JP2004221806A - 通信機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】利用者と電話機の距離及び、周囲の騒音を検出する回路を備え、該電話機のイヤーレシーバ、スピーカホンの音量調節、切り替えを、自動的に制御する通信機器を提供する。
【解決手段】利用者8と電話機5との距離を検出する距離センサー18と、受話機周囲の騒音を検出する騒音検出マイク19とを備え、距離計測によって検出された距離情報、騒音検出によって検出された騒音レベル情報に基づき、イヤーレシーバ14やスピーカホン16の音量を最適にし、またイヤーレシーバ14からスピーカホン16への切り替えも自動化する回路を備えた構成とする。
【選択図】 図1
【解決手段】利用者8と電話機5との距離を検出する距離センサー18と、受話機周囲の騒音を検出する騒音検出マイク19とを備え、距離計測によって検出された距離情報、騒音検出によって検出された騒音レベル情報に基づき、イヤーレシーバ14やスピーカホン16の音量を最適にし、またイヤーレシーバ14からスピーカホン16への切り替えも自動化する回路を備えた構成とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭用コードレス電話の子機や携帯電話などに備えられているイヤーレシーバ、スピーカホンに係り、通話中における音量調整、イヤーレシーバとスピーカホンヘの切り替え操作に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のコードレス電話機(子機側)や携帯電話機では、通話中におけるイヤーレシーバの音量調節、スピーカホンへの切換操作は、本体の操作釦により利用者自身が手動で操作しなければならなかった。これらは電話機の操作に不慣れな初心者や、年配の利用者にとっては煩わしい操作であり、特に最近の携帯電話機においてはソフトキーによる操作が主流となり、機器による操作が相違し、更に操作に熟練を要する様になってきている。
【0003】
これに対して、特開平5−199289号公報には、電話機と利用者との距離に応じて音量を自動制御することにより、上記のような煩わしさを解消しようとする技術が記載されている。また、特開平5−167663号公報には騒音測定手段の出力が所定のレベルを超えると、通常のハンドセットからマイクとスピーカに切換える技術が開示されている。また、特開平5−83353号公報には、騒音測定手段の出力に応じて予め選択された受話器あるいはスピーカの一方の発音出力を調整する技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−199289号公報
【特許文献2】
特開平5−167663号公報
【特許文献3】
特開平5−83353号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では距離検出のみ、あるいは周囲の騒音のみによる発音手段の切換えあるいは音量調節であり、聞こえ易さに影響の大きい他の一方に配慮されておらず、音量の最適化が不十分であるという問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の通信機器は、イヤーレシーバと、前記イヤーレシーバよりも大きい音量発生能力を備えたスピーカホンと、前記イヤーレシーバと通話者の距離を検出する距離検出部と、周辺騒音を検出する騒音検出部と、前記距離検出部により検出した距離情報と、前記騒音検出部により検出した周囲騒音情報に基づいて、前記イヤーレシーバ及び/又は前記スピーカホンの音量を調整する制御部と、を備えるように構成した。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を携帯電話機の場合について図1〜図9を用いて説明する。
【0008】
図1は本実施例の概略構成図である。本実施例の携帯電話機は通常の通話に使うイヤーレシーバ14(受話器)と携帯電話機5に内臓されたスピーカホン16を発音手段として備えている。また本実施例の携帯電話機は、受信時は携帯電話網9の電波をアンテナ部10で受け、受信処理、復調などを行う無線信号処理部11(以後RF部と称す)を介して通話制御部12に信号が送られる。発信時は、マイク15、より入力された利用者の音声信号が通話制御部12に送られ、更にRF部11で送信周波数に変調され、アンテナ部10から携帯電話網9に送信される。通話制御部12には数字釦6やその他の操作を行うセンター十字釦7などが接続され、電話機の機能設定や電番の入力、音量の調整、着信音の設定などの操作を行う。また受信した音声をイヤーレシーバ14やスピーカホン16で出力する場合、その音量を設定したり、切り換え指示入力を行ったりする。上記の携帯電話機は、電話機本体5と利用者8の間の距離を検出する距離検出回路17および距離センサー18を具備し、検出した距離情報を上記通話制御部12に送る。更に、通話時の周囲の騒音レベルを検出するために上記通話用マイク15とは別に、周囲の騒音を検出する騒音検出用マイク19、および騒音検出回路41を備え、騒音レベルを通話制御部12に送るようになっている。上記距離検出や騒音検出情報をもとに、イヤーレシーバ14、やスピーカホン16、の音量を制御し、自動調整する事が可能である。
【0009】
更に検出インジケータ44を本体の見え易い場所に設け、距離検出優先の場合と騒音検出優先の場合を色分けして表示し、どのように検出されているかを利用者に示すので、使用条件に合致した音量設定が行われているか否かを確認できる。
【0010】
先ず、距離検出優先での音量調整について説明する。図2は、距離検出回路17および距離センサー18を中心とした距離検出部の構成を示している。距離センサー部18の内部には発光素子31と受光素子32が内蔵されている。発光素子31より利用者8に向けて赤外線を照射し、利用者8から跳ね返った光を受光素子32で受ける。距離センサー18で検出された光の強さの信号を距離検出回路17に送る。ここで送られてきた情報を数値データに変換し、更に通話制御部12に送る。通話制御部12では、これに接続されているイヤーレシーバ14やスピーカホン16の音量調節、切り換え制御を行う。例えば利用者8からの反射光が強い場合は、利用者8が携帯電話機の近くにいるとみなし、イヤーレシーバ14やスピーカホン16の音量を現状値(初期値)で維持しておく様に制御する。また逆に、反射光の量が弱くなった場合は、利用者8が電話機本体5から離れている場合であり、イヤーレシーバ14の音量を大きくしたり、スピーカホン16へ切り換えたりして通話音声を聞き取り易くする。又、極端に距離が離れたと判定された場合や、距離検出が出来ない様な場合は、一定時間の距離検出をした後、検出動作を止め、通話を終了し、待ち受け状態にする。通話終了後は音量の設定が初期状態(例えば、スピーカホンはオフ、イヤーレシーバの音量は標準値)に戻す。
【0011】
上記、距離センサー18の取り付け位置は、図3の様に、利用者との距離が最も測り易く、手に持った時に隠れにくい事から、携帯電話機操作面(表面)の中心部に配置し、又距離測定の誤動作を防止するため、照射角度は上下左右20度程度にする。この角度が広すぎると、利用者以外に赤外線が反射し、距離検出の精度が劣化してしまう。
【0012】
次に上記距離センサー18による距離検出に基づく音量調整シーケンスを、図4を用いて説明する。先ず通話開始直後に初期設定を行い(S1)、続いて距離判定を行う(S2)。ここで検出した距離と、所定の第1のしきい値L1とを比較する(S3)。検出した距離が小さい場合(S3−no)は、検出された音量の調整が必要音量を所定のレベル、のステップ、例えば2dBづつ段階的に調整し、レシーバホン14から発音する(S4)。また、検出した距離がしきい値L1より大きい場合(S3−yes)は、前記検出距離を第2のしきい値L2と比較する(S5)。前記検出距離がL2より小さい場合(S5−no)、イヤーレシーバ14とスピーカホン16を、それぞれ前記検出距離に応じた音量で発音する(S6)。また前記検出距離がL2より大きい場合(S5−yes)、発音手段をイヤーレシーバからスピーカホンに切り換える(S7)。更に切り換え後の音量も、上記イヤーレシーバの場合と同様な方法で、利用者が聞き易い音量に調整する(S8)。音量の調整後は終話か、そうで無いかを判定し(S9)、終話でなければ音量の前回のとの差を検出する(S10)。音量の差が所定のしきい値を超えているか超えていないかを判定し(S11)、超えていなければ(S11−no)検出の間隔が最大値かそうでないかを判定し(S13)、最大でなければ(S13−no)検出間隔を大きくする(S14)。音量の差が所定のしきい値を超えていれば(S11−yes)、距離を測定する時間間隔を初期値に戻す(S12)。あるいは、所定の分だけ、測定の時間間隔を短くする。その後再度距離判定(S2)に戻って、以降を終話になるまで繰り返す。終話後は電話機の音量設定が初期設定(例えばスピカーホンはオフ、イヤーレシーバの音量は標準)になる様にしておく。上記において、前記検出距離がしきい値L1としきい値L2の間の場合、イヤーレシーバ14とスピーカホン16を、それぞれ単独の場合と同じ処理方法で発音量を設定し、発音するので、距離が少し変動したり、携帯電話機と使用者の耳の方向が想定状態よりずれても明瞭に聴き取ることができる。
【0013】
次に、騒音検出に基づく音量調整について説明する。携帯電話を利用する場所は、一般的に屋外や交通機関(自動車、電車)の中など周囲の騒音が大きい環境下での使用率が高い。静かな室内では十分聞き取れる音量であっても、上記の様な場所では同じ音量設定では音圧が低く、聞き取りにくい場合がある。また、複数の相手に電話の内容を伝達する場合は、イヤースピーカからスピーカホンに切り替えて使用する方が便利である。本発明は上記の様に周囲の騒音や通話時に妨害となる音が大きい所での使用、複数で電話の内容を聞き取る場合などにおいて自動的に音量設定することが可能である。
【0014】
図5は、騒音検出部を示したブロック図である。騒音検出部は、騒音を拾う騒音検出マイク19、騒音の音声帯域を制御するバンドパスフィルタ20及び帯域増幅回路43、騒音レベルを数値データに変換する騒音検出回路41で構成される。先ず信号の流れについて説明する。騒音検出マイク19で拾われた騒音は、バンドパスフィルタ20、帯域増幅回路43で帯域補正する。これは通話時に騒音と感じ易い帯域(例えば100Hz〜1kHz)だけを通過させ、騒音検出の感度を上げる為である。この後、騒音検出回路41で騒音レベルを数値データに変換し、この数値データを通話制御部12に送る。入力される数値データにより、騒音レベルの大きさが分かり、その大きさにより通話制御部12に接続されているイヤーレシーバ14やスピーカホン16の音量を調整する様にする。騒音検出マイク19の位置は、図6に示す様に、周囲の騒音を拾い易くする為、電話機本体5の背面に取り付け、広範囲の騒音を拾えるように、無指向性マイクを用いる。ここで、バンドパスフィルタ20や帯域増幅回路43で構成される帯域補正部について詳しく説明する。通話中における通話の相手の音声帯域は一般 に100Hz〜3kHzの帯域幅を持っている。この帯域が通話において最も必要な帯域であり、それ以外の帯域は特に必要としない音(騒音)とみなされる。例えば、自動車の騒音が甚だしい環境下での周波数成分は500Hz以下が多く、上記のバンドパスフィルタ20で通過させる事でノイズ成分として検出される。帯域補正部から通話制御回路12に帯域補正された騒音信号が送られる事になる。
【0015】
これら騒音として検出される帯域のレベルが増幅されて騒音検出回路41に送られる為、騒音検出感度を上げることが出来る。騒音検出回路41では上記で検出した騒音レベルに応じて数値データに変換し、その数値データが通話制御部12に接続されている、イヤーレシーバ14やスピーカホン16音量を調整する事ができる。
【0016】
次に、騒音検出のシーケンスを、図8を用いて説明する。携帯電話機が通話状態になると、まず各種パラメータが初期設定され(S21)、通話開始から一定時間後の騒音を検出する(S22)。前記検出した騒音レベルに基づき発音手段から出力すべき音量を設定する(S23)。前記音量設定レベルと所定の基準レベルAと比較する(S24)。前記音量設定レベルが前記基準レベルAより低ければ、前記設定レベルでイヤーレシーバ14を駆動する(S25)。一方、前記音量設定レベルが前記基準レベルAより高ければ、前記基準レベルAより高い基準値(レベルBとする)と比較する(S24)。前記音量設定レベルがレベルBより低小さい場合(S26−no)はイヤーレシーバ14とスピーカホン16を前記設定レベルに対応したそれぞれの出力で同時に駆動する(S27)。一方、前記音量設定レベルがレベルBよりも高い場合(S26−yes)はスピーカホン16に切り換える(S28)。スピーカホン16に切り換えた場合、その発音設定レベルに対応する入力値がスピーカの許容入力に対して大きいか小さいかの判定を行う(S29)。許容入力より小さい場合(S29−no)は、設定された音量でスピーカホン16の駆動を継続し(S31)、許容入力以上であった場合(S29−yes)は許容最大値に設定して(S30)スピーカホン16の駆動を継続する(S31)。上記、イヤーレシーバ14での駆動か、スピーカホン16での駆動かの判定は、騒音測定(S22)以降の処理を終話にならない(S32−no)間繰り返し、終話となれば(S32−yes)、初期状態に設定を戻す。
【0017】
上記の騒音検出において、通話時に発声するの利用者の“声”自体を騒音と誤検出してしまう事が考えられるが、本発明では以下の手段を用いる事で、この誤検出を防ぐ事が出来る。通話中における利用者の声と周囲の騒音とを識別する手段について以下に説明する。一般に騒音が気になるのは通話中相手の声がイヤーレシーバやスピーカホンから出力されている時、つまり相手の“声”を利用者が聞いている時(受話時)に限られる。逆に利用者自身が“声”を出して通話すとき(送話時)は、相手の声は聞いていない為、まわりの騒音を気する事は少ない。この事から、受話時のみ騒音検出を行い、送話時はこれを行わなければ自分の発する声を騒音と検出される事は無い。図9を用いて説明する。図9は利用者と電話機の距離が接近して、例えば図7の様に電話機本体を自分の顔に当てて、送話している場合を示している。送話時は、通話用のマイク15の入力音圧の方が、騒音検出用マイク19の入力音圧よりも大きくなる。音圧レベル比較回路22では通話マイク15と騒音検出マイク19の音圧レベルを比較し、通話マイク15側が大きい時に“H”電圧を出力する様になっている。音圧レベル比較回路22の出力が“H”の時は騒音検出41を“オフ”にし、距離検出のみの検出動作となる。通話制御回路12に接続されたイヤーレシーバ14や、スピーカホン16の音量調節は距離検出での制御となる。図9のように利用者の顔と電話機の距離が接近し、距離変化が起きていない場合、音量の変化は発生せず初期状態の通話音量設定となっている。利用者と電話機の距離が接近して、受話中(相手の話しを聞いている)の場合は上記送話の場合とは逆に、騒音検出マイク19の方が、通話マイク15の音圧より大きくなるため、音圧レベル比較回路22からは“L”電圧が出力され、騒音検出41を“オン”にする。この時は騒音検出マイクから入力される騒音レベルを検出し、先に図8を用いて説明した様な、騒音検出シーケンスにより、音量調節が行われる。以上の様に、音圧レベル比較回路22から出力される“H”あるいは “L”の電圧によって送話時か受話時かの識別が可能であるため、先に述べた騒音の誤検出を防ぐ事ができる。
【0018】
次に利用者が電話機本体から離れた位置で通話する場合、利用者の声と、まわりの騒音とを識別するのはレベル的に難しい。この場合は、距離検出による距離情報だけを検出し、騒音検出は“オフ”にするようにする。距離検出だけにする手段として、距離センサー18の一定時間内の変化量が、設定された基準値を超えた場合、距離検出部18から騒音検出部41に“H”電圧を送る様にする。“H”を受け取った騒音検出回路41は上記で説明した様に“オフ”になり騒音検出を行わない。利用者と電話機の距離が所定の距離より離れた場合のスピーカホン音量は、上記の距離検出により、初期値よりも大きくなる様に設定されるため、騒音検出による音量調節を行わなくても聞き取り易い状態に調整される。
【0019】
距離検出の動作を応用し、例えば、複数の利用者で通話内容を確認したい場合などは、通話の開始直後から電話機本体を離した位置に置く事で、距離検出によるスピーカホン切り換えが行われるため、本体操作を行う事無くスピーカホンから音を出す事が出来る。
【0020】
また、電話機本体5の目立つ位置に検出動作インジケータ44を設け、現在どちらの検出手段を使って音量調整しているかが分かるようにする。例えば距離検出をしている場合は“赤”を、騒音検出している場合は“橙”を色分けして点灯させる事も出来る。騒音検出マイク19は図6に示す様に、携帯電話機の背面(操作面とは逆の送話者に対して外側)に設置し、検出マイクとしては、無指向性のものを用いる。単一指向性の場合、騒音の発生源方向に本体背面を向けないと正確な検出ができないが、無指向性の場合、広範囲の音を検出出来、騒音検出マイク19の向き、つまり携帯電話機の背面をいちいち騒音発生源方向に向けなくても騒音が検出出来る為である。
【0021】
上記のように騒音検出用のマイク15を備えるのが測定精度の点で好ましいが、精度を要求されない場合は、送話用のマイクからの入力のうち、使用者が発声していないと判定される所定のレベル以下の時のレベルを騒音レベルとして採用することによって、騒音検出部として使用することが可能である。
【0022】
前述のように距離検出と、騒音検出を個別に行うと、音声出力の設定値の誤差が大きくなり易いので、2つのパラメータを同時に評価し、必要な音声出力を設定した方が望ましい。音声出力は、次の条件を満たすように設定する。
(1)携帯電話機から発した音声が使用者の耳に到達した時の音圧が、測定時点の騒音よりも所定のレベル(dB)以上高い。
(2)携帯電話機から発した音声が使用者の耳に到達した時の音圧が、一般の人が聴き易い所定のレベルである。
(3)発音手段(イヤーレーバやスピーカホン)の許容最大出力を超えない。
【0023】
上記原則に則り、音声出力を設定するのは、携帯電話機発音手段と使用者の間の距離による音圧の低減を推定する必要があるが、たとえば距離の所定の距離まで一定でそれ以降は距離の2乗に反比例するというような関係式を定めて、その式によって使用者の耳で感ずる音の音圧を推定すれば良い。前述の考え方に基づくイヤーレシーバとスピーカホンの切換えおよび出力調整の方法を図10のフローチャートに基づいて説明する。
【0024】
先ず通話開始後、携帯電話機は初期状態に設定され(S31)、一定時間の後、携帯電話機発音手段と使用者の間の距離及び周囲騒音の測定を行う(S32)。測定した値から発音量の設定を行う(S33)。設定された発音量と所定の基準値Cとを比較し、前記発音量設定レベルが切り換えレベルC以上かを判定する(S34)。前記発音量設定レベルが切り換えレベルCより低ければ(S34−no)、前記発音量設定レベルでイヤーレシーバ14を駆動する。前記発音量設定レベルが切り換えレベルC以上であれば(S34−yes)、さらにレベルCより高いレベルDと比較する。前記発音量設定レベルが切り換えレベルDより低ければ(S36−no)、イヤーレシーバ14とスピーカホン16を前記設定レベルに対応したそれぞれの出力で駆動する(S37)。前記発音量設定レベルが切り換えレベルDより高ければ(S36−yes)、スピーカホンに切換え(S38)、前記発音量設定レベルがスピーカホンの許容レベルと比較する(S39)。前記発音量設定レベルがスピーカホンの許容レベルより高い場合(S39−yes)、前記発音量設定レベルを許容最大値に設定し(S41)、スピーカホンを駆動する(S40)。前記発音量設定レベルがスピーカホンの許容レベルより低い場合(S39−no)、前記発音量設定レベルでスピーカホンを駆動する(S40)。
【0025】
上記のように設定された音量で、イヤーレシーバあるいはスピーカホンの駆動を継続しつつ、通話の終了判定を行う(S42)。通話が終了した場合(S42−yes)、初期状態に設定を戻し終話する。通話が続いている場合(S42−no)は更にその時点の音量設定レベルと前回の音量設定レベルの差を検出し(S43)、所定のしきい値より小さい場合(S43−no)は、ステップ32から始まる検出と設定の繰返しの時間間隔が最大値かどうかを見る(S46)。前記繰返し間隔が最大値である場合(S46−yes)はそのままの間隔で検出を続け、最大値でなければ(S46−no)間隔を大きくする(S47)。また、先の音量設定レベル差判定(S44)で所定のしきい値より大きい場合(S44−yes)は検出間隔を初期値に設定する(S45)。このとき、前記繰返し間隔を所定の時間だけ短くすることにしても良い。この後、最初に述べた距離と騒音判定(S32)に戻り、以降を終話まで繰り返す。
【0026】
実施例の通信機器によれば、利用者8と電話機5との距離を検出する距離計測部と、使用する時の周囲の騒音を検出する騒音検出部とを設け、これらの検出を併用してイヤーレシーバやスピーカホンの音量調整、切り換え制御を行う事で、通話品質の改善を図る事が出来る。また、利用者自身が手動で操作していた上記の通話音量調整、スピーカホンへの切り換え操作が自動化され、操作性の改善も図る事が出来る。
【0027】
【発明の効果】
本発明の通信機器によれば、通話品質の改善を図る事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の特徴である距離検出回路及び、騒音検出回路を備えた通信機器のブロック図である。
【図2】実施例の特徴のひとつである距離検出部を示したブロック図である。
【図3】実施例の特徴のひとつである距離検出センサーの設置位置、検出インジケータ設置位置などを示した図である。
【図4】実施例の特徴のひとつである距離検出による音量調整シーケンスを説明したフローチャートである。
【図5】実施例の特徴のひとつである騒音検出回部を示したブロック図である。
【図6】実施例の特徴のひとつである騒音検出マイクの設置位置を示した図である。
【図7】実施例の実施例のひとつで、利用者が電話機本体を近づけて使用している状態を示した図である。
【図8】実施例の特徴のひとつである騒音検出による音量調整シーケンスを説明したフローチャートである。
【図9】実施例の特徴である距離検出及び、騒音検出による音量調整方法を説明したブロック図である。
【図10】実施例の特徴である音量調整を、距離検出、騒音検出の2つの方法を総合して実施した場合のフローチャートである。
【符号の説明】
5:携帯電話本体、8:利用者、9:携帯電話回線網、10:アンテナ、
11:RF部、12:通信制御部、14:イヤーレシーバ、
15:マイク、16:スピーカホン、17、距離検出回路、
18:距離センサー、19:騒音検出マイク
20:帯域制限フィルタ(バンドパスフィルタ)、
22:音圧比較回路、23:送話/受話切り換え回路、
31:発光素子、32:受光素子、41:騒音検出回路、
43:帯域補正回路、44:検出動作インジケータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭用コードレス電話の子機や携帯電話などに備えられているイヤーレシーバ、スピーカホンに係り、通話中における音量調整、イヤーレシーバとスピーカホンヘの切り替え操作に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のコードレス電話機(子機側)や携帯電話機では、通話中におけるイヤーレシーバの音量調節、スピーカホンへの切換操作は、本体の操作釦により利用者自身が手動で操作しなければならなかった。これらは電話機の操作に不慣れな初心者や、年配の利用者にとっては煩わしい操作であり、特に最近の携帯電話機においてはソフトキーによる操作が主流となり、機器による操作が相違し、更に操作に熟練を要する様になってきている。
【0003】
これに対して、特開平5−199289号公報には、電話機と利用者との距離に応じて音量を自動制御することにより、上記のような煩わしさを解消しようとする技術が記載されている。また、特開平5−167663号公報には騒音測定手段の出力が所定のレベルを超えると、通常のハンドセットからマイクとスピーカに切換える技術が開示されている。また、特開平5−83353号公報には、騒音測定手段の出力に応じて予め選択された受話器あるいはスピーカの一方の発音出力を調整する技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−199289号公報
【特許文献2】
特開平5−167663号公報
【特許文献3】
特開平5−83353号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では距離検出のみ、あるいは周囲の騒音のみによる発音手段の切換えあるいは音量調節であり、聞こえ易さに影響の大きい他の一方に配慮されておらず、音量の最適化が不十分であるという問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の通信機器は、イヤーレシーバと、前記イヤーレシーバよりも大きい音量発生能力を備えたスピーカホンと、前記イヤーレシーバと通話者の距離を検出する距離検出部と、周辺騒音を検出する騒音検出部と、前記距離検出部により検出した距離情報と、前記騒音検出部により検出した周囲騒音情報に基づいて、前記イヤーレシーバ及び/又は前記スピーカホンの音量を調整する制御部と、を備えるように構成した。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を携帯電話機の場合について図1〜図9を用いて説明する。
【0008】
図1は本実施例の概略構成図である。本実施例の携帯電話機は通常の通話に使うイヤーレシーバ14(受話器)と携帯電話機5に内臓されたスピーカホン16を発音手段として備えている。また本実施例の携帯電話機は、受信時は携帯電話網9の電波をアンテナ部10で受け、受信処理、復調などを行う無線信号処理部11(以後RF部と称す)を介して通話制御部12に信号が送られる。発信時は、マイク15、より入力された利用者の音声信号が通話制御部12に送られ、更にRF部11で送信周波数に変調され、アンテナ部10から携帯電話網9に送信される。通話制御部12には数字釦6やその他の操作を行うセンター十字釦7などが接続され、電話機の機能設定や電番の入力、音量の調整、着信音の設定などの操作を行う。また受信した音声をイヤーレシーバ14やスピーカホン16で出力する場合、その音量を設定したり、切り換え指示入力を行ったりする。上記の携帯電話機は、電話機本体5と利用者8の間の距離を検出する距離検出回路17および距離センサー18を具備し、検出した距離情報を上記通話制御部12に送る。更に、通話時の周囲の騒音レベルを検出するために上記通話用マイク15とは別に、周囲の騒音を検出する騒音検出用マイク19、および騒音検出回路41を備え、騒音レベルを通話制御部12に送るようになっている。上記距離検出や騒音検出情報をもとに、イヤーレシーバ14、やスピーカホン16、の音量を制御し、自動調整する事が可能である。
【0009】
更に検出インジケータ44を本体の見え易い場所に設け、距離検出優先の場合と騒音検出優先の場合を色分けして表示し、どのように検出されているかを利用者に示すので、使用条件に合致した音量設定が行われているか否かを確認できる。
【0010】
先ず、距離検出優先での音量調整について説明する。図2は、距離検出回路17および距離センサー18を中心とした距離検出部の構成を示している。距離センサー部18の内部には発光素子31と受光素子32が内蔵されている。発光素子31より利用者8に向けて赤外線を照射し、利用者8から跳ね返った光を受光素子32で受ける。距離センサー18で検出された光の強さの信号を距離検出回路17に送る。ここで送られてきた情報を数値データに変換し、更に通話制御部12に送る。通話制御部12では、これに接続されているイヤーレシーバ14やスピーカホン16の音量調節、切り換え制御を行う。例えば利用者8からの反射光が強い場合は、利用者8が携帯電話機の近くにいるとみなし、イヤーレシーバ14やスピーカホン16の音量を現状値(初期値)で維持しておく様に制御する。また逆に、反射光の量が弱くなった場合は、利用者8が電話機本体5から離れている場合であり、イヤーレシーバ14の音量を大きくしたり、スピーカホン16へ切り換えたりして通話音声を聞き取り易くする。又、極端に距離が離れたと判定された場合や、距離検出が出来ない様な場合は、一定時間の距離検出をした後、検出動作を止め、通話を終了し、待ち受け状態にする。通話終了後は音量の設定が初期状態(例えば、スピーカホンはオフ、イヤーレシーバの音量は標準値)に戻す。
【0011】
上記、距離センサー18の取り付け位置は、図3の様に、利用者との距離が最も測り易く、手に持った時に隠れにくい事から、携帯電話機操作面(表面)の中心部に配置し、又距離測定の誤動作を防止するため、照射角度は上下左右20度程度にする。この角度が広すぎると、利用者以外に赤外線が反射し、距離検出の精度が劣化してしまう。
【0012】
次に上記距離センサー18による距離検出に基づく音量調整シーケンスを、図4を用いて説明する。先ず通話開始直後に初期設定を行い(S1)、続いて距離判定を行う(S2)。ここで検出した距離と、所定の第1のしきい値L1とを比較する(S3)。検出した距離が小さい場合(S3−no)は、検出された音量の調整が必要音量を所定のレベル、のステップ、例えば2dBづつ段階的に調整し、レシーバホン14から発音する(S4)。また、検出した距離がしきい値L1より大きい場合(S3−yes)は、前記検出距離を第2のしきい値L2と比較する(S5)。前記検出距離がL2より小さい場合(S5−no)、イヤーレシーバ14とスピーカホン16を、それぞれ前記検出距離に応じた音量で発音する(S6)。また前記検出距離がL2より大きい場合(S5−yes)、発音手段をイヤーレシーバからスピーカホンに切り換える(S7)。更に切り換え後の音量も、上記イヤーレシーバの場合と同様な方法で、利用者が聞き易い音量に調整する(S8)。音量の調整後は終話か、そうで無いかを判定し(S9)、終話でなければ音量の前回のとの差を検出する(S10)。音量の差が所定のしきい値を超えているか超えていないかを判定し(S11)、超えていなければ(S11−no)検出の間隔が最大値かそうでないかを判定し(S13)、最大でなければ(S13−no)検出間隔を大きくする(S14)。音量の差が所定のしきい値を超えていれば(S11−yes)、距離を測定する時間間隔を初期値に戻す(S12)。あるいは、所定の分だけ、測定の時間間隔を短くする。その後再度距離判定(S2)に戻って、以降を終話になるまで繰り返す。終話後は電話機の音量設定が初期設定(例えばスピカーホンはオフ、イヤーレシーバの音量は標準)になる様にしておく。上記において、前記検出距離がしきい値L1としきい値L2の間の場合、イヤーレシーバ14とスピーカホン16を、それぞれ単独の場合と同じ処理方法で発音量を設定し、発音するので、距離が少し変動したり、携帯電話機と使用者の耳の方向が想定状態よりずれても明瞭に聴き取ることができる。
【0013】
次に、騒音検出に基づく音量調整について説明する。携帯電話を利用する場所は、一般的に屋外や交通機関(自動車、電車)の中など周囲の騒音が大きい環境下での使用率が高い。静かな室内では十分聞き取れる音量であっても、上記の様な場所では同じ音量設定では音圧が低く、聞き取りにくい場合がある。また、複数の相手に電話の内容を伝達する場合は、イヤースピーカからスピーカホンに切り替えて使用する方が便利である。本発明は上記の様に周囲の騒音や通話時に妨害となる音が大きい所での使用、複数で電話の内容を聞き取る場合などにおいて自動的に音量設定することが可能である。
【0014】
図5は、騒音検出部を示したブロック図である。騒音検出部は、騒音を拾う騒音検出マイク19、騒音の音声帯域を制御するバンドパスフィルタ20及び帯域増幅回路43、騒音レベルを数値データに変換する騒音検出回路41で構成される。先ず信号の流れについて説明する。騒音検出マイク19で拾われた騒音は、バンドパスフィルタ20、帯域増幅回路43で帯域補正する。これは通話時に騒音と感じ易い帯域(例えば100Hz〜1kHz)だけを通過させ、騒音検出の感度を上げる為である。この後、騒音検出回路41で騒音レベルを数値データに変換し、この数値データを通話制御部12に送る。入力される数値データにより、騒音レベルの大きさが分かり、その大きさにより通話制御部12に接続されているイヤーレシーバ14やスピーカホン16の音量を調整する様にする。騒音検出マイク19の位置は、図6に示す様に、周囲の騒音を拾い易くする為、電話機本体5の背面に取り付け、広範囲の騒音を拾えるように、無指向性マイクを用いる。ここで、バンドパスフィルタ20や帯域増幅回路43で構成される帯域補正部について詳しく説明する。通話中における通話の相手の音声帯域は一般 に100Hz〜3kHzの帯域幅を持っている。この帯域が通話において最も必要な帯域であり、それ以外の帯域は特に必要としない音(騒音)とみなされる。例えば、自動車の騒音が甚だしい環境下での周波数成分は500Hz以下が多く、上記のバンドパスフィルタ20で通過させる事でノイズ成分として検出される。帯域補正部から通話制御回路12に帯域補正された騒音信号が送られる事になる。
【0015】
これら騒音として検出される帯域のレベルが増幅されて騒音検出回路41に送られる為、騒音検出感度を上げることが出来る。騒音検出回路41では上記で検出した騒音レベルに応じて数値データに変換し、その数値データが通話制御部12に接続されている、イヤーレシーバ14やスピーカホン16音量を調整する事ができる。
【0016】
次に、騒音検出のシーケンスを、図8を用いて説明する。携帯電話機が通話状態になると、まず各種パラメータが初期設定され(S21)、通話開始から一定時間後の騒音を検出する(S22)。前記検出した騒音レベルに基づき発音手段から出力すべき音量を設定する(S23)。前記音量設定レベルと所定の基準レベルAと比較する(S24)。前記音量設定レベルが前記基準レベルAより低ければ、前記設定レベルでイヤーレシーバ14を駆動する(S25)。一方、前記音量設定レベルが前記基準レベルAより高ければ、前記基準レベルAより高い基準値(レベルBとする)と比較する(S24)。前記音量設定レベルがレベルBより低小さい場合(S26−no)はイヤーレシーバ14とスピーカホン16を前記設定レベルに対応したそれぞれの出力で同時に駆動する(S27)。一方、前記音量設定レベルがレベルBよりも高い場合(S26−yes)はスピーカホン16に切り換える(S28)。スピーカホン16に切り換えた場合、その発音設定レベルに対応する入力値がスピーカの許容入力に対して大きいか小さいかの判定を行う(S29)。許容入力より小さい場合(S29−no)は、設定された音量でスピーカホン16の駆動を継続し(S31)、許容入力以上であった場合(S29−yes)は許容最大値に設定して(S30)スピーカホン16の駆動を継続する(S31)。上記、イヤーレシーバ14での駆動か、スピーカホン16での駆動かの判定は、騒音測定(S22)以降の処理を終話にならない(S32−no)間繰り返し、終話となれば(S32−yes)、初期状態に設定を戻す。
【0017】
上記の騒音検出において、通話時に発声するの利用者の“声”自体を騒音と誤検出してしまう事が考えられるが、本発明では以下の手段を用いる事で、この誤検出を防ぐ事が出来る。通話中における利用者の声と周囲の騒音とを識別する手段について以下に説明する。一般に騒音が気になるのは通話中相手の声がイヤーレシーバやスピーカホンから出力されている時、つまり相手の“声”を利用者が聞いている時(受話時)に限られる。逆に利用者自身が“声”を出して通話すとき(送話時)は、相手の声は聞いていない為、まわりの騒音を気する事は少ない。この事から、受話時のみ騒音検出を行い、送話時はこれを行わなければ自分の発する声を騒音と検出される事は無い。図9を用いて説明する。図9は利用者と電話機の距離が接近して、例えば図7の様に電話機本体を自分の顔に当てて、送話している場合を示している。送話時は、通話用のマイク15の入力音圧の方が、騒音検出用マイク19の入力音圧よりも大きくなる。音圧レベル比較回路22では通話マイク15と騒音検出マイク19の音圧レベルを比較し、通話マイク15側が大きい時に“H”電圧を出力する様になっている。音圧レベル比較回路22の出力が“H”の時は騒音検出41を“オフ”にし、距離検出のみの検出動作となる。通話制御回路12に接続されたイヤーレシーバ14や、スピーカホン16の音量調節は距離検出での制御となる。図9のように利用者の顔と電話機の距離が接近し、距離変化が起きていない場合、音量の変化は発生せず初期状態の通話音量設定となっている。利用者と電話機の距離が接近して、受話中(相手の話しを聞いている)の場合は上記送話の場合とは逆に、騒音検出マイク19の方が、通話マイク15の音圧より大きくなるため、音圧レベル比較回路22からは“L”電圧が出力され、騒音検出41を“オン”にする。この時は騒音検出マイクから入力される騒音レベルを検出し、先に図8を用いて説明した様な、騒音検出シーケンスにより、音量調節が行われる。以上の様に、音圧レベル比較回路22から出力される“H”あるいは “L”の電圧によって送話時か受話時かの識別が可能であるため、先に述べた騒音の誤検出を防ぐ事ができる。
【0018】
次に利用者が電話機本体から離れた位置で通話する場合、利用者の声と、まわりの騒音とを識別するのはレベル的に難しい。この場合は、距離検出による距離情報だけを検出し、騒音検出は“オフ”にするようにする。距離検出だけにする手段として、距離センサー18の一定時間内の変化量が、設定された基準値を超えた場合、距離検出部18から騒音検出部41に“H”電圧を送る様にする。“H”を受け取った騒音検出回路41は上記で説明した様に“オフ”になり騒音検出を行わない。利用者と電話機の距離が所定の距離より離れた場合のスピーカホン音量は、上記の距離検出により、初期値よりも大きくなる様に設定されるため、騒音検出による音量調節を行わなくても聞き取り易い状態に調整される。
【0019】
距離検出の動作を応用し、例えば、複数の利用者で通話内容を確認したい場合などは、通話の開始直後から電話機本体を離した位置に置く事で、距離検出によるスピーカホン切り換えが行われるため、本体操作を行う事無くスピーカホンから音を出す事が出来る。
【0020】
また、電話機本体5の目立つ位置に検出動作インジケータ44を設け、現在どちらの検出手段を使って音量調整しているかが分かるようにする。例えば距離検出をしている場合は“赤”を、騒音検出している場合は“橙”を色分けして点灯させる事も出来る。騒音検出マイク19は図6に示す様に、携帯電話機の背面(操作面とは逆の送話者に対して外側)に設置し、検出マイクとしては、無指向性のものを用いる。単一指向性の場合、騒音の発生源方向に本体背面を向けないと正確な検出ができないが、無指向性の場合、広範囲の音を検出出来、騒音検出マイク19の向き、つまり携帯電話機の背面をいちいち騒音発生源方向に向けなくても騒音が検出出来る為である。
【0021】
上記のように騒音検出用のマイク15を備えるのが測定精度の点で好ましいが、精度を要求されない場合は、送話用のマイクからの入力のうち、使用者が発声していないと判定される所定のレベル以下の時のレベルを騒音レベルとして採用することによって、騒音検出部として使用することが可能である。
【0022】
前述のように距離検出と、騒音検出を個別に行うと、音声出力の設定値の誤差が大きくなり易いので、2つのパラメータを同時に評価し、必要な音声出力を設定した方が望ましい。音声出力は、次の条件を満たすように設定する。
(1)携帯電話機から発した音声が使用者の耳に到達した時の音圧が、測定時点の騒音よりも所定のレベル(dB)以上高い。
(2)携帯電話機から発した音声が使用者の耳に到達した時の音圧が、一般の人が聴き易い所定のレベルである。
(3)発音手段(イヤーレーバやスピーカホン)の許容最大出力を超えない。
【0023】
上記原則に則り、音声出力を設定するのは、携帯電話機発音手段と使用者の間の距離による音圧の低減を推定する必要があるが、たとえば距離の所定の距離まで一定でそれ以降は距離の2乗に反比例するというような関係式を定めて、その式によって使用者の耳で感ずる音の音圧を推定すれば良い。前述の考え方に基づくイヤーレシーバとスピーカホンの切換えおよび出力調整の方法を図10のフローチャートに基づいて説明する。
【0024】
先ず通話開始後、携帯電話機は初期状態に設定され(S31)、一定時間の後、携帯電話機発音手段と使用者の間の距離及び周囲騒音の測定を行う(S32)。測定した値から発音量の設定を行う(S33)。設定された発音量と所定の基準値Cとを比較し、前記発音量設定レベルが切り換えレベルC以上かを判定する(S34)。前記発音量設定レベルが切り換えレベルCより低ければ(S34−no)、前記発音量設定レベルでイヤーレシーバ14を駆動する。前記発音量設定レベルが切り換えレベルC以上であれば(S34−yes)、さらにレベルCより高いレベルDと比較する。前記発音量設定レベルが切り換えレベルDより低ければ(S36−no)、イヤーレシーバ14とスピーカホン16を前記設定レベルに対応したそれぞれの出力で駆動する(S37)。前記発音量設定レベルが切り換えレベルDより高ければ(S36−yes)、スピーカホンに切換え(S38)、前記発音量設定レベルがスピーカホンの許容レベルと比較する(S39)。前記発音量設定レベルがスピーカホンの許容レベルより高い場合(S39−yes)、前記発音量設定レベルを許容最大値に設定し(S41)、スピーカホンを駆動する(S40)。前記発音量設定レベルがスピーカホンの許容レベルより低い場合(S39−no)、前記発音量設定レベルでスピーカホンを駆動する(S40)。
【0025】
上記のように設定された音量で、イヤーレシーバあるいはスピーカホンの駆動を継続しつつ、通話の終了判定を行う(S42)。通話が終了した場合(S42−yes)、初期状態に設定を戻し終話する。通話が続いている場合(S42−no)は更にその時点の音量設定レベルと前回の音量設定レベルの差を検出し(S43)、所定のしきい値より小さい場合(S43−no)は、ステップ32から始まる検出と設定の繰返しの時間間隔が最大値かどうかを見る(S46)。前記繰返し間隔が最大値である場合(S46−yes)はそのままの間隔で検出を続け、最大値でなければ(S46−no)間隔を大きくする(S47)。また、先の音量設定レベル差判定(S44)で所定のしきい値より大きい場合(S44−yes)は検出間隔を初期値に設定する(S45)。このとき、前記繰返し間隔を所定の時間だけ短くすることにしても良い。この後、最初に述べた距離と騒音判定(S32)に戻り、以降を終話まで繰り返す。
【0026】
実施例の通信機器によれば、利用者8と電話機5との距離を検出する距離計測部と、使用する時の周囲の騒音を検出する騒音検出部とを設け、これらの検出を併用してイヤーレシーバやスピーカホンの音量調整、切り換え制御を行う事で、通話品質の改善を図る事が出来る。また、利用者自身が手動で操作していた上記の通話音量調整、スピーカホンへの切り換え操作が自動化され、操作性の改善も図る事が出来る。
【0027】
【発明の効果】
本発明の通信機器によれば、通話品質の改善を図る事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の特徴である距離検出回路及び、騒音検出回路を備えた通信機器のブロック図である。
【図2】実施例の特徴のひとつである距離検出部を示したブロック図である。
【図3】実施例の特徴のひとつである距離検出センサーの設置位置、検出インジケータ設置位置などを示した図である。
【図4】実施例の特徴のひとつである距離検出による音量調整シーケンスを説明したフローチャートである。
【図5】実施例の特徴のひとつである騒音検出回部を示したブロック図である。
【図6】実施例の特徴のひとつである騒音検出マイクの設置位置を示した図である。
【図7】実施例の実施例のひとつで、利用者が電話機本体を近づけて使用している状態を示した図である。
【図8】実施例の特徴のひとつである騒音検出による音量調整シーケンスを説明したフローチャートである。
【図9】実施例の特徴である距離検出及び、騒音検出による音量調整方法を説明したブロック図である。
【図10】実施例の特徴である音量調整を、距離検出、騒音検出の2つの方法を総合して実施した場合のフローチャートである。
【符号の説明】
5:携帯電話本体、8:利用者、9:携帯電話回線網、10:アンテナ、
11:RF部、12:通信制御部、14:イヤーレシーバ、
15:マイク、16:スピーカホン、17、距離検出回路、
18:距離センサー、19:騒音検出マイク
20:帯域制限フィルタ(バンドパスフィルタ)、
22:音圧比較回路、23:送話/受話切り換え回路、
31:発光素子、32:受光素子、41:騒音検出回路、
43:帯域補正回路、44:検出動作インジケータ
Claims (4)
- イヤーレシーバと、
前記イヤーレシーバよりも大きい音量発生能力を備えたスピーカホンと、
前記イヤーレシーバと通話者の距離を検出する距離検出部と、
周辺騒音を検出する騒音検出部と、
前記距離検出部により検出した距離情報と、前記騒音検出部により検出した周囲騒音情報に基づいて、前記イヤーレシーバ及び/又は前記スピーカホンの音量を調整する制御部と、を備えることを特徴とする通信機器。 - 請求項1に記載の通信機器であって、
前記距離検出部により検出した距離情報と、前記騒音検出部により検出した周囲騒音情報に基づいて、前記イヤーレシーバ及び/又は前記スピーカホンを動作するように切り替えることを特徴とする通信機器。 - 請求項1に記載の通信機器であって、
前記騒音検出部は、通話時の周辺騒音を検出することを特徴とする通信機器。 - 請求項3に記載の通信機器であって、
前記騒音検出部で検出された通話時の周辺騒音情報に基づき、前記イヤーレシーバ及び/又は前記スピーカホンを動作するように切り替えることを特徴とする通信機器。
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