JP2004240050A - 単板式プロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】全反射プリズムの反射効率を高めて、投影画像の画質を向上させた単板式プロジェクタを提供する。
【解決手段】プロジェクタ1には、照明光学系7、TIRプリズム8、DMD9、フレネルプリズム板10、投影レンズ11が設けられている。TIRプリズム8には、DMD9から出射される有効反射光を全反射させる反射面が形成されている。TIRプリズム8の反射面は、有効反射光の臨界角を確保するために45度より大きく形成している。TIRプリズム8から出射される有効反射光は、投影光軸11aに対して傾くが、フレネルプリズム板10でこれを修正することで投影レンズ11から効率よく投射される。
【選択図】 図1
【解決手段】プロジェクタ1には、照明光学系7、TIRプリズム8、DMD9、フレネルプリズム板10、投影レンズ11が設けられている。TIRプリズム8には、DMD9から出射される有効反射光を全反射させる反射面が形成されている。TIRプリズム8の反射面は、有効反射光の臨界角を確保するために45度より大きく形成している。TIRプリズム8から出射される有効反射光は、投影光軸11aに対して傾くが、フレネルプリズム板10でこれを修正することで投影レンズ11から効率よく投射される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像表示素子からの光を投影光学系に向かって効率よく全反射させる光学素子を備えた単板式プロジェクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
画像表示素子により形成される画像を大画面のスクリーン上に拡大投影させるプロジェクタは、1つの画像表示素子を用いてRGBの三色画像を表示する単板式のものと、3つの画像表示素子によってそれぞれ形成される三色画像を合成して表示する三板式のものとに大別される。単板式プロジェクタには、照明光から三色画像を時分割して順次表示するものと、フルカラー画像をそのまま投影させるものとが知られている。現在普及しているプロジェクタは、画像表示素子として液晶表示素子を用いたものがほとんであり、液晶表示素子には透過型と反射型の2つのタイプがあるが、いずれにおいても三板式が主流となっている。
【0003】
近年、半導体技術の進歩により開発されたディジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)を画像表示素子として用いたDMDプロジェクタが注目されている(例えば、特許文献1参照)。DMDは、一辺が十数ミクロンのマイクロミラーがマトリクス状に多数配列され、マイクロミラーの傾きをデジタル制御することで1画素のオン・オフを切替えるようにした反射型表示素子である。DMDプロジェクタは、単板で明るい精細な投影描写が可能であり、マイクロミラーによる1画素のオン・オフ制御を高速で行って、RGB各色画像を時分割で再現するとともに1画素の階調再現を時分割で行う。
【0004】
液晶表示素子やDMDを内蔵したプロジェクタでは、照明光の内部損失によって投影画像の明るさが大きく左右される。このため、単板式のプロジェクタでは、内面全反射プリズム(TIRプリズム:Total Internal Reflection prism)を設けることによって、反射損失を小さくしながらも投影レンズに対する入射光の傾斜角度を抑える工夫をしているものがある。上記特許文献1では、照明光を画像表示素子に導くときに照明光を全反射させている。画像表示素子から出射された光は、投影レンズに対してその光軸と平行に入射されて効率よく投影される。
【0005】
また、図4に示すように、画像表示素子30から出射した光をTIRプリズム31の反射面31aにより、投影レンズ32に向けて全反射させるものがある。画像表示素子からの出射光を投影光学系との間の光路内で全反射させる単板式プロジェクタは、レイアウト上、無駄なスペースをなくすために画像表示面と投影光学系の光軸とが平行に配置され、TIRプリズムの反射面は、画像表示素子に対して45度に形成される。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−042256号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、45度の反射面を有するTIRプリズムは、その構成素材の屈折率が小さいと、画像表示素子から出射された光の一部が反射面に対して臨界角よりも小さい角度で入射してTIRプリズムを透過してしまい、反射損失による投影画像の照度低下を招く問題がある。
【0008】
本発明は、上記問題点を考慮してなされたもので、TIRプリズムの反射面を45度より大きくし、画像表示素子と投影光学系との間における反射損失をより小さくできる単板式プロジェクタを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の単板式プロジェクタは、画像表示素子から出射された光を取り込むとともに、この光を投影光学系に向かって全反射させる反射面を形成した第1の光学素子と、前記反射面と前記投影光学系の間に配置され、前記第1の光学素子から出射された光を透過させ、その光路を曲げる第2の光学素子とを備えていることを特徴としており、第1の光学素子の反射面を画像表示素子に対して45度より大きい角度で形成し、画像表示素子からの出射光を効率よく全反射させるようにしたものである。このとき、第1の光学素子を出射した光の主光線が画像表示面に対して非平行となることに合わせて投影光学系を傾斜させて組み込む必要をなくすために、第2の光学素子によって第1光学素子からの出射光線の光路を折り曲げている。
【0010】
請求項2記載の単板式プロジェクタは、前記第2の光学素子として、同一の断面形状を有する複数の三角プリズムが向きを揃えて並べられたフレネルプリズム板を利用することにより、プリズム透過時の光路差による非点収差の発生を抑制している。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1において、プロジェクタ1には、高輝度光が射出される照明ランプ2、三原色フィルタからなるカラーホイール3、インテグレータロッド4、リレーレンズ5、平面鏡6を有する照明光学系7と、TIRプリズム8、DMD9、フレネルプリズム板10、投影レンズ11とが設けられている。
【0012】
照明ランプ2は、楕円反射鏡の第1焦点に白色光を発する高輝度光源を備え、高輝度光源から発せられた白色光が、楕円鏡を反射して第2焦点に向かって集光される。カラーホイール3は、円盤状に赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のカラーフイルタが配列されて構成される。照明ランプ2から放出された白色光は、高速回転するカラーホイール3を透過することで、RGBの三原色の照明光となってインテグレータロッド4に順次入射される。インテグレータロッド4の内部では照明光が全反射を繰り返し、インテグレータロッド4からはムラのない均一な照明光が出射される。インテグレータロッド4から出射された照明光はリレーレンズ5を透過して平行光となり、平面鏡6でTIRプリズム8に向かって反射される。
【0013】
DMD9は、マトリクス状に配列された多数のマイクロミラーを備えている。各マイクロミラーは、照明光が投影レンズ11に入射されるように反射させるオン状態と、光吸収体(図示なし)に入射されるように反射させるオフ状態とに切替えられる。マイクロミラーがオン状態となる時間によって投影画像の1画素の輝度が決まり、DMD9がカラーホイール3の回転と同期して駆動することで照明光は画像情報を有する投影光となる。DMD9は、その画像表示面を投影レンズ11の光軸11aと平行にして配置されている。
【0014】
図2において、TIRプリズム8は、楔形状をした第1プリズム15と第2プリズム16とから構成されている。第1プリズム15と第2プリズム16の間にはエアギャップ17が設けられている。第1プリズム15は、平面鏡6を反射した照明光が垂直に入射する第1面15aと、第2プリズム16に向かって照明光が出射される第2面と、第3面15cとが形成されている。
【0015】
第2プリズム16は、DMD9の画像表示面と平行な第1面16aと、第1プリズム15を透過した照明光が入射し、DMD9から出射された光が投影レンズ11に向かって全反射される第2面16bと、全反射面16bを反射した光が外部に出射される第3面16cとが形成されている。エアギャップ17は、第2プリズムの第2面16bで全反射を発生させるために設けられている。
【0016】
DMD9に入射した照明光は、オン状態のマイクロミラーによって第2プリズムの第1面16a〜第2面16cを介して投影レンズ11に向かう有効反射光と、オフ状態のマイクロミラーによって光吸収体(図示なし)に向かう無効反射光とに分かれ、それぞれの光路を進行する。第2プリズム16は、第1面16aと第2面16bとのなす角αが、45度より大きい角度となるように形成されている。これにより、オン状態のマイクロミラー18を反射した有効反射光は、第2面16bに対する臨界角以上の入射角度で入射するようになる。
【0017】
第2プリズム16の第2面16bでは、その内面でDMD9から出射された有効反射光が全反射され、投影レンズ11の光軸11aに対して傾斜した方向に直進する。第2面16bで全反射された有効反射光は、第3面16cから出射され、フレネルプリズム板10に到達する。
【0018】
図3において、フレネルプリズム板10は、薄い平板上に多数の三角柱形状のプリズム19が配列された構造をしており、投影光軸11aに垂直な入射側の平坦面10aと出射側のフレネル面10bとが形成されている。フレネルプリズム板10は、三角プリズム19が向きを揃えて平行に配列されており、三角プリズム19の傾斜面と同じ角度を有する楔状プリズムと等価な屈折作用をする。
【0019】
第2プリズム16から出射された有効反射光は、その主光線が投影光軸11aに対して一定の傾角を有する状態でフレネルプリズム板10に入射する。フレネルプリズム板10から出射されるときには、主光線が投影光軸11aと平行になって投影レンズ11に入射する。
【0020】
フレネルプリズム板10は、等価な屈折作用をする楔状のプリズムに比べて格段に薄く形成されるので、楔状プリズムのように厚みに偏りのある光学素子を透過することに伴う非点収差や色収差の発生がなく、これらを投影レンズ11内で補正する必要は生じない。
【0021】
また、DMD9とフレネルプリズム板10との有効反射光の光路上における距離は、1画素あたりの有効反射光の光線束の広がりが、三角プリズム19のピッチに比べて十分に大きくなるように設定されており、各三角プリズム19によって投映画像に縞模様が発生することはない。
【0022】
フレネルプリズム板10を透過した有効反射光は投影レンズ11に入射する。プロジェクタ1では、DMD9から出射された有効反射光が第2プリズム16において損失なく全反射され、投影光軸に対して傾角をもった有効反射光はフレネルプリズム板10を透過して投影光軸11aと平行に修正され、スクリーンに向けて効率よく投射される。DMD9の表示画像は、照度と鮮明さが損なわれることなくスクリーン上に拡大投影される。
【0023】
なお、上記実施形態は、反射型表示素子としてのDMDが用いられているが、画像表示素子として液晶表示素子やその他のものを用いてもよく、反射型の画像表示素子のみならず、透過型の画像表示素子が用いられたプロジェクタに本発明を適用してもよい。また、第1の光学素子からの出射光線を折り曲げる光学素子は、屈折光学素子に限られない。
【0024】
【発明の効果】
以上のように本発明の単板式プロジェクタは、画像表示素子から出射された光を全反射させて投影光学系に入射させる第1の光学素子と、第1の光学素子から出射された光の光路を曲げる第2の光学素子とを設けたので、第1の光学素子が比較的屈折率の小さい素材で構成されていても、反射損失を抑えることのできる角度で全反射面を形成することができ、投影光学系を傾斜させて配置する必要がなくなってデッドスペースが発生することがない。すなわち、単板式プロジェクタの特長であるコンパクト性が損なわれず、投影画像の画質を高められる。また、第2の光学素子にフレネルプリズム板を用いることで、光路を曲げることに伴う非点収差の発生が抑えられ、投影光学系によってこれらを補正する必要をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プロジェクタの概略構成図である。
【図2】TIRプリズム周辺の平面図である。
【図3】フレネルプリズム板の拡大平面図である。
【図4】従来のTIRプリズムの構成を示す平面図である。
【符号の説明】
1 プロジェクタ
8 TIRプリズム
9 DMD
10 フレネルプリズム板
11 投影レンズ
15 第1プリズム
16 第2プリズム
19 三角プリズム
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像表示素子からの光を投影光学系に向かって効率よく全反射させる光学素子を備えた単板式プロジェクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
画像表示素子により形成される画像を大画面のスクリーン上に拡大投影させるプロジェクタは、1つの画像表示素子を用いてRGBの三色画像を表示する単板式のものと、3つの画像表示素子によってそれぞれ形成される三色画像を合成して表示する三板式のものとに大別される。単板式プロジェクタには、照明光から三色画像を時分割して順次表示するものと、フルカラー画像をそのまま投影させるものとが知られている。現在普及しているプロジェクタは、画像表示素子として液晶表示素子を用いたものがほとんであり、液晶表示素子には透過型と反射型の2つのタイプがあるが、いずれにおいても三板式が主流となっている。
【0003】
近年、半導体技術の進歩により開発されたディジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)を画像表示素子として用いたDMDプロジェクタが注目されている(例えば、特許文献1参照)。DMDは、一辺が十数ミクロンのマイクロミラーがマトリクス状に多数配列され、マイクロミラーの傾きをデジタル制御することで1画素のオン・オフを切替えるようにした反射型表示素子である。DMDプロジェクタは、単板で明るい精細な投影描写が可能であり、マイクロミラーによる1画素のオン・オフ制御を高速で行って、RGB各色画像を時分割で再現するとともに1画素の階調再現を時分割で行う。
【0004】
液晶表示素子やDMDを内蔵したプロジェクタでは、照明光の内部損失によって投影画像の明るさが大きく左右される。このため、単板式のプロジェクタでは、内面全反射プリズム(TIRプリズム:Total Internal Reflection prism)を設けることによって、反射損失を小さくしながらも投影レンズに対する入射光の傾斜角度を抑える工夫をしているものがある。上記特許文献1では、照明光を画像表示素子に導くときに照明光を全反射させている。画像表示素子から出射された光は、投影レンズに対してその光軸と平行に入射されて効率よく投影される。
【0005】
また、図4に示すように、画像表示素子30から出射した光をTIRプリズム31の反射面31aにより、投影レンズ32に向けて全反射させるものがある。画像表示素子からの出射光を投影光学系との間の光路内で全反射させる単板式プロジェクタは、レイアウト上、無駄なスペースをなくすために画像表示面と投影光学系の光軸とが平行に配置され、TIRプリズムの反射面は、画像表示素子に対して45度に形成される。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−042256号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、45度の反射面を有するTIRプリズムは、その構成素材の屈折率が小さいと、画像表示素子から出射された光の一部が反射面に対して臨界角よりも小さい角度で入射してTIRプリズムを透過してしまい、反射損失による投影画像の照度低下を招く問題がある。
【0008】
本発明は、上記問題点を考慮してなされたもので、TIRプリズムの反射面を45度より大きくし、画像表示素子と投影光学系との間における反射損失をより小さくできる単板式プロジェクタを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の単板式プロジェクタは、画像表示素子から出射された光を取り込むとともに、この光を投影光学系に向かって全反射させる反射面を形成した第1の光学素子と、前記反射面と前記投影光学系の間に配置され、前記第1の光学素子から出射された光を透過させ、その光路を曲げる第2の光学素子とを備えていることを特徴としており、第1の光学素子の反射面を画像表示素子に対して45度より大きい角度で形成し、画像表示素子からの出射光を効率よく全反射させるようにしたものである。このとき、第1の光学素子を出射した光の主光線が画像表示面に対して非平行となることに合わせて投影光学系を傾斜させて組み込む必要をなくすために、第2の光学素子によって第1光学素子からの出射光線の光路を折り曲げている。
【0010】
請求項2記載の単板式プロジェクタは、前記第2の光学素子として、同一の断面形状を有する複数の三角プリズムが向きを揃えて並べられたフレネルプリズム板を利用することにより、プリズム透過時の光路差による非点収差の発生を抑制している。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1において、プロジェクタ1には、高輝度光が射出される照明ランプ2、三原色フィルタからなるカラーホイール3、インテグレータロッド4、リレーレンズ5、平面鏡6を有する照明光学系7と、TIRプリズム8、DMD9、フレネルプリズム板10、投影レンズ11とが設けられている。
【0012】
照明ランプ2は、楕円反射鏡の第1焦点に白色光を発する高輝度光源を備え、高輝度光源から発せられた白色光が、楕円鏡を反射して第2焦点に向かって集光される。カラーホイール3は、円盤状に赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のカラーフイルタが配列されて構成される。照明ランプ2から放出された白色光は、高速回転するカラーホイール3を透過することで、RGBの三原色の照明光となってインテグレータロッド4に順次入射される。インテグレータロッド4の内部では照明光が全反射を繰り返し、インテグレータロッド4からはムラのない均一な照明光が出射される。インテグレータロッド4から出射された照明光はリレーレンズ5を透過して平行光となり、平面鏡6でTIRプリズム8に向かって反射される。
【0013】
DMD9は、マトリクス状に配列された多数のマイクロミラーを備えている。各マイクロミラーは、照明光が投影レンズ11に入射されるように反射させるオン状態と、光吸収体(図示なし)に入射されるように反射させるオフ状態とに切替えられる。マイクロミラーがオン状態となる時間によって投影画像の1画素の輝度が決まり、DMD9がカラーホイール3の回転と同期して駆動することで照明光は画像情報を有する投影光となる。DMD9は、その画像表示面を投影レンズ11の光軸11aと平行にして配置されている。
【0014】
図2において、TIRプリズム8は、楔形状をした第1プリズム15と第2プリズム16とから構成されている。第1プリズム15と第2プリズム16の間にはエアギャップ17が設けられている。第1プリズム15は、平面鏡6を反射した照明光が垂直に入射する第1面15aと、第2プリズム16に向かって照明光が出射される第2面と、第3面15cとが形成されている。
【0015】
第2プリズム16は、DMD9の画像表示面と平行な第1面16aと、第1プリズム15を透過した照明光が入射し、DMD9から出射された光が投影レンズ11に向かって全反射される第2面16bと、全反射面16bを反射した光が外部に出射される第3面16cとが形成されている。エアギャップ17は、第2プリズムの第2面16bで全反射を発生させるために設けられている。
【0016】
DMD9に入射した照明光は、オン状態のマイクロミラーによって第2プリズムの第1面16a〜第2面16cを介して投影レンズ11に向かう有効反射光と、オフ状態のマイクロミラーによって光吸収体(図示なし)に向かう無効反射光とに分かれ、それぞれの光路を進行する。第2プリズム16は、第1面16aと第2面16bとのなす角αが、45度より大きい角度となるように形成されている。これにより、オン状態のマイクロミラー18を反射した有効反射光は、第2面16bに対する臨界角以上の入射角度で入射するようになる。
【0017】
第2プリズム16の第2面16bでは、その内面でDMD9から出射された有効反射光が全反射され、投影レンズ11の光軸11aに対して傾斜した方向に直進する。第2面16bで全反射された有効反射光は、第3面16cから出射され、フレネルプリズム板10に到達する。
【0018】
図3において、フレネルプリズム板10は、薄い平板上に多数の三角柱形状のプリズム19が配列された構造をしており、投影光軸11aに垂直な入射側の平坦面10aと出射側のフレネル面10bとが形成されている。フレネルプリズム板10は、三角プリズム19が向きを揃えて平行に配列されており、三角プリズム19の傾斜面と同じ角度を有する楔状プリズムと等価な屈折作用をする。
【0019】
第2プリズム16から出射された有効反射光は、その主光線が投影光軸11aに対して一定の傾角を有する状態でフレネルプリズム板10に入射する。フレネルプリズム板10から出射されるときには、主光線が投影光軸11aと平行になって投影レンズ11に入射する。
【0020】
フレネルプリズム板10は、等価な屈折作用をする楔状のプリズムに比べて格段に薄く形成されるので、楔状プリズムのように厚みに偏りのある光学素子を透過することに伴う非点収差や色収差の発生がなく、これらを投影レンズ11内で補正する必要は生じない。
【0021】
また、DMD9とフレネルプリズム板10との有効反射光の光路上における距離は、1画素あたりの有効反射光の光線束の広がりが、三角プリズム19のピッチに比べて十分に大きくなるように設定されており、各三角プリズム19によって投映画像に縞模様が発生することはない。
【0022】
フレネルプリズム板10を透過した有効反射光は投影レンズ11に入射する。プロジェクタ1では、DMD9から出射された有効反射光が第2プリズム16において損失なく全反射され、投影光軸に対して傾角をもった有効反射光はフレネルプリズム板10を透過して投影光軸11aと平行に修正され、スクリーンに向けて効率よく投射される。DMD9の表示画像は、照度と鮮明さが損なわれることなくスクリーン上に拡大投影される。
【0023】
なお、上記実施形態は、反射型表示素子としてのDMDが用いられているが、画像表示素子として液晶表示素子やその他のものを用いてもよく、反射型の画像表示素子のみならず、透過型の画像表示素子が用いられたプロジェクタに本発明を適用してもよい。また、第1の光学素子からの出射光線を折り曲げる光学素子は、屈折光学素子に限られない。
【0024】
【発明の効果】
以上のように本発明の単板式プロジェクタは、画像表示素子から出射された光を全反射させて投影光学系に入射させる第1の光学素子と、第1の光学素子から出射された光の光路を曲げる第2の光学素子とを設けたので、第1の光学素子が比較的屈折率の小さい素材で構成されていても、反射損失を抑えることのできる角度で全反射面を形成することができ、投影光学系を傾斜させて配置する必要がなくなってデッドスペースが発生することがない。すなわち、単板式プロジェクタの特長であるコンパクト性が損なわれず、投影画像の画質を高められる。また、第2の光学素子にフレネルプリズム板を用いることで、光路を曲げることに伴う非点収差の発生が抑えられ、投影光学系によってこれらを補正する必要をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プロジェクタの概略構成図である。
【図2】TIRプリズム周辺の平面図である。
【図3】フレネルプリズム板の拡大平面図である。
【図4】従来のTIRプリズムの構成を示す平面図である。
【符号の説明】
1 プロジェクタ
8 TIRプリズム
9 DMD
10 フレネルプリズム板
11 投影レンズ
15 第1プリズム
16 第2プリズム
19 三角プリズム
Claims (2)
- 照明光を画素ごとに変調する画像表示素子と、
画像表示素子によって変調された光を拡大投影する投影光学系と、
画像表示素子から出射された光を取り込むとともに、この光を投影光学系に向かって全反射させる反射面を形成した第1の光学素子と、
前記反射面と前記投影光学系の間に配置され、前記第1の光学素子から出射された光を透過させ、その光路を曲げる第2の光学素子とを備えていることを特徴とする単板式プロジェクタ。 - 前記第2の光学素子は、同一の断面形状を有する複数の三角プリズムが向きを揃えて並べられたフレネルプリズム板であることを特徴とする請求項1記載の単板式プロジェクタ。
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