JP2004224585A - 単結晶の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】単結晶のテール部と融液との離間を確実に検出し、全工程にわたって自動制御を可能とする単結晶の製造方法ならびに製造装置を提供する。
【解決手段】チョクラルスキー法によりルツボ内の原料融液から直胴部を有する単結晶を引き上げ、前記直胴部を徐々に縮径してテール部を形成した後に前記原料融液から離間させる単結晶の製造方法において、前記テール部が前記原料融液から離間したことを前記単結晶の重量変化量から検出する。好ましくは、単結晶の重量変化量が0となった時に単結晶とルツボとの間に電圧を印加し、前記単結晶のテール部が前記原料融液から離間したことを前記単結晶とルツボとの間に電流が流れなくなることにより検出する。
【選択図】 図3
【解決手段】チョクラルスキー法によりルツボ内の原料融液から直胴部を有する単結晶を引き上げ、前記直胴部を徐々に縮径してテール部を形成した後に前記原料融液から離間させる単結晶の製造方法において、前記テール部が前記原料融液から離間したことを前記単結晶の重量変化量から検出する。好ましくは、単結晶の重量変化量が0となった時に単結晶とルツボとの間に電圧を印加し、前記単結晶のテール部が前記原料融液から離間したことを前記単結晶とルツボとの間に電流が流れなくなることにより検出する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はチョクラルスキー法(Czochralski Method 、略してCZ法、または引上げ法とも称する)による単結晶の製造方法及びその製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
CZ法によりシリコン単結晶を製造する際に使用する単結晶製造装置は、一般的に図4に示されるように構成されている。この単結晶製造装置40は、原料融液6を収容するルツボ1や発熱体(ヒータ)5を備えたメインチャンバー2と、原料融液6から引き上げた単結晶棒3を収容し、それを取り出すためのプルチャンバー4を有している。
【0003】
ルツボ1は、内側の石英ルツボと外側の黒鉛ルツボとからなり、ペデスタル7上に載置されて、下方に設けられたルツボ制御手段8により回転軸9を介して回転させながら昇降を行うことができるようになっている。ルツボ1の周囲には黒鉛材からなる発熱体5が配設されている。
また、メインチャンバー2の上方には、シリコン単結晶を所定の直径に制御して引き上げるために、育成中の単結晶棒3の直径を測定するための光学系装置(CCDカメラ)11を備えた直径測定器が設けられている。
【0004】
プルチャンバー4は、育成した単結晶を取り出すことができるように開放可能に構成されており、上方には、ワイヤー13(またはシャフト)を介して単結晶3を回転させながら引き上げる結晶引き上げ手段12が設置されている。
【0005】
このような装置40を用いてシリコン単結晶を製造するには、まず、原料である多結晶シリコンをルツボ1内に充填し、チャンバー2,4内をアルゴンガス雰囲気とした後、発熱体5で加熱して原料融液6とする。この後、上方より静かにワイヤー13を下降し、ワイヤー13下端のホルダー14に吊された、直径あるいは1辺が10〜20mm程度の円柱または角柱状の種結晶15を融液面10に着液させる。
【0006】
次いで、種結晶15を回転させながら単結晶を成長させるが、熱衝撃により種結晶に生じるスリップ転位や種結晶中に存在する転位を消滅させるため、種結晶15を回転させながら上方に静かに引上げて徐々に直径を細くするネッキングを行う。このネッキングでは、最小直径が3〜5mm程度になるまで絞り込みを行い、ネック部の長さが10〜20mm程度に達し、スリップ転位が完全に除去できたら引上げ速度と融液温度を調整して絞り部分を拡径し、単結晶棒のコーン部の育成に移行する。コーン部を所定の直径まで拡径した後、再度引上げ速度と融液温度を調整して単結晶棒の直胴部の育成に移る。
なお、単結晶の成長に伴って原料融液が減り、融液面10が下がるのに合わせてルツボ1を上昇させることで単結晶育成中の融液面10のレベルを一定に保ち、育成中の単結晶棒3が所定の直径となるように調整される。
【0007】
直胴部は、ウエーハの収率を高めるため、一定の直径とする必要があり、単結晶育成中は単結晶と融液との融液面境に生じる輝環(フュージョンリング)を光学系装置11により測定し、この測定値に基づいて、直胴部の直径がほぼ一定の値を維持して育成されるように、発熱体5の出力、単結晶の引上げ速度、ルツボ1の上昇速度等が制御される。
【0008】
直胴部を所定の長さになるまで成長させたら、結晶成長界面に存在した融液と単結晶間の熱平衡が崩れて結晶に急激な熱衝撃が加わり、スリップ転位や異常酸素析出等の品質異常が発生するのを防止するため、直径を直胴部から徐々に縮径して円錐状のテール部(丸め部)を形成した後、シリコン融液から単結晶の切り離し(離間)が行われる。その後、急激な温度変化が単結晶に加わらないように、徐々に融液面から距離を取りながら単結晶の温度を降下させ、常温付近まで下がったところで単結晶棒をプルチャンバー4から取り出し、シリコン単結晶の育成を終了する。
【0009】
昨今、このような一連のシリコン単結晶の育成工程において融液面10への種結晶15の着液から単結晶棒の直胴部の育成を経て、テール部の形成に至るまで自動化され、殆ど作業者の介入を必要とせずに単結晶棒の育成が可能となっている。
例えばCCDカメラを用いて直径を精度良く測定する装置なども提案されており(特許文献1及び特許文献2参照。)、高精度な自動制御が可能となっている。
【0010】
しかし、テール部の形成後、最終的に単結晶を融液面から切り離す段階の自動化は困難であった。特に、単結晶を融液面から切り離す際、単結晶棒に加わる熱衝撃の影響を小さくするために、テール部の直径を十分小さくしてから切り離す必要がある。さらに、テール部の長さは、このテール部の形成に伴う発熱体の熱の影響で直胴部に生じる異常な酸素析出を抑制するためにも所定の長さが必要とされる。すなわち、結晶の品質面から、テール部を所定の形状に制御した後、融液から離間する必要がある。
【0011】
そこで、近年、育成された単結晶のテール部が原料融液から離間したことを融液表面の温度変化から検出する方法が提案され(特許文献3参照。)、この方法は、メインチャンバーの上方に設けた温度センサーによりシリコン融液表面の温度を検出し、時間に対する温度変化量が急激に増大したときに単結晶のテール部が融液から離間したことを検出することができるというものである。
【0012】
【特許文献1】
特開平6−166590号公報
【特許文献2】
特公平7−26817号公報
【特許文献3】
特開2000−26197号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、融液表面の温度変化を検出する方法では、単結晶が融液表面から離間してから融液表面の温度が上昇するまでの間に時間遅れがあるという問題があった。また、炉内構造物が融液表面を遮り、温度センサーの設置場所に制約があるという問題があった。
【0014】
一方、単結晶のテール部が融液から離間したことを検出する他の方法として、例えば単結晶の成長界面に生じる輝環をCCDカメラなどの2次元カメラを用いた光学系装置により取り込み、画像を暗部と明部に2値化する画像処理を施して自動的に検出する方法が考えられる。しかしながら、テール部の形状は逆円錐形をしているため、チャンバー上部に取付けられた2次元カメラでは、テール部の形成が進んだ後半は輝環が単結晶の直胴部に隠れて撮影することができなくなったり、あるいは成長界面を上方斜めから撮影するため、輝環が不規則に歪み、テール部先端の形状や、融液面から離間したことを正確に捉えることは極めて困難であった。特に、昨今の結晶直径が200mm以上となるような大口径化に伴い、テール部の形成においては輝環がますます直胴部に隠れてしまうため検出が極めて困難となる。
【0015】
また、単結晶のテール部の育成のころにはルツボ内の融液量はかなり少なくなり、石英ルツボの壁および逆円錐形に形成されたテール部の尾部それ自体が融液面に映り込み、融液面に輝環とほぼ同程度の明るい部分が融液面上に現れる。この影響により2次元カメラで画像を取り込み2値化処理して制御を行う方法では、融液面での映り込み像と輝環の区別ができなくなり、制御不可能な状態に陥りやすいという問題がある。
【0016】
これらの問題により、テール部形成工程の後半からテール部を融液から切り離すまでの間は、作業者がチャンバー内を観察して結晶の離間を確認するなど、作業者の手動操作が行われており、全工程を通じてシリコン単結晶育成作業を自動化するのに大きな妨げとなっていた。
【0017】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、単結晶のテール部と融液との離間を確実に検出し、全工程にわたって自動制御を可能とする単結晶の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明によれば、チョクラルスキー法によりルツボ内の原料融液から直胴部を有する単結晶を引き上げ、前記直胴部を徐々に縮径してテール部を形成した後に前記原料融液から離間させる単結晶の製造方法において、前記テール部が前記原料融液から離間したことを前記単結晶の重量変化量から検出することを特徴とする単結晶の製造方法が提供される(請求項1)。
【0019】
このように、育成した単結晶の融液面からの離間を重量変化量から検出するようにすれば、従来の融液表面の温度変化から検出する場合に生じる検出の遅延の問題や、温度センサーの設置場所の制約を受ける問題もなく、融液と結晶との離間を確実に、かつ迅速に検出することができる。従って、単結晶棒のテール部の離間に際し、作業者が常にチャンバー内を観察して結晶と融液との離間を確認する作業は不要となり、融液に種結晶を着液してから育成された単結晶棒が融液から離間するまでの全工程を完全に自動化することもできる。また、結晶離間後も人手を介することなく自動的に次工程へ引上げ機の設定を移行させることも可能となり、作業者の負担を軽減することができる。
【0020】
この場合、引き上げ中の単結晶の重量を検出し、単位時間あたりまたは単位長さあたりの重量変化量を演算して求め、単位時間または単位長さに対する重量変化量が0となった時をもって前記テール部が前記原料融液から離間したと判断することが好ましい(請求項2)。
【0021】
単結晶棒のテール部は直胴部から徐々に縮径して形成されるため、テール部の育成につれて融液と単結晶の接触面積が少しずつ減少し、重量の増加量も減少する。そして、テール部の形成が終了してシリコン融液から切り離されると、結晶重量の変化量が0となる。従って、時間軸または結晶の長さ軸に対する結晶の重量変化量の変曲点を捉らえれば、単結晶棒が融液から離間したことをより的確に判断することができる。
【0022】
さらに、前記単結晶の重量変化量が0となった時に単結晶とルツボとの間に電圧を印加し、または電流を流し、前記単結晶のテール部が前記原料融液から離間したことを前記単結晶とルツボとの間に電流が流れなくなることにより検出することが好ましい(請求項3)。
【0023】
直径が200mm以上、特に300mmの大口径の結晶を製造する場合には、結晶重量が200〜300kgにもなるため、結晶重量を検出するためのセンサーもそれに応じて高重量まで測定できる仕様とする必要がある。しかし、このような重量検出センサーの場合、検出分解能が低下することになるため、結晶が融液からまだ離間していないときでも重量変化量を0と誤検出してしまうおそれがある。そこで、上記のように単結晶の重量変化量が0となった時に単結晶とルツボとの間に直流あるいは交流の電圧を印加し、または直流あるいは交流の電流を流し、電流の流れが絶たれたことを検出することで、テール部が融液から離間したことを、より的確にかつ確実に検出することができる。
【0024】
また、単結晶の重量変化量が0となった時から所定時間経過後に前記単結晶のテール部が前記原料融液から確実に離間したと判断することもできる(請求項4)。
単結晶の重量変化量が0となったことを検出しても、特に高重量の単結晶の場合、実際にはテール部が融液から離間していないことがあるが、重量変化量が0となった時から所定時間、例えば数十分経過した後に単結晶のテール部が融液から離間したと判断するようにすれば、たとえ直径が300mm以上の大口径結晶を製造する場合にも単結晶のテール部が融液から離れたことを確実に判断することができる。
【0025】
また、前記単結晶のテール部が前記原料融液から離間したことを警報により作業者に知らせるようにすることが好ましい(請求項5)。
例えば、単結晶の単位時間または単位長さに対する重量変化量が0となった時、あるいはさらに単結晶とルツボとの間に電流が流れなくなった時、あるいは重量変化量が0となった時から所定時間経過後に警報音を吹鳴させるようにすれば、作業者が常に監視しなくてもテール部が原料融液から離間したことを知ることができ、作業負担を一層軽減することができる。
【0026】
また、本発明では、チョクラルスキー法により原料融液から単結晶を引き上げる際に使用する単結晶製造装置であって、少なくとも、前記原料融液を収容するルツボと前記原料融液を加熱する発熱体とを備えたチャンバーと、ワイヤーまたはシャフトを介して前記単結晶を回転させながら引き上げる結晶引き上げ手段と、前記ルツボを回転させながら昇降を行うルツボ制御手段とを有し、前記結晶引き上げ手段により引き上げられる単結晶の重量を検出する重量計と、検出した単結晶の重量の単位時間あたりまたは単位長さあたりの重量変化量を演算処理して単結晶のテール部が融液から離間したことを検出する離間検出手段とをさらに備えたことを特徴とする単結晶の製造装置が提供される(請求光6)。
【0027】
このような構成の装置を用いて単結晶を製造すれば、単結晶の重量の単位時間あたりまたは単位長さあたりの重量変化量を演算処理し、重量変化量が0となったことによって単結晶棒の融液からの離間を確実に検出することができる。従って、このような装置を用いて単結晶を育成し、テール部が融液から離間したことを重量変化量により自動的に検出するようにすれば、作業者を介することなく、結晶成長の全工程における自動化を推進することも可能となる。
【0028】
前記重量計としては、ロードセルを好適に使用することができる(請求項7)。
重量計をロードセルとすることにより高精度で安定的に単結晶の重量を検出することができ、信頼性を一層向上させることができる。
【0029】
また、ワイヤーまたはシャフトを通じて前記引き上げ中の単結晶とルツボとの間に電流が流れるように電圧源または電流源を備えることが好ましい(請求項8)。
このように単結晶とルツボとの間に電流を流すような直流あるいは交流の電圧源または直流あるいは交流の電流源を備えた装置とすれば、例えば直径200mm以上、特に300mmの大口径結晶を製造する場合でも、重量変化量が0となったことと、電流の流れが途絶えたことによって、融液から単結晶が離間したことをより正確に検出することができる。
【0030】
また、前記離間検出手段と連動させた警報機をさらに備えた装置とすることが好ましい(請求項9)。
このような警報機をさらに備えたものとすれば、結晶と融液との離間を警報音や警報ランプによって作業者に知らせることができるので、作業者の監視が不要となるとともに、単結晶の製造を一層自動化させることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
単結晶を育成させる場合、単結晶が成長されるに従い単結晶棒の重量が増加することになる。そして、単結晶を融液面から切り離す際、単結晶径を徐々に縮径させて逆円錐状のテール部を形成させることになるが、この時、結晶棒の重量増加は減少することになる。さらに、テール部が融液から離れると単結晶棒の重量増加量は0になる。
本発明者らは、単結晶の育成工程における単結晶棒の重量増加に着目し、単結晶棒と融液面とが離間したときの単結晶棒の急激な重量変化点を、単結晶引上げ終了の判断に利用することができることを見出し、本発明を完成させた。
【0032】
図1は、本発明に係る単結晶製造装置の一例を示したものである。この単結晶製造装置30は、従来の装置と同様、メインチャンバー2内に原料融液6を収容するルツボ1と原料融液を加熱する発熱体5とを備え、ルツボ1を回転させながら昇降を行うルツボ制御手段8とを有している。また、プルチャンバー4の上方には、ワイヤー13を介して単結晶3を回転させながら引き上げる結晶引き上げ手段12を備えており、さらに、結晶引き上げ手段により引き上げられる単結晶の重量を検出する重量計として、ロードセル16が設けられている。また、チャンバー2,4の外には制御装置17が設けられており、この制御装置17は、ロードセル16により検出した単結晶3の重量の単位時間あたりまたは単位長さあたりの重量変化量を演算処理して単結晶3のテール部が融液から離間したことを検出する離間検出手段と、離間検出手段と連動させた警報機が備えられている。
【0033】
さらにこの単結晶製造装置では、ワイヤー13を通じて引き上げ中の単結晶とルツボとの間に電流が流れるように電圧源18が設けられており、電流が流れているか否かを検出するための電流計19と、電圧印加のON/OFFを行うスイッチ機構20が設けられている。
なお、ここで電圧源としたが、電流源に置き換えても良いし、直流であっても交流であっても良いことは言うまでもない。
【0034】
このような単結晶製造装置30を用いて単結晶の育成を行うことで、テール部が原料融液から離間したことを単結晶の重量変化量から検出することができる。
図2(A)(B)は、単結晶を製造する際の育成時間に対する重量変化量をモデル的に示したものである。図2(A)に見られるように、ネック部21を形成した後直胴部23を形成して所定の長さの結晶を得るところは時間の経過とともに結晶の重量は徐々に一定の割合で増加する。そして、テール部24の形成時においては重量増加は緩やかになり、さらにテール部24が融液から離間すると、重量増加は一定となる。ここでの重量増加量は0となる。従って、単結晶を製造する際、育成時間に対して単結晶の重量変化量を常時検出しておけば、テール部24が原料融液から離間したことを単結晶の重量変化量から検出することができる。
【0035】
図2(B)は、引き上げ中の単結晶を、単位時間あたりの重量変化量に換算して示したものである。図2(B)に見られるように、コーン部22の形成時には増加量が急激に上昇し、直胴部形成中は重量増加量は一定となる。テール部の形成時は重量がほぼ飽和し、重量増加量は急激に低下していく。そして、単結晶のテール部が融液から離間すると増加量は0となる。
【0036】
従って、単結晶育成中の単結晶の重量Wを検出し、育成時間をTで表わしたときに、時間軸に対する重量変化量dW/dTを演算して求め、dW/dTの値が急激に0となったときをもって単結晶のテール部が融液から離間したことを判断することができる。なお、結晶の長さは育成時間の経過に応じてほぼ一定に増加するため、結晶の単位長さあたりの重量変化量、すなわち、結晶長さをLとしたとき、長さ軸に対する重量変化量dW/dLを演算して求めることでテール部が融液から離間したことを同様に判断することができる。
【0037】
このように単結晶の重量変化量に基づいてテール部が原料融液から離間したことを検出することができるが、大口径結晶の長尺・高重量仕様のロードセルの場合、小さい値の精度が下がるため、検出分解能が低下する。従って、増加量を0と検出しても実際にはテール部が融液から離間していない場合がある。そこで、重量変化量による検出と電流による検出を併用することでテール部が原料融液から離間したことをより的確に判断することができる。
【0038】
図3はロードセルに接続された制御装置と信号の処理フローを示している。CCDカメラ(光学系)により撮影された画像情報で単結晶棒の直径を求め、この情報を引き上げ速度、温度等の制御系にフィードバックすることにより、各育成工程において単結晶棒の直径を所定の値に制御することができる。そして、テール部の形成(丸め工程)において、ロードセルにより結晶重量を測定するとともに単位時間あたりの結晶重量変化量(dW/dT)を演算する。そして、単結晶の重量変化量が0(dW/dT=0)となった時に、単結晶とルツボとの間に例えば直流12Vの電圧を印加し、電流を測定する。このとき、テール部が融液から離間していないときは育成した単結晶と融液を通して電流が流れるが、離間したときには電流が流れなくなる。従って、電流が流れなくなった時に結晶と融液が離間したことを判断して警報音を発するようにすれば、作業者に確実に知らせることができる。
【0039】
なお、単結晶と石英ルツボ間に電圧を印加して電流を流すことは古くから行われているが、単結晶の品質への影響が考えられ、また、長時間電流を流すと石英ルツボが変形するおそれがある。しかしながら、上記のように結晶の重量変化量が0となった時に電流を流すようにすれば、テール部が融液から離間していなくても、短時間のうちに離間して電流の流れが途絶えることになるため、育成された単結晶や石英ルツボへ与える影響は殆どない。
【0040】
また、電流の有無を検出することのほかに、単結晶の重量変化量が0となった時から所定時間経過後に単結晶のテール部が原料融液から確実に離間したと判断することもできる。例えば、増加量が0となっても実際にはテール部が融液から離間していない場合、増加量が0となってから実際にテール部が融液から離間するまでの時間を予め測っておき、増加量が0となった時から少なくともその時間が経過するところでテール部が融液から確実に離間したと判断することができる。このような方法によれば、結晶と融液との間に電流を流すための装置を設ける必要が無く、簡易に判断することができる。
【0041】
なお、本発明者らによる実験によれば、直径300mmの結晶では、重量変化が0となった時点で直径20mm程度が湯面に接触している状態となっている場合があった。引き上げ速度は品種によって0.4〜1.0mm/min程度であるので、重量変化量が0となった時から引き上げ軸方向に最低30mm上がる時間(30分以上)を経過させた後に単結晶のテール部が融液から離間したと判断すれば良い。
【0042】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
<実施例1>
図1に示したような単結晶引き上げ装置であり、ここでは直径6インチ(150mm)、50kg以下の単結晶引上げ装置を用い、ルツボ中に原料多結晶シリコンを充填し、加熱、溶融後、ワイヤーの下端に保持された種結晶を融液に着液させた。種結晶の温度が融液温度と同程度になった後、融液の温度、引き上げ速度を調整して、ネック部、コーン部、肩部を順に育成し、その後、一定の直径を有する直胴部を形成した。直胴部が所定の長さに達した後、引上げ速度と融液の温度を上げ、結晶径を徐々に減少させてテール部を形成した。
【0043】
テール部の育成工程においては、ロードセルに接続された、コンピュータ内蔵の制御装置により重量変化量dW/dT値を逐一求めるようにした。そして、dW/dT=0(重量変化量が0)になったときを、単結晶のテール部と融液との離間、すなわち単結晶棒の成長終了と判定した。
制御装置が単結晶棒のテール部と融液との離間を判定すると、単結晶棒は、融液面から徐々に距離を取り、急激な温度変化を避けながら単結晶の温度を降下させ、常温付近まで下がったところで単結晶棒をプルチャンバーから取り出し、単結晶の育成を終了した。
【0044】
このように融液への種結晶の着液から単結晶の育成を終了し、単結晶棒を装置から取り出すまでの全工程にわたって無人自動制御が可能となった。
また、製造された単結晶棒は高品質でウエーハ収率の高いものであった。
【0045】
<実施例2>
直径12インチ(300mm)、200kg以上の大口径単結晶、長尺・高重量結晶用の装置においては、ロードセルにより常時結晶重量を検出し制御装置に信号を送り、丸め工程開始時から結晶重量の変化の演算を開始した。
結晶重量の変化が無くなった時(単位時間あるいは単位長さ当たりの結晶重量の増加が0となった時、つまり結晶重量の変化が検出限界以下になったときを示す)を丸め終了付近と判断した。丸め終了付近と判断されてからワイヤーとルツボ間に交流の電圧12Vを印加して流れる電流を検出し、検出電流が流れなくなった時を丸め終了と判断した。
これにより、テール部が融液から離間したことを正確に検出することができた。ここでも融液への種結晶の着液から単結晶の育成を終了し、単結晶棒を装置から取り出すまでの全工程にわたって無人自動制御が可能となった。
また、製造された単結晶棒は高品質でウエーハ収率の高いものであった。
【0046】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は単なる例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、単結晶のテール部が融液から離間したことを、単結晶棒の重量変化量から検出するものであり、特に、直径が200mmを超える大口径で高重量の単結晶を育成する場合には、単結晶の重量変化量が0となった時に単結晶とルツボとの間に電圧を印加して電流が流れなくなることによりテール部が原料融液から離間したことを瞬時に確実に判断することができる。
【0048】
従って、これまで困難とされてきた融液からの単結晶の離間を自動的に検出でき、単結晶製造の全プロセスに亙って無人自動制御による製造も可能となり、例えば、複数の引上げ機を一ヶ所で管理する引上げ装置の集中監視システムの導入に大きく寄与することができる。また昨今、大口径・長尺結晶製造のため、引上げ装置周囲に磁石を配置したMCZ機の導入が進んでいるが、本発明を適用することで、作業者を高磁界内に留めることなく単結晶を製造することができ、作業者の身体への負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る単結晶製造装置の一例を示す概略図である。
【図2】本発明により単結晶を製造する際の育成時間に対する重量変化をモデル的に示した図である。
(A)育成時間に対する結晶重量
(B)育成時間に対する単位時間あたりの重量変化量
【図3】本発明に係る単結晶製造方法の一例を示すフロー図である。
【図4】従来の単結晶製造装置を示す概略図である。
【符号の説明】
1…ルツボ、 2…メインチャンバー、 3…単結晶棒、
4…プルチャンバー、 5…発熱体(ヒーター)、 6…原料融液、
7…ペデスタル、 8…ルツボ回転機構、 9…ルツボ回転軸、
10…融液面、 11…光学系装置(CCDカメラ)、
12…結晶引き上げ回転機構、 13…ワイヤー、 14…ホルダー、
15…種結晶、 16…ロードセル、 17…制御装置、 18…電圧源、
19…電流計、 20…スイッチ機構、 21…ネック部、 22…コーン部、
23…直胴部、 24…テール部。
【発明の属する技術分野】
本発明はチョクラルスキー法(Czochralski Method 、略してCZ法、または引上げ法とも称する)による単結晶の製造方法及びその製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
CZ法によりシリコン単結晶を製造する際に使用する単結晶製造装置は、一般的に図4に示されるように構成されている。この単結晶製造装置40は、原料融液6を収容するルツボ1や発熱体(ヒータ)5を備えたメインチャンバー2と、原料融液6から引き上げた単結晶棒3を収容し、それを取り出すためのプルチャンバー4を有している。
【0003】
ルツボ1は、内側の石英ルツボと外側の黒鉛ルツボとからなり、ペデスタル7上に載置されて、下方に設けられたルツボ制御手段8により回転軸9を介して回転させながら昇降を行うことができるようになっている。ルツボ1の周囲には黒鉛材からなる発熱体5が配設されている。
また、メインチャンバー2の上方には、シリコン単結晶を所定の直径に制御して引き上げるために、育成中の単結晶棒3の直径を測定するための光学系装置(CCDカメラ)11を備えた直径測定器が設けられている。
【0004】
プルチャンバー4は、育成した単結晶を取り出すことができるように開放可能に構成されており、上方には、ワイヤー13(またはシャフト)を介して単結晶3を回転させながら引き上げる結晶引き上げ手段12が設置されている。
【0005】
このような装置40を用いてシリコン単結晶を製造するには、まず、原料である多結晶シリコンをルツボ1内に充填し、チャンバー2,4内をアルゴンガス雰囲気とした後、発熱体5で加熱して原料融液6とする。この後、上方より静かにワイヤー13を下降し、ワイヤー13下端のホルダー14に吊された、直径あるいは1辺が10〜20mm程度の円柱または角柱状の種結晶15を融液面10に着液させる。
【0006】
次いで、種結晶15を回転させながら単結晶を成長させるが、熱衝撃により種結晶に生じるスリップ転位や種結晶中に存在する転位を消滅させるため、種結晶15を回転させながら上方に静かに引上げて徐々に直径を細くするネッキングを行う。このネッキングでは、最小直径が3〜5mm程度になるまで絞り込みを行い、ネック部の長さが10〜20mm程度に達し、スリップ転位が完全に除去できたら引上げ速度と融液温度を調整して絞り部分を拡径し、単結晶棒のコーン部の育成に移行する。コーン部を所定の直径まで拡径した後、再度引上げ速度と融液温度を調整して単結晶棒の直胴部の育成に移る。
なお、単結晶の成長に伴って原料融液が減り、融液面10が下がるのに合わせてルツボ1を上昇させることで単結晶育成中の融液面10のレベルを一定に保ち、育成中の単結晶棒3が所定の直径となるように調整される。
【0007】
直胴部は、ウエーハの収率を高めるため、一定の直径とする必要があり、単結晶育成中は単結晶と融液との融液面境に生じる輝環(フュージョンリング)を光学系装置11により測定し、この測定値に基づいて、直胴部の直径がほぼ一定の値を維持して育成されるように、発熱体5の出力、単結晶の引上げ速度、ルツボ1の上昇速度等が制御される。
【0008】
直胴部を所定の長さになるまで成長させたら、結晶成長界面に存在した融液と単結晶間の熱平衡が崩れて結晶に急激な熱衝撃が加わり、スリップ転位や異常酸素析出等の品質異常が発生するのを防止するため、直径を直胴部から徐々に縮径して円錐状のテール部(丸め部)を形成した後、シリコン融液から単結晶の切り離し(離間)が行われる。その後、急激な温度変化が単結晶に加わらないように、徐々に融液面から距離を取りながら単結晶の温度を降下させ、常温付近まで下がったところで単結晶棒をプルチャンバー4から取り出し、シリコン単結晶の育成を終了する。
【0009】
昨今、このような一連のシリコン単結晶の育成工程において融液面10への種結晶15の着液から単結晶棒の直胴部の育成を経て、テール部の形成に至るまで自動化され、殆ど作業者の介入を必要とせずに単結晶棒の育成が可能となっている。
例えばCCDカメラを用いて直径を精度良く測定する装置なども提案されており(特許文献1及び特許文献2参照。)、高精度な自動制御が可能となっている。
【0010】
しかし、テール部の形成後、最終的に単結晶を融液面から切り離す段階の自動化は困難であった。特に、単結晶を融液面から切り離す際、単結晶棒に加わる熱衝撃の影響を小さくするために、テール部の直径を十分小さくしてから切り離す必要がある。さらに、テール部の長さは、このテール部の形成に伴う発熱体の熱の影響で直胴部に生じる異常な酸素析出を抑制するためにも所定の長さが必要とされる。すなわち、結晶の品質面から、テール部を所定の形状に制御した後、融液から離間する必要がある。
【0011】
そこで、近年、育成された単結晶のテール部が原料融液から離間したことを融液表面の温度変化から検出する方法が提案され(特許文献3参照。)、この方法は、メインチャンバーの上方に設けた温度センサーによりシリコン融液表面の温度を検出し、時間に対する温度変化量が急激に増大したときに単結晶のテール部が融液から離間したことを検出することができるというものである。
【0012】
【特許文献1】
特開平6−166590号公報
【特許文献2】
特公平7−26817号公報
【特許文献3】
特開2000−26197号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、融液表面の温度変化を検出する方法では、単結晶が融液表面から離間してから融液表面の温度が上昇するまでの間に時間遅れがあるという問題があった。また、炉内構造物が融液表面を遮り、温度センサーの設置場所に制約があるという問題があった。
【0014】
一方、単結晶のテール部が融液から離間したことを検出する他の方法として、例えば単結晶の成長界面に生じる輝環をCCDカメラなどの2次元カメラを用いた光学系装置により取り込み、画像を暗部と明部に2値化する画像処理を施して自動的に検出する方法が考えられる。しかしながら、テール部の形状は逆円錐形をしているため、チャンバー上部に取付けられた2次元カメラでは、テール部の形成が進んだ後半は輝環が単結晶の直胴部に隠れて撮影することができなくなったり、あるいは成長界面を上方斜めから撮影するため、輝環が不規則に歪み、テール部先端の形状や、融液面から離間したことを正確に捉えることは極めて困難であった。特に、昨今の結晶直径が200mm以上となるような大口径化に伴い、テール部の形成においては輝環がますます直胴部に隠れてしまうため検出が極めて困難となる。
【0015】
また、単結晶のテール部の育成のころにはルツボ内の融液量はかなり少なくなり、石英ルツボの壁および逆円錐形に形成されたテール部の尾部それ自体が融液面に映り込み、融液面に輝環とほぼ同程度の明るい部分が融液面上に現れる。この影響により2次元カメラで画像を取り込み2値化処理して制御を行う方法では、融液面での映り込み像と輝環の区別ができなくなり、制御不可能な状態に陥りやすいという問題がある。
【0016】
これらの問題により、テール部形成工程の後半からテール部を融液から切り離すまでの間は、作業者がチャンバー内を観察して結晶の離間を確認するなど、作業者の手動操作が行われており、全工程を通じてシリコン単結晶育成作業を自動化するのに大きな妨げとなっていた。
【0017】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、単結晶のテール部と融液との離間を確実に検出し、全工程にわたって自動制御を可能とする単結晶の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明によれば、チョクラルスキー法によりルツボ内の原料融液から直胴部を有する単結晶を引き上げ、前記直胴部を徐々に縮径してテール部を形成した後に前記原料融液から離間させる単結晶の製造方法において、前記テール部が前記原料融液から離間したことを前記単結晶の重量変化量から検出することを特徴とする単結晶の製造方法が提供される(請求項1)。
【0019】
このように、育成した単結晶の融液面からの離間を重量変化量から検出するようにすれば、従来の融液表面の温度変化から検出する場合に生じる検出の遅延の問題や、温度センサーの設置場所の制約を受ける問題もなく、融液と結晶との離間を確実に、かつ迅速に検出することができる。従って、単結晶棒のテール部の離間に際し、作業者が常にチャンバー内を観察して結晶と融液との離間を確認する作業は不要となり、融液に種結晶を着液してから育成された単結晶棒が融液から離間するまでの全工程を完全に自動化することもできる。また、結晶離間後も人手を介することなく自動的に次工程へ引上げ機の設定を移行させることも可能となり、作業者の負担を軽減することができる。
【0020】
この場合、引き上げ中の単結晶の重量を検出し、単位時間あたりまたは単位長さあたりの重量変化量を演算して求め、単位時間または単位長さに対する重量変化量が0となった時をもって前記テール部が前記原料融液から離間したと判断することが好ましい(請求項2)。
【0021】
単結晶棒のテール部は直胴部から徐々に縮径して形成されるため、テール部の育成につれて融液と単結晶の接触面積が少しずつ減少し、重量の増加量も減少する。そして、テール部の形成が終了してシリコン融液から切り離されると、結晶重量の変化量が0となる。従って、時間軸または結晶の長さ軸に対する結晶の重量変化量の変曲点を捉らえれば、単結晶棒が融液から離間したことをより的確に判断することができる。
【0022】
さらに、前記単結晶の重量変化量が0となった時に単結晶とルツボとの間に電圧を印加し、または電流を流し、前記単結晶のテール部が前記原料融液から離間したことを前記単結晶とルツボとの間に電流が流れなくなることにより検出することが好ましい(請求項3)。
【0023】
直径が200mm以上、特に300mmの大口径の結晶を製造する場合には、結晶重量が200〜300kgにもなるため、結晶重量を検出するためのセンサーもそれに応じて高重量まで測定できる仕様とする必要がある。しかし、このような重量検出センサーの場合、検出分解能が低下することになるため、結晶が融液からまだ離間していないときでも重量変化量を0と誤検出してしまうおそれがある。そこで、上記のように単結晶の重量変化量が0となった時に単結晶とルツボとの間に直流あるいは交流の電圧を印加し、または直流あるいは交流の電流を流し、電流の流れが絶たれたことを検出することで、テール部が融液から離間したことを、より的確にかつ確実に検出することができる。
【0024】
また、単結晶の重量変化量が0となった時から所定時間経過後に前記単結晶のテール部が前記原料融液から確実に離間したと判断することもできる(請求項4)。
単結晶の重量変化量が0となったことを検出しても、特に高重量の単結晶の場合、実際にはテール部が融液から離間していないことがあるが、重量変化量が0となった時から所定時間、例えば数十分経過した後に単結晶のテール部が融液から離間したと判断するようにすれば、たとえ直径が300mm以上の大口径結晶を製造する場合にも単結晶のテール部が融液から離れたことを確実に判断することができる。
【0025】
また、前記単結晶のテール部が前記原料融液から離間したことを警報により作業者に知らせるようにすることが好ましい(請求項5)。
例えば、単結晶の単位時間または単位長さに対する重量変化量が0となった時、あるいはさらに単結晶とルツボとの間に電流が流れなくなった時、あるいは重量変化量が0となった時から所定時間経過後に警報音を吹鳴させるようにすれば、作業者が常に監視しなくてもテール部が原料融液から離間したことを知ることができ、作業負担を一層軽減することができる。
【0026】
また、本発明では、チョクラルスキー法により原料融液から単結晶を引き上げる際に使用する単結晶製造装置であって、少なくとも、前記原料融液を収容するルツボと前記原料融液を加熱する発熱体とを備えたチャンバーと、ワイヤーまたはシャフトを介して前記単結晶を回転させながら引き上げる結晶引き上げ手段と、前記ルツボを回転させながら昇降を行うルツボ制御手段とを有し、前記結晶引き上げ手段により引き上げられる単結晶の重量を検出する重量計と、検出した単結晶の重量の単位時間あたりまたは単位長さあたりの重量変化量を演算処理して単結晶のテール部が融液から離間したことを検出する離間検出手段とをさらに備えたことを特徴とする単結晶の製造装置が提供される(請求光6)。
【0027】
このような構成の装置を用いて単結晶を製造すれば、単結晶の重量の単位時間あたりまたは単位長さあたりの重量変化量を演算処理し、重量変化量が0となったことによって単結晶棒の融液からの離間を確実に検出することができる。従って、このような装置を用いて単結晶を育成し、テール部が融液から離間したことを重量変化量により自動的に検出するようにすれば、作業者を介することなく、結晶成長の全工程における自動化を推進することも可能となる。
【0028】
前記重量計としては、ロードセルを好適に使用することができる(請求項7)。
重量計をロードセルとすることにより高精度で安定的に単結晶の重量を検出することができ、信頼性を一層向上させることができる。
【0029】
また、ワイヤーまたはシャフトを通じて前記引き上げ中の単結晶とルツボとの間に電流が流れるように電圧源または電流源を備えることが好ましい(請求項8)。
このように単結晶とルツボとの間に電流を流すような直流あるいは交流の電圧源または直流あるいは交流の電流源を備えた装置とすれば、例えば直径200mm以上、特に300mmの大口径結晶を製造する場合でも、重量変化量が0となったことと、電流の流れが途絶えたことによって、融液から単結晶が離間したことをより正確に検出することができる。
【0030】
また、前記離間検出手段と連動させた警報機をさらに備えた装置とすることが好ましい(請求項9)。
このような警報機をさらに備えたものとすれば、結晶と融液との離間を警報音や警報ランプによって作業者に知らせることができるので、作業者の監視が不要となるとともに、単結晶の製造を一層自動化させることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
単結晶を育成させる場合、単結晶が成長されるに従い単結晶棒の重量が増加することになる。そして、単結晶を融液面から切り離す際、単結晶径を徐々に縮径させて逆円錐状のテール部を形成させることになるが、この時、結晶棒の重量増加は減少することになる。さらに、テール部が融液から離れると単結晶棒の重量増加量は0になる。
本発明者らは、単結晶の育成工程における単結晶棒の重量増加に着目し、単結晶棒と融液面とが離間したときの単結晶棒の急激な重量変化点を、単結晶引上げ終了の判断に利用することができることを見出し、本発明を完成させた。
【0032】
図1は、本発明に係る単結晶製造装置の一例を示したものである。この単結晶製造装置30は、従来の装置と同様、メインチャンバー2内に原料融液6を収容するルツボ1と原料融液を加熱する発熱体5とを備え、ルツボ1を回転させながら昇降を行うルツボ制御手段8とを有している。また、プルチャンバー4の上方には、ワイヤー13を介して単結晶3を回転させながら引き上げる結晶引き上げ手段12を備えており、さらに、結晶引き上げ手段により引き上げられる単結晶の重量を検出する重量計として、ロードセル16が設けられている。また、チャンバー2,4の外には制御装置17が設けられており、この制御装置17は、ロードセル16により検出した単結晶3の重量の単位時間あたりまたは単位長さあたりの重量変化量を演算処理して単結晶3のテール部が融液から離間したことを検出する離間検出手段と、離間検出手段と連動させた警報機が備えられている。
【0033】
さらにこの単結晶製造装置では、ワイヤー13を通じて引き上げ中の単結晶とルツボとの間に電流が流れるように電圧源18が設けられており、電流が流れているか否かを検出するための電流計19と、電圧印加のON/OFFを行うスイッチ機構20が設けられている。
なお、ここで電圧源としたが、電流源に置き換えても良いし、直流であっても交流であっても良いことは言うまでもない。
【0034】
このような単結晶製造装置30を用いて単結晶の育成を行うことで、テール部が原料融液から離間したことを単結晶の重量変化量から検出することができる。
図2(A)(B)は、単結晶を製造する際の育成時間に対する重量変化量をモデル的に示したものである。図2(A)に見られるように、ネック部21を形成した後直胴部23を形成して所定の長さの結晶を得るところは時間の経過とともに結晶の重量は徐々に一定の割合で増加する。そして、テール部24の形成時においては重量増加は緩やかになり、さらにテール部24が融液から離間すると、重量増加は一定となる。ここでの重量増加量は0となる。従って、単結晶を製造する際、育成時間に対して単結晶の重量変化量を常時検出しておけば、テール部24が原料融液から離間したことを単結晶の重量変化量から検出することができる。
【0035】
図2(B)は、引き上げ中の単結晶を、単位時間あたりの重量変化量に換算して示したものである。図2(B)に見られるように、コーン部22の形成時には増加量が急激に上昇し、直胴部形成中は重量増加量は一定となる。テール部の形成時は重量がほぼ飽和し、重量増加量は急激に低下していく。そして、単結晶のテール部が融液から離間すると増加量は0となる。
【0036】
従って、単結晶育成中の単結晶の重量Wを検出し、育成時間をTで表わしたときに、時間軸に対する重量変化量dW/dTを演算して求め、dW/dTの値が急激に0となったときをもって単結晶のテール部が融液から離間したことを判断することができる。なお、結晶の長さは育成時間の経過に応じてほぼ一定に増加するため、結晶の単位長さあたりの重量変化量、すなわち、結晶長さをLとしたとき、長さ軸に対する重量変化量dW/dLを演算して求めることでテール部が融液から離間したことを同様に判断することができる。
【0037】
このように単結晶の重量変化量に基づいてテール部が原料融液から離間したことを検出することができるが、大口径結晶の長尺・高重量仕様のロードセルの場合、小さい値の精度が下がるため、検出分解能が低下する。従って、増加量を0と検出しても実際にはテール部が融液から離間していない場合がある。そこで、重量変化量による検出と電流による検出を併用することでテール部が原料融液から離間したことをより的確に判断することができる。
【0038】
図3はロードセルに接続された制御装置と信号の処理フローを示している。CCDカメラ(光学系)により撮影された画像情報で単結晶棒の直径を求め、この情報を引き上げ速度、温度等の制御系にフィードバックすることにより、各育成工程において単結晶棒の直径を所定の値に制御することができる。そして、テール部の形成(丸め工程)において、ロードセルにより結晶重量を測定するとともに単位時間あたりの結晶重量変化量(dW/dT)を演算する。そして、単結晶の重量変化量が0(dW/dT=0)となった時に、単結晶とルツボとの間に例えば直流12Vの電圧を印加し、電流を測定する。このとき、テール部が融液から離間していないときは育成した単結晶と融液を通して電流が流れるが、離間したときには電流が流れなくなる。従って、電流が流れなくなった時に結晶と融液が離間したことを判断して警報音を発するようにすれば、作業者に確実に知らせることができる。
【0039】
なお、単結晶と石英ルツボ間に電圧を印加して電流を流すことは古くから行われているが、単結晶の品質への影響が考えられ、また、長時間電流を流すと石英ルツボが変形するおそれがある。しかしながら、上記のように結晶の重量変化量が0となった時に電流を流すようにすれば、テール部が融液から離間していなくても、短時間のうちに離間して電流の流れが途絶えることになるため、育成された単結晶や石英ルツボへ与える影響は殆どない。
【0040】
また、電流の有無を検出することのほかに、単結晶の重量変化量が0となった時から所定時間経過後に単結晶のテール部が原料融液から確実に離間したと判断することもできる。例えば、増加量が0となっても実際にはテール部が融液から離間していない場合、増加量が0となってから実際にテール部が融液から離間するまでの時間を予め測っておき、増加量が0となった時から少なくともその時間が経過するところでテール部が融液から確実に離間したと判断することができる。このような方法によれば、結晶と融液との間に電流を流すための装置を設ける必要が無く、簡易に判断することができる。
【0041】
なお、本発明者らによる実験によれば、直径300mmの結晶では、重量変化が0となった時点で直径20mm程度が湯面に接触している状態となっている場合があった。引き上げ速度は品種によって0.4〜1.0mm/min程度であるので、重量変化量が0となった時から引き上げ軸方向に最低30mm上がる時間(30分以上)を経過させた後に単結晶のテール部が融液から離間したと判断すれば良い。
【0042】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
<実施例1>
図1に示したような単結晶引き上げ装置であり、ここでは直径6インチ(150mm)、50kg以下の単結晶引上げ装置を用い、ルツボ中に原料多結晶シリコンを充填し、加熱、溶融後、ワイヤーの下端に保持された種結晶を融液に着液させた。種結晶の温度が融液温度と同程度になった後、融液の温度、引き上げ速度を調整して、ネック部、コーン部、肩部を順に育成し、その後、一定の直径を有する直胴部を形成した。直胴部が所定の長さに達した後、引上げ速度と融液の温度を上げ、結晶径を徐々に減少させてテール部を形成した。
【0043】
テール部の育成工程においては、ロードセルに接続された、コンピュータ内蔵の制御装置により重量変化量dW/dT値を逐一求めるようにした。そして、dW/dT=0(重量変化量が0)になったときを、単結晶のテール部と融液との離間、すなわち単結晶棒の成長終了と判定した。
制御装置が単結晶棒のテール部と融液との離間を判定すると、単結晶棒は、融液面から徐々に距離を取り、急激な温度変化を避けながら単結晶の温度を降下させ、常温付近まで下がったところで単結晶棒をプルチャンバーから取り出し、単結晶の育成を終了した。
【0044】
このように融液への種結晶の着液から単結晶の育成を終了し、単結晶棒を装置から取り出すまでの全工程にわたって無人自動制御が可能となった。
また、製造された単結晶棒は高品質でウエーハ収率の高いものであった。
【0045】
<実施例2>
直径12インチ(300mm)、200kg以上の大口径単結晶、長尺・高重量結晶用の装置においては、ロードセルにより常時結晶重量を検出し制御装置に信号を送り、丸め工程開始時から結晶重量の変化の演算を開始した。
結晶重量の変化が無くなった時(単位時間あるいは単位長さ当たりの結晶重量の増加が0となった時、つまり結晶重量の変化が検出限界以下になったときを示す)を丸め終了付近と判断した。丸め終了付近と判断されてからワイヤーとルツボ間に交流の電圧12Vを印加して流れる電流を検出し、検出電流が流れなくなった時を丸め終了と判断した。
これにより、テール部が融液から離間したことを正確に検出することができた。ここでも融液への種結晶の着液から単結晶の育成を終了し、単結晶棒を装置から取り出すまでの全工程にわたって無人自動制御が可能となった。
また、製造された単結晶棒は高品質でウエーハ収率の高いものであった。
【0046】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は単なる例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、単結晶のテール部が融液から離間したことを、単結晶棒の重量変化量から検出するものであり、特に、直径が200mmを超える大口径で高重量の単結晶を育成する場合には、単結晶の重量変化量が0となった時に単結晶とルツボとの間に電圧を印加して電流が流れなくなることによりテール部が原料融液から離間したことを瞬時に確実に判断することができる。
【0048】
従って、これまで困難とされてきた融液からの単結晶の離間を自動的に検出でき、単結晶製造の全プロセスに亙って無人自動制御による製造も可能となり、例えば、複数の引上げ機を一ヶ所で管理する引上げ装置の集中監視システムの導入に大きく寄与することができる。また昨今、大口径・長尺結晶製造のため、引上げ装置周囲に磁石を配置したMCZ機の導入が進んでいるが、本発明を適用することで、作業者を高磁界内に留めることなく単結晶を製造することができ、作業者の身体への負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る単結晶製造装置の一例を示す概略図である。
【図2】本発明により単結晶を製造する際の育成時間に対する重量変化をモデル的に示した図である。
(A)育成時間に対する結晶重量
(B)育成時間に対する単位時間あたりの重量変化量
【図3】本発明に係る単結晶製造方法の一例を示すフロー図である。
【図4】従来の単結晶製造装置を示す概略図である。
【符号の説明】
1…ルツボ、 2…メインチャンバー、 3…単結晶棒、
4…プルチャンバー、 5…発熱体(ヒーター)、 6…原料融液、
7…ペデスタル、 8…ルツボ回転機構、 9…ルツボ回転軸、
10…融液面、 11…光学系装置(CCDカメラ)、
12…結晶引き上げ回転機構、 13…ワイヤー、 14…ホルダー、
15…種結晶、 16…ロードセル、 17…制御装置、 18…電圧源、
19…電流計、 20…スイッチ機構、 21…ネック部、 22…コーン部、
23…直胴部、 24…テール部。
Claims (9)
- チョクラルスキー法によりルツボ内の原料融液から直胴部を有する単結晶を引き上げ、前記直胴部を徐々に縮径してテール部を形成した後に前記原料融液から離間させる単結晶の製造方法において、前記テール部が前記原料融液から離間したことを前記単結晶の重量変化量から検出することを特徴とする単結晶の製造方法。
- 前記引き上げ中の単結晶の重量を検出し、単位時間あたりまたは単位長さあたりの重量変化量を演算して求め、単位時間または単位長さに対する重量変化量が0となった時をもって前記テール部が前記原料融液から離間したと判断することを特徴とする請求項1に記載の単結晶の製造方法。
- 前記単結晶の重量変化量が0となった時に単結晶とルツボとの間に電圧を印加し、または電流を流し、前記単結晶のテール部が前記原料融液から離間したことを前記単結晶とルツボとの間に電流が流れなくなることにより検出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の単結晶の製造方法。
- 前記単結晶の重量変化量が0となった時から所定時間経過後に前記単結晶のテール部が前記原料融液から確実に離間したと判断することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の単結晶の製造方法。
- 前記単結晶のテール部が前記原料融液から離間したことを警報により作業者に知らせることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の単結晶の製造方法。
- チョクラルスキー法により原料融液から単結晶を引き上げる際に使用する単結晶製造装置であって、少なくとも、前記原料融液を収容するルツボと前記原料融液を加熱する発熱体とを備えたチャンバーと、ワイヤーまたはシャフトを介して前記単結晶を回転させながら引き上げる結晶引き上げ手段と、前記ルツボを回転させながら昇降を行うルツボ制御手段とを有し、前記結晶引き上げ手段により引き上げられる単結晶の重量を検出する重量計と、検出した単結晶の重量の単位時間あたりまたは単位長さあたりの重量変化量を演算処理して単結晶のテール部が融液から離間したことを検出する離間検出手段とをさらに備えたことを特徴とする単結晶の製造装置。
- 前記重量計がロードセルであることを特徴とする請求項6に記載の単結晶の製造装置。
- 前記ワイヤーまたはシャフトを通じて前記引き上げ中の単結晶とルツボとの間に電流が流れるように電圧源または電流源を備えたことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の単結晶の製造装置。
- 前記離間検出手段と連動させた警報機をさらに備えたことを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれか1項に記載の単結晶の製造装置。
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KR101324827B1 (ko) | 2010-12-10 | 2013-11-13 | 주식회사 스마코 | 단결정 사파이어 제조 방법 및 장치 |
KR101496511B1 (ko) | 2012-02-08 | 2015-02-27 | 주식회사 엘지화학 | 리튬 이차전지 |
KR101528063B1 (ko) * | 2013-12-09 | 2015-06-10 | 주식회사 엘지실트론 | 잉곳의 직경측정장치, 이를 포함하는 잉곳성장장치 및 잉곳성장방법 |
KR101540235B1 (ko) * | 2013-08-16 | 2015-07-29 | 주식회사 엘지실트론 | 단결정 잉곳제조장치 및 단결정 잉곳제조방법 |
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2003
- 2003-01-20 JP JP2003011032A patent/JP2004224585A/ja active Pending
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