JP2004233813A - 色むら補正画像処理装置、方法及びプログラム、並びに投射型画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】特別の測定や補正回路などを要せず、複数画素の階調制御により液晶パネルの視野角依存性を補正して色むらの発生を抑制することが可能な投射型画像表示装置を提供する。
【解決手段】表示制御部を備える投射型画像表示装置に搭載される色むら補正画像処理装置は、RGB各色の画像データにより構成されるソース画像データを受け取る入力手段と、前記RGB各色の画像データについて、当該画像データを構成する各画素に対して当該画素の階調値に応じて2種類の異なる割付階調値を割り付ける階調値割付手段と、前記各画素を、前記2種類の異なる割付階調値を有する複数の画素を隣接配置してなる組み合わせ画素に変換する画素変換手段と、前記組み合わせ画素からなるRGB各色の表示画像データを前記表示制御部に出力する出力手段と、を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】表示制御部を備える投射型画像表示装置に搭載される色むら補正画像処理装置は、RGB各色の画像データにより構成されるソース画像データを受け取る入力手段と、前記RGB各色の画像データについて、当該画像データを構成する各画素に対して当該画素の階調値に応じて2種類の異なる割付階調値を割り付ける階調値割付手段と、前記各画素を、前記2種類の異なる割付階調値を有する複数の画素を隣接配置してなる組み合わせ画素に変換する画素変換手段と、前記組み合わせ画素からなるRGB各色の表示画像データを前記表示制御部に出力する出力手段と、を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶プロジェクタなどの投射型画像表示装置における色むら補正に関する。
【0002】
【背景技術】
液晶パネルを有するライトバルブを備え、ソース画像データをスクリーンなどに投射する液晶プロジェクタが知られている。液晶プロジェクタのライトバルブには、RGB3色の液晶パネルが設けられる。ライトバルブは、RGBの3色の成分に分離したソース画像データをそれぞれの色の液晶パネルに供給し、各色の液晶パネルを通過した光を合成してスクリーンに投射することにより画像を表示する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
液晶プロジェクタの画像表示における問題として、色むらの発生がある。色むらとは、一面がグレーのソース画像を表示した場合に、スクリーン上の表示画像上に部分的に色づきが発生することをいう。色むらが発生する主たる原因は、液晶プロジェクタのライトバルブとして使用されているRGB3色の液晶パネルの視野角依存性が、各色のパネル毎に異なること、及び、同一色のパネル上における位置によっても異なること、などである。
【0004】
従来の液晶プロジェクタにおいては、実際に液晶プロジェクタを通じてグレーレベルの画像データをスクリーン上に表示して表示画像の各部分における色づきを測定し、補正回路を設けて、測定結果に基づいて色むらが発生しないように表示画像の補正を行っていた。しかし、そのように実際に画像データを表示して色むらを測定し、補正回路の設定を行う作業は労力を要するためにコストアップを招き、液晶プロジェクタの低価格化の妨げになっていた。
【0005】
また、最近では液晶プロジェクタの低価格化のためにライトバルブを小型化する傾向がある。ライトバルブを小型化すると、各色の液晶パネルに入射すべき光をより集光させる必要が生じ、その結果、ライトバルブへの光の入射角が大きくなり、液晶パネルの視野角依存性の影響をより受けやすくなる。また、そのようなライトバルブを小型化した液晶プロジェクタでは、ライトバルブへの入射光を十分に集光するためにライトバルブにマルチレンズアレイを設けるものがあり、ライトバルブへの入射光にはさらに大きな入射角が生じる設計になっているため、色むらがより発生しやすくなっている。
【0006】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、特別の測定や補正回路などを要せず、表示すべき複数画素の階調制御により液晶パネルの視野角依存性を補正して色むらの発生を抑制することが可能な投射型画像表示装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の1つの観点では、表示制御部を備える投射型画像表示装置に搭載される色むら補正画像処理装置は、RGB各色の画像データにより構成されるソース画像データを受け取る入力手段と、前記RGB各色の画像データについて、当該画像データを構成する各画素に対して当該画素の階調値に応じて2種類の異なる割付階調値を割り付ける階調値割付手段と、前記各画素を、前記2種類の異なる割付階調値を有する複数の画素を隣接配置してなる組み合わせ画素に変換する画素変換手段と、前記組み合わせ画素からなるRGB各色の表示画像データを前記表示制御部に出力する出力手段と、を備える。
【0008】
投射型画像表示装置は、例えばRGB各色用の液晶パネルを有するライトバルブなどを備え、ソース画像をスクリーンなどに投射して表示する。投射型画像表示装置に搭載される色むら補正画像処理装置は、ソース画像データを外部の画像ソースなどから受け取り、RGB各色の画像データ中の各画素について、当該画素の階調値に基づいて2種類の異なる割付階調値を決定する。例えばある色の画像データの特定の画素の階調値が256階調(0〜255の階調値範囲)のうちの127であるとすれば、この画素に対して例えば階調値0と階調値255の2つのグレーレベルの階調値を割り付ける。そして、それらの2つの割付階調値を有する複数の画素を隣接配置して組み合わせ画素を構成し、元の1画素の代わりに表示する。これにより、表示される組み合わせ画素は異なるグレーレベルを隣接表示することで、投射型画像表示装置に使用される液晶パネルなどの視野角依存性を改善することができ、その結果、色むらの発生を抑制することができるようになる。
【0009】
上記の色むら補正画像処理装置の一態様では、前記階調値割付手段は、前記各画素について、当該画素の階調値より大きい第1の割付階調値と、当該画素の階調値より小さい第2の割付階調値とを割り付ける。これにより、元の画素の階調値に応じて、異なる2つのグレーレベルの割付階調値が得られ、液晶パネルなどの視野角依存性を改善することが可能となる。
【0010】
好適な一例としては、前記第1の割付階調値と前記第2の割付階調値の和の1/2が前記画素の階調値と等しくなるように階調値の割付を行うことができる。この例では、元の画素の階調値に基づく単純な演算により割付階調値を得ることができる。
【0011】
また、他の好適な例では、前記階調値割付手段は、前記表示制御部に使用される電気光学パネルの表示特性に基づいて前記割付階調値を決定することができる。この例では、投射型画像表示装置に使用される液晶パネルなどの表示特性、例えばγ特性などを考慮することにより、装置の特性に適合した色むら補正が可能となる。
【0012】
上記の色むら補正画像処理装置の他の一態様では、前記画素変換手段は、前記第1の割付階調値を有する2つの画素と、前記第2の割付階調値を有する2つの画素とをそれぞれ対角線方向に配置した合計4画素からなる組み合わせ画素を生成する。このように、4つの割付画素値をそれぞれ対角線方向に配置した4画素からなる組み合わせ画素を構成することにより、垂直及び水平方向の両方に視野角依存性を改善し、色むらを抑制することが可能となる。
【0013】
本発明の他の観点では、投射型画像表示装置は、上記の色むら補正画像処理装置と、前記RGB各色の表示画像データに応じて駆動されるRGB各色用の電気光学パネルを通過した光を合成してスクリーンに投射する表示制御部とを備え、前記RGB各色用の電気光学パネルのうち、特定の1色用の電気光学パネルは、他の2色用の電気光学パネルに対して、垂直方向及び/又は水平方向に相対的に半画素分ずれた位置に配置される。
【0014】
上記の投射型画像表示装置によれば、表示制御部に使用されるRGB各色の電気光学パネルのうちの1つを、他の2つと相対的に半画素分ずれた位置に配置することにより、ずらした方向における視覚的な解像度を増加することができる。よって、組み合わせ画素を構成することにより低下した解像度を補うことが可能となり、結果として解像度を低下させることなく色むらを補正することが可能となる。
【0015】
好適な例では、前記特定の1色は緑色とすることができる。一般的に、人間の視覚における感度はRGB3色中では緑が高いと言われているので、緑色の電気光学パネルをずらして配置することにより、効果的に解像度を向上させることができると考えられる。
【0016】
本発明の他の観点では、投射型画像表示装置は、上記の色むら補正画像処理装置と、前記RGB各色の表示画像データに応じて駆動されるRGB各色用の電気光学パネルを通過した光を合成してスクリーンに投射する表示制御部とを備え、前記表示制御部は、前記表示画像データに応じた駆動信号により前記電気光学パネルを駆動する駆動手段を備え、前記駆動手段は、前記表示画像データ中の各組み合わせ画素に含まれる画素のうち、変換前の画素の階調値との差が大きい方の割付階調値を有する画素に対応する駆動信号の立ち上がり時のレベルを増加させるレベル補正を行う。
【0017】
上記の投射型画像表示装置によれば、表示制御部は表示画像データに応じた駆動信号により駆動される電気光学パネルを有する。液晶パネルなどの電気光学パネルは入力駆動信号に対する応答の遅れを有するものであり、それは表示画素の階調値の変化が大きい場合により顕著となる。表示画像データ中の組み合わせ画素に含まれる2つの割付階調値のうち、元の画素の階調レベルとの相違が大きい方の画素はそのような応答の遅れの影響を受けやすいので、その画素については駆動信号のレベルを増加させるレベル補正を適用することにより、応答を改善し、表示品質を改善することができる。
【0018】
本発明の他の観点では、表示制御部を備える投射型画像表示装置において実行される色むら補正画像処理方法は、RGB各色の画像データにより構成されるソース画像データを受け取る入力工程と、前記RGB各色の画像データについて、当該画像データを構成する各画素に対して当該画素の階調値に応じて2種類の異なる割付階調値を割り付ける階調割付工程と、前記各画素を、前記2種類の異なる割付階調値を有する複数の画素を隣接配置してなる組み合わせ画素に変換する画素変換工程と、前記組み合わせ画素からなるRGB各色の表示画像データを前記表示制御部に出力する出力工程と、を備える。この色むら補正画像処理により、表示される組み合わせ画素は異なるグレーレベルを隣接表示されることになり、投射型画像表示装置に使用される液晶パネルなどの視野角依存性を改善することができ、その結果、色むらの発生を抑制することができるようになる。
【0019】
本発明の他の観点では、表示制御部を備える投射型画像表示装置に搭載されるコンピュータにより実行される色むら補正画像処理プログラムは、RGB各色の画像データにより構成されるソース画像データを受け取る入力手段、前記RGB各色の画像データについて、当該画像データを構成する各画素に対して当該画素の階調値に応じて2種類の異なる割付階調値を割り付ける階調値割付手段、前記各画素を、前記2種類の異なる割付階調値を有する複数の画素を隣接配置してなる組み合わせ画素に変換する画素変換手段、前記組み合わせ画素からなるRGB各色の表示画像データを前記表示制御部に出力する出力手段、として前記コンピュータを機能させる。この色むら補正画像処理プログラムを前記コンピュータ上で実行することにおり、上述の色むら補正画像処理装置を容易に実現することが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0021】
[第1実施形態]
まず、本発明の画像表示装置の第1実施形態に係る液晶プロジェクタについて説明する。図1に第1実施形態に係る液晶プロジェクタ10の概略構成を示す。液晶プロジェクタ10は、パーソナルコンピュータ、VTRなどの画像ソース7からカラー画像データを入力し、図示しないスクリーン上にカラー画像を表示する。図示のように、液晶プロジェクタ10は、制御部12及びライトバルブ15を備える。制御部12はCPU13と、プログラムROM14を備える。プログラムROM14は、液晶プロジェクタ10が実行する各種の処理に対応する処理プログラムを記憶しており、CPU13はプログラムROM14に記憶された各種処理プログラムを実行することにより、液晶プロジェクタ10の動作を制御する。本発明による色むら補正のための色むら補正画像処理も、プログラムROM14に予め記憶されている色むら補正画像処理プログラムをCPU12が実行することにより実現される。
【0022】
図2に、ライトバルブ15の構成例を示す。図2において、5431は光源、5442,5444はダイクロイックミラー、5443,5448,5449は反射ミラー、5445は入射レンズ、5446はリレーレンズ、5447は出射レンズ、100R,100G,100BはRGB各色の液晶パネルであり、5451はクロスダイクロイックプリズム、5437は投射レンズを示す。光源5431はメタルハライド等のランプ5440とランプの光を反射するリフレクタ5441とからなる。青色光・緑色光反射のダイクロイックミラー5442は、光源5431からの光束のうちの赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光は反射ミラー5443で反射されて、赤色光用液晶パネル100Rに入射される。一方、ダイクロイックミラー5442で反射された色光のうち緑色光は緑色光反射のダイクロイックミラー5444によって反射され、緑色光用液晶パネル100Gに入射される。
【0023】
一方、青色光は第2のダイクロイックミラー5444も透過する。青色光に対しては、長い光路による光損失を防ぐため、入射レンズ5445、リレーレンズ5446、出射レンズ5447を含むリレーレンズ系からなる導光手段が設けられ、これを介して青色光が青色光用液晶パネル100Bに入射される。各液晶パネルにより光変調された3つの色光はクロスダイクロイックプリズム5451に入射する。このプリズムは4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤光を反射する誘電体多層膜と青光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ5437によってスクリーン5452上に投射され、画像が拡大されて表示される。
【0024】
次に、本発明による色むら補正の原理について図3を参照して説明する。本発明では、液晶プロジェクタ10により表示すべきソース画像の1画素中について2種類のグレーレベルを表示することにより、液晶パネル100の視野角依存性を改善し、色むらの発生を抑制する。液晶パネル、特にTN(Twisted Nematic)液晶は視野角が狭いが、上下、左右方向に異なる階調の画素を表示することで視野角を改善できることが知られている(IBM文献)。
【0025】
この考え方を応用し、ソース画像データ中に含まれる各画素について、その画素を元の階調値でそのまま表示するのではなく、図3(a)に示すように、2つの異なるグレーレベルの画素の集合として表示する。このように、ある階調値を有する1画素を2つの異なるグレーレベルを有する4画素(以下、これらの画素の階調値を「割付階調値」と呼ぶ。)の集合(「組み合わせ画素」とも呼ぶ。)として表示することにより、液晶パネル100の視野角依存性を改善し、色むらの発生を抑制することができる。
【0026】
例えば図3(b)に示すように、表示の対象となる画素の階調値が0〜255の範囲の127であると仮定すると、この1つの画素を階調値が「0」である2つの画素と、階調値が「255」である2つの画素により構成される組み合わせ画素として表示する(この処理を「画素の変換」とも呼ぶ。)。一般化すれば、表示の対象となる画素の階調値がXである場合、階調値が「0」である2つの画素と、階調値が「2X」である2つの画素により構成される組み合わせ画素として表示する。これにより、各画素毎に視野角依存性を改善することができる。
【0027】
次に、本実施形態による色むら補正画像処理の流れを図4を参照して説明する。図4は、第1実施形態の色むら補正画像処理の概略フローチャートである。なお、この処理は、前述のCPU13が色むら補正プログラムを実行することにより行われる。
【0028】
まず、液晶プロジェクタ10は、外部の画像ソース7から表示すべきソース画像データを受け取る(ステップS2)。受け取ったソース画像データは制御部12に送られる。CPU13は、色むら補正画像処理プログラムに従い、ソース画像データの1画素毎に、割付階調値を算出する(ステップS4)。図3(b)の例では、CPU13はソース画像データ中の階調値が127である1画素について、割付階調値「0」及び「255」を算出することになる。そして、CPU13は、各割付階調値を有する2つの画素(合計4画素)により構成される組み合わせ画素をライトバルブ15へ出力する。図3(b)の例では、CPU13は割付階調値「0」及び「255」の組み合わせからなる4画素のデータをライトバルブ15へ出力することになる。そして、ライトバルブ15は入力された画素データを液晶パネル100R、100G、100Bを利用してスクリーンに表示する。
【0029】
以上のように、本実施形態によれば、表示すべきソース画像データの1画素を、2つのグレーレベルを有する画素の組み合わせにより構成し、表示するので、ライトバルブ15内の液晶パネル100の視野角依存性を改善し、それによって色むらの発生を抑制することができる。
【0030】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態と同様に、ソース画像データの1画素を異なる2種類のグレーレベルを有する画素の組み合わせとして表示する。但し、解像度の低下を防止するために、ライトバルブ15内の3色の液晶パネル100R、100G、100Bの相対位置(アライメント)を調整する。
【0031】
第1実施形態では、ソース画像データ中の1画素を、図3に示すように、異なる2種のグレーレベルを有する2つの画素づつ、つまり合計4画素からなる組み合わせ画素として表示する。よって、表示画像自体としては、4つの表示画素でソース画像データの1画素を表現していることになり、実質的に表示画像の解像度は縦方向及び横方向ともにソース画像の1/2となる。そこで、本実施形態では、表示すべき画像データは第1実施形態と同様に生成するが、ライトバルブ15内のRGB3色の液晶パネル100のうち1色の液晶パネルの位置を他の2色の液晶パネルに対して相対的に1/2画素分ずらす。これにより、ソース画像データの色むら補正画像処理により1/2となった解像度を増加させて、元のソース画像の解像度に戻すことができる。以下、この手法について図5を参照して詳しく説明する。
【0032】
通常、液晶プロジェクタ10により出力される(スクリーンに投射される)表示画像の1画素は、RGB3色の画素の合成として構成されている。RGB各色の画素のアライメントが一致しているときには、その画素は図5(a)に示すように白の画素として表示される。この状態を説明の便宜上、図5(a)のようにRGBの各画素を横方向に整列させて示す。即ち、RGB各色の画素の垂直方向のアライメントが一致している(ずれがない)場合には、図5においてはRGB各色の画素を水平方向に整列して示す。RGB各色の画素のアライメントが一致していれば、実際の表示画素はそれらの重ね合わせとして表示され、白となる。
【0033】
一方、図5(b)に示すように、例えばRGB3色の画素のうちG(緑)の画素が、他の2色の画素に対して垂直方向に半画素分ずれている場合、人間の眼には、図5(b)の左側に示すように、3つの画素として認識される。即ち、いずれか1色分の画素の位置を他の2色の画素に対して半画素分相対的にずらすことにより、解像度を改善することができる。
【0034】
図5(c)に示すように、第1実施形態と同様の色むら補正画像処理により表示すべき画素を2つのグレーレベル(斜線の画素は暗い画素、斜線のない画素は明るい画素であるとする)の画素で表現し、かつ、上記の考え方に基づいてRGB3色のうちG(緑)の画素のみを他の2色の画素に対して半画素分垂直方向にずらしてやると、明るさのレベルとしては1〜4の4レベルが得られ(1が最も明るい)、垂直方向の解像度が増加する。各色の画素のグレーレベルの配列は、図5(c)では上から明るい、暗い、明るいの3画素が垂直方向に並んでいる部分を例示した。しかし、図5(d)に示すように、暗い、明るい、暗いの3画素が垂直方向に並んでいる部分でも、同様に解像度が増加する。
【0035】
なお、このように液晶パネルのアライメントを半画素分シフトすることにより垂直方向における解像度が増加するのであるが、各色の液晶パネルに表示する画素は第1実施形態の図3の例で示したように、水平方向においても暗い、明るい、暗いという2種類のグレーレベルの繰り返しとなっているので、実際には図5(e)に示すように水平方向にも暗い、明るいという2つの異なるグレーレベルの画素部分が配置されることになり、水平方向にも視野角依存性が改善される効果は維持される。なお、図5の例のように、ライトバルブ15内の1色分(例えばG(緑)色)の液晶パネルのアライメントを垂直方向にのみ半画素分シフトすると水平方向の解像度は1/2のままとなるが、同じ1色の液晶パネルを同時に水平方向にも半画素分シフトすれば、垂直方向及び垂直方向の両方向における解像度を増加させることができる。
【0036】
このように、本実施形態では、第1実施形態と同様に、色むら補正画像処理により1画素を2つのグレーレベルの2画素の組み合わせとして表現し、それに加えて、ライトバルブ15内の3色の液晶パネルのうち1色の液晶パネルの相対位置を他の2色に対して半画素分ずらす(シフトする)ことにより、視野角依存性を改善して色むらを抑制しつつ、解像度の低下も防止することができる(厳密には、色むら補正画像処理により解像度が低下するが、その低下分を、液晶パネルのアライメントを半画素分シフトすることにより補うことになる)。
【0037】
具体的には、2つのグレーレベルの画素を使用する色むら補正画像処理により、ライトバルブ15内の3色の液晶パネル100R、100G、100Bは、図6に示すように、それぞれ明るい画素、暗い画素の繰り返しを含むようになる。よって、図7(a)又は図7(b)に模式的に示すように、例えばG(緑)色の液晶パネル100Gを他の2色の液晶パネル100R及び100Bに対して上下方向のいずれかに半画素分ずらしてライトバルブ15内に配置すればよい。なお、図7(a)及び(b)は、図2におけるスクリーン5452の方向から図2の紙面と同一面上で液晶パネル100G方向を見た状態を模式的に示す図である。
【0038】
第2実施形態では、上述のようにライトバルブ15内の3色の液晶パネルのうち、特定の1色の液晶パネルを他の2色に対して相対的に半画素分シフトさせる点、即ち、ライトバルブ15内の構造が第1実施形態と異なるのみであり、液晶プロジェクタ10内の制御部12で実行される色むら補正画像処理は第1実施形態と同様である。また、半画素分シフトさせる液晶パネルの色についてであるが、人間の視覚感度がRGB3色のうち緑色に対して最も高いことを考慮し、緑色(G)の液晶パネル100Gを他の2色の液晶パネルに対してシフトすれば、人間の視覚により認識される解像度の改善の程度はより高くなるものと考えられる。
【0039】
以上のように、第2実施形態によれば、第1実施形態における色むら補正画像処理により色むらの発生を抑制しつつ、ライトバルブ内の各色の液晶パネルのアライメントを調整することにより、解像度の低下も抑制することができる。
【0040】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態は、第1及び第2実施形態において行われる色むら補正画像処理において、2種類のグレーレベルを有する割付階調値を決定する際に、ライトバルブ15内に使用される液晶パネルの表示特性、具体的にはγ特性(トーン特性)を考慮するものである。
【0041】
図8(a)にTN方式液晶パネルのγ特性(トーン特性)例を示す。横軸は256階調の入力階調値(0〜255)であり、縦軸は256階調の出力階調値(0〜255)である。また、図中の特性70は黒色に近い画素に対する割付階調値を決定するための特性であり、特性72は白色に近い画素に対する割付階調値を決定するための特性である。例えば、図8(b)に示すように、ソース画像中の特定の画素の階調値がX(X<127、即ち白に近いグレー)であるとすると、これを割付階調値Xw(白より)とXb(黒より)の2種類のグレーレベルに割り付ける。また、図8(c)に示すように、ソース画像中の特定の画素の階調値がY(Y>127、即ち黒に近いグレー)であるとすると、これを割付階調値Yw(白より)とYb(黒より)の2種類のグレーレベルに割り付ける。これにより、ライトバルブ15内に設けられる液晶パネルの表示特性に適合した割付階調値を決定することができる。
【0042】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態は、第1及び第2実施形態において、表示対象となる特定の画素に対して決定される割付階調値のうち、ソース画像中の画素の階調値との相違が大きい方の画素については、その画素を表示する際の画像信号にレベル補正を適用するものである。
【0043】
画像表示装置としての液晶パネルは、液晶分子の配向の変化により画像の明暗を表示するという性質上、応答が遅いという欠点がある。例えば図9(a)に示すように急峻なレベル変化を有する入力信号Siにより液晶パネルの画素を駆動した場合でも、液晶分子の配向は時間的に緩やかに変化するため、信号Soで示す画素の階調レベルの変化には応答の遅れが生じる。そこで、液晶パネルの駆動回路に供給する入力信号波形にレベル補正を行い、応答を改善する手法が知られている。即ち、図9(b)に示すように、入力信号Siに対して、所定期間(例えば画像データの1フレーム分)にわたりレベルを増加した信号Scを生成し、この信号Scで液晶パネルを駆動することにより、液晶パネルの応答を改善することができる。このような手法は、例えば、特許第3305240号に記載されている。
【0044】
本実施形態では、上記の手法を利用し、元の画像データの階調値から変化の大きい方の画素の駆動信号に上記のレベル補正を適用する。図10に第4実施形態による液晶プロジェクタ10aの構成を示す。本実施形態の液晶プロジェクタ10aは、第1実施形態の液晶プロジェクタ10に対して、フレームメモリ16及び補正表示画像信号演算手段17を設けて構成される。フレームメモリ16は、画像ソース7からのソース画像信号を1フレーム分遅延させて補正表示画像信号演算手段17に供給する。また、画像ソース7からは、遅延のないソース画像信号も補正表示画像信号演算手段17に供給される。補正表示画像信号演算手段17は、例えばソース画像信号と1フレーム分遅延されたソース画像信号とに応じて設定された補正レベル量を記憶したルックアップテーブル(LUT)とすることができ、画像ソース7及びフレームメモリ16からの入力に応じて、補正レベル量をライトバルブ15へ供給する。その結果、ライトバルブ15はレベル補正後の駆動信号(図9(b)の出力Soを参照)で液晶パネルを駆動するので、応答が改善される。
【0045】
液晶パネルの応答の遅れは、表示すべき画素の階調レベル変化が大きいほど無視できなくなる。本実施形態では、このレベル補正を、色むら補正画像処理により生成される2種類の割付階調値の画素のうち、ソース画像の画素の階調値との相違が大きい割付階調値を有する方の画素について適用する。例えば、図8(b)に示す場合、ソース画像の特定の画素の階調値はXであり、色むら補正画像処理により生成される2種類の画素の割付階調値はそれぞれXw及びXbである。ソース画像の画素の階調値Xは白に近いので、黒に近い方の割付階調値Xbに対応する画像信号(液晶パネルを駆動するための駆動信号)に対してはレベル補正を行って応答を改善する。一方、階調値の相違の小さい割付階調値Xwに対応する画像信号にはレベル補正は行わない。同様に、図8(c)の例では、割付階調値Ywに対応する駆動信号に対してはレベル補正を行って応答を改善し、割付階調値Ybに対応する画像信号に対してはレベル補正は行わない。これにより、ソース画像の画素の階調値からの変化の大きい方の割付階調値にレベル補正を適用して、応答を改善し、表示品質を向上させることができる。
【0046】
図11に、本実施形態における色むら補正画像処理のフローチャートを示す。図11において、まず、液晶プロジェクタ10aは画像ソース7からソース画像データを受け取り(ステップS12)、その各画素について割付階調値を算出する(ステップS14)。なお、この際の割付階調値の算出は、第1実施形態のように対象となる画素の階調値の2倍としてもよいし、第3実施形態のように液晶パネルのγ特性を考慮して決定してもよい。
【0047】
次に、液晶プロジェクタ10a内の補正表示画像信号演算手段17がレベル補正量を決定して補正表示画像信号を生成する(ステップS16)。そして、レベル補正を行う方の画素については生成された補正表示画像信号が補正表示画像信号演算手段17からライトバルブ15へ供給され、レベル補正を行わない方の画素については、制御部12から表示画像信号がライトバルブ15へ供給される(ステップS18)。ライトバルブ15は入力された画像信号に基づいて液晶パネル100を駆動して、画像を表示する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態による液晶プロジェクタの概略構成を示す。
【図2】ライトバルブの概略構成を示す。
【図3】第1実施形態による色むら補正画像処理の説明図である。
【図4】第1実施形態による色むら補正画像処理のフローチャートである。
【図5】第2実施形態による色むら補正画像処理例の説明図である。
【図6】第2実施形態による液晶パネルの画素配列例を示す。
【図7】第2実施形態による液晶パネルの相対配置例を模式的に示す。
【図8】第3実施形態による色むら補正画像処理の説明図である。
【図9】第4実施形態によるレベル補正の概略を説明する図である。
【図10】第4実施形態による液晶プロジェクタの概略構成を示す。
【図11】第4実施形態による色むら補正画像処理のフローチャートである。
【符号の説明】
7 画像ソース、 10 液晶プロジェクタ、 12 制御部、
13 CPU、 14 プログラムROM、15 ライトバルブ、
16 フレームメモリ、 17 補正表示画像信号演算手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶プロジェクタなどの投射型画像表示装置における色むら補正に関する。
【0002】
【背景技術】
液晶パネルを有するライトバルブを備え、ソース画像データをスクリーンなどに投射する液晶プロジェクタが知られている。液晶プロジェクタのライトバルブには、RGB3色の液晶パネルが設けられる。ライトバルブは、RGBの3色の成分に分離したソース画像データをそれぞれの色の液晶パネルに供給し、各色の液晶パネルを通過した光を合成してスクリーンに投射することにより画像を表示する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
液晶プロジェクタの画像表示における問題として、色むらの発生がある。色むらとは、一面がグレーのソース画像を表示した場合に、スクリーン上の表示画像上に部分的に色づきが発生することをいう。色むらが発生する主たる原因は、液晶プロジェクタのライトバルブとして使用されているRGB3色の液晶パネルの視野角依存性が、各色のパネル毎に異なること、及び、同一色のパネル上における位置によっても異なること、などである。
【0004】
従来の液晶プロジェクタにおいては、実際に液晶プロジェクタを通じてグレーレベルの画像データをスクリーン上に表示して表示画像の各部分における色づきを測定し、補正回路を設けて、測定結果に基づいて色むらが発生しないように表示画像の補正を行っていた。しかし、そのように実際に画像データを表示して色むらを測定し、補正回路の設定を行う作業は労力を要するためにコストアップを招き、液晶プロジェクタの低価格化の妨げになっていた。
【0005】
また、最近では液晶プロジェクタの低価格化のためにライトバルブを小型化する傾向がある。ライトバルブを小型化すると、各色の液晶パネルに入射すべき光をより集光させる必要が生じ、その結果、ライトバルブへの光の入射角が大きくなり、液晶パネルの視野角依存性の影響をより受けやすくなる。また、そのようなライトバルブを小型化した液晶プロジェクタでは、ライトバルブへの入射光を十分に集光するためにライトバルブにマルチレンズアレイを設けるものがあり、ライトバルブへの入射光にはさらに大きな入射角が生じる設計になっているため、色むらがより発生しやすくなっている。
【0006】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、特別の測定や補正回路などを要せず、表示すべき複数画素の階調制御により液晶パネルの視野角依存性を補正して色むらの発生を抑制することが可能な投射型画像表示装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の1つの観点では、表示制御部を備える投射型画像表示装置に搭載される色むら補正画像処理装置は、RGB各色の画像データにより構成されるソース画像データを受け取る入力手段と、前記RGB各色の画像データについて、当該画像データを構成する各画素に対して当該画素の階調値に応じて2種類の異なる割付階調値を割り付ける階調値割付手段と、前記各画素を、前記2種類の異なる割付階調値を有する複数の画素を隣接配置してなる組み合わせ画素に変換する画素変換手段と、前記組み合わせ画素からなるRGB各色の表示画像データを前記表示制御部に出力する出力手段と、を備える。
【0008】
投射型画像表示装置は、例えばRGB各色用の液晶パネルを有するライトバルブなどを備え、ソース画像をスクリーンなどに投射して表示する。投射型画像表示装置に搭載される色むら補正画像処理装置は、ソース画像データを外部の画像ソースなどから受け取り、RGB各色の画像データ中の各画素について、当該画素の階調値に基づいて2種類の異なる割付階調値を決定する。例えばある色の画像データの特定の画素の階調値が256階調(0〜255の階調値範囲)のうちの127であるとすれば、この画素に対して例えば階調値0と階調値255の2つのグレーレベルの階調値を割り付ける。そして、それらの2つの割付階調値を有する複数の画素を隣接配置して組み合わせ画素を構成し、元の1画素の代わりに表示する。これにより、表示される組み合わせ画素は異なるグレーレベルを隣接表示することで、投射型画像表示装置に使用される液晶パネルなどの視野角依存性を改善することができ、その結果、色むらの発生を抑制することができるようになる。
【0009】
上記の色むら補正画像処理装置の一態様では、前記階調値割付手段は、前記各画素について、当該画素の階調値より大きい第1の割付階調値と、当該画素の階調値より小さい第2の割付階調値とを割り付ける。これにより、元の画素の階調値に応じて、異なる2つのグレーレベルの割付階調値が得られ、液晶パネルなどの視野角依存性を改善することが可能となる。
【0010】
好適な一例としては、前記第1の割付階調値と前記第2の割付階調値の和の1/2が前記画素の階調値と等しくなるように階調値の割付を行うことができる。この例では、元の画素の階調値に基づく単純な演算により割付階調値を得ることができる。
【0011】
また、他の好適な例では、前記階調値割付手段は、前記表示制御部に使用される電気光学パネルの表示特性に基づいて前記割付階調値を決定することができる。この例では、投射型画像表示装置に使用される液晶パネルなどの表示特性、例えばγ特性などを考慮することにより、装置の特性に適合した色むら補正が可能となる。
【0012】
上記の色むら補正画像処理装置の他の一態様では、前記画素変換手段は、前記第1の割付階調値を有する2つの画素と、前記第2の割付階調値を有する2つの画素とをそれぞれ対角線方向に配置した合計4画素からなる組み合わせ画素を生成する。このように、4つの割付画素値をそれぞれ対角線方向に配置した4画素からなる組み合わせ画素を構成することにより、垂直及び水平方向の両方に視野角依存性を改善し、色むらを抑制することが可能となる。
【0013】
本発明の他の観点では、投射型画像表示装置は、上記の色むら補正画像処理装置と、前記RGB各色の表示画像データに応じて駆動されるRGB各色用の電気光学パネルを通過した光を合成してスクリーンに投射する表示制御部とを備え、前記RGB各色用の電気光学パネルのうち、特定の1色用の電気光学パネルは、他の2色用の電気光学パネルに対して、垂直方向及び/又は水平方向に相対的に半画素分ずれた位置に配置される。
【0014】
上記の投射型画像表示装置によれば、表示制御部に使用されるRGB各色の電気光学パネルのうちの1つを、他の2つと相対的に半画素分ずれた位置に配置することにより、ずらした方向における視覚的な解像度を増加することができる。よって、組み合わせ画素を構成することにより低下した解像度を補うことが可能となり、結果として解像度を低下させることなく色むらを補正することが可能となる。
【0015】
好適な例では、前記特定の1色は緑色とすることができる。一般的に、人間の視覚における感度はRGB3色中では緑が高いと言われているので、緑色の電気光学パネルをずらして配置することにより、効果的に解像度を向上させることができると考えられる。
【0016】
本発明の他の観点では、投射型画像表示装置は、上記の色むら補正画像処理装置と、前記RGB各色の表示画像データに応じて駆動されるRGB各色用の電気光学パネルを通過した光を合成してスクリーンに投射する表示制御部とを備え、前記表示制御部は、前記表示画像データに応じた駆動信号により前記電気光学パネルを駆動する駆動手段を備え、前記駆動手段は、前記表示画像データ中の各組み合わせ画素に含まれる画素のうち、変換前の画素の階調値との差が大きい方の割付階調値を有する画素に対応する駆動信号の立ち上がり時のレベルを増加させるレベル補正を行う。
【0017】
上記の投射型画像表示装置によれば、表示制御部は表示画像データに応じた駆動信号により駆動される電気光学パネルを有する。液晶パネルなどの電気光学パネルは入力駆動信号に対する応答の遅れを有するものであり、それは表示画素の階調値の変化が大きい場合により顕著となる。表示画像データ中の組み合わせ画素に含まれる2つの割付階調値のうち、元の画素の階調レベルとの相違が大きい方の画素はそのような応答の遅れの影響を受けやすいので、その画素については駆動信号のレベルを増加させるレベル補正を適用することにより、応答を改善し、表示品質を改善することができる。
【0018】
本発明の他の観点では、表示制御部を備える投射型画像表示装置において実行される色むら補正画像処理方法は、RGB各色の画像データにより構成されるソース画像データを受け取る入力工程と、前記RGB各色の画像データについて、当該画像データを構成する各画素に対して当該画素の階調値に応じて2種類の異なる割付階調値を割り付ける階調割付工程と、前記各画素を、前記2種類の異なる割付階調値を有する複数の画素を隣接配置してなる組み合わせ画素に変換する画素変換工程と、前記組み合わせ画素からなるRGB各色の表示画像データを前記表示制御部に出力する出力工程と、を備える。この色むら補正画像処理により、表示される組み合わせ画素は異なるグレーレベルを隣接表示されることになり、投射型画像表示装置に使用される液晶パネルなどの視野角依存性を改善することができ、その結果、色むらの発生を抑制することができるようになる。
【0019】
本発明の他の観点では、表示制御部を備える投射型画像表示装置に搭載されるコンピュータにより実行される色むら補正画像処理プログラムは、RGB各色の画像データにより構成されるソース画像データを受け取る入力手段、前記RGB各色の画像データについて、当該画像データを構成する各画素に対して当該画素の階調値に応じて2種類の異なる割付階調値を割り付ける階調値割付手段、前記各画素を、前記2種類の異なる割付階調値を有する複数の画素を隣接配置してなる組み合わせ画素に変換する画素変換手段、前記組み合わせ画素からなるRGB各色の表示画像データを前記表示制御部に出力する出力手段、として前記コンピュータを機能させる。この色むら補正画像処理プログラムを前記コンピュータ上で実行することにおり、上述の色むら補正画像処理装置を容易に実現することが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0021】
[第1実施形態]
まず、本発明の画像表示装置の第1実施形態に係る液晶プロジェクタについて説明する。図1に第1実施形態に係る液晶プロジェクタ10の概略構成を示す。液晶プロジェクタ10は、パーソナルコンピュータ、VTRなどの画像ソース7からカラー画像データを入力し、図示しないスクリーン上にカラー画像を表示する。図示のように、液晶プロジェクタ10は、制御部12及びライトバルブ15を備える。制御部12はCPU13と、プログラムROM14を備える。プログラムROM14は、液晶プロジェクタ10が実行する各種の処理に対応する処理プログラムを記憶しており、CPU13はプログラムROM14に記憶された各種処理プログラムを実行することにより、液晶プロジェクタ10の動作を制御する。本発明による色むら補正のための色むら補正画像処理も、プログラムROM14に予め記憶されている色むら補正画像処理プログラムをCPU12が実行することにより実現される。
【0022】
図2に、ライトバルブ15の構成例を示す。図2において、5431は光源、5442,5444はダイクロイックミラー、5443,5448,5449は反射ミラー、5445は入射レンズ、5446はリレーレンズ、5447は出射レンズ、100R,100G,100BはRGB各色の液晶パネルであり、5451はクロスダイクロイックプリズム、5437は投射レンズを示す。光源5431はメタルハライド等のランプ5440とランプの光を反射するリフレクタ5441とからなる。青色光・緑色光反射のダイクロイックミラー5442は、光源5431からの光束のうちの赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光は反射ミラー5443で反射されて、赤色光用液晶パネル100Rに入射される。一方、ダイクロイックミラー5442で反射された色光のうち緑色光は緑色光反射のダイクロイックミラー5444によって反射され、緑色光用液晶パネル100Gに入射される。
【0023】
一方、青色光は第2のダイクロイックミラー5444も透過する。青色光に対しては、長い光路による光損失を防ぐため、入射レンズ5445、リレーレンズ5446、出射レンズ5447を含むリレーレンズ系からなる導光手段が設けられ、これを介して青色光が青色光用液晶パネル100Bに入射される。各液晶パネルにより光変調された3つの色光はクロスダイクロイックプリズム5451に入射する。このプリズムは4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤光を反射する誘電体多層膜と青光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ5437によってスクリーン5452上に投射され、画像が拡大されて表示される。
【0024】
次に、本発明による色むら補正の原理について図3を参照して説明する。本発明では、液晶プロジェクタ10により表示すべきソース画像の1画素中について2種類のグレーレベルを表示することにより、液晶パネル100の視野角依存性を改善し、色むらの発生を抑制する。液晶パネル、特にTN(Twisted Nematic)液晶は視野角が狭いが、上下、左右方向に異なる階調の画素を表示することで視野角を改善できることが知られている(IBM文献)。
【0025】
この考え方を応用し、ソース画像データ中に含まれる各画素について、その画素を元の階調値でそのまま表示するのではなく、図3(a)に示すように、2つの異なるグレーレベルの画素の集合として表示する。このように、ある階調値を有する1画素を2つの異なるグレーレベルを有する4画素(以下、これらの画素の階調値を「割付階調値」と呼ぶ。)の集合(「組み合わせ画素」とも呼ぶ。)として表示することにより、液晶パネル100の視野角依存性を改善し、色むらの発生を抑制することができる。
【0026】
例えば図3(b)に示すように、表示の対象となる画素の階調値が0〜255の範囲の127であると仮定すると、この1つの画素を階調値が「0」である2つの画素と、階調値が「255」である2つの画素により構成される組み合わせ画素として表示する(この処理を「画素の変換」とも呼ぶ。)。一般化すれば、表示の対象となる画素の階調値がXである場合、階調値が「0」である2つの画素と、階調値が「2X」である2つの画素により構成される組み合わせ画素として表示する。これにより、各画素毎に視野角依存性を改善することができる。
【0027】
次に、本実施形態による色むら補正画像処理の流れを図4を参照して説明する。図4は、第1実施形態の色むら補正画像処理の概略フローチャートである。なお、この処理は、前述のCPU13が色むら補正プログラムを実行することにより行われる。
【0028】
まず、液晶プロジェクタ10は、外部の画像ソース7から表示すべきソース画像データを受け取る(ステップS2)。受け取ったソース画像データは制御部12に送られる。CPU13は、色むら補正画像処理プログラムに従い、ソース画像データの1画素毎に、割付階調値を算出する(ステップS4)。図3(b)の例では、CPU13はソース画像データ中の階調値が127である1画素について、割付階調値「0」及び「255」を算出することになる。そして、CPU13は、各割付階調値を有する2つの画素(合計4画素)により構成される組み合わせ画素をライトバルブ15へ出力する。図3(b)の例では、CPU13は割付階調値「0」及び「255」の組み合わせからなる4画素のデータをライトバルブ15へ出力することになる。そして、ライトバルブ15は入力された画素データを液晶パネル100R、100G、100Bを利用してスクリーンに表示する。
【0029】
以上のように、本実施形態によれば、表示すべきソース画像データの1画素を、2つのグレーレベルを有する画素の組み合わせにより構成し、表示するので、ライトバルブ15内の液晶パネル100の視野角依存性を改善し、それによって色むらの発生を抑制することができる。
【0030】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態と同様に、ソース画像データの1画素を異なる2種類のグレーレベルを有する画素の組み合わせとして表示する。但し、解像度の低下を防止するために、ライトバルブ15内の3色の液晶パネル100R、100G、100Bの相対位置(アライメント)を調整する。
【0031】
第1実施形態では、ソース画像データ中の1画素を、図3に示すように、異なる2種のグレーレベルを有する2つの画素づつ、つまり合計4画素からなる組み合わせ画素として表示する。よって、表示画像自体としては、4つの表示画素でソース画像データの1画素を表現していることになり、実質的に表示画像の解像度は縦方向及び横方向ともにソース画像の1/2となる。そこで、本実施形態では、表示すべき画像データは第1実施形態と同様に生成するが、ライトバルブ15内のRGB3色の液晶パネル100のうち1色の液晶パネルの位置を他の2色の液晶パネルに対して相対的に1/2画素分ずらす。これにより、ソース画像データの色むら補正画像処理により1/2となった解像度を増加させて、元のソース画像の解像度に戻すことができる。以下、この手法について図5を参照して詳しく説明する。
【0032】
通常、液晶プロジェクタ10により出力される(スクリーンに投射される)表示画像の1画素は、RGB3色の画素の合成として構成されている。RGB各色の画素のアライメントが一致しているときには、その画素は図5(a)に示すように白の画素として表示される。この状態を説明の便宜上、図5(a)のようにRGBの各画素を横方向に整列させて示す。即ち、RGB各色の画素の垂直方向のアライメントが一致している(ずれがない)場合には、図5においてはRGB各色の画素を水平方向に整列して示す。RGB各色の画素のアライメントが一致していれば、実際の表示画素はそれらの重ね合わせとして表示され、白となる。
【0033】
一方、図5(b)に示すように、例えばRGB3色の画素のうちG(緑)の画素が、他の2色の画素に対して垂直方向に半画素分ずれている場合、人間の眼には、図5(b)の左側に示すように、3つの画素として認識される。即ち、いずれか1色分の画素の位置を他の2色の画素に対して半画素分相対的にずらすことにより、解像度を改善することができる。
【0034】
図5(c)に示すように、第1実施形態と同様の色むら補正画像処理により表示すべき画素を2つのグレーレベル(斜線の画素は暗い画素、斜線のない画素は明るい画素であるとする)の画素で表現し、かつ、上記の考え方に基づいてRGB3色のうちG(緑)の画素のみを他の2色の画素に対して半画素分垂直方向にずらしてやると、明るさのレベルとしては1〜4の4レベルが得られ(1が最も明るい)、垂直方向の解像度が増加する。各色の画素のグレーレベルの配列は、図5(c)では上から明るい、暗い、明るいの3画素が垂直方向に並んでいる部分を例示した。しかし、図5(d)に示すように、暗い、明るい、暗いの3画素が垂直方向に並んでいる部分でも、同様に解像度が増加する。
【0035】
なお、このように液晶パネルのアライメントを半画素分シフトすることにより垂直方向における解像度が増加するのであるが、各色の液晶パネルに表示する画素は第1実施形態の図3の例で示したように、水平方向においても暗い、明るい、暗いという2種類のグレーレベルの繰り返しとなっているので、実際には図5(e)に示すように水平方向にも暗い、明るいという2つの異なるグレーレベルの画素部分が配置されることになり、水平方向にも視野角依存性が改善される効果は維持される。なお、図5の例のように、ライトバルブ15内の1色分(例えばG(緑)色)の液晶パネルのアライメントを垂直方向にのみ半画素分シフトすると水平方向の解像度は1/2のままとなるが、同じ1色の液晶パネルを同時に水平方向にも半画素分シフトすれば、垂直方向及び垂直方向の両方向における解像度を増加させることができる。
【0036】
このように、本実施形態では、第1実施形態と同様に、色むら補正画像処理により1画素を2つのグレーレベルの2画素の組み合わせとして表現し、それに加えて、ライトバルブ15内の3色の液晶パネルのうち1色の液晶パネルの相対位置を他の2色に対して半画素分ずらす(シフトする)ことにより、視野角依存性を改善して色むらを抑制しつつ、解像度の低下も防止することができる(厳密には、色むら補正画像処理により解像度が低下するが、その低下分を、液晶パネルのアライメントを半画素分シフトすることにより補うことになる)。
【0037】
具体的には、2つのグレーレベルの画素を使用する色むら補正画像処理により、ライトバルブ15内の3色の液晶パネル100R、100G、100Bは、図6に示すように、それぞれ明るい画素、暗い画素の繰り返しを含むようになる。よって、図7(a)又は図7(b)に模式的に示すように、例えばG(緑)色の液晶パネル100Gを他の2色の液晶パネル100R及び100Bに対して上下方向のいずれかに半画素分ずらしてライトバルブ15内に配置すればよい。なお、図7(a)及び(b)は、図2におけるスクリーン5452の方向から図2の紙面と同一面上で液晶パネル100G方向を見た状態を模式的に示す図である。
【0038】
第2実施形態では、上述のようにライトバルブ15内の3色の液晶パネルのうち、特定の1色の液晶パネルを他の2色に対して相対的に半画素分シフトさせる点、即ち、ライトバルブ15内の構造が第1実施形態と異なるのみであり、液晶プロジェクタ10内の制御部12で実行される色むら補正画像処理は第1実施形態と同様である。また、半画素分シフトさせる液晶パネルの色についてであるが、人間の視覚感度がRGB3色のうち緑色に対して最も高いことを考慮し、緑色(G)の液晶パネル100Gを他の2色の液晶パネルに対してシフトすれば、人間の視覚により認識される解像度の改善の程度はより高くなるものと考えられる。
【0039】
以上のように、第2実施形態によれば、第1実施形態における色むら補正画像処理により色むらの発生を抑制しつつ、ライトバルブ内の各色の液晶パネルのアライメントを調整することにより、解像度の低下も抑制することができる。
【0040】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態は、第1及び第2実施形態において行われる色むら補正画像処理において、2種類のグレーレベルを有する割付階調値を決定する際に、ライトバルブ15内に使用される液晶パネルの表示特性、具体的にはγ特性(トーン特性)を考慮するものである。
【0041】
図8(a)にTN方式液晶パネルのγ特性(トーン特性)例を示す。横軸は256階調の入力階調値(0〜255)であり、縦軸は256階調の出力階調値(0〜255)である。また、図中の特性70は黒色に近い画素に対する割付階調値を決定するための特性であり、特性72は白色に近い画素に対する割付階調値を決定するための特性である。例えば、図8(b)に示すように、ソース画像中の特定の画素の階調値がX(X<127、即ち白に近いグレー)であるとすると、これを割付階調値Xw(白より)とXb(黒より)の2種類のグレーレベルに割り付ける。また、図8(c)に示すように、ソース画像中の特定の画素の階調値がY(Y>127、即ち黒に近いグレー)であるとすると、これを割付階調値Yw(白より)とYb(黒より)の2種類のグレーレベルに割り付ける。これにより、ライトバルブ15内に設けられる液晶パネルの表示特性に適合した割付階調値を決定することができる。
【0042】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態は、第1及び第2実施形態において、表示対象となる特定の画素に対して決定される割付階調値のうち、ソース画像中の画素の階調値との相違が大きい方の画素については、その画素を表示する際の画像信号にレベル補正を適用するものである。
【0043】
画像表示装置としての液晶パネルは、液晶分子の配向の変化により画像の明暗を表示するという性質上、応答が遅いという欠点がある。例えば図9(a)に示すように急峻なレベル変化を有する入力信号Siにより液晶パネルの画素を駆動した場合でも、液晶分子の配向は時間的に緩やかに変化するため、信号Soで示す画素の階調レベルの変化には応答の遅れが生じる。そこで、液晶パネルの駆動回路に供給する入力信号波形にレベル補正を行い、応答を改善する手法が知られている。即ち、図9(b)に示すように、入力信号Siに対して、所定期間(例えば画像データの1フレーム分)にわたりレベルを増加した信号Scを生成し、この信号Scで液晶パネルを駆動することにより、液晶パネルの応答を改善することができる。このような手法は、例えば、特許第3305240号に記載されている。
【0044】
本実施形態では、上記の手法を利用し、元の画像データの階調値から変化の大きい方の画素の駆動信号に上記のレベル補正を適用する。図10に第4実施形態による液晶プロジェクタ10aの構成を示す。本実施形態の液晶プロジェクタ10aは、第1実施形態の液晶プロジェクタ10に対して、フレームメモリ16及び補正表示画像信号演算手段17を設けて構成される。フレームメモリ16は、画像ソース7からのソース画像信号を1フレーム分遅延させて補正表示画像信号演算手段17に供給する。また、画像ソース7からは、遅延のないソース画像信号も補正表示画像信号演算手段17に供給される。補正表示画像信号演算手段17は、例えばソース画像信号と1フレーム分遅延されたソース画像信号とに応じて設定された補正レベル量を記憶したルックアップテーブル(LUT)とすることができ、画像ソース7及びフレームメモリ16からの入力に応じて、補正レベル量をライトバルブ15へ供給する。その結果、ライトバルブ15はレベル補正後の駆動信号(図9(b)の出力Soを参照)で液晶パネルを駆動するので、応答が改善される。
【0045】
液晶パネルの応答の遅れは、表示すべき画素の階調レベル変化が大きいほど無視できなくなる。本実施形態では、このレベル補正を、色むら補正画像処理により生成される2種類の割付階調値の画素のうち、ソース画像の画素の階調値との相違が大きい割付階調値を有する方の画素について適用する。例えば、図8(b)に示す場合、ソース画像の特定の画素の階調値はXであり、色むら補正画像処理により生成される2種類の画素の割付階調値はそれぞれXw及びXbである。ソース画像の画素の階調値Xは白に近いので、黒に近い方の割付階調値Xbに対応する画像信号(液晶パネルを駆動するための駆動信号)に対してはレベル補正を行って応答を改善する。一方、階調値の相違の小さい割付階調値Xwに対応する画像信号にはレベル補正は行わない。同様に、図8(c)の例では、割付階調値Ywに対応する駆動信号に対してはレベル補正を行って応答を改善し、割付階調値Ybに対応する画像信号に対してはレベル補正は行わない。これにより、ソース画像の画素の階調値からの変化の大きい方の割付階調値にレベル補正を適用して、応答を改善し、表示品質を向上させることができる。
【0046】
図11に、本実施形態における色むら補正画像処理のフローチャートを示す。図11において、まず、液晶プロジェクタ10aは画像ソース7からソース画像データを受け取り(ステップS12)、その各画素について割付階調値を算出する(ステップS14)。なお、この際の割付階調値の算出は、第1実施形態のように対象となる画素の階調値の2倍としてもよいし、第3実施形態のように液晶パネルのγ特性を考慮して決定してもよい。
【0047】
次に、液晶プロジェクタ10a内の補正表示画像信号演算手段17がレベル補正量を決定して補正表示画像信号を生成する(ステップS16)。そして、レベル補正を行う方の画素については生成された補正表示画像信号が補正表示画像信号演算手段17からライトバルブ15へ供給され、レベル補正を行わない方の画素については、制御部12から表示画像信号がライトバルブ15へ供給される(ステップS18)。ライトバルブ15は入力された画像信号に基づいて液晶パネル100を駆動して、画像を表示する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態による液晶プロジェクタの概略構成を示す。
【図2】ライトバルブの概略構成を示す。
【図3】第1実施形態による色むら補正画像処理の説明図である。
【図4】第1実施形態による色むら補正画像処理のフローチャートである。
【図5】第2実施形態による色むら補正画像処理例の説明図である。
【図6】第2実施形態による液晶パネルの画素配列例を示す。
【図7】第2実施形態による液晶パネルの相対配置例を模式的に示す。
【図8】第3実施形態による色むら補正画像処理の説明図である。
【図9】第4実施形態によるレベル補正の概略を説明する図である。
【図10】第4実施形態による液晶プロジェクタの概略構成を示す。
【図11】第4実施形態による色むら補正画像処理のフローチャートである。
【符号の説明】
7 画像ソース、 10 液晶プロジェクタ、 12 制御部、
13 CPU、 14 プログラムROM、15 ライトバルブ、
16 フレームメモリ、 17 補正表示画像信号演算手段
Claims (10)
- 表示制御部を備える投射型画像表示装置に搭載される色むら補正画像処理装置において、
RGB各色の画像データにより構成されるソース画像データを受け取る入力手段と、
前記RGB各色の画像データについて、当該画像データを構成する各画素に対して当該画素の階調値に応じて2種類の異なる割付階調値を割り付ける階調値割付手段と、
前記各画素を、前記2種類の異なる割付階調値を有する複数の画素を隣接配置してなる組み合わせ画素に変換する画素変換手段と、
前記組み合わせ画素からなるRGB各色の表示画像データを前記表示制御部に出力する出力手段と、を備えることを特徴とする色むら補正画像処理装置。 - 前記階調値割付手段は、前記各画素について、当該画素の階調値より大きい第1の割付階調値と、当該画素の階調値より小さい第2の割付階調値とを割り付けることを特徴とする請求項1に記載の色むら補正画像処理装置。
- 前記第1の割付階調値と前記第2の割付階調値の和の1/2は、前記画素の階調値と等しいことを特徴とする請求項2に記載の色むら補正画像処理装置。
- 前記階調値割付手段は、前記表示制御部に使用される電気光学パネルの表示特性に基づいて前記割付階調値を決定することを特徴とする請求項2に記載の色むら補正画像処理装置。
- 前記画素変換手段は、前記第1の割付階調値を有する2つの画素と、前記第2の割付階調値を有する2つの画素とをそれぞれ対角線方向に配置した合計4画素からなる組み合わせ画素を生成することを特徴とする請求項2に記載の色むら補正画像処理装置。
- 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の色むら補正画像処理装置と、
前記RGB各色の表示画像データに応じて駆動されるRGB各色用の電気光学パネルを通過した光を合成してスクリーンに投射する表示制御部とを備え、
前記RGB各色用の電気光学パネルのうち、特定の1色用の電気光学パネルは、他の2色用の電気光学パネルに対して、垂直方向及び/又は水平方向に相対的に半画素分ずれた位置に配置されていることを特徴とする投射型画像表示装置。 - 前記特定の1色は緑色であることを特徴とする請求項6に記載の投射型画像表示装置。
- 請求項2乃至5のいずれか一項に記載の色むら補正画像処理装置と、
前記RGB各色の表示画像データに応じて駆動されるRGB各色用の電気光学パネルを通過した光を合成してスクリーンに投射する表示制御部とを備え、
前記表示制御部は、前記表示画像データに応じた駆動信号により前記電気光学パネルを駆動する駆動手段を備え、
前記駆動手段は、前記表示画像データ中の各組み合わせ画素に含まれる画素のうち、変換前の画素の階調値との差が大きい方の割付階調値を有する画素に対応する駆動信号の立ち上がり時のレベルを増加させるレベル補正を行うことを特徴とする投射型画像表示装置。 - 表示制御部を備える投射型画像表示装置において実行される色むら補正画像処理方法において、
RGB各色の画像データにより構成されるソース画像データを受け取る入力工程と、
前記RGB各色の画像データについて、当該画像データを構成する各画素に対して当該画素の階調値に応じて2種類の異なる割付階調値を割り付ける階調値割付工程と、
前記各画素を、前記2種類の異なる割付階調値を有する複数の画素を隣接配置してなる組み合わせ画素に変換する画素変換工程と、
前記組み合わせ画素からなるRGB各色の表示画像データを前記表示制御部に出力する出力工程と、を備えることを特徴とする色むら補正画像処理方法。 - 表示制御部を備える投射型画像表示装置に搭載されるコンピュータにより実行される色むら補正画像処理プログラムであって、
RGB各色の画像データにより構成されるソース画像データを受け取る入力手段、
前記RGB各色の画像データについて、当該画像データを構成する各画素に対して当該画素の階調値に応じて2種類の異なる割付階調値を割り付ける階調値割付手段、
前記各画素を、前記2種類の異なる割付階調値を有する複数の画素を隣接配置してなる組み合わせ画素に変換する画素変換手段、
前記組み合わせ画素からなるRGB各色の表示画像データを前記表示制御部に出力する出力手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とする色むら補正画像処理プログラム。
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