ層であることを特徴とする請求項7に記載の半導体パッケージ。
- 導電性ボールを外部接続端子とする半導体パッケージにおいて、
前記導電性ボールとして半田ボールと樹脂コア導電ボールとを混在して配置するとともに、この半導体パッケージと実装基板の熱膨張差による応力が大きい部位の外部接続端子を樹脂コア導電ボールとするとともに、他の外部接続端子を半田ボールとしたことを特徴とする半導体パッケージ。 - 半導体チップからの熱を実装基板に逃がす部位に半田ボールを配することを特徴とする請求項11に記載の半導体パッケージ。
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